「CE」と一致するもの

Cosmopolis - ele-king

 アリエル・ピンクも大好きなデイヴィッド・クローネンバーグ監督の新作『コズモポリス』が面白い。今作はニューヨークはブロンクス生まれの小説家ドン・デリーロが、まるでその後起こる「リーマンショック」を予言していたかのように、2003年に発表した同名小説の映画化。デイヴィッド・クローネンバーグはこの原作に惚れ込み、わずか6日で脚本を書き上げたという。

 ロバート・パティンソン演じる主人公エリック・パッカーは、FXや株の投資で巨万の財を築いた人物。しかし、ある日突然世界的な金融恐慌が起こり、彼の持っているすべての資産は紙屑同然となってしまう。そんななか、それまでの因果が彼を襲い、数奇なエピソードが折り重なっていくなかでの主人公の葛藤が冷徹に重く描かれている。第65回カンヌ国際映画祭のコンペディション部門でパルムドールを最後まで競った作品だというのもうなづける。

 資本主義や格差に対する警鐘であり、また、その映像美も見事だが、私はもうひとつ別の観点からも面白かった。主人公は生活のほとんどが超高級リムジンのなかで完結する。仕事の指令からはじまり、睡眠、食事、排便、彼女とのSEX、医者の健康診断すらもすべてそのなかでおこなわれる。主人公のエリック・パッカーが何故そのような生活スタイルを選んだのか......。
 ヒキコモリや部屋から出ない若者が増えていると聞くが、クラブ人間としては、コミュニケーション文化に関する問題提起としても興味深い作品なのだ。いまクラブ・カルチャーは、オンラインの生活に慣れ親しんでる近年の若者にどんな「リア充」を提供することができるのだろう......。

 尚4月8日DOMMUNEにて『コズモポリス』封切り直前特別番組が決定。Broad DJには東京アンダーグランドを代表してMASA a.k.a. Conomarkが満を持してDOMMUNEに初登場。この日は3時間SETでタップリお届けします。
(五十嵐慎太郎)


『コズモポリス』
4/13(土)より、ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館他にて全国順次ロードショー!
(C)2012 COSMOPOLIS PRODUCTIONS INC. / ALFAMA FILMS PRODUCTION / FRANCE 2 CINEMA

監督・脚色:デイヴィッド・クローネンバーグ
原作:ドン・デリーロ「コズモポリス」(新潮文庫刊)
出演:ロバート・パティンソン、ジュリエット・ビノシュ、サラ・ガドン、マチュー・アマルリック、サマンサ・モートン、ポール・ジアマッティ

2012年/フランス=カナダ/カラー/ビスタサイズ/DCP/5.1ch/110分
原題:COSMOPOLIS/日本語字幕:松浦美奈/R?15
配給:ショウゲート/協力:松竹
配給協力・宣伝:ミラクルヴォイス
https://cosmopolis.jp/


4月8日 19:00~「コズモポリス」封切り直前特別配信 at DOMMUNE
「クローネンバーグが描く現代社会の末路」

TALK LIVE
柳下毅一郎/高橋ヨシキ/Ackky/DJ Hakka-K
Broad DJ
MASA a.k.a. Conomark (3 HOUR SET)
https://www.dommune.com/



 ここ半年で、レコード店の壁面は、「industrial / minimal」というタグのついたレコードで占拠されています。デザインを一新したリニューアル号のメイン特集は「新工業主義――ニュー・インダストリアル!――」。新作を出したばかりのオウテカの超ロング・インタヴューをはじめ、先日来日公演を終えたアンディ・ストット、そして音を聴いている限りでは、やばいBボーイだろうと思われていたものの、実際はとんでもない美形だったジャム・シティのインタヴューもあります!
 インダストリアル系の50枚以上のディスク・ガイドもありますが、これがなんと、最近出たばかりのDJノブのミックスCDの選曲とばっちり重なっておりました! なので、ノブのミックスCDを聴きながら読んでもらえれば、かなりスリリングなトリップを体験できるでしょう。

 そして、小特集は「乱世をいかに生きるか――よみがえる花田清輝」。
批評家・思想家として比類のない活躍と著作を遺し、強靭なユーモアとともに時代の「転形期」を生きた鬼才・花田清輝の魅力を掘り起こします!

 その他、フェミニャンの人生占いや人気沸騰中のceroのインタヴューなど、面白い記事満載なので、よろしくです。
 書店にないときは注文しましょう!! たのむよ。

 では、目次を大公開!!

〈フォト・ギャラリー〉
吉永マサユキ

〈特集〉
ニュー・インダストリアル

・オウテカ・インタヴュー 松村正人
・座談会「インダストリアル・ジャッジメント」 倉本諒/KEIHIN/松村正人/三田格
・アンディ・ストット・インタヴュー 野田努
・ジャム・シティ・インタヴュー 三田格
・ディスク・レヴュー60(アルバム編・シングル編・クラシック編) 倉本諒/野田努/松村正人/三田格/山崎真
・コラム 「ミニマル・ミーツ・インダストリアル」 山崎真
・EP-4 unit3 インタヴュー 松村正人/菊池良助

〈小特集〉
乱世をいかに生きるか――よみがえる花田清輝

・イントロダクション「絶望の淵からの挑戦状 その2」 野田努
・インタヴュー「花田の発見――上杉清文が語る花田清輝」 市原健太
・花田清輝の武器 水越真紀
・SY, MOR & HDKY ブレイディみかこ
・あらためて自意識の話をはじめるために #妄想 橋元優歩

〈EKジャーナル〉
Shing02 / MA1LL

〈TAL-KING〉

・Serph 橋元優歩
・AOKI takamasa×BUN×kyoka×マツナガ・コウヘイ special座談会 野田努/松村正人/小原泰広
・cero 竹内正太郎/小原泰広
・ヤマガタ・トゥイークスター 野田努/小原泰広

〈論考I〉八Oと九Oの緊張と弛緩 ばるぼら
〈no ele-king〉前野健太 磯部涼/小原泰広
〈連載まんが〉本日の鳩みくじ 西村ツチカ

〈カルチャーコラムEKかっとあっぷあっぷ〉

・「本とハコ」 湯浅学×直枝政広 松村正人
・映画 樋口泰人
・演劇 プルサーマル・フジコ
・アート 五所純子

〈連載コラム〉
・ネオ・ニヒリズム 粉川哲夫
・季刊・二木ジャーナル 二木信
・キャッチ&リリース tomad
・編年体ノイズ正史 ボルビトマグース T・美川
・ナポレオン通信 山本精一
・水玉対談 こだま和文×水越真紀
・〈特別企画〉フェミニャンの占星術ルーム
・ピーポー&メー 戸川純

〈新連載〉ネオ・グラフィズム MA1LL

〈表紙ウラ〉AOKI takamasa


interview with Jeff Mills - ele-king

 ハード・ミニマルとは、ジェフ・ミルズがひとりで切り拓いたダンスのサブジャンルだ。最近ではそれが、大雑把に言って、インダストリアル・ミニマルとして呼び名の元でリヴァイヴァルしている。20年後にして、『ウェイヴフォーム・トランスミッション』のようなサウンドをふたたび聴くことになるとは思ってもいなかった。そして、ジェフ・ミルズがそうしたリヴァイヴァル現象を良く思っているはずもなかった......。

 昨年の、彼自身のレーベル〈アクシス〉20周年を記念してのベスト盤『シーケンス』を経てリリースされるジェフ・ミルズの新作は、驚くべきことに、宇宙飛行士である毛利衛との共作となった。毛利衛がストーリーを書いて、ジェフ・ミルズが音を加えた。『ウェア・ライト・エンズ』=明かりが消えるところ=闇=宇宙ないしは宇宙体験がテーマだ。

 精力的な活動を続けながら、とにかく迎合することを忌避し、誰もやっていないことにエネルギーを注ぐデトロイト・テクノの重要人物のひとりに話を聞いた。

僕のインダストリアルな感覚は、もともとファイナル・カットのスタイルから来ている。当時、デトロイトでウィザードとしてDJをやっていたときも、インダストリアルとハウスとテクノをミックスしていた。


Jeff Mills
Where Light Ends

U/M/A/A Inc.

