「P」と一致するもの

Oneohtrix Point Never - ele-king

 『Returnal』の最初の2曲を聴いて欲しい。とくに1曲目の、嵐のようなノイズ──ノイズなどと書くとマニアが好むところのノイズだと思われそうだが、オウテカからマイブラまでを含む広義のノイズだとお考えいただきたい──は圧巻で、メドレーとなっている2曲目の重たいドローンへの展開は、テクノと呼ばれる音楽に興奮したことのある感性であるならば打ちのめされるだろう。
 2010年、〈エディションズ・メゴ〉は、エメラルズの『Does It Look Like I'm Here?』とともにワンオートリックス・ポイント・ネヴァー、通称OPNの『Returnal』をリリースした。この2枚のアルバムが、当時のUSアンダーグラウンド・シーンの素晴らしい豊かさを世界に知らしめたのである。快楽原則の支配から逃れられないクラブを拠点としたエレクトロニック・ミュージックから生まれようのない音楽である。そもそも、ノイズ、アンビエント、ドローンなどという、言葉だけ見るといかにもマニアックで地味な音楽が、これほど魅惑的に響くとは、僕には思いも寄らなかった。〈ワープ〉もアプローチが遅い! 
 だいたい、ジェシー・ルインズには最初に謝っておくが、僕の嫌いな......、いや、嫌いじゃない、だいっ嫌いな(とあまり繰り返すと、それは好きだという意味だと言われるのでもう言わない)ソフィア・コプラが映画で起用するようになったこの年、OPNの新譜が〈ワープ〉から出る。『R Plus Seven』は、アンビエント色を強めた前作『Replica』の延長線上にある作風で、ピアノの音色が印象的な、豪快な『Returnal』と比較して控えめだが深い作品となっている。ノイズはないが、OPN流サティ解釈と言うと大げさだが、いままで見せなかった美しい旋律がある。早い話、いままででもっとも幅広く聴かれそうな内容だ。待望の新作は9月21日に発売。

Disclosure - ele-king

ハウスの時代 木津 毅

 ときどき、何かを思い出したようにようにブリアルの最初期のシングル"サウス・ロンドン・ボローズ"を聴くことがある。ガラージのビート、重々しいダブ・サウンド。ここから始まったものが変化し、拡散し、いまやダブステップと呼ばれるものがかつてのダブステップと違ってきていることは知っての通りだが......ビート・ミュージックにおけるこの10年の最大の成果であるダブステップの精神のそのすべてが、それでもまだそこにあるように思うのだ。いまだに僕は、その生々しい迫力を簡単に聞き流すことができない。
 その南ロンドンで生まれたローレンス兄弟は兄のガイが91年生まれ、弟のハワードが94年生まれ。"サウス・ロンドン・ボローズ"の時点で14歳と11歳かそこらである。音楽にもっとも敏感に反応する時期をダブステップ全盛のロンドンで育ち、のちにディスクロージャーと名乗る兄弟の目に、ダブステップの変遷はどんな風に映っていたのだろう。ジェイミーXXそしてディスクロージャーら若い世代がいまハウスに向かっているのは、南ロンドンで生まれたかつてのものが、アメリカでEDMとして白人のレイヴ・ミュージックになっているものと世間では同じ名称を与えられていることと無関係ではないだろう。それとこれとは、別のものなんだと。

 エアヘッドのインタヴューに同席して僕がとくに印象的だったのが、ジェイムス・ブレイクと遊びに行ったフランソワ・ケヴォーキアンのDJがすごく良かったというエピソードだった。ポスト・ダブステップ時代のトラックメイカーたちの興味がハウスに向かっていることは理解しているつもりだったが、それにしてもフランソワKとは! 僕にとってフランソワK辺りは上の世代のものというか、キャリアをしっかり積んだ立派なベテラン(要するに大御所)というイメージだったもので、彼らがまったく新しいものを発見するようにそのオーセンティックなハウス・ミュージックに出会っていることが、どうにも羨ましく思えたのだ。
 『セトル』の国内盤のライナーノーツによれば、兄のガイがダブステップの影響元を遡って発見したのがハウスやガラージだったという。それは彼らにとって紛れもない発見であり、そして恐らく、わたしたちがダブステップの黎明期に感じたような興奮を兄弟はそこで覚えたのだろう。まったく自然な成り行きとして、そしてこのデビュー・フル『セトル』は、ハウスとガラージが中心を占めるアルバムとなった。
 アルーナジョージを招聘したシングル「ホワイト・ノイズ」のセクシーなハウスの時点では、あるいははじめて通してアルバムを聴いたときは、すごくよく出来ているクラブ・ミュージック以上の印象を受けなかったのだが、『セトル』の最大の良さは"イントロ"から間髪入れずに"ホウェン・ア・ファイア・スターツ・トゥ・バーン"へと突入するドライヴ感、タイトル通り炎が燃え上がる瞬間を捉えていることだと何度か聴くとわかる。20代前半が作ったとは思えない完成度の高さが世間に大いに驚かれておりそれも事実なのだが、同時に彼らが自分たちが「新たに」発見した音楽を作っている興奮がここにはある。"スティミュレーション"などを聴いていると、ハウス・ミュージックのワイルドさ、ソウル、セクシーさが、とてもプリミティヴな状態で立ち現れているように感じる。というか、ある程度年のいった連中からすればこれは聴き慣れたハウスのコレクションに聞こえるのかもしれない。が、ダブステップで育った世代からすれば、これはクラブ・ミュージックにおけるソウルの復権運動である。
 その意味で、僕にはサム・スミスが歌うシングル"ラッチ"や、ジェイミー・ウーンがハイ・トーン・ヴォイスを聞かせる"ジャニュアリー"辺りがベスト・トラックだ。そのキャッチーなソウル・ヴォーカルそしてバウンシーなビートには歓びと、クラブ・ミュージックをピュアに謳歌する前向きさがある。ようやくクラブに入るIDを手に入れた連中の、弾む足取りがある。「やっと捕まえた君を離しはしない/取り囲まれた君は逃げられない/俺は君を手に入れる」"ラッチ"

文:木津 毅

»Next 野田 努

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いまUKでは、ハウスがお洒落なのだよ 野田 努

 よくできている......なんて書き出しは偉そうでよくない。しかし、はははは、笑うしかない。だってこれはインナー・シティないしは90年代ガラージ・ハウスやんけ~。もしくはUKファンキー/2ステップのリズムをハウスに差し替えただけ。いつだってハウスは魅力的だ。これがいま快楽に走るUKでバカ売れ。つまり......2013年、我が家のコレクションが流行の最先端になってしまった、そういうことなのだ。
 こんなことを口走るとDJヨーグルトは決まってこう言う。「録音が違っているから違っているんです」と。たしかにそうだ。ドンシャリがはっきりしている。第一、新しい世代のやっていることに対してオヤジが知ったかぶりするのはよくない。ハウスはロンドンのライジオでも、街中でも、お洒落なカフェでもかかっているような、若い男女(もしくは男男)が一緒に楽しみを共有しやすい、もう何年も前からポピュラーな音楽といえばそうなのだ。踊りやすいし、来るモノを拒まないわかりやすさがある。元々はアンダーグラウンド・ミュージックだったわけだが、20年かけてこのスタイルが広く浸透し、新しい世代をも魅了するのは充分にうなずける話だ。

