「IR」と一致するもの

Moment Joon - ele-king

大前至

他人事として聞き流すのか、共鳴することはできるのか?

 韓国出身で現在、大阪を拠点に活動しているラッパー、Moment Joon。これまで日本人の親を持ちながら海外で生まれ育った、いわゆる帰国子女のラッパーや、あるいは国籍としては日本人ではないものの、幼少から日本で育ってネイティヴな日本語でラップするラッパーというのは少なからず存在している。しかし、大学への進学を機に韓国から日本へ移住したという Moment Joon の場合はそのどちらにも属しておらず、(本人曰く)「移民者」ラッパーという非常に稀な立ち位置で、日本のヒップホップ・シーンにてその存在感を強烈に示している。日本では留学生という立場ではあるものの、ビザ取得の面など自由に平穏に滞在すること自体も容易なことではなく、また、日本での日常生活の中で直接的な人種差別も受け、その一方で韓国の成人男性にとっては国民の義務である兵役中には自殺を考えるほどの苦しい思いをするなど、彼がこれまでの人生で経験してきた様々な苦労は、大半の日本人にとっては想像することすら難しいことかもしれない。しかし、そんな彼だからこそ表現できるトピックを、日本語ラップという手法の中で見事なエンターテイメントとして昇華させているのが、彼の 1st アルバムである『Passport & Garcon』だ。

 アルバムの幕開けとなる “KIX” ではタイトルが示す通り、関西国際空港(=KIX)での Moment Joon 自身の実体験が再現されており、彼にとっては入国審査ひとつ取っても、通常の日本人とは全く異なることがよく判る。この曲に限らず、本作で重要なのは、彼の体験やメッセージを他人事として聞き流してしまうのか、あるいは何らかの共鳴をすることができるのか? それは彼の存在や言葉を「外」からものとして捉えるか、あるいは「内」として捉えるかと言い換えてもよいかもしれない。もし前者であるならば、本作を聴く資格はないとまでは言わないが、しかし、作品が持つ意味が全く違うものになってしまうだろう。

 また、Moment Joon は韓国語、日本語、英語のトライリンガルであるが、本作のリリックはそのほとんどが日本語であり、韓国語と英語はごく少量のみ(そして実に効果的に)使われているのみだ。彼の日本語はほぼネイティヴスピーカー並みであるが、僅かな発音のクセが彼の放つ言葉に個性という輝きを与え、一つの魅力にもなっている。その上で、彼が移民者としての立場から、日本という国や社会、日本人に対して発するストレートなメッセージは、痛いくらいに辛辣であったり、時には挑発するような過激な表現が含まれていたりもする。それこそ、ここまでコンシャスなアルバムは昨今の日本語ラップでは珍しいくらいだ。そして、その先にあるのは、彼が現在住んでいる日本への愛と希望であり、さらに彼自身が属する日本のヒップホップ・シーンへの強い思いも感じとることができる。ラストに収録されている先行シングル曲 “TENO HIRA” はその集大成とも言える一曲であり、ぜひ、リリックを一つ一つ噛み締めながら聞いて欲しいが、個人的にも、日本語ラップでこんなに心が揺さぶられた経験は久しぶりだ。

 最後に、作品としてこのアルバムをより豊かなものにしているのが、一つは Hunger (Gagle)と Justhis という日韓二人のゲスト・ラッパーであり、もう一つは全てのトラックを手がけているプロデューサー、NOAH の存在だ。美しく透明感もあり、そして様々な感情を引き出す NOAH が作り出すトラックによって、アルバムとしての統一したカラーが見事に作り上げられ、Moment Joon の伝えたいメッセージに一つの明確な道筋を与えているようにも感じる。澁谷忠臣氏がデザインを手がけたカバーも含めて、必要最小限のミニマルな構成で作り上げたからこその、見事なアート作品と言えよう。

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高島鈴

この曲を聴いて手のひらを掲げたなら、それはもう約束だ。

 その島は沈黙している。よく耳を澄ませば、何事かをごにょごにょと話している風ではあるのだが、「何かありますか?」と聞くとみなお互いに顔を見合わせて口を閉じるのだ。いじめが常態化した教室のように、誰も責任を負おうとしない。ただあいまいな内輪の空気が満ちている。列島社会は長らくそのようなムードを擁してきた。
 この糾弾すべき沈黙のなかで、Moment Joon は手を上げている。賞賛の両手ではない。異議申し立ての片手である。

 ソウル出身大阪在住の「移民者ラッパー」 Moment Joon。前作「Immigration EP」のレヴューでも書いたように、社会変革のために戦うファイターであり、同時に「生存以上生活未満」の営みを必死に回す弱い生活者である。
 3月13日にリリースされた Moment Joon の新譜『Passport & Garcon』は、間違いなく2020年の年間チャートを席巻するだろう。しかしこの作品が本当に評価されたと感じるためには、年間チャート1位では到底足りない。この公共を持たないゴミカス列島社会が変わって初めて、Moment Joon は自作の評価を確信できるに違いない。社会に変化を望むなら、いや望んでいない人こそ、Moment Joon の声を聞くべきだ。

 本作は痛みと苦悩、恐怖と怯えに満ちている。
 入管職員から韓国への出国を「帰国」と言い換えられる(“KIX/Limo”)。税金を払っているかどうか執拗に尋ねられ、曲を「日本の悪口」と切り捨てられる(“Home/CHON”)。自分に浴びせられた無数の差別言説を自分の口から取り出して見せる(“KIMUCHI DE BINTA”)。リスナーに人生を見世物扱いされ、自分の愛が敗れる気配を悟る(“losing My Love”)。自分が口にした変革の意思を、当の自分が信じられなくなっていることを明かす(“Hunting Season”)。被差別の経験を持つファンの子どもたちを見て、苦しみながら守られる側から守る側へ立ち上がることを決意する(“Garcon in the Mirror”)。

 Moment Joon は、他人の痛みを俯瞰することに慣れきった列島社会(a.k.a. いじめの蔓延した教室)の中で傷を晒し、どうにかこの場に対面性を持ち込もうと試みている。考えてもみてほしい、これらの曲を歌って、痛みがないわけがない。作って終わり、ではなくて、ステージの上でこの曲を歌うたびに、Moment Joon の身体は繰り返し削り取られるはずだ。受けた傷を何度も自分の身体の上で反復して見せるような楽曲を、Moment Joon は他ならぬその傷を見せるために発表し、歌っている。
 この痛みを耳にして、Moment Joon の傷の反復を終わらせなければならないと思わないなら、そのリスナーはいじめ教室の住人のまま一生を終えることだろう。Moment Joon に「もう傷を負わなくていい」と言える状況を作りだすにはどうしたらいいか考え、全員が動かねばならない。マジョリティとお金と男根的権力を主人とする政治家ではなく、弱い人の生存を一番に考える政治家を探し出して投票したのかどうか、身近な場所で行われている差別に「それダメですよ」と声を上げたかどうか、そういう選択の瞬間にこそ、Moment Joon の声を聞いたことへの責任がある。一瞬でも人の痛みに対面したなら、その責任は絶対に重い。

 本作の最後は、「feat. Japan」と付け加えられた楽曲 “TENOHIRA” で締められる。この曲だけが、明確に連帯への希望を見出している。

この島のどこかで君が手を上げるまで
寂しくて怖いけどずっと歌うよ
見せて手のひら(ひら、ひら)
見せて手のひら(ひら、ひら)
Moment Joon “TENOHIRA”

 この曲を聴いて手のひらを掲げたなら、それはもう約束だ。あなたと協働する、あなたの痛みを受け止める、という Moment Joon との約束である。そして「約束を守る」というごくささやかな公共を繋いだ先に、列島社会を覆う空気は晴れるのではないか。楽観ではなく戦略として、私は希望を信じたいと思う。

吉田アミ - ele-king

 長らく廃盤となっていたヴォイス・パフォーマーの吉田アミによる代表作のひとつ『虎鶫(とらつぐみ)』が、2003年のリリースから17年の時を経て、このたび FTARRI のソロ専門レーベル〈Hitorri〉からリイシュー盤として再発されることとなった。自身の名義による作品であるものの実質的にはベーシストの tamaru とのデュオ作であった『Spiritual Voice』(1997)を除くと、本盤は吉田の最初のソロ・アルバムであり、また、ヴォイスを用いたフリー・ミュージックの歴史に革新をもたらした画期的作品でもある。