Amazon iTunes


Jeff Mills
SEQUENCE-A Retrospective of Axis Records(2CD Japan Edition)

U/M/A/A Inc.

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この取材では、新作の『ウェア・ライト・エンズ』について、そして、昨年の〈アクシス〉レーベル20周年にも焦点を当ててやりたいと思います。

ジェフ:これから何をしたいのか、何を考えているのか話すことのほうが興味深いかもしれないけどね。

ぜひ、過去と未来のふたつで。

ジェフ:何かについての作品を作るというプロジェクトをやり続けてきている。その基盤がいまできていて、それは10年、15年前にはなかったことだから、ぜひ先のことについても話したいんだ。

若い読者も多いので、昔のことも訊かせて下さい。

ジェフ:オッケー。

昨年、〈アクシス〉レーベル20周年企画のBOXセット『シーケンス』を出しましたが、ジェフが自分で書いたそれぞれの曲に関するコメントが面白かったです。そのなかで、〈アクシス〉レーベルのマニフェストとして、最初に「AXISは失敗を犯さない。失敗とは目的と計画が明確ではない場合にあり得ることであるからだ」とありますよね。ジェフらしい言葉だなと思いましたが、これはあなたの人生にも当てはまることですか?

ジェフ:ノー(笑)。人生には当てはまらない。

はははは。

ジェフ:アイデアにチャレンジして、そしてうまくいかなかったとしても、それが他の場面で役に立つこともある。失敗を失敗として片付けてしまうことはない。アクションを起こしてからアイデアをキャンセルしたこともない。別の機会をうかがうということもつねに考えているから。
 それは、自分以外の、ほかのインディペンデント・レーベルをやっている人たちの視点を変えることでもある。つねに、正解はない。状況が変われば結果に結びつく。だからすべてはポジティヴであって、ネガティヴに捉えることはないと思っている。

なるほど。失敗と言えば、"コンドル・トゥ・マヨルカ"という曲のエピソードも面白かったですね。プロモーターが迎えに来なくて、マヨルカ島行きの飛行機に乗り遅れて、せっかくの休暇が台無しになった話です。あの曲に、まさかそんな背景があったとは(笑)......その旅費は、その曲を作ることで取り戻せたのですね?

ジェフ:あのときは、まったくがっかりした。とてもタフな体験だった。いまのようにビジネスクラスに乗れるわけではなかったし、まだ空の旅にはいろいろな制約があった。あのときの自分にできることは、このバカげた体験に関するトラックを作ることだけだった。お金のためというか、ちょうどのその頃、『ウェイヴフォーム・トランスミッションvol.3』(1994年)を作っていたので、旅ということで、そのアルバムにもうまくハマるんじゃないかと考えた。当時はDJとしてツアーするのも乗り継ぎなど大変だったな。若かったからできたんだと思う。

『ウェイヴフォーム・トランスミッションvol.1』の1曲目は、"デア・クラング・デア・ファミリエ"というラブパレードのテーマ曲でもあったトラックを使っていますが、初期のあなたにとってベルリンとはとても重要な都市だったと思います。当時のベルリンに関する思い出を教えてください。

ジェフ:初めてベルリンに行ったのは、1989年だった。インダストリアル・バンドのファイナル・カットのメンバーとして行った。そのときにトーマス・フェルマンやモーリッツ・オズワルドたちと知り合った。
 デトロイト・テクノの初期の頃、デリック・メイ、ホアン・アトキンス、ケヴィン・サンダーソンたちはイギリスを中心にツアーしていた。そこで、僕とマイク・バンクスはドイツを選んだ。最初、僕たちにとってのドイツの窓口は、〈トレゾア〉だけだった。〈トレゾア〉が自分たちの音楽に興味を持ってくれたからね。そして、リリースできるかもしれないという話から、デトロイトとベルリンとの関係がはじまった。ちょうどデトロイトでも、デリックやホアンたちとは別の、テクノの進化型が生まれつつあった時期だった。ベルリンではラヴパレードやメイデイがはじまって、メディアも創刊されて、すべてが新しかった。

当時のあなたの作品は、とてもハードでした。あのハードさはどこから来たものなんでしょうか?

ジェフ:ああいうインダストリアルな感覚は、もともとファイナル・カットのスタイルから来ている。当時、デトロイトでウィザードとしてDJをやっていたときも、インダストリアルとハウスとテクノをミックスしていた。ミート・ビート・マニフェストとスクーリー・DとDJピエールをミックスするようなスタイルだね(笑)。だから音楽を制作するうえでもいろいろな要素が加えられた。それにマイク・バンクスは、フォースフルな(力を持った)音楽の必要性を考えていた。また、ヨーロッパのクラウドの規模がだんだん大きくなって、1万人規模の人たちを動かすことを考えると、密度であったり、強さを持ったものではないと効果はでなかった。
 最初にヨーロッパに行ったときは、僕にはそんな考えはなかったよ。ヴォーカル・ハウスだったり、ハードではない音楽をプレイしていた。しかし、ハードでなければダンスしてもらえない。相手のドイツ人はそんなにうまくダンスできる人たちでもない。それで考えたのが、もっとカオティックで、踊れなくてもうわーっと熱狂できるような、そしてよりハードでより速い音楽を目指した。必ずしもそれがもっともやりたいことではなかったけれど、効果はあった。自分では、ソウルフルな音楽を作りたいと思っていたんだけどね。

初期の頃のあなたはヘッドフォンだけを使って、低い音量で作っていたとありますが、そのことも意外に思いました。その理由を教えてください。

ジェフ:音量を下げたほうがすべてのフリーケンシーが聴こえるんだ。スタジオでは、たいていニア・フィールド・スピーカーで音像が目の前に来るようにセッティングしているんだけれど、大きくしてしまうと、音のエンヴェロープが前ではなく頭の後ろで鳴ってしまい、どうなっているのかわかなくなる。もちろん大きな、ちゃんと設備の整ったスタジオなら大きな音を出してもすべての音がしっかり聴こえる。しかし、インディペンデントでやっている小さなスピーカーでは難しい。フルステレオの音の領域を聴くには、小さな音量のほうがいいこともある。さらにヘッドフォンで聴けば、サウンドのロスが少ない。これがレコーディングの話だ。
 ところが現場では、スピーカーがぜんぜん違う。ロウが強くて、中域がなくて、高音が強いという、いわゆるクラブの音になるので、スタジオで作業していたときの音との違いに気がつく。だから現場でどう鳴るのかを補正しながら作っていくようになるんだ。90年代なかばのトレンドは、各チャンネルの音量を目一杯上げて作ることだった。それがエレクトロニック・ミュージックがミニマルになっていく大きな要因でもあったし、ある意味、音が画一化されていく要因でもあった。
 音楽はどういう風に聴くかでも変化するものだろうね。現代のPCDJたちは、ヘッドフォンすら使わなくなっている。つまり、出音で、オーディエンスに聴こえる音と同じ音でDJしているわけだ。それによってサウンドのクオリティは良くなってくべきだ。

あなたのベースに対する考え方を教えてもらえますか? あなたのベースのアプローチの仕方はユニークだと思います。

ジェフ:ベースラインは、デトロイトの音楽にとって重要な要素だ。僕は、メロディとベースを同時に弾いている。右手でメロディを弾いて、左手でベースラインを弾いている。右手と左手が同時に鍵盤を押すことはない。ベースとメロディが同時に鳴っていることはないんだ。タイミングがあって、順序がある。普通のやり方とは違っているから、独特なベースになっているんだと思う。

パーカッシヴな感覚ですか?

