「Nothing」と一致するもの

KANDYTOWN - ele-king

 昨秋セカンド『ADVISORY』を発表し、クルーとして大きな成長を遂げたキャンディタウンが、2020年初となる新曲 “PROGRESS” をリリースしている。ナイキの AIR MAX 2090 から着想を得た楽曲とのことで、Gottz、MUD、KEIJU、Dony Joint の4MC が参加。ティザー映像は各方面でひっぱりだこの山田健人が手がけている。彼らの次なる一歩を見逃すな!

KANDYTOWN
NIKE AIRMAX2090 にインスパイアされた新曲 “PROGRESS” をリリース。

昨年2ndアルバム『ADVISORY』をリリースし東阪での Zepp TOUR を成功させるなど、様々な話題を振りまいた国内屈指の HIP HOP CREW:KANDYTOWN が2020年第一弾となる新曲 “PROGRESS” を3月26日にリリースすることが発表された。

この楽曲は同日に発売となる AIR MAX 2090 の制作コンセプトにインスパイアされた楽曲で、Neetz が手掛けたトラックに Gottz, MUD, KEIJU, Dony Joint の4MCが参加している。また、リリース情報とともに同作品のアートワークと MUSIC VIDEO のティザー映像が公開となっている。

ティザー映像では AIR MAX 2090 DUCK CAMO をはじめとする様々なモデルを着用したメンバーの姿が映し出されており、こちらの映像作品は山田健人がディレクションを担当している。

なお、早くも2020年第一弾となるリリースを迎えた KANDYTOWN は5月24日(日)に横浜赤レンガ倉庫野外特設会場にて行われる「GREENROOM FESTIVAL’20」への出演も決まっているのでそちらもお見逃しなく。

【KANDYTOWN「PROGRESS」】
Rap:Gottz, MUD, KEIJU, Dony Joint
Music:Neetz
DL/ST URL: https://kandytown.lnk.to/prog
Teaser URL: https://youtu.be/uVTAaGO2Njs
MUSIC VIDEO Director: 山田健人

【KANDYTOWN PROFILE】
東京出身の総勢16名のヒップホップ・クルー。
2014年 free mixtape 『KOLD TAPE』
2015年 street album 『BLAKK MOTEL』『Kruise』
2016年 major 1st full album 『KANDYTOWN』
2017年 digital single 『Few Colors』
2018年 digital single 『1TIME4EVER』
2019年 e.p. 『LOCAL SERVICE』, major 2nd full album『ADVISORY』

【開催概要】
名称:GREENROOM FESTIVAL’20
場所:横浜赤レンガ倉庫野外特設会場
出演日:2020年5月24日(日)
オフィシャルサイト: https://greenroom.jp

【事務局一般先行チケット】
事務局一般先行チケット販売中!
[1日券] 価格 ¥12,000
[2日通し券] 価格 ¥19,000
https://greenroom.jp/tickets/

【NIKE AIR MAX 2090 “進化を恐れない姿勢” SHORT MOVIE MUD(KANDYTOWN) Direction by atmos】
https://www.atmos-tokyo.com/lp/air-max-day-2020-duck-camo

Battles - ele-king

 結成17年を経ていまだなお意欲的な姿勢を崩さないバトルスが、なんとオンライン・リミックス・コンテストを開催する。指定のサイトにアクセスして最新作『Juice B Crypts』の素材をダウンロード、めいめいがそれを自由に料理し、バトルスがそれにフィードバックを返す、という流れ。詳しくは下記をご参照いただきたいが、しっかり賞品も用意されているので、われこそはという方はぜひチャレンジしてみよう。〆切は5月24日。

最新アルバム『Juice B Crypts』のリミックス・プロジェクトを開始!
優勝者には豪華賞品も!

バンド・サウンドの常識をことごとく脱構築し、音楽ファン達に強烈な衝撃を与えてきた現代エクスペリメンタル・ロック・バンドの最高峰、バトルスが、最新アルバム『Juice B Crypts』のオンライン・リミックス・プロジェクトをスタート!

