「ZE」と一致するもの

「土」の本 - ele-king

地球も、私たちの体も、過去も未来も、
すべて「土」の上に成り立っている!

「土」ってなんだ!? 土の博士がお話しします。

半世紀以上「土」を研究してきた日本の土研究の第一人者、
土壌微生物/農学博士の金澤晋二郎の単著がついに刊行!

●「土」の問題がなぜここまで重要か
●良い「土」と悪い「土」とは何か
●「土」が生活にもたらす影響
●「土」と健康の重要な関係
●日本ではどこの「土」が良いのか
●どうすれば「土」をよくできるか
●江戸時代、どれほどの苦労があって東京で野菜を栽培できる土壌にしたか
●宇宙農業とは何か

写真、イラスト、図表を交えて実践的でわかりやすく解説!

「研究のために土を掘って、研究室に持ち帰って調べてみると、土壌一筋60年の私でさえ毎回驚く発見があります。土は私たちの知らない無限の可能性を秘めた未知の世界です。この土と微生物に魅せられた1人として、生命を支える18センチの土を絶やすことなく、豊かに育んでいくことが私の使命のひとつです」(金澤晋二郎)

四六判/240頁+別丁8頁

[著者プロフィール]
金澤晋二郎
株式会社金澤バイオ所長。土壌微生物学農学博士、中国河南省科学院名誉教授、九州バイオリサーチ研究会会長。1942年北海道小樽市生まれ。東京大学大学院農学系研究科修了。鹿児島大学農学部助教授、九州大学大学院農学研究院教授を経て、2016年に金澤バイオ研究所を設立。日本土壌肥料学会学会賞(1986年)、第13回 国際土壌科学会議(西ドイツ)土壌生物部門最優秀賞(1986年)、愛・地球賞―Global 100 Eco-Tech Awards(1986年)、第13回 微量元素の生物地球化学会議『福岡観光コンベンションビューロー国際会議開催貢献賞』(2017年)など受賞歴多数。

目次

献辞
はじめに
イントロダクション

第一章 「土」の誕生と微生物
第二章 世界の「土」と、日本の「土」
Column 「温故知新」が導く御神木 “海岸黒松” の再生技術
第三章 「森」は生命の源
Column 竹には大きな未来がある
第四章 「土」の薬膳
Column 土ピープル
微生物視点から見る、土と体のつながり/土から育つバラへの思い/植物愛による、生誕土壌再生への挑戦
第五章 土壌研究と緑茶栽培
Column アートで表現する土
第六章 「土」に還すコンポストの可能性
Column 地産地消コンポストシステム
第七章 物質循環、分解のその先へ
第八章 宇宙農業の可能性

おわりに
謝辞
主要な研究と内容

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Rainbow Disco Club 2025 - ele-king

 エレクトロニック・ミュージック/ダンス・ミュージックのリスナーから絶大な信頼を得ている〈Rainbow Disco Club〉、16周年を迎える今年は、4月18日(金)、19日(土)、20日(日)の3日間、いつもの静岡県東伊豆クロスカントリーコースで開催される。今年は、UKクラブ・ジャズの立役者ジャイルス・ピーターソン、シカゴ・ハウスのレジェンドのロン・トレント、〈ハイパーダブ〉のコード9新世代ディープ・ハウスを代表するChaos In The CBDほか、全18組の豪華メンツ。また、DJ Nobuがキュレートする「Red Bull Stage」の2日間の注目。
 以下、オーガナイザーの土谷正洋氏に訊いてみました。

あらためてRDCのコンセプトを話してください。

RDC:Beyond Space And Timeをコンセプトにしています

企画していくうえで、今回、とくに意識したことは何でしょうか?

RDC:15周年を終えて、会場は同じながらも出演者の部分は新しくもあり、かつRDCらしさを考えてブッキングしました。

今回、RDCとしてあらたな挑戦があったら教えてください。

RDC:こちらもブッキングについてですが、ずっと2日目のRDC StageのトリをDJ NobuのB2B企画を2016年から行ってきましたが、今年はDJ Nobu Curatesとして深夜のRed Bull Stageで行うところは新たな挑戦と言えると思います。

 とにかく、最高のロケーションと最高の音楽が最高のヴァイブを創出することでしょう。行かれる方はぜひ、地元の金目鯛を食べてください。

Rainbow Disco Club 2025
日時: 2025年4月18日(金)9:00開場∕12:00開演〜4月20日(日)19:00終演
会場: 東伊豆クロスカントリーコース特設ステージ(静岡県)