ジェフ:そうだね。パーカッションに近いと思う。

あるジャズ・ミュージシャンによれば、あなたの音楽は譜面に書くとブルースだそうですね。自分では意識していますか?

ジェフ:それは僕が生まれてから生きてきた長い人生の経験、環境から来ていることだ。子供の頃に何を聴いて、そして、どれが良い音楽なのか、そうした判断力などすべてと関係している。モータウン、ジャズやブルース、ゴスペルからの影響を無視して語るわけにはいかない。音楽は、自分がどういう風に感じているのかを反映するものだから、デトロイト・テクノにはある種のブルース・フィーリングが滲み出ているんだろう。

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いまだにうまく説明できないことが多くあることに驚きを覚えた。とくに宇宙の暗さ、闇の深さ、黒さは、僕たちが見ている黒さを越えた黒さがある。地球にはない黒さだから、その説明が難しいんだろう。

あなたがデトロイトを離れて久しいですが、デトロイトに戻らない理由をあらためて教えてください。

ジェフ:そこは、もう自分が育ったデトロイトではないからだよ。犯罪や経済のことを言っているんじゃない。人が変わってしまった。80年代なかばには多くの人がエクソダスした。90年代には人びとの精神が変化してしまった。自分がDJするためだけでも戻らない理由は、トゥー・マッチだからだ。どこでやるのか、誰のパーティでやるのか、ベルリンもそうだが、小さなエリア内に多くのプロデューサーがいると、批評も度が過ぎて、別のことでジャッジされてしまう。人間関係のちょっとした政治が生まれてしまう。そういう人間関係がある場所では、純粋に楽しめない。たとえばウィザード名義でデトロイトでやったとしても、昔踊っていた人たちは来ないし、何でヒップホップをかけているの? と思われてしまう。昔のように、聴いたことがない音楽を聴きに来る人たちが少なくなってしまった。フェスティヴァルをやっても、当たり前のメンツが出るだけだからね。

もし100万円で宇宙旅行に行けたら行きますか?

ジェフ:100万円じゃ安いだろ(笑)!

あ、そうか(笑)。では、いくらまでだったら真剣に宇宙旅行を考えますか?

ジェフ:いくらにしようか......(笑)。うーん、まあ、1億で行けるなら払う(笑)!

新作の『ホエア・ライト・エンズ』を作るきっかけになった宇宙飛行士との対話ですが、あなたがもっとも強く印象に残っている話なんでしょうか?

ジェフ:彼には多くの質問をしたんだけど、いまだにうまく説明できないことが多くあることに驚きを覚えた。とくに宇宙の暗さ、闇の深さ、黒さは、僕たちが見ている黒さを越えた黒さがある。地球にはない黒さだから、その説明が難しいんだろう。他には、大気や湿気がないから、どれだけ外がクリアに、鮮明に見えるか、そのことを彼がいまだにうまく説明できないこと。もう20年も講演会などで話していることなのに、いまだに説明できないこと、それが実に興味深かった。

その宇宙飛行士、毛利(衛)さんが今回の作品に寄せたコメントも興味深いですよね。「彼の音楽を聴いた私は、正直、宇宙で聴きたいものではないと感じました。なぜなら、宇宙ではむしろ自分が地球にいたことを感じられるような安心感を得たいからです。彼の音楽は、まさに宇宙そのものを表現していました」とありますね。

ジェフ:宇宙にいるというのは、いつ危険な目に遭うかわからない。決してイージーな場所ではないから。僕の音楽が毛利さんにそういう緊張感を思い出させたのではないだろうか。そして僕の音楽が宇宙とはそれほど遠くはない、いつか行ける場所であるんだという身近な感覚をもたらしているのであれば、それはいいんじゃないかと思う。

「AXISは未来の音楽を制作しているのではない。未来を考える理由を制作している」とあなたは言いますが、「未来を考える」には何らかの問題意識があるはずです。それは何でしょうか?

ジェフ:メンタル的なこと、精神病的な状況に問題を感じている。アメリカでは、診療心理学的にアウトな状態ではなくても、精神病的になっている人が大勢いる。ある種の躁鬱病的に、現実を正しく受け止めることができない人がたくさんいるのではないかと思う。現実を受け止められず、現実の社会を合理的に捉えることができない人たち、非論理的なことが社会に浸食するかもしれない。たとえば、インターネット上では、クレイジーなことを書き込んでいるのに、いざ人前に立つと普通に振る舞っている人がいる。そういう潜在的な、おかしい人たちがこれから増えていくだろうね。

ひとりのオーガナイザーが同じ時間帯、同じギャランティでDJをやって欲しいと、ただし、場所だけは自分で選べと言われたらどんなところでDJをやりたいですか?

ジェフ:僕たちと一緒に成長していった人たちに囲まれてやりたい。昔から知っている友人たちと一緒に、音楽で繋がっている人たちに囲まれてやりたい。音楽のコンテクストも理解している人たち、音楽の背景も理解している人たちのなかで。そのパーティはスペシャルなものになるだろう。

ふだん、家にいるときに、自分がリラックスするためにはどんな音楽を聴いていますか?

ジェフ:ジャズをよく聴いている、あるいは......ディスコを聴くことも多いね。

ディスコを聴いていたらリラックスするというか、気持ちが上がってしまいませんか?

ジェフ:いや、全盛期のディスコは、最高の演奏者による最高の録音物でもあるから。クオリティが高く、とてもプロフェッショナルな作品が多いし、ダンス・ミュージックとしてはもっとも進化した形態だったと思う。最高級の職人芸による賜物だよ。いまのダンス・ミュージックはもう、ホームスタジオで、ひとりで作るものになっているけど、ディスコの時代のプロダクションには、才能あるベーシスト、最高のドラマーがいて、最高のスタジオと素晴らしいエンジニアもいる。そうした最高のクオリティを楽しむためにディスコを聴くんだ。

"ジ・インダストリー・オブ・ドリーム"では、「人類は夢を生産する目的のための家畜に過ぎない」というコンセプトがありますが、これは何のメタファーなのでしょう?

ジェフ:僕たちが家畜を飼っているのではなく、僕たち自身が家畜かもしれないという発想から来ているんだけど、それはあくまでも、『ザ・メッセンジャー』(2011年)というアルバムのために描いたシナリオのいち部。僕はふだん考えていないことを考えるきっかけを作っているんだ。

それでは最後の質問ですが、ここ数年、90年代初頭のテクノがリヴァイヴァルしていますが、どう思いますか?

