「IR」と一致するもの

MUD - ele-king

 昨年ソロとしてのファースト・アルバム『Make U Dirty』を発表し話題を集めた KANDYTOWN 所属のMC、MUD。仙人掌『VOICE』などへの客演でもその存在感を見せつけてきた彼が、新作EP「VALUE THE PRESENT」を12月25日にリリースする。同クルーからはKEIJU、先日ソロ・デビュー・アルバムを発表した Gottz、MIKI らが参加。先行シングルとなった新曲“Rather Be”はこちらから。

KANDYTOWN所属のMUDがEP「VALUE THE PRESENT」リリース決定。
それに伴い新曲“Rather Be”が本日リリース

HIP HOPクルー、KANDYTOWNに所属し、そのルードなアティテュードと日本人離れしたフロウでクルー屈指の実力派との呼び声高い、ラッパーの MUD がEP「VALUE THE PRESENT」を12月25日にリリースすることが決定した。それに伴い、本日先行シングル「Rather Be」をリリース。

自身のソロ名義としては、2017年にリリースし各方面から高い評価を得た『Make U Dirty』以来、約1年半ぶりとなる今作。全7曲を収録し、ゲストには KANDYTOWN より KEIJU、Gottz、ビートメイカーの MIKI が参加。又、Blaise(KILLAH)、Pablo Blasta、楽曲提供として Fla$hBacks の Febb が参加している。

[リリース情報]

●先行シングル
タイトル:Rather Be
発売日:2018年12月7日(金)
URL:https://linkco.re/H6sXF3X2

●EP
タイトル:「VALUE THE PRESENT」
発売日:2018年12月25日(火)

収録曲:
1. Rather Be
2. No Cry (feat. KEIJU)
3. Sacred Muzik 作曲 febb
4. Vertex (feat. Dony Joint)
5. No Mercy (feat. BLAISE & Gottz)
6. Brotherhood (feat. Pablo Blasta)
7. Ex (Prod: MIKI)

[MUDプロフィール]

東京のHIP HOPクルー KANDYTOWN LIFE に所属。ルードなアティテュードと日本人離れしたフロウでクルーの中軸を担う実力派。2017年7月、ソロ・デビュー・アルバム『Make U Dirty』をリリースし、内外から非常に高い評価を得る。客演においても KANDYTOWN メンバー作品ではもちろん、仙人掌、DJ PMX、kojoe, mc tyson 等の作品に参加するなど、シーン内で幅広く支持を受けている。2018年12月にセルフ・プロデュースの1st EPをリリース予定。

Irmin Schmidt - ele-king

 ジョン・ケージといえばやかんの音である。ぼくがまだ20代半ばの若造だったころ、松岡正剛さんはニューヨークにケージを訪ねたときの話をしてくれた。2人が対話をはじめたちょうどそのとき、部屋のキッチンのお湯を沸かしていたやかんから音がした。するとケージは、自分はやかんの音が好きだと笑ったという。蓋がカチカチ鳴る音か、シューシューという蒸気の音のことか、どっちなのかは忘れてしまったけれど、松岡さんからこのエピソードを教えてもらってからは、ぼくのなかでジョン・ケージとはやかんの音のひとになっている。
 DJが現代音楽という名の古典をスピンする21世紀では、どうってことのないエピソードかもしれない。が、ここにはジョン・ケージの本質が集約されているんじゃないかとぼくは考える。それはメタ音楽とでもいえるアプローチであり、あるいはルネッサンス以降の西洋音楽(クラシックと呼ばれる音楽)の堅苦しさに対する大いなるパンク的アティチュードとも言える。周知の通り、もともとケージは西洋音楽に学んでいる。アカデミックな場において、たとえば「やかんの音って良いよね」というようなことを言ってしまうのは(もちろん彼の師であったシェーンベルクに対してそんな言葉はつかってないだろうけれど)、演奏が上手いのはかっこ悪いと言ってしまうパンク・バンドみたいなものだ。アンチ権威というか、伝統主義への反論というか、いっしゅの破壊行為である。

 CANという70年代に活躍したドイツのロック・バンドが希有だったのは、4人のうちの2人のメンバーが西洋音楽の厳格な理詰めを学びながら、むしろケージ的な破壊を好んだところにある。ホルガー・シューカイとイルミン・シュミットは、西洋音楽の聖なる理論(トータル・セリー)上でいろいろ小難しい思考をかさねがら電子音楽へとたどり着いたショトックハウゼンに学んではいるけれど、同時に敷居の高いヨーロッパにアメリカからの自由の風を吹き込んだというか、たとえばクラシック音楽にとってはNGだった“反復すること”を自らの武器とした。乱暴な言い方をすれば、クラシック音楽における“前衛”の代表格のひとりであるシュトックハウゼン(想定されうる結果に向かう緻密な計算)と、その流れに反旗を翻したケージの“実験”(むしろ結果が読めないところに向かう)とがロック・バンドというフォーマットのなかで合流しているのだ。

 イルミン・シュミット(CANの4人のメンバーのなかで唯一の生存者)の18枚目のソロ・アルバム『5つのピアノ作品集(5 Klavierstücke)』は、きわめてケージ的なアプローチの作品だ。たんにプリペアド・ピアノを使っているからではない。プリペアド・ピアノは、ケージが発案したときには紛れもなく“実験”ではあったけれど、いまとなってはひとつの“型”であり、想定されうる結果が見えている。シュミットはプリペアド・ピアノの不協和音を鳴らし、そして調律されたピアノによる調和的な旋律を重ねている。ピアノ以外の楽器は使用されていない。曲によっては演奏されたときの環境音がミックスされている。2曲目は、夜のしじまの向こうで聞こえる風の音か、ムシの声か……とにかくその場の環境音がかすかに聞こえる。
 「やかんの音」をアンビエント・ミュージックに仕立てること。こうした発想自体も、いまでは別段珍しいものではない。では何に賭けるというのか。あとは内から湧き出るもの。シュミットはとりあえず、どういう結果になるのかわからないけれど演ってみた。エディット無しの一発録り。まばらに響くピアノの音、ピアノを叩く音、弦を爪弾く音、ときにリズミックに鳴り、ときに不安定に鳴る。雅楽の影響もあるというが、それは間(沈黙)の取り方においてだろう。シュミットの回想によれば、すべての曲は自然な瞑想状態のなかで生まれたそうだが、こうしたコンセプトもまたケージ的だ。
 4曲目の後半ではミニマルなドラミングが展開される。CANらしいといえばCANらしいのかもしれないけれど、プリペアド・ピアノを打楽器として演奏することは、これまたとうの昔にケージが試みていることである。結局のところ現在81歳のシュミットは、CAN以前のみずからの転機において大いなる影響を授かった音楽をたずねているのだろう。クラウトロックの評価が定まりながらも、CANを語るうえでスルーされがちな重要な事実。いまジョン・ケージについてあらためて考えてみると。そういうことなのかもしれない。とはいえ『5つのピアノ作品集』は、ミニマル・ミュージックを吸収した初期ヴェルヴェット・アンダーグラウンドのように、手法を楽しむというよりは、ぼくのようなずぶの素人の耳を楽しませるためにある。目ではなく、耳からも景色は見えるのだ。このアルバムはスマホにイヤホンではなく、家のスピーカーの前に座って聴いて欲しい。

