「CE」と一致するもの

彼女にはその価値がある - ele-king

 インガ・コープランドという名前だけですでに十分な知名度と期待があるだろうが、2012年、ハイプ・ウィリアムスとしての来日の模様はこちらから。強烈なクリティシズムを匂わせながらもついに核心をつかませない、ローファイ電子音楽怪ユニット、ハイプ・ウィリアムスの片割れがふたたび来日、ソロでは日本発となるライヴを披露する。ジャンルの別なく2010年のインディ・ミュージック史に鮮やかなインパクトを刻んだ才能、その現在のモードを目撃せよ──「私にはその価値があるから」。

■INGA COPELAND JAPAN TOUR 2015
“私にはその価値があるから”

11.20 fri at Socore Factory 大阪
風工房’98 / NEW MANUKE / birdFriend / naminohana records / INTEL presents LOW TRANCE
~ Inga Copeland (ex Hype Williams) Tour In Osaka& Madegg ‘N E W’ Release Party ~

OPEN / START : 22:00
ADV : ¥2,500 w/1D | DOOR : ¥3,000 w/1D
more info : https://intelplaysprts.tumblr.com

11.22 sun before Holiday 東京
BONDAID#7 FIESTA! Inga Copeland & Lorezo Senni

START : 23:30 at WWW Tokyo
ADV ¥3,000 | DOOR ¥3,500 | UNDER 23 ¥2,500
more info : https://meltingbot.net/event/bondaid7-fiesta-inga-copeland-lorenzo-senni

11.23 mon at 木揚場教会 / Kiageba Kyokai 新潟
experimental room #20

OPEN 17:30 / START 18:00
ADV ¥3,000 | DOOR ¥3,500円 | NON NIIGATA / 県外 2,500円
UNDER 18 FREE / 18才以下無料
more info : https://www.experimentalrooms.com/

Tour Info : https://meltingbot.net/event/inga-copeland-japan-tour-2015/

■BONDAID#7 FIESTA!

2015.11.22 sun before Holiday
START : 23:30 at WWW Tokyo
ADV ¥3,000 | DOOR ¥3,500 | UNDER 23* ¥2,500

液状化するダンス、レイヴ、アートの融点。ダブの霧に身を潜めるミステリアスなロンドンの才女 Inga Copeland と“点描トランス”と称されるミラノの革新派 Lorenzo Senni を迎えた新感覚の屋内レイヴが開催!

Co La (Software)、Andrew Pekler (Entr’acte)、D/P/I (Leaving)、TCF (Ekster)、M.E.S.H. (PAN)といった世界各地の先鋭的な電子音楽作家を招聘してきた〈melting bot〉プロデュースの越境地下電子イベント〔BONDAID〕が第7回目のラッキー・セブンを迎えて送る祝祭“FIESTA!”を今年で5周年記念を迎える渋谷WWWにて開催。ゲスト・アクトはHype Willimas (Hyperdub)での来日パフォーマンスが大絶賛だったロンドンの女流電子作家Inga Copelandの日本初のソロ・ライブとミラノのサウンド・アートティストLorenzo Senniの〔Sonar〕でも評判となった“点描トランス”と称されるレイザーを使った、こちらも日本初となるインスタレーション“Oracle (神託)”。本公演は今年の6月に東京のLIQUIDROOMと大阪のCONPASSで行われたベルリンの実験/電子レーベル〈PAN〉をフィーチャーしたイベント〔PAN JAPAN SHOWCASE〕に続く、現在のイメージ化するジャンルと抽象化するダンス・ミュージックの坩堝を体現したコンテンポラリーな屋内レイヴ・ナイト。

LIVE :
Inga Copeland [ex Hype Williams / from London]
Lorenzo Senni “Oracle Set” [Editions MEGO / Bookman Editions / Presto!? / from Milan]
Kyoka [raster-noton]
Metome
Renick Bell [Quantum Natives / the3rd2nd]
Koppi Mizrahi [Qween Beat / House of Mizrahi]
& yumeka [OSFC] “Vogue Showcase”

VJ : Ukishita [20TN! / Nice Air Production]

DJ :
Toby Feltwell [C.E]
Sapphire Slows [Not Not Fun / Big Love]
Yusuke Tatewaki [meditations]
HiBiKi MaMeShiBa [Gorge In]
Hibi Bliss [BBC AZN Network]
Pootee
SlyAngle [melting bot]

#LEFTFIELD #ELECTRONIC #RAVE
#TRANCE #DANCEHALL #VOGUE
#TECHNO #GLITCH #GORGE #NEWAGE
#CONTEMPORARY #DANCE #ART

ADV TICKET OUTLET : 10.15 ON SALE

e+ / WWW / RA / Clubberia
disk union (Club / Dance Online, Shibuya Club, Shinjuku Club / Honkan, Shimokitazawa Club, Kichijoji)

*23歳以下のお客様は当日料金より1000円割引になります。ご入場の際に生年月日が記載された身分証明書をご提示下さい。
※20歳未満の方のご入場はお断り致します。年齢確認のため顔写真付きの身分証明書をご持参下さい。

主催 : BONDAID
制作 / PR : melting bot
協力 : Inpartmaint / p*dis
会場 : WWW

more info : https://meltingbot.net/event/bondaid7-fiesta-inga-copeland-lorenzo-senni


Ulapton(CAT BOYS) - ele-king

ダンディズムな気分に浸れる10曲(動画)

Electronica Classics - ele-king

さて、「エレクトロニカの“新”新世紀」と銘打って、とらえがたくも魅力的なエレクトロニック・ミュージックの現在を示している作品群を取り上げる本特集だが、一般的に「エレクトロニカ」という名で認識されている作品にはどのようなものがあっただろうか。リアルタイムで聴いてこられた方も多いことと思われるが、あらためていま聴き返したいエレクトロニカ名盤選をお届けします。


Alva noto - Transform
Mille Plateaux (2001)

 キム・カスコーンが「失敗の美学」と名づけたデジタル・グリッチの活用によって、90年代後半から00年代前半にかけてのノンアカデミックな電子音響が始まった。カールステン・ニコライ=アルヴァ・ノト/ノトは、そのグリッチ・ノイズをグリッドに配置することで、ステレオの新美学とでもいうべき電子音響を生み出していく。とくに本作の機械的でありながら優美で洗練されたサウンドは、2001年の時点ですでにポスト・グリッチ的。数値的なリズム構成が生み出すファンクネスには、どこかクラフトワークの遺伝子すら感じるほどだ。00年代以降のエレクトロニカに大きな影響を与えた傑作。


Fennesz - Endless Summer
Mego (2001)

 ティナ・フランクによるグリッチなアートワークは、リアルな「永遠の夏」そのものではなく、いわばポップ・ミュージックの記憶から生成するヴァーチャルな世界=記憶の表象であり、このアルバムの魅力を存分に表現していた。これはテン年代的(インターネット的)な光景・環境の源流のようなサウンド/イメージともいえ、たとえば、甘いギター・コードに介入する刺激的なグリッチ・ノイズは、「歯医者で聴いたフィル・コリンズ」というOPNのコンセプトへと接続可能だろう。ヴェイパーウェイヴ以降のインターネット・カルチャー爛熟期であるいまだからこそ新しい文脈で聴き直してみたい。


