「IO」と一致するもの

Sound Patrol - ele-king

夏といえばダンスの季節です。いくつか注目のシングルをピックアップしてみました。ワクチン接種が進んでいるUKでは来週19日からクラブが通常営業を開始するとのことですが(問題なきことを切に願います)、たとえ緊急事態宣言下であっても、ダンス・ミュージックはいつだって我々にとってのエネルギー源であり、かけがえのない音楽なのです。

Overmono - BMW Track / So U Kno Poly Kicks

https://overmono.bandcamp.com/album/bmw-track-so-u-kno

TesselaとTrussによる期待の兄弟ユニット、オーヴァーモノ(https://www.ele-king.net/news/008102/)によるニュー・シングル。彼らの才能は、“BMW Track”を聴くとよくわかる。音数少なめのブレイクビーツ・テクノによるリズムの格好良さ。ダンサーたちを魅了すること間違いない。早送りのヴォーカル・サンプルを使った“So U Kno”に至ってはレイヴの季節にぴったり。よし、踊るぞ(どこで?)。


Eomac - Cracks Planet Mu

https://eomac.bandcamp.com/album/cracks

ベルリンからアイルランドはダブリンに移住したプロデューサー、Eomacによる〈Planet Mu〉からのアルバム。内省的で、じつに多彩な内容だが、とにかく、“What Does Your Heart Tell You?”という曲を聴いてほしい。素晴らしいでしょう?


LSDXOXO - Dedicated 2 Disrespect XL Recordings

https://lsdxoxo.bandcamp.com/album/dedicated-2-disrespect-ep

フィラデルフィア出身ニューヨークからベルリンへ、LSDXOXOによる〈XL Recordings〉からの一撃。ボルチモア・クラブおよびゲットー・ハウスの猥雑さとパワーを咀嚼した4曲入り。まずは“Sick Bitch”でも。ダンスフロアの次期スターは彼か?


One Bok - Zodiac Beats Volume 1 & 2 AP Life

https://aplife.bandcamp.com/album/zodiac-beats-volume-1-2-003

〈Night Slugs〉で知られるBok BokによるOne Bok名義でのEPで、グライム、トラップ、ドリル、ダブ、ベース・ミュージックの混合。ダンス・ミュージックだが、この虚しい夏にはぴったりの荒涼感覚が見事で、家でリスニングも楽しめる。


RP BOO - All My Life. Planet Mu

E王


https://soundcloud.com/rp_boo/all-my-life

RP BOO9月リリース予定のニュー・アルバムからの先行曲(配信で購入可)。シカゴのフットワークの重鎮、オールドスクールを意識しつつ、ディープ・ハウスに接近か。これはもう、アルバムを期待しないわけにはいかないでしょう。


Jon Dixon - The New Tomorrow EP Visions Inc

https://visionsrecordings.bandcamp.com/album/jon-dixon-the-new-tomorrow-ep

デトロイトからはアンドレスの新譜(Sweetest Pain / Sweetest Moaning)も良かった。しかし、ここはGalaxy 2 GalaxyやTimelineの鍵盤奏者でもあり、ハイテック・ジャズ・テクノのプロデューサーでもあるジョン・ディクソンの最新シングル、ソウル・ミュージックとしてのテクノをどうぞ。落ち込んでばかりの毎日でも、なんかやる気にさせます(何を?)。

Leon Vynehall - ele-king

 フローティング・ポインツやフォー・テットはよく語られるが、それに較べてレオン・ヴァインホールがあまり語られないと感じるのは、僕の気のせいだろうか。全員がUK出身のDJであり、いずれも彼らのアルバムはフロアの枠を超え、すばらしい作品へと実を結んでいる。実際、僕は2019年にリリースされたフローティング・ポインツの『Crush』を何度も聴き込んだし、2020年にリリースされたフォー・テットの『Sixteen Oceans』も安心して聴けた──ハウスに分類できる音楽においてはあまり多くない──フルレングスのアルバムだった。もちろん、同年に重量盤&3枚組の豪華仕様で、名盤『There Is Love In You』が再発されたことも、ささやかだがうれしい出来事であった。

 もし、以上に挙げたいずれかの作品がレコード棚にあるのならば、レオン・ヴァインホールの『Rare, Forever』もコレクションに加えてみてはいかがだろうか? オープナーの “Ecce! Ego!” のダウンテンポ、ボン・イヴェールの『22, A Million』でアートワークを手掛けたエリック・ティモシー・カールソンによるMVから、前作『Nothing Is Still』と地続きのコンセプチュアルなものを予感させる。が、その内実は少し異なる。もちろん、前作にある美しくも幽玄なテクスチャは随所に引き継がれているものの、緻密で一貫した物語は鳴りを潜め、その瞬間における彼の感情が、10曲/38分間へと見事に落とし込まれ、そして、なによりもフロアへのまなざしを感じられる。後悔しないことを保証します。

 まず、彼は抽象画からのインスピレーションについて公言しており、ブラシの自由なストローク、感じたままあるがままに描くというありかたは、まさにその瞬間の感情を捉えた今作の仕上がりに直結している。突如としてザッピングめいた音とヴォーカルの断片が挿入される “Mothra” は、自由でトリッキーな作風をよくあらわしているし、「ただ座って、自分の思いつきに委ねた」と語る “Farewell Magnus Gabbro” では、瞑想的なドローンを展開する。サックスが響き渡る “Alichae Vella Amor” は、配偶者へのシンプルなラヴ・ソングに仕上がっている。多様な感情がめまぐるしく展開していくさまは、液体のように掴みどころがなく、どこか流動的なイメージを想起させられる。一貫したコンセプトや物語からのこの解放が、様式にとらわれない自由な作風に通じている。

 そして、このフリーフォームな作風は、『Rare, Forever』が踊れる方向へ再びフォーカスしたことへつながっている。彼がDJであるだけでなく「アーティスト」であることを証明したコンセプチュアルな『Nothing Is Still』以前のことを思い返してみよう。『Music for the Uninvited』や『Rojus (Designed To Dance)』は、後者が「ダンスのためにデザインされている」と付しているように、まさにフロアのためにチューニングされたサウンドであったし、そもそも彼は、ウィル・ソウルによる〈Aus Music〉やオランダの〈Royal Oak〉といった上質なレーベルから、フロアライクなハウスをリリースしているのだ(僕のお気に入りは “Brother”)。

 今作はいわゆるストレートなハウス・ミュージックではないが、この頃にたずさえていたダンサブルな感覚が注がれており、それが “Snakeskin ∞ Has-Been”、あるいは “An Exhale” や “Dumbo” などの楽曲で結実しているように感じる。ビートが差し引かれた “An Exhale” には独特の高揚感があり、そこからなめらかにつながる “Dumbo” では、せきを切ったかのように踊れるビートが展開される。個人的に、後者のふたつは今作のハイライトだと思っている。このふたつをレオン・ヴァインホールは「楽しげ/楽観的/遊び心のある」といった言葉で表現していることからも、たしかに明確なコンセプトや物語はない。これらのサウンドを聴くと、レオン・ヴァインホールがフロアを志向していたころを思い出させるような、踊れる瞬間を演出しているように感じる。

 『Rare, Forever』を聴いていると、コンセプトや物語はさして重要ではないと思わされる。どこまでも自由であり、その瞬間の感情を切り取ったこのアルバムは、おおよそは落ち着くことを拒むかのようなリズムであふれており、ときおり汗が飛び散るダンサブルな瞬間を思い出させる。DJやフロアの来歴を存分に感じさせるサウンドは、驚くほどのクオリティで、アルバムというフォーマットへ落とし込まれている……だからこそ、彼をフローティング・ポインツやフォー・テットといった面々と並列することは、まったく誇大な触れ込みではないのだ。もう一度言おう、後悔しないことを保証します。

interview with Koreless - ele-king

 コアレスとはいまから10年前、ジェイムス・ブレイクの次はこの人だと期待された、当時はまだ10代だったUKのプロデューサーである。あの頃はちょうど「CMYK」が出たばかりで、同時にマウント・キンビーやラマダンマンにも注目が集まり、じゃあ次は彼だろうと、デビュー・シングル「4D」を聴いた多くのリスナーが太鼓判を押したのだった。
 が、コアレスがベース・ミュージックに定住することはなかった。作品数こそ多くはないが、ひとつのスタイルに固執せず、自由奔放にリリースし続けている。なかでもとくに重要なのは、2013年に〈Young Turks〉から出した「Yugen」だ。もの悲しくも幽玄な音響を持つその「Yugen」もまた彼の才能を世に認めさせた作品で、今回のアルバム『Agor(アゴル)』の起点にもなっている。
 そもそも2011年のデビューEP1枚だけで、『ガーディアン』からは「ジェイムス・ブレイク、フォー・テットに続くのは彼だ」と紹介され、ジャイルス・ピーターソンからは「ほかの素晴らしいデビューと同様、将来も記憶に残るEP」などと讃辞を受けている。そんなシーンの寵児のファースト・ソロ・アルバムがこの度、ようやっとリリースされるとあればシーンはざわつき期待が高まるのも無理からぬことなのだ。しかも先行で発表された曲、“Joy Squad”は出色の出来とくる。

 もっとも『アゴル』には、こんなにも楽しそうな曲ばかりが収録されているわけではない。ウェールズ出身のロマン派による最初のアルバムに収録されたメランコリックなエレクトロニカ風の楽曲には、たとえば“ヨーガ”におけるビョークを彷彿させると言えばいいのか、オーガニックな響きを取り入れた叙情性に心が揺さぶられる。また、アルバムにはレイヴ・カルチャーの残響が断片化されてもいるようにも感じられる。どこまでも広がる牧草地帯、夜空の遠くからかすかに聞こえるダンス・ミュージック──1994年の夏、コーンウォールのレイヴに行き損ねたぼくたちはロンドンから西へ、羊たちが放牧されている一帯をどこまでも車で進んで、そしてコアレスの故郷、ウェールズにまで行った。山道を走ってすっかり迷子になり、ようやく辿りついた一軒のホテルでひと息入れてから眺めた星空は最高だったなぁ。
 『アゴル』は想像力を刺激する音楽であって、踊るための作品ではないが、ダンス・カルチャーの熱狂とも繫がっているようにも感じられる。たとえその音楽がアンビエントめいていたとしても、かの地のエレクトロニック・ミュージックがクラブ・カルチャーと乖離することはまずありえないのだ。しかしながら、ウェールズの田舎で暮らしながらバレアリックを夢見るというのは、まあ、あまりないことかもしれない……。我が道をいくタイプなのだろう。コアレスを名乗るルイス・ロバーツは、指定の時間よりも早く待機するような、天才と言うよりは謙虚で温厚なお兄さんだったと通訳の青木さんが彼の印象を教えてくれた。

学校の進路相談で、音楽プロデューサーになりたいと伝えたんだ。そうしたら先生から「それほど馬鹿げた考えはない」と言われたんだよ(笑)。

2011年にあなたが最初にリリースした12インチを東京のレコード店で購入しました。当時はダブステップ以降のベース・ミュージック全盛で、ぼくはBurialの次に来るような音を探していたんですが、Korelessの「4D」にそれを感じたからです。しかしあなたはその後、ベース・ミュージックとは別の方向に進みましたよね。あなたは自分の音楽の進むべき方向性についてどのように考えていたのでしょうか?

K:素敵な質問とコメントをありがとう。僕は同じことを1回以上やるということが得意じゃないのと、自分がこれから何をやるのかということが先にわかっているとすぐに飽きてしまう性分なんだ。だから自分が続けられる音楽制作のやり方は、自分がイメージしている音を作り出すのではなくて、何かしらの疑問や問いからはじめる。その疑問は技術的なものかもしれない。例えば、「このツールを極限まで使ったらどうなるんだろう?」とか。その過程で何か素敵なものが見つかるかもしれないし、「こんな曲を作ったら面白くない?」と自分に問いかけて、ただのジョークで終わることもある。
 もしくは、夜、何も考えずに何かを弾いてみるというときもある。そういうやり方をしているから僕の音楽は変わり続けているんだと思う。一度何かをやると、もう一度それをやるのが僕にとっては難しいことだから。つまらなく感じてしまうんだよ。だから音楽を作ることはゲーム感覚でやっていて、いろいろと探ってみたりしながら軽い気持ちでやっている。深く考え抜いてやっているわけじゃないんだよ。

あらかじめ求めているサウンドがあるというわけではないのですね。疑問からはじまって、それがどこに向かっていくのか様子を見ると?

K:最初から自分はこれを作りたいと思って制作をはじめても、決してその通りにはならないし、僕はすぐ飽きてしまうんだよね。でもゲーム感覚で制作をしていると、物事に対してもっとオープンになれる。だからどんなものができるかやってみて、予測していないことが起こっても、それはそれでよしとする。だから今回のアルバムの曲も同じようなサウンドの曲がひとつもないんだと思う(笑)。

ほかの仕事で忙しかったんだと察しますが、それにしてもアルバムを出すのにこれだけ(10年)かかった理由には、あなたがアルバムに関して慎重だったことが影響しているんじゃないのでしょうか? そして制作に費やす時間も必要だったと。

K:時間がかかった要因はいくつかある。アルバムを作りはじめたタイミングも比較的遅かったし、そもそもフル・アルバムを作るという予定がなかったからね。アルバムの曲のうち半分は、長い時間を要し、もう半分は2ヶ月でできた。最初の頃長い時間がかかったのは、「Yugen」をリリースした後だったから、すごくいいものにしなくちゃいけないと思って、自分に強いプレッシャーをかけてアルバム制作をしていたから。そう、ノンストップで、ものすごい量の楽曲を作ったんだ。すべてのトラックにつき何百ヴァージョンも作ったりしてね。で、数年後ニューヨークまで行ってポール・コリーという人とアルバムの音源をミックスしたんだけど、そこでアルバムは完成したと思った。自分のなかで祝杯を挙げていたくらいに。「Yugen」の4年くらいあとの話だよ。
 でもそのあとに、やっぱりアルバムは完成していないと思ったんだよ。アルバムには何かが欠けていたし、曲によっては強烈すぎるのもあった。だからやり直したんだ。この時点で僕はかなり落ち込んでいてね、すでにかなりの時間をかけていたからね。でもそこから2ヶ月で、“White Picket Fence”と“Act(s)”と“Stranger”とアルバムに収録しなかった他の音楽が次々と出来上がっていった。いままでのように自分に厳しくし、すべてに対して慎重にやるのはやめて、楽に、リラックスした感じで曲を作ろうと決めたんだ。そうしたらすごく早いペースで曲が仕上がっていった。だからアルバムが出来るまで、なぜこんなに時間がかかったのかはわからないけれど、いま話したような流れで完成したんだ。

アルバムが完成したと最初に思ってから、さらに2年間くらいかかったということですか?