※〈ミュート〉からこのような作品がリリースされるいっぽうで、渋谷系に影響を与えた〈el〉レーベルは最近シュトックハウゼンやヴァレーズの作品を再発している。20世紀における前衛音楽の冒険は、松村正人が来春1月に上梓する『前衛音楽入門』に詳しく綴られております。ええ、たぶんすごい力作になるでしょう。ご期待下さい!

食品まつり × TOYOMU - ele-king

 ば、爆裂とはいったいなんぞ? ともあれ非常におもしろそうな組み合わせである。今秋サン・アロウの〈Sun Ark〉から新作『ARU OTOKO NO DENSETSU』をリリースした食品まつり a.k.a foodman と、同じく今秋〈トラフィック〉よりデビュー・アルバム『TOYOMU』を発表した TOYOMU がこの年末、共同でイベントを開催する。その名も《食品まつりとTOYOMUの爆裂大忘年祭》。両名のほか、BO NINGEN の Taigen Kawabe、Diana Chiaki、isagen (TREKKIE TRAX)、98 yen の出演も決定しており、しかも当日は出演者全員による BONENGERS なる特別ユニットまで結成されるそうだ。この日のために現在制作が進められているという新曲も楽しみだが、個人的には特製とん汁が気になる……。12月22日は恵比寿に集合です。

「食品まつりとTOYOMUの爆裂大忘年祭」(12/22 Sat)
てんこ盛り追加情報発表!
参加アーティスト決定!
出演者全員による当日限定ユニットを結成! 新曲を披露!
「食品まつりの特製とん汁」を販売!

KATA と Time Out Cafe&Diner (恵比寿リキッドルーム2F)で12月22日(土)に行われる、食品まつり a.k.a foodman と TOYOMU の共同イベント「食品まつりとTOYOMUの爆裂大忘年祭」の追加情報が決定した。

新たに決定した参加アーティストは、Taigen Kawabe (from BO NINGEN)、Diana Chiaki、isagen (TREKKIE TRAX)、98 yen の4アーティスト、そして出演者全員によるこの日限定の爆裂ユニット、その名も BONENGERS (ボーネンジャーズ)。BONENGERS はこの日披露する新曲を現在全員で制作中だが、とてつもない曲ができ上がるらしい。

また会場では、「食品まつり特製とん汁」を販売! とん汁の薬味は、京都特産の九条ネギ。TOYOMU が地元京都から九条ネギを背負って駆けつける。

チケットはこちらのサイトで絶賛発売中!
チケット購入リンク: https://daibonensai.stores.jp/

公演概要
タイトル:食品まつりとTOYOMUの爆裂大忘年祭
日程:2018年12月22日(土)
出演者:食品まつり a.k.a foodman / TOYOMU / Taigen Kawabe (from BO NINGEN) / Diana Chiaki / isagen (TREKKIE TRAX) / 98 yen / BONENGERS
会場:KATA / Time Out Cafe&Diner (恵比寿リキッドルーム2F)
時間:OPEN/START 18:00
料金:前売¥2,500 (ドリンク代別) / 当日¥3,000 (ドリンク代別)
問合わせ:Traffic Inc. / Tel: 050-5510-3003 / https://bit.ly/2J4fTSi / web@trafficjpn.com
主催・企画制作:Hostess Entertainment / Traffic Inc.

[TICKET]
絶賛発売中!
購入リンク
https://daibonensai.stores.jp/

[出演者]


食品まつり a.k.a foodman
名古屋出身のトラックメイカー/絵描き。シカゴ発のダンス・ミュージック、ジューク/フットワークを独自に解釈した音楽でNYの〈Orange Milk〉よりデビュー。常識に囚われない独自性溢れる音楽性が注目を集め、七尾旅人、あっこゴリラなどとのコラボレーションのほか、Unsound、Boiler Room、Low End Theory 出演、Diplo 主宰の〈Mad Decent〉からのリリース、英国の人気ラジオ局NTSで番組を持つなど国内外で活躍。2016年に〈Orange Milk〉からリリースしたアルバム『Ez Minzoku』は Pitchfork や FACT、日本の MUSIC MAGAZINE 誌などで年間ベスト入りを果たした。2018年9月にLP『ARU OTOKO NO DENSETSU』、さらに11月にはNYの〈Palto Flats〉からEP「Moriyama」を立て続けにリリース。
https://twitter.com/shokuhin_maturi
https://www.instagram.com/tyousinkai/


TOYOMU
京都在住のアーティスト/プロデューサー。1990年、京都生まれ。
聴けないならいっそのこと自分で作ってしまおう。カニエ・ウェストの新作を日本では聴くことができなかった2016年3月、カニエ・ウェストの新作を妄想で作り上げ、それにビルボード、ピッチフォーク、BBC、FACT など世界中の有力メディアが飛びつき、その発想の斬新さのみならず作品内容が高く評価された。2016年11月23日、デビューEP「ZEKKEI」をリリース。2018年10月、デビュー・アルバム『TOYOMU』をリリース。
https://toyomu.jp/
https://twitter.com/_toyomu_


