「Re」と一致するもの

Tropics - ele-king

 これこそヒプナゴジック・ポップ(入眠ポップ)と言うべきだろう......。良く晴れた秋の昼下がりに本作を聴いていると、アルバムの最後までいく前に寝てしまっている。しかも何回も何回も、聴いては寝て、聴いては寝て、繰り返し寝てしまう。どこまでも生ぬるく、麻酔的で、気持ちが良すぎるのだ。いずれにせよ、トロピックスのこのデビュー・アルバムを聴けば、マイケル・パラディナスと〈プラネット・ミュー〉が本気でチルウェイヴにアプローチしていることがよくわかる。そしてUKの22歳の青年、クリス・ウォードはレーベルの期待に応えるべく、実に魅力的なアルバムを完成させたと言えるだろう。
 さまざまな要素が混合されている。バレアリック、ミニマル・ビート、ポスト・ダブステップ、シューゲイザー、アンビエント・ポップ......ひとつ特徴を言えば、セカンド・アルバムの頃のフォー・テットのフォーキーなテキスチャーとディアハンターのダウナーで靄のかかったようなサイケデリックを往復するような感覚だ。タイトル曲の"パロディア・フレア"がそれで、ウォードは控えめだが味のあるメロウなギター・ソロを弾いている。
 他にもいろんな楽器を弾けるようだし、歌も歌っているが、トロピックスはまどろみを壊すことはない。"ウェア・アウト"の歌メロはまるで70年代初頭のピンク・フロイドのようだが、深いリヴァーブとぼやけた音像が言葉を掻き消し、そしてまたリスナーの微酔をうながす。"セレブレート"のような曲は、たとえは悪いがいわばケイタミンめいた陶酔で、つまりもう身体は微動だにしないのである。ダブステップのビートを取り入れた"フィギュアーズ"にしても......リスナーは部屋の白い壁をただ虚ろに眺めるだけかもしれない。
 そして僕は、ふだんまったく飲まないコーヒーを胃に流し込んで、アルバムを最後まで聴いた。チルウェイヴをジ・オーブがリミックスしたような"アフター・ヴィジティング"、ウォッシュト・アウトを頽廃的にしたような"サファイア"も面白いが、リズミックな躍動感のある最後の曲"オン・ザ・ムーヴ"が、僕はアルバムのなかで一等気に入っている。まさに"スエーニョ・ラティーノ"のような人を惑わすようなウワモノの反復が10分以上も続く。
 日本盤のおまけに付いているキープ・シェリー・イン・アセンス(アテネのシンセ・ポップ)のバレアリック・ミックス、フォルティDLのリミックスも、トロピックスの危険なまでに恍惚としたサウンドを彼らなりに咀嚼している。リスナーは秋の落ち日を凝視しながら、もう何もしたくなくなるかもしれない。そしてエール・フランスが歌謡曲に思えてくるだろう。



Tropics - Mouves (Official Music Video) from Yasuyuki Kubota 久保田恭之 on Vimeo.

Chart by STRADA RECORDS 2011.09.27 - ele-king

Shop Chart


1

LIDY SIX

LIDY SIX TREMBLING:SENDING SPACE(PROMO) SACRED RHYTHM MUSIC (US) »COMMENT GET MUSIC
アムステルダムにあるトンネルにてパフォーマンス・アーチストLIDY SIXとJOE CLAUSSELLがコラボレーションを行った際の模様を収めたブックレット付きのDVD+CD『TREMBLING: Sensing Space』の中から4曲が限定アナログ・カット!心地良いアンビエント・サウンドやホワイト・ノイズのようなサウンド・コラージュが収められております!限定プロモにつきお早めに!

2

PACIFIC HORIZONS

PACIFIC HORIZONS BEACHES OF THE BLACK SEA PACIFIC WIZARD FOUNDATION(US) »COMMENT GET MUSIC
DJ HARVEYやDAVID MANCUSOもプレイした1stシングル「Universal Horizons」、続く2nd「Forest Electric」共に大きな話題となったL.A.発のバレアリック・ユニットPACIFIC HORIZONS待望の3作目!

3

ARGY

ARGY FUNDAMENTALS(W-PACK) IBADAN(GER) »COMMENT GET MUSIC
These DaysやPermanent Vacationといった人気レーベルからのリリースでもお馴染みのARGYがJerome SydenhamのレーベルIbadanから2枚組アナログをリリース!テクノ~ハウス系DJには打ってつけの即戦力な使いまくれるトラックばかりを収録しており、マジでどれをプレイするか迷ってしまうほどの好内容!

4

DJ NATURE

DJ NATURE CELEBRATE YOUR LIFE GOLF CHANNEL(US) »COMMENT GET MUSIC
Massive Attackの前身的ユニットWild BunchのメンバーDJ MiloがDJ Nature名義で12インチをリリース!ソウルフルで情感たっぷりな男性ヴォーカルが印象的なダウンビート・チューンのA面、BOHANNONをサンプリングしたファンキーなトラックにファルセット・ヴォーカルがハマッたB面共にカッコイイ!

5

SASCHA DIVE

SASCHA DIVE LA SANTA DANZA(10inch) DEEPLABS SELECT(US) »COMMENT GET MUSIC
新レーベルDEEPLABS SELECTからの初リリース作品!Deep Vibes Recordingsの運営でも知られるドイツのクリエイターSascha Diveによるファットで走った感じのトラックと、日本人クリエイターIori Asanoによるアトモスフェリックなディープ・テック・ハウスをカップリング!両面ともクオリティー高し!

