「Juke」と一致するもの

interview with Autechre - ele-king


Autechre
NTS Sessions

Warp/ビート

Avant-Techno

  このインタヴューは去る6月15日13時30分からおよそ50分にわたって、渋谷のカフェでおこなわれた。来日ライヴの翌々日。梅雨のまっただなかで、朝から雨が降っていた。当日の通訳は原口美穂さんがやってくれたが、細かいところを訳すために片岡彩子さんにお願いして、英文起こしをしていただいた。せっかくなので英文のほうも(いちぶ聞き取りできない箇所もアリ)も掲載する。
 PCとインターネットが普及したことで、ベッドルーム・エレクトロニック・ミュージックの飽和状態はさらに過密化している今日この頃、専制的な均質化への抵抗としてのオウテカはいまだ健在だ。物語を持たない音の粉砕機械は、『Chiastic Slide』(1997年)でいっきに加速し、方向性すらもたない音のうごめきと複雑なテクスチャー、音の微粒子は『Confield』(2001年)でさらにまたギアが入っている。なんのことかわらないって? そう、まさに。そのなんのことかわからないことをオウテカは追求しているのだからしょーがない。誰もが慣れ親しんでいないことを、しかし親しんでもらうという矛盾で彼らを言い直すこともできるだろう。反エリート主義であり、徹底した反ポピュリズム。以下の取材でも彼らはSpotifyを激しく罵っているが、あらかじめ定められた目的別に音楽が消費されていく様は、彼らからしたらジョージ・オーウェル的な悪夢でしかないだろう。
 そういう意味でオウテカは、いま現在も長いものに巻かれないでいるし、逆らっていると言える。10人聴いたら10人が違う感想文を書くであろう音楽。この現実のようにカオスな音楽。それは感じる音楽であり、体験する音楽だ。先頃リリースされた8枚組(アナログ盤では12枚組)『NTS Sessions』でも同じことが言えるかもしれない。4つのセクションからなるこの大作だが、ぼくが驚いたのは、彼らがこのおよそ16時間をひとつの作品として考えていることだった。まあ、型破りな彼ららしい考えとも言えるが。
 90年代後半において、オウテカがビョークやレディオヘッドに影響を与えた作品は、『LP5』(1998年)や「EP7」(1999年)の頃で、そしてこれら『Chiastic Slide』以降のオウテカのひとつの節目としてリリースされたのが「Peel Session」(1999年)と「Peel Session2」(2000年)だったことを思い出す。『Confield』(2001年)以降を第三期オウテカと言えるなら、『NTS Sessions』はそれから『Exai』(2013年)までのオウテカ、近年の彼らの節目となりうる作品と見ることができるだろう。そしてそれは次なる段階へのドラフト(草案)なのだ。
 オウテカの2人と会ったのはものすごく久しぶり、ヘタしたら2000年代前半に、田中宗一郎と同じ車に乗って田舎の彼らのスタジオまで行ったとき以来ではないだろうか。それでもロブ・ブラウンとショーン・ブースは「あー、久しぶりだねー」みたいな感じで、1995年に彼らが初めて(ライヴのためではなく)来日したときに取材した頃とあんまり変わっていない。気さくで、オネストで、飾らず、良い奴らのままだった。

いまはそ完全に新しいものをいきなり出してもオーディエンスは付いてきてくれる。シュトックハウゼンが昔、オーディエンスは進化すると言っていたけど、それは本当だった。オーディエンスは進化したんだ。

この前のショウはとても良かったです。フロアは真っ暗で何も見えませんでしたが、ステージからフロアの様子は見えましたか?

ショーン:ぼくたちには(会場にいる)誰よりも見えているんだ。でも、耳を使っているんだ。観客が何をしてるか、耳で聞いている。
Sean:We see much better than everybody else. And.. But you can.. Mainly ears, you know, because you can hear what crowd are doing, what I think, you know... and...

ロブ:知覚を使って、場を感覚的に捉えることができる。会場の皆も、最初の真っ暗で何も見えない状態から、だんだん目が慣れてきて、最後の頃にはかなり見えていると思うよ。
Rob:You definitely get a feel for what it is. That’s more senses working part(?), but I think your initial feeling of the absolute darkness goes away all the time because people can see it by the end. People may get used it  

ショーン:少しはね、だって本当に暗いから……。
Sean:A little bit. Its very dark...

ロブ:リキッドルームはブラック・ボックスに向いている会場だね。
Rob: Liquid Room is good for black, box.

ライヴをしているほうからしてもオーディエンスの顔が見ないと思いますけれど、歓声やその場の雰囲気によってライヴの演奏は変わっていくものですか?

ショーン:そう、いろいろ変えることができる。リキッドルームでやったセットでは、オーディエンスを焦らしに焦らしたような気がする。このセットは、クラブでも着席するような場所でも、できるものだけれど……。このセットでヨーロッパをツアーしたんだけど、会場は(着席型の)コンサートホールが多かったんだ。
Sean:Yeah, we can change lots of things. It’s like the set in the Liquid Room, I had a sense that we were teasing the audience a lot, and it was.. we originally brought out the set so we could play either in clubs or a seated...In Europe, when we toured with the set, we played a lot in concert halls.

クラブやライヴハウスではなくコンサートホールってことですね?

ショーン:そう。クラブでも対応できるようにフレキシブルに作ってあるセットだけど、日本ならぼくたちが自由にやってもわかってくれると思ったし、リキッドルームはトラディショナルなクラブ・スペースだから、オーディエンスをどこまでプッシュできるか試してみたかったんだ。最後の最後まで、ビートがあるトラックはかけなかった。ビートを入れてからもそれを覆すようなことをした。オーディエンスを、できるだけ遠くまでプッシュしたかったんだ。それから、東京に来るのは久しぶりで、最後に来たときよりも、ぼくたちは進化していて、変化した部分がたくさんあるんだ。(あのセットは)それを短い時間でオーディエンスに伝える、ぼくたちなりのコミュニケーションの仕方だったと思う。
Sean:Yeah, so we made it so we can flex a little bit and play it in clubs, but for Liquid Room gig, because we felt like in Japan we can get away with more. And we thought it would be ok to play it in Liquid Room as a..., which is really a traditional, more of a club space, but to try and push the audience as far as we could. We left it until really close to the end before we gave them some tracks with beats. Even then, once we delivered that beat, we started to subvert it. We wanted to push the audience as far as we could. And, I think, it’s been a while since we’ve been to Tokyo, we have kind of evolved quite a bit since we were last here, and I guess it was our way of communicating very quickly.. a lot of changes to the audience.

ロブ:そうそう。
Rob: Yeah.

ショーン:Subvert (サブヴァート)したかったんだ。ぼくにとって、リキッドルームはトラディショナルなクラブ・スペースというイメージがある。ジェフ・ミルズを連想させるようなね。ジェフは、彼独特の方向に(ディレクション)にオーディエンスをプッシュするアーティストだ。ぼくたちはぼくたちの、オウテカのディレクションに、オーディエンスを出来るだけ遠くにプッシュしたいんだ。彼らが普段リキッドルームで体験するものとは、まったく違うものを聴かせたかった。
Sean:We wanted to.. subvert.. I think traditional Liquid Room is a club space, I mean, for me, I‘m in UK, so I don’t see every Liquid Room. I would associate Liquid Room with Jeff Mills. And Jeff is an artist who pushes audience in his direction very particularly. I think we want to push the audience in Autechre direction, as far as we can. Not give them what they traditionally get in Liquid Room. Give them something really really different.

ロブ:ヨーロッパで同じセットをやったけれど、オーディエンスは着席しているあいだなら静かにしている傾向にあった。東京のクラウド(観客)は、いつも静かだ。本当に聴き入ってるから。だから、リキッドルームはトラディショナルなクラブ・スペースだけれど、東京のクラウドならぼくたちのやりたい両方のことができると思ったんだ。
Rob:When we did the same set in Europe, like shows with more seated people, they tend to be quieter. Straight way. Tokyo crowd is always quiet, because they are really listening. So we knew the Liquid Room space would be the traditional club, but with Tokyo audience, so we could do both of our things.

ショーン:ヨーロッパだとオーディエンスに静かにしていてもらいたい場合は、彼らを座らせなきゃいけない。
Sean:In Europe, if you want people to be quiet, you have to sit them down.

ていうか、日本はマニアックなファンがすごく多いんですよ。欧米でもそうかもしれませんが。

ロブ:抑制が聴いていて、きちんと待っていてくれる。聴こえているんだ。
Rob: They are restrain and they wait. Because they would hear it.

ショーン:本当に静かだった。ベース(低音)も、かなり低いところまで持っていった。ダイナミック・レンジでいう低いところだ。
Sean:They were really quiet. There were some bass in the set, we were really trying to push it far down. Down in the dynamic range.

ベースにもいろいろあると?

ショーン:ラウドなベースとクワイエットなベースのどちらもが欲しいんだ。最近は、デプス(深度・奥行き)に惹かれている。だから、この辺りまでくるベースもあれば(ジェスチャーあり)、遠くて静かなものもある。コントラストがあるものが最近は多いんだ。
Sean:We wanted loud bass and wanted quiet bass. And at the moment I’m really into depth. So there are some bass that are really here, some bass kind of distant and very quiet. A lot of contrast at the moment.

ロブ:でも、空の両端にあるものとして結果は同じなんだ。静かだけれども、遠くないこともある。
Rob:But the resolution is the same at both ends of sky, you know? It’s quiet but not distant, as in, you just...but still perceivable.

ショーン:最近の音楽は、すべての音を同じように全面に押し出してミックスされている曲が多い。全部のレヴェルが同じで、どの音もよく聴こえる。何もかもが同じで、5分あったら5分、ずっとすべての音がダダダダダって同じような感じさ。正直言って、つまらないと思う。ぼくはすべてのエレメントがあからさまではない、シネマティックな奥行きにに惹かれるんだ。遠くにあるがゆえに、気配を気付けないものだってあるんだ。何て言うんだろう、いまのぼくはが興味があるのは、そういうことなんだ。
Sean:There are a lot of modern music.. is all about...the way a lot of modern music is mixed is about having every sound as close to.. very up front, all same level, every sound is very audible. Everything is the same, almost. It’s almost like for five minutes every sound is dididididi. And I’m bored with it, to be honest. I’m interested in most cinematic depth, where not every element is obvious. Some things are really in the background, and you might not notice it, you know. I guess that’s just where I am. It’s less about making a consumer product, and more like artistic thing, I don’t know .. I don’t know if that sounds bad. That’s where I am.

なるほど。

ショーン:いまのオーディエンスはとても洗練されている。インターネットを通して、さまざまなことを知ることができるから。でも、多くのアーティストが保身的だ。一般的な消費品を作りたがっている。インターネットの悪い面は、多くの人びとがフィット・インしたがるというか、いわゆるスタンダードなものを受け入れてしまうところだと思う。だから、規格品のような音楽になってしまうんだ。例えば、『ツイン・ピークス』の新作、もしあれがデイビッド・リンチではない誰かが作った作品だとしたら、ネット(ネットフリックス?)は受け入れなかったと思うんだ。でも彼には名声がある。だからできたんだ。それはオーディエンスにもわかっていたことだ。でも、オーディエンスのああいう反応の仕方、あれは誰にも(ネットも)予測がつかなかったものだと思う。
Sean:I think audiences now are actually quite sophisticated. We have the Internet, everybody can know about lots of things, but a lot of artists are very safe. And they want to make very broad spectrum consumer products. Because, the flip side of internet is that everybody wants to fit in, everybody wants to reach some standard, so this is standardized music. And I feel, at the moment, audiences are sophisticated enough to understand - you look at this, say, why Twin Peaks, the new series of Twin Peaks, if anybody other than David Lynch had made that, the net would have rejected it, but because he has the reputation, it can make the (estate?) and the audience understood it, they actually responded in the way that, may be the networks, that wouldn’t have predicted it....

ロブ:自信、自己肯定の話だね。
Rob:It’s a confident thing.

ショーン:企業もアーティストも人びとも、選択肢も消費者も多いから仕方ないけれど、完璧な消費音楽を作ろうとしているけど、もっといろいろできるはずなんだ。オーディエンスはインターネットを通してエデュケートされているんだから。だから、ぼくたちは最近はインタヴューをあまりやらないんだ。ただ音楽を作り発表する、それだけ。パトロン的なことは、もう一切しなくていい。
Sean:We have this thing where companies and artists and people are making music, and trying desperately...because there so much choice, consumers, everybody wants to make a perfect consumer product but actually the audience are very educated now because of internet, so you can do much more. And I guess, we kind of realized this now... this is why we do less interviews now and just do music and just put music out, because you don’t need to patronized the audience, at all anymore.

ロブ:アーティストは自分自身を満たそうしているように見える。そうする必要はないのに。ぼくたちはふたり組みだから、さまざまな意見を交換し合うことができる。ラッキーだよ。もしひとりだったら、ぼくたちがよくやるように、(同じ事柄に対する意見を)反映できる相手がいないじゃないか。
Rob: It is like artists are trying to fulfill their own self need for that... kind of..... they don’t have to. We are (lucky?) we are just two of us - we can perhaps… let’s do this and if it was just one person, there is no one to foil against. No one to reflect the same things and we do that a lot with our work.

