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HARVEY PRESENTS LOCUSSOLUS
TAN SEDAN / THROWDOWN
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別プロジェクトの多さではマーク・マッガイアーに引けをとらないエメラルズのシンセサイザー奏者、ジョン・エリオットによるアウター・スペース名義の(Rやカセットを除けば)1作目。エメラルズのルーツであるドゥーム・サウンドはやはりギターのマッガイアーに由来するもので、そのセンスは彼のソロ作にもそれなりに痕跡を残していたものの、エリオットにはほとんど皆無といってよく、ほとんどタンジェリン・ドリームと化していたエメラルズ本体の変化と相似形をなすかのようなシンセサイザー・サウンドが全編で展開される(マスタリングはキース・フラットン・ウィットマン)。
テリー・ライリーを早回ししたようなキラッキラッのオープニングに続いて執拗な循環コードや70年代風の強迫的なトリップ・サウンドなど発想は実にシンプルで、とても最近の音楽を聴いているような気がしないと思う反面、リフのテンポや曲の展開などがあまりに早くて過去のものを聴いている気にもなれず、ここにあるのはクラウトロックのイメージそのものなんだろうなーと。それを共有できれば楽しいことこの上なく、天上の世界でお遊戯三昧です。それにしても古い機材ばかりよく揃えたなー......ってほどのことはないか。
ドローン・サイドからここまでテクノ的な発想のアンビエント・モードに接近した例はいままでなかったのに対して、テクノ・サイドからはスリープ・アーカイヴに続いてSTLの名義で知られるステファン・ロープナーも最近になってルナティック・サウンド・システムの名義でドゥーム系のアンビエント・ドローンを試み(『ヘヴィ・マインデッド・オーケストラ』)、ドローンとテクノの壁にも穴が空きはじめている印象がある。それがひとつの流れになるならば、スティーヴン・オモーリーのギターにジェフ・ミルズがリズムをつけるとか、リカルド・ヴィラロボスのセットにマイ・キャット・イズ・アン・エイリアンのオパーリオ兄弟がギター・ダブを試みるなど聴いてみたいと思う組み合わせは無数に思い浮かぶ。誰が最初にやるんだろうか。
ジョン・エリオットの別プロジェクトはほかにカラード・マッシュルーム・アンド・ザ・メディシン・ロックス、ホット・エアー・バルーン・ライド、イマジナリー・ソフトウッズ等々があり、彼とはミストの名義でさらに別なユニットを組むサム・ゴールドバーグ(裏アンビエントP244)もやはりレイディオ・ピープルの名義で(Rやカセットを除けば)1作目をリリースしたばかり。〈ウィアード・フォレスト〉からの『カレント』ではあまりヒネリのない素直なアンビエント・ドローンを展開していたゴールドバークはここではエメラルズに追従するようにノイやライヒマンなどもっと凝ったサウンドに歩を進め、もしもノイエ・ドイッチェ・ヴェレがクラウトロックを終了に追い込まなければ......という幻想に誘われる。
自分が歳を取っていくなかで、音楽家もどのように歳を取っていくのか、ここ数年、興味を持っている。木下君のECDのアルバム・レヴューを読むと、「自分も聴いてみようかな」という気持ちになったりもする。
"若さ"というものに関する過剰な信仰心は危険だ。「若さを保つ」とはコンプレックス産業の宣伝文句だが、常識的に考えて、保てるはずがない。人生において何かアクシデントがない限りは、若さとは誰もが平等に経験して、そして通り過ぎていくもので、生きていれば歳を取るのだ。もし生きていることを肯定するなら、ゆえに若くなくなることも肯定しなければならない。シーダの復帰後最初のアルバム『ブリーズ』は、ハスリング・ラップで鳴らした音楽家が着実に歳を重ねていっているなかの現在が収録されているという点において僕には興味深い。そして、シーダの作品の歳の取り方は、社会との関わりのなかで発露されている。
『ブリーズ』のリリックの多くは、前作に収録された"Dear Japan"の発展型であり、政治的な言及はさらに目立っている。いっそうのことデザインやアルバム・タイトルにおいても彼の政治的態度をはっきりと表明すればよかったのに......と思ってしまうほどだ。カーティス・メイフィールドの、残酷な社会への憤りを露わにした『ゼアズ・ノー・プレイス・ライク・アメリカ・トゥデイ』ように。『ブリーズ』の本質が"日本"を徹底的に批判することであるならば......。