Jim O'Rourke
I'm Happy, And I'm Singing,
And A 1, 2, 3, 4
Mego (2001)

 ジム・オルークの唯一の「ラップトップを用いたオリジナル・アルバム」は、00年代以降、多くのエレクトロニカの雛形ともなったアルバムでありながら、しかしほかの何にも似ていない孤高のアルバムでもあった。じじつ、この弾け飛ぶような電子音には、ヴァン・ダイク・パークスのポップネスから、メルツバウのノイズまでも圧縮・解凍されており、ジム・オルーク的としかいいようがない豊穣な音楽が展開されている。フェネス、ピタらとのフェノバーグとは違う「端正さ」も心地よく、まさに永遠に聴ける電子音楽的名盤といえる。2009年に2枚組のデラックス・エディションもリリースされた。


Ekkehard Ehlers
Plays
Staubgold (2002)

 このアルバムこそ、00年代後半以降の「ドローン/アンビエント」のオリジン(のひとつ)ではないか? コーネリアス・カーデュー、ヒューバード・フィヒテ、ジョン・カサヴェテス、アルバート・アイラー、ロバート・ジョンソンなどをソースとしつつも、それらのエレメントを弦楽的なドローンの中に融解させ尽くした美しい音響作品に仕上がっている(元は12インチシリーズであり、本作はそれをアルバムにまとめたもの)。“プレイズ・ジョン・カサヴェテス2”における超有名曲(“グッド・ナイト”?)を思わせる弦楽にも驚愕する。イックハルト・イーラーズの最高傑作ともいえよう。


Shuttle358
Understanding Wildlife
Mille Plateaux (2002)

 00年代初頭に人気を博したクリッキーなビートはエレクトロニカの「ポップ化」にも貢献した。LAのシャトル358(ダン・エイブラムス)が、2002年に〈ミル・プラトー〉よりリリースした本アルバムは、その代表格。細やかに刻まれるビートに、朝霧のように柔らかい電子音が繊細にレイヤーされ、00年代初頭の小春日和のような空気を見事に象徴している。耳をくすぐるカラカラとした乾いた音響が気持ちよい。2015年には11年ぶりのアルバム『キャン・ユー・プルーブ・アイ・ワズ・ボーン』を老舗〈12k〉よりリリース。こちらは森の空気のようなアンビエント作品に仕上がっていた。


Frank Bretschneider &
Taylor Deupree
Balance
12k (2002)

 電子音響とエレクトロニカの二大アーティストの競演盤にして、ミニマル/クリック&グリッチ・テクノの大名盤。初期テイラー・デュプリー特有のミニマル・テクノな要素と、フランク・ブレッシュナイダーのクリッキーかつグリッチなエレメントが融合し、緻密なサウンドのコンポジションを実現している。シグナルのような乾いたビートと、チリチリとした刺激的なノイズが交錯し、マイクロスコピックな魅力が横溢している。ミニマル・グリッチな初期〈12k〉の「思想」を象徴する最重要作といえよう。フランク・ブレッシュナイダーはシュタインブリュッヘルとのコラボ作もおすすめ。



SND
Tenderlove
Mille Plateaux (2002)

 マーク・フェルとマット・スティールによるクリック/グリッチ・ユニットSNDのサード・アルバム。近年でもファースト・アルバムがリイシューされるなど常に高い評価を得ている彼らだが、本作は、そのキャリア中、もっともハウス・ミュージックに接近した問題作である。ハウス・ミュージックの残滓を残した甘いコード感と、シンプル/ミニマルな音響の中で分断されていくダンス・ビートなどは、現在のアルカなどにも繋げていくことも可能だろう。後年、〈エディションズ・メゴ〉や〈ラスター・ノートン〉などからリリースされたマーク・フェルのソロ作も重要作。あわせて聴きたい。


Hecker
Sun Pandämonium
Mego (2003)

 なんというノイズか。まるで太陽のように眩く、獰猛であり、優雅でもある。嵐のようなノイズの奔流はラッセル・ハズウェル級であり、まさに取り扱いが危険な盤だが、しかしその強靭な音響は一度ハマると抜け出せなくなる快楽性がある。いわば90年代末期に誕生したピタなどのグリッチでノイジーな電子音響と、2010年代的なインダストリアル/ノイズをつなぐアルバムといえ、いまをときめく〈パン〉が、2011年にアナログ盤でリイシューしているのも頷けるというもの。まさにヘッカーの最高傑作だ。刀根康尚やデヴィッド・チュードアなど実験音楽や電子音楽の系譜にも繋げて聴いてみよう。


Pan Sonic
Kesto
Blast First (2004)

 キム・カスコーンがグリッチ・ムーヴメントの最重要バンドと認識するパン・ソニック。ファースト・アルバム『ヴァキオ』(1993)が有名だが、ここではあえて本作を紹介したい。彼らの5枚目のオリジナル・アルバムにして、脅威の4枚組。ブルース・ギルバート、灰野敬二、スーサイド、スロッビング・グリッスル、アルバン・ルシエなどに捧げられた楽曲群は、インダストリアルから電子ノイズ、果ては静謐なドローンまで実にさまざまで、さながらパン・ソニック流の電子音楽/ノイズ史といった趣。グリッチ以降の電子音響が行き着いた「宇宙」がここにある。アートワークも素晴らしい。


Stephan Mathieu
The Sad Mac
HEADZ (2004)

 フィールド・レコーディングに弦楽のようなドローンがレイヤーされ、記憶の層が再生成していくような美しい音響作品であり、同時に「作曲家」ステファン・マシューの個性が前面化した最初の作品でもある。弦楽曲のもっとも美しい瞬間を、まるで記憶のスローモーションのように引き伸ばすシネマティックな作風は、電子音楽とエレクトロ・アコーステイックの境界線を静かに融解させていく。アルバム・タイトルは愛用してきたマックのクラッシュを表現しているようで、いわばマシンへのレイクエムか。現在のアンビエント/ドローンの系譜を振り返るときに欠かせない重要なアルバム。


Electronica “New” Essential Discs - ele-king

「こういうひとつの括り方に抵抗を感じる人がいるのはわかっているが、なかば強引にでも括った方が見えやすくなることもある。もともと踊れもしないテクノ(エレクトロニック・ミュージック)を、しかし前向きなニュアンスで言い直したのがエレクトロニカ(ないしはえてして評判の悪いIDM)なるタームである」

「2010年に〈エディションズ・メゴ〉からOPNが『リターナル』を出したときは、この手の音楽がエレクトロニカというタームを使って解釈されることはまずなかったが、しかし、エイフェックス・ツインが華麗な復活を遂げて、かたやEDMが全盛の今日において、エレクトロニカ新世紀と呼びうるシーンが拡大するのはなんら不思議なことではない」
(本特集巻頭言より)

──とすれば、フロアにもベッドルームにも収まらない今日的なエレクトロニカとはどのようなものか。ディスク・レヴューで概観する。

Akkord - HTH035 (Houndstooth 2015)