 豆知識:インナー・シティは1980年代末にデトロイト・テクノの上昇をメインストリームにおいてセレブレートしたプロジェクトで、"Good Life"や"Big Fun"といったヒット曲は日本では黒服系ディスコでもヒットした。"グッド・ライフ"はつまり"ストリングス・オブ・ライフ"がレイヴ・カルチャー(アンダーグラウンド・シーン)をセレブレートしたことのポップ・フィールド・ヴァージョンとして広まっている。
 僕はインナー・シティが大好きだった。初期の7インチ・シングルにおけるユニークなUKガラージを捨ててハウス・プロジェクトと生まれ変わったディスクロージャーのデビュー・アルバムも抵抗なく聴ける。懐かしいというよりも、また俺の時代かと勘違いしてしまいそうで自分が怖い。ザ・XXもハウスだし、ジェイムス・ブレイクもハウスだし、まさかのスクリームまでも......いまちょっと掘れば、少し前までインディ・ロックないしはダブステップと括られていたもののなかからハウスがうじゃうじゃ出て来そうじゃないか。さすがUK、流行に敏感。さあ、みんなでディスクユニオンの中古コーナーを漁ろう。
 個人的に関心を持っているのは、フットワークやグライムにアプローチするような連中なのだが、その理由は単純、ハウスのレコードをたくさん持っているし、素晴らしいハウスのDJでさんざん踊ってもいる。もういい。無茶もしたし、良い思いもした。アナーキーな経験もした。いまの僕にとっての朝日は始発に乗りながら浴びるそれではない。まだ眠りたいというのに朝の6時になると否応なしに目覚めしてしまい、歯を磨きながら眺める朝日なのだ。
 ハウスとは求愛の音楽であり、セクシャルな音楽であり、セレブレートする音楽である。今日のUKインディ界は何をどうセレブレートしているのだろう。何にせよ、UKのハウス熱が日本でどのように伝播するのか楽しみではある。日本にも良いDJがいるし、ディスクロージャーを好きになったならシカゴやデトロイトやニューヨークで生まれたハウスにも触れて欲しい。"Bring Down The Walls"を聴いて欲しい。UKにも素晴らしいハウスのアルバムがあることを知って欲しい。そして、この音楽がどこで生まれ、どこから来たのか知って欲しい。
 僕はいまでも"Good Life"のデリック・メイのリミックス・ヴァージョンを聴けば気持ちが上がる。フィンガーズ・インクの"Mysteries Of Love"を聴くと身体が反応する。アルーナジョージの歌を聴いて木津毅が上がるならそれで良い。週末はナイトクラビングだ。楽しいぞ、最終的に音楽は(良い意味で)BGM、人との出会いや友だちとのコミュニケーションこそが重要なのだから......と考えていくと、ネットでコミュニケーションしたつもりになっている文化、ないしはポップ・ダンスへのカウンターとしてのクラブ・カルチャーが盛り上がっているということなのだろう。そうか、そういうことか......、え? 本当にそういうことなのか? 
 ディスクロージャーがジャケで素顔を隠しているのは、ハウスの匿名性というこのジャンル特有の、ある種硬派な態度表明である。一応、形だけでもダフト・パンクがそうであるように、間違ってもファットボーイ・スリムみたいに陳腐なポップ・スターとして振る舞わないことが、ハウスを知る者の流儀としてある。顔よりも音楽だ。それを偶像崇拝を捨てきれないロック・メディアはピュアリストという言葉で揶揄したが、ああ、そうだとも俺はピュアリストだと言ったのが20年前のアンドリュー・ウェザオールというDJだった。主役はお前なんかじゃない。音楽であり、we(我々)なのだ。かつてのサラ・チャンピオンのように、この音楽を本気で感じている人の言葉を読みたい。それがあればだが。

文:野田 努

IKEBANA - ele-king

 この10年、お決まりの語法を無視したユニークな音楽の多くが北米から出て来ている。エクスペリメンタル・ミュージックと呼びうるものは、UKにシーンがないわけではないのだろうけれど、しかし、圧倒的に北米もしくはUK以外の欧州からのほうが目立っている。1980年代はOPNやローレル・ヘイロー、グルーパーやエメラルズのような音楽、いわゆるレフトフィールドな音と言えばUK以外からの方が珍しかったというのに、である。社会的、経済的な厳しさで言えば、北米もそれなりにきついはずだ。裕福だから実験、というわけではないだろう。
 何にせよ、こうした豊かな多様性を持った、知覚の領域を拡張するための......か、どうかは知らないが、メインストリームに媚びることない実験精神旺盛なUSインディ・シーンと共鳴するような日本人アーティストがもっと出てきてもおかしくはない。前に紹介したイルハはそのひとつとに数えらるのだろうが、このイケバナもリストに加えておこう。

 元シトラスとインセンスという、活動歴の長いふたりの女性からなるイケバナの音楽にいちばん近いのは、僕が思う限り、おそらくグルーパーだろう。とはいえ、ゆらめいているギターとその残響音から聴こえる彼女たちの歌は、はっきりと、「歌」としての輪郭を保っている。歌詞があるし、ホープ・サンドヴァルほど声に力があるわけではないが、"Alone"や"Rose"には惹きつけられるメロディがある。何かこう、持っていかれるのである。
 電子的に変調された声と美しいギターのアルペジオが交錯する"Kiss"の展開も、聴き手をものの見事に引きずり込んでいく。7分以上ある"Ikebana"は、他の曲と同様に、最小限の音数と魅惑的な残響音、そして空間的な「間」を使って、素晴らしい音楽体験をもたらしてくれるだろう。この曲に関して言えばイルハの音響と近いものを感じるが、音の間合いはより長く、魅惑的な静寂を持った、残響音の美学だと言えよう。
 この、じわじわとリスナーを増やしていきそうなアルバムのマスタリングは、デムダイク・ステアのマイルス・ウィッテカー。この作品に対してヨ・ラ・テンゴが惜しみない賛辞を送るばかりか、自らリミックスも手がけていると聞くし、"Alone"に関してはKing og Opusによるリミックスも近々発表されるらしい。8月3日にライヴがあるというので、行ってこようかと思います。

interview with OORUTAICHI - ele-king


OORUTAICHI
僕の楽しい仕事

Pヴァイン
(8月7日発売予定

Amazon

 この厳しいご時世に、あまりにも無邪気なオオルタイチのリミックス・アルバムである。『僕の楽しい仕事』だと~、何を言ってやがるんだいと思いつつ聴いてみると本当に楽しいのだ。彼の音楽を僕なりに説明すると、ドリルンベース時代のエイフェックス・ツインとEY∃との幸福な出会いと言えばいいのだろうか。いや、しかし、彼は誰にも似ていないからこれでは説明になっていない。発想が自由だし、カリブーやNHK Koyxenやゴールド・パンダのように、特定のスタイルに囚われない、クラブと言うよりはライヴハウスのりのダンス・ミュージックである。
 オオルタイチは、イルリメの『イるreメ短編座』や名盤『Live 08/Feb/2003』を出していた〈Moroheiya Records〉から2003年、アルバム『Yori Yoyo』を発表、2004年には〈ROMZ〉のコンピレーション『Summer Tracks』に参加、岸野雄一が主宰する〈Out One Disc〉からシングルも出している。2007年にはセカンド・アルバム『Drifting My Folklore』を自身が主宰する〈Okimi〉からリリース。そして、2011年に〈Out One Disc〉からリリースされた『Cosmic Coco, Singing for a Billion Imu's Hearty Pi』によって、いっきにファンを増やしたこの変人(最大の褒め言葉)は、その宇宙語と独創的なダンス・サウンドによってアメリカ進出も果たし......
 そしてこのたび、彼が手がけたリミックスをまとめたアルバム『僕の楽しい仕事』が出る。どんなアーティストがこの変わり者にリミックスを依頼している(もしくは依頼されている)のかと言えば──トクマルシューゴ、ボノボ、ムーンライダーズ、neco 眠る、ムイムイチキチ、WRENCH、MaNHATTAN、ディック・エル・デマシアド(アルゼンチン)、アイアム・ロボット・アンド・プラウド(カナダ)、ファナ・モリーナ(アルゼンチン)、デリケート・スティーヴ(アメリカ)、ラッキー・ドラゴンズ(LA)。アートワークもかなり凝っていて(ジャケの内側を広げるとわかる)、手がけているのは金氏徹平や梅佳代といった売れっ子を擁するアート集団「HAJIMETEN」。

インプロで声を出すっていうのは普通にしてたんです。だからそこはもともとあったんですけど、そこから打ち込みになったのはダンスホール・レゲエの影響が大きくて。

はっきり言って、とても楽しいアルバムだと思いました。

オオルタイチ:ありがとうございます。

オオルタイチというと宇宙語(と勝手に筆者が呼んでいる)とブレイクビーツというイメージがあって、トクマルシューゴとかボノボとかみたいに日本語で歌ってる曲も入ってるじゃないですか、それがオオルタイチ・サウンドになっているのがまず新鮮だったし、で、ユーモアがあって、コズミックな感じもあって、こんなに楽しいアルバムを聴いたのは久しぶりだなと思って。リミックスについてはどのような考えがあって、実際にどのように取り組んでいますか?

オオルタイチ:それがどんなオリジナル・ソングであっても、リミックスしたものは自分の満足いくものでありたいし、基本的に依頼されてするお仕事なので、アーティストの人にも喜んでもらえるものっていうふたつを両立できないかなっていう考えはありますね。

リミックスって一般的にはにクラブ系のアーティストがやるものじゃないですか、そういう意味でオオルタイチの音楽ってダンス・ミュージックだとは思うけど、決してクラブって感じでもないでしょ? だからこんなにリミックスの依頼をされてたんだっていう驚きがあったんだけど。

オオルタイチ:そうですね。すごいありがたいことですけどね。

今回の収録曲のなかで、いちばん古いのってどれ?