6

VAKULA

VAKULA YOU CANNOT RESIST SHEVCHENKO(UK) »COMMENT GET MUSIC
【再プレス無しの初回のみの限定盤!クリア・ヴァイナル仕様!】リリース作品のどれもがハイ・クオリティーなウクライナの大注目株VakulaがFirecracker傘下の新興レーベルShevchenkoから12インチをリリース!パーカッシヴなビートに繊細なシンセの上モノが美しくも立体的な音世界を構築!見事な仕上がりです

7

VA

VA DEEP PEOPLE THAT MAKE THE MUSIC(UK) »COMMENT GET MUSIC
Mateo & Matosによる第1弾シングル「Want U Tonight」もヒットした注目レーベルPeople That Make The Musicからの第2弾!その「Want U Tonight」の新たなリミックスにと共に収録されたA1のAlla Farmer「Fortune」がグッド!バウンシーなベースが印象的なグルーヴ感溢れるトラックにシンセやピアノが重なり合う極上インスト・ハウス!

8

SPIKE

SPIKE MAGIC TABLE GOLF CHANNEL(US) »COMMENT GET MUSIC
カルトな人気を誇るGolf ChannelレーベルからSpikeなるアーティストによる80年代のレアな音源が復刻&リミックスで登場!イイ感じに歪んだギターと切ないヴォーカルが印象的な極上バレアリック・チューンのA1、それをMap Of Africa片割れThomas Bullock(Rub N Tug)がWelcome Stranger名義にてダンサブルにリミックスしたB1共にグレイト!メロウなA2やDJユースなアカペラB2も見逃せません!過去の音源ですがこれはまさに今欲しい音!

9

INNERZONE ORCHESTRA

INNERZONE ORCHESTRA PEOPLE MAKE THE WORLD GO ROUND-KDJ REMIX WHITE (UK) »COMMENT GET MUSIC
CARL CRAIGがINNERZONE ORCHESTRA名義で99年にリリースしたアルバム『PROGRAMMED』でカヴァーしたSTYLISTICS『PEOPLE MAKE THE WORLD GO ROUND』、直後にリリースされた同曲のリミックス・シングルに収録されるも、長らく廃盤&入手困難状態が続いているMOODYMANNことKENNY DIXON JR REMIXがホワイト盤で登場!ストーリー性のある展開やジャジーな響きが魅力の元祖ビートダウンの傑作です!

10

FAR OUT MONSTER DISCO ORCHESTRA

FAR OUT MONSTER DISCO ORCHESTRA THE LAST CARNIVAL-ISOUL8 REMIX FAROUT (UK) »COMMENT GET MUSIC
UKの人気ジャズ、ラテン系レーベルFar Outによるスペシャル・プロジェクトの第5弾シングル!パーカッシヴ&グルーヴィーなトラックに爽やかな女性のスキャット・コーラス、そしてエレピもソロが絡んでくる極上ブラジル~フュージョン系作品!イタリアのIsoul8によるハウシーなリミックスをカップリングしており両面共イケます!

Tuusanuuskat - ele-king

 フィンランド・アンダーグラウンドからサミ・サンパッキラとヤン・アンデルセンによる初のジョイント・アルバム......と、書いてもわかる人は少ないだろう。サンパッキラは(ハンガリー語の糸を意味する)〈フォナル・レコーズ〉を運営しながらエーアス(ES)という名義で5枚のソロ・アルバムをリリースし(裏アンビエントP221)、一方のヤン・アンデルセンはトムトント(Tomutonttu)の名義で(スペルは違うけれど発音は同じ)2枚のソロ・アルバム『トムトント(Tomutonto)』(06)と『トムトント(Tomutonttu)』(07)によって一気にその才能が知れ渡った奇才(今年の初めにはツアーで仲良くなったというOPNとスプリット・シングルをアルターからもリリース)。二人ともフォナルの看板プロジェクトともいえる9人編成のケミアリセト・イスタヴァット(=化学友だち、『ゼロ年代の音楽』P170))としても10枚近くのサイケデリック・インプロヴァイゼイションを展開するメンバー同士だったものが、ふたりだけのコラボレイションはこれが初めて。両者の個性が見事に交じり合った充実の1枚に仕上がり、アシッド・ハウス以降のヘンリー・カウ=ユーロ・インプロヴァイゼイションがどこまで来たかを教えてくれる。ユニット名はトウサノウスカト(=全部めちゃくちゃになる)、タイトルは『ナークサー・ナー・モン・クーナレート』......と読むらしい)。

 前半はテリー・ライリーを思わせるユーフォリック・ドローンにアシッドで引っかき傷をつけていくようなSEがこれでもかと被せられ、単純に明るいドローンを聴かせるようになっただけのアメリカとは同じ方向を見ているようで、少し差のある展開を聴かせる。そのつもりはなかったのかもしれないけれど、長い時間をかけてアンビエント・ミュージックとしての体裁が整ってきたエーアスに対して、アシッド・ミュージックの新たな地平を切り開こうとするトムトントにはかなりの癖があり、あっさりとは取り付けなかった部分があったところを、前者が全体にスケール感を与えることで、ダイナミズムと細部が同時に生きる構造を獲得したということになるのだろうか。これを聴いてしまうとエーアスもトムトントも物足りなく感じられるようになってしまったこともたしかで、今後はそれぞれが自分に足りなかったものをそれぞれのソロ・ワークに持ち帰ってくれることを願うばかり。後半はケミアリセト・イスタヴァットでも積極的に取り入れてきたフォークロアも素材として取り込みつつ、かなり混沌とした印象を与えるミニマル・サウンドやジ・オーブがシューゲイザー化したような荘厳なサイケデリック・ドローンを配置。トリップ・ミュージックとして、まったくの文句の出ないエンディングへとなだれ込む。優雅と野蛮の同居。これに対抗できるのはやはりラスティ・サントス率いるザ・プリゼントだけだろう。

