「Low」と一致するもの

オン・ザ・ロード - ele-king

 学生時代にアレン・ギンズバーグの詩集を読んでいたら、同級生の友人に笑われたことがある。要するにビート文学をいま読むことに意義はあるのか、ということで、当時そのことに腹が立ったのは図星だったからだろう。いまではいい思い出だ。ポスト・インターネット時代にこの国で生活をしていると、カウンター・カルチャーもビートもはるか遠い世界のことのように思えてくる。

 ジャック・ケルアックの『路上/オン・ザ・ロード』の映画化にいま、喜ぶのは誰なのだろう。......いや、そのような問いは不毛なのかもしれない。「ビート文学の不朽の名作」を、「フランシス・フォード・コッポラが長年の苦難の末に実現した」ものなのだから、それだけでありがたいものなのだろう。が、どうしても気にかかってしまうのは、いまこれが、若者のための映画となり得るかどうかだ。「おっさんたちのノスタルジー」だと若者に言われたら、誰がどんな風に反論するのだろう。

 実際、監督ウォルター・サレス、撮影エリック・ゴーティエの『モーターサイクル・ダイアリーズ』タッグによる風景映像はどこまでも瑞々しく、美しい。そしてその瑞々しさ、美しさがこの映画の最大の魅力であり、最大の問題点であるだろう。主人公サル、すなわちケルアックを『コントロール』でイアン・カーティスを演じたサム・ライリーにやらせるというのも、何だか周到すぎるように思える。絵に描いたような青春映画、ロード・ムーヴィーとして『オン・ザ・ロード』はあり、しかしこれ以外に映画化の着地点が思いつかないという点で、製作総指揮のコッポラは何も間違ってはいないだろう。全編にわたって生命力に満ちたジャズが流れ、インターネットが若者を部屋に閉じ込めてしまうはるか以前の物語が、「路上」に自由を求めた魂たちが活写される。結局このノスタルジックな輝きにどうしても抗えない僕は、同世代の連中に笑われても仕方ないのだろう。(そしてこれは、現在の洋楽受容問題とどこか似ている。)
 映画は断片的なエピソードの積み重ねであった小説を再構築し、サルと破天荒なディーンとの関係を中心に据えることで、一種のブロマンス的側面をかなり前に出しているように見える。ここは今回の映画化では現代的なところで、自由を求めて旅に出るようなことが過去の遺産になったのだとしたら、当時の彼らの青春を観客と近いものにするために、そこにあるきわめて緊密な関係性を見せることは理に適っている。ただそれゆえに、ジャズ文体と言われた即興的な原作の持ち味はここにはあまりなく、ふたりの友情と愛憎の物語に回収されてしまう面もある。

 だから、非常にアンビヴァレントな気持ちで映画を......ふたりの出会いと別れの物語を僕は観ていたのだが、映画の終わりでこの映画化の意義を「耳にする」。3週間でこの小説を書き上げたというケルアックによる、タイプライターの激しい打音。それ自体が、この映画の鼓動になっていくようだった。普遍的、なんて言葉は簡単に使いたくはない。なぜなら、ここにある「自由への渇望」も「路上」も、「魂の開放」も、過去の遺産になってしまった時代にわたしたちは生きているからである。けれども、タイプライターのその音は、おそらくいまもまだどこかで鳴っているものだ。
 いまビート文学を回顧することは、ノスタルジーか、さもなければたんに歴史の確認なのかもしれない。しかしこの映画には、そのことを理解した上で、先達の創作欲求を深くリスペクトする。現代の路上はもはやインターネット上にあるのかもしれない、が、そこから何かを生み出す若い才能はきっと似た目をしている。

予告編


interview with Jackson and His Computerband - ele-king


Jackson and His Computerband
Glow

Warp Records /ビート

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 最近のおすすめは?

 「う~ん......ジャクソン・アンド・ヒズ・コンピューターバンドかな。知ってる?」

 森は生きているを観ながら、ダークスターのジェームス・ヤングは僕にそう言った。え~、さすがにそれは意外っすね~......しかし、なるほど、ジャクソンの8年ぶりの新作『グロウ』(Lなので「白熱」とか「幸福感」の意)を聴いて腑に落ちた。〈ウォープ〉のレーベルメイトというだけでなく、両者には古楽(バロック音楽)へのアプローチがある。ジェームスはディーズ・ニュー・ピューリタンズの新作も褒めていたし。
 フレンチ・エレクトロとくればアゲでダンスのサウンド......というわけでもなく、『グロウ』は落ち着き払っている。耳をすましていると、楽器の音が無音のなかから静かに立ち上がってくるのがわかる。とはいえ、やっぱりアゲなサウンドにもなったりするが、そこからいきなりプログレのような展開を見せたりもする。それらがあまり不自然じゃないのは、ジャクソンの音楽に、ちゃんと通奏しているムードがあるからだろう。ダンスそのものというより、ダンスへの予感だ。多彩な色をサウンド・パレットに用意していながら、闇雲に絵の具をキャンヴァスに乗せて訳の分からない画を描いてしまうことなく、最終的にはエレクトロとして仕上げている。
 ダンスへの予感。それは少々体力を要する場面もあるけども、シンフォニックで聴きごたえがあり、随所でチルウェイヴも吸収されている。リヴィング・ルームでも流していて苦しくない。僕はそういう音楽が好きだ。

いまだにEDMが何なのかわかってないんだよね(笑)。そういうのを聞くと、いつも90年代を思い出すんだ。90年代のある時期、4ヶ月ごとくらいに毎回新しい名前が出て来てた。トランスコアとかアシッドトランス、それが出て来たと思ったらハードテクノと呼ばれるようになったり、プログレッシブ・ハウスにトライバル・テクノに...(笑)。

日本の好きなところと違和感のあるところを教えてください。日本に以前きたことがあれば、そのときとの違いも教えてください。

ジャクソン:日本のグラフィック・カルチャーが好きなんだ。看板とか、すごく魅力的だと思う。伝統とモダンが混ざり合ってるところも好きだね。違和感があるところは......違和感とは言えないけど、フランス語とは全然違うから、言語はやっぱり変な感じがする。予測出来ない未知のものって感じ(笑)。あとは、味覚でビックリすることもある。もしかしたら、日本人もフランス料理を食べて、え? と思うことがあるのかもしれないけど、俺にとっては、寿司とか焼き鳥は大丈夫なんだけど、たまにまるで革命かのように驚かされる食べ物もある(笑)。何かは覚えてないけど。日本食を食べる時は、それを口にするまでに本当にファーストステップから始めないといけない時があるね(笑)。あと、これも違和感じゃなくてビックリのほうだけど、トイレのシャワーは驚いたよ(笑)。前回と今回の違いは...まだ特には感じてない。まだ着いて2日だからね。

前作から今作をリリースするまでの8年間、あなたはエレクトロのシーンをどのように見てきましたか?

