「S」と一致するもの

Gottz - ele-king

 とどまるところを知らない KANDYTOWN からまた新たな一報です。同クルー内でもひときわ強烈なインパクトを放つMCの Gottz が、本日ソロ・デビュー・アルバムをリリースしました。MUD をフィーチャーした“+81”のMVも昨日公開済み。いやもうとにかく一度聴いてみてください。フックがあまりにも印象的で頭から離れなくなります。Neetz、Ryugo Ishida(ゆるふわギャング)、Yo-Sea、Hideyoshi(Tokyo Young Vision)らが参加した『SOUTHPARK』、これは要チェックです。

KANDYTOWNのラッパー、Gottz の MUD をフィーチャーした“+81”のMVが公開!
その MUD や Neetz、Ryugo Ishida(ゆるふわギャング)、Yo-Sea、Hideyoshi(Tokyo Young
Vision)らが参加した待望のソロ・デビュー・アルバム『SOUTHPARK』がいよいよ本日リリース!

 KEIJU as YOUNG JUJUやDIAN、MIKI、DJ WEELOWらとともに結成したグループ、YaBasta として活動し、IO や Ryohu らを擁するグループ、BANKROLL と合流して KANDYTOWN を結成。16年リリースのメジャー・デビュー・アルバム『KANDYTOWN』でも“The Man Who Knew Too Much”や“Ain't No Holding Back”、“Feelz”といったライブでも定番な楽曲で猛々しいラップを披露して注目を集め、グループとしての最新曲“Few Colors”でもラップを担当。また IO や YOUNG JUJU、DONY JOINT、MUD といったメンバーのソロ作品にも立て続けに参加し、大きなインパクトを残してきたラッパー、Gottz(ゴッツ)! KANDYTOWN 内でも一際目立つアイコン的な存在でもあり、ラッパーとしてだけでなくモデルとしても活躍し、BlackEyePatch のコレクションやパーティに出演したことも話題に!
 その幅広い活動からソロ・リリースの待たれていた Gottz の正に待望と言えるソロ・デビュー・アルバム、その名も『SOUTHPARK』から KANDYTOWN の仲間でもある MUD が参加し、自己名義アルバムのリリースも話題な KM がプロデュースした先行曲“+81”のミュージック・ビデオが公開! Reebok CLASSICがサポートしており、BAD HOP や YDIZZY、Weny Dacillo らの映像作品にも関与してきた KEN HARAKI が監督を担当している。
 そしてその MUD や Ryugo Ishida(ゆるふわギャング)、Yo-Sea、Hideyoshi(Tokyo Young Vision)が客演として、KANDYTOWN の Neetz や FEBB as YOUNG MASON、Lil’Yukichi、KM がプロデューサーとして参加した『SOUTHPARK』がいよいよ本日リリース!

Gottz "+81" feat. MUD (Official Video)
https://youtu.be/Y15eBPsYL5g


[アルバム情報]
アーティスト: Gottz (ゴッツ)
タイトル: SOUTHPARK (サウスパーク)
レーベル: P-VINE / KANDYTOWN LIFE
品番: PCD-27039
発売日: 2018年10月17日(水)
税抜販売価格: 2,700円
https://smarturl.it/gottz-southpark

[トラックリスト]
1. +81 feat. MUD
Prod by KM
2. Makka Na Mekkara
Prod by Lil’Yukichi
3. Don't Talk
Prod by Lil’Yukichi
4. Count It Up (PC2)
Prod by Lil’Yukichi
5. Kamuy
Prod by KM
6. Move! feat. Hideyoshi
Prod by KM
7. Summertime Freestyle
Prod by YOUNG MASON
8. Raindrop
Prod by KM
9. The Lights feat. Ryugo Ishida, MUD
Prod by Neetz
10. Neon Step - Gottz, Yo-Sea & Neetz
Prod by Neetz
Guitar : hanna
* all songs mixed by RYUSEI

[Gottz プロフィール]
同世代の KEIJU as YOUNG JUJU や DIAN、MIKI、DJ WEELOW らとともに結成したグループ、YaBasta のメンバーとして本格的に活動を開始し、IO や Ryohu らを擁するグループ、BANKROLL と合流して KANDYTOWN を結成。15年にソロ作『Hell's Kitchen』をフリーダウンロードで発表し、16年にはKANDYTOWNとして〈ワーナー・ミュージック〉よりメジャー・デビュー・アルバム『KANDYTOWN』をリリース。

MR TWIN SISTER - ele-king

 ツイン・シスターが、「ミスター」を冠して、ミスター・ツイン・シスターと改名してから2枚目、改名前を入れると3枚目となるアルバムをリリースする。つまり、ドリーム・ポップのエースが帰ってきた!
 しかしヒプノゴナジック・ポップ、ドリーム・ポップ、チルウェイヴ、すなわち現実逃避ポップという巨大な流れは終わることをしらない(あったり前だよね。もうほんと、逃避したい)。ミスター・ツイン・シスターはそのジャンルにおけるいわば玄人好みめいたポジションにいるわけだが、新作は、ジャジー・ヴァイブにクラブ・ミュージック的アプローチも大幅に取り入れ、かなりの洗練化が果たされている。うん、これ、かなり良いんじゃないだろうか。パソコン音楽クラブが好きな人たちも好きになりそう。

MR TWIN SISTER
Salt
PLANCHA
※ボーナス・トラック4曲収録
※解説・歌詞・対訳: 清水祐也(Monchicon!)
2018.11.09 (CD) | 2018.10.25 (Digital)
https://www.artuniongroup.co.jp/plancha/top/releases/artpl-107/

Mr Twin Sister - Jaipur

Mr Twin Sister - Tops and Bottoms

はてなフランセ - ele-king

 みなさんボンジュール。
 今日は昨今フランスの音楽業界で話題をさらっている兄妹をご紹介したく。
 日本の芸能界でも芸能一家は多いが、フランスでも芸能一家は結構いる。筆頭はジェーン・バーキンとその子供たちだろうか。セルジュ・ゲンズブールとの娘シャルロット・ゲンズブール、映画監督ジャック・ドワイヨンとの娘ルー・ドワインヨン。フランスのプレスリーと言われたジョニー・アリデイとその子供たちもこちらでは大メジャー。歌手シルヴィ・ヴァルタンとの息子で、父の路線を継ごうと頑張る(が大変微妙な)歌手ダヴィッド・アリデイ、実力派女優ナタリー・バイとの娘で女優のローラ・スメット。日本でもそれなりに地名度のある俳優ヴァンサン・カッセルの父は、フランスでは有名な俳優だったジャン=ピエール・カッセルで、妹はホリシーズという名義で歌手をやっている。階級&コネ社会のフランスでは、親のコネ&階級が物を言う。両親が業界人であれば、親に連れられて撮影現場やステージなどにも親しんでいる。それに名付け親が業界の大物だったりすることも多い。そのような環境に育った子供たちには、千載一隅のチャンスを頼りにオーディションを受けたりするより業界に入るチャンスも回って来やすいというもの。本日の主役のふたり、兄でラッパーのロメオ・エルヴィスと妹で歌手のアンジェルも芸能一家出身だ。一家はベルギー人なので厳密にはフランスの芸能一家ではないし、それほど有名でもないが、父がミュージシャン、母が女優の家庭だそう。それほど有名ではないとはいえ、フレンチ・ラップの伝説MCソラーは父の仕事仲間で、家族ぐるみの友人でもあるらしいので、立派な業界人と言えよう。
 では兄のロメオ・エルヴィス(25歳)のことをまず。このコラムでもフレンチ・ラップのことを度々取り上げているが、フランスではここ数年ラップがシーンの最重要ジャンルとなっている。そしてなかにはフランス語圏のベルギー勢も多い。そのなかでも思春期の子供から大人やインテリにも評価を得ているひとりがロメオ・エルヴィスだ。大人は眉をしかめるバカ&マッチョ&下品路線のコドモ向けラッパーたちとは違い、ウィード系でひねったユーモアに満ちたロメオ・エルヴィスの世界観は、評論家にも受けがいい。

