「IO」と一致するもの

Clap! Clap! - ele-king

北中正和
Feb 5, 2015

 このアルバムは笑い声やざわめきとウォーター・ドラムと思われるサウンドで幕を開ける。ウォーター・ドラムはアフリカで女性や子供たちが水仕事の息抜きや遊びで水を手ですくったり、叩いたりしてまるで太鼓のようなリズムを作り出すものだ。そのウォーター・ドラムらしき音にやがて、おだやかな年配の女声の歌のくりかえしが加わり、40秒あたりから合成されたリズムやシンセサイザーのアンビエントな音にバトンタッチされていく。

 説明不要かもしれないが、Clap! Clap! は、イタリアのジャズ・ミュージシャンアのクリスティアーノ・クリスチが、エキゾチックなエレクトロニック音楽をやるときのアーティスト名だ。彼はDigi G’Alessio名義でダブステップ的な作品も発表しており、この名前を見たら、イタリアの人気歌手Gigi D’Alessioを思い浮かべてにんまりする人もいるだろう。架空の島「ターイ・ベッバ」の神話世界へと聞き手を誘うこのアルバムのコンセプトも、そんな遊び心を感じさせる。音楽の骨格は、さまざまなリズムのエレクトロニックなダンス・ミュージックだが、そこに民俗音楽的な要素(主にアフリカの音楽)が巧みに組み合わせられている。

 たとえば3曲目ではギター中心のイントロに続いて、アフリカの親指ピアノの演奏や、地域不明の子供たちのコーラスが出てくる。男性のターイ・ベッバ語?のハナモゲラな語りも入る。この曲のリズムのいくつかのパートはアフリカかどこかの太鼓を参照したのだろう。13曲目のイントロのコーラスと太鼓はアフリカ風で、太鼓はナイジェリアのジュジュのビートの強弱を裏返したのだろう。しかしエレクトロニックな音の部分は複雑なリズム・チェンジをくりかえし、メイシオ・パーカーばりのサックスの断片がフィーチャーされる。16曲目や17曲目で聞こえるのは西アフリカの木琴バラフォンか、それともインドネシアのアンクルンやガムランを模しているのか……。

 目立つ例をいくつかあげたが、このアルバムでの民俗音楽的な要素の引用は、デイヴィッド・バーンやデーモン・アルバーンほどきまじめではなく、50年代のエキゾチカやハリウッド映画ほどフェイク感を強調しているわけでもない。過去のトライバル系の作品とくらべても、宙ぶらりんなおとぼけ感がこの人の個性だろう。いずれにせよここからアフリカ各地のハウス/エレクトロ系の音楽までは皮ひとつのちがいである。

北中正和

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高橋勇人
Feb 4, 2015

 「eclectic」という英単語を、『リーダーズ英和辞典 第3版』で引くと、「(多種な分野から)取捨選択する;折衷主義の, 折衷的な」という字義が出てくる。クラップ!クラップ!のディスコグス上のプロフィールを読んでいて、自分がつまずいた英単語は何を隠そうこの「eclectic」だ。「electric」ではない。今作『タイ・ベッバ』は間違いなく折衷的ダンス・ミュージックだろう。マイ・パンダ・シャル・フライの『トロピカル』と並び、非西洋の領域が産み出したリズムと都市の電子音楽の混入が産み出した2014年の音を彩る一例だ(かたやイタリアから、もう一方はスリランカ出身のロンドナーの手による作品ということにも一応留意)。

 もちろん、これまでにも多くのプロデューサーたちがワールド・ミュージック的なリズムや音色を取り入れてきた例は山ほどあり、『タイ・ベッバ』のリリースもとである〈ブラック・エイカー〉周辺のダブステップ、もしくはベース系のミュージシャンはその実験に早い段階から着手してきた。〈プラネットμ〉からリリースされたピンチの初期の名作“カッワーリー”は、トライバル・リズムをダブステップに持ち込むことによってスーフィーの神秘を体現しているという。それが2006年。以降、トライバルとダブステップの親和性は高まり、TMSVやキラワット、ガンツといったプロデューサーたちの黒魔術的なグルーヴへと結実していく。2012年にはマーラがキューバへ赴き現地のミュージシャンたちとセッションの末、『マーラ・イン・キューバ』がジャイルス・ピーターソンの〈ブロンズウッド〉から誕生……と、こうしてシーンを振り返ってみると、2000年代初期にUKで生まれた音楽がいかに初期段階から継続的に想像力を国境の外へ外へと向けていたかがわかる。

 というわけで、『タイ・ベッバ』における楽園を音で巡る旅自体は決してベース界隈にとって真新しいものというわけではなく、その旅の仕方こそが2014年にとっては画期的だった。冒頭の“ザ・ホーリー・ケイヴ”で浮かぶ水辺で遊ぶ子供たちのイメージのあと続くキック・リズムはフットワークのそれであり、中盤の“コンカラー”ではハーフステップ、ときにダンスホールなどなど。肝心のベースも単音で突き進むこともあれば、ウォブルだってする。この作品がソロで作られた事実を疑いたくなるほどの展開と越境具合だ。

 数え切れないほどのエスニックなサンプルとビートが飛び交う一方で、それらの最終的な受け皿となっているダンス・ミュージックの形式も相応にずば抜けて柔軟なものになっている。というかむしろ、複数の後者を折衷させる手腕に脱帽してしまった。ここに立ち現れる「ワールド・ミュージック」の意味する範囲は文字通り地球そのものだと言えるだろう。これほどまでの広がりが形式主義に陥りがちなベース・シーンで起こったことが何よりも事件だ。ジャケットが持つエスニック・ムードに惑わされてはいけない。これはリズムとジャンルをつなぐトリッキーなアルバムである。

高橋勇人

C.R.A.C. - ele-king

 このところ安部政権の好戦的な態度ばかりを見せつけられているせいか、戦意も失せるふぬけた音楽とユーモア(ないしは平和的エスニック・ジョーク)に飢えている編集部に、代官山ユニットから熱いメールが……。
 以下、そのメールです。

2015年、東京に全く新しいパーティーが誕生する。

伝説のCLUB VENUSのオーガナイザー久保憲司、そしてShufflemasterとTASAKAという2人のDJたち。
彼らの共通点は、2013年以来東京の路上を侵食しようとした極右排外主義デモに対抗してきた対レイシスト行動集団、C.R.A.C.(Counter-Racist Action Collective)のメンバーだということだった。

デザイナー、写真家、ライター、ミュージシャン、アーティスト、建築家、など多岐にわたる才能を内包し、東京の路上文化に多大な影響を及ぼしてきたC.R.A.C.が、満を持してパーティ”CLUB CRAC”をオーガナイズする。

レジデントはDJ Shufflemaster、DJ TASAKA、そしてDJ NOBUの3人。第1回のゲストにはECD+ILLICIT TSUBOI、MC JOE、ATS、AKURYOといったヒップホップ勢に加え、東京ハードコア・シーンからはPAYBACK BOYSが盟友BUSHMINDと共に参戦。さらに狂気のノイズ・アーキテクトENDON、スクリューのAIWABEATZ、そしてC.R.A.C.のメンバーでロゴのデザイナーでもあるDJ=1-Drink(ex.キミドリ/ILLDOZER/JAYPEG)が、真夜中のUNITを反ファシスト闘争の最前線へと変える。

ビジュアル面では、最近ではほとんどVJパフォーマンスをやらないDOMMUNEの宇川直宏がC.R.A.C.のために重い腰を上げるほか、The RKP(a.k.a. rokapenis)、映画『堀川中立売』の監督・柴田剛など強力すぎる面々が、音楽、文化、政治、そして路上の思想が交錯する未曾有のパーティ体験をもたらしてくれるだろう。

あいつらが論文を書いていたとき、俺たちはピットでモッシュし、フロアでダンスしていた。ナイトクラブで培われた身体の知性が、2月7日、代官山UNITに結集する。

Strictly Antifascist.
Music is The Weapon of The Future.


CLUB CRAC

DATE & TIME: Feb 7th (sat), 2015
DOOR OPENS at: 23:00
VENUE: UNIT (https://www.unit-tokyo.com)
FEE: 2000 yen in adv / 2000 yen with Flyer / 2500 yen at door / 3800 yen with T-shirt
TICKET: https://peatix.com/event/68703(通常前売)
       https://peatix.com/event/69652(Tシャツつき/1月19日発売)

LIVE PERFORMANCES:
 ECD+ILLICIT TSUBOI
 PAYBACK BOYS
 ENDON
 MC JOE
 C.R.A.C. (ATS, AKURYO, G.R.)

