「UR」と一致するもの

Cults - ele-king

 M.I.A.が彼女のレーベルからブルックリンの男女をデビューさせたように、リリー・アレンも自分のレーベルの第一弾として、サンディエゴ出身の男女のデビュー・アルバムをリリースした。こうしてレーベル運営にも女性が進出しているというか、逆に言えばインディ・レーベル・シーンがいかに男に偏っているのかがわかる。
 またこれは、M.I.A.やリリー・アレン世代がポスト・フェミニズムにおける前向きさをあらためて印象づける事態とも言えるかもしれない。M.I.A.のスライ・ベルズは、僕は苦手な音楽だったけれど、好みを抜きにして言えば、新しいことに貪欲なM.I.A.らしい過剰なエレクトロ・サウンドだった。が、リリー・アレンのレーベルからおでましのカルツは、いわばザ・シャングリラス、すなわちティーン・ポップ、またはガール・ポップ、要するに懐メロだ。フィル・スペクター・リヴァイヴァル印の付いた、リヴァーヴ・サウンドで、いずれにしても......ベスト・コーストザ・モーニング・ベンダーズザ・ドラムスとか、ここ数年流行の懐メロ・リヴァイヴァルのひとつとも言える。
 もっとも、ここまで来ると本当に「リヴァイヴァル」なのかとも思えてくる。過去40年、ポップ・ミュージックは前に進むために過去を参照してきた。ザ・ビートルズは50年代のロックンロールを演奏し、ブロンディーはオールディーズを、セックス・ピストルズはストゥージズやクラウトロックを、ストーン・ローゼズやプライマル・スクリームはザ・バーズを、デトロイト・テクノはクラフトワークを......といった具合に過去をつまんで前に進んできたと言える。が、ここ数年のポップ・ミュージックにおけるノスタルジーは、もう本当に決定的に過去に戻りたいという欲望の表れではないかと思えてくる。最近セカンド・アルバムを発表したキティー・デイジー&ルイスのように、ジャズではザ・グレッグ・フォート・グループが徹底したアナログ録音にこだわっているが、彼らは過去を参照するなんて生やさしいものではなく、過去を現在に戻したいかのように思える。そして、欧米のこうした若者文化による引き戻し運動を見ていると、本当に心の底から現在がイヤなんだなーと思えてくる。それだけ大人が築いた"現在"が味気なく、面白くないのだ。そもそも彼らは......自分から「懐メロ」と書いておいて我ながら矛盾しているが、60年代前半のガール・ポップを懐かしむような40代/50代/60代ではなく、その頃は生まれてもいない20代の若者なのだ。

 カルツは、昨今のティーン・ポップのなかではかなり優秀だと僕には思える。単純な話、曲が良い。徹底的にドリーミーなところがまず良いし、ポップだし、10年代のロマンスがいっぱい詰まっていそうだ。また、アルバムのなかでもベストだと思われる"ゴー・アウトサイド(外に出よう)"――なんだかソーシャル・ネットワーク依存型社会への批評みたいな曲名だが――、この曲の冒頭のヴォイス・サンプリングは、明らかにこれがモダンなポップ・ミュージックであることを明かしてもいる。
 "ユー・ホワット・アイ・ミーン"のようなバラードもよく出来ているし、彼らの音楽に嫌な感情を持つ人はあまりいないのではないだろうか......と思っていたら『タイニー・ミックステープス』がなかなか面白い酷評をしていたので紹介しておこう。いわく「たとえばヴィヴィアン・ガールズなど、最近のUSのローファイ・ガレージには60年代スタイルが散見される。が、彼らの60年代にチャールズ・マンソンは出てこない。60年代のガール・ポップにはいっしょに踊りたくなるような側面ばかりではなく、ザ・クリスタルズの悪名高き"ヒー・ヒット・ミー(イット・フェルト・ライク・ア・キッス)"(彼は私を殴った、キスみたく)、あるいはザ・シャングリラスの"リーダー・オブ・ザ・パック"やトウィンクルの"テリー"のような(2曲とも命知らずの彼氏の死を悼む)絶望的なトラウマ・ソングもある。カルツはそのどちらにも達していない」
 カルツの音楽は好きな人といっしょに踊りたくなるようなパワーはあると思うので、僕はこの意見には同意しないけれど、いま振り返ると華やかに見える60年代やガール・ポップには死の影があるという指摘は鋭い。いくら現在がつまらないとしても、過去を美化し過ぎるのも危険だ。この手のヴィンテージ志向の底の浅さを露呈することにもなる。ただし、レイヴ・カルチャーのように悪いこともあったけれど、良いことのほうが多かったというのもある。アルバム最後の曲"レイヴ・オン"も面白い。

Chart by JET SET 2011.06.27 - ele-king

Shop Chart


1

DOC SEVERINSEN

DOC SEVERINSEN BE WITH YOU / YOU PUT THE SHINE ON ME (DJ HARVEY 12" CUTS) »COMMENT GET MUSIC
オレゴンのトランペット奏者Doc Severinsenが'76年にEpicからリリースしたジャズ/フュージョン名盤"Night Journey"の収録2作品を、DJ Harveyがリエディットした話題の一枚が遂に入荷。Harvey自身も勿論プレイ!!

2

COS/MES

COS/MES SADISTIC SKATEPARK - 2011 RE-MASTER VER. »COMMENT GET MUSIC
2007年にリリースされ、既に廃盤となった現在、某サイトでは1万円を越える高騰を見せている幻の1st.アルバム『Sadistic Skatepark』が、JVCマスタリングセンターの重鎮、小鐵徹氏によるリマスタリングを施されて遂に再発。

3

MANKIND

MANKIND METRO CITY BLUES EP »COMMENT GET MUSIC
Vakulaのリリースで御馴染みの"3rd Strike"から新作が到着です!!良質なビートダウン作品のリリースが相次ぐ"3rd Strike"から、"Late Night Audio"コンビのToby TobiasとDanny Clarkによる匿名ユニットと思われる"Mankind"による大推薦ソロ・デビュー作が登場!!

4

BULLION

BULLION MAGIC WAS RULER »COMMENT GET MUSIC
リリース即廃盤となったミニ・アルバム"You Drive..."収録曲のフル・ヴァージョン3曲に、新曲"Good News on Her"を加えた4曲入り12インチ!!今回も完全限定です。お急ぎ下さい!!

5

DJ KENSEI

DJ KENSEI ULTIMATE BACK INTO TIME VOL.2 »COMMENT GET MUSIC
記念すべき第1弾をを飾ったDJ Doc.Holidayからバトンを受けるのは今も現役バリバリの求道者、DJ Kensei。お題は、90'SにKenseiくんがプレーしていたアブストラク・ヒップホップ。By DJ Doc.Holiday

6

V.A.

V.A. BROWNSWOOD ELECTR*C 2.1 »COMMENT GET MUSIC
超新星Gang Coloursを発掘するなど、最前線UKベース方面へと舵をきったGiles Peterson率いる名門Brownswood。ジュークや新型D'n'B新鋭も参加したコンピからのカット第2弾です!!

7

LUCKY PAUL

LUCKY PAUL SLOW GROUND EP »COMMENT GET MUSIC
名門Brownswoodからデビューを飾ったポストJoy O最有力候補新鋭Eliphinoのリリースで幕開けた当店直撃レーベルから、またしても強力過ぎる新星がデビューです!!

8

RADIO SLAVE (YOUANDME & RHAUDER EDIT) - K-MAZE

RADIO SLAVE (YOUANDME & RHAUDER EDIT) - K-MAZE »COMMENT GET MUSIC
OrnamentsからPaul St. HilaireことTikimanをフィーチャーしたシングル「No News」で注目された新鋭Rhauderをパートナーに迎えたyouANDmeによるエディット・シリーズ第4弾!!