Roméo Elvis x Le Motel - Nappeux ft. Grems

 このかっこいいんだか悪いんだかわからないMCネームは実は本名だ。ロメオはファースト・ネームでエルヴィスはミドルネーム。業界人か音楽好きの田舎者が付けそうなキラキラネームだ。そこそこ男前だが、それよりもダルダルな雰囲気と自虐ネタの方が目につく。ロメオ要素もエルヴィス要素もあまりないロメオ・エルヴィスは、本名であるそのMCネームとのギャップがインパクトを与えている。とはいえ、フランスではitモデルになりつつあるガール・フレンド、レナ・シモンとのイチャイチャをインスタグラムで披露しまくるあたりはロメオ感が出ているかもしれないが。この色男がラップを始めたきっかけは、美大の学生時代に友達のLe Motelにビートを作ってもらったところから。2013年には初のEPをリリース。ベルギーでは、同じブリュッセルのバンド、l’Or du Commun(ロール・デュ・コマン)にフィーチャーされたりして少しずつ注目を集め始めたが、2016年までラップ1本で食べていくことはできなかった。スーパー・カルフールのレジ係のバイトを辞めたのは2016年になってから。ここフランスでは2017年リリースの「Moral 2」あたりから注目され始めた。2017年は小さなものから大きなものまでフェスを制覇し、今年の11月に行われるパリの殿堂オランピア劇場でのライヴはすでにソールド・アウトだ。
 対する妹のアンジェル(22歳)は、音楽学校でジャズ・ピアノを習った後、パパのバンドに参加したり、ブリュッセルのカフェでライヴを行ったりして音楽の道へ。お兄ちゃんの曲に参加するなどしてバズった後、2017年10月に発表した最初のオリジナル曲「La Loi de Murphy(マーフィーの法則)」が、youtubeでいきなり100万ビュー超え(現在は1200万ビュー超え)を獲得した。

 徹底的についてない1日を、キュートでポップで間抜けに歌う。この肩の力の抜け具合と自虐ネタは兄妹ふたりの共通要素だ。「道を聞いて来たから親切に教えてあげたら、ヘタクソなナンパだった。バカのせいでトラム(路面電車)に乗り遅れた。ばあちゃんに銀行の順番譲ってあげたらクッソ時間かかるし。セキュリティドアに押し込んで閉じ込めりゃよかった」と絶妙なあるあるネタに、適度な毒舌が織り込まれている。金髪のかわい子ちゃんと毒舌と自虐。黄金のトライアングルである。続くシングル「La Thune(カネ)」では「みんなカネのことばっか考えてる。カネにしか勃たない。インスタに写真載せなきゃ。じゃなきゃなんで撮んの? でもそれってなんのため? 結局独りぼっちなくせに。人がどう思ってるかばっかり気にして」とSNSに振り回される虚しさをディスった後に「でもほんとはあたしもそのひとり」と自分を落とすことも忘れていない。こちらも現在600万ビュー超え。この2曲の大ヒットでアンジェルは2018年の夏フェスを制覇した。妹はお兄より歩みが早い。そのロメオ兄ちゃんとのデュオをドロップしてすぐ、つい先日待望のファースト・アルバムをリリースした。

Angèle feat. Roméo Elvis - Tout Oublier

 おそらく子供の頃から絶対美形だったはずなのに、前歯の抜けたブサイクな幼少期写真をジャケットにしたセンスはさすがだ。
 フレンチ・ポップ、シャンソンにはいくつかのパターンがある。例えばエディット・ピアフ・タイプ。歌唱力高く情念たっぷりに愛の歌を歌う。スタイルはアップデートされているが2018年現在もこれは健在。次にジェーン・バーキン型。センスあるプロデューサーが作り上げた、歌はへたっぴだが雰囲気は抜群のパリジェンヌ。そして日本でも80年代に少し名前の売れたリオのパターン。奇抜で突拍子も無いエキセントリックなポップがこのタイプ。自らのアートを突き詰めて誰も追いつけないところまでいく、アヴァンギャルドの女王、ブリジット・フォンテーヌもいる。もちろんそれらの型に必ずしも当てはまらないけれど、王道フレンチ・ポップ感を漂わせるアーティストもいる。だがアンジェルは、フレンチ・ポップの王道からあえてズレてDIY感を前面に出すことで、いまっぽさを強く印象付けたのだ。それこそが、彼女を2018年フレンチ・ポップ界のど真ん中にライジングスターとし押し出した要因だ。このパリジェンヌ幻想を一切寄せ付けない新世代フレンチ・ポップや、ダルダルでスモーキーなフランス語ラップが、日本で受ける日が果たして来るのだろうか。そんなことになったら、個人的にはとっても面白いと思うのだが。

 今年も、筆者の暮らすメキシコの「死者の日」が近づいてきた。「死者の日」とは毎年10月31日~11月2日の3日間祝われるお盆のこと。メキシコじゅうがカラフルな切り紙の旗、ガイコツの砂糖菓子や、鮮やかなオレンジのマリーゴールドの花で彩られる。数千年前から受け継がれる先住民の風習と、スペイン侵略後のカトリック信仰が混合された独特な祭礼で、故人と生きている者たちが交流する期間だ。お盆にしては、華やかであり、まるで死ぬのも、そんなに悪くはないと語っているようだし、身近に感じさせる。
 そもそも、メキシコの暮らしは、死と隣り合わせである。2018年上半期だけでも1万6000に及ぶ殺人事件数があり、ここ10年以内に起こった女性殺人は2万3800件と増加傾向で、毎日7人の女性が殺されていることになる。1か月前には、うちの近所のメキシコシティ中心部ガリバルディ音楽広場で、マリアッチ楽団の衣装を着た殺し屋たちが、麻薬倉庫前に現れ、ロバート・ロドリゲスの映画みたいな銃撃戦が起こった。ここまで暴力が近いと、命がいくらあっても足りない。怒りと恐怖を抱くと同時に、どうせ儚い人生、濃く生きてやると腹をくくらせる。
 2018年12月から、「左派」大統領の新政権がうまれ、変化が期待されるメキシコではあるが、筆者のような働く移民にとって、光はあるだろうか? 2002年に元メキシコシティ市長は、元ニューヨーク市長ジュリアーニをメキシコシティ中心部の再開発指導者として呼び寄せ、ジェントリフィケーションの波を起こしたが、その元メキシコ市長オブラドールこそが、私たちの新大統領なのだから。筆者が夫と営む、吹けば飛ぶよな小さなアジア食堂は、開発が進む、ダウンタウンの一角にあり、年々値上がりする家賃と、工事を名目に突然断たれる電気や水道の供給と、チンピラども(警察を含む)との駆け引きの合間で戦々恐々としている。 それでも、ここで踏ん張ろうと思うのは、市井の人々は温かく、いちいち空気を読む必要なんてないし、失敗も恥ずかしくない。自分のリズムで呼吸でき、何度でも生き返られる場所だからだ。