ジャクソン:いろいろな進化を見て来たよ。パリではSound PellegrinoやMarbelの人たちと一緒にスペースをシェアしてるんだけど、彼らは最新のものが大好きだから刺激になった。彼らが新しいものを俺に聴かせてきたりして。俺は色んなものを吸収しようと思ってるし、素晴らしい創造力を持っている作品なら全てに興味があるし、発見が好きなんだ。でも同時に、そういうトレンドをベースにレコードを作ったりはしない。その時その時の新しいものとか、そういうのにあまり興味がないんだ。だから、とくにシーンを追ってきたわけではないんだよ。

では、なんとなくでもいいので、この8年でエレクトロのシーンはどのように変化したと思いますか?

ジャクソン:うーん、プロダクションや、音のクオリティのなかに進化した部分があると思う。でも、やっぱり基盤は変わらないと思うんだよね。ヒップホップやドラムンベースと同じさ。同じものがリピートしてる。音楽自体というより、どうやってそれを使うか、取入れるかっていうほうが変化してるんじゃないかな。でもいまの時代、みんなプロデューサーになれるし、かなり簡単にトラックが作れる。だからたくさんのアイディアを見ることができて面白くもあるよね。本当に多くの人たちがトラックを作ってる。前に比べて、かなりの人たちがエレクトロ・ミュージックを作ってるっていう人口の爆発も変化のひとつだと思うよ。敢えて言うなら、メインの変化は音楽そのものよりそこだと思う。

前作から今作をリリースするまでの8年間、ライヴ・ショーなどを行っていたと思いますが、ライヴからレコーディングに与える影響や、レコーディングからライヴに与える影響などあれば教えてください。

ジャクソン:そうだな......もちろん影響はし合ってると思う。ステージにいると、実際オーディエンスとコンタクトをとることになるから、その音へのみんなのリアクションがわかる。それはやっぱり自分の曲作りに影響してると思うよ。でも今回のレコードでは、ライヴとレコーディングがふたつ同時進行って感じだったんだ。スタジオではこれ、ツアーではこれ、という感じにわけて考えるんじゃなくて、ライヴで実際にパフォーマンスできる、ステージで即興が出来るリアルサウンドを意識して作ったから。オーデェンスがサウンドと同時にそれをプレイしてる俺の動きも楽しめるっていうのも大切な要素だった。レコーディングとライヴは、なるだけ近くしたいと思ってる。リアルタイムで音楽を作るっていう方向性を心がけてるんだ。『スマッシュ』では、ちょっとインスタントさが足りなかったからね。

『グロウ』では、それが達成できたと思いますか?

ジャクソン:近づけたとは思う。このアルバムを完成させることが出来たし、いまはコンピューターバンドも存在する。だから、いまはその方向性への扉を開けたって感じかな。これをステップにもっとリアルタイムな音楽を作っていけたらと思ってるんだ。

前作から今作をリリースするまでの8年間、あなたを支えていた音楽があれば教えてください。

ジャクソン:ありすぎて選べないよ(苦笑)。本当に色んな音楽を聴いてたから。

では、このレコードを作るにあたって影響や刺激を受けた、またはパワーをもらった音楽はありますか?

ジャクソン:音楽というより、レコード作りに関して刺激や影響を受けるのは俺の場合は経験なんだ。俺はサウンドを特定するっていうプロセスを避けてるから、自分の意識に自然と従って音楽が出来るって感じでね。だから、自分でもそのうちのどの経験が実際に影響してるのかわからないんだ。何に近づきたいとか、そういうのはあまり考えたことがない。全てが勝手に起こるんだよ。動物的本能みたいなプロセスなんだ(笑)。

もともと、子どもの頃にハービー・ハンコックの曲で電子楽器の音を聞いたとのことですが、そこからジャズへいかなかったのは、当時どういう音楽をつくるかのイメージがすでにあったのでしょうか?

ジャクソン:10代の自分にかなりのインパクトを与えたレコードのなかの1枚が『ヘッド・ハンターズ』だった。これは、俺にとって本当に驚きのフュージョンだったんだ。エレクトロサウンドを使ってるけど、すごくファンキーで変わってて......美しいサウンドと型破りなサウンドの間を行く作品だった。普通の心地いいサウンドを聴いてるかと思ったら、いきなり超ビッグなサウンドが鳴りはじめたり。ワイルドになったり、すごくエレクトロになったり。それがすごくテクノっぽく聴こえたり。それでもファンクへの愛はキープされたまま。そこに魅力を感じた。

そういったたくさんの要素が混ざった音楽を作りたいというヴィジョンは10代の頃から持っていたのでしょうか?

ジャクソン:そうだね。でも、みんな10代のときは自分が好きな音楽をいかに上手くリメイクできるかに執着するけど、それは実際不可能(笑)。俺は、自分のアイドルをコピーしようと思ったことは一度もない。どうせできなくて、フラストレーションが溜まりまくってしまうから(笑)。でも、彼らをそうさせているエッセンスや、彼らの作品の何を自分が好きなのかは理解しようとしてた。他の人間にはなれないから、ヒーローをコピーしようとしたことは一度もないね。それを理解した上で、自分が自分なりの作品を作れればいいと思う。

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トラップ・ミュージックが急激につまらなくなったと思った時期はあったな。すごく面白かったけど、それが長続きしなかった。6ヶ月くらいですぐに形式的になってしまって。トレンドになりすぎたんだと思う。

あなたはジャクソン名義で1995年に〈パンプキン〉からハウス/テクノのミュージシャンとしてデビューしていますね。レイヴ・カルチャー(セカンド・サマー・オブ・ラヴ)への憧憬はいまもありますか?

ジャクソン:もちろん。俺のライヴ・ショーをプロデュースしてくれてる人がいるんだけど、彼は昔フリーパーティなんかをオーガナイズしてたんだ。すごくアクティヴでドリーミーな時代。俺がMCやDJをフォローしてた時代だね。だから、彼といるといまでもその時代が周りにある感じがする。俺は、いまだにテクノ・ラヴァーだよ。

フランスを代表するテクノのDJ=ローラン・ガルニエと、今年の9月に共演を果たしますね。彼からあなたに受け継がれたもの、また、あなたが発展させたものはなんでしょう?

ジャクソン:そうなの? 共演するなんて知らなかった(笑)。彼は、俺にテクノを発掘させた世代のアーティストのひとり。15歳くらいのときに彼のDJを見に行ったのを覚えてるよ。それに、彼は俺の音楽を初めてラジオでプレイしてくれたDJなんだ。だから、俺にとっては本当に大きな存在。学ぶというよりは、感謝することの方が多いね。俺にとっては、シンボルとして大きな存在だから。あと、2年前にManu le Malinと2、3回ショーをやったんだけど、彼は確実に俺のハードコア・テクノ・ヒーロー。彼と共演できるなんて最高だった。彼に、このトラック聴いたことある? とか聞いてみたり、このトラックをイントロでかけるべきだよ! なんて興奮して盛り上がっちゃって(笑)。彼は、覚えてくれてるんだな、みたいな感じで笑ってたけどね(笑)。だから、ローランと共演できるんだとしたら、それは本当に楽しみだよ。

90年代には「Sense Juice EP」のようなハウス・トラックを作っていましたが、『スマッシュ』ではオーケストラを取り入れた壮大なエレクトロへと作風を変えています。そこにはどのような経緯があったのでしょうか?

