「IR」と一致するもの

SGROOVE SMOOVE (SPECTA / FLOWER RECORDS) - ele-king

DJスケジュール
7月5日(金) URABANITE @ 頭バー
7月13日(土),音音(NEON) @ CREAM (熊本)
7月20日(土),NOUVEAU @ CLUB BALL
FACEBOOK
https://www.facebook.com/suguru.miyazaki.9

7月に聞きたい雑多な大人HOUSE10曲


1
The Secret Life Of Us - Feat Donna Gardier & Diane Charlemagne(Director's Cut Signature MIx) - The Sunburst Band

2
My Moody Life(Original Mix) - Kerri Chandler - Suss

3
Fantom Finger - Masanori Ikeda - Flower Records

4
Warm(Original Mix) - Loaded Dice - Defected

5
Choice(Original Full Version) - Specta - Flower Records

6
The Ride(Original Mix) - Lovebirds - Knee Deep Recordings

7
Sugar(Joey Negro Mix) - Roy Ayers - Rapster Records

8
Your Body(Louie Vega EOL Mix) - Josh Milan - Honeycomb Music

9
Talia Feat Stering Ensemble(Main Mix) - Sterling Ensemble,Aaron Ross - Restless Soul Music House

10
Love Love Love(Main12) - Those Guys - Basement Boys Records

DJ Yogurt (Upset Recordings) - ele-king

2013年前半に自分がクラブなどで頻繁にDJ PlayしたTechnoやTech House系の12inchレコード収録曲を10曲選びました。ダンスフロアを熱くした記憶が生々しい曲ばかり。毎週レコード店に行き、計100枚前後の新譜を数時間かけて聴き、その中から選んで購入しています。

HP : https://www.djyogurt.com/
Twitter : https://twitter.com/YOGURTFROMUPSET
Facebook : https://www.facebook.com/djyogurtofficial

DJ Schedule
7/5(Fri.) @中目黒・Solfa
7/6(Sat.) @福島・会津Birdland
7/14(Sun.) @渋谷・AMRAX
7/16(Tue.) @腰越海岸・KURA
7/19(Fri.) @渋谷・SECO
7/27(Sat.) @名古屋・VIO
7/28(Sun.) @岡崎・Ragslow

8/9(Fri.) @原宿・Bonobo
8/10(Sat.) @渋谷・AMRAX
8/13(Mon.) @千葉・中滝アートヴィレッジ
8/16(Fri.) @吉祥寺・Cheeky
8/17(Sat.) @青山・Oath
8/23(Fri.) @沖縄・コザ・音洞
8/24(Sat.) @沖縄・那覇・Loveball
8/31(Sat.) @山梨・野外・Sense Of Wonder

9/6(Fri.) @徳島・Barチャラパルタ
9/7(Sat.) @高知
9/14(Fri.) @松本・りんご音楽祭
9/22(Sun.) @長野・東御市・湯ノ丸高原スキー場
9/28(Sat.) @江の島
9/29(Sun.) @渋谷・カフェアプレミディ

2013/06


1
Par Grindvik - Biome - Stockholm:Limited
https://www.youtube.com/watch?v=RLFhA_i5uL8

2
Casbah 73 - Ain't No Sunshine (Casbah 73 Rework) - KAT
https://soundcloud.com/kat-records/casbah-73-edits-low-bit

3
Ben Sims - Love and Hurt (Gary Beck Remix) - Hardgroove

4
Yotam Avni - A Song For Danny (Orlando Voorn Remix) - Soul Research
https://youtu.be/E61YKdJzOw0

5
Sycorax - The Pond - New Jersey
https://youtu.be/JV8PBO1_HQw

6
Teersom - Orb - Keys of Life
https://youtu.be/IM-Q5IaLs0Y

7
Cab Drivers - Beatnight 77 - Cab Drivers

8
Mathy K. & The Funky Punch - Ohh. K! (Live In New York) - 2DIY
https://youtu.be/5sAX2o4i7xg

9
Italoboyz feat. Blind Minded - Sti Drumsy - Superfiction
https://youtu.be/5zvzc1v5dKc

10
YO&KO - Power To The People(126Bpm No Break Version) - Yo&Ko

ele-king presents
PARAKEET Japan Tour 2013
- ele-king

【PARAKEET】

 2011 年にリリースされたデビュー・アルバムがここ日本でも大きなヒットを記録した、UK のロック・バンド、ヤックのメンバーである日本人ベーシスト、マリコ・ドイが、同じくUK で活動し、今年リリースのデビュー・アルバムが絶賛を浴びる若手注目バンドザ・ヒストリー・オブ・アップル・パイのジェームス・トーマスと結成した新バンド、パラキートが待望の初来日ツアーを敢行! 両バンドの持つ音楽性を受け継ぎならも、ピクシーズやスパークルホース、ポルヴォなどを彷彿とさせるような、ポップかつユニークなギター・バンド・サウンド! 日本語歌詞も織り交ぜたヴォーカル、印象的なベース・リフとタイトなドラムが疾走するそのサウンドは、インディー・ロック・ファン感涙必至!  これまで、UK本国で7ich シングルと、EP(デジタルと限定カセットのみ) をリリースし、ここ日本でもその活動が大きな話題となるなか、そのEP収録曲やシングル収録曲、ハスカー・ドゥやガムボールなどの要注目カヴァー・トラックを収めたCDも遂に7/3にリリース!


【THE GIRL】

 日暮愛葉(ex Seagull screaming kiss her kiss her etc...)とその友人のベーシスト林束紗(scarlet / hinto)とドラマーおかもとなおこ(つばき)からなる三人組ガールズ・ロックバンドとして2010年より活動開始。Seagull screaming kiss her kiss herを思わせるシンプルでキッチュなガレージ・ロックンロールが全開。スリー・ピース編成ならではの必要最小限に削ぎ落とされた音数、エッジの効いた音像に愛葉節とも言えるニューウェイヴな風情は健在。またメンバー全員コーラスを取れるのがこのバンドのチャームポイントで、シャープなサウンドにポップで華やかな彩りを添えます。今年2月リリース・パーティーを最後にベーシスト林束紗が脱退。THE GIRLは新体制、日暮愛葉(Vo,G)とおかもとなおこ(Dr.cho)ふたりでリスタート!


【toddle】

 2002年に田渕ひさ子(NUMBER GIRL、bloodthirsty butchers)がバンドを作ろうと考え出す。日々のイメージトレーニングが始まり、高知出身の荒くれ者、安岡秀樹に思い詰めて参加のお願い電話をする。そしてtoddleの原型完成。是非かわいこちゃんの女子をメンバーにしたいと思い詰めた田渕が、友達であり好みのタイプ、小林愛(swarm's arm)を誘う。そして3人に。「ベース入れてやってみようか?」と、話が盛り上がり、福岡県筑後市出身の江崎典利(RUMTAG、AMON)に「ちょっとベース弾いてよ。」と電話。そして4人でライブを行う。「ちょっと、今日、良かったよー。また弾いてよー。」3人は味をしめメンバーへと引きずり込む。安岡が高知への引越に伴い脱退し、いつの間にか内野正登(moools)が加入。現在に至る。最新アルバムは2011年リリースの『The Shimmer』。

【TADZIO】

 リーダー(g, vo)と部長(ds, vo)から成る爆音ハードコア・ポップ・バンド、TADZIO(タッジオ)。 2010 年に活動を開始。2011年、1stアルバム発売。ロック、メタル、ハードコア、ガレージ等々、さまざまな要素が入り混じった独創的なオリジナル全11曲をすべて一発録り。ゆらゆら帝国やギターウルフなどを手掛けてきた中村宗一郎(ピースミュージック)のマスタリングにより、凶暴であ りながらも小気味よく、繰り返し聴きたくなるサウンドに仕上がっている。UKのSPINE TVでの特集や、イタリアのFAR EAST FILM FESTIVALに出演など、海外のフォロワーも急増中。現在、2ndアルバムを制作中。