DJs:
 DJ NOBU
 BUSHMIND
 DJ Shufflemaster
 DJ TASAKA
 1-Drink
 AIWABEATZ

VJs:
 Ukawa Naohiro from DOMMUNE
 The RKP a.k.a. Rokapenis
 Shibata Go

FOOD:
 True Parrot Feeding Service

https://crac.club


The Best 5 Reissue 2014 - ele-king

01 Lewis Baloue / Romantic Times / Light In The Attic


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 アメリカでは近年、プライヴェート・プレス(いわゆる私家版)の発掘が進んでいる。文字通り、商業的な流通には乗せず、「仲間内に配って終わり」みたいなやつで、アンビエント・ミュージックだとそれらをまとめた『アイム・ア・センター』が決定的だったりする。そのようなプライヴェート・プレスには、当然、どんなものがあるのか想像もつかなかったりするわけで、昨年、最も話題を集めたのがルイス『ラムール』の再発だった。同作はカナダの大富豪が恋人のために1983年に吹き込んだアシッド・フォークというかなんというかで、これが2013年にEベイでいきなり20万円近くで落札され、それを受けてフリー・デザインやベティ・デイヴィスの再発を手掛けてきたシアトルの〈ライト・イン・ジ・アティック〉が正式に再発。簡単にいえば、あまりの音痴に世界は笑いの渦に巻き込まれた。そして、それで終わりかと思ったら、ルイスには2作目があり、『ロマンティック・タイム』(85)はシンセ-ポップにサウンドも様変わり。またしても切々と歌いかけるトーンには笑いが止まらなかった。後半でちょっと歌が上手くなる曲があって、その時だけ少し白けるものの、全体として見れば、世界を少しばかり平和な気分にしてくれたことは確かでしょう。この騒ぎのさなか、ルイス本人もイタリアの避暑地にいるところを発見され、再発されたレコードを手渡されたらしいのだけど、本人からは「で?」という返事が返ってきただけだったとか。(オリジナルは83年)

02 Tom Dissevelt / Fantasy In Orbit / Sonitron


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 実は『テクノ・ディフィニティヴ』のオープニングにしたかったオランダのパイオニア的シンセサイザー奏者(2年前にはキッド・バルタンとのジョイント・アルバム『ソングス・オブ・ザ・セカンド・ムーン』しか再発されていなかった)。『セカンド・ムーン』がまさにそうだけど、随所にエイフェックス・ツインを思わせる面があり、裏を返していえば、エイフェックス・ツインにはこの種の音楽がまだ黎明期に表現していた「驚き」を表現する素朴さが備わっているとも言える。ミュージック・コンクレートにありがちな生硬さもなく、時期的にまだニュー・エイジのようなスピリチュアリズムに陥るわけでもなく、単純にスペース・エイジの電子版をつくりあげている。インドネシアに演奏旅行に行き、現地で出会った歌姫と結婚し、シュトックハウゼンに興味を持って電子音楽に乗り換え…という彼の人生を映画化して欲しいかも。(オリジナルは63年)。

03 / Psychedelic Sanza 1982 - 1984 / Born Bad Records(Beans)


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 2011年に編集盤『アフリカン・エレクトロニック・ミュージック 1975-1982』が話題を呼んだカメルーンのギタリストによるサンザ(親指ピアノ)の演奏を集めた『アフリカ・サンザ』(82)と『アクワアバ:ミュージック・フォー・サンザ』(84)をパックした2枚組。サンザだけでメディテイティヴな空間を創出したり、ベースを加えてダンサブルな曲調を展開したり。同じカメルーンのマヌ・ディバンゴがエレクトロに走った時期だけにその差が際立つというか、ローカルに徹したことで現在に再生する余地があったという感覚はそれだけで示唆的。「サイデリック」というより「アトモスフェリック」ではないかと。

04 Berto Pisano, Jacques Chaumont / Kill ! / The Omni Recording Corporation


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 イタリア映画のOST盤。どんな映画かぜんぜんわかりませんけど(ジーン・セバーグの遺作らしい)、初期のカーティス・メイフィールドに憂いを含ませたようなスパイ音楽と甘く切ないストリングスのヴァリエイションがたまらない(菊池俊輔作曲『非情のライセンス』っぽいという か)。最後でいきなりドロス・トロイが歌い出す。(オリジナルは72年)。

05 The Topics / Wanted Live! By A Million Girls / Jazzman(P-Vine)


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 国内盤のライナーノーツを読むと、同じモダン・ソウルで同じ時期に同じ名前のグループが存在し、そちらの方が有名らしい。そこまで詳しくはないので、単純にこれだけを聴くと、それこそシティ・ポップスの元ネタみたいなサウンドがぎっしり。マインドデザイン(Mndsgn)が去年、アップしたミックスを聴くと、D/P/Iにジェリー・ペイパー(新)やシャラマー(旧)に混じって佐藤博や間宮貴子の曲もミックスされていて、70年代をどう聴くかということではもう同じなんだなーということがよくわかる。(オリジナルは78年)。

*次点でペレス・プラドーと名前が同じ弟によるイタリアン・ファンクの『ラヴ・チャイルド』(73)かな。レシデンツの5枚組とかウイリアム・オニバーの9枚組は面白そうだけど、さすがに外しました。

D/P/Iが日本を通過 - ele-king

 D/P/Iことアレックス・グレイについては、ele-kingでも何度取り上げているかわからない。彼や彼らをとりまくLAローカルがローカルではないことは、この数年のD/P/Iの動向や、マシュー・サリヴァンやショーン・マッカンやゲド・ゲングラスといった才能が名を馳せ、マシューデイヴィッドが押しも押されぬ存在になったいま疑う余地はない。そのD/P/Iのうれしい来日ツアーが金曜(福岡)からはじまるが、東京公演の目撃をゆるされるのはわずか111人+α。先行チケット購入者にはD/P/Iデザインのツアー・ポスターがついてくるということで、ヴィジュアル表現においてもヴェイパーウェイヴ以降のリアリティをスマートに切り取る彼の魅力を(QRコードとはかくもミステリアスで甘やかなものなのか)、何方向からも愉しむことができるにちがいない。

■D/P/I JAPAN TOUR 2015

2.6 FRI Fukuoka at KIETH FLACK 20:00 -
mew×duenn presents OBDELAY feat. D/P/I
More Info: TBA

2.7 SAT Osaka at CIRCUS 17:00 -
INTEL feat. D/P/I Japan Tour Osaka
More Info: https://intelplaysprts.tumblr.com

2.8 SUN Tokyo at KATA LIQUIDROOM 2F 18:00 -
BONDAID #4 feat. D/P/I Japan Tour Tokyo
More Info: TBA

Tour Info: https://meltingbot.net/event/dpi-japan-tour-2015

■BONDAID #4 feat. D/P/I Japan Tour Tokyo
powered by forestlimit sound system

日時:
2015.2.8 Sun START 18:00

場所:
KATA + Time Out Cafe & Diner [LIQUIDROOM 2F]

料金:
ADV ¥2,500 w/ Ticket (LTD 111) / DOOR ¥3,000
※限定111枚
ADV Ticket ¥2,500 yen inc. D/P/I JAPAN TOUR 2015 POSTER
アドバンスのチケットを購入された方にはD/P/Iデザインのツアー・ポスター(A2)が付いてきます。
ポスターは公演当日受付にてチケットと引き換えにお渡します。
※ ¥3,000の当日券もございますが混雑により入場規制がかかることも予想されますので予めチケットのご購入を強くオススメ致します。

チケット販売:
KATA [LIQUIDROOM 2F]
DISK UNION (SHIBUYA CLUB MUSIC SHOP/SHINJUKU CLUB MUSIC
SHOP/SHIMOKITAZAWA CLUB MUSIC SHOP/KICHIJOJI/CLUB/DANCE ONLINE SHOP)
DISK UNION ONLINE SHOP
https://diskunion.net/clubt/ct/detail/1006568517

2014年の各媒体を大いに賑わしたニューフェイスARCAやGiant Clawと並び、今日のオンライン・アンダーグランド~レフトフィールドにおけるエレクトロニック・ミュージックの新時代を切り開くLAの異端児D/P/Iが満を持しての初来日公演。R&B / ヒップホップの名義Heat Wave、アンビエント / ドローンの名義Deep Magic、グリッチ / ミュージック・コンクレートの名義D/P/I、そしてジューク / リディムの新名義Genesis Hullなど、様々な名義で現行の流動的なジャンルを縦横無尽に駆け巡り、コラージュやサウンド・プロセスを繰り返しながらインターネットを介して溶け合うサウンド /ヴィジュアル・アートとダンス・ミュージックのクロス・ポイントへと到達。圧倒的なスピードで加速を続ける時代の寵児が紡ぎ出す"今"という最高の瞬間を祝うべく、既存のジャンルやシーンの主流からは外れた異種 "#Leftfiled" (レフトフィールド)をキーワードに各シーンで異彩を放つ気鋭の国内アーティストが集結。新世代インディーズの巣窟でもある幡ヶ谷のライブ・ハウス forestlimit のサウンド・システムを投入、活気付く電子音楽の現在を体現した全14アクトで東京公演をお届けします。

LIVE :
D/P/I (from LA aka Alex Gray, Genesis Hull, Deep Magic, Sun Araw, etc)
[Leaving Records, Duppy Gun, CHANCEIMG.es, melting bot] #Glitch

DREAMPV$HER #Techno
FUMITAKE TAMURA (Bun) #Beat
Akihiko Taniguchi #Glitch
食品まつり aka Foodman [Orange Milk] #Footwork
KΣITO [SHINKARON] #Footwork

DJ :
Inner Science #NewAge
ENA [7even / Samurai Horo] #Bass
HiBiKi MaMeShiBa [Gorge In] #Gorge
Cold Name (from Jesse Ruins) [Desire] #Industrial
Fruity [SHINKARON] w/ Weezy & Takuya #Footwork
あらべぇ #Ambient
Hi-Ray [Sukima Tokyo] #HipHop
SlyAngle [melting bot / BONDIAD] #Techno