K:それくらいかな? コロナの影響もあってリリースが遅れたというのもある。とにかくアルバムの半分はすごく時間がかかって、もう半分はまったく時間がかからなかった。

『アゴル』は、美しいメロディと繊細な電子音による壮大な広がりのあるアルバムですが、ジャンル名に困る音楽でもありますね。『Agor』は物語性がある、コンセプト・アルバムと受け取っていいのでしょうか? 

K:コンセプト・アルバムではないね。ジャンルに関して言うと、音楽には本当にたくさんの聴き方がある。例えば、「踊る」ということは音楽を聴く方法のひとつ。他にも体を動かしながら音楽を聴くことができる。音楽の種類によっては、座ってじっくりと聴くという聴き方もできる。スピーカーから音を流して、それ以外のすべての音を消して、音楽に集中する。また別の種類の音楽だと、そういう聴き方はまったく適していなくて、聴き流しているくらいがベストな音楽もある。

アルバムとしてのコンセプトがあるわけではなく、曲がひとつずつ独立しているということでしょうか?

K:その通りだよ。曲ごとに、そのスタート地点となった「疑問」があった。最初はアルバムというものを念頭に置いていなかったからね。僕はコンセプト・アルバムが作れるほど頭が良くないんだよ(笑)!

作中から聴こえるメランコリーは何に起因しているのでしょう?

K:僕はメランコリックな場所の出身だからね。ウェールズの田舎。ここの景色を見せてあげたいけれど、光の加減がとても奇妙なんだ。美しいところだよ。雑誌なんかでは、「壮大な場所」や「山頂を制覇する」という表現がよく使われていて、男性的で、登山的なマッチョのイメージがある。でも実際ここに住んでいると、そのイメージとはかけ離れている。ここの生活はこじんまりしていて、静かで、悲しい感じがするんだ。ここにいる僕の友人たちはみんなメランコリーな雰囲気があって、すごくシャイなんだ。静かで、引っ込み思案で、まるでホビットみたいなんだよ。そのことに今朝気づいたんだ。いま、じつはいま、1年ぶりくらいに両親の家=実家に戻って来ているんだ。今朝、散歩に出かけたんだけど、とても物悲しい、メランコリックな場所だと思った。だから音楽のメランコリーな感じはそこから来ているんだと思う。メランコリーと山の壮大な感じが共存している。それが僕の音楽に反映されているんじゃないかな。

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ピアノの先生は18歳くらいで、自宅にスタジオがある、オタク気質の人だった。シンセサイザーにめちゃくちゃハマっている人だったんだ。僕はピアノよりシンセの音に夢中になってしまった。

『アゴル』とウェールズの文化との関係について話してもらえますか? 

K:いま話したことと、ウェールズには壮大なイメージがあるということかな。自分でも気づいたのは、僕が作る音楽はいつも壮大になってしまうんだ。それにいつもメランコリック(笑)。それは自分でもどうしようもないことで、とにかくそういう感じにいつもなってしまう。最初はハッピーな感じの演奏をしていても、次第にメランコリーな方へ行ってしまう。毎回そうなんだよ。残念だよな(笑)!
 まあ、だからウェールズのメランコリックな感じと壮大な感じは、僕の音楽に関係していると思うよ。それからもうひとつ関係性が多少あるとすれば、ウェールズは他の世界から少し隔離されているという点かな。独立した国ではないんだけど、別の国という感じもあって、僕の音楽にもそういう雰囲気が少しあるかもしれないね。

ちなみに質者は、ウェールズに行ったことがあるそうです。1994年のことですが、車で山道で迷っていたら馬に乗った男性に会って、親切にしてもらった思い出があるとのこと。標識も英語ではない世界がイングランドと地続きにあるということが驚きだったと。それはともかく、ウェールズ特有のケルト的な世界観はあなたの作品にもあるのでしょうか?

K:僕の父親は昔、山道で馬を乗っていたから、それは僕の父親だったかもしれないね(笑)! 実家には馬が2頭いてね。最初は1頭だったんだけど、父親がドッグフード50袋と馬1頭を交換して、馬をもう1頭ゲットしたんだ。この辺の生活はいつもそんな感じなんだ。動物がたくさん周りにいてさ。1頭目の馬は山のどこかかから拾って来て、もう1頭はドッグフードか何かと交換して手に入れたんだ(笑)。家には昔、馬車があってそれを山で乗っていたよ(笑)。
 ……ケルト的な世界観についてだったね。その影響もあると思う。僕の祖父、つまり父親の父親は、ケルトの祈とう師というかエクソシストだったんだ。地元にある、とても小さな教会の神父で、彼の仕事のひとつは幽霊を追い払うということだったのさ。だから彼は古い家などを訪ねて、幽霊に語りかけたり、除霊したりしていたんだ。それ自体はケルト的ではないんだけど、ケルトの文化や歴史には魔法や神秘的な側面があって、みんなそれを話半分くらいで聴いている。そういう考え方は僕の音楽に共通するところがあるかもしれない。あとは静けさと古さ。ウェールズの山には古代の遺跡や昔からある集落などがあるからね。そういうのが背景としてあるんだけど、実際の町は、古びていて寂れている。 荒れていて、そこに居たいと思うような素敵な場所ではない。ケルト的な古代の壮大な感じと、悲しくて絶望的な感じが対照的なところなんだ。ウェールズの雰囲気をわかってもらおうと、長々と話してしまったね(笑)。

あなたの音楽に、そういったケルト的な感じは含まれていると思いますか?

K:“Black Rainbow”はいま聴くとケルトっぽい響きがあるように感じられる。あのヴィデオは弟と一緒に近くの裏山で撮ったんだけど、ヴィデオが完成してからは、曲の感じが、シンセっぽいバイクみたいな曲から、ケルトっぽい感じに聴こえるようになった。だからそういう風に聴こえることもあるかもしれない。 

サウンドのテクスチャーに拘ってますよね。エレクトロニックな響きは控え目にして、ストリングス系の音やオーガニックな響きを前景化していますよね。この狙いは?

K:アコースティックなサウンドを実際の演奏では不可能な方法で表現することに興味があった。以前、“Moonlight”というベンジャミン・ブリテンの曲をカヴァーしたんだけど、そのときもホルンの実際の音を崩壊させて、爆発させて、石灰化させて結晶化させたかった。けれど同時にその音がホルンの音であると認識できる状態にしたかった。僕はマジック・リアリズムについてそこまで詳しくないけれど、それとの関連性はあるかもしれない。ギターなどの音も同じように扱った。ギターの音として認識はできるけれど、実際に演奏するのは不可能な音。プログラミングの仕方によって、実際のギターでは出せない音にしているんだ。「Yugen」はシンセサイザーのテクスチャを追求した作品だったけれど、今回はまた別のことをトライしてみたというわけさ。

ではオーガニックな楽器を使って、オーガニックではない、非現実的な表現をしていたというわけですね。

K:そうだね。それに僕は音の精確性というものがすごく好きで、じつはオーガニックな感じが好きなタイプではない。音と音をつなげるときも計算機をよく使っているほどだよ。完璧にしたいからね。音を完璧につなげるというところに美しさを感じるんだ。そのつなぎ目が少しでもずれていると魔法は解けてしまう。アコースティックな楽器を使って数学的に完璧な流れにする。その流れが完璧に整う地点に到達すると何かが起きる。それがすごく好きなんだ。その地点に興奮する。その完璧には一切の余白がないから、「完璧に近い」じゃダメなんだ。だから、そういう完璧な状態に持っていくにはかなりの時間がかかるんだよ。

生演奏的な要素も入っていますよね? たとえば、とっても美しい曲のひとつ、“White Picket Fence”の冒頭のピアノはあなたが弾いているのですか? 

K:そう、僕が弾いた。アルバム制作の前半はすべての要素を慎重で高精度に扱っている。すべてを完璧で正確にするために膨大な時間をかけてエディットした。それが前半で、アルバムの後半は先ほども話したように時間がほどんとかからなかった。“White Picket Fence”は僕が一度だけ弾いた演奏がほぼ曲になっている。その夜、僕は落ち込んでいた。アルバムをもう一度最初から作り直さないといけないと思っていたからね。朝5時くらいにピアノの前に座って、“White Picket Fence”で使われているヴォーカルのサウンドがキーボードに入っていたからそれを片手で弾き、もう片方の手でピアノのパートを弾いた。ワンテイクでできたんだよ。自分でもびっくりした(笑)。それからベースの部分を加えて曲が完成した。だからこの曲はある意味、オーガニックな形でできたと言えるね。

その“White Picket Fence”のヴォーカルはシンセの音なんですか? 実在する人なんでしょうか?

K:その中間という感じかな。AIという訳ではないんだけど、実際に存在する人の声でもない。メロディは僕が自分で弾いたもので、声の持ち主は僕がそのメロディを作ったことを知らない。 

ヴォーカルのクレジットは非公開? 秘密ということでしょうか? 次に聞きたいのは“White Picket Fence”でとても印象的な歌を歌っているのはどなたでしょう? ということだったのですが。

K:彼女はセッション・ミュージシャンで「アー」や「イー」という匿名のサウンドを歌って、その音を貸してくれた。僕はその音をサンプリングしてシンセを通して演奏したんだ。こういうヴォーカルが気に入っている。
 僕は若い頃、イビザの『カフェ・デル・マール』(バレアリック系のコンピでもっともヒットしたシリーズ。地中海に沈む夕焼けのメロウな感じが特徴)をよく聴いていたんだけど、僕はウェールズに住んでいたから、まずそんな音楽があるなんてまったく知らなかった。なにせイビザのこと自体も知らなかったからね! 

(笑)。

K:なぜ知ったかというと、僕の叔父がロンドンからこのCDを持ち帰って来たからで、そこにはシンセのように聴こえるテクスチャのような、歌詞がないヴォーカルの音が入っていたんだ。ヴォーカルのクレジットはなし。声を楽器のように使っていたんだ。ヴォーカルもバックトラックの一部というか、そういう捉え方が好きだった。つまり、曲において、ヴォーカルというものに高い優先順位や重要性を与えるのではなく、ひととつの楽器として扱う。パーカッションと同じようなものとしてね。今回の曲でもその概念を適応させたいと思った。だからこのヴォーカルの部分はメロディなんだけど、僕がキーボードで演奏したもので、他の楽器と同じように、声も楽器として扱っている。

彼女の声はほかにも時折入って来ますが、声が表象しているのは、ある種の神聖さ、なのでしょうか?

K:天使みたいな感じなのかもしれないね。僕は直接的な何かを象徴するということはしたくない。でも無意識的にそういう意味合いはあると思う。

“Joy Squad”は本当に良い曲ですね。この曲はクラブ・ミュージックを意識して作られたそうですが、あなたがダンス・カルチャーを支持する理由を教えて下さい。

K:僕が初めてカルチャーとしての一部という認識があったのがクラブ・ミュージックだった。ウェールズに住んでいた頃は、音楽の情報が多少入って来てはいたけれど、かなり遠い地域で起こっていたことだから、関与しているという感じはなかった。10代後半、僕はダブステップのイベントをはじめて、その後グラスゴーに移ってから本格的にクラブ・カルチャーに関与する。その頃の僕にとってクラブ・カルチャーはネットに載っている情報ではなく、まわりのみんなや友だちが実際にやっていることだった。週に5回はクラブ通いしていたな! クラブに住んでいるくらいだった。18歳のクレイジーな時期で毎晩違うクラブで違う音楽を聴いて遊んでいたけど、それが自分にとってもっとも大切だった。僕は大学生だったけれど、学校よりクラブのほうが断然重要だったし、その頃の思いがあるから、僕はいまでもダンス・ミュージックをリスペクトしている。
 とにかく、自分にとってこんなに重要なことがあったんだということが信じられなかったんだ。僕はテクノについて何も知らなかったけれど、グラスゴーのRUBADUBというレコード屋さんから「これを聴いてみなよ」と言われてレコードを聴いて、その音に衝撃を受けてね、で、「こんな音楽が存在するなんて信じられない!」なんて興奮しまくっていた。絶対にこのカルチャーに加わりたいと思ったね。

“Shellshock”もかなり好きですね。キャッチーなコアレス流のポップソングだと思うんですが、では、この歌詞は何について歌っているのでしょう?

K:ごめん、僕もわからない(笑)。僕は歌詞に関してはマックス・マーティンの思想に共感していて、「歌詞は語呂がすべて」だと思っている。マックス・マーティンは有名なポップ・ソングの作曲家で、ブリトニー・スピアーズなどの音楽を作った人だ。彼の母国語は英語ではないから、曲の歌詞に関しては言葉が音としてどう響くかということのほうが大切なんだ。「Hit me / baby / one more / time」(ブリトニー・スピアーズの曲)のようにね。歌詞の意味ではなくて、言葉の形や言葉のサウンドに重きを置いている。僕もそっちに興味があるんだ。つまり、言葉の形や言葉の流れに興味がある。だから解釈や意味はその人が好きなようにしていいのさ。

あなた個人のルーツを訊きたいのですが、いつからどのように音楽の世界に入ったのでしょう? 

K:僕の母親は看護師の仕事をしていたから夜遅くまで仕事をしていた。父親は園芸の仕事で外仕事が多かった。だから僕は放課後の時間を近所にある祖父母の家で過ごすことが多かったんだ。祖父母の家には古いピアノがあって、僕はいつもそれを弾いていた。祖母がピアノのスケールを教えてくれて、それが最初だった。
 その頃から曲を作るようになった。とてもシンプルでばかばかしいものだけどね。そうしたら、ピアノのレッスンを受けさせてもらえることになって、ピアノの先生は18歳くらいで、自宅にスタジオがある、オタク気質の人だった。シンセサイザーにめちゃくちゃハマっている人だったんだ。僕はピアノを習いに行っていたけど、そこにあったシンセの方に興味があった。たしかNovation Super Novaだったと思う。90年代のシンセサイザーだよ。それをいじって遊んでいて、「ヒューーーン」というすごい変な音を出して「すごいカッコいいー!!」と驚いていた。彼のスタジオにはシンセがたくさんあったから僕はそれに夢中になった。彼は本当は僕にピアノを教えるはずだったのに、僕はピアノにはお構いなしに、シンセの音に夢中になっていたよ(笑)。だからいまでも僕はあまりピアノが上手くない。それが一番最初のきっかけだね。
 そしてその後に、叔父が僕の家にパソコンをくれて、そこに音楽制作のソフトウェアが入っていた。Cakewalkという昔のソフトだよ。それを使って僕はまた馬鹿げた曲を作っていた。その時点でも僕はあまり音楽を聴いていなかったから、音楽の種類についてもあまり知らなくて、かなり普通の、愉快な曲を作っていたよ(笑)。でもそのときから曲を作るのはすごく楽しいことだと思っていて、それはいまでも思っているよ。

影響について訊かれることは好まないかもしれませんが、あなたの世界に入るひとつのとっかかりとして知りたいので訊きます。もっとも大きな影響は何でしょう?