ジェフ:まったく興味がないし、実につまらない現象だと思う。現代は、90年代とは環境も違うわけだし、いまのテクノロジーを使えばずっと進化した音楽を作れるはずだ。いまさら90年代に戻る必要などない。

しかし、ときとして、歴史を知ることも必要なのでは?

ジェフ:いや、そうは思わないな。いまさら"ストリングス・オブ・ライフ"を知る必要もない。若い人たちは、歴史に囚われずに未来を見て欲しいと思う。


JEFF MILLS(ジェフ・ミルズ)新作動画公開、と同時に「宇宙新聞」(号外)を発行!!
毛利衛氏とのコラボによる新作アルバム『Where Light Ends』いよいよ発売!!

日本科学未来館館長・宇宙飛行士 毛利衛氏とのコラボレイトによるジェフ・ミルズの新作『Where Light Ends』が、本日4月3日(水)に発売される。

これまで宇宙をテーマに作品を作り続けてきたジェフ・ミルズが実際の宇宙体験を持つ宇宙飛行士とコラボレイトして作品を作り上げたことや、ジェフとして初めて他アーティストによるリミックス作品を自身のオリジナル・アルバムに収録したことでも話題を呼んでおり、KEN ISHII、Q'HEY、Gonno、DUB-Russell、MONOTIX、Calla Soiledらベテランから気鋭のアーティストまでが名を連ねる作品となっている。

そして今回、『Where Light Ends』の発売と同じくして公開されたのがアルバムからの1曲“STS-47: Up Into The Beyond”をフィーチャーした新作動画「Jeff Mills "Where Light Ends" Comic Video」である。

「Jeff Mills "Where Light Ends" Comic Video」


この動画では、本アルバムの制作にあたるジェフ・ミルズ自身の姿と、毛利氏のオリジナル・ストーリーの中で描かれた宇宙観が表現されたもので、ジェフが幼少期にSF作品に触れ多大な影響を受けたアメリカン・コミックの手法が用いられている。

この動画の制作を手がけたのは、LA在住のGustavo Alberto Garcia Vaca(グスタボ・アルベルト・ガルシア・ヴァカ)とKenny Keil (ケニー・ケイル)というふたりのアーティストで、それぞれ音楽とコラボレイトした作品も多数発表しており、今回は英語版に先駆けて日本語Ver.が公開された。

また今回、来日中のさまざまなイヴェントで配布されたのがジェフ・ミルズ発案による「宇宙新聞(スペース・タイムス)」である。この新聞のなかでは『Where Light Ends』が作られるにいたった経緯や、関係者のインタヴュー、宇宙関連の基礎的情報から最新のトピックスまで紹介されている。JEFF MILLSの作品をリリースしている音楽レーベル、〈U/M/A/A〉のHPで見ることができるのでこちらもぜひご覧頂きたい。

宇宙新聞Link(U/M/A/A)
https://www.umaa.net/news/p517.html

JEFF MILLS アーティスト・プロフィール [U/M/A/A HP]:
https://www.umaa.net/what/wherelightends.html

Horace Andy - ele-king

 レゲエを聴かないリスナーが、マッシヴ・アタックの衝撃的デビュー作『Blue Lines』(1991)でホレス・アンディの存在を知ってから、もう20年以上経った。その後も彼の声はマッシヴ・アタックのブリストル・サウンドにとって透徹したフェティシズムの対象であり続け、今日まで彼らの作品に欠かせない要素になっている。そして、レゲエ歌手がモダンなダブ/エレクトロ・サウンドの"ヴォーカル・パート"に用いられるトレンドの嚆矢ともなった。
 もちろん、当初"トリップ・ホップ"と形容されたマッシヴ・アタックのサウンドはレゲエ、ヒップホップ、ダブ、ダウンビート、アンビエント等々のファクターを縫うものだったわけで、レゲエ自体とは薄からぬ血縁があった。しかし彼らの音のなかにレゲエから引かれていたものは、レゲエの軽快で陽性の側面よりもむしろ、鋭利な重量感に雄弁な精神性が宿るダブの前衛と、同時にそこからにじみ広がるアンビエントなサウンドスケイプであり、そこにメタリックな光沢さえ感じさせるアンディのハイ・トーン&ヴィブラート唱法が強烈なマッチングを見せたのだった。

 そうしたアンディの特質と合致した彼の代表作として、とくにマッシヴ・アタック以降のファンが愛聴するのが、NYの〈ワッキーズ〉レーベルに残された名盤『Dance Hall Style』だ。ここで聴かれる80年代初頭のワッキーズ・サウンドの、音が地面に重くめり込んで歪んでしまったかのようなドラム&ベイスの暴力的なブースト、それから硬く無機質なダブの質感は、それまでのジャマイカ産の音とは明らかに異なっている。そしてルーツ・レゲエの陰影から冷たい闇のエッセンスだけを抽出、培養したようなそのサウンドが、90年代以降のブリストル・サウンドや欧州のダブ・クリエイションの新潮流にとって、ひとつのプロトタイプとなったことは間違いない。マッシヴ・アタックが『Blue Lines』収録の"Five Man Army"でアンディに『Dance Hall Style』の収録曲"Cuss Cuss"や"Money Money"のリフレインを歌わせたり、続く2作目『Protection』では同じく『Dance Hall Style』収録の"Spying Glass"を丸々アンディ本人を迎えてカヴァーしたのは、自分たちのサウンドの指向性(ルーツ)のひとつを示した、リスナーに対する種明かし的啓蒙だと言えるだろう。

 2000年代に入って、その〈ワッキーズ〉レーベルのカタログがベルリンのテクノ・プロダクション/レーベル:ベイシック・チャンネルによってリイシュー配給されたことも象徴的な出来事だったが、その後もレゲエとディジタル・ダブとエレクトロニカの分野の相互干渉と拡張はヨーロッパ全体で実に自然な成り行きのなかで進行し、折りに触れてジャマイカの源流を仰ぎ見ながらも、独特の、低温度でダークでヘヴィーなサウンドを醸成してきた。

 本作はその"支流"の最先端から、またも欧州型ダブ・エレクトロ・クリエイションとホレス・アンディとの相性のよさを再発見しよう、という企画である。とはいえアンディは近年も(彼らもブリストル・サウンドの代表的ユニット)アルファとのコラボでアルバムを発表したり(『Two Phazed People』)、UKハウス界のレゲエ通アシュリー・ビードルとも、〈ストラット〉レーベルの人気の異種ジャンル交配シリーズ〈Inspiration Information〉の一環でアルバムを作ったり、クラブ・ミュージック・クリエイターからの引きが切れなかったゆえに、いまとなってはこの種の作品に新鮮味を感じない人も多いだろう。

 ただ、本作の出口はハンブルクのダブ・レーベルの名門〈エコー・ビーチ〉だけに、その支持者がヌルい音で満足しないことはプロダクション側が一番よくわかっている。参加したクリエイターはレーベルに縁の深い名だたる面々で、ブリストルの顔役ロブ・スミス(RSD)、ベルリン・レゲエ・シーンの重鎮フロスト&ヴァグナーのオリヴァー・フロスト、ベルリンのダブ・テクノ・クリエイターのラーズ・フェニン、オーストリア/ウィーンから世界的名声を獲得したダブ・バンド:ダブルスタンダート、スイスのダブ・ユニット:デア・トランスフォーマーetc.......。

