「S」と一致するもの

白石隆之 - ele-king

年間ベスト。記憶を辿って捻り出した10枚。


1
Chez Damier - Time Visions 2 - Mojuba

2
Moody - Ol'dirty Vinyl- KDJ

3
The Mole - Dreamer Keep On Dreaming - Musique Risquee

4
DJ Yoav B - Love Dubs EP - Delsin

5
Missing Linkx - Got A Minute. - Philpot

6
Vakula - Firecracker EP 5- Firecracker

7
DJ Nature - Everyone / Neighbourhood Novelt - Golf Channel

8
Four Tet - Sing - Domino

9
Floating Points - Peoples Potential - Eglo

10
Farben - Farben EP - Faitiche

Detachments - ele-king

 これはもう......、ダニエル・ミラー。ノーマルであり、初期のデペッシュ・モードであり、さもなければジョイ・ディヴィジョン。この説明でわからない若い世代には、これがシンセ・ポップにおけるイギリスらしいポスト・パンク的展開だと説明しておこう。ささくれ立っていて、ニヒルで、黒い服の似合うディストピアン・スタイルの音楽というわけだ。

 ディストピア・ミュージックとは、デヴィッド・ボウイの『ダイアモンド・ドッグス』からブリアルにいたるまで綿々と続く、いわばイギリスのポップのお家芸でもある。ディストピア・ミュージックとは、アンチ・エスタブリッシュメント・ミュージックと同義に他ならない。一見華やかなこの世界に積極的に背を向けていることの態度表明のひとつで、それは民主党やオバマ大統領に失望した人たちが向かうところでもある。自分たちの暮らしている世界がいかに絶望的な場所であるかをいかに巧妙に伝えるか......それがこの種の音楽の肝である。

 さて、ロンドンの4人組、デタッチメンツによるデビュー・アルバムだ。リリースは2010年の9月、ダンス・ミュージック・ファンの多くは2010年の初頭にリリースされたマーティンのミックスCD『ファブリック50』を通して知っている。2009年にシングル・カットされた"H.A.L."はアンドリュー・ウェザオールがプロデュースに関わっている。この2年、ウェザオールが関わったロック・バンドのなかでもっとも彼の音楽性に近いのがデタッチメンツである。DFAのティム・ゴールドワーシーも1曲参加している。
 "H.A.L."はウェザオールによってディスコ・パンク・ヴァージョンにリミックスされている。それは最近のウェザオールにしては珍しくストレートな、素晴らしくパンキッシュな感触の、ご機嫌なリミックスである。シングル「サークルズ」はマーティンによってリミックスされ、これは幅広くフロア・ヒットしている。パンク好きのDJなら、これは是非とも良いタイミングでかけたい......というか、この2枚のシングルは、ロック的な嗅覚を持ったDJであれば逃していないはずである。

 デタッチメンツは2010年にイギリスのロック・バンドにおいて気に入った数少ない1枚で、もし、ダークスターが『ノース』を発表しなかったら、その座にいたかもしれない1枚である。1980年代のレトロなパソコンと骸骨をデザインした中途半端にダサいアートワークがまた良い......というか、親しみを持てる。

Chart by JETSET 2011.01.10 - ele-king

Shop Chart


1

奇妙礼太郎トラベルスイング楽団

奇妙礼太郎トラベルスイング楽団 機嫌なおしておくれよ REMIX »COMMENT GET MUSIC
DJ Yogurt & Koyasリミックスを収録した12インチも出ちゃいました!今もなお、血眼で探す人が多発する「機嫌なおしておくれよ」がリミックスを加えて、装いも新たに12インチ化!さらに初公開となる新曲"California"も収録です!