【uri gagarn】

 威文橋(イブンキョウ)が中心となり結成。2004年に1st『(無題)』を初恋の嵐やSPARTA LOCALSなどを輩出したMule Recordsよりリリース。翌年2nd『no.1 oracle』を自主レーベルaLPs(アルプス)よりリリース後、メンバーが脱退。2009年にex-nhhmbaseの英(ba)、カワムラ(dr)が加入し活動を再開。2013年1月、実に8年ぶりとなる3rd『my favorite skin』をaLPsよりリリース。エンジニアに君島結(Tsubame Studio)を迎え、オープンリールテープを用いてダイナミズム溢れるバンドサウンドを録音。マスタリングはSonic Youth、Jawbreaker、Primus、Superchunk等との仕事で知られるJohn Goldenが担当し、さらに爆発力の増した一枚に仕上がっている。現在、次の作品に向け制作準備中。



ele-king presents
PARAKEET Japan Tour 2013
special guest : THE GIRL

9/5 (木) 渋谷O-nest (03-3462-4420)
PARAKEET / THE GIRL
special guest : uri gagarn
adv ¥3,800 door ¥4,300 (+1drink)
open 18:30 start 19:00
チケットぴあ(Pコード:205-168)
ローソンチケット(Lコード:74729)
e+

9/6 (金) 名古屋APOLLO THEATER (052-261-5308)
PARAKEET / THE GIRL
adv ¥3,800 door ¥4,300 (+1drink)
open 19:00 start 19:30
チケットぴあ(Pコード:205-387)
ローソンチケット(Lコード:42027)
e+

9/7 (土) 心斎橋CONPASS (06-6243-1666)
PARAKEET / THE GIRL
adv ¥3,800 door ¥4,300 (+1drink)
open 18:30 start 19:00
チケットぴあ(Pコード:205-168)
ローソンチケット(Lコード:56704)
e+

9/8 (日)「BON VOYAGE ! 〜渡る渡船は音楽ばかり〜」
尾道JOHN burger & cafe(0848-25-2688)、 福本渡船渡場沖船上
PARAKEET / THE GIRL / NAGAN SERVER with 韻シスト BAND / ウサギバニーボーイ他
adv ¥3,500 door ¥4,000 (渡船1day pass付 / +1drink)
open / start 12:00
ローソンチケット(Lコード:66873)*7/6よりチケット発売
主催:二◯一四(にせんじゅうよん)
共催:Buono!Musica!実行委員会
後援:尾道市、世羅町、尾道観光協会、世羅町観光協会、ひろしまジン大学、三原テレビ放送、中国放送
協力:福本渡船、ユニオン音楽事務所
INFO : 二◯一四(にせんじゅうよん)080-4559-6880
www.bon-voyage.jp


new! 【追加公演】
9/10 (火) 渋谷O-nest (03-3462-4420)
PARAKEET / toddle / TADZIO (この日のTHE GIRLの出演はございません)
adv ¥3,800 door ¥4,300 (+1drink)
open 18:30 start 19:00
チケットぴあ(Pコード:209-089)
ローソンチケット(Lコード:71161)
e+


*尾道公演を除く各公演のチケット予約は希望公演前日までevent@ele-king.netでも受け付けております。お名前・電話番号・希望枚数をメールにてお知らせください。当日、会場受付にて予約(前売り)料金でのご精算/ご入場とさせていただきます。


主催・制作:ele-king / P-VINE RECORDS
協力:シブヤテレビジョン ジェイルハウス 二◯一四(にせんじゅうよん)
TOTAL INFO:ele-king 03-5766-1335
event@ele-king.net
www.ele-king.net

PARAKEET / PARAKEET

PCD-18746
定価¥1,995
Release:2013.7.3
歌詞・解説付
解説:佐藤一道(Monchicon!)

Amazon

01. Tomorrow
02. Toumono
03. Bananafish
04. Shonen Hearts
05. Paper, Scissors, Stone
06. Hiccups
07. She Wants To Eat Meat
08. Darumasanga
09. Campaign Against Torpidity (No Wings Fins or Fuselage カヴァー)
10. Restless (Gumball カヴァー)
11. Don't Want To Know If You Are Lonely (Hüsker Dü カヴァー)

Unhappybirthday - ele-king

 テープのときには、絶妙にテープなアートワークだった。今回ヴァイナルで出直した『サーアップ』がジャケットを変えているのは、もちろん気分の問題でもあるだろうけれど、もとのデザインが12インチにそぐわないと判断したからではないだろうか。茶目っ気のあるコラージュにはマイ・ミックステープといった趣があって、どれをとっても素晴らしい〈クラッシュ・シンボルズ〉のテープ・アートワークスを象徴している。同じコラージュとはいえ、ヴェイパーウェイヴが虚無的な態度で遠回りに世界を肯定しているのに対し、彼らのほうはずいぶんと素朴なやり方だ。

 アンハッピーバースデーはドイツの3人組。ヴィスマールという小さな町の出身で、そこのレコード屋で「ザ・レインコーツやヤング・マーブル・ジャイアンツやユニッツ」などに触れながら育ったそうだ。素敵にマイペースな話である。東京にジェシー・ルインズがいるように、ドイツにアンハッピーバースデーがいる、というところだろうか。音は驚くほど〈キャプチャード・トラックス〉、というかブランク・ドッグスの系譜で、なぜ彼らが埋もれていたシューゲイザーの発掘作業に余念がないかということにひとつの解答を与えるように、ロマンチックなシューゲイズ・ポップをポストパンクなマナーでフラクチャーしていく。シットゲイズとダークウェイヴがとても品よく出会っているように感じられるのはドイツ語のためだろうか? しかしレーベルの紹介にあるように「文字どおりのニュー・ジャーマン・ウェイヴ」とするのは早計で、かの国でそうした機運があるならともかく、おそらく彼らは〈キャプチャード・トラックス〉等の面々と同じような距離感でニューウェイヴなりシンセ・ポップなりノイエ・ドイチェ・ヴェレなりに向かいあっている。そうでなければこのシットゲイズなガレージ感やマイ・ブラッディ・ヴァレンタイン、ジーザス・アンド・メリーチェインのようなUKインディが参照されることはないだろう。参照、というまでもなく、ただ常日頃われわれも彼らも同じような環境下で同じようなものを聴き、愛しているということに過ぎない。曲名がすべて英語なのも同様の理由であるように思われる。"グリマー"の性急なビート、"アノラック"の切なくエモーショナルなメロディは、エレクトロニックなクラウド・ナッシングスとも言えるかもしれない。ふだん「USインディ」と呼んでいるような音を、たまたまドイツのバンドがやっている、そんなところである。

 〈クラッシュ・シンボルズ〉はブラックバード・ブラックバードやミリオン・ヤングなど、チルウェイヴやベッドルーム化されたバレアリックとでも言うべき2010年代のドリーム・ポップの一端をつかまえている。そして今回ヴァイナル盤をリリースした〈レーベンスシュトラーセ〉のカタログには、サン・グリッターズやザ・ベイビーズ、スロウ・マジックなどが並ぶ。さらに今年になって出たカセットEP『クラーケン』は〈ナイト・ピープル〉から。こちらはご存知のとおりダーティ・ビーチズからラクーン、ピーキング・ライツ、ショーン・レザーなど良質なエクスペリメンタルを多数提供している。まさにヒプナゴジック/サイケデリックのエッセンスとガレージ/エレクトロニックをわたる方法とが2010年前後のモードで交差するポイントに浮かび上がった、今日のポップスの最良の成果のひとつだと言えるだろう。
 1曲、といわれれば"モーリー"だろうか、"インヴェイジョン"だろうか。"モーリー"には少しピクシーズの面影もある。人生のうちのこの27分間がとても大切な時間であるように......砂時計のような質量をともなって感じられる。
 ちなみに〈レーベンスシュトラーセ〉盤は2曲多く収録されている。

