「Man」と一致するもの

ダンスの夏へ - ele-king

 ダンス・ミュージックの良いところは、幅広い人にアプローチできるところであり、基本ピースなところであり、また、サウンドの実験場としても機能するところ。海の向こうは、いよいよダンスの夏を前に準備万端といった感じだけれど、日本はどうなるのでしょうか。先週末、ぼくは京都のイーノ展を観にいって、稲岡健とオキヒデ君と文字通り浴びるように呑んだ翌日、静岡に寄って、小さなクラブ〈Rajishan〉にて、CMTほか地元のDJたちがかけるハウスやテクノでダンスしました。当たり前だけど、音を身体に感じながら踊るって、いくつになっても楽しいよね。


Ron Trent presents WARM - What Do The Stars Say To You Night Time Stories /ビート

Deep House

 シティ・ポップが世界で大流行だって? いい加減なことを書いてしまう人がいるものだ。南米やアフリカのクラブでも、日本の70年代末〜80年代のポップスが種々雑多にかかっているならそう言えるだろうけど。つまりレゲトンやダンスホールのように、アマピアノのように。ぼくが知る限りでは、世界で大流行する音楽はだいたいダンス・ミュージックだ。ハウス・ミュージックは、そういう意味では30年前に世界で大流行した音楽のひとつで、いまでもこの音楽は老若男女問わずに踊らせてくれる。
 ロン・トレントは、1980年代なかばの彼が10代のときに作ったデビュー曲によって一世を風靡し、1990年代のシカゴ・ディープ・ハウスのもっとも輝かしい存在として影響力をほこったDJ/プロデューサーだ。トレントのような人は、ダンスフロアが歓喜の場であり、同時に魂を洗浄する場であることにも自覚的だった(彼の伝説的なレーベル名は〈処方箋〉=〈Prescription〉という)。ほとんど外れ無しだった彼が90年代に残した音楽は、いまでもその深さを失っていないが、トレントは年を重ねるなかで、柔軟に変化を受け入れて彼の音楽に磨きをかけている。
 今年49歳のベテラン・ハウス・プロデューサーの新作には、共演者として(驚くべきことに!)ヒューストン出身のクルアンビンがいる。そして、79歳のフランス人ヴァイオリニストのジャン=リュック・ポンティ、66歳のイタリア人ジジ・マシン、ブラジリアン・ジャズ・ファンクの大御所、アジムスのリズム隊=アレックス・マリェイロス(ベース)とイヴァン・コンチ(ドラム)がいる。トレントはこうした豪華ゲスト陣を的確な起用法をもってフィーチャーし、スムーズで快適なアルバムに仕上げている。大人のハウス・ミュージックだが、この音楽の奥深さに興味のある若い世代にも聴いて欲しい。


Joy Orbison - Pinky Ring / Red Velve7 XL Recordings

UK GarageTechno

 昨年アルバムを出したUKベース世代の人気DJによるキラー・チューン。いや〜、カッコいいです。もうすぐ限定で10インチも出るそうで、君がDJならゲットしよう!


Various Artists - The Assurance Compilation

AmapianoAfrobeatHouseTechnoBaile FunkGqom

 ベルリン在住のDJ、Jubaは欧米以外の国々で活動する女性DJの音源をコンパイルしてリリースした。ベトナム出身DJ/プロデューサーのMaggie Tra、ブラジル出身プロデューサーのBadsista、南アフリカ出身DJ/プロデューサーのDJ IV、台北出身のSonia Calico、ナミビア共和国出身のGina Jeanzなどなどによるマルチ・カルチュアラルなコンピレーションで、なおかつ女性アーティスト限定。これもまた、ブラック・ライヴズ・マター(創始者の金のスキャンダルには失望したが、しかしそれ)を引き金とした、ポスト植民地主義時代の大きな波(ムーヴメント)に乗って生まれた作品と言える。