いや、たとえ『ブリーズ』の本質がある種の人生論であり、"日本"批判が目的ではないとしても、アルバムにおける狙いのひとつは、いまの日本の姿を彼なりに炙り出すことにある、と思われる。政党政治、環境問題、格差社会、普天間基地、医療問題、派遣切り、バブル経済......などなど、いまの日本社会のトピックをいくつも挙げ連ねながら、このテクニシャン・ラッパーは彼のライム(芸当)によって、こうしたある意味鈍くさい物言いを娯楽のレヴェルにまで押し上げようとする。"FLAT LINE"のような感傷的な曲でさえも、彼の卓越した個人技(ライム)にかかれば最後までしっかり聴いてしまう。それはそれで拍手ものである。「政治は生活の一部であり、もしそれを無視するなら生活について歌えなくなってしまう」と意見したのはブルース・スプリングスティーンだが、シーダはJラップにおけるスプリングスティーンのようだ。その感傷的な体質まで似ている。
それにしても......オートチューンを使って殺伐とした競争社会を揶揄しつつ「思いやり」を説く"THIS IS HOW WE DO IT"、国会中継をクサしながら「好きな日本を探す」と繰り返す"TAXI DRIVER"のような曲を聴いていると、「なんて一途で真面目な人なんだろう」とひとしきり感心する。こうした、どちらかいえばべたな言葉遣いは、どこかぎこちなく、咀嚼し切れていない感じが残っているように聴こえるかもしれない......が、他方で、"ReBARS"や"MOMENTS "のような怒りが詰まった曲では、具体性を帯びた言葉が説得力にもなっている。音楽はほとんどの場合、個々の感情にしか影響を及ばさないとしても、抽象性を欠いた『ブリーズ』は、ゆえにひとつの明確な伝達として働きかけ、リスナーにとってわかりやすい助言――という言葉をあえて使わせてもらうが――になりうる可能性を秘めている。リスナーを外の世界へと向かわせる契機をはらんでいる。そもそもヒップホップを聴いている多くの人間が、二木信のように系統立てて社会や労働について学んでいるわけではない。
『ブリーズ』はしかし、その中心がわかりづらいアルバムでもある。19曲もあるなかで、満場一致で芯と思えるであろう曲が見つからない。ボス・ザ・MCを迎えた勇ましい"WISDOM"? アルバム冒頭にあるダンサブルな"SET ME FREE"? アメリカの大物デヴィッド・バナーの客演を取り入れた話題曲"LIFE SONG"? センチメンタルな"DREAMIN'"? あるいは路上の人生学"道(23区)"? ......聴く人によって見え方が異なるタイプのアルバムで、下手したら資本主義社会における生き残りを描いた『カイジ』の世界のような"鋭利"がいちばん好きだという人だっているかもしれない。いずれにせよ、『ブリーズ』は音よりも言葉が気になってしまうアルバムだ。音楽的な快楽がないわけではないが、どうしても言葉に耳がいく。随所に出てくる"money""ビジネス""サクセス"といった言葉には、僕はいまでも馴染めないのだけれど、しかし、それが彼らのリアリティなのだ。「そういうものか」と思うしかない。
昔、ニューヨークで開かれたミュージック・セミナーにおいて、「音楽家は良いレコードと良いショウをすればいいだけで、自分の聴衆に対してまで責任を負うべきではない」という意見に対して、「絶対にそんなことはない」と迷わず反論したのがジョージ・クリントンだったという。シーダがその場にいたらジョージ・クリントンとがっちり握手して、音楽家はよりよい社会のために貢献すべきだと誓いを立てていたかもしれない。シーダの音楽に"ファンク"は感じないけれど、彼が外の世界と結びつこうとしているのは間違いない。部屋のなかで自問しているのでなく、彼は世界に向けて窓を大きく開けているのだ。
金持ちたちが税金の不払いを宣言したことで有名になったカリフォルニア州オレンジ郡からクリス・アルファーロによるアブストラクト・ヒップホップのファースト・アルバム(08年にリリースされたセルフ・タイトルの『フリー・ザ・ロボッツ』は初期作のコンピレイション)。バスドライヴァーやデイダラスをリリースしてきたフランスのレーベルからで、デザイン・センスがそれまでとはまったく違う(......ので、気になった)。
全体にB級趣味をスマートに聴かせるというか、一歩間違えば下世話になりそうなジャズ・サウンドからのサンプリングが耳を引き、オープニンングからしてクールなピアノがカッコいい。そうかと思えば"ジ・アイ"や"グローバル・ウォーニング"はかなりサイケデリックで、後半に向かってどんどんアグレッシヴになっていく。あるいは音の組み立てに関してはデプス・チャージの大味な部分をDJシャドウが起用に整えていったとでもいえばいいだろうか("ヴォイシズ"はストレートに初期のDJシャドウを思わせる)、エレクトロニクスを強調した曲はなぜかコミカルな印象を与える傾向があり、それを含めて随所でモンドなセンスにも光るものがある。ダブステップとの境界を取っ払った曲も悪くないし、地味ながら野心的という感じ。いつしかロボットたちを自由にしてあげようという気になってきます......。
