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interview with OORUTAICHI

interview with OORUTAICHI

僕の密かなる愉しみ

──オオルタイチ、インタヴュー

野田 努    photos : HAJIMETEN   Jul 24,2013 UP

OORUTAICHI
僕の楽しい仕事

Pヴァイン
(8月7日発売予定

Amazon

 この厳しいご時世に、あまりにも無邪気なオオルタイチのリミックス・アルバムである。『僕の楽しい仕事』だと~、何を言ってやがるんだいと思いつつ聴いてみると本当に楽しいのだ。彼の音楽を僕なりに説明すると、ドリルンベース時代のエイフェックス・ツインとEY∃との幸福な出会いと言えばいいのだろうか。いや、しかし、彼は誰にも似ていないからこれでは説明になっていない。発想が自由だし、カリブーやNHK Koyxenやゴールド・パンダのように、特定のスタイルに囚われない、クラブと言うよりはライヴハウスのりのダンス・ミュージックである。
 オオルタイチは、イルリメの『イるreメ短編座』や名盤『Live 08/Feb/2003』を出していた〈Moroheiya Records〉から2003年、アルバム『Yori Yoyo』を発表、2004年には〈ROMZ〉のコンピレーション『Summer Tracks』に参加、岸野雄一が主宰する〈Out One Disc〉からシングルも出している。2007年にはセカンド・アルバム『Drifting My Folklore』を自身が主宰する〈Okimi〉からリリース。そして、2011年に〈Out One Disc〉からリリースされた『Cosmic Coco, Singing for a Billion Imu's Hearty Pi』によって、いっきにファンを増やしたこの変人(最大の褒め言葉)は、その宇宙語と独創的なダンス・サウンドによってアメリカ進出も果たし......
 そしてこのたび、彼が手がけたリミックスをまとめたアルバム『僕の楽しい仕事』が出る。どんなアーティストがこの変わり者にリミックスを依頼している(もしくは依頼されている)のかと言えば──トクマルシューゴ、ボノボ、ムーンライダーズ、neco 眠る、ムイムイチキチ、WRENCH、MaNHATTAN、ディック・エル・デマシアド(アルゼンチン)、アイアム・ロボット・アンド・プラウド(カナダ)、ファナ・モリーナ(アルゼンチン)、デリケート・スティーヴ(アメリカ)、ラッキー・ドラゴンズ(LA)。アートワークもかなり凝っていて(ジャケの内側を広げるとわかる)、手がけているのは金氏徹平や梅佳代といった売れっ子を擁するアート集団「HAJIMETEN」。

インプロで声を出すっていうのは普通にしてたんです。だからそこはもともとあったんですけど、そこから打ち込みになったのはダンスホール・レゲエの影響が大きくて。

■はっきり言って、とても楽しいアルバムだと思いました。

オオルタイチ:ありがとうございます。

■オオルタイチというと宇宙語(と勝手に筆者が呼んでいる)とブレイクビーツというイメージがあって、トクマルシューゴとかボノボとかみたいに日本語で歌ってる曲も入ってるじゃないですか、それがオオルタイチ・サウンドになっているのがまず新鮮だったし、で、ユーモアがあって、コズミックな感じもあって、こんなに楽しいアルバムを聴いたのは久しぶりだなと思って。リミックスについてはどのような考えがあって、実際にどのように取り組んでいますか?

オオルタイチ:それがどんなオリジナル・ソングであっても、リミックスしたものは自分の満足いくものでありたいし、基本的に依頼されてするお仕事なので、アーティストの人にも喜んでもらえるものっていうふたつを両立できないかなっていう考えはありますね。

■リミックスって一般的にはにクラブ系のアーティストがやるものじゃないですか、そういう意味でオオルタイチの音楽ってダンス・ミュージックだとは思うけど、決してクラブって感じでもないでしょ? だからこんなにリミックスの依頼をされてたんだっていう驚きがあったんだけど。

オオルタイチ:そうですね。すごいありがたいことですけどね。

■今回の収録曲のなかで、いちばん古いのってどれ?

オオルタイチ:トクマルシューゴですね、このアルバムでは、トクマル君がいちばん古いですね。

■そうなんだ。

オオルタイチ:なんというか、リミックスというよりも、楽曲の良さをまた違う形でもう一度"リ・コンポーズする"みたいな意識がけっこう強くて、とくにこういう歌ものの曲とかは違うアレンジを貰った素材でしてみる、みたいな。

■リミックス自体は面白いですか?

オオルタイチ:面白いと思う瞬間が来るまでが大変ですね。自分がやりたいイメージと元の曲が持ってるイメージがうまく合わさってきたら早いんですけど、それまでごにょごにょする長い時間があって(笑)。

■すぐにできた曲と、すごく苦労した曲ってどれ?

オオルタイチ:パッとできたのはディック・エル・デマシアドとかですかね、勢いで作ってしまったんですけど面白いものができたかなと思ってます。あとムーンライダースも意外と早かったですね。でも締め切りが1週間くらいしかなくて大変でした。

■はははは。リズム感というか、リズムの癖みたいなものがやっぱりほとんどオオルタイチになってるんで、まずそのへんは変えてるんだろうなって思ったんだけど。

オオルタイチ:そうですね、やっぱりリズムは変えちゃいますかね。

■せっかくなんで、オオルタイチ君のこれまでの簡単な経歴みたいなところでの質問をさせて欲しいんだけど。

オオルタイチ:はい。

■いかなる経緯でもって、打ち込みをバックに宇宙語で歌うスタイルに行き着いたんですか?

オオルタイチ:最初は宅録みたいな感じでひとりでインプロみたいな音楽をやってたんです。即興を何本も重ねるみたいな多重録音をしてて。

■機材は何を使ってたの?

オオルタイチ:MTRの安いのとか使ってました。ちっちゃいシンセとかギターとかコンパクト・エフェクターに繋いで自分で弾いたりして。友だちのミュージシャンと即興で遊んだりすることが多かったんです。そこのなかで、もうほとんど歌詞じゃないんですけど、インプロで声を出すっていうのは普通にしてたんです。だからそこはもともとあったんですけど、そこから打ち込みになったのはダンスホール・レゲエの影響が大きくて。

■ドラムンベースっぽいとは思ってたんだけど、ダンスホールだったんですね。

オオルタイチ:はい。ジャングルは好きでしたね。ああいうもうちょっと洗練されたドラムンベースってあるじゃないですか? 4ヒーローとか、それよりもM・ビーとかラガ・ジャングル、ああいうものにハマってた時期に打ち込みになりましたね。

■なるほどね。

オオルタイチ:ダンスホールのパトワ語ってなまってるじゃないですか? それがめっちゃ新鮮やって、この響きだけでけっこう自分もできそうやなって思って、インプロで自由にやってきた曲とかをもっと曲っぽくしようと思ってやったんやと思います。まぁでもただの思いつきなんですけどね(笑)。

■それは何年前ですか?

オオルタイチ:もう14年くらいまえで、自分が20歳くらいのときですね。

■ジャンル分けがしづらいオリジナルなスタイルだし、いろんな反応とか受け捉えかたをされてきたと思うんですけど。リスナーからの予想外のリアクションとかあったでしょう?

オオルタイチ:うーんそうですね、たぶんあったと思いますけど...(笑)。

取材:野田 努(2013年7月24日)

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