Phelimuncasi - Ama Gogela Nyege Nyege Tape

GqomGhetto

 南アフリカのゴム3人衆。DJ MP3、DJ Scoturnといった以前からの仲間のほか、韓国のIDMアーティスト、 NET GALA。ダーバンのDJ Nhlekzinらも曲を提供している。激しいことこのうえないが、DJ MP3によるドローンの“uLalalen”には至福の境地が、NET GALAによる“ Dlala Ngesinqa”ではゲットーテック、DJ Scoturnによる“Maka Nana”ではヒプノティックなアフロ・ハウス……といった具合に、じつにヴァラエティー豊かな内容になっている。4つ打ちのキックドラムが入る“Kolamula Ukusa”も推進力がある曲で、ウガンダのアンダーグラウンド・シーンの勢いと濃密さをしたたかに感じる。ドミューンでイーノについて喋った翌日、浅沼優子とそこそこ呑んで、ネゲネゲ・フェス体験談を聞かされたばかりなんで、とくに。


Slikback - 22122

Experimental

 ケニアのクラブ・カルチャーにおける実験精神を負っているひとり、スライクバックによる最新作で、bandcampからは定価無しでゲットできる。なので、この機会にぜひ聴いて欲しい。彼のユニークな音楽の背後には、いろんなもの(テクノ、ノイズ、Gqom、グライム等々)があるのだろうけれど、咀嚼され、はき出されるサウンドはきわめて因習打破的だ。君が好む好まざるとに関わらず、彼のようなサウンドの挑戦者がいるからこそクラブ・カルチャーは風俗にならず、文化としての強度を保っているということもどうか忘れずに。


Dopplereffekt - Neurotelepathy Leisure Systems

Electro

 ドレクシア(最近弟がWavejumpers名義でシングル出しました)のオリジナル・メンバーだったジェラルド・ドナルドによるプロジェクトとはいえ、ドップラーエフェクトはデトロイト・エレクトロにおける異端だ。黒人男性と白人女性によるデュオによる電子音楽という点では、ハイプ・ウィリアムスの先達でもあるのだが、そのコンセプチュアルな作風においても先を行っていた。ただし彼らは少し風変わりで、ある種病的なテーマ(ファシズム、エロス、科学者、遺伝子学等々)を扱いつつ、それらはつねに冷酷なマシン・サウンドによって形作られている。新作においても、その美学が1995年からブレていないことが確認できるだろう。ドップラーエフェクトは非人間性=機械のなかにエロティシズムを見いだし、人工物と人間との融合を夢みているかのようだ。ドレクシアの感情をかき立てる激しさとは対極の、人気のない病院のような、静的でひんやりとした感触が広がっている。


Compuma - A View Something About

AmbientDubExperimental

 日本からは、欧米の物まねではない独自のセンスを持ったおもしろい表現者がポツポツと生まれるわけで、最近でいえば食品まつりなんかがそう。で、Compumaもまた、オリジナリティを持ったDJ/プロデューサーのひとりだ。食品まつりは、いちぶの欧米人から見ると横尾忠則のナンセンスなサイケデリアを彷彿させるそうだが、それに倣って言えば、Compumaは(京都のお茶の老舗店からCDを出しているし)千利休のダブ・ヴァージョンだ……というのは冗談です。が、彼には独特のダブ・センスがあって、それは派手にかまさないからこそにじみ出る魅力を持っている。その抽象化された音像と間の取り方は、じつに独特だ。
 Compumaのソロ・アルバム『A View』は、アンビエント、フィールド・レコーディング、ダブ、シンセサイザー音楽、エレクトロ、そういったものからヒントを得て作られた立体的かつ空間的な音楽で、題名が示すようにサウンドスケープ(音で描く風景)作品とも言えるのだろう。山っ気やエキセントリックな要素はまったくない。その代わりここには、強固な意志によって創出された「ゆるさ」というものがある。Compumaは息苦しいこの時代のなかで、みごとなシェルターを立ち上げているように見える。音素材自体は演劇のために制作されたものだという話だが、そうした予備知識を抜きに聴いてぜんぜん楽しめるし、さすがベテラン、抽象的であるがゆえになんど聴いても飽きない。