 レイヴ・カルチャーの果てに進んだ実験音楽と快楽主義の混交ははまだまだ大きな地平を用意しているのかもしれない。エメラルズやグローイングのようにメジャーへのベクトルを持つことだけが能ではない。快楽主義にはむしろ潜むべき場所というものがあるはずだろう。

 なお、アナログ盤は未確認ですが、CDパッケージにはストライプ模様のアセテート・フィルムが帯としてつけられていて、これをスライドさせていくとジャケット・デザインがどんどん変化して見えるという仕掛けが施されています。これは一見の価値アリ。つーか、帯にこんな使い方があるとは...

Mathew Herbert - ele-king

 ステージの上の数本のマイクには白衣がかかっている。メンバーはステージに登場すると、白衣を着る。中央には四角に張られた数本の赤いストリングスがあって、それをひっぱるとPCから豚の声やらなにやらが聞こえる仕掛けになっている。ステージには豚小屋の藁がおいてある。演奏曲はアルバム『ワン・ピッグ』通りにの曲順で、つまり......なんとも言えない神秘的な力を持った曲""August 2009"、豚の誕生を描いたこの曲からはじまった。

 ステージの中央では張り巡らされた赤いストリングスを操作しながら、パントマイムのように演技している男が、時間の経過を知らせるために背中に月の名前(「SEP」「OCT」「NOV」......)が記された白衣を着替えていく。"September"は、豚の成長を表すかのように荒々しい息吹を持った曲で、男の動きも激しくなる。こうしたステージ上での演劇性は、グラム・ロック/ニューウェイヴの時代にはよく見られたものだが、プライマル・スクリームのナルシスティックなライヴや「私のソウル」を主張することが主流となったステージからは排除されていたものである。英国人らしい黒い笑いをもったモンティ・パイソン的な演劇性で曲を展開する『ワン・ピッグ』ライヴは、ライヴの質の変化を象徴するという点でも興味深いものだった。

 "December"は豚が親元を離れ、そして兄弟たちと小屋で過ごすようになってからの曲だ。この頃には、ステージ後方に用意されたキッチンでシェフが料理をはじめている。豚肉をジュージューと焼く匂いは扇風機によってフロアへと飛ばされる。生まれて初めて見る、豚肉の匂いの漂うライヴだ。豚肉の匂いのなか、豚の鳴き声、電子音、ドラミングが激しく響く。......それからビートは冷酷にも高まっていく。不気味な高まり、ミニマルなビート......おそらく豚が殺されているのだろう。この残忍なアップテンポの曲のとき、フロアから奇声が発せられていることに違和感を感じていたのは、すぐ近くで聴いていた三田格だった。

 シェフはそのあいだもたんたんと料理を進めて、器用な手つきで皿に豚肉料理を盛りはじめる。もうこうなると、最後にその料理をメンバーが食べるかどうかが興味の対象となってくる。キッチンの真横に用意された横長のテーブルには5皿の料理が綺麗に並べられる。演奏を終えたメンバーはテーブルに並び、そのお皿に視線を送る。さあ食べろ。食べたい......三田格が後方で「食べろー」と叫んでいる......。

 しかし彼らは食べなかった。マシュー・ハーバートは最後に豚の思い出を歌った。アルバムの最後の曲、"May 2011"である。
 ルイス・ブニュエルの映画だったら、最後にくちゃくちゃと音を立てて食べていたかもしれない。その音をサンプリングしてミニマル・テクノを演奏しただろう。マシュー・ハーバートはしかし食べなかった。そこには彼のメッセージが込められていると思っていいはずである。アンコールではマシュー・ハーバートが道化た演技と赤いストリングスを使って、彼のエレクトロニック・ミュージックを演奏し、それまで頑ななまでに笑顔のなかったパフォーマンスにおける唯一の笑顔をもってライヴは終了した。


 追記:それにしても残念だったのは、その晩、リキッドルームのすぐ近くのDOMMUNEでは、シカゴ・ハウス/ディープ・ハウスにおけるもっとも重要なDJ/プロデューサー、シェ・ダミエがプレイするというのに、ハーバートのライヴからは誰も人が流れてこなかったことである(しかも7年ぶり2度目の来日)。

Chart by JET SET 2011.09.26 - ele-king

Shop Chart


1

JUJU & JORDASH

JUJU & JORDASH UNIESH THE GOLEM PART1 »COMMENT GET MUSIC
ミドル・テンポに刻むドープなビートにダークネス・シンセやメタリックなパーカッションを絡めながら、ねじれの効いたエフェクトとドープ・バレアリックに通じるサイケデリックなストリングスをアクセントに添えたディープ・タイトル"Chelm Is Burning"。ストイックにロウを攻めるタフ・ビートやアシッド・シンセ、スリリングなSEが用いられたキラー・エレクトロ・ビートダウン"Chelm Is Dubbing"の2楽曲をカップリング。