 あらためて振り返るなら、吉田アミによるハウリング・ヴォイスと呼ばれるそのサウンドは、ほとんど即物的に響く物音と化すことによって、声から意味や記号、人間的な内面性などを徹底的に剥ぎ取ることを成し遂げた。肉声という言葉に見られるように、人間によるあらゆる発音行為のなかでも声はもっとも深く身体に根差した表現である。ある声が発されるとき、その声はまずもって「誰かの声」という属人性とともに認識される。こうした属人性は声から身体を手繰り寄せ、音響以外のさまざまな意味/記号を聴き手に想起させることとなる。そしてこのことは、通常の音楽における歌声に限らず、声を器楽的に使用するパフォーマンスの歴史においても逃れ難く纏わりついてきた。たとえばキャシー・バーベリアンやファティマ・ミランダ、シェリー・ハーシュ、デヴィッド・モス、巻上公一らに見られるように、声による表現手法を開発/拡張し、それらの素材を自在に使いこなすことによって、いわゆる超絶技巧的なスペクタクルを聴かせるヴォイスからは、圧倒的な個性とともに声の持ち主の具体的な姿を思い浮かべることができる。しかし吉田の声はこうした意味性から離れ、あたかも電子音響のように、あるいは環境から聴こえるノイズのように即物的に響く。そこにはもはや「誰かの声」という属人的な個性はなく、ただ耳に聴こえるものとしての音響があるのみである──ただし、むろんこうしたハウリング・ヴォイスを使用するという点では、他の誰とも異なる吉田アミという作家性が刻印されているものの。

 『虎鶫』はそうした吉田のヴォイス・パターンを99トラックに収めた、本人の言を借りるならば「いま自分が出せる音を素材別に整理した図鑑のようなもの」とでも言うべき作品となっている。喉を振り絞り、あるいは口腔と口唇を駆使することによって生み出されるサウンドは、一聴しただけではとても人間の声とは思えないような驚きに満ち溢れている。多くの楽曲は10秒前後または1分以内に終わる短い作品であり、音楽的な構成よりも音色パターンの提示に主眼が置かれていると言えるものの、なかには録音後に編集を施すことで同一の声が左右のステレオ・スピーカーからパンニングする楽曲や、短いフレーズを何度も繰り返し反復することでサウンドの即物性をより増していくもの、あるいはハーシュなノイズののちにほとんど何も聴こえない時間が非周期的に反復されるものなどもあり、楽曲ごとにユニークな趣向が凝らされている。さらにこれまでの説明に反するかもしれないものの、明らかに人間の声だとわかるサウンドや、不意に声帯がそのまま震えてしまったことで聴こえる身体的/官能的なサウンドも収録されている。いずれにしても本盤の「図鑑」的性格は、単にヴォイス・パターンだけではなく、その音響を録音作品として提示する際のプロダクションとしての側面も含まれていると言ってよいだろう。そのことを裏付けるように最終トラックとなる99曲めでは、あたかもフィールド・レコーディングのように、秒針が淡々と時を刻む響きと学校のチャイムのような鐘の音、そして子供の遊び声のようなざわめきが聞こえてくる。ここに至ってわたしたちは、声がもたらす記号的な意味にありありと遭遇することとなるのである。

 本盤のリイシューは、作品にあらためてアクセスできるようになったということに加えて、音響系/音響的即興がすでに復刻の対象となる歴史に組み入れられているという事実を示してもいる。20年近い時間が経過するなかで、吉田アミ自身も、朗読をテーマに据えた「吉田アミ、か、大谷能生」や、立川貴一とともに舞台空間の演出を手がけるユニット「ミニスキュル・シングス」など、時を追うごとにあらたな試みへと踏み出してきた。それは単に活動が変遷したということではなく、音響系/音響的即興の成果をどのように継承し、あるいは発展させることができるのかということの実験の軌跡でもあるように思う──たとえば現在の彼女はハウリング・ヴォイスを即物的な音響の提示ではなく、舞台上のパフォーマンスにおけるひとつの手段として使用している側面がある。それは意味/記号を剥ぎ取った声になおもつきまとう作家性を、特定の舞台空間との関係性からあらためて更新しようとする試みであるようにも見える。いずれにしてもこのことは彼女のみならず、音響系/音響的即興以降の地平に立つあらゆる作り手と受け手に関わる問題であり、その意味でも本盤は、これからも繰り返し参照されるべきヴォイスの特異点としてアクチュアルな価値を帯びていると言えるだろう。

Marihiko Hara - ele-king

 インスタレーションから映画音楽まで、さまざまな領域で活躍する作曲家/ピアニストの原摩利彦がニュー・アルバムをリリースする。「情熱」とともに「受難」を意味することば、『PASSION』と題された同作は、深く心に沁み入るような叙情と、他方で力強さも兼ね備えた作品に仕上がっている模様。発売は6月5日。この苦難の時代だからこそ、その感性豊かな響きに耳を傾けたい。

原 摩利彦
坂本龍一、野田秀樹、森山未來……国内外のアーティスト達から愛され
ピアノ、フィールドレコーディング、電子音響、サウンド・スケープなど
幅広い表現で活躍する音楽家、原 摩利彦の最新作
『PASSION』6月5日リリース決定!

京都を拠点に国内外問わず現代アートや舞台芸術、インスタレーションから映画音楽まで幅広く活躍する音楽家、原 摩利彦。
ヨハン・ヨハンソンにも通じる音響派的側面を持ちながら、久石譲やチリー・ゴンザレスらが奏でるような、親しみやすいピアノのメロディがそこに重なり、一聴しただけで原の音とわかるような独自のサウンドを持つ。寄せては返す波の泡や草木を踏みしめる音などの自然音や、街の喧騒、ちょっとした生活音なども楽曲に組み込むフィールドレコーディングの手法も取り入れた作風には、日々の生活の中の微かな音の聴こえ方まで変えてしまう不思議な力があり、実験性と叙情性を持ち合わせた希有な才能を証明している。

そんな原 摩利彦の3年ぶりとなる待望のソロ作品『PASSION』が6月5日にリリース決定!! 心に沁みる叙情的な響きの中に地下水脈のように流れる「強さ」を感じさせる原の音世界がぎゅっと詰まった全15曲収録。マスタリングエンジニアに原も敬愛する故ヨハン・ヨハンソンが残した名盤『オルフェ』を手がけた名手フランチェスコ・ドナデッロを迎え、作品の音にさらなる深みを与えている。

アルバム表題曲であり、原自身がこの作品の方向性の決め手となったと語る楽曲 “Passion” が解禁。一つの主題が音域や和音を変えながら繰り返され展開していくこの楽曲からは、心の底に静かに眠る「情熱」や、あらゆる事象を粛々と「受け入れる」ような静かなる強さが感じられ、最新アルバムへの期待を高める。

‘Passion (Official Audio)’
https://youtu.be/myRfeSYHFkg

最近では松たか子、上川隆也、広瀬すず、志尊淳ら豪華俳優陣が出演、読売演劇大賞最優秀作品賞を受賞し話題となった野田秀樹演出の舞台作『Q:A Night At The Kabuki』でサウンドデザインを担当し、日本を代表するアートコレクティブ『ダムタイプ』のメンバーとしても活動。世界ツアーも大盛況となり森山未來もダンサーとして参加している世界的振付師ダミアン・ジャレと彫刻家名和晃平によるプロジェクト『Vessel』では坂本龍一と共に劇伴を手がけるなど、次から次へと活動の場を広げている。

原 摩利彦 『PASSION』についてのコメント

「Passion」という言葉は「情熱」や「熱情」翻訳されているが、元々は「受け入れること」、キリスト教では「受難」とされている。
中世で「情熱」という意味が加わったようだが、「受け入れる」強い気持ちと考えると、二つの意味は繋がる。
十代の頃に音楽家になることを決意したとき、音楽が好きという気持ちとともに、これから自分の人生で起こることに対する苦難──当時はまだ悩み、苦しむ音楽家に憧れがあっただけにすぎないかもしれないが──を受け入れることを覚悟したのを覚えている。
本アルバムには十六歳のときに作曲したピアノ曲もほぼそのまま収録している(Tr7 “Inscape”)。
二十年経って、今一度音楽家としての覚悟を決める。これから訪れるであろう幸せも苦難も、すべてを受け入れる強い気持ち(=PASSION)を込めてこのタイトルをアルバムにつけた。
また何年か前に、マドリード在住の写真家イザベル・ムニョス(Isabel Munôs)が別れ際に「A lot of Happiness. Good Luck and Passion!」と言った。
そのとき彼女の口から出た「Passion」という言葉が強く胸に響いた。
音楽的な挑戦としては、前作『Landscape in Portrait』よりもピアノの音域を広げること、他者が録音したフィールドレコーディングを使ってみること、非西洋楽器を電子音とともに「音響的に」共存させることである。
音楽的な西洋と東洋、中東の融合や統合を目指しているのではない。
それぞれの地域に住む人々が同じく朝を迎え、太陽の恩恵を受け、食事をし、夜になると月や星を見ること。
人間としての共通の出来事を経験しながらも、それぞれの文化(=音)が現れ、それが同じ地球上で鳴っているように、限られた時間の中で音響的に配置、共存させてみたいと思った。
原 摩利彦

label: Beat Records
artist: 原 摩利彦
title: PASSION
国内盤CD BRC-619 ¥2,400+税

BEATINK.COM:
https://www.beatink.com/products/detail.php?product_id=10963

TRACKLISTING:
01. Passion
02. Fontana
03. Midi
04. Desierto
05. Nocturne
06. After Rain
07. Inscape
08. Desire
09. 65290
10. Vibe
11. Landkarte
12. Stella
13. Meridian
14. Confession
15. Via Muzio Clementi