出演(AtoZ):
〈RDC STAGE〉
Antal
Chaos In The CBD
Dita & Gero
Eris Drew & Octo Octa
Gilles Peterson (5-hour set)
Kikiorix
Kuniyuki & Xiaolin (live)
Ouissam
Palms Trax
Ron Trent
Sisi
Sound Metaphors DJs

〈RED BULL STAGE〉
DJ Nobu b2b Batu
Fullhouse
Kode9、Logic1000、Verraco、Woody92

〈VISUAL〉
REALROCKDESIGN C.O.L.O
KOZEE
VJ MANAMI

〈LASER & LIGHTING〉
YAMACHANG

オフィシャルサイト:
http://www.rainbowdiscoclub.com

Sonoko Inoue - ele-king

 昨年リリースされたアルバム『ほころび』が話題を呼び、第17回CDショップ大賞2025入賞を果たしたシンガー・ソングライターの井上園子。その最新ライヴ映像が公開されている。
 今月3日、青山の「月見ル君想フ」でおこなわれたパフォーマンスで、ギターに長尾豪大(ModernOld)、ベースに大澤逸人、ドラムにgnkosaiを迎えたバンド編成での演奏だ。弾き語りスタイルが印象的だったアルバムとはうってかわり、「ブルーグラスであれば何でも好き」と主張する彼女のまた新たな一面を垣間見させてくれる映像といえよう。
 3月から4月には大阪・京都・兵庫、愛媛、神奈川~東京での公演が控えているので、お近くの方はぜひ。3月19日には『ほころび』のLPもリリースされます。

すべての門は開かれている――カンの物語 - ele-king

クラウトロックの巨星、カン
そのすべてを描いた大著
ここに奇跡の完訳刊行が実現!

20世紀でもっとも重要な実験的グループであるCan。戦後ドイツという特殊な政治環境のなか、高度なクラシックの教育を受けたふたりのメンバーがドイツでは指折りのジャズ・ドラマーと出会い、そしてメンバーの教え子だった若いロック青年を誘って1968年にケルンで生まれたロック・バンド――その影響がポップの領域に浸透するのに20年を要したとはいえ、カンは、パンク、ポスト・パンク、アンビエント、エレクトロニカの直接的なインスピレーションの源だった。

関係者にできる限り取材し、同時に英国、ドイツ、フランスに残されたあらゆる資料を参照し、元『ワイヤー』の編集長が描いたカンの評伝。

カン誕生の背景にあった60年代ドイツのカウンター・カルチャー、元親ナチだった親の世代への強烈な反発心、テリー・ライリーやラ・モンテ・ヤング、ダルムシュタット夏季現代音楽講習会とジョン・ハッセルとの出会い、シュトックハウゼンの教えとその人柄、カン結成以前のクラシック音楽家時代のイルミン・シュミットの作品、カンを名乗る前から映画のサウンドトラックを含むカンの全作品の詳細な解説、カンの当時の経済状況、ダモ鈴木やマルコム・ムーニーらの歌詞の考察、ダモ鈴木の国外追放騒動時におけるシュトックハウゼンたちの協力、カンはドラッグをやっていたのか、そしてメンバーたちの死別、等々……これ以上ないであろう完璧な「カンの物語」がここにある。

そして本書の第二部には、カンを尊敬するミュージシャンやアーティスト、あるいは盟友たちが集結し、カンや芸術についてイルミン・シュミットとともに語る。登場するのは、盟友ヴィム・ヴェンダースをはじめ、プライマル・スクリームのボビー・ギレスピー、ポースティスヘッドのジェフ・バロウ、故マーク・E・スミス、カールステン・ニコライ、アレック・エンパイア、ピーター・サヴィル、ジョン・マルコヴィッチ等々。

2018年に刊行され、『ガーディアン』から「知的なバンドについての知的な本」と称賛された決定的な大著、待望の翻訳。未発表写真も多数掲載。

A5判/480頁

『すべての門は開かれている カンの物語』刊行のお知らせ

目次

第一部 すべての門は開かれている

1 人造機械が見た夢(序章)
2 騒乱宣言
3 愚痴は発明の母
4 よりよい機材を備えた城
5 ロックに向けての最後の一蹴
6 火の盗人たち
7 33rpmの真実
8 深みに嵌って
9 魔女級の驚き
10 調和する音
11 霧のなかの彷徨い人
12 永久運動
13 危なげな着地
14 もっと欲しい
15 人工ヘッド・ステレオ
16 カンは自らを喰らう
17 最後の儀式
18 遠くに未来が広がっている