9

BEAT BROKER

BEAT BROKER PACIFIC BREAK »COMMENT GET MUSIC
Harveyも絶賛のGhost Town発Jerry Williams"Easy on Yourself"リエディットも当店大ヒット、西海岸バレアリック重鎮Ryan Bishopの新曲が、DJ Ritesh(American Standard)とTony Watson(ex. Wax Records)主宰新レーベルの第1弾として登場!!

10

JOOLS HOLLAND AND HIS RHYTHM & BLUES ORCHESTRA

JOOLS HOLLAND AND HIS RHYTHM & BLUES ORCHESTRA DANCE THE SKA VOL 2 EP »COMMENT GET MUSIC
クボタタケシ・ファンもれなく直撃の激キャッチー・ビッグバンド・スカ!!爆発人気500枚限定7"シリーズ第2弾は、今回も超豪華ゲスト・シンガーを迎えての名曲カヴァー4曲収録です。

The Middle East - ele-king

 日本に住んで生活していながら、どうしてこんなにも海外の音楽に思い入れるようになってしまったかは、いまだに理由はよくわからない。が、ゼロ年代のいわゆるアメリカーナと呼ばれた音楽を自分が気にしていたのは、アメリカに住みながらそのことにどこかで居心地の悪さを覚えているアメリカ人たちが、過去の音楽を発掘しながら「アメリカ」の物語を再編し自分たちのものに取り戻そうとしている様がスリリングだったからだと思う。フォーク、カントリー、ブルーズがエレクトロニカやポスト・ロックと邂逅し、モダンなものとして生まれ直していくその過程にはどこか切迫感があって、シリアスなものだった。その、ある種の重さに僕は惹かれてきたのだと思う。それを聴くとき日本にいる自分はぼやけて、普通に生活していたら知りようもないアメリカで生きることの過酷さに思いを巡らせることができる。

 ザ・ミドル・イーストはオーストラリアのインディ・バンドで、国内盤の帯にはフリート・フォクシーズスフィアン・スティーヴンスアーケイド・ファイアの名前が比較対象に挙げられているが、そうした現在の北米のインディ・ミュージックの反響で......というか、それらに対する憧れで出来ているバンドだと感じる。正直、オーストラリアの現在のインディ・ミュージック・シーンがどのようなものであるかの知識はないが、ここ数年のUSインディの系譜に置くとしっくりくる。ウィルコのような(既に懐かしい言葉だが)「オルタナ・カントリー」調の曲もあり、ゼロ年代のアメリカーナからの影響が基本にある。2005年結成、2009年に本格始動、本作がデビュー作である。さらにバイオ的なことを続けると、スモッグのビル・キャラハン、オッカーヴィル・リヴァーの前座を務め、2010年にはイギリスのマムフォード&サンズとツアーを回っている。ブリティッシュ・フォークのテイストとアメリカーナの要素をブレンドしてポップ・ソングに仕上げたマムフォード&サンズの大ブレイク(と、案の定ピッチフォークに酷評されている様)なんかを見ると、大きく言ってフォーク・ロックのいまの人気ぶりを思い知るが、そういう意味ではザ・ミドル・イーストも旬の音である。
 はじめ3曲がかなり重々しく、陰影が濃いので少しぎょっとするが、やがて素朴で切ないメロディがカントリー調のギターやストリングスの演奏に乗れば、心地良いレイドバック感が漂ってくる。デビュー作らしくやや肩に力が入っていて、13曲のボリュームで自分たちの様々な側面を見せようとしているのが微笑ましくもあるが、音響の実験を演出したいくつかの曲よりも、柔らかいメロディとまろやかなアンサンブルを生かしたシンプルなナンバーたち、例えばストリングスがドラマティックに盛り上げて静かに退場していく"マンツ"や、軽快なカントリー・ソングの"ダンズ・シルヴァーリーフ"に彼らの良さが出ていると思う。決定的な個性にはやや欠けるが、その分、涼しげな風が吹き抜けるような、奥ゆかしくすらある朴訥な味わいはなかなか爽快だ。時折軽く乗せられる女性ヴォーカルも効果的だ。
 歌詞は幾分抽象的で、はっきりと何を歌っているか特定しにくいのだが、メイン・ソングライターのふたりの解説を読むと、基本的に個人的な心情や周りで起こったことをモチーフとしているようだ。当然と言えば当然だが、ウィルコのように「アメリカ国旗の灰」について歌うような文脈はザ・ミドル・イーストにはなく、アメリカの音楽からの影響を自分たちのものに置き換えようとしている。ラストの2曲、"ナインス・アヴェニュー・リヴァリエ"、"ディープ・ウォーター"へと続くゆったりと流れる時間、それがこのバンドの持ち味だろう。
 野外が似合う音だと思うので、フジロックへの出演は打ってつけだ。出番は初日の昼間、奥地オレンジ・コート。僕も前夜祭で飲み過ぎないようにして、できればザ・ミドル・イーストの涼風を味わいに行こうと思っている。

さよなら原発映画祭 in 熊本 - ele-king

 福島第一原発事故以降、九州や沖縄に避難された方も少なくないと聞きますが、いよいよ九州の熊本市でも脱原発のイヴェントは開催されるようです! 近隣にお住まいの方は注目してください。OTOさんをはじめ、坂口恭平さんなどDOMMUNEに縁のある人たちも出演していますよ。


『さよなら原発映画祭 with Denkikan』

 <原発のない九州>という希望の糸で結ばれたガーランド(花の環)を
母なる大地に捧げます......すべての悲しみとともに <原発のない地球>へ

 311、福島原発事故で大量の放射性物質が日本中から世界へと流出し始めました。原発は日本になんと54基。私たちの住む九州にも玄海原発と川内 原発があります。こんな事態になってもまだ原発は必要なのでしょうか? この美しい水や大地は誰のものなのでしょうか? 原発事故は九州の原発でも起こりうる のです。再生可能エネルギーで電力はもうまかなえる時代になっているようです。この映画を観て、私たちの暮らしやエネルギーについて、母なる自然を敬う地 球市民の文化や社会のヴィジョンを共有し、みなさんとぷくぷく発酵させてゆきたいです。
(by Oto Ravi )

第一弾 『100,000年後の安全』 (7月 2日~7月15日)
第二弾 『ミツバチの羽音と地球の回転』 (7月30日~8月12日)
☆映画上映18:00PMより

上映後のトーク・ライヴ出演者(敬称略)
坂口恭平 / OTO / MOUTHPEACE / 大塚愛 / 菊地洋一 / 松下修 / 吉田俊郎 /
吉田ケンゴ / 正木ゆう子 / 川原一紗 / 鎌仲ひとみ / 東田トモヒロ / 杉田かおる

■料 金
一般¥1800・高大¥1500・3才~中学¥1000・シニア¥1000
身障者割引/留学生割引¥1000
■割引情報
●毎週月曜日:男性のみ 鑑賞料金¥1000
●毎週水曜日:女性のみ 鑑賞料金¥1000
●毎週金曜日:ペアーサービス 鑑賞料金¥1200
●毎月1日:映画の日 鑑賞料金¥1000

詳細

●第一弾 『100,000年後の安全』と上映後のトーク・ライヴ
監督・脚本:マイケル・マドセン(2009年/79分/デンマーク、フィンランド、スウェーデン、イタリア)
フィンランドのオルキルオトに建設中の、原発から出る高レベル放射性廃棄物の最終処分場"オンカロ(隠された場所)"と呼ばれる施設に、世界で初 めてカメラが潜入したドキュメンタリー作品。これから先10万年間、そこに暮らす人々に、危険性を確実に警告できる方法はあるだろうか。彼らはそれを私た ちの時代の遺跡や墓、宝物が隠されている場所だと思うかもしれない。そもそも、 未来の彼らは私たちの言語や記号を理解するのだろうか。誰にも保障できない10万年後の安全。