2

DJ NATURE

DJ NATURE EDITS VOL.1 »COMMENT GET MUSIC
ダビーなエフェクトを噛ませながら、ヴォーカルやメロディアスKeyを軸に再構築していく、Jazzanovaの2001年大傑作"Days To Come"と同ネタ、Billy Cobham "Opelousas"('78年)のエディットとなるA-2"Billy C"が一押し。エレクトロ・シンセとインダストリアル・ビートをミニマルに紡いでいく"C.O.A."、ドス黒いアフロ・グルーヴが最高すぎるミニマル・パーカッション・ナンバー"Bush Beat"も強力なDJユースフル・エディットです。

3

DJ NATURE

DJ NATURE CELEBRATE YOUR LIFE / LET IT RING »COMMENT GET MUSIC
ソウルフルなヴォーカル・パートをフィーチャーしたブラックネスなビートダウン・ハウス"Celebrate Your Life"は、スリリングなボトム・プログラムと華麗なピアノのメロディが心小打つ珠玉作。さらにカップリングの"Let It Ring"では、勢いのあるドラミングとトビを効かせたドープなサンプリング・スキルが際立つビートダウン・トラック。こちらも漆黒かつウォーミーな鳴りにそそられる素晴しい仕上がりとなっています。

4

FOUR TET

FOUR TET LOCKED »COMMENT GET MUSIC
こちら011番は主宰自らによる必殺のレフトフィールド・ブレイクビーツ/ディスコ傑作です!!

5

WILL SESSIONS

WILL SESSIONS THE ELMATIC INSTRUMENTALS »COMMENT GET MUSIC
大人気ファンク・バンドWill Sessionsが叩き出すクラシック・ビートの数々。素晴らしい完成度を誇っていた『Elmatic』ですが、独自のアレンジが効いた彼らの演奏に度肝を抜かれた方も多いはず! これは持っておきましょう! ※ダウンロード・カード封入。

6

TROPICS

TROPICS PARODIA FLARE »COMMENT GET MUSIC
Caribouファンにも大推薦のドリーミー・レフトフィールド・ディスコ新鋭Tropicsが遂にアルバム・リリースです!!

7

SPIKE

SPIKE MAGIC TABLE »COMMENT GET MUSIC
オランダのギタリスト、Spike Woltersが'81~'83年にかけて製作/録音していた発掘音源2作品に加え、Thomas Bullock (Rub N Tug/Map of Africa)によるWelcome Stranger名義でのダブ/アカペラ・ミックスを収録!!

8

VAKULA

VAKULA SHEVC002 »COMMENT GET MUSIC
電子音を飛び交わせながら美麗な鍵盤音を轟かせるスペーシーなディープハウス・ナンバー"You Cannot Resist"。B-Side"Rural Dances"も同様に、トリッピーな電子音や奥行きあるアトモスフェリック・シンセを絡めながら、カッティングエッジなボトム・プログラムで引き込んでいくディープ・ナンバーに仕上がっています。

9

AUNTIE FLO / DJ SDUNKERO

AUNTIE FLO / DJ SDUNKERO OH MY DAYS / CHOOSING LOVE »COMMENT GET MUSIC
グラスゴー在住の大新星Auntie Floによる待望のニューシングル!!ビッグ・ヒットを記録した'11年デビュー作"Goan Highlife"と同じく"Huntleys & Palmers"からの10"作品となった、南アフリカのDJ Sdunkeroとの大推薦スプリット。

10

ONRA

ONRA EDITS (CHANGE OF HEART / KEEP ON LOVING ME) »COMMENT GET MUSIC
ダンス・クラシックスとして名高いChangeの名曲をリエディットしたA-1は、原曲の良さを十二分に生かしながら、これぞOnraといわんばかりのエレクトロ・ブギーに仕立て上げた一品。Whispersが83年にリリースした大ヒット曲"Keep On Loving Me"をリエディットしたB-1も同路線の仕上がりで、両面ともフロアを彩る必殺のダブルサイダー!

DUBBY - ele-king

最近のお気に入りTop10


1
Peaking Lights - 936 - Not Not Fun

2
Beppe Loda & Mushrooms Project - Remix EP - ENE

3
Beauty - Tribute to The Horror - Crue-L

4
The Psychedelic Schafferson Jetplane - S/T - Pastabass

5
Vakula - You Cannot Resist - Shevchenko

6
Wooden Shjips - West - Thrill Jockey

7
Zodiac Free Arts Club - Floating World - Permanent Vacation

8
Pyrolator - Neuland /1 - Breau B

9
Hatchback - Zeus & Apollo - Lo Recordings

10
Juju & Jordash - Unleash The Golem Pt.1 - Golf Channel

Chart by Underground Gallery 2011.09.22 - ele-king

Shop Chart


1

SANTIAGO SALAZAR

SANTIAGO SALAZAR Smile Now Cry Later Ep (7th Sign) »COMMENT GET MUSIC
UR一派であるLOS HERMANOSや、GALAXY 2 GALAXYメンバーとしても活躍する、ICANの1/2、SANTIAGO SALAZARの新作!疾走感のあるグルーヴとエモーショナルな展開を効かせた、メロウ・デトロイト・チューン!