 東京の幡ヶ谷にある異空間「LOS APSON?」が恵比寿リキッドルームの〈KATA〉で、大々的にTシャツ販売大会を実施する。これがとんでもないメンツだ。日本のストリート・カルチャー/アンダーグラウンド・シーンの総決起とも言えるような内容になっている。本格的な夏に向けて、Tシャツを買うならいましかない。そして、少数しか作られない格好いいTシャツを探すなら、ココに行くしかないでしょう。坂本慎太郎のzeloneのTシャツから五木田智央、ヒップホップのWDsoundsやBLACK SMOKER RECORDS、COMPUMA等々、「LOS APSON?」から送られてきた以下の資料をじっくり読んで、その参加者の膨大なリストに驚いて欲しい。

(以下、資料のコピペです)

 白い~マットのジャングルにぃ~、今日もぉ~嵐が吹き荒れ~るぅ~♪ということで、おまんた?アゲイン!!! 今年2013年も"T-SHIRT! THAT'S FIGHTING WORDS!!!"の季節が、遂にやってまいります! 回を重ねるごとに出品参戦者も続々と増え、闘魂バトル・デザイン壮絶!あの手この手のアイデア空中殺法!Tシャツのみならずの場外乱闘!十六文キックに卍固め、サソリ固め、ラリアットに、バックブリーカーに、スピニング・トーホールド、そしてマイナーな?決め技、人間風車まで飛び出す始末!!!(なんのこっちゃ...暴走しすぎ。。。) そんな、ストロング・スタイルから金網デスマッチまでをも網羅したような総合格闘Tシャツフェアが、この"T-SHIRT! THAT'S FIGHTING WORDS!!! 2013"なんですっ!!! そして今年は、なんと!なんと!あの革新邁進画家!大竹伸朗氏(宇和島現代美術)が、バ・バ・バーーーンと遂に参戦決定!!! Tシャツ虎の穴から大本命現れる!みたいな感じで、オジッコちびりぞぉーーー!!! Tシャツフェア参戦者達をゾクゾク・ビンビンに震撼させています! 我がロスアプソン・チームは今回、開店当初からお付き合いさせて頂いているSAMPLESSさんにデザインを入魂オーダー!めちゃんこカッコイイ(自我自賛!)3パターンのTシャツを取り揃えました!!! こりゃ、Tシャツフェア史上における記念メモリアルイヤーになりそうです!!! さあ~それでは、そんな特濃3日間に無くてはならないDJミュージック・プレイヤー達を紹介してまいりましょう! 初日は「GRASSROOTSな夜ぅ~」と題して、"ミュージック・ラバー・オンリー"を掲げるGRASSROOTSのオーナーINSIDEMAN a.k.a. Qと、MIX CD「Crustal Movement Volume 02 - EL FOLCLORE PARADOX」も好評のワールド・パラドックス・ハイブリッド・ミキサーShhhhh、そして女性アーティスト集団WAG.からオヤG達をも唸らせる選曲ムードを醸すLIL' MOFOが参戦! 中日は、酔いどれトロピカル・ハウス・パーティー「細道の夜ぅ~」で、Tシャツフェアでも毎年大人気!お馴染みの373&DJ DISCHARGEと、ALTZのレーベルALTZMUSICAからリリースしたMIX CDが早々に完売したマジカル・オーガニック奥様bimidoriの細道トリオが集結! そして、最終日は異種格闘バトルよろしく、トリップ・ストレッチングMIX「UNWOUND MIX」が大ロングセラー中のBING、ぶっトバしにかけては現在最高峰のDJ!アシッド夢芝居テクニシャンのKEIHIN、キュートなサイケデリックHIP HOPにファン急増中のDJ Highschool、そして私ロスアプソン店主ヤマベの4人にて、一時間ごとにムードがガラリと変貌するミル・マスカラス的?異空間を楽しみながら、Tシャツ争奪に参戦して頂ければ幸いです!!! 3日間の会期中はTime Out Cafe & Dinerスペースにて、お食事&喫茶&お酒を飲んだり出来るのですが、最終日には、ロスアプソン西新宿店時代に毎日モニターで流していたPOP実験映像、'80sブレイクダンス、レア・ベルベッツ、あるバンドの解散コンサートetc.を収録した伝説の?7時間ビデオの特別上映もありますので、お買い物参戦に疲れたらダラリとそちらの方も鑑賞してみて下さい。さあ!さあ!さあ!ゴングが打ち鳴らされる時が迫っています! 今からしっかりと準備万端、走り込み&うさぎ跳びなどをして体力をつけて、ご来場下さいませっっっ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
(山辺圭司/LOS APSON?)

2013.6.28 (fri) ~ 30 (sun)
at KATA
(東京都渋谷区東3-16-6 LIQUIDROOM 2F)
https://www.kata-gallery.net/
open 15:00 close 22:00
Entrance Free!!!

〈参加アーティスト/ブランド〉
LOS APSON?, 宇和島現代美術(大竹伸朗), 五木田智央, SAMPLESS, zelone records, SEMINISHUKEI, Vicinity, DJ Discharge, 373, KIZM, GRASSROOTS, KLEPTOMANIAC, JOJI NAKAMURA, 86ed, BLACK SMOKER RECORDS, HE?XION! TAPES, THE GODS ARE CRAZY, SONIC PLATE, COLORgung, DMB PRODUCTION, DREADEYE, PARANOID, COSMICLAB, COMPUMA, hentai 25 works, MANKIND, Ackky, 威力, TACOMA FUJI RECORDS, TARZANKICK!!!, TOGA, TRASMUNDO, BOMBAY JUICE, BREAKfAST, BATH-TUB OffENDERS, MGMD KRU, 2MUCH CREW, chidaramakka by syunoven, 大井戸猩猩, 植本一子, VINCENT RADIO, WACKWACK, WDsounds, WENOD RECORDS, WOODBRAIN/水面花木工, word of mouth, Akashic, BLACK SHEEP, 4L, chill mountain, DEATH BY METAL / galeria de muerte, ESSU, ExT Recordings, FEEVER BUG, 2YANG, 37A, FORESTLIMIT, GEE, KEN2-DSPECIAL, MAGNETIC LUV, MidNightMealRecords, MOWHOK ART SHOP, nightingale, noise, SLIMY MOLD HEAVENS, SpinCollectif TOKYO, STRANGER, SUMMIT, TUCKER, LIQUIDROOM and more!!!

〈追加アーティスト/ブランド〉※6月22日現在
コトノハ, dublab.jp, STRUGGLE FOR PRIDE, INDYVISUAL, ヨロッコビール, DogBite, amala, 前田晃伸, RWCHE, SWOW Backshelter Lab.

〈DJ Time/17:00~〉
6.28 fri
「GRASSROOTSな夜ぅ~」
DJ: INSIDEMAN a.k.a. Q, Shhhhh, LIL' MOFO

6.29 sat
「細道の夜ぅ~」
DJ: 373, DJ DISCHARGE, bimidori

6.30 sun
「異種格闘でバトルな夜ぅ~」
DJ: BING, KEIHIN, DJ Highschool, ヤマベケイジ

more information
https://www.losapson.net/tshirtfair/
https://twitter.com/losapson



Rainforest Spiritual Enslavement - ele-king

 ポストパンク的見地で言えば、音楽ジャンルにおけるインダストリアルとは工業や産業のことではない。大量に売られるハッピーな音楽なんてもんは産業というメタファーが相応しく、大量生産された商品に過ぎないというアイロニーであり、批評であり、言葉を額面通りそのまま受け止めるなよというシニカルでニヒルなモノの見方を意味する。有名な「Industrial music for Industrial people」とは、皮肉たっぷりの虚無的なその表現が重要なのだ。「ロック」と言われたとき「ロック」しか思いつかないこととは別の思考回路について、ポストパンクは実験した。インダストリアルをポストパンク的に意訳するなら「ディストピア」とか「さかしま」とか、そうしたニュアンスだ。
 インダストリアルがゴシックやダーク・アンビエントと結びつくのは、とにかくそんな事情による。意味するところは、さかしまの音楽であり、道理に背くデカダンスであり、陰翳礼賛だ。昨年〈ホスピタル〉からリリースされたレインフォレスト・スピリチュアル・エンスレイヴメント(熱帯多雨林の精神的奴隷化)のEPが〈BEB〉から再発された。インダストリアルとは現実の世界の荒れ方に呼応している音楽だと、昨年の紙ele-kingで取材したときにデムダイク・ステアは喋っているが、明るさばかりを賞揚する文化によって失われた影を取り戻すのがこの音楽なのだ。