Amazon

 シーンに現れたときにはマスクを被り謎の存在だったアコード。彼らはマンチェスター近郊を拠点に活動をするシンクロとインディゴによるテクノ・ユニットだ。プロジェクトをはじめるにいたってエイフェックス・ツイン、セラ、シャックルトンといった面々を念頭に置き、この作品においてはその影響がジャングルやダーク・アンビエントを通して噴出。そのリズムをアタマで理解しようとすると複雑で脳の中枢が熱くなり、体で捉えようとすると妙なダンスが生まれる。また今作の後半にはフィスやリージスといったプロデューサーたちのリミックスを収録していて、特にハクサン・クロークによる「数多くの証人」と題された曲がトんでいる。前半の楽曲すべてをひとつにリフィックスしてまとめたもので、家でもフロアでも聴けないような音の暴力が10分続き、ド派手なSF映画のようにそれが突如パッと終わる。(髙橋)

Actress - Ghettoville (Werk Discs, Ninja Tune / ビート 2014)


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 思えば、転換期は2010年だった。アクトレスで言えば『Splazsh』の年。その後も『R.I.P』、そして『Ghettoville』へと着実に我が道を進んでいる。UKクラブ・カルチャーから生まれたモダン・エレクトロニカを代表する。(野田)

AFX - Orphaned Deejay Selek 2006-08 (Warp/ビート 2015)


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 エレクトロニカとは、いかに工夫するか。リチャード・D・ジェイムスにとってのそれは機材の選び方にも関わっている。高価なモジュラー・シンセや最先端のデジタル環境を賞揚するわけではない……という話は佐々木渉に譲ろう。『Syro』から続く3作目は、アシッド・サウンドの最新型。(野田)

Albino Sound - Cloud Sports (Pヴァイン 2015)


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 日本においてこのエレクトロニカ・リヴァイヴァルの風を敏感に感じ取ったひとりが、アルビノ・サウンド。詳しくはインタヴューを参照。(野田)

Arca - Mutant (Mute/トラフィック 2015)


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 音楽作品において、これほど強烈なヴィジュアルは、久しぶりである。若く敏感な感性は、なんとも妖しい光沢を発しているこのヴィジュアルに間違いなく手を伸ばすだろう。アルカはそういう意味で、現代のハーメルンの笛吹き男である。(野田)

Four Tet - Morning/Evening (Text/ホステス 2015)


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 好き嫌い抜きにして、フォー・テットの功績は誰もが認めざる得ないだろう。最新作は2曲収録。メトロノーミックなドラミングの上を、エキゾティズムを駆り立てるように、インド人の歌のサンプリングが挿入され、叙情的な展開を見せる1曲目。そして静かにはじまり、多幸的な協奏のなか、心憎いドラミングでエンディングを用意するもう1曲。見事、というほかない。“ストリングス・オブ・ライフ”のカヴァーも素晴らしかったし。(野田)

Holly Herndon - Platform (4AD/ホステス 2015)


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 〈リヴェンジ(RVNG Intl.)〉からの『ムーヴメント』(2012年)がクラブ・シーンにも届いたこともあって、新作は名門〈4AD〉からのリリースになったサンフランシスコ出身のホーリー・ハーンダン。簡単にいえば、ローレル・ヘイローとは対極にいるプロデューサーで、彼女の女性らしい“声”がこの音響空間では重要なファクターとなっている。「R&Bエレクトロニカ」とでも言ったらいいのかな。(野田)
https://www.youtube.com/watch?v=nHujh3yA3BE

Huerco S. - Colonial Patterns (Software / melting bot 2013)


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 ブルックリンの新世代電子音楽マスターが、2013年にOPN主宰〈ソフトウェア〉からリリースしたアルバム。デトロイトの高揚感と、ハウスの優雅さと、ミニマル・ダブの快楽性と、00年代以降のアンビエント/ドローンの浮遊感を、ポスト・インターネット的な情報量と感性で(再)構築。4/4のテクノ・マナーと、雲の上を歩いているようなスモーキーな感覚が堪らない。あの〈オパール・テープス〉などからも作品をリリースしている。(デンシノオト)

Kind Midas Sound, Fennesz - Edition 1 (Ninja Tune / ビート 2015)


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 ザ・バグことケヴィン・マーティン、イラストレイターとしても活躍するキキ・ヒトミ、詩人でありテクノ・アニマルでマーティンと共演したこともあるロジャー・ロビンソンによるスーパー・ダブ・トリオが、電子音楽化クリスチャン・フェネスと組んだ意外作。家(に籠る)系アカデミシャンを、ストリートの知性派ギャングが外へ引きずり出したらどうなるのか? いや、ここでの実験はその逆だろうか。〈ハイパーダブ〉からのリリース作で聴けるスモーキーで力強いダブステップは押しやられ、フェネスの繊細な残響プロダクションがバグのラフさをときに助長し、ときに漂白する。リズムがもう少しあってもいいかなと思う気もするが、両者のバランスを考えれば納得もできる。インテリジェント・ダブ・ミュージック。(髙橋)

Laurel Halo - In Situ (Honest Jon's / Pヴァイン 2015)


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 ローレル・ヘイローが2010年に何をやっていたかと言えば、〈ヒッポス・イン・タンクス〉からチルウェイヴ風の柔らかい作品を出していたのだった。が、ヨーロッパを経験してからは、彼女の音楽は遠近法のきいた音響のダンス・サウンドへと変容した。2013年に〈ハイパーダブ〉から出した12インチ「ビハインド・ザ・グリーン・ドア」に収録された“スロウ(Throw)”なる曲は彼女の最高作のひとつで、ピアノとサブベース、パーカッションなどの音の断片の数々は、宙の隅々でささやかに躍動しながら、有機的に絡み、全体としてのグルーヴを生み出す。テクノへと接近した新作においても、立体的にデザインされた小さな音の断片とサブベースが、独特のうねりを創出している。凡庸のテクノとは違う。女性アーティストに多く見受けられる甘い“声”(ないしは女性性)をいっさい使わない硬派による、素晴らしい作品だ。(野田)

Lee Bannon - Pattern Of Excel (Ninja Tune/ビート)


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 サクラメントのプロデューサー。2012年にアルバム『ファンタスティック・プラスティック』でデビューして以来、ヒップホップに軸足を置きつつもしなやかに音楽性を変容させ、翌年の『オルタネイト/エンディングス』ではジャングルを、そしてこの『パターン・オブ・エクセル』ではアンビエント・ポップを展開。2015年はジョーイ・バッドアスのプロデュースで話題盤『B4.DA.$$』にも参加するなど、時代にしっかりと沿いながらもジャンル性に固執しない無邪気さを発露させている。自らが「ピュア・ベイビー・メイキング・ミュージック」と呼ぶもうひとつのペルソナ、ファースト・パーソン・シューター(FPS)名義ではチルウェイヴに同調。クラムス・カジノやスクリュー、ウィッチ・ハウスとも隣り合いながら、まさにFPS(一人称視点のシューティング・ゲーム)──主観性が先行する世界をドリーム・ポップとして読み替え、2010年前後のリアリティを提示した。(橋元)