KANDYTOWN - ele-king

 昨秋セカンド『ADVISORY』を発表し、クルーとして大きな成長を遂げたキャンディタウンが、2020年初となる新曲 “PROGRESS” をリリースしている。ナイキの AIR MAX 2090 から着想を得た楽曲とのことで、Gottz、MUD、KEIJU、Dony Joint の4MC が参加。ティザー映像は各方面でひっぱりだこの山田健人が手がけている。彼らの次なる一歩を見逃すな!

KANDYTOWN
NIKE AIRMAX2090 にインスパイアされた新曲 “PROGRESS” をリリース。

昨年2ndアルバム『ADVISORY』をリリースし東阪での Zepp TOUR を成功させるなど、様々な話題を振りまいた国内屈指の HIP HOP CREW:KANDYTOWN が2020年第一弾となる新曲 “PROGRESS” を3月26日にリリースすることが発表された。

この楽曲は同日に発売となる AIR MAX 2090 の制作コンセプトにインスパイアされた楽曲で、Neetz が手掛けたトラックに Gottz, MUD, KEIJU, Dony Joint の4MCが参加している。また、リリース情報とともに同作品のアートワークと MUSIC VIDEO のティザー映像が公開となっている。

ティザー映像では AIR MAX 2090 DUCK CAMO をはじめとする様々なモデルを着用したメンバーの姿が映し出されており、こちらの映像作品は山田健人がディレクションを担当している。

なお、早くも2020年第一弾となるリリースを迎えた KANDYTOWN は5月24日(日)に横浜赤レンガ倉庫野外特設会場にて行われる「GREENROOM FESTIVAL’20」への出演も決まっているのでそちらもお見逃しなく。

【KANDYTOWN「PROGRESS」】
Rap:Gottz, MUD, KEIJU, Dony Joint
Music:Neetz
DL/ST URL: https://kandytown.lnk.to/prog
Teaser URL: https://youtu.be/uVTAaGO2Njs
MUSIC VIDEO Director: 山田健人

【KANDYTOWN PROFILE】
東京出身の総勢16名のヒップホップ・クルー。
2014年 free mixtape 『KOLD TAPE』
2015年 street album 『BLAKK MOTEL』『Kruise』
2016年 major 1st full album 『KANDYTOWN』
2017年 digital single 『Few Colors』
2018年 digital single 『1TIME4EVER』
2019年 e.p. 『LOCAL SERVICE』, major 2nd full album『ADVISORY』

【開催概要】
名称:GREENROOM FESTIVAL’20
場所:横浜赤レンガ倉庫野外特設会場
出演日:2020年5月24日(日)
オフィシャルサイト: https://greenroom.jp

【事務局一般先行チケット】
事務局一般先行チケット販売中!
[1日券] 価格 ¥12,000
[2日通し券] 価格 ¥19,000
https://greenroom.jp/tickets/

【NIKE AIR MAX 2090 “進化を恐れない姿勢” SHORT MOVIE MUD(KANDYTOWN) Direction by atmos】
https://www.atmos-tokyo.com/lp/air-max-day-2020-duck-camo

DJ Mitsu the Beats - ele-king

 仙台を拠点とするヒップホップ・グループ、GAGLE のメンバーであり、一人のプロデューサー/DJとしても多彩な活躍を繰り広げてきた DJ Mitsu the Beats。2003年リリースのファースト・ソロ・アルバム『New Awakening』に収録された、R&Bシンガーの Dwele をフィーチャした “Right Here” によって、彼はヒップホップ・プロデューサーという殻を見事に打ち破り、さらに2009年にリリースされたセカンド・アルバム『A Word To The Wise』では、ジャズ・ヴォーカリストの Jose James をゲストに迎えて “Promise In Love” というビッグ・チューンを生み出す。以降、ソロ・アーティストあるいは GAGLE として、その時代ごとにエッジの効いたヒップホップを追求してきたわけだが、“Promise In Love” に続く、Mitsu the Beats ならではの歌モノを求めていたファンも少なくなかったであろう。初の試みともいえる、歌とインストゥルメンタル曲のみで構成されている今回のアルバム『ALL THIS LOVE』は、そんなファンにとっても待望の一作となったに違いない。

 本作には4名の日本人シンガーと2名のゲスト・ミュージシャン、さらに Mitsu the Beats の原点とも言える “Promise In Love” のリミックスが加えられており、純度100%のソウル/R&B/ジャズ・アルバムとなっている。Mitsu the Beats の音楽性を表すのに、“ジャジー・ヒップホップ” という言葉は一つの代名詞のようにもなっているが、本作における彼のサウンド・プロダクションは、ヒップホップの基礎であるループという概念は保ちながらも、着実に進化している。ピアノを含む様々なキーボードの音色やベースなどによってビートに魂が吹き込まれて、巧みにトラックが展開してゆき、さらにそこに歌が乗ることで永遠の広がりさえも感じ取ることができる。もちろん、シンガーやミュージシャンといったゲストが加わることによる効果も大きいであろうが、Mitsu the Beats が本来持っている音楽性がより増幅された結果、本作のサウンドが完成しているのは疑いようがない。

 アルバムのタイトルの通り、本作のテーマは「愛」であるが、〈Jazzy Sport〉ファミリーでもある Marter が歌う “Togetherness” は、新型コロナによって世界中が混乱しているいまのこのタイミングにこそ最も聞いて欲しい一曲であり、暖かいメロディの中に “人類愛” という普遍的なメッセージが強く響いてくる。Marter 以外の日本勢3名は全て女性シンガーなのだが、テーマの捉え方も含めて、三者三様の異なるアプローチが試みられている。すでに共演歴のある Mahya との “You Are Mine” や、シンガーソングライターの Akiko Togo (東郷晶子)が英語で歌う “Moon & Sun” などは、比較的ストレートなソウル/R&Bチューンとして隙のない仕上がりであるが、一方で Naoko Sakai との “密” はビートのパターンがかなり独特で異質を放っている。それと同時にビートに乗るピアノやシンセのレイヤーが実に美しく、Naoko Sakai の歌の絡みも実に濃密で、アルバム中盤の良い意味でのアクセントとしても機能している。そして、もう一つのヴォーカル曲である “Promise In Love” のリミックスであるが、あの印象的な黒田卓也のトランペットが控えめになっていることに驚きつつ、オリジナルの良さが上手く現代に引き継がれている。

 一方、ゲスト・ミュージシャンに関してだが、“Intimate affairs” にクレジットされている cro-magnon のキーボーディスト、Takumi Kaneko (金子巧)は、実はこれ以外の複数の曲に参加しているそうで、本作の温かみある生のグルーヴを引き出した張本人とも言えるだろう。そして、もう一人、“Slalom” にフィーチャされている Mark de Clive-Lowe は、おそらく『New Awakening』以来の共演となる。“Intimate affairs” と “Slalom” ともにビートが4つ打ちで根底にはジャズという共通項も感じられる上で、パーカッシヴな前者、ブギーなグルーヴ感の後者と、それぞれの個性が見事に出ているのも非常に面白い。さらにゲストのクレジットのない3つのインスト曲も秀逸で、特に後半にセットされている “It’s Time” は実に気持ちの良いラヴァーズロック・チューンになっており、Mitsu the Beats の引き出しの豊かさに改めて驚かされる。

 ちなみにすでに制作中という次のアルバムでは、打って変わって、ラップ・アルバムを予定しているという。すでに Frank-N-Dank をフィーチャした “Splash” という曲のデモ・ヴァージョンが Spotify にて配信されており、Mitsu the Beats のハードな一面が引き出された実にタイトな仕上がりで、間違いなく本作とは全く異なる作風になるだろう。こちらも期待大だ。

Playlists During This Crisis - ele-king

家聴き用のプレイリストです。いろんな方々にお願いしました。来た順番にアップしていきます。楽しんで下さい。

Ian F. Martin/イアン・F・マーティン

This is a multi-purpose playlist for people stuck at home during a crisis. The first 5 songs should be heard lying down, absorbed in the music’s pure, transcendent beauty. The last 5 songs should be heard dancing around your room in a really stupid way.