Overmono - Cash Romantic   XL Recordings

Techno

 とりたてて目新しくはない、でも、とにかくカッコいい。こういうトラックを聴くとオーヴァーモノがUKのダンス・シーンで幅広く支持されているのが理解できる。ミニマルなテクノにソウルフルなヴォーカルが若々しい感性によってミックスされる。いかにもUKらしいトラックというか、君がDJでテクノが好きなら、フロアの熱を上げたいとき、これをスピンすれば間違いないよ。


Petronn Sphene - Exit The Species

No Wave RaveExperimental

 以前紹介した衝撃のジ・エフェメロン・ループの変名によるなかばガバの入ったハードコア・レイヴ・アルバム。日本は、梅雨が終われば参院選かぁ。サマー・オブ・ヘイトにならなければいいけれど……。とまれ。この音楽、ダンスフロア向きかどうかは議論の余地がありますが、ライヴハウスで暴れたい人にはコレでしょう。

 今年の夏はダンスの夏になる……だろうと、勝手に思ってました。いや、本当になるんじゃないかな。渋谷のContactも夏までは営業しているようだし、どうか、コロナの影響も最小限に、ダンスの夏になりますように。

 2016年7月に急逝したWOODMAN(2013年 ele-king vol.12に、ペイズリー・パークスとの対談あり)、彼が残した膨大な作品のなかから、1999年に制作、MACARONIMAN名義でリリースされた『Downtown Science』がレコード店JET SETによってアナログ化された。日本のフットワークや食品まつりにも影響を与えた彼のあまりにもオリジナルなプロダクションが聴けるチャンスです。チェックしてください。
https://www.jetsetrecords.net/i/814006021169/
 

Zettai-Mu “ORIGINS” - ele-king

 大阪の KURANAKA a.k.a 1945 が主催するロングラン・パーティ《Zettai-Mu》あらため《Zettai-Mu “ORIGINS”》の最新回が6月18日(土)@NOON+CAFE にて開催される。2020年以降の度重なる延期を乗り越えてきた同パーティだが、今回 KURANAKA は「30th Anniversary Historic Set」を披露するほか GOTH-TRAD、D.J.Fulltono、ntank と、豪華な面子が集合する。ぜひ足を運びましょう。

Zettai-Mu “ORIGINS"
2022.6.18 (SAT)
OPEN/START. 22:00 -

KURANAKA a.k.a 1945
[ 30th Anniversary Historic Set ] (Zettai-Mu)
GOTH-TRAD
(Back To Chill/DEEP MEDi MUSIK/REBEL FAMILIA)
D.J.Fulltono
(Booty Tune Records/Exit Records/Tekk DJ'z Crew)
??????
ntank (MAVE)
HARUKI
ランプ (sabato)
Vis (PAL.Sounds)
Ascalypso
PACONE
Somae'369
ZTM SOUND SYSTEM (Main Floor)
369 Sound (2nd Area)
and YOU !!!

at NOON+CAFE
TEL : 06-6373-4919
ADDRESS : 大阪市北区中崎西3-3-8 JR京都線高架下
3-3-8 NAKAZAKINISHI KITAKU OSAKA JAPAN
WEB SITE : https://noon-cafe.com
ZETTAI-MU WEB SITE:https://www.zettai-mu.net/news/2206/18/
FB EVENT : https://www.facebook.com/events/739754973706169

OPEN/START. 22:00
ADV. 1500yen (要予約)
DOOR. 2000yen
UNDER 23. 1500yen
※1D別*入場時に1DRINKチケットご購入お願い致します。

【予約登録リンク】
https://noon-cafe.com/events/zettai-mu-origins-yoyaku-6
※枚数限定ですので、お早めにご購入ご登録お願い致します。LIMITED枚数に達した場合、当日料金でのご入場をお願い致します

【新型コロナウイルス感染症拡大防止対策】
・マスク着用での来場をお願いします。
・非接触体温計で検温をさせて頂き、37℃以上の場合はご入場をお断り致しますので、予めご了承ください。
・店内の換気量を増やし、最大限換気を行います。