註釈
参考文献一覧
謝辞

第二部 カン雑考

登場人物

Ⅰ 手をテーブルの上に
Ⅱ 私の手記より
Ⅲ 風景に張り巡らされた、神経の鎖
Ⅳ 映画音楽
Ⅴ リュベロン

索引

[プロフィール]
【著者】
●ロブ・ヤング
元『Wire』編集長。英国フォーク史を描いた『エレクトリック・エデン』をはじめ著者は多数あるが、最近は元ブラーのグラハム・コクソンの自伝にも寄稿している。
●イルミン・シュミット
カンのオリジナル・メンバーで、唯一の生存者。この本の二部にはイルミン・シュミットの日記、エッセイ、音楽論も収録されている。
【原書編者】
●マックス・ダックス+ロバート・デフコン
マックス・ダックスはジャーナリストで、アート・キュレイター。『Electronic Beats Magazine』と『Spex』の編集長も務めた。ロバート・デフコンは作家、アーティスト、そしてミュージシャン。2005年、両者でバンド、アインシュテュルツェンデ・ノイバウテンの口述歴史『No Beauty Without Danger』を出版している。共にベルリン在住。
『すべての門は開かれている カンの物語』の第二部「カン雑考」は、ダックスとデフコンによる編集で、イルミン・シュミットとダックスによるインタヴューなどが掲載されている。

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Peter Rehberg - ele-king

 2021年に亡くなったピーター・レーバーグの「新譜」がリリースされた。正確には舞台のために作られた音響作品の音源化である。重要な点は、本作が『Liminal States』「ピタ」名義ではなく、「ピーター・レーバーグ」名義で出された点であろう。もちろん、名義の分け方にはさまざまな現実的な理由があるのかもしれない。しかし、聴き手の立場からすれば、これまで発表されてきた作品の文脈を改めて再確認できる機会となる。あえて乱暴に分類すれば、「ピタ」名義の音楽は本質的に「テクノ」に根ざしているように思える。どれほどテクノを解体しても、ピタの音楽はポスト・テクノ的なものとでも言うべき音である。一方で、「ピーター・レーバーグ」名義では、より実験的でノイジーな作品をリリースしてきたともいえる。同時に、それらは 彼自身のための作品というよりも、誰かとのコラボレーションによる作品であったという側面もある。例えば、レーバーグは舞台音楽の仕事を手がけており、人形師/振付師のジゼル・ヴィエンヌの舞台音楽をまとめたアルバム『Work For GV 2004-2008』を、ピーター・レーバーグ名義で2008年に〈Editions Mego〉から発表している。また、没後の2022年にリリースされた『at GRM』には、「le Centquatre-Paris」で開催されたGRMのためのふたつのコンサートの音源が収録されていた。この意味では、「ピーター・レーバーグ」名義の作品は、スティーヴン・オマリーとのユニット KTL に近いのかもしれない。実際、KTL も元々はジゼル・ヴィエンヌの舞台のために制作された音楽であり、このことからも、レーバーグにとって舞台音楽の制作が重要なライフワークであったことがわかる。そして、それゆえに「ノイズ」は彼にとって単なる表現手段ではなく、実験と進化の場だったのではないか。

 私は2022年に『at GRM』を聴いたとき、ピーター・レーバーグの「ノイズ」が、いまだ進化の過程にあったことを確信した。そこには、持続音の生成と変化による強烈な音響体験があったからだ。『at GRM』は2009年と2016年に制作された音響作品を収録しているため、比較的過去の作品であるにもかかわらず、彼の「音」がグリッチやテクノといった枠組みを超え、別次元へと深化していたことが伺える。そして、本作『Liminal States』もまた、同様のアプローチを持つアルバムである。レーバーグのノイズは進化の過程にあり続けたことを実感させる作品に仕上がっている。前述のように、本作の音は2018年に制作されたものであり、『at GRM』の2016年の音源と近い時期の作品であるため、質感に共通する部分もある。しかし、大きく異なる点もある。『Liminal States』は全45分1曲の長尺作品であり、聴き手をノイズ(音響)の生成と変化の渦へと巻き込んでいくような構成となっている。