ショーン:自信を持てないでいることはイージーだよ。さっきも言ったように多くの人(アーティストたち)がオーディエンスをひいき (patronize)している。それがどういうことかっていうと、ピッチフォークで良いスコアを取ることだったりするんだ。たぶんね。音楽をレート(採点)するアイディア自体が変だよ、五つ星、四つ星というように。音楽はケトルやトースターやラジオじゃない、機能品じゃないんだ。それにスコアをつけるなんて馬鹿げてる。
Sean:It’s easy to not be confident, with the audience and to think you need to... Like I say, a lot of people now patronize the audience, and what that going for is actually a good score on Pitchfolk, maybe. They are going for this, so...This whole idea of rating music with score and stars, like 5 stars and 4 stars, it’s kind of weird. Music isn’t a kettle, or toaster, or it’s not a radio .. it’s not functional in this way (?) and you don’t, you get out with a score is stupid.

ロブ:(音楽の)話をすること自体が難しいのに。それにスコアをつけるなんて……。
Rob:It’s hard enough to even just talk about it. Let alone (?) what you’ve said into 5 star...

ショーン:それによって音楽が変わっていってしまっている。ぼくにはそれが聴こえるよ。そんなことを気にしていたら、オーディエンスをプッシュすることはできないのに。
Sean:But it’s changing music, I can hear it’s changing music I think a lot about it - it’s a scare to push the audience.

ヨーロッパで同じセットをやったけれど、オーディエンスは着席しているあいだなら静かにしている傾向にあった。東京のクラウドは、いつも静かだ。本当に聴き入ってるから。

オウテカのライヴを聴いていると、距離の感覚がだんだんと崩れていって、普段自分が感じているような空間ではないような感覚を覚え、違う感覚が呼び起こされます。これまでも何度かライヴを拝見しましたが、オウテカのライヴがすごいのは、いまでもオウテカの音楽は未来の音楽ということです。90年代のノスタルジーにはならない。

ロブ:ノスタルジアで昔の曲をかけたことはいちどもないよ。
Rob:I don’t believe we have ever played our old tracks (out of nostalgy).

ショーン:もちろん、ぼくたちの仲間のなかには、昔はよかったなんて言う奴もいるよ、もうミドル・エイジだからね、自分たちも含めて(笑)。ノスタルジアばかりさ、周りはね。
Sean:Ok, so the artists I (grew), got along side, complain about this, who are middle aged now, like we are, and they have enjoyed early part of their lives more, so that ...(laugh). There is a lot of nostalgia around, basically.

あなたがたはまったくノスタルジーを感じないんですか?

ショーン:皆、少なからず、それはあると思うよ。年を取ったということだよ。でも、ぼくがノスタルジアを感じるのは、そういうことじゃないんだ。他のエレクトリック・ミュージシャンは、そういう音を作りたがるけど……。ぼくたちに常に完璧を求めてきてたんだ。
Sean:Well, we are all bit like that. We all got old. But I think I am nostalgic to different things, electronic musicians.. I think they want to make sound from them. which is we must be perfect all the time.

ロブ:まさしくそうだよ!
Rob: This is it, this is it.

ショーン:いまはそうでもなくなってきたけど。皆、型にハマりたがる。ぼくたちは、常に型破りでいたいと思っていた。
Sean:It’s becoming less so now.. everybody wants to fit in. We always wanted to not fit in.

ロブ:その通りだよ。ぼくたちがいまノスタルジックに感じているもの、それはある意味いまでも進行形なんだ。
Rob:Exactly, the idea is what we are nostalgic about now is that we are still doing it in a way. We are not nostalgic and presenting our old work. We are not really nostalgic in that sense, but what we would do is, still, not the....

ショーン:ぼくはときどき、音楽をたくさん買ってきて聴きまくることがあるんだけど、似たようなものが多いなと感じる。それがどんなものであれ。そして飽きてしまう。そして違うことがやりたくなる、自然とね。とくにこれらとは違うものを作ろう! と意気込んでいるわけじゃない。ただ、ああ、こういうものは、もうお腹がいっぱいって思うだけ。そして、スタジオに入ると全然違うものができあがってくる。ぼくたちは多かれ少なかれいつもこんな感じでやってきた。
Sean:I always kind of, if I listen to, if I buy a lot of music, which happens, sometimes I just buy a lot of music, they’d be kind of sameness, you know, similarity there, and usually I get bored of that. Whatever it is. And kind of wanna do something else. It’s just a natural thing. I don’t think, you know “I must make the opposite to this”, I just get… just (fatigue?) .. I just think “Ah I’ve had enough of that. But when I go into studio, something else comes out. That’s … kind of we have been always that way. 

ロブ:さっき君がオーディエンスとの距離のことを言っていたけど、それについて話してもいいかい? ぼくたちはフロアの端っこの方、DJたちがよくやる場所だよね、そこで十分ハッピーなんだ。ステージは人工的なバリアを作ってしまうメカニズムのようなもので、それを好むアーティストもいるけれど、ぼくたちはそうではないんだ。
Rob:Can I say .. you mentioned first the distance between the audience and us. I think we are often quite happy to be in the corner on the floor, like where a dj might be. So sometimes a stage is an artificial barrier-making-mechanism artists prefer. We are not really that way.

ショーン:で、いまのオーディエンスはとてもスマートだと心から思うよ。知識がある。ぼくたちがスタートした頃は、オリジナリティーを受け入れてもらうのは難しかったんだ。少しずつ少しずつオリジナリティーを出していくというか。いまはそんなことはなくて、完全に新しいものをいきなり出してもオーディエンスは付いてきてくれる。それを生かすべきだと思うんだ。シュトックハウゼンが昔、オーディエンスは進化すると言っていたけど、それは本当だった。オーディエンスは進化したんだ。いまは、皆、シュトックハウゼンが誰か知っている。ぼくたちがはじめたころは、シュトックハウゼンを知っている人なんてひと握りだった。シュトックハウゼンに限らずね、例をあげればの話しだよ。オーディエンスは本当に知識があって、柔軟だ。つねに多様な音楽に触れていると思う。
Sean:I really do believe that the audiences now are incredibly smart. They know way more. When we started out, the audiences was…you know, you had have to make small moves, you made small moves of originality back then. Whereas now you can do huge moves in the originality. You can make completely new things. But the audiences are still there with you. I think this is something you can work with. It’s like .. some of what Stockhausen said back in the day about audience would evolve, is true. Audiences have evolved. People now days know who Stockhausen is. When we started out, you’d meet may be three people who know Stockhausen. Not Stockhausen particularly.. I’m just using him as an example. I think, in general, I think audiences are far more educated and far more flexible. They are more exposed to more different things all the time.

ロブ:ダイナミック・レンジについてもっと言えば、とても大きな音を出すことはオーディエンスとの間にバリアをつくるようなものだ。でも、音量を下げることによって聴こえてくるディテイルを大切にすると、そのバリアから流れ出ることができるんだ。最近はオーディエンスと親密なコミュニケーションができると思っている。昔はできなかったように思う。
Rob:There is something more about the dynamic range as well. I guess people can play really loud. It almost presents senses of barrier, between the artists and the people. When you bring things low, and with detail, it’s almost like you flow over that barrier as well as you.. We find now that we can communicate with intimacy with the audience, and which wasn’t possible.. 

ショーン:以前はもっと難しかった、不可能ではなかったけど。いまは、ストレンジなことをしてもオーディエンスはオープンでいてくれる。奥行き、ダイナミック・レンジ、インティマシー、そういったものは互いに作用しあうんだ。
Sean:It was possible but it was more difficult before. I think now you can bring the audience in and exposed them to stranger thing and they are more open to it. And yeah its kind of depth and dynamic range and intimacy, they all relate to each other.

思い通りの展開をしない音楽に対してオープンないまの状況というのがあるとしたら、あなた方が開拓したと思います。

ショーン:本当にそう思うよ。インターネットによって、あらゆるものが入手できるようになった。インターネット上で20代前半の人たちと話すことがあるけど、本当に驚くよ。なんでも知っているんだ、アカデミックでストレンジな音楽のことをね。以前から知っている人はいたけれど、いまは誰もが知っているようなものになってきている。
Sean:Yeah I really think so, Internet has made everything available. You’d be surprised that you speak to the people through the internet, may be they are in their early 20’s, they know about loads of academic, strange music. I mean there was some before, but now it’s becoming like a thing that everybody knows..

ロブ:昔だったら、そういうものを知るためには人生体験が必要だったんだよ。ぼくらはラッキーだった、年上の友だちがいたから。コイルやクラフトワークの前身のような音楽やアーティストたちのことを教えてくれたんだ。それをリアルタイムで知るには、ぼくたちは若すぎたからね。インターネットを通すと、そういった知識を凝縮することができる、もちろん、きちんとした説明や、信用できる引用元や照合、貴重なメモなんかがあってのことだけれど。
Rob:You’d need a life experience to know about these things. We were lucky the older people we became friends with, would show us who coil was, would show us who early, pre-Kraftwerk artist … because were too young for experiencing it when it was alive. So I think some people can condense that now with Internet, as long as there are trusted report and trusted explanations, and interesting notes and verifications, or citations… that helps but..

ショーン:何もかも入手できる場所に皆が競って入っていこうとする。でも注目されるのは困難だ。なぜなら、多様なすべてのものがそこにあるから。逆を言えば、皆がさまざまなものに触れることができ、洗練され、新しいものにもオープンになっていく。
Sean:It has two things .. on one end, you got this huge array of.. everything is available and artists are competing to be in the space.. it’s very difficult to get someone’s attention, because there are so many (?) now and so much music and everything is all there. But the other side of that is people are exposed to all these different things, and so they become more sophisticated, and more (?) and more open to new things.

ロブ:ひとつのことが次のことにつながるんだ。
Rob:One thing lead to another..

ショーン:ぼくはポジティヴな側面に惹かれるよ、オーディエンスが洗練されているという部分にね。
Sean:I am more interested in the positive aspect, which is the audience is sophisticated.

ロブ:かなり若い頃からクラフトワークのことは知っていたけれど、年上の友だちのおかげだな。その人から良い音楽のことをいろいろ教わったんだ。
Rob:Yeah, I remember knowing Kraftwerk when I was really young, but It took an old friend.. It was an old friend that explained the finest earlier work.

ショーン:良い音楽を見つけ出すのに昔は時間がかかったよね。
Sean:It used to take time to discover too…

もちろんインターネットにはポジティヴな面とネガティヴな面があると思います。ネガティヴな面というのは情報量が多いところです。例えば、今の若い人はいろいろな情報をチェックしてどんどん頭でっかちになってしまい、肝心なところが抜けてしまっていると感じるときがあります。今日の最高におもしろい音楽のひとつにシカゴのフットワークがあると思いますが、彼らはそんなにインターネットをチェックせず、自分たちで作り上げたからあのようなものができたんじゃないかなと思います。インターネットによってフラットになった世界の怖さについてどう思いますか?

ショーン:フットワークのように、閉ざされた環境で育つシーンを見つけるのは難しいし、レアなことだよ。フットワークは、ある意味、ハウス・ミュージックの再資本化に対する、シカゴ独特のリアクションだと思うんだ。ハウスを作っていた多くの人がフットワークに携わっていて、いまは大勢のヨーロッパ人もハウスを作っているけど、それに対して彼らは「これは俺たちのゲームなんだ、俺たちがフットワークを作って、俺たちがやっていることなんだ」と思っている。ドリルなんかもそうだよね。
Sean:Ok, so, yeah, you do have these things where that it’s difficult and it’s very rare to find as a scene that’s developed in an isolation like Footwork. I think Footwork in a way, this, very Chicago reaction to the recapitalization of house music. A lot of the guys who are involved in the Footwork scene were making House, but now every European is making House, and they just got, “No no no, this is our game. We are doing this and make Footwork, which is almost inaccessible to white European audience, right? You get the similar thing out of Drill music in Chicago as well.

ロブ:ダンス・シーンとペアになったとき、アメリカ人とヨーロッパ人はコインの反対同士なんだ。
Rob:I think when it’s twined with dance scene, Americans and Europeans are the another sides of the coin - because… you can’t, they’re doing footwork dance, and in Europe, they’d be listening to it (embarrassed?) with backpack on going like this….

ショーン:音楽的にフットワークはとても面白いと思うけどね。 
Sean:I mean I really like Footwork from the music part of the perspective, I think it’s very interesting ..

ロブ:ダンスとペアにしてクリエイトするからね、ストリートで、子供たちも、年寄りも、皆フットワークで踊っている。イギリスではそんな幅広い年齢層では聴かれていないかな。
Rob: It’s just as nice but at the same time, it becomes exclusive to people to create it, because they create with the dancing, in the back of (car park?), on the street, young children, older people, you know, if you think of it all the ages dancing to Footwork. In England, or in Europe, there is a very narrow band of age listening to that (shit?)..

ショーン:フットワークは音楽的にとても面白いから、ヨーロッパ人に受けるんだ。それに、近づきがたいものだっていうのもヨーロッパ人好みなんだよ。
Sean:It’s also that, yeah, Footwork is one of those things where it’s musically very interesting and Europeans are going to response that because there is always.. almost a conversation between people in the UK and people in America. And it’s always like things like Footwork are more interesting to Europeans, because it’s otherwise unaccessible, so we…

そこは日本人もそうかも。

ショーン:手の届かないものであるべきだよね。
Sean:It shouldn’t be accessible ..

ロブ:手に届くとは思っていなかったというか。
Rob:You wouldn’t expect it to be accessible.