トーク・ライヴ日程 開演19時30分~
7月2日(土曜日) 坂口恭平(建築家) × OTO(音楽家)
トーク:「ゼロセンターの活動」
音楽:MOUTHPEACE
7月3日(日曜日) 大塚愛(福島県双葉郡川内村の自給自足の大工、避難者)
トーク:「福島から避難してきて」
7月9日(土曜日) 菊地洋一(元原発技術者)
トーク:「福島原発事故後の現在」
7月15日(金曜日) 松下修(パーマカルチャーネットワーク九州代表理事)
× 吉田俊郎(トランジション・タウン・ジャパン)
× 吉田ケンゴ(ミュージシャン、特殊造形アーティスト )
トーク:「シフト・ エナジー」

●第二弾 『ミツバチの羽音と地球の回転』と上映後のトーク・ライヴ
監督・脚本:鎌仲ひとみ(2010年、春、公開)
日本のエネルギーの最前線、上関原発計画に向き合う祝島の人々とスウェーデンで持続可能な社会を構築する人々の取り組みの両方を一本の映画で描い ている。いかにして、自分たちのエネルギーの未来を切り開くのか? 現場からの問いかけは私たちに選択を迫ってくる。また同時に不可能と思われていることを 可能にする人間のエネルギーが、私たちと同じ全く普通の人々の感性と思いが、国の違いを超えて交差し新しいビジョンを描き出すドキュメンタリー映画。

トーク・ライヴ日程 開演20:30pm~
7月30日(土曜日)正木ゆう子(俳人)× OTO(音楽家)
トーク:「精霊の声を聞く」
音楽:川原一紗
8月8日(月曜日) 鎌仲ひとみ(映画監督)× 東田トモヒロ(歌手)
トーク:「家庭のエネルギー・シフト始めました」
音楽:東田トモヒロ
8月9日(火曜日) 鎌仲ひとみ(映画監督)× 坂口恭平(建築家)
トーク:「郷里から始まる新政府」
8月10日(水曜日) 杉田かおる(俳優)
トーク:「九州でわたしにできること」

*当日に映画を観覧された方は、トーク・ライヴは無料になります。
*映画を観覧された方は半券をお持ちいただくとトーク・ライヴは500円で入場できます。

フード出店:とぅから家。(対放射能レシピを盛り込んだ屋台かふぇ)
(https://blog.goo.ne.jp/tukarasya)
Private Lodge
(https://www.private-lodge.net/)
ステージデコ :ひょうたんランプ社 (バリ島のアーティスト、ニョマン・サカと松本雅代の作品 )
(https://www.hyoutanlamp.com/)

主催 :Denkikan 〒860-0803 熊本市新市街8番2号
(https://www.denkikan.com/index_pc.html)
問合せ:映画 096-352-2121(Denkikan)
トーク・ライヴ 080-5266-3399(Ravi)

ライヴ・トーク企画 :さよなら原発映画祭実行委員会(Jayma TV:Ravi、Oto)
(https://annapurnafarm.com/archives/event/)
フライヤー・デザイン:Takao Suzuki(https://www.taka-suzuki.com)

追記:『さよなら原発映画祭』第三弾☆8月7日、玉名『ちゃぶ台』にて
宮田雪監督『ホピの予言』上映決定。黒澤明監督作品『夢』の映像を交えてのトーク予定。

Chart by STRADA RECORDS 2011.06.21 - ele-king

Shop Chart


1

DJ HARVEY pres.LOCUSSOLUS

DJ HARVEY pres.LOCUSSOLUS LOCUSSOLUS(W-PACK) INTERNATIONAL FEEL(EU) »COMMENT GET MUSIC
DJ HarveyのユニットLocussolusによる1stアルバムからのアナログ・カット!大ヒット曲「I Want It」のLindstrom & Prins Thomasによるリミックスや「Throwdown」の Harvey自身によるリミックス等、強力すぎる2枚組重量盤仕様の2枚組12インチ!

2

BRAD PETERSON

BRAD PETERSON MIDNIGHT ESCAPE MOODS AND GROOVES (US) »COMMENT GET MUSIC
2004年にもこのレーベルから上質な12インチをリリースしていたBRAD PETERSONが久々に12インチをリリース!またしてもハイ・クオリティーなシリアスかつディープインスト・ハウスのオンパレード!要チェック!

3

ABOUT GROUP

ABOUT GROUP YOU'RE NO GOOD-A THEO PARRISH TRANSLATION DOMINO(UK) »COMMENT GET MUSIC
【アナログのみの初回プレス限定盤!】SpiritualizedのギタリストJohn Coxon、Hot ChipのAlexis Taylorらによる注目ユニットABOUT GROUPの作品をナントTheo Parrishがリミックス!ファンクネス溢れる濃厚でソウルフルなトラックが圧巻の黒いハウス・リミックスです!

4

LOGIC SYSTEM

LOGIC SYSTEM RMXLOGIX(with SPECIAL TRACKS) MOTION±(UK) »COMMENT GET MUSIC
YMO第4のメンバーと呼ばれ現日本シンセサイザープログラマー協会会長でもある松武秀樹のユニットLOGIC SYSTEMの名曲をLOCUSSOULSでのプロデュースも好評のDJ HARVEYがリミックス!A面には、豪華リミキサー陣が話題のLOGIC SYSTEMの新作『RMXLOGIX』収録のDJ HARVEYリミックス、B面には90年代初頭録音の貴重な未発表音源「TRAFFIC CIRCUIT」、「TURNING POINTS」を33回転で収録!

5

SPEKTER

SPEKTER PIPE BOMB SOUND SIGNATURE (US) »COMMENT GET MUSIC
THEO PARRISHジャパン・ツアーでのヘヴィー・プレイで話題となっていたANDRES ORDONEZのユニットSPEKTERの12インチがSOUND SIGNATUREより満を持して登場!スペインのホワイト盤レーベルDOWNBEATやPATRICE SCOTTのSISTRUMなどでも活躍するなどアンダーグラウンド・シーンで注目度赤丸急上昇なSPEKTER、本作ではオールドスクール・シカゴを継承するTR-707主体のビートにドープで幻想的な上モノを配したマッドなミニマル・ハウスを披露!

6

MOODYMANN

MOODYMANN PRIVATE COLLECTION 3 WHITE (FR) »COMMENT GET MUSIC
MOODYMANN aka KENNY DIXON JRによる、今となってはレアな音源をコンパイルしたEPシリーズ第3弾が入荷!Gilles PetersonのレーベルBrownswoodからリリースされていたJose Jamesのリミックスや、幻のKDJ1番「Moody Trax EP 」収録曲等、今回も見逃せない濃い内容!

7

OWINY SIGOMA BAND

OWINY SIGOMA BAND WIRES-THEO PARRISH REMIX BROWNSWOOD (UK) »COMMENT GET MUSIC
Gilles Petersonが主宰するレーベルBrownswoodからトロピカルな1枚!しかもリミキサーはTheo Parrishで、そのトロピカルなオリジナルを一転、ドープで色濃い作品に仕上げています!エンジニアであのFloating Pointsも参加している見逃せない1枚です!

8

OSUNLADE

OSUNLADE IDIOSYNCRACY(10inch) YORUBA (UK) »COMMENT GET MUSIC
アルバムからのシングル・カット!B面にはアルバムには未収録の楽曲が収録されており、コレがまた良い!ミニマルに刻み込まれるファットなビートにディープなシンセや男性のヴォイス・サンプリングがアクセントとなったディーーープな作品!タイトル曲はINNERVISIONS系のサウンドを彷彿とさせるトリッピーでエレクトリカルなテック・ハウスです!

9

STEFFI

STEFFI REMIXES OSTGUT TON(GER) »COMMENT GET MUSIC
OSTGUT TONからのアルバム「YOURS & MINE」の大ヒットで注目を集めるベルリンPANORAMA BARの女性レジデントDJ、STEFFIの同アルバムからのリミックス12インチをリリース!オールド・シカゴ直系のビート&ベースにLARRY HEARDを思わせるロマンティックで華麗な上ものが美しい「ARMS」のLONEによるリミックスが素晴らしすぎる!