More Info : https://tmblr.co/ZThEfs1aIsq_N

■D/P/I aka Alex Gray :
LAのプロデューサーAlex Grayによるソロ・プロジェクトDJ Purple ImageことD/P/I。Deep Magic名義で2009年に〈Not Not Fun〉よりデビューし、 アンビエント / ドローンを主体とした作品を〈Preservation〉や〈Moon Glyph〉といったレーベルから連発、一方のD/P/I名義は自身のレーベル〈CHANCEIMAG.es〉立ち上げと共に2012年に始動、アブストラクトなベース / ビート・ミュージックへアプローチをした作品を矢継ぎ早にリリース。勢いは加速され〈Brainfeeder〉所属のMatthew David 主宰〈Leaving〉からのEP『RICO』、そしてアルバム『08.DD.15』と『MN.ROY』ではそのアブストラクトなビートは更にデジタルなプロセスを経て細切れとなり、Oneohtrix Point Neverの『R Plus 7』へも通じるシャープでグリッチーな音像のコラージュを主体としたミュージック・コンクレートへと発展。別名儀Heat WaveではR&B / ヒップホップをスクリューしたミックステープ、最近ではSun ArawとM. Geddes Gengrasの電子ダブ・レーベル〈Duppy Gunn〉よりGenesis Hullなる新名義でジューク / フットワークの影響下にあるリディムを披露。また同じくLAの盟友Sun ArawやDreamcolorのメンバーでもあり、映像やアートワークも自身で作る、流動する現在のジャンルを縦横無尽に駆け巡り加速を続けるマルチ多作家。

最新作リリース情報 :
D/P/I - MN.ROY / RICO [melting bot / Leaving Records 2014] #Electronic
#Glitch #MusicConcrete
https://meltingbot.net/release/dpi-mn-roy-rico/

Genesis Hull - Who Feels It, Knows It [Duppy Gun 2014] #Bass #Juke #Riddim
https://soundcloud.com/zonatapes/sets/genesis-hull-who-feels-it

Deep Magic - Reflections Of Most Forgotten Love [Preservation 2013]
#Ambient #Drone #NewAge
https://soundcloud.com/experimedia/deep-magic-reflections-of-most


V.A - ele-king

 たとえばスイスくんだりまで行って、地元の一コ上の先輩が最高のフェスティヴァルのステージで流血しているのを偶然に観かけてしまったらどうだろう。この世に逃げ場はない! と震え上がりながら、文化や芸術を通してとらえる世界の尺度が崩壊し、一方でそのステージを観たオーディエンスがいちようにクレイジーと述べる感想が聴こえてきたりして、あ、やっぱりクレイジーだよね、と笑いが止まらないだろう。

 ディオニューソス、ギリシア神話の豊穣とブドウ酒、酩酊の神。陶酔的、激情的芸術を東京において顕現させる『TOKYODIONYSOS(トーキョーディオニューソス)』はエンドン(ENDON)の那倉氏によるレーベル、〈GGRR〉が監修する東京(近郊も含む?)のエクストリーム・ミュージック・コンピレーションである。ここにGGRRからの凶悪なステートメントがある。いわく──

 危険音楽、脱法音楽、そして合成音楽。キツい効能をのみ目論んでミックスされたハードコアな混ぜ物だけが、リスナーの情動を煽ることができる。2015年 のトレンドはこの手のブツでキマりだ。作り方は周知の通り。適当なメディアに様々な効果を持つ諸要素を沁み込ませ、それらしいタイトルを与えればよい。純白のパケを開いてみよう。固有名詞が機能不全をおこしている。そこでは、お前の知り得た情報と知識がすべて宙づりになる。金とか立ち位置とか意義とかが、単なる無為な現象に縮減される。過大な音響、極端に速い・あるいは遅いビート、人間の発する動物の音声……つまりはノイズこそが、お前等を主人とも奴隷ともつかない、第三の境位に導く。地球上を隙間なく覆いつつある、あの「至上=市場の価値」の、そしてそれが許容する制限付き「新しい自由」文化の、廃棄だ。そのような規制の内部での逸脱──エクストリーム──ごっこは、せいぜい「ストレンジ」なスタイルをしか生産しえないので、「殺す」以外の選択肢が、一つとして存在しない。そのような殺害の主体となる我々のエクストリーム・ミュージックは、リスナーにおいて、反グローバルな局地的ゲリラ戦を生産する。アレを摂取した連中のように、コレを聴取する連中は、無断で、平然と一線を超えることだろう。イコール、その都度、死ぬということだ。何度も死ね。無限に甦れ。結論。このミックスCDは、あらゆる未来の国歌と宗教曲のコラージュとなる。我々TOKYODIONYSOSは、既存のすべての神々に取って替わる、一つの多様体である。


 エクストリーム・ミュージックとはなんだろう? ここに収録される10バンドのすべては、人生に対し、真摯に向き合いながら、現在のこの国の社会の中を闘いつづけ、精力的に活動していることを僕は知っている。確実に戦後最悪の局面を迎えている日本の政治状況と社会に対する怒りを代弁するサウンドをエクストリームという枠に収めていいものだろうか。たとえば、ここに収録されるゼノサイド(ZENOCIDE)やケアル(CARRE)にエンドン(ENDON)。彼らのようにボーダーを曖昧にしながら縦横無尽に活動するバンドの活躍が暗示するように、多くの人間が現在置かれているこの状況に、このアルバムは必要とされるサウンドだといえるかもしれない。

Bob Marley - ele-king

 ele-king booksでは、2月6日、ボブ・マーリーの生誕70周年(彼は1945年2月6日生まれ)を祝して、藤田正と菅原光博による評伝+写真の本を刊行します。
 1979年の伝説の来日時の写真をはじめ、70年代のジャマイカ現地の写真ほか、マーリーの生きた時代の空気がいっぱい詰まった写真が満載です。とくにドキュメンタリータッチで展開する来日時の写真は迫力満点で、ボブの息づかいすら伝わってきます。ドライ&ヘビーが影響を受けたジャマイカ最強のリズム隊、バレット兄弟もばっちり掲載しています。
 そして、藤田正による評伝「ボブ・マーリーの一生」は、レゲエ黎明期からその音楽を追い続けたジャーナリストにしか書けないであろう、精密でありながら強い気持ちのこもった素晴らしい文章です。ボブ・マーリーは、私たちがつねに立ち返らなければならない大きなアーティストのひとりですが、もうすっかり知っていた気になっている人も、この評伝を読めば、あらためその大きさに感情が揺さぶられると思います。
 ぜひ、書店、CDショップでみかけたら、手にとって見て下さい。

菅原光博
写真家。1949年生まれ。北海道上川郡愛別町出身。60年代の中学生の頃からラジオでソウルやビートルズ等を聴き始め、その後モダン・ジャズに傾倒。72年3月にジャズ・カメラマンの夢を抱いてヒッチハイクで上京した。以後40数年間、『スイングジャーナル』『ミュージック・マガジン』などを中心にソウル~ブルース~レゲエ~ブラジル~アフリカン~ワールド・ミュージックを撮り続ける。

藤田正
評論家、プロデューサー。1953年生まれ。富山県出身。明治大学在学中から月刊『ミュージック・マガジン』編集部に在籍しカリブ海ほか世界の黒人系音楽、日本の伝統音楽などを担当した。著書に『竹田の子守唄 名作に隠された真実』など。編纂CD多数。近著に『ブルースの百年』。NPO法人・日本子守唄協会理事。


藤田正 (著), 菅原光博 (写真)
ボブ・マーリー よみがえるレゲエ・レジェンド

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■『ボブ・マーリーよみがえるレゲエ・レジェンド』発売記念展

ボブ・マーリーの評伝と未発表写真を多数収録した『ボブ・マーリー よみがえるレゲエ・レジェンド』の発売記念展。収録された菅原光博氏の写真の展示のほか、ボブ・マーリーを敬愛する作家によるトリビュート作品を展示致します。

参加作家:安齋肇 飯野和好 石塚公昭 イマイアキノブ オブチジン 東海林巨樹 菅原光博 高橋キンタロー 高橋宏幸 根本敬 早川モトヒロ みなみりょうへい ヤギヤスオ 山福朱実

2015年1月31日(土)~2月15日(日) 月曜休み
@ビリケンギャラリー
〒107-0062 東京都港区南青山5-17-6-101
TEL.03-3400-2214 FAX.03-3400-2478
https://www.billiken-shokai.co.jp
OPEN 12~19時 月曜休


ANDY STOTT Japan Tour 2015 - ele-king

 AFXの最新EPが先週末出た。評価された作品のすぐあとに出される作品の多くはコケるものだが、AFXは「やっぱすごいわ」と唸らせた。アンディ・ストットの『Faith In Strangers』は大評価された『Luxury Problems』のすぐあとの作品ではないが、前作が大きなインパクトだっただけに、アーティストの真価が問われる作品ではあった。『Faith In Strangers』は、「やっぱすごいわ」とファンを唸らせた。紙エレキングの年間ベストの7位である。2014年はミリー&アンドレアとしての『Drop The Vowels』もあった。こちらは紙エレキングの13位である。
 『Faith In Strangers』は、FKAツイッグスや下手したらビョークの新作ともリンクしそうなほど、彼の拡張する音楽をみせている。パワフルなベースの響きと妖艶なポップ・センスが彼の新しいライヴセットでどのように再現されるのか、注目したい。

2015.2.13 friday @ 東京 代官山 UNIT
LIVE: ANDY STOTT (MODERN LOVE, UK), STEVEN PORTER (10 LABEL)
DJ: HARUKA (FUTURE TERROR), Chris SSG (MNML SSGS)
SALOON: Viorhythm / Live: hakobune / DJ: Koba, Yuki Moriyama, medical, maki / VJ: CHRISHOLIC / Art: STONE63, ayanicoco
Open/ Start 23:00-
¥3,500 (Advance), ¥4,000 (Door)
Ticket Outlets: LAWSON (L: 78755), e+ (eplus.jp), disc union CMS (渋谷, 新宿, 下北沢), TECHNIQUE, Clubberia Store, RA and UNIT
Information: 03-5459-8630 (UNIT) www.unit-tokyo.com
You must be 20 and over with photo ID.