ショーン:ハウス・ミュージックのときも同じだった。80年代にハウスが出てきたときに、イギリスなんでハウスに夢中になったかと言うと、アメリカの文化のなかハウスのようなものは他にひとつもなかったからだよ。80年代のアメリカ文化といえば、ブラック・ラップ・ミュージックがあるけど、ハウスはメインストリームでは理解されなかった。フットワークは、ある意味現代のハウスだよ、アメリカのメインストリームが理解しないもの。売りつけられるものと買いたいものが違うようなものと言えばいいのかな。イギリスはアメリカのメインストリーム音楽を認めてないんだよ、ビヨンセのような大物以外はね。イギリスでグランジやハウスが受けたのは、イギリスはあまり知られていないアメリカものを好むからなんだ。
Sean:Same thing with House Music, when it came in the 80’s. The reason UK liked House Music so much in the 80’s was that there was nothing like that anywhere else in American culture. Predominantly in the 80’s American culture was Black Rap Music. And suddenly there was (?) which was coming from America but mainstream America didn’t seem to understand. Footwork is the modern House Music in a way - it’s the thing the mainstream America doesn’t understand. It’s kind of like a difference between somebody obviously selling you something, and you wanting to buy something, you know? For Europeans, for whatever reason, you want to pick and chose things that are like… kind of a.. it (?) you a sense of agency. It’s like… the reason Grunge music was popular and House music was popular - obscure American things are always more popular in UK than mainstream American things. UK does not buy mainstream American music apart of huge acts like Beyonce.

ロブ:(イギリス人は)誰にも指図されずに好きなものを選びたいのさ。
Rob:It’s like we want to retain our independent right to choose what we want…

ショーン:人種の問題ではないし、そうしたくもない、でも、イギリスはアメリカの白人音楽よりも黒人音楽を好むんだ。つねにそうだった。なんでかって……、単純に言うと、(黒人音楽の方が)良い音楽だからだろう。1994年、ぼくたちが初めてアメリカに行ったとき、取材でどんな音楽に影響を受けてきたか訊かれた。「エレクトロやハウス」と答えたら、ジャーナリストたちは理解してくれなかった。
Sean:I mean I don’t want to make this about race, because I don’t want it to be about race, but UK prefers Black American music to White American music. We always have, I don’t understand why. I think may be it’s just better music. When we first to went to America, and they said “What are your influences?” and we said “Electro. House Music”. This is in 1994. Most of the journalists, couldn’t understand.

ロブ:予想通りの答えじゃなかったのさ。
Rob:They expected us be to into…

ショーン:彼らにとって、(エレクトロやハウスは)どうでもいい音楽だった。インテリジェントだと言われている音楽をやっているはずのオウテカが影響を受けるほど、(エレクトロやハウスは)洗練されている音楽だとは思っていなかったんだ。黒人音楽がメインストリームの白人音楽よりも洗練されていると認めたくなかったんだ。でも、時代は変わった。インターネットがヒップホップをいまのメインストリームにのし上げた。それをアダプトしてみればいいんだよ。フットワークやジューク、ドリルみたいなジャンルが、いまはメインストリームに成りつつある。アメリカよりもヨーロッパで受け入れられているよ。インターネットがそのプロセスを早めているんだ。
Sean:They just didn’t … to them that sort of music was rubbish. It wasn’t sophisticated enough to influence a band like Autechre, which they thought very intelligent and all that. It’s kind of like the same reason that Americans invented the term IDM. Because they didn’t want to admit, that the local black music was more sophisticated than mainstream American which was very white, at the time, music. But things change and Internet forced Hiphop into the mainstream in America now. So, try and adapt that. And Footwork, genres like Footwork, things like Juke and Drill are now becoming mainstream because of the acceptance in Europe rather than in America. Internet is speeding up the process.

ロブ:そうだね。
Rob:Yeah

ショーン:90年代とは違うんだ。いまはインターネットがあるから、ヨーロッパ人にうけているってすぐわかる。さっきから言っているように、オーディエンスもシャープだし洗練されている。
Sean:In the 90’s that wasn’t really the case. But now, if the genre.. like yeah you can make those genres big in America now because Europeans like them. If Americans are on Internet, and if Americans see Europeans like it on the Internet, it’s this quick things now. And like I said, audiences are so sharp and sophisticated now, it’s different.

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1994年、ぼくたちが初めてアメリカに行ったとき、取材でどんな音楽に影響を受けてきたか訊かれた。「エレクトロやハウス」と答えたら、ジャーナリストたちは理解してくれなかった。彼らにとって、それらはどうでもいい音楽だったからね。

次の質問です。『Exai』というCD2枚組のアルバムを2013年にだして、その後CD5枚組の『elseq 1-5』を自分たちのサイトから出していて、今回の『NTS Sessions』 はCDなら8枚組ということで、なんだかどんどん作品の尺が長くなっています。それは自分たちが表現したいこと、作品に出したいことが1枚のCDではおさまりきらなくなっているということでしょうか?

ショーン:あれは偶然の産物なんだ。2年前頃、NTSでたんなるミックスだけれどDJをした。そうしたら、次は(8時間の)レジデンシーをやらないかと。普通のラジオのDJのようなものをね。8時間、DJをする時間はなかったし、やりたいとは思わなかった。でも、自分たちのマテリアルでなら面白いものが8時間できるだろうと考えた。だからそうしたんだ。8時間のDJをやらないかって言われたからこそ、発展したというか。
Sean:NTS thing happened by accident. About two years ago, we did a dj set for NTS. It was just a mix, you know. And they came back and said if we would do a residency. And the first this was just a regular radio dj thing they were asking us. But I didn’t want to do it, I didn’t have enough time to do 8 hours to dj mixes, you know. But we sat and thought about it, and we realized we could make 8 hours of material - because, that would be more interesting. So we did that. So it just happened just because they asked us....They asked us 8hrs of mixes and...

ロブ:2時間のセッションを4回ね。彼ら(NTS)のレジデンシーが、そういう仕組みなんだ。
Rob:Four two-hour sessions. Four two-hour shows in the most. It was their idea to stage this residency, because that’s how they work with the residency…

ショーン:時間はかかったよ。これをやるには時間がかかるけど、できるだろうか? ああ、できるよって(話し合って)取り組んだ。
Sean:So it took a while - I thought ok if we do this, it would be a long thing. It requires a lot of time, but we can do it. It’s one of these... “Can we do this? yeah, we can do it.” And we tried. I think we did it.

ロブ:NTSのレジデンシーだったら、DJをするのだろうと思うだろ? 今までも新しいアルバムを出す度にそうしてきていたしね。プロモーションの一環として、ラジオ番組で大きいプログラムを組んで、影響を受けたアーティストの曲をかけたりしてきた。自分達の曲ではなくてね。ぼくたちがラジオでオウテカの曲をかけるとは、誰も思っていなかったんだ。だから、あれ? この曲は? まさかオウテカじゃないよねって。でも、2時間もしたら、当然わかるよね。次のセッションまでの1週間、皆が興味深々でいてくれたのがわかったよ。
Rob::What makes it more special is that, if we did a residency like that for NTS’ invitation, you’d expect us to be djing for the people’s music. Like we had every time we put cd of our music. We would prep us a big radio show, playing influences, play tracks that are never ours. Hardly ever played our own tracks. So suddenly the idea that.. the radio show, what you will hear is still secret. You know with an album, it’s gonna be an Autechre album, but with a radio show, a lot of people might expect others’ music, so it was that really the nice thing that the revelation that.. “I have not heard this tune before, they are playing some new record of somebody.. Is this Autechre? Oh...” And after two hours, it’s very obvious it’s Autechre and it was another week to wait. Will this be… They are not doing Autechre, they are playing somebody else’s. And that lasted almost a week. (We knew in an advance, it was saying we were talking about ideas - you could expect this constant reawakening of the people, the interests?)

ショーン:ワープと契約する前の、1990~1991年頃、マンチェスターで3~4年、パイレート・ラジオをやっていたんだ。他のアーティストのレコードをかけていたけど、ときどき自分たちの曲も滑り込ませた。
Sean:Before we signed to Warp, in 1990, 1991, we played on a pirate radio station in Manchester. We did this for three years, four years. We would play other people’s record, but every now and then, we’d slip in our own track of ours.

ロブ:デモをね。
Rob: A demo.

ショーン:かけてみて、それに気づく人がいるか試していた。それに近い精神というか、何をやらかすかわらない遊び心というか。
Sean:Just play.. you know, see if anybody notices. And it was a little bit in that spirit, where the audience would not know what we would do, so we could play around..

ロブ:予測できないこと何かをね。
Rob: It’s unpredictable

ショーン:ぼくたちが新しいオウテカの曲を8時間もかけるなんて、誰も思わないだろうと考えたんだ。だって、馬鹿げているだろ。だからやったんだ(笑)。
Sean:Yeah so we thought nobody would expect us to play 8 hours of new Autechre. It was kind of absurd, you know, ridiculous. But.. so we did that.

ロブ:ぼくたちがラジオのブロードキャスティングのことをよく理解しているということ、それがショーンが言っていることの本質だよ。ラジオを聴くという行為、皆が一体になって聴いている瞬間というのかな、ある瞬間に、この曲誰だろうって思っている人は君ひとりじゃない。皆をシンクロさせるんだ。ライヴ・ストリームだったから世界のどこかで君と一緒に聴いている人がいたんだよ。深夜2時頃にやるのがぼくたちの定番だけどね、昼間じゃくて。夜、心に響く音楽だと思うんだ。世界のどこかでは、深夜のベストの時間帯になるから、(ストリーミングを)何時にやってもいいのかもしれないね。さざ波のように広がるのが面白かったよ。ある場所では夜中で、別の場所では仕事から帰ってきたばかりの時間。でも、少しはお互いにシンクロし合うんだ。皆がライヴ・チャットしていたのを見ていたよ。「いま帰ってきてばかりだけど、聴き入ってるよ!」とか「いま東京! 東京で聴いてる!」とかね。そうやって感情が反映されて広がっていくんだ。
Rob:It’s the nature of Sean talking about how we are very familiar with radio broadcasting, the idea of how people are actually listening together, is a combined moment where everyone knows, even if they don’t know - “who is that?” - then at least there is one more person is like that. Doing what they are doing. And.. Because it synchronizes everyone. What was quick with this was, they streamed this live, normally we would play it 2AM or it’s better earlier in the evening, not in the mid afternoon, but you knew this somewhere around the world, there are somebody (?) that, in that ideal window. At night time, that kind of music works a little better. And it meant that the radio show could be played almost (?) time of the day, because somewhere globally the stream is arriving at the ideal time for someone… They are kind of this funny ripply effect of people being accepting it later night and some people are like “no i’m just coming home from work, it’s not my ideal time” but they would synchronize each other a little bit. You could see people chatting live and say “I’m just coming home and suddenly immersed in this thing”. And some other people are like “I’m in Tokyo listening to this, oh man!” and you spread to reflect the feeling ..

ショーン:捉え方としては、ラジオ番組のプログラムと一緒なんだ。リリースはラジオをドキュメントしたものなんだ。だからタイトルがある。『NTS Session』と。
Sean:It’s conceived as programmed as the radio show. It’s very much… the release is a document of a radio show, which is why it has a title. NTS session because...

ロブ:アーカイブだね。
Rob: It’s an archival.

ショーン:そう、ラジオのアーカイブ・リリースだよ。
Sean:Yeah, it’s an archival release of a radio show. Yeah, it’s a...I guess that is what it is.

これはいつ放送されたものですか?

ショーン:4月だよ。やったばかり。
Sean:April. It’s very fresh, yeah.

ロブ:4月に4回、毎週木曜日だった。
Rob:It was every week , four Thursdays in April.

ショーン:前もって用意した作品だよ。スタジオでやった長いセッションを元にしているんだ。ピール・セッションを作った時のプロセスと同じようなやり方なんだ。
Sean:And it was prepared in an advance. But it was made.. originally from the long live sessions in the studio. It was a similar process to how we made the Peel Sessions. It was a very similar process to this.

4つのセッションはそれぞれテーマが決められているように感じました。セッション1はダンス・ミュージック、エレクトロ的なオウテカのルーツを感じるようなセッションで、セッション2は近年の『Exai』や『Oversteps』などすごくエクスペリメンタルで複雑なことをやっていた近年のオウテカというものがすごく出ているように感じました。セッション3は今までやっていなかったことをやろうとしているのかなという印象を受けて、セッション4はアンビエントやドローンなど聴いたことがないオウテカという印象を持ちました。それぞれのセッションはどのように作り分けているのですか?

ショーン:興味深い。
Sean:It’s interesting...

ロブ:ペース間隔が大切だったんだ。ラジオ・ステーションがベースになる作品であることはわかっていた。
Rob:They have to be paced, and we knew the pace had to work in a... we knew the records were gonna come out as well as the radio station was gonna be its basis.

ショーン:部分的には……、頭のなかのどこかで、経験として8時間の音が成り立っていたから。
Sean:It’s partly... as well, somewhere in the back of my mind, I had kind of 8-hour experience..

ロブ:頭のなかで。
Rob: In mind.

ショーン:そう、だから、全体的な流れがある。8時間通しで聴くことは、誰にも期待していないよ、でも可能にしたかった。(音の)旅だと思う。大まかなナレティヴもあると思う。そうだね、最初は直球にしたかった、ある意味、入って行きやすいもの。2番目は、ディープにしたかった。2番目のセッションは、ブシュシューと深いところに沈み込むような感じだ。そして3番目は、2番目の展開。4番目はディープな未来。なんて表現すればいいのかな、アイディアとして、深い深い未来、物事がありすぎるようで少なすぎるような……。
Sean:Yeah. So there is an overall flow. I don’t expect many people would listen to 8 hours all while they are sitting but I want it to be possible. And it’s kind of a journey. There is kind of a rough narrative...And yeah, it’s true, in the beginning I wanted it to be more straight forward.. Not necessarily... I guess “accessible” to a certain extent, and the second one, I want it to be deep. The session two was kind of a deep plunge, almost like an “boonpfft.... “, you know. And then three is a kind of like a development of two. Four is kind of a deep future. I don’t know how to describe it, kind of...idea is a deep deep future where it almost you can’t ... there is almost too much and too little at the same time..