2

MARCOS CABRAL

MARCOS CABRAL L.I.E.S. 006.5 (L.I.E.S.) »COMMENT GET MUSIC
DJ HARVEYのプレイで話題を集めた LEGOWELT「Sark Island Acid Ep」で知られる USの新興ハウスレーベル[L.I.E.S.]新作は、RUNAWAYでの活動はもちろん、ソロ名義でも[Skylax]から作品を残す MARCOS CABRAL。今回は全3トラックが収録した1枚なのですが、一押しは「「E2E4」を思わせる浮遊感溢れるシンセ・リフが心地よい、ミニマルなディープハウストラック A1「24 Hour Flight」。空間を浮遊するように鳴らされるシンセとともに、気付いた時にはにはかなり遠くな、ディープな世界へと飛ばされちゃいます。。。コレは本当にヤバいですよ~!!さらにカップリングには、90'sハウスムード全開なスペーシーなミッド・ディープ・ハウス B1「Freckles」、柔らかく幻想的なシンセが◎なダブ・ハウス B2「Cassandra」の2作。ハンドスタンプ、ホワイト仕様の限定プレスでのリリースとなっていますので、買い逃しのないよう、お早めのチェックをオススメします。勿論、当店、大・大・大推薦な1枚です!

3

STINGRAY313

STINGRAY313 Misinformation Campaign (Trust) »COMMENT GET MUSIC
まさにDREXCIYA直系といえる、デトロイト・ダークサイドを垣間見ることが出来る、メカニカルかつフューチャリスティックなエレクトロ・サウンドが4トラック! MOODYMANNやCARL CRAIG、ANTHONY SHAKIRとの複合ユニットURBAN TRIBEの中心メンバーであり、古くは古くはCARL CRAIGが[Planet E]を始める前に運営していたカルト・レーベル[Retroactive]からのリリースや、DREXCIYAのDJとしても知られるデトロイトの大ベテラン、SHERARD INGRAM aka STINGRAY313の新作!

4

V.A

V.A Mu Ep (10 Label) »COMMENT GET MUSIC
プロフェッショナル・インダストリアルがここにある!京都発、ジャパニーズ・アンダーグラウンド期待の新レーベル[10 Label]記念すべき第一弾!限定盤! CLARO INTELECTOやDATASSETTE等、気鋭アーティストを輩出してきたUKアンダーグラウンド・レーベル[AI RECORDS]より、2008年にリリースされたアルバム「INFORMATION WARFARE」でデビューを果たした、EOCことKATSUNORI SAWAと、BEATPORTデジタル配信レーベルで徐々に頭角を顕しつつある[GENESA RECORDS]よりリリースされた「ADALOVELACED I EP」はRICHIE HAWTINもサポートするなど話題を集めた、DUCEREY ADA NEXINOことYUJI KONDOが、ニューレーベルを[10 Label]を始動! その両者によるユニット、STEVEN PORTERによる、デンジャラスに蠢くグル ヴがヤバ過ぎるダーク・インダストリアル・クラシックA2をはじめ、[RASTER-NOTON]からはALVA NOTOとの共作「UNITXT」が大きな反響を呼んだフランスの詩人ANNE-JAMES CHATONによる凄まじいヴォイス・サンプリングが耳に残るB1、"PITCH BLACK TECHNO WAR FUNK"と評される硬派ミニマル・インダストリアル・テクノで自身のレーベルからのリリースも各国で好評を得ているANCIENT METHODSのA1、HARDWAX~BERGHAINファン注目の[VAULT SERIES]でおなじみSAWLINによるインダストリアル・ミニマルが低域の捻れを重厚に響かせるB2の4アーティストを収録したコンピレーション12インチ!マスタリング・エンジニアには、LFO、CLARK、JIMMY EDGARらWARP陣や、BEYONCEやJAMIROQUAIなどのアルバムをも手掛けるNAWEED "DIRTY" AHMEDを起用。今後の活動に大きな期待が持てる新レーベルが誕生!UGヘビー・プッシュ!

5

SHANNON HARRIS

SHANNON HARRIS Remember The Times (Disco Electric) »COMMENT GET MUSIC
過去作品が DAVID MANCUSOの「The Ear Chart」にピックアップされたり、JOE CLAUSSELLのへヴィー・プレイなどで大ヒットを記録した SHANNON HARRIS、今回は、70年代から活躍を続け、Garage古典でもある名作「Make It Last Forever」などのヒット作で知られる ベテラン女性シンガー DONNA McGHEEをヴォーカルにフィーチャーした1枚をリリース。タイトルにも表記されている通り、LARRY LEVAN及び Paradise Garageに敬意を表したという今作は、彼らしいソウル、ジャズ、ファンク、ロックなどの黒いサウンドを取り込んだ、暖かくソウルフルな生演奏によるディスコ・ハウス・トラックをバックに、DONNA嬢の熱くエモーショナルな歌声を高らかに響き渡らせドラマティックに展開させていった まさにハイライトに相応しいなヴォーカル作品を披露。カップリングにはダブヴァージョンを収録。相変わらず値段は高値となっていますが、ディープハウスファンにとっては一生モノの作品となることは間違いないと思いますので、是非コレは押さえておいて下さい!ホント、オススメです!