2015.2.14 saturday @ 大阪 心斎橋 CIRCUS
LIVE: ANDY STOTT (MODERN LOVE, UK)
DJ: DJ: Kihira Naoki (S.I), Ooshima Shigeru (S.I, Mobbin hood), AIDA (Factory, Copernicus), Masahiko Takaeda (RÉCIT RECORDS)
Open/ Start 22:00-
¥2,500 (Advance, Members), ¥3,000 (Door)
Ticket Outlets: e+ (eplus.jp) または info@circus-osaca.com までお名前と枚数をお送り下さい。
Information: 06-6241-3822 (CIRCUS) www.unit-tokyo.com
You must be 20 and over with photo ID.


The Pop Group - ele-king

 先日お伝えしたように、35年ぶりに帰ってきた、ブリストルのゴッドファーザー、ザ・ポップ・グループ。
 ここに、いち早く、ミュージック・ヴィデオをお届けしよう!


The Pop Group
マッド・トゥルース


 以下、マーク・スチュワート御大と監督を務めたアーシア・アルジェントのコメントです。


「“怒れる女司祭”ことアーシア・アルジェントは、俺たちが住んでいるこの狂ったゾンビ・ワールドでの同志のひとりだ。俺たちは共に闘うために生まれてきた。彼女は最高だよ!」 マーク・スチュワート 2015
“The priestess of provocation, Asia Argento is a kindred spirit in this crazy zombie world we live in, we were born to collaborate, she’s the bomb!” Mark Stewart 2015


 「ザ・ポップ・グループとのコラボレーションはまさに夢が叶ったとしか言いようがありません。この曲にはぶっ飛ばされました。このビデオに出てくるセットやシンボルはすべて曲と歌詞からインスパイされているの。無意識レベルで。私がイメージしたのは、永遠の子ども達のカラフルな魂が支配する世界。彼女達のクレイジーな愛をアート、すなわち生ける死霊のはびこる世界との霊戦を通して表現しました。
 このヴィデオに登場する子たちは私が最近撮った映画にも出ているの。私の娘、アナ・ルーもいるわ。私たちは自由と信頼の強い絆で結ばれています。
 そして35年ぶりのシングルの監督に私を選んでくれたとき、バンドが同じ自由を私に与えてくれました。
 私の映像と“マッド・トゥルース”が永遠につながっていられることを心から感謝します。」アーシア・アルジェント 2015

"Collaborating with The Pop Group is a dream come true. The track blew my mind: all the set-ups and symbols in the video are inspired on a subconscious level by the music and the lyrics. I imagined a world ruled by the colourful souls of eternal children, expressing their crazy love through art, a spiritual warfare against a world populated by the living dead.

The kids that appear in the video have worked also in the last movie I directed, including my daughter Anna-Lou. Between us there is a deep bond of trust and freedom.

The same freedom I was given by the band when they chose me to direct their first single in 35 years.

I am deeply grateful to have my vision entwined with MAD TRUTH for eternity."

Asia Argento 2015

interview with Sugar’s Campaign - ele-king


Sugar’s Campaign
FRIENDS

SPEEDSTAR RECORDS

J-PopSynth PopDisco

■初回限定盤
Tower Amazon
■通常盤
Tower Amazon

 これは、ポスト・インターネット時代におけるポップ・ルネサンスなのだろうか? インタヴューをはじめる前、こちらが手渡した『ele-king Vol.14』の年間ベスト特集をパラパラとめくっているSeihoとAvec Avecに「2014年のベストは?」と訊くと、「僕はGiant Clawの『DARK WAVE』PC MUSICかなぁ」(Seiho)「僕もやっぱりPC MUSICは好きやし、あとは何やろ……Lidoとか? Lindsay Lowendのリミックスがめっちゃ良かったから」(AVEC AVEC)という答えが返ってきた。たしかに、ふたりのユニット=Sugar’s Campaignによるファースト・アルバム『FRIENDS』は、Giant ClawやPC MUSICがズタズタに切り刻んだりグニャグニャに歪めているアーバン・ミュージックやティーン・ポップを、90年代のJ-POPと交換して、そこに、より洗練されたリノベートを施したアヴァン・ポップな作品だと言えるだろう。しかし、その手つきがあまりにも見事なので、以上のような文脈を知らない多くのひとは『FRIENDS』を何の疑問も持たずに最新のポップ・ミュージックとして楽しむにちがいないが、それこそが彼らの意図するところなのだ。アンダーグラウンドなビートメイカーとして頭角を現し、いま、ポップスターへと続く階段を駆け上がらんとしているSeihoとAvec Avecに、作品の裏に複雑に張り巡らせ、そして、覆い隠したコンセプトについて話を訊いた。

■Sugar’s Campaign / シュガーズ・キャンペーン
「Avec Avec」ことTakuma Hosokawaと「seiho」ことSeiho Hayakawaの2人によるポップ・ユニット。2011年に現在の体制となり、2012年1月にその存在を広く認知される契機となった楽曲“ネトカノ”を youtube にて公開。2014年8月には限定のアナログ盤「ネトカノ」をリリース。翌9月には同作のCD盤がリリースされタワーレコード全店チャート10位を獲得。2015年1月、SPEEDSTARRECORDSよりメジャー・デビュー作となるファースト・フル・アルバム『FRIENDS』を発表。

彼が前に進む力をくれたんです。(Avec Avec)
だって、こいつ、ひとりだとほんと進まないんですもん(笑)。(Seiho)

〈ele-king〉といえば、僕がtofubeats feat.オノマトペ大臣「水星」のレヴューをシティ・ポップ・リヴァイヴァルという観点から書いたとき、文中でSugar’s Campaign(以下、シュガーズ)の「ネトカノ」にも触れたんですよ。
 同曲がYoutubeにアップされたのが2012年1月。そこから、活動が本格化すると思いきや、ファースト・アルバム『FRIENDS』まで丸3年と、案外、時間がかかりましたね。

Seiho:かかりましたねぇ(笑)。

ただ、シュガーズの歴史はさらに長いんですよね?

Avec Avec:シュガーズはもともとは僕が組んでいたバンドだったんですよ。高校、大学とずっとやっていて。僕が曲をつくって、ドラムを叩いて──

Seiho:いまもヴォーカルをやってくれてるakioがギター・ヴォーカルで、作詞をやってくれてる小川(リョウスケ)くんがベースで。

Avec Avec:でも、大学3年生くらいのときに、みんなが就職活動やらなんやらで動けなくなってきて、僕ひとりになってしまったんです。そのタイミングでAvec Avecとしてソロ活動をはじめたんですが、「Sugar’s Campaign」って名前は残しておきたかった。ただ、シュガーズのポップ・ミュージックをやるというコンセプトを引き継ぎながらも新しいことをやりたいと思って、大学で仲のよかったSeihoに加入してもらったんです。
 ちなみに、「ネトカノ」もバンド時代に曲は完成してた。それに歌詞とSeihoが撮ってくれたヴィデオとを合わせて、Youtubeにアップした感じですね。

クレジットだと、基本的に作曲はAvec Avecがやって、編曲はSeihoと半々という感じですよね。その表記では見えてこない役割分担があると思うのですが、実際にはどんなバランスなのでしょうか?

Seiho:劇でいうと、Takuma(Avec Avec)が脚本で僕が演出みたいな。ふたりでアイディアを出し合って、それを基にTakuma(Avec Avec)に曲をつくってもらって、僕がアートワークやらヴィデオやらを考えるという感じですかね。

Avec Avec:あと、Seihoは僕が曲づくりで迷ったときに、指針をバーンと出してくれる。

〈Maltine Records〉から出たAvec AvecのEP『おしえて』を聴くと、シュガーズの音楽性はAvec Avecの延長線上にあるのかなという印象を持ちます。やはり、Seihoのソロとは大きくちがう。

Seiho:そうですね。ちがいますね。

Seihoはシュガーズに誘われたとき、すぐに引き受けたんですか?

Seiho:僕はシュガーズのファンだったんですよ。だから、Takuma(Avec Avec)がこのままひとりでやっていても、一生、活動は再開せえへんやろうなと思って、入ったっていう感じです。

Avec Avec:彼が前に進む力をくれたんです。

Seiho:だって、こいつ、ひとりだとほんと進まないんですもん(笑)。

Avec Avec:そう(笑)。あそこでSeihoがシュガーズに入ってくれなかったらずっと引きこもってたと思います。

たしかにSeihoは〈Day Tripper Records〉もやっていたし(現在は距離を置いている)、行動力がありますもんね。一方、Takuma(Avec Avec)さんは自分ひとりになってもシュガーズを止めようとは考えなかったこだわりの強さがあると思うんですけど、シュガーズというユニットのどんな部分に愛着を感じていたんですか?

