「CE」と一致するもの

Baths / Geotic - ele-king

 ナイス・タイミングです。11月12日発売の『別冊ele-king』最新号では、今年設立10周年を迎え勢いに乗っているフライング・ロータス~〈ブレインフィーダー〉を特集しているのですが、LAビートについても大きくページを割いています。そのフライローとの共作経験もあるバス(Baths)ことウィル・ウィーセンフェルド、彼が2010年に〈アンチコン〉から放った夢見心地で清涼な『Cerulean』は、LAビートを代表する名盤のひとつです。バスの歩みに関しては下記にまとめてありますので、ぜひご一読を。

https://www.ele-king.net/columns/003914/

 さて、そのウィルは他方でジオティック(Geotic)名義でも活動していて、そちらでも『Sunset Mountain』などの良作を残しているのですが、そんな彼がこの10月、来日公演を開催します。しかも贅沢なことに、バスとジオティック双方の名義での公演です。
 バス名義のほうは、昨年リリースの最新作『Romaplasm』を引っさげたツアーで、東京(10/22@WWW)と大阪(10/25@Socore)を回ります。ジオティック名義のほうは、ダンスとアンビエントを織り交ぜたセットになるそうで、こちらは東京(10/23@CIRCUS Tokyo)のみの公演。現在、10/17発売の新作『Traversa』から収録曲“Gondolier”のMVが公開中ですので、合わせてチェックしておきましょう。

LAが誇る稀代のビートメイカー Baths、
東京・大阪での来日公演が2018年10月開催!!

ポップ・ミュージックの新たな可能性を拡張した最新作『Romaplasm』を携えた最新鋭の演奏セットを披露!

インディ・ロック~ヒップホップ・リスナーまで巻き込んだ、いまなお色褪せない大傑作ファースト・アルバム『Cerulean』。
大病を患いその果てで見事なまでのアーティストとしての成長を成し遂げ、その年多数のメディアから年間ベストに挙げられたセカンド・アルバム『Obsidian』。
「絶対に自分に対して不誠実であってはならない」という創作活動における信条のもと、ポップ・ミュージックの新たな可能性を拡張したサード・アルバム『Romaplasm』。

その創り出すビートがいま最も話題を呼ぶビートメイカー Baths。
誰しもが惹き付けられる躍動感溢れるライヴ・パフォーマンスは必見!!

https://www.youtube.com/watch?v=fcIdpIUClfA

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Tugboat Records presents Baths Live in JAPAN 2018

■2018/10/22 (月) 渋谷 WWW

【時間】OPEN 19:00 / START 19:30
【レーベル割価格】 ¥4,300 (ドリンク代別) *限定100枚 (9/13正午~)
https://goo.gl/forms/McdPioHT9vFL6BbB2
【前売り価格】 ¥4,800 (ドリンク代別)
【各プレイガイド】Pコード:130-011 / Lコード:70460 / e+ / WWW店頭 (9/17 10:00~)

https://www.tugboatrecords.jp/category/event

■2018/10/25 (木) 大阪 Socore Factory
【時間】OPEN 19:00 / START 19:30
【レーベル割価格】 ¥4,000 (ドリンク代別) *限定50枚 (9/13正午~)
https://goo.gl/forms/McdPioHT9vFL6BbB2
【前売り価格】 ¥4,500 (ドリンク代別)
【各プレイガイド】e+ のみ (9/17~)

主催/企画制作:Tugboat Records Inc.

●Baths プロフィール
LA在住、Will Wiesenfeld こと Baths。音楽キャリアのスタートは、両親にピアノ教室に入れてもらった4歳まで遡る。13歳の頃には、既にMIDIキーボードでレコーディングをするようになっていた。あるとき、Björk の音楽に出会い衝撃を受けた彼は直ぐにヴィオラ、コントラバスそしてギターを習得し、新たな独自性を開花させていった。ファースト・アルバム『Cerulean』はインディ・ロック~ヒップホップ・リスナーまで巻き込み多くの話題を呼んだ。 大病を患いその果てで見事なまでの成長を成し遂げ、その年多数のメディアから年間ベストに挙げられたセカンド・アルバム『Obsidian』。ポップ・ミュージックの新たな可能性を拡張したサード・アルバム『Romaplasm』。その創り出すビートがいま最も話題を呼ぶビートメイカー Baths による待望のジャパンツアーが2018年10月に開催!

●リリース情報

作品詳細:https://www.tugboatrecords.jp/6423
アーティスト:Baths (バス)
タイトル:Romaplasm (ロマプラズム)

tracklist
01. Yeoman
02. Extrasolar
03. Abscond
04. Human Bog
05. Adam Copies
06. Lev
07. I Form
08. Out
09. Superstructure
10. Wilt
11. Coitus
12. Broadback

・発売日:2017年11月15日
・価格:¥2,200+tax
・発売元:Tugboat Records Inc.
・品番:TUGR-043
・歌詞/解説/対訳付き

LA在住、Will Wiesenfeld が、Bathsとともに活動する別名義のプロジェクト=Geotic。

10/17日本先行リリースのセカンド・スタジオ・アルバム『Traversa』を引っ提げ、10/23 (火) CIRCUS Tokyo にて公演決定!!

Geotic 名義によるダンス・セットとアンビエント・セットを織り交ぜた初披露の貴重なライヴ・セット
(Baths公演でのセットとGeotic公演でのセットは異なります。)

セカンド・スタジオ・アルバム収録曲“Gondolier”のMVも公開!