オオルタイチ:トクマルシューゴですね、このアルバムでは、トクマル君がいちばん古いですね。

そうなんだ。

オオルタイチ:なんというか、リミックスというよりも、楽曲の良さをまた違う形でもう一度"リ・コンポーズする"みたいな意識がけっこう強くて、とくにこういう歌ものの曲とかは違うアレンジを貰った素材でしてみる、みたいな。

リミックス自体は面白いですか?

オオルタイチ:面白いと思う瞬間が来るまでが大変ですね。自分がやりたいイメージと元の曲が持ってるイメージがうまく合わさってきたら早いんですけど、それまでごにょごにょする長い時間があって(笑)。

すぐにできた曲と、すごく苦労した曲ってどれ?

オオルタイチ:パッとできたのはディック・エル・デマシアドとかですかね、勢いで作ってしまったんですけど面白いものができたかなと思ってます。あとムーンライダースも意外と早かったですね。でも締め切りが1週間くらいしかなくて大変でした。

はははは。リズム感というか、リズムの癖みたいなものがやっぱりほとんどオオルタイチになってるんで、まずそのへんは変えてるんだろうなって思ったんだけど。

オオルタイチ:そうですね、やっぱりリズムは変えちゃいますかね。

せっかくなんで、オオルタイチ君のこれまでの簡単な経歴みたいなところでの質問をさせて欲しいんだけど。

オオルタイチ:はい。

いかなる経緯でもって、打ち込みをバックに宇宙語で歌うスタイルに行き着いたんですか?

オオルタイチ:最初は宅録みたいな感じでひとりでインプロみたいな音楽をやってたんです。即興を何本も重ねるみたいな多重録音をしてて。

機材は何を使ってたの?

オオルタイチ:MTRの安いのとか使ってました。ちっちゃいシンセとかギターとかコンパクト・エフェクターに繋いで自分で弾いたりして。友だちのミュージシャンと即興で遊んだりすることが多かったんです。そこのなかで、もうほとんど歌詞じゃないんですけど、インプロで声を出すっていうのは普通にしてたんです。だからそこはもともとあったんですけど、そこから打ち込みになったのはダンスホール・レゲエの影響が大きくて。

ドラムンベースっぽいとは思ってたんだけど、ダンスホールだったんですね。

オオルタイチ:はい。ジャングルは好きでしたね。ああいうもうちょっと洗練されたドラムンベースってあるじゃないですか? 4ヒーローとか、それよりもM・ビーとかラガ・ジャングル、ああいうものにハマってた時期に打ち込みになりましたね。

なるほどね。

オオルタイチ:ダンスホールのパトワ語ってなまってるじゃないですか? それがめっちゃ新鮮やって、この響きだけでけっこう自分もできそうやなって思って、インプロで自由にやってきた曲とかをもっと曲っぽくしようと思ってやったんやと思います。まぁでもただの思いつきなんですけどね(笑)。

それは何年前ですか?

オオルタイチ:もう14年くらいまえで、自分が20歳くらいのときですね。

ジャンル分けがしづらいオリジナルなスタイルだし、いろんな反応とか受け捉えかたをされてきたと思うんですけど。リスナーからの予想外のリアクションとかあったでしょう?

オオルタイチ:うーんそうですね、たぶんあったと思いますけど...(笑)。

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打ち込みって音楽的な素養がなくても感覚である程度できるじゃないですか、自分なりの妄想のオーケストレーションじゃないですけど(笑)。ひとりで世界を作り込めるっていうのが自分にあってたんでしょうね。

最初はどんな場所でライヴをやってたの?

オオルタイチ:大学の友だちがけっこう同じ音楽を聴く子たちで、その子らが夜な夜なクラブ・イヴェントを定期的にやりだして、そこで「君もやったら?」みたいな感じでやらせてもらえることになったんですけど、まあでも最初はライヴやるたんびに落ち込んでましたけどね(笑)。

ははははは

オオルタイチ:まぁでも皆めちゃくちゃな人らばっかで。

そこの場所はクラブ?

オオルタイチ:ロケッツっていう場所で、すごい面白いイヴェントだったんですけど。

他にはどんな人が出演してたの?

オオルタイチ:Ove-NaXx(オブナクス)っていうジャングルとかをMPCでやったりする人とか。

じゃあジャングルのイヴェントだったんだ?

オオルタイチ:いや、ノー・ジャンルでした。打ち込みの人も出れば、ゲストでルインズ呼んだりとか。ドッドド(DODDODO)とかも出演していたと思います。

関西って本当に面白い人が多いよね。

オオルタイチ:ドッドドはサンプラーと歌みたいな感じなんですけど、まぁ面白いミュージシャンは本当にめちゃめちゃいますね。

お客さんがついてかないだけだよね、関西は。

オオルタイチ:でもそのイヴェントもコンスタントにやってたから毎回お客さんは入ってましたよ。

オリジナリティが強すぎるがゆえに、活動場所が定まらなかったんじゃないですか?

オオルタイチ:やっぱり当時場所はいろいろでしたね。クラブもあるし、ライヴハウスもあるし。

それでも自分を貫いたのが本当に立派だなと思います。

オオルタイチ:あ、ありがとうございます(笑)。でもそれしかできないってのがあったんだと思うんですけど。

インプロから楽曲に変わっていったのは自分のなかでどういった変化があったの?

オオルタイチ:打ち込みって音楽的な素養がなくても感覚である程度できるじゃないですか、自分なりの妄想のオーケストレーションじゃないですけど(笑)。ひとりで世界を作り込めるっていうのが自分にあってたんでしょうね。

言葉じゃない歌みたいなものを歌うのって逆にすごく難しいことだと思うんですけど、練習みたいなものはしてた?

オオルタイチ:それもきっと即興の面白さを知ってたからやと思うんですよ。すごい影響を受けのが山塚アイさんと大竹伸朗さんがやってたパズル・パンクスで、すごいな~って思いながらよく聴いてたんですけど、あれも全部即興でやってて。即興でやってると自分の予期してないことがいっぱい起きて、自分が作ったものじゃない感覚とかがあるんです、でもなんかいいものができてしまったみたいな快感もめっちゃあって。

山塚アイからの影響はぷんぷん匂ってますね。

オオルタイチ:そうですね。影響はすごい多いと思いますね。

はじめて観たのはボアダムスですか?

オオルタイチ:はい。『チョコレート・シンセサイザー』の頃です。

山塚アイのどんなところが好きなの?

オオルタイチ:あの人は出してくるものがすごく感覚的やけど、毎回答えになってるというか、確信に満ちてて、無駄もなくて、うん。

好きなのはパズル・パンクスの作品?

オオルタイチ:いやでも全部好きですね。DJ光光光とかも好きです。いつでも新鮮な感覚を音楽として貰えるというか。

ボアダムスは影響力が海外でもあるけど、日本では、オオルタイチほど影響を露にしてるアーティストはいないような気がするけどね!

オオルタイチ:ははははは!

『恐山のストゥージズ狂』とか。

オオルタイチ:あれは本当にすごかったですよね!

どこがそんなに好きなの?

オオルタイチ:ボアダムスに関していうと、メンバー全員が凄いと思うんですよ。でもアイさんに関しては、毎回新しいところに連れてってくれるっていうか、こういうやりかたとか合わせかたがあるんやって。DJミックスとかもすごいじゃないですか、あらゆるところから自分の感覚でまとめるみたいな。

発想の自由さ、みたいな?

オオルタイチ:まさにそうですね。

それに影響を受けてるから自分も型にはまらないようにしてるみたいな感覚はある?

オオルタイチ:どこまで自由になれるかっていうのはありますけどね。

デイダラスと仲がいいっていうのが意外だったんですが。

オオルタイチ:仲がいいっていうわけじゃないんですけど(笑)。来日したときに神戸でイヴェントを組んだりしてたんですけど、その繋がりでリミックスを。

オオルタイチっていう名義は本名ですか?

オオルタイチ:いや違うんですけど(笑)、とくに意味はなくて、タイチは本名なんですけどね。

オオルにはどういう意味があるの? 「すべて」っていう意味?

オオルタイチ:最初はそうだったんですけど、ダサイんで、名前っぽくしようと思って(笑)。

「すべてタイチ」っていいじゃないですか!