 そうは言っても、へこみそうな時に、食堂で店内音楽としてCDでよくかけるのがエル・ハル・クロイの音楽だ(当食堂のBGMはCDだ。メキシコではスポッティファイが音楽を聴くためのメインメディアになりつつあるが、あえて抵抗している)。
 スペイン語の定冠詞「EL」に、「黒い春」という日本語をミックスした名を持つこのバンドは、メキシコ系米国人=チカーノたちが多く暮らす、イースト・ロサンゼルス出身。哀感あるギターと可憐なヴォーカルのエディカ、ジャジーなベースのマイケル、変拍子を巧みに取り入れたドラムのドミニクから成るトリオだ。2007年にアルバム『サブン』でデビューし、今までに『カンタ・ガジョ』(2013年)、『192192192』(2016年)の、3枚のアルバムを発表。2016年には日本ツアーも行った。彼らの音には、60年代後半、ブラジルの軍事政権に抵抗して起こった音楽ムーヴメント、トロピカリアや、メキシコやキューバで古くから歌い継がれているボレロ、ラテン各国で鳴り響くクンビア、アフロペルー音楽、ジャズ、そしてパンクやロックの影響を受けているが、ミクスチャーではない。伝統と前衛が同居したエル・ハル・クロイとしか言いようがない世界で、その魂の底から立ち上るようなブルースに労われる。甘美でありながら、生ぬるい癒し音楽ではない。

 そんなエル・ハル・クロイが、なんと、日本でメキシコの死者の日を祝うイヴェントに参加し、ツアーも行うという。そこで、ヴォーカルのエディカにメールでインタビューした。

 エル・ハル・クロイの3人は、イースト・ロサンゼルスのパサデナにある音楽学校の同期生により生まれた、アーケストラ・クランデスティーナというアフロファンクや、フリージャズを演奏する楽団のメンバーとして出会った。エディカは当時、打楽器と歌を担当していた。

「楽団の解散後、地元図書館のメキシコ独立記念イヴェントでスペイン語曲を歌うバイトのためにエル・ハル・クロイの前身ともいえるトリオを結成した。それが成功し、本格的に活動を始めた。最初は、アコースティック編成で、スペイン語で歌うグループだったけれど、のちにポルトガル語曲も加えるようになった。私にとって、英語よりも自分の第一言語であるスペイン語で表現するのが自然だった。ポルトガル語は、父がたくさんのブラジル音楽を聴いたり、演奏したりするので、身近だった。ブラジル音楽のリズミカルな歌が大好きで、スペイン語で、それを再現したりもした。でも、本格的に勉強したくて、UCLAの語学コースや、ブラジルのバイーアでも勉強した」

 音楽家になろうと思ったのには、父親の影響が大きいと語る。

「父の一家は、音楽を生業としているので、私が幼い頃から、周囲に音楽があふれていた。父は、ギター、ベース、ピアノを演奏し、歌手でもあった。私は、5歳から父と歌い、思春期にはギターを演奏しはじめた。その時から自分の曲を演奏するのにやりがいを見つけた」

メキシコ人の両親が、メキシコシティからイースト・ロサンゼルスのボイルハイツに移住してから、エディカは生まれたのだが、「自分はメキシコ人だ」という。

「母は私を妊娠しながら国境を超えたので、メキシコ仕込みと言えるでしょ(笑)。両親はロサンゼルスで英語を学んだけど、家庭ではいつもスペイン語で会話したし、私をメキシコ人として育てた。10代までは、父の仕事の都合で、メキシコで過ごすことが多かった。幼少期には南部のオアハカやベラクルス、思春期にはメキシコシティや、グアナファトで数年暮らした。私の両親は、1960年代の公民権運動などのチカーノ・ムーヴメントの頃に、米国にはいなかったし、私はチカーノとして育っていない。エル・ハル・クロイは、 「イースト・ロサンゼルス出身の米国とメキシコにルーツを持つグループ」と言える。ただ、他の2人のメンバー(マイケルとドミニク)の両親は米国で生まれ、チカーノとして位置付けられる。でも、私たちの音楽は位置付けを必要としないし、カテゴライズは、表現を制限させる」

 メキシコとラテンアメリカの文化は、彼女のインスピレーションの源泉だが、ロサンゼルスも、音楽やアートを学び、大切な仲間たちと出会い、人生の転機となった、重要な場所であるのには変わりない。そんなロサンゼルスを舞台にした『ELLA(彼女)』という曲(2018年10月にEPとして発売)では、夜明けとともに自宅を出て、日中は遠くの高級住宅でハウスキーパーとして働き、夜更け前に帰宅して、ようやく、自分の子どもと過ごせる母親の日常を美しく歌い上げている。

「私が幼かった頃、母はビバリーヒルズの富裕層の家の清掃や、その家の子どもたちの面倒を見る仕事をしていた。週末に私をその家に連れて行くこともあったんだけど、そこで、彼らと私たちとの経済格差に気づいた。大人になって、イースト・ロサンゼルスからUCLAへへ向かう路線バスで、多くのラテン系の女性たちと乗り合わせた。彼女たちの多くは、ビバリー・ヒルズで降車した。そんな姿を見て、私の幼少期に母が同じような仕事をしていたのを思い出した。そこで、社会で不可視の存在とされている彼女たちに捧げる曲を作った」

 エル・ハル・クロイの曲の数々は、厳しい現実をまっすぐ受け止めながらも、あまりに詩的だ。それは、過酷な日々から一瞬でも解放させてくれるような、優しく強い音楽でもある。エディカは、ほどんどの曲の歌詞を担うが、どうやってこのスタイルに行き着いたのか。

「私はいつでも詩を書いていて、そこから曲が生まれることが多い。音楽以外には、ビジュアル・アートの勉強をしていたので、その一環でイースト・ロサンゼルスの美術学校で、浮世絵の北斎や広重、メキシコのグアダルーペ・ポサダのような古来からの方式で木版画を教えるクラスがあり、習得した。版画のモノトーンから表現する世界は、私の音楽にも影響を与えている。言葉のイメージを膨らませて絵を描くことも好き。私の夢の一つは、自らが描いた絵をアニメーションにして、エル・ハル・クロイの3作目のアルバム『192192192』に収録された日本語とポルトガル語の曲、「YAGATE」のプロモビデオを作ること。誰か日本のアニメーション作家とコラボレーションできたらと思っている。でも、曲を映像化することよりも、その曲じたいが、聴き手の想像力を掻き立て、それを視覚化できるのが大事だと思う」