10

JIMMY MAHERAS

JIMMY MAHERAS SPACE JAM REBELLION(UK) »COMMENT GET MUSIC
ナント!Carl Craigの名曲「At Les」をネタに使ったドープなダブ・ハウス!あのアンビエントな上モノにBasic Channelライクなトラックが合体したカッコ良すぎる仕上がり!

Chart by UNION 2011.06.21 - ele-king

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1

HARVEY PRESENTS LOCUSSOLUS

HARVEY PRESENTS LOCUSSOLUS Locussolus (国内仕様盤) INTERNATIONAL EFEL / URG »COMMENT GET MUSIC
IFEELからの先行シングルも大きな話題となり遂に迎えたDJ HARVEYの新プロジェクトLOCUSSOLUS 待望の1stアルバム!長いキャリアの中でこれまでに触れてきた膨大な音、ジャンルを越えたダンス・クラシックス、ハウス~バレアリック、それらを現在のクラブシーンの音へと繋ぎ合わせることで、想像をはるかに超えたサウンド・フォルムへと仕上がった!

2

V.A.(MOODYMANN,JUAN ATKINS,ALTON MILLER,ABACUS)

V.A.(MOODYMANN,JUAN ATKINS,ALTON MILLER,ABACUS) Music Institute Pt 3 NDATL MUZIK / US »COMMENT GET MUSIC
MoodymannことKenny Dixon Jr.、デトロイトテクノ創始者の一人Juan Atkins、デトロイトハウスの重鎮Alton Miller、そしてミシガン湖を挟んだカナダより古くから交流のあるAbacusの4アーチストが大名曲Alexander Robotnick - Problemes D'AmourをRe-Touch!!『限定盤』につきお早めにチェックを!

3

BRUNO PRONSATO

BRUNO PRONSATO Lovers Do (国内仕様盤) THESONGSAYS / GER »COMMENT GET MUSIC
SAMMY DEE(PERLON)とのユニット・HALF HAWAIIやTHOMAS MELCHIOR(aka BABYFORD)との共作、さらにSERGIO GIORGINIとタッグを組んだNDFではあのDFAからデビューを飾り、いきなりPITCHFOLKのTRACKS OF THE YEARに選出されるなど多方面で注目が集まっているミニマルシーン随一の才能・BRUNO PRONSATO!名作「WHY CAN'T WE BE LIKE US」から4年・・・2年の歳月をかけて制作されたNEWアルバムが遂にリリース!丹念にトリートメントされた繊細な音の結晶、このユニーク極まりないミニマル/ハウスをぜひ多くのリスナーに味わってもらいたい。

4

VOICES FROM THE LAKE FEAT. DONATO DOZZY & NEEL

VOICES FROM THE LAKE FEAT. DONATO DOZZY & NEEL Silent Drops E.P PROLOGUE / GER »COMMENT GET MUSIC
イタリアの湖に捧げるというコンセプトを掲げた鬼才DONATO DOZZYとNEELによる要注目プロジェクトのファースト・リリースがドイツ優良アンダーグラウンド・ミニマルレーベルPROLOGUEより到着!!一貫して最奥を深く這い、時に妖しい美しさを湛え、時に鬼気迫る表情を魅せながら展開する徹底したアンダーグラウンド・サウンド!!

5

GLOBAL COMMUNICATION

GLOBAL COMMUNICATION Back In The Box(Mix) (国内仕様盤) NRK / UK »COMMENT GET MUSIC
これまでにJOEY NEGRO、DJ SNEAK、LOUIE VEGAなどシーンを黎明期から支えてきた大物が原点回帰をコンセプトに贅沢極まりないミックスを披露してきた"BACK IN THE BOX"に、テクノ/アンビエント史に燦然と輝く名盤「76:14」で知られるTOM MIDDLETONとMARK PRITCHARDによるユニット・GLOBAL COMMUNICATIONが登場!BFC(CARL CRAIG)はじめデトロイト・テクノのレア・トラックも満載!!

6

HARVEY PRESENTS LOCUSSOLUS

HARVEY PRESENTS LOCUSSOLUS Locussolus (2 x 12") INTERNATIONAL FEEL / URG »COMMENT GET MUSIC
アルバム収録曲からリミックス音源がアナログカット!エンペラーマシーン、アンドリュー・ウェザーオール(Sabres Of Paradise, Two Lone Swordsmen)、リンドストローム&プリンス・トーマス、そしてハーヴィー自身のリミックス収録!ワンショット限定盤とのことなのでチェックはお早めに!

7

DEZ ANDRES

DEZ ANDRES As We Rock On/A Time To Boogie SPILLS / US »COMMENT GET MUSIC
新レーベルSPILLS第一弾はDJ DEZ=ANDRESがMJをビートダウンミックス!ANDRESの1STアルバムを彷彿とさせる哀愁漂うトラックメイク、絡むマイケルの歌声・・・両サイドとも極上!

8

LOTI

LOTI What's Lord Got To Do With It? AMERICAN STANDARD / US »COMMENT GET MUSIC
純LA地下産NU DISCO, BALEARICレーベルAMERICAN STANDARDから新鋭Lotiの新作が限定500枚でリリース!これからの季節にもマッチするリキッドな感覚を醸し出したバレアリックフィールなトラックでCottamやSleazyBeatsも絶賛の1枚!

9

JOHN BELTRAN

JOHN BELTRAN Ambient Selections (国内仕様盤) DELSIN / NED »COMMENT GET MUSIC
CARL CRAIGのRETROACTIVEからデビューを果たし、「EARTH & NIGHTFALL」(R&S)や「TEN DAYS OF BLUE」(PEACEFROG)、PLACID ANGELS名義の「CRY」など90年代前半~中盤にかけて粒揃いの傑作アルバムを発表、デトロイト・テクノ・ファンを中心に今な熱烈な支持者の多いベテランJOHN BELTRANによる"アンビエント"ベストがオランダの名門DELSINから登場!

10

BEAT BROKER

BEAT BROKER Pacific Break ADULT CONTEMPORARY / US »COMMENT GET MUSIC
SENTRALLレーベルからリリースされた"Deep Sleep"が長期に渡ってクラブプレイされスマッシュヒットとなったBEAT BROKERがAMERICAN STANDARD系列の新レーベルADULT CONTEMPORARYの第一弾に登場!オリジナルは柔らかなキーの音色と幾重にも重なった鮮やかなバックレイヤーの見事なコントラスト、そして緩やかなピークとブレイクを備えこれからの季節に間違いなくハマるレイドバック感を演出。フリップサイドにはPhil Mison & Pete HerbertによるユニットReverso 68のリミックスで、一つ一つの音像をソリッドかつエフェクティヴに仕上げクラブ映えを意識したミックスに!!

Chart by JET SET 2011.06.20 - ele-king

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1

V.A.

V.A. THERE IS MUSIC »COMMENT GET MUSIC
今、我々に出来ること。多くのアーティストがその思いを形にしてくれました。Kenny Dixon Jr.a.k.a. Moodymann、Morgan Geist、Kuniyuki、9dw、DJ Yogurt & Koyas、Jebski、Inner Scienceと豪華面々から音源を届けて頂きました。

2

LOGIC SYSTEM

LOGIC SYSTEM RMXLOGIX (WITH SPECIAL TRACKS) »COMMENT GET MUSIC
事件です!!「YMO第4のメンバー」と呼ばれた人間国宝級プログラマー、松武秀樹による名曲のHarveyリミックスが待望のアナログカット。豪華リミキサー陣も話題のLogic System久々のリリース『RMXLOGIX』から、最大の注目作であるHarveyリミックスと、90年代初頭に録音された未発表音源"Traffic Circuit"、"Turning Point"を抜粋したアナログ12"が登場!!

3

JERRY WILLIAMS

JERRY WILLIAMS EASY ON YOURSELF »COMMENT GET MUSIC
DJ Harvey, Prins Thomas, Mudd, Darshan Jesrani (Metro Area)が絶賛する話題作が入荷しました!!これまでHarveyをはじめ、Nick The RecordやFoolish Felixらのサポートで注目を集めてきたUSリエディット・レーベル"Ghost Town"最新作。The Beat Brokerによる傑作ダブ・ミックスが一押しです!!