Logos - Cold Mission (Keysound Recordings 2013)


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 〈テクトニック〉や〈Keysound〉といったレーベルからリリースを重ねてきた、UKのグライム・プロデューサー、ロゴスのファースト・アルバム。マムダンスとの『プロト』(Tectonic, 2014)ではUKハードコアの歴史を遡りフロアを科学する内容だったのに対して、こちらはリズム・セクションを可能な限り廃して、空間に焦点を当てたウェイトレス・グライムを前面に出し、そこにアンビエントの要素も加えた実験作。グライムの伝統的なサウンドである銃声や叫び声のサンプリングと、尾を引くベース・キックがフロアの文脈から離れ、広大な宇宙空間にブチまけられているかのような様相は恐怖すら覚える。「グライムを脱構築していると評された」本作だが、本人は大学で哲学を学んだ経験から「ロゴス」の名前を採っているとのこと。(髙橋)

Mark Fell - Sentielle Objectif Actualité (Editions Mego 2012)


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 Sndのマーク・フェルも長きにわたってこのシーンを支えているひとり。2010年以降はコンスタントに作品を出している。これもまたミニマルを追求した作品で、NHKコーヘイとも共通するユーモアを特徴としている。(野田)

NHK - Program (LINE 2015)


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 NHKコーヘイは、本当にすごい。〈ミル・プラトー〉〈スカム〉〈ラスターノートン〉と、そのスジではカリスマ的人気のレーベルを渡り歩き、ここ数年は〈PAN〉、そしてパウウェルの〈Diagonal〉からも12インチを切っている。もちろん彼にとっての電子音楽は大学のお勉強ではない。それは感情表でもなければ研究でもない、おそらくは、意味を求める世界への抵抗なのだろう。2015年の新作では、素っ頓狂なミニマルを展開。小さなスクラッチノイズのループからはじまるこの反復の、どこを聴いても物語はない。タイトルは、あらためて言えば、NHK『番組』。(野田)

Oneohtrix Point Never - Returnal (Editions Mego 2010)


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 この1曲目から2曲目の展開を、大音量で聴いていない人は……いないよね? いい、1曲目、そして2曲目だよ。そうしたら、最後まで聴いてしまうだろう。(野田)

Patten - ESTOILE NAIANT (Warp/ビート 2014)


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 OPNが錯視家なら、パテンは詐欺師。「D」とだけしか名乗らないロンドンの“ミステリアスな”プロデューサーによるセカンド・フル。煙に巻くようなタイトルやアートワーク、あるいは言動によって、アブストラクトなダンス・トラックにアートや哲学の陰影をつけてしまうスリリングなマナーの持ち主だ。〈ノー・ペイン・イン・ポップ〉から最初のアルバムを、〈ワープ〉から本作をリリースしたという経歴は、〈エディションズ・メゴ〉と〈メキシカン・サマー〉をまたぐOPNが同〈ワープ〉と契約したインパクトに重なり、当時のインディ・シーンにおける先端的な表現者たちがいかに越境的な環境で呼吸をしていたのかを象徴する。とまれ、Dは人気のリミキサーにして自身もレーベルを主宰するなど才能発掘にも意欲的。彼の詐術とはまさにプロデューサーとしての才覚なのかもしれない。(橋元)


 本当だったら「エレクトロニカの“新”新世紀」特集に載っていたはずの新騎手、各誌讃辞を惜しまない新作とともに来日。後日の公開をお楽しみに。

■Visionist Live presented by Diskotopia & melting bot

2015.11.15 sun at CIRCUS Tokyo
START : 18:00 ADV ¥2,000 | DOOR ¥2,500

〈PAN〉再来襲! 現代グライムの旗手、ロンドンのVisionistがデビュー・アルバム『Safe』を携え来日。FKA Twigsとの帯同ツアー、KENZOやAcne Studiosの音楽も手がけ、ファッションまでも巻き込む気鋭がUKサウンドシステム・カルチャーを拡張する日本初のライブを披露。

Objekt、Afrikan Sciences、Bill Kouligas、Lee Gamble、M.E.S.H.、TCF、そしてRashad Beckerと来日ラッシュの続くベルリンの実験/電子レーベル〈PAN〉から今度はロンドンのVisionistが新譜『Safe』を携え来日。ここ数年でUKを中心に再興する00年代前半にダブステップと共に現れたラップ・カルチャー、ロンドン発祥のグライムを再構築しながら、UKの電子音楽やクラブ・ミュージックに根付くUKサウンドシステム・カルチャーを拡張、最新作『Safe』では脱構築を試み、グライムを彫刻のように掘り込みアブストラクトな音像を浮かび上がらせたアート・ピースはクラブや音楽シーンを飛び出しファッションまでも巻き込み話題を集めている。ブリストルとロンドンを中心に新たなる時代を迎えたUKサウンドシステム・カルチャーの前人未踏の領域へと踏み込むフロンティア、Visionistのライブが東京で実現する。

Main Floor :

Visionist Live [PAN / Codes from London]
ENA [Samurai Horo / 7even]
Yomeiriland (嫁入りランド) Live
食品まつり a.k.a foodman Live [Orange Milk / melting bot]
Prettybwoy
with MC Pakin [Dark Elements / GUM]
A Taut Line [Diskotopia]
BD1982 [Diskotopia]

VJ : Shun Ishizuka

First Floor :

VOID : Azel / Gyto / Shortie / Tum
Mr. James [Expansions, London]
asyl cahier [LSI Dream]
JR Chaparro

ADV Ticket Outlet :

Peatix / PIA (P-CODE 280477)

主催 / 会場 : CIRCUS
制作 / PR : Diskotopia | melting bot
協力 : Inpartmaint

more info : https://meltingbot.net/event/visionist-live-presented-by-diskotopia-meltingbot

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■Icy Tears Vol.3 featuring VISIONIST
Presented by Joyrich

2015.11.13 fri at Club Arc
START : 22:00 Door ¥3,000 w/1 Drink

DJ:

VISIONIST
WILL SWEENEY (ALAKAZAM)
KIRI (PHIRE WIRE)
1-DRINK
HIROSHI IGUCHI
AVERY ALAN (PROM)
KOKO MIYAGI


Mode Of Electoronic-a - ele-king


Laurel Halo / In Situ

Tower HMV Amazon

 テクノがエクスペリメンタルなモードをまとうようになった時代……。それが2010年代初頭のエレクトロニクス・ミュージックの潮流であったと、ひとまずは総括できるだろう。
 グリッチやクリック、ドローンなど00年代のエレクトロニカにおけるサウンドの実験が、ミニマル・ダブ以降のテクノの領域に流れてこんでいったことは、デムダイク・ステアやアンディ・ストットなどを擁する〈モダン・ラヴ〉、ビル・クーリガス率いる実験音楽レーベル〈パン〉、ルーシー主宰の〈ストロボスコピック・アーティファクツ〉の諸作品を思い出してみれば即座にわかる。