怒りや裏切りといった感情を連想させた後、雰囲気が一変し、語り手と主人公が夜に人知れず駆け落ちするストーリーは圧巻。稀代のビートメイカー、Will Wiesenfeld にしか生み出せない創造性溢れるサウンドは必聴!

Gondolier
https://www.youtube.com/watch?v=XlzleWMYkEw

アルバムに寄せたアーティストのコメント
「良い旅を経験すると、自分の“脳”を望む通りの場所に辿り着かせることができる。このアルバム全体に共通するインスピレーションは、そのときに湧き上がった感覚から生まれたんだ。本当に最初から、音楽は僕にとって何よりも、(そんな旅のように)どこかへ導いてくれるほど魅力的なものだった。あらゆる形態のメディアにさらされるなかで、僕は絶えず日常生活では味わえない違った何かを感じられるものに引き寄せられるんだ」
――Will Wiesenfeld

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Tugboat Records presents Geotic Live in Japan 2018

■10/23 (火) CIRCUS Tokyo

【時間】OPEN 19:00 / START 19:30
【レーベル割価格】¥3,500 (ドリンク代別) *限定50枚 (9/19 20:00~)
https://goo.gl/forms/lCgKeopvmrrjs7543
【前売り価格】 ¥4,000 (ドリンク代別)
【各プレイガイド】Pコード:129991 / Lコード:71470 / e+ (9/19 20:00~)

https://www.tugboatrecords.jp/category/event

●Geotic プロフィール
LA在住、Will Wiesenfeld が、Bathsとともに活動する別名義のプロジェクト。前作に引続き Tycho を擁する〈Ghostly International〉、そして日本は〈Tugboat〉よりリリース。
「Bathsはアクティヴなリスニングで、Geoticはパッシヴなリスニングである」──Baths、そして Geotic こと、Will Wiesenfeld は、自身のふたつのプロジェクトに対してこのように語る。

●リリース情報
アーティスト:Geotic (ジオティック)
タイトル:Traversa (トラヴェルサ)

tracklist
01. Knapsack
02. Swiss Bicycle
03. Harbor Drive
04. Aerostat
05. Town Square
06. Terraformer
07. Gondolier
08. Maglev

・発売日:2018/10/17 (水)
・価格:¥2,000+tax
・発売元:Tugboat Records Inc.
・品番:TUGR-080
・解説/対訳付き

Riton & Kah-Lo - ele-king

 ナイジェリアといえば国外に出るとしたら、これまではイギリスと相場が決まっていたし、実際、世界最大のナイジェリアン・コミュニティはいまだイギリスにあり、ここからディジー・ラスカルやスケプタといった移民二世のビッグMCが出て来たことはよく知られている。ところが新たなトレンドを求めて方向性を変えたメジャー・レイザーの最新ミックス・テープ『Afrobeats』にフィーチャーされていたラッパーやプロデューサーの出身地を調べてみると圧倒的にナイジェリア出身者が多く、かつてジャマイカからイギリスへと渡っていたレゲエやダンスホールのMCたちが90年代以降はジャマイカからアメリカへと目的地を変えたことと同じことが現在のナイジェリアにも起きつつあることがよくわかる。そうしたナイジェリアのMCたちがアメリカで制作したラップ・アルバムを聴いてみると、ところどころでナイジェリアや汎アフリカ的な表現も挟まれているものの、やはりアメリカン・マナーに染まってしまうケースが大半で、目先が大きく変わっているのでなければ、だったらリル・ウェインやカレンシーの新作を聴いた方が……と僕などは思ってしまう。スーサイド・ボーイズとかね。
 クラインと同じくイギリスのクラブ・ミュージックに進路を定めたナイジェリア育ちのカー~ローことファリダ・セリキはそして、これまでにリトンことヘンリー・スミッソンと組んだ2枚のシングルでごく短期間に頭角を現し、早くも昨年のグラミー賞でベスト・ダンス・レコーディングスにノミネートされている。TVドラマ『13の理由』のプロデュースやSNSからの撤退で何かと話題のセレーナ・ゴメスが早くも「Back To You」のリミキサーに起用しているので、メジャーでの知名度も急速に高まり、もはや爆発寸前だろうというタイミングでアルバムもリリースされた。

 これまでリトン名義でしかアルバムをリリースしてこなかったスミッソンも今回は名義をリトン&カー~ローとしている。リトンは99年にデビューした古参のプロデューサーで、〈グランド・セントラル〉からのデビュー・アルバム『Beats Du Jour』では穏やかなダウンテンポ、キュアーをカヴァーした“Killing An Arab”ですぐにもエレクトロクラッシュに移行し、2008年にはアイネ・クライネ・ナハト・ムジークの名義でクラウトロックとハウスをクロスオーヴァーさせたアルバムを、以後はわかりやすいことにレーベルも〈エド・バンガー〉に移り、2010年代に入ってからはベース・ミュージックを取り入れたEP「Bad Guy Riri」やヴォーカルにメレカをフィーチャーした“ Inside My Head”で完全に迷走状態に入ったかに見えた。その直後にツイッターで知り合ったのが(同時期にニューヨークに住んでいた)カー~ローだったという。“Habib”など現在に通じる曲もなくはなかったスミッソンがカー~ローをフィーチャーした“Rinse & Repeat”はアフロビートを取り入れているわけでもないのに、微妙にテンポをずらす彼女の歌い方だけで、それまでとは驚くほどグルーヴ感の異なる曲となり、まさかのグラミー賞ノミネートへ突き進んでいく。続く“Betta Riddim”のプロダクションは明らかに彼女の歌い方を生かす方向に変化し、以後もtqdやフィット・オブ・ボディといった80Sガラージ・リヴァイヴァルと歩を揃えた“Money”からイナー・シティ“グッド・ライフ”をループさせた“Fasta”などスミッソンの作風も15年目にして一気に固まり、いままであるようでなかったヒップ・ハウスのアルバムに仕上がっていく。