 肝心の収録曲は、前掲"Cuss Cuss"や"Money Money"、さらには"Skylarking"など、アンディのクラシック・チューンの焼き直し。〈エコー・ビーチ〉は、UKの名レゲエ再発レーベル〈ブラッド&ファイアー〉の古典ダブ音源を新世代のテクノ・クリエイターにリミックスさせた刺激的な〈Select Cuts〉シリーズの発売元でもあるから、昔の曲を聴かせるならこれもリミックス企画でよかった、という声も上がりそうだ。あるいは、この面々の作る音で新たに吹き込むなら、新曲のオリジナル・アルバムが聴きたかった、という意見も出るに違いない。しかしながら、ミニマル・ダブもダブステップもブレイクビーツもクラシカルなダブのセオリーもすべてが手段として前提化している上に、楽曲自体にも目新しさがない、というところまで自らハードルを上げておいて、この面々でアンディ・クラシックスの2013年版を提示しようとするわけで、つまりはそのレーベルの野心とクリエイターそれぞれの手腕とイマジネイションこそがまさに聴きどころだと捉える人なら、多くの曲でかなりスリリングな体験ができるはずだ。

 7楽曲で15トラック。つまりダブ・ミックスへの展開まで収録した曲があれば、同一曲を複数のクリエイターがそれぞれのヴァージョンにいちから作り変えた曲もあって、豊かなヴァージョニング・アートの妙が展開される。といっても、奇矯なトラックやミックスで驚かせるわけではない。還暦越えにしてなおもみずみずしいアンディの声は、その美点を削がぬようにとても丁重に扱われている。そしてカネに狂わされる人間の性(Money Money)、仕事、階級社会、若者の退廃(Skylarking)、善悪観念(Bad Man)、争いごと(Cuss Cuss)といった普遍的な曲のテーマ、直截的でシンプルな歌詞のリフレインも入念に強調されながら、サウンドとヴォーカルの調和はどれも見事に保たれている。これエイドリアン・シャーウッドがアレで使った技じゃん、というようなツッコミが免れないパーツもあったり、全トラック同じように感心できるわけでもないが、1曲1曲が濃密な仕事の集積であることはたしか。12インチ・シングル4枚とかにバラして出してもらうとよろこぶ人も多いんじゃないか。

 微妙にムッシュ・アンドレやバンクシーもどきなグラフィティ仕立てのジャケットはぞっとしないが、中身はきちんとヨーロッパのストリートの音がする。さすがに20年前のインパクトは望むべくもないにせよ、この我らがレゲエ・レジェンドは、変わらず新しい音に興味と理解を示し、そしていまもその上で自分の特性をきちんとアピールできている。

ヤン富田・オーディオ・サイエンス・ラボラトリー公式blog開設のお知らせと、GW5/5(日)浅草アサヒ・アートスクエアでのパフォーミング・アーツ「実存と構造と生命体」公演開催のお知らせ。

稀代の音楽家マエストロ・ヤン富田主宰・オーディオ・サイエンス・ラボラトリーの公式のblogが開設されました。2006年以降、日本科学未来館、GALLERY360°、原美術館、新潟・ビュー福島潟、YCCヨコハマ創造都市センター、恵比寿LIQUIDROOMといった独自の雰囲気と圧倒的な存在感をもった環境で、近年精力的に公演を行っている音楽家にして研究者ヤン富田の、それぞれの公演当日の記録、そして一部公演のSET LISTなども掲載された、貴重なアーカイヴが、遂に公開されました。
https://asl-report.blogspot.jp/

そして、来るGW5/5(日)には、浅草アサヒ・アートスクエアにて、ヤン富田パフォーミング・アーツ「実存と構造と生命体」が昼の部と夜の部の一日2公演で開催される事となった。まさに"体験する" という言葉がぴったりな、そのパフォーマンスのひとつひとつが新作ともいえる、氏のバリバリの立体音響な最新の公演もお見逃し無く。(コンピューマ)

ヤン富田 パフォーミング・アーツ
『実存と構造と生命体』

実存を音、構造を音楽として位置づけると、
音には発する音そのものの理由が生ずる。
その音の理由を解放するパフォーマンス。

日時:5月5日(日)
昼の部 14時30分開場/15時開演
夜の部 18時開場/18時30分開演

会場:アサヒ・アートスクエア
会場へのアクセス
https://asahiartsquare.org/ja/access/
東京メトロ銀座線「浅草駅」4、5番出口より徒歩5分
都営地下鉄浅草線「浅草駅」A5番出口より徒歩10分、
「本所吾妻橋駅」A3出口より徒歩6分
東武線「浅草駅」より徒歩6分

料金:前売り3800円/当日4300円

出演:ヤン富田

前売り予約・問い合わせ:WINDBELL
https://windbelljournal.blogspot.jp/2013/03/55.html

主催:オーディオ・サイエンス・ラボラトリー
アサヒ・アートスクエア協力事業

2週間後の僕らはソナーへ - ele-king

 「アドヴァンスト・ミュージック(進歩的音楽)」とは? その祭典を宣言する〈SonarSound Tokyo〉(以下ソナー)が今年もこの春、〈ageHa/STUDIO COAST〉で2日間にわたって開催される。
 例年どおり豪華極まりないラインアップで、UKテクノの大御所LFOやカール・ハイドのソロをはじめ、エイドリアン・シャーウッドとピンチがタッグを組む最強ダブ、ポスト・ダブステップの荒野からシンセ・ポップの波を漂うダークスター、アンビエント・テクノの新たな領域を切り拓くアクトレス、テクノとジャズと現代音楽を操る若き奇才ニコラス・ジャー、インディ・クラブを中心に次々とアンセムを送り出している新世代トラックメイカーtofubeatsなどなどなどなど......が、たった2日で勢揃いする。先鋭的なエレクトロニック・ミュージックを中心としながらも、面白い音であればジャンルも問わない自由度の高さで集められたラインアップである。
 また、〈Red Bull Music Academy〉がホストを務め気鋭のアクトを紹介するショウケースも、今年もバッチリ用意されている。〈テンパ〉のダブステップ周辺からアディソン・グルーヴやコスミンTRG、ベース・ミュージックのサイケデリックな場所に挑戦するイルム・スフィア、日本からはソウルフルなディープ・ハウスが世界中で高い評価を受けているsauce81など......光る才能がひしめいている。ある意味、ここが今年のソナーの肝と見て間違いはないだろう。未来を予感させる。
 だが何よりも、ソナーは自分の聴覚の新たな領域に挑戦せんとするあなたの姿勢によって完成されるイヴェントであるだろう。刺激的な音を、ときには思い切り踊り、ときにはじっくりと聴き入り、ときには視覚と共に体験しようとする好奇心こそを。そこで生まれるものこそを、アドヴァンスト・ミュージックと呼ぼうではないか。
 以下は、エレキングの20代男子3人によって深夜に繰り広げられた大放談(のいち部)である。そう、早くもソワソワしてしまっています。踊りたくて、楽しみたくて、ウズウズしています。あまりに話がまとまらないので僕は泣きましたが、それだけ楽しみ方が豊富に用意されているということでしょう! あと2週間少し辛抱して、会場で会いましょう。そしてあなたの体験について聞かせてください。

木津: 今回は、それぞれ期待するアクトの3つを挙げてくるということだったんだけど。僕が上から、ニコラス・ジャーダークスターアクトレス

斎藤: 僕はダークスター、エングズエングズ、トーフビーツ、あとボーイズ・ノイズですね。

竹内: 僕はまだ、定まらないんですよねー。観たいのがちょいちょいわかれてて。xxxy、サファイア・スロウズ、ジョン・タラボットあたりは絶対観たいけど。

木津: たしかにかなりのアクト数で、絞るのが難しいよな。

竹内: 比較するなら、エレグラよりも明確な重心がない感じ。

斎藤: そもそもこのソナーっていうイヴェントはなんなのですか?