オオルタイチ:なんか1日だけそんなバンドを遊びで組んだこともありましたね(笑)。

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ブルックリンのシーンがすごい面白いし、自分と通じるところがあるなと思ってたんで、アメリカに行きたいなと思ったんですけどね。まぁ行ったところでお客さん全然入らへんで大変でしたけど。


OORUTAICHI
僕の楽しい仕事

Pヴァイン
(8月7日発売予定

Amazon

オオルタイチが目指す音楽は、言葉で説明するとどんなものなんですか?

オオルタイチ:それもだんだん変わってきてるんです。このアルバムもそうなんですけど、自分のイマジネーションみたいなものを詰め込みすぎてて、それをもっと自然に、たとえそれが全然引っかからない音楽だとしてもどんどん出していきたいと思ってて、今はあんまり自分の想像を加えないほうがいい気がしてます。

えー! オオルタイチの音楽はオオルタイチの妄想で成り立ってるじゃない!

オオルタイチ:でもやっぱり妄想にも限りがあるというか...(笑)

はははははは!

オオルタイチ:考えてみると、自分の妄想にこだわって作業を進めるときってあんまり気持ちいい状態じゃないなっていうのに最近気づいて。

ある種、自分の精神状態が制作に反映する?

オオルタイチ:それはありますね。

すごくハイトーンで歌ってるけど、あれは意図的なものですか?

オオルタイチ:そうですね、なんか普通に(笑)。

上がっていくイメージの曲が多いと思うんだけど、その上がっていくっていうところがいまここで語られた妄想だとしたら、もしかしたら平行的な曲もこれから生まれるんじゃない?

オオルタイチ:自分のいまの精神状態が反映されてると思うんですけど、いまはほんまにミニマルなことがしたいかもしれないですね。すごく平坦なこととか。

『Cosmic Coco~』に比べると、たしかにちょっと角度が平行に近づいてるのかなって気はしますね。

オオルタイチ:うん。

アメリカ・ツアーはどんな経緯だったんですか?

オオルタイチ:去年行ったときは、ニューヨークでアートをやってるおじさんがいるんですけど、その人がフェイスブックで僕の音楽を発見してくれて、もし機会があったら呼びたいって言ってくださったんで。ただ、それだけでは渡航費がカヴァーできなくて、ジャパン・ソサイエティっていうニューヨークにある日本文化を紹介するような施設があるんですけど、ヒカシューとかあふりらんぽとかもライヴをしてた場所で、そこの人と知り合いになって、もし良かったらって話したら実現できたですけど。

アメリカでは何回ライヴをしたの?

オオルタイチ:ニューヨークは2回、あとはサンフランシスコとかロスをまわって。

アートをやってるおじさんはどんな人なの?

オオルタイチ:キュレーターなんですけど、聞くところによると、バスキアとかを見つけて最初に個展なんかを開いた人みたいで、アート・リンゼイともすごい交流があるおっちゃんなんですけど、その人といつも仕事してる日本の方がいて、その人が具体的なところはいろいろケアしてくれたんですけど、面白かったです。そのおっちゃんの繋がりで、チボ・マットの羽鳥さんとデヴェンドラ・バンハートらとイヴェントをやったり(笑)。

それはすごいね!(笑)

オオルタイチ:ちょうどハリケーンがニューヨークを襲って、めちゃくちゃなときにチャリティーをやろうっていうことでやったんですけど、すごい面白かったです。

アメリカですごい評判だったって聞いてたけど。

オオルタイチ:いやいやそんなことないですよ! まぁでも1回目よりはだいぶ良かったですけど。

そのまえにもう1回行ってるんだ。

オオルタイチ:1回目は難しかったですね(笑)。2009年に行ったんですけど。

そのときはどうして行ったの?

オオルタイチ:そのときは無理矢理行ったって感じだったんですけど、自費で。

なんでヨーロッパではなくアメリカだったんですか?

オオルタイチ:そのときはブルックリンのシーンがすごい面白いし、自分と通じるところがあるなと思ってたんで、アメリカに行きたいなと思ったんですけどね。まぁ行ったところでお客さん全然入らへんで大変でしたけど。

そのときもツアー? 

オオルタイチ:そうですね。向こうに行って、「ツアーしたいんやけど、西海岸のイヴェンター知らないですか?」ってその場でコンタクトとって次のライヴの場所決めるみたいな感じでした(笑)。

それすごいね(笑)!

オオルタイチ:最終的にSXSWにも出ました(笑)

それ全部自分で?

オオルタイチ:自分でやりましたね(笑)。

無鉄砲というか、勇気があるね!

オオルタイチ:無鉄砲でしたね(笑)。まぁでも楽しかったですけどね。

そのときはどれくらいアメリカに滞在したの?

オオルタイチ:かれこれ1ヶ月くらいいましたね。

お客さんポカーンとしてたでしょ。

オオルタイチ:ヨーロッパもそうですけど、やっぱり反応はいいときはいいですよ。逆にこっちが負けそうになるときもあったり。白人の方って独特なのかもしれないんですけど、発狂に近い感じなんですよ、踊るんじゃなくって。

はははははは

オオルタイチ:ダンスとは呼べない感じの(笑)。

でもそれはオオルタイチの音楽がなにかしら作用したんじゃない?

オオルタイチ:かもしれないですね。そうなったら楽しいですけどね。

デザインを含めて、全体的にある種の子供っぽさみたいなものを感じるんですが、それは意識してますか?

オオルタイチ:それもさっき言ってたのと同じで、前作はすごいこだわって作ったんですよ、例えばジャケットもそうだし、そのかわり深くは言えないんですけど失うものも多くて、作業していくなかで大変やったんですけど、それはやっぱり違うんじゃないかと思って。自分のなかに特になにもないのに大げさなタイトルをつけるのも違和感あるなーって思ったし、ほんまに素直なままでいいなと思って。

素直なっていうのは子供っぽさみたいなものとは違うの?

オオルタイチ:子供っぽさというか、流れるままにというか(笑)。

「素のままでいいや」みたいな感覚って、ある種大阪の人の特徴だったりするんですか?

オオルタイチ:飾らない感じはありますね。

アートワークとかのカラフルな感じっていうは山塚アイに共通する感覚だと思うけど、このカラフルさっていうのは自分のなかで今回意識したの?

オオルタイチ:アート・ワークは、HAJIMETENの人たちに任せました。でも自分の音楽も派手なんで、その感じには合ってると思います。

これまでの話を聞く限り、次の作品では音数が減ってきそうだね。

オオルタイチ:そうですね、打ち込みの要素はかなり減る気がします。最近打ち込みのサウンドを生楽器のバンドでやってるんですけど、どっちかというとそういう世界をやっていきたいのかなぁと。

リミックスを依頼されたアーティストにヴァリエーションがありますがそれは意図的なものですか?

オオルタイチ:それはたまたまです。neco眠る、ファナ・モリーナなんかに関しては僕からお願いしたんですけど、他は全部依頼されたものなので。

それがゆえにすごくオオルタイチのオリジナリティを表してる感じがするんですけど、それぞれリミックスを依頼するアーティストがばらばらなのも面白いよね。

オオルタイチ:そうですよね(笑)。

自分の音楽と社会は接点があると思いますか?

オオルタイチ:あると思ってます。たぶん音楽がないと自分は外の世界と関わりがなかったと思うので、そういう意味では社会性はあると思ってるんですけどね。

自分の音楽を人に紹介するときはなんて紹介してますか?

オオルタイチ:ダンス・ミュージックっていうことが多いかもしれないですね。前のアルバムがけっこうそういう意識のなかで作ってたんで。いまお客さんもすごく踊ったり楽しみに来てくれてる人が多いと思うので。

まあ、さっきも話に出たけど、ダンスホールがここまで変形したのかっていう感じはありますけどね。

オオルタイチ:ダンスホールに関しては、文化全体から影響を受けたので。サウンド・クラッシュとかノイズの世界じゃないですか、怒鳴ってるだけだったりとか。ケイプルトンっていうシンガーがめっちゃ好きなんですけど、その人とか歌ってるときに盛上がりすぎてキレて、ステージ脇に走ってって(笑)、「この人なにキレてるんやろ」みたいな、そういう意味分からん感じとかすごい好きで。

ジャマイカの音楽は、そういう意味では独自のものを自分たちで作ってるよね、ダブとかも発想が自由だし。

オオルタイチ:キーとか外れててもおかまいないですもんね。

次のアルバムも楽しみにしています。

オオルタイチ:すごい時間が掛かりそうですが......(笑)。

え? まだ全然できてないんですか?