 アルバム・タイトルはおそらくゼノフォビア(移民嫌悪)を念頭に置いた上で、「外国人の気分」を表すスワヒリ語のようで、カー~ローの歌詞も「覇気のある人はいないのか」と繰り返す“Ginger”やニューヨークやロンドンでの生活とナイジェリアでの暮らしを比較した“Immigration”などシンプルなものが多い。「みんな、お金が欲しい」とか「(未成年の)女の子も楽しみたい、飲みたい、フェイクI.D.を持って行こう」とか。そう、ラゴスのパーティ・カルチャーを曲に反映させるためにナイジェリアからゲストを何人か招いた曲もあり、ガヤガヤとした感じで曲は進む。カー~ローはすでにリトンとのプロジェクトとは別にハイチ出身のマイケル・ブラントとも“Spice”をリリースしている。ペース早いです。ちなみに彼女の声のせいか、多くの曲はどうしてもケロ・ケロ・ボニトを思わせるものがあり、妙な懐かしさもあるのだけれど、実際のケロ・ケロは新作となる3作目でパンク・ギターを全開にし、いわばパワー・ポップ路線を突き進んでいる。

Maisha - ele-king

 まあちょっとざっくり言うと、2018年は『We Out Here』からはじまった。ロンドンのアンダーグラウンドからUKジャズの新しい波がやって来て、スピリチュアル・ジャズにアフロビートをたたき込み、クラブ・カルチャーと隣接しながらシーンに喜びと恍惚をもたらしたと。
 いろんなミュージシャンの名前を覚えた。シャバカ・ハッチングスをはじめ、モーゼス・ボイド、ジョー・アモン・ジョーンズ、テンダーロニアス……それから女性サックス奏者のヌビア・ガルシアも。
 『We Out Here』は、マイシャの曲からはじまる。ドラマーのジェイク・ロングが率いるこのグループは、いまの“UKジャズ”のひとつの型を表している代表。要するに、アリス・コルトレーンとファラオ・サンダースからの影響をアフロビートと混ぜること。グループでサックスを吹いているのはヌビア・ガルシア。マルチ・カルチュアルで、男女混合というスタイルにも“いま”を感じる。
 で、そうしたお約束ごと的前説を経て、しかしもっとも重要なことを言うと、場所。抑圧だらけの世界からは隔離された場所。だって場所がなければひとは迷ってしまう。マイシャのデビュー・アルバムは11月9日にジャイルス・ピーターソンの〈ブラウンズウッド〉(日本盤はビート)からリリースされる。タイトルは『There Is A Place』。ぼくたちには“場所”がある。

OGRE YOU ASSHOLE - ele-king

 OGRE YOU ASSHOLEが9月17日、東京・日比谷野外大音楽堂にて初のワンマン・ライヴを開催した。サウンド・エンジニアに佐々木幸生、サウンド・エフェクトには中村宗一郎(THE SOUND OF PEACE MUSIC STUDIO)というお馴染みのふたりを迎え、今回は複数のスピーカーを用いた「クアドラフォニック・サウンドシステム」を導入しての公演となった。

  • OGRE YOU ASSHOLE
  • OGRE YOU ASSHOLE
  • OGRE YOU ASSHOLE
  • OGRE YOU ASSHOLE
  • OGRE YOU ASSHOLE
  • OGRE YOU ASSHOLE
  • OGRE YOU ASSHOLE
  • OGRE YOU ASSHOLE
  • OGRE YOU ASSHOLE
  • OGRE YOU ASSHOLE
  • OGRE YOU ASSHOLE

 この日は朝からよく晴れ、思わず「オウガ日和!」とツイートしてしまうくらいの陽気だったのだが、昼過ぎから徐々に雲行きが怪しくなっていた。このところ、夕方になるとゲリラ豪雨も頻繁に勃発していたため、いざというときのためウィンドブレーカーをカバンに突っ込み野音へと向かう。今日は、サラウンド音響を存分に楽しむため、佐々木と中村が待機するPAブース付近で観ることに。定刻を20分ほど過ぎて、メンバー4人がステージに現れたときにはすでに上空に重たい雨雲が垂れ込めていた。

 まずはメンバー全員がアナログシンセに向かい、電子ノイズを思い思いに発信していく。それがステージ左右のスピーカーと、会場後方に設置された2台のスピーカーをグルグルと行き来する。その立体的なサウンドスケープに驚いていると、2011年のアルバム『homely』から“ロープ”で本編がスタートした。馬渕啓(Gt)による、宙を切り裂くようなファズギターが響き渡り、極限まで削ぎ落としたミニマルな勝浦隆嗣(Dr)と清水隆史(Ba)のリズム隊がそれを支える。続いてセルフ・タイトルのファースト・アルバムから“タニシ”を演奏した後、現時点では最新アルバムの『ハンドルを放す前に』から“頭の体操”。掴みどころのないコード進行の上で、まるで人を食ったような出戸学(Vo、Gt)の歌声が揺らめく。