Taigen Kawabe (from BO NINGEN)
ロンドンを拠点とする4 人組サイケデリック・ロック・バンド "Bo Ningen" の Bass / Vocalであり、日本のアイドルとプロレス、そしてイギリスの低音音楽とサウナを愛する32歳。Bo Ningen の他にも河端一(Acid Mothers Temple)との "Mainliner"、食品まつり a.k.a foodman との KISEKI、Jan st Werner (Mouse on Mars) との "miscontinuum" などのサイドプロジェクト、個人名義のソロや、Faust、でんぱ組.inc、Downy、Aqualung などへのRemix提供など活動は多義にわたる。ソロ名義のライヴではベース弾き語り、ラップトップなど機材とジャンルの幅に囚われない即興演奏をおこなう。またモデルとして Alecander McQueen や Clarks のキャンペーン・モデルをはじめ、i-D、Dazed & Confused、Another man、New York Times などのファッション紙でモデルも務める。
https://twitter.com/TaigenKawabe
https://www.instagram.com/taigenkawabe/


Diana Chiaki
2002年モデル・デビュー。NYLON、mini などのストリート・ファッション誌や commons&sense、WWD JAPAN などのモード・ファッション誌、Levi's、LIMI feu などの東京コレクションのファッション・ショーでモデルとして活躍する傍ら、LOUIS VUITTON や GUCCI などのイベントや FUJIROCK FESTIVAL' 17に出演、CAPCOM や Microsoft® 社AIのPV楽曲制作をおこなうなどの音楽面でも活躍している。インターナショナル・マガジン commons&sense で5年間に渡り写真とエッセイの連載をしているほか、渋谷のラジオでは自身がパーソナリティを務める番組がスタートした。
www.dianachiaki.com
www.instagram.com/diana__chiaki___/


isagen (TREKKIE TRAX)
1994年生まれ静岡在住のプロデューサー・DJ。2018年8月に〈TREKKIE TRAX〉より「c.b.a.g. EP」をリリースし、東京・京都・大阪などで活動中。
https://soundcloud.com/isthisisagen
https://twitter.com/isagen7


98 yen
1980yen (https://1980yen.com/)から派生したVJチーム。ドンキホーテやマンボー、地方ロードサイド店舗などのファスト・カルチャーをテーマにしたヴィジュアルで空間を埋め尽くす。

BONENGERS
出演者全員でこのイベントのために結成されたスペシャル・ユニット、その名もBONENGERS (ボーネンジャーズ)。新曲を当日初披露する。

Kode9 - ele-king

 名ミックスCDシリーズ「Fabric」の最終作をベリアルとともに担当して話題をかっさらったばかりのコード9が、なんと、年末に来日ツアーを敢行するとの情報が飛び込んでまいりました。昨年は日本のゲーム音楽にフォーカスしたコンピ『Diggin In The Carts』のリリース記念イベントのために来日していたコード9ですが、今回の12月29日の東京公演@CIRCUS TOKYOでは3時間のロング・セットを披露予定とのこと。12月30日の大阪公演@クリエイティブセンター大阪では《THE STAR FESTIVAL 2018 CLOSING》パーティに出演、そちらは Cassy、D.J.FULLTONO の追加出演も決定しています。年末年始へ向けてすでにさまざまなイベントの情報が出てきていますが、これまた見逃し厳禁な案件です!

〈Hyperdub〉のボス、KODE 9が年の瀬Asia tourを敢行!!

【東京公演】
TITLE: KODE 9 ASIA TOUR in TOKYO
DATE: 2018.12.29 (SAT)
OPEN: 23:00

LINE UP:
KODE9 (Hyperdub / UK) -3hours set-
Romy Mays (解体新書 / N.O.S.)
and more...

ADV: ¥2,500
DOOR: ¥3,000

プレイガイド:
【ローソンチケット: L-CODE (75574) / イープラス: https://eplus.jp / Peatix: https://hyperdubkode9.peatix.com/ / RA: https://jp.residentadvisor.net/events/1193428

VENUE: CIRCUS TOKYO
〒150-0002
東京都渋谷区渋谷3-26-16
03-6419-7520
https://www.circus-tokyo.jp

【大阪公演】
TITLE: THE STAR FESTIVAL 2018 CLOSING
DATE: 2018.12.30 (SUN)
OPEN: 21:00~ ALL NIGHT

LINE UP:
Peter Van Hoesen (Time to express / Berlin)
Metrik (Hospital Records / UK)
Cassy (Kwench / UK) -NEW-
Kode9 (Hyperdub / UK) -NEW-
yahyel
EYヨ (Boredoms)
AOKI takamasa -live set-
BO NINGEN
環ROY
SEIHO -live set-
Tohji (and Mall Boyz)
D.J.FULLTONO -NEW-
YUMY

VJ: KOZEE
LIGHTING: SOLA

OPEN AIR BOOTH:
YASUHISA / KUNIMITSU / MONASHEE / KEIBUERGER / AKNL / MITSUYAS / DJ KENZ1 / 81BLEND / GT

ADV: ¥3,500
DOOR: ¥4,000
GROUP TICKET (4枚組): ¥12,000 (別途1ドリンク代金¥600必要)

プレイガイド:
【チケットぴあ: P-CODE (133-585) / ローソンチケット: L-CODE (54171) / イープラス https://eplus.jp / Peatix: https://tsfclosing.peatix.com/

VENUE: Creative center osaka (Studio partita & Black chamber & Red frame)
〒559-0011
大阪市住之江区北加賀屋4-1-55 名村造船旧大阪工場跡
06-4702-7085
https://www.namura.cc/