Battles Remix Project
https://rmx.bttls.com

ウェブサイト上ではアルバム中に使用されているシンセ、ドラム、ギター、その他様々なサウンドが分解され、インタラクティブな地下鉄マップに配置されている。それぞれのサウンドは自由にダウンロードできるようになっており、サンプリングしたり、ストレッチしたり、歪ませたり、リミックスしたりすることが可能だ。

バトルスは様々な人からのアイデアを聴きたいとの想いからこのプロジェクトをスタートさせたという。ファンにとっては自分でリミックスした音源を直接バンドに聴いてもらうことのできる絶好のチャンスだ。最終的に数名の優秀作品が選ばれ、Native Instruments、〈Warp〉、そして Battles から賞品が贈られる。音源提出の締め切りは2020年5月24日。

賞品一覧

最優秀賞
Native Instruments Komplete Kontrol S49
Native Instruments Komplete 12 Ultimate
好きな Native Instruments の拡張音源 (Expansion)
Native Instruments Store の200ドル分のクーポン
バトルスとのスカイプでのスタジオセッション
バトルスのサイン入りグッズ
『La Di Da Di』のハンドスタンプが押されたテストプレスを含む〈Warp Records〉からの賞品
シングル、EP、アルバムに使える Spinnup の無料クーポン
Melodicsの12ヶ月分のサブスクリプション

第2位
Native Instruments Komplete 12
好きな Native Instruments の拡張音源 (Expansion)

第3位
好きな Native Instruments の拡張音源 (Expansion)

JUICE B CRYPTS
バトルスの最新アルバム『Juice B Crypts』は現在好評発売中!国内盤にはボーナストラック “Yurt” を追加収録し、歌詞対訳と解説書が封入される。

label: BEAT RECORDS / WARP RECORDS
artist: BATTLES
title: Juice B Crypts
release date: NOW ON SALE

国内盤CD
国内盤特典:ボーナストラック追加収録/解説書・歌詞対訳封入
BRC-613 ¥2,200+税

国内盤CD+Tシャツ
BRC-613T ¥5,500+税

DJ Mitsu the Beats - ele-king

 仙台を拠点とするヒップホップ・グループ、GAGLE のメンバーであり、一人のプロデューサー/DJとしても多彩な活躍を繰り広げてきた DJ Mitsu the Beats。2003年リリースのファースト・ソロ・アルバム『New Awakening』に収録された、R&Bシンガーの Dwele をフィーチャした “Right Here” によって、彼はヒップホップ・プロデューサーという殻を見事に打ち破り、さらに2009年にリリースされたセカンド・アルバム『A Word To The Wise』では、ジャズ・ヴォーカリストの Jose James をゲストに迎えて “Promise In Love” というビッグ・チューンを生み出す。以降、ソロ・アーティストあるいは GAGLE として、その時代ごとにエッジの効いたヒップホップを追求してきたわけだが、“Promise In Love” に続く、Mitsu the Beats ならではの歌モノを求めていたファンも少なくなかったであろう。初の試みともいえる、歌とインストゥルメンタル曲のみで構成されている今回のアルバム『ALL THIS LOVE』は、そんなファンにとっても待望の一作となったに違いない。

 本作には4名の日本人シンガーと2名のゲスト・ミュージシャン、さらに Mitsu the Beats の原点とも言える “Promise In Love” のリミックスが加えられており、純度100%のソウル/R&B/ジャズ・アルバムとなっている。Mitsu the Beats の音楽性を表すのに、“ジャジー・ヒップホップ” という言葉は一つの代名詞のようにもなっているが、本作における彼のサウンド・プロダクションは、ヒップホップの基礎であるループという概念は保ちながらも、着実に進化している。ピアノを含む様々なキーボードの音色やベースなどによってビートに魂が吹き込まれて、巧みにトラックが展開してゆき、さらにそこに歌が乗ることで永遠の広がりさえも感じ取ることができる。もちろん、シンガーやミュージシャンといったゲストが加わることによる効果も大きいであろうが、Mitsu the Beats が本来持っている音楽性がより増幅された結果、本作のサウンドが完成しているのは疑いようがない。