 現在、4枚目にあたるエル・ハル・クロイの新作を制作中で、人間の眠っている能力や直感についてをテーマにし、リインカーネーションについての曲も含まれるという。

「音楽で表現したいのは、貧困層への不公平さ、差別、私のような移民の子どもたちに起こる、不特定の土地を移動しながら暮らす体験、人生と死、愛、そして亡くなった愛する人たちを思い出すこと」と語るエディカ。今回、日本で死者の日を祝うイベントに出演し、ツアーを行う(11月2日から代官山・晴れ豆を皮切りに全国6カ所を回る)ことについては、こう語っている。

「再び大好きな日本へ行けることが嬉しいし、興奮している。このことを謙虚に受け止めて、私たちの音楽や伝統文化を、日本のみんなと少しでも共有したい。音楽を作り、何年もグループを続けていくのには、とても努力を強いることだったので、報われる思い。この繋がりが続くといいな」

 エル・ハル・クロイの演奏は、日本へメキシコ、ロサンゼルス、ラテンアメリカの美しい空気を運ぶことだろう。その美しさは、わかりやすいものではないかもしれないが、暗闇の中の一筋の光のように、ひときわ強く輝いているのだ。(文:長屋美保)

■エル・ハル・クロイ「死者の日」ジャパン・ツアー

☆エル・ハル・クロイカリフォルニア州ロサンゼルスから登場した3人組音楽グループ。今やロサンゼルスの人口の半分を占める所謂ラティーノと呼ばれる中南米系住人の文化・社会的拠点であるイースト・ロサンゼルスの出身。現在まで3枚のアルバムを発表。ランチェーラと呼ばれる伝統のメキシコ音楽、クンビアというコロンビア発祥で中南米中に伝播したダンス音楽、またブラジル音楽、さらにアメリカの前衛音楽やジャズなどにも大きく影響を受け、今までのチカーノ・ロックやミクスチャー・ロックとは異なる独創性の高い音楽を奏でる。また、不法滞在、暴力、貧困などのコミュニティが抱える問題への高い意識、メキシコから国境を超えて伝わった伝統とアメリカ文化が融合・発展を遂げてきた豊穣なチカーノ文化・社会への誇り、ラティーノだけでなくアジア系など多様化するロサンゼルスの現在の空気感も巧みに混ぜ合わせ、その独創性高いサウンドのなかに、複雑なテーマ性も内包し独特の魅力を漂わせている。大熱演となった2016年のツアー以来、第2回目の来日。

メンバー
エディカ・オルガニスタ(Gt. Vo)
マイケル・イバーラ(Ba)
ドミニク・ロドリゲス(Dr. Vo)

11月2日(金)代官山 晴れたら空に豆まいて
Open:18:30/Start:19:00
予約\3,900 / 当日\4,400(+1ドリンク別途)
Live:Shoko & The Akilla、Los Tequila Cokes
DJs: Trasmondo DJs、星野智幸、Shin Miyata
Tacos: Taqueria Abefusai、Octa
Shop: Barrio Gold Records
詳細・予約:https://mameromantic.com/?p=60288


11月3日(土・祝)金沢 FUNCTION SPACE
Open:20:00/Start:21:30
予約\3,500 / 当日\4,000(1ドリンク付)
DJs: U-1、ハンサム泥棒(KYOSHO & YASTAK)、中村一子(Record Jungle)
Tacos: Ricos Tacos
Shop: Barrio Gold Records
後援:北國新聞社、北陸中日新聞、エフエム石川、HAB北陸朝日放送、テレビ金沢、
北陸放送
詳細・予約: https://mameromantic.com/?p=60305


11月4日(日)大阪 do with cafe
Open:18:30/Start:19:00
予約\3,500 / 当日\4,000(+1ドリンク別途)
Live: Conjunto J、カオリーニョ藤原
DJs: TZ(EL TOPO)、Shin Miyata
Tacos: Cantina Rima
Shop: PAD、Barrio Gold Records
詳細・予約: https://mameromantic.com/?p=60309


11月5日(月)高知 五台山・竹林寺
Open:17:30/Start:19:00
予約\3,000 / 当日\3,500
Tacos: Masacasa Tacos
Shop: Masacasa Music
Supported by Masacasa Music、 竹林寺、Bar a Boucherie 松原ミート、Mushroom
record
予約:Masacasa Music(9/27以降)担当:都筑 080-9832-6081 /
masacasamusic@gmail.com

11月6日(火)徳島 Amusement BAR Fly
Open:19:00/Start:19:30
予約\3,000 / 当日\3,500(+1ドリンク別途)
Live: 越路姉妹
Shop: Barrio Gold Records
詳細・予約: https://mameromantic.com/?p=60315


11月8日(水) 横浜 B.B. Street
Open:18:30/Start:19:30
予約\3,000 / 当日\3,500(+1ドリンク別途)
Live: gnkosaiBAND .
Shop: Barrio Gold Records
https://www.bbstreet.com/


■■公演予約方法■■
11/5高知公演、11/8横浜公演以外の公演については下記で承ります。
電話:晴れたら空に豆まいて:03-5456-8880(14:30-23:00)
MUSIC CAMP, Inc. TEL: 042-498-7531 e-mail:ehk@m-camp.net
※件名を「エル・ハル・クロイ予約」として、本文に公演日、お名前、人数、ご連絡
先電話番号を明記ください。

総合サイト⇒ https://www.m-camp.net/ehk2018.html

招聘・制作:晴れ豆インターナショナル / BARRIO GOLD RECORDS / MUSIC CAMP,Inc.

また文中に出て来る関連動画は以下です。
☆DIA DE LOS MUERTOS
https://www.youtube.com/watch?v=2luTdONIFfQ

☆ELLA
https://www.youtube.com/watch?v=3UbkD_3pVFs

人生が「楽」になる達人サウナ術 - ele-king

サウナの効き目とは――?
疲れがとれる●冷え性が治る●美肌になる●夜よく眠れる●うつ症状が改善する●恍惚を味わう●自然と一体になる●芸術を感じる●地域文化に触れる……まだまだあります!