4

JAMES PANTS / MAYER HAWTHORNE

JAMES PANTS / MAYER HAWTHORNE GREEN EYED LOVE / THIN MOON »COMMENT GET MUSIC
先行デジタルリリースで話題になっていたブツが限定7"で登場! James Pantsが"Green Eyed Love"を、Mayerが"Thin Moon"をカバー。リプレスの予定は今のところ無いそうなのでお早めに!

5

MARCUS WORGULL

MARCUS WORGULL LONG WAY / COPPA »COMMENT GET MUSIC
Prins Thomas全面協力のInnervisions大注目作!!Jazzanova一派Marcus WorgullによるInnervisions第3弾シングルは意外な展開。A面"Long Way"ではドラム/ギター、そしてヴォーカルをPrins Thomasが提供。なんともブルージーで沁みる名曲が誕生しました!!

6

ANTHONY MANSFIELD

ANTHONY MANSFIELD TALES FROM THE GULCH »COMMENT GET MUSIC
Tal M. Kleinとの合作で御馴染みの才人によるWhiskey Disco最新作!!Aniligital MusicやHector WorksからのTal M. Kleinとの合作で知られるサンフランシスコの気鋭プロデューサーAnthony Mansfieldによる新作リエディット。Jacques Renault, Chris Todd (Crazy P)らがサポート!!

7

NOTTZ RAW X ASHER ROTH

NOTTZ RAW X ASHER ROTH RAWTH EP »COMMENT GET MUSIC
Rah Digga, Stacy Eppsらも所属するRaw Konceptから、大人気のレーベル筆頭プロデューサーNottzとAsher RothによるコラボEPが登場! ダウンロード・コード付です。

8

HYPNOLOVE

HYPNOLOVE HOLIDAY REVERIE »COMMENT GET MUSIC
Mickey Moonlight(a.k.a. Midnight Mike)によるグレイトなダブも含め大推薦!!ポストSebastian Tellierと期待されながらも'06年の1st.アルバム『Eurolove』以来音沙汰の無かったフレンチ・トリオによる久々の12"EPはMickey Moonlightのプロデュースで登場。

9

BEASTIE BOYS

BEASTIE BOYS HOT SAUCE COMMITTEE PART TWO »COMMENT GET MUSIC
MCAの病気のため発売延期となっていたニュー・アルバム。先に"part Two"がリリースとなりました。180グラム重量盤2枚組。

10

T.W.I.C.E.

T.W.I.C.E. DUBBING OF MY SOUL »COMMENT GET MUSIC
期待のFiakun、第3弾には大注目のロシアン新星Volta Cabリミックスを収録!!瀧見憲司、Eric Duncan、Ashley Beedle、The Revenge、Jimpster、dOP等が絶賛した前2作も大好評、一味違うヴォーカル・ハウスを提供してきたFiakunからの極上の新作!!

[Electronic, House, Dubstep] #7 - ele-king

1.Holy Other - With U | Tri Angle


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E王  ハウ・トゥ・ドレス・ウェルでリスナーの度肝を抜いた〈トライ・アングル〉レーベルが送り出す、今年の注目株のひとり。マンチェスターのホリー・アザーによる5曲入りのセカンド・シングルで、ダブステップとチルウェイヴを通過したセイバース・オブ・パラダイスのゴシック・ロマンといった感じに聴こえる。女性ヴォーカルをフィーチャーした"タッチ"に関しては、さしずめジェームス・ブレイク+ジョイ・ディヴィジョンといったところだろうか。
 B面の"ウィズ・ユー"はポーティスヘッドによるダーク・アンビエントのようで、"フィーリング・サムシング"にはブリアルをフェミニンに展開したような甘美がある。12インチ1枚でアルバム並みに大きく騒がれるのはジェームス・ブレイク以来のことだが、たしかに騒がれるに値する内容だ。

2.Ford & Lopatin - Emergency Room | Software


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 そろそろファースト・アルバム『Channel Pressure』が店頭に並ぶ頃だろう。OPNのダニエル・ロパティンとジョエル・フォードによるチルウェイヴ・ユニット、ゲームスあたらめフォード&ロパティンに改名してからの最初のシングルで、笑ってしまうほどキャッチーな80年代シンセ・ディスコ。な、なんなんだよ~、これは~。ゲームス名義の最初の7インチにあったドロッとした感触は見事に払拭されて、さわやかに聴こえるほどだ。B面では〈DFA〉のギャヴィン・ルッソムによるリミックス、ザ・バグによるダブ・ヴァージョンが収録されている。アルバムは店頭に並んだら買う予定。

3.Fatima - Follow You | Eglo Records


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E王 ロンドンの〈エグロ〉レーベルは、ポスト・ダブステップにおいてもっとも大人びでいるレーベルだ。ミズ・ビートの「Are We The Dictators?」がそうだったように、このレーベルにはジャズ/ソウルといった明確な音楽的なヴィジョンがある。ドラムンベースで言えば4ヒーローのような役割を果たすのだろう。
 レーベルの運営に関わるフローティング・ポイントがトラックを作っている女性シンガー、ファティマ・ブラム・セイのセカンド・シングルは、このレーベルの底力を見せつける。ファティマの素晴らしいヴォーカリゼーションだけでも充分に魅力だが、フローティング・ポイントによる瑞々しいトラックがこの12インチを特別なものにしている。B面に彫られた"レッド・ライト"はいかにもUKらしいジャズの香気をもったキラー・チューンである。ネオ・ソウルのシーンにおけるエースの登場といったところだろうか。

4.Floating Points - Faruxz / Marilyn | Eglo Records


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 いま出たものすべて買ってもハズレがないのが〈エグロ〉レーベルとフローティング・ポイントで、片面プレスの10インチ「Sais Dub」の前にリリースされたこの12インチは彼らしい、優雅なアンビエント・テイストとポスト・ダブステップのビートとの美しいブレンドとなっている。A面の"Faruxz"は、いわばデトロイティッシュな濃いめの叙情性が広がっている。動くベースライン、メランコリックなストリングス、瑞々しいフルート......アズ・ワンとラマダンマンの溝を埋めるのはこの男だ。

5.Gang Colours - In Your Gut Like A Knife | Brownswood Recordings


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 これはジャイルス・ピーターソンのレーベルから期待の新星、そのデビュー・シングル。なかなか侮れないというか、素晴らしいほどトロっトロっのネオ・ソウルで、日が暮れてからでなければ聴きたくないような、美しい真夜中の音楽なのだ。確実にポスト・ダブステップを通過した音数の少ないビートが心地よく、そしてジャズ・ピアノはアシッディな電子音とダブの空間的な録音のなかで絡みつく。ギャング・カラーズは、ファティマとともにネオ・ソウルの主役となるのだろう。はっきり言って、期待を抱かせるには充分な出来である。

6.Vessel - Nylon Sunset EP | Left_Blank


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 ブリストルからダンスフロア直撃の1枚。ユニークなビート・プログラミングとカオスを秘めた、得体の知れないポスト・ダブステップ系だ。いわばハマり系の音だが、インストラ:メンタルのようにノスタルジックではなく、アディソン・グルーヴをディープ・ハウスと掻き混ぜたような感じというか。タイトル曲の"ナイロン・サンセット"などはいわゆるどんキまり系のドラッギーな音で、ちょっと恐いなーという気もするけれど、ビートの細かいアクセントは面白く、ベルリンというよりもシカゴやデトロイトに近いかもしれない。ペヴァリストもリミックスで参加している。

7.Greg Gow - Twilight Soul EP | Transmat


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 カナダのトロント在住のDJ/プロデューサーによる2年前の「The Pilgrimage EP」に続いて〈トランスマット〉からは2枚目となる12インチ。もう一貫してデリック・メイ好みというか、思わず走り出したくなるような真っ直ぐなデトロイト・テクノで、「勇気を持て~持つんだ~」と言われているような気持ちになる。