 アルバムのタイトルの通り、本作のテーマは「愛」であるが、〈Jazzy Sport〉ファミリーでもある Marter が歌う “Togetherness” は、新型コロナによって世界中が混乱しているいまのこのタイミングにこそ最も聞いて欲しい一曲であり、暖かいメロディの中に “人類愛” という普遍的なメッセージが強く響いてくる。Marter 以外の日本勢3名は全て女性シンガーなのだが、テーマの捉え方も含めて、三者三様の異なるアプローチが試みられている。すでに共演歴のある Mahya との “You Are Mine” や、シンガーソングライターの Akiko Togo (東郷晶子)が英語で歌う “Moon & Sun” などは、比較的ストレートなソウル/R&Bチューンとして隙のない仕上がりであるが、一方で Naoko Sakai との “密” はビートのパターンがかなり独特で異質を放っている。それと同時にビートに乗るピアノやシンセのレイヤーが実に美しく、Naoko Sakai の歌の絡みも実に濃密で、アルバム中盤の良い意味でのアクセントとしても機能している。そして、もう一つのヴォーカル曲である “Promise In Love” のリミックスであるが、あの印象的な黒田卓也のトランペットが控えめになっていることに驚きつつ、オリジナルの良さが上手く現代に引き継がれている。

 一方、ゲスト・ミュージシャンに関してだが、“Intimate affairs” にクレジットされている cro-magnon のキーボーディスト、Takumi Kaneko (金子巧)は、実はこれ以外の複数の曲に参加しているそうで、本作の温かみある生のグルーヴを引き出した張本人とも言えるだろう。そして、もう一人、“Slalom” にフィーチャされている Mark de Clive-Lowe は、おそらく『New Awakening』以来の共演となる。“Intimate affairs” と “Slalom” ともにビートが4つ打ちで根底にはジャズという共通項も感じられる上で、パーカッシヴな前者、ブギーなグルーヴ感の後者と、それぞれの個性が見事に出ているのも非常に面白い。さらにゲストのクレジットのない3つのインスト曲も秀逸で、特に後半にセットされている “It’s Time” は実に気持ちの良いラヴァーズロック・チューンになっており、Mitsu the Beats の引き出しの豊かさに改めて驚かされる。

 ちなみにすでに制作中という次のアルバムでは、打って変わって、ラップ・アルバムを予定しているという。すでに Frank-N-Dank をフィーチャした “Splash” という曲のデモ・ヴァージョンが Spotify にて配信されており、Mitsu the Beats のハードな一面が引き出された実にタイトな仕上がりで、間違いなく本作とは全く異なる作風になるだろう。こちらも期待大だ。

Pandemic Diary (1) - ele-king

R.I.P. McCoy Tyner - ele-king

 先の3月6日、ジャズの教科書や辞典にも大きく載るような巨星が逝った。ピアニストのマッコイ・タイナーである。ニュージャージーの自宅で亡くなったことを親族が知らせたのだが、死因などは明らかにはされていない。1938年にフィラデルフィアで生まれ、享年81才だった。1960年から1965年のジョン・コルトレーンの全盛期を支えた黄金カルテットのひとりとして知られる彼だが、これでコルトレーン(1967年没)、エルヴィン・ジョーンズ(2004年没)、ジミー・ギャリソン(1976年没)と、4人とも全て他界してしまった。中でもマッコイは一番長生きをし、晩年まで元気に活動していたので、音楽家としての人生を全うしたと言えるかもしれない。私が彼のコンサートを最後に見たのは2010年のコットン・クラブでの公演で、そのときはホセ・ジェイムズやエリック・アレキサンダーも一緒にステージに上がっていた。優しくも威厳のある姿でピアノを演奏し、親子ほども年齢の離れたホセが、実際の父親に接するかのように親しみを込めてサポートしていたことを思い出す。