いま何度めかの大流行を見せるサウナ。しかし、意外とその「入り方」に着目されることは多くありません。単に「暑さをガマンして汗をかく」だけがサウナではないのです。

本書では、数々のサウナの通人・粋人たちにサウナに入る目的や効果、サウナでの過ごし方(入っている分数、姿勢、温冷の回数、考えていることなど)、好きなサウナの種類、サウナのある生活、お薦めのサウナ施設など、サウナのノウハウやライフスタイルに迫ります。

さらには日本サウナスパ協会への監修による標準的な入り方と健康効果、サウナでできるヨガエクササイズ、最新トレンドのフィンランド式野外サウナなども紹介。自分に合ったサウナとの接し方を探す助けとなる一冊です。

【登場するサウナーたち】
まんしゅうきつこ(マンガ家)、宮本和知(元プロ野球選手)、笹野美紀恵(株式会社ワンブロウ代表取締役/モデル)、サウナーヨモギダ(プロサウナー)、池田晶紀(写真家)、原田郁子(クラムボン)、久志尚太郎(TABI LABO)

■目次
はじめに
癒楽の祭典『日本サウナ祭り2018』の風景
Seminar~知るほどに楽しさ広がるサウナのアレコレ
 #01 サウナの基本的な入り方
 #02 三つの入浴法とサウナ効果
 #03 サウナ×ヨガ入門
 #04 「キャンプでサウナ」の楽しみ
 #05 メトスが作るサウナとサウナ文化
My Sauna File~通人たちのサウナ術
 #01 まんしゅうきつこ(マンガ家) 
 #02 宮本和知(スポーツキャスター/タレント)
 #03 原田郁子(ミュージシャン)
 #04 久志尚太郎(株式会社TABI LABO代表取締役)
 #05 笹野美紀恵(株式会社ワンブロウ代表取締役/モデル)
 #06 池田晶紀(写真家)
 #07 サウナーヨモギダ(プロサウナー)
イラストで見るサウナの風景(蟹めんま)
 サウナ室の風景
 水風呂の風景
 休憩中の風景
おわりに

Puce Mary - ele-king

 ノイズ音楽は束縛であり、解放である。暴力であり、快楽でもある。赤子の叫びのように人間の恐怖の源泉に遡行するものであり、音=言語の消失でもある。否定であり、肯定でもある。音楽であり、音楽ではない。無意味であり、意味の炸裂でもある。音による感情の発露であり、暴発であり、奇妙な構築物であり、その破壊であり、現象の喪失でもある。
 そう、音響/ノイズの持続と暴発の中には「音楽」が解体され尽くしたカタチ、つまり世界の現象が融解してしまった後に蠢く「何か」が蠢いている。だからこそノイズ音楽は「最後の音楽」なのだ。70年代後半以降、「最後の音楽」として生まれたノイズ音楽は、世界中の都市の辺境/中心で生成と衝突を繰り返し、自らのジャンルを刷新し、そのノイズ音響を変化させてきた(ノイズ・ゴッド、メルツバウの歩みを思い出してみてほしい)。
 そして2010年代において、ノイズ音楽は、世界の不穏さの反映のようにエモーショナルな領域へと踏み込みつつある。現代の若きノイズ・アーティストたちは「世界」への不安と不信から生まれる自我の葛藤によってノイズを生む。そのノイズは同時に抑圧された生の発露でもある。近年、コペンハーゲンのモダン/オルタナティヴ・レーベル〈Posh Isolation〉などからリリースされる生々しくもスタイリッシュなノイズ音楽にも、そのような不穏と不安、衝動と冷静、物質と血などがせめぎ合う、新しい響きを持ったモダン・ノイズ作品を聴くことができる。彼らは世界にみなぎる欲望に対して、自らの血と生によって抵抗する。 特に主宰のローク・ラーベクの活動には注目だ。彼はクロアチアン・アモル、Hvide Sejl などの複数の名義で、テクノイズ・ユニット、ボディ・スカルプチャーズのメンバーとしてノイズという多様体を疾走するような活動を展開しているのだ。

 そして、〈Posh Isolation〉からのリリースで知られるノイズの触媒、もしくは官能的化身ピュース・マリーも同様の存在である。彼女は2010年に、ピュース・マリー - LR(ローク・ラーベクの別名義)のEP「Lucia」、2011年にピュース・マリー - LRのアルバム『The Closed Room』をリリースして以降、同レーベルから2013年に『Success』、2014年に『Persona』のソロ・アルバムを立て続けにリリースする。2015年には再びローク・ラーベク&ピュース・マリーで透明なノイズ音響作品『The Female Form』を発表し話題を呼んだ。翌2016年には、集大成的な作品『The Spiral』をリリースし、先端的音楽マニアの耳を驚愕させる。
 そして前作から2年ぶりのリリースとなった新作アルバム『The Drought』は、馴染みの〈Posh Isolation〉から離れ(ちなみにシングル・EP、コラボレーションなどは〈Fascinations〉、〈Nordisk Klub〉、〈Freak Animal Records〉、〈Mutter Wild〉など複数のレーベルからリリースしていた)、ベルリンに拠点を置く先端的音楽の名門〈PAN〉からリリースした作品である。美しい傷のような前作『The Spiral』の腐食する華のようなノイズ・コンポジションの質感はそのままに、西洋音楽的ともいえる和声のレイヤーはさらに洗練されており、「音楽/音響」の拮抗は前作以上の洗練と緊張を高めている。その不安定なノイズと彼女のヴォイスと音楽的和声が、複雑なコンポジションの中で融解し、甘美な痛みのように美しくも過激な音響空間へと聴き手を誘うのだ。
 まずM2の“A Feast Before The Drought”は、不安定なノイズが幾層にも重なり、そこに砕け散ったようなサウンドが重なることで、聴き手の自我を壊すかのようなノイズ・ミュージックを生み出している。この楽曲に満ちているのは不穏というより恐怖の感情に思える。自身の自我や肉体を壊すかのような恐怖の感覚と感情。
 M3“To Possess Is To Be In Control”は、パイプオルガンのような音に、彼女のヴォイス/リーディングがレイヤーされ、やがてノイズと打楽器が暴風の中で消失するように鳴り始める。続くM4“Fragments Of A Lily”でも性急なリズム/ノイズが継承され、高音域のノイズが聴覚を快楽的に刺激する。インダストリアルの先にあるトライバル・トラックといえよう。
 M5“Red Desert”では再び彼女のヴォイス/リーディングとパイプオルガンの和声が重なり、さまざまな環境音とノイズが、それらを掻き消すように鳴り響く。曲名はミケランジェロ・アントニオーニ監督の映画『赤い砂漠』(1964)からの引用だろうが、アントニオーニの映画にあるような不安定な自我は、本作にも確かに漲っているように思える。
 前半のクライマックスである“Red Desert”を経て、M6“Coagulate”からアルバムは第二部へと突入する。透明なサウンドのクリスタルなレイヤーである“Coagulate”は、宗教音楽の、もっとも美しい箇所をドローンにしたかのような美麗なトラックである。
 以降、M7“The Size Of Our Desires”、M8“The Transformation”、M9“Slouching Uphill”と、ノイズ、ヴォイス、リズムという前半のサウンド・エレメントを意図的に反復するように、さらに大きな音の渦を生成していく……。

https://soundcloud.com/pan_hq/sets/puce-mary-the-drought

 全9曲、どの曲もノイズの独特の質感、音響の密度など、前作『The Spiral』以上の達成をみせており、本作をもって彼女の最高傑作と称することも可能だ。しかし何より重要なことは、彼女は、まるで甘い蜜と金によって誘惑する世界の抑圧に抗うために、あえてノイズによる束縛と抑圧を引き受けている点にある。まるで抑圧を意図的に加速させることで、抑圧自体を無化させてしまうように。
 欲望と抑圧に塗れた世界へのアゲインストとアジャスト。エモーショナルな自我の発露。終末的・神話的世界観。本作は、そのような過酷な「世界」に対する抵抗であり、闘争の記録であり、生/性の抑圧への闘争/逃走なのだ。そう、「世界・自我・神話」を貫く、ノイズ/ミュージックの蠢きがここにある。

