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interview with Hokuto Asami

interview with Hokuto Asami

フォーエバーヤング!

──浅見北斗、ロング・インタヴュー

二木 信    Sep 30,2014 UP

──ということは、トラックスマンの来日は超重要なんだ?
超重要でしょ! あそこには七尾旅人もいたし、デラシネの風間コレヒコもいたし、あの日はやっぱり重要ですよ。(浅見)


V.A.
Fresh Evil Dead

Pヴァイン

HardcoreJuke/FootworkElectronicPunk

Tower HMV Amazon

浅見さんから『FRESH EVIL DEAD』の内容について聞いてると、やっぱり興味がわいてくるのが、どうやって浅見さんたち周辺の風変わりで、エネルギッシュなパーティ・シーンができあがってきたのかってことなんですよね。当然、単純な音楽ジャンル云々の話じゃないわけでしょ。自分は、〈SHIN-JUKE〉と〈SCUM PARK〉と〈歌舞伎町Forever Free!!!〉にまったく異なるルートでたまたま遊びに行っていて、あるとき、そこにシーンらしきものがあるんだってことを知ったんですよ。そもそも監修者である浅見さんとスガナミさんと望月さんはどうやって出会って、いっしょに活動するようになったんですか?

浅見:最初に俺がモチさんからイヴェントに誘われたんですよ。モチさんがブッキングするんじゃなくて、他の人にブッキングを頼むっていう、そういうコンセプトのイヴェントがあった。そのとき、内田るんちゃんといっしょに企画したんです。

るんちゃんと!

浅見:そう。内田るんちゃんがやっているバンドとうちら(Have A Nice Day!)がいっしょにイヴェントをやったことがあって。るんちゃんとはめっちゃ仲良いんですよ。なんで、二木くんはるんちゃん知ってるの?

高円寺の〈素人の乱〉で知り合ってるんですよ。ハバナイの名前を最初に教えてくれたのもるんちゃんだったし。

浅見:ああ、そうなんだ! まじか! 〈SCUM PARK〉をやるぜんぜん前にそういうイヴェントがあって、そのときにはじめてモチさんと会ったんですよ。

ちなみに何年ぐらいか憶えてますか?

スガナミ:震災後でしょ。

浅見:そうそうそう。

スガナミ:望月さんが〈ロフト〉に入るのが震災後なんで。

浅見:2011年12月ですね。そのイヴェントのあとに、映画の『アメリカン・ハードコア』の話をして、「すごいいいですよね」って盛り上がって。モチさんは、ハバナイのドラムがやってたマリリンモンローズってバンドの面倒を見てたんですよ。CDを作ったり、流通したり、ライヴのブッキングをしたり、手伝ってたんですよ。そのとき、モチさんは〈オモチレコード〉をすでにやってて、存在を知ってはいたけど、会ったことはなかった。その後、けっこう仲良くなったから、ハバナイのCDを一般流通したいから、面倒を見てもらったのが2012年の夏くらいかな。6曲入りのEP(『BLACK EMMANUELLE EP』)を〈オモチレコーズ〉からリリースしたんですよ。

ブログにいろんなレコード屋に委託販売を断られたって書いてた作品?

浅見:あ、それは、そのEPのひとつ前の作品。でも、じつはいまだにけっこう断られる(笑)。わりかしどこも置いてくれないんだよね。だから、モチさんとは最初はイヴェントっていうよりも〈オモチレコード〉を通しての付き合いで、イヴェントやパーティをやるのはレコ発ぐらいで、いまみたいにイヴェントをしょっちゅうやるなんて考えられなかった。〈新宿LOFT〉の平日の深夜がいつでも空いているから、「月に1回ぐらいはイヴェントやりたいね」みたいな話はしてたけど、「集客がね。いやいや、無理っしょ」って感じでやらなかった。
 ただ、『BLACK EMMANUELLE EP』を出して、ちょっと経ったころに、モチさんが〈SHIN-JUKE〉をはじめてるんですよ。トラックスマンの初来日が2012年10月だから、〈SHIN-JUKE〉の一発めは2012年なんです。そのころに〈十代暴動社〉の長州(ちから)くんとかと仲良くなりはじめて。だから、リリースがきっかけなんですよ、いろいろ。で、ライヴも増えてきて、最初の〈SHIN-JUKE〉の少しあとに〈SCUM PARK〉がはじまってるんです。2012年11月ですね。だから、時間軸で言うと、『BLACK EMMANUELLE EP』のリリース、トラックスマン初来日、〈SHIN-JUKE〉、〈SCUM PARK〉って感じですね。