TOTAL INFO:
https://thestarfestival.com/

KODE9 (コードナイン)
コードナインは、ブリアルや、今は亡きDJ ラシャド、ほか多くのアーティストが所属するレーベルとして有名な〈ハイパーダブ〉の主宰者である。自身のレーベルからは、ザ・スペースエイプと共同で2枚のアルバム、10枚以上のシングルをリリースしており、さらに〈K7〉、〈リンス〉、〈オンユー・サウンド〉、〈ワープ〉、〈ドミノ〉、〈ゴーストリー〉、〈テンパ〉、〈リフレックス〉などのレーベルからもリリース、リミックス、DJコンピレーションを手掛けてきた。ヨーロッパ全域、北アメリカ、アジアなど広範囲においてDJをしてきた彼は、《ソナー》、《コアチェラ》、《グラストンベリー》、《ミューテック》、《アンサウンド》といった最先端のエレクトロニック・フェスティバルでパフォーマンスを披露。去年の夏、コードナインは最新EP「キリング・シーズン」を、2014 年に他界したザ・スペースエイプとともにリリースした。本名のスティーヴ・グッドマン名義では、2010 年に、著書『ソニック・ワーフェア』をMITプレスから出版。人工頭脳文化研究団(CCRU)の一員であった彼は、AUDINTという音波研究組織の一員でもあり、(トビー・ヘイズとともに)、北アメリカとヨーロッパでインスタレーションを作成し、2014 年には、「マーシャル・ホントロジー」プロジェクト(本/レコード/印刷物)を発表している。2015年にはともに制作をしてきたスペースエイプ、DJラシャドを失った喪失感から制作に取り組んだというソロ名義でのファースト・アルバム『ナッシング』をリリースした。そして、2018年にはコード9とブリアルが〈Fabric〉のミックス・シリーズ最終章に登場し大きな話題となった。
https://www.hyperdub.net/

▶〈Hyperdub〉を主宰するKODE 9と、レーベルを代表するアーティスト、BurialがミックスCDシリーズの頂点たるFABRICシリーズの最終章に登場!
Fabriclive 100 "Kode9 & Burial"
https://www.fabriclondon.com/store/FABRICLIVE-100-vinyl.html

BES & ISSUGI - ele-king

 今年2月に話題のジョイント・アルバム『VIRIDIAN SHOOT』を発表したBES & ISSUGI。なんと、同作のリミックス盤『VIRIDIAN SHOOT - Remix & Instrumentals』が12月26日にリリースされます。『VIRIDIAN SHOOT』収録曲のリミックスやインストゥルメンタルはもちろん、GWOP SULLIVANがトラックを手がけた新録音源“HONEY”まで収録されるとのこと。『VIRIDIAN SHOOT』の新たな魅力が浮かび上がる1枚に仕上がっている模様です。

BESとISSUGIによるクラシック確定なジョイント・アルバム『VIRIDIAN SHOOT』収録曲のリミックスとインストに新曲も加えたスペシャルなエディションがリリース決定!

◆ SWANKY SWIPE / SCARSとしての活動でも知られる国内ヒップホップ・シーンでもっともドープなラッパー、BES。MONJU / SICK TEAM のラッパーとしても活動し、16FLIP の名でビートメーカーとしても類稀なるセンスを発揮するなどシーン内外で圧倒的な存在感を放っているラッパー、ISSUGI。ともにリスペクトし合うこの両者が手を組み、今年2月にリリースしたジョイント・アルバム『VIRIDIAN SHOOT』!
◆ 5月には東京・池袋BEDでCARHARTT WIPのサポートによるリリース・パーティを開催し、そのダイジェスト映像を OLLIE MAGAZINE とのコラボレーションで YouTube にて公開。アルバムリリース後、全国約20箇所にも及ぶライブツアーを周る中、8月にはリリース・パーティを福岡でも開催し、また Skateboader/Videographer の森田貴宏氏(FESN)とのスケートボードとヒップホップの化学反応を映し出した Redbull 企画によるジョイント・ムービーの制作等、それぞれのソロ活動として並行し、BES & ISSUGI としての活動も継続している最中、新たなるプロジェクトのリリースが決定!
◆ 今作は『VIRIDIAN SHOOT』収録楽曲のリミックスと前作と今作から選んだインストゥルメンタル、さらにGWOP SULLIVAN による BES & ISSUGI としての新録音源も加えてパッケージしたスペシャルなエディション! リミキサーには、DEVIN MORRISON、GWOP SULLIVAN、16FLIP、GRADIS NICE、DJ SCRATCH NICE が参加。『VIRIDIAN SHOOT』同様にマスターピースとなる事は確実!

[アルバム情報]
アーティスト: BES & ISSUGI (ベス&イスギ)
タイトル: VIRIDIAN SHOOT - Remix & Instrumentals (ヴィリジアン・シュート - リミックス&インストゥルメンタルズ)
レーベル: P-VINE / Dogear Records
品番: PCD-25269
発売日: 2018年12月26日(水)
税抜販売価格: 2,500円

[トラックリスト]
01. 247 - 16FLIP REMIX
02. NO PAIN MO GAIN - GRADIS NICE REMIX
03. NO PAIN MO GAIN - GRADIS NICE REMIX2
04. HONEY / Prod by GWOP SULLIVAN
05. BIL feat. MICHINO - GWOP SULLIVAN REMIX
06. RULES - 16FLIP REMIX
07. HIGHEST feat. 仙人掌, Mr.PUG - DEVIN MORRISON REMIX
08. BOOM BAP - DJ SCRATCH NICE & 16FLIP REMIX
09. 247 - 16FLIP INSTRUMENTAL
10. HIGHEST - GWOP SULLIVAN INSTRUMENTAL
11. RULES - 16FLIP INSTRUMENTAL
12. HIGHEST - DEVIN MORRISON INSTRUMENTAL
13. BOOM BAP - DJ SCRATCH NICE INSTRUMENTAL
14. WE SHINE - GRADIS NICE INSTRUMENTAL
15. BOOM BAP - DJ SCRATCH NICE & 16FLIP INSTRUMENTAL

*BES & ISSUGI - BOOM BAP (BLACK FILE exclusive MV “NEIGHBORHOOD”)
https://youtu.be/BWZTCfCvhYo

*BES & ISSUGI “RULES” (Official Video)
https://youtu.be/HDdNxzvk_RA

[BES & ISSUGI - Profile]
SWANKY SWIPE / SCARS としての活動でも知られ、SCARS『THE ALBUM』(06年)、SWANKY SWIPE『Bunks Marmalade』(06年)、ファースト・ソロ・アルバム『REBUILD』(08年)といったクラシック作品をリリースし、人気/評価を不動のものとしたラッパー、BES(ベス)。〈DOGEAR RECORDS〉に所属し、MONJU / SICK TEAM / DOWN NORTH CAMPのメンバーとして、そしてソロ・アーティストとしてこれまでに膨大な音源をリリースしてきたISSUGI(イスギ)。今年リリースした『VIRIDIAN SHOOT』以降もお互いにソロ・アルバムを1枚ずつリリース。2人のフロウは今日も水のように流れる。

Fit Siegel Japan Tour 2018 - ele-king

 フィット・シーゲルは、21世紀のデトロイトのアンダーグラウンドの主要人物のひとり、オマーSの〈FXHE〉から登場し、DJ Sotofettとのコラボレーション作品でいちやく脚光を浴びたDJ/プロデューサー。12月に初来日が決定した。
 we must go there!