6

THEO PARRISH / V.A

THEO PARRISH / V.A Ugly Edits (Sound Signature) »COMMENT GET MUSIC
緊急リリース!THEO PARRISHのリエディット・シリーズ「Ugly Edits」をアーカイブした2枚組CDがリリース! RON HARDY直系と言える、過激なリエディットで、人気を誇るTHEO PARRISHのリエディット・シリーズ「Ugly Edits」の過去作品を網羅した2枚組CD!THEO PARRISHも頻繁にプレイするJILL SCOTT「Slowly Surely」、MUSIC BOX CLASSICSでもあるMADE IN USA「Never Gonna Let U Go」やHAROLD MELVIN AND THE BLUE NOTES「The Love I Lost」そしてDELLS「Get On Down」、「Ugly Edits」シリーズの中でも最も人気の高いFREDDIE HUBBARD 「Little Sunflower」など、今では入手困難な楽曲ばかり!ヴァイナルは手に入れることが難しいので、このCDアルバムは待ち望んでいた方も多いのでは?

7

AUJI INDUSTRIES

AUJI INDUSTRIES Love You More Ep (Pan Records) »COMMENT GET MUSIC
RYO MURAKAMI、DJ PI-GEが運営するジャパニーズアンダーグランド推薦レーベル[Pan Records]から、元々ギタリストとして活動してたという東京のAUJI.INDUSTRIESによる12インチがリリース! 深遠な空間シンセと、TR-909の分厚いハイハットが耳の残るA2、波のように、雄大な揺れるアンビエンス・シンセでハメていくB1、デリケートなローズ・シンセでムーディーな展開を魅せるB2など、[Smallville]レーベル周辺の作品ともリンクする、柔らかみと浮遊感を持ち合わせた、ディープ・フローティング・テックが4トラック!

8

MAYNARD FERGUSON

MAYNARD FERGUSON Pagliacci (White) »COMMENT GET MUSIC
RON HARDYのMusic Box古典 CHERYL LYNN 78年作「You Saved My Way」、DAVID MANCUSO、DJ HARVEY、THEO PARRISH、JOE CLAUSSELL、LOUIE VEGAプレイの MAYNARD FERGUSON 76年作「Pagliacci」!

9

BLM

BLM All Out Of Place (Tsuba Limited) »COMMENT GET MUSIC
UKアングラ・ハウサー、BEN MICKLEWRIGHTによるプロジェクトBLM新作がいいです!!オープン・エアーでもばっちり映えそうなミッド・トライバル・ハウスからスペイシーなトリップド・アシッディー・テックまで素晴らしい内容! スピリチュアルな空気感としっかりしたグルーヴでディープな空間を作り上げ、野外パーティーでもバッチリとフロアをメイクしてくれそうなモダン・ディープ・テックA1、内省的な雰囲気でピアノのセンチメンタルなフレーズも素晴らしいB1、柔らかいグルーヴとドラマティックに、心地よくトリップ感を煽るアシッド・シンセもバッチリな塩梅のB2等充実の内容。お勧めです

10

KRIS WADSWORTH

KRIS WADSWORTH It's Time (Get Physical) »COMMENT GET MUSIC
デトロイト新世代KRIS WADSWORTH新作!デトロイト・サウンドをアップ・デートしたブラック・ネスなディープ・グルーヴがうねるBサイド「Det Sound」がおすすめ! ロボティックなアシッド・ハウス好作A1もイイですが、やはりBサイド収録の「Det Sound」が出色の出来!!滑らかにうねる野太いグルーヴにドラッギーなSEと呪術的なボイス・サンプルが重なりどこまでもハメられていくドープ・チューン!これはヤ効きそうです!クロス・オーバーにオススメ!!限定盤とのことなのでお早目のチェックを!

DORIAN - ele-king

 今年のフジロックでYMOを観たときに、その細部まで精巧に作られたポップネスに感嘆するとともに、なぜかしら「これは日本がより経済的な回復へと向かっていった時代、日本が上向きになることを信じられた頃のポップ・ミュージックなんだな」という感想が頭をよぎった。自分が「先の見えない」貧しい時代に生きている20代であることを自らあっさりと認めるようで――実際その通りではあるのだけれど――なんだか釈然としなかったので、どうしてそんな風に感じたのかそれから時々考えてみたのだが、当時の真新しいテクノロジーを駆使し、海外の音楽を取り込みながら日本の歌謡曲的なセンスをミックスしそれを「黄色い(人種の)魔法」と呼んだ軽やかな態度がなお感じられたそのパフォーマンスに、手近なリアリティに逃げ込まない余裕というか、知恵のようなものを僕は感じ取ったのではないかと思う。そして、そこで改めて思い知らされるのは、たとえ90年代にその名残があったとしても、僕たち80年代生まれのいまの20代は、80年代以前の日本の経済的な繁栄やそれ故の軽さを感覚として知ることは決してない、ということだ。ステージの上のYMOはクールだったし貫禄もあったけれど、それはどこか、もはや失われた日本の豊かさを眺めるようでもあった。