 また、本作の音源は アイスランドの振付師マルグレット・サラ・グドヨンスドッティルの舞台のために制作されたものであり、不安定なノイズが折り重なり、変化し、より広大なサウンドスケープを展開している点に注目したい。特筆すべきは、そこに「アコースティックなドローン感覚」があることだ。従来のピーター・レーバーグの音楽は電子的な質感が強かったが、本作では、どこかラーガ・ドローンのような響きなのだ。音の調性感が希薄な持続音が幾層にも重なり合い、聴き手に未知の音空間を提示するかのような感覚を生み出している。この不安定な揺らぎの感覚こそ、本作でピーター・レーバーグが新たに見出した音なのではないか。それが実際の舞台において どのように役者の肉体と連動していたのかは未見のため想像するしかない。しかし、おそらくは、ある種の距離感をもって共存していたはずだ。2023年に〈Karlrecords〉からリリースされた、Zeitkratzer のラインホルト・フリードルとの共作(ピタ名義)『PITA / FRIEDL』には、2021年に録音されたピーター・レーバーグの最晩年の音源が収録されている。このトラックでも、激しいノイズと不安定な揺らぎが交錯しており、彼の「ノイズ」がさらに深化していこうとしていたことが感じ取れる。
 
 ともあれ『Liminal States』を聴き込むと、その音響が生成と変化を繰り返し、消尽の果てにある音の運動を捉えようとしているように思えた。不安定な持続が、時にダイナミックに鳴り響き、時に静かに収束していく。それは、まるで電子音が「自然」そのものを擬態するかのようなサウンドスケープとして聴こえた。電子音が環境音のように聴こえる瞬間がある、と言い換えてもよいかもしれない。ただし、本作において(そしておそらく、レーバーグの音楽全体において)、彼は環境音楽的な響きの詩学から距離を置いているようにも思える。彼にとって最も重要なのは、「音の運動」ではないか。これは、ピタ名義の初期グリッチ・サウンドから一貫する彼の音楽の本質的な特徴である。

 生成。変化。運動。この三つの交錯によって、ピーター・レーバーグ/ピタの音は構築されている。『Liminal States』は、彼が成し遂げようとしていたノイズの実験の(非常に残念なことではあるが)2018年時点での到達点を記録した、極めて重要なアルバムであり、音響作品である。この時期のレーバークの音は電子ドローンの境界線を越えようとしていた。00年代以降の電子音響のひとつの到達点として、これからも何度も繰り返し聴きたくなる作品である。

Chihei Hatakeyama - ele-king

 ユーラシア大陸からアメリカ大陸、オーストラリア大陸まで、多くのファンを持つ日本のアンビエント・マスター、畠山地平の新作『Lucid Dreams』がロンドンの〈First Terrace Records〉からリリースされました。マルチ楽器奏者のNailah Hunter、日本のシンガソングライターsatomi magaeらが参加したこのアルバムは、地平のミニマリズムへの追求がまさにドリーミーに結実した内容になっています。地平はこの作品について以下のように発言しています。
「ここ2年ほど、季節の変わり目などに不眠症に悩まされており、そういうときは眠りたいということしか考えられません。しかし、その状態で浅い眠りを繰り返すと、夢を見ているのか見ていないのかわからない、夢を見ていると自覚している『明晰夢』という状態になることがあります。このアルバムは、その浅い眠りの状態にインスピレーションを受けたという側面があります」
「そういう思いで、このアルバムのテーマは、夢の中での時間感覚、現実の時間の流れとは違って突然変わる状況、驚きや懐かしさ、そういった夢の状態を描いたアルバムを作りたかったのです」
 たしかに聴いているとまどろんでくるのです。うとうとしましょう。

Chihei Hatakeyama
Lucid Dreams

First Terrace Records.

Tracklist
A1. Overflowing
A2. Dance Of The Ghosts (feat. Cucina Povera)
A3. Three Dice
A4. End Of Summer
A5. Frozen Flowers
A6. Luftschiff
B1. Wind From Mountains (feat. Nailah Hunter)
B2. Tide
B3. End Of Summer II
B4. Rabbit Stairs
B5. Lucid Dreams

はじめての老い - ele-king

還暦を過ぎて見えてきた景色は驚愕の連続。
今日も元気に老いていこう。新感覚・老いをめぐるエッセイ集!