実はこのアルバム、1ヶ月ぐらい前に聴いた時はあまりいいとは思えず、何度かしつこく聴き直しているうちに印象ががらりと変わってきた。おそらくアンビエント本の作業があまりにキツキツでダンス・ミュージックにおける今年の気分というものがよくわかっていなかったのだろう。ロスカのデビュー・アルバムを聴いて、一時期よりはクラブ・ミュージックに心も戻ってきたので(笑)、今年前半のリリースを改めて総ざらいしてみると、2010年前半期ベストはレインジャーズ『サバーバン・ツアー』、続いてワンオウトリックス・ポイント・ネヴァー『リターナル』、3位がポール・ホワイト『パープル・ブレイン』という感じでしょうか。次点でサン・アローか前述のロスカ。ヴォルフガング・フォイト『フライラント・クラフィエムジーク』(裏アンビエントP189)もなかなかよかったなー。
さて、後半はどんなことになるのか。音楽家の皆さん、もっと楽しませて下さいよ。
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G41(Rustie Remix) - 8Bitch - Slit Jockey |
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Drive By - Afrojack - White |
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GTAC - Zinc - Zinc Music |
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It's That Bass - Machinedrum - LuckyMe |
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Work Them - Ramadanman - Swamp81 |
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Crew (Instrumental) - Bok Bok - Rinse |
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What You Talking About!? feat.Ms Dynamite - Redlight - MTA |
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Barbie Weed - Sam Tiba - Top Billin |
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Louder - Katy B - Rinse |
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The Flow (Bakongo Remix) - Wonder - Dizturbed Records |
8月に限定リリースされた通算4枚目(うち1枚はブダムンキーとの共作)で、amazonを見たら早くも中古で4000円以上で出品されている。いつの世にもせこい商売をしている輩がいるものだが、それだけスラックの作品が強い関心を集めているとも言える。PPPクルーのアルバムにも参加していたし、最近では曽我部恵一のシングルにもパンピーとともに参加している、あっという間に売れたらしいが......。彼は、紛れもなくいまもっとも注目されているラッパーのひとりなのだ。
6月にdommuneに出演したときもスラックは格好良かった。出演時間ギリギリにやって来て、ふらっとその場に寄ってみたと言わんばかりの風情でマイクを握り、街を吹き抜ける一陣の風のようなライヴをやって、そして消えていった。その颯爽とした身軽な振る舞いは、人生という重力のうえを涼しそうに滑っていくような彼の音楽と見事に結びつく。
『Swes Swes Cheap』は計9曲が収録され、うち6曲をスラック自身がトラックを作り、3曲をブダムンキーが手掛けている。前作で組んだタッグが活かされている本作は、スラックの作風の微妙な変化を捉えているようである。
とくに印象深いのは、"伝えな"と"この道はどこへ"だ。"伝えな"は過去のどんな曲よりもメランコリックで、"弱さ"をテーマにしているように聴こえる。「どんな感じ?」という問いかけと空虚な笑い声が、この曲が内包する複雑な感情(憐憫、嫌悪、などなど)を乾いたものにする。
メランコリーは"この道はどこへ"にも引き継がれる。グライミーなトラックと「東京ゲットーウェイ、面倒くせー」というコーラスは彼らのやりきれなさを強調すると同時に、まるでザ・スペシャルズの"ゴーストタウン"のように、この街の死臭を嗅ぎ取っているようでもある。
