Home > Reviews > Sound Patrol > Sound Patrol- ──Dance music編
夏といえばダンスの季節です。いくつか注目のシングルをピックアップしてみました。ワクチン接種が進んでいるUKでは来週19日からクラブが通常営業を開始するとのことですが(問題なきことを切に願います)、たとえ緊急事態宣言下であっても、ダンス・ミュージックはいつだって我々にとってのエネルギー源であり、かけがえのない音楽なのです。
https://overmono.bandcamp.com/album/bmw-track-so-u-kno
TesselaとTrussによる期待の兄弟ユニット、オーヴァーモノ(https://www.ele-king.net/news/008102/)によるニュー・シングル。彼らの才能は、“BMW Track”を聴くとよくわかる。音数少なめのブレイクビーツ・テクノによるリズムの格好良さ。ダンサーたちを魅了すること間違いない。早送りのヴォーカル・サンプルを使った“So U Kno”に至ってはレイヴの季節にぴったり。よし、踊るぞ(どこで?)。
https://eomac.bandcamp.com/album/cracks
ベルリンからアイルランドはダブリンに移住したプロデューサー、Eomacによる〈Planet Mu〉からのアルバム。内省的で、じつに多彩な内容だが、とにかく、“What Does Your Heart Tell You?”という曲を聴いてほしい。素晴らしいでしょう?
https://lsdxoxo.bandcamp.com/album/dedicated-2-disrespect-ep
フィラデルフィア出身ニューヨークからベルリンへ、LSDXOXOによる〈XL Recordings〉からの一撃。ボルチモア・クラブおよびゲットー・ハウスの猥雑さとパワーを咀嚼した4曲入り。まずは“Sick Bitch”でも。ダンスフロアの次期スターは彼か?
https://aplife.bandcamp.com/album/zodiac-beats-volume-1-2-003
〈Night Slugs〉で知られるBok BokによるOne Bok名義でのEPで、グライム、トラップ、ドリル、ダブ、ベース・ミュージックの混合。ダンス・ミュージックだが、この虚しい夏にはぴったりの荒涼感覚が見事で、家でリスニングも楽しめる。
https://soundcloud.com/rp_boo/all-my-life
RP BOO9月リリース予定のニュー・アルバムからの先行曲(配信で購入可)。シカゴのフットワークの重鎮、オールドスクールを意識しつつ、ディープ・ハウスに接近か。これはもう、アルバムを期待しないわけにはいかないでしょう。
https://visionsrecordings.bandcamp.com/album/jon-dixon-the-new-tomorrow-ep
デトロイトからはアンドレスの新譜(Sweetest Pain / Sweetest Moaning)も良かった。しかし、ここはGalaxy 2 GalaxyやTimelineの鍵盤奏者でもあり、ハイテック・ジャズ・テクノのプロデューサーでもあるジョン・ディクソンの最新シングル、ソウル・ミュージックとしてのテクノをどうぞ。落ち込んでばかりの毎日でも、なんかやる気にさせます(何を?)。
野田努