木津: もともとはバルセロナ発祥のエレクトロニック・ミュージックが中心のイヴェントで。

竹内: 94年発で、02年から日本でもやってるんだ。しかも毎年。とすると、イベント・イメージは微妙に変化しているのかもしれないですね。

木津: うん。さっきのエレグラとの違いで言うと、ざっくりだけどもうちょっと振れ幅が広いというか、エレクトロニック・ミュージックやクラブ・ミュージックを中心として、そこからポスト・ロックっぽいものとか、エレクトロニカなんかに緩やかにはみ出していく感じ。「インターナショナル・フェスティヴァル・オブ・アドヴァンスト・ミュージック」と銘打たれてる。

竹内: toeとかいますもんね。グリーン・バターはヒップホップだし。でも、どちらも気持ちいいだろうなあ。

木津: そうか、ヒップホップ。たしかに。

竹内: 20代のリスナーの期待となると、やっぱりアクトレスあたり?

木津: アクトレスは観たいなあー! 『R.I.P.』の、あの繊細なスリルに満ちたテクノが、ライヴでどんな風に再現されるのか、あるいは変貌するのか。

斎藤: 僕はアウェイのトーフくんがどうかましてくれるのかに相当期待してます。

竹内: トーフ君はアウェイなの?

木津: そんなことないでしょ。

斎藤: なんだかんだ彼はJ-POPじゃないですか。こないだ改めてDJみたんですけど。

竹内: しかし、トーフビーツくんの名前は本当にいろんなところで見るようになったね。同年代で、リミックスしてもらってる立場からすると、どうなの? 応援したくなる?

斎藤: そりゃ、だって、アクトレスと同じイヴェントに出るんですよ! 超あがりますね。

木津: いいねえ。

斎藤: 若いひとたちにとって、ひとつの決め手になると思います。「他のメンツやばいし超楽しみだけど、トーフくん応援しに行きたい」って。ほぼ歳同じやつがこんな大舞台でやってたら、うおおおおおってならないほうが嘘でしょ!

木津: LFOとカール・ハイドと同じステージやもんね。

竹内: そこで言うと、やっぱりサファイア・スロウズでしょう!

斎藤: たしかに、たしかに。

竹内: あの子も相当ですよ。〈ノット・ノット・ファン〉~〈100%シルク〉~〈ビッグ・ラヴ〉という強い流れでキテるし。去年の、エレキングとのシブカル祭。で観て、ホントにかっこよかったんです。けっこう踊れて。〈NNF〉周辺では、よりダンサブルな女性アクトが出て来てる印象。

斎藤: やっぱり、若者にとって歳近くて共鳴できるアーティストが活躍しているのはとても大切なことだと思うんですよ! 今回のラインナップの要といってしまっても過言ではないかと!

木津: はははは。おじさんがLFOを観に来ているなか、かましてくれたらいいよね。や、僕はLFOすごく楽しみだけど。

竹内: 90年代〈ワープ〉の立役者だけど、アルバムは03年の『シース』が最後ですよね。ライヴはどんな感じなのかな?

木津: 本邦初公開って書いてるねえ。僕は2、3回観てるけど、LFOのライヴって音源よりもめちゃくちゃBPMが速くて。

竹内: へえ。

木津: けっこうアグレッシヴにゴリゴリ押してくる感じなので、たぶん初日夜のピークタイムにはなるかと。

竹内: それは想定外だ(笑)。僕は初日の「アゲ」要員ではxxxyを狙ってるんですけど。

木津: それ、僕はどういうのかあんまり知らないですね。

竹内: シカゴ・ハウス血統かな? もともとはダンスの人ではなかったらしいのですが、UKガラージを経由してアップリフトなダンス・ビートへと向かってる。レディオヘッドのリミックスをガラージ・ベースでやったり。

斎藤: (聴きながら)かっこいいですね!

木津: 声ネタのベースライン。いまっぽいね。若手で言うと、ニコラス・ジャーが僕はすごく楽しみなんだけど、ライヴがどんなのかは想像がつかない。

竹内: 未知数ですね。音的にも。

斎藤: 彼は僕と同い年。23才と若いですよね。前にソロのライヴセットは見ましたけど、今回はバンド編成と聴いているのでどうアレンジしてかましてくれるのか楽しみです。

木津: 歌うんだよね。どうせなら、思いっきりトリッピーにやってほしいな。いちばん異色のアクトになってもいいから。想像がつかないで言えば、ダークスターもね! 斎藤くん的に、劇的に音が変わった『ニュース・フロム・ノーウェア』後のライヴの予想はある?

斎藤: 映像を観る限り全員がサンプラー(MPC)を装備していて、かなりバンドとしての意識が高いものになるのではと思います。

竹内: もしかして、アウェイ?

木津: うーん、でも、ソナーはけっこう音楽性もスタイルもバラバラやからね。

竹内: たしかにアウェイというより、他のアウェイの人たちを繋ぎ止める役割を果たすかもですね。「俺たち〈ワープ〉だけど、いまこういう気分でこんな感じだからみんな大丈夫」みたいな(笑)。

斎藤: (笑)以前の暗い曲をどういうアレンジをして、今回の明るめな曲をどう織り交ぜてくるのか。しっかり歌声を聴かせてくれるのではとも思います。彼らに期待するのも、前知識なしで一度ライヴを観ているというのも理由としてありますね。当時、ダブステップすら知りませんでしたから、衝撃でした。アホな感想ですが、これは日本で生まれない音楽だー! とマジで思いました。

木津: それはいい話。たしかに、ブリアル以降として聴いてる耳よりも、ある意味新鮮かも。今回はもっと自由な広がりのある内容になりそうだしね。

竹内: 前にライヴ観てる人の記憶をも、華麗に裏切ってくれるんじゃないかと。

木津: 僕のなかではLFOとか、シャーウッド&ピンチ辺りが、かなり安定してカッコいいライヴをするんだろうなーという予想があって、そんななかで若手が未知数なのはすごく健全だなあと。

竹内: たしかに。その点、サブマーズてのが面白いですよ。

木津: どんなの?

竹内: UKの若手2ステップ~ガラージなんですけど、〈マルチネ〉からも多数リリースしてるひとで。

斎藤: ほええ。なぜ〈マルチネ〉から。

竹内: 僕は最初、そっちを何も知らずに聴いてて。本国では真面目なダンスを作り、〈マルチネ〉ではインディ・ボーイの裏クラシック“agepoyo(あげぽよ)”というのがありまして......。(https://maltinerecords.cs8.biz/97.html

一同: (聴く)

斎藤: 渋谷GAL'sのサンプリングじゃないですか(爆笑)!!

木津: (笑)すげー、それでベースラインやん!

竹内: tomadくんのネット監視の成果。って言ったら怒られるかな(笑)。

斎藤: アガル↑↑↑↑↑

竹内: この辺を果たしてやるのか。やってほしいけど(笑)。

斎藤: やってほしいですね!!

木津: やらないと意味ないんじゃない(笑)?

竹内: これは期待できますね(笑)。楽しみになってきた。辰也、エングズエングズは?

斎藤: 最高!!!