■Fit Siegel Japan Tour 2018
12.15 (SAT) 東京 Nakameguro Solfa
- Fit Siegel Japan Tour 2018 supported by bamboo -

ROOM 1
FIT SIEGEL (FIT Sound/FXHE)
COMPUMA
KABUTO (DAZE OF PHAZE/LAIR)
U-T (bamboo)
FAT PEACE (bamboo)

ROOM 2
Wataru Sakuraba
DJ Razz
DAIZEN (LAMERACT)
kenjamode (Mo’House)
Takuya Honda
bungo

Open 21:00
Door 3000yen / With Flyer 2500yen / Entry Before 11PM 2000yen

Info: solfa https://www.nakameguro-solfa.com
東京都目黒区青葉台1-20-5 oak build.B1F TEL 03-6231-9051

自身の主宰するレーベルFit Sound、ディストリビューション会社”Fit Distribution”を運営し現在のデトロイトのミュージックシーンを根底から支えるFIT SIGELが来日。2012年にOmar Sのレーベル、FXHEからのリリースを皮切りに今年度はDJ Sotofettとのプロジェクト、S & M Trading Co.でのリリース、現在のデトロイトアンダーグラウンドの支柱となるアーティストの来日に期待が高まる。競演には、長いキャリアの中で今もなお、日々フレッシュでユニークなジャンルを横断したイマジナリーな音楽世界の探求を続けFit SiegelもNYで氏のMIX CDを購入しラブコールを送るCOMPUMA、自身の主宰するパーティーDAZE OF PHAZEでは世界各地の実力派DJを招聘しながらも、世界のアーティストを相手に全く引けを取らないプレイで日本国内のパーティークオリティを見せ続けるKABUTOを始め、各地で活躍するDJが集結。年の瀬に相応しいスペシャルな一夜となっている。

12.16 (SUN) 大阪 Compufunk Records
- Compufunk Records feat. FIT Siegel -
Guest: FIT Siegel (Fit Sound/FXHE)
MITSUKI (Mole Music)
COTA (NIAGARA)
DJ Compufunk

Open 18:00
Advance 2000yen with 1Drink
Door 2500yen with 1Drink

Info: Compufunk Records https://www.compufunk.com/?mode=f3
大阪市中央区北浜東1-29 北浜ビル2号館2F TEL 06-6314-6541


FIT Siegel (Fit Sound/FXHE)
FIT Siegel(a.k.a FIT)は、デトロイト・アンダーグラウンドの支柱となるべく、静かに立ち上がっている。Underground Resistanceの本部、Submergeの”Mad” Mike Banksから音楽制作を学び、2012年にOmar Sのレーベル、FXHEから『Tonite』でデビュー。
O.m.a.r - S & L'Renee『S.E.X.』のリミックス制作に関わったり、Gunnar WendelことKassem Mosseとのコラボレーション、FIT Featuring Gunnar Wendel『Enter The Fog』をFXHEからリリース。2015年リリース作、FIT Siegel名義でのEP『Carmine』は各方面から高く評価されることとなった。2018年にはDJ Sotofettとのプロジェクト、S & M Trading Co.『Metal Surface Repair』をリリースしている。レーベル"Fit Sound"とディストリビューション会社"Fit Distribution"を運営し、そこにはURやFXHEの持つ猛烈なDIY精神を内在している。
DJとしては、ジャンルレスなアプローチを好み、DiscoやPunk~現在デトロイトで作り出される異例なテクノやハウス・ミュージックを自由に横断する。自身のDJ活動や音楽制作と並行して、レーベルとディストリビューション運営の役目を平衡し、今後もその創造的追求を極めていくだろう。

Facebook https://www.facebook.com/fitofdetroit/
Soundcloud https://soundcloud.com/fit


Aphex Twin - ele-king

 先日ロンドンで話題となったエイフェックス・ツインのポップアップ・ショップが、東京は原宿にも出現します。12月1日(土)と12月2日(日)の2日間のみの限定オープンです。強烈なテディベアを筆頭に、さまざまなグッズが販売される模様。ロンドンでは即完売となった商品も多かったそうですので、このチャンスを逃すわけにはいきませんね。詳細は下記をば。

ロンドンに続き、エイフェックス・ツインのポップアップストアが東京・原宿にて2日間限定オープン!

11月22日(木)、エイフェックス・ツイン自身の公式SNSから動画がポストされ、ロンドンと東京での新たなオフィシャル・グッズの発売が発表された。その2日後にスタートしたロンドンのストア/通販では即完商品が続出。それに続き、今週12月1日(土)と12月2日(日)の2日間限定で、東京・原宿にエイフェックス・ツイン・ポップアップストアがオープンする。

今年、傑作の呼び声高い最新作「Collapse EP」をリリースし、シルバー・スリーヴ付の豪華パッケージ盤や、“T69 collapse”のMVも大きな話題となったエイフェックス・ツイン。彼の代表曲のMVから飛び出てきたようなグッズの数々やクラシックロゴTなど、レア化必至のグッズが勢揃い!