K:最初のほうで話したことに戻るんだけど、僕の音楽のもっとも大きな影響というのは、音楽を作る前に自分が最初に考える技術的な疑問だと思う。もしくは、自分がやってみたいと思う楽しい試み。僕は音楽を聴くけれど、音楽ついての自分の様々な考え方を融合させるというような高度な技はできないんだ。だから音楽を制作する過程でワクワクするようなことに出会したり、新しい試みをやってみて結果として出来たものに対してオープンであるということが、自分が作る音楽のサウンドにおけるもっとも大きな影響だと思う。
 でも具体的な影響としては、『カフェ・デル・マール』の黄昏感のあるエレクトロニックな音楽。そういうメランコリックで壮大でバレアリックな雰囲気は昔から僕の一部になっていると思う。それから10代の終わりの頃にダブステップにハマってからは宇宙的な雰囲気が好きで、そういうサウンドが影響になっていた。最近ではクラシックをよく聴いていて、とくにベンジャミン・ブリテンに興味がある。
 ベンジャミン・ブリテンは誤解されがちというか、近代クラシックの作曲家としてあまり名が挙がらない。彼の音楽は古風で退屈なものとされていて、近代クラシックの時代の人なのに、ロマン派の音楽を作っていたからモダンではないと思われていた。彼の音楽はいつもメロディックで、それは彼にもどうすることができなかったことなんだと思う。僕もそういうところがあるから。耳障りな音楽を作ろうとしても、それがどうしてもできないんだよ(笑)。彼のそういうところが好きなんだ。
 それから彼の音楽には何かとてもダークなところがある。とてもスイートな音楽のなかにもね。何か合わない感じがする。そういうダークな感じがすごく好きなんだ。同世代の作曲家の多くから聴き取れるようなわかりやすいダークな感じではなく、彼は当時の人たちにとっても古臭いと感じられるような音楽を作っていて、それはロマンティックな響きの音楽だった。でもそこには何か、微妙に間違った感じが含まれている。何か計算が合わないというか、しっくり来ないというか…そういうダークな雰囲気にすごく興味をそそられるんだ。最近はブリテンの音楽について考えることが多かったから、“Moonlight”のカヴァーを作ったんだよ。もちろん、それ以外にも僕はたくさんのエレクトロニック音楽を聴くからその影響はあるだろうね。

ところなぜ海洋学に進んだんですか?

K:実際に学んだのは造船工学。いろいろな種類の船の構造や設計について学んだ。僕はティーンエイジャーの頃、音楽プロデューサーになりたかった。だから学校の進路相談で、自分の進路として音楽プロデューサーになりたいと伝えたんだ。そうしたら進路課の先生から「それほど馬鹿げた考えはない」と言われた(笑)。「その職業を選べないことはないけれど、私はお勧めしません。あなたは数学が得意で、船が好きでしょう?」と言った。たしかに僕は子供の頃から船に乗ったりして楽しんでいた。先生はこう続けた「だから船を作る技術者になればいいじゃない?」だから僕は「じゃあそれでいいです」と言ってその道に進んだ(笑)。
 大学に進んで造船工学を専攻したけれど、あまり面白くはなかった。大学に進学して良かった点は、大学がグラスゴーにあったからグラスゴーに移ることができたということだった。グラスゴーに行ったら膨大な量の素晴らしい音楽に出会うことができたから。
 つまり、造船工学を専攻したのは進路課の先生のアドヴァイスからなんだ。(音楽で成功していなければ)いまでもそういう仕事をしていたかもしれない。僕が最初にレコードを出したときは、船の桟橋で仕事をしていたからね。その仕事をしながら、空いている時間にギグをしたりしていたんだ。

ちなみに“Lost In Tokyo”という曲名の由来は、本当に東京で迷子になったからなんですか? あるいはあなたのなかの東京のイメージ?

K:東京で迷ったことは何度もあるよ(笑)。すごく面白い体験だった! あの曲を作ったのはかなり若い頃だからいまの僕なら、こんなにナイーヴなタイトルは付けないけれど、当時の僕は日本のことが大好きだったからこのタイトルにしたんだと思う。いまでも日本は大好きだけど、僕はもう少し大人になったし賢くもなったから、いま思うと曲のタイトルとしてはベストじゃないのかなと思ったりもする(笑)。

日本で迷っている外国人をしょっちゅう見かけるので、良いタイトルだと思いますけれど。

K:言っておくけど僕が迷ったのはGoogle Mapsがなかった頃だからね(笑)!

Korelessという名義にはどんな意味が込めらているのでしょうか?

K:16歳か17歳の頃、ギグをやることになって、名義をすぐに思いつかないといけなかった。そのときに思いついた名義でそれがいまでも続いているというわけなんだ。だからとくに意味はない。名義についての質問はよく受けるんだけど、これから話すことはいままでに話したことがない。
 きっかけとしては、当時、名義を考えているときにいろいろな言葉の文字の順序を入れ替えて考えていて、アイスランドのオーロラ(aurora borealis)という言葉を入れ替えたり変化させたりしているうちに、Korelessという言葉ができた。ギグ用のポスターを翌日には印刷しないといけないという状況だったから、即座にそれを名義にした。そう決めてから、その名義でずっとやって来ている。
 名前をつけるのは難しいことだといつも思う。名前は長い間続くものだしね。実はアルバムの制作が遅れたのもそれが大きな理由になっていて、作業中のトラックに馬鹿げた仮の名前を付けていたんだけど、正式な名前をつけるときに、すでにその仮の名前が定着していたから別の名前に変えるということができなかった。言葉は僕の得意分野じゃないんだ(笑)。

The World of My Bloody Valentine
マイ・ブラッディ・ヴァレンタインの世界

極限にまで到達したロック・サウンドの軌跡──
マイ・ブラッディ・ヴァレンタインがなしえたこととは

インタヴュー
ディスクガイド
『Loveless』から広がる宇宙
ティーンエイジャーの自我の溶解
“愛無き” を愛することを学ぶ
etc

第二特集
New Generation of Indie Rock and Post Punk in the UK
UKインディー・ロック/ポスト・パンク新世代

The World of My Bloody Valentine issue

photos by Kenji Kubo
ケヴィン・シールズ、その人生を大いに語る(杉田元一+坂本麻里子)

■ディスクガイド
(イアン・F・マーティン、大藤桂、黒田隆憲、後藤護、ジェイムズ・ハッドフィールド、清水祐也、杉田元一、野田努、山口美波、与田太郎)
This Is Your Bloody Valentine
Ecstasy
Geek! / The New Record By My Bloody Valentine / Strawberry Wine / Sunny Sundae Smile
You Made Me Realise
Feed Me With Your Kiss
Isn't Anything
オフィシャル・インタヴュー(粉川しの)
ティーンエイジャーの自我の溶解(イアン・F・マーティン)
Glider
Glider Remix
Tremolo E.P.
Loveless
オフィシャル・インタヴュー(小野島大)
“愛無き” を愛することを学ぶ(ジェイムズ・ハッドフィールド)
Ecstasy And Wine
m b v
オフィシャル・インタヴュー(黒田隆憲)
EP's 1988-1991
オフィシャル・インタヴュー(黒田隆憲)
Experimental Audio Research
Patti Smith, Kevin Shields
Brian Eno With Kevin Shields
Hope Sandoval & The Warm Inventions
轟音の向こう側の素顔(黒田隆憲)
あの時代の不安定な生活のなかで(久保憲司)

■『ラヴレス』から広がる宇宙
ロック編(松村正人)
テクノ編(野田努)
アンビエント編(三田格)
実験音楽編(松山晋也)

第二特集「UKポストパンク新時代」
〈ラフ・トレード〉が語る、UKインディー・ロックの現在(野田努+坂本麻里子)
断片化された生活のための音楽(イアン・F・マーティン)
ディスクガイド(天野龍太郎、野田努、小山田米呂)
活況を見せるアイルランド・シーン(天野龍太郎)
新世代によるクラウトロック再解釈とドライな「歌」(天野龍太郎)
世界の中心は現場にあって、広がりはインターネットによってもたらされる(Casanova)

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訂正
このたび は弊社商品をご購入いただきまして誠にありがとうございます。
『別冊ele-king マイ・ブラッディ・ヴァレンタインの世界』において、
p185上段のBlack Midiのジャケット写真が、
中央部を拡大したまま(トリミング・ミスのまま)印刷されていました。
謹んで訂正いたしますとともに、
お客様および関係者の皆様にご迷惑をおかけしましたことをお詫び申し上げます。

ISSUGI & DJ SHOE - ele-king

 なぜいま ISSUGI か──というのは紙エレ最新号に記したのでぜひそちらをお読みいただきたいが、その巻頭ロング・インタヴューで少しだけ仄めかされていたミックス・アルバムが、ついに7月28日にリリースされる。福岡の DJ SHOE とのコラボで、タイトルは『Both Banks』。
 NYのグワップ・サリヴァンや GRADIS NICE & DJ SCRATCH NICE との曲をはじめ、MONJU としての新曲や PUNPEE のリミックス、さらにはフリースタイルまで、さまざまな音源を堪能することができる嬉しい内容だ。これは、聴こう。間違いないから。

ISSUGIがDJ SHOEとのコラボで放つミックスアルバム『Both Banks』のリリースが決定!
GWOP SULLIVANやGRADIS NICE & DJ SCRATCH NICEらによるISSUGIやMONJUとしての新曲、さらにPUNPEE "Pride" feat. ISSUGI (16FLIP Remix)、Freestyleなど多数のエクスクルーシヴを収録!

◆DOGEAR RECORDSの中心的存在MONJU、そしてBudamunk、5lackと共にSICK TEAMのメンバーであり、近年はBES & ISSUGIとしてもアルバムをリリースするなどソロでの活動だけに留まらず仲間たちとともに様々な作品をリリースし続け、またビートメーカー/DJ名義である16FLIPとしての活動も各方面で高く評価されているラッパー、ISSUGIのミックスアルバム『Both Banks』のリリースが決定!
◆今回タッグを組むのは福岡を拠点に活動し、これまでのISSUGI作品にも参加しているDJ SHOE。今作はISSUGI自身の作品に加えMONJUやSICK TEAM名義での作品、さらには客演ワークスなどISSUGI関連の楽曲からもDJ SHOEがセレクト。
◆エクスクルーシブとしてISSUGIと幾度となくセッションしてきたNYのプロデューサーGWOP SULLIVANやISSUGIとは各々でジョイント・アルバムを発表し、数々の楽曲を世に送り出してきたNY在住のプロデューサーGRADIS NICE & DJ SCRATCH NICE、DOGEAR RECORDSの同胞でもあるCRAM、EL moncherie(弗猫建物)のプロデュースによるISSUGI名義の新録曲(弗猫建物のVANYとMASS-HOLEが客演)を筆頭にアルバムが待たれるMONJUとしての新曲(Prod by 16FLIP)、福岡の逸材 "DJ GQ" との楽曲、PUNPEE名義で2017年に発表された "Pride" feat. ISSUGI(Prod by Nottz)の16FLIP Remixを始めとするリミックス楽曲、"Red Bull RASEN Episode5" でのISSUGIヴァース(Prod by C.O.S.A.)、さらにFreestyleなどを収録。GWOP SULLIVANやBES、KOJOE、YUKSTA-ILL、ILLNANDES、OYG、FREEZ、ILLSUGI、Eujin KAWI(弗猫建物)によるシャウトアウトも収録。これが常にDJと共に動いてきた "ISSUGI" のHIPHOP MIXTAPE。

[作品情報]
アーティスト:ISSUGI & DJ SHOE
タイトル:Both Banks
レーベル:P-VINE, Inc. / Dogear Records
発売日: 2021年7月28日(水)
仕様:CD/デジタル
CD品番:PCD-94042
CD定価:2,640円(税抜2,400円)

[トラックリスト]
01. Both Banks - ISSUGI & DJ SHOE
 Prod by GWOP SULLIVAN
02. J.studio Freestyle - ISSUGI & DJ SHOE
 Prod by GRADIS NICE
03. Welcome 2 PurpleSide (16flip Remix) - BES & ISSUGI
 Remix by 16FLIP
04. Navy Nubak - ISSUGI & GRADIS NICE
 Prod by GRADIS NICE
05. ONE RIDDIM (16flip Remix) – ISSUGI
 Remix by 16FLIP
06. INCREDIBLE / INCREDIBLE (DJ SCRATCH NICE Remix) - MONJU
  Prod by 16FLIP | Remix by DJ SCRATCH NICE
07. Soul on Ice (DJ GQ Remix) – ISSUGI
 Remix by DJ GQ
08. Freestyle2 - ISSUGI & DJ SHOE
 Prod by GRADIS NICE
09. Woowee ft Vany, MASS-HOLE - ISSUGI & DJ SHOE
 Prod by EL moncherie
10. The Lord ft BES, ISSUGI & KOJOE – CRAM
 Prod by CRAM
11. Conqcity Freestyle (Top of the head) - ISSUGI x JJJ
 Prod by JJJ
12. Spitta ft Febb - ISSUGI & GRADIS NICE
 Prod by MASS-HOLE
13. Intersection - 16FLIP & DJ SCRATCH NICE
 Prod by 16FLIP & DJ SCRATCH NICE
14. RASEN Freestyle (ISSUGI verse) – ISSUGI
 Prod by C.O.S.A.
15. Callback - BES & ISSUGI
 Prod by DJ FRESH
16. Czn'Pass (Endrun Remix) ft ISSUGI / Czn'Pass ft ISSUGI - ILLNANDES & ENDRUN
 Prod by ENDRUN
17. This for ma.. - ISSUGI,仙人掌
 Prod by KOJOE
18. Special - SICK TEAM
 Prod by BUDAMUNK
19. Sheeps - BES & ISSUGI
 Prod by DJ SCRATCH NICE & GRADIS NICE
20. NL - ISSUGI & DJ SHOE
 Prod by GRADIS NICE & DJ SCRATCH NICE
21. D.OGs - ISSUGI & DJ SHOE
 Prod by CRAM
22. WARnin' Pt.2 - MONJU & KOJOE
 Prod by KOJOE & ShingoBeats
23. 首都高MIDNIGHT ft ISSUGI & MuKuRo (Blooky Jeeky Remix) – KOJOE
 Remix by Blooky Jeeky
24. Midnite Move ft 仙人掌 - ISSUGI & GRADIS NICE
 Prod by GRADIS NICE
25. 踊狂 (16flip Remix) - SICK TEAM
 Remix by 16FLIP
26. Pride (16flip Remix) ft ISSUGI – PUNPEE
 Remix by 16FLIP
27. ON FiELD (DJ SCRATCH NICE Remix) - ISSUGI
 Remix by DJ SCRATCH NICE
28. In The City – MONJU
 Prod by 16FLIP
29. Now or Never – ISSUGI
 Prod by DJ SCRATCH NICE

#14 taken from "Red Bull RASEN Episode5" © Red Bull Media House
#26 Licensed by SUMMIT, Inc. PUNPEE appears courtesy from SUMMIT, Inc.