 ワニと不気味な人面というレコジャケが、この音楽の暗喩となっているが、僕がこの12インチを聴いて思い出したのは、「おまえは雨だ」のナレーションで有名な、故ピート・ナムルックとドクター・アトモの『サイレンス』(1995年)。あの作品と同じように、RSEのこれでも雨の音が効果的に入ってくる。当時、三田格はあの雨の音はチェルノブイリを想起させる仕掛けになっていると解釈したが、『サイレンス』は時代性を思えばずたしかに重々しい作品で、今日ダーク・アンビエントと呼ばれる音楽の先走りとなっている。
 RSEの雨はさらにひどい土砂降りだ。いまどきのサブベースが地響きを上げて、暗い影を歓迎している。川の底のワニのうごめきを想起させる音は、彼らの生息領域を主張しているようだ。そして自然を恐怖に感じる。自然と分離した人間を自然に戻そうとするマーク・マッガイアとは同じカードの裏表かもしれない。こちらは何をいまさら自然に戻れるかと言わんばかりに、荒廃を荒廃として見せることにエネルギーを使っている。それがインダストリアルってもんだからだ。

interview with Mark McGuire - ele-king

 マーク・マグワイヤはここからだ。彼の名がクレジットされた楽曲は膨大に存在するが、それらはいま、この『アロング・ザ・ウェイ』から、新しく光を当てられることになるだろう。エメラルズを脱退してのソロだから、ではない。彼が、彼のやるべきことを見つけたからだ。長い人生が何のためにあるのかを知る機会は少ないが、とくに意味がないようにも思われるその連続が、ある一点から一気につながっていくということが起こらないともかぎらない。マグワイヤにはきっと、そのときがめぐってきている。......そう熱と感動を込めて言い切ってしまう理由は、以下のインタヴューのなかに示されている。


Mark McGuire
Along The Way

Yacca

Review Amazon iTunes

 『ダズ・イット・ルック・ライク・アイム・ヒア?』(2010年)のリリースによって、アメリカ中西部のアンダーグラウンドなノイズ・シーンから世界へと飛び出し、クラウトロックをモードにしてしまった時代の寵児、エメラルズ。そのエメラルズ解散後初のリリースとなる今作『アロング・ザ・ウェイ』は、愛と生命をめぐる彼の哲学が4章にわたって開陳・展開された大作だ。自身による長文の解説(原文はさらに長いという)も付されており、明確にコンセプトと目的を持った作品であることがわかる。まさか彼がこれほど言葉で思考し、語る人間だとは思わなかった。聴かれるかたは必ず読んでみていただきたい。オマケのライナーなどというものではなく、むしろこのメッセージのために本作が編まれているということがありありと理解されるだろうから。

 「スピってる」......とはたしかに言った。言ったし、いまもそう思う。本作のテーマについて筆者が100パーセントの理解と賛同を示すことはないだろう。アラン・ワッツの名にもちょっと戸惑ってしまう。けれどまったく笑おうとも否定しようとも思えない。ひとはひと、ということでもあるが、やはりこのアルバムに力があるからだ。

 音楽をやる人間が言葉で説明してしまっていいのか、という批判もあるかもしれないが、彼にとっては今回、音も言葉も同じものだったのだろう。マグワイヤの目的は彼のメッセージを伝えることにある。ダメなのは言葉で目的の欠落を補足しようとすることだ。何をするべきかということそのものの軸がしっかりとあるかぎり、音が弱まることはない。自分の持てる能力をすべて使って彼は彼の思う「愛」のなかだちになろうとしている。

 そして、彼がこれまでテーマにしてきた家族のモチーフについても興味深い話が聞けた。以前のインタヴューでも同様のことを訊いているのだけれども、まったく回答の角度が違う。というか、まさにいまそれらが明瞭にひとつの線としてつながったという印象だ。"ザ・ヒューマン・コンディション(ソング・フォー・マイ・ファーザー)"は彼のすべての音楽を――パッケージされた彼のソロ作ばかりではなく、友人に手渡ししたテープやCD-R、PCにストックされた没音源などもふくめたすべてを――光の線にする。

 マニュエル・ゲッチングがどうとか、エフェクターがどうとか、そういうことは突如としてどうでもよくなってしまった。シンセを用い、音色を増し、ビートを入れ、ストレートに歌う今作の直接性を、筆者は称えずにはいられない。
(ちなみにそのあたりもいろいろと訊いていたのだけれど、ほとんど答えらしい答えが返ってこなかった。)

人間はただそれにタッチするだけでいいはずなんです。現実と愛といまの瞬間とは、同じようなものだと思います。いまの瞬間だけがリアルなもので、愛も同じです。それしか存在しません。

バンドを離れたことと関係あるかもしれませんが、今作『アロング・ザ・ウェイ』には音楽的にも吹っ切れているというか、思い切って新しいことができているようなところがあるんじゃないかと思いました。

マグワイヤ:去年から、ギターだけで表現していくことの壁にぶつかったような気がしていて、もう少し他のテクスチャーを新しく加えていきたいなという気持ちになりました。そこからシンセを購入して、いろいろと実験をスタートさせたり、他の要素をどんどん取り入れていったりしましたね。今回のアルバム制作に関しては、とくに自分にリミットを設けたりせずに、フリーな感じで、どんな音でもアリにしたいっていう気持ちだったんです。LAのスタジオに住み込んでいたんですが、そこにはたくさんの楽器もあったので、環境としては恵まれていたと思います。でも、いまアルバムを聴き返すと、いままで自分がやってきたことの延長ではあるけど、少し自由で実験的な気持ちがあったんだなということがわかりました。

シンセを購入して本格的に触るようになったのは今回が初なんですね。

マグワイヤ:エメラルズのときももちろん触ることはあったけど、やっぱり役割としてギターだったので、1年半くらいですかね、今回初めて自分のシンセを買っていろいろ勉強することができました。いままではギターの音を加工することからスタートしていたのが、スタートがギターじゃなくなったことで、ちょっと解放されたようにも感じます。去年の夏、映画のサントラを作っていたときに、シンセやドラムマシンのプログラミングとかを本格的に学ぶようになっていたので、それが自然と自分のアルバムにも反映されるようになりました。もう少しレンジのあるサウンドが欲しかったんですよね。そういうシンセの作品は、最初はネットでフリーでリリースしたんですが、今回のアルバムはいま挙げていったようないろいろな実験や要素を合成して作った作品ですね。EPはほんとに実験で、手探りな感じがありました。今回はそれをもっときちんとした形にしたものです。

なるほど。いろんな要素が入りつつ、でもこれまでやってこられたことの集大成という感じもしたんです。この作品のご自身の注釈に「愛というのは生命の認識である」という言葉がでてくるんですが、ある意味でそれは、これまでもずっとあなたの作品に感じてきたことでもあります。それを今回はわざわざこれだけの長文に書き起こし、4つに章立てて明示されたわけですよね。このコンセプトの立て方についておうかがいしたいです。