Brian Eno / By This River
Nick Drake / Road
Life Without Buildings / The Leanover
Young Marble Giants / Brand - New - Life
Broadcast / Poem Of Dead Song
Holger Czukay / Cool In The Pool
Yazoo / Bad Connection
Lio / Fallait Pas Commencer
Der Plan / Gummitwist
Electric Light Orchestra / Shine A Little Love

野田努

週末だ。ビールだ。癒しと皮肉と願い(冗談、怒り、恐怖も少々)を込めて選曲。少しでも楽しんでもらえたら。問題はこれから先の2〜3週間、たぶんいろんなことが起きると思う。できる限り落ち着いて、とにかく感染に気をつけて。お金がある人は音楽を買おう(たとえば bandcamp は収益をアーティストに還元している)。そして本を読んで賢くなろう。いまのお薦めはナオミ・クラインの『ショック・ドクトリン』。

Ultravox / Just For A Moment
フィッシュマンズ / Weather Report
Talking Heads / Air
Funkadelic / You Can’t Miss What You Can't Measure
New Age Steppers / Fade Away
RCサクセション / うわの空
Horace Andy / Rain From the Sky
Sun Ra / We Travel the Spaceways
Rhythim is Rhythim / Beyond the Dance
Kraftwerk / Tour De France

小林拓音

考えることはいっぱいあるけど、暗くなってしまいそうなのでちょっとだけ。被害は万人に平等には訪れない。割を食うのはいつだって……。問題の根幹は昔からなにも変わってないんだと思う。そこだけ把握しといて、あとは明るく過ごそうじゃないか。

Skip James / Hard Time Killing Floor Blues
The Beatles / Money
Public Enemy / Gotta Give the Peeps What They Need
Drexciya / Living on the Edge
Milanese vs Virus Syndicate / Dead Man Walking V.I.P.
Mark Pritchard / Circle of Fear
Erik Truffaz & Murcof / Chaos
Ata Ebtekar and the Iranian Orchestra for New Music / Broken Silence Cmpd
Psyche / Crackdown
Autechre / Flutter

河村祐介

怒るべきことにはちゃんと怒りましょう。僕らの生活と文化を守るために。そして、リラックスと快楽の自由も。

The Specials / Ghost Twon
Bob Marley / So Much Trouble In the World
Tommy McCook / Midnight Dub
Nightmares on Wax / Mores
7FO / Waver Vapour
石野卓球 / TRIP-O-MATIC
Nehoki / Morgentrack
Kodama And The Dubstation Band / かすかな きぼう
思い出野郎Aチーム / 灯りを分けあおう
Janelle Monáe / Smile

Neil Ollivierra/ニール・オリヴィエラ(The Detroit Escalator Co.)(LA在住)

Absorbing Songs for Armchair Traveling

Robin Guthrie, Harold Budd / How Close Your Soul
Thore Pfeiffer / Alles Wird Gut
Cortex / Troupeau bleu
Milton Nascimento / Tudo O Que Você Podia Ser
The Heliocentrics / A World of Masks
Kodo / Shake - Isuka Mata
Miles Davis / Indigo
Gordon Beck / Going Up
Funkadelic / Maggot Brain
Simply Red / I’m Gonna Lose You

Matthew Chozick/マシュー・チョジック

自己隔離生活にぴったりの癒し曲を集めてみました。コロナ野郎のせいで新しいレコード発表は激減、そんなときこそ古いアルバムを聴き直してみよう。家でパジャマパーティでも開きながら、僕のプレイリストをエンジョイしてくれたら嬉しいな。目に見えないもの同士、ウィルスとの戦いには心を癒す良薬で対抗だ!

Björk / Virus
The Knife / Afraid of You
The Velvet Underground / After Hours
John Lennon / Isolation
Harold Melvin & The Blue Notes / I Miss You
Grouper / Living Room
Beat Happening / Indian Summer
ゆらゆら帝国 / おはようまだやろう
Nico / Afraid
高橋幸宏 / コネクション

細田成嗣

つねにすでにオリジナルなものとしてある声は、しかしながら変幻自在のヴォーカリゼーションや声そのものの音響的革新、あるいは声をもとにしたエクストリームな表現の追求によって、より一層独自の性格を獲得する。見えない脅威に襲われる未曾有の事態に直面しているからこそ、わたしたちは「ひとつの声」を求めるのではなく、さまざまな声を聴き分け、受け入れる耳を養う必要に迫られているのではないだろうか。

Luciano Berio, Cathy Berberian / Sequenza III for voice
Demetrio Stratos / Investigazioni (Diplofonie e triplofonie)
David Moss / Ghosts
Meredith Monk, Katie Geissinger / Volcano Songs: Duets: Lost Wind
Sainkho Namchylak, Jarrod Cagwin / Dance of an Old Spirit
Fredy Studer, Ami Yoshida / Kaiten
Alice Hui Sheng Chang / There She Is, Standing And Walking On Her Own
Senyawa / Pada Siang Hari
Amirtha Kidambi, Elder Ones / Decolonize the Mind
Hiroshi Hasegawa, Kazehito Seki / Tamaki -環- part I

沢井陽子(NY在住)

非常事態が発生し、仕事もない、やることもない、家から出られないときには元気が出る曲を聴きたいけれど、いつもと変わらないヴァイヴをキープしたいものです。

Deerhunter / Nothing Ever Happened
Unknown Mortal Orchestra / Necessary Evil
Thin Lizzy / Showdown
Janko Nilovic / Roses and Revolvers
Courtney Barnett / Can’t Do Much
Big Thief / Masterpiece
Brittany Howard / Stay High
Kaytranada, Badbadnotgood / Weight Off
St Vincent / Cruel
Gal Costa / Lost in the Paradise

デンシノオト

少しでもアートという人の営みに触れることで希望を忘れないために、2018年から2020年までにリリースされた現代音楽、モダンなドローン、アンビエント、電子音響などをまとめた最新型のエクスペリメンタル・ミュージック・プレイリストにしてみました。

James Tenney, Alison Bjorkedal, Ellie Choate, Elizabeth Huston, Catherine Litaker, Amy Shulman, Ruriko Terada, Nicholas Deyoe / 64 Studies for 6 Harps: Study #1
Golem Mecanique / Face A
Werner Dafeldecker / Parallel Darks Part One
Yann Novak / Scalar Field (yellow, blue, yellow, 1.1)
3RENSA (Nyatora, Merzbow, Duenn) / Deep Mix
Beatriz Ferreyra / Echos
Anastassis Philippakopoulos, Melaine Dalibert / piano piece (2018a)
Jasmine Guffond / Degradation Loops #1
Dino Spiluttini / Drugs in Heaven
Ernest Hood / At The Store

Paolo Parisi/パオロ・パリージ(ローマ在住)

Bauhaus / Dark Entries
Sonic Youth / The End of the End of the Ugly
Mission of Burma / That’s How I Escaped My Certain Fate
Wipers / Return of the Rat
Pylon / Feast on my Heart
Gun Club / Sex Beat
The Jim Carroll Band / It’s Too Late
Television / Friction
Patti Smith / Kimberly
The Modern Lovers / Hospital

末次亘(C.E)

CS + Kreme / Saint
Kashif, Meli’sa Morgan / Love Changes (with Meli’sa Morgan)
Tenor Saw / Run From Progress
Phil Pratt All Stars / Evilest Thing Version
坂本龍一 / PARADISE LOST
Beatrice Dillon / Workaround Three
Joy Orbison, Mansur Brown / YI She’s Away
Burnt Friedman, Jaki Liebezeit / Mikrokasper
Aleksi Perälä / UK74R1721478
Steve Reich, Pat Metheny / Electric Counterpoint: II. Slow

木津毅

If I could see all my friends tonight (Live Recordings)

ライヴハウスがスケープゴートにされて、保障の確約もないまま「自粛」を求められるいま、オーディエンスの喜びに満ちたライヴが恋しいです。というわけで、ライヴ音源からセレクトしました。来日公演は軒並みキャンセルになりましたが、また、素晴らしい音楽が分かち合われるライヴに集まれることを願って。