他にも聴きどころはある。"夢と現実の間"やブダムンキーによる"夕方"のような曲を聴いていると、ジェイ・ディラを思い出さずにはいられない。メロウなスモーキー・ビートがスラックの催眠的なフローと空中で溶け合っている。宙づりになった言葉は、そのまま大気のなかへと消えていくようだ。そして、レゲエを解体して組み直したような"A Luv"からドープなインストの"余韻"を経て、ウェッサイ風の野太さを持った最後の曲、"なんで欲が出る"がはじまる。仙人掌がフィーチャーされたこのトラックは『Swes Swes Cheap』において唯一アッパーなフィーリングを持っている。
スラックは昨年デビューして以来、いまのところ1年で2枚のペースを守っている。瑞々しい言葉と音の『My Space』、実験精神が注がれた『Whalabout?』、音の冒険『BUDA SPACE』、そしてメランコリーが強調された『Swes Swes Cheap』、4枚にはそれぞれの輝きがあり、同じことを繰り返していない。どこまで歩けるか、彼は試しているのだろうか。
![]() Various Artists MP3 KILLED THE CD STAR? Maltine Records |
とにかく、17歳の新鋭トラックメイカー・マッドメイドが〈マルチネ・レコーズ〉からリリースした『Who Killed Rave at Yoyogi Park EP』を聴いたときの衝撃は、なかなか筆舌に尽くしがたいものだった。大人顔負けなサウンドプログラミング・センスに"ワルガキ"感溢れる、あまりにも無邪気で痛快なサンプリング・ネタが乗っかるマッドメイドのサウンドからは、初期のプロディジーにも通じる熱気を感じた。そしてなにより、他の10代のベッドルーム・ミュージシャンたちと比べて圧倒的にトラックに現場感があった。
知っての通り、昨今のクラブ・シーンはIDチェックがどんどん強化されている。未成年がダンス・ミュージックを現場で楽しみたいと思っても、ちょっと前のように一筋縄ではいかないのが現状だ。そんななかでも出演者が全員未成年の〈20禁〉というパーティをオーガナイズするシタラバたちのように自分の現場を作っていこうとしている若者も存在している。マッドメイドだってそのひとりだし、それこそ彼がリリースしている〈マルチネ・レコーズ〉の首謀者である現在21歳のトマドも、10代の頃からレーベルを運営しつつも、Tofubeatsやimoutoidといった平成生まれの鬼才たちとともにパーティを作っている。ちなみにマッドメイドはプロディジーが初来日した93年生まれで、レーベルを運営するトマドは〈Strictly Rhythm〉と同い年の89年生まれである。
渋谷のファッション・ブランドgalaxxxyが、クラブに入れない10代のために店舗の一部に設けたDJブース付のイヴェントス・ペース〈galaxxxy mixer〉で、この頼もしくも末恐ろしい平成生まれたちに、彼らのルーツや活動について話を訊いた。
中学3年生とかですね。その代々木公園のレイヴは、通ってたレコード屋の店員さんに教えてもらって行ったんです。クラブにはもちろん行けないんだけど、昼間の野外パーティなら行けるってことで。親には「ちょっと公園に遊びに行ってくる!!」って言って(笑)
■ふたりはどういうきっかけで知り合ったの?
トマド:2008年の夏に、代々木公園で知り合いがサウンドシステムを出してたんです。そこで僕とかDJワイルド・パーティがガバとかハードコア・テクノとか回してて。そこにレコード屋の袋を持ったマッドメイドが現れて......。
■そのときマッドメイド君はいくつ?
マッドメイド::中学3年生とかですね。その代々木公園のレイヴは、通ってたレコード屋の店員さんに教えてもらって行ったんです。クラブにはもちろん行けないんだけど、昼間の野外パーティなら行けるってことで。親には「ちょっと公園に遊びに行ってくる!!」って言って(笑)。
■はははは。嘘はついてないもんね。中3ですでにガバとかハードコア・テクノに傾倒してたんだ! こう言うのもなんだけど、他にもいろいろ音楽があるなかでなんでよりによってガバとかハードコア・テクノを?
マッドメイド::きっかけはゲームですね。ビートマニアっていうゲームにいろんなジャンルの音楽が入っていて。各ステージ毎にそのジャンルの曲を上手く演奏するっていうゲームなんですけど。その中なかに「レイヴ」っていうステージがあって、その音内容的には昔、ジュリアナでかかってたようなハードコア・テクノだったんですよ。最初にその音が好きになって、ブックオフでジュリアナのコンピレーションを105円とかで買って......。そうこうしているうちに、DJテクノウチさんっていう人のWEBサイトを発見したんです。そこにレコード屋さんとかの膨大なリンクが張ってあって...。そこからいろいろ広がっていった感じですね。
■ほほー。ちなみにレイヴ・サウンドとか、あるいはガバとかのどういうところに惹かれたのかをもう少し突っ込んで教えてもらえますか?
