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Helixir

Helixir

Undivided

7even Recordings

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野田 努   Mar 03,2011 UP

 ダブステップが、若い世代におけるテクノ・ダンス・ミュージックであることを示す1枚。これは、ザ・バグとは別人のケヴィン・マーティン(混同しないように!)によるデビュー・アルバムで、リリースは昨年の暮れだが、この3月に来日するので紹介する。

 レーベルの〈セヴン〉はパリのダブステップ・レーベルで、昨年リリースしたFによる『エナジー・ディストーション』がフランスで最初のダブステップ・アルバムとして話題になった。今年に入ってからは日本人プロデューサーのENAのシングルも切っている。ヘリクシアは、Fと並ぶ〈セヴン〉レーベルの看板プロデューサーで、すでに4枚のシングルをリリースしている。田中哲司くんがSound Patrolで紹介しているように、「聴けば聴くほど深みにハマッていく。細切れのスペーシーなシンセが揺れている。リズム自体はさほど存在感はない。キックが軽く鳴り響く程度。規則的にリヴァーブをかけたパーカッションがこだまする」、「スキューバやラマダンマン、Fなどのミニマル・ダブステップとは感覚が異なる」、「シャックルトンが彼の音楽性を賞賛しているように、シンプルなのだが奥深い」という言葉がそのまま当てはまるアルバムである。本当に「聴けば聴くほど深みにハマッていく」タイプの音楽だ。
 シャックルトンを薄味にした感じ......というとネガティヴに思う人がいるかもしれないけれど、そうじゃない。前向きに言うところの薄味の良さが、AFXとカジモトとリッチー・ホウティンに触発されたこのフレンチ・ダブステッパーの音楽にはある。アンビエント・テイストと言ってもいい。押しつけがましいベースやドラミングがないことを、その長所としている音楽である。そういう意味では僕は......たとえばスウェーデンのレーベル〈スヴェック〉のテクノを思い出した。そう、ヘリクシアにしてもFにしても、ある種そよ風のようなさわやかな感覚があるのだ。
 そしてヘリクシアに関しては、もともとジャズ・バンドのメンバーだっただけあって(彼はドラム、ギター、ベースを演奏する)、魅惑的なメロディとハーモニーを作ることができる。そして......シャックルトンめいたパーカッションも、ダブの応用もこってりすることなく、とてもスムースで、ときにメロウで、あるいはスモーキーで、とにかく聴いていて心地よいのだ。うまくいけば3月23日にDOMMUNEに出演してくれそうなので、ぜひ注目していただきたい。

 話は変わるけど、今年はUKファンキーがよーやく日本にも本格的に上陸しそうで、それも楽しみである。また、〈ナイト・スラッグス〉のような若くて勢いのあるレーベルが素晴らしいダンス・トラックを発表してくれそうだし、ワクワクするね、メタル君!

野田 努