Bon Iver / Woods - Live from Pitchfork Paris Presented by La Blogothèque, Nov 3 2018
James Blake / Wilhelm Scream - Live At Pitchfork, France / 2012
Sufjan Stevens / Fourth of July - Live
Iron & Wine / Sodom, South Georgia
Wilco / Jesus, Etc.
The National / Slow Show (Live in Brussels)
Jaga Jazzist / Oslo Skyline - Live
The Streets / Weak Become Heroes - One Live in Nottingham, 31-10-02
LCD Soundsystem / All My Friends - live at madison square garden
Bruce Springsteen / We Shall Overcome - Live at the Point Theatre, Dublin, Ireland - November 2006

髙橋勇人(ロンドン在住)

3月25日、Spotify は「COVID-19 MUSIC RELIEF」という、ストリーミング・サービスのユーザーに特定の音楽団体への募金を募るキャンペーンを始めている。

スポティファイ・テクノロジー社から直接ドネーションするわけじゃないんかーい、という感じもするのが正直なところだし、その募金が渡る団体が欧米のものにいまのとこは限定されているのも、日本側にはイマイチに映るだろう。現在、同社はアーティストがファンから直接ドネーションを募れるシステムなどを構築しているらしいので、大手ストリーミング・サービスの一挙手一投足に注目、というか、ちゃんとインディペンデントでも活動しているアーティストにも支援がいくように我々は監視しなければいけない。

最近、Bandcamp では、いくつかのレーベルが売り上げを直接アーティストに送ることを発表している。そういう動きもあるので、この企画の話をいただいたとき(24日)、スポティファイが具体的な動きを見せていないので、やっぱり Bandcamp ともリンクさせなければと思った。ここに載せたアーティストは、比較的インディペンデントな活動を行なっている者たちである。このプレイリストを入り口に、気に入ったものは実際にデータで買ってみたり、その活動をチェックしてみてほしい。

ちなみに、「こんなときに聴きたい」という点もちゃんと意識している。僕はロックダウンにあるロンドンの部屋でこれを書いている。これらの楽曲は人生に色彩があることを思い出させてくれる楽曲たちだ。さっきこれを聴きながら走ってきたけど(友達に誘われたらNOだが、最低限の運動のための外出はOKだと総理大臣閣下も言っていたしな)、最高に気持ちよかった。

object blue / FUCK THE STASIS
Prettybwoy / Second Highball
Dan-Ce / Heyvalva Heyvalva Hey
Yamaneko / Fall Control
Tasho Ishii / Satoshi Nakamoto
Dayzero / Saruin Stage
Chino Amobi / The Floating World Pt.1
Brother May / Can Do It
Elvin Brandhi / Reap Solace
Loraine James / Sensual

松村正人

MirageRadioMix

音楽がつくりだした別天地が現実の世界に浸食されるも、楽曲が抵抗するというようなヴィジョンです。Spotify 限定で10曲というのはたいへんでしたが、マジメに選びました。いいたいことはいっぱいありますがひとまず。

忌野清志郎 / ウィルス
Björk / Virus
Oneohtrix Point Never / Warning
憂歌団 / 胸が痛い
The Residents / The Ultimate Disaster
The Doors / People Are Strange
キリンジ / 善人の反省
坂本慎太郎 / 死にませんが?
Can / Future Days - Edit
相対性理論 / わたしは人類(Live)

三田格

こんなときは Alva Noto + Ryuichi Sakamoto 『Virus Series Collectors Box』(全36曲!)を聴くのがいいんじゃないでしょうか。ローレル・ヘイローのデビュー・アルバム『Quarantine(=伝染病予防のための隔離施設)』(12)とかね。つーか、普段からあんまり人に会わないし、外食もしないし、外から帰ったら洗顔やうがいをしないと気持ち悪い性格なので、とくに変わりないというか、なんというかコロナ素通りです。だから、いつも通り新曲を聴いているだけなので、最近、気に入ってるものから上位10曲を(A-Reece の “Selfish Exp 2” がめっちゃ気に入ってるんだけど Spotify にはないみたいなので→https://soundcloud.com/user-868526411/a-reece-selfish-exp-2-mp3-1)。

Girl Ray / Takes Time (feat. PSwuave)
Natz Efx Msaki / Urban Child (Enoo Nepa Remix)
DJ Tears PLK / West Africa
Afrourbanplugg / General Ra (feat. Prettyboy)
SassyBlack / I Can’t Wait (feat. Casey Benjamin)
Najwa / Más Arriba
Owami Umsindo / eMandulo
Cristian Vogel & Elektro Guzzi / Plenkei
Oval / Pushhh
D.Smoke / Season Pass

AbuQadim Haqq/アブカディム・ハック(デトロイト在住)

These are some of my favorite songs of all time! Reflections of life of an artist from Detroit.
Thanks for letting me share my favorite music with you! Stay safe and healthy in these troubling times!

Rhythim is Rhythim / Icon
Underground Resistance / Analog Assassin
Public Enemy / Night of the Living Baseheads
Orlando Voorn / Treshold
Drexciya / Hydrocubes
Oddisee / Strength & Weakness
Iron Maiden / Run To The Hills
The Martian / Skypainter
Gustav Holst / Mars: Bringer of War
Rick Wade / First Darkness

Sk8thing aka DJ Spitfi_(C.E)

10_Spotify's_for_Social _Distancies_!!!!List by Sk8thing aka DJ DJ Spitfi

Francis Seyrig / The Dansant
Brian Eno / Slow Water
The Sorrow / Darkness
Owen Pallett / The Great Elsewhere
DRAB MAJESTY / 39 By Design
Our Girl / In My Head
Subway / Thick Pigeon
Einstürzende Neubauten / Youme & Meyou
Fat White Family / I Believe In Something Better
New Order / ICB

矢野利裕

人と会えず、話もできず、みんなで食事をすることもできず……という日々はつらく寂しいものです。落ち着きのない僕はなにをしたらいいでしょうか。うんざりするような毎日を前向きに乗り越えていくために、少なくとも僕には音楽が大事かもしれません。現実からの逃避でもなく現実の反映でもない、次なる現実を呼び寄せるものとしての音楽。そのいちばん先鋭的な部分は、笑いのともなう新奇な音楽(ノヴェルティソング)によって担われてきました。志村けんのシャウトが次なる現実を呼び寄せる。元気でやってるのかい!?

ザ・ドリフターズ / ドリフのバイのバイのバイ
雪村いずみ / チャチャチャはいかが
ザ・クールス / ラストダンスはCha・Chaで
セニョール・ココナッツ・アンド・ヒズ・オーケストラ / YELLOW MAGIC (Tong-Poo)
Negicco / カリプソ娘に花束を
スチャダラパー / レッツロックオン
4×4=16 / TOKISOBA Breakbeats
イルリメ / 元気でやってるのかい?
マキタスポーツ / Oh, ジーザス
水中、それは苦しい / マジで恋する五億年前

Sinta(Double Clapperz)

大変な時ですが、少しでも肩の力抜けたらいいなと思い選曲しました。

徳利 / きらめく
gummyboy / HONE [Mony Horse remix]
Burna Boy / Odogwu
Stormzy / Own It [Toddla T Remix feat. Burna Boy & Stylo G]
J Hus / Repeat (feat. Koffee)
LV / Walk It / Face of God
Free Nationals, Chronixx / Eternal Light
Pa Salieu / Frontline
Frenetik / La matrice
Fory Five / PE$O

Midori Aoyama

タイトルに色々かけようと思ったんですがなんかしっくりこなかったので、下記10曲選びました。よく僕のDJを聴いてくれている人はわかるかも? Party の最後でよくかける「蛍の光」的なセレクション。1曲目以外は特にメッセージはないです。単純にいい曲だと思うので、テレワークのお供に。
ちなみに最近仕事しながら聴いているのは、吉直堂の「雨の音」。宇宙飛行士は閉鎖されたスペースシャトルの中で自然の音を聴くらしい。地球に住めないのであればやっぱり宇宙に行くしかないのだろうか。

Marvin Gaye / What’s Going On
The Elder Statesman / Montreux Sunrise
12 Senses / Movement
Culross Close / Requiem + Reflections
Children Of Zeus / Hard Work
Neue Grafik Ensemble feat. Allysha Joy / Hotel Laplace
Aldorande / Sous La Lune
Michael Wycoff / Looking Up To You
Stevie Wonder / Ribbon In The Sky
Djavan / Samurai

高島鈴

コロナ禍のもとで生じている問題はひとつではないから、「こういう音楽を聞くといい」と一律に提言するのはすごく難しい。危機を真面目に受け止めながらどうにか生存をやっていくこと、危機を拡大させている政治家の振る舞いにきちんと怒ること、今私が意識できるのはこれぐらいである。みなさん、どうぞご無事で。