オオルタイチ:なんとなく構想とかはあって、数曲ですけど作り出してはいます。

これからだっていうときだと思うので、頑張ってください。

オオルタイチ:はい、ありがとうございます。頑張ります。

Various Artists - ele-king

 タグやリンクのみを頼りに、サウンドクラウドとバンドキャンプ上の倦むことなきサーフィンを続ける音楽中毒者たちは続々と増え続けている。彼らは、日中はイヤホンごしにiPhoneアプリでサウンドクラウドを横断し、夜はベッドルームに据え置かれたPCのヘッドホンジャックから溢れ出す音の波に溺れ、解凍されることなく増え続け、ハードディスクの容量を圧迫していくZIPファイルたちを前に頭を悩ませている(僕はそこまで重症ではない)。
 サウンドクラウドやミックスクラウド、バンドキャンプという新しいツールを手に入れ、音楽ブログは再び栄華を極めている。ここ日本も例外ではない。
 例えば、ヒップホップからインディ・ロックまで、フィジカルの新譜であろうとフリー音源であろうと、条件を問わずボーダーレスに音楽を紹介し続けている「キープ・フール・クール」。バンドキャンプで"name your price"にて販売されている音源やサウンドクラウドの音源やインタヴュー記事を紹介している「Hi-Hi-Whoopee」は、複数のエディターが参加している1つのメディアとなっている点でもおもしろい(ちなみに、エディターたちはツイッター等を介して知り合っているので、直接会ったことのない人もいるとか)。他にも「lights + music」など、ユニークなブログがたくさんある。
 そういった音楽ブログの盛り上がりと同様、ネット上の"掘り師"たちが編んだコンピレーションもまた更なる耳目を集めている。インディ・ロック中心のネット・レーベル〈アノ(ト)ラックス〉の『スーン V.A.』や『アップワーズ・アンド・オンワーズ V.A.』は国内外で注目を浴びた。あるいは、毎回テーマを設け、それに沿った音源を募集してコンピを編んでいる〈フォグパック〉などなど。

 そういったネットコンピ全盛のなかで、フィジカルのコンピレーションを出すということは、なかなかの覚悟と費用と時間とが必要とされることが想像に難くない。が、〈コズ・ミー・ペイン〉はそれでもアナログ盤でコンピレーションを出し続けている。この3作目も、前2作と同様、LPにダウンロード・コードを付けた形式である。アナログとカセットのみに限ったリリース方法にこそ、〈コズ・ミー・ペイン〉のこだわりや遊び心、クールな装いのなかに秘めたる熱情が垣間見えている。それが、〈コズ・ミー・ペイン〉のアティチュードなのだろう。

 幕開けを飾るホワイト・ウェアの"クリア・シティ"は、リヴァーヴやエコーの靄のなかで、幻想的なシンセ・リフ、ギター・リフが折り重なり、左右に揺れる男性とも女性ともつかない複数の声が現れては消えていく。霞がかったバレアリックの中で、ハイハットとキック、ベースは冷静さを保っている。彼らはまた、ジェシー・ルインズが〈キャプチャード・トラックス〉からリリースした「ドリーム・アナリシス」のリミックスも提供している。原曲のヴォーカルを生かしつつネオアコ風のギターが重ねられ、ドリーミーなチルウェイヴに様変わりしている。
 一方で、スーパー・VHSやナリザ・ムー、マスキュラン、ソレイユ・ソレイユはアグレッシヴだ。スーパー・VHSの"ボーイ"はこのコンピレーションのなかではもっともバンド色が強く、陽性の力強いビートを打ち出している。ファンキーなギター、太いシンセ・ベースとパーカッション、ニューウェイヴ直系のヴォーカル・スタイルが異色を放っている。ナリザ・ムーはクラシック・ハウスとテクノの血を正統に受け継いだかのようなストイックな相貌だ。くぐもった音質のなかでウネウネと鳴っている太いスクラッチのような音、永遠に続くかのようにリピートされるチープなギターリフを轟かせているマスキュランの"ガール・イン・ヘヴン"はどこか皮肉めいている。上昇していくオルガンが印象的なソレイユ・ソレイユはバレアリックな感覚を披露している。
 今年に入って〈リヴィング・テープス〉からカセットをリリースした、ジェシー・ルインズの佐久間によるソロ・ユニットであるコールド・ネームは、インダストリアルな音作りで不思議な存在感を放っている。リンチの『イレイザーヘッド』の映像が浮かんできそうなノイジーでグロテスクな音だが、〈ブラッケスト・エヴァー・ブラック〉の冷徹さとは異なる、妙にソフトな気味の悪い感触を湛えている。
 翻って、ザ・ビューティの"ヴァーチェ"では、清廉なアコースティック・ギターの調べと聖歌隊めいたシンセ・リフ、クリーンなエレクトリック・ギターが透き通るようなサウンドを構成している。また、〈レフス〉からアルバム『ア・フィルム』を上梓した、〈コズ・ミー・ペイン〉の顔役とも言えるジェシー・ルインズは、ミュートされたギターの不穏なオープニングから分厚く重ねられたシンセサイザーが鳴り響くエンディングへと至る、涼やかでドラマティックな"エカテリーナ"を提供している。

 『コズ・ミー・ペイン・コンピレーション #3』は、総じてダンス・オリエンテッドだ。一方でおもしろいのは、参加ミュージシャンにバンドが多い点だろう。こういったインディ・ダンスのアクトには、バンド形式のユニットが増えているように見える。そう、ダンスフロアとライヴハウス、クラバーとインディ・ロックのファンの距離が再び極小化し、その境界は曖昧になりはじめているのだ。ダンス・ミュージックとインディ・ロックの、何度目かの幸福な邂逅が起こっている。

Rachid Taha - ele-king

 イギリスの反戦市民連合体《Stop the War Coalition》のための、2005年のチャリティー・ライヴのDVD『Stop the War Coalition Benefit Concert』を観たとき、ラシッド・タハと元クラッシュ:ミック・ジョーンズの2ショットは異様に絵になるな、と思った。ブライアン・イーノが加わったラシッド・タハ・バンドが、ミック・ジョーンズをゲストに迎えたその晩のハイライト・シーン"Rock the Casbah(Rock el Casbah)"に、しばらく鳥肌がおさまらなかったものだ。

 ソロとして9作目のスタジオ録音。これまでのタハは全作聴いているし、存在それ自体に価値があるこの男の歌に傾聴に値しないものなどないのだが、それにしても、個人的にはこれが過去もっとも好きかもしれない。ティナリウェン(プロデュース)やロバート・プランド・バンドでも知られるジャスティン・アダムズのプロデュースとギターの音色も見事にフィットしているが、それ以上にミック・ジョーンズがギターとヴォーカルで参加していることで興奮するし、アルバムの締めに置かれたタハの代表曲のひとつ"Voilà Voilà(ヴォワラ・ヴォワラ)"のセルフ・カヴァーではブライアン・イーノも合流し、例の"Rock the Casbah"の興奮が甦る。アルバム全体としてゴツゴツしたブルージーなロックンロールが基調になっており、卑近な形容を探すなら、〈ミック・ジョーンズ入りのアラブ版『メイン・ストリートのならず者』〉......ってくらい魅力的な字面がふさわしい。

 ラシッド・タハは1958年アルジェリアに生まれ、1968年、10歳のときに両親とフランスに渡った。81年、当時住んでいたリヨンでカルト・ドゥ・セジュール(Carte de séjour=滞在許可証)というグループを結成。91年のアルバム『Barbès(バルベス)』以降はソロ・アーティストとしてのキャリアを積み、今日フランスの移民系アーティストの中で、押しも押されもしないトップ・スターのひとりとなった。
 しかし、その54年の人生のうち44年をフランスで過ごし、自身も「自分が完全にフランス人だと感じる」と語るタハ(フランス式に発音するなら"タア")が、いまだにそのフランス国籍を申請さえしていないことは、日本ではあまり知られていない。フランスで生まれ育ち、成人して久しいフランス人の息子がいるにもかかわらず、である。タハのキャラクターを知る上でこの点は重要で、つまり、"完全にフランス人"であることを自認し、フランス人の父親でありながら、自分は滞在許可証を更新し続けてフランスに暮らす"政治的外国人"の立場でい続け、そしてアラビア語とフランス語で歌い続けるのである。これが"政治"的行為でなくてなんだろう?