マッドメイド::まずはそうですね......。他の音楽より音が派手で楽しいのが魅力でしたね。あとはリフの音色とか、スタブの音とかギミックがアーティストによって全然違う感じで、自由な感じが魅力的でしたね。
■けっこう最初から作り手っぽい聴き方をしていたんだね。それでリスナーから作る側になりたいと思うようになったと。
マッドメイド::ですね。やっぱり中3の頃にRenoiseっていうソフトの試用版を使って曲を作りはじめました。ただ、試用版なので作った曲の書き出しが出来ないんです。だからひとりでガバとかハッピー・ハードコアとかブレイクコアを作って、ひとりで聴いてました。
■ははは。人に聴かせないんだ!
マッドメイド::そうですね。パソコンからの音声出力をカセットとかに録音してっていうのも試みたんですけど音質とかも良くなかったんで......。
■ひとりで作ってひとりで聴いていた時期を経て、公の場に自分の音楽を発表したのはいつ?
マッドメイド::それから1年くらいたってからですね。当時ボイスブログを持ってたんです。MP3のファイルを張れるブログですね。そこに発表したのが最初でした。
■へー。反応は上々だった?
マッドメイド::悪くないんじゃない? みたいな感じでしたけど、日記にコメントはちゃんとつきました。いま聴くと恥ずかしいんですけど。
■でも悪くないっていう反応ってことは、もうある程度形にはなってたんだね。右も左もわからないところから曲作りをはじめると最初はかなりめちゃくちゃだと思うんだけど。その前になにか音楽はやってたの?
マッドメイド::エレクトーンを8年くらいやってたんですよ。
■へぇ! 8年!
マッドメイド::でもそれは結構ただやってるっていう感じで。お稽古ですね。でもまぁ、いま、曲を作るときになんだかんだで役には立ってますけど。
[[SplitPage]]最初は日本語ラップを聴いてたんです。当時流行ってたリップスライムとかライムスターとかを聴いてました。そこから、ラップ繋がりで初期の電気グルーヴに辿り着いたんですよ。それで、聴いたらラップはラップだけど、「この人たちはなんか違うな?」と思って。
■なるほど。そういえばトマド君は、どうしてこういう音楽を聴くようになったの?
トマド:僕の場合は、最初は日本語ラップを聴いてたんです。当時流行ってたリップスライムとかライムスターとかを聴いてました。そこから、ラップ繋がりで初期の電気グルーヴに辿り着いたんですよ。それで、聴いたらラップはラップだけど、「この人たちはなんか違うな?」と思って。それで電気グルーヴの『フラッシュパパ・メンソール』を聴いたら、ポール・エルスタックのガバのリミックスが入ってて、そこからそういう音楽に入っていった感じですね。それが5~6年くらい前の話ですね。そこからブックオフとかで中古CDを掘りまくったりしました。
■DJやネットレーベルをやろうと思ったきっかけは?
トマド:DJに関しては、最初はネットDJから入ったんですよ。
■ネットDJ?
トマド:インターネットの掲示板でストリーミングで好きな曲を流して、書き込みとかで盛り上がるっていうことをやってたんです。それで、そこに集ってたメンバーで実際に箱を借りてパーティをしようっていうオフ会があって。高1だったんですけど、人前で実際にDJをしたのはそれが初めてでしたね。
■なるほど。〈マルチネ・レコーズ〉は2005年にスタートしているから、DJとほぼ同時期にはじめたんだね。
トマド:そうですね。その頃、高校の同級生で〈マルチネ〉のアーティストでもあるシェイム君と一緒に音楽を作っていて、その発表の場が欲しかったんです。でも当時の自分たちには、CDとかを作るお金も無かったし。そういう状況でいちばん手っ取り早くネットとかの知り合いに聴いてもらうためにはどうすればいいかと考えた結果、ネット・レーベルという形にすることにしたんです。
■〈マルチネ〉の、レーベルとしての音楽的影響っていうのはどういうところから?
トマド:それは時期によってかなり移り変わっていくんですけど......。最初期は『リチャード・D・ジェイムス・アルバム』の頃のエイフェックス・ツインとかはかなり影響が大きいですね。シェイム君とお互い聴きあってました。あとは〈ロムズ〉とか。......そうですね、〈ロムズ〉とかの影響はかなり大きかったと思います。〈ロムズ〉はTSUTAYAにも置いてあったし。どこに行っても端っこのほうに、"日本のエレクトロニカ"みたいな感じで置いてあるんですよね。
■なるほどなるほど。そういえばトマド君には一緒に曲を作る同級生がいたわけだけど、マッドメイド君にはそういう同志的な友だちはいなかったの?