 さらに、ダンサンブルな“ヘッドライト”、ピクシーズの“Here Comes Your Man”を彷彿とさせるオルタナ・ポップ・チューン“バランス”、3拍子の名曲“バックシート”と、旧作からの楽曲を披露。その間にも雨は降ったり止んだりを繰り返していたのだが、“ひとり乗り”を演奏する頃にはいよいよ本降りに。しかしほとんどのオーディエンスは、手早く雨具を取り出し動じることなくライヴに集中している。さすが。

 筆者ももちろんウィンドブレーカーを羽織ったが、強まる一方の雨のせいでチノパンはあっという間にぐしょ濡れ。関係者エリアは見る見るうちに人びとが退散していき、気づけば周りに誰もいなくなっていた。雨除けのフードを被ったものの、これだと四方八方に音が広がる「クアドラフォニック・サウンドシステム」の威力を100パーセントは楽しめない。そう思ってときおりフードを脱いでみるものの、ものすごい勢いで雨に打たれてすぐに被り直す。

 “ムダがないって素晴らしい”や、“素敵な予感”が演奏される頃には、雷鳴が響き渡るほどの土砂降りに。もはやサラウンド効果を体感することは諦め、フードを被ったまま滝のような雨に打たれて踊り狂っていた。“素敵な予感”では、オリジナル・ヴァージョンからオルタナティヴ・ヴァージョンへといつの間にか移り変わり、そのアブストラクトな音像が雨で乱反射する照明と混じり合う。豪雨によって周囲から遮断され、そんな幻想的な光景に没入し反復するリズムに身体を委ねているうちに、意識は完全にトランス状態となっていた。

  • OGRE YOU ASSHOLE
  • OGRE YOU ASSHOLE
  • OGRE YOU ASSHOLE
  • OGRE YOU ASSHOLE
  • OGRE YOU ASSHOLE
  • OGRE YOU ASSHOLE
  • OGRE YOU ASSHOLE
  • OGRE YOU ASSHOLE
  • OGRE YOU ASSHOLE
  • OGRE YOU ASSHOLE
  • OGRE YOU ASSHOLE

 ライヴはいよいよ終盤へ。トライバルなドラミングに出戸と馬渕のギターが絡み合う“フラッグ”は、引きずるようなテンポで焦らしに焦らし、出戸のシャウトと共にリズムがガラッと変わる。その瞬間、目の前の光景がグニャリと歪むような感覚に襲われた。後半、ヘヴィな展開ではまるで豪雨までも操っているかのように会場の空気を支配していく。その証拠に、“見えないルール” “ワイパー”で本編が終了する頃には、雨も野音から遠ざかっていたのだった。

 アンコールに登場した出戸が、「雨、やみましたね……。僕らが演奏しているときだけ降っていてすみません」と挨拶すると、会場から大きな笑いが起きた。そのまま“ロープ”のロング・ヴァージョンと、9月7日に配信リリースされた新曲“動物的/人間的”を演奏。平成最後の夏を名残惜しむような楽曲で、この日の公演は全て終了した。

 アンコール含め、新旧バランスよく並べた全16曲。これまでのオウガのキャリアを総括するようなこの日のライヴは、決して忘れられない体験となった。

HOLGER CZUKAY - ele-king

 ホルガー・シューカイ(80年代の日本の一部のファンのあいだではその知性と容姿ゆえにホルガー博士とも呼ばれていた)のソロ作品8タイトルがリイシューされる。

 それはつまりこういうこと。
 みんながそこは自由だと思っていた。ギターもLSDもみんな揃っていたから。が、しかし、その外側にはもっと広大な自由があることに気が付いているひとたちもいた。たとえ未熟であっても、いや、むしろ未熟だからこそ自由であることにもそのひとたちは気が付いていたし、いずれにせよ、その広大な自由を選んだ。これが俗にいうところのクラウトロックというもので、70年代前半のドイツのロックが70年代末から80年代初頭のポストパンクと同期したのも、お互いロックの外側の自由に貪欲だったからだった。ホルガー・シューカイはその中心人物のひとりである。
 それは最初から英米中心主義に意を唱えるモノでもあった。サンプリング・ミュージックの先駆的作品と言われる1969年の『カナクシス5』にはベトナムの民謡がミックスされているし、1979年のもっとも有名な人気作『ムーヴィーズ』に収録されたもっともヒットした曲“ペルシアン・ラヴ”にはイランの歌謡曲がカットインされている。ジョン・ハッセルとイーノの『第四世界』やトーキング・ヘッズの『リメイン・イン・ライト』あるいはイーノとバーンの『マイ・ライフ・イン・ブッシュ・オブ・ゴースト』のような作品は、ホルガー博士の(CAN時代の作品もふくめて)存在なくして語れない。
 周知のように、ホルガー・シューカイは、シュトックハウゼンの生徒だった。つまりは、厳密な理論と思想のうえから生まれた電子音楽の父のもとで学んでいる。が、彼はその厳密さを絶対的な自由に変換してしまった。マイルス・デイヴィスのジャズ・ロックとヨーロッパの前衛音楽とのあいだに回路を見つけてしまったし、そして明白な意味において「明日」の音楽を創造した。それは眉間にしわを寄せながら聴くような音楽ではない。基本的に、微笑みの音楽。
 CANやクラフトワークが古くならないように、ホルガー・シューカイが古くならないのはそういうわけだ。いま時代はようやく、かれらが出かけていった「外側の自由」に気が付いて、それをグローバル・ビートなどと呼んだりしている。
 ホルガー・シューカイ、ぜひ聴いて欲しい。