マグワイヤ:アルバム制作がはじまったのはちょうどそのサントラを作っていたときで、そのとき考えていたのは『リヴィング・ウィズ・ユアセルフ』のときにあったコンセプトをもうちょっと広げたいということだったんです。『リヴィング~』はナラティヴな作品というか、ちょっとしたストーリーのある作品でしたから。これを次の段階に持っていきたい、もっと奥行のあるものにしたいという思いがありました。ここ数年は、心理学と哲学をまた勉強しはじめていて、本で得たアイディアなどを成熟させたコンセプトがこのアルバムの中心になっているんですね。それは僕自身の宇宙や生命への考えでもあるんですが、同時にある程度普遍的なものでもあると思っていて、音楽もそんなふうに壮大に表現できていたらいいなと思います。
 この作品では、人生を通してあるひとりが遂げていく成長を旅のように描いているんですが、それは彼自身の成長であるとともに人類全体の旅でもあるということなんです。パーソナルかつユニヴァーサルというのが今回のコンセプトでもある。
 それから、このテキストのなかには愛についても記してあるんですが、愛とはどういうことか、というような問いに対しては、みんなそれぞれにあらかじめ持っている観念があるはずだから、誤解されることもあると思います。ですが人々は互いにつねに人生のなかで誤解しあっている部分もあって、それもひとつの人類のストーリーですね。みんな同じことを目指して、同じ夢や欲望を抱いている――同じ旅をしているにもかかわらず、お互いが通じないでミスっている部分とか、同じ言葉を話しているのに違う言葉を話しているというようなことがあります。
 愛というのは、単純なロマンスという意味ではなくて、もっと深みのあるものです。人間がいないくても存在しているようなものですね。ちょっとヒッピーっぽいというか、フリー・ラヴの思想に聞こえてしまうかもしれませんが......、でも、人間はただそれにタッチするだけでいいはずなんです。現実と愛といまの瞬間とは、同じようなものだと思います。いまの瞬間だけがリアルなもので、愛も同じです。それしか存在しません。そういうことをこの作品では言っています。

解説部分でもそのように書いておられましたね。「パーソナルかつユニヴァース」というお話がありましたが、たとえば、育った環境や前提がぜんぜん違う者同士が、いかに隣り合っていっしょに生きていくことができるのか、これは長らくアメリカという国に突きつけられてきた問題でもあると思います。こうした少し生々しい問いや例に対して『アロング・ザ・ウェイ』はあなたなりの回答を示そうとしたのかなと思ったのですが、あなたの書かれている壮大な例と、こうした生々しい問題とはどう関係しますか?

マグワイヤ:アメリカだけではなく、世界全体で人々は打ちつけられていると思っています。人類と自然、宇宙は、本当は同じひとつの生命なのに、それをむやみに切り分けようとしていて、そこでいろいろな問題が発生しているように見えるんです。人間が自然の一部なのではなく、自然外のものとして生きているような感じ。僕には助けを求める悲鳴が聞こえるような気がします。このアルバムは、けっして政治的なコンセプト・アルバムではないんですが、やっぱりそういうことを考えながら作品を作ってはいました。
 人々は真の生き方から遠く離れたところにいます。人生の意味を僕なんかが理解していると思っているわけではありませんが、社会とか政治とか階級分けとかによって本来ひとつであるべき自然と宇宙と人間を分離させると、どんどん共存から遠ざかって、ひとりひとりが引きこもったような生き方をすることになり、どんどん孤独になっていくように思います。アメリカだけではない問題ですけど、アメリカは巨大なメディアを通じていろいろな情報を世界に発信しているわけなので、責任が大きいと思っています。"ザ・ウォー・オン・コンシャスネス"という曲ではまさにそういうことを歌ってるんです。「ウォー・オン・テロリズム」とテレビやメディアではよく言われていますが、僕はむしろ人々の思考との戦争だと思います。いかに麻痺させるか、いかに衝撃的な映像などで思考停止させるか、その恐怖やトラウマによって人の心をバラバラにするか......。ほんとはみんなつながっているのに。
 このアルバムでは、そういう生き方じゃなくていいんだよということをメッセージとして持っているつもりなんです。愛を持った生き方としていいんだという、それが僕の思いです。

なるほど。その......、音にも驚くところは多かったんですが、それよりも、あなたがこんなに言葉で表現する方だったのかということになお驚いたんです。

担当者S氏:(小声で)もっと長いんですよ!

えっ、なるほど(笑)。何というか、ギターに人格が備わっているんじゃないかというくらい、とても雄弁なスタイルをお持ちなので、ほとんど「ギターの精」みたいに思っていたんです。人の言葉ではなくギター語で話す、というような方なのかなと......。一方的ですみません! でも演奏に長けた方が、言葉で語ることをよしとしなかったりすることもあるなかで、あえてここまで長い文章できっちりとコンセプトを示すというやり方を選択されたのは、それだけ思いが強かった、伝えたいことだった、ということなんでしょうか?

マグワイヤ:そうです。今回はヴォーカルや歌詞もひとつの要素として必要性があったと思います。今回伝えたかったアイディアやコンセプトは、とても具体的なものなので、インストゥルメンタルな音楽だと誤解されやすい......これはハッピーな曲だと思って作ったものを、誰かが聴いて全然違ったふうに考えるかもしれない、そういう曖昧な余地が多く残されていますよね。ダイレクトに伝えたいことを伝えてみるという挑戦でもあったので、歌詞とヴォーカルとテキストを採り入れることにしました。
 前もって決めたことだというわけでもなくて、曲を書きながら出てきたものでもあります。言いたい言葉は無限に出てくるので、それをコンパクトにまとめるのが難しいですね。

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父には9人の兄弟がいて、そのなかで男の子が7人、狭い家に11人で暮らしてきたので、彼らが集まるとすごいエネルギーのかたまりになるんですよね。

では、もうちょっと細かい部分についてなんですが、冒頭はすごく東洋的でメディテーショナルなアンビエント・トラックからはじまるんですが、その部分はパーカッションも含めてとても新鮮でした。"アウェイクニング"というタイトルは、あなたの言う「愛」への目覚め、覚醒、という意味なんでしょうか?

マグワイヤ:まさにその通りです。"アウェイクニング"というのは、生まれる瞬間のことを言っていて、人が初めて自然に触れて、愛に目覚めるということを表しています。東洋的なモチーフに対し、西洋の楽器が合わさりますね。2曲めに入ると、もう少し楽器が合わさって、一体化していくというふうになっています。あと、去年日本に来たときにすごく刺激を受けました。そこで目覚めたこともたくさんあります。

音もそうだったので、東洋の思想に影響を受けるところもあったのかなと思ったんです。日本で受けた刺激というと、どういうものなんですか?

マグワイヤ:「シオソフィ(Theosophy)」という、哲学と神学を合わせたような考え方があるんです。それは例えば、西洋から見た東洋の宗教だったり、ヒンズー教だったり、禅だったりの研究でもあるんですが、そういった本を読むなかでつねにインスパイアされるものがありますね。アラン・ワッツの本なんかは大好きです。そこからいろいろ読んで、解釈して、自分の考えと混ぜています。日本で強く感じたのも、いろいろな宗教が、元は同じところから来ているんじゃないのかなということでした。

そうやって章が進み、パート1、パート2ときて、パート3へと進むわけですが、この"ザ・ヒューマン・コンディション"というのが素晴らしいなと思いまして。何が素晴らしいかというと、あのアットホームなパーティーのヴィデオのサンプリングですね。たぶん昨日のライヴ(2013.5.10@東京 UNIT)で流れていたと思うんですが、きっとお父さんのご兄弟やご親戚が集まったパーティか何かの模様だと思うんですよ。皆さんまだ若い頃のもので。(※筆者註 その音声が大幅に使用されたトラックが"ザ・ヒューマン・コンディション")あの映像を眺めるあなたの視線のなかに、あなたの考える「愛」のひとつのヴァリエーションがあったんだろうなって思うんですが、あの音声サンプルを使用した理由を教えてもらえませんか?