2

SOFT MEETS PAN

SOFT MEETS PAN TAM - MESSAGE TO THE SUN EP »COMMENT GET MUSIC
国内屈指のジャム・バンド、SoftとJuzu a.k.a.Moochyの話題のコラボ作からのアナログ・カット!絵本+CDという異色のフォーマットで届けられる『Tam

3

THE GATHERING

THE GATHERING IN MY SYSTEM - REMIXES »COMMENT GET MUSIC
The Revenge、I:Cubeリミクシーズ!!Villalobosプレイにより当店でもヒットした、シカゴ・ヴェテランChez Damierを擁したChris Carrier、Jeff Kのフレンチ・コンビ・ユニットThe Gathering"In My System"の新ミックス収録盤。

4

JAMES PANTS

JAMES PANTS EVERY NIGHT I DREAM / TALE OF A WHALE »COMMENT GET MUSIC
来るニュー・アルバム『Love Kraft』からの先行シングルが到着!80'sソウルにエレクトロ・ファンク、オールドスクール・ディスコ/ラップなどの要素を吸収したJames Pantsらしい注目のニュー・ウェーヴ・トラック2曲!

5

DORIAN

DORIAN MELODIES MEMORIES EP.1 »COMMENT GET MUSIC
Rollin' Rollin'に匹敵の'10年代クラシック!七尾旅人&やけのはら参加の名曲"Shooting Star"収録。当店でも大ヒットした1st.アルバム『Melodies Memories』からのアナログ・カット第1弾!"Shooting Star"に加えて、PV曲"Morning Calling"やDeniece Williams"Free"のカヴァーなど全4曲収録!!

6

EASY STAR ALL-STARS

EASY STAR ALL-STARS DUBBER SIDE OF THE MOON »COMMENT GET MUSIC
ピンク・フロイド「狂気」のダブ・カヴァー・アルバムにリミックス版が登場です!!ご存知、Pink Floydの名盤『Dark Side of the Moon』をアルバム丸ごとダブ・カヴァーした人気作を、今度はアルバム丸ごとリミックス!!

7

DJ COLE MEDINA / SOCIAL DISCO CLUB

DJ COLE MEDINA / SOCIAL DISCO CLUB GLOVE MONEY »COMMENT GET MUSIC
American Standard、新作は極上リエディット3トラックスを収録!!昨年の活躍も凄まじかった当店人気のニュー・ディスコ・アクト"Social Disco Club"と、当レーベルからリリースされた"Love You Inside Out"のリエディットがビッグ・ヒットを記録した"Cole Medina"の強力タッグ・リリース!!

8

BRYANT K

BRYANT K DAISIES GROW »COMMENT GET MUSIC
Stones Throwからの新たな才能、Bryant Kがお目見え!80'sのModern Soulの影響が垣間見れる名刺代わりの一発。今後の動きから目が離せません!

9

TONY COOK

TONY COOK BACK TO REALITY »COMMENT GET MUSIC
生ける伝説Tony CookとStones Throwのコラボ企画が遂にアルバムに発展!'82年から'86年に録音されていた楽曲に、Dam FunkのVo.をはじめとするStone Throw軍団の手が加わり、最強のディスコ/ファンク・ブギー・アルバムが完成!!

10

MORITZ VON OSWALD TRIO

MORITZ VON OSWALD TRIO RESTRUCTURE 2 »COMMENT GET MUSIC
Moritz von Oswald Trio待望の新作も最高でした!!Honest Jonsからの過去2作いずれもコアな人気を博しているMoritz von Oswald, Vladislav Delay(Luomo)、Max Loderbauer(Sun Electric)のトリオによる話題の12"シングルが到着。