(※今回の再発、2種類のポスター・かレンダーやポストカードの特典があります。どうせなら、お店で買って特典もらってください。詳しくは→https://p-vine.jp/news/20180919-190000

●9月28日発売

PCD-24762

TECHNICAL SPACE COMPOSER'S CREW (aka Holger Czukay & Rolf Dammers) / Canaxis 5
1969年作品
このアルバムは80年代~90年代は聴くのが大変でした。82年にジャケ違いで再発されたもので聴いていたし、オリジナル盤は見たことがなかったです。エレクトロニック・ミュージックにおける重要作。

PCD-24763

HOLGER CZUKAY / Movies
1979年作品
“おー、神様、我らにお金をもっとください”というのが1曲目。ジャンルの境目を消していく、ユーモラスな音楽旅行の傑作。

PCD-24764

HOLGER CZUKAY / On The Way To The Peak Of Normal
1981年作品
ポストパンクとリンクしながらも離れていくナンセンス・ポップ・ロック・ダダイズム。

PCD-24765

HOLGER CZUKAY, JAH WOBBLE, JAKI LIEBEZEIT / Full Circle
1982年作品
まったく古びない(というかそのお手本のような)エディットが冴えている、ダビー・ダンス・トラックの“How Much Are They?”を聴くために買ってもソンしない。

●10月10日発売

PCD-24775

HOLGER CZUKAY / Der Osten Ist Rot
1984年作品
「東は赤」というタイトルで、つまり“東方紅”という中国の国歌で、作中にサンプリングされている。支離滅裂な作品だが、“フォト・ソング”は素晴らしい名曲。

PCD-24776

HOLGER CZUKAY / Rome Remains Rome
1987年作品
「ローマはローマのまま」。教会の聖歌や教皇の言葉のサンプリングをはじめ、“Sudentenland”でもそのサンプル技は冴える。“Hit Hit Flop Flop”のようなお馴染みのギャグも炸裂。

PCD-24777

HOLGER CZUKAY / Moving Pictures
1993年作品
過小評価されがちだがまるで晩年のフェリーニの映画を観ているような気持ちになれる佳作。年季が入ったコラージュとダウンテンポの“All Night Long”が最高。

PCD-24778

HOLGER CZUKAY / Radio Wave Surfer
1991年作品(ライヴ・アルバム)

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Forma - ele-king

 ジョージ・ベネット(George Bennett)、ジョン・オルソー・ベネット(John Also Bennett)、マーク・ドゥイネル(Mark Dwinell)ら3人によるニューヨークはブルックリンのシンセ・トリオ、フォーマは、2010年代における「ポスト・エメラルズ的シンセサイザー音楽」を語る上で欠くことのできない重要な存在である。なぜか。彼らの歩みには、このディケイドにおけるシンセサイザー音楽(シンセウェイヴ)の変化が象徴的に表れているからだ。

 まず彼らは〈エディションズ・メゴ〉傘下にして元エメラルズのジョン・エリオットが主宰する〈スペクトラム・スプールス〉から2011年にファースト・アルバム『フォーマ』、2012年にセカンド・アルバム『オフ/オン』をリリースした。この2作は10年代初期におけるシンセウェイヴのなかでもひときわエレクトロ・ポップなサウンドを放っており、ポスト・エメラルズの象徴のようなサウンドだった。特にセカンドの『オフ/オン』は無機質なシーケンス・フレーズと硬いドラムを組み合わせるといういかにも80年代中期的なサウンドを、2010年代的な緻密なミックスでアップデートした見事な仕上がりである(エメラルズのラスト・アルバム『Just To Feel Anything』は、どこか初期フォーマの音に近いものを目指していたように思えるのだが……)。

 それから4年後の2016年、リリースの拠点を〈クランキー〉に移した彼らはサード・アルバム『フィジカリスト』を発表する。4年という月日は彼らの音楽を洗練させるには十分な時間だった。サウンドは80年代のエレクトロ・ポップから70年代のソフトサイケな電子音楽へと遡行しつつも、音色の色彩感覚は繊細にアップデートされ、音のレイヤーはいっそう緻密に、サウンドの質感は滑らかになった。いわば心地よさと実験性の共存が際立ってきたのである。この『フィジカリスト』をもってフォーマ第二期の開始といっても過言ではないだろう。彼らの変化の背景には近年のニューエイジやエクスペリメンタル・アンビエントのブームへの接近という側面は少なからずあったとは思うが、安易な融合にはなっていない。音楽性そのものが深化している点が重要である。

 そして『フィジカリスト』の延長線上に、2018年リリースの本作『センバランス』があるといっていい。M1 “Crossings”とM2 “Ostinato”の軽やかなシンセ・サウンドを耳にした瞬間に、10年代後半のシンセ・ミュージックということが即座に理解できるはずだ。電子音と電子音が聴き手の意識を溶かすようにレイヤーされていく見事なトラックである。以降、ジョン・ハッセル的アンビエントとでも形容したいM3 “Three-Two”、天国的かつエキゾチックなアンビエント・トラックのM4 “Rebreather”、初期フォーマを想起させるビート・トラックにヴォイスがカットアップされるM5 “Cut-Up”、電子音とピアノと環境音によるニューエイジ風のM6 “New City”などの名トラックを連発した後、人の記憶を電子化するようなミニマル・シーケンスとメロディによるマシン・アンビエントな“Ascent”でアルバムは幕を閉じる。まさにアートワークのイメージどおりに人間をデータ化しつつ、しかしそこにヒトの身体/記憶の煌きを永遠に封じ込めたような見事な電子音楽集である。