Avec Avec:「歌もののポップ・ミュージックをやりたい」というのがずっとあって。でも、僕は歌えないし、かといってゲスト・ヴォーカルを招くのもちょっとちがうというか。そうじゃなくて、ほんまにひとつの劇団をやるような感じでポップスをつくりたいと思ってたんです。シュガーズの活動が停止しているときも、Seihoとはそういうことをよく話していて、価値観とか、物語のつくり方が僕ととても近かったので、じゃあ、ふたりでつくったらもっとおもしろくなるんじゃないかと考えた部分もありましたね。

僕にとってはあくまでもバンドが本チャンの活動で、ブート・リミックスは趣味なんやっていう意識だったんですけど、Tofuくんはそういうものをむしろ本チャンと考えるような活動の仕方をしていたから、驚いて。(Avec Avec)

Seihoはバンド時代のシュガーズにどんな印象を持っていた?

Seiho:いわゆる“京都のインディ・バンド”みたいな。僕はシュガーズの曲が好きだったんですよ。当時の曲をピアノで弾き直して、ヴォーカルを乗せて、別のトラックに差し替えればいまのシュガーズとぜんぜん変わらないと思うんですね。コードの感じとか、メロディの感じとか。でも、いかんせん、形態が3ピースのギターポップなもんやから……。そもそも、僕は“バンド”というものがよく理解できなくて。ただ、その頃はチルウェイヴが出てきた時期で、バンドものがダンス・ミュージックと合流するような感じがあったじゃないですか。トロ・イ・モワとか――

Avec Avec:ウォッシュト・アウトもそうやし。僕的にガッときたのはネオン・インディアンなんですけど。

Seiho:そうそう。それで、「もしかしたらシュガーズがやっていることと、僕がやっていることを合わせたらもうちょっとイケるかもしらん!」って思ったんです。加入することに決めたのはそれがいちばん大きいかな。だから、2010年以降のチルウェイヴの流れに押された感じがありますよね。バンドに打ち込みの音を入れるっていうような単純な話ではなくて、あの時期、ポップスの概念がもっとぐにゃっとしたというか。

Avec Avec:同じ頃、僕はTofuくんと出会って。当時、僕はひとりで〈ニコ動〉とか〈2ちゃん〉にブート・リミックスをアップしてたんです。J-POPやら海外のポップスやら、ガラクタみたいな音源をいじくって、バンドができないフラストレーションのはけ口みたいな感じで。ただ、僕にとってはあくまでもバンドが本チャンの活動で、ブート・リミックスは趣味なんやっていう意識だったんですけど、Tofuくんはそういうものをむしろ本チャンと考えるような活動の仕方をしていたから、驚いて。自分は頭が固いから分けて考えていたものの、そんな必要はないんやなと。さらに、そこにチルウェイヴが出てきて、ネオン・インディアンがトッド・ラングレンのイントロをまるまるサンプリングした上に自分のメロディを乗せるみたいなことをやっていて(「デッドビート・サマー」)、その感覚もアリやわと思って。そういうムーヴメントも世界中で起こりつつあったし、Seihoも横におるし、これはおもしろいことになってきたわって感じはありましたね。

いま、世界的な傾向として、ポップ・ミュージックのメインはダンス・ミュージックを通過したものになっていますよね。テイラー・スウィフトみたいなカントリー出身のアーティストでさえもそうですし、シュガーズもそれに対応している。ただ、シュガーズの場合、果たして、ポップ・ミュージックからダンス・ミュージックへ寄ったのか、あるいはダンス・ミュージックからポップ・ミュージックへ寄ったのか、どっちなんだろうと思っていたんですが、前者がAvec Avecで、後者がSeihoで、その中間でふたりが出会ったというのは乱暴な整理の仕方ですかね?

Seiho:バランスの話でいえば、「J-POPがルーツなのか、洋楽がルーツなのか」とか、「白人音楽なのか、黒人音楽なのか」とかっていう問いも同じですけど、僕は、Sugar’s Campaignの場合、「どっちかではなく、どっちもある」というふうに思ってますね。

ルーツとなっているアーティストの具体名を挙げてもらえますか?

Avec Avec:僕の場合はトッド・ラングレンとか、ポール・マッカートニーとか、やっぱり、白人音楽が多いです。でも、ビートっていうことになると黒人音楽の方が普遍性があると思うし、結局、「白人が憧れる黒人音楽」みたいなものがいちばん好きなのかもしれません。

ブルーアイド・ソウルみたいな。

Avec Avec:そうですね、ホール・アンド・オーツなんかも好きですし。あとはバート・バカラックとか、王道のポップ職人みたいな人。

子どもの頃に憧れていた大人像を懐かしむというか。あの頃のポップスって大人っぽいものが多いじゃないですか。(Avec Avec)

日本のアーティストだとどうですか?

Avec Avec:広瀬香美さんとかすっごい好きでした。

へえ!

Avec Avec:90年代のあの感覚が好きというか、やっぱり、子どもの頃に聴いてましたからね。あとは、久保田利伸さんとか、岡村靖幸さんとか。他にもアニメの音楽とか、『ポンキッキーズ』で流れてた曲とか……だから、荒井由実さんみたいなガチのシティ・ポップっていうよりは、それを通過した後のポップスが原体験になってるのかもしれません。

そういうものが、子どもの頃に聴いていたというノスタルジーも込みで好きだということでしょうか。

Avec Avec:子どもの頃に憧れていた大人像を懐かしむというか。あの頃のポップスって大人っぽいものが多いじゃないですか。たとえ、アニメの音楽だとしても。

Seiho:子どもが憧れる大人像とか、大人が懐かしむ子ども像とかって、想像上でしか存在しないものだと思うんですよ。僕たちはその虚像みたいなものをイメージして曲をつくってるっていう、穴埋め作業をやっているような感じですね。

Avec Avec:そして、その虚像の気持ち悪さみたいなものが、僕たちがやりたいポップス像でもあって。

Seiho:そう。実際にはそんな大人大人した大人はいないし、子供子供した子供はいないし、よく考えると気持ち悪い。でも、その気持ち悪さこそがポップスとしての普遍性っていうような感覚。

Avec Avec:シティ・ポップの問題もそうで、僕らが“シティ”って言うとき、現実の都会に憧れてるわけじゃないんですよ。

Seiho:東京をイメージしているわけでもないし。たぶん、そこで頭にあるのは、小さい頃に観たアニメとか映画とか、そういうところに出てきた都会なんです。架空の場所というか。

Avec Avec:そもそも、都会を知らないですからね。まぁ、大阪はゆうても都会かもしれないですけど。

出身は何処ですか?

Avec Avec:ふたりとも大阪で、僕は郊外の枚方市。駅前にショッピングモールがあって、似たような家が並んでいて、本当に“ザ・郊外”って感じの街なんですけど、どこか幻想っぽいんですよ。

Seiho:都会の代用品というか。

Avec Avec:そうそう。郊外は都会をミニチュア化したものだから、妙に幻想的な感じがある。

Seiho:いびつだよね。

Avec Avec:不気味さもあるし。

Seiho:道路のつくり方とかマンションの建て方とかが、『シム・シティ』みたいにひとりの人間の計画でできているような。誰かの妄想の中に居るみたいでヤバいっていう感覚。

僕も埋めて立て地のニュータウンで育ったんで、言ってることはわかりますよ。

Avec Avec:あと、ショッピング・モールがおもしろいのは、国内はもちろん、エジプトでも同じような形をしているところで。

東浩紀さんもそういうことを書いてましたね。

Avec Avec:人間の動物的な想像力でつくられているのかもしれないなと思います。

ある種のユートピアの具現化だと。

Avec Avec:ヴェイパーウェイヴなんかもそういうことを表現しているのかもしれないですし、“都会に対する気持ち”みたいなもの自体が幻想だと思うんです。

ひいては、それこそがポップスの魅力。

Seiho:みんなが抱いている憧れみたいなものを集めていくと、存在しないものが出来上がる。それを引いて見ているひとが感じる気持ち悪さこそがポップスなんじゃないかっていうことです。

みんなが抱いている憧れみたいなものを集めていくと、存在しないものが出来上がる。それを引いて見ているひとが感じる気持ち悪さこそがポップスなんじゃないかっていうことです。(Seiho)

ほとんどの人はその気持ち悪さに気付かないような気もしますけどね。

Seiho:そう。だからおもしろおもしろいんですよ。僕らはその気づいていない人たちを見て笑うのが好きなんです。これはあまり言わないことですけど、シュガーズの曲を聴いてシュガーズの世界に入り込んでいる人たちを見て、いちばん笑っているのが僕らだと思います。たとえば、ディズニーランドで楽しんでいる人たちをまじまじと見るとたぶん気持ち悪いじゃないですか。だからこそ、僕らはディズニーランドを作りたいんですよね。テーマパークを。

先程のブルーアイド・ソウルの話でもそうですけど、対象との距離感に惹かれるようなところがあるんでしょうか?