Ree.K - ele-king

Favorite 2010


1
Stripper - Wasp Killers - 4Digital Audio

2
Pfirter - Wow! Signal - MindTrip Music

3
Alexi Delano & Adam Beyer - Sleep Horn - Drumcode

4
Hey Today! - Talk To Me - Turbo Recordings

5
Javi Lago - Inconsciente - Polygon Acid Mix - Sintetics Digital

6
Phillip Charles - Controlled Input - Hallucination Limited

7
Audioresponse - The Shelfpicker - Gon Records

8
Kiko & Gino's - Star Braker - Signature By Kiko

9
Llydo - Quinchos (Abe Duque Dub Remix) - Dilek Records

10
D. Diggler - Thru Walls - Ground Factory Records

DJ DUCT (THINKREC.) - ele-king

2010年ベストディスク


1
Erykah Badu- New Amerykah Part Two: Return of the Ankh - Motown

2
Mochilla Presents Timeless - Suite for Ma Dukes - Mochilla

3
Moody - Ol' Dirty Vinyl - KDJ

4
Black Milk - Album Of The Year - Fat Beats

5
Nick Speed - Speed of Sound - Underground Resistance

6
Flying Lotus - Cosmogramma - Warp Records

7
Jeff Mills - The Drummer Part2,3 - Purpose Maker

8
9dw - rmx - ENE / CATUNE

9
Soft vs DJ Duct - Loop Segundo - NNNF

10
DJ Duct - Backyard Edit Pt.2,3 - THINKREC.

Teebs - ele-king

 2010年のクラブ・シーンにおける大きな出来事のひとつにフライング・ロータスの『コスモグランマ』があった。『Resident Advisor』は年間ベストの2位に、礼儀正しい『TINY MIXTAPES』は"好きなアルバム50枚"の4位に、日本のインディ・ロック・キッズにもカニエ・ウェストを買わせたであろう『PITCHFORK』は14位に......、『FACT』にいたってはトップ40枚にも入らないという極端に低い扱いだが(曲がりなりにもクラブ・メディアがJJのようなアコギ系ソフト・ロックを褒めておいてあれは酷い)、僕自身も『コスモグランマ』を初めて聴いたときにはとても興奮したし、2010年のハイライトに違いないと思ったけれど、結局自分の"好きなアルバム10枚"には入らなかった。15位以内には入るけれど、たったいま聴き返してみたいという衝動には駆られない。

 理由はいくつかある。ある時期からエレクトロニック・ミュージックへの興味がジェームス・ブレイクに注がれたこと、あるいはエメラルズOPNのコズミック・ミュージックに強く魅入られてしまったこと......等々。発表された当時はよく聴いたものだが、夏以降は聴かなくなってしまった。宇宙に行きたければエメラルズを聴いたし、ビートを楽しみたければダブステップを聴いた。『コスモグランマ』は良くも悪くも古典的で、スティーヴン・エリソンに何度か取材した経験で言えば、彼はおおよそ古典主義者的な人だった。彼には良くも悪くも厳格的なところがある。そういう彼の属性を考えれば『コスモグランマ』は完璧で、エリソンの芸術的な高みに違いないとは思うのだが、実際のところ『ロサンジェルス』のラフな感覚のほうが好きなファンも多いではないのだろうか。

 ティーブスとトキモンスタ、この2枚とも2010年のリリースであり、フライング・ロータスの〈ブレインフィーダー〉まわりのトラックメイカーであり、どちらも好きなアルバムだ。2枚ともドリーミーで、際だったトゲのない穏やかな音楽と言えるし、ファンタジーめいているとも言える。ノサジ・シングといいゴンジャスフィーといい、あるいは〈ロウ&セオリー〉周辺にはサイケデリックな感性が横溢しているように思える。これに関してはトラックメイカーのみならず、〈ノット・ノット・ファン〉のようなインディ・レーベルからベスト・コーストないしはノー・エイジのような連中にいたるまでの最近の西海岸の"傾向"でもあるけれど、その基本は酩酊のための音楽だと思っている。もっとも酩酊の感覚は大衆音楽にとっては重要な要素で、Pファンクからチルウェイヴ、レゲエからアンビエント、ジャズからハウスにいたるまで銀河のように広がっている。スティーヴン・エリソンのなかの厳格さも、こうした音楽の快楽原則に逆らっているわけではない。ゆえに『コスモグランマ』も好かれたのだろう......が、同時に僕は『ミッドナイト・メニュー』と『アーダー』も気に入っている。かたや韓国系アメリカ人女性、かたや元画家によるヒップホップの夢想である。