マグワイヤ:まず、そうですね、その音源とライヴで使用した映像とは同一のものです。父のお祝いのパーティなんです。父には9人の兄弟がいて、そのなかで男の子が7人、狭い家に11人で暮らしてきたので、彼らが集まるとすごいエネルギーのかたまりになるんですよね。それはポジティヴな意味でも、ネガティヴな意味でも。すごくおもしろい集まりで、使用した場面は、兄弟みんなが父親を褒めたり、からかったりするところですね。
 このヴィデオは家の地下室で見つけたんです。そしてそれを妹と初めて観たときすごくエモーショナルになって、とても最後まで観れないくらいの感情になったんです。とても......ヘヴィに感じて。あれは25年くらい前の映像なんですが、あのときからいままでの25年という時間、いったいどれだけのことがあったんだろうと思ったんです。時間の流れってすごいなと。しかもその時間のなかで、遺伝子ではなく体験によって結ばれるお互いの関係を見て、人類のメタファーのように感じました。それで、この場面を曲の要素として取り入れたわけなんです。人の魂は、人生のなかでとても辛い思いを経験したりもするけれど、お互い同じような辛さを抱えているわけだから、人間関係によってお互いを癒したり癒されたり、励ましたり、愛したりしながらつながっていけばいいなと思ったんです。

なるほどなあ。最初は映画作品なのかな? と思ったくらい素晴らしい映像で、わたしも本当に涙が出そうになったんです。ただ、食事会の様子を撮っているだけなんですけどね......8ミリとかで。何だろう......素直なラース・フォン・トリアーというか......。
 わたしは今回の作品がもうひとつ持っている顔として、『リヴィング・ウィズ・ユアセルフ』のつづきというか、完全版なのかなというふうに思っていたんですね。あの作品も妹さんへの曲とか、弟さんへの曲とかが収録されていて、家族の声のサンプリングにはこだわられてきたのかなという印象がありました。
 家族をこんなに正面からとらえる音楽作品って、めずらしいなと思うんですよね。子どもの声が入ってたり、人々の声が入ってたりということはよくある方法ではありますが、それが家族という焦点を持つことが、あなたのひとつの特徴じゃないかと思うんです。

マグワイヤ:おっしゃったように、今回の作品は、あの作品のつづき、2作めといった感じなんです。でも、家族をテーマにすることは自分にとって自然なことでもありました。普段の生活のなかで家族はかけがえのないものです。自分の音楽は、自分をもっと深く知るということを追求しているので、自分の根っこにある家族について考えることはとても重要だと思います。ダスティン(・ウォング)とも昨日話していたんです。ポジティヴに聴こえるサンプルも多いと思うんですが、家族の関係がいつもポジティヴであるわけではない。お互いがお互いの関係によっていろんな経験をしているわけだから、そこには奥深いものが生まれてきます。
 数年前、家族は少しバラバラな状態にあったんです。でも、僕が音楽を作っていることがきっかけで少し仲良くなった。......バラバラじゃなくて家族として少し関係が強くなったんですね。だから人類全体のメタファーとしてもアリなのではないかなと考えました。今回の音楽で、バラバラになっているものが少しつながればな、と思います。

すごくいいお話が聞けました。家族がバラバラだったこともあったんですね。でも映像だけ独立してても、これは素晴らしいものだと思います。

マグワイヤ:僕もそう思います(笑)。

ええ(笑)。さて、このジャパン・ツアーではお寺も回られてますね(2013.5.1 新潟 正福寺)? お釈迦様の前で爆音で演奏されたとか。そのときのことを聞かせてもらえませんか?

マグワイヤ:あれはこれまでライヴ等で経験してきたなかでも、一番といえるものでした。最初にお寺に着いたときには、さすがにライヴ・セットを変えなければならないかなと思ったんです。その......、建物の雰囲気や構造的に。この環境に合った静かな音を出したほうがいいのではないかって。でも、当初のセットでそのままやることにしたんです。結果的には正解だったと思いました。自分の音楽は、自分にとってスピリチュアルなものだから。僕はけっしてひとつの宗教を信じているわけではないんですが、仏教やヒンズー教には美しいものが残っているというふうに思っています。だからお寺で演奏するのは、教会などでやることよりも感動しました。住職さんが踊っていらっしゃったということを聞いて、感謝でいっぱいでした! 自分の音楽に意味があるのだという気持ちになったというか。住職さんや、ここの環境に受け入れられたんだなと感じられたんです。

ああ、それは本当に観たかった! このアルバムのツアーというタイミングはまさにジャストでしたね。......何か次に見えているヴィジョンなどはありますか?

マグワイヤ:すごく長い時間をかけて作ってきたものなので、まだこのなかにいたいな、と思いますね。ちょっと疲れもありますしね(笑)。

マグワイヤ自身によるMV"In Search of the Miraculous"。
『Along The way』冒頭から3曲が使用されている。

Chance The Rapper - ele-king

 チャンスラー・ベネットは、高校在学中、10日間の停学期間に作りあげた昨年のミックステープ『10デイ』(まんまやん! ちなみに、タイトルは『#10Day』とも『10 Day』とも表記される)のリリースによってその名をインターネットの大海に轟かせた。『10デイ』はみるみるうちに話題となり、4万ダウンロードを記録。常に紫煙をくゆらせ、アシッドを心から愛するこの恐るべき子どもは、チャンス・ザ・ラッパーというステージ・ネームを名乗っている。

 『10デイ』のヒットや、ジョーイ・バッドアスらとのコラボレーションで話題を集めたチャンスは、『XXLマガジン』の毎年選出しているフレッシュメンの2013年版にノミネートされる(惜しくもトップ10フレッシュメンには選ばれなかった)。大いなる期待と前評判でリリース前から早くもネット上にバズを巻き起こすなか、4月末に『アシッド・ラップ』はリリースされた――結果、このミックステープはリスナーの期待を上回るどころか、期待のはるか上空を一息に飛び越えてしまった。ソウルフルで泥臭く、肯定的なパワーに満ちた、ユニークな大傑作の誕生である。

 チャンスは、風の街シカゴのゲットーを力強く生き抜いた成り上がりのラッパー、というわけではなく、大学を卒業した両親(なんと政府関係の仕事に就いているという)の元で育ち、一流のプレップ・スクールに通っていた。彼はそこで、小学生の頃から抱いていたミュージシャンになる夢を教師から馬鹿にされ、両親からは大学進学を執拗に強要される息苦しい高校生活を強いられていた。
 チャンスを開放したのは、ラップ・ミュージックを聴くことであり、オープン・マイクのイヴェントにおいて聴衆の前で詩のパフォーマンスをすることであった。「オーディエンスの前に立ち、ストーリーを語って聴かせることは、僕を気持ちよくさせてくれるんだ。(中略)僕にとって、パフォーマンスはラッパーであることの大部分を占めている。自分のストーリーを聴衆に向かって叫ぶことは、なにものにも代えがたい感覚だね」と、彼はインタヴューで語っている。マイケル・ジャクソンに心酔していたということからもわかる通り、チャンスは根っからのエンターテイナー志向だ。『アシッド・ラップ』で活き活きと歌うようにラップする彼の力強い姿に、『リーズナブル・ダウト』のジェイ・Zや『カレッジ・ドロップアウト』のカニエ・ウェスト、あるいは『ザ・スリム・シェイディ LP』のエミネムを重ねてしまう者が多いのも無理はないだろう。それほどのカリスマを、あるいはさらに逞しく成長していくだろうポテンシャルを、チャンス・ザ・ラッパーは感じさせる。

 そしてもうひとつ、彼の生を開放した重要なものがある。それは(もちろん)アシッド――つまり、LSDである。「山ほどドラッグをやって、母校にいたときよりずっとうまくやっているよ」("グッド・アス・イントロ")。LSDがもたらすトリップは、チャンスの精神を解き放ち、創造的な自問自答をもたらしてくれる......らしい。『10デイ』と同様にひねりのない、そのまんまなタイトルを冠された『アシッド・ラップ』は、LSDのカラフルな幻覚なくして生まれえなかった。