 もう少し詳しく書こう。カルト・ドゥ・セジュール時代の1986年、その"政治的外国人"として、シャルル・トゥレネの穏やかでノスタルジックな愛国歌"Douce France(ドゥース・フランス/甘美なるフランス)"を、かしましいダンス・ナンバーとしてカヴァーしたのは、当時の極右政党(国民戦線)の台頭を批判する意味合いがあった。"douce(=sweet)"は、甘美な/心地よい/優しい、というニュアンスだが、一部の自称"愛国者"がその(いびつな自尊心を満たすための方便としての)愛国心を振りかざすほどに、国が sweet なものでなくなっていくことは、昨今の日本国内の例を引くまでもなく明らかだ。
 93年のソロ2作目『Rachid Taha』では、前述の「Voilà Voilà(ヴォワラ・ヴォワラ/ほら、ほら)」でその〈ドゥース・フランス/甘美なるフランス〉というシンボリックな表現を再び俎上に載せた。
 ほら、ほら、あっちこっちで、また同じことの繰り返しだ。この甘美なる国フランスで、連中(レイシスト)が台頭する。この国の問題の原因は外国人なんだとさ。国から出てけ! って叫ぶことが、文明人の取る措置なのかい......という曲だ。そこで歌い飛ばされる〈ドゥース・フランス〉のニュアンスを想像するには、ちょうど安倍晋三の〈美しい国〉を思い浮かべればよい。タハはそれからちょうど20年後の今年、あれ以来何も進歩のないフランスに、敢えて国籍を持たないフランス人として、つまり国籍などに捕らわれない純粋に人間としての矜持をもって、また同じプロテストを叩きつけなくてはならなかった。その特筆すべきせっかくの不幸の分け前に、この国でも(歌詞対訳と解説付きの正しい日本盤で)あずかろう。それに値する国なんだから。......っていうのが皮肉に過ぎると感じる人でも、「ほら、ほら、また始まったぜ」と、ミック・ジョーンズがクラッシュ時代と何ら変わらない歌でもってタハとバッチリ絡んでいるのを聴くだけで、胸のすく思いをするはずだ。

 以前、レイシズムに対するタハのコメントで感銘を受け、書き抜いておいたものがあるので、ついでにお裾分けしておく。
「差別主義は、とにかく何より愚かさに基づくものだ。しかしながら、我々は永久にそいつと一緒に生きていくんだってことを知る必要がある。で、そいつから超越したところに自分を位置づけることを学ばなくちゃならない」

 この言葉は政治にも当てはまる。レイシストのヘイト・スピーチ同様、政治屋も翻弄するし、両者の言葉の質にもしばしば近いものがある。現行の政治システムを嫌悪しながらも、使い捨て手袋をつけ、鼻をつまみながら、"よりひどくない方"の名前を書きに投票には行くつもりだが、それにしたってその制度のためにオレの人生があるわけじゃない、ってことは、何らかの方法できちんと示しておく必要がある。
 よく考えてみなくても、国籍なんて権力が決めたただの徴税のための"政治"だし、パスポートも税源を囲い込むための必要悪の事務書類だ。ラシッド・タハは、そんなものもまとめて超越しようとしている。身をもって。そういう男の歌は、実に人としての本質的なことを教えてくれる。

THE HELIOCENTRICS - ele-king

 ジ・エックス(The Ex)といえば、ポストパンク時代のオランダから登場した前衛パンク・ジャズ・バンドとして知られる。中心メンバーのテリー・エックスは、数年前には〈スモールタウン〉からオリジナル・サイレンス(ジム・オルークやサーストン・ムーアもいる)としても2枚のアルバムを出しているので、ご存じの方も少なくないはず。何にせよ、そんな、ノイジーで、フリーキーなバンドが最近エチオピア・ジャズの巨匠ゲタチュウ・メクリヤとのコラボ作品を出したのだが、これがその組み合わせ自体が興味深くもあり、そして、実際、素晴らしい作品でもある。エチオピア・ジャズ独特の旋律とパンク・ジャズとの見事な邂逅というか。マーク・エルネストゥスがプロデュースしたジェリ・ジェリに並んで、ヨーロッパとアフリカの美しい出会いである。
 さて、エチオピア・ジャズといえばムラトゥ・アスタケで、そして、この巨匠の存在をより広くアピールしたのが、2009年に〈Strut〉が企画した『Inspiration Information』シリーズにおける〈ストーンズ・スロウ〉傘下の〈ナウ・アゲイン〉からデビューした英国のジャズ・ファンク・バンド、ザ・ヘリオセントリクスとの共演盤。この作品をきっかけに、翌年に同レーベルからリリースされたロイド・ミラー&ザ・ヘリオセントリクスによる魔法のようなアルバムにまで手を出した人も少なくないと思うが、エチオピアン・ジャズにも接触しながら拡大したコズミックな感性を表舞台で捉えていたのがフライング・ロータスだったようにも思う。何にせよ、ジャズはこうして、いま来ている。
 ザ・ヘリオセントリクスが来日する。これは行かねば。8月10の代官山ユニットでは、USディープ・ハウスの実力者、AybeeのDJプレイもある。


■FRUE ~Space Is the Place~
2013.8.10(Sat)@UNIT
Open / Start : 23:00

UNIT
Live :THE HELIOCENTRICS (Now Again / Stones Throw / UK)
DJ :Aybee (Deepblak / Oakland)
OSG

SALOON
Shhhhh
Wata Igarashi ( Drone )
MAMAZU (HOLE AND HOLLAND)
PECO ( R20 )
7e (Romanescos )

CHARGE : ADV 3,800yen/DOOR 4,300yen ( 26:00 ~ 2,500yen )
・ローソン[Lコード:77763]

■FRUE ~Space Is the Place~
2013.8.11(Sun) @ Aoyama Cay
Open / Start : 16:00

Live :THE HELIOCENTRICS (Now Again / Stones Throw / UK)
And more tba

CHARGE : ADV 5,000yen/DOOR 5,500yen
・ローソン[Lコード:79261]


vol.52:NYサマータイム・ブルース - ele-king

 夏、NYの野外活動は拡大する。サマーコンサート、サマーフィルムが毎日何処かで開催される。夏のショーは、ビッグネームでもインディ・バンドでも、フリーで野外ということも多いが、先週までのNYは天候が不安定で、コニーアイランドのチープトリックも(最高!)、リバーロックスのジェネレーショナルも、サマースクリーンも雨模様だったが、今週に入ると、マーサ&ザ・ヴァンデラスさながらヒート・ウェイヴが押し寄せ日中は98°F(=37℃)超え! 週末はみんなビーチに出かけ、夜からようやく外に出はじめる。普段ビーチに行かない著者も、先週はロングアイランドに行って、水に浸ってきた。そのままボードゲームにはまり、帰りの電車のなかまで続ける有様......


野外映画を観ている人たち。

 NYの夏の、野外映画も素晴らしい。ブライアント・パーク、イースト・リバー・パーク、ハドソン・リバーパークなどの公園で上映、日没になると人が集まりだす。知らない人たちが一同に同じ映画を見るのは可笑しいが、大体は、映画は関係なく飲んだり食べたりのんびり状態。なかには折り畳みいす持参で徹底的に楽しむ上級者もいる。子供向け、ファミリー向け、公園によって映画は違うが、『L・マガジン』が、毎夏ブルックリン、グリーンポイントのマカレンパークで開催するサマースクリーンが、インディ音楽ファンの心をついている。映画の前には、いまNYでホットなニュー・バンドがプレイするし、キュレーションはNYのアンダーグラウンド・ブッキングを代表するトッド・P。彼には去年、ブルックリンのインディ・シーンについてのインタビューしているので、未読の方はどうぞ

 参考までにサマースクリーン、今年2013年のラインナップ:

Wednesday, July 10
映画:キャント・ハードリー・ウェイト
音楽:SILENT BARN presents: Jeffrey Lewis and the Sunny Skies、Weed Hounds、Ganjatronics

Wednesday, July 17
映画:ピーウィーの大冒険
音楽:JMC AGGREGATE presents: Oberhofer, Lodro and Bueno

Wednesday, July 24
映画:ザ・クラフト
音楽:285 KENT AVE + AD HOC present: La Misma, Potty Mouth, Divorce Money (Dustin of Beach Fossils, Ren of Herzog Rising, Alex of Dream Diary)

Wednesday, July 31
映画:グーニーズ
音楽:DEATH BY AUDIO + ENTERTAINMENT 4 EVERY 1 present: Hector's Pets, The Numerators, Juniper Rising

