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Home >  Interviews > interview with GORO GOLO - 音が鳴れば、肉は揺れる

interview with GORO GOLO

interview with GORO GOLO

音が鳴れば、肉は揺れる

――GORO GOLO(スガナミユウ)、インタヴュー

天野龍太郎    Jan 08,2014 UP

 ツイッターのタイムラインに江戸アケミbotのツイートが流れてくる。いわく、「内から出てくる踊りってことね。その人が我を忘れて動き出す時の。それが本物の踊りじゃん?」
https://twitter.com/akemiedo/status/414420578909421568)。


GORO GOLO - Golden Rookie, Goes Loose
Pヴァイン

Tower HMV iTunes

 江戸アケミ的な意味ではGORO GOLOの音楽は純度の高いダンス・ミュージックだ。GORO GOLOのフロントマン、スガナミユウは自分の踊りについて「音が肉にぶつかって、肉が揺れているだけ」と語っているから。でもGORO GOLOはじゃがたらみたいにコワいバンドじゃない(じゃがたらがコワかったのかどうか、実際のところを僕は知らないけれど)。ポップで、ユーモラスで、ダンサブルで、観客をあたたかく歓迎するソウルフルなバンドだ。だからGORO GOLOのショーをぜひ覗いてみてほしい。観客たちは思い思いに身体を揺らし、そしてその場にいる誰よりもスガナミユウがマイク片手にめちゃくちゃに踊りまくっている(叫び散らし、ハンド・クラップしながら)。
 バンドの演奏も踊っている。つまり、ロールしている。ラグタイムからモダン・ジャズへと至る約40年にあったであろう熱狂と、その後にやってきたリズム・アンド・ブルースやロックンロール、そのまた後にやってきたソウルやファンクを全部混ぜ込んで、パンクの態度でロールしたのがGORO GOLOの音楽だ。
 12年ぶりのリリースとなるGORO GOLOの2ndアルバム『Golden Rookie, Goes Loose』は、オープンリールで録音された抜けの良い超高速のダンス・ミュージックが約22分収められている。笑いあり、涙あり、そしてもちろん怒りもあるアルバムだ。

 音楽前夜社というクルーを主宰し、〈ロフト飲み会〉や〈ステゴロ〉といったイベントでライヴ・ハウスの未知の可能性を拡張せんとするスガナミの言葉と態度には、気持ちいいくらいに一本の筋が通っている――そしてそれはGORO GOLOの音楽に間違いなく直結しているのだ。ここに取りまとめた対話を読んでいただければ、きっとそれがわかっていただけると思う。


GORO GOLO “MONKEY SHOW”

もともとは「GORO GOLO」ってバンド名もないようなゆるい、ただ「集まって鳴らしてみよう」みたいなもので。

スガナミさんには昨年、何度もライヴにお誘いいただいてとてもお世話になりました。そこで僕はGORO GOLOのライヴを何度か観ているんですけど、GORO GOLOの歴史については全然知らないんですね。1月19日の〈音楽前夜社本公演〉でもHi,how are you?とかあらべぇくんとか、すごく若い子たちを巻き込んでいます。なので、そういうGORO GOLOをよく知らない世代にバンドの歴史を説明していただけますか?

スガナミ:結成はですね、1999年なんです。当時、高円寺で友だち8人で共同生活をしていて、そのコミュニティの仲間たちで結成しました。もともとは「GORO GOLO」ってバンド名もないようなゆるい、ただ「集まって鳴らしてみよう」みたいなもので。

共同体みたいな?

スガナミ:うん。それで、この音楽性でGORO GOLOとして活動をはじめた最初のきっかけが、NHKで放送したスペシャルズの1979年か1980年の日本公演のブートのライヴ・ヴィデオをみんなで観たことで。それがすげーカッコよくて。白人も黒人もいるんだけど、みんな自由に動きまわって演奏していて、すごく楽しそうで。「この感じ、やろう!」と。でもそれでべつにツートーンをやろうっていうことにはならなかったんだけど。俺ら結構ひねくれてたから「スカはなし」、みたいな(笑)。
 だけど「この楽しい感じでやろう」と。そういう共通認識でちゃんとまとまって、曲作りもはじめて、GORO GOLOでライヴするようになりました。そうしたなかで、角張(渉)さんと安孫子(真哉/銀杏BOYZ)さんがやっている〈STIFFEEN RECORDS〉から「アルバムを出さないか?」っていう話が来て、2002年にファースト(『Times new roman』)を出すことになるんだけど。この頃は6人組で。

ヴォーカルの方がもう1人いたんですよね。

スガナミ:そうそう。『Times new roman』は10月頃に出たんだけど、これ、その翌年の1月に実家の事情があって、もう1人のヴォーカルが帰省しなきゃいけなくなっちゃって。そこで「じゃあ、いっそやめちゃおう」ってことで一回解散して。