 ドリアンのディスコから聞こえてくる80年代の正体は何だろう? その、徹底して軽やかでファッショナブルで煌びやかな、それこそダブステップのようないかめしさとは無縁のダンス・ミュージックが、貧しい日本の現代の都会の若者をたしかに踊らせているのはどうしてだろう?
 ファンタジスタ歌麿呂が手がけたアートワークを眺めつつドリアンの作るキラキラしたディスコを聴いていると、子どもの頃テレビで観ていたかもしれない画面や聴いていたかもしれない音楽が回想されるようだ。80年代末や90年代初頭のバブル期のファッションやコマーシャル、トレンディ・ドラマ......? 正直僕にはそれらの記憶はとてもあやふやで、本当にあったのかどうかすら怪しい。ただ、ここで参照されているフュージョンやAOR、そしてシティ・ポップは確実に現代にはなかなか見当たらないもので、それ故に僕たちが生きる時代の貧しさや生活感はここには存在しない。前作のタイトル『Melodies Memories』が言い当ててしまっているが、本物の80年代ではなく、記憶 のなかのそれなのである。そこにあるのはある意味で捏造された軽やかさであり、ドリアンは自らそれを「フェイク」だと言い切っている。『studio vacation』......スタジオで作られ、この音が鳴ってい る時間だけの休暇である、と。
 いかにもトロピカルなイントロからDJミックスよろしく展開を小気味良く変えていくオープニング・トラックのタイトルは"fake vacation"。海に走らせる車もなく、それどころか仲間を集 めて遊びに行く時間もないほど働いているのなら、ヘッドフォンをつけて偽物の休暇に出てしまえ、という合図だ。続く、なかでもフュージョン色が強い"shower"では挿入されるロボ声がシンセ・サウンドとおどけてみせ、"sweet technic"では シンセの和音がムーディーに漂うなか、女性ヴォーカルの吐息がセクシーな絡みを聞かせてくれる。"melty color"はアルバムでもっともアッパーなダンス・トラックで、そこで うねるベースとロマンティックなピアノの旋律がハウス・ミュージックらしい高揚を運んできたかと思えば、"like a wave"でもミニマルなループでさらにユーフォリックな輝きを生み 出している。スウィートでジャジーなチル"secret promice"でアルバムが幕を閉じるまで、とにかくオシャレで、ミラーボールの光が反射し続けるようなカラフルな眩しさを貫き通している。
 しかしそれにしても、一十三十一があくまで可憐に歌う唯一のヴォーカル・トラック"summer rich"が凄い。ファンキーなベースとハウス・ビート、キラキラ感を助長 する鉄琴と打楽器が盛り上げ、ロマンティックに優雅に夏の恋を歌うポップスが炸裂する。「渚のシンパシー/トパーズの波間に消えたmusic 真夏のmagic」「もっと遠くまでsummer dream/砂浜を染める恋のセンセーション  抱きしめたい」......なんて涼しげで、なんて甘い夏なんだろう。2011年の日本の暗さや重さがどこにもない。

 最近の若者は遊ばなくなったのだとしばしば聞く。幸い、僕は周りにはそこそこ夜遊びをする友人がいるためそういう大人の決めつけには反論したくなるのだけれど、たしかにかつてのような......バブル期のような「リッチな」遊び方をいまの20代はしていないだろう。それがいい悪いは別にしても、贅沢の仕方を忘れてしまったか、もしくは知ることもないほど、厳しい生活から完全に離れることはとても難しい。
 ドリアンはここで、辛気臭い生活はすべて忘れて、曖昧な記憶のなかの軽やかさを呼び覚ましてでも、思い切り遊べと主張するかのようだ。それが想像上であっても、そこがベッドルームであっても、このディスコ・ミュージックで砂浜を走れと言わんばかりだ。もう僕たちはかつての日本の「豊かさ」を知ることはないだろうが、だとすればなおさら、ドリアンのここでの態度は、いまの僕たちの新たな知恵になり得る。それは想像力を駆使して作り上げる、正真正銘のダンスフロアの興奮である。

紙ele-king vol.03、発売! - ele-king

 数々の困難――free dommuneの中止、メタモルフォーゼの中止、二木信の暴走などなど――を乗り越えて完成しました! 10月1日には宇川直宏による怪しげなアートワークが店頭に並ぶ予定です。
 特集のひとつは「シンセ・ポップ」です。これは前回のチルウェイヴ特集の延長でもあり、また、80年代リヴァイヴァルの現状報告でもあります。ネオン・インディアンのロング・インタヴュー、シンセ・ポップの古典30枚/新世代シンセ・ポップ40枚、湯山玲子と三浦康嗣(□□□)の対談、三田格のニュー・マッチョをめぐる論考などなど盛りだくさんの内容です。
 もうひとつの特集は「日本の音楽」です。これはあまりにも広いテーマですが、いまいろんな局面で面白い変化が起きて、国際化も進んでいます。そして3.11以降、さらに変わっていくでしょう。今後も少しずつでもele-kingなりに考えてみたいと思っています。
 まあ、そんなわけで、今回もかなり濃い内容になったと思います! どうぞよろしくお願いします!


ele-king vol.03

contents

〈EKジャーナル〉
僕と革(Shing02/ヨルグ・ブルーゲマン)
SIGNAL(野中モモ)
速報!文化庁メディア芸術祭(瀧坂亮)

〈巻頭特集〉
シンセ・ポップふたたび(野田努/菱沼彩子)
対談:湯山玲子×三浦康嗣(□□□)(松村正人/小原泰広)
ユーモアでマッチョを。(三田格)
ネオン・インディアン
80Sチャート Part1(瀧見憲司)
シンセ・ポップ トップ30?1+ショート・コラム〈古典篇〉(國枝志郎/水越真紀/野田努/三田格/松村正人/渡辺健吾)
NDWの生煮えの起爆性(明石政紀)
ラスティ インタヴュー(野田努)
シンセ・ポップ・ノート2007〜2011(橋元優歩)
シンセ・ポット  トップ40〈現代篇〉(小田祐司/佐久間信行/塚野目圭輔/土田陽介/野田努/橋元優歩/三田格/木津毅)
80Sチャート Part2◎Cuz Me Pain/Photodisco
〈書き下ろし〉高価ではないのですか?(山崎春美)