ロブ:ぼくは個別に捉えている。1番目は……狭いところから始まり、だんだん広がっていく。アルバムにはイントロがよくあるように。2番目はもう少しわかりやすくて(入っていきやすい)、皆がどこまで遠くまで行けるか探っている。3番目は、とてつもなく広く、何でも起こり得るような場所。4番目は、ショーンが言ったように、ガスなのかアトミック・レベルなのかわからないけど、互いにコズミックな関係性のあるものが沈みこむような……引力と重力のある……
Rob: I see it individually in a way...the first one... it starts out narrow and widens out and widens out, and second one, yeah slightly more accessible for a reason, because some albums were with an introduction, yeah? And then, second one, exploring how far people can go. Third, you got so much width now, almost anything is possible. The fourth one, like Sean said, you don’t know what they are doing with the gas, or atomic level stuff or, and just as important, cosmic with one another. There is gravity and heaviness ..

セッション4最後の1時間近くあるトラック、“all end”のことですが、このような長尺のドローンはいままでなかったと思のですが……

ショーン:長いトラックを作ったことは前にもあった。ドローンのようなものも、「Quaristice.Quadrange.ep.ae」(2008年)というね、『Quaristice』の頃だよ。
Sean:Yeah, we’ve done long tracks before. We’ve done drone tracks.. We did the thing called Quadrange, around the time of Quaristice.

ロブ:レコード4枚分、ダウンロードのみのリリースでね。
Rob: It was a range of four records. Download only.

ショーン:『Quaristice』の頃のデジタル・リリースで、1時間あるトラックだった。だから、初めてじゃない。ドローンとは呼びたくないけど、こういったトラックはずっと作っていた。ドローンじゃないんだ、別物だよ、でも、まあ長い間、こういうものは作ってきていたんだ。
Sean:It was a digital release around the time of Quaristice, and was an hour long track. So it wasn't the first time, but it was very limited.We’ve been making this kind of tracks...I don’t want to call it drone.. It’s not really drone, it’s something else, but we have been doing this kind of stuff for a while.

ロブ:その曲は世界のようなものなんだ。複雑な……。文明のある天体球で、そのなかを覗くとひとつの完全な世界がある。あって欲しいと望んでいる。
Rob: It’s like they are worlds.. it’s complicated.. it’s a civilized sphere, but if you look inside it, there is a whole world.. I mean there is, hopefully.

ショーン:その表現はすごくいい。
Sean:That’s a really good way to say it.

ロブ:こうとしか言い表せないな。
Rob: I don't’ know what else to say it..

ショーン:こういうのはしばらくやってきていたよ。でも、ワープに(1曲で)1時間もあるアルバムを持っていったら、何考えているんだ? って言われるよ。でも、8時間分のリリースなら、そのなかに1曲、1時間のトラックがあってもOKだろ。
Sean:We’ve been doing this for a while.. but if we go to Warp with an hour long album, they’d be like “What?”. In an 8-hour release, it’s ok to have a track that’s an hour long.

ロブ:昔、パイレート・ラジオだけじゃなく、キス・マンシェスターでもやっていたんだ。毎週ね。ディスエンゲージドという番組で、キス(ラジオ)でやっていた。FM局のキスは、イギリス全国にあるサテライトステーションだから、ぼくたちもブライトンでやったり、ロンドンでやったりしたけど、マンシェスターではレジデントみたいな感じで何年もやっていた。毎週日曜、真夜中の番組。友だちを呼んで、GescomとかAndy Waddocks, Skam, Rob Hall, Darrell Fittonとか、皆でやったんだ。みんな、変わったものを持ってくるんだよ。それに近いフィーリングだよ、ラジオでいろいろなものを聴く(かける)というものに。
Rob:We used to do, not just a pirate radio, we did a legitimate radio on Kiss Manchester. Every week… It was called Disengaged, on Kiss Radio. Kiss FM spread out as Satellite stations in UK, so sometimes we’d be in Brighten, London, and then we had almost like a resident in Manchester, for years. We had friends involved, Gescom gang, we did a lot of Disengaged in Manchester, because they came regularly every Sunday. And it was really late at night. So we did a lot of late night radio. Gescom, Andy Waddocks, Skam, Rob Hall, Darrell Fitton, all contributed and we all did this together. But they (?) very weird wonderful kind of program material, so.. it’s similar to that kind of the feel that things could be… it’s radio so we could explore lots of different things.

Spotifyはクズだよ! なんでかって? アクティヴィティー・プレイリストなんてものがある、リラクゼーション・プレイリストとか? 最悪だよ。音楽を滅ぼしてしまっている。最低さ。ストリーミング・サービスは、ゆっくりと音楽を破壊の道へ導いている。

『NTS Sessions』のすべての曲にちゃんと曲名がありますよね。その1時間の曲は“all end”という曲で、曲名に意味を持たせようとしないオウテカにしては意味を感じる曲名だなと思いました。

ショーン:うーん、ピンとくるタイトルはあるよね。これの場合は、最後の曲で尺の長い作品だし……。
Sean:I don’t know...sometimes titles just feels right. It was the end, and it was long and all..

ロブ:他のトラックでも、こんな感じのサウンドが聴けるものはあるんだ。でも、これは最後のトラックでこの独特の音の世界を追求したものだね。
Rob:There is a moment where you can hear this kind of sound in another track and it was an end of this track, and this is all but it, it is all that stuff, it’s all the end as well..

ってことは、過去にやってきたことの集大成的な意味合いもあるんですか?

ロブ:ピール・セッションについて話すと良いのかな。ピール・セッションの場合は、──ジョン・ピールはUKのラジオDJで、もう亡くなっているんだけれど──、アーティストたちは、3、4曲、ジョン・ピールに曲を渡していたんだ。1~2曲の新しいトラックと、それらのオルタナティヴ・ヴァージョンのものをね。コクトー・ツインズやザ・フォールなど、皆、すでにあった曲のオルタナティヴ・ヴァージョンをピール・セッションとして提供した。よく知られたマテリアル、有名なトラックのものを。
Rob:I should say.. With Peel Sessions.. In the UK, we have.. he’s died, John Peel, was a radio DJ in UK, he is now dead. And.. what used to (?) with the Peel Session, so the artists would give him, say, four tracks, or whatever, three.. It’s traditional to give may be one or two new tracks, then some alternative versions of new material… Most of Peel Sessions back then .. Cocteau Twins, The Fall, all these different artists did the Peel Sessions, most track they did were alternative versions of existing material. Well known material - almost famous tracks, even.

ショーン:『NTS Sessions』を思いついたとき、オウテカのマテリアルを展開させた、オルタナティヴ・ヴァージョンを作りたいと考えたんだ。すでにあるトラックのエレメンツやパーツ、アイディアに言及するような作品を。そういったことはいままでにもやってきていたけれど、そのやり方で厳密に取り組んだのが『NTS Sessions』なんだ。
Sean:When we conceived this NTS Session, we wanted to make what we would do as developed alternative versions of existing Autechre material. So it’s kind of.. it refers to previous work of other tracks, elements, or parts, or ideas from previous work in the same way. Strictly for NTS Sessions, we kind of did that more. We always did that a bit, but with this we did that a lot. 

ロブ:それは大きいね。
Rob:Real big parts of it.

ショーン:“all end”は、『Exai』の“Bladelores”というトラックに似ている。そして、最後のセッションだ。“all end”は、『Exai』の“Bladelores”のアイディアのいくつかを展開したもので、NTSのためのスペシャル・ヴァージョンと言えるよ。だから“Bladlores”の終章、終りということだね。
Sean:All End is similar to a track called Bladelores from Exai. And it was the end session. All End is an expansion of some ideas from a track on Exai. Bladelores. Kind of a special NTS version of that track. So the name is about, how it’s the end of Bladlores.

ロブ:終りのすべて、全部。
Rob:And it’s all of it.

今回の『NTS Sessions』もそうですし、ひとつ前の『elseq 1?5』など、さらにその前にライヴ音源をいっきに自分たちのサイトでリリースするようになったと思いますが、さきほどの「インターネット」や「スマートなリスナー」を想定したリリースの仕方をしているのですか?

ショーン:ああ、インターネットを通して、オーディエンスとは直に繋がることができる。メディアは物事を簡略化しすぎるから。売るためにね。
Sean:Yeah, with the Internet, we can just go straight to the audience. So the media, which is always trying to oversimplify things to sell things.

ロブ:インターネットは、完成していないスペースだから常に余白がある。だから、ぼくたちも物質的なリミット無しで、ようやくライヴ音源を出すことができたんだ。(ライヴ音源は)本当にたくさんあるんだ。1時間ある1曲は出せたけれど、音源はもっとある。それを皆に届けるには、無制限のスペースが必要なんだ。
Rob:Internet is a non-finished space, there is always a room. So we could put our recordings of the live shows finally without any limitation of physical so… Because there are a lot of them. To put one item out that’s one hour long, is I guess ok but we have a lot more of those, so we need an infinitive space to provide them to people.

Spotifyでオウテカのアルバムが聴けると思いますが、入っているアルバムと入っていないアルバムがあります。どうでしてでしょうか?

ショーン:Spotifyはクズだよ! なんでかって? アクティヴィティー・プレイリストなんてものがある、リラクゼーション・プレイリストとか? 最悪だよ。音楽を滅ぼしてしまっている。最低さ。ストリーミング・サービスは、ゆっくりと音楽を破壊の道へ導いている。作った音楽を聴いてほしいのはわかる。でも、ぼくらの古くからの友人たちにもいるんだ、Spotifyのプレイリストにあげるためだけの音楽を作るようになってしまった。ぼくたちは、オルタナティヴなものを作りたい。
Sean:Spotify is Garbage! Why? Because they have activity playlists. You have relaxation playlists, everybody makes fucking (?) music. It’s just the worst thing. It’s destroying music. I hate it. I think streaming services are slowing destroying music. And.. I mean, ok, I understand people want to have their music heard. But now I actually know artists, who are my friends, I know them for years, they are now making music just so they can get them on Spotify playlists. It’s just so different to what we …. we wanna alternatively make what we want.

ロブ:ワープがSpotifyに渡す曲については、ぼくたちで厳選している。(ワープは)理解してくれているよ、ぼくたちがこういう事については選択的でうるさいということを
Rob:We are strict what Warp will give to Spotify. And they understand why. They understand how.. selective.

ショーン:だから、ぼくたちのサイトで視聴できるようにしたんだよ。ぼくたちのプロダクトを買いたくなくても聴くことはできる。
Sean:Yeah, and we made it so if people don’t want to buy our product, they can just listen on our site for free, so there are still streaming available… We don’t have to worry about Spotify (?) us in the background. We can just put it there.

今後AIが音楽をつくれるようになったら、人が作った音楽とAIが作った音楽とで区別する必要はあると思いますか?

ショーン:すべての音楽は人間が作ったものだよ。鳥の囀り以外はね。
Sean:All music is made by humans. I mean apart from birds song.

ロブ:それでもヒューマン・メイドだよ。
Rob:Still human made.

ショーン:ぼくはつねにアーティフィシャルなものに興味を持っていた。こういっては何だけれど、アーティフィシャルってマンメイドっていう意味だと思う。人間が人工的なものを作ったということを忘れがちだけれど。コンピュータもとても人間的だ。テクノロジーのことを人間がどう考えるかということ自体、とても人間的だと思うんだ。人間がつくったから劣るものだという考え方はやめたほうがいい。個人的に、ぼくはArt、Artificialなものが好きなんだ。なんて言ったら良いかな、ぼくにとって、アーティフィシャルのコンセプトは、人間がつくったものだということ。ロボットだって人間が作ったもの。ArtはArtificialの言葉のなかにもあるよね、関係しあうものだよ。
Sean:I’ve been always interested in Artificial things. I feel bad to pointing this out. Artificial means Manmade. I think it is easy to forget Artificial means humans made it. It means, you know, computers are very human thing. This whole… you know, what we think about our technology, it’s uniquely human. I think, we need to get over with this idea, that because human made something, it is somewhat not good. Personally, I like art, I like artificial things, I like... you know, I don’t know how to explain this. This is difficult because for me, the concept of artificial means people made it. People made robot. I know it is kind of obvious, but, it’s like word “Art”. It’s part of the word “Artificial”. There is a related concept.

ロブ:ツールだね。ロボットだって人間が作ったツールだ。
Rob: I guess they are still tools. Robots are still tools made by people.

ショーン:言語とテクノロジーによって人間的なものが生まれるんだ。それらをどう使うかによって。70年代に、メカニカル・マシン・ミュージックやエレクトロニック・ミュージックは人間的ではないと言われていたけれど、人間以外のどの動物がマシンを使って音楽を作る? 人間的ではないという意味がわからない。とても人間的だ。人びとが音楽を人間的だと形容するとき、ナチュラルだという意味で言っているんだと思う。ナチュラルって、人間が作ったものではないということだよ。ナチュラルの反対はアーティフィシャルだよ。だから、アーティフィシャルとは人間的ということ。皆、意味をあべこべに捉えてしまっている。なぜだかね。
Sean:I think humans… hrm, Because of language and technology, there are human things. Particularly by the way we use it. Often when we talk about mechanical machine music or electronic music.. In 1970’s, people would say it’s not human. What other animals use machines to make music. I don’t understand how that’s not human. That’s the most human ....I think people often say, with music, with regard to music, people often say human, when they mean natural. Natural means, not made by not human.. Natural opposites to Artificial. Artificial means human. Yeah it’s almost like people having it backwards. I don’t know why.