文章の大天才が動き出した! 老いをこんなふうに語ることができるなんて。 ――タナカカツキ

還暦を過ぎて見えてきた景色は発見の連続だった。老眼や集中力の減少といった予測できていた事象から、ブランコが怖くなる・手がカサカサになる・自分の中に内包しているマチズモに気づく・頻尿の話など、思いもよらなかったこと。そして「死」に対する感覚の変化にいたるまで。ゲーム・エンタメ界からアート界まで人気の編集者・伊藤ガビン(61歳)が、自身の体と心に直面する「老い」によるあらゆる変化をつぶさに発見し綴った渾身作!! 人生100年時代、未知なる「老い」への予習として、性差を問わず、同年代からこれから老い道に踏み入れようとしている現役世代におくる、令和版「老い」の入門書。これを読めば老いへの予習は完璧だ!

目次

はじめに

【老いに入りかけた時に感じていること】
老いの初心者として 初めての老眼/見えてきた! 私がキレる老人になるまでの道/こんにちは老害です-老害の側から考える老害-/らくらくホンを買う日を想像する/人間ドックの見え方が変わった話/ただ老いている

【アップデートできる できない?】
服装がずっと同じ問題/等速じいさん/太るのか痩せるのか/四季にように髪の毛を

【じじいのしぐさ、これだったのか】
シーシー問題/ブランコが怖いということ/おじいさんのような動き

【意外と早くきた(逆にまだきてない)】
身長が縮んだ話/ついに眉毛が伸び始めた!/握力の低下にショックを受けた話/未入荷の老い/シモジモの話/見つめたくない滑舌

【センパイから学ぶ】
センパイの話/手が信じられないほどカサカサになるという話/老猫との対話/メモを片手に綾小路きみまろ公演

【老いと時間】
「返納」について考える/老化が開く知覚との扉/[朗報]時間が経つのは年々それほど早くならないのではないか、という話/記憶のサブスク/死んでも驚かれないサイド/「逃げ切る」という考え方

おわりに

[著者プロフィール]
伊藤ガビン
編集者/京都精華大学メディア表現学部教授
1963年神奈川県生まれ。学生時代に(株)アスキーの発行するパソコン誌LOGiNにライター/編集者として参加する。1993年にボストーク社を仲間たちと起業。編集的手法を使い、書籍、雑誌のほか、映像、webサイト、広告キャンペーンのディレクション、展覧会のプロデュース、ゲーム制作などを行う。またデザインチームNNNNYをいすたえこなどと組織し、デザインや映像ディレクションなどを行う。主な仕事に「あたらしいたましい」MV(□□□)のディレクション、Redbull Music Academy 2014のPRキャンペーンのクリエイティブディレクションなどがある。また個人としては、2019年あいちトリエンナーレや、2021年東京ビエンナーレなどにインスタレーション作品を発表するなど、現代美術家としても活動。編著書に、『魔窟ちゃん訪問』(アスペクト)、『パラッパラッパー公式ガイドブック』(ソニー・マガジンズ)など。現在は京都に在住し、京都精華大学の「メディア表現学部」で新しい表現について、研究・指導している。近年のテーマに自身の「老い」があり、国立長寿医療研究センター『あたまとからだを元気にするMCIハンドブック』の編集ディレクション、日本科学未来館の常設展示「老いパーク」に関わるなど活動範囲を広げている。

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lots of hands - ele-king

 レーベルのカラーというのはやはりどこかフットボールのクラブに似たところがあるのかもしれない。移籍があり獲得がありリリースした作品によって歴史とイメージか形作られていく。そんなことをスラッカーなUSオルタナ・ロックを響かせるパックスの1stアルバム『Take the Cake』をレヴューに書いたが、あれから4年弱が経ってもアメリカのレーベル〈Fire Talk〉は自身の価値を証明し続けている。去年、24年の〈Fire Talk〉はフィラデルフィアのマスロック・バンド・パームのメンバーがはじめた破壊的なエレクトロニクス・サウンドに柔らかさのある有機音を重ねたようなカシー・クルトと契約し、〈Stereogum〉のベスト・ニュー・アーティストのリストにも名を連ねたシューゲーズバンド・シャワー・カーテンのアルバムをリリースした。さらにその前年にはロンドンのスローコア・バンド・デスクラッシュの2ndアルバムやマンチェスターのエクスペリメンタルなバンド・マンディ・インディアナをリリースしている。大きな場所で響くような音楽ではないが、誰かの心に確かなトゲを刺すオルタナティヴな音楽を送り出す。メインストリームではなくかといってアンダーグラウンドでもないその中間にある空白地帯、〈Fire Talk〉は少しだけ違ったものを求める人たちの心の隙間を埋めるようなレーベルだ。