 その結果、(アートワークも含め)、ノンアカデミックなエレクトロニクス・ミュージックは、よりアートの領域にシフトし、コンテクストとコンセプトと物語性が強くなった。エクスペリメンタルという言葉が頻繁に用いられるようにもなる。ビートは分断され、サウンドは複雑化した。


Laurel Halo / Quarantine
Hyperdub/ビート(2012)

 ローレル・ヘイローは、待望の新作がリリースされるワンオートリックス・ポイント・ネヴァーやアルカ(新作『ミュータント』は前作を超える傑作!)などとともに、そのような時代を代表するアーティストといえよう。同時に孤高の存在でもあった。会田誠の作品を用いたファースト・アルバム『クアランティン』(2012)のアートワークなどを見ても分かるように、繊細・緻密な2010年代前半にあって、ほかにはない独自の感性であった。とはいえ、楽曲自体はどこか瀟洒で、それこそ「テン年代的」なエクスペリメンタル・アンビエントな質感を持っていた点も新しかった。

 しかし、彼女の楽曲にはある種の「つかみどころのなさ」があったことも事実。声を存分に使ったトラックもあるが、ホーリー・ハーダン(新作『プラットフォーム』は90年代以降の音響学=ポップの領域越境のお手本のごときアルバム!)のキャッチーさとはまた違う「地味」なテイストがあったのだ。

 いまにして思えば、その「つかみどころのなさ」こそ、テクノをルーツとする彼女のストイックさの表れだったのではないかと思う。テクノとアンビエントという領域のあいだでローレル・ヘイローの音は鳴っていた。実際、『アンテナ EP』(2011)や『アワー・ロジック』(2013)などを聴けば、彼女のストイックなテクノ感覚やアンビエント感覚をより理解できる。ある意味、『クアランティン』と『チャンス・オブ・レイン』は、やや異質な作品だったのではないかとも。この『イン・サイチュ』において、彼女は自分のルーツ=テクノへと素直に回帰している(『アワー・ロジック』的?)。1曲め“シチュエーション”の洗練されたビートメイクには誰しも驚くはず。この変化は彼女がベルリンというテクノの地に移住したことが大きいのかもしれないし、〈オネスト・ジョンズ〉からのリリースということもあるだろう。
 ここから私はインダストリアル/テクノ、ジューク / フットワーク、グライム、近年のアンビエント・シーンとの関連性や交錯性もつい考えてしまう。


Jlin / Dark Energy
melting bot/Planet Mu(2015)

 そこでまずジェイリン『ダーク・エナジー』(2014)をとり上げてみたい。類似性は3ビートメイキングではなく、独自の硬質感とファッションショーなどでも用いられるモードな雰囲気にある(とくに『イン・サイチュ』のM2)。

 モード感覚は近年のエレクトロニック・ミュージックを考えていく上で重要な要素で、〈パン〉からリリースされたヴィジョニスト『セーフ』も同様だ。グライム文脈でありつつも、エレガンスでエクスペな音楽性は、アートワークにしても未来的。彫刻のような硬質なサウンドと鉱物的なビートがたまらない。そしてテクノ・フィールドからはドイツのヘレナ・ハフ『ディスクリート・ デザイアーズ』も併せて聴きたい。彼女のトラックはアシッドなビートが強調されているが、インダストリアルなダークさもある。


Powell / Insomniac /
Should Have Been A Drummer
XL(2015)

 また、スティーヴ・アルビニにサンプリング許諾申請をして怒られ、結局、承認してくれたパウエル『インソムニアック/シュドゥヴ・ビーン・ア・ドラマー』もインダス以降の現代音響テクノの最先端として聴いておきたい。ここからエンプティセットの新作EP『シグナル』における過激で優雅な実験的なサウンドに繋げていくことも可能であろう。

 個人的には〈ストロボスコピック・アーティファクツ〉からリリースされたシェヴェル『ブラーズ』と、〈オパール・テープス〉から発表されたインダストリアル・テクノとフリー・インプロヴィゼーションとアンビエントの交配を図るマイケル・ヴァレラ『ディスタンス』こそ、『イン・サイチュ』の横に置いておきたいアルバムだ。『ブラーズ』は最先端のインダストリアル・テクノで、そのストイックな感覚は『イン・サイチュ』とスムーズに繋がっていく。『ディスタンス』は、ジャンルと形式を越境していくストレンジな感覚の中に、ローレル・ヘイローの個性に近いものを感じる。

Chevel『Blurse』

Michael Vallera『Distance』

 『イン・サイチュ』にはアンビエントなテクスチャーとジャズ的な和声感が見られる曲もある(M7とM8などにととまらず、ビート入りのトラックでもシルキーな上モノなどに彼女のアンビエント感覚を聴き取ることができる)。
 そこでカラーリス・カヴァデール(Kara-Lis Coverdale)を聴いてみたい。彼女はクラシカルな感性と素養を持ったアンビエント・アーティストだが、讃美歌や宗教歌のようなエッセンスを感じる音楽家である。声を使ったり、ミニマルなフレーズによって曲を構築したりするなど、古楽のような音楽性と浮遊感のあるサウンドのテクスチャーが素晴らしい。LXVによるグリッチ・ノイズと、カヴァデールによる乾いた音と、弦のようなアンビエンスと加工されたヴォイスなどが交錯するコラボレーション作『サイレーン』も素晴らしいが、何はともあれ神話的なアンビエント『アフタータッチズ』をお勧めしたい。

Kara-Lis Coverdale『Aftertouches』
Kara-Lis Coverdale - "TOUCH ME & DIE" from Sacred Phrases on Vimeo.


Dasha Rush / Sleepstep
Raster-Noton(2015)

 また〈ラスター・ノートン〉からリリースされたダーシャ・ラッシュ『スリープステップ』もアンビエントとテクノを20世紀初頭のモダニズムで越境するような優美なアルバムである。ジャズ/フュージョン的なコード感と今日的な電子音楽のという意味では、CFCF『ザ・カラーズ・オブ・ライフ』をピックアップしたい。架空のドキュメンタリー映画のサントラといった趣のアルバムだが、ピザールな感覚もありヘイローの諸作品と並べても違和感はない。

 エクスペリメンタルかつ音響なテクノと幽玄なアンビエント/アンビエンス。そしてジャズ/フュージョン風味。ストイックでありながらローレル・ヘイローらしさもある。そのうえ2015年的な音楽的文脈すらも聴き取ることができる。今年も素晴らしい話題作・傑作が目白押しだが、『イン・サイチュ』も独自の存在感=鉱石のような光(まるでアートワークのごとき!)を放っているように思えてならない。

Note:
Jlin『Dark Energy』
Visionist『Safe』
Helena Hauff『Discreet Desires』
Powell『Insomniac/Should'Ve Been A Drummer』
Emptyset『Signal』
Chevel『Blurse』
Michael Vallera『Distance』
Kara-Lis Coverdale『Aftertouches』
Kara-Lis Coverdale/LXV『Sirens』
Dasha Rush『Sleepstep』
CFCF『The Colours of Life』