 『アシッド・ラップ』の中心をなしているのはソウル・ミュージックだと言えるだろう。“プッシャー・マン”はカーティス・メイフィールドへのオマージュであるし、“ジュース”においてはダニー・ハサウェイの“ジェラス・ガイ”(ジョン・レノンのカヴァー。1972)をサンプリングしている。しかし、それは単純な懐古趣味や90年代回帰というわけではない。シカゴで産み落とされ、もはやグローバルなビートとなったジュークや、チャンスが常に比較対象にされる同郷のチーフ・キーフらによる、暴力とウィードの臭いが染み付いたドリルといった最新鋭のサウンドをも、チャンスは旺盛な探究心でもって嚥下し、しっかりと血肉化している。カニエ・ウェストのミックステープから引用したゴスペル風のコーラスとピアノ・リフ、分厚いホーンが鳴り響く“グッド・アス・イントロ”で、チャンスはジュークのビートを乗りこなしながら、独自の力強いソウル・ミュージックを構築している。“グッド・アス・イントロ”や、ミックステープの最後を飾る“エヴリシングズ・グッド(グッド・アス・アウトロ)”におけるジューク・ビートはまだまだ緊張感に欠ける発展途上のものではあるものの、トラックスマンの楽曲から匂いたつソウルフルな感覚と共通するようなダイナミズムが感じ取れる。
 『アシッド・ラップ』をソウル・ミュージックたらしめているのは、なんといってもチャンス・ザ・ラッパーその人の泥臭いダミ声だろう。発明と言ってもいいほどのこのユニークな声、そして歌うようなラップのスタイル、リズムの空隙に絶妙なタイミングで挿入される「アッ!」という叫びは、とんでもなく粗野で荒々しい――そしてソウルフルだ。チャンスのボーカル・スタイルには、オーティス・レディングの「ガッタ!」という叫び声からミッシー・エリオットのラップへと至る、ソウル・ミュージックの半世紀を一気に駆け上がるようなパワーが宿っている。あるいは、ルイ・アームストロングのスキャットや、バド・パウエルの唸り声、チャールズ・ミンガスがベースを引っ掻きながら堪らず発する掛け声といった、ブラック・ミュージックの古層の記憶を想起させるような、唯一無二の魅力的な声だ。

 若干20歳のチャンス・ザ・ラッパーが世に問うた『アシッド・ラップ』は掛け値なしの傑作と言えるだろう。ここには、ケンドリック・ラマーの『セクション・80』(2011)やスクールボーイ・Qの『ハビッツ・アンド・コントラディクションズ』(2012)、フランク・オーシャンの『ノスタルジア・ウルトラ』(2011)、エイサップ・ロッキーの『リヴ・ラヴ・エイサップ』(2011)といったミックステープに並び立つほどの魅力が、いや、それらを軽々と超えるほどの熱量がある。

世界はまたノー・エイジ! - ele-king

 2000年代末のLAのD.I.Y.なアート・シーンに起こったことを知りたいなら、「シットゲイズ」と呼ばれた感性がこの時期のガレージ・サウンドをいかに輝かせたのか確かめたいなら(そう、ゴミが妙な価値転倒によってではなくただキラキラと光ってみえた)、ノー・エイジの『ノウンズ』(2008年)を聴くしかない。いったいどちらをニュースにすればよいものやら......『ノウンズ』再発か、それとも新譜リリースか、ノー・エイジがまた動き出す!

 彼らの活動拠点であるロサンゼルスのアート・スペース〈ザ・スメル〉や、ディーンが運営する〈ポスト・プレゼント・ミディアム〉は、当時のLAのアンダーグラウンドなシーンを支え、ブルックリンのアーティなインディ・シーンにまったく引けをとらなかった。エイヴ・ヴィゴーダやミカ・ミコやラッキー・ドラゴンズ、シルク・フラワーズやハイ・プレイシズ、〈ザ・スメル〉であればギャング・ギャング・ダンスやミランダ・ジュライまでを繋げる一大アンダー・グラウンド・サークルである。

 音ばかりでなくアートワークもわすれがたい。『ノウンズ』のパッケージは、グラミー賞にて「Best Recording Packaging」部門にノミネートされたものだし、前作の『エヴリシング・イン・ビトウィーン』は、フォールドアウトのミニポスターが貼り付けられた特殊な紙ジャケット仕様。今回ももちろん特殊仕様だから、ダウンロードするよりも実際にパッケージを買うことをおすすめしたい。

 多数のライヴをこなす彼らだが、全米各地のアート・ギャラリーで演奏することも多い。2009年にはニューヨーク近代美術館(MoMA)でパフォーマンスを行っており、このことはラフでノイジーなガレージ・サウンドがアーティな佇まいを宿すことを端的に示している。

 さあ、今作は? 新曲"カモン・スティムング"(C'mon Stimmung)のストリーミングが開始された。フル・アルバムまで時間ありすぎ! 1曲じゃ我慢できないけど、聴いてみよう。



■新譜リリースだ!

オブジェクト
発売日: 8月7日(水) 日本先行発売(US:8/20)
定価: スペシャル・プライス 2,200円(税込) 
品番: TRCP-123
JAN: 4571260582132
特殊パッケージ仕様
ボーナス・トラック収録

トラックリスト:
1. No Ground
2. I Won't Be Your Generator
3. C'mon, Stimmung (リード・トラック)
4. Defected
5. An Impression
6. Lock Box
7. Running From A-Go-Go
8. My Hands, Birch and Steel
9. Circling With Dizzy
10. A Ceiling Dreams of A Floor
11. Commerce, Comment, Commence
+ボーナス・トラック収録

All songs written by No Age
All songs produced, recorded,and mixed by F. Bermudez
and No Age at Gaucho's Electronics.
Isaac Takeuchi plays cello on"An Impression"
Designed and packaged by Brian Roettinger with No Age

(p) & © 2013 Sub Pop Records

バイオグラフィー:
ロサンゼルスのインディー・ロックの聖地として現代版CBGBとも言えるユース・アート・スペース、ザ・スメル(The Smell)。そのThe Smellを拠点DIY精神に貫かれた活動を続けるバンドが、ディーン・スパント(ドラムス&ヴォーカル)とランディー・ランドール(ギター)によるノー・エイジである。英ファット・キャット・レコーズからリリースされ好評を博したシングル・コンピレーション・アルバム『Weirdo Rippers』に続くセカンド・アルバムである『Nouns』をサブ・ポップから2008年春に発表。米ピッチフォークでは9.2と破格の評価を獲得、同サイトの年間アルバム・チャート3位にも選出された。更にSPIN、ROLLING STONE、NMEなど有名主要メディアでも軒並み高評価を得て、2008年の "ロックの新しい音" を代表する1枚となった。レディオヘッドのメンバーやコーネリアスがノー・エイジのTシャツを着用するなど、話題に事欠かない。

彼らは、2005年に前身バンドのワイヴズで登場し、やがてノー・エイジとしての活動を始めると、LAのDIYなアート・パンク・シーンを守る存在として世界的に知られるようになった。その中心地点が、ザ・スメル(TheSmell)であることはいまや有名な話だが、それは、アートと生活もしくは音楽と生活がひとつになって、クリエイティヴな運動やアティチュードを喚起し、世界中の同じような考えを持ったパンク・ミュージシャンやアーティストの豊かな表現の場となったクラブハウスである。

彼らの2007年のデビュー・アルバム『ウィアード・リッパーズ』(FatCat Records)のリリースに始まり、サブ・ポップからの『ナウンズ』(2008年)、『エヴリシング・イン・ビトウィーン』(2010年)を経て今に至るまで、ノー・エイジは、ピッチフォークからザ・ニューヨーカー誌(2007年11月19日の記事「Let It Up」)まで、驚くほど幅広い筋から熱狂的な評価を得てきたし、グラミー賞にノミネートもされた(アルバム『ナウンズ』のアートワークに対して2008年の「Best Recording Packaging」部門)。
ノー・エイジは汗まみれの地下室でのライヴやアート・ギャラリーでのパフォーマンスから、ニューヨーク近代美術館(MoMA)の壁を爆音で揺らしたり、地元や海外の別を問わず、型にはまらない様々な場所で演奏したりするようにまでなった。

https://www.subpop.com/artists/no_age
https://noagela.org/
https://trafficjpn.com


■2000年代のマスターピース 再発決定!