マッドメイド::中3の頃にひとりいたんですけど、闇に消えて......。
■闇に(笑)!?
マッドメイド::まぁ、高校も違うところに行くことになって。それで、高校には本当にひとりも居なくて......。
■そうなんだ......。そういえば、高校の同級生たちはマッドメイド君がこういう音楽をやっていることは知っているの?
マッドメイド::うーん、部活の部員くらいですかね。放送部なんですけど。
■放送部なんだ! 校内放送でこういう音楽を布教したりしないの?
マッドメイド::いやー、高校生になったらできなかったですね。中学生の頃も放送委員で、その頃はガバ流したりしてたんですけど。
■ガバを(笑)!? そのときの反応は!?
マッドメイド::友だちが「なに流してんだ!!」って。わかってもらえなかったですね。
■そうなんだ。やっぱりがっかりした?
マッドメイド::うーん、そんなにがっかりはしなかったですね。ガバとか音楽としては面白いけど、やっぱりどこかキワモノだししょうがないかって。
■あー、キワモノ意識はあったんだ。やっぱり速いし、キックが超デカいし。
マッドメイド::なによりTSUTAYAに置いてないし(笑)!
[[SplitPage]]CDっていうメディア自体は中途半端な物だとも思っています。ただ広めるだけだったら大体みんなネット環境とPCは持っているので音楽配信のほうが良いし、かといってモノとしてのプレミア感というのも普通にCDを作るだけだとそこまで無いんで。
■ははは。TSUTAYAに置いてないのはやっぱり大きいんだね。たしかにメイン・カルチャーとの距離を測るひとつのバロメーターかもね。さてさて、いよいよマッドメイド君が〈マルチネ〉からリリースするきっかけの話を聞きたいんだけど......。
トマド:リリースのきっかけは、高校生DJ/トラックメイカーのシタラバ君ですね。彼とはFMP.ZIPっていうフリーで手に入る音楽でDJをするパーティで知り合って。
マッドメイド::僕もシタラバとはそこで知り合いました。
トマド:それで去年シタラバ君の家に遊びに行ったら、「実はマッドメイド、けっこう曲作ってるんですよ」って教えてくれて。何曲か聴かせてもらったらなかなかかっこよくて。それで「新しい曲が出来たら教えてよ!」ってマッドメイド君に連絡したんですよ。
■それででき上がってきたのが〈マルチネ〉からリリースされた「Who Killed Rave at Yoyogi Park EP」なんだね! あれ僕のまわりでもめちゃくちゃ評判良いよ。ものすごいお祭り感があるベースライン・ハウスだよね。そういえば、ガバとかハードコアを作っていたマッドメイド君がベースライン・ハウスを作りはじめたきっかけは?
マッドメイド::知り合いがインターネット・ラジオをやっていて、そこで紹介されていたんです。それからベースライン・ハウスを掘るようになって、作りはじめましたね。
■このEPはUKでもプレイされてるとか?
トマド:そうですね。Kanji Kinetic(カンジ・キネティック)というUKのアーティストがけっこうかけてくれています。カンジ・キネティックは元々日本のポップ・カルチャーが好きなみたいで、ベースライン・ハウスやエレクトロ・ハウスに日本のアニメのネタを混ぜたりしていたんです。それで僕も面白いと思って、去年カンジ・キネティックを日本に呼んだんですよ。
■それでカンジ・キネティックがマッドメイド君を知ったんだね。
マッドメイド::そうですね。それ以降、いろいろ向こうに曲を送ったりもしています。
■マッドメイド君の年頃で打ち込みとかをやってる子たちには、〈マルチネ〉ってやっぱり注目度が高いと思うんだけどマッドメイド君は、〈マルチネ〉から出さないかって言われたときはやっぱり嬉しかった?
マッドメイド::そうですね。僕は嬉しかったです。日本のネット・レーベルのなかじゃ知名度があるっていうのもそうですけど、やっぱりそれまでのリリースも良いと思ってチェックしてましたし。やっぱり〈マルチネ〉からリリースしたら反響の大きさが全然違いました。ツイッターで凄い勢いでリツイートされていって。
■やっぱりいまだと、もっとも情報がインフレンスするのはツイッターなんだね。ちなみにとくに好きなリリースは?