DIE KRUPPS Live in Tokyo 2015 - ele-king

 ディー・クルップスがやって来る! この年の瀬にやって来る! ついに初来日公演とあいなった! 今回ディー・クルップスは、とあるシンポジウムに参加するために来日することになり、その日程に合わせて急きょライヴがブッキングされたのだ。

 首謀者、ユールゲン・エングラーが中心となり、ディー・クルップスは1980年にデュッセルドルフで結成された。オーソドックスなバンド編成にメタル・パーカッション、電動工具やミニマル・エレクトロまでもが融合したサウンドは、時に社会や政治に対し挑戦的な姿勢をとる。同時代のアインシュトゥルツェンデ・ノイバウテンなどに比べると、はるかにアッパーでストレートだ。彼らの代表曲『Whare Arbeit-Wharer Lohn』(真の労働・真の報酬)は、ドイツのニューウェイヴの<アンセム>ともいえる存在だ。その後はEBM(エレクトリック・ボディ・ミュージック)シーンの立役者として注目され、ニッツァー・エブのようなフォロアーたちを生み出した。いわば、1980年代ドイツ音楽シーンの代名詞的存在なのだ。現在ではアグレッシヴなギターをフィーチャーした「インダストリアル・メタル・マシーン・ミュージック」と呼ばれる独自のスタイルを確立し、数千人単位のフェスティヴァルにも出演するほどの、名実ともにドイツ屈指のバンドへと成長した。

 「とにかく日本のファンの前で演奏したい」と言う彼らの情熱は計り知れない。今回は初来日にして、ライヴ公演はわずか1回のみという貴重な機会となった。デビュー当時から使用されている「シュターロフォン」(自作メタル・パーカッション、重量は60kg以上!)を引っ提げて、ディー・クルップスが東京を強襲する! この機会に、彼らの体の筋肉は、どれをとっても機械なのか、その目で確かめていただきたい。
(小柳カヲル)

Line Up:
Jurgen Engler (Vocals)
Ralf Dorper (Synthesizer)
Marcel Zurcher (Guitar)
Volker Borchert (Drums)
Nils Finkeisen (Guitar)


【DIE KRUPPS Live in Tokyo 2015】
2015年12月8日 (火)
東高円寺 U.F.O.Club https://www.ufoclub.jp/
開場 19:00 / 開演 20:00
前売:¥3,500(+D) / 当日:¥4,000(+D)
(主催:Suezan Studio / U.F.O.Club)

講演の詳細やチケット予約方法は特設サイトをご覧ください。
https://suezan.com/krupps/


 あらゆる手法が出尽くしてしまったかのように見えるダンス・ミュージックを、いかに更新することができるのか。かつてはそこに知性を持ち込むことによって、あらたな表現の枠組みとしてIDMが生まれたわけだが、現在のフロアにおいてそれはどんな形をしているのだろう。

 アントールドの「ドフ」は、今年リリースのなかでも突出したオリジナリティがあり、かつかなりクレイジーな部類に入る作品だった。モジュラー・シンセの霧の上にまさかのギターとスラップ・ベースが重なり、中盤でやっとキックが入ってくるというかなり異端的な構成になっていて、そのはみ出し感がクレイジーたるゆえんである。

 ダブステップからスタートした彼の関心は、去年のアルバムで表現されているようにテクノに向かっている。アントールドは自らの新たな土台を作るためにディスコグスを用いて、テクノにおける法則性を研究したのだという。その結果、過去に類似しないクレイジーさが生まれた。自分が現在しようとしていることを膨大なアーカイヴのなかで定点観測的に捉え、オリジナリティを作る。情報の海の泳ぎ方は、現代において必要な知性のひとつのようだ。

 またそこにおいて「コピーをしない」、という点も重要になってくる。エナは去年の『バイノーラル』前後から、ドラムンベースのリズムを換骨奪胎したアプローチをとり、結果としてテクノのシーンにも共鳴する個性的なサウンドにたどりついた。そこには現在のトレンドでもあるブレイクビーツを用いたバック・トゥ・ベーシックな90年代回帰はいっさい見られない。

 「ドラムンベースの10年をダブステップは5年でやってしまった」とエナは言う。ネット上の情報共有の加速化は利益をもたらす一方で深刻な問題もあり、どんなメソッドも瞬時にコピーされ、「新しさ」のサイクルはどんどん短くなっている。あの難解に思われたアルカのサウンドですら、いまでは類似したものが多数あるくらいだ。現在において自作におけるオリジナリティを守るためだけではなく、シーンを殺さないためにも「コピーをしない」はなくてはならない知性なのである。

インテリジェンスはここにある! 5枚/5つの問題提起


Discogs

Untold - Doff
(Hemlock Black (12) 2015 )


Amazon

ENA - Binaural
(Samurai Horo 2014)


Amazon

Demdike Stare - Testpressing #005
(Modern Love (12) 2014)


Amazon

Monolake - Ghosts
(Monolake / Imbalance Computer Music 2012)


Discogs

Sd Laika - That's Harakiri
(Tri Angle 2014)

interview with Co La - ele-king


Co La
No No

Pヴァイン

ElectronicNoiseExperimental

Tower HMV Amazon iTunes

 コ・ラとは、まあ「コーラ」のことなのだけれども、そのネーミングから発せられるある種傍若無人な批評性とは別に、「ー」が「・」になることで生じてしまっているこのなんともいえない吃音、休符、そしてその真空にも似た半拍に吸い寄せられてくる多大なノイズこそが、この奇態なアーティストの本尊にしてコアなのではないかと、彼の音楽を聴くたびに思わせられる。

 彼ことコ・ラ、ことマシュー・パピッチは、現エレクトロニック・ミュージック・シーンを牽引するもっとも柔軟な知性、OPN(ワンオートリックスポイントネヴァー)主宰の〈ソフトウェア〉を象徴するプロデューサーである。プロデューサーというべきか、アーティストというべきか、ミュージシャンというべきか、そうした呼称の遠近法の中になかばペテン的に存立している彼の音は、ときにアートに近接し、ときにフロアでひとを躍らせ、そして幸せなことにポップ・ミュージックとしてもわれわれのヘッドホンやステレオを賑わせてくれる。このもってまわった言い方にピンとこなければ、ともかくもこの10月にリリースされた新譜『ノー・ノー』を再生してみてほしい。

 雑音に騒音、音楽のような何かに音楽らしい輪郭を与えているのはビートのみで、それとて一定不変の安心を約束してくれない。どこか執拗でせわしなく、あまのじゃくで、ときに攻撃的ですらあるコンポジションに、われわれはたとえばクリス・バーデンが好きだと述べる、あるいはかつてパンクやハードコアに心を奪われたのだというパピッチのひとつの精神を見出すだろう。「コーラ」から長音を奪ってしまう感覚は、まさにこのあたりに由来するようにも感じられる。