Avec Avec:客観視しようということはつねに考えてますね。主観が強い音楽があまり好きではないというか。

たしかにシュガーズの音楽にはアーティフィシャルな感覚があります。

Seiho:メンバーにヴォーカリストがいないのもそういうことなんです。ヴォーカルってやっぱり主観やから、バンドが5人いたとしても、ヴォーカリストがなよっとしていたらナイーヴなバンド、マッチョやったらマチズモなバンドっていうふうに見られてしまうと思うんですよ。いまの編成になったのは、ヴォーカルを使う上でその主観を排除したかったからというのはありました。

アルバムでは12曲中8曲でakioさんのヴォーカルがフィーチャーされていますが、あくまでもシュガーズの音楽のいち構成要素という感じですね。

Avec Avec:akioにしても、他のヴォーカルにしても、劇団所属の俳優さんっていうぐらいの距離感ですね。

Seiho:もちろん、俳優にもキャラがあるし、それまでの経歴も印象に影響を与えるでしょうけど、劇の中ではあくまで与えられた役を演じているわけじゃないですか。

Avec Avec:ただ、今回のアルバムに関して言うと、俳優は入れ替え不可能で。僕たちが決めた配役と、彼らがやってくれた演技に関しては大事に思ってます。

Seiho:だから、僕らがつくった役を別のひとが演じても意味がないんですけど、劇によって演じた俳優自身が認識されていくというよりも、演じられた役が認識されていくという感じ。

akioさんのヴォーカルがこのアルバムの世界観を支えているのも間違いないと思うものの、それは、彼のパーソナリティとは関係なくて、要は楽器的な使い方をしているということですかね?

Seiho:ヴォーカルの録りはTakuma(Avec Avec)がやってるんですけど、僕が見ていてすごく変わってるなと思うのは、ヴォーカルがヴォーカルらしさを出すと絶対にNGを出すんですよ。ヴォーカルって、当然、歌える人だから、歌いたくなっちゃうじゃないですか。

今回のアルバムに関して言うと、俳優は入れ替え不可能で。僕たちが決めた配役と、彼らがやってくれた演技に関しては大事に思ってます。(Avec Avec)

ヴォーカルの録りはTakuma(Avec Avec)がやってるんですけど、僕が見ていてすごく変わってるなと思うのは、ヴォーカルがヴォーカルらしさを出すと絶対にNGを出すんですよ。(Seiho)

ヴィブラートを使ったり、歌い上げようとするということですよね。

Seiho:そうそう。声を張ったり。でも、Takuma(Avec Avec)は、ヴォーカルのヴォーカルらしくない瞬間だけをきっちりと録っていくことが多くって。たとえば“パラボラシャボンライン”(アルバム収録曲)のトラックが送られてきて僕が思ったのは、あの曲ってコーラス・ワークも巧みやし、ヴォーカルだったらもうちょっと歌い込みたくなるはずなんですよ。けど、それが、「朝5時くらいに、外では雪が降り積もっている7畳くらいのアパートの部屋で、暖房もつけずに窓の外を眺めながら、隣の部屋の人がまだ寝てるので大きな声は出せないけど、歌いたい」みたいな、ギリギリの声の出し方をしてる。

そういう設定を、Takuma(Avec Avec)さんからakioさんに伝えたということですか?

Avec Avec:いや、それは、あくまでもSeihoが感じた雰囲気なんですけど、フィーリングとしては近いですね。録りながら、「もうちょっと抑えよう」って思ってましたから。エモくなりすぎると引いてしまうから。僕自身が。

ヴォーカルにエモーショナルが入ると嫌だけど、ヴォーカルが誰でもいいというわけではない。

Avec Avec:akioは、本来、がっつりと歌える人なんですよ。

Seiho:その彼が、ああいうふうに歌うことに意味がある。

それはボーカロイドではダメなんですか?

Avec Avec:うーん……それでもいいですよ。

Seiho:ボーカロイドならボーカロイドでもいいんですよ。今回に関しては、20代男子が考える妄想の世界は、20代男子が歌う方が合理性があると僕らが考えただけであって。たとえば、「これは人間の恋愛の歌だけど、あえてボーカロイドに歌わせるのがおもしろいんや」っていうふうに思えば、ボーカロイドを使うかもしれない。歌詞が中国語の“夢見ちゃいなガール”(アルバム収録曲)にしても、「これを女の子が歌ってるからいい、こういう立ち位置の人が歌ってるからいい」っていうのがありましたからね。

なるほど。いわゆるフィーチャリングものっていうか、すでに知名度があるヴォーカリストを起用する際に相手のキャラクターを考慮するケースはあると思うんですけど、akioさんにしてもイメージはまっさらなんで、まるでボーカロイドを使っているような印象を受けるのかもしれません。

Seiho:だから、僕らとしてはやっぱり劇の譬えがしっくりくるんですよね。

Avec Avec:劇っていうのは、俳優ではなく、作家と演出家の作品なんやけども──

Seiho:作家と演出家もその劇に脇役として出てくる。シュガーズはそんな立ち位置ですね。松尾スズキ的な。

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僕がいちばん悩んでいたのは、「ネトカノ」をアルバム・ヴァージョンにした方がいいのかどうかっていうことで。(Seiho)

劇ということで言うと、今回のアルバム『FRIENDS』をつくるにあたってどんなストーリーというか、コンセプトを設定したのでしょうか?

Seiho:僕がいちばん悩んでいたのは、「ネトカノ」をアルバム・ヴァージョンにした方がいいのかどうかっていうことで。でも、いろいろと考えると、まず、アルバムを出すまでに3年かかってる。そして、シュガーズが結成されてから7年が経過してる。こうなると、ファースト・アルバムっていうのはもはや僕らのアルバムではないんですよね。

Seihoも途中から入ったわけだし。

Seiho:ですよね。それで、この3年間、応援してくれたり、いっしょに楽しんでくれた人たちのことを考えると、“ネトカノ”は“ネトカノ”のまま入れたほうがいいと思ったんです。ちなみに、“カレイドスコープ”(アルバム収録曲)なんかは、Takuma(Avec Avec)が7年前に録ったままで。

Avec Avec:大学生になる前ですね。

Seiho:だから、ほんまに集大成というか。

Avec Avec:6、7年分の僕らのベストという感じです。

先ほど、ノスタルジーが重要だという話がありましたけど、そこから生まれた曲にもノスタルジーが生まれつつあるというか。

Seiho:そうですそうです(笑)。

となると、先ほど否定したバンドとしての主観みたいなものができてきてしまうようにも思うんですが。

Seiho:いや、そのへんの記名性については、べつに僕らは逃げてるわけではないんです。

Avec Avec:そこは吉本新喜劇がいい例っていうか。あれって演じ手のキャラを押し出すじゃないですか。でも、劇の内容とは関係なかったりする。

Seiho:たとえばその人が借金キャラやったら、劇中で借金取りの役をやらされて、それをいじっておもろいっていうときがありますよね。パーソナルなものと劇中の役がいびつに混ざり合って、パーソナルなものが出た瞬間に、突然、劇から離れるというか、メタな視点に移る。そのパッと後ろに視点が下がる瞬間が好きなんです。

関西人ぽい譬えですね(笑)。

Seiho:ここは関西キャラを押し出しとこうかなと(笑)。そういえば、この間、大阪ローカルの芸人の番組を東京の人に観せたときに、ぜんぜんおもしろさが伝わらなかったんです。それって、たぶん、他の大阪ローカルの番組を観てないからなんですよ。リテラシーが低いというか。でも、東京の人のコントを大阪の人が見ても笑えるんですよね。つまり、それは置換可能な笑いなんです。大阪の笑いは、パーソナルとくっついてるから、リテラシーが低いと笑えない。で、僕らとしてはどっちもやりたいんですよね。

Avec Avec:そこは、やっぱり、ダウンタウンが上手いんやわ。関西の立場込みの大喜利と、コントの置換可能な笑いがいっしょになってる。それがダウンタウン以降の構造かなって……なんや、お笑い論になってるけど(笑)。

シュガーズをお笑いに譬えると誰になるんですかね?

Seiho:僕らとしてはバナナマンを目指してます。バナナマンの場合、各々のキャラがコントに反映されてるんですよ。ふたりともキャラが強いから。で、そのキャラがどんなテレビ番組でも流用できる、みたいな。1からつくらんでも、日村勇紀は日村勇紀として扱われるじゃないですか。なおかつ、「先輩としてのバナナマン」っていう役もできるし、「ダウンタウンとか先輩に対する後輩としてのバナナマン」っていう役もできる。それを無理なくこなす絶妙なバランス感覚はすごいなって思いますね。

つまり、シュガーズは完全な虚構をつくりたいと考えているわけではなく――

Seiho:だから、僕らはラーメンズではないんですよ。

Avec Avec:そやな。

Avec AvecとSeihoというキャラ込みでSugar’s Campaignの世界が成立していると。

Seiho:そう。シュガーズはメタなんで、僕がソロのほうでどんなに格好つけてても、ここに帰ってきたら相対化されるんです。「あれも“役”なんや」って。だからこそ、僕はシュガーズをやってるんですけどね。

そう。シュガーズはメタなんで、僕がソロのほうでどんなに格好つけてても、ここに帰ってきたら相対化されるんです。「あれも“役”なんや」って。(Seiho)


■なるほど。では、アルバムの話に戻りますけど、たとえば“ホリデイ”(アルバム収録曲)のボトムだったりとか、ダンス・ミュージックのエッジィな部分をどのくらい取り入れて、どのくらい丸くするかというあたりは戦略的にやっているんだろうな、という印象を受けましたが。

Avec Avec:そこもほんまバランスですね。

Seiho:どっちがおもろいかです。曲によって「こっちはダンスの比重が高い方がいい」とか、あるいはその逆とか。

“香港生活”(アルバム収録曲)は普通にクラブでも機能しそうですね。

Seiho:そうですね。あのトラックは僕がつくってるんですけど、クラブ・ユースな曲だと思います。やっぱり、役割分担があって、ループのほうがおもしろいと思うときは僕がつくりますし、逆にライトに聴けるようにしたいと思うときはTakuma(Avec Avec)がつくるほうがよかったりしますし。ちなみに、“ネトカノ”に関してはベースだけ僕がやってるんですよ。クラブでも機能するし、歌ものとしても機能するものをつくりたい場合は、パートごとに編曲を分けたりもしてますね。

もう一度、シュガーズにおけるポップ・ミュージックとダンス・ミュージックの関係について聴きたいのですが、先程の説明だと、あくまでも配分が重要なのであって、両者はあまり分けて考えていないということでしょうか?