shotahirama - ele-king

 この2月、スプリット・シリーズを再始動させ話題を集めたグリッチ・ノイズの雄 shotahirama が新たな動きをみせています。なんと来る11月2日、来年リリース予定のアルバムからの先行シングルとなる「Cut」をリリース。同曲をぎゅぎゅっと3分に縮めたティーザーが公開されています。映像のディレクションを担当したのは、『Maybe Baby』でもMVを手がけていた若手映像作家 shiki sawamura。この不思議な映像を観ながら細部の怪しげな音たちに耳を傾けていると、どんどんフルサイズが待ち遠しくなってきます。アルバムも楽しみですね。

shotahirama / Cut

ポストパンクやダブなど、ノイズ・グリッチを類稀なコラージュセンスで様々な音楽へと昇華してきた電子音楽家 shotahirama が来年発売の新作アルバムより先行シングル「Cut」をリリース! 最新作ではピアノをサンプリングした奇妙で中毒性の高いフレーズを中心に、代名詞でもある過激なノイズとビートとがハイテンションに混ぜ合わさる新感覚のグリッチ・ミュージックが披露されている。

中原昌也、evala、空間現代など様々な著名アーティストがコメントを寄せ、日本のノイズ・グリッチ・ミュージック・シーンにてその存在を確固たるものにしたニューヨーク出身の電子音楽家 shotahirama。そんな彼が2019年に発売する新作アルバムより先行シングル「Cut」を発表。ピアノやラップがサンプリングされた奇妙奇天烈で中毒性の高い世界観の中を、過激なグリッチとビートが躍動するトラックは彼の次なるステージへのイントロダクションに過ぎない。

発売日:2018年11月2日
品番:SIGNAL014
アーティスト:shotahirama
タイトル:Cut
定価:450円
フォーマット:デジタル
レーベル:SIGNAL DADA

トラックリスト:
Cut - original by shotahirama(9:02)
Cut - remix by nobanashi (7:48)

iTunes

プロフィール:
ニューヨーク出身の音楽家、shotahirama(平間翔太)。中原昌也、evala といった音楽家がコメントを寄せる。畠中実(ICC主任学芸員)による記事「デジタルのダダイスト、パンク以後の電子音楽」をはじめ、VICEマガジンや音楽ライターの三田格などによって多くのメディアで紹介される。Oval、Kangding Ray、Mark Fell 等のジャパンツアーに出演。代表作にCDアルバム『post punk』や4枚組CDボックス『Surf』などがある。

R.I.P 小杉武久 - ele-king

永遠のピクニックにでかけた芸術家の背中をみおくる

 小杉さんの訃報に接して、どこからともなく聞こえていた風の便りのようなことも総合して、ああやはりそうだったのかと思う反面、心のなかにぽっかりと開いた穴を、便りをもたらせた風が音を立てて吹き抜けるような奇妙な感覚はいまもつづいている。小杉武久という芸術家の存在は巨大でひきかえがきかない。すくなくとも私にとってはそうだ。ケージやマース・カニングハム、フルクサス、タージ・マハル旅行団、グループ・音楽――現代音楽、現代アートうんぬんという教科書的な話はさておき、機会あるかぎり足を運んだその演奏はおおらかでありながら無骨で音そのものをその場に投げ出すようでありながら、メガネの奥の演奏家のまなざしは音の行方を見守り、耳はおそらく空間全体に指向性を注いでいた。ヴァイオリンであれエレクトロニクスであれ、インストラクション(ことばで行為などを指示する作曲作品)であれ、音は演奏の場に観念をともなった生成し、しかしその観念は主情的なものではなかった。すなわち他者をつねに期待していた、そのような音楽の在り方を小杉武久は芸大楽理科に入学してしばらくしたころにもう予感しており、1958年に水野修孝とはじめた即興演奏のこころみに最初に結実した。

 うすぐらい芸大の構内の一角ではじまった即興デュオに、翌年から翌々年にかけて、塩見千枝子(現・允枝子)、戸島美喜夫、柘植元一と刀根康尚らが加わり、学外のイベントに参加する必要から集団がグループ・音楽をはじめて名乗ったのは60年8月、この日本でおそらく最古の純粋な即興による音楽集団はそのように誕生し、六一年九月の草月ホールでの「即興音楽と音響オブジェのコンサート」をひとつの境に即興の方法をこころみる集団から自律した個々の芸術家の集まりに変容していく。

 60年代は小杉が海外への足がかりを築いた時代で、米国留学から帰国した一柳慧や、ジョン・ケージ(とカニングハムとラウシェンバーグ)の来日公演への参加や、邦人アーティストの海外渡航があいつぎ、フルクサスの首謀者ジョージ・マチューナスから招待状をうけとるにいたって、小杉も六五年にニューヨークに渡ることになる。二年におよんだ米国での活動は、フルクサス的反芸術性に則ったインストラクションないし行為芸術的な作品が中心だったが、代表作のひとつである「マノ・ダルマ、エレクトロニック」も滞在中にかたちになった。この作品は、天井から吊した複数のラジオや送信機が、来場者がドアの開閉や移動によりひきおこす会場内の空気の動きや、送信機を吊す糸の捩れが戻ったりすることで、多様なヘテロダイン効果を生むインスタレーション作品であり、波長、波動、波紋としての音の考え方は無意識を発見する方法としての即興であるキャッチ・ウェイヴとして七五年のアルバムで音楽に(原点)回帰する。すでにそのとき、タージ・マハル旅行団は、日本から欧州へ、さらにインドのタージ・マハルに到達しそこで24時間をすごし、その役割をまっとうしたが、木村道弘、小池龍、土屋幸雄、永井清治、長谷川時夫、林勤嗣ら非音楽家をふくむ彼らは70年代という日本におけるサイケデリック・エラを代表する集団としていまでも海外でもつとに知られている。タージ・マハル旅行団の演奏には、71年から75年にかけての実況盤でふれることができるが、重なり合う音のなかで起点も終点もなく伸縮する時間の扱い方は同時代の作品でも抜きん出ている。小杉自身はのちにその時代性のつよさを忌避するようにもなったが、私は純粋に即興演奏としてもフリージャズやフリーインプロヴィゼーションが弁証法の行程できりすてたもの、そもそも最初から問題にしなかったもの、できなかったものが、小杉武久の即興にはあっけらかんとしてのこっている、それが好きなのだ。演奏家としての小杉武久はこれからかならずや光があたるだろう。作品がすくないのはいくらか残念ではあるけれども、それもまた音楽は固定したものではなく、いまここにたちあがるという意思なのかもしれない。だから音楽であれアートであれ、その場に足を運ばねばならない。これは自分への戒めでもある。