[ISSUGI - PROFILE]

NORTH TOKYOの誇るラッパー/ビートメーカー/プロデューサー。MONJU、SICKTEAMのメンバー。
ISSUGIは今日も新たな扉を開き、景色を変えて行く。16FLIPは狼煙をあげ、光をプリズムのように輝かせて行く。地下から揺らめく光は彼らの日々の生活を鮮烈に浮かび上がらせる。AUTHENTIC CHAMPION SOUNDが揺らしに来る。常に全力で向き合い、ラップ、ビートメーク、DJ、スケートと日々を共にし、アンダーグラウンドからスタイルを突き上げる。今日も地図と歴史に新たな印とページを増やし続けてる。日本のHipHopの歴史上この男が居たのと居ないのでは、埋められない確かな違いがそこにうまれたはずだ。DOGEAR RECORDSをMONJUと共にREPRESENT。

Worked with:
仙人掌, Mr.PUG, 5lack, Budamunk, BES, SEEDA, KOJOE, JJJ, KID FRESINO, FEBB, C.O.S.A., MASS-HOLE, YUKSTA-ILL, DJ SCRATCH NICE, GRADIS NICE, CRAM, ILLSUGI, YOTARO, GQ, DJ SHOE, ENDRUN, ILLNANDES, 弗猫建物, Devin Morrison, Roc marciano, Evidence, Tek of Smif-n-wessun, Twiz the beat pro, Roddy rod, Gwop sullivan, DJ FRESH, Illa J, DJ DEZ, Khrysis, John robinson, Eloh kush, Al B smoov, Mr.Brady, Planet asia, Georgia Anne Muldrow & More Artist.

https://issugi.lnk.to/j2lNj9yz

[DJ SHOE - PROFILE]

1983 / HIP HOP /
八代発~大阪経由~福岡親不孝通りを拠点とするリアルDJ。持ち味であるヘッドバンキング、スクラッチ、2枚使い、独特の "間" はオーディエンスを巻き込み、首を縦に振るようになる。その腕と熱さ故にアーティスト・ヘッズからのプロップスは高く、現場での存在感もさることながら、近年ではISSUGIによるプロジェクト "7INC TREE" を始め、数々の楽曲にスクラッチで参加。2021年には「EL NINO MIX TAPE」のMIXを任せられ、自身名義では「DAY BY DAY (Remastered)」をリリース。向こう側に聴こえる鳴りを体現し続けている。毎月 第1火曜 G.M.M at STAND-BOPを主宰。今夜もFEELすれば、堅い握手と乾杯は必ず。

Drum-On vol.1 - ele-king

ドラム/パーカッションを愛するすべての人へ

ドラムの機材や演奏のノウハウなど、YouTube をはじめネット上には数しれない多くの情報が存在しますが、一方でその内容は玉石混交。信憑性の疑わしいものも少なくありません。

そんな中で満を持して登場する本誌は、「リズム&ドラム・マガジン」(リットーミュージック)の元編集長、大久保徹氏の発起のもと、こちらもかつて同誌編集長を務め現在はドラマーとしても活動する小宮勝昭氏も協力・参加する形で制作。「最もプリミティブな楽器」であるドラム&パーカッションの無限の可能性と演奏する楽しさを伝える本格的プレイヤー向け雑誌です。

創刊号では巻頭のフォト&インタビュー特集「ドラムと音楽」にグラミー賞アーティストの小川慶太(スナーキー・パピー)、ブロードウェイ~自らの音楽を発信するカーター・マクリーン、〈ECM〉からのソロアルバムも話題の新鋭・福盛進也が登場。

ほか、現在大きな盛り上がりを見せるUKジャズのドラマー&パーカッショニストの紹介、一流ドラマーたちの知られざる「スネアの裏側」に迫る企画、ドラミング・メソッド “ルーディメンツ” の最新型解説、リンゴ・スターに学ぶ音楽的ドラム力の徹底分析(前編)、ドラム職人の匠の現場訪問、いまドラマー&パーカッショニストが聴くべきディスクガイドなどを掲載。

ドラマー&パーカッショニストをわくわくさせ、やる気にさせるアーティスト、機材、奏法・ノウハウが満載、新時代の本格的プレイヤー向けメディアです。

目次

■特集 ドラムと音楽
feat.
小川慶太 Keita Ogawa
[スナーキー・パピー、ボカンテ、カミラ・メザ&ザ・ネクター・オーケストラ、チャーリー・ハンター、セシル・マクロリン・サルヴァント、バンダ・マグダ、他]
カーター・マクリーン Carter McLean
福盛進也 Shinya Fukumori
……取材・文:小宮勝昭

■サウス・ロンドンを中心に巻き起こるグルーヴ革命――UKジャズのサウンド&リズム
feat. モーゼス・ボイド
……文:小川充、大久保徹

■NIPPON のドラムの匠 第一回
Negi Drums 根木浩太郎さん
……取材・文:小宮勝昭

■ドラマーのここに注目 スネアの裏! “音色・響きの要”、その秘密が知りたい
Ⅰ 裏の基礎……文:小宮勝昭
Ⅱ プロの裏を拝見!(アンケート)
阿部耕作、尾嶋優(Jimanica)、江口信夫、大坂昌彦、岡部洋一、神谷洵平、河村 “カースケ” 智康、北山ゆう子、白根佳尚、小関純匡、椎野恭一、高橋結子、本田珠也、沼澤尚、藤掛正隆、みどりん、平里修一、屋敷豪太、マシータ、山本達久、松下マサナオ、山本拓矢、芳垣安洋、三浦晃嗣
Ⅲ 裏の顔、スネア・ワイヤーを試す! カノウプス・スネア・ワイヤー8機種・徹底検証!……文:小宮勝昭

■もはや “音楽” なドラミング・メソッド ルーディメンツが知りたい!
……文:春日利之

■リンゴ・スターに学ぶ、音楽的ドラム力【前編】
ワン・アンド・オンリーな音色と奏法 グルーヴ&スウィングを検証
……文:小宮勝昭

■レコーディング・スタジオ探訪 GOK SOUND
……文:藤掛正隆

■東南アジアの果てにある “リズムの不思議” ミャンマー音楽の打楽器とリズム
……文:田中教順

■厳選・必聴の作品ガイド ドラマー&パーカッショニストが聴くべき音楽
現代の “ロック” を創るドラミング……選・文:大久保徹
60~70年代ドラマーたちに影響を及ぼした古(いにしえ)の録音……選・文:三浦晃嗣
ジャズ・ドラミングの変遷……選・文:大坂昌彦
現代を代表するゴスペル・チョッパーたち……選・文:柴田亮
ドラマー/パーカッショニストによる必聴のリーダー作……選・文:芳垣安洋
レコードで聴きたいソウル&ファンク……選・文:藤掛正隆
今も進化するブラジルのドラマー/パーカッショニスト……選・文:中原仁
キューバ音楽……選・文:Izpon
ダンス/エレクトロニカ……選・文:尾嶋優(Jimanica)
フリー・インプロヴィゼーション/実験音楽……選・文:細田成嗣

編集者略歴
◆大久保徹
2005年よりリズム&ドラム・マガジン編集部に在籍。2012年4月~2014年3月まで同誌編集長を務める。現在、音楽書を中心としたフリーの編集者/ライターとして活動。

◆小宮勝昭
大学卒業後つのだ☆ひろ氏に師事。1994年よりリズム&ドラム・マガジン編集部に、2001年1月~2012年3月まで同誌編集長を務める。現在は音楽家としても活動中。


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Moor Mother - ele-king

 フィラデルフィアのムーア・マザー、最近はサンズ・オブ・ケメット新作ザ・バグ新作への客演が話題だが、ここへきて本人のアルバムの登場だ。
 今回はなんと、〈Anti-〉からのリリース。現在新曲 “Obsidian” が公開されており、ここでムーア・マザーはなんと、ヒップホップに挑戦している。招かれているのは、いまもっとも注目すべきラッパーのピンク・シーフ。トラックもめちゃくちゃかっこいいです。そしてなんと(三度目)、MVはアリス&ジョン・コルトレーンの家の前で撮影──なるほど、それがメッセージだと。

 こちらは、もう少し前に公開されていた “Zami” のMVです。

 9月17日にリリース予定のアルバム『Black Encyclopedia of the Air』、これは今年の必聴作の匂いがぷんぷん。試聴はこちらから。

詩人、ミュージシャンの MOOR MOTHER がニュー・アルバム『BLACK ENCYCLOPEDIA OF THE AIR』を9月17日に〈ANTI-〉よりリリースすることを発表! PINK SIIFU をフィーチャーした新作アルバムからの先行曲 “OBSIDIAN” とアリス&ジョン・コルトレーンの家の前で撮影されたミュージック・ビデオを公開!

屠殺場の床板の間から花が咲くように、Moor Mother の音楽は、暴力的で耐え難い現在を超越する ──The Fader

フィラデルフィアを拠点に活動する詩人でありミュージシャンの Moor Mother こと Camae Ayewa は、ニュー・アルバム『Black Encylcopedia Of The Air』を9月17日にリリースすることを発表。記憶や刷り込み、未来についての13の魅惑的なトラックが、未だ手つかずの空間を漂い、束縛されず、未知の領域、広大な宇宙へと広がっていく。

新曲 “Obsidian” について、Moor Mother は、この曲は現代に存在する様々な危険性について歌っていると語っている。「暴力の身近さ、家庭内の暴力、コミュニティーにおける暴力について考えています」。ラッパーの Pink Siifu をフィーチャーしたこの曲の新しいビデオの視聴はこちら。

監督の Ari Marcopoulous は、「アリスとジョン・コルトレーンの家の前でビデオを撮影することにした。それ自体が物語っていると思う。望むならもっと詳しく説明してもいい。でも、そこには精神が宿っているんだ」とコメント。

パンデミックが始まった2020年3月に自宅で録音された『Black Encyclopedia Of The Air』は、Moor Mother とサウンドスケープ・アーティスト兼プロデューサーの Olof Melander の傑作となっている。Moor Mother の他のリリースと同様に、多数の楽器と声が重なり、奇妙で未知のものを作り上げている。

Moor Mother は先月、影響力のある黒人・クィア作家の Audre Lorde の著書にちなんで名付けられたトラック “Zami” を公開した。“Zami” のミュージック・ビデオはこちら

『Black Encyclopedia of the Air』

01. Temporal Control Of Light Echoes
02. Mangrove (feat. Elucid & Antonia Gabriela)
03. Race Function (Feat. Brother May)
04. Shekere (Feat. Lojii)
05. Vera Hall (Feat. Bfly)
06. Obsidian (Feat. Pink Siifu)
07. Iso Fonk
08. Rogue Waves
09. Made a Circle (Feat. Nappy Nina, Maassai, Antonia Gabriela & Orion Sun)
10. Tarot (Feat. Yatta)
11. Nighthawk Of Time (Feat. Black Quantum Futurism)
12. Zami
13. Clock Fight (Feat. Elaine Mitchner & Dudu Kouate)

国内総合窓口:Silent Trade GK
販売元:アライアンス

https://www.moormother.net/
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Jamie Branch - ele-king

 注目しておきたいジャズ・トランペッター/作曲家を紹介しよう。彼女の名はジェイミー・ブランチ。ロングアイランドのハンティントン出身で、音楽家としてはシカゴやボルティモアなどで活躍。昨年のロブ・マズレク作品にも参加している。
 2017年のデビュー作『Fly Or Die』で一気に名をあげ、数々のライヴをこなしてきた彼女による、初のライヴ盤が8月4日にリリースされる。ホットなのにクール、まさに「冷静と情熱のあいだ」といったプレイで……ぜひ一度聴いてみて。

jaimie branch
FLY or DIE LIVE

センセーショナルなサウンドに、海外各紙を賑わせるトランぺッター、ジェイミー・ブランチのライブ盤。 2017年の1st『FLY or DIE』と、2019年にリリースされた2nd『Fly Or Die II: Bird Dogs Of Paradise』の楽曲が多数収録された2枚組のヴォリューム。スタジオ録音では感じられない熱気と咆哮とも言えるボーカル、トランペットが心揺さぶるライブ音源を、16分に及ぶ未発表のボーナストラックを加え、日本限定盤ハイレゾMQA対応仕様の2CDでリリース!!