8.Joker - The Vision | 4AD


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 大手〈4AD〉と契約を交わしたジョーカーのアルバムに先駆けて発表されたホワイト盤で、SBTRKTでもお馴染みの女性シンガー、ジェシー・ウェアのR&Bヴォーカルををフィーチャーしている。グラスゴーの〈ラッキー・ミー〉やロンドンの〈ナイト・スラッグス〉、日本ではエクシーあたりともリンクするような、派手目のシーケンスが鳴り響くダウンテンポのUKベース・ミュージックで、当たり前だがやっぱ若い。若者の音楽です。

interview with Koji Nakamura - ele-king


スーパーカー
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 中村弘二はポップ・サウンドの作り手であることと、その管轄外のところで音を鳴らすことの両立をはかる数少ないひとりである。1997年にデビューして2005年に解散したスーパーカーは、その活動中は幅広く愛されたバンドだったが、とくにある世代――おそらく現在20代後半から30代前半にかけて――にとっては、自分たちの思春期においてもっとも影響力のあるバンドのひとつとして記憶されている。そういえば最近、今年に入ってわが国のチルウェイヴ系の作り手として密かに売れ続けているフォトディスコなる青年に会ったとき、彼のバッグにiLLのバッヂがあったことを僕は見逃さなかったが、いま思えば中村弘二のニャントラ名義の最初のアルバム『99-00』(2001年)は早すぎたチルウェイヴ(もしくはアンビエント・ポップ)とも言える。
 まあとにかく、若いながらもすでに長いキャリアを持つ中村弘二自らがスーパーカーの音を改編したアルバムが、『RE:SUPERCAR 1』と『RE:SUPERCAR 2』である。この新しい2枚においてはトラックのみがアップデートされている。歌を残したまま、まるで腕の良い職人の仕事のように、彼はちょちょいのちょいと古い楽曲の埃を払って新しい光沢を与えている。それは驚くほどにスーパーカーそのもので、不自然な感じがしない。クラフトワークの『ザ・ミックス』のように、それは本当に純粋にアップデートされたものとしてある。
 以下のインタヴューでは、中村弘二のもうひとつの重要な個性であろう音の追求者的なところ、いま現在の彼の興味のある"音"の話題に時間を割いている。それを読めば、むしろ彼の次のiLL、さもなければニャントラが楽しみになってくるだろう。

すでに自分のものではないというか、客観的に聴けるから。自分のものではあるんだけど、自分のものではないというね。だから、ホントに客観的になれているかという不安もあったんだけど、どっかで「いや、もう客観的になれている」という思いがあった。だからできたっていうのもあるんですけどね。

これは震災前に作ってものなの?

ナカコー:「1」はそうかな。でも「2」は被っちゃったところがあるから。中断があったからね。

震災によって「2」の内容は変わった?

ナカコー:いや、それはなかったけどね。影響はあるけど、作っているときはそれはなかったから。やることはもう決まってたし、とりあえず、「戻そう」って。とりあえずやってたときの気分に戻さないと作れないから。

リリースが延びたんだよね?

ナカコー:延びましたね。

僕は震災後に聴いたんだけど、けっこう感じるものがあったんですよ。たとえば「1」の1曲目の"ウォーク・スローリー"なんかけっこう感動したんだけど、あのイントロも見事なものだったけど、「あせたってひとりじゃどこにも逃げられないから」ととか、いま聴くと違った意味に聴こえるっていうかね。オリジナル・ヴァージョンではもっと皮肉で歌っているわけでしょ?

ナカコー:いや、そうでもないですよ。デビューしたばかりだし、そんな皮肉って感じでもなかった。まあ、自然にやること自体が皮肉めいてるから。

地震があって、原発のことがあって、いろいろ大変な状況になったわけだけど。

ナカコー:震災後、いろんあことがあるけど、なるべくできることだけをやっていくっていうスタンスを取りたかったし、取りたいですけどね。いまもできることだけやっていくっていう。

今回のプロジェクトはどういう経緯ではじまったんですか?

ナカコー:最初はレコード会社からそのアイデアが出て、「できるかどうかわからない」っていう状態がけっこうあって。「ほんとに、やるの? やらないの?」みたいな。

最初は抵抗があったの?

ナカコー:「別にやらなくてもいいんじゃない?」っていうのもあったし、気持ちの半分では「興味アリ」っていうか。

なるほど。

ナカコー:やったことないからね。やったことがないものには興味があるから「ちょっと面白そうだな」とは思っていた。でも、実際にやったときにどれだけ大変かはわからないから、正式にやるまでに時間がかかった。

作者としては過去の自分に、それもまあ、10代の自分に向き合うわけだから、複雑なものもあったでしょ?

ナカコー:それはもうなかった。すでに自分のものではないというか、すごく客観的に聴けるから。自分のものではあるんだけど、自分のものではないというね。だから、ホントに客観的になれているかという不安もあったんだけど、どっかで「いや、もう客観的になれている」という思いがあった。だからできたっていうのもあるんですけどね。

DJカルチャーでいうリミックスという解体をせずに、歌をしっかり残したでしょ。

ナカコー:10代の頃の作品なんかは、当時は何もわからないで作っていたし、いまわかることが当時はわからなかったし、それをいまの感じに直したいというのがあった。いま聴く人のために作ろうっていうことだったから。

曲を完全に違うものにするっていう考えはなかった?

ナカコー:それはまったくない。あんまり解体はせずに、新曲と向き合うような感じで、もっと良い曲にするために作業するって感じでしたね。

「1」と「2」を分けたのは?

ナカコー:いや、そこは前期と後期っていう、ただそれだけ。あと量的なこともありましたね。

『フューチュラマ』以前、以降という分け方になっているけど、その分岐点というのはあるんでしょ?

ナカコー:「1」はまだデビューする前に作った曲が多いんですよね。

そうなんだね。

ナカコー:「2」のほうはデビューしてから書いた曲だから。デビューしてから2年ぐらいは曲を書いてないんですよ。それで久しぶりに書いたら視点が違うものになっていた。自分ではそんな大きく変わったとは思っていないんだけど、ちょっと見方を変えたぐらいでしかないんだけど。

「1」に収録された曲を作ったのって何歳ぐらい?

ナカコー:17~18歳ぐらいですね。

"サンデー・ピープル"を入れなかったのは?

ナカコー:単純に作業的なことですね。かなりキチキチのなかでやってて、間に合わないっていうのがあって、ぱっと思いついて、「この曲ならこうできるかも」っていうのだけを選んでいるから。だから、やったらやれるけど、時間がかかる。

ハハハハ。そういうことなんだ。敢えて外しているのかと思った。

ナカコー:そういうのはない。とはいえ、どういうアルバムにするのかちょっと迷っていた。1曲目と最後だけは決まっていて、で、作業しいてくなかで、「1」のほうは鳥の声とか波の音とか、ライブラリー音源を入れはじめてからすーっと曲順が決まっていって。1曲終わってからはコツがつかめてきて。

音は当時の音も使っているでしょ?

ナカコー:ほとんど当時の音。当時の音を使ってミックスを変えた。弾き直したのもあるけど。

いろいろ思い出したことあるでしょ?

ナカコー:思い出したことはあるけど、それが何かまでは覚えていない(笑)。

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ミニマリズムという考え方が好きだというのもあるかもしれないけど。ミニマリズムって、蓋を開けてみたら音が少ないわけだから、興味の矛先が音にいってしまってる。で、やっぱり音なんだってなってしまうと、結局ミニマルの概念に興味はないなと。やっぱひとつひとつの音の面白さ、そこだけでいい気がしてきて。

僕が初めて取材させてもらったのは、『フューチュラマ』(2000年)のときだったよね。「ストロボライツ」(2001年)の前ぐらいかな。そのときナカコーがものすごく熱くクラブ・ミュージックについて語っていたのをよく覚えているんだよね。

ナカコー:大多数の人から見たら、テクノやクラブ・ミュージックを聴く人なんて少なかったから、「面白いのになー」と思っていたし、「こんなに面白いのにどうやって伝えたらいいんだろう」とも思っていたんですよね。だから自分の音楽のなかに少しずつそれを入れてみたっていうのもあるんですけど。

プライマル・スクリームや『キッド・A』の話もしていたよね。

ナカコー:音楽の中身というよりも、ひとつの記号としてわかりやすかったからね。ロックなんだけどロックじゃないみたいな、そういうことを肯定してやっちゃうというか。

今回は大量のデモ音源まで入れて2枚組にしているでしょ。それはどういう意図があって?