 しかし私が小杉さんの生前最後の展覧会となった芦屋市立美術博物館での〈音楽のピクニック〉展に出かけたのは会期末が二日後にせまった2018年2月10日だった。その日の朝石牟礼道子さんの訃報があった。私はもちだした『西南役伝説』を読んで道中をすごした。新大阪から在来線に乗り換えて芦屋に着いたときは大粒の雨で、降車したバス停から美術感に歩くまでに濡れネズミになった。さいわいエントランスで小杉さんのマネジメントをつとめるHEARの岡本隆子さんにお会いし、この日展覧会の付随企画である小杉さんが音楽にたずさわった映画の上映会で司会をするのに訪れた川崎弘二さんにとも、すこしだけだけ話をした。思えば、川崎さんと知り合ったのも、雑誌編集者だったころにお願いした小杉さんのインタヴューだった。

 間宮芳生の音楽の手助けをした松川八洲雄監督の「ある建築空間」や久高島のイザイホーの記録映画資生堂の科学映画など五作品を鑑賞し、会場を巡ると、そこには写真やポスターなどで小杉さんの活動をふりかえる展示がつづいている。グループ・音楽からニューヨーク時代、タージ・マハル旅行団と、後期の軸のひとつだったマース・カニングハム舞踊団での活動など、小杉武久にまつわる人名や出来事の数々はそのまま60年代以降の(反)芸術の記録といっても過言ではなかった。「マノ・ダルマ、エレクトロニック」や「インタースパージョン」系の作品をふくむ10点のサウンドインスタレーションには作者の考えや感覚が擬態したかのようで、かすかな音や事物の動きはまるで演奏だった。思わず聴き入ってしまって、ふと気づけば閉館時間もちかく、結局数人で乗り合わせて芦屋の駅まで車でむかったのだが、岡本さんに車中でうかがったエピソードが私は忘れられない。

 ニューヨークにいたころのある日、ナム・ジュン・パイクが手に半ダースの無花果(イチジク)を提げて、小杉さんも参加していた集まりの席にやってきた。めずらしいものをみつけたよ、こっちではなかなか手に入らないからね、と部屋にいた数人にイチジクを示しながら、みんなで食べるのに買ってきたのだなと思う彼らを尻目にパイクさんは全部平らげたのだという。まるでフルクサス的な出来事(イヴェント)だと思ってしまうのは、そこにそのようなものをみようとするからなのか。日常がアートになり、楽器が実物に事物が音具になるとはどういうことなのか。その問いかけをのこし小杉武久は永遠のピクニックに旅立った。

 遠ざかる背中をみおくりながら私は小杉さんのインストラクション作品を思い出す。1963年の「THEATRE MUSIC」。演奏者(行為者)に以下の行為を指示した作品である。

Keep walking intently.

 きょうはみなさんと一緒にこの曲を「演奏」しながらだれもほかに喩える術をもたない唯一無二の芸術家を偲びたい。(了)

J Dilla - ele-king

 『Ruff Draft』。ラフなドラフト。この「ラフ」には二重の意味がある。まずはここに収録されているビートたちが、Jディラのアイディアを、それが生まれた瞬間の鮮度はそのままにスケッチとして書き留められたような「ラフな」ものであるという意味。そしてもうひとつは、そのサウンド、特にビートの質感が非常に「ラフな」ものであるということだ。
 前者について考えてみるとすぐさま直面する疑問がある。つまり、このビート集がラフなスケッチ=未完成品の集積なのだとすれば、ビートの完成形とは、あるいはアルバムという作品の完成形とは一体なにを指すのかということだ。たとえばディラのようにMPCシリーズのサンプラーでビート制作する場合、キックやスネア、ベースラインやウワネタ自体を選択し、延々とビートをループさせつつそれらの打ち方のタイミングを微調整する。あるいは、各トラックの音色を微調整し、最良のミックスを探る。そうして形作った個々のピースを、一枚絵のパズルを組み上げるように、最適な順番に整列し、イントロやアウトロ、曲間のインタールードやスキットをあつらえ、ひとつの作品集として固有名を付す。
 これらの作業に、果たして終わりはあるのだろうか。もちろん、終わりはある。どこかで終わりがあったからこそ、作品としてリリースされている。それを僕たちが、聴いているのだから。そしてディラのビート制作について良く知られている特徴は、どのビートも10分やそこらで、組み上げてしまうということだ。それらを考え合わせれば、ことディラにとっては、自身の作品に「完成」というステータスを付与するのは、決して難しいことでなかったように思われる。
 しかし本当にそうだろうか。『Ruff Draft』は、三度、微妙に異なる固有名を与えられた。最初にオリジナル版の『Ruff Draft EP』がディラの自主レーベルである〈Mummy Records〉からリリースされたのは2003年のことだった。それから4年後、彼が亡くなった翌年の2007年に〈Stones Throw〉からリリースされたのが、オリジナルのEPにボーナス・トラックを追加した『Ruff Draft』。
 さらにそこから11年の歳月を経て、今回取り上げる『Ruff Draft (Dilla's Mix)』がリリースされた。そしてここには、2003年のオリジナル版に忠実なミックスと、ディラによる「あり得たかもしれない」オルタネイト・ヴァージョンが収録されている。
 このことは一体何を意味しているのか。

 ひとつのアルバムが「完成」を見るためには、当然収録される個々の楽曲が「完成」に至るだけでなく、それらのシークエンス、つまり収録の順番やそれぞれの楽曲のレングスがフィックスされなければならない。それでは『Ruff Draft』のふたつのヴァージョンにおいては、今回新たに追加収録された「Dilla's Mix」というあり得たヴァージョンの方が理想の形だったのだろうか。だが事実として「Original Mix」は、ディラの生前、当然の本人の納得の末にリリースされたのだ。だから少なくとも当時はこれがディラの理想の形だったはずだ。

 そのことを踏まえ、「Dilla's Mix」の中身を見てみよう。「Original Mix」において、冒頭のステートメントは非常に重要な役割を担っていた。ビートメイカーが自身の作品中にアカペラでステートメントを発信するというのは、DJプレミアのような例外を除けば、基本的には稀な態度と言えるだろう。ディラの肉声。彼の主張はこうだ。『Ruff Draft』という音源は、「ホンモノの生の」「カセットテープから直接の」サウンドである。
 一方「Dilla's Mix」の新しいイントロ“Interlude”では、BPMを抑えレイドバックした叙情的なビートをバックに、ディラは口火を切る。「長い間待たせたけど、俺は戻ってきたぜ」「偽物が蔓延ってるけど、俺らが取り戻すぜ。ベースメントに」「生のシット」「とてもダーティな」ビートを。
 そうだ。当時のディラを突き動かしていた情念は一体なんだったか。『J・ディラと《ドーナツ》のビート革命』にも詳細が綴られている通り、当時のディラはメジャー・レーベル/シーンでの活動に嫌気がさし、それまでとは違った方法で、好き勝手に自分の音楽を制作し発信したいという強いモチベーションに突き動かされていた。そのアウトプットのひとつは自主レーベルからのリリースという方法であり、そしてもうひとつはこのEPの持つラフで自由な雰囲気なのだ。 
 そのことを最も体現しているのが、イントロ開けのオープナー“Wild”だろう。これは元々2003年にリリースされたEPには収録されておらず、2007年の再発盤に追加収録された楽曲だった。タイトル通り、当時それまでのディラの代名詞だったどちらかと言えばジャジーでスムースという印象をぶち壊すような、奇抜なリズム感覚が支配する一曲だ。コメディアンでもあるニール・イネスによる得意のコミック・ソングからのサンプリング・ネタには、彼の幼い息子によるシャウトや、遊びで叩いているようなリズムの合っていないドラムの乱打に溢れている。子供が音楽に接する態度を抽出したような、文字通り初期衝動的なワイルドさをそのまま形にしたような一曲なのだ。
 その意味でディラによる「あり得たかもしれない」ヴァージョンで“Wild”が冒頭に置かれているのは象徴的だ。ディラはいつでも子供のように、自由にビートメイクをしたがっていた。彼は次から次へとスタイルを更新しながらも、自分が見よう見まねで始めたビートメイキングの初期衝動に、常に従っていたいと思っていたのかもしれない。