【お客様へご協力のお願い】
・以下のお客様はご来場をお控え頂きますようお願い申し上げます。
・体調がすぐれないお客様
・37℃以上の発熱や咳など風邪の症状があるお客様
・くしゃみや鼻水などによる他のお客様にご迷惑をかけする可能性があるお客様
・ 60歳以上の方のご入店をお断りしています。
・お年寄りや体の弱い方と同居するなど生活を共に行われている方のご来場はお控えください。
・体調がすぐれないとお見受けするお客様がいらっしゃいましたら、スタッフがお声がけさせて頂きます。

● SNS
Facebook --- https://www.facebook.com/zettaimu.jp
Instagram(@zettaimu) --- https://www.instagram.com/zettaimu
Twitter(@zettai_mu) --- https://twitter.com/zettai_mu


GOTH-TRAD

様々なアプローチでヘビーウェイト・ミュージックを生み出すサウンド・オリジネイター。
2001年、秋本"Heavy"武士とともにREBEL FAMILIAを結成。"METMORPHOSE"でのデビューライブを皮切りに、Fuji Rock Festivalなど多くの国内フェスに出演。 2007年までに5枚のシングル、3枚のアルバムをリリースする。 ソロとしては、2003年に1stアルバム『GOTH-TRAD I』を発表。国内でソロ活動を本格的にスタートし、積極的に海外ツアーも始める。2005年には、自作楽器・エフェクターを駆使した、実験的な2ndアルバム『The Inverted Perspective』をリリース。同年11月にはMad Raveと称した新たなダンス・ミュージックへのアプローチを打ち出し、3rdアルバム『Mad Raver's Dance Floor』を発表。
『Mad Raver's Dance Floor』に収録されたタイトル「Back To Chill」が、ロンドンのDUBSTEPシーンで話題となり、2007年にUKのSKUD BEATから『Back To Chill EP』を、DEEP MEDi MUSIKから12"『Cut End/Flags』をリリース。8カ国に及ぶヨーロッパツアーの中では、ロンドンの伝説的パーティー"DMZ"にライブセットで出演し、地元オーディエンスを沸かした。以降、海外を中心にリリースを続け、ヨーロッパ、南北アメリカ、オセアニア等、毎年、世界中でコンスタントにツアーを重ねる。2012年には待望のアルバム『New Epoch』をDEEP MEDi MUSIKからリリースし、Fuji Rock Festival 2012に出演。2009年~2014年にかけて、数々の欧米のフェスティバルにも出演してきた。 2015年、再びダブプレートのカットを始め、完全にVinyl OnlyのDJスタイルにシフトする。
アンダーグラウンドシーンで注目を集めるノイズコアバンド"ENDON"のリミックスを手がけ、5月にMerzbowのリミックスとのスプリット12"が、Daymare Recordingsよりリリースされる。12月には、日本が世界に誇るバンド"Boris"とのコラボレーションイベント"Low End Meeting"を代官山UNITにて開催し、共作"DEADSONG"を披露。 サウンドシステムを導入した、超重低音かつ実験的なアプローチのライブが話題となった。
2006年より始動した自身のパーティー"Back To Chill"は、2014年11月にREDBULL MUSIC ACADEMY TOKYOとスペシャルイベントを開催し、Back To Chillレーベルとして初となるコンピレーション"MUGEN"をリリースする。 記念すべきBack To Chill10周年を迎えた2016年、Boris、Dalekとの共作を収めた4thアルバム"PSIONICS"のリミテッド・ダブプレートバージョンを、特別会員限定でリリース。2017年4月には、台北のKornerにて、Back To Chill初の海外公演を開催した。
2018年9月、ヴォーカリスト"Diesuck"とノイズアーティスト"Masayuki Imanishi"と共に2017年に結成した新ユニット"EARTAKER"の1stデビューアルバム"HARMONICS"が、U.A.E.の気鋭レーベル"Bedouin Records"よりリリースされ、その新たなサウンドに注目が集まる。