Metal - ele-king

SINGLES OF 2010


1
Maxmillion Dunbar‐Ambient Lemon&Lime‐Ramp Recordings

2
James Blake‐Limit To Your Love‐Atlas

3
Mark Pritchard‐Heavy As Stone‐Deep Medi Musik

4
Wolfgang Voigt‐Geduld (DJ Koze Mix)‐Profan

5
Portable‐ Life Magically Is‐Perlon

6
Mirco Loko‐Tahktok (Villalobos Edit)‐Cadenza

7
Jichael Mackson‐Sugarhill Mountain‐Musique Risquee

8
Margaret Dygas‐PG.21‐Powershovel Audio

9
DJ Rum‐St Martins‐On The Edge

10
To Rococo Rot‐Forwardness (Traversable Wormhole Remix)‐Domino

Lone - ele-king

 ビビオのメロディアスなIDMスタイルが好きな人が間違いなく気に入るのがローンによる『レムリアン(Lemurian)』(2008年)と『エクスタシー&フレンズ(Ecstasy & Friends)』(2009年)で、ノッティンガムの夏を記録したという前者にしても、彼の名声を高めた後者にしても、その音楽を特徴づけるのはドリーミーな感覚だ。ボーズ・オブ・カナダの影響下で発展したモダンなスタイルのひとつにマウント・キンビーがいるけれど、ローンも大きくはそのひとつ。手法的にはビビオで、感覚的にはボーズ・オブ・カナダである。サイケデリックで、恍惚としている。だいたい1月の7日というのはまだ正月気分が抜けていないので、こういう夢うつつな音楽がちょうどいい。

 2010年はフォー・テットカリブーといった、最初に注目された頃はフォークトロニカと呼ばれたスタイルの人たちの作品がずいぶんと評判がよかったけれど、マウント・キンビーやローンを聴いていると、ダブステップとフライング・ロータスを通過したフォークトロニカではないかと思うときがある。ローンの場合は、綺麗なアルペジオがあって、そしてグリッチがある。そして、フォー・テットやカリブーよりもさらに夢想的である。12歳でボーズ・オブ・カナダに感動したというエピソードは伊達じゃない。

 『エメラルド・ファンタジー・トラックス』はしかし、フォー・テットとカリブーとすっかり歩調を合わせるように、彼にとって最初のダンス・アルバムと言える作品だ。4/4ビートが入った、デトロイティッシュな作品であると言える。『エクスタシー&フレンズ』はいま聴くとマウント・キンビーを先取りしていたような音楽性だったので、その続編を楽しみにしていたファンも多かったと思うけれど、過去の2枚とは目的意識が違っているようだ。アントールドやラマダンマンのような世代がシカゴのアシッド・ハウスの面白さを発見したように、彼はメロディアスなデトロイト・テクノにアプローチすることで彼自身のダンストラックを作っている。そういう意味では、2010年のフォー・テットとカリブーが好きだった人には推薦できるアルバムである。もちろん正月ボケが抜けていない人にも嬉しい音だろう。100%の逃避音楽だ。

 2010年は欧米のクラブ系のメディアを見ても、その前年よりもさらにテクノやハウスといった昔ながらのDJミュージックが目立たなくなった年でもある。『FACT』の年間ベストの1位がUSのインディ・ロックの部類に入るであろうフォレスト・スウォーズ(2位がカニエ・ウェスト)で、『Resident Advisor』の1位がカリブー(2位がフライング・ロータス)というのも、よほど他にないのかと正直ビビってしまった。まあ、DJミュージックの場合はトラック単位で見るべきなのだろうけれど、それにしても......。
 個人的なことを言えばクラブ系ではダブステップ以降を追うのに手一杯ではあるけれど、テクノとハウスは自分にとっては故郷みたいなものなので、このサイトでも面白いものがあればぜひ紹介したいと思っている。が、しかしコンスタントに書いてくれる人が見つからない。昔はDJ連中もシーンをアピールするために一生懸命に文章を書いたものだったが、庭付きの大邸宅で伸び伸びと正月を迎えているであろうメタルのように、いまさらそんな努力など必要ないほどシーンは自立しているということなのだろう。
 ......だったらいいのだけれど、経験的に言えば、シーンには作り手や送り手といっしょに情熱を持ったライターが必要。どこかに情熱をもっていらっしゃる方がいれば、僕はぜひお願いしたいと思っています。ご一報ください。件名は「ele-kingライター募集」にて、ele-king@dommune.comまで。試しに書いた3枚分のレヴュー原稿(文字数自由)を貼り付けていただければ幸いです(もちろんヒップホップ、ロックなど他ジャンルの方も歓迎しますよ)。