ジャクソン:さっきも少し話したけど、高校のとき、自分自身がどんなサウンドを融合したいかを考えてたんだ。で、ある時点で軽やかなものとファンキーなもの、そしてアグレッシヴなものをブレンドしたいなと思った。それが自分が組み合わせてみたい要素だと思ったんだ。で、俺はウェンディ・カルロスのファンだったから、彼女の要素も取入れてみたくなって。シネマ音楽というか、そういう音楽のスコアを入れるのは、ヒップホップでもよく取入れられてるしね。当時はあまりエレクトロでは御馴染みではなかったけど。

イギリスではダブステップの隆盛が起き、それはアメリカでスクリレックスなどのブロステップ(EDM)にとなり、レイヴに発展しています。ボーイズ・ノイズは「EDM」というタームについてネガティヴですが、あなたはどのようにお考えでしょうか?

ジャクソン:いまだにEDMが何なのかわかってないんだよね(笑)。そういうのを聞くと、いつも90年代を思い出すんだ。90年代のある時期、4ヶ月ごとくらいに毎回新しい名前が出て来てた。トランスコアとかアシッドトランス、それが出て来たと思ったらハードテクノと呼ばれるようになったり、プログレッシブ・ハウスにトライバル・テクノに......(笑)。あれはおかしかったな(笑)。当時はみんなデトロイトにハマって影響を受けてたから、ヨーロッパでは名前を付けたりしてみんながそういった音楽を色々分類しようとしてた。でも実際デトロイトDJのショーを見に行くと、彼らの殆どがその1セットの中で本当に色んな音楽をかけまくってたね。ハードなアシッド・トラックとか、ヴォーカル・ハウスとか、ガレージとか。テレンス・パーカーとかポール・ジョンソン、デリック・メイたちは、アシッドやガレージ、とにかく全てを行き来してたよ。アンダーグランド・レジスタンスもそう。彼ら自身は、名前なんて全然気にしてなかったんだ。長くなったけどつまりは(笑)、EDMなんてその分類の単なるひとつってことさ(笑)。俺はあまり気にしてない。何が最近起こってるのか、そもそも俺はあまり把握できてないしね。

ダフト・パンクの新作でのノスタルジアについてはどのようにお考えでしょうか?

ジャクソン:彼らは、毎回じゃないけどそれをよくやるよね。『ホームワーク』を聴いたら、彼らがオールドスクールの音楽を再解釈したトラックがいくつかあることがわかる。最新の作品では、彼らは大々的にそれをやってると思うんだ。70年代に既に作られたような音楽を再解釈してる。それでもモダンなディテールも入ってるんだ。面白いのは、ファースト・レコードをリリースしたとき、彼らはノン・テクノ・リスナーたちに向けてテクノをプレイしていたけど、いまはその逆をやってること。エレクトロ・キッズたちにディスコを聴かせてる。それだけじゃないけど、作品でみんなを教育してる感じがするね。『ホームワーク』は、ロック・オーディエンスやそれまでにテクノを全然聴いたことのない人の注目を得たけど、今回もそれと同じ。ジョルジオ・モロダーが誰かを全然知らない人が新しいダフト・パンクの作品を買ってるからね。そういう意味では、彼らの前と同じプロセスがリバースされてるんじゃないかな。

1曲目はビートルズ風のテイストがありながら、サーフポップ風にも展開します。他にも霊妙なオーケストラや、ハードなテクノもあります。あなたの曲の展開は、曲自身がそれを望んでいるのか、あるいはあなたが操っているのか、見解をお聞かせください。

ジャクソン:さっきも言ったように、曲の展開は、幸運な偶然や自意識の流れを活かした結果がそうなる。でも操った部分も少しはあるよ。60年代のポップの要素をブレンドして、それを他のものに見せかけたかったんだ。その形式を取入れて、それを壊して他のものにする、みたいな。その見解や内容を変えたかった。ちょっとしたゴーストのような存在のリファレンスだね。薄く存在してるけど、ハッキリとはしてない。あとは、そういったサウンドに対するちょっとしたオマージュとしても取入れてもいるんだ。

いまUKではハウスが流行っているときいています。〈キツネ〉や〈ビコーズ・レーベル〉も以前より落ち着いていますが、あなたから見たフランスのシーンはいかがでしょうか?

ジャクソン:どうだろうね。『DJ Mag』っていうイギリスの有名な雑誌に記事が載ってたけど、それにはフランスのシーンがいまアツいって書いてあった。たくさんの新しい才能やレーベルが出て来てるから。UKでハウスが流行ってるっていうのは、多分ディスクロージャーとかその辺のハウスサウンドのことだよね?いつだってサイクルがあるから、いま何が流行って流行ってないかはよくわからないな。

『DJ Mag』が言ってる、フランスのミュージック・シーンがいまアツいというのには同意しますか?

ジャクソン:ダイナミックな何かがあるとは思う。世界中でパフォーマンスしてるフレンチ・エレクトロ・アーティストのグループがいるし、彼らは成功してるしね。でも、フランスだけが特別ってわけじゃないからな......いまの時代、素晴らしい才能は世界のどこからでも発掘されてるし。

ここ最近で、もっともすばらしかった音楽と、もっともひどいと感じた音楽をおしえてください。

ジャクソン:音楽というか、俺が大好きなアーティストがいるんだ。ロサンゼルスのアーティストのジョン・マウス。ひどいと感じたのは......嫌いなわけじゃないんだけど、トラップ・ミュージックが急激につまらなくなったと思った時期はあったな。すごく面白かったけど、それが長続きしなかった。6ヶ月くらいですぐに形式的になってしまって。トレンドになりすぎたんだと思う。でもさっきも言ったように、俺は全てのフォーマットに常に惹かれてるから、その音楽自体があまり好きじゃなくても、それを人がどう聴いてるかに興味をもったり、どんな人がそれを好きなのか、何故好きなのかにはいつだって興味がある。それがどう彼らのライヴに影響するのか、とかね。だから、関心が全くなくなったわけではないんだ。

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俺はただ、〈ワープ〉というレーベルが大好きなだけ。彼らと良い関係が持てればそれでいいんだ。彼らはクールな作品をたくさんリリーすしてるからね。

"G.I. Jane"という曲は映画「G.I. Jane」からの影響でしょうか?

ジャクソン:あの映画自体はちょっと安っぽいけど、基本的にG.I.Janeはジェンダーに対する全ての問題に対するアイコンだと思うんだよね。そこからも影響を受けてるけど、同時にパロディでもある。支配とか服従とか、ジェンダー問題ではお決まりの強い女性の居場所とか、そういうことに対するパロディ。でも、愛の宣言の曲でもあるんだ。

あなたのオーケストラサウンドはホラーめいています。あなた自身の恐怖を表しているとすれば、なにに恐怖することがあるのでしょうか?

ジャクソン:恐怖を表してるわけじゃない。怖いものはあまりないよ(笑)。

そういうサウンドを使って、恐怖ではない自分のフィーリングを表現しようとするのは何故?