ということは、トラックスマンの来日は超重要なんだ。

浅見:超重要でしょ! あそこには七尾旅人もいたし、デラシネの風間コレヒコもいたし、あの日はやっぱり重要ですよ。で、1回めの〈SCUM PARK〉は〈下北沢SHELTER〉が平日に空いてたから、「じゃあやろうか」ぐらいの感じでやったの。どついたるねん、ハバナイ、アンダーボーイズがライヴで、転換のDJをD.J.APRILにお願いしようと。そこではじめてD.J.APRILとちゃんと話して、トラックスマンを観に行ったって話をしたんだよね。

ほおお。スガナミさんとはまだ出会ってないんですか?

浅見:まだまだ! この1年後ぐらいにならないと登場しない!

俺はストレートですけど、惚れた男のためなら、みたいなところがあるんですよ。(スガナミ)

ははは。すいません、ちょっと話を飛ばしますけど、スガナミさんは〈SCUM PARK〉と〈SHIN-JUKE〉に触発されて、〈歌舞伎町Forever Free!!!〉をスタートさせたんですか?

スガナミ:いまの話を聞いていて思い出したのが、俺は毎月〈新宿LOFT〉で〈新宿ロフト飲み会〉ってイヴェントをやってるんですよ。新宿の〈LOFT〉はホールのほうの営業とバーのほうの営業で、ふたつ同時に公演を打つときがあるんです。進行も別々で。で、俺らが〈新宿ロフト飲み会〉をやってるときに、隣で〈SCUM PARK〉をやってたんですよ。

浅見:あったね! 2013年8月15日だ!

スガナミ:いや、憶えてないです……。

ははは。

スガナミ:それで、空いた時間に〈SCUM PARK〉を観に行ったんです。ハバナイの“ゾンビパーティー”って曲があるんですけど、そのときにその曲をやってて、お客さんがモッシュっていうよりは、ゴロゴロぶつかり合うみたいな感じだったんですよ(笑)。それがすげぇおもしろくて。あれはむちゃディスコティックな曲で……、いや、ディスコティックでもあるけど、ドドタッ、ドドタッみたいなパンキッシュなノリもあって、それが「ヤベェ! かっこいい」って思って。〈SCUM PARK〉の噂は聞いてはいたんですけど、こんなパーティがあるんだ! って感動して。その流れで、2013年末の〈SCUM PARK〉にGORO GOLOを呼んでもらったんですよ。

じゃあ、ふたりはここ最近、急接近なんですね。

浅見:そうだね、そうかもしれない。突然急接近しちゃって。

スガナミ:俺は自分がメインを張ることもやるんですけど、バディ役というか、バディ・タイプなところもあるんです。

裏方タイプでもあると。

浅見:スガナミくんのそこはすごい助かる。

スガナミ:モチさんもそういうタイプなんですよ。

浅見:そう。スガナミくんとモチさんはそのことに関してはめちゃくちゃ優秀だと思う。こいつらがいると、めっちゃ円滑に物事が進むわけ。ふたりみたいなつなぎ役がいないと、ほんとにただグダグダしちゃうし、下手したら他の人とケンカになっちゃうから。

スガナミ:俺はストレートですけど、惚れた男のためなら、みたいなところがあるんですよ。裏で自分のプロップスを上げてるって、いやらしいところもあるんですけどね。

スガナミさんは浅見さんのどこに男惚れしたんですか?

スガナミ:やっぱり浅見さんのブログなんですよ!

浅見:まじで! そうなんだ。

わかる。浅見さんの文章を読んでると、自分が忘れかけていた情熱が呼び覚まされる。

スガナミ:ざらざらしてて。

浅見:なんだ、俺、顔じゃないのか?!

スガナミ:30代になってから俺は完全にトゲがなくなっちゃったから、「この人はどこまでもこれで行くのかな!?」って超興味を持ったんです。

取材:二木信(2014年9月30日)

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Profile

二木 信二木 信/Shin Futatsugi
1981年生まれ。音楽ライター。共編著に『素人の乱』、共著に『ゼロ年代の音楽』(共に河出書房新社)など。2013年、ゼロ年代以降の日本のヒップホップ/ラップをドキュメントした単行本『しくじるなよ、ルーディ』を刊行。漢 a.k.a. GAMI著『ヒップホップ・ドリーム』(河出書房新社/2015年)の企画・構成を担当。

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