マッドメイド::"12363253derdome"っていうガバのコンピ・シリーズですね。
トマド:このシリーズは94年くらいの感じのガバをひたすら作りまくってリリースするっていうもので、もう5作くらい出てます。
■あと、〈マルチネ〉のリリースというと忘れちゃいけないのが、8月に発売になった〈マルチネ〉初のコンピレーションCDだよね。いままではフリー・ダウンロードという形態でやってきて、ここでCDというフォーマットで作品をリリースしようと思ったのはどういう狙いがあったんですか?
トマド:いままでフリーダウンロードで作品を発表してきましたが、〈マルチネ〉の音楽はタダじゃなくてもちゃんと買って聴いてくれる人がいるというのを示したかったというのもあります。あとは普通に形として残る物を作ってみたかったんです。ただ、CDっていうメディア自体は中途半端な物だとも思っています。ただ広めるだけだったら大体みんなネット環境とPCは持っているので音楽配信のほうが良いし、かといってモノとしてのプレミア感というのも普通にCDを作るだけだとそこまで無いんで。
■なるほど。
トマド:そこでどうせCDを作るなら仕組みを工夫しようと思ったんです。今回のコンピレーションCDは〈マルチネ〉のアーティストが書き下ろした新曲を使ったミックスCDと空のCDRの2枚組になっていて、あとはダウンロード・コードが封入されています。WEB上でそのダウンロード・コードを入力すると、ミックスで使われた楽曲を1曲ずつ個別にダウンロードすることができるんです。最初はミックスCDを入れるつもりは無くて、ブックレットと空のCDRとダウンロード・コードだけを入れようとしたんです。だけど、それだと普通のCDショップなんかには置いてもらえないんですよ。やっぱり少しでも多くの人の手に届けたいので、それもちょっと残念かと思って。それでノンセクトラジカルズによるミックスCDをつけることにしたんです。
■〈マルチネ〉のいままでのリリースをまとめたブックレットもボリュームたっぷりだし、ジャケットのデザインもかっこよくて、それこそモノとしてのプレミア感もあると思うから、このCDはきっと多くの人の手に届くと思うよ! なにより、このCDはトマド君やマッドメイド君と同じ世代や、さらに下の世代を勇気付けるものになるんじゃないかな。
トマド:そうですね。
■最後に、ふたりの今後の展望を教えてください。
トマド:〈マルチネ〉としては、今後もコンスタントに作品をリリースしてより多くの人に知って欲しいですね。国内はもちろんですけれども、海外にも認知されたいです。その他の方向性として考えていることは、今のところ特にないですね。
マッドメイド::そうですね。将来的には海外のフェスとかでライブやDJが出来るようになりたいです。海外のネット・レーベルからリリースする予定もあります。
トマド:マッドメイドはこの調子でがんばってくれれば、ハタチくらいにはどこかUKのフェスとかに出れるんじゃないかなぁ。
晩夏の住宅街を散歩していると、なにか生き物が死んでいるような匂いがしてくる気がする。車道であればすぐ片付けられたものを、歩道だったがために打ち捨てられたままの犬や猫の骸を、ランドセルを背負っていた頃はわりと平気で見つめたものだ。ひどいときは1週間もそのままのことがあったから、生き物はこうして腐るのかということを、幼い我々はさりげなく見て取った。独特のにおいがしたが、それもまあそういうものかという具合で柔軟に受容できた。いずれも夏のことで、そのためにいまでもこの時期におかしな錯覚を起こすのかもしれない。サウンドキャリアーズのセカンド・フルは、個人的にはそのような記憶と絡まりながら、夏が腐りかけていくようなこの季節の感性に、強く働きかける。
サウンドキャリアーズはノッティンガムの4人組、目も綾なサイケデリック・アルバム『ハーモニウム』でデビューしたのはまだ昨年のことだ。本作はセカンド・フルということになるが、じつに充実している。抑えめのファズとウィスパリングな男女コーラスがシルキーに(実際、英モダン・フォークのヒット・グループ、シルキーを思わせる典雅なサウンドでもある)紡ぐ60~70'Sサイケ・コンボ。鈍く脳に回ってくるオルガンは、まるで潜水したときのような外界との隔絶感、水から上がった後の重い倦怠を、おそい夏の記憶のように甦らせ、隙のないアンサンブルとコーラス・ワークは、やがておとずれる収穫期の豊穣までを予感させる。2000年代を覆ったサイケデリアとは別口だ。ジェファーソン・エアプレインやクイックシルヴァー・メッセンジャー・サーヴィスといった1965年前後のシスコ・サイケが、ペンタングルやテューダー・ロッジと融けあって鳴っている、そうした印象で、完全にレイド・バック型の佇まいである。
今作については、クラウトロックへの接近という点に言及されることが多いようだが、それは冒頭の"ラスト・ブロードキャスト"1曲が引きずるイメージだろう。たしかにこの曲はホーリー・ファックやファック・ボタンズとも交叉するモータリックなビートが特徴だ。オルガンもよく動き、ベースは信号音のように上下し、高揚感をあおる。アルバムの頭を華やかに飾る躍動的なナンバー。しかしその上で展開されるのが、マットにしたラブ、というかステレオラブ化したペンタングル、というか、上質な叙情をたたえた旋律とコーラスなのがおもしろい。後につづく曲はいずれも気怠い。"ステップ・アウトサイド"では、リヴァービーなフルートが全体に薄墨のような影をつける。ベースがグルーヴィーだ。対旋律をとるかのようにうごきまわって、これがなんとも情感豊か。鈍く、苦く、胃のあたりがきりきりする。テープ逆回転的な音の歪みも、こんなに洗練されてあしらわれているのを聴くことはめったにない。ピアノにも非常に存在感があって、"モーニング・ヘイズ"や"ブロークン・スリープ"ではベースともつれながら曲自体のアウトラインをくっきりと構成している。なんというか、悪いピアノである。だるく危うく、印象的だ。蝉が短く鳴き終えて木を離れる、そのあとに残ったわずかな空気の歪み。それがペダルで増幅されたようなヘイズ感がアルバム全体を覆い、ピアノやフルートはそのなかで硬質に響く。"ゼア・オンリー・ワンス"はソフト・サイケの名曲。疾駆するようなテンポと白熱したアンサンブルはアルバム中の白眉、ハーモニーは涼しく、オルガンは扇情的なリフをさらりと繰り返す。