A unique producer with a unique style, Goth-Trad has emerged from the Japanese electronic scene in the last decade as one of the most arresting artists from his generation. ‘The Sound Originator,’ Goth-Trad creates remarkable dance music with an abstract approach. Goth-Trad’s music career started in 1998. He soon formed Rebel Familia in 2001 with Takeshi ‘Heavy’ Akimoto (ex-member of Dry & Heavy) while continuing to work on his own. From abstract electronica to noise, from dub and reggae to jungle and rave music, grime to dubstep, Goth-Trad has always experimented and in the process developed his own unique style: blending influences and delivering music that is constantly evolving.
Between 2001 and 2004 Goth-Trad grew his notoriety on the Tokyo underground and went on his first European tour. He also released his first album, Goth-Trad I, and opened for The Mars Volta during their 2004 Japanese tour. His second album was released in January 2005, titled The Inverted Perspective it focused on the improvisational live style he had been developing in previous years and which he would continue to refine to this day. In March he played in Korea and in the summer established a new style called Mad Rave. ‘Mad Rave’ is Goth-Trad’s own take on dance music, refined and musically distilled through years of work.
This led to his third album, Mad Raver’s Dance Floor released in November 2005. Over 10 tracks the album condenses more than 10 years of dance music into an amalgamation of styles which flows seamlessly. The release tour for the album travelled to Berlin, Paris, Metz, London and 8 Japanese cities.
It was with this third album that Goth-Trad would finally break into the international market during 2006 thanks primarily to one track - Back To Chill - which would soon become synonymous with the Japanese dubstep scene. Inspired by the grime sounds he’d heard in London in previous years, Back To Chill also became the name of Goth-Trad’s monthly dubstep night in Tokyo - set up in 2006 - and saw a release on the UK label Skud Beats, his first official single on a non-Japanese label. At the same time Goth-Trad embarked on his fourth European tour, where he met with dubstep pioneer Mala from Digital Mystikz, at the seminal dubstep night FWD>>. This meeting led to Goth-Trad being signed to Mala’s Deep Medi Musik label and become a fixture of the international dubstep scene, which from 2006 onwards grew at an exponential rate and Goth-Trad soon became one of the genre’s most recognised and loved international artists.
From 2007 onwards Goth-Trad received increased support, respect and interest from across the dubstep and electronica scenes worldwide with people like The Bug, Kode 9, Blackdown, Juju and Skream all playing his music and sharing stages with him. Mary Ann Hobbs was also an early supporter on her Breezeblock show on BBC Radio 1.
Goth-Trad released his first 12” single for Deep Medi Musik in 2007, Cut End. That same year he also released a new Rebel Familia album, includ- ing collaborations with legends Arie Up and Max Romeo. He continued to tour extensively in Japan as well as starting more regular European tours where he appeared at the legendary DMZ dances among others. His eclectic and varied live show made him a firm favourite of European audiences and he has toured Europe every year since 2007.
In 2008 he released singles on both Skud Beats and Soul Jazz Records and for the first time he toured China in April. At the same time he continued to grow the Back To Chill nights in Tokyo providing a platform for the burgeoning Japanese dubstep scene. Over the coming years the night would see new Japanese talent added to the resident line up and play host to both local and international guests.
From 2009 to 2011 Goth-Trad continued to tour in Europe, Japan and Asia and released singles on Deep Medi Musik as well as remixes for European and Japanese artists leading to the Babylon Fall EP in late 2011, the precursor to New Epoch his fourth album. New Epoch was released on Deep Medi in early 2012 and marked Goth-Trad as one of the most important voices in dubstep. The album received praise from around the world with the UK’s FACT Magazine heralding it as one of the best dubstep albums of the year.
With New Epoch marking yet another milestone in Goth-Trad’s career, the Japanese one-man army - as Kode 9 once referred to him - is set to continue on his unique path. Always charting new territories while staying true to what motivates him: making good and honest music that reflects the world around him.
After the release of New Epoch, Goth-Trad embarked on his worldwide tour across Europe, US and Asia including many Festivals such as Coachella, Fuji Rock, Outlook Festival, and Lockdown (Natherlands) to name a few. During the tour Goth-Trad was involved with various projects including the Dubspot workshop in New York and a project in Japan called “Z-Machines”, where he was asked to produce a piece of music for the first ever Robot Band. In the UK Fabric, invited him to play and also asked Goth-Trad to provide a mix for the event, around this time Goth-Trad was asked to remix Danny Scrilla and Lea Lea, Goth Trad showed his new direction on both remixes, especially “Lea Lea - Black Or White (Goth-Trad Remix)“ awarded 3rd place on XLR8R’s Best of 2013 : Top Downloads.
Alongside producing and touring, Goth-Trad still runs Japan’s most famous bass driven club night, Back To Chill in Tokyo city every month, inviting the newest local producers to play alongside the scene’s for runners such as The Bug and Kode9.
Not only do Goth-Trad and his team organize and curate the event with cutting edge, stunning visuals but Goth-Trad also provides the sound pressure with his very own soundsystem. In 2014 he collaborated with Red Bull Music Academy Tokyo for “Back To Chill - A Red Bull Music Academy Special Party” which invited American sludge metal band “The Body”. In November 2014, he started his own Back To Chill label.
In 2015, GOTH-TRAD found a dubplate cutting studio “Was Alchemy” near his house, and he restarted cutting dubplates. As can be seen from his approach like the remix for Japanese noise core band “ENDON” and a collaboration with Heavy Rock Band “Boris”, his music was becoming more alternative. In 2016, his Back To Chill night had the 10th Anniversary, and he released very limited Dubplate & USB digital album “PSIONICS”. He featured “Boris” and American Experimental Hiphop MC “Da¨lek” on the limited dubplate.