Kamui / Aida
Moment Joon / TENO HIRA
Garoad / Every Day Is Night
Awich / 洗脳 feat. DOGMA & 鎮座DOPENESS
Jvcki Wai / Anarchy
田島ハルコ / holy♡computer
Rinbjö / 戒厳令 feat. 菊地一谷
田我流 / Broiler
ASIAN KUNG-FU GENERATION / 夜を越えて
NORIKIYO / 神様ダイヤル

Mars89

一曲目はゾンビ映画サンプリングの僕の曲で “Run to Mall” って曲だけど、今は Don’t Run to Mall です。
それ以外は僕がお気に入りでずっと聞いてる曲たちです。部屋で悶々と行き場のない感情を抱えながら精神世界と自室の間を綱渡りで行き来するような感じの曲を選んでみました。

Mars89 / Run to Mall
Tim Hecker / Step away from Konoyo
Burial / Nightmarket
Raime / Passed over Trail
KWC 92 / Night Drive
Phew / Antenna
The Space Lady / Domae, Libra Nos / Showdown
Tropic of Cancer / Be Brave
Throbbing Gristle / Spirits Flying
Paysage D’Hiver / Welt Australia Eis

大前至

桜が満開な中、大雪が降りしきる、何とも不思議な天気の日曜日に、改めて自分が好きな音楽というものに向き合いながら選曲。今自分がいる東京もギリギリの状態ですが、昔住んでいたLAはすでにかなり深刻な状態で、そんな現状を憂いながら、LA関連のアーティスト限定でリラックス&少しでも気分が上がるような曲でプレイリストを組んでみました。

Illa J / Timeless
Sa-Ra Creative Partners / Rosebuds
NxWorries / Get Bigger / Do U Luv
Blu & Exile / Simply Amazin’ (steel blazin’)
Oh No / I Can’t Help Myself (feat. Stacy Epps)
Visionaries / If You Can’t Say Love
Dudley Perkins / Flowers
Jurassic 5 / Hey
Quasimoto / Jazz Cats Pt. 1
Dâm-Funk / 4 My Homies (feat. Steve Arrington)

天野龍太郎

「ウイルスは生物でもなく、非生物とも言い切れない。両方の性質を持っている特殊なものだ。人間はウイルスに対して、とても弱い。あと、『悪性新生物』とも呼ばれる癌は、生物に寄生して、防ぎようがない方法で増殖や転移をしていく。今は人間がこの地球の支配者かもしれないけれど、数百年後の未来では、ウイルスと癌細胞が支配しているかもね」。
氷が解けていく音が聞こえていた2019年。まったく異なる危機が一瞬でこの世界を覆った2020年。危機によってあきらかになるのは、システム、社会、政治における綻びや破綻、そこにぽっかりと大きく口を開いた穴だ。為政者の間抜けさも、本当によくわかる。危機はテストケースであり、愚かさとあやまちへの劇的な特効薬でもありうる。
ソーシャル・ディスタンシング・レイヴ。クラブ・クウォランティン。逃避的な音楽と共に、ステイ・ホーム、ステイ・セイフ・アンド・ステイ・ウォーク。

Kelly Lee Owens / Melt!
Beatrice Dillon / Clouds Strum
Four Tet / Baby
Caribou / Never Come Back
Octo Octa / Can You See Me?
tofubeats / SOMEBODY TORE MY P
Against All Logic / Deeeeeeefers
JPEGMAFIA / COVERED IN MONEY!
MIYACHI / MASK ON
Mura Masa & Clairo / I Don’t Think I Can Do This Again

James Hadfield/ジェイムズ・ハッドフィールド

Splendid Isolation

皆どんどん独りぼっちになりつつある事態で、ただ独りで創作された曲、孤立して生まれた曲を選曲してみました。

Alvin Lucier / I Am Sitting in a Room
Phew / Just a Familiar Face
Massimo Toniutti / Canti a forbice
Ruedi Häusermann / Vier Brüder Auf Der Bank
Wacław Zimpel / Lines
Kevin Drumm / Shut In - Part One
Mark Hollis / Inside Looking Out
Magical Power Mako / Look Up The Sky
Arthur Russell / Answers Me
Mike Oldfield / Hergest Ridge Part Two

小川充

都市封鎖や医療崩壊へと繋がりかねない今の危機的な状況下で、果たして音楽がどれほどの力を持つのか。正常な生活や仕事はもちろん、命や健康が損なわれる人もいる中で、今までのように音楽を聴いたり楽しむ余裕があるのか、などいろいろ考えます。かつての3・11のときもそうでしたが、まず音楽ができることを過信することなくストレートに考え、微力ながらも明日を生きる希望を繋ぐことに貢献できればと思い選曲しました。

McCoy Tyner / For Tomorrow
Pharoah Sanders / Love Is Everywhere
The Diddys feat. Paige Douglas / Intergalactic Love Song
The Isley Brothers / Work To Do
Kamasi Washington / Testify
Philip Bailey feat. Bilal / We’re Winner
Brief Encounter / Human
Boz Scaggs / Love Me Tomorrow
Al Green / Let’s Stay Together
Robert Wyatt / At Last I Am Free

野田努(2回目)

飲食店を営む家と歓楽街で生まれ育った人間として、いまの状況はいたたまれない。働いている人たちの胸中を察するには余りある。自分がただひとりの庶民でしかない、とあらためて思う。なんも特別な人間でもない、ただひとりの庶民でいたい。居酒屋が大好きだし、行きつけの飲食店に行って、がんばろうぜと意味も根拠もなく言ってあげたい。ここ数日は、『ポバティー・サファリ』に書かれていたことを思い返しています。

Blondie / Dreaming
タイマーズ / 偽善者
Sleaford Mods / Air Conditioning
The Specials / Do Nothing
The Clash / Should I Stay or Should I Go
Penetration / Life’s A Gamble
Joy Division / Transmission
Television / Elevation
Patti Simth / Free Money
Sham 69 / If the Kids Are United

Jazzと喫茶 はやし(下北沢)

コロナが生んだ問題が山積して心が病みそうになる。が、時間はある。
音楽と知恵と工夫で心を豊かに、この難局を乗り切りましょう!(4/6)

Ray Brayant / Gotta Travel On
Gil Scott Heron / Winter In America
Robert Hood / Minus
Choice / Acid Eiffel
Armando / Land Of Confusion
Jay Dee / Fuck The Police
Liquid Liquid / Rubbermiro
Count Ossie & The Mystic Revelation Of Rastafari / So Long
Bengt Berger, Don Cherry / Funerral Dance
民謡クルセイダーズ / 炭坑節

中村義響

No winter lasts forever; no spring skips it’s turn.

Ducktails / Olympic Air
Johnny Martian / Punchbowl
Later Nader / Mellow Mario
April March / Garden Of April
Vampire Weekend / Spring Snow
Brigt / Tenderly
W.A.L.A / Sacrum Test (feat. Salami Rose Joe Louis)
Standing On The Corner / Vomets
Babybird / Lemonade Baby
Blossom Dearie / They Say It’s Spring

野田努(3回目)

Jリーグのない週末になれつつある。夕暮れどきの、窓の外を眺めながら悦にいる感覚のシューゲイズ半分のプレイリスト。

Mazzy Star / Blue Light
The Jesus & Mary Chain / These Days
Animal Collective / The Softest Voice
Tiny Vipers / Eyes Like Ours
Beach House / Walk In The Park
Hope Sandoval & The Warm Inventions / On The Low
Devendra Banhart / Now That I Know
Scritti Politti / Skank Bloc Bologna
Yves Tumor / Limerence
Lou Reed / Coney Island Baby

ALEX FROM TOKYO(Tokyo Black Star, world famous)

この不安定な時代に、ラジオ番組のように Spotify で楽しめる、「今を生きる」気持ち良い、元気付けられる&考えさてくれるポジティヴでメッセージも響いてくる温かいオールジャンル選曲プレイリストになります。自分たちを見つめ直す時期です。海外から見た日本の状況がやはりとても心配になります。みなさんの健康と安全を願ってます。そしてこれからも一緒に好きな音楽と良い音を楽しみ続けましょう。Rest In Peace Manu Dibango & Bill Withers!(4/7)

Susumu Yokota / Saku
Manu Dibango / Tek Time
Final Frontier / The warning
Itadi / Watch your life
Rhythim Is Rhythim / Strings of Life
Howlin’ Wolf / Smokestack Lightin’
Massive Attack / Protection
Depeche Mode / Enjoy the Silence
Tokyo Black Star / Blade Dancer
Bill Withers / Lean on me (Live from Carnegie Hall)