 ここで重要なアルバムを、もう一作挙げておきたい。2018年にメンバーのジョン・オルソー・ベネットがアンビエント作家クリスティーナ・ヴァンズと「CV & JAB」名義で〈シェルタープレス〉からリリースした『ソーツ・オブ・ア・ドット・アズ・イット・トラヴェルズ・ア・サーフィス』である。
 この『ソーツ・オブ・ア・ドット・アズ・イット・トラヴェルズ・ア・サーフィス』はアート・ギャラリーでの絵画展で演奏/発表されたインスタレーション的な音楽なのだが、近年のエクスペリメンタル・ミュージックの潮流を意識したニューエイジなアンビエント・サウンドを生成していた。加えて即興性を全面に出している点も新しかった。私見だがフォーマの新作『センバランス』は、CV & JABの『ソーツ・オブ・ア・ドット・アズ・イット・トラヴェルズ・ア・サーフィス』とコインの両面のような関係にあるのではないかと考える。いわば「構築と即興の共存」、その洗練化とでもいうべきもの。
 じじつ、彼らの音楽は、どんどん自由に、かつ柔軟になってきている。その意味で『センバランス』はフォーマが追及してきた「新しいシンセ音楽」の現時点での完成形ともいえよう。

 これは何も『センバランス』だけに留まらない。たとえば元エメラルズのスティーヴ・ハウシルトの新作『Dissolvi』も非常に洗練されたシンセ音楽を展開している。
 現在、10年代的なシンセサイザー音楽は、アンビエント/ドローン、シンセウェイヴ、ニューエイジ・リヴァイヴァル、インダストリアル、ヴェイパーウェイヴなどを吸収しつつ、その境界線が次第に融解しつつある状態にある。言い方を変えれば、「いま」という時代は「10年代的なシンセ音楽や電子音楽」の爛熟期でもあるのだ。例えばOPNがここまで人気を得るような状況は8年前には想像もできなかった。これは電子音楽にとって「終わりの始まり」の光景のようにも感じられる。
 新しいディケイドの始まりである2020年まであと2年もない。電子音楽は潮流と潮流が混じり合うような大きな変化の渦中にある。

Octavian - ele-king

 UKのラッパー、オクテヴィアン(Octavian)が期待の最新のミックステープ『SPACEMAN』をリリースした。鼻歌のようなギャングスタ・ラップ、ジェイムス・ブレイクやボン・イヴェールから影響を受けたという空間的なダンス・ミュージック、その「型にはまらない」スタイルにすぐに虜になった。

 オクテヴィアンは南ロンドン出身のラッパー。アデルらを輩出した名門の音楽学校ブリットスクールに奨学生として入学したものの退学し、ホームレスになったときもあったという。昨年頃から彼のキャリアが変わり始めた。オクテヴィアンのシングル“Party Here”がドレイクの目にとまり、彼がオクテヴィアンのヴァースを歌うインスタ ストーリーをアップしたからだ。

 ドレイクのフックアップで話題になると、ルイ・ヴィトンのメンズファッションのディレクターを務めるヴァージル•アブローがルイ・ヴィトンの2019年SSコレクションのランウェイにも抜擢。メジャー契約も掴み、いまファッション界からも注目されるヒップなラッパーのひとりとなった。

 満を持してリリースされた『SPACEMAN』はメロディックなビートの上で紡がれるオクテヴィアンの「リヴェンジ」のストーリーだ。

もし俺が銃を買ったら、お前の顔にぶっ放してやる
逃げる道はどこにもない、ギャングもおまえを見捨てる、
お前に安全な場所はない “Revenge”
あのニガはファックだ
あのニガはうけつけねぇ
あのニガをぶっ潰してやる
一発はケツに、一発は口に、
もう一発はあいつらの仲間に
 “Break That”

 ヴァイオレントな歌詞はUKラップの十八番でもあるが、彼のメロディックなラップと歌詞の内容は不思議なバランスを保っている。不敵な笑みを浮かべるオクテヴィアンの姿が頭に浮かぶ。

 先月、オクテヴィアンがイタリアのブランド Stone Island の東京店のオープニング・パーティに初来日・ライヴを披露した。オクテヴィアンはビターなサウンドとダンスビートを柔らかに乗りこなしつつ、時折自身もリズムを身体で刻む。ライヴの中盤、DJからの「フロアにモッシュピットを作らせろ」という指示にも従わず、淡々と曲を披露していく。「モッシュすること」はいまのUS・UKのラップのライヴの定番となっているが、おきまりのライヴはやらないようだ。それでも、最後にムラ・マサの客演曲“Move Me”のビートが流れると、前列では自然とモッシュが起こった。

俺がお金を積み上げるところを見るだろ
あいつらだって俺を見てる、
あいつらだって俺みたくなれたのにな

あいつらはファミリーを待ってる
俺に逆らうことだってできない
だって、俺はリアルなドンダダ
俺やブラザーに近づくこともできない
そう、近づくことだってできないんだ
Mura Masa “Move Me feat. Octavian”