 そんな〈Fire Talk〉が 一番新しく契約したのがこのリーズを拠点に活動する 二人組ロッツ・オブ・ハンズだ。最初に〈Fire Talk〉と契約しアルバムをリリースするというニュースを聞いたときには意外に感じだがアルバムを聞いた後ではぴったりではないかと思えてくる。16歳の頃にニューカッスルの学校で知り合ったというビリー・ウッドハウスとエリオット・ドライデンからなるデュオは21歳になったいま、失われていく幼い頃の記憶の断片を集め、現実世界に繋ぎ止めたかのようなアルバムを作り上げた。「君の髪をとかそう/悪夢の中で/僕らは田舎の空気を吸っている」“barnyard” でそう唄われるように、大都市ではない場所の、どこのシーンにも属さないベッドルームの空白地帯にある音楽が心の隙間に入り込む。コラージュを駆使し、オーガニックなフォーク・サウンドと電子的な処理をほどこしたサウンドとを組み合わせたそれはアレックス・Gを思わせる柔らかで優しい音楽として目の前に現れる。牧歌的というにはモダンなサウンド過ぎて、アンダーグラウンドの尖った音楽というには優しすぎる、だからきっとカテゴライズされずに手のひらからこぼれ落ちていってしまう。しかしそれこそがインディ・ミュージックを求める人の心を惹きつけるのだ。

 このアルバムを通して表現されるのは思い出のフィルターに包まれた悲しみや喪失感、そしてそれらを経験し成長していくという感覚だ。エリオット・スミスの香りが漂う “game of zeroes” や “rosie” のような曲でドローンやエフェクトを組み合わせて彼らはそこに隔たる時間と距離とを演出する。シンプルな美しさを持ったアコースティック・ギターと柔らかなヴォーカル・メロディの上に縫い合わせるようにコンピューターで処理された音を重ね空間をゆがめる。まっすぐに染み込むフォークという基本の形から距離を作り出すことで現実感を失わせ、曲の流れを少しだけ異質なものにしていく。それはあたかも時間や空間の概念を無視して結びつく頭の中の記憶や夢の世界の出来事のようで、扉を開けた先の思い出とダイレクトに繋がっているかのような感覚を与えてくれる(現実世界のルールに縛られないそれは当たり前に起こる不思議な出来事だ)。
 あるいは喪失感を表現した “the rain” のサウンド・コラージュのように、処理のできない感情の雨粒が頭の中に染み込んでくるような効果を狙った曲もある。「雨は止まない」「死はただ冷たいだけだから/君は壁に寄りかかって/その音を聞く」霧のように体に触れる不明瞭なヴォーカルと共にちいさな痛みでゆがめられた空間は普遍性を持ち、聞き手の頭の中の思い出と結びついていく。

 時間に対して距離を置くようなロッツ・オブ・ハンズの小さな実験はこのアルバムの中で結実している。それが今までのリモートの形で作ったアルバムでなく、はじめてふたりで同じ空間を共有して作られたもので起こるというのも面白いが、いずれにしても大きな場所ではなくベッドル−ムで作られた小さな音楽が、遠く離れた他の誰かのベッドルームの中に響いていくのだ。曖昧な感覚を曖昧なまま捉えようとする、ロッツ・オブ・ハンズがここで作り上げようとしてのはそんな音楽だ。死や、時間、記憶や感情といったはっきりしないが確かなものの感覚がここにはある。それが大げさではなく、成長する過程において起こった個人的なものとしてさりげなく提示されているのがまた素晴らしい。

Soundwalk Collective & Patti Smith - ele-king

 実験音楽やエレクトロニック・ミュージックを軸にこれまでさまざまなイヴェントを開催してきたMODE。昨年のスティル・ハウス・プランツとgoatのライヴもたいへん刺激的な一夜だったので、2025年はいったいどんな公演が控えているのか、気になっていた方も少なくないでしょう。そんなMODEの新たな一手が明らかになっている。驚くなかれ、パティ・スミスが来日します。
 これまでゴダールやナン・ゴールディンといった巨匠たちとコラボレイトを重ねてきた音響芸術集団サウンドウォーク・コレクティヴとの共演で、両者はすでに10年以上にわたり共同制作をつづけてきている。今回はその最新プロジェクト「コレスポンデンス」のお披露目ということで、展覧会とライヴの2形式。前者は東京都現代美術館にて4月26日からスタート、後者は京都(4月29日@ロームシアター京都)と東京(5月3日@新国立劇場)で2公演が催されます。これは即完の予感がひしひし。いますぐ下記詳細を確認しておきたい。