Kevin Martin(The Bug)

(4/9)

The Necks / Sex
Rhythm & Sound / Roll Off
Miles Davis / In A Silent Way / It’s About That Time
William Basinski / DLP3
Thomas Koner / Daikan
Talk Talk / Myrrhman
Nick Cave + Bad Seeds / Avalanche
Jacob Miller / Ghetto on fire
Marvin Gaye / Inner City Blues
Erykah Badu / The Healer


増村和彦

最近は、「音楽やサウンドに呼吸をさせて、ゆがみや欠陥の余地を残して流していくんだ」というローレル・ヘイローの言葉が妙に響いて、その意味を考えるともなく考えながら音楽を聴いている。いまは、できるだけ雑食で、できるだけ聴いたことがなくて、直感で信頼できる音楽を欲しているのかもしれない。人に会わないことに慣れているはずのぼくのような人間でも、あんまり会わないと卑屈になってくるので、冷静にしてくれる音楽を聴きたくなります。(5/15)

Laurel Halo / Raw Silk Uncut Wood
Alex Albrecht pres.Melquiades / Lanterns Pt1 & Pt2
Minwhee Lee / Borrowed Tongue
Moritz von Oswald & Ordo Sakhna / Draught
Grouper / Cleaning
Moons / Dreaming Fully Awake
"Blue" Gene Tyranny / Next Time Might Be Your Time
Sun Ra / Nuclear War
Tony Allen With Africa 70’ / Jealousy
Tom Zé / Hein?

Hiroshi Yoshimura - ele-king

 近年ますます再評価の進んでいる環境音楽家の吉村弘。幻の『GREEN』がついに復刻されることになった。もう一度言います。超入手困難だった、あの『GREEN』です(オリジナルは1986年)。リリース元は『Hosono House』など細野晴臣の一連のリイシューや、日本の環境音楽にフォーカスしたコンピ『Kankyō Ongaku』で大きな注目を集めた〈Light In The Attic〉で、アンビエントやニューエイジなどに特化したシリーズないしサブ・レーベルの〈WATER COPY〉第1弾作品となる模様。デジタル版はすでに3月20日にリリース済みで、ヴァイナルとCDとカセットが夏にリリース予定とのこと。これは買い逃せません。オフィシャル・ページは下記リンクより。

https://lightintheattic.net/releases/6773-green

実際に、今ほど魅力的で「プログレッシブ」な瞬間もないでしょう。
なぜなら、問題は「どうやって支払うのか」ではないと示されたからです。アレクサンドリア・オカシオ=コルテス議員

 「財政の絶大な力」を、今こそ発揮させるべきだ。

 この国はずっと死にかけていたのに、コロナ恐慌を機に覚醒したかのように、「政府はもっと金を出せ」と言う人たちが突如として増えた。新聞やテレビの報道でも「現金給付」や「消費減税」を求める視聴者や識者、コメンテーターの声が伝えられ、彼らが「ポピュリズム」だと揶揄して憚らなかった積極財政を後押しし、財政の門番ケルベロスのように座して動かなかったプライマリーバランス(基礎的財政収支)を覆そうとしているようだ。NHKでさえ「新たな借金に頼らざるを得ない状況と言えそうだ」として、緊縮財政の宣伝機関としての看板を下ろそうとしている。

 しかし、彼ら緊縮財政派の脳内にあった「財政破綻の危機」は一体どこに行ったのだろうか。コロナショックが訪れる前は--たとえ消費増税不況の最中にあっても--あんなに「国民一人当たりの借金は900万円」だと財政危機を煽っていたのに、たいした変わりようである。

 彼らの論理に則れば、政府が今般の不況対策として考える数十兆円規模の赤字国債を発行し、財政出動してしまったら、財政が破綻してしまうのだろうから、たとえ親の会社が倒産し進学を諦める子どもが増えようが、借金が膨らみ自己破産する人が増えようが、所得を失い首をくくる人が増えようが、何を置いても、赤字国債の発行と財政出動を阻止しなければいけないはずだ。でなければ、将来世代にツケを残すことになるからだ。

 ところが彼らはそうしてはいない。いったい、どういうことだろうか?

 これは、例え国債を発行して何十兆円も財政出動したとしても、彼らが従前からプロパガンダしていた「財政破綻」や「ハイパーインフレ」、「円の信認の毀損」などということは、絶対に起こらないことを、彼ら自身が認めてしまったかっこうになるだろう。

 多くの人が、政府の予算は集められた税金の中から支出していると勘違いしているが、実際の政府会計はそうなってはいない。今回のコロナ恐慌で明らかになったように、政府は税金という財源などなくても、自由に支出している(もちろん国債も税金で償還されてはいない)のだ。

 日本での経済対策費は15兆程度と予測されている--これは後程批判するとして--が、アメリカでは220兆円という前代未聞の巨額の経済対策を予定しているという。

 それもそのはずだ。アメリカのセントルイス連邦準備銀行のブラード総裁は、コロナ対策のための閉鎖行動により、米国の失業率が4~6月期に30%に達する可能性があり、GDPは50%低下するとの予測を3月22に発しているが、それほどのショックをもたらす未曾有の大恐慌がやってこようとしているためだ。

 この昨今の世論の変わりようについて、AOC(オカシオ=コルテス議員)とサンダース大統領候補の経済顧問・ケルトン教授の、3月24日のTwitterでのやりとりから要旨を少し抜き出そう。

事実として、今ほど魅力的で『プログレッシブ』な瞬間もないでしょう。
なぜなら問題は『どうやって支払うのか』ということではなかったと示されたからです。
政府に支払う能力があるかとか、兵站がうまく機能しなければならないという問題も、最初からなかったのです。
我々が今まで他人を人道的に扱ってこれなかったこれらの言い訳が、なぜ、突然煙の中に消え去ってしまったのでしょうか。 オカシオ=コルテス議員

経済への打撃を和らげるために、誰も2兆ドルの支出パッケージを税金で払おうなどと考えないでしょう。
もし税金で払おうとするのなら、それは狂気です。

政府は税金を原資とせず、インフレにならない限りは連邦支出を拡大できるのです。

議会は、財政支出法案を通したあと、FRBに特定の銀行口座に金額を書き込むように指示するだけです。
しかし、政府はその事実を認めませんでした。代わりに、すべてを「税金で支払う必要がある」と偽ったのです。ステファニー・ケルトン教授

 この二人は3/20のThe Interceptのラジオ番組でも対談し、コロナ恐慌に対する具体策も語っているので、ここからも要旨を抜粋する。AOCの言う魅力的で『プログレッシブ』な瞬間とは、どういうことだろうか。

インシュリンが買えず、苦しみ死にそうな人がいるのは今も、そして以前も同じです。
今、医療保険の欠如を緊急事態と考える人たちには、なぜ1ヶ月前、半年前、そして1年前に緊急事態ではなかったと考えたのかと問いたいです。
アメリカは死にかけていたのです。対処療法ではなく恒久的措置が必要です
問題の多くが相互密接であるため優先順位を付けるのは難しいですが、債務モラトリアムやUBI(ユニバーサル・ベーシックインカム)も講じる必要があります。そして今は出血を止めることが先決ですので、全ての働く人々への小切手給付も併せて必要です。
オカシオ=コルテス議員

今提案されている1兆ドルで不十分なら、さらに用意する必要もあります。
対策には二つの重要なことがあり、まず家計の現金流入を増やすこと、そして現金流出を止めることです。
企業の従業員に対する支払いのサポートや直接の現金給付も大事ですし、家賃や住宅ローン、納税や社保料、学生ローンの支払いのモラトリアムも重要です。
光熱費、住宅ローン、家賃、健康保険料をどれだけ猶予できるかによりますが、1兆ドルの対策では小さすぎるかもしれません。
3700万の雇用が来週には失われようとしている、カタストロフィーが雪崩になって押し寄せるのですから、できることは全てやるべきです。
ステファニー・ケルトン教授
出典:How to Save the U.S. Economy, With Alexandria Ocasio-Cortez and Stephanie Kelton

 また、上記のやりとりは筆者のブログでもまとめているので、興味あれば参照願いたい。

 AOCやケルトン教授は、政府や人々が、全ての人々の人権を再認識し、その権利としての医療や教育、社会保障制度を整備していくべきだと訴え、それこそが「プログレッシブな瞬間」だと捉えているようだ。