本当に、どれも隙がなく、力みもなく、何度でも頭から聴いていられるのだが、この作品がロック史的にどのようにとらえればよいのかということになると、はたと思考が止まってしまう。2010年に入り、なかなか新しい音は聴こえてこないが、「良質な音楽」はあちらこちらから産まれてくる。時流に流されず、適度に整った「良質な音楽」は確実に見つけやすくなっている。マイスペースやユーチューブが、時間と情報量を無限に近づけ、我々は無限の原野に、メディアというステーションを拠り所としながら漂っている。ネットの空間には恐ろしい量の尖兵たちが存在して、日々、刻々、いろいろな音を拾い、紹介してくれる。しかし、新しいものとなると、見つける側の新しさとやる側の新しさがときの運のように重ならなければならない。おそらくまだときが熟さないのだろう。
サウンドキャリアーズは、その点で言えば、誰かの人生を狂わせたり、音楽の歴史を掻き回したりするものではないかもしれない。しかし非常に凛とした気品を持っている。こうしたものが耳に届きやすくなった状況自体は、劇的なものである。人生や歴史を変えずとも、個体として誇り高く輝きつづけるものがある。そうしたものを丁寧に味わうのも悪いことではない。8月の終わりの倦怠を鈍く照らし出したこのアルバムは、時を経てもまた同じように晩夏を危うく彩り、心を乱させるだろう。UKは〈メロディック〉からのリリース。ジャズ・レーベルを模倣したCDのデザインもよい。
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DJ Nate -Da Trak Genious -Planet Mu |
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Funkineven - Heart Pound -Eglo |
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Mange Le Funk -I Still Want You(Gramophonedzie Remix) -OXYD |
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Rune And Jerome Sydenham -Aqua Boogie -Avocado |
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Dyno -Robottino -Hell Yeah |
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The Backwoods -Midnight Run -Ene |
![]() 7 |
Planetary Assault Systems -GT (James Ruskin Remix) -Mote Evolver |
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okadada - Fictional Dawn -Maltine Records |
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Ice Dynasty -Fresh (GUNHEAD REMIX) |
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韻踏合組合 -前人未踏 -IFK Records |
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Roc Marciano -The Marcberg EP -Fatbeats |
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Black Knights -Killa Cali -Loud |
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Krumbsnatcha -W.O.L.V.E.S. -Priority |
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Monju -Black de.ep -Dogear |
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Sticky Fingaz -BlackTrash -Universal |
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Mr Dibiase -Cakeology -Fat City |
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Quazdelic -Around The World -Epistrophik Peach Sound |
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Black Knights -Zip Code - Wu-Tang |
![]() 9 |
Nottz presents DMP -Mr. Smif N Wesson Man -Fastlife |
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Frank Nitt -L.O.V.E. -Delicious Vinyl |