★ GOTH-TRAD WEB SITE --- https://www.gothtrad.com
★ Facebook --- https://www.facebook.com/gothtrad
★ Instagram --- https://www.instagram.com/gothtrad
★ Twitter--- https://twitter.com/GOTHTRAD
★ Soundcloud --- https://soundcloud.com/goth-trad
★ BACK TO CHILL WEB SITE --- https://backtochill.com


KURANAKA a.k.a 1945 (ZETTAI-MU from Japan)

Born in Kyoto, Japan. He is a descendant of the temples of the one of the most famous Buddhist monk in Japan history, the initiator of the Buddhist incantation chanting, drumbeating, and dancing (origin of the Bon festival dance).
 He makes full use of his 11 faces and 1000 arms to continue to be the beacon of peace and revolution, from his underground performances in Japan. His riddim to be combined with his open minded instruments that build-up upon, the Super heavyweight bass that goes back and forth with the whole body, with dub effects that of a beast, letting the floor dance madly with joy.  He is a Dub. Jungle and Sound system music pioneer who has been the undisputed leader in the genres for about 30 years. He has performed at over 2000 gigs, and has organized more than 500 Dances until now. He has organized w famous and important Dance in Japan "Zettai-Mu" began in 1995 (Bay Side Jenny, Namura Shipbuilding, Noon, Liquidroom, Unit, Yellow, Eleven, AIR, Rockets, Motherhall, Quatro, Circus, Open Air and more) it will be 25th anniversary 2020!! and then "Outlook Festival Japan" (ageHa Studio Coast, Sound Museum Vision and more) also "Exodus Island " "A Taste Of Sonar (its first time in Asia Sonar Festival)" "International Dub Gathering Jahpan" as well. He performs about 100 gigs a year for more than 25 years, and tour pilgrimages more than 50 times including Japan, Asia, UK, Europe , British London, Spain "International Dub Gathering" "Outlook Festival" and then active in the Asian countries including Beijing, Shanghai, Hong Kong, Korea, Taiwan, the Philippines, Vietnam, Thailand etc in recent years. and also He did use Sound System for Bass music first time in japan.
 Kuranaka (a.k.a 1945) also has been hugely successful with festival appearances throughout Japan, such as the Fuji Rock Festival, Rainbow 2000, Asagiri jam, Metamorphose, Earth Dance, Saturn, Dommune, Nagisa, Mai Music Festival , Outlook Festival and Sonar Festival. such as art museums (Yokohama Art Museum , Kyoto Museum of Art , London ICA etc), the Valley and seaside, Club Hall of city, the Gap of Building and the top of Desk, and the Your Ears.
and then He declined the offer of contract from many major label of japan also world. chose this way staying normal.