APHEX TWIN POP-UP STORE

開催日程:12/1 (土) - 12/2 (日)
12/1 (土) 12:00-20:00
12/2 (日) 12:00-18:00

場所:JOINT HARAJUKU (東京都渋谷区神宮前4-29-9 2F)
詳細・お問い合わせ:www.beatink.com

APHEX TWIN RETAIL ITEMS


『Donkey Rhubarb』テディベア
全高25cmのクマのぬいぐるみ
色:タンジェリン/ライム/レモン
オリジナルボックス入り
販売価格:¥5,000(一体)


『Windowlicker』傘
外側にエイフェックス・ツイン・ロゴ、内側に顔がプリントされたジャンプ傘。取手にはロゴが刻印され、木の柄を採用。
販売価格:¥8,000


『Come To Daddy』Tシャツ/ロンパース
サイズ展開:S、M、L、XL、キッズサイズ、ロンパース
販売価格:¥4,000


『CIRKLON3 [ Колхозная mix ]』パーカー
サイズ展開:M、L、XL
販売価格:¥6,000


『On』ビーチタオル
エイフェックス・ツインのロゴが織り込まれたビーチタオル
サイズ:70 × 140cm
販売価格:¥6,000


『Ventolin』アンチポリューションマスク
エイフェックス・ツインのロゴがプリントされたマスク。ロゴの入った黒いケース入り。 Cambridge Mask Co.製。ガス、臭気、M2.5、PM0.3、ホコリ、煙、病原体、ウイルス、バクテリアを防ぐ。
販売価格:¥9,000


『T69 Collapse』アートプリント
世界限定500枚。ポスターケース入り(額縁はつきません)。
サイズ:A2
販売価格:¥4,000


また今回のオフィシャル・グッズ発売に合わせて、公式には長らく配信されていなかった“Windowlicker” “Come To Daddy” “Donkey Rhubarb” “Ventolin” “On”のミュージック・ビデオがエイフェックス・ツインのYouTubeチャンネルにて公開されている。

Windwlicker (Director's Cut)
Directed by Chris Cunningham
https://youtu.be/5ZT3gTu4Sjw

Come To Daddy (Director's Cut)
Directed by Chris Cunningham
https://youtu.be/TZ827lkktYs

Donkey Rhubarb
Directed by David Slade
https://youtu.be/G0qV2t7JCAQ

Ventolin
Directed by Steven Doughton with Gavin Wilson
https://youtu.be/KFeUBOJgaLU

On
Directed by Jarvis Cocker
https://youtu.be/38RMZ9H7Cg8



初回限定盤CD


通常盤CD

label: WARP RECORDS / BEAT RECORDS
artist: Aphex Twin
title: Collapse EP
release date: 2018.09.14 FRI ON SALE


期間限定「崩壊(Collapse)」ジャケットタイトル


label: WARP RECORDS / BEAT RECORDS
artist: Aphex Twin
title: Selected Ambient Works Volume II
BRC-554 ¥2,400+税
https://www.beatink.com/products/detail.php?product_id=2978


abel: WARP RECORDS / BEAT RECORDS
artist: Aphex Twin
title: ...I Care Because You Do
BRC-555 ¥2,000+税
https://www.beatink.com/products/detail.php?product_id=7693


label: WARP RECORDS / BEAT RECORDS
artist: Aphex Twin
title: Richard D. James Album
BRC-556 ¥2,000+税
https://www.beatink.com/products/detail.php?product_id=8245


label: WARP RECORDS / BEAT RECORDS
artist: Aphex Twin
title: Drukqs
BRC-557 ¥2,400+税
https://www.beatink.com/products/detail.php?product_id=9088


label: WARP RECORDS / BEAT RECORDS
artist: Aphex Twin
title: Syro
BRC-444 ¥2,300+税
https://www.beatink.com/products/detail.php?product_id=2989


label: WARP RECORDS / BEAT RECORDS
artist: Aphex Twin
title: Computer Controlled Acoustic Instruments Pt2 EP
BRE-50 ¥1,600+税
https://www.beatink.com/products/detail.php?product_id=2992


label: WARP RECORDS / BEAT RECORDS
artist: AFX
title: Orphaned Deejay Selek 2006-08
BRE-51 ¥2,400+税
https://www.beatink.com/products/detail.php?product_id=2944


label: WARP RECORDS / BEAT RECORDS
artist: Aphex Twin
title: Cheetah EP
BRE-52 ¥1,800+税
https://www.beatink.com/products/detail.php?product_id=2994

Paul Frick - ele-king

 ミヒャエル・エンデが時間泥棒をテーマに『モモ』という童話を書いたのが1973年。オイルショックを経た戦後ドイツの労働争議が最初のピークを迎えるのが1984年。このように並べてみると、その間に挟まれているクワフトワークの”The Robot”が(前作に収録されたマネキン人形から歩を進めた発想だったとしても)どこか単純作業や長時間労働に対するカリカチュアとして「聞かれた」可能性も低くないと思えてくる(経済成長が激化したインドでも労働者をロボットに見立てたS・シャンカー監督『ロボット』で同じく”The Robot”が使われていた→https://www.youtube.com/watch?v=NEfMZbbpsAY)。実際の単純労働はトルコ移民が担い、『Man-Machine』には自分たちがドイツ人であることから逃げ、戦後長らく「ヨーロッパ人」と名乗りたがっていた風潮に対してドイツ人としてのアイデンティティを再確認するために(デザインはロシア構成主義だけど)戦前のドイツに見られた「SF的発想」に回帰するという意図があった(”Neon Lights”はフリッツ・ラング監督『メトロポリス』がモチーフ)。さらに言えばDAFは明らかにナチスの労働組合であるドイッチェ・アルバイツフロントの頭文字を「独米友好」とモジることで二重にパロディ化し、パレ・シャンブルグも西ドイツの首相官邸を名残ることで「ヨーロッパ人」と名乗ることの欺瞞に違和感を示した面もあったのだろう(ここから小沢一郎によってパクられる「普通の国」という再軍備のキーワードまではあと少しだったというか)。

 いずれにしろ、3年前にドイツの小学生たちが演奏する”The Robot”がユーチューブでけっこうな話題になったように、ドイツでは一般レベルでも”The Robot”が定番化していることはたしかで、現在のドイツでこの感覚をもっとも受け継いでいたのがブラント・ブラウア・フリックということになるだろう。最初はクラフトワークをジャズっぽく演奏していた3人組で、3人ともクラシックの素養が高く、彼らはこれまではアコースティック・テクノ・トリオと称されることが多かった。水曜日のカンパネラにも中期のクラフトワークを思わせる”クラーケン“を提供していたBBFは、しかし、このところコーチェラにも出演するなどすっかりポップ・ソングの旗手と化してしまい、”Iron Man”でデビューした当時の面影は薄れかけていたものが、メンバーのひとり、ポール・フリックが〈アポロ〉からリリースしたセカンド・ソロ・アルバム『2番目の植物園(?)』はグリッチとジャズをまたいで合間からクラフトワークも垣間見える地味な意欲作となった(自分ではこれがファースト・ソロ・アルバムだと言っている)。作品の中心にあったのは「日常性」、あるいはその「詩情」というありふれたもので、特に興味を引くものではない(録音の時期から考えてもメルケルの引退声明によってカタリーナ・シュルツェがドイツの政界に君臨するかもしれないといった動きが本格化する前の「日常」だろうし)。