 しかし、彼にはまたもう一つ重要な背景がある。2000年代半ばのボルチモアの実験主義者たちの極北、ポニーテイルやエクスタティック・サンシャイン──前者はポストロックやマスロックの文脈でも解釈されるカラフルでノイジーなアート・ロック・バンド、そしてより深いサイケデリアを展開する後者こそはパピッチとポニーテイルのダスティン・ウォングによるギター・デュオ・ユニットである。テリー・ライリーやあるいはマニュエル・ゲッチングなどを彷彿とさせながら2本のギターが螺旋を描いて楽しげにもつれ合うエクスタティック・サンシャインの音楽がコ・ラのスタート地点に存在することは、彼の根元にポジティヴなエクスペリメンタリズムが存在することを証すものでもあるだろう。

 ということで、ギターをエイブルトンに持ち替えたパピッチの、騒音と愛嬌が半ばするエレクトロニック・プロジェクト、その第2章に耳を傾けてみよう。耳というよりも五感で受け止めることを、この「ノー・ノー」という雑音たちは望んでいるのかもしれないけれども。

■Co La / コ・ラ
ボルチモアのエクスペリメンタル・デュオ、エクスタティック・サンシャインの片割れ、マシュー・パピッチによるエレクトロニック・プロジェクト。2011年に米アンダーグラウンド・テープ・レーベル〈NNA〉よりデビュー作『デイドリーム・リピーター』をリリースし注目を集める。後にOPN主宰の〈ソフトフェア〉より『ムーディ・クープ』(2013)『ノー・ノー』(2015)を発表、エレクトロニック・ミュージックのフロンティアを掘削するプロデューサーの一人として活躍を期待される。

言語化される前のことばや、新生児が発する音、咳やあくび、泣き声といったフィジカルで制御不可能な音に興味があったね。

あなたの音楽は、一定のビートはあるものの、さまざまなサンプリング・マテリアルがめまぐるしく切り替わって、ある感情や情緒が持続し展開するのを意識的に避けているような印象があります。こうした編集は快楽的に追求されたものなのでしょうか?
それともコンセプチュアルに目指されたものなのでしょうか?

コ・ラ(Co La、以下CL):加速感やスピード、直線感に僕は快楽を見いだせる。いまの興味はダイナミズム、ムード、感情移入や混乱状態といったところかな。自分の音楽が目指すところは前進だね。もちろんそこには調査も含まれるけど停滞はしない。

今回用いられている音声には、くしゃみや赤ん坊の泣き声、叫び声などヒューマンなノイズが多いですね。これは意識的にディレクションされているのですか? それともあなた自身に起こった何がしかの変化によるものなのでしょうか?

CL:作曲において声という基本的な要素を使用しつつも、歌わずにある種の拡張されたテクニックを用いている。制作の段階では言語化される前のことばや、新生児が発する音、咳やあくび、泣き声といったフィジカルで制御不可能な音に興味があったね。

以前『レスト・イン・パラダイス(Rest In Paradise)』(2011)を「家具の音楽」(musique d'ameublement)として語っておられましたが、あなたにとって作曲行為は空間デザインに近いものなのですか?

CL:建築は自分の作曲のある部分には適切な類似点だと思う。でも、アンビエンスの概念はよく「家具の音楽」と同意義とされることがあるけれど、『ノー・ノー』はそれとはかけ離れたものだよ。

コ・ラでの取り組みは、方法論としてはエクスタティック・サンシャインの真逆にあるように感じられます。というのは、ESには多少即興的な要素もあるのではないかと思うからです。コ・ラにおいては即興性を意識することはありますか?

CL:たしかに音楽はまったくちがうよね。でも、じつはエクスタティック・サンシャインの音楽は練って作られたもので、入念にリハーサルもした。それに僕たちは大した即興演奏ができるわけでもない。コ・ラにおいては即興をあまり意識してはいないかな。でも〈パン〉でやっているリフテッドのプロジェクトでは、もっと自由に探求をしているよ。

書かれていないルールっていうのかな。僕は曲を作ることによってその領域を探索していた気がする。

「ノー・ノー(No No)」というのは、否定を表すというよりはオノマトペのようなものでしょうか? タイトルの由来について教えてください。

CL:オノマトペの要素は興味深いよね。僕はダダイズムの自動筆記とかコンクリート・ポエトリーのファンだよ。「ノー・ノー」は何か禁止されたものを表す口語的な言い方なんだ。書かれていないルールっていうのかな。僕は曲を作ることによってその領域を探索していた気がする。疑念や困惑を抱きはじめるのに十分なくらいに、一定の形式をわずかに保ちつつも、そこから外れた音を使ってね。

地元ではパンク・シーンが強固だったようですね。ミスフィッツやラモーンズがお好きだったというエピソードは少し意外でもあります。そういった音楽はあなたにどんな影響をもたらしたと思いますか?

CL:『ノー・ノー』に取り掛かる前に、自分が高校生だったときのレコード・コレクションを聴き返していたんだよね。パワー・バイオレンス、スラッシュ、グラインド・コアとかだよ。音の面でそれらを参照するのではなくて、その音楽の持つ、ときにユーモアに溢れていて、ときに戦略的なイデオロギーを思い出したかった。『ノー・ノー』は攻撃的なコ・ラのアルバムでそれを定義するために、ある点においては自分の昔の感心と向き合ったりしたね。

パワー・バイオレンス、スラッシュ、グラインド・コア。音の面でそれらを参照するのではなくて、その音楽の持つ、ときにユーモアに溢れていて、ときに戦略的なイデオロギーを思い出したかった。

また、クリス・バーデンに惹かれてアート・スクールに進まれたそうですね。あなたが指摘する、不条理、科学、暴力、そしてヒューモアという要素は、まさにコ・ラにおいても実践し模索されているように思います。彼の「作品」としてもっとも衝撃を受けたものについて、あるいはクリス・バーデンとあなたの音楽観・芸術観について教えてください。

CL:クリス・バーデンは僕のインスピレーションのひとつで、とくに彼の思考のスタイルに注目しているよ。成功した芸術作品は自身のロジックと、それを支えるために実例と主張を兼ね備えていなきゃダメだ、と個人的には思っている。マテリアルとコンセプトの連帯と、一時的にミクロなマニフェストも必要になってくる。僕はバーデンの「ショック」にはそんなに興味はないんだけど、次々と強烈さ、眩しさ、粉砕、そして奇妙さといった状況を作り出す彼の能力にはとても感心があるよ

〈ソフトウェア〉は現在のあなたのホームと呼び得る場所ですか? また、〈ソフトウェア〉はなにかと息苦しい時代に遊び心やジョークを表現し発信できている限られたレーベルだと思いますが、客観的な視点から期待していることはありますか?