YOSSY (YOSSY LITTLE NOISE WEAVER) - ele-king

私がリスペクトするキーボーディスト・チャート


1
Mose Allison - This New Situation
軽やかで音楽の喜びにみちている。

2
Gonzales - The Tourist
繊細で美しく、新しい。

3
Dr. John ? Big Chief
ドロくささのむこうに、未来的な宇宙を感じさせるオルガンのリフが最高。

4
Antonio Carlos Jobim - Waters of March
かわいらしくて、明るくて、せつない。こんな曲をいつか書きたい。

5
Gladstone Anderson - Will You Stay
グラディーのピアノ、声は、いなたくて素朴で優雅。優雅っていうのがとても大事。

6
Timmy Thomas - Rainbow Power
とても空間的(スペイシー)

7
Jimmy Smith - All the Things You Are
バロック風のこの曲、いつ聴いても新しい。

8
Avelino Mu?oz - Cuchareta
60年代の南国のホテルのラウンジ。エキゾティックな永遠の近未来。

9
Debussy - Clair De Lune
POP MUSIC。ミステリアスで幻想的で美しい。

10
Money Mark - Pick Up The Pieces
彼のHIP HOP的ザックリ感に憧れる。

Soom T & Disrupt - ele-king

 昨年、『ゼロ年代の音楽――ビッチフォーク編』という本を編集した。この1月に発売される予定の女と抵抗と音楽をテーマにした単行本で、自分で言うのもなんだが、けっこう面白い。ひとつの問題提起というか、とくに女性に読んでいただきたい本だ。もちろん100枚のディスク・レヴューもある。こういう企画では読者の自分にとっての大切な1枚が載ってないといっきに冷めるものだが、作っているほうでも「入れ忘れたー!」というのがあるとけっこう落ちる。カタログ本ではないし、まあしゃーないと思っても、「しまった、入れ忘れた」というのを思い出したり、「入ってないじゃないかー」と人から鋭い指摘を受けると作りたての本でさえ色あせて見えてしまうものだが、スーム・Tのこのアルバムは、個人的にはもう少し早く知っていれば絶対にどんなことをしてでも紹介したかった1枚である。

 まずはこのアートワークをじっくりと見て欲しい。そして曲名をいくつか紹介する。"Roll It""Saved By A Ganja Leaf""Roll That Shit""Never Get Caught""Puff That Weed""Ganja Ganja""Weed Hawks""They Call It Po""Weed Is Sweeter Than Most"......スコットランドはグラスゴーの女性MCとディスラプトによるganja-themedなこの音楽は、さわやかで、明るく、清々しく、これっぽっちの後ろめたさや惨めさはなく、微笑ましく、陽気で笑えるのである。噂では......あくまでも噂に過ぎないのだが......フィラデルフィアの某人気レーベルからの誘いを断っての、〈ジャータリ〉からのリリースである。

 女性アーティストにとって前代未聞の領域に踏み込んでいるであろう勇敢なるMC、スーム・Tは、すでに10年以上のキャリアを持っている。彼女が有名になったのは〈スケープ〉からリリースされていたベルリンのダブ・アンビエント・プロジェクト、バス(サン・エレクトリックのトム・シールによる)の2005年のアルバムにフィーチャーされてからだが、地元のグラスゴーでは1999年から活動をしている。2003年にくだんのバスにフックアップされているが、同じ年にはジ・オーブの『バイスクルス&トリサイクルス』のなかの"アフターマス"のMCに抜擢され、また当時人気だったT.ラウムシミールのアルバムにもミス・キティンとともに参加している。インド系の彼女はその声とリリック(政治的でスピリチュアルだという)で瞬く間にカルトとなって、ここ数年は地元のレゲエ・サウンドシステムの連中(Mungos Hifi, Gypsy Rock 8 Piece Conkerなど)ともコラボレーションを繰り返している。

 〈ジャータリ〉から1月後半にリリースされるスーム・T・アンド・ ディスラプトの『オード・2・ア・キャロット』は、ラップトップ・レゲエの分野における代表格であり、8ビット・レゲエの代名詞でもある同レーベルのスラップスティックな痛快さと、低音、そして躍動そのものといった彼女のラップ、やたら飛び出してくる"単語(クリシェ)"に刺激される。新年早々、なんとも豪胆なアルバムの登場である。

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