 かつて私は『ジャズ・ネクスト・スタンダード』の一環で『スピリチュアル・ジャズ』(2006年、リットー・ミュージック社刊)を監修したが、その中でスピリチュアル・ジャズのマスター的なミュージシャン25名を取り上げ、ジョン&アリス・コルトレーン、ファラオ・サンダース、アーチー・シェップ、ギル・スコット・ヘロンらと並んでマッコイ・タイナーもフィーチャーした。そこでは音楽性の相違から来る1965年のコルトレーン・カルテット脱退後のソロ作を取り上げているが、コルトレーン・カルテット時代に比べてマッコイのソロ活動はどうも過小評価されているのではないかと感じていて、日本のジャズ評論などでは駄作扱いされてきた1970年代の作品もいろいろと載せている(日本のジャズ評論はどうもコルトレーンとセットでマッコイを取り上げがちだった)。もちろんコルトレーン・カルテット時代が素晴らしいことに変わりはないが、ソロ活動ではマッコイの音楽性や志向がより明確に表現されるようになり、そこにはコルトレーン・カルテット時代のほかの3人とは異なる個性も見られる。

 コルトレーン・カルテット在籍中も『リーチング・フォース』(1962年)、『ナイツ・オブ・バラーズ&ブルース』(1963年)、『トゥデイ・アンド・トゥモロー』(1964年)などを録音するマッコイだが、これらはカルテットの方向性と同じモード・ジャズに沿うものだった。一方、独立後では『ザ・リアル・マッコイ』(1967年)、『テンダー・モーメンツ』(1968年)、『タイム・フォー・タイナー』(1969年)と、晩年のコルトレーンが傾倒したフリー・ジャズとは異なる方向性のアルバムを発表する。これらは当時のハービー・ハンコック、ウェイン・ショーター、フレディ・ハバードら、ポスト・コルトレーン世代が牽引する新主流派ジャズと同調する作品である。しかしながら『テンダー・モーメンツ』では “モード・フォー・ジョン” と夭逝したコルトレーンを追悼する曲もやっていて、根底ではコルトレーンの心の同志であったことも示している。このアルバムは “ユートピア” など重厚なブラス・サウンドも特徴で、マッコイが単なるピアニストではなく、作曲家・編曲家として飛躍した姿も見せてくれる。後に彼の代表曲となる “マン・フロム・タンガニーカ” など中南米やアフリカ音楽への積極的なアプローチも見せる点で、マッコイのディスコグラフィーの中でも重要なポイントとなるアルバムだ。『タイム・フォー・タイナー』の “アフリカン・ヴィレッジ” や “リトル・マディンバ” からもアフリカ~中南米志向が伺える。一方、『ザ・リアル・マッコイ』には “サーチング・フォー・ピース” や “コンテンプレーション” など、1970年代のスピリチュアル・ジャズへと繋がるような楽曲が収められている。