ジャクソン:自分でもわからない(笑)。ただ、なんか楽しいと思うんだよね。ホラー映画って、なんとなく楽しい要素がない?俺は好きなんだ。例えば、俺は70年代~80年代のイタリアのホラームービーのジャッロが好き。60年代の監督のMario Bavaの大ファンなんだよ。あの血の虜になったような感じとか、ダサいバイオレンスとかが好きなんだよね。」

オーケストラサウンドはなにから影響を受けたものですか? 好きなクラシックの作家はいますか?

ジャクソン:影響されてはいると思う。映画を見るときはいつもインスパイアされているから。クラシックの作家は、Anna Meredithっていうすごくクールなアーティストがいるんだよ。まだ若いんだけど、彼女は本当に面白いオーケストラの作品を作ってるんだ。

新曲"Vista"で歌っているのは前作に引き続き母親Paula Mooreですよね。お母さんはフォークシンガーですが、あなたの音楽をどのように評価していますか?

ジャクソン:いや、今回歌ってるのは母親じゃなくて、これもまたAnnaなんだけど、Anna Jeanっていうフランス人のアーティストが歌ってくれてるんだ。母親は、俺の音楽を気に入ってくれてるよ。

新しいアルバムはもう聴かれたんですか? また一緒に共演することはあるのでしょうか?

ジャクソン:いや、アルバムはまだ聴かせてないんだ。共演は...あるかもね。今回はしなかったけど、またやってもいいな、とは思う。でも、家族と仕事するのってやっぱりなんかちょっと(笑)。でも彼女は本当にクールなミュージシャンなんだ。

いまでもクラブに遊びにでかけますか?

ジャクソン:もちろん(笑)! 環境がそうだから、行かざるを得ないしね。ツアー中もクラブに行くし。

週何回くらい行ってます(笑)?

ジャクソン:わからない(笑)。機会があればいってるから。成り行きでそうなっちゃうこともある。一杯飲むつもりで行ったら、5時間後にはパーティにいたり(笑)。あれ、どうやってここに来たんだろう?みたいな(笑)。

自分のエモーションを音楽で表現するとき、実際のエモーションと曲のあいだに齟齬が生まれることはありますか? 

ジャクソン:あるある。だから面白いんだ。マルセル・デュシャンがクリエイティヴ・プロセスについて書いてる本があるんだけど、計画されず、プログラムされずに出て来たものが、それが良いものであっても悪いものであってもそのアーティストの価値を表すっていうセオリーが書かれてる。計画されていないクレイジーなものが加わることで、作品にその価値が与えられるんだ。だから俺は、自分が作ったものに対して迷いや驚きを感じる時は、逆に嬉しいんだよね。

また、自分のエモーションを音楽で発表するときに、気恥ずかしさはありませんか?

ジャクソン:もちろんあるよ(笑)。それは仕方がない。自分の感情を音楽で表現しようとする限りは。

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実は俺レコードを持ってないんだよ。何度も引っ越ししたり、色んな所に行ってるから、その度にいつもレコードを処分しないといけなくなって。いまはデジタルで保存できるしね。

先日、あなたのレーベルメイトでもあるダークスターにあなたの音楽をおすすめされました。『Vice』マガジンの紹介で〈WARP〉と契約し、8年前の前作からすでに〈WARP〉でのリリースでしたが、あなた自身、意外なレーベルと契約しているとは思いませんか? 

ジャクソン:ダークスターに? それは嬉しいね。〈ワープ〉は本当にたくさんの種類の音楽を扱ってるから、彼らがどんな音楽をリリースしようとしてるのかを無理矢理理解したり、分析したりしようとは思わない。俺はただ、〈ワープ〉というレーベルが大好きなだけ。彼らと良い関係が持てればそれでいいんだ。彼らはクールな作品をたくさんリリーすしてるからね。俺が〈ワープ〉っぽいレコードを作ったとは思わないけど、同時に、それが彼らが求めてることだとも思うし。

〈WARP〉で好きなアーティストやリリースを教えてください。

ジャクソン:ハドソン・モホークとラスティ。あとは、ダークスターも好きだし、オウテカも。それに新しいボーズ・オブ・カナダの作品も最高だったね。俺はとにかくワープの作品のファンなんだ。言い出したらきりがないよ。

あなたのレコードを棚にしまうとき、両隣は誰のレコードになるでしょうか?

ジャクソン:面白い質問だな。でもびっくりことに、実は俺レコードを持ってないんだよ。何度も引っ越ししたり、色んな所に行ってるから、その度にいつもレコードを処分しないといけなくなって。いまはデジタルで保存できるしね。でも持ってたとしたら......わからないな。分類するのってどうせつまらないし(笑)。

もしあなたから「コンピューター・バンド」がなくなったら、どんな楽器でどんな音楽をつくりますか?

ジャクソン:やっぱりピアノかな。ピアノはベスト。色んなことが出来るから。あとはダブルベースも使うかも。あの楽器は面白いからね。どんな音楽かはわからないけど、使うならそのふたつ。アコースティックで大きな役割を果たす楽器だからね。あとピアノは、身体が全部入るあの大きさが好きなんだ(笑)。

仮に、世界を強者と弱者に大別できるとします。あなたはどちらですか? 理由も教えてください。

ジャクソン:おいおい、自分が弱いなんて言ったらおわりだよ(笑)。強いか弱いか、そんなふうには機能しない。強いと言ってる人たちは、守り方や隠し方、対処の仕方を知らないんだよ。だから、彼らの方が所詮弱かったりもする。強さをわざと増やそうしてるからね。弱さと強さはいつだってバランスがとれてるんだ。精神的強さもあれば、身体的強さもあるわけだし。

情勢的なことも含め、フランスという国についてあなたが思うことを教えてください。

ジャクソン:正直、情勢のことはあまり考えない。実は、俺テレビを持ってないんだ。もう10年くらい。新聞も読まないし、ラジオも聴かない。だから、情報社会から離れてるんだよね。でも街に出れば人と話すから、国が大変な時期にいることはわかってはいる。でも自分の国は好きだよ。

では情勢と関係なく、フランスのいいところと、ださいところを教えてください。

ジャクソン:好きなのはワイン、女性、食(笑)。ダサいのは...わからないな。ステレオタイプ的なものは言いたくないし。他のものを見つけようとしても......ドイツにも住んでたし、イギリス人や日本人も見てるけど、やっぱり国というより人によるよね。

古いレコードを好んで聴きますか? また、それはなんのレコードでしょうか?レコードを持ってないとおっしゃってましたので、デジタルでも。

ジャクソン:フィリップ・グラス、ジェームズ・ブラウン、ウェンディ・カルロスの作品はよく聴いてるよ。

Synth-pop, Rock & Roll, Electronica, Juke, etc. - ele-king

Inga Copeland - Don't Look Back, That's Not Where You're Going
World Music


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「Don't Look Back, You're Not Going That Way.(振り返らないで、あなたはそっちではない)」、いかにもアメリカが好みそうな自己啓発的な言葉で、沢井陽子さんによれば、この言葉がポスターになったり、ブログのキャッチになったり、本になったりと、いろんなところに出てくるそうだ。インガ・コープランドは、そのパロディを彼女のセカンド・シングルの題名にしている......といっても、この12インチには例によってアーティスト名も曲目もレーベル名も記されていない。表面のレーベル面には、ナイキを着てニコっと笑った彼女の写真が印刷されていて、裏側は真っ白。ちなみにナイキは、彼女のトレードマークでもある。
 Discogsを調べると今回の3曲のうち2曲はDVA、1曲はMartynがプロデュースしているらしい。ディーン・ブラントではない。ベース系からのふたりが参加している。レーベルの〈World Music〉は、ブラントとコープランドのふたりによる。1曲目の"So Far So Clean"はアウトキャストの"So Fresh, So Clean"のもじりで、「いまのところとってもクリーン」なる題名は悪ふざけだろう。シニシズムは相変わらずで、しかし音的にはスタイリッシュになっている。