Official HP : https://www.ringstokyo.com/jaimiebranchfodl

ジェイミー・ブランチは、いま最も力強く、感情を揺さぶる音楽を作り出せるミュージシャンの一人だ。このライヴ・アルバムには、彼女の評価を一段と高めたヨーロッパ・ツアーから、スイス、チューリッヒのジャズクラブでの素晴らしい演奏とオーディエンスの熱気が記録されている。時々ヴォーカルも取る彼女が、トランペットで表現するダイナミズムと優しい囁きは、驚くほど美しい。そして、複雑なビートを易々と繰り出すドラマーのチャド・ テイラーらとのコンビネーションも最高だ。(原 雅明 rings プロデューサー)

アーティスト : Jaimie branch (ジェイミー・ブランチ)
タイトル : FLY or DIE LIVE (フライ・オア・ダイ・ライヴ)
発売日 : 2021/8/4
価格 : 3,200円+税
レーベル/品番 : rings / International Anthem / Plant Bass (RINC79)
フォーマット : MQACD (日本企画限定盤) 2CD

Tracklist :

DISC-1
01. birds of paradise
02. prayer for amerikkka pt. 1 & 2
03. lesterlude
04. twenty-three n me, jupiter redux
05. reflections on a broken sea
06. whales
07. theme 001
08. ...meanwhile
09. theme 002
10. sun tines

DISC-2
11. leaves of glass
12. the storm
13. waltzer
14. slip tider
15. simple silver surfer
16. bird dogs of paradise
17. nuevo roquero estéreo
18. love song
19. theme nothing
20. prayer for amerikkka pt. 2 - solo belfast edition (unreleased)(Bonus Track)

interview with Bobby Gillespie & Jehnny Beth - ele-king

恋に落ち、恋に冷め、誰かを愛し、誰かを愛するのをやめる、誰かに愛されなくなる......人間の人生経験は、芸術的経験と同じくらい大切なものだ。
──アンドリュー・ウェザオール

 ボビー・ギレスピーとジェニー・ベスによるプロジェクトのテーマが「夫婦の崩壊」だと知ったときに即思い浮かんだのは、上掲したウェザオールの言葉だった。ぼくはこれをもって本作品の解説としたいと思っているわけだが、もう少し言葉を続けてみよう。
 まずのっけから世知辛い話をすれば、この無慈悲な資本主義社会で家庭などを持つことは、たいていの夫婦はつねに経済的およびメンタル的な不安定さに晒されるわけで、これがじつにしんどい。さらに家族の意味も20世紀とはだいぶ違ってきている。それに輪をかけて感情のもつれなどもあったりするから、夫婦を継続することの困難さは、年を重ねるに連れてより重くのしかかってくる。ジェンダーをめぐる洗練された議論がかわされている今日において、ボビーもまた、なんとも泥臭いテーマに挑んだものだ。
 とはいえ愛の喪失は普遍的なテーマというか、人を愛したことがある人間であれば誰もが経験することでもある。ひいてはポップ・ミュージックの多くは「恋に落ちる」「誰かを愛する」場面を扱い、同時に「誰かを愛するのをやめる」「誰かに愛されなくなる」場面も描いている。オーティス・レディングやスタイリスティックスのようなアーティストのアルバムでは、そのどちらも表現されているように。しかし、「誰かを愛するのをやめる」ことだけに焦点を絞ったものとなると、どうだろうか。それも男女のデュエットによる夫婦の崩壊を描いたものとなると、なかなか思い浮かばない。古風な形態でありテーマかもしれないが、じつはけっこういまどきの話としてのリアリティがある。

 マーヴィン・ゲイ&タミー・テレルが陽光だとしたら、ボビー・ギレスピー&ジェニー・ベスはその影になった部分を引き受けている。70年代のカーティス・メイフィールド風のファンクからはじまる『ユートピアン・アッシュズ』にはブラック・ソウル・ミュージックが注がれているし、ほかにもプライマル・スクリームで言えば『ギヴ・アウト・バット・ドント・ギヴ・アップ』に近いところもなくはないが、60年代風のフォーク・ロックやバラードがほどよいバランスで混ざっている。プライマル・スクリームが持っているアーシーな一面、ボビーのあの甘い歌声によく合うアコースティックな響きが随所にあり、作品の主題ゆえにエモーショナルで、作品の主題に反して音楽は温かい。打ちひしがれ、身につまされもするがそれによって解放もされる、渋い大人のアルバムなのだ。
 バックを務めているのは、プライマル・スクリームの面々──アンドリュー・イネス(g)、マーティン・ダフィー(p)、ダレン・ムーニー(d)、そしてベースにサヴェージズのジョニー・ホステル。ほかにチェロやヴァイオリンなどの弦楽器奏者、管楽器奏者も数人参加している。
 以下に掲載するのは、日本盤のライナーノーツのためのオフィシャル・インタヴューだが、ふたりはじつに明確にこの作品について説明をしている。とても良い内容のインタヴューなので、ぜひ読んでいただきたい。(野田努)

interview with Bobby Gillespie

僕はただ、普遍的な真実というものを描きたかったんだ。
経験に基づいた実存的な現実というのかな。

──ボビー・ギレスピー、インタヴュー

質問:油納将志  通訳:長谷川友美

人間はとても複雑な生きもので、人生は葛藤の連続だ。人間関係は葛藤そのものだから、このアルバムの命題は、その“葛藤”について描かれたものと言えるだろうね。そして、その葛藤は痛みを伴うんだ。 

ジェニーとは2015年にバービカンで行われたスーサイドのステージで出会ったのが最初のようですね。翌年、ジェニーがプライマルズのステージで“Some Velvet Morning”をデュエットしています。そこからどのようにして今回のコラボレーションが生まれたのでしょうか?

BG:最初にジェニーと腹を割って話したのは、マッシヴ・アタックのフェスティヴァルのときだね。サヴェージズも出演していたんだ。プライマルのギターのアンドリューがジェニーのことをよく知っていて、彼女にゲストシンガーとして歌ってもらったらどうか、と言ってきて。それがすごく良い感じだったから、アンドリューがジェニーと一緒に曲を作ってみたらいいんじゃない? と薦めてくれた。

あなたはジェニーをどのようなアーティストとして見ていましたか?

BG:彼女のことはサヴェージズの音楽を通してしか知らなかったけど、サヴェージズの1stアルバムを買って聴いてみたんだ。彼女たちの音楽は、とてもミニマルで白黒のコントラストがはっきりしているような印象を受けた。明確な方向性やマニフェストを持っているなという印象だったね。ジェニーは自分の見せ方わかっているし、こう見られたい、こう在りたいというのがとてもはっきりしているところに興味を持った。また、彼女たちの音楽には、たくさんのルールがあるように感じた。ギターソロは入れない、曲はすべて短くまとめる、みたいなね。彼女の音楽を聴いて、批判的思考に基づいた曲作りの世界観、というアイデアが浮かんだんだ。

サヴェージズの音楽を聴いて、ジェニーとのコラボレーションにあたって曲作りに彼女たちの方程式を取り入れるようなことは考えましたか?

BG:それはまったくなかったね。ただ、“Some Velvet Morning”のリハーサルをしたとき、彼女のプロフェッショナルな姿勢には感銘を受けたよ。

実際に一緒にスタジオに入ってみて、彼女に対する印象は変わりましたか?

BG:いや、全然変わらなかったね。依然として彼女はとてもプロフェッショナルだったから。絶対に遅刻しなかったし、歌は素晴らしいし、プロジェクトにとても集中していた。ジェニーは詩を書き留めたノートを何冊も持っていて、日記もこまめにつけていたんだ。“Stones of Silence”のヴァースは、彼女のノートの中から歌詞を拝借したんだよ。それから、僕がコーラス部分を書いたんだ。

基本的にはあなたが曲を書いて、一部の歌詞をジェニーが担当したという感じですか?

BG:曲によって作り方はまちまちだったね。例えば“Sunk in Reverie”や“Living a Lie”は僕が歌詞を全部書いたし、“You Can Trust Me Now”はジェニーが一部を、残りを僕が書いた曲だしね。“English Town”は、「I want to fly away / From this town tonight / So high, so high」の部分だけジェニーが書いて、あとは僕が歌詞を書いた。“Remember We Were Lovers”は僕が書いたヴァースとジェニーが書いたコーラスを組み合わせた曲で、“Chase it Down”はコーラス部分だけジェニーが書いた。“Your Heart Will Always Be Broken”はジェニーがヴァースを、僕がコーラスを書いて、それからセカンドヴァース(Bメロ)も僕が書いたな。

1曲のなかで、実際に会話しているような感じで歌詞を書いていったんですね。このアルバムを聴いていると、男女の対話が聞こえてくるのにはそういう理由があったんですね。

BG:そんな感じだね。半分は僕が書いて、残り半分はジェニーが書いた曲もあるし、9割を僕が書いた曲もあって。男女の対話がこのアルバムのコンセプトだから、メロディと歌詞の関係もちょっと会話のようになっているかもしれない。

アルバムにはプライマル・スクリームの主要メンバーも参加しています。アルバムがプライマル・スクリーム&ジェニー・ベスにならなかったのはどうしてでしょうか?

BG:それはこのアルバムのコンセプトが、トラディショナルな男女のデュエットソングだったからだよ。ボビー・ギレスピーとジェニー・ベスのデュエット・アルバムという体裁を取りたかった。男女の会話の持つダイナミズムにとても興味があったからね。それに、ジョン(ジョニー・ホスティル)もアコースティックギターを弾いてくれているし、プライマルのメンバーだけで作ったわけじゃないからね。ジェニーも歌詞のかなりの部分を書いているし、プライマル・スクリームの曲作りとはまったく違うやり方で作ったレコードだという部分も大きいかな。この20年間のプライマル・スクリームのアルバムは、ほとんどコンピュータで曲作りをしてきたんだ。エレクトロニックなサウンドスケープを主軸にした作品を作ってきた。でも、このアルバムの曲のほとんどはアコースティックギターで書いたんだ。初期のプライマル・スクリームに近い曲作りをした感じだね。

たしかに、このアルバムはプライマル・スクリームの近作に比べてずっとオーガニックな手触りを感じました。

BG:その表現いいね。その通りだよ。

グラム・パーソンズとエミルー・ハリスの“Grievous Angel”、ジョージ・ジョーンズとタミー・ワイネットの“We Go Together”などのカントリー・ソウルに触発されたともお聞きしましたが。

BG:僕たちは、既存の曲をなぞるようなレコードを作ろうとは思っていなかったんだ。あくまでもオリジナルの音作りを目指していたし。ただ、プレスリリースにそう書いたのは、ジャーナリストにどんなタイプの音楽性を持つアルバムかっていうわかりやすい見本を示したのに過ぎないんだよ。トラディショナルな男女のデュエットアルバム、というコンセプトを理解してもらうためにね。

以前にも、『Give Out But Don't Give Up』(1994)で、デニス・ジョンソンとの“(I'm Gonna) Cry Myself Blind”“Free”でカントリー・ソウルにアプローチしていますよね。

BG:あのコラボレーションは、今回とはまったく意味合いが異なるものだったんだ。デニースには、ジェニーのようなアーティスティックなクリエイティビティはまったくなかったし。彼女は曲を書いたことも、歌詞を書いたことも、メロディを書いたことも一度もなかったから。『Give Out But Don't Give Up』の曲は全部僕が書いたものだったしね。彼女はシンガーとして、僕の指示通りに歌ったに過ぎないよ。今回のアルバムは、ジェニーも実際に歌詞を書いたり、曲作りにも参加しているからまったく違う性質のものなんだ。

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今回のアルバムは、2人の共作による真の意味でのデュエット・アルバムなんですね。

BG:そうそう。このふたつのアルバムは、まったく異なる性質を持っていると思う。もちろん、楽器の構成とか、演奏の部分では共通点がないこともないよ。“(I'm Gonna) Cry Myself Blind”と“Your Heart Will Always Be Broken”は、言ってみれば同じ枠組みのなかにカテゴライズできると思うけど。とにかく、ジェニーは曲作りも手掛けるアーティストで、デニースはシンガーという大きな違いがある。

残念ながら急逝したデニスとデュエット・アルバムを作ることは考えたりしなかったということですか?

BG:まったく、全然、一度たりとも考えたことはなかったね。僕とデニースの歌声は、デュエットとしてはまったくかみ合わないというか、成立しなかったと思うよ。

僕たちが信じているもののほとんどは嘘で塗り固められたギミックで、僕たちは嘘を信じて嘘にお金を払って買っている。資本主義社会なんて懐疑的な存在だし、僕たちは疑うべきなんだ。

アルバム・コンセプトは「slow disintegration of a failing marriage(失敗した結婚のゆっくりとした崩壊)」と聞いています。どうしてこのコンセプトになったのでしょうか?

BG:う~ん。説明が難しいな……僕はただ、普遍的な真実というものを描きたかったんだ。経験に基づいた実存的な現実というのかな。人間同士の相容れない矛盾や、不明瞭な感情といったもの。僕は、人間というのは分断によって結びつけられていると思うんだ。つまり、人間が背負っている痛みの大部分は、他の誰かと繋がりたい、結ばれたいという思いから来ているんじゃないか。そう願っているのに、ぴったりと重なり合うことは永遠にないんだよ。ある一瞬、心が通ってひとつになることはあるし、精神的な結びつきをほんのわずかな間感じることもある。でも、それは永遠には続かないし、完全にひとつになることはない。僕たちはまるで、孤島のようなものだと思う。誰かと地続きのように繋がることはないんだよね。それがあらゆる種類のリレーションシップに対する真実だと思う。だからこそ、僕たちは誰かと繋がることにこれほどの魅力を感じるんだと思うんだよね。人間は孤独で、だからこそ誰かと繋がることで力を得る。それは神の定めたルールに則っているんだろうし、神学的・哲学的な領域の話になるんだろうけど。なぜ人がロマンチックな恋愛関係をこれだけ追い求めるのかと言えば、それは誰かと関係を持つことで自分がより大きな存在の一部になったように感じられるからなんだ。自分の存在がより大きなものになったように感じられるんだよ。でも、それは長くは続かない。永遠に続くものではないんだ。

それは男女間の恋愛関係に限らず、すべてのリレーションシップについて言えることなんでしょうね。

BG:そう、僕たちは動物と同じなんだ。もしかしたら、無償の愛を注げるだけ動物のほうがマシかもしれない。人間はトリックスター、ペテン師だから。このアルバムは、人間には他の人間のことは理解できないということについて書かれたものなんだよ。もちろん、相手のことは知っているけど、本質まではわからないよね。その人のことを知っているつもりでも、本当のところは全然わかっていないんだ。結局完全に理解することなんてできないから、愛が冷めたらもう全然知らない赤の他人になってしまう。そのとき感じた愛がなんだったかなんて、僕たちにはわからない。愛なんて実体のないものだから。
 そう、愛は言ってみれば生命そのものなんだと思う。僕たちの命も、一度死んだら宇宙の塵と消えてしまう。愛も同じだよ。一度その愛が冷めたら、宇宙の藻屑だ。そうやって宇宙のサイクルの一部として、喪失と再生を繰り返していくんだ。僕たちの命もそこに生まれた愛も、宇宙の規模からしたらとんでもなく小さな、取るに足らないことじゃない? 愛やリレーションシップは、本当に小さな一瞬の火花のような存在でしかない。燃え尽きたらそれで終わりだ。
 このアルバムは、ある意味とても皮肉だけれど、現実的なことをテーマにしているのかもしれないね。実存的な真実を受容することがこのアルバムで伝えたかったことなんじゃないかな。僕たちはわかり合えない、自分以外の人のことは理解できない。表面的なことはわかるし、見えるものについては深く考察するけれど……太古の昔から、ドラマや芝居や脚本や詩や小説のテーマにもなってきたよね。人間はとても複雑な生きもので、人生は葛藤の連続だ。人間関係は葛藤そのものだから、このアルバムの命題は、その“葛藤”について描かれたものと言えるだろうね。そして、その葛藤は痛みを伴うんだ。「葛藤が生み出す無限の痛み」がテーマになっていると言えるかもしれない。ある意味、とてもブルージーなレコードになっていると思う。

曲が進むにつれて、内面がさらけ出されていき、痛みも増していくようです。一方で、サウンドそのものは美しく、アップリフティングで時には優しく、癒されるような要素も入っていますよね。

BG:そうなんだ。だから、そこに一筋の希望が見えるんだと思う。

この痛みを美しいサウンドで表現しようと考えた真意はなんだったのでしょうか。そうした希望の光を込めたかったということでしょうか?