 そして1970年代前半はスピリチュアル・ジャズ路線とアフリカ志向が前面に出る。グラミー賞にもノミネートされた『サハラ』(1972年)はじめ、『エクステンションズ』(1972年)、『アサンテ』(1974年)、『サマ・ラユカ』(1974年)と、実験的でアフリカ回帰色が強い作品が並ぶ。アフリカン・リズムとその延長にあるファンク・ビートの大胆な導入、マリンバや各種パーカッションなど土着的で呪術性を高める楽器を多く取り入れ、『サハラ』では自身でもピアノ以外にフルートから琴まで演奏するなど、トータルな音楽家としての方向性が表われた作品群だ。そうしたトータル・プロデューサー的な資質でいくと、大がかりなストリングスを交えたオーケストラの導入による『ソング・オブ・ザ・ニュー・ワールド』(1973年)、さらにその発展形と言える『フライ・ウィズ・ザ・ウィンド』(1976年)が、彼にとってひとつの到達点と言える。ジャズ・ミュージシャンにとってビッグ・バンドを率いることは夢のひとつであるが、カウント・ベイシーやデューク・エリントンなどのビッグ・バンド・マスターたちのスタイルを、マッコイは1970年代という時代に更新させたと言える。『フライ・ウィズ・ザ・ウィンド』はいわゆるクロスオーヴァーやフュージョンにカテゴライズされるアルバムだろうが、ジャズという枠を超えたポピュラー・ミュージックであり、ジャズ・マニアではない多くの人々の心に響くものを持っているがゆえ、表題曲は現在もマッコイの代表曲のひとつに数えられる。

 マッコイは優れたリズム感覚を持つピアニストで、その鍵盤さばきはときにパーカッションのようでもある。そんな彼の魅力が凝縮されたのが『アトランティス』(1975年)で、ブラジル出身のパーカッション奏者のギレルモ・フランコと相対した “ラヴ・サンバ” はトランシーでさえある。そうした意味でラテン調の作品はマッコイの見せ場と言え、『ダブル・トリオズ』(1986年)の “ラティーノ・スイート” はじめ数々の名演を残している。『インナー・ヴォイシズ』(1977年)の “フェスティヴァル・イン・バイーア” もラテン~ブラジリアン色に彩られているが、このアルバムでは男女混成コーラスやホーン・アンサンブルを交え、空間性に富む音作りをしている点も特徴だ。“フォー・トゥモロー” での神聖なコーラスはゴスペル的で、ハーモニックな音空間は後のアーティストにも大きな影響を与えている。カマシ・ワシントンが登場したとき、真っ先に思い浮かべたのがこのアルバムだった。マッコイの残した財産はこれからも様々な形で受け継がれていくだろう。

 渡邊琢磨が立ち上げた自主レーベル〈Ecto Ltd.〉が染谷将太監督/菊地凛子脚本作品『まだここにいる』のサウンドトラックを期間限定のフリーダウンロードにてリリースする。
 本人いわく「家でのんびり聴ける感じに」再構築したそうで、とても安らげる美しい音楽です。お薦めです。今週末ダウンロードしましょう。→https://www.ecto.info/extra/

ダニエル・ミラーからのメッセージ - ele-king

みなさんこんにちは、ミュート・レコードのダニエル・ミラーです。
1978年のはじめ頃、ケンジントン・パークロードにあったRough Tradeショップでの出来事をよく覚えています。
ちょうど私がやっていたバンド"The Normal"の最初の納得のシングルを持ち込んだ時のことです。
その時に店番をしていた、Rough Trade創設者のジェフ・トラヴィスとリッチ・スコットがその曲を少し聴いてくれて、その場で契約してくれることになりました。
まさに人生が変わったような瞬間でした。
それによって私は、ミュートレコードを発足させ、自分が大事に思い敬愛するアーティストたちと一緒に働くことができるようになりました。
言ってみれば、それはインディペンデントのレコードショップが持つ最高の力であり、
アーティストをサポートし勇気づけるものだと思います。

もちろんその時からは音楽を取り巻く環境も大きく一変しました。
それでも、私は今でもインディペンデントのレコード店の力を信じています。
そこはミュージック・ラヴァーの中心であり、音楽をよく知る人々が
みなさんの音楽の好みを良く理解してくれています。

みなさんもご存じの通り、いますべての店が閉まっています。
しかし、彼/彼女らはオンラインサービスやメールオーダーを通じて営業しています。
私はみなさんにそのサービスを使って注文し、サポートていただくことを奨励します。
レコードショップが生き残るのはとても重要なことです。
現在起こっている危機は永遠に続くことはありません。
私たちは、ミュージックラヴァーやアーティスト、レーベルの未来についてよく考える必要があります。
どうぞ、みなさまお大事になさってください。
ありがとうございました。