Synth-pop

Jamie Isaac - I Will Be Cold Soon
House Anxiety Records


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 デビュー・アルバムのリリースが待たれるキング・クルーの初期作品を出していたレーベルから、冷たい心を持った新人が登場。簡単に言えば、ザ・XX、ジェイムズ・ブレイクの次はこれだろう、そう思わせるものがある。まだ聴いてない人は、"Softly Draining Seas"をチェックしてみて。

E王

Electronic Blues

Americo - Americo graffiti PEDAL


 アメリコは、50年代のロックンロール(ないしはフィル・スペクター)×70年代の少女漫画(ないしは乙女のロマンス)×70年代歌謡曲×ポストパンクという、なかば超越的なバンドだ。坂本慎太郎作品やオウガ・ユー・アスホール作品で知られる中村宗一郎をエンジニアに迎えての12インチで、全6曲。アートワークも楽曲も(そして録音も)アメリコの美学が貫かれている。ヴォーカルの大谷由美子さんは、80年代はクララ・サーカス(日本でザ・レインコーツにもっとも近かったバンド)なるガールズ・ポップ・バンドをやっていた人。

Rock & RollDream Pop

DJ まほうつかい - All those moments will be lost in time EP HEADZ


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 クラスターのレデリウスを彷彿させる素朴なピアノ演奏ではじまる、。DJまほうつかいこと西島大介の4曲入り......というか4ヴァージョン入り。本人の生演奏によるピアノをまずはdetuneがリミックス、自分でもリミックス、そして京都メトロでのライヴ演奏が入っている。エレクトロニカ調のもの、クラウトロック調のもの、少しお茶目で、それぞれに味がある。西島大介といえば可愛らしい画風で知られる漫画家だが、これは漫画家が余興でやったものではない。僕は最初の2と3のヴァージョンが良いと思ったが、もっともシリアスなライヴ演奏が最高かもしれない。

Modern ClassicalAmbient

DJ Rashad - I Don't Give A Fuck Hyperdub


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 これだけファック、ファック言ってる曲はラジオではかけられないが、海賊ラジオやネットでは大丈夫なのか。DJラシャドの「ローリン」は今年前半の最高のシングルだった。"アイ・ドント・ギヴ・ア・ファック"は前作のソウルフルなな路線とは打って変わって、残忍で、好戦的で、不吉で、緊張が走る。声ネタを使ったDJスピンとの"Brighter Dayz"ではジャングル、フレッシュムーンとの"Everybody"でも声ネタを使った、そして頭がいかれたジャングル、DJメニーとの"Way I Feel"はパラノイアックで不穏なR&Bを披露する。楽しんでいるのだろが、しかし......やはり恐るべき音楽だ。

Juke, Footwork

MARIA - ele-king

 三田格は『街のものがたり』を読んで真っ先に聴きたくなったのがマリアだというが、その気持ちは理解できる。何を隠そう、橋元と僕もくだんの本を編集しているとき、マリアの章のゲラを読んで涙腺が緩くなったものだ。
 シミラボのライヴで見る彼女はたいてい道化ている。売れっ子ライターの二木信的に表現するならファンキーというのか、彼女はOMSBからのいじりさえも自分を笑う成分に利用する。マリアは、反抗的だがご機嫌なシミラボのステージの華であり、最高の道化師でもある。
 ところが、『街のものがたり』で語られる彼女のエピソードは、軽く笑い流せやしない重たさがある。これはOMSBにも言えることで、敷居が低く、そしてファンキーなシミラボのライヴの背後には、がちにハードなものが秘められている。『街のものがたり』を読んだ多くの読者がマリアに反応するのは、「ええ、こういう人だったんだ」という、ある種の驚きを覚えるからだろう......などと言ったら失礼だろうか、「普通って何? 常識って何?」「そんなもんガソリンぶっかけ火を付けちまえ」と繰り返したシミラボは、ハイブリッドであるがゆえの疎外者の集まりかもしれないが、マイノリティとしての自分たちの人生を売りのタタキにはしていないのだ。

 何にせよ、本作『Detox』はマリアの最初のソロ・アルバムだ。素晴らしい。それ自体に意味がある。〈BLACK SMOKER〉から出た『LA NINA』でも、日本のジュークのコンピレーション『160OR80』でも、彼女は圧倒的な存在感を見せている。日本のヒップホップの新しいミューズへのリスペクトの表れだろう、『Detox』には多くのビートメイカーやラッパーが参加している。シミラボのOMSB(WAH NAH MICHEAL)やUSOWA、LowPassのGIVVN、C.O.S.A.、Earth No Mad、MUJO情、DIRTY-D、Cherry Brown、TAKUMA THE GREAT、DIRTY-DやISSUE、JUGG等々。
 米軍基地は保守派にとってはある種の必要悪、リベラル派にとってはとにかくけしからんものとして、あり続けている。軍人と日本人との間に生まれた子供の居場所は彼らの対立のなかにはなかったが、ヒップホップにはあった。『Detox』から聞こえる希望は、もちろんすべてとは言わないけれど良くも悪くもこと地方では街のちんぴら予備軍の音楽として広まったヒップホップが、あまりにも純粋なモラルを説いていることにある。それはニーナ・シモンから忌野清志郎にいたるまでの、過去の素晴らしいポップスが表してきた地面から見える愛(性愛)に関係している。

 『Detox』には、マリアがいま思っていることすべてが詰め込まれているようだ。男の視線を釘付けにするPVの"Helpless Hoe"では女の狡猾さを攻撃、ねっちこくもグルーヴィーな"Movement"では人びとへ蜂起をうながし、"Depress"では彼女が経験した人種差別を語る。彼女の女性性も表現されている。"Sand Castle"や"Your Place"などいくつかの曲ではその魅力的な声を聞かせる。ナイトライフがあり、国家への不信感、友情や恋心が繰り広げられる。
 僕はマリアのような女性を何人か知っている。女であることを隠さない女、女であることを無理に抑えつけない女は、アメリカからのR&Bの波とともに日本にも定着しているわけだが、『Detox』はジェシー・ウェアやアデルなんかよりもエイミー・ワインハウスに近い。
 しかし、性はすべてを支配しない。クローザー・トラックの"Bon Voyage"は、本能的でありながらも理性的でもあろうとするマリアの内的世界の、見事な叙情詩として、アルバムの核心をまとめ上げる。「大波小波へのへのもへじがあたしのダーリン」「出会いと別れ繰り返すだけ/でもあたしはできない平和ボケ/てめぇの悩みなんてほざけクソくらえ」「わかってもいてもわからないふり/バカ演じてんのがぴったり/ってよりぶっちゃけすげー楽」......(略)
 マリアの純情なソウルこそ、たったいま聴いたほうがいい。愛に向き合ったこのアルバムに僕はがつんと食らった。こういう表現を謙虚な彼女は嫌がるだろうけれど、敢えて言おう。彼女の言っていることはまったく正しい。「この国のアビレージに踊らされるな/君のステップを踏んで行けば/世界はゆれる/地球はまわる」"Never To Late"

ele-king presents "ANTI GEEK HEROES" - ele-king

 もう何回も言ってることだけど、日曜は下北沢THREEで遊ぼうぜ!
先日告知したele-king本誌最新刊vol.10連動イベント「アンチ・ギーク・ヒーローズ」のことですよ。な、な、な、なぁぁぁんと、LowPass、カタコトに加え、ele-kingに欠かせないマン・オブ・タレント、踊ってばかりの国の下津光史(a.k.a The Acid House.)の出演が決定! イエー、ロックンロール~!