ナカコー:いろんな意図があるんだけど、いちばん大きいのは値段の問題。

いくら?

ナカコー:3300円。3300円で十何曲って、(リスナーに)ちょっと悪いなって思うから、なんかおまけを付けたいと思ったし。デモテープは膨大にあるし、そのなかから編集して付ければ少しはお得かなというか。

あんま夢がある話じゃないんだね(笑)。ただ、デモ音源面白かったけどね。

ナカコー:もちろん、楽曲がこういう風にして生まれるっていう記録としても面白いかなって思ったし、あと、ヴォリュームがあるものを作りたかったから。

ナカコーって、つくづく音の人......音か言葉かって言ったら、間違いなく音の人だと思うんだけど、いろんな音が好きじゃない?

ナカコー:好きですね。

自分の好きな音の傾向についてはどう思ってる?

ナカコー:音楽じゃなくてもいいっていうか、音だけでもいい。なんか音楽的なものほどいま聴けなくなってきちゃって。

ホント?

ナカコー:音だけのCDのほうが全然聴けるし。

例えば?

ナカコー:ピアノが一定のコード進行でただボーンボーンって20分ぐらい流れているCDとか。

現代音楽?

ナカコー:現代音楽も好きだけど、そんなに現代音楽してないような60年代とか70年代のレコードとか。

ドローンとか。

ナカコー:そう、ドローンとか、あとノイズも好きだし。ノイズもそうだけど、音として面白いのがやっぱ好きかな。それが複雑なコード進行や複雑なリズムではなくても、プログレ的な何かじゃなくても別にいい。

最近そうなったって感じ?

ナカコー:うん、気づいてきましたね。

きっかけがあったの?

ナカコー:だんだん聴けなくなってきた。感情移入できなくなってきた。

曲になってると?

ナカコー:うん、曲になってるともうわかんねーな。

なんで(笑)? 聴きすぎなんじゃない?

ナカコー:ハハハハ。ていうか、難しいっていうか、何も思わないっていうか、音が面白いアルバムのほうがいい。

でもちゃんと今回も"ソング"になってるじゃん。

ナカコー:うん、そういう頭のときはできるんだけど。今回は既存曲だったし、もう"ソング"になってるから、自分の興味のある要素をちょっと入れたりした程度なんだけど、もしいま新曲を作るとなると、ポップスというか、歌のある曲はいまは作りづらいっすね。

それは逆に、すごく楽しみな話だよ。iLLではミニマリズムを追求して、取り入れていたと思うんだけど、その先にあったものがドローンやノイズだったっていう感じ?

ナカコー:んー(しばらく考え込む)......ミニマリズムという考え方が好きだというのもあるかもしれないけど。ミニマリズムって、蓋を開けてみたら音が少ないわけだから、興味の矛先が音にいってしまってる。で、やっぱり音なんだってなってしまうと、結局ミニマルの概念に興味はないなと。やっぱひとつひとつの音の面白さ、そこだけでいい気がしてきて。まあ、(ミニマルとそれは)関係性はありますけどね。

まあ、アグラフくんとそこで気が合うんだろうね。

ナカコー:牛尾くんも変な音楽聴いてますからね(笑)。

彼はミニマルだけど、しかしナカコーはなんかジョン・ケージみたいになっていくのかね(笑)。

ナカコー:ジョン・ケージ、好きですけどね。

お湯を沸かすときに出る水蒸気の音が面白いとかって言う人だもんね。

ナカコー:その気持ちのほうがいまはわかりますね(笑)。

リアリティを感じる?

ナカコー:聴いてて楽しいし。自分の気持ちの邪魔もしないし、考えずに聴けるし。

そうした自然の音も面白いけど、でも音楽家は、そこで創造しているわけだしね。

ナカコー:だからいま思い浮かんでいるのは録音技術ってことかな。自然の音だけで50分終わってしまうようなCDは好きじゃなくて、やっぱそれを加工しているもの、それを使って物語を作っていけるようなものだったり、まあ、でも、ポップ・ミュージックでも録音してそれを配置してってことだから。ただ、いまないモノを探していったとき、テクノはテクノで普通にあるし、「あの人はこういうことをやってる。この人はこういうことをやってる」って、「じゃ、自分は違うことをやろう」ってなると、なんとなくそっちに行くのかな。

「そっちに行く」ってというと?

ナカコー:聴いてて、時間感覚を感じさせる音楽というか、作品というか。それはやってみたいんですよね。1曲目は無音で、2曲目は無音のなかにひとつ音が入るぐらいの。それで60分を20曲ぐらいで構成されているようなもの。

そういうことはニャントラ名義でやってる、やろうとしていることなんじゃないの?

ナカコー:うん、ニャントラでやってることも近くなってきましたね。たぶんいつか統合されるのかもしれないけど(笑)。

すごいよねー、ナカコーって(笑)。

ナカコー:もちろんバランスも考えますよ。それに歌が入ってるようなものってできないかなと思っているし。実験的だけど、聴きやすいものっていうのができたらいいんですけどね。

生活のなかでほとんどの時間、音楽のことばっか考えているでしょ?

ナカコー:うん、ほとんどのことがすでにやられているでしょ。せっかく自分で音楽やってるんだし、「何か(新しいこと)ないかなー」とは思っているけど。

ずっと作っているっていうイメージがあるんだけど。

ナカコー:いまは(ラマを)制作中だからそうだけど、制作していていないときは考えているときが多いですね。楽器は触らないでずっと考えている。

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ドローンを聴いてても、6分ぐらいやればいいのに、それを2分で終わらせているヤツとかみると、共感持てますね。「だってドローンをやりたいわけじゃないもんね」って。たぶん、その瞬間をやりたかっただけで、ドローンを追求したいわけじゃないんですよ。

数年前、まだディアハンターがいまほど有名じゃない頃、マネージャーさんに「アメリカのディアハンターっていうのがiLLに似てるんだよね」って言ったら、数日後に「ナカコーはあんま好きじゃないみたいですいよ」って言われてさ(笑)。あとになって「そういうことか」って思ったけどね(笑)。

ナカコー:いや、好きじゃないとは言ってない(笑)。

でもまあ、近いっていうのもね。

ナカコー:そう、自分からは夢中にはなれない。想像が付く選択肢のなかでこういう道を選んだってことだと思うからね。そういう意味ではカセットテープで出している連中の音は面白いよね。ジェームス・ジェラーロとか。あの人なんか、もう音楽ですらない(笑)。

そうだよね。そのギリギリのところをいってる感じはあるよね。

ナカコー:ああいうのは、いまちょっと良いですよね。「あ、このアイデアはないかも」って思える。それと同時に「あー、やられた」って思うんだけど。毎日、そんなことの繰り返しですけど。

でもあれだよ、それ言ったらニャントラみたいなベッドルーム音楽はいまUSのインディですごいよ。

ナカコー:あ、それはちょっとそう思ったかもしれない(笑)。

ひと昔前ならグランジやっていたような子が、いまはアンビエントやドローンを作ってるでしょ。

ナカコー:ドローンを聴いてても、6分ぐらいやればいいのに、それを2分で終わらせているヤツとかみると、共感持てますね。

えー、それはどんなところに?

ナカコー:やっぱ2分で終わらせるところに。「だってドローンをやりたいわけじゃないもんね」って。たぶん、その瞬間をやりたかっただけで、ドローンを追求したいわけじゃないんですよ。

じゃあ、静寂に共感しいたのは?