 冒頭で示したふたつの「ラフさ」のうちの後者、サウンド面のラフさはそこかしこに散見される。「Original Mix」と同様、“Nothing Like This”のスナッピーが外されたタムのような叩きつけられるスネア・サウンドやディラのディストーションがかった歌声、“The $”の歪みながら疾走するブレイクビーツ、“Make'em NV”のネタはメロウながら耳をつんざく M.O.P によるフックはここでも健在だ。
 しかし実は最も注目したいのは、この「Dilla's Mix」の両極、つまり冒頭の“Interlude”と最後を〆る“Rock On”の二曲だ。前者は先ほども言及した通り、「Original Mix」ではアカペラだったディラのステートメントの別ヴァージョンだが、背後を支えるビートは極めてレイドバックした、しかしこれから放出されるラフネスを奥に秘めたような情感的なものなのだ。
 そしてラストの“Rock On”は地元のクルーやATCQ、コモンやピート・ロックにシャウトを送るアウトロだが、これも「Original Mix」のヴァージョンと比較すると、ラフなブレイクビーツを中心に据えながらも、遥かに余韻を残すようなベースラインとシンセサウンドによるウワネタが印象的だ。
 これらに挟まれた「あり得たかもしれない」ヴァージョンとは一体どういうことなのか。
 “Interlude” “Rock On”の二曲に挟まれた構造から分かるのは、「Dilla's Mix」とは、「Original Mix」と比較すると、ビートが想起させる空間性、あるいは余白といったものに貫かれていることだ。と言うと、単なる印象論に聞こえるだろうか。これは「あり得たかもしれない」という前提がもたらす、言い換えれば「想像力」がもたらす幻想にすぎないのだろうか。

 ここで先ほどの問い――『Ruff Draft』が二度も生まれ変わっていることは何を意味しているのか――に立ち返ろう。結局のところ、この疑問の答えは『Ruff Draft』を『Donuts』と対にして考えると、見えてくるものかもしれない。元々原型はミックステープだった『Donuts』はしかし、全篇を貫くサイレン音などのサウンドや綿密な曲同士のつなぎを含む編集作業により、確固たる「完成」したアルバムとして屹立している。個別の曲を異なるポジションにリレイアウトすることは不可能だし、それぞれを単体で抜き出して聞くだけでも、どこか違和感が残る。それほどにアルバムでのリスニングに特化した、いわば31曲で42分の長さの一曲ともいうべき作品なのだ。それが見せてくれるのは、めくるめく一代絵巻であり、生と死を巡るジャーニーだった。
 一方で『Ruff Draft』は、ラフで未完成なスケッチの集積だ。それぞれの楽曲は配置転換が可能で、その並び方に、リスナーは新しい景色を見てとることができる。未完成がゆえに自由に開かれ、そしてその自由には際限がない。
 それだけではない。僕たちの眼前には『The King Of Beats』や『Jay Dee's Ma Dukes Collection』などに収録された大量のビートの海が広がっている。僕たちもまた、「あり得たかもしれない」ディラのアルバムに想像力を馳せ、その音世界を遊泳する自由を、手にしているのだ。

Gazelle Twin - ele-king

 まだ2館上映だった頃に上田慎一郎監督『カメラを止めるな!』を観に行った。どんな映画か観た人が誰も内容を教えないことがヒットの要因のように言われているけれど、たしかに僕もそれにひっかかった。余計な情報が耳に入る前だったので、意外性のある展開も純粋に楽しめたし、盗作疑惑が持ち上がってからは話題にしづらくなったとはいえ、業界に対する怒りが作品の端々から滲み出ていたことで、作品の強度は今後もそれなりに保たれるのではないかと思う。情報が過多になってしまう前に観た方がいい作品もあるということだろう。
 『カメラを止めるな!』はいわばブラック・コメディである。怒りと笑いが不可分に混ざり合い、屈折したメッセージが知性よりもまずは感情に突き刺さってくる。最近の音楽でいえばガゼル・ツインがまさにそれで、そして、3作目になっても彼女の毒は薄まらなかった。相変わらず、自らの肉体を嫌悪しているのか、全身をアディダスのスーツで覆ったエリザベス・バーンホルツ・ウォーリングは森の中でフルートを吹きながら歌い踊る姿をこれでもかと見せつける。

 ♩あなたの木馬に乗る〜というのは性的なニュアンスなのだろうか。ガーディアン紙のレヴューなどを読むと『Pastoral(田園風景)』にはブレグシットや貧困、あるいは移民恐怖(“Better In My Day”)を風刺した歌詞が多いということなので、木馬に乗って「出て行きたいけど、出ていけない」というような自問も社会の風潮を踏まえた表現なのかもしれない。よくわからないので、そのような言葉のニュアンスまでは笑い損ねてしまう。残念。
 しかし、何度か聴いていると、変形させた声でオペラじみた歌い方をするだけで笑いがこみ上げ、強迫的なエレクトリック・パーカッションの反復もマンガじみた説得力に近いものを感じてしまう。ハープシコードが軽快に鳴るだけでOPNをプロデューサーに迎えたスージー&バンシーズのようにも聞こえ、いわゆるゴシック風のアレンジもすべてが悪ふざけにしか思えない。こうした表現の出発点はバーンホルツがフィーヴァー・レイのライヴを観たことがきっかけだったそうで、オーヴァー・アクションであることはいわば基本的な演出意図なのである。♩自分のいいところだけを見ていたいのね〜と歌い上げる“Glory”、よろよろとした歩みを描写した“Mongrel(駄犬)”、淀んだドローンで構成された“Jerusalem”……等々。珍しく透き通った声でヴォーカリゼイションを試みる“Sunny Stories”はやや異質。

 イギリス人はあまりにも自然にブラック・コメディをつくってしまう。今年、ロシア政府が上映を中止するように要請したアーマンド・イアヌッチ監督『スターリンの葬送狂騒曲』ももしかしたら笑わせようという意図はなかったのかもしれないし、実際にスターリンが急死したことでその周囲で起きたことを忠実に映画化しただけなのに、フルシチョフたちのやることなすことがいつしか笑いを誘発し、ソ連という国家の統治システムがどれだけ杜撰なものだったかということが浮かび上がってくる。このセンスはなかなか日本では得がたいものがある。『カメラを止めるな!』で満足していてはいけませんな。


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