Avec Avec:そうですね。僕は、全部、ポップ・ミュージックだと思ってます。……いや、そんなことないかな? どうなんやろ。

Seiho:ポップなものとポップじゃないものは分けられるけど、ポップとダンスじゃ分けられへんって感じかな。

でも、Seihoがソロでやっている音楽って、強力なサウンド・システムで鳴らされたときにいちばん効果を発揮する類いのものでもあるじゃないですか。

Seiho:あ、そういうニュアンスなら、シュガーズっていうのは、その曲を譜面に起こして弾き語りで演奏しても機能するっていうことが重要かな。

Avec Avec:「これはドライヴで聴いたら楽しいかな」とかっていう“用途”についてはよく考えてますね。“ホリデイ”もそうやし。

Seiho:“ホリデイ”はクラブに行く前のシチュエーションやから、クラブっぽい曲調になってる。だから、僕らがどういう立ち位置で、どういうことがやりたいかっていうことより、それぞれの曲の世界観のほうが重要っていうか。

Avec Avec:そうそう。自分たちのスタイルが決まっちゃうと遊べないじゃないですか。

「クラブに行く前のシチュエーションだからクラブっぽい曲調になっている」というのは、シュガーズの曲のつくり方を考える上でわかりやすい説明ですね。まず、曲の設定があって、そこに合うジャンルを引っぱってくると。

Avec Avec:シュガーズの記名性とかスタイルについて思うのは、僕の曲のつくり方って、アーカイヴから引っぱってくるやり方なんですね。自分の聴きたい音楽がないから、「AORのこの部分」「エレポップのこの部分」「パンクのこの部分」っていうふうに好きなところを取ってきて組み合わせる。で、そういったアーカイヴからの選び方自体が僕の記名性なんやと思うんですよ。ある曲をつくるときに、たとえば5つの要素を引っぱってくるとするじゃないですか。そして、別の曲を作るときにまたちがう5つの要素引っぱってきたとしても、同じ人間であれば選び方に癖が出てくるわけなので、それが“Sugar's Campaign”っていう記名性になるんじゃないでしょうか。

それは、いわゆる渋谷系と呼ばれた人たちの音楽のつくり方にも近いと思いますし、あるいは、Soundcloudのタグとか――

Avec Avec:Tumblrとかの感覚にも近いですね。

リブログにその人の個性が表れるという。

Seiho:そうですね。ただ、Takuma(Avec Avec)がそうやってつくっていくことによって記名性が強くなるのに対して、僕はアーカイヴを隠す作業をしているんです。それが、劇で言うと演出にあたるというか。「こうすれば、どこから取ってきたかわからんやろ」っていうふうに、手を加えたり、引き算をしたり、商品としてソリッドに仕上げていく。そういった役割分担があるかもしれないですね。

Avec Avec:僕だってバレないように気をつけてるんですよ。いや、バレたっていいけど、センスよくやりたい。

Seiho:文脈とか意味とかを持ちだすのはダサいと思ってるんで。その、引っぱってくる要素が90年代に流行ってようが80年代に流行ってようが、そんなん関係ない。音が格好よければいい。だから、文脈とか意味とかを消して純粋な音にするために削っていくんです。

Avec Avec:タイトルが「ネトカノ」になったのもそういうことなんですよ。

どういうことですか?

Avec Avec:アーカイヴから引っぱってくる渋谷系的なつくり方をしてるってことが、いちばんわからなくなるタイトルやと思うんですよ、「ネトカノ」って。

Seiho:あれの映像をつくった段階で、もう“ホリデイ”もあったんです。だから、「“ホリデイ”のほうにMVをつけよう」っていう話もしていて。でも、「ネトカノ」にしたのは、「ネトカノ」の方がダサかったんですね。ダサいというか、あの時点で古かった。チルウェイヴも流行ってたし、シティ・ポップも流行りはじめてる中で「この感じはベタすぎやろ!」って。で、1~2年後には“ネオ渋谷系”みたいなものが流行って、そういう音楽が消費され尽くすにちがいないと踏んで、「じゃあ、そこを先回りして渋谷系っぽいMVのイヤな部分だけを切り取ったものをつくろう」と思ったんです。“大学におるいちばんかわいい子”ぐらいの子を1日デートで撮影する、みたいな。

アーカイヴから引っぱってくる渋谷系的なつくり方をしてるってことが、いちばんわからなくなるタイトルやと思うんですよ、「ネトカノ」って。(Avec Avec)

先回りして渋谷系っぽいMVのイヤな部分だけを切り取ったものをつくろう」と思ったんです。(Seiho)

映画サークルの男が、撮影を口実にデートしてワンチャン狙う、みたいな(笑)。

Avec Avec:そうそう(笑)。彼女をジャケットに使う、とかね。

Seiho:そういういう感覚のダサさを含めて渋谷系みたいなMVをつくったというか。でも、ワンチャンもできてないし、彼女でもないっていうところで渋谷系とはちがうところに行けるかなとも思ったり。

Avec Avec:非モテ感が出てるよね。

Seiho:あと、タイトルを「ネトカノ」にすることでリア充感がなくなるんですよ。

Avec Avec:リア充すぎるのはイヤやから。

Seiho:そういう、渋谷系に対してメタ的な視点を持っているという意味を込めて、「ネトカノ」ってタイトルにしたわけです。

ただ、こうしてメジャー・デビューして、実際にショッピング・モールでデートしているところでシュガーズの曲がかかる可能性もあるわけで、そうなったらパラノりそうですね。

Seiho:うん。現実と劇がごっちゃになる。

とはいえ、ポップスとして消費されることを目指しているわけですよね?

Avec Avec:そうですね。

リスナーには、どこまでその仕掛け、そのいびつさに気づいてほしいですか?

Avec Avec:難しいけど……。素直に取ってくれてもいいし、深読みしてくれてもいいし、って感じですかね。

Seiho:『スタンド・バイ・ミー』(監督:ロブ・ライナー、原作:スティーヴン・キング、86年)なんかも奇妙な映画じゃないですか。けど、キャッチー。あんなもんなんちゃう? ポップスって。

Avec Avec:なるほど。

スティーヴン・キングの作品だと知っているひとは、「死体を探す」という設定なのにホラーじゃないって捻りに気づくけど、世間的には純粋な青春映画として受け取られていますよね。

Avec Avec:そういうふうに、ぜんぜん、気持ち悪さに気づかれないというのも理想ですけどね。

Seiho:いきものがかりみたいになりたいよな?

Avec Avec:うん。消費のされ方についての希望はとくになくて、好きに聴いてくださいという感じですね。

Seiho:ふたりともそうなんですよね。自分たちがつくったものにあまり興味がないというか。子どもをつくる行為――セックスは好きなのに、産んでしまったらどうでもいい。

ロクデナシだなー。

Avec Avec&Seiho:ははは!

ちなみに、これからもヴォーカルは固定せずに、曲に合った人を起用していくという編成でやっていくんですか?

Avec Avec:そうですね。ただ、劇団に看板俳優がいるように、よく使う人がいてもいいと思ってるし。

Seiho:それに、「“ネトカノ”のMVのあの子がこの役やってるのヤバない?!」みたいな捻り方もできるから、いろいろと配役を考えていきたいですね。

今回のジャケットの女の子は誰ですか?

Seiho:僕がInstagramで見つけた素人の子です(笑)。今回のジャケットのデザインに関しては、僕のセンス通りにつくったとすると、プラス30パーセントくらいシンプルに、美しく、エモいものになったと思うんですよ。でも、「Sugar’s Campaignのジャケット」として使うことを考えると、外部から見たシュガーズのイメージはこんな感じかなって。そのバランスには気を遣いました。

それを自分たちで言ってしまうのがシュガーズっぽいというか(笑)。

Seiho:僕らのフェティッシュなセンスも、シュガーズとして外に出す際には相対化していきたいんですよ。

僕らがライヴ・ハウスで“ネトカノ”を歌って全国を回るのと、ネットを使って浸透させるのと、結局はスピードが変わらない。音楽っていうものが物理的な人間の生活の中に存在するものである以上、時間は掛かってしまう。(Seiho)

では、“ネトカノ”のアップからこのアルバムのリリースまで3年かかっているわけですが、ここまで徹底的にコンセプチュアルにつくり込んだからこそ時間がかかったということですか?