BG:そうそう、その通り。痛みを伴う歌詞を美しい音楽で表現しているというのは良い考察だ。なぜなら、それこそがアートの持つ力だからね。それが聴き手を惹きつけるんだと思う。美しく繊細なサウンドが、ダークな歌詞によって傷つけれた心を引き上げて、包み込んでくれる。言ってみれば、美しさのコクーンのようなものだね。美しい花に見えても、実は君を飲み込んでしまうかもしれない(笑)。毒を持った花みたいなものなのかもね。
 言ってみれば、人間だってそうじゃない? 外見は小綺麗にしてるかもしれないけど、中身はダークでドロドロだ。怒りやサディスティックな感情を秘めているんだから。うん、なかなか良い指摘だね。考える良いきっかけになった。本当にどうもありがとう(笑)!

英国は深刻なコロナ禍を経て、回復へと向かいつつありますが、新型コロナウイルスがアルバムに与えた影響はあったのでしょうか? 

BG:いやいや、このアルバムは新型コロナ以前に完成していたから、そうした影響はないよ。曲自体は2017、2018年頃に書いたもので、レコーディングも2018年の夏にやったし、ミックスも2018年中には終わらせていたんだ。本当は昨年リリースされるはずだったんだけど、そのタイミングで新型コロナが流行して、ジェニーのソロアルバムのリリースもあったから、発表をここまで先送りにしていたんだよ。

そうだったんですね。このアルバムはまるでロックダウン下で物理的な距離を取らざるを得なかったふたりの葛藤を描いているように感じたので。

BG:なるほどね。でも、それは関係なかったかな。それよりも、このアルバムは感情の不明瞭さについて描かれたものなんだ。人間の残酷さと言ってもいいかもしれない。その残酷さというのは僕たちのなかにも、あらゆる場所、あらゆる場面に溢れている。詩人だって脚本家だって小説家だって、本当は不明瞭な感情と闘っているんだ。本当は自身の感情について1ページだって書くことができないのかもしれない。映画や詩を創ってはいるけど、自分自身の感情については不明瞭なまま葛藤を繰り返しているんだと思う。自分の感じ方や生き方、もしかすると結婚生活さえ、自ら正すことはできないんだよ。だって、人間は身勝手で利己的で、ナルシスティックな生きものだから。人間は……そう、混沌としている。すべての人間が、矛盾した存在なんだ。
 僕がこのアルバムで本当に描いたことは、そうした人間の持つ矛盾についてなんだろうな。あるときは素晴らしい人物で、ある時は愛情の欠片もない人物で、翌日は誰もがその人のことを憎んでいるかもしれない。ある意味、サディスティックとマゾヒスティックな感情を持ち合わせているということかもしれないね。人間は、何か実体のないものに突き動かされて、しかるべき状況に陥っている気がする。何か得体の知れない、僕たちを突き動かすなにか……人間ていうのは、結局何もわかっちゃいないんだ。僕を含めて、誰もが自分の感情についても、どうあるべきか、どんな行動を取るべきかなんて、まったくわかってないんだと思う。

そうした音楽に込めた思いや考え方、感じ方というのはやはりあなたのこれまでの経験から来ているのでしょうか。

BG:それはもう、僕の作品はすべて自分自身の経験に基づいているものばかりだよ。

というのも、このアルバムに登場する男女というのは、明確なキャラクター設定があってのことなのか、それよりももっとパーソナルで自然発生的なものだったのかが気になったんです。

BG:ああ、そうだね。たしかにフィクションの部分もあるから、ある意味架空の登場人物に語らせているところはあるね。でも、そうしたキャラクターの人物設定のベースには僕の経験があって、僕がいろいろな人たちの経験やリレーションシップを観察して考察したものを反映しているから、完全に架空のキャラクターを創り上げたという感じではないかな。僕の視点から見た、さまざまな人たちの、さまざまな“痛み”のコレクションといった感じかな。端から見たら幸せな結婚生活でも、そこに葛藤があるかもしれないと思うんだよね。
 1曲目の“Chase it Down”は、生命や宇宙、自然、それに人間にさえ備わっている存在の美しさに対する、ある種の不思議な感動や心理的感覚について歌ったものなんだ。滅私的な優しさや思いやりといった美しさ。でもね、日本もそうだしイングランドも西欧諸国そうだけど、経済的に豊かな国に暮らしていると、生きていることがどんなに幸運で恵まれているかなんて、すぐに忘れてしまうと思う。退廃的になってしまって、どんなに生きづらいかっていう文句ばかり言うようになる。でも、僕は生きていることそのものが素晴らしいことで、奇跡的なことなんだってこの曲で歌いたかった。
「Love while you can / Every woman every man / Everybody is a star / No matter who / Or what you are / And we don’t have too long / Run your race / Sing your song」の部分には、そうした想いが込められているんだよ。人生は短い、僕たちは自分たちに命を授かって、この人生を生きていることを讃えるべきなんだってね。僕たちはこの美しい人生を授かったんだから。でも、人は新しい家が欲しい、新しい車が欲しい、新しい冷蔵庫が欲しいって、不平不満ばかりを言っている。

貪欲になればなるほど自分の不遇さに絶望してしまって、経済的に豊かな国の方が自殺率が高かったりしますよね。

BG:そうなんだ。結局人は、自分より裕福だったり、成功していたり、美貌を備えていたり、そんな人たちと自分を比較して羨んでばかりいるよね。セクシーでスタイリッシュで大きな家に住んでいるセレブと比較することで自分の価値を決めてしまっている。結局、そうした比較対象を設けて、ある種のゴールみたいな人たちを示すことで、資本主義は機能しているわけだから。フェラーリを乗り回して美人のモデルの奥さんがいて大きな家に住んで、という結論を提示することで、わかりやすくそこに向かっていくことになる。だから人は資本主義社会に疑問を持たずに暮らすことができるんだ。成功者はこんな暮らしを手に入れているという幻想を見せることで、君にもその暮らしを手に入れることができるよ、手に入れたら勝者だよ、手に入れられなかったら敗者だよ、とわかりやすく示すことができるわけだよ。敗者には負けた理由があるんだよ、というのが資本主義社会の根底になっている自由競争からのメッセージなんだ。こんな平等な社会で何も手に入れられなかった君自身に理由があるってね。経済や社会が悪いんじゃない、頭が悪いとか、醜いとか、頑張りが足りなかったとか。成功者はみんな身を粉にして働いているっていうけど、実際の金持ちは、そのほとんどが親から受け継いだものだったりするんだけどね。土地とか不動産とか、両親が築いた財力や先祖代々受け継いだ遺産がほとんどだ。
 僕たちが信じているもののほとんどは嘘で塗り固められたギミックで、僕たちは嘘を信じて嘘にお金を払って買っている。資本主義社会なんて懐疑的な存在だし、僕たちは疑うべきなんだ。魅惑的な嘘で塗り固められてる。エルメスのハンドバッグやイブ・サンローランのコートは、消費主義者にとっては魔力を持った魅惑的な存在で、僕たちは幻想に投資してその魔力を持ったフェティッシュな所有物を手に入れている。僕自身だって、他のみんなと同じようにその行為に罪の意識を感じているよ。消費社会の現実は、大衆の奴隷になることなんだ。僕はもちろんその資本主義消費社会の一部だし、ブランドのキャンペーンとかもやってるし、だからこそ罪の意識を感じているよ。でも、この社会の一部だから、その一員として生きていくしかないんだよね(笑)。

“Sunk in Reverie”を聴いて、そういった消費社会に対する幻滅みたいなものを感じました。

BG:あの曲は、人間に対する最上級の嫌悪感を歌ったものなんだ。人びとの行動を目撃している主人公の語りという体裁を取っているんだけど。人間が持つ、寄生本能とでも言うのかな。それを暴こうという内容なんだ。人はみんなさまざまな仮面を被っていて……この主人公も、俳優としてかつてはそちら側に属していた。だから、自分について歌っている歌でもあるんだよ。最後のコーラスの「The bodies keep on coming / The party never ends」の部分は、パゾリーニの映画『ソドムの市』を観て書いたんだ。ラストシーンで少年少女を次々に虐殺するところを描いたんだけど、人間の死体が累々と重なっている様は、まるで肉屋みたいだな、と思って。人間も、虐待されて使い尽くされてやがて死体となって転がっている。つまりこの曲は、そういう放蕩的なライフスタイルや、そういうライフスタイルを送って吸血鬼のようになってしまった人たちの空虚について書いたものなんだ。繰り返しになるけど、ここで描かれているようなライフスタイルはとても魅力的かもしれないけど、そこに愛はないし、とても空虚だ。でも、そこにいる人たちは気付かないふりをしているんだよ。

では、少しサウンド面のお話しを聞かせてください。コンセプトの世界を表現するサウンドですが、方向性についてふたりで話し合ったのか、それともあなたが主導していったのかどちらでしょうか?

BG:2017年の1月に僕とアンドリュー(・イネス)がパリに行って、ジェニーと彼女のボーイフレンドのジョニー・ホスティルと一緒にスタジオに入って、本当にごくごく簡単なアイデアを出し合った感じではじまったんだ。当初はかなりエレクトロニックな雰囲気でね。クラフトワークとか、そんな感じの。それでロンドンに戻って来て、頭のなかにあった曲をアコースティック・ギターで弾いてみたんだよ。で、ギターのコードを決めていった。それから少し曲をシェイプして、歌詞を書きはじめた。5曲くらい書いたところで、『ロックのアルバムを作るべきだな』って思ったんだ。アンドリューとデモを作ってみたんだけど、いまのスタイルにすごく近い、ロック・ミュージックになった。もちろん、もっと原始的な感じではあったけどね。それをジェニーに聴いてもらって、「こんな風に作りたいんだけど」って言ったんだ。生演奏でレコーディングしたいことを伝えたら、「いいわ、最高!」って言ってくれて。それでこういうサウンドになったんだよ。

共作していて思いもよらず、良い方向に向かった曲はありますか?

BG:例えば“Remember We Were Lovers”は、最初はクラフトワークみたいなサウンドだったんだ。ドラムマシーンやストリングマシーン、ピアノが入ってて。でも、自分的にはしっくりこなくて。雰囲気もないし、感情がこもっていない感じがしてね。それで、ギターで曲を書き直してみたんだ。それから、生演奏でレコーディングしたらどうかって提案したんだよ。マーティン・ダフィーとダリン・ムーニーと一緒に。ジョン・レノンの曲みたいなピアノが入れたかったんだよね。(“Mother”を歌う)とかね。“Jealous Guy”とか(“Jealous Guyを歌う)、そんな感じ。アメリカのブラック・ソウル・ミュージックみたいな感じにしたかった。オーティス・レディングとかね。クラフトワークより、ジョン・レノンみたいな曲にしたかった。

それが、共同プロデューサーとしてブレンダン・リンチを迎えた理由のひとつでしょうか?

BG:ブレンダンは優れたエンジニアであり共同プロデューサーでもあるし、とくにバンドの生演奏をスタジオ録音するのがすごく上手なんだ。だから、このアルバムにぴったりだと思ったのは間違いないね。

彼を起用したのは『XTRMNTR』以来ですよね?

BG:そうだね。いや、ちょっと待って。2017年にレコード・ストア・デイに合わせてリリースした“Golden Rope”のリミックスをブレンダンにやってもらったな。

タイトルの『Utopian Ashes』はこれ以上ないほど合ったタイトルだと思いますが、どこから生まれたのでしょうか?

BG:僕の頭のなかから生まれたのさ。アルバムのサウンドとコンセプトを詩的に表現できるタイトルはないかなって考えてて。それでいて、抽象的で聴き手に考える余白を与えるようなものにしたくてね。

たしかに、このアルバムのライヴは朗読劇でも成立しそうですね。

BG:ああ、本当に? 歌詞が? 嬉しいな、ありがとう。

実際にこのアルバムを引っ提げてのライヴの予定はありますか?

BG:うん、11月にライヴができないかって考えているところなんだ。キャンドルを灯してライヴをやりたいと思ってて。

プライマルとしては『Chaosmosis』以来となる新作を期待したいところですが、いかがでしょうか?

BG:『Riot City Blues』の17曲入りアルバムを再発する予定だよ。オリジナルは10曲入りなんだけど、7曲ほど足して17曲入りにしたんだ。

リミックスなどを含めた構成になるということでしょうか?

BG:いや、全部オリジナル曲なんだけど、シングルのB面を入れることにした。オリジナルがリリースされた15年前は、シングル1、シングル2、7インチシングルという体裁でシングルをリリースしていたから、曲がたくさんあって。レコード会社にとにかくたくさん曲をレコーディングしろって言われていた時代で、アルバムに合わせて17~18曲ほどレコーディングしていたからね。それを全部含めて、セッションでレコーディングしたものを『Riot City Blues Sessions』というタイトルで、曲順も変えてリリースする。4つの章に再構成した感じの作りになってて、第1章はハイエナジーなロック、第2章はバラード、第3章は再びハイエナジーなロック、第4章はよりハイエナジーなロックという感じで、面白い構成になっていると思うよ。
 それから、これははっきりとしたことはまだ言えないんだけど、『Screamadelica』もなんらかの形で再発することになりそうだよ。ちょうど今年で発売30周年を迎えるからね。それに、ライヴ・アルバムも出る予定だよ。2015年にオースティンで開催されたサイケデリックのフェスティヴァル、LEVITSTIONに出演したんだけど、その時の音源がライヴ・アルバムとしてリリースされるみたいだね。アハハハ! こんなにいろいろ出るのかって自分でも驚いたよ(笑)。

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interview with Jehnny Beth

もう愛していないって言っているけど、それはまだ愛が残っているから言えるセリフなのよ(笑)。

──ジェニー・ベス、インタヴュー

質問:油納将志  通訳:長谷川友美

このアルバムは、リレーションシップの崩壊に焦点を当てているというよりも、その問題に対峙して、なんとか関係を立て直そうと葛藤する男女の姿を描いていると思う。そのために対話を重ねているんじゃないかな。

いまはロンドンにいらっしゃるんですか?