 カチャカチャと小さなものが壊れるように細かく叩き込まれるパーカッションやベルなど微細なビートが楽しい曲が多く、音の素材はフィールド録音や切り刻まれたブレイクビーツなどかなり多岐にわたるらしい。それらはつまり、2000年前後にドイツで特に隆盛を誇ったエレクトロニカの方法論を意識的に踏襲したものといえ、妙な近過去ノスタルジーに彩られているとも言える。移民問題がドイツに重くのしかかる直前のドイツであり(注)、もしかするとその時期が無意識の参照点になっているのかもしれない。ポール・フリックは録音中、資本主義にも社会主義にも馴染めない人々を描写した小説家ウーベ・ヨーンゾンがナチズムの台頭から2次大戦までを描いた『Anniversaries』にも多大な影響を受けたそうで(未訳)、”Karamasow(カラマーゾフ)“と題された曲では、そうしたある種の歴史絵巻のような感覚が無常観に満ちた曲として表されてもいる(プチ『ロング・シーズン』ぽい)。そうした寄る辺なさはBBFの近作とは異なって、本当にどの曲も頼りなく、宙に漂うがごとく、である。そうした感覚はジャーマン・トランスのマーミオンも曲の題材にしていた“Schöneberg”(ベルリンの地名)でようやく安堵感へとたどり着き、焼き物を題材にしたらしきエンディングの“Gotzkowsky Ecke Turm”で幕を閉じてくれる。この弱々しさが、小学生たちの演奏する”The Robot”とともに、むしろ、外交でことごとく失敗を重ね、EUでさえ維持が難しくなってきたドイツのいまを表しているのではないだろうか。
 ああ、マッチョだったドイツが懐かしい。

注:ドイツがヨーロッパ中に移民を受け入れるよう先導してきたのはナチス時代に亡命を図ったドイツ人を受け入れてくれた周辺国に対する恩返しの意味もある。

vol.107:『デイドリーム・ネイション』30周年 - ele-king

 ソニック・ユースといえば『デイドリーム・ネイション』というくらい、このアルバムは彼らを代表する。5枚目のスタジオ・アルバムで、〈エニグマ・レコーズ〉から1988年にダブル・アルバムでリリースされ、彼らがメジャー・レーベルにサインする前の最後のレコードである。

 『デイドリーム・ネイション』は1988年の最高傑作として批評家から幅広い評価を得ているように、オルタナティヴ、インディ・ロックのジャンルへ多大な影響を与えた。2005年には、議会図書館(DCにある世界で一番大きい図書館)にも選ばれ、国立記録登録簿に保存されている。2002年にはピッチフォークが1980年代のベスト・アルバムとして、『デイドリーム・ネイション』をNo.1に選んでいる。代表曲は“Teen Age Riot”、“Silver Rocket”、“Candle”あたりで、ノイジーで攻撃的な音が生々しく録音されている。私は、オンタイムより遅れてこのアルバムを聴いたが、何年経っても自分のなかでのソニック・ユースはこのアルバムで、 NYに来て、リキッドスカイに行って、X-Girlで働きはじめたぐらい、彼らからの影響は多大なのである。

 その『デイドリーム・ネイション』が今年で30周年を記念し、映画上映がアメリカ中で行われている。

 10/20にポートランドでスタートし、シアトル(10/22)、LA(10/23)、 SF(10/24)と来て、オースティン(11/12)、デトロイト(11/13)、フィラデルフィア(11/18)。ブルックリンは11/19で、4:30 pmと9:30 pmの2回上映だったが、どちらもあっという間にソールドアウト。私は、4:30pmの最後のチケットを取った。その後は、ミネアポリス(11/20)、アトランタ(11/21)と続くが、12/8、9にも追加上映があるらしい。
 すべての上映には、監督のランス・バングスとソニック・ユースのドラマーのスティーヴ・シェリーがQ&Aで参加し、ブルックリンの上映では特別にソニック・ユースのギタリスト、リー・ラナルドと写真家のマイケル・ラビンが加わった。リーは、ブルックリンでのショーがその2日後(11/21)に、続き12/1、ニューイヤーズデイと発表されたので、そのプロモートもあるのだが。

 まず、『デイドリーム・ネイション』がリリースされた1988年ごろのワシントンDCの9:30でのライヴ映像が上映される。
 そして監督ランス・バングスの挨拶。続いてチャールス・アトラスの1980年代のNYダウンタウン・ミュージック・シーンに焦点を当てた、1989年の映画『Put Blood In The Music』が上映され、グレン・ブランカ、リディア・ランチ、ジョン・ケージ、クリスチャン・マークレイ、クレーマー、ジョン・ゾーン、そしてソニック・ユースなど、NYのダウンタウン・ミュージックを代表するアーティストたちのコラージュ映像が紹介され、さらに初期ソニック・ユースのレア映像、リハーサル・シーンやインタヴュー(with 歴代ドラマー)が上映される。これだけで、気分は80年代にタイムトリップである。歴代ドラマーのコメントがまた可笑しかった。「彼らはノイズを出したいだけなんだ」と。

 ランス監督とSYドラマー、スティーヴ・シェリーのトークでは、彼がどのようにSYでプレイすることになったか、曲作りについて(歌詞の内容を尋ねたことがあるか、誰がヴォーカルを取るなどはどうやって決めているのか、アルバムごとの違いなど)、突っ込んだ質問が降りかかっていたが、流れはスムーズ。途中で「遅れてごめん!」とトートバッグを持ったリー・ラナルドが登場し、さらに写真家のマイケル・ラビンが加わると、トークは右から左に炸裂しはじめた。