Seiho:(Avec Avecに対して)ゆうてやれ、ゆうてやれ!

Avec Avec:単なる怠慢です!

ははは!

Seiho:そうなんです(笑)。時間がかかったのは怠慢以外の何ものでもないんです。でも、結果としては3年掛けてよかったなとも思いますよ。Tofuくんの“水星”にしてもアンセム化するまで時間が掛かっているし、インターネットの時代だと言っても、ひとつの曲が徐々にムーヴメントになるまでには、やっぱりこのくらいの時間が必要なんだなっていうことを実感しました。

たしかに、ネットは情報浸透のスピードを早めたって言いますけど、結局、バズにしても炎上にしても一日程度で終わってしまって、残らないですからね。定着させようと思ったら、それなりの時間は必要。

Seiho:そうそう。たとえば僕らがライヴ・ハウスで“ネトカノ”を歌って全国を回るのと、ネットを使って浸透させるのと、結局はスピードが変わらない。音楽っていうものが物理的な人間の生活の中に存在するものである以上、時間は掛かってしまう。それに、ふたりのソロ・ワークも知らんまま、Sugar’s Campaignだけが先に知られてたら、おもしろさもいまのようには理解してもらえんかったかもしれんと思いますね。僕のソロと比べるからこそわかってもらえる部分はぜったいある。そこを含めて楽しんでもらうためにも、3年かけてよかったなって。

Avec Avec:「時間」というものの説得力は大きいと思いましたね。

なるほど。ちなみに、ふたりにとって、メインの活動はそれぞれのソロということになるんですか? Takuma(Avec Avec)さんにとっては、Sugar’s Cmpaignはもともと自分のバンドでもあるわけですが。

Avec Avec:思い入れはAvec AvecよりSugar’s Campaignのほうが強いですね。Avec Avecはいまの気分を表現したり、あるいは、実験とか仕事をするための場所ですから。対して、シュガーズは“作品”をつくる場所という感じです。

Seiho:僕はさっきも言ったように「帰ってくるところ」というか、ここがあるからソロでさんざん格好つけられるんです。シュガーズがInstagramとかTwitterとかFacebookとかでのキャラを相対化してくれるので、ソロのライヴの40分間で完全な主観の世界に、閉じられた世界に入り込むことができる。終わったら、シュガーズのステージで「オモシロ兄さん」になれますからね。

シュガーズについては、伝わりやすいのが“バンド”って言葉なんで、バンドと言ったりもしますけど、やっぱり“劇団”というのがいちばんしっくりきますね。あるいは“場所”。(Avec Avec)

Avec Avec:お互い、ソロだけだとイタくなるよな。

Seiho:そう。僕も本当は格好つけた人間ではないのにそういう人間だと思われる機会が増えてしまって、「何か自分の思てるバランスとちがうねんけどなぁ」って。

そして、演じているはずが――

Seiho:ガチになってまう。でも、シュガーズではそのキャラを引きずりつつ、ネタにできますしね。

「帰ってくるところ」という言葉だけ聞くと、アットホームな響きがありますけど、すごくメタなバンドだからこそ帰ってくると安心するというのはおもしろいですね。

Avec Avec:そもそも、素がメタですしね。ほんま、自分たちを客観的に見てるので。

本来、ポップスのつくり方って、そういうものなのかもしれないですよね。そして、それがベタに消費されるという捻れがおもしろい。このアルバムもふたりならいくらでもセルフ・ライナーノーツみたいなものが書けるんでしょうけど、そんなものはなくても成り立つ問答無用のポップス作品でもある。

Seiho:だんだんとポップスをやるコツみたいなものや、シュガーズがどういう存在かがわかってきましたよ。メジャー契約するにあたって、ふたりで話し込んだことが重要でした。“メジャー契約”って成人式というか、ミュージシャンとしての区切りみたいなものやと思うんですよ。そこである程度ケジメがつく。

気合い入ってますね。

Seiho:最初はアルバムのクレジットを「Sugar’s Campaign プロデュース」にしようと思ってたんです。でも、そうじゃない。Avec AvecとSeihoがつくっているのが“Sugar’s Campaign”やから。

Avec Avec:シュガーズそのものがプロデュースされたもの。

Seiho:そう。だから、“プロデュース・ユニット”ではないんですよ。

なるほど。

Avec Avec:シュガーズについては、伝わりやすいのが“バンド”って言葉なんで、バンドと言ったりもしますけど、やっぱり“劇団”というのがいちばんしっくりきますね。あるいは“場所”。

Seiho:そう、シュガーズは僕たちにとって重要な“場所”ですね。

 世界でもっともユニークなレコード店のひとつ、世界でもっとアンチ・ハイプなレコード店のひとつ、東京のロスアプソンが20周年を迎える。その祝祭(宴会?)のため、我らがコンピューマをはじめ、多くのDJやアーティストが花を添える。スペシャル&豪華なメンツが揃っています。ちなみにフライヤーは五木田智央、そのデザインは、紙エレキングの若きADの鈴木聖。リキッドルームに集合して、酒飲んで踊って、寒さなんか吹っ飛ばしましょう(なんて……)。

 バブルも弾け、大震災を経験し、不況の真っ直中をサーフ続行中のレコード屋、ロス・アプソンが20周年を迎えました。西新宿から幡ヶ谷へと移転し、新奇一転?フレッシュなバイブスを発見/発掘するべく躍起となり、未開の音楽をディグり楽しみ奔走してきた20年……って、んなもん最初から気持ちは何も変わっていないのですよっ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!! ということで、やっちゃいます!(唐突だなぁ……)黄金狂乱突破イベント「GOLD DAMAGE」の10周年復活祭!!!!!!!!!! そんでもってタッグを組むのは、リキッドロフトの名物イベント「COMPUMA 7HOURS LOFT」の主で旧友、DJコンピューマ!正に鬼に金(魔羅)棒の境地であります。突破ファイティングなライブ&DJ陣をバッチリ配置し、サンフランシスコ・アンダーグラウンドからは電子妖怪!?ラバー・オー・セメントを呼んだり、伝説のラジカセ屋TURBO SONICがドドドーン!とラジカセサウンドシステムを積んだり、そこでROBO宙さんがMCったり、PA担当はDOMMUNEのPAもやったりしているNancyだったり、トビトビ・レーザーライティングのYAMACHANGがいたり、美味しいフードを充実させたり、充実のラインナップで前売券はこのお値段だったり、さらに前売券購入者特典もあり(詳しくは○○○をみてね)で、まさにお得! 当日入場者にもゴルダメ・ステッカー付き!…というようなモリモリ盛りだくさんなあれこれを、2015年初頭の恵比寿リキッドルーム1階にて、あの頃のプリンス様よろしく“Let's Go Crazy”にブチ上げる所存ですっ!!!!!!!!!! は、は、這ってでも遊びに来てねぇ~~~~~~~~~~。
(山辺圭司/LOS APSON?)

LIVE:
INCAPACITANTS
RUBBER O CEMENT (from San Francisco) feat. 宇川直宏 (DOMMUNE)
KIRIHITO feat. 中原昌也 (HAIR STYLISTICS)
KEN2D SPECIAL SPECIAL
DOWNSHOT RIG[田我流 & KILLER-BONG]
藤井洋平 with Mr.MELODY & KASHIF

DJ:
DJ NOBU (FUTURE TERROR / Bitta)
HIKARU (BLAST HEAD)
BING (HE?XION! TAPES)
1-DRINK
Shhhhh
Q a.k.a. INSIDEMAN (GRASSROOTS)
DJ 2741
LIL' MOFO
威力

GOLD DAMAGE Deejay's: ヤマベケイジ/五木田智央/COMPUMA

MC: ROBO宙

FOOD: なるきよ/虎子食堂/南風食堂
SOUND SYSTEM (1F LOUNGE): TURBO SONIC ラジカセSOUND SYSTEM
PA: Nancy
LIGHTING: YAMACHANG

ARTWORK: 五木田智央/鈴木聖

2015.1.30 friday night
at LIQUIDROOM
open/start 23:59
adv (12.13 on sale!!!)* 2,500yen
door 3,500yen (with flyer 3,000yen)

*チケットぴあ[Pコード:250-935]/ローソンチケット[Lコード:74492]/e+/ディスクユニオン(渋谷CLUB MUSIC SHOP/新宿CLUB MUSIC SHOP/下北沢CLUB MUSIC SHOP/吉祥寺店)/JET SET TOKYO/Lighthouse Records/LOS APSON?/TECHNIQUE/虎子食堂/LIQUIDROOM

前売券購入者には特典としてMIX CD「How To GOLD DAMAGE」をプレゼント!特典は会場にて当日お渡し致します。

MIX CD「How To GOLD DAMAGE」とは…
2004年にごく少数配布販売された、GOLD DAMAGEレジデントDJのヤマベケイジ/DJ卍(五木田智央)/コンピューマの3人に、BLAST HEADのHIKARUを加えた4人による、リレー方式のハウ・トゥ・ゴルダメな幻のミックス!10年ぶりに復活します!

※20歳未満の方のご入場はお断り致します。年齢確認のため、顔写真付きの公的身分証明書をご持参ください。
*You must be 20 and over with photo ID.

info
LIQUIDROOM
03-5464-0800
https://www.liquidroom.net/

more info
LOS APSON?
03-6276-2508
https://www.losapson.net/


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