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interview with iLL

interview with iLL

膨張するイルな宇宙は夢を見るか……

――アジカンからDJノブまでが参加する、中村弘二の新たなる試み

野田 努    Jun 11,2010 UP

自分が自分のことをやっているよりも、こうやって人と広がっていくほうの面白さというのもあるんですよね。参加してくれた人たちもみんなそういう感性を持っている人たちだと思うんです。だから参加してくれたと思うし......。

今回は実現できなかったけど、やりたかった人っていますか?

ナカコー:七尾旅人くん、瀧さんとか......。

ピエール瀧?

ナカコー:はははは。

はははは。

ナカコー:やっぱ電気グルーヴは巨大なんで(笑)。

たしかに。

ナカコー:影響も大きいし、日本の音楽の重要な要素だから。でも、ちょうど忙しかったみたいで。

残念だったね。それこそ彼の歌詞は聴きたかったかもしれない(笑)。ちなみにリミックス以外はぜんぶナカコーが曲を書いているの?

ナカコー:いや、ベースボールベアー、テレフォンズは彼らの曲ですね。

テレフォンズとはどういう関わりがあるの?

ナカコー:彼らのアルバムをプロデュースしたんで、今回はもっと深くプロデュースしてみたいなと思って。

AC/DCがディスコやったみたいなバンドだなという印象なんだけど。

ナカコー:いや、いろいろ考えていると思いますよ。

そのアイデア自体は面白いと思うんだけど。

ナカコー:もっと幅広く音楽を聴いているし。

じゃあ、この先もっと変化していくかもしれないんだね?

ナカコー:たぶん、そうだと思います。海外からの影響もあるし、ダンス・ミュージックとロックということの組み合わせを考えているし。

僕は唯一、このベースボールベアーっていうバンドを知らなかったな。どんなバンドなの?

ナカコー:『ロッキングオン・ジャパン』とかでよく見るバンドというか......すごく乱暴な説明ですけど。

なるほど。

ナカコー:20代半ばのバンドで、すごく人気ありますよ。前から名前は知っていたんだけど、自分のなかではさっき言った「わかる/わからない」の共存の度合いが強いバンドだったから、頼んでみようって。

「わかる」部分って?

ナカコー:やっぱバンドとしての結束力ですね。そこはオレもずっとバンドやってたからわかる。バンドとしての生き方......みたいなの。

じゃあ「わからない」ところは?

ナカコー:うーん。......「なんでそこまでバンドにこだわるの?」っていう。

はははは。

ナカコー:バンドを解散したオレからみると(笑)。

分裂しているものがあるんだね。

ナカコー:そうかも(笑)。

まあ、じゃあ、これは......とにかく作ったからあとは聴いてくれた人がどう思うか、というところに賭けているアルバムなんだね。

ナカコー:たぶん。きっと邦楽メインで聴いている人たちにいくと思うから。

そうだろうね。DJノブが千葉を拠点にどんな音楽活動をしているのか初めて知るとっかかりになるかもしれないしね。これを聴いてアブラハム・クロスのファンになる人がいてもおかしくないものね。

ナカコー:そうだね。そうなったら、すごく良いですよね。

ILLがいま見ている......でっちあげかもしれないけど、シーンのようなモノが見えればね。

ナカコー:うん、ただシーンというのが、まったく繋がっていないのがもったいない気がします。

ここ1年、何回かオム二バスのライヴに行ったんですよ。そうすると、自分の目当てのバンドが終わると多くのファンが帰ってしまう。そういう状況が僕はずっと不健全だなと思っていたのね。相対性理論のライヴが終われば客は帰る......とかね。でも、それってよく考えてみれば、シーンがないってことなんだよね。シーンがあれば、パンクでもテクノでもラップでも、オム二バスのライヴの最後まで見ようとするじゃない。でも、シーンがないから単体のアーティストにしか興味が集まらない。そういう意味では、まあ、勇気ある挑戦でもあったね。

ナカコー:はははは、そうかもしれないですね。

良くやったなーと思いますよ。

ナカコー:よく参加してくれたなーと思いますね。

そうだね。

ナカコー:参加した人たちも「これどうなるの?」って思いがあったと思いますよ。

それはそうだよね。

ナカコー:でもきっと、面白いものになると信じてくれたんだと思うんですよ。

中村くんの人徳でしょうね。

ナカコー:いや、これで初めて会う人ばっかだったし(笑)。

会ったこともない人とよくいっしょにやったね。

ナカコー:会ったこともない人といっしょにやるのがスリリングなんですよ。向井くんとも会ったことなかったし、ポリシックスにも会ったことなかったし。ベースボールベアーも、ノブくんも、アジカンも、クラムボンも......ほとんど会ったことがなかった。

そうかー。

ナカコー:音楽があるから、知らない人とも話せるからね。

なるほどね。ナカコーはこのアルバムで、たしかに他の人たちがやらない"努力"をしたんだろうなとは思いますよ。

ナカコー:努力というか、自分が自分のことをやっているよりも、こうやって人と広がっていくほうの面白さというのもあるんですよね。参加してくれた人たちもみんなそういう感性を持っている人たちだと思うんです。だから参加してくれたと思うし......。それをリスナーの人も共有してもらえたらいいんですけど。

大きく言えば、分断された島宇宙を繋げたかったんだろうし、そういう努力はもう日本では誰もしなくなったからね。ただし、ここまで努力してみても、誰もこっちを振り向かないかもしればいし、空振りするかもしれないでしょ。知らなかった音楽を知りたくない、そんなこと求めてないって人だっているわけだし。その覚悟はある?

ナカコー:もちろん。まったく空振りするかもしれないって覚悟はありますよ。

できれば夢のほうに話が進んで欲しいけどね。

ナカコー:はははは。ですねー。夢は夢だから(笑)。

最後のクラムボンとの曲が、なんかそんな感じだね。淡く終わっていくような......。

ナカコー:まあ(笑)。

野田 努(2010年6月11日)

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