じゃあ、アルバムを出してすぐに。

スガナミ:すぐです。それでずーっとやってなくて。6年後か5年後に、ドラマーのmatの結婚式があって、「その二次会でGORO GOLOで演奏しよう」って話になって。それでやってみたら楽しくて、ちょくちょくライヴとかも誘われるようになったんです。「ちょっと継続してやってみようか」みたいな感じでゆるくはじめたんだけど。曲も結構溜まってきていたので、2012年に何か音源を出そうって思ったんです。それがちょうど風営法、いわゆる「ダンス規制法」が話題になっていた頃で、DJユースの7インチ作ろうっていう話になって。どこからリリースしようかって話をしていたときに、やっぱり古巣の〈STIFFEEN RECORDS〉から出すのがすごく面白いんじゃないかって思って。それで、角張さんに相談させていただいて、お忙しいなか手伝ってもらいました。

なるほど。それが去年の8月に出た『GOD SAVE THE DAINCING QUEEN EP』ですね。GORO GOLOの曲って、スガナミさん以外にもみなさんで書いてるんですか?

スガナミ:うん。ドラマー以外はみんな曲を書いています。今回の2ndだと、俺の曲の他にしいねはるか(キーボード)の曲とベースのきむらかずみの曲なんだけど。

どういう感じで曲を書いているんですか?

スガナミ:歌ものは俺がほとんど書いてて、インスト曲を他のメンバー2人が書いてます。歌ものはざっくりとしたものを俺が持ってきて、あとはドラマーのmatに「やりたいリズムで叩いて」って言って。この“GOD SAVE THE DAINCING QUEEN”は、ありえないほど16(ビート)が早くて。

ははは。

スガナミ:「これ、すげーウケるね! これやろう!」って言って作った曲ですね。だから、リズムありきでメロディーを乗せたりもします。いまはそのやり方が結構多いですね。インストだったら、誰かが持ってきた1つのリフから広げるとか。はるかの曲だったらまるっとピアノで作っちゃって、それに肉付けするみたいな感じ。


ソウルとかジャズとかを自分たちの音楽に変換したときに、スピードを上げるとすごく新鮮になるというのがアイディアとしてあって(笑)。

そうなんですね。“GOD SAVE THE DAINCING QUEEN”もそうですけど、GORO GOLOには「速さ」という要素があるじゃないですか。

スガナミ:速さね(笑)。

GORO GOLOはすごく速いです。さっき取材前に野田努さんが「ポーグスみたいだね」っておっしゃってたんですけど、GORO GOLOの速さというのは、スペシャルズとか、やっぱりそういうパンキッシュな面からきているんでしょうか? 僕は全然知らないところですけど、もともとは〈西荻WATTS〉とかのパンク・シーンに出自があるというのも関係しているんですか?

スガナミ:あるね。

なぜGORO GOLOはあんなに速いんですか?

スガナミ:退屈なのが耐えられなくて(笑)。

ははは。

スガナミ:スピードに逃げるというか(笑)。あはは! やっぱりスピードがあるとさ、聴きづらくなったりもするじゃん? それでも……突破したい、みたいな(笑)。何かをこう駆け抜けたいときに、スピードができるだけ速い方が……気持ち良いんだよね。はっはっはっはっ!

ははは! 曲もすごく短くて駆け抜けて、アルバム自体もすごく短くてすぐに終わりますよね。

スガナミ:あと、ソウルとかジャズとかを自分たちの音楽に変換したときに、スピードを上げるとすごく新鮮になるというのがアイディアとしてあって(笑)。それは昔からそうなんだけど。考え方としてはパンクに近いかもね。レコードを間違って回転数上げて再生したらすごくイケてるな、みたいな。逆もあると思うんだけど。すごく遅くて良いのもあると思うし。その感覚に近いかな。

GORO GOLOの音楽って、リズム・アンド・ブルースなどのブラック・ミュージックやロックンロールとかを詰め込んだガンボ・ミュージックだと思うんですけど、それはスガナミさんの趣味なんですか? メンバーのみなさん、そういうのが好きなんですか?

スガナミ:鍵盤のはるかはもともとラグタイムとかが好きで。ソウルやファンクが好きなのはベースのきむらと俺なんだけど。GORO GOLOをやるようになってからいろいろディグりだしたんです。ファーストの頃って、そこまでまだマッチングしてないというか、まだ音楽自体に魂を入れきれてないというか。表面的にファンク的なものでやっていた面もあったんだけど。でもいまはそれがわりと血肉化できるようになったと思う。それはたぶん、音楽をたくさん聴いてきたということもあるし、あとは年食ったってのもあると思うんだけど(笑)。

味が出たんですね。

スガナミ:味が! 自分たちのニオイみたいなものが出るようになった。

取材:天野龍太郎(2014年1月08日)

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Profile

天野龍太郎天野龍太郎
1989年生まれ。東京都出身。音楽についての編集、ライティング。

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