ロブ:ミステイクだね。
Rob:It's a mistake.

DJ Nigga Fox - ele-king

 きました! これは嬉しいニュースです。リスボンから世界中にポリリズミックなアフロ・ゲットー・サウンドを発信している〈プリンシペ〉から、なんとDJニガ・フォックスが来日します! 〈プリンシペ〉のドンであるDJマルフォックスはすでに来日を果たしていましたが、かのシーン随一の異端児が初めてこの極東の地でプレイするとなれば、これはもう足を運ばないわけにはいきません。2018年1月26日に渋谷WWWβにて開催される今回のパーティは、《南蛮渡来》と《Local World》とのコラボレイションとなっており、東京のThe Chopstick Killahz(Mars89 & min)と〈Do Hits〉/〈UnderU〉のVeeekyも参加、さらにKΣITOがゴムのセットを披露する予定とのこと。いやはや、これは年明けから一気にテンションぶち上がりそうです。ドゥ・ノット・ミス・イット!

Local 5 World 南蛮渡来 w/ DJ Nigga Fox

リスボンのゲットーからアフロ新時代を切り開く〈Príncipe〉の異端児DJ Nigga Foxが初来日! 加えて中国の新星Howie Lee率いる北京拠点の〈Do Hits〉からVeeekyと目下テクノウルフでも活躍するKΣITOが暗黒の南ア・ハウスGqom(ゴム)のライヴ・セットで参加、The Chopstick Killahzによるポスト・トライバルな《南蛮渡来》と世界各国のローカルの躍動を伝える《Local World》のコラボレーション・パーティにて開催。

ジャマイカからダンスホールの突然変異Equiknoxx、ナイジェリアの血を引くアフロ・ディアスポラの前衛Chino Amobi、シカゴ・フットワークの始祖RP Boo、アイマラ族の子孫でありトランス・ウーマンの実験音楽家Elysia Cramptonをゲストに迎え開催、インターネットを経由し急速な拡散と融合を見せながら、多様化するジェンダーとともに新たなる感性と背景が構築される現代の電子音楽における“ローカル”の躍動を伝えるパーティ《Local World》。その第5弾は“ポスト・トライバル”を掲げ、新種のベース・ミュージックを軸にエキゾチックなグルーヴを追い求める東京拠点の若手Mars89とminのDJユニットによるパーティ《南蛮渡来》をフィーチャー。ゲストにリスボンの都市から隔離された移民のゲットー・コミュニティでアフリカ各都市の土着のサウンドと交じり合いながら独自のグルーヴを形成、DJ Marfox、Nídia Minaj、シーンをまとめたコンピレーション・アルバム『Mambos Levis D'Outro Mundo』のリリースや〈Warp〉からのEPシリーズ「Cargaa」を経由し、国際的な活動へと発展したアフロ新時代を切り開くリスボンのレーベル〈Príncipe〉からアシッディーなサウンドで異彩を放つシーンの異端児DJ Nigga Foxが初来日、さらには中国の新星Howie Lee率いる北京拠点の〈Do Hits〉のヴィジュアルを手がけ、地元台北で世界各地のベース・ミュージックに感化され独自のローカル・サウンドを創り出すコレクティヴ〈UnderU〉のコア・メンバーVeeekyが登場。国内からは目下テクノウルフのメンバーとして活躍する傍ら、ジューク、ヒップホップ、ゴムなど先鋭的なビートを常に取り入れ、サンプラーを叩き続けるKΣITOがゴムのライヴ・セットで参加。ポップス、アンダーグランド、土着が“何でもあり”なポストの領域で入り乱れる現行のエクスペリメンタル・クラブ・シーンでも注目のバイレファンキやレゲトン、メインストリームとなったトラップ含めいつも“サウス”から更新される最新のビートが混じり合う逸脱のクラブ・ナイト。

Local 5 World 南蛮渡来 w/ DJ Nigga Fox
2018/01/26 fri at WWWβ

OPEN / START 24:00
ADV ¥1,500 @RA / DOOR ¥2,000 / U23 ¥1,000

DJ:
DJ Nigga Fox [Príncipe - Lisbon]
The Chopstick Killahz [南蛮渡来]
Veeeky [Do Hits - Beijing / UnderU - Taipei]

LIVE:
KΣITO *Gqom Live Set*

※20 and Over only. Photo ID Required.

https://www-shibuya.jp/schedule/008652.php

【記事】
リスボンのゲットー・サウンド@Resident Advisor
リスボンの都市から隔離されたゲットーのベッドルームでは、アフリカの音楽を取り入れた刺激的で新しい音楽が、10年ほど前から密かに鳴っていた。しかし今、〈Príncipe〉という草分け的レーベルの活動を通し、この音楽が徐々に国境を越え、世界で鳴り響き始めている。
https://jp.residentadvisor.net/features/2070

【動画】
リスボンのアンダーグラウンド・シーン@Native Instruments
ここ数年、リスボン郊外を拠点とするプロデューサーやDJの小さなグループが、未来のサウンドを創造しています。彼らはアンゴラ、カーボベルデ、サントメ、プリンシペなどのポルトガル語公用語アフリカ諸国出身で、彼らの作り上げた音楽には、激しい切迫感、荒削りなビート、恍惚感のあるグルーヴ、そして浮遊感が集約され、その結果アフリカのポリリズムにテクノ、ベース、ハウス・ミュージックを組み合わせた唯一無二のハイブリッドなサウンドが誕生している。

■DJ Nigga Fox [Príncipe - Lisbon]

アンゴラ出身、リスボンを拠点とするプロデゥーサー/DJ。2013年にリリースされた12" 「O Meu Estilo」でデビュー、ポルトガル郊外のゲットー・コミュニティで育まれた特異なサウンドをリスボンから発信するレーベル〈Príncipe〉の一員としてアフロ・ハウスの新しい波を世界へと広めている。続く2015年の12" 「Noite e Dia」は『Resident Advisor』、『FACT』、『Tiny Mix Tapes』といった電子音楽の主要メディアに取り上げられ、同年〈Warp〉からリリースされたシーンのパイオニアと若手をコンパイルしたEPシリーズ「Cargaa」にも収録され、国際的な認知を高めながら《Sonar》、《CTM》、《Unsound》といった有力な電子音楽フェスティヴァルにも出演、Arcaのブレイクで浮かび上がったエクスペリメンタル・クラブの文脈の中で、同性代の土着のローカル・サウンドを打ち出した〈N.A.F.F.I.〉、〈NON Worldwide〉、〈Gqom Oh!〉といったレーベルやコレクティヴとともにシーンのキーとなる存在へと発展。2016年の〈Príncipe〉のレーベル・コンピレーション『Mambos Levis D'Outro Mundo』と最新作「15 Barras」はアシッドなサウンドを強め、これまでのクドゥーロのアフリカン・スタイルを飛躍させ、よりハイブリッドで強烈なサウンドとグルーヴを披露、他ジャンルとの交流や融合を交え新時代のアフロ・ハウスの拡散と拡張に大きな貢献を果たしている。

https://soundcloud.com/dj-nigga-fox-lx-monke

■The Chopstick Killahz (Mars89 & Min) [南蛮渡来]

ポスト・トライバルを掲げ、奇妙なグルーヴと無国籍感を放つパーティー《南蛮渡来》のMars89とminによる東京拠点のDJユニット。

https://soundcloud.com/thechopstickkillahz

■Veeeky [Do Hits - Beijing / UnderU - Taipei]

現代社会の問題をテーマとし、ヴィジュアル・アートや音楽で伝える台北拠点のアーティスト。Howie Lee率いる北京の〈Do Hits〉と台北の〈UnderU〉のコア・メンバーとして活動。現代社会で起こっている問題に多くの関心を持ち、これらのテーマをヴィジュアル・アートや音楽に伝え、微妙な文化のシンボルや物語、デジタル/オフライン作品のコラージュを用い、コンピュータ・アートに加工した鮮やかなヴィジュアル・パフォーマンスを披露し、〈Do Hits〉ではヴィジュアル担当として、レーベルのユニークなヴィジュアル言語を作り出している。主に北京と台北の異なる場所の文化/音楽シーンを行き来しながら、ソロでは2017年末に台北にある洞窟のギャラリーで『sustainable data 1.0』展示会を開催、最新のアートワークとヴィデオを発表する。来年にはクリエイターの友人とともに、社会主義の真の価値とその調和を世界へ広げることを目指した、新しい服のブランドを立ち上げ、アジアの各都市でポップ・アップ・ショップの展開を予定している。

https://www.veeeky.com

■KΣITO

トラックメーカー/DJ。2013年に初のEP「JUKE SHIT」をリリース。ジューク/フットワークの高速かつ複雑なビートをAKAIのパッドを叩いて演奏するスタイルでシーンに知られるようになる。2016年、HiBiKi MaMeShiBa、ナパーム片岡などとともにレーベル〈CML〉を立ち上げ、Takuya NishiyamaとのスプリットEP「A / un」をリリース。ソロ活動に加えテクノウルフ、Color Me Blood Black、幡ヶ谷ちっちゃいものクラブなど、複数のユニットに参加、様々なミュージシャンとのセッションを重ねている。

https://keitosuzuki.com

行松陽介 - ele-king

ZONE UNKNOWN List

Rob Smith & KURANAKA - ele-king

 モア・ロッカーズの『Dub Plate Selection Volume 1』はいまでもポップ・ミュージックの歴史にその名を残す名盤である。「ドラムンベースって何?」と訊かれたら、これを薦めておけば間違いない。その後スミス&マイティを経て、いまはRSD名義でブリストル・サウンドを更新し続けているロブ・スミスが来日する。
 彼を迎え撃つのは、日本のアンダーグラウンド・シーンを支えてきた異才クラナカと、今年で21年を迎えるロングラン・パーティ「Zettai-Mu」。1月21日の公演@梅田NOONにはD.J.Fulltono が、1月27日の公演@渋谷CIRCUSにはGOTH-TRADが出演することも決まっている。詳細は以下を。

日本中の真の新の進の震の深の神の心のミュージック・ラヴァー&ベース・ジャンキーたちがしんしんと集結する、日本唯一のロングラン・パーティ〈ZETTAI-MU〉。コアとなる点はブレることなく、音楽や文化が進化・成熟するたびに、ZETTAI-MUもアップデートを繰り返してきた。時代は移り変わろうとも、常にその最前線・最深部に存在し続けているパーティであり、国内外問わず、数々のレジェントを迎え、幾度となく最高の夜を(至福の朝を!)演出してきたパーティ。内臓が震えているのがわかるほどの重低音と、血湧き肉踊るリズム、生き方すら変えてしまうほどの強靭なメッセージ、そして“集まる”という大事さ。記憶に焼き付く、身体に染み付く、忘れえない体験がそこにはある。
昨年からのKURANAKA ASIA TOUR、China、Shanghai、Beijing、Sichuan、Philippines、Manila、Thailand、Taiwan、Vietnam & Japan行脚を経て、 22年目になる2017年スタートの、1/21 (SAT) @ NOON (Umeda. Osaka)、1/27 (FRI) @ Circus Tokyo (Shibuya ShinMinamiGuchi. Tokyo) は、Massive AttackやWILD BUNCHとともに、 数々のオリジナリティあふれる革新的な音楽を生み出し続ける世界の音楽の発信地ブリストル・ミュージックの代表格SMITH&MIGHTYより、Jungle、Drum&Bass、Dubstep、Abstract Beats etc. のトップ・クリエイター&DJとして世界中に広がるシーンのリヴィング・レジェンド! ROB SMITH a.k.a RSDが登壇!!

https://www.zettai-mu.net/news/1701/robsmith2017/

 

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2017.1.21 (SAT) OSAKA
ZETTAI-MU UMEDA NOON Again!!

日本で唯一シカゴ・ハウスからゲットー・テック、ジュークまでを通眼する存在。日本にJuke / Footworkシーンを根付かせた伝道師。Mr Booty Tuneこと、D.J.Fulltono! FatKidOnFire (UK)、Encrypted Audio (UK) などから作品をリリース。2016年にはKarnageとの共作を自主リリースするなど精力的に活動する、岡山在住、気鋭のDUBSTEPプロデューサーDAYZERO!! 深化し続けるNOONの裏名物パーティ“depth”主催、ハード機材を駆使した即興性の高いLIVE MIXを展開するRhy-s! 京都を拠点に活動し、UK TrapシーンのホープHUCCIを擁する「VEYRON ARCHE」に所属。着実に世界との扉を開く新鋭プロデューサーMADKO$MO$! 「ハードヒットレゲエ」を謳うパンクでダビーな音とレベルなルーツロックでジャンルを越えた夜をハードにヒットする。3ピースレゲエダブバンド、バンヤローズ! 日本の大衆文化/サブカルチャーを源に独自の視点で多角的な表現を試みるペインターBAKIBAKI (DOPPEL) によるDJ名義VakiX2! from ATTACK THA MOON中LAのライヴペイントに、BUGPARTY主催、NAGAやCOTYLEDON SOUND SYSTEMの2SHANTI、101、yuki pacificといった関西各地の面々も勢揃い!