ノウンズ / Nouns
発売日: 8月7日 (水) 
スペシャル・プライス: 1,800円(税込) 
品番: TRCP-124
JAN: 4571260582163
ボーナス・トラック収録




Vampire Weekend - ele-king

 深化。ヴァンパイア・ウィークエンドのサード・アルバムは、前2作と比較したとき、そういった言葉で説明すべきだろう。『モダン・ヴァンパイアズ・オブ・ザ・シティ』は、「進化」と呼ぶよりは「深化」と呼ぶべき大いなる変化を迎えた吸血鬼たちの姿を、シリアスに突きつけている。それは、青年期も後半に差し掛かり(メンバーは現在、全員29歳だ)、「老い」や「成熟」を戸惑いながらも受け入れ、あるいはこの先に待ち構えているであろうそれらをある種の諦念とともに見据え、果敢に音楽的な成果に落とし込もうと苦闘している姿だ。

 ラルフ・ローレンのポロ・シャツを纏い、「プレッピー」という記号を(ある意味戦略的に)弄んだ彼らはもうここにはいない。『ヴァンパイア・ウィークエンド』や『コントラ』を包んでいた暖色系のファッショナブルなカヴァー・アートは、スモッグの濃霧に抱き込まれた沈鬱なビッグ・アップル――まるでディストピアだ――のモノクロ写真に取って代わった。彼らのトレード・マークであったアフロ・ポップ風の心躍る軽快なリズムは鳴りを潜め、テンポはグッとダウン・テンポに、リズムは贅肉を削ぎ落とされてシンプルになった。『コントラ』において控えめながらも重要なファクターであったシンセ・ポップ的エレクトロニクスも後景に追いやられた。そして、ギター・サウンドは前作よりもさらに抑えこまれている。『モダン・ヴァンパイアズ・オブ・ザ・シティ』の中心を占めているのは、円熟したエズラ・クーニグの歌、ピアノ、そして教会音楽を思わせるような荘厳なオルガンやコーラスだ。

 アルバムからの先行シングルとしてリリースされた"ステップ"は、今作のそういった特徴を端的に表し、彼らが次の段階へと着実に歩を進めていることを伝えている。この曲には驚かされたファンも多いことだろう。チェンバロやオルガンが奏でるパッヘルベルのカノンのようなメロディ、聖歌隊の斉唱のように響くシンセサイザー、エズラの全編に渡って抑制の効いたヴォーカル、スロー・テンポのブレイクビーツ......そのどれもが、これまでのヴァンパイア・ウィークエンドとは一線を画す沈痛な表情を湛えているからだ。もちろん、この曲が持つ宗教的な響きは、前作の"タクシー・キャブ"や前々作の"ザ・キッズ・ドント・スタンド・ア・チャンス"などで試みられてきた「室内楽的」と形容されるクラシカルなアレンジを引き継いでいるとも言えるだろう。しかし、やはり"ステップ"の荘重な響きはそれらとは異なる地点にあると言わざるをえない。過去の楽曲と今作における"ステップ"などの楽曲との間に分断線を引いているのは、恐らく、彼らが新たな船出をするのに十分な年齢を重ねたという事実だろう。リリックでは、親知らずが生えはじめ、少年期の終わりが告げられたとき、「老い」という名の長く辛い孤独な戦いのはじまりを知ったことが綴られている。エズラは歌う。「『老いは栄誉だ』なんて、それは真実じゃない/(中略)本当はもう、僕が彼女を守ることなんて彼女は必要としていない/僕らは本当の死を、生きとし生けるものが進む行く末を知っている/誰もが死に向かいつつある/でも、君はまだ若い」。

 一方でまた、"ステップ"がとりわけ興味深い楽曲であるのは、引用の糸が複雑に絡み合った作品でもあるからだ。エズラは、この曲のスタート地点にソウルズ・オブ・ミスチーフの"ステップ・トゥ・マイ・ガール"(1991年頃に録音された、彼らのデビュー前のデモ音源)があったことを認めている。リリックでは"ステップ・トゥ・マイ・ガール"の"Every time I see you in the world, you always step to my girl"というコーラスをそのまま引用している。さらにこのフレーズは、90年代初頭から活動するラッパー、YZの"フーズ・ザット・ガール"(1990)という曲からのサンプリングであったため、"ステップ"にはYZへの謝辞がクレジットされている(ちなみに、ヴァンパイア・ウィークエンドはソウルズ・オブ・ミスチーフにももちろんコンタクトを取っている。そのとき、ソウルズ・オブ・ミスチーフのタジャイはこの全米1位を獲得する巨大なバンドの音を聴いたことがなかったという。エズラは曲名をそのまま"ステップ・トゥ・マイ・ガール"とするつもりだったが、タジャイはそれを「ワックだから」と言って拒否した)。
 さらに、"ステップ"のクレジットには、70年代、カリフォルニアのソフト・ロック・バンドであるブレッドのヒット・ソング、"オーブリー"(1972)からの引用が明示されている。というのも、"ステップ・トゥ・マイ・ガール"はグローヴァー・ワシントン・ジュニアがカヴァーした"オーブリー"をサンプリングしており、一聴してわかる通り、"ステップ"はそのメロディ・ラインに大きく影響されているからだ。宗教的な響きを持つパッヘルベルのカノン調の"ステップ"は、こういった幾層ものサンプリングが積み重ねられた上に成立している。

 『モダン・ヴァンパイアズ・オブ・ザ・シティ』を構成しているひとつの重要な要素である「宗教」に注目する上で外せないのは、アルバムのリリース直前にヴィデオが公開された"ヤー・ヘイ"だ。"ヤー・ヘイ"("Ya Hey")はユダヤ教の神、ヤハウェ(Yahweh)をもじっており、ここでエズラが呼びかける「あなた」は明らかにヤハウェである(エズラはユダヤ系の家系に生まれている)。「あなたはご自身の名前すらおっしゃろうとしない/"私は在りて在るものである"と、ただそれだけ/でも、そんな方法で誰が生きられるっていうんでしょう?」という一節がそれを裏付ける。ユダヤ教徒は通常、神の名を直接発語するのは畏れ多いとして口にはしないため、ユダヤ教の神の名の正確な発音はわからなくなってしまったからだ。
 「ああ、愛しいあなた/シオンはあなたを愛していない/バビロンもあなたを愛してはいない/けれども、あなたは遍く存在を愛している/ああ、聖なるあなた/アメリカはあなたを愛していない/だから僕はあなたを愛せない」「母なる国はあなたを愛していない/父なる国はあなたを愛していない/なのに、何故全てを愛するのですか?」。こういった歌詞には、元は同じである神を信じるユダヤ教、キリスト教、イスラム教が相互にいがみ合い、血で血を洗う争いをし続ける、解決の日の目を一向に見ない中東情勢、あるいはそういった状況に対して依然「世界警察」として振る舞いつづけるアメリカへの煩悶が滲み出しているように思われる。エズラの重苦しい言葉の数々には、皮肉や言葉遊びを散りばめる余裕もないほどの悄然とした憂鬱が宿っている。

 ヴァンパイア・ウィークエンドはいま、大きな転機にいる。もしかしたら、曇った表情でニューヨーク・シティを眺める、少し老け込んだ吸血鬼たちの姿に、「お洒落でキュートなインディー・ポップ」としてのヴァンパイア・ウィークエンドに夢中になったリスナーたちは驚きうろたえるかもしれない。しかし、諦念と厭世観が充満し、憂色を纏ったこのアルバムは間違いなく彼らの最高傑作だ。そう言い切ってしまおう。もう後戻りはできない。なにせ人生は前にしか進まない。なぜかって? 後ろに進んだら大変じゃないか。

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