木津: その話をしてよ。

斎藤: まさかこんなに早く〈フェイド・トゥ・マインド〉(〈ナイト・スラッグス〉の姉妹レーベル)のアクトが日本で観られるとは思いませんでした。ジャム・シティしかり、ヴェイパーウェイヴとは遠くない感性があって、合成感とでもいいましょうか、『DIS magazine』が好みそうな。そういう連中が日本に来てくれることが嬉しいです。

竹内: たしかにDISだねー。ディストロイドっていうんだっけ。

斎藤: それはヴェイパーウェイヴと対照的に、流行らなかったタグですね。

木津: (聴きながら)でもヒップホップ感覚もすごく自然に持ってるね。

斎藤: そうですね。やっぱグライムがあるのかもと。

竹内: ちょっとジュークぽさもあるのか。

斎藤: やっぱり、〈ソフトウェア〉あたりとも遠くないです。彼らのリミックスをしているトータル・フリーダムも来日していますし、そこら辺りのインターネット/PC加工感まる出しの連中が実はこぞっている感じも、ヤバいと思います。

竹内: たしかにこのリミックスはヤバいね。

斎藤: こないだ工藤キキさんがレポート書いてましたけど、あの感じを体験したいです!

竹内: あの感じか。

木津: あの感じね。ドーム・ステージのホストを務める〈Red Bull Music Academy〉というのが、そういう未知なる才能を拾って育てようとしてるみたい。今年のラインアップを見た感じでは、さらに新しい音を貪欲に拾っているよね。

竹内: そういや、ボーイズ・ノイズの話がまだ......。これは任せた。

斎藤: 超楽しみなんですけど(笑)。まあ、ぶっちゃけEDMに聴こえるわけじゃないですか。でも彼はとっても硬派で、客をチャラチャラさせるための音楽ではないんですよ。

竹内: そうなの?

斎藤: だって彼はEDM嫌いですからね。

竹内: それよりはロック的なノリに近い感じ?

斎藤: 遠くないですね。彼の音聴いて、間違いなくハード・ロック好きだなと思ってたら、インタヴューしたとき、AC/DCのパロディーTシャツ着てましたからね。で、AC/DC好きですかって訊いたら好きだって。

木津: でも、たしかにハード・ロック感はあると思う。ノリっていうか、男の子っぽさね。

斎藤: “サーカス・フル・オブ・クラウン”の酩酊感あるベースとか、カッコいいですよ。彼もけっこうアウェイ感あるじゃないですか。

竹内&木津: うん。

斎藤: そこは満場一致かよ。インディ野郎どものなかで、彼がどうアゲてくれるのか楽しみです。トーフくんも同様ですね。

木津: なるほどねえ。でもボーイズ・ノイズは自分のレーベルで、シーパンクやベースラインを取り込んだコンピも作ってるもんね。今回DJだし、その辺りも含む幅の広いプレイになれば、じつは今年のソナーにバッチリ合うのかも。

斎藤: フェスという観点で期待したいのは、〈アゲハ〉ってそもそも常時フェスみたいな会場なんですよ。アミューズメント・パーク。ステージはいつも数か所ある。そういう環境でいかに特別な「フェス」として成立するのか。そこに注目してます。他のイヴェントとの差異がどう出るのか楽しみです。

木津: ちょっとアート・オブジェ的なものも出たりすんだけど、わりと「場」としては自由な作りにはなってるんだよね。

竹内: 疲れたらゆっくりできる感じですか?

斎藤: 外でメシ食えますよ。

木津: しかし、たしかに“あげぽよ”とアクトレスが両立するイヴェントっていうのはすごいよなあ。

斎藤: (笑)

竹内: テン年代的だし、いかにも日本ぽい。

斎藤: まあ、フェス感がどんな風に出るかが僕はいちばん楽しみです。

竹内: じゃあフェス感とは?

斎藤: そのフェスだからいく、と思わせるような何かです。フジロックってだけでいくひといるじゃないですか。ソナー野郎というのがいるのかという。

木津: 僕は今回友だちを連れて行く予定やけど、まあそいつは、ソナーだから行くって感じやけどね。

斎藤: ほお。ソナラーが。

竹内: ソナラーって(笑)。生のソナラーの声とは。

木津: いや、そいつもオールナイトのイヴェントとか、そもそも行き慣れてなくて。去年スクエアプッシャー目当てで行って。で、いろんなアクト観たりとか、それ以上に、オールで頑張って踊りながら明かすって場が楽しかったみたいで。で、ソナーって音楽としてはアーティなアクトが揃っているので、そういう聴いたことのない音楽に出会えるきっかけぐらいには思ってるかも。

竹内: おおー。

木津: いま、今年出るアクトをいろいろ紹介してるけど、LFOとか、ダークスターの“エイディーズ~”とか、気に入ってるよ。

竹内: 2013年ソナー的にはバッチリじゃないですか。

斎藤: なんか今回は、とてもアングラ感がゴチャゴチャしていて、出演者同士、張り合いみたいになって愉しいのでは。

竹内: ダンス系のフェスとはいえ、ひとつひとつのアクトがお互いにほぼ無関係くらいの距離感てのが面白いですね。

斎藤: それはマジで言えますね。そのなかで張り合ってほしい。

木津: うん、それだけいまのエレクトロニック・ミュージックの範囲が広がってるんだと思うし、それをドキュメントし得るラインアップになってると思う。だから、今年のソナーに関しては、目当てのアクトもいいけど、よく知らないアーティストにチャレンジしてみるのもいいんじゃないかな。

竹内: “あげぽよ”からディストロイドまで、一気に駆け抜ける夜にしましょう!

木津: ま、2日目は寝不足でもね(笑)。

斎藤: やっぱ踊り明かすのが最高でしょ! ダンスをするのが超大事! カルチャーは僕たちが踊りながら作る!


■MoreInformation
BEATINK www.beatink.com 03-5768-1277
www.sonarsound.jp www.sonar.es

Chart Meditations 2013.03 - ele-king

Shop Chart


1

Ferial Confine - The Full Use Of Nothing Siren Records
英ドローン作家Andrew Chalkによる初期のノイズ名義、Ferial Confineの伝説的な85年録音ものが遂にCD再発。金属の軋みノイズの種を水分多めで育てあげ、野に放ち、野生化させたような、生々しく儚い感触があります。

2

Cankun - Culture Of Pink Hands In The Dark
Not Not Funでお馴染みのシンセシスト、Cankunの新LP。Co LaやHeatsick、Peaking Lightsらに通じる抜け感のポップさ、継ぎ接ぎのビートからは南国の風が吹き抜けて何処までも心地良くダンスします。

3

Robert Lawrence / Mark Phillips - The Dadacomputer: The Birth Of 5XOD Iceage Productions
81年の知られざるインダストリアル/電子音楽な怪作がCD再発。目玉はMinimal WaveのVAに収録されていたComputer Bankでしょう。早過ぎたアシッドハウス+インダストリアルとも言うべきバキバキの劣悪電子音が駆け巡ります。

4

MV & EE - Fuzzweed Three Lobed Recordings
ベテランのサイケ夫婦MV & EEの最新作。雄大なドローンのサイケデリア、優しく響くコーラスの調和、B面の組曲では爆発的な熱量のインプロ放出ありと、膨大な作品数と比例した宇宙ドローンの無限の広がりは目を見張るものがあります。