[3月28日追記]
 上記のサウンドウォーク・コレクティヴ×パティ・スミスの東京公演、好評につき完売となっていましたが、追加公演が決定しています。東京公演の前日、5月2日(金)におなじく新国立劇場 オペラパレスにて開催。最速先行販売(先着)はイープラスから。

aya - ele-king

 aya——2021年年末のデビュー・アルバム『im hole』のインパクトがいまだに忘れられない人も多いでしょう。そこで、嬉しいニュース。待望のayaのセカンド・アルバム『hexed!』が出るのですが、これ、期待にじゅうぶんに応えている。2025年、動き出しています……

 以下、レーベル資料から

 『hexed!』は——ayaのセカンド・アルバムは依存の絶望と崩壊に真正面から向き合う。内面化された恐怖症や抑圧されたトラウマが、かつて2021年の『im hole』でロマンティックに描かれた廊下や“ゴールデンアワー”をさまよう。夜通しのアフター巡りやキー・バッグの輪の中に隠された白昼の悪夢。『hexed!』とは、ayaがその明かりを灯したときに起こるすべてのこ。。
 私たちは早朝からクラブに押し寄せ、最初のシングル「off to the ESSO」をリリースした。ラップの歌詞は、チューブラインやライフラインを包み込む弾力性のあるもので、蛇行するベースの揺れはドラッグ中毒者の欲望の道を切り開く。全盛期のHatebreedがKevin Martinのミキサーにかけられ、ハードダンスフロアへと召喚されたサークルピット。クィアな献身の甘やかな果実——「リンゴを半分に切って / 交互にかじりながら午後を過ごす」——はゆっくりと腐りゆく。互いの“sic(病)”を育みながら、自傷のサイクルに絡み合うカップル。“peach”はBDSMコアであり、マルキ・ド・サド装置としてのayaは、プログラムされた鞭で主人と奴隷の二元論を斜めに叩く。一方で彼女は痰を絡ませながら呟く“navel gazer”。鼻から漏れるephlegmera(痰とエフェメラ)、皮肉たっぷりのワードプレイ、そして過渡期以前の過去が、濃縮されたBASSの魔法釜のなかで煮えたぎる。
 “heat death”は静的/静止の黒ミサで、その熱狂的なパニック発作は崇高なものとの交わりを引き起こす。それは“hexed!”と“The Petard is my Hoister”においてフーガのようなノイズを伴いながらドローンの不協和音として響き渡る————まるでPortalやKralliceを生み出した虚無が吐き出したかのように。パルサーの爆発を呼び寄せ、重厚なブラスを打ち鳴らすayaは、暗黒の玉座にまたがっている。ガシャガシャと鳴る打楽器、錆びついた軋み、闇の中の囁き——“droplets”は、まるで95〜99年のSlipknotを息苦しいTotal Freedomのエディットに押し込めたようなものだ。敗血症を患ったIncubusが巣食うこのニューメタルの物語は、かゆみを伴い、煮えたぎり、膿み、息づいている。ayaが再訪するのはヨークシャーの村で迎えた悲しい11月、あの10代の記憶だ。
 反抗的なDeftonesのメロディが解放へと導く。それは、エンジェルダストの注射のように、彼女の“vaynes”から毒の泥を洗い流していく。引き裂かれる喉が叫ぶ“Time at the Bar”ではBABYMETAL的な「カワイイ」が交差する。(sl)ayaは、郊外の退屈な2.4人家族的均質性に呪いの乾杯を捧げながら、ジェットコースターのようなJoey Jordisonのドラムソロ、SOPHIEのウォータースライド、テク・ガバ・グラインドのドッジム(バンパーカー)の pileup、そしてトリルを響かせるArca-deゲームの中を駆け巡る。彼女は、捨て去られた自分の亡霊たちの首を掲げ、金属的すぎるブラストビート/ブレイクビートの左手の小道へと分岐する——

aya
hexed!

Hyperdub – March 28, 2025
HDBDLP069 – LP / Digital

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