MUTE創始者 ダニエル・ミラー

Hiroshi Yoshimura - ele-king

 近年ますます再評価の進んでいる環境音楽家の吉村弘。幻の『GREEN』がついに復刻されることになった。もう一度言います。超入手困難だった、あの『GREEN』です(オリジナルは1986年)。リリース元は『Hosono House』など細野晴臣の一連のリイシューや、日本の環境音楽にフォーカスしたコンピ『Kankyō Ongaku』で大きな注目を集めた〈Light In The Attic〉で、アンビエントやニューエイジなどに特化したシリーズないしサブ・レーベルの〈WATER COPY〉第1弾作品となる模様。デジタル版はすでに3月20日にリリース済みで、ヴァイナルとCDとカセットが夏にリリース予定とのこと。これは買い逃せません。オフィシャル・ページは下記リンクより。

https://lightintheattic.net/releases/6773-green

Squid - ele-king

 下着の次はイカときた。30周年という節目を終え、また〈Warp〉が活気づきはじめている。先日のジョックストラップにつづいて、新たにブライトンの若き5人組、スクイッドがファミリーに加わった。現在お披露目として “Sludge” が公開されているが、なんでもこの曲は、最近新作をリリースしたばかりのレジェンド、ワイアーのサウンドチェックをしていたときに着想を得た曲なのだという。ポストパンクの新星としてUKインディ・シーンに新たな風を巻き起こすのか? ちなみに仕掛け人は、昨年ブラック・ミディをフックアップしたプロデューサーのダン・キャリーとのこと。注目です。

Squid
BBC【SOUND OF 2020】にも選出! UKツアーは全てソールドアウト!
ダン・キャリーが仕掛ける注目の大型新人バンド、
スクイッドが〈WARP〉との電撃契約を発表!
ポストパンクな新曲 “SLUDGE” をリリース!

ブライトンで結成された、オリー・ジャッジ(ドラム&リードボーカル)、ルイス・ボアレス(ギター&ボーカル)、アーサー・レッドベター(キーボード、弦楽器、パーカッション)、ローリー・ナンカイヴェル(ベース&ブラス)、アントン・ピアソン(ギター&ボーカル)から成る5人組バンド、スクイッド。

アデルやサム・スミス、ハイムなどのトップスターたちを輩出してきた BBC【Sound of 2020】にも選出され、現在予定されているイギリスツアーは完全にソールドアウトとなるなど、ブラック・ミディやソーリーらの登場で勢いを増す次世代UKインディ/オルタナ・シーンの中でも、最大級の注目を集める彼らが〈Warp〉との電撃契約を発表! 合わせて〈Warp〉からの初リリースとなる新曲 “Sludge” をリリースした。

Squid – Sludge (Official Audio)
https://youtu.be/b0GHHmjovM8

この楽曲のアイデアはポストパンクを代表するバンド、ワイアーのサポートとしてサウンドチェックをしていた時に着想を得たという。過去の楽曲に比べてパーカッシブさが増し、音楽的にも進化を遂げた新曲 “Sludge” の中では、たった一年ほど前に彼らがシーンに登場した時から抱き続けているワクワクするような実験性と遊び心を放棄することなく、そのエネルギッシュなサウンドをより開かれたものにしている。非の打ちどころのない音楽的センスと扇情的なライヴ・パフォーマンスで評判を呼んできたバンドにとって、この楽曲は新章の幕開けにふさわしい作品と言えるだろう。

またフランツ・フェルディナンド、リリー・アレン、テーム・インパラ、ザ・キルズ、ブラック・ミディらを手掛けるプロデューサー、ダン・キャリーが彼らをサポートしていることも見逃せない。そんな名匠をも味方につけ、野生的かつ唯一無二な創造性を見せつける彼らの動向に今後も目が離せない!