 マイケルのプレスフォトのシューティングの様子が、スクリーンの地図上に写し出されると(マイケルのアパート→ウォールStの近くでバンドに会い→ブルックリン・ブリッジ→キャナルSt→サンシャイン・ホテル→トゥブーツピザ)と、リー・ラナルドは、その写真を自分のiPhoneでバシバシ撮りはじめ(笑)、「サンシャイン・ホテルなんて覚えてないなー」など、写真ひとつひとつについての思い出話をはじめた。リーとマイケルのよく喋ること!
 そして話は、『デイドリーム・ネイション』の再現ショーの話になり、ソニック・ユースはいつも新しいアルバムをプレイするのが好きなので、最初は断っていたがようやくOKし、2007~2008年にいくつかの再現ショーをおこなった。野外が多かったのだが(私は2008年のバルセロナでのショーを見た)、そのなかでもレアな室内ショーのひとつ、グラスゴーでのショーをマイケルが撮影し、その模様を最後に上映。20年後の彼らを見るのはつい最近な気がしたが、これはいまから10年も前なのだ。日が流れたのを感じる。
 この日来ていたお客さんは、『デイドリーム・ネイション』をオンタイムで聞いていた層だろうし(隣の男の子は、ライヴ映像になるたびに一緒に歌っていた)、30年前にニューヨークで起こっていた映像を見るのはさすがに感慨深い。映像として残しておくものだなあ、と。映画館の外では、今回の記念レコード盤(マイケルが撮影したポスター付き)が、リーとスティーヴから(CDは売り切れ。もうレコードしか残っていなかったが)直接購入できた。日本で上映されるのも遠くないと思うが、みずみずしい80年代NYの詰まった映像と、いまでも新しい『デイドリーム・ネイション』は、こうやって引き継がれていくのだろう。

Wen - ele-king

 ワイリーが起源だとされるウエイトレスはファティマ・アル・ケイディリシェベルなど応用編の方がどんどん突っ走っている印象が強いなか、さらにウエイトレスとニューエイジを結びつけたヤマネコ『Afterglow』やオルタナティヴ・ファンク風のスリム・ハッチンズ『C18230.5』など適用範囲がさらに裾野を広げ、原型がもはやどこかに埋もれてしまったなあと思っていたら、そうした流れに逆行するかのようにウエイトレス以外の何物でもないといえるアルバムをウェンことオーウェン・ダービーがつくってくれた(以前はもっとクワイトやダブステップに近いサウンドだった)。ファティマ・アル・ケイディリやスラック『Palm Tree Fire』からは4年が経過しているし、何をいまさらと言う人の方が多いだろうけれど、なんとなく中心が欠如したままシーンが動いているというのは気持ちが悪く感じられるもので、それこそデリック・メイが1992年あたりにデトロイト・テクノのアルバムを出してくれたような気分だといえば(ロートルなダンス・ミュージックのファンには)わかってもらえるだろうか。つまり、このアルバムが4~5年前にリリースされていれば、もっと大変なことになったかもしれないし、ボディ・ミュージックを意識したようなストリクト・フェイス『Rain Cuts』などの意図がもっとダイレクトに伝わったのではないかなどと考えてしまったのである。ウエイトレスが何をやりたい音楽なのかということを、そして『EPHEM:ERA』はあれこれと考えさせる。それはとんでもなくニュートラルなものに思えて仕方がなく、ファティマ・アル・ケイディリによるエキゾチシズムやシェベルによるアクセントの強いイタリア風味など、応用編と呼べるモード・チェンジが速やかに起きてしまった理由もそこらへんにあるような気がしてしまう。それともこれはアシッド・ハウスが大爆発した翌年にディープ・ハウスという揺り戻しが起きた時と同じ現象だったりするのだろうか。「レッツ・ゲット・スピリチュアル」という標語が掲げられたディープ・ハウス・リヴァイヴァルがとにかく猥雑さを遠ざけようとしたことと『EPHEM:ERA』が試みていることにもどこか共通の精神性は感じられる。悪くいえばそれは原理主義的であり、変化を認めないという姿勢にもつながってしまうかもしれない。いずれにしろウエイトレスが急速に変化を続けているジャンルであることはたしかで(〈ディフィレント・サークルズ〉を主宰するマムダンスは「ウエイトレスはジャンルではない。アティチュードだと発言していたけれど)、全体像を把握する上で『EPHEM:ERA』というアルバムがある種の拠り所になることは間違いない。

 思わせぶりなオープニングで『EPHEM:ERA』は始まる。そして、そのトーンは延々と続いていく。何かが始まりそうで何も始まらない。立ち止まるための音楽というのか、どっちにも踏み出せないという心情をすくい取っていくかのように曲は続く。うがっていえばいまだにブレクシット(これは反対派の表現、肯定派はブレグジット)の前で迷っているとでもいうような。“RAIN”はそうした躊躇を気象状況に投影したような曲に思えてくる。動けない。動かない。続く“BLIPS”あたりからそうした精神状態がだんだん恍惚としたものになり、停滞は美しいものに成り変わっていく。ここで“ VOID”が初期のアルカに特徴的なノイズを混入させ、美としての完成を思わせる。そこでようやく何かが動き始め、後半はウエイトレスとUKガラージが同根のサウンドだということを思い出させる展開に入っていく。それらを引っ張るのが、そして、“GRIT”である。「エフェメラ」とはフライヤーやチラシのように、役割を終えればすぐになくなってしまう小さな印刷物のことで、ポスターや手紙、パンフレットやマッチ箱などのことを言う。“GRIT”はさらにそれよりも儚いイメージを持つ「砂」のことで、『EPHEM:ERA』にはどこか「消えていくもの、失われていくもの」に対する愛着のようなものが表現されている。『EPHEM:ERA』のスペルをよく見ると、ERAの前がコロンで区切られており、「すぐになくなってしまう小さな印刷物の時代」という掛け言葉になっていることがわかる。それはまさにウエイトレス=無重力に舞うイメージであり、エフェメラに印刷されて次から次へと生み出される「情報」の多さやその運命を示唆しているのではないかという邪推も働いてしまう。膨大な量の情報が押し寄せ、誰もそのことを覚えていない時代。クロージングの美しさがまたとても際立っている。


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