ナカコー:あれはもう、灰野(敬二)さんのアイデアが最先端だなって。灰野さんはいまもって聴いたことのない音楽にチャレンジしてるっていうか、そこが伝わるものだったから。

なるほど。紙ele-kingのほうに書いてもらったナカコーの年間チャートがけっこう興味深いものだったよね。ところで今後はラマ(アグラフ、フルカワ・ミキらとの新バンド)をやりつつ、iLLのほうもやっていくんだよね?

ナカコー:ラマに関してはもっとわかりやすいポップスをやっていくと思うし、iLLのほうはいま面白いアイデアが浮かんだから、それを完成させたいなって感じ。

iLLにはまた新しい方向に進んでいく感じっていうのがあるんだね。

ナカコー:ありますね。ただ、その前にラマのほうがいま進行中なんで、時間的にちょっと後回しになってしまうんだけど。

ニャントラは?

ナカコー:あれはもっと気軽に出したいと思ってます。パッケージじゃなくてもいいし、あってももっと簡素でいいし、もっと直に、ツイッターで「1枚欲しいんだけど」って言われて「はい」って渡せるようなものにゆるくできたらいいんですけどね。

なるほど。じゃ、最後にスーパーカーに話を戻しますが、アルバムでいちばん好きなのは?

ナカコー:『アンサー』(2004年)かな?

それはどうして?

ナカコー:ようやく面白い盤が出せたかなと思ったからですね。

当時は解散するつもりもなかったみたいだしね。

ナカコー:でも「これが最後かなー」と思って作ってましたよ。バンドでできることってけっこうやったかなって思っていたし、バンドって4人の共同物だからそれを保てるところにいま来てないなと思っていた。

僕もスーパーカーは好きだったけど、ある世代にとってのスーパーカーってものすごいものがあるじゃない。

ナカコー:うーん、でもまあ、もう時間が経ってるしね。17~18歳ぐらいの若い子で「聴いてます」って言われるとびっくりしますけどね。

「1」のほうを聴いたら、どこかかまってちゃんに似てるなって思ったっていうか、かまってちゃんがスーパーカーに影響受けてるっていう話を聞いたことがあるんで。

ナカコー:会ったことあるけど、面白い変なバンドだよね(笑)。

アートワークに関して最後に訊きたいんだけど、こうした日常のなかの非日常はスーパーカー時代からの中村弘二のテイストだと思うんだけど、それと音楽との関連性について。

ナカコー:自然のなかに組み込みたいというか、作為的なことはほとんど嫌いだっていうのがあって、作為的なアレンジとか。わかりやすくするためにわかりやすい音を入れるとか、そういう自由を制限するみたいな。テレビが見れないのも、字がいっぱい出てきたりするのがイヤなんですよ。

テレビは見ないんだ?

ナカコー:見れなくなっちゃいましたね。情報が多すぎて。ないほうがすっきりして見れるのに、なんでごちゃごちゃ入れるのかって。そういうのが気になるんですよ。白い服を着ている人がいるのになんで赤い文字を出しているのか、気持ち悪くなったりするんですよね。時計の時報がピンク色だったり。そういうのがどんどん、強く苦手になってきて。

それでアンビエントやドローンのほうにいくのかな(笑)。

ナカコー:強制的に流されているっていうのがイヤですよね。ネットはこっちから選択するから気にならないんですよ。でも、テレビは付けたら強制的にはじまるから、それがイヤって言うか。だからたしかにアンビエントの考え方は好きですけどね。

なるほど。

ナカコー:あと70年代のドキュメンタリー番組の音楽も面白いですけどね。最近は60年代~70年代のライブラリー・ミュージックばっか聴いてるから。『KPMミュージック・ライブラリー』とか、あんなの。ああいうのって、いま聴くとエレクトロニカと同じだからね。

The Black Angels - ele-king

 アメリカにはサイケデリック・ロックの広大な沃野があり、「サイケデリック・ロック」という言葉を狭義にとらえるならば......サーティーンス・フロア・エレヴェーターズやディープ/フリーク・シーンなど黎明期を代表するカルトなガレージ・サイケや、あるいはシルヴァー・アップルズなどの電子サイケ、メジャーどころではグレイトフル・デッドやジェファーソン・エアプレインらいわゆるシスコ・サイケのフォロワーたちとしてとらえるならば......現在でもじつに多数のバンド名を挙げることができるし、現地にはまだまだ数えきれないほど同種のバンドが存在するはずである。
 日本では何に相当するだろう、上方漫才とかだろうか? 歴史を更新するような方法の模索は薄いが、廃れることなく脈々とオリジナルの血を受け継ぎ、変わらぬファン層を抱えている。なかにはぴりっとしたバンドもいて、M-1グランプリの上位に入賞する、華やかでみずみずしいコンビのなかに混じった古風で高度な芸達者のように、ワールド・ワイドにフック・アップされたりするわけだ。ザ・ブラック・エンジェルズはまさにそうしたバンドの嚆矢である。

 ザ・ブラック・エンジェルズ。2004年、テキサス州オースティにて結成、バンド名の由来はヴェルヴェット・アンダーグラウンドの"ザ・ブラック・エンジェルズ・デス・ソング"。2005年にデビューEP、翌2006年にデビュー・フル・アルバムをリリースし、2008年にセカンド・フル、本作『フォスフィーン・ドリーム』は母国では2010年の9月にリリースされた3枚目となる。
 どの作品もそんなに変化はないが、すべて高水準、ヘヴィでブルージーなガレージ・サウンドには壮年のファンも膝を打つだろう。ただ今作ではフラワーなバッド・ヴァイブは和らいでいて、『ピッチフォーク』も指摘しているが"ハウンティング・アット・1300・マッキンリー"にはアニマルズの意匠があり、"イエロー・エレヴェーター・#2"はピンク・フロイドを思わせるオルガン・リフやゾンビーズ的なシークエンスを持ちあわせていて、多分にブリティッシュな品格を漂わせる音になっている。日本のファンにはこの作品がいちばん馴染みやすいかもしれない。
 よってこうしたバンドの作品については「どの曲が好きか」という語りに落ち着いてしまうのだが、これがまた難しい。どれもよいからである。というか、それぞれにいちサイケ・ファン、ないしは自らがサイケの偉大なる伝統の中のいち分子だというようなスタンスから作られていて、まるで歩くサイケ図鑑、どのページを繰っても様々な名盤の影が顕ちあがってくるのだ。そこで各楽曲の参照元を暴いたり、どのバンドのファンだということを述べあうことには私自身さほど興味がない。
 ただ、こうした音は時代の煽りを受けない。それは特筆すべき点である。いずれは消えてゆくポップ・ミュージックのいかなるムーヴメントにもない強度を持っている。そして完成度の高い、彼らのリスナーとしての知識の深さまでが偲ばれる音は、店頭演奏で必ずや多くの問い合わせを受けることになるだろう。いつの時代にも一定のファンがあり、それでなくても多くのバンドによって磨かれてきた方法の数々にはそれだけの遺産とポテンシャルがあるのだ。我々は"ハウンティング・アット・1300・マッキンリー"のファズに一発で心と身体をつかまれたり、表題曲のコズミックなサウンドに脳をとろけさせたり、"ザ・スナイパー"のスライド・ギターがつなぐブルーズとテックス・メックスに酩酊したりするだろう。それは約束されていたことでもあり、しかし卓越した技能によってこそ可能だったことでもある。
 プロデューサーはD.サーディー。ブラック・マウンテンやホーリー・ファックなどを手掛けるその経歴は、時代とサイケデリック・サウンドとの距離感を正しくつかむ人物なのだろうということをほのめかせる。アニマル・コレクティヴディアハンターアリエル・ピンクなどによって広げられてきた「サイケデリック」の今日的な意味や先鋭性のかたわらに、こうした伝統の継承者たちによる迫力あるパフォーマンスがあることをよろこびたい。

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