label: WARP
artist: Squid
title: Sludge
release date: NOW ON SALE

TRACKLISTING
01. Sludge

R.I.P. Manu Dibango - ele-king

 新型コロナ・ウイルスの感染者・陽性反応者に世界の著名人の名前が上がり、連日のように報道されているが、音楽界ではマヌ・ディバンゴが感染し、パリの病院で亡くなったというニュースが3月24日に発表された。ヨーロッパの中でもイタリア、スペインに続いて感染死者数が1000人を超えたフランスでは、ロックダウンが敷かれて外出や集会の禁止令が出るなど、まるで戦時下のような緊迫した状態が続いていると聞く。そうした中、マヌ・ディバンゴがどのような経路でコロナに感染したのか明らかではないが、1933年生まれの享年86才と高齢だったので、感染による死亡のリスクが高かったのだろう。アフリカのカメルーン出身のサックス奏者で、アフリカ音楽を世界に広めた第一人者として知られる彼の死にショックを受けた人は少なくなく、SNSではジャイルス・ピーターソンやアンジェリーク・キジョーなどが追悼のコメントを寄せている。

 ここからはマヌ・ディバンゴの音楽を振り返りたいが、私はレア・グルーヴ的な方面からマヌの音楽を知るようになり、彼の作品の全てを聴いてきたわけではないので、クラブ・サウンドやダンス・サウンドとの接点からマヌの音楽を紹介したい。これまでアフリカ音楽がワールド・ミュージックの一部として注目を集める波がいくつかあり、大きな波では1980年代初頭にキング・サニー・アデ、ユッスー・ンドゥール、モリ・カンテなどが出てきて、欧米でもデヴィッド・バーンやピーター・ゲイブリエルなどがアフリカ音楽に傾倒するようになった時期がある。それ以前に遡るとフェラ・クティがいて、元クリームのジンジャー・ベイカーやロイ・エアーズなどがそのサウンドに魅了されて共演してきた。フェラ・クティ、トニー・アレン、ジンジャー・ベイカーが共演したライヴ盤は1971年のリリースだが、この頃のロンドンにはアサガイ、オシビサ、マタタなど多くのアフリカ人バンドがあり、ほかのヨーロッパ諸国でもアフリカや中南米からの移住者がいろいろと活動していた。中でもフランスはアフリカ系移民が多く、そのひとりであるマヌ・ディバンゴはカメルーンからの移住者だった。当時はアフリカ音楽にジャズ、ロック、ファンクなどを結び付けるのがトレンドで、フランスだとラファイエット・アフロ・ロック・バンド(アイス)やケイン・アンド・アベルなどが代表的なバンドだが、マヌ・ディバンゴもそうした中から頭角を現した。そして1972年リリースの『ソウル・マコッサ』によって彼の名前は世界中に広まるが、マコッサとはカメルーンの言葉でダンス・ミュージックを指す。

 マコッサはマヌ・ディバンゴの音楽をそのまま示すものだ。彼が最初にフランスで出したレコードは1964年のEPで、その中ではルンバやチャチャチャなど当時の流行のダンス音楽をやっていて、1969年のファースト・アルバムはその名も『サクシー・パーティー』と、一貫してダンス・サウンドやパーティー・ミュージックを指向している。アフリカ音楽が持つ生命力や開放感をダンス・サウンドとして表現していたのがマヌだった。『ソウル・マコッサ』はアメリカはじめ世界のさまざまな国で発売され(『オ・ボソ』とタイトルを変えてリリースもされている)、タイトル曲の “ソウル・マコッサ” が大ヒットした。当時、日本でもトヨタ車「カローラ」のCMに用いられたほどだ。ラファイエット・アフロ・ロック・バンドやアフリークなどいろいろなカヴァーが生まれ、アルマンド・トロヴァヨーリの “セッソ・マット” などそのフレーズを用いた曲も多い。プレ・ディスコとも言える曲で、ヴァン・マッコイの “ハッスル” などは明らかにその支流となっている。ヒップホップのサンプリング・ソースにも多数使われており、要するに一度聴けば耳に残って離れない単純明快さがある。ジャズ・ピアニストのジョルジュ・アルヴァニタスが参加するなど実は演奏的にはしっかりしたものであるが、ポピュラー音楽としては誰もが口ずさめる単純明快さが決め手で、それがおよそ半世紀に渡ってダンス・クラシックとして存在してきた理由だろう。