5

Gnod - Presents.. Dwellings & Druss Trensmat
サイケバンドGnodが突如として、ポストパンクやインダストリアル/ミニマル・テクノの黒い影響を感じさせる極圧振動ビートを発表。破壊力抜群で、再生した途端に目や耳には感じ取れない分厚く黒い雰囲気がモクモクと沸き上がります。再入荷予定あり。

6

Birds Of Passage / Je Suis Le Petit Chevalier / Motion Sickness Of Time Travel / Aloonaluna - Taxidermy Of Unicorns Watery Starve Press
現行地下シンセ界の強力女性作家4名によるスプリット2カセット。葉っぱや毛糸が挟み込まれたパッケージ+大判ジンという丁寧な作りで、フィジカルでこその感動があります。

7

CHXFX - The Unhaptic Synthesizer Further Records
Maurizio Bianchi、Kplr、Hieroglyphic Being、Conrad Schnitzler系の狂ったの出てきました。緩やかに起動した電子機器が徐々に勢力を増し、脱線&分離&集合を繰り返す強力な電子音の嵐。

8

Transmuteo - Transmuteo Aguirre
全新人類に...現行ニューエイジの雄、Transmuteoによる初LP。ナレーションに載せて満ちるデジタルの波、夕陽が浮かぶ楽園風景、神経内の機械都市が活発化するアシッド、ヴェイパー的スクリューなどなど、3Dヴァーチャルな世界観の更なる拡張がなされています。

9

Alex Cima - Cosmic Connection Private Records
シンセ狂レーベルPrivate Recordsより、79年のコズミック過ぎるディスコ/ジャズのカルト名盤が遂に再発。黄ばんだネオン管から広がる華やかな町並みや、快適な宇宙生活を夢見る幻想が、シンセの音色からモクモクと立ちこめて虜にさせてくれます。

10

S.M. Nurse - 30th Anniversary: 1980?-?1983 Domestica
80年代初期のオランダ地下のミニマルシンセユニットが発掘。プロト・テクノ/アシッドな熱量、秀逸なサンプリング、歪な電子音と男女ボーカルのダンスからなる圧倒的なグルーヴと、文句無しに唸らせられる必殺曲ばかりです。

KEIHIN(ALMADELLA/Maktub) - ele-king

過日、紙のele-kingの企画で三田格さんと倉本諒さんとINDUSTRIAL対談しました。
ダンスミュージック限定の私的INDUSTRIAL10選です。
意外に最近の盤が多くなりました。
どれも思い入れのあるレコードなんで、興味のある方は是非チェックしてみてください。

3月29日(金)ニューパーティー"Maktub"をAIRにて始動致します。
https://www.air-tokyo.com/schedule/1334.html

私的INDUSTRIAL10選


1
Ken Bennet / David J. Wire - An Introduction To The Workplace - Downwards

2
Outline Meets Surgeon - Blueprint 7 - Blueprint Records

3
Deuce - Deuce EP - Ostgut Ton

4
Surgeon - Whose Bad Hands Are These? (Disinvectant Dislocated Finger Mix) - Dynamic Tension

5
The Weakener - What Do You Know About It - Wordsound Records

6
O/V/R - Post-Traumatic Son (Marcel Dettmann Mixes) - Blueprint

7
Ugandan Methods - Beneath The Black Arch - Ancient Methods

8
Aphex Twin - Ventolin - Sire

9
Vex'd - Degenerate - Planet Mu

10
Karenn - Sheworks 001 - Works The Long Nights

Chikashi Ishizuka(Nice&Slow) - ele-king

今春からアナログレコードレーベル(NICE&SLOW)始動します
chikashi.ishizuka@facebook.com

手前味噌


1
ColorsSoundSystem - AR - Lovemonk

2
Ajello - KalinbaTune - Retrospective

3
Cottam - Irework - SoundOfSPeed

4
ChristianBurkhardt&SashaDive - Bogota - raummusik

5
Disco_Cuatro - MojoWorking - CVLT_Edits

6
Bunny_Mack - LetMeLoveYou - SUPAFRICO

7
Crowd_leaser - Nenekri(dub) - Turbo

8
Asid_Monday - El_Recorrido - DeepVibes

9
Chikashi_Ishizuka - Step_forward - Nice&Slow

10
Chikashi_Ishizuka - Boogi_man - Nice&Slow

Dazzle Drums - ele-king

NagiとKei Suganoの男女2人組ユニットで、それぞれDJは90年代から、楽曲制作は05年から活動しています。LOOPの閉店に伴い、毎月日曜日に開催していたBlock Partyを一時期休止しておりますが、その時間の空きを制作やその準備につぎ込んでいる日々です。昨年夏から各方面にお問い合わせ頂いたOnce In A Lifetimeのオーヴァーダブが、ようやく3月中にはアナログリリースされるとのこと。チャートは素直に自分達がいまプレイして楽しいものを新旧選ばせていただきました。
https://www.dazzledrums.com

Dazzle Drums Chart March 2013


1
DJ Greg, Hozay, Lisa Moore - Give Me (DJ Spen & Thommy Davis Mix) - Quantize Recordings

2
Angela Johnson - Love (Souldynamic Zanz Deep Mix) - Tony Records

3
Daniel J, DJ Jaz, Dahrio Wonder - I Can't Get Enough (Harlum Remix) - Moulton

4
Lil Soul - New Day (Abicahs Reloaded Vocal Mix) - Abicah Soul

5
Dino Lenny - West End Girls (Original Mix) - Strictly Rhythm

6
Intruder - U Got Me - Murk

7
Romanthony - The Wanderer (Dixon Edit) - Glasgow Underground

8
Can - Vitamin C (Joe Claussell Edit) - Sacred Rhythm Music

9
Sister Sledge - Lost In Music (DK Edit) - CDR

10
10. Talking Heads - Once In A Lifetime (NK Overdub Of Moplen RMX) - NKRMX004
  1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 100 101 102 103 104 105 106 107 108 109 110 111 112 113 114 115 116 117 118 119 120 121 122 123 124 125 126 127 128 129 130 131 132 133 134 135 136 137 138 139 140 141 142 143 144 145 146 147 148 149 150 151 152 153 154 155 156 157 158 159 160 161 162 163 164 165 166 167 168 169 170 171 172 173 174 175 176 177 178 179 180 181 182 183 184 185 186 187 188 189 190 191 192 193 194 195 196 197 198 199 200 201 202 203 204 205 206 207 208 209 210 211 212 213 214 215 216 217 218 219 220 221 222 223 224 225 226 227 228 229 230 231 232 233 234 235 236 237 238 239 240 241 242 243 244 245 246 247 248 249 250 251 252 253 254 255 256 257 258 259 260 261 262 263 264 265 266 267 268 269 270 271 272 273 274 275 276 277 278 279 280 281 282 283 284 285 286 287 288 289 290 291 292 293 294 295 296 297 298 299 300 301 302 303 304 305 306 307 308 309 310 311 312 313 314 315 316 317 318 319 320 321 322 323 324 325 326 327 328 329 330 331 332 333 334 335 336 337 338 339 340 341 342 343 344 345 346 347 348 349 350 351 352 353 354 355 356 357 358 359 360 361 362 363 364 365 366 367 368 369 370 371 372 373 374 375 376 377 378 379 380 381 382 383 384 385 386 387 388 389 390 391 392 393 394 395 396 397 398 399 400 401 402 403 404 405 406 407 408 409 410 411 412 413 414 415 416 417 418 419 420 421 422 423 424 425 426 427 428 429 430 431 432 433 434 435 436 437 438 439 440 441 442 443 444 445 446 447 448