JB:いいえ、パリよ。4年前にパリに移ったの”

パリはいまどんな状況ですか?

JB:相変わらず悪夢のようよ。まあ、世界中のどの都市にも言えることかもしれないけど。

最初にボビーに会ったとき、どんな印象を持ちましたか? 

JB:最初にボビーに会ったのは、パリで行われたイブ・サンローランのキャットウォークショーに、彼と私が招かれたときだったの。もちろん彼のことはアーティストとして知っていたけど、個人的に会ったことはそれまでなかったわ。彼も私のことを知ってくれていたから、会話を交わして連絡先を交換したのよ。でも、そのときはそれ以上のことは何も起こらなかったわ。
 その後、スーサイドのラスト・ステージとなるA Punk Massっていうイベントがバービカンで行われて、そのときにまた会ったのよ。アラン・ベガが亡くなる直前のことだったんだけど。そこで、スーサイドに“Dream Baby Dream”をボビーと一緒に歌わないかと誘ってもらって。この曲はすでにサヴェージズで歌ったことがあったから、ボビーに「是非やりたいと思ってるけど、一人で歌いたかったら私は遠慮しておくわ」って言ったの。そうしたらボビーが、「いやいや、いいアイデアだからやろうよ」って言ってくれて。なんだかカオスな夜だったわ。ヘンリー・ロリンズが怒ってステージを降りちゃったり(笑)。それで、いつが私たちの出番かさっぱりわからなくて、突然曲がはじまっちゃったの。そうしたら、すぐにボビーがステージに出ていって、こう、客席に向かってかがんだのよ。それが本当にロックスターっぽくて、なんてかっこいいんだろう、って感動したわ。曲の始まりも終わりもわからなくて混乱したけれど、ステージが終わった後は大満足だったし、ハッピーで誇らしい気持ちになって。それでボビーともすっかり意気投合したのよ。
 それから、プライマル・スクリームとサヴェージズがブリストルで行われたマッシヴ・アタック・フェスティヴァルで共演する機会があって、アンドリューとボビーが私にプライマルのステージで歌わないかって誘ってくれたの。その後、アンドリューがボビーに2人でレコーディングしてみたらどうかって薦めてくれて。ジェニーとジョニー(・ホスティル)も一緒に曲を書いてみないかって言ってくれて、断る理由なんてひとつもなかったわ。ボビーとの共演は本当に楽しかったし、彼と私の声はデュエットにぴったりだと自分でも感じていたから。それで、ボビーとアンドリューがパリに来てくれて、いま、私がいるこのスタジオで2回ほどセッションしたの。そこで、曲のベースとなるようなものを書きはじめて。
 当初は、どんな曲を書いているかはっきりしないような状態だった。ただ、なんとなく曲のアイデアを出す感じだったんだけど、私とジョニーはまるでプライマル・スクリームの曲を書いているような気分だった。ベースとなるサウンドはエレクトロニックで、モノコードで。それで、ボビーはロンドンに戻って歌詞を書きはじめたのよ。パリでは歌詞ではなくて、メロディを書くことに集中していたから。
 でも、歌詞がメロディのアイデアにマッチしないと考えたようなのね。それで、「このレコードはエレクトロニックなサウンドのものにはならないと思う」って言われたの。もっと、バラードや、オールドスクールのフォークといった、ソングライティングに重きを置いたアルバムになりそうだって伝えられた。それからアルバムのコンセプトの話になって。“結婚生活の崩壊”というテーマが浮かび上がってきたのよ、ごめんなさい、ちょっと長かったわね。でも、これがボビーと出会った事の顛末なの。

出会う前は、ボビーをどのようなアーティストとして見ていたのでしょうか。

JB:とても強い個性を持っていて、素晴らしいソングライターだという印象だったわ。プライマル・スクリームの曲はもともと好きだったしね。とくに“I Can Change”がすごく好き。とても良く書かれた曲だと思ったわ。最初に彼を目撃したのは、ニック・ケイヴ&ザ・バッド・シーズのアフターショーパーティの会場だったの。もちろんそのときはボビーがどんな人物かまったく知らなかったんだけど、ボビーがニックと談笑しているのを見て、意外と明るくてよく笑う人なんだなって思ったわ。というのも、彼は酷いドラッグ中毒者だって噂を聞いていたから。もちろん、あの時代の人たちは多かれ少なかれそういう印象がつきまとっていると思うけどね。
 それが、実際に彼と会って話をしてみたら、そんな悪い印象はすぐに吹き飛んだわ。全然シラフだしクリーンだし。それって、私にとってはとても重要なことなのよ。私はお酒も飲まないし、ドラッグをやるような人たちとつるんだこともない。そういうものは、私が求めているものではないから。ロックンロールミュージックをプレイしているのにね(笑)。ロック界はアンフェタミンと密接に結びついていて、ドラッグまみれという歴史があることもよくわかっているけど、私はもうそういう世代の人間ではないの。サヴェージズは自分自身を律して、自分のやっていること、やるべきことに集中するという考えを共有しているからね。だから、ボビーに会って彼の内面を知ることで誤解が解けて、このプロジェクトは絶対にうまくいくと確信したわ。

最初に「結婚生活の崩壊」というコンセプトを聴かされた時、どう思いましたか?

JB:電話で突然言われたのでビックリしたけど(笑)、すごく面白いと思ったわ。いろいろな音楽やレコードで語られてきたテーマでもあるしね。このテーマが一体どこから来たのか、少し不思議には思ったけれど。でも、題材としてはいろいろな曲で取り上げられているし、ある種のキャラクターを設定するというコンセプトにはとても興味を持ったわ。もちろん、そうしたキャラクターには私たちの素の部分も大いに反映されてはいるけどね。そうでないと、オーセンティックなサウンドにはならないから。
 最初のシングル(“Remember We Were Lovers”)では、一組の男女が彼らの抱えている葛藤と、それをどう乗り越えるのか、その難しさについて歌っているけれど、ある意味伝統的なテーマだと思うのよ。ティーンエイジャーの恋の悩みや失恋とは明らかに異なる胸の痛み。それは、彼らがそれまで一緒に旅してきた軌跡があるからなの。結婚して、生活を共にして、もしかしたら子供もいるかもしれない。責任感の重みも違うし、人生のコミットメントなわけだから。このアルバムは、そうしたリレーションシップの崩壊に焦点を当てているというよりも、その問題に対峙して、なんとか関係を立て直そうと葛藤する男女の姿を描いていると思う。そのために対話を重ねているんじゃないかな。もし話し合うこともなくなってしまったら、関係性は完全に壊れてしまうから。「I don’t love you anymore」なんてとてもヘヴィで辛いフレーズだけど、そうやって自分の心の内を語ることで、なんとか関係性を修復したいと考えているからこそ出て来た言葉じゃないかと思っているの。もう愛していない、って言っているけど、それはまだ愛が残っているから言えるセリフなのよ(笑)。その愛を取り戻したいという心の叫び。まずは自分の相手に対する正直な感情をぶちまけることで、2人の未来を変えたいという気持ちの表れだと思う。私は、このアルバムのコンセプトをそういう風に解釈したけれど。

たしかに相手に対する感情や情熱が残っていなかったら、もう話しても無駄ですもんね。

JB:その通りよ。情熱が残っているから、なんとかしたいと相手との対話を望むのだと思うわ。もう相手のことがどうでもよくなっていたら、自分の気持ちをぶちまける必要なんかないもの。ただ去って行けばいいだけの話だから。

アルバムに登場する女性のペルソナは、あなたが創造した架空のキャラクターですか? それとも、自分自身を投影させたもので、キャラクター設定のようなものはなかったのでしょうか。

JB:そのどちらの要素もあると思う。歌詞はすでに書きためていたものがあったし、私が書いた歌詞のほとんどは、アルバムのコンセプトが決まる前に書いたものだから。私の歌詞が、ボビーがアルバムの方向性を決めるプロセスに少なからず影響を与えたところもあるんじゃないかな。コンセプトがはっきりしてから、歌詞を修正したりして曲のテーマや世界観に合うように、無意識のうちにキャラクターを設定していたかもしれないわね。曲のすべてにキャラクターを設定したコンセプトアルバムという発想も悪くはないけど、私は音楽で自分の本当の気持ちや感情を表現したいから、キャラクター設定にはあまりこだわらず、自分の経験を元にして素直な感情を込めたつもりだし、自分が経験していないようなことを歌った歌については、自分だったらどうするかな、どう感じるかなということをつねに念頭に置いて歌詞を書いたのよ。

“Utopia”という希望に満ちた言葉と、“Ashes”という破滅的な言葉とのコントラストがとても面白いと思った。ある意味、さっき話したような、歌詞の持つダークさとサウンドの持つポジティヴさとを的確に表現したタイトルじゃないかしら。

曲が進むにつれて、内面がさらけ出されいき、痛みも増していくようです。歌詞の一部はある意味、とてもストレートな表現にもなっていますよね。この痛みを男性と女性の両面から描くことが真意だったように思いますがいかがでしょうか?

JB:その通りよ。でも、そこには一筋の光のようなものもあったと思うの。

たしかに、サウンドそのものはアップリフティングだったり、穏やかだったり、歌詞の内容とのコントラストが鮮明だったように思いました。

JB:私たちは、気の滅入るようなレコードを作りたかったわけじゃないからね(笑)。スタジオで曲作りをしている時は本当に楽しかったし、ジョークを飛ばして笑い合ったり、和気藹々としていたから、そういう心が軽くなるような経験もサウンドに反映されていたんじゃないかしら。それに、さっきも言ったけど、人間関係の真実をこのアルバムに込めたのは、そこに希望の光があるからなの。少なくとも私はそういう風に感じているわ。本音を語るのは、解決の糸口を見つけたいからなのよ。自分たちの素直な感情や考え方を表現するのは、まだ希望が残っているからだと思う。もしかしたらこの状況を変えられるかもしれない、良い方向に舵を取り直せるかもしれないという思いから来ているのだと思うわ。だから、一見真逆に見えるサウンドと歌詞の世界観をひとつにまとめることは、それほど難しいことではなかったのよ。悲しい気持ちや暴力的な感情やトラウマといったものを、全編を通して悲しいサウンドで表現する必要もないし、そこにコミュニケーションが介在する限り、様々な方向へと形を変えていくと思うから。
 ボビーが、このアルバムは“表現力の欠如”について描かれていると言ったの。人によっては、会話が苦手で自分の感情や思考をうまく言葉にできないこともあるでしょう。だから、誤解を招くようなきつい言い方になってしまうこともある。でも、このアルバムが最終的に目指すところは、個人や2人の未来を良い方向へと変える力なのよ。カップルとしてすでに機能しなくなっていても、2人とも一緒にいる未来を思い描いている。だから、このアルバムはデュエットとして成立しているのよ。誰かが誰かに属している、そんな感覚を描いていると思うから。

アルバムで描かれている男性については、どのような印象を抱きましたか? ボビーが自分自身を投影しているように感じる部分はありましたか?

JB:そのことについてはボビーに直接たしかめたことがないからわからないけど、彼が自分のことを歌っているのか、それともフィクションの世界を創り上げたのか、私にとってはどちらでも構わないかな。彼はきっと、この男女のキャラクターを使って自分自身の世界を創ろうとしたんじゃないかと思うから。彼はきっといろいろな経験をしてきて、私たちもメディアを通してしっていることもあるし、彼は結婚もしているしね。でも、そこに彼自身の経験が投影されていたとしても、きっともっと普遍的なものを作ろうと思ったんじゃないかしら。もちろん私は彼ではないし、想像で話しているに過ぎないからもしかしたら正しくないかもしれないけど、これまでのインタヴューで彼が語ったことを総合して考えると、きっとあらゆる人に向けてこうした曲を書いたんだと思うのよ。
 人によって受け取り方が違っても良いと思う。多くの人が結婚生活を体験しているわけだし、誰もが最初の頃のときめきや燃え上がるような気持ちを多かれ少なかれ失うのは間違いないと思うから。それで、その頃の思いを取り戻したい、なんとかこの関係を修復したい、って思うのは自然なことよ。だって、リレーションシップって、言ってみれば進化し続けるものなんだから。リレーションシップはレボリューションなのよ。このアルバムの2人も、最後の曲が終わったあとにもしかしたら自分たちの解決策を見つけたかもしれないな、って思うの。
 私はいまやボビーとは友だちだと思っているから、友だちが過去について率直に語るのは素敵なことだな、って思って聴いたわ。例えば“You Can Trust Me Now”は、彼が歌うから美しく聞こえるんじゃないかなって思うの。だって、このセリフって、本来なら全然信用ならない感じでしょ? 「僕のことを信じていいよ」って言われたら絶対に信じないわ(笑)。でも、彼がそう歌うことで、なんだかとても美しいフレーズに聞こえるの。だって、ある意味とても脆いでしょ。そう言われてもまた裏切られるかもしれない、信じていいよ、って言った方が裏切られるかもしれない。それを、ドラッグに溺れたこともある、さまざまな経験を積み重ねてきたボビーが言うことに意味があるのよ。彼が言うと、とても心に響くわ。スタジオのなかでこの曲を聴いたとき、感動したのを覚えているわ。

このアルバムのなかでいちばん好きな曲はどれですか?

JB:やっぱりこの曲かしら。歌詞もサビもとても素敵な曲だと思うから。もう僕は昔の僕じゃないんだ、生まれ変わったんだ、信頼に値する人間になるよ、っていう彼の心の声が聞こえる気がするし、その過程というのはとても美しい軌跡だと思うの。そこに女性キャラクターのヴァースが入ってきて、「You turned into someone / I don’t know」って歌うのは、ある種の拒絶じゃない? それは、彼女のビターな経験から来ている。男は自分を信じてくれっていう。女は信じられないっていう。愛はリスクを伴うもので、だからこそ愛は美しいものだって私は信じているけれど。一方で、リスクを伴うものはもはや愛ではないのかもしれないけれどね。

あなたは女優としても活動しています。今回のアルバムはとてもドラマチックなストーリーを持っていますが、演じるように歌ったのでしょうか?