:: LINE UP ::
ROB SMITH a.k.a RSD (SMITH&MIGHTY / UK.BRISTOL)
KURANAKA a.k.a 1945 (Zettai-Mu, Outlook jp)
D.J.Fulltono (Booty Tune/Somethinn)
Dayzero (FatKidOnFire / Encrypted Audio)
バンヤローズ
Rhy-s (depth/NOON)
MADKO$MO$ (Veyron Arche / #MADWANT )
VakiX2 a.k.a BAKIBAKI (Doppel / ARHBK)
NAGA (BUGPUMP)
2SHANTI (COTYLEDON SOUND SYSTEM)
101 (DIRT)
yuki pacific
and more...!!!
:: LIVE PAINT ::
中LA (ATTACK THA MOON)

 

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2017.1.27 (FRI) TOKYO
ZETTAI-MU

2016年には待望の新作アルバム『PSIONICS』をリリース! UK London MALA (Digital Mystikz) 率いる DEEP MEDi MUSIK所属、世界中で活躍し最も尊敬を集める日本人プロデューサーGoth-Trad!! 初ソロ名義アルバム『The Ja-ge George』をリリースした、東京発世界発信のレーベル/プロダクション「PART2STYLE」の看板アーティスト、オリジナル異型ラガマフィン・ディージェイ、Jage-GeorgeがMAL (PART2STYLE SOUND)とのセットで登場!! 90年代より東京のDrum&Bass / Jungleシーンを牽引するSoi productions DX with Osamu G.Gに加えて、DJ DON! そして新宿Duusraaのサポートによる2nd FloorにはThe Chopstick KillahzよりMars89、Min、HALU、maidable、SYNDROME、Ampsなどの若手も勢揃い!
Bass & Beats Music JunkiesにはマストなまさしくConcrete jungle Music Night!

:: 1st Floor ::
ROB SMITH a.k.a RSD (SMITH&MIGHTY / UK.BRISTOL)
KURANAKA a.k.a 1945 (Zettai-Mu, Outlook jp)
GOTH-TRAD (Deep Medi Musik.UK / Back To Chill.JP)
Ja-ge George + MAL from PART2STYLE
Soi Productions (DX&OSAM "GREEN GIANT")
DJ DON (新宿ドゥースラー)
and more...!!!

:: 2nd Floor ::
Mars89 (The Chopstick Killahz / 南蛮渡来)
Min (The Chopstick Killahz / 南蛮渡来)
HALU
maidable (Shoot Recordings / Rubik Records)
SYNDROME (SKETCH UP! Recordings)
Amps (Weekend Shuffle/TREKKIE TRAX)
and more...!!!

 

△▼△▼△▼△▼ PROFILE and ... △▼△▼△▼△▼

ROB SMITH a.k.a RSD
(Smith & Mighty / More Rockes / Tectonic / Punch Drunk / Black Box / Moonshine / Zettai-Mu from Bristol. UK)

Massive AttackやWILD BUNCHとともに、数々のオリジナリティあふれる革新的な音楽を生み出し続ける世界の音楽の発信地、ブリストル・ミュージックのレジェンド、スミス&マイティ "ROB SMITH a.k.a RSD"!! 80年代前半より、レゲエ・バンドのレストリクションで活動を開始。その後、レイ・マイティとともに、ブリストル・ミュージックの代表格として君臨するスミス&マイティとしての活動をはじめ、マッシヴ・アタックのファースト・シングルをプロデュース。そしてバカラックの古典をブリストル流に解釈した「エニィワン」の大ヒットによって、マッシヴ・アタックと並ぶブリストルの顔としてメディアに大々的に取り上げられるようになる。これまでに「ベース・イズ・マターナル」「ビッグ・ワールド・スモール・ワールド」「ライ フ・イズ…」、2003年には初のベスト・アルバム「フロム・ベース・トゥ・ヴァイブレーション」を発表。また、ロブは、初期のマッシヴ・アタックにも参加していたピーターDとのドラムンベース・ユニット“モア・ロッカーズ”での活動も精力的におこなっており、2004年にはアルバム『セレクション3- トライド・アンド・テスティド』をリリース。DJ-Kicksより『Smith & Mighty』、ソロ・アルバム『アップ・オン・ザ・ダウンズ』を発表。09年には、ブリストルの〈パンチ・ドランク・レコード〉の記念すべき1枚目のアルバムとして『グッドエナジー』をリリースする。2009年スミス&マイティとして【METAMORPHOSE】に来日。現在進行形のブリストル・ミュージックで多くの日本のクラウドを沸かせた。そして、2011年には、ZETTAI-MUよりニュー・アルバム『GO IN A GOODWAY』をリリース、同年3月の "SMITH&MIGHTY" 公演は震災の影響により中止になったが、急遽DOMMUNEによる【WE PRAY FOR JAPAN】に出演、日本中を音楽の力で勇気づけた。近年はスミス&マイティの進化版とも言えるダブステップ名義 "RSD" で数々の傑作を生み出し【GRASTONBERY FESTIVAL】【OUTLOOK FESTIVAL】【Deep Space NYC】などオーディエンスを魅了しつづけている。2014年には、"Rebel Sound (Chase & Status + Rage, David Rodigan, Shy FX)" など世界中で話題になった【Red Bull Music Academy - Red Bull Culture Clash】Bristol大会において (Rsd + Pinch + SGT Pokes + Joker + Jakes + Chef + Riko Dan) "Subloaded Sound force" として、Winnerに輝いたのも記憶に新しい。レゲエ~ダブ~ジャングル~ドラムンベース~ダブステップのトップ・クリエーター/トップDJとして世界中に広がるこのシーンのリヴィング・レジェンド! 正真正銘、最新最核の現在進行形のブリストルサウンド!

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KURANAKA a.k.a 1945
(Zettai-Mu, Japan)

11の顔と1000の腕を駆使し日本中のアンダーグラウンドから革命の狼煙を上げ続ける絶滅危惧種の野生の日本人。開放的な上物と相まって叩き打つリズム、体中を行き来する超重量級ベース、フロアを狂喜乱舞させる獣の様なダブ・エフェクト!! 20年以上にわたって日本のダンス・クラブ・シーンの最前線で活動する。Dub、Jungle、Drum & Bass、Dubstepと呼ばれるUK Sound systemミュージック、そして日本のDeepサイド・ミュージックのパイオニア。
今年で21年を迎える日本唯一のロングラン・パーティ「Zettai-Mu」(大阪Bay Side Jenny、梅田Noon、難波Rockets、新宿/恵比寿Liquidroom、代官山Unit、Yellow、Eleven、代官山AIR、渋谷Asiaなど)をはじめ、近年盛り上がりを見せるBass music partyの最高峰「Outlook Festival Japan」そして13年にはAsia初となる「Sonar Music Festival」の国外サテライト・イベント「A Taste of SONAR」の主催者でもある彼は日本初の野外フェスティヴァル・レイヴ「Rainbow 2000」をはじめ、3度の「FUJI ROCK FESTIVAL」「朝霧JAM」「METAMORPHOSE」「Outlook Festival」「Saturn」「Earth Dance」「明宝 Reggae Festa」「渚音楽祭」「舞音楽祭」といった屋内外のフェスティヴァルにヘッドライナーとして出演。シーンの草分け「Drum & Bass Sessions」や 東京アンダーグラウンド・ビーツ最前線「Tight」などのレジテンツ、和太鼓チームとのコラボレーション、DRY & HEAVYのヴォーカルAO INOUEをフィーチャリングしたステージや、REBEL FAMILIA / DRY & HEAVYのベーシストAkimoto "Heavy" Takeshi、BOREDOMSのE-DA、アコーディオン奏者COBAとのセッション、古くはディジュリドゥ奏者GOMAをフィーチャリングして「Rainbow 2000」「FUJI ROCK FESTIVAL」「METAMORPHOSE」といったフェスティヴァルに出演、近年は日本のレゲエ・オリジネーターMUTE BEATのリーダー、こだま和文とのライヴ・セットでの活動や、Shing02との同期コンビでふたつの国際芸術祭(2014年ヨコハマトリエンナーレ、2015年KYOTO PARASOPHIA)1年にわたり繰り広げられたステージを飛び出し観客と深化させる問題作『日本国憲法』がリリースされるなどジャンルや時代の垣根を越え様々なシーンの最前線で活動する。「海底2万マイル ZETTAI-MU 丸腰でトライするエンタープライズ ゼロ足しても掛けてもゼロ」THA BLUE HERBのBOSS THE MCが歌っているように、シーンを底の底で牽引する日本のSUB CULTURE界のラスボス。
20年以上もの間、年間100本近いギグをおこない、これまでに日本・アジア・UK・ヨーロッパなど40回以上のツアー行脚を行っている彼は、LEE PERRYの来日ツアーをはじめ、JAH SHAKA、LKJ、DENNIS BOVELL、ADRIAN SHERWOOD、ABA SHANTIといったRoots Reggae / Dubの来日公演から、世界最大のサウンドクラッシュ「Red Bull Culture Clash」においてGrand Winnerに輝いたRebel SoundのSHY FXをはじめ、CONGO NATTY、RONI SIZE REPRAZENT、ANDY C、DEGO、The BUG、MALA (DMZ)などのJungle / Drum and Bass / Dubstepのアクト、グラミー賞5冠制覇のDAFTPUNKの初来日、UnderworldのDERREN EMERSON、近年にはJAMES BLAKEの初来日公演のACTも務める。またカリフォルニアのFLYING LOTUS、NY・ブルックリンの COMPANY FLOW、AESOP ROCK、NINJA TUNEといったHipHop / Beats系、国内では「HAPPERS ALL STARS (Audio Active. Dry & Heavy. Tha Blue herb. 1945)」での全国ツアーや、BOREDOMSのツアー、THA BLUE HERB、REBEL FAMILIA (GOTH-TRAD + HEAVY)、OKI DUB AINU BAND、O.N.O、QUIETSTORMなどとツアーをおこなっている。
初期のリリースはMOUという名義で (w/ NHK Koyxen) ドイツの名門〈MILLE PLATEAUX (ミルプラトー) 〉よりABSTRACT HIPHOPの先駆け『ELECTLIC LADY LAND』などにDJ SPOOKYやDJ VADIM、TECHNO ANIMAL (THE BUG) などと並びクレジットされている。またコンピレーション『響現』や〈CISCO Records〉よりDRY & HEAVYのベーシストAKIMOTO "HEAVY" TAKESHIをフィーチャリングした楽曲をリリースしている。1945名義では『TIGHT』シリーズのMIXを〈煙突レコーディングス〉よりリリース。リミキサーとしてもAudio ActiveのRemixを〈On-u sound〉よりリリース。REBEL FAMILIA、ORIGINAL LOVEなどの作品を解体~再構築し、ロンドンICAなどでのコンテンポラリー・アート・ショウや、アメリカはネバダ州Burning Manでのプロジェクトに楽曲を提供するなど活動は多岐にわたる。そしてJungle~D'N'B黎明期の片仮名「クラナカ」という名義ももちろん彼であり、世界中で愛用されているKORG「KAOSS PAD」Delay + Reverbe + Sirenが、彼のプレイからヒントを得て開発されたことはあまり知られていない。
強力なビートに乗るメッセージは、そのしっかり踏みしめた両足にのみ伝わる。繊細だが力強く感じ取れる「今まで」「今」そして「これから」へ、貴方が必要とする瞬間、一人ではたどり着けない場所に向かって、現代の太鼓打ちは今日も何処かで大きくバチを振る。

Ishan Sound & Rider Shafiqu - ele-king

 尖ったサウンドの伝統を持つブリストルで現在もっとも尖っているポッセ、ヤング・エコーのメンバーでもあるIshan Sound(アイシャン・サウンド)とRider Shafique(ライダー・シャフィーク)の2人が来日する。
 アイシャン・サウンドは、〈Peng! Sound〉や〈Hotline Recordings〉、〈Tectonic〉などからもリリースする、現在20代半ばのプロデューサー。マーラやザ・バグなどからもイヴェントに招かれ、またリリースされる曲はレゲエ系サウンドシステムでも好評を得ている。ルーツへの興味を示しつつ、ダブステップ~グライム~トラップ~ダンスホールを折衷する、まさに新世代感覚。
 もうひとりのライダー・シャフィークは、もっか注目もMC。ヒップホップ~ジャングル~ダブステップなど多くのDJやプロデューサーに招かれ、そのラップを披露している。Kahn、Sam Binga、Epoch、Gantz、Submotion Orchestraなどなどの作品に参加している。
 最近Young Echoはレーベルを立ち上げたが、その第1弾は、El KidとJabuがトラックを提供した、ライダー・シャフィークのスポークン・ワード作品(https://bs0jukebox.tumblr.com/post/152601400294/i-dentity-rider-shafique-official-video
 詩の邦訳: https://dsz-instagram.tumblr.com/tagged/ye001

 とにかく、ブリストルのアンダーグラウンド・ミュージックの気鋭の2人の来日、ぜひ生で体験してほしい。11月22日から、東京、名古屋、京都、福岡、金沢、宇都宮をまわります。

■Ishan Sound & Rider Shafique Japan Tour Nov/Dec 2016

Theater 1 (D.J.Fulltono & CRZKNY) - ele-king

 D.J.FulltonoとCRZKNYは日本のジューク/フットワーク・シーンを牽引するプロデューサーである。このふたりはTheater 1という名義で、昨年夏より月一のペースでコンセプチュアルなリリースを展開してきたが、このたびそれらのスプリット・シングルが2枚組CDとしてまとめられることになった(デジタル盤は12枚のシングル形式)。
 気になるタイトルは『fin』で、10月16日(日)に〈melting bot〉よりワールドワイドにリリースされる。なお本作は、D.J.Fulltonoにとっては初めてのCD作品でもある。
 これまでのジューク/フットワークの概念をテクノやミニマル・ミュージックとして大幅に拡張した本作は、ジューク/フットワーク第2世代のJlinや食品まつり a.k.a foodmanなどと同様、発祥の地であるシカゴ以外の場所でもジューク/フットワークがどんどん成熟していっていることの証左であり、日本の音楽シーンから世界へと向けられた挑戦状でもある。となれば、これはチェックしておかないとマズいでしょう!