Wednesday, August 7
映画:スピード
音楽:SHEA STADIUM presents: Hubble (member of The Men, Zs and Pygmy Shrews), GDFX (member of Liturgy, Man Forever and Guardian Alien)

Wednesday, August 14
映画:オーディエンス・ピック(オーディエンスの投票で映画が決まる)
音楽:MARKET HOTEL presents: Aa (aka Big A Little A), Amen Dunes

 トッド・Pのウェブ・サイトにもリンクが張られている、DIYブッカーたちがバンドをピックする。バンドはまだ若く日本ではほとんど知られていないが、このなかでは、Aa(ビッグエー・リトルエー)が大御所。彼らはライトニング・ボルトやライアーズあたりと良くプレイしている。映画もバンドも偏ってはいるが、このラインナップには少しチージー(良い意味で)な、現在のブルックリンが表されていると思う。ただ、最近のブルックリンは選択肢が多すぎて、結局どれにも行かないという人が増えている(著者の周辺情報)。
 たしかに、インターネットで音楽も聴け映像も見れると、バンドを知った気になってしまう。著者の場合、音楽業界周辺からの口コミや、普段の何気ない会話から生まれるサプライズに託しているが、ライヴに行きたいと思わせるバンド、それをオーガナイズするブッカーがやはり大事だ。そこで、DIYブッカーとしては少し規模が大きくなるが、NYとサンフランシスコにオフィスを持つパナシェがある。パナシェは、その名があるというだけで「見に行こう」と思える数少ないブッカーで、何十年も同じスタンスでいる。彼らがスペシャルでいれる理由は、所属バンドの質と、パナシェだったらという信頼、パナシェ・チームが考える人とのつながり。
 そこで、代表のミシェルに、パナシェ、NY、ブッキング他、彼女が興味のあることまで、ランダムに語ってもらった。彼女のパーソナリティにも注目してほしい。

ミシェル (パナシェ・ブッキング)インタヴュー

取材に応えてくれたパナシェ・ブッキングのミシェルさん。
取材に応えてくれたパナシェ・ブッキングのミシェルさん。

自己紹介をお願いします。NYの音楽業界で働いてどれくらいになるのでしょうか。

ミシェル(M):私はミシェル・ケーブルです。北アメリカのおよそ120バンドのブッキングを扱うタレント・エージェンシーのパナシェ・ブッキングを経営しています。オフィスはブルックリンとサンフランシスコにあり、音楽業界で働いて15年になります。パナシェはファンジンとしてはじまり、私は地元のカリフォルニア、ユリイカのプロモーターになり、1年で約100本のショーをブックしました。最終的に私が尊敬するアーティストのツアーをブッキングすることになり、パナシェ・ブッキングを設立しました。

NYには何年、どこに住んでいますか? NYに住むこと、近所を紹介してください。

M:ブルックリンのグリーンポイントに6年住んでいます。マンハッタンに行くL線とクイーンズとサウスブルックリンに行くG線が走るふた駅へは数ブロックです。近辺はポーランドとイタリア人が住んでいて、家族的な雰囲気で、バーやレコード屋、ライヴハウスがたくさんある、ウィリアムスバーグにも面しています。このエリアは数年で、大きく変わりました。私はNYが好きで、6年経ったいまでも、毎日が映画のようにインスパイアされる瞬間でいっぱいです。その角に何があるか、普通の人びとに驚かされたりと予想がつきません。人は都市の脈で、24時間エネルギーを感じます。ここで強く支持のあるコミュニティを発見し、素晴らしいコラボレーションに繋がって行きました。

いまパナシェでブックしているメインのバンドは?

M:タイ・シーガル、ジ・オーシーズ、マック・デマルコ、ザ・メン、ブリーチド、クール・キース、DJジョナサン・トゥビン、ミカル・クロニンなどです。

どれぐらいの割合でショーに行きますか? 最近で面白かったショーは? 人びとは昔に比べて音楽を見に出かけていると思いますか?

M:時期やツアー時もよりますが、週に2、3回。最近の良かったショーは、NYのリンカンセンターでの、$100を賞金としたダンス・コンテスト、DJジョナサン・トゥビン・ソウル・クラップ&ダンス・オフです。R&Bシンガーのヤング・ジェシーがオープニングで、観客が、7インチのソウル・レコードをヘッドフォンで聴く、初の無音ディスコ・ソウル・クラップでした。歴史的な会場のリンカン・センターなので、老若男女が音楽に合わせてお尻を振っていました。ヘッドフォンをとったら、人が音のないリズムで踊っているのでかなり面白かったです。ライヴ音楽はもちろん、私はダンスとふたつの世界を繋げるのが好きなので、人びとのつながりを強くするこういうイヴェントをもっとやりたいです。人は、まだよく出かけていると思いますが、大多数の人は、小さなインディショーに行くより、フェスティヴァルなどの大きなショーに行くのを好むと思います。

NYで好きな会場はありますか?

M:ブルックリンのディス・バィ・オーディオはまだホームを感じます。200人ぐらい収容できるウィリアムスバーグの真んなかにあるDIYクラブで、壁がカラフルなアートワークで覆われていて、スタッフも家族みたいです。この地上げ地域で、生き残っている数少ないアンダーグラウンド会場で、いつでも良いショーがあると信頼出来るし、音設備も上々で、毎回ショーのレコーディングをしています。他の会場では、ブルックリン・ボウル、マーキュリー・ラウンジ、ユニオン・プールなどです。

どのようにパナシェでブックするバンドを見つけるのですか?

M:大体は、他のバンドを通してか、一緒に働いている人からの推薦です。たまにCMJ、SXSWなどの国際フェスティバルで発見することもあります。

前と比べて、今年のNYの音楽シーンはどう変わっていますか? 注目の会場があれば教えてください。

M:NYのDIYやアンダーグラウンドの会場は閉まったり、立ち退きを強要され、リーズナブルな場所に引っ越しています。いろんな新しい場所ができていますが、NYは大きいので、まだ自分が楽しんで仕事ができる会場があると感じます。

情報を交換したりなど、音楽業界の人と遊んだりしますか?

M:NYの良いところは、アートや音楽において、刺激を受ける人たちに囲まれていることです。回転ドアのように、入れ替わり人がやってきて、Eメールで話していた人に簡単に会え、関係を発展させたり、コラボレートするには良いところです。たくさんのことがはじまっては終わり、いつでも素晴らしいアイディアが生まれています。私は、レーベル、ブッカー、PRの友だちがたくさんいるし、NYに住んでいるバンド、ザ・メン、ティーンガール・ファンタジー、マーニー・ステーン、マック・デマルコ、ジュリアナ・バーウィック、ジョナサン・トゥビンなどと仕事をしているので、NYに住むことはエージェンシーの軌道を早めてくれます。

過去にDMBQ、あふりらんぽなどをブックしていましたが、日本の音楽シーンはどう見ていますか? 新しい日本のバンドでブックしたいバンドはいますか?

M:エージェンシーをはじめたとき、半分が日本のバンドでした。サンフランシスコに住んでいたときに、DMBQ、 あふりらんぽ、ワツシ・ゾンビ、キング・ブラザーズ、ハイドロ・グル、ルインズなどの日本のバンドに会いました。DMBQは、9~10年前のSXSWで、関係を発展させ、自分でニッチェなブッキングの世界を作り、日本のサイケやノイズ・バンドを北アメリカに連れてきました。日本にはDMBQのツアーで2回行き、ある日本のバンドの北アメリカでのツアー・マネージャーもしました。いまはDMBQ、キング・ブラザーズ、そして少年ナイフやバッファロー・ドーターと仕事をしています。

最近、著者が発見する面白いバンド(ソフト・ムーン、ソニー・アンド・ザ・サンセッツ、リトル・ウィング)は、西海岸のバンドが多く、NYは少ないのですが、どう思いますか?