〈TAL-KING1〉
コールター・オブ・ザ・ディーパーズ ナラサキ(大久保潤)

〈no ele-king〉
寺尾紗穂(磯部涼/小原泰広)

〈Eコラム1〉
不信連鎖の津波(粉川哲夫)

〈論考�T〉
モードとコード、ビートとコード(mochilon)

〈TAL-KING2〉
高橋悠治×Phew(松村正人)

〈連載コラム〉
キャッチ&リリース(tomad)
私の好きな(牛尾憲輔(agraph))
二木ジャーナル(二木信)
編年体ノイズ正史(T・美川)
新連載・ピーポー
水玉対談(こだま和史×水越真紀)

〈カルチャーコラム〉
EKかっとあっぷあっぷ(水越真紀/五所純子/石田潤/南部真里/プルサーマル・フジコ)

〈TAL-KING3〉
ダーティ・ビーチズ(松村正人)

〈シリーズ企画〉
エレキング食肉族 鼎談:卯城竜太×五所純子×三田格

〈Eコラム2〉
Osakafrica Grooves(野間易通)

〈TAL-KING4〉
K-The-I???(三田格)

〈巻末特集〉
〈日本〉の音楽(湯浅学)
坂本慎太郎 インタヴュー(磯部涼/塩田正幸)
東京フリンジ ミュージック(岡村詩野)
鴨田潤 インタヴュー(野田努)
ワールズ・エンド・ガールフレンド インタヴュー(野田努)
ブラックスモーカー(二木信)
往復書簡:日本村の音楽(松村正人×三田格)

〈ルポルタージュ〉
フェスティバルFukushima!+FREEDOMMUNE 0(磯部涼/小原泰広)

Ogre You Asshole - ele-king

 サイケデリック・ロックほど欧米と日本との文化状況の違いを感じるジャンルはない。この国で"Music For All The Fucked-up Children"が普及しない理由は、欧米の現場に行ったことがない人でも想像に難くないだろう。日本のロックの多くが音よりも言葉に酔せる傾向にあるのも、こうした文化と無関係ではない。もっともそうした不自由さのなかで、日本からはずば抜けたサイケデリック・ロックが生まれてもいる。ボアダムス、コーネリアス、スーパーカー、ゆらゆら帝国などといったバンドは、"ファックド・アップできない子供たち"を"ファックド・アップ"させるよう、自らの好奇心を優先させ、音の追求を怠らなかった。そうしたバンドは、ワールズ・エンド・ガールフレンドが分析するように、日本的な情報量の多さとその編集能力、緻密な折衷主義によって音の独自性を磨いていった。オウガ・ユー・アスホールは、いま、その系譜にいるんじゃないだろうか。
 『homely』のオープニング――クラウトロック的なスペイシーなミニマリズムによる"明るい部屋"から"ロープ"への展開は拍手したくなるほど見事だ。夢とストイシズムの絶妙のバランスのなかで反復するベースとドラム(誰もがカンを思い出すだろう)は、ゆっくりと、そして力強いグルーヴを創出する。リズミックなバンドのアンサンブルには自由に動き回れる空間があって、控えめなギターとシンセサイザーはその空間を面白いように走る。
 バンドはリスナーを当惑させるような、シュールな言葉を好んでいる。言葉は抽象的で、なかなか方向性をはっきりさせない。思わせぶりな歌詞の朗読からはじまる"フェンスのある家"は、しかし、16ビートのリズム・トラックの乾きが象徴的な言葉の重さを消去する。こうした手の込んだテクスチャーは、このバンドの大きな魅力のひとつに思える。バンドの言葉(歌詞)は、たとえ暗い予兆を思わせるものであっても、リスナーを抑えつけるようなことはなく、あたかも空気のようにふわふわしているのである。
 "作り物"は、そうした彼らのユニークな軽さによるキャッチーで、そして感動的な曲だ。「わな? 居心地良く無害で/笑っていた/ここはウソ」――日本語による美しいメロディラインに乗せて、部外者としての疎外感や憂鬱、怒りや絶望、悲しみをOYAはどこか涼しげに、スーサイドとテレヴィジョン・パーソナリティーズの溝を埋めるかのように、ヘタしたら爽やかに歌ってみせる。
 "ロープ"、"フェンスのある家"や"作り物"といった周到にデザインされたような、つまり抜け目のない曲からすると、"ライフワーク"や"ふたつの段階"のようなエモーショナルなロック・ソングはやや見劣りしてしまうかもしれない。が、ヴェルヴェッツ・スタイルの"マット"を聴いたらこのバンドに対する期待は、もはや隠せなくなるだろう。この頽廃と甘美は最高潮に達したときのフィッシュマンズの領域に迫っているかもしれない。クローザー・トラックの"羊と人"は、このバンドらしい屈折した曲と言えよう。たっぷりと皮肉が注入された歌詞を、うそぶくように、洒落たポップスとして表している。曲のエンディングのサックスの切なさは、予定調和をせせら笑い、アイロニーとしての余韻を残すようだ。プロデューサーの石原洋とエンジニアの中村宗一郎は、元ゆらゆら帝国チーム。我々はいま素晴らしいアルバムと出会っている。この強力なアートワークも、不自然さや不条理、意味と無意味をちらつかせるような、このバンドの音楽をよく表している。

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