 さらにはDJに、いまや売れっ子のライター二木信が登場。某ラップ・ユニットのミックステープではフリースタイルで客演するなど、垣根を超えた活動をするこの男が一体どんな曲をスピンするのか......見所と言えば、もしかしたらこれが一番の......いやいや、新人カタコトを見て欲しい!

 というわけで、今週末、8月25日(日)、18時開場!
 マジ、頼みます。みんな、下北沢THREEで遊ぼう!



ele-king presents "ANTI GEEK HEROES"
8.25 (sun) 下北沢 THREE
OPEN 18:00 / START 18:30
ADV / DOOR 2,000 yen (+ drink fee)
LIVE: LowPass / カタコト / 下津光史(踊ってばかりの国)
Opening ACT: バクバクドキン
DJ: 二木信

*公演の前売りチケット予約は希望公演前日までevent@ele-king.netで受け付けております。お名前・電話番号・希望枚数をお知らせください。当日、会場受付にてご精算/ご入場とさせていただきます。
INFO: THREE 03-5486-8804 www.toos.co.jp/3


Asian Dub Foundation - ele-king

 2011年3月4日、エイジアン・ダブ・ファウンデイションの、前作『ア・ヒストリー・オブ・ナウ』を引っ提げたツアー東京公演で軽くショックな場面を目にした。ギターのチャンドラソニックの発した「チュニジア、エジプト、リビアの市民にリスペクトを!」というMC(その通りのシンプルな英語だった)に対して、渋谷の会場を埋め尽くし、踊り狂っていた聴衆の大半が、きょとんとして反応しなかったのだ。よりによってこんなタイトルのツアーの公演に詰めかけた"ファン"(という言葉の定義を疑うが、それはともかく)が、あのとき地球上の最大の事件だった〈アラブの春〉に関心を示さない景色は、ステイジの上からどう映ったのだろう?(ピース・サインは、こういうときのためにあるはずなのだが)

 活動歴20年を数えるエイジアン・ダブ・ファウンデイションのヴェテラン・サポーターに対しては釈迦に説法だろうが、ADFは言わばひとつの学校のようなものである。そもそも彼らはベンガル(バングラデシュ、インド)・オリジンの恵まれない若者たちに音楽を教える東ロンドンの民間ワークショップ《コミュニティー・ミュージック》を背景に結成された。Dr.ダス(b.)やチャンドラソニック(g.)はそこで演奏を教える側にいたのだが、社会的バリアーによって抑圧されているマイノリティーの若者が同所で演奏技術を学ぶということは、社会に対して自分の意見を表明することと同義だった。そこでの教育とは、〈きみが大衆の前で演奏できるなら、政治的な集会で発言だってできる〉というものだったからだ(つまりその主眼は、社会的弱者として泣き寝入りしないために、音楽を通して社会に意見することを学ぶことにあった)。
 その後ADFは、《コミュニティー・ミュージック》をモデルとして、自分たち独自のネットワークの中に《ADFED(Asian Dub Foundation EDucation)》という、同目的の教育部門を作っている。若者たちに無料で音楽を教え、機材の使い方も手ほどきして自由に使わせ、卒業制作的に録音もでき、その曲は《ADF Sound System》でプレイされたり、実際にそこで作曲者がマイクを握ってオーディエンスに実地披露できたりもする。そういう組織体の前面に、アーティスト名義(バンド)としてのエイジアン・ダブ・ファウンデイションが存在してきたわけだ。
 例えば2000年の『Community Music』を最後に天才肌のMCディーダー・ザマンがグループを去ったあとにやってきたフロント2名:MCスペックスとアクターヴェイター(要するにあの「Fortress Europe」の2人)だって、別のグループのメンバーでありながら《ADFED》カリキュラムに参加した、同制度の最初期の"生徒"だったし、2人はその後《ADF Sound System》を経てADFの"本体"に抜擢されたわけである(その後スペックスは07年にフォーメイションから離れた。アクターヴェイターは一度離れたが再加入:現行メンバー)。

 つまりADFは、南アジア・オリジンの在英エスニック・マイノリティーの視点から、植民地政策、新自由主義経済システム、人種差別、宗教対立などに関する重大な問題にスポットを当て、リスナーを啓蒙し、考えさせるメディアであり、そして、自分たちと同じように音楽を媒体として世の中にプロテストする若者を育てる学校として機能している。そこでの"音楽"とは、社会的弱者のための厳然たる政治手段であり、カリキュラムとしてラヴ・ソングは扱われず、民族主義や権威主義は明確に忌避され、宗教的にもニュートラルであり続けている(今作からレゲエ・シンガーのゲットー・プリーストが戻ってきた現ADFでは、"違う神"を信じるムスリムとラスタファリアンが並んでマイクを握る)。
 そうしたスタンス/ポリシーと、そこから発せられるメッセージの質が厳格であればあるほど、それを高次で中和、かつ補強するための音楽的快楽を必要とする。それが彼らの"エデュテインメント"であり、そのために、バングラ・ビートなどのオリエンタル・ルーツ・ファクター、ブレイク・ビーツ、レゲエ、ラガにジャングル、ハード・パンク、ダブ・ステップ etc. が渾然とする彼らのサウンドがある。そのCDを買ってきて鳴らすことは簡単だが、共鳴することはまた別の話だ。それは、大なり小なり自分で学び、考えることを抜きにしてはあり得ない。
 ......と言うと堅苦しく聞こえるかもしれないが、ちなみにぼくがそのためにやっていることは単純だ。ADFの新作は、毎回必ず日本盤を買い、解説原稿と歌詞対訳を熟読しながら聴き込むのだ(彼らの曲を真に楽しむには、まず彼らのアクションや楽曲の意味を知ることが不可欠。各曲の背景に最初から通じていて、英語の聞き取りに問題のない人なら解説も対訳も不要だろうけれど、ぼくは残念ながらそうではない)。