 なお、D.J.Fulltonoは下記日程にてヨーロッパ・ツアーをおこなうことも決定している。こちらもあわせてチェック!

D.J.Fulltono EU Tour 2016
20th Oct Krakow - Unsound w/ Traxman, 食品まつり a.k.a foodman
21st Oct Paris - Booty Call Presents Global Footwork
22nd Oct Berlin - TBA

"フットワーク以降アンビエント未満、観賞する白銀のミニマル・テクノ"

世界へと切り込むD.J.FulltonoとCRZKNYによるコンセプチュアルなシリーズ・プロジェクト“Theater 1”がアルバムとなってワールドワイドでCDリリース! フットワークをフレームワークとした無機質で催眠的な新感覚のミニマリズム、〈Kompakt〉を共同主宰する独電子界の巨匠Wolfgang Voigt(aka Mike Ink, Gas)のミニマル革新作『Studio 1』(1997)のオマージュでありながら、テクノとしてのフットワークを拡張する逸脱の実験音響作。

『Pitchfork』、『Fact』、『Fader』、『RA』にも取り上げられ、『VICE』での特集や『Rolling Stone』の年間ベストのランクイン、そしてUnsound出演を含めるEUやUSツアーなど、先鋭アクトとして世界的な注目を集める日本フットワークの両雄が前人未到へ踏む込むテクノ最先端!

2015年の夏から1年間に渡って毎月2曲のスプリット・シングルをリリース、後のクリック/ミニマルの源流となった90年代テクノの革新的レーベル〈Basic Channel〉と並ぶ、〈Kompakt〉の共同オーナーでもある鬼才Wolfgang Voigt(aka Mike Ink, Gas)のコンセプチュアルなシリーズ作『Studio 1』を参照とした、日本からジューク/フットワークを牽引するD.J.FulltonoとCRZKNYのシリーズ・プロジェクト“Theater 1”の全リリースをまとめた全24曲のコンピレーション・アルバム。フットワークをフレームワークとしながら、160BPMの中で繰り広げられるループから変拍子、4つ打ち、ポリリズムを抽出し、デトロイト、クリック、ミニマル、ベース、ジャングル、ガムラン、ドローン、アンビエントなどのレイヤーを織り交ぜ、多種多様なグルーヴを展開。ミニマリズムにおけるテクノとしてのフットワークを前面に打ち出した、未だかつてない逸脱の実験音響作品集。

CAT No : MBIP-5569
Artist : Theater 1 (D.J.Fulltono & CRZKNY)
Title : fin
Label : melting bot
Format : 2CD (Album) / Digital (12 Singles)
Price : ¥2,400 + tax / ¥300 per Single at ITMS
Release date : 2016/10/16
Genre : Techno / Minimal / Footwork
Territory : Worldwide
Barcode : 4532813635699

【CD限定特典】CD exclusive bonus track *Download Code

Theater 1 CD exclusive DJ mix by D.J.Fulltono

- CD (Album) Tracklist -

DISC I (CRZKNY album edit)

01. Remi
02. Nanami
03. Annie
04. Jerusha
05. Peter
06. Jo
07. Katri
08. Annette
09. Thomas
10. Anne
11. Marco
12. Heidi

DISC II (D.J.Fulltono album edit)

01. John
02. Romeo
03. Jackie
04. Maria
05. Cedric
06. Pollyanna
07. Sara
08. Lucy
09. Flone
10. Perrine
11. Sterling
12. Nero

CD Artwork & Design by hakke https://twitter.com/mt_hakke

- Digital (12 Singles) Tracklist -

01. Remi
02. John

01. Romeo
02. Nanami

01. Annie
02. Jackie

01. Maria
02. Jerusha

01. Peter
02. Cedric

01. Jo
02. Pollyanna

01. Sara
02. Katri

01. Annette
02. Lucy

01. Flone
02. Thomas

01. Anne
02. Perrine

01. Sterling
02. Marco

01. Nero
02. Heidi

Digital Artwork & Design by Theater 1
https://meltingbot.net/release/theater-1-fin
https://soundcloud.com/meltingbot/sets/theater-1-fin

▼ シアター・ワン・バイオグラフィー


D.J.Fulltono [Booty Tune] https://soundcloud.com/dj-fulltono

DJ/トラック・メイカー。レーベル〈Booty Tune〉を運営。大阪にてパーティー「SOMETHINN」を主催。ジューク/フットワークを軸に ゲットーテック/エレクトロ/シカゴ・ハウスなどをスピン。〈Planet Mu〉、〈Hyperdub〉のジューク関連作品の日本盤特典ミックスCDを担当。スペインのConcept Radioにて発表したDJ MIXでは、ジュークの中にテック・スタイルを取り入れながら新たな可能性を模索する。2015年に6作目のEP「My Mind Beats Vol.02」をリリース。また、「Vol.01」はUSの音楽メディア『Rolling Stone』の“20 Best EDM and Electronic Albums of 2015”に選出され、世界の音楽ファンからも評価を得た。タワーレコード音楽レヴュー・サイト『Mikiki』にて「D.J.FulltonoのCrazy Tunes」連載中。



CRZKNY [HIROSHIMA SHITLIFE] https://soundcloud.com/crzkny

日本ジューク/フットワーク・シーンの代表的トラック・メイカーの一人。ハイペースな楽曲制作、そして過剰低音かつアグレッシヴなLIVEでファンを魅了し続けている。2012年から現時点までのリリース総数は、142タイトル、430曲以上を発表。国内盤CDアルバム『ABSOLUTE SHITLIFE』(2013)、『DIRTYING』(2014)を〈DUBLIMINAL BOUNCE〉よりリリース。またアメリカ、メキシコ、ポーランド、アルゼンチンなどの海外レーベルからも多数リリース。日本のトラック・メイカーとして初のシカゴ・フットワーカーMVも制作された。日本初のジューク/フットワーク・コンピレーション『Japanese Juke & Footworks』シリーズを食品まつりと共同で企画。近日、自身3枚目のCDアルバムを発表予定。並行してE.L.E.C.T.R.Oの制作も行っており、初期Electro作品「RESIST」はアナログ盤にて海外レーベルよりリリース、表題曲リミキサーとしてドレクシアのメンバーDJ Stingrayも参加している。国内においては〈Tokyo Electro Beat Park〉から2枚のフルアルバム『NUCLEAR / ATOMIC』、『ANGER』を発表。Keith Tenniswoodなど海外トップアーティスト達に絶賛される。また2012年より原爆・核・戦争・歴史についてのコンピレーション『Atomic Bomb Compilation』シリーズをGnyonpixと企画、多くの国内外アーティストが参加。今までに『The Japan Times』、『Red Bull Music Academy』、『Pitchfork』などで特集、インタヴューなどが掲載されている。国内グライム・シーンにおいても、2013年に開催されたWarDub.JPにおいて100名超の中から見事トップ10入りを果たし、翌2014年に開催された140BPM WARでも決勝進出を果たした。現在ノイズ・エクスペリメンタルDJとしてYung Hamster名義でも活動中。
https://meltingbot.net
https://twitter.com/meltingbot
https://www.facebook.com/meltingbot

OG from Militant B - ele-king

愛すべき日本のレゲエミュージック 2016.8.19

完全に久しぶりぶり~な感じのOGですがバイブス変わらず俺なりのチャートをお届け!
今回のテーマは"愛すべき日本のレゲエミュージック"と題し、終わりたくない夏!
初のオール日本人の楽曲を挙げました。やっぱ言葉の意味も分かるし、それがレゲエのリズムに乗ったら最高なの間違いなし!
You Tubeはほぼ無かったのでCD、レコードをゲットしたり俺のプレイで楽しんでくれ。
そして日本が今とんでもない方向に進もうとしてることは誰もが分かるから、音楽で俺らは繋がろう。
そして広げよう!踊るのは楽しいぞ!と

最後に私事なんですが7月にBrand New Mix TAPE "Hawkeye Dub"をMASTERED HISSNOISEよりリリースしました。

テープという媒体ながら多くの方に手にとってもらって嬉しいです。
俺はいつでも絶好調!だからパーティーにも遊びきてね。
そんなノリをキープしてリリースパーティーのお知らせ!

Deerhunter
@ Rough trade 12/7
@ Irving plaza 12/8
@ Warsaw 12/9

 2015年、私がもっともよく聴いたアルバム3枚のうちの1枚がディアハンターの『フェイディング・フロンティア』だ。今回は、この力作を引っさげての、3日間のNYショー(全てソールドアウト)をレポートしよう。

 1日目は、ジュークリー(jukely.com)のイベントだった。つまり、一般客は入場できないのにソールド・アウト。
 ジュークリーとはメンバーのみがさまざまなイベントのゲスト・リストに載せてもらえるウェブサイト。月に$25払うと100以上のショーにアクセスできる。いまのところニューヨークを含む17都市で展開されていて、多彩なジャンルを網羅、メンバーでないとどんなショーがあるかわからない。
 さて、NYツアー1日目は、キャパ500ぐらいの、ディアハンターにとっては小さいハコだが、バンドにとってはウォームアップと言ったところでちょうどいいのかもしれない。
 ブラッドフォード・コックスのソロ・プロジェクト、アトラス・サウンドがすべてのショーのオープニングを務める。ギター、キーボード、マラカス、ヴォーカル、ドラム……すべてはフリーキーな即興で、何が出るのかわからない。毎日が新しく、ときには狂気さえ感じらる。アトラス・サウンドは、ブラッドフォードの可能性をとことん試す場なのだろう。
 そして、ディアハンターの登場。ブラッドフォードはキャップを被り、黄色のジャケットを着ている。メンバー3人も50年代風のグランジーな出で立ちで、この凸凹感が良い。ライヴは、ロケットが歌う“Desire Llines”でスタートした。
 ブラッドフォードは上機嫌で、ブルックリンに帰ってこれて嬉しいこと、ジュークリー、ラフトレードについて(どのdiscが好きだとか)、NYの最近について(グラスランズ、デス・バイ・オーディオはどうした?)などの会話を観客と楽しんでいた。
 誰かに「ナイスジャケット!」と突っ込まれると「グッドウィル(古着屋、スリフトストア)だよ」と言って、「NYにはグッドウィルはあるのか?」と訊く。で、自分の電話を出すと「僕はグッドウィルのアプリを持ってるんだ」と、お喋りしながら23丁目にあることを確認。ギターのロケットに「明日は早起きしてショッピング行かない?」と話しかける。なんだかんだと結局彼は、20分以上喋り続けていた。
 ブラッドフォードは、いままでにも(観客からのリクエストで)“マイ・シャローナ”のカヴァーを1時間プレイしたり、オーディエンスをステージに上げてキーボードをプレイさせたり、観葉植物をステージにあげそれとプレイ(?)したり……してきている。
 それで肝心のライヴだが、新曲の演奏が4曲ほどあって、あとは昔の曲、ファンにはお馴染みの曲が並ぶ。
 アンコール前の“Nothing Ever Happened”では10分以上に渡るジャムを展開。アンコールの“Ad Astra”では、ブラッドフォードはベースを弾く。ラストの“Fluorescent Grey”では10分以上におよびインプロヴィゼーションを見せたが、2時間弱のショーでは、他にも多くの場面で即興があった。

 2日目の会場のアービング・プラザは、キャパも1000人と昨日の2倍はある。オフィシャル・ショーの1日目ということもあり、バンドも気合が入っていた。
 8時にはアトラス・サウンドがはじまる。ライヴ開始の5分前にやって来たブラッドフォードは、ドアのセキュリティにバッチリひっかかっていた。で、お客さんに「この人、いまからステージだから」と擁護してもらう始末……。
 ディアハンターのショーはスムーズだった。ブラッドフォードのトークもほとんどなく(ホテル・プラザについてのみ。この日がアーヴィング・プラザだからか?)、ライティングによるサイケデリック感も増し、バンドも良いグルーヴに乗っていた。即興は危なっかしいところもあるのだが、音の厚さもバランスも良く、なにかと綺麗に着地する。私は、そのシューゲイズなグルーヴ感にずっと包まれていたかった。
 ライヴを終えた後のアフターパーティでは、ドラマーのモーゼス(aka moon diagrams) が、いまNYで一番いけてる会場、ベイビーズ・オール・ライトが運営するエルヴィス・ゲストハウスというバーでDJをした。