M:ザ・メン、ジュリアンナ・バーウィック、マーニー・ステーンなど、NYにもまだまだ良いアーティストやバンドがいますよ。私は、そのなかの最高のバンドと仕事できることを幸運に思っています。いま、パナシェに所属するバンドは、タイ・シーガル、オーシーズ、ホワイト・フェンスなど、西海岸のバンドが多いです。そこは、明らかにエキサイティングなことが起こっていると思えますが、NYは面白いバンドが来るまでの、凪状態にあると思います。しばらくのあいだは、オーディエンスをインスパイアできる面白く楽しいイベントをキュレートしようと思ってます。

パナシェのこれからの予定を教えてください。音楽以外の事柄や付け加える事があれば是非お願いします。

M:パナシェはあっという間に大きくなりましたが、これからも、オーガニックに行きたいと思います。選ぶバンドは特別で、量より質に集中しています。LAにオフィスを構えたり、オーストラリア、中国、日本、南アメリカなど、海外でのブッキングも考えています。パナシェがはじめた、ブルーズ・クルーズ・フェスティヴァルなどのフェスティヴァルも、もっとキュレートしていきたいです。その他、何人かのミュージシャンの管理もはじめました。アートショーをキュレートしたり、音楽業界代表として、海外のスピーキング・ツアーに参加したり、NYUなどの大学で講義をホストしたりもしています。
 音楽以外では、1年に1回トロピカルなビーチを見つけるようにしています。旅は、私にとって別の情熱なので、音楽に関係なく、最低でも1年に1回は休暇を取るようにしています。次は、この冬にジョシュア・ツリーに行く予定です。
 もうひとつ付け加えたいのは、何年か前にNYで、悲劇の車の事故で亡くなってしまった、DMBQと少年ナイフのドラマーで、私の最愛の友だち、チャイナへ。彼女は、私が見たなかで、最高の素晴らしいドラマーで、最高に美しく、親切で、ゴージャスで、知り合いになれたことを光栄に思っています。チャイナ、あなたがいなくて寂しいです。

 パナシェ・ブッキング:www.panacherock.com

DJまほうつかい - ele-king

暑いですね。夏休みですね。というわけで、DJまほうつかいによる「僕が考える盆踊り」選曲です。今年「フェスティバルFUKUSHIMA!納涼!盆踊り」のヴィジュアルを担当したこともあって、最近盆踊りのことばかり考えています。二階堂和美さんのイベント「堂脈vol.8xフェスティバルFUKUSHIMA!」で浴衣着て盆踊りDJする予定です。ピアノ曲をまとめたEPよろしくお願いします!



DJまほうつかい「すべちょツアー2013」
7月20日(土)「魔Q少女M∀STERあらしZ オンリーイベント4 in 第52回日本SF大会こいこん」@広島アステールプラザ  終了
8月3日(土)ピースアーチヒロシマ 「HELLO HIROSHIMA」@ハノーバー庭園多目的広場会場
8月4日(土)瀬戸内国際芸術祭2013関連事業おとくち「Novel Sounds Gate」@香川県観音寺市赤山路蒲鉾赤煉瓦倉庫
8月18日(日)「blacksheep/NEWアルバム『メビウス』発売記念ライブ!」@新宿PIT INN
8月30日(金)「堂脈vol.8 x フェスティバルFUKUSHIMA! 2013」@横川シネマ!!
8月31日(土)「PARCO x タワレコ x DJまほうつかい DJまほうつかいFES」(追加公演)@タワーレコード広島店

https://www.faderbyheadz.com/release/headz180info.html
https://www.simasima.jp


1
Shing02 - 雨ニモマケズ (intro)
https://www.youtube.com/watch?v=USNqfK83nUE
絵夢詩のススメ盆踊り

2
向井秀徳 vs スガダイロー - 二〇一一年 五月十一日
フリージャズ×マツリスタジオ盆踊り

3
二階堂和美 - ショキショキチョン
https://www.youtube.com/watch?v=4jwkZd3xx3U
NHK×ニカさん×蓮沼×珍しいキノコ盆踊り

4
SAKEROCK - 千のナイフと妖怪道中記
教授×ナムコで盆踊り

5
清竜人 - おどれどつきまわしたろか
大阪ミュージカル風盆踊り

6
DE DE MOUSE - east end girl (keeps singing) remixed by SENOR COCONUT
セニョールココナッツは盆踊り

7
Starkey - New Cities (Featuring Kiki Hitomi)
https://www.youtube.com/watch?v=wL4MxhtLUBM
ダブスッテプは盆踊り

8
オノマトペ大臣 - S.U.B.urban
https://onomatopedaijin.com/machi-no-odori/
ネットレーベルも盆踊り

9
小沢健二 - シッカショ節
https://hihumiyo.net/s.html
オザケンもジャズ超えて盆踊り

10
プロジェクトFUKUSHIMA! - ええじゃないか音頭
https://www.pj-fukushima.jp/download/diy_list_details029.php
311の盆踊り

にせんねんもんだい
N

美人レコード

Amazon

2011年のライヴ盤以来久々のリリースとなった、にせんねんもんだい『N』(美人レコード)。〈zelone records〉からはその12インチ・ヴァイナル化の報とともに、レコ発パーティの開催が案内されている(8月リリース予定)。「いつもとは違う」という特別なライヴに期待が高まる。
今年に入ってからも国内の大型フェスに続けて出演し、6月には9度目のEUツアー(4カ国8カ所)を敢行、7月5日には!!!(チックチックチック)との共演、7月13日には〈FREEDOMMUNE〉への出演と、西へ東へ飛び回る彼女たちのいまのエネルギーと、それをクールに閉じ込めた演奏、構築度の高い楽曲スタイルを堪能しよう。

多彩なDJが参加!
まずは今回の12inchのサウンド・プロデューサーであり、Ogre You Assholeやゆらゆら帝国のプロデューサーとしても知られる、石原洋。
つづいて、LIQUD LOFTの名物イヴェント〈COMPUMA 7hours〉や悪魔の沼でもおなじみ、日々フレッシュでユニークなファンク世界を探求し、昨年末には最新MIXCD『MAGNETIC』を自身のプロジェクト〈SOMETHING ABOUT〉からリリースしたばかりのコンピューマ。
そして、今年3月に、最前線のテクノからオルタナティヴ・ハウス、そしてインダストリアル、ノイズ、ドローンなど広義な電子音楽を未体験のサウンドスケープへと昇華した、
2年ぶりのオフィシャルMIXCD『Crustal Movement Volume 01 - Dream Into Dream』をリリース。この国のダンスフロアを語る上でもはや欠かせない存在となっている、〈FUTURE TERROR〉主宰、DJ Nobu。
さらに、〈zelone records〉主宰、坂本慎太郎がDJとして初登場します。

にせんねんもんだいのレコ発パーティにふさわしい、よりミニマルでインダストリアルな一夜になるでしょう。
2013年東京発、ガールズ・オルタナティヴ最前線をいま一度体験せよ!

zelone records presents
"NISENNENMONDAI 12inch vinyl Release Party!"

■LIVE
にせんねんもんだい

■DJ
石原洋
Nobu (FUTURE TERROR/Bitta)
COMPUMA
坂本慎太郎

■開催日
2013年8月20日(火)

■会場
LIQUID LOFT + Time Out Cafe & Diner[LIQUIDROOM 2F]

■開場 / 開演
19:00 / 20:00

■前売券
2,000円(1ドリンク付き)
*ローソンチケット[Lコード 77351]、イープラス、ディスクユニオン(新宿本館 日本のロック・インディーズ館(BF)/渋谷中古センター(2F)/お茶の水駅前店/下北沢店/吉祥寺店/池袋店/立川店/町田店/横浜西口店/柏店)、リキッドルーム

■問い合わせ先
リキッドルーム 03-5464-0800 https:///www.liquidroom.net 
zelone records 03-6320-4396 https:///www.zelonerecords.com

■にせんねんもんだい (NISENNENMONDAI) バイオグラフィ
1999年: にせんねんもんだい結成。G-高田、B-在川、D-姫野、東京を中心に活動。
2004年: ep"それで想像する / ねじ"、2005年ep"トリ"をnisennen/dotlinecircleより発表。
2006年: 自主レーベル "美人レコード" 創立。
同年アルバム"ろくおん"、2008年"デスティネイショントーキョー"、2009年"FAN"を発表。海外レーベルsmalltown supersoundより"TORI/NEJI","DESTINATION TOKYO"をリリース。
2011年: 結成12年の集大成・初のライブ盤"NISENNENMONDAI LIVE!!!"を発表。
過去、3回のUSツアーと8回のヨーロッパツアーを敢行。
2013年: "NO NUKES"、"Sonar Sound Tokyo"に出演、6月には9回目のヨーロッパツアー。
この夏、新作CDを自身の"美人レコード"から、New 12inch Vinylをzelone recordsから発売予定。

official HP: www.wearenisennenmondai.com


Music Video"B-1 (You Ishihara Mix)"zelone official YOU TUBE:

■more info
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