 常に世界情勢に敏感に反応するADFだけに、今回は2011年のロンドン(とイギリス各地の)暴動や、〈アラブの春〉以降の世界を彼らがどう見ているのかに興味が湧くわけだが、今回も解説や歌詞対訳からいろいろな知識が得られた。大石始さんによる優れた解説原稿には、それらの出来事以外にも(2005年フランス暴動の問題の核心をその10年前に描いていた)マテュー・カソヴィッツ監督のフランス映画『憎しみ(La Haine)』と本作との関係性についても詳述されていて興味深い。ADF2003年の名盤『Enemy of the Enemy』にその名も「La Haine(ラ・エンヌ)」という同映画へのオマージュ曲が入っていたことを思い出して聴き返したり、あの映画が今も変わらずADFと深く通じていることを知って、久しぶりに観返したくなった。こうした発展的な刺激を与えてくれる解説原稿は楽しい。

 訳詞を読んで即、疑問が氷解したのが、アルバム2曲目のタイトル・チューン"The Signal and the Noise"の意味するところだ。先行公開されたPVを観ても漠然としていてよくわからなかったのが、訳詞を調べてピンときた。"the signal and the noise"は通信工学用語で("S/N比"はオーディオ用語としても知られるが)、これはそのまま、アメリカの若き統計学者ネイト・シルヴァーによる2012年のベスト・セラー本のタイトルでもあったのだ。で、ここでの意味は──世界は意味のある信号(有益な、正しい情報)と、ただ思考を惑わすだけのノイズ(ニセ/操作情報)の混交体であり、現象の正確な把握のためにはそれらの見極めが必要だ──という、つまり世に溢れる情報に対する注意を喚起する曲だったのだ。そう思ってPVを観返してみると、(動きを監視されている)白人青年が一体何に翻弄されているのか? ネクタイを締めたADFのメンバーが誰を演じているのか? ビルの屋上に逃れた若者は何を目にするのか? そのすべてがスッキリ理解できる。歌詞も映像もわざと抽象的に作ってあり、こちらに一歩踏み込んで考えさせる、さすがにうまい作りだ(すぐわからなかったオレが愚鈍なだけかもしれないが......)。

 アルバム・オープナー"Zig Zag Nation"は、問題が次々に生じて人びとが対立し、地域や国家の中に新たなジグザグした分断線が引かれていく状況を歌った曲だが、そのサビ部分の歌詞〈ジグザグな時代に生きる/厳しいかもしれないが、直線よりマシだ〉の、最後の部分にもしみじみ考えさせられた。日本でも、原発、憲法改正、米軍基地、歴史認識、多民族共生等々の問題が人々をジグザグに分断している。スッキリ直線的に二分されて両陣営が膠着してしまうより、むしろジグザグの突起部分が相手側に入り込み、刺激し合って対話を絶やさないところから距離を縮め、解決の糸口を探っていくしかない......というメッセージだと解釈したがどうだろう? そうだとすると、この"Zig Zag"という短い響きが含蓄するものは、この地球全体をもすっぽり飲み込んでしまう大きなものだ......。

 "The Signal and the Noise"にも先んじて、今年5月に本アルバムから最初に発表された曲が、アルバム3曲目の"Radio Bubblegum"。このヴィデオはストーリーがわかりやすいが、これも訳詞を読むと相当辛辣な内容であることがさらによくわかる。国が推奨するバブルガム(おこちゃま向け)なラジオ局への批判だが、金と権力を握る者たちがコントロールするラジオ放送とは、連中の金儲けとプロパガンダのためのメディアであり、市民を自分の頭で考えることのできない"おこちゃま(未成熟)"にしておくための装置だ、という曲だ。映像では、どんなものをラジオから流せばリスナーがイカれてしまうか(効率よく国民を"バカ"にできるか)を研究している。
 この曲に関してもう1点特筆すべきことがある。今作ではADF創始者のDr.ダスをはじめ、ドラムズのロッキー・シン、ヴォーカリストのゲットー・プリーストがバンドに正式に戻ってきたことも大きな注目点だが、その新生ADFの最初の曲のヴォーカリストが、わざわざバンド外部からフィーチャーされたLSKだったということだ。本アルバムの総合プロデュースは、『Enemy of the Enemy』以来となるエイドリアン・シャーウッドで、たしかにLSKはシャーウッドのお気に入りの歌手だ。しかしそれ以上に、この起用の仕方がADFという組織体の本質をはっきり示していて、その意味からも、活動20周年を記念する新アルバムのリード曲としてふさわしかったと思う。
 これまでを振り返っても、ADFはインストゥルメンタリストどころか、ディーダー・ザマンにはじまるヴォーカリスト(フロントマン)さえ代替可能な集団だったし、今回のように新生ADFのお披露目の曲にメンバー以外のシンガーを大々的にフィーチャーすることもできる。つまり肝心なのは誰が"メンバー"かではなく、誰が参加しても組織と音楽の性格が不変であることなのであって、それが彼らの政治運動体としての"コミュニティー・ミュージック"の肝なのである。極端な話、誰が入って、抜けて、戻ってもよく、運動体内部にヒエラルキーはなく、無論マイクを握る者に特別な権威を与えることもない。同じ敵に向かうのであれば、誰が声を上げてもいい(The enemy of the enemy / He's a friend)のであって、肝心なのは歌う人格ではなくて、歌われるメッセージだからである。

 と、ここまでいろいろ書いてきたけれど、これでもADFの新作から、ただ単に頭の3曲を紹介したに過ぎない。あとは各自、国内盤CDを買って1曲ごとじっくり取り組んで欲しい。最後まで強烈な、カッコいいアルバムだから。
 しかしこの国内盤......その内容の良さに加え、充実した解説、対訳ばかりかボーナス・トラックまで付いて1,980円というのは普通に考えてちょっと安過ぎる。言っておくけど、ぼくはレコード会社から飼われてはいない。ADFのファンであることを真剣に楽しんでいるだけだ。その点は信用して欲しい。


The Signal And The Noise


Asian Dub Foundation Ft. LSK - Radio Bubblegum

Prrrr... hello!! hello!?... - ele-king

 世界レベルで語られているTOKYOストリート・アイコンSk8ightTingを中心にT.Feltwell、Y.Hishiyamaらで奏でるアパレル・ブランド〈C.E〉と、セレクト・ショップの代表格のひとつ〈ユナイテッドアローズ〉が展開する人気ライン〈BEAUTY&YOUTH〉がオーガナイズするフリー・エントランスなパーティが大阪・心斎橋のONZIEMEにて8/30(金)開催される。

 原宿の格好いいレコ屋さんBIG LOVEからアルバムもリリースし、ele-kingにも何度も登場いただいているSapphire Slowsや、〈C.E〉からはスケシンさんトビーさんがDJとして参加(『ele-king vol.10』の特集を万が一読まれていない方はぜひ読んでファンタジー感アップして出かけましょう!!)。そしてグラフィック・デザイナーとしても広く認知される石黒慶太こと1-DRINKさんに、先日の〈TOTAL FREEDOM〉来日公演でもVJをかましていたBECONクルー(個人的に熱視線ちう)と、TOKYOストリート~ベースメントに乱反射するミラーボールの光が心斎橋に降り注ぐこと必至! 一方で地元大阪からはMobbinHoodのオーガナイズやノイズ・ビート・ダウン・バンドshe luv itにも参加するCE$がDJとして参加する。その存在感からてっきり首都圏にて活動していると思われても不思議ではないCE$とのシンクロニシティを、われわれは必ずや目撃することができるだろう。8月に終わりを告げる最終金曜日、大阪心斎橋。エントランス・フリーでもあるこのパーティはExpress Yourself、21st的に記すとExtreme Yourself、なのだ。


■DIAL: HELP!