 日本に関しても、緊縮財政や消費増税でデフレ化した経済、そして自由貿易や規制緩和などのネオリベ政策によって、社会的資本はないがしろにされ、庶民の富を搾取し、富裕層がより富を貯めこむような、危機に脆弱な社会構造が作られてきた。公務員数は半数に削減されたばかりか非正規公務員は激増した。医療や社会保障費は削減され、感染症対策の要となる国立感染症研究所や地方衛生研、保健所の数や予算、そして大学の科学研究費や病院のベッド数までもが削られてきた。その結果、この20余年で国民の所得の中央値は120万円も減少し、貯蓄ゼロ世帯は全体の4割にも届こうとしている。独身女性の3人に1人が、子供の7人に1人が、そして高齢者の4人に1人が貧困となる格差社会が形成された。

 我が国はありとあらゆるものを「無駄」と判断し削減してきたが、国の「店じまい」でもするつもりだろうか。何かを無くすということは、そこで生まれる需要やGDPが消えてなくなるということだ。物事に過剰なまでの優劣をつけた結果、弱者が搾取され、格差が拡大したことは火を見るより明らかではないか。

 この国に生きる人々は、国を豊かにするための最も重要なリソースだ。それは優れた能力を持たない人間や、障碍を持つ人たちであっても同じだ。彼らには消費し、総需要を高めるという他に代えがたい能力がある。無駄なものなどない。それが今、その弱い立場の人たちを中心に悲惨な状況に追い込まれているのだ。

 未曽有の危機を前にした今になって、ようやく現金給付や消費減税すべきだといった積極財政を求める声が上がっているが、MMTerやポストケインジアンが言うように、最初から、国家の予算には上限などはなかった。

 ケネディ大統領とノーベル経済学賞を受賞したトービン教授も、1960年代からその事実を理解していた。「財政赤字も政府債務も、本来はインフレにならない限りはどんな規模でもいい。それ以外はタワゴト」なのだ。


出典:山本太郎街頭記者会見より

 危機の今だからこそ、誤り続けてき認識を変え、社会構造を転換しなければならないだろう。

 ケルトン教授と同じくMMTの創設者であるビル・ミッチェル教授(ニューカッスル大)は以下のように発する。

日本政府は、財政均衡論を振りかざすテロリストのような人たちの餌食になってしまった。テロリストたちは執拗に、(赤字国債を発行すると)財政破綻する、債券市場から見放されると主張して、それを国民に浸透させようと嫌がらせを続けてきた。
ビル・ミッチェル教授

 ミッチェル教授の言うテロリスト達によって、我が国は世界から「Japanification=日本型デフレによる経済停滞」と反面教師にされる存在にまで成り下がった。ハーバード大学元学長で米国の財務長官も務めたサマーズ氏の発言も以下に引用しよう。

パンデミックにより米国の経済は「Japanification」に直面した。
米経済には財政出動を半年も待つ余裕はない。
一段と積極的な財政政策が必要だ。
ローレンス・サマーズ元財務長官

 世界は今、コロナショックに端を発した大不況を経験しているが、Japanificationの重篤患者である日本では、昨年から、10~12月期のGDPがマイナス7.1%にも落ち込むという消費増税不況が始まっていた。そして今、コロナウィルスの感染爆発が待ち受ける。加えて、東京五輪が延期されることが決まり、その経済的余波も訪れるだろう。諸外国の何倍もの大きさの大恐慌が予測されることを忘れてはならない。

 しかし日本政府がその緊縮の呪縛を解き、苦しむ人々のために、そして国民経済のため対策を立てているとはとても思えない状況だ。

 3月25日現在、日本政府が予定する経済対策は総額で約15兆円と予想され、検討されてきた給付金政策には年収の条件等をつけ、現金ではなく商品券を配るという案に落ち着こうとしている。また消費減税は見送られ、休業補償の申請条件にも厳しいハードルが設けられる。

 こういった状況に対し、自民党の安藤裕議員を中心とするグループ、また国民民主党れいわ新選組の山本太郎氏共産党、そして立憲民主党の福田昭夫・落合貴之議員を中心とするグループは、政府に対し消費減税と積極財政を求めた。緊縮派と揶揄されてきた立憲の逢坂誠二議員でさえ、50兆円規模の対策の必要性に言及している。

 与党の非主流派と野党の非主流派が次々に声を上げる状況となっているが、この動きを絶対に政府を動かす国民運動とするべきである。今回のコロナ恐慌を機に、経済と社会のあり方を変革し、Progress(前進)させなければならないことを我々は学んだ。3月24日のツイッターでは、「#現金よこせ」というタグがトレンド入りしていたが、国民の声は明解なのだ。「財政の力」が絶大であることを、今こそ知らしめるべきだ。

今、何が起こっているかを見て、そして学んでください。
この危機を乗り越えたとき、私たちは、通貨発行政府の支出能力について、理解を向上させ、新しい境地を見るでしょう。
そのことがもっと必要になるのです。
ステファニー・ケルトン教授

最後に、我が政府に対して、私達市民が財政主権を有することを伝えるための署名ページを二つご紹介したい。

1)「消費税・新型コロナショックへの緊急財政出動を求めます」2020年3月22日薔薇マークキャンペーン提言
https://rosemark.jp/2020/03/22/rose_shock-1/

2)日本ベーシックインカム学会による「国債を財源に全ての国民に20万円ずつ給付する緊急提言」
https://onl.tw/bu3HybH

 ベテランDJのCOMPUMAが〈BLACK SMOKER〉から新しいミックスCDを出す。タイトルは『Innervisions』。『Lateral Thinking』から3年ぶりのミックスCDになる。
 アンビエント/ドローンを新しい解釈で展開した『SOMETHING IN THE AIR』シリーズが評判となったCOMPUMAだが、新作は彼がこの10年追求してきた彼独自の魅力たっぷりのウェイトレス・サウンドの最新型となる。彼の言葉によればこれは「気配のダンス・ミュージック」だとか。うん、たしかにそれわかる。
 発売は4月15日で、はからずとも家にいることが多くなりそうな今日この頃の生活のお供にもってこいの内容だ。ぜひチェックして欲しい。


COMPUMA
Innervisions

BLACK SMOKER
https://blacksmoker.cart.fc2.com/ca619/553/p-r-s/

「Acid Mothers Temple vs COVID19」大作戦 - ele-king

 新型コロナウイルスの感染拡大により多くの国々でロックダウンが始まるなか、アシッド・マザーズ・テンプルは外出を制限されている人々のため、「Acid Mothers Temple vs COVID19」大作戦と銘打ち、コロナ狂騒の期間限定で過去にリリースした全作品をYouTubeにアップした。
 故ジェネシス・P・オリッジをはじめ世界中に熱狂的なファンを持ち、4月からの北米ツアー中止という苦渋の選択をしたばかりのAMTからの太っ腹な贈り物(その数およそ90タイトル!)とともに、この苦しい季節を乗り切ろう。

Acid Mothers Temple vs COVID19

4月9日から予定されていたAcid Mothers Templeの北米ツアーは、コロナウイルス拡散の渦中、最後の最後まで状況を静観し熟慮検討した結果、大変残念ながらキャンセル、延期と決定いたしました。
しかし今や全世界レベルでコロナウイルスが拡散し、各地で外出自粛、商業施設の休業閉鎖、イベントのキャンセルが相次ぐ中、Acid Mothers Templeから、外出自粛を強いられる皆様へ、ささやかな贈り物として、過去にリリースした全作品の音源を、このコロナ騒動の期間限定で、Youtubeへアップロードすることにしました。ライヴ活動を通し、我々の音楽を求める方々へ、直接届けられない現状だからこそ、この機会に我々が過去にリリースした膨大な作品群を、インターネットを通し、自由に聞いていただけるようにと思い立った次第です。この先もまだどうなるのか全く予想がつかない状況ですが、せめて我々の音楽が、今世界にあふれまくる不安を、少しでも払拭する手助けになることを祈って。


As the spread of the coronavirus continues to escalate, after careful observation and considered thought we have very reluctantly decided that we must cancel and postpone the Acid Mothers Temple North American tour that was scheduled to begin on April 9.

As the virus spreads across the globe, self-isolation and compulsory quarantine measures have been put in place in many countries, and concerts and other events are being cancelled as venues and businesses pull down the shutters. But as a small gift to everyone currently in isolation, for the duration of the pandemic we have decided to upload all of our previous releases to Youtube. In the current circumstances it is sadly impossible for us to bring our music to our fans live, but we hope you will get some solace and enjoyment from it on the internet instead. Who knows where the world goes from now, but for now we offer a prayer that our music, even in a small way, may help to counter the globally rising tide of anxiety.

Acid Mothers Temple Official YouTube Channel
https://www.youtube.com/channel/UCeRTV_iOE_loRiMciVwur-w/videos


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