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interview with AO

interview with AO

はじめにダブありき

――AO、インタヴュー

野田 努    Dec 08,2011 UP

 〈ON-U〉というレーベルは、レゲエに関してオーセンティックな価値観を持っているものの、異種交配/雑食性ということに関しても積極的だった。プリンス・ファー・アイやビム・シャーマンといったオーセンティックなアーティストの作品を出しながら、マーク・スチュワートのメタリックなダブを手がけたかと思えばニューヨークのシュガーヒル・ギャングからはタックヘッドを引き抜いて、他方でエイドリアン・シャーウッドはアインシュテュルツェンデ・ノイバウテンのようなインダストリアル系の仕事もこなしている。最近の日本では〈ブラック・スモーカー〉がそうした混交をいとわない活動しているが、このレーベルは2011年にドライ&ヘビーの新作を出している。


AO INOUE
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 AOは......通称はAOちゃんは、リスナーにはドライ&ヘビーの元MCとして知られている。10年以上も昔の話だが、ストイシズムの極みとも言えるドライ&ヘビーのステージにおいて、AO、そしてLIKKLE MAIといったシンガーは熱のこもったヴェイブレーションを伝えていた。MAIちゃんはソロとしてのキャリアを積んで久しいが、このたびAOは、まるで世間の意表を突くかのように、初めてのソロ・アルバムを発表する。

 その作品『アロー』におけるAOは、10年前に我々がステージで見ている彼ではない。マイクを握らず、彼は電子機材を操作している。アルバムは全曲インストだ。
 『アロー』はベース・ミュージックと括られるかもしれないが、ダブステップではない。収録された何曲かをオーディオ・アクティヴの大村大助がサポートしているように、アルバムは〈ON-U〉直系のハイブリッディなエレクトロニック・ミュージックを展開する。エイドリアン・シャーウッド流の広義のダブ、アンドリュー・ウェザオールのエレクトロ・ファンク、そしてダンスホールやグライム......そうしたものがミックスされている。

 2011年という年は、リトル・テンポやザ・ヘヴィーマナーズといったこの国の異端的なダブ・バンドが素晴らしいアルバムを発表している。ドライ&ヘビーやオーディオ・アクティヴも復活した。こんどはAO......そう、AOちゃんの出番である。

何にも知らないときにですね、インターセプターに入って、ただひたすらテープを聴いて、ビッグ・ユースとかI・ロイとか、カタカナで起こしていくわけですよ。「これ何だろう、英語にしてったらこういう風になるんだ」とか。アクセントも違うし、まず何言ってんのかわかんないし。

■今日はAOちゃんのすべてを語ってもらうってことでお願いします。

AO:はははは!

■俺、AOちゃんの踊りは何度も見ているんですけど、音楽活動はドライ&ヘビーが最初だったんですか?

AO:その前に、MIGHTY MASSA――長井(政一)さんがやっていたインターセプター(INTERCEPTOR)というバンドがあったんですね。で、当時は下北沢にZOOっていうクラブがありまして、そこのハコバンみたいなバンドだったんです。で、そのバンドが、アグロヴェーターズとかナイニー・ジ・オブザーヴァーとか、ああいうものばかりをカヴァーするようなバンドだったんですね。

■カッコいいですね。

AO:メンバーも面白かったんですよね。ドロップスっていう女性だけのスカバンドの人たちがいたりとか。10数人ぐらいのバンドだったんですけど、たまたま僕そこ誘われて。MAIちゃんがコーラスでいたりとか。メイン・ヴォーカルはカルティヴェーター(Cultivator)でも活躍しているラス・ダッシャー(Ras Dasher)。で、僕はまあトースティングで。

■その頃からトースティングなんですね。ちなみに何年ですか?

AO:ええっと、何年ですかねえ......ZOOがSLITSになるあたりですね。

■じゃ、93年あたりだね。

AO:で、たまたま誘っていただいて、ライヴも何回かやったんですよね。その頃ちょうど秋本(武士)さんが力武(啓一)さんというギタリストといっしょにオーディオ・アクティヴを飛び出たあとにインターセプターに入ってきて、そこから別に独自のセッションがはじまっていって、で、95年ぐらいにドライ&ヘビーになったんですね。そのままドライ&ヘビーに入ってっていう形ですね。

■じゃあドライ&ヘビーは最初からメンバーとして?

AO:そうですね。まあ流動的に、少人数で秋本さんと力武さんがドラムマシーン使ってセッションっていう時期もあったので、そのあたりは自然になっていったっていうのはありますね。

■じゃあインターセプターが媒介になって?

AO:そうですね。

■AOちゃんはじゃあ最初からレゲエだったんですね?

AO:そうですね。音楽活動は初めからレゲエ・バンドだけですね。いままでずっと。

■しかしアグロヴェーターズやナイニー・ジ・オブザーヴァーをカヴァーするっていうのは、当時としては、世界的に見ても少なかったでしょうねぇ(笑)。

AO:たぶんそうだったと思いますね(笑)。長井さんもちょうどその頃、サウンドシステムのスピーカーを作りはじめた頃で、月1本ずつ増えてったりとかっていう状況で。でもまあ、イヴェント自体少なかったですし、ましてや内容の濃いものっていうのはなかったですよね。

取材:野田 努(2011年12月08日)

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