 型にはまったスタイルから遠く離れて、軽やかにラップの可能性を追求しているようだ。その様子は自由でエキサイティングだ。

C.E present - ele-king

 クラバー御用達のファッション・ブランド、C.Eが海外フェス級のラインナップで、東京と京都でパーティを開催する。
 2018年10月26日金曜日に代官山のUNITに出演するのは、ここ数年においても最高のDJでありつつづけているBen UFOをはじめ、Powder、Kassem Mosse(カッセム・モッセ)、Will Bankhead(ウィル・バンクヘッド)、Low Jack(ロー・ジャック)、E.L.M.S.(エルムス)の6名。これだけのメンツがひと晩に集結することは、ロンドンでもまずない。ポスト・ダブステップ以降のテクノ系ではいちばん活きのいい連中が揃ったと言える。
 翌日27日土曜日には、京都のWEST HARLEMでもパーティを開催。こちらは、Ben UFO、Kassem Mosse、Will Bankhead、Low Jackが出演。この4人だけでもそうとうなもの。
 ありがとう、C.E。絶対に遊びに行くよ!

C.E present
BEN UFO
POWDER
KASSEM MOSSE
WILL BANKHEAD
LOW JACK
E.L.M.S.

Friday 26 Oct 2018(2018年10月26日金曜日)
Open/Start: 11:00 PM
Venue: UNIT, Tokyo www.unit-tokyo.com
Advance \2,000 / Door \2,500
Tickets available from Resident Advisor / Clubberia / e+

Over 20's Only. Photo I.D. Required.

C.E present
BEN UFO
KASSEM MOSSE
WILL BANKHEAD
LOW JACK

Saturday 27 Oct 2018(2018年10月27日土曜日)
Open/Start: 11:00 PM
Venue: West Harlem, Kyoto westharlemkyoto.com
Advance \1,500 / Door \2,000
Tickets available from Resident Advisor / Clubberia / e+

Over 20's Only. Photo I.D. Required.

Blawan - ele-king

 かつてポスト・ダブステップと括られていたプロデューサーたちがどんどんテクノのほうへとスタイルを移行して久しい。2010年に〈Hessle Audio〉から登場したブラワンもそうした元ベース系/現在テクノ系を代表するひとり。今年は、行松陽介も絶賛したアルバム『Wet Will Always Dry』をリリース、やばいほどハマりにハマっているテクノ・サウンドを披露したばかりだ。
 そのブラウン、11月9日にVENTで開催されるElephantに出演。これは行くしかないでしょう。

Laurel Halo with Eli Keszler - ele-king

 これは待望のニュースです。作品を出すたびにオリジナリティの限界を更新し、そのディスコグラフィすべてが重要作といっても過言ではない、まさに10年代を代表する電子音楽家のひとりとなったローレル・ヘイロー、先般も『Raw Silk Uncut Wood』という素晴らしいアルバムを届けてくれたばかりの彼女がこの年末、来日公演を開催します。12月6日(木)@東京UNIT、12月7日(金)@京都METRO。しかもこのツアーには、先日のOPNのMYRIAD公演でも来日したイーライ・ケスラー(こちらも10月に〈Shelter Press〉より新作『Stadium』をリリース予定)が帯同、日本からは日野浩志郎率いるgoat(東京)とMadeggこと小松千倫(京都)が参加します。これは見逃し厳禁ですね~。

Laurel Halo live with Eli Keszler Japan Tour 2018

■2018/12/06 (THU) UNIT, Tokyo
guest: goat

OPEN 18:30 START 19:30
ADV. 4,300yen (ドリンク代別途) 2018年10月6日 (土) ON SALE
チケットぴあ (Pコード: TBC)
ローソンチケット (Lコード:TBC)
e+ (https://bit.ly/2MoiI0i)
Clubberia
RA

■2018/12/07 (FRI) METRO, Kyoto
guest: Kazumichi Komatsu (Madegg)

OPEN 18:30 START 19:00
ADV. 4,000yen (ドリンク代別途) 2018年10月6日 (土) ON SALE
チケットぴあ (Pコード: 130-319)
ローソンチケット (Lコード: 55458)
e+ (https://bit.ly/2MoiI0i)

ワンオートリックス・ポイント・ネヴァーとならぶ、現USアンダーグラウンドが生み出したエレクトロニック・ミュージックの鮮やかな特異点、ローレル・ヘイローが、NYより鬼才ドラマー/パーカッショニスト、イーライ・ケスラーを帯同してのライヴ、待望の来日公演が東京UNIT、京都METROにて決定! UKの名門〈hyperdub〉よりリリースされた、ディープな電子音とその歌声によって発露する柔らかなポップ・センスが溶け込む『Quarantine』(2012年)で世界的に大きく注目を集めた。一転して続く『Chance Of Rain』(2013年)や〈Honest Jon's〉からの「In Situ」(2015年)は、彼女のテクノ・アーティストとしての側面をくっきりと示す作品となった。そして2017年の『Dust』は、キュートなポップ・センスとエレクトロニクス~アヴァン・ミュージックが奇跡的な配分で同居した作品となり、多くのメディアでも年間ベストへと選出される作品となった。と、思えば最新作となる『Raw Silk Uncut Wood』では、初期のアンビエント・フィーリングをさらに増幅させつつ、フリー・ジャズや現代音楽などを飲み込んだ壮大な作品をリリース、まさにとどまることを知らないその才能の幅を見せつけている。こうした作品でのローレルとのコラボなどなどまさにひっぱりだこ、さらには自身もソロ・アーティストとして〈PAN〉や〈ESP Disk〉からもリリースするイーライ・ケスラー。ローレルとイーライのライヴはまさにいま、必見の内容と言えるだろう。そして東京UNITでは、イーライの来日時のセッションやGEISTへの参加も記憶に新しい、日野浩志郎(YPY)率いるgoat、京都METRO公演では、Madegg名義でハウス~アンビエント~ビート・ミュージックなどさまざまな領域で活動する小松千倫が登場する。(河村祐介)