 3日目最終日は、グリーンポイントのポーリッシュ・ナショナル・ホーム内にあるワルソウでのショーだった。ポーリッシュの会場なので、ポーリッシュ料理が食べられる(ピエロギがオススメ)。
 長いラインを抜け、中に入ると、すでにアトラス・サウンドがはじまっていた。私は一番前に行く。そして、昨日や一昨日も来ていた人たちの会話に挟まれる。「今日は『Monomania』からの曲もやって欲しいね」「昨日は“Helicopter”後の最後の曲のインプロがよかったなー」「“Fluorescent Grey”ね。やっぱり“Nothing Ever Happened ”がどうなるかだよねー」など……まあ、濃い会話だ。
 隣の男の子が、「今日のアトラス・サウンドは1曲だけ彼の曲で、他は全部インプロだったよ」と教えてくれた。ちなみに最前列は男の子がほとんどで、ショーがはじまると、ずっとシンガロング。
 一番前で見ると、ブラッドフォードのペダルの多さやモーゼス(ドラム)のロボットのようなドラミング、ロケット(ギター)の落ち着きぶりがよくわかる。ジョシュ(ベース)のグルーヴもね。
 その晩のブラッドフォードとロケットはともにストライプ・シャツ着ていた。たまたまだろうが、その服は、たしかにグッドウィルで売っていそうだ。
 ライヴ終了後は近くのダンス・クラブ、グッドルームで再びモーゼスのDJがあった。4ADの社長も上機嫌。これにてNYショーはすべて終了。

 3日間のライヴはほとんど同じセットリストだが、しかし彼らのショーは1日1日違う。ブラッドフォード曰く「僕らは実験的バンドだよ。だって僕のiPod を1時間ずっと聞きたいかい?」
 何が出るかわからないヒヤヒヤ感と隣り合わせに、彼の音楽への真摯な姿と才能はショーからヒシヒシと伝わってきた。アーヴィング・プラザでの“Nothing Ever Happened”は、この曲を新たなレベルに高めた、最高のロング・ヴァージョンだった。
 グルーヴに乗ったバンドは火がついたように走り続ける。ディアハンターはいま新しい伝説を作っている。

■Setlist (Irving plaza)
Desire Lines
Breaker
Duplex Planet
Revival
Don't Cry
Living My Life
Rainwater Cassette Exchange
All The Same
Take Care
Nothing Ever Happened
Encore:
Ad Astra
Cover Me (Slowly)
Agoraphobia
Helicopter
Fluorescent Grey

https://deerhuntermusic.com

Booty Tune presents DJ PAYPAL Japan Tour 2k15 - ele-king

 シカゴのジュークは、瞬く間に世界的な音楽になった。UK、日本、そしてUSからベルリンへ。とくに DJラシャド以降は、「DJラシャド以降」という言い方が通用するほど、シーンは世界規模で拡張しているのだ。その中心には、シカゴのTEKLIFE がある。
 いや、しかし、DJ Paypalというネーミングが最高ですね。Paypalこそまさしく悪魔的なシステムです。深夜酔っぱらって、いつの間にかレコードやCDを買っていたなんてことはザラです。現代消費社会の象徴です。それをDJネームにするとは……なんて不遜な人でしょうか。
 しかも、この人のDJは、そうとうにポップなようです。
 これは期待するかありません。7月19日(東京)〜20日(大阪)です。みんなでこの謎のDJを冷やかしつつ、彼のハッピー・ジュークを楽しみましょう。

 世界を沸かす覆面ジューク DJ、ついに来日!
 ついに謎のジューク DJ が来日を果たす!  ジューク好きの間で密かに話題になりはじめた 2012年の活動開始から、この3年でまたたく間にシーンの中心に躍り出た、正体不明の覆面トラックメーカーDJ Paypal。その人を食ったDJ ネームゆえ、出演時はいつもTシャツを頭から被り、その素顔を見せることは決してない。最近、ネット決済会社の本家 Paypal から名称の未許可使用のクレームを受け、フェイスブックでも強制的に名前を変えさせられるほど、知名度も アップ中。
 大ネタを惜しげもなく使いまくる、老若男女問わず踊らせるアッパーかつポップなディスコ・スタイルは、北欧の Slick Shoota とともに現行パーティ・ジュー クのひとつの到達点と言える。自身のレーベル〈MallMusic〉からリリースされたファースト・シングル「Why」に収録された“Over”がクラブ・ヒット。さらに、新世代ベースを牽引するレーベル〈LuckyMe〉からもシングルをリリー スし、Machinedrum、Ikonikaらの著名アーティストたちのサポートを受けながら、UKベースやドラムンベースなど、ジューク・シーンに留まらない幅広い活躍を見せ続けている。2014 年からは現在のジューク・シーンの中心とも言える、シカゴ最大派閥の TEKLIFE クルーにも所属。UK の老舗レーベル〈Hyperdub〉の10周年コンピレーションにもその名を連ねた。
 今回の来日公演は Booty Tune が主宰となり、東京の大阪の 2 箇所で公演。日本勢の出演者陣もジューク・シーンをはじめ、タイトな顔ぶれがそろう。会場は、 日本フットワーク・ダンス・シーンの総本山「Battle Train Tokyo」の恵比寿KATA と大阪 Circus。全日本のジューク・ファンが待ち望んだ、ヨーロッパ最強のジューク・アーティストの来日公演。アッパーでハッピーなジュークに乗っ て、Let Me See Yo Footwork!!!

【東京】
Still Pimpin' feat.DJ Paypal
会場:KATA + Time Out Cafe & Diner [LIQUIDROOM 2F]
日程:7 月 19 日(日/祝前日)22:00~
出演:DJ Paypal (TEKLIFE, LuckyMe/Berlin, Germany)、D.J.Kuroki Kouichi、Guchon、TEDDMAN、D.J.APRIL(Booty Tune)、Dx (Soi Productions)、SUBMERSE、Boogie Mann (SHINKARON)、食品まつり aka Foodman、Kent Alexander(PPP/Бh○§†)、Frankie Dollar & Datwun (House Not House)、Dubstronica(GORGE.IN)、 Samurai08、コレ兄(珍盤亭)料金:Door Only ¥2,500 (With Flyer ¥2,000)

【大阪】
SOMETHINN vol.12
会場:CIRCUS
日程:7 月 20 日(月/祝日)19:00~
出演:DJ Paypal (TEKLIFE, LuckyMe /Berlin, Germany)、D.J.Fulltono (Booty Tune)、Keita Kawakami (Dress Down)、Hiroki Yamamura(Booty Tune)、AZUpubschool (Maltine Records / Sequel One Records)etc...
料金:TBA

■DJ Paypal(TEKLIFE, LuckyMe / Berlin, Germany)
アメリカ出身、ベルリン在住、本名不詳の謎の覆面トラックメーカー。DJ Spinn と故 DJ Rashad によって結成された世界的クルー「TEKLIFE」のメンバー。2012 年頃から徐々に頭角を現し始め、その後 Machinedrum、Jimmy Edger、Ikonika、Daedelus らからの熱烈なサポートを受け、そのキッチュな 名前に違わぬプロップスと実績を積み上げてきた。イーブンキック主体のサン プリングジュークを得意とし、アッパーかつポップなトラックメイキングで、 Juke/Footwork の枠を超え、多くの DJ に愛されている。これまでも前出の アーティストのほか、同じ TEKLIFE の盟友、DJ Earl や DJ Taye、DJ Rashad らのほか、Nick Hook や Sophie などともコラボ、リミックスワーク などを手がけている。
※20 歳未満の方のご入場はお断り致します。年齢確認のため、顔写真付きの公的身分証明書をご持参ください。(You must be 20 and over with photo ID.)


フットワークを愛するひとたちへ - ele-king

 いやー、去年末の〈Hyperdub〉ショウ・ケースはすごかった。メインフロアはもちろんですが、セカンドフロアで行われていたWeezyたちによるKata Footwork Clubのダンス・バトルがハンパではなかった。D.J.FulltonoやTrekkie TraxのDJプレイに合わせて、ダンサーたちが激烈フットワークをかましているのを見ていた僕は楽し過ぎて思わず足を踏み出してしまい、危うくバトルがはじまりそうに……。

 そんなスリルを味わったことがある方とフッットワークを心から愛する方へ。今週金曜と来週月曜は彼らのホームであるLIQUIDROOMの2階へ集合しませんか? ダンサーであると同時に優れたプロデューサーでもあるWeezyあらためWeezyTheEra。15日の金曜日は彼のファースト・アルバム『THE FLOOR IS YOURS』のリリース・パーティが開催されます。EXS、sauce81、D.J.Aprilといった彼に馴染み深いDJたちも駆けつけます。もちろんフッチワークをしてもいい……、ハズ。

 そして週明け18日月曜日には、フットワーク・シーンのパイオニアTraxman主催の〈Tekk DJ'z〉に所属すDJ Innesがメルボルンから、Violet Systemsがシカゴから来日します。金曜と同様にD.J.AprilとWeezyTheEraやFruityたちも参加決定。もちろんKata Footwork Clubも集合! 今回もお馴染みのフットワークのレッスンがあるので、これでいきなりバトルに突入してしまっても大丈夫ですね。入場料も金曜日が1000円、月曜日が1500円ととてもお得なので、Let me see your footwork!

2015.5.15 friday
SHINKARON presents WeezyTheEra "THE FLOOR IS YOURS" Release Party!!!

Time Out Cafe & Diner[LIQUIDROOM 2F]
19:00-23:00
door only 1,000yen(with WeezyTheEra's Mix CD)

DJs:
WeezyTheEra(SHINKARON/TH王RA/Kata Footwork Club)
EXS(NTB)
sauce81(disques corde)
D.J.April(Booty Tune)
TEDDMAN(Booty Tune)
Deemc


2015.5.18 monday evening
Battle Train Tokyo feat. Tekk DJ'z

KATA[LIQUIDROOM 2F]
open/start 19:00-23:00
door only 1,500yen

Special Guest DJs:
DJ Innes(Tekk DJ'z from Melbourne)
Violet Systems(Tekk DJ'z from Chicago)
DJs:D.J.April(Booty Tune)
Fruity(SHINKARON)
Kent Alexander(PPP/Paisley Parks/NDG)
TEDDMAN(Booty Tune)
Dance/Footwork:Kata Footwork Club[Murahkey, Re:9, Takuya, Yamato, WeezyTheEra]


▼ DJ Innes(Tekk DJ'z from Melbourne)
Traxman主宰のJuke/Footworkクルー、Tekk DJ'zに所属するオーストラリア在住のDJ。オーストラリアではGaming Cult Podcastという番組を仲間のBoomaらと配信しており、Gaming CultというレーベルとしてもDJ Deeon、DJ Clent、DJ Earl、D.J.Fulltonoらが参加したコンピレーション"Gaming Cult Trax vol.1"やBags & Works参加アーティストDJ TroubleのEP"Eye of the Circle"を発表している。また彼自身も曲を作り、その作品は前述した"Gaming Cult Trax Vol.1"やTekk DJ'zのコンピ"The Tekk DJ'z Compilation Volume 1 Part 2"で聞く事が可能。上記した作品はいずれもBandcampで購入できる。
https://soundcloud.com/djinnes
https://culttrax.bandcamp.com/album/gaming-cult-trax-vol-1

▼Violet Systems(Tekk DJ'z from Chicago)
Traxman主宰のJuke/Footworkクルー、Tekk DJ'zに所属するシカゴ在住のDJ。過去には韓国に住んでいた事もあり日本にも何度か訪れている親アジアな側面もある事から日本のJuke/Footwork愛好家達にも名が知られている。Tekk DJ'zのコンピ"The Tekk DJ'z Compilation Volume 1 Part 1"への参加の他、九州は小倉のJuke/Footwork DJ、naaaaaooooo氏監修のEP"KOKLIFE Vol.1"に参加。またSoundcloud上でも精力的に作品を発表。Bandcampにてこの夏新作EPの発表を予定している。
https://soundcloud.com/entroemcee
https://violetsystems.bandcamp.com

▽ WeezyTheEra(SHINKARON/TH王RA/Kata Footwork Club)
国内ジューク/フットワーク・シーン最初期から活動するオリジナル・ジャパニーズ・フットワーカー。その活動はアグレッシブな高速フットワーク/ダンスだけに留まらず、トラックメイク、DJもこなすオールラウンダーとして国内シーンを支え続けて来た。2014年初夏には日本トップレベルの足技を武器にフットワーク総本山シカゴやニューヨークへ渡り、現地アーティストやダンサーと交流を深め、世界最高峰のフットワーク・クルーTH王RAに電撃加入。日本のキャプテンに指名される。これまでに所属レーベルSHINKARONより「ON NUKES EP」、「ON NUKES LP」をリリースしているほか、外部レーベルのコンピレーションにトラックを複数提供。また、自身のSoundCloudでも定期的に作品を発表している。2015年4月26日に待望のデビュー・アルバム『THE FLOOR IS YOURS』をリリース。今、活躍が最も期待されるアーティスト。BTTではフットワーク・レッスンの講師も務める。
https://weezytheera.wix.com/teklife
https://soundcloud.com/rioqmt
https://weezymarket.bandcamp.com
https://instagram.com/weezytheeralife

▼ D.J.April(Booty Tune)
Hardfloorでシカゴハウスに目覚め、そんなサウンドをのらりくらりと追いかけつつ、Jukeレーベル「Booty Tune」のPR&ARをしております。
https://twitter.com/deejayapril
https://bootytune.com

▼Fruity(SHINKARON)
ジューク/フットワークDJ、トラックメイカー。SHINKARON主宰。2009年パーティー"SHINKARON"を始める。2012年より同名をレーベルとしても始動させ、自身のの他、Weezy、Boogie Mann、吉村元年やDJ Rocなど国内外様々なアーティストの作品をリリースし続けている。2014年3月に1stアルバム"LET DA MUZIK TALK"を発表した。
https://shinkaron.tokyo

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