JB:(笑)どうかしら。演じることと歌うことは私のなかでは全然違う種類のものだから。もちろん、演じるような表現を用いて歌うこともあるけれど、歌には“真実”がないと心に響かないと思っているの。敢えて穿った表現やシニカルな視点を込めて歌う歌手もいるけれど、そこに自分自身が投影されていなければ、それは聴き手にも伝わってしまうって信じているのよ。信用できないシンガーは好きじゃないの。この人は真実の感情を歌っているなって信じられなかったら、その歌を聴く気にはなれないわ。私は歌に、真実を込めたいと思っている。私はボビーよりも若いし経験も少ないかもしれないけれど、それなりに年を重ねてきたし、ジョニーとは18年間付き合っているから、1人の人と長いリレーションシップを持つことがどういうことかも多少はわかっているつもりよ。だから、自分の知らないことを作り出す必要もないし、身の丈以上の表現を取り入れる必要はないと思っているの。

サウンド的には、グラム・パーソンズとエミルー・ハリスの“Grievous Angel”、ジョージ・ジョーンズとタミー・ワイネットの“We Go Together”などのカントリー・ソウルに触発されたと読みました。サウンド自体はどのようにしてやり取りしながら完成していったのでしょうか? 男女のデュエットアルバム、というコンセプトには最初から興味があったのでしょうか。

JB:とくにサウンド的なリファレンスについては話をすることはなかったわ。もちろん、多少はこんな感じの雰囲気で、っていう話はしたけれど。ボビーと私の声はすごくマッチしていると感じていたから、デュエット・アルバムというコンセプトは面白いと思ったわ。ボビーと私のハーモニーは、自分でも素晴らしいと思ったの。それがこのアルバムを作った最大の理由なのよ。ハーモニーというのは本当に心地良い体験で、ある意味人間にとって最も原始的なコミュニケーション術だと思うのよ。ふたつの異なる振動がひとつになって、人と人とを結びつける感覚。とても心が温かになる感じがするし、強い力を持っていると思うの。言葉によるコミュニケーションを超えた、本当に原始的な感覚よ。最初のセッションから、2人で歌うのがスムーズにいって、2人の声を重ね合わせた時、本当に驚いたの。ボビーも、アンドリューも、私も、ジョニーも思わず全員で顔を見合わせてしまったわ。“これはアルバム1枚作れちゃうんじゃないの?”って(笑)。2人のハーモニーに無限の可能性を感じたのよ。

あなた自身は、そうしたハーモニーを取り入れたフォークミュージックやカントリー・ソウルのような音楽には興味がありましたか?

JB:ええ、もちろん。サヴェージズの音楽も、ハーモニーを重視したサウンドを目指しているから。フォークというよりは、もっとリズムが強くてモノコードを使ったサウンドになっているけれどね。ずっとジャズを歌ってきたし、ハーモニーやメロディの美しい曲は大好きよ。私にはこういう歌い方もできるんだって、今回のプロジェクトが再確認させてくれたところもあるの。私にとっては大きな収穫だったわ。このアルバム以来、ちょこちょこ『Utopian Ashes』のときの歌い方を使うようになったから(笑)。

今回のコラボレーションがあなた自身、またサヴェージズに影響を与えることはありそうでしょうか?

JB:サヴェージズ自体は残念ながらもう何年も活動を休止していて。また活動を再開する可能性はゼロではないんだけど、いまのところは何も今後のことは決まっていない感じなの。でも、ええ、サウンド的なこととは別として、ヴォーカル面では私のソロ・プロジェクトにかなり影響を与えることになると思うわ。歌い方のスタイルの、サヴェージズ時代には閉じていた扉を再び開けてくれたような気がするから。メロディの歌い方や豊潤なハーモニー、それにそうした歌い方への喜びみたいなものを取り戻すことができると思うの。

新型コロナウイルス禍は、人びとの生活だけではなく、人間関係やリレーションシップの在り方についても大きな変化をもたらしたと思います。あなた自身、影響を受けた部分はありますか?

JB:もちろん、どのミュージシャンやアーティストにも言えることだと思うけれど、完全に私の音楽活動を停滞させてしまったわ。去年、パンデミックの最中にソロ・アルバムをリリースすることになってしまって。本当はアルバムを引っ提げてヨーロッパにツアーに行くはずだったし、アメリカをナイン・インチ・ネイルズと一緒に回る予定だったのに、大きなフェスティヴァルも全部キャンセルになってしまった。私の記念すべきソロ・アルバムが大きな犠牲を強いられた気分だったわ。世界中にファンを持つ安定した人気のポップ・バンドには、いつでも待っていてくれるファンがいるし、他の形でファンと交流する機会もあったと思うからさほど大きな影響はなかったかもしれないけれど、私の場合は、閉じ込められてしまった気分だったの。
 でも、良い面ももたらしてくれたのよ。この1年間、フランス国外に出られないからずっとパリにいる必要があって。12年間ロンドンで暮らしていたから、どこにも行けない状況に最初はフラストレーションを感じていたわ。でも地元に戻ってきてみて、自分の周りは才能を持った人たちやインスピレーションの源で溢れているって気が付いたのよ。以前の私はそれに気付いていなかったと思う。それによってまた新しい扉が開かれたし、そのことについてはとても感謝しているの。クリエイティブワークにとって、私にとって大きなターニングポイントになったと思うわ。いまも新しい曲をどんどん書いているし、状況が好転したら、次のソロ・アルバムをリリースしてすぐにでもツアーに出たいわ。

アルバムの話に戻りますが、タイトルの『Utopian Ashes』はこれ以上ないほど合ったタイトルだと思います。ボビーが決めたそうですが、このタイトルは気に入っていますか?

JB:そうなの。ボビーが提案したんだけど、他にもたくさんタイトルの候補があったのよ。テーマである「結婚生活の崩壊」や、破れた夢を的確に表すとても良いタイトルだと思うわ。そう、夢破れた後の余波というべきかしら。だって、ここで描かれているのははじまりではなく、終わりのその後、すべての出来事を通り過ぎて来たあとの後遺症のようなものだから。燃え尽きたあとに何が残っているのか、ここからどう立て直していくのか。“Utopia”という希望に満ちた言葉と、“Ashes”という破滅的な言葉とのコントラストがとても面白いと思った。ある意味、さっき話したような、歌詞の持つダークさとサウンドの持つポジティヴさとを的確に表現したタイトルじゃないかしら。

このアルバムのライヴは朗読劇としても成立しそうですが、ライヴの予定は?

JB:わあ、賛成だわ! ボビーの書いた歌詞は、純粋に詩としても優れていると思っていたの。文字で読んでも、読み応えがあるし心情が伝わってくる。スタジオでも、ときどきボビーが大声で歌詞を読誦していたことがあって。私の耳元に囁いてくることもあったわ(笑)。そうやって、みんなが弾いているメロディを聴きながら、歌詞をぶつぶつ唱えることで、曲にぴったり合うようにアジャストしていたみたいなの。それからノートに書き留めて……というのを繰り返していたわ。歌詞のライティングには本当に細心の注意を払っていたと思うから、歌の歌詞というだけではなく、喋り言葉としても成立するかどうかについても細かく考えていたんじゃないかと思う。語彙力の豊かさやイメージの鮮やかな表現力も素晴らしいと思うから、ボビーはこのアルバムで、作詞家としての優れた才能についても遺憾なく発揮していると思うわ。

サウンド面でも、共作していて思いもよらず、良い方向に向かった曲はありますか?

JB:パリのスタジオに入った当初は、一緒に曲を書き始めたの。それを彼がロンドンに持ち帰って、自分のパートを書いて、曲を綺麗に整えた感じなんだけど、最初はエレクトロニックだったりモノコードを使っていたりした曲も、最終的にはメロディを重視した、真の意味でのソングライティングの力を重視したものになったのね。それをボビーがまたパリに持って来てくれて、私が自分の歌のパートを吹き込んだという感じのプロセスだった。もちろん、一緒にスタジオでやってみて、少し変えた部分もあるけどね。レコーディング自体は本当に楽しかったし、とてもよい経験になったわ。新型コロナウィルスが流行る前にこのアルバムを作っておいて、本当に良かったなって思ってる(笑)。プレッシャーもストレスも心配もなくて、最高のレコーディングだった。ボビーもアンドリューもプライマル・スクリームのメンバーもジョニーもプロフェッショナルだから最高のプレイをしてくれたし、何の心配もなかったし、このアルバムは素晴らしいものになるっていう確信が最初からあったのよ、そう、これこそ“信頼”、信じる力なのよ(笑)!

(笑)では最後に、あなたのこれからの活動プランを教えてください。

JB:いまは2枚目のソロアルバムの制作でスタジオに入っているところなの。それから今年2本のフランス映画に出て、状況が好転したらソロツアーに出て、このアルバムのライヴも11月くらいに出来たらいいね、っていう話をしているところだし……やることはたくさんあるけど、とにかく来年が今年より良い年になっていればそれでありがたいかしらね(笑)。

The Bug - ele-king

 ザ・バグは早かった。2003年に〈Rephlex〉から出た『Pressure』。きれいなエレクトロニカが隆盛を極めていたあの時代に、独自の歪んだ音響で大胆にダンスホールを導入、怒りを表現したこと──ザ・バグは10年先を行っていた。
 最近も彼は動きつづけている。2019年にはゾウナルとして過激なアルバムを発表、ベリアルとのフレイムもあった。昨年はケヴィン・リチャード・マーティン名義で怒濤のごとくアンビエント作品を投下、ザ・バグ・フィーチャリング・ディス・フィグとしても〈Hyperdub〉からアルバムを送り出すなど、休むことを知らない。
 なのであまり久しぶりという感じはないのだが、しかしザ・バグ単独名義としてはじつに7年ぶりとなるオリジナル・アルバムがリリースされることになった。その名も『Fire』。タイトルからして熱い。『Pressure』のときはイラク戦争だったけれども、今回はやはりパンデミック~ロックダウンが契機となっている模様。ムーア・マザーも参加している。発売は8月24日。聴き逃す理由はない。

THE BUG
エイフェックス・ツイン、トム・ヨーク、ケヴィン・シールズ、エイドリアン・シャーウッドら錚々たる面子が賛辞を贈る〈NINJA TUNE〉のカリスマ、ケヴィン・マーティンが、7年ぶりにザ・バグ名義でアルバムをリリース! 新曲 “Clash” が解禁!

2008年にスマッシュヒットを記録した『London Zoo』、デス・グリップスなど超凶力なゲスト陣も話題となった2014年の『Angels & Devils』という二枚のザ・バグ作品以外にも、テクノ・アニマルやキング・ミダス・サウンドなどいくつもの名義を操り、マイ・ブラッディ・ヴァレンタインのケヴィン・シールズも在籍した伝説のバンド、エクスペリメンタル・オーディオ・リサーチのメンバーとしても名を連ね、エレクトロニック・ミュージック・シーンのアウトサイダーとして、長きに渡って活躍するカリスマ的プロデューサー、ケヴィン・マーティンが、メイン・プロジェクトであるザ・バグの実に7年ぶりとなる最新作『Fire』のリリースを発表! あわせて新曲 “Clash (feat. Logan)” を解禁した。

The Bug - 'Clash (feat. Logan)' (Official Audio)
https://youtu.be/OgBwOYRuVAw

『London Zoo』『Angels & Devils』に続く、都市を舞台にした三部作の最終作品としても位置づけられている新作『Fire』。MCには、Flowdan、Roger Robinson、Moor Mother、Manga Saint Hilare、Irah、Daddy Freddy などの長年の仲間に加え、Logan、Nazamba、FFSYTHO などの新鮮な面々も参加。音の身体性と強度を追求し続けるケヴィン・マーティンにとって間違いなく最高傑作であり、彼がこれまでに制作した音楽の中で最も獰猛かつ感動的なサウンドが展開する。

ザ・バグを始めたのは、俺の倉庫にあったサウンドシステムのための音楽を作りたかったからだし、バグのライヴ体験こそ、常にレコード作品に反映させたいと思っていた。いつだって炎に、ライヴ体験に注ぐための燃料を探してるんだ。だからロックダウンによってライヴができないことが大きなきっかけとなった。常に「どうしたらもっと盛り上げられるだろうか?」「どうすれば人々をもっとコントロール不能にできるのか?」と問いかけてる。俺にとって、ライヴは生涯忘れられないものでなければならない。オーディエンスをDNAから変えてしまうもの、良い意味で彼らの人生に傷痕を残すようなものでなければならないんだ。俺は、摩擦や混沌、音で炎をあおることが好きだ。このアルバムは、ライヴの激しさや、ライヴ中の “ファックオフ” というアティチュードという点で、俺のライヴが最も良く反映されてる。「WHAT the FUCK?」というのが俺がオーディエンスから望む反応だよ。人々が音楽をどのように消費するかについて多くのコントロールがあり、文化的に抑圧されてる時代において、常軌を逸するということこそ正しいリアクションだ。 ──Kevin Martin

ザ・バグ最新アルバム『Fire』は、8月27日(金)世界同時リリース! 解説付きの国内流通仕様盤CD、輸入盤CD、グレー・ヴァイナル仕様の通常盤2枚組LPの他、シルクスリーン・プリントによるスリーヴ、レッド&イエロー・ヴァイナル仕様の限定盤で発売される。さらに世界限定500枚の Bleep 限定仕様盤(クリアレッド&クリアイエロー・ヴァイナル)が Beatink.com で超限定数販売決定!

label: NINJA TUNE / BEAT RECORDS
artist: The Bug
title: Fire
release date: 2021/08/27 FRI ON SALE

国内流通仕様盤CD
解説書封入 BRZN275 ¥2,000+税
https://www.beatink.com/products/detail.php?product_id=11960

BEATINK.COM 限定盤LP
(クリアレッド&クリアイエロー・ヴァイナル)
https://www.beatink.com/products/detail.php?product_id=11961

TRACKLISTING
01. The Fourth Day (feat. Roger Robinson)
02. Pressure (feat. Flowdan)
03. Demon (feat. Irah)
04. Vexed (feat. Moor Mother)
05. Clash (feat. feat. Logan)
06. War (feat. Nazamba)
07. How bout dat (feat. FFSYTHO)
08. Bang (feat. Manga Saint Hilare)
09. Hammer (feat. Flowdan)
10. Ganja Baby (feat. Daddy Freddy)
11. Fuck Off (feat. Logan)
12. Bomb (feat. Flowdan)
13. High Rise (feat. Manga Saint Hilare)
14. The Missing (feat. Roger Robinson)

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