■Laurel Halo (ローレル・ヘイロー)

重く、細かく切り刻まれた電子音楽は、ライヴ・パフォーマンスやDJ、アルバムやスコアの作曲まで、Laurel Haloの作品の中核を成している。ミシガン生まれ、現在はベルリンに在住する彼女は、ワイヤー・マガジンでアルバム・オブ・ザ・イヤーを獲得した2012年のデビューアルバム『Quarantine』をリリースしたロンドン拠点のレーベル〈Hyperdub〉を中心に作品を発表している。
2013年に〈Hyperdub〉からリリースした『Chance Of Rain』と〈Honest Jon's〉から2015年にリリースした「In Situ」の2枚のアルバムは、彼女の長期間に渡るツアー時期に制作され、全編インストゥルメンタルのアルバムであり、ライヴセットを発展させたハードウェアによるリズメロディックなダンスフロア向けの作品になっている。
2015年には日本のヴァーチャル・ポップスター、初音ミクとのコラボレーション・インスタレーション「Still Be Here」のサウンドトラックを手掛け、この作品は、2016年にベルリンのHaus der Kulturen der Weltで初演され、続いて2017年にロンドンのBarbicanでも披露された。
2017年に〈Hyperdub〉からリリースされた『Dust』は『Chance Of Rain』と「In Situ」でのハードウェアによるマシン・ファンクの美学と、緩やかかつ賑やかなソングライティングを組み合わせ、改めて多くの評論家/メディアから高い評価を得た。また本作は多数のコラボレーター(Eli Keszler、Julia Holter、Lafawndah、Kleinなど)のフィーチャリングも話題となった。
その後、Laurelはオランダのデザイン・グループMetahavenが制作した長編実験ドキュメンタリー『Possessed』のスコアを手掛け、2018年の最新のリリースはクラシカルなインストゥルメンタルを集めたミニLP『Raw Silk Uncut Wood』。アルバム『Dust』やデュオ・ライヴも定期的におこなっているコラボレーターのEli Keszlerとチェリスト、Oliver Coatesをフィーチャーしている。本作はパリ拠点の先鋭的レーベル〈Latency〉よりリリースされた。
またLaurelはマンスリーでロンドンのFM局、RinseにDJ MIXを提供している。

https://www.laurelhalo.com
https://soundcloud.com/laurelhalo

■Eli Keszler (イーライ・ケスラー)

ニューヨークを拠点とするアーティスト/作曲家/パーカッション奏者。音楽作品のみならず、インスタレーションやヴィジュアル・アート作品を手がける彼の多岐に渡る活動は、これまでにLincoln CenterやThe Kitchen、MoMa PS1、Victoria & Albert Museumなど主に欧米で発表され、注目を浴びてきた。これまでに〈Empty Editions〉、〈ESP Disk〉、〈PAN〉、そして自身のレーベル〈REL records〉からソロ作品をリリース。ニューイングランド音楽院を卒業し、オーケストラから依頼を受け楽曲を提供するなど作曲家としても高い評価を得る一方で、近年はRashad BeckerやLaurel Haloとのコラボレーション、Oneohtorix Point NeverのMYRIADプロジェクトへの参加など、奏者としても独自の色を放ち続けている。なお最新ソロアルバム『STADIUM』はSHELTER PRESSより今年10月にリリースされる。
https://www.elikeszler.com

■goat

以前はスタンダードなロック編成でありながら、ギター、ベース、そしてサックスさえもミュート音などを使ったパーカッシヴな演奏をし、12音階を極力外してハーモニクスを多様することによりいわゆるバンド・サウンドとは異なるサウンドを作り出していた。2017年よりメンバーと楽器を変更し、リズムが交差し共存しながらも続いていく、繰り返しのリズム・アプローチへの探求を深めていく作曲へとシフト。これまで〈HEADZ〉より1st album『NEW GAME』、2nd album『Rhythm & Sound』をCDリリースし、2018年にはその2枚のアルバムから選曲したLPを〈EM records〉よりリリースした。

HP: https://goatjp.com
Facebook: https://www.facebook.com/Goat-408629939245915/
SoundCloud: https://soundcloud.com/goatjapan
Twitter: https://twitter.com/goatJp

■Kazumichi Komatsu (Madegg)

16歳よりコンピューターを使った作曲をはじめる。これまでに〈flau〉〈Angoisse〉〈Manila〉 〈Institute〉〈Rest Now!〉などのレーベルより3枚のアルバム、複数のEPをリリース。池田良司、ティム・ヘッカー、ジュリア・ホルター、マーク・フェル、アルカなどのアーティストの来日公演をサポート。
自然や街のなかの様々な音をフィールドワークを通して採集し、それらの音素材をもとに抽象的なサウンドスケープを構築する。近年は局所的な環境や情報を反復することで非指向的な安定未満の状態へと変化させるようなアンビエント・ミュージックの実験をおこなっている。またクラウド・ネットワーク以降の現代的なメディア環境において詩(ミーム)の可能性を検証するインスタレーション作品をサウンドデザイン、コンポーズ、グラフィックデザイン、ポエトリーなどを基調に展開している。

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