LIVE:
Sapphire Slows (100% SILK/Not Not Fun Records/BIG LOVE)

DJ:
Sk8ightTing (C.E)
Toby Feltwell (C.E)
CE$ (she luv it/MobbinHood)
1-DRINK
POOTEE (BACON)

VJ:
BACON

DATE:
2013/08/30/FRI/8:00 PM~

ENTRANCE:
FREE (1 drink purchase required)

PLACE:
ONZIEME
Mido-suji Bldg. 11F 1-4-5 Nishishinsaibashi Chuo-Ku Osaka 542-0086
☎06-6243-0089
https://www.onzi-eme.com/




Luke Wyatt - ele-king

〈PPU〉のスリーヴ・デザインや映像作家として人気のルーク・ワイアットがこれまで使ってきたトーン・ホーク名義のセカンド・アルバムを自身のレーベルから、そして、本人名義のデビュー・アルバムをニック・ナイスリーのレーベルからほぼ同時にリリース。いずれもクラウトロックを基本としたもので、非常にフレッシュな感性を縦横に展開している。リーヌ・ヘルやエメラルズのようにノイズ・ドローンを起源に持つ世代とは明らかに咀嚼の仕方が異なり、ヴェイパーウェイヴのような抜け殻モードでもない。クラウトロック・リヴァイヴァルからコニー・プランク的な人工性を抽出し、しっかりと現在のシーンに定位置を見定めている。

 イーノ&クラスターにクラウス・ディンガーが加わったような『ティーン・ホーク』はこれまでの集大成といえるだろう。シャキシャキとしたパッセージで穏やかなメロディを引き立てるあたりは往年のクラウトロック・マナーそのままにも関わらず、ノスタルジーに回収されてしまう余地は与えず、全体的にシャープでさわやかな感性がキープされる。小刻みに反復されるドローンにも類まれなる抒情性が持ち込まれ、それほど音数は多くないのにイメージの広がりも圧倒的。これが本当にアメリカ人の音楽なのかと思うほど人間不在の自然観が伝わってくる。素晴らしい。

 一転して、メビウス&プランクを思わせる『10・フォー・エッジ・テック』はインダストリアルな要素も上手く取り入れた新機軸。これはフィンランドの海運業者から依頼を受けてつくったものだそうで、タグボートが氷を砕いていくときのBGMだかなんだかに使われるものらしい(ホントかなー)。強迫的なメトロノミック・ビートや全体として与えるシャープでさわやかな感触には変わりがなく、ダンス・ミュージックは意図していないのかもしれないけれど、妙なスウィング感まであって、この暑いのについつい体が動いてしまう(......ゲロゲロ)。

"スリー"

 ミニマルとしても目新しいし(とくに"ナイン")、アンディ・ストットとプラスティックマンが合体したような"シックス"が氷を一気に掻き砕くかと思えば、スーサイドを思わせる"フォー"はそれをじわじわと溶かし、ビート・ダウンした"セヴン"もじつにいい。単にダイナミックなだけではなく、相反するような音響効果を仕掛けることで、激しさのなかにも優しさを持たせてしまうところがこの人のセンスなんだろう。いや、もう、降参です。ルーク・ワイアットという人は、けっこう控えめに言ってもクラウトロックの新たなフォーマットを生み出してしまったのではないだろうか。考えてみればOPNに驚いたのがもう3年前。USアンダーグラウンドはとどまるところを知らず、2013年にはアレックス・グレイ、マシュー・セイジ、そして、このルーク・ワイアットをフロントラインに浮上させてきた。

FUSHIMING 1st 12"EP "HEAVY MOON EP"が、HOLE AND HOLLANDから7月24日に発売されます。
ALTZ氏、KZA氏、INNER SCIENCE氏、SANDNORM氏がすでにプレイしています。コメントもALTZ氏、高木壮太氏、KZA氏、箭内健一氏から頂いてますので下記ホーランドのWEBにてCHECKしてみて下さい。

https://www.hole-and-holland.com
https://soundcloud.com/hole-and-holland
https://www.jetsetrecords.net/FUSHIMING-HEAVY-MOON-EP/p/724004639262

最近頻度の高い12インチシングルを選びました。


1
Thompson Twins - In The Name Love 12"Dance Extension - Arista

2
Venus Dodson - Where Are We Headed - WB/RFC

3
Sebastien Tellier - Broadway - Lucky Number Music

4
Azymuth - Ta Nessa Ainda Bicho_(Zed Bias 4×4 Remix) - Far Out

5
Blackjoy - Moustache - Yellow

6
Popnoname - Surrounded By Weather Remixes B1 - Italic

7
Torch Song - Prepare To Energize12" - I.R.S

8
Trussel - Gone For The Weekend - Elektra

9
Fernando - Endless Disco - Redux

10
Rharaohs - Island Time 12" - Spinning Wheel

ele-king presents "ANTI GEEK HEROES" - ele-king

 ele-king本誌最新刊vol.10で掲載された特集「アンチ・ギーク・ヒーローズ──神にならない神々」、今後時代を担うであろう、若き才能たちにフォーカスした我ながら素晴らしい特集であったが、それだけでは飽きたらなかったので、下北沢THREEと手を組んで、同名のイベントを開催させることにした......! しかも8月の終盤、「まだ夏じゃない」というコンセプトで!

 時は8月25日(日)、18時より下北沢THREEにて。出演者は上半期屈指の傑作セカンド『MIRRORZ』を上梓したLowPass。そのクールな佇まいながら、熱量たっぷりのパフォーマンスで音源とは少々異なる表情で織り成す独特の音世界は、現場でなければ体感できない。そして今年の日本のブラテストホープであり(勝手に)、いまだ謎の多いヒップホップ・バンド、カタコト。和製ビースティーとでも言わんばかりのダンサブルで愉快なパーティ・バンドとしての側面を持つ彼らのライヴを共に楽しんでほしい。ちなみにオープニング・アクトとして、THREEスタッフ・イチオシ、TEI TOWAの秘蔵っ子、バクバクドキンが出演。DJ FUMIYAのアルバムでも彩りを与えていた彼女らがこのイベントでも華を飾る。

 近く、追加の出演者もあるので、心して待って欲しい。血気盛んで好奇心旺盛な読者、もといリスナー諸氏の来場を待っている!

ele-king presents "ANTI GEEK HEROES"
8.25 (sun) 下北沢 THREE
OPEN 18:00 / START 18:30
ADV / DOOR 2,000 yen (+ drink fee)
LIVE: LowPass / カタコト
Opening ACT: バクバクドキン

*公演の前売りチケット予約は希望公演前日までevent@ele-king.netでも受け付けております。お名前・電話番号・希望枚数をお知らせください。当日、会場受付にてご精算/ご入場とさせていただきます。
https://p-vine.jp/news/4161
INFO: THREE 03-5486-8804 https://www.toos.co.jp/3


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