 Kuranaka has also toured Japan with Dub Reggaes such as Lee perry, Jah shaka , Aba shanti-i , Mad professor , Zion Train , Adrian Sherwood , Dennis Bovell etc. then Drum and Bass / Jungles such as Roni size Reprazent, Congo Natty, Shy fx, Andy C and many. More then he play with Daftpunk , James Blake , Darren Emarson Underworld , Ash Ra Tempel , Atari Teenage Riot and many more in First visit japan show. he also Performed Flyng Lotus , Battles , The Orb , Smith&Mighty , Cold cut Ninja Tune etc. ofcouse he also with Japanese Acts such as Boredoms, Dj Krush , Audio Active , Tha Blue Herb , Dry&Heavy , Oki dub ainu , Goma , Goth-trad and many more.
 He perform live set with "Kazufumi Kodama" of Japanese reggae originator from Mute Beat. also Didgeridoo player "Goma" and then The controversial product "the Constitution of Japan" developed by a combination with "Shing02" for two International Art Festival (Yokohama Triennale, Kyoto Parasophia) It was created and released for one year.
 He also creates and plays music with Heavy (Dry&Heavy, Rebel Familia), Ao (Dry&heavy), Goma (didgeridoo), Coba (Accordion), NHK Koyxen, E-da(ex.Boredoms), Iccihie (ex.Determinations) , Tokona-x etc. He released (suchas) DJ Spooky , DJ Vadim also The Bug as the name of "MOU", which is the pioneer Future Beat Music "Electlic Lady Land" from the well-known German's "Mille PlateauxI" Moreover, as the name of "Kuranaka", he attended compilation of "Kyogen" with Calm, Shing02 and so on. Furthermore, as the name of "1945", he released featuring alongside ex-Dry&Heavy's bassist, "Akimoto Heavy Takeshi". also released Mixs called "TIGHT" from "Entotsu Recordings". He(and his Live CDs) amassed the sold out sales including all the titles. As a remixer, he sends deep world, dissembles and reconstructs masterpieces done by On-U Sound (UK) Audio Active , Rebel Familia, Churashima Navigator, Original Love, Jun-Gold (Tha Blue Herb Recordings) and so on. The strong beats with the message is down to earth and very sensitive but mighty sense of "Past", "Now", and "Future". We are fighting against the monsters of our own creation. Remember 1945, Peace one love Harmonic future !!
 Japanese written "クラナカ" also his name in long time ago. and then "The Kaoss Pad" used habitually all over the world is.. Delay, Reverbe, Siren.. It was developed by him. and the his model "Siren Machine" thats using Mala (Digital Mystikz) also The Bug etc.  The message carried out from his strong beat, reaches those of whom both legs are grounded to our earth, is delicate, yet, powerful.. the 21st century taiko drummer, waves his flag to peace and love for a harmonic future. Somewhere, now today.

★ Zettai-Mu --- https://www.zettai-mu.net
★ Outlook Festival Japan --- https://outlookfestival.jp
★ Facebook --- https://www.facebook.com/zettaimu.jp
★ Instagram --- https://www.instagram.com/zettaimu
★ Twitter(@zettai_mu) --- https://twitter.com/zettai_mu
★ Sound Cloud -- https://soundcloud.com/kuranaka1945


D.J.Fulltono

大阪を拠点に活動。レーベル〈Booty Tune〉主催。2014年に発表したEP『My Mind Beats』は、米国の音楽メディア『Rolling Stone』年間チャートに選出。ポーランドの『UNSOUND FESTIVAL 2016』出演。2019年、dBridge主催レーベルEXIT Recordsより “Before The Storm EP” をリリース