 『ソウル・マコッサ』には “ニューベル” という曲も収録していて、こちらはより土着的なアフロ・ファンク色の濃い渋めのナンバーだ。デヴィッド・マンキューソのロフト(アメリカでは彼が『ソウル・マコッサ』を初めてプレイした)、ラリー・レヴァンのパラダイス・ガレージなどのアンダーグラウンド・クラブではむしろこちらの方が好まれ、後にマスターズ・アット・ワークもリミックスしている。1973年の『マコッサ・マン』は “ソウル・マコッサ” の続編的な “ウェヤ” や “センガ” はじめ、さらにダンサンブルなアルバムだ。“ペペ・スープ” はアフロ・ディスコ~コズミックの源流に位置付けられる楽曲で、フランスでもセローンのコンガスやマルタン・サーカスの “ディスコ・サーカス” はじめ、ディスコ・サウンドにアフロの要素が入り込むようになったのはここからと言える。『アフロヴィジョン』(1976年)ではよりディスコに接近した “ビッグ・ブロウ” のヒットを放っていて、当時の日本でも故中村とうよう氏によって、フェラ・クティと共にマヌが本格的に紹介されるようになった。この近辺の1970年代のリリースでは、もともとライブラリーとして制作され、サイケデリックな電子音を交えたよりトライバルなサウンドの『アフリカデリック』(1972年)、同じくライブラリーでブラック・プロイテーション的なジャズ・ファンク色の強い『アフリカン・ヴードゥー』(1972年)、超カルトなサントラ盤の『カウントダウン・アット・クニシ』(1975年)などが後にレア・グルーヴとして発掘された。

 1980年代に入ると、スライ&ロビーと組んでジョスリン・ブラウンやグエン・ガスリーらをフィーチャーし、レゲエなどにも挑戦した『ゴーン・クリアー』(1980年)、ビル・ラズウェルのプロデュースでハービー・ハンコック、ウォーリー・バダルー、バーニー・ウォーレル、モリ・カンテらをフィーチャーし、エレクトリック色の強くなった『エレクトリック・アフリカ』(1985年)と、時代に即したサウンドもやっている。1987年にはマテリアル、ビル・ラズウェル、ハービー・ハンコック、ブーツィー・コリンズ、グランドミキサー・D.ST.、スライ&ロビーらと一緒に “マコッサ・’87(ビッグ・ブロウ)” として “ソウル・マコッサ” をリヴァイバルさせているが、この頃より始まったレア・グルーヴの波によってマヌの音楽が再評価されるようになった。私も最初はこの “マコッサ・’87(ビッグ・ブロウ)” からマヌ・ディバンゴの世界に入った口であるが、マヌの作品と出会わなければ、アフリカ音楽というものに興味を抱くようになったかどうかは怪しい。フェラ・クティと共に、アフリカ音楽におけるターニング・ポイントとなった偉大なミュージシャンである。

 冒頭に戻るが、マヌ・ディバンゴはアンジェリーク・キジョーにとって偉大なアフリカ音楽の先人で、2ヶ月ほど前にパリで一緒にリハーサルをしたそうだが、そのときのヴィデオではマヌの代表曲である “ソウル・マコッサ” を楽しそうに演奏していた。演奏風景ではまだまだ健在という様子だったので、彼の死が非常に残念であるとともに、新型コロナ・ウイルスの恐ろしさが改めて知らされる。

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