CL:うん。〈ソフトウェア〉はホームだね。彼らはとても献身的だし、わずかなコンセプトでも理解してくれる。ダニエル(OPN)のキュレーションは素晴らしいと思うよ。彼は特異さと共感の間のバランスを取るのがとても上手だね。あとユーモアもある。

僕には情報的なノイズをツールとして、また有益だと捉える傾向がある。“スクイージー”や“ガッシュ”といった、かなり負荷が掛かっていて複雑に展開してく曲にそれは表れているね。

あなたのノイズ観についての質問ですが、本作中であなたがもっとも「ノイジー」だと感じる曲はどれですか? 理由についても教えてください。

CL:僕には情報的なノイズをツールとして、また有益だと捉える傾向がある。“スクイージー”や“ガッシュ”といった、かなり負荷が掛かっていて複雑に展開してく曲にそれは表れているね。だからこれらの曲は、不安や困惑を生み出しているという意味では「ノイジー」だといえる。『ノー・ノー』の大部分は困惑の要素と透明な瞬間のバランスを保っているよ。僕はガラクタのようなアクチュアルなノイズとディストーションを、けっこう象徴的に使っている。それらは不調和を表象しているけれど。必ずしもストレスを感じさせたり疑問を投げかけたりするものではないんだ。

歌を紡ぐことやギターでフレージングするというアプローチはいまのところあまり興味はないですか?

CL:しばらくの間、ギターには興味がないんだよね。エクスタティック・サンシャインのときからギターはとってあるけど、正直に言うと、一年はギター・ケースを開けていない。

今年よく聴いた音楽や素晴らしいと感じた作品について、とくにジャンルに関わりなく教えてください。

CL:今年はグライムをたくさん聴いたな。マーロ、シャープ・ヴェインズ、ミスター・ミッチとか大好きだよ。それからヴォイシズ・フロム・ザ・レイクはほぼ毎日聴いている。他によく聴いているのはフォーク(Phork)、モーション・グラフィックス、ジェレミー・ハイマン、マックスDとかだね。


欲望するインタビュー - ele-king

「意外な組み合わせ」×「屈託のないインタビュー」
個人的なのに普遍的な、ありそうでなかったインタビュー集が登場

全15 組30 名の対談を収録! !

新感覚インタビューweb サイト「QONVESATIONS」を再編集し、新規インタビューや対談を収録してまとめたインタビュー集です。
登場するインタビュアーは、アーティスト、写真家、開発者、漫画家、アート・ディレクターなど、普段はインタビューをされる側の人たちです。

彼らに、「いま、あなたが話を聞きたい、異業種の相手に、インタビューをしてください」というお題を投げかけて、誰に何を聞くのか、という興味深い結果をまとめたのが本書になります。

個人的な問いを立て、異業種のインタビュイーを指名して話を聞いていきます。
そこでは、「何で私と結婚しようと思ったのか」、「死んだ後はどうなるのか」といった身近なテーマから、「スティーブ・ジョブズを育てることは出来るのか」、「人間にとってロボットとは何なのか」という好奇心によるテーマまで、広範囲に及びます。

しかし、個人的な問いから始まったはずの対話が進んでいくと、「家族」「知恵」「発送」「成功」「未来」という、誰しも見に覚えのある普遍的なテーマを含んでいることに気づかされます。

さらに、インタビュアーが、知りたい、探求したい、という個人的な問いを仮説として、対話によって検証をしていくドキュメントの側面もあり、その過程は、そのまま読者の読後感につながります。

本書の魅力は、まさにここなのです。

さまざまなメディアコミュニケーション手段があふれる一方で、『問い』が少なくなってしまっているように感じます。
しかし、社会が複雑化すればするほど、インスタントな「答え」よりも、個人の視座に根ざした「問い」こそが、大切になってくるのではないでしょうか。
僕たちが本当に手にしたい「答え」というのは、良い「問い』」からしか生まれ得ないのではないかと思うのです ──まえがきより

■目次

はじめに

第1章 家族について
 Q僕と結婚しようと思ったのはなぜですか?
  青山裕企 (写真家)→ 青山庸子 (会社員)
 
 Q子育てで大切にしていることは何ですか?
  えぐちりか (アーティスト/アート・ディレクター)→ Chara (ミュージシャン)

 Qどうやって私を育ててきたのですか?
  川上恵痢子 (アート・ディレクター)→ 川上史朗 (建築家)

第2章 知恵について
 Qどうすればモノを見極められますか?
  毛利悠子 (美術家)→坂田和實 (古道具屋 店主)
 
 Qなぜ、バービー・コレクターになったのですか?
  松井えり菜 (アーティスト)→ 関口泰宏 (バービー・コレクター)

 Qいま、お寺にできることは何ですか?
  勅使河原一雅 (アート・ディレクター/ウェブ・デザイナー)→ 原 和彦 (臨済宗常福寺 住職)

AFTER QONVERSATIONS #1
 初のインタビュアー体験は、いかがでしたか?
  毛利悠子 (美術家)×松井えり菜 (アーティスト)

第3章 発想について
 Qアスリートの能力を、どう活かしていきますか?
  伊藤直樹 (クリエイティブ・ディレクター)→為末 大 (元プロ陸上選手)
 
 Q映画に、未来はありますか?
  川田十夢 (開発者/AR三兄弟 長男)→ 大林宣彦 (映画監督)

 Q将棋には、ロジックだけで勝てますか?
  長谷川踏太 (クリエイティブ・ディレクター)→ 渡辺 明 (棋士)

第4章 成功について
 Qどうしてそんなガチャガチャをつくるんですか?
  タナカカツキ (マンガ家/映像作家)→ 古屋大貴 (株式会社奇譚クラブ 主宰)

 Q本屋さんを営む醍醐味は何ですか?
  大図まこと (クロスステッチ・デザイナー)→森岡督行 (書店 店主)

 Qどうすれば自分らしいお店がつくれますか?
  橋詰 宗 (デザイナー)→ 間口一就 (バー 店主)

AFTER QONVERSATIONS #2
 どうして新しいお店をつくったのですか?
  森岡督行 (書店 店主)×原田優輝(QONVERSATIONS)

第5章 未来について
 Qロボットの未来はどうなりますか?
  谷口真人 (アーティスト)→ 高橋智隆 (ロボット・クリエイター)
 
 Qイノベーションを生み出す方法はありますか?
  太刀川英輔 (デザイナー)→ 堀井秀之 (東京大学i.school エグゼクティブ・ディレクター)

 Qニュースアプリは社会を変えられますか?
  田中良治 (ウェブ・デザイナー)→ 鈴木 健 (スマートニュース株式会社 代表取締役会長 共同CEO)

あとがき


■著者情報
原田優輝(はらだ・ゆうき)

1981年生まれ。QONVERSATIONS主催。編集者/ライター。「DAZED&CONFUSED JAPAN」、「TOKION」編集部などを経て、「PUBLIC-IMAGE.ORG」の編集長を務め、400名以上のクリエイターにインタビューを行う。2012年にQONVERSATIONSを創刊。現在は、カルチャー、デザイン、ファッション系媒体の企画・編集・寄稿、ムック制作、ウェブサイトのディレクション、クリエイターのコーディネート、トークイベントの企画・司会進行などを手がける。

■QONVERSATIONS (カンバセーションズ) とは?
インタビュアーという存在にスポットを当てるこれまでにないインタビューサイト。カンバセーションズがキュレーションしたクリエイターや文化人がインタビュアーとなり、彼らがいま本当に話を聞きたい相手に、独自の視点でインタビューを行っている。2012年の創刊以来、大学教授から水草ショップ店長まで幅広いジャンルと内容のインタビューが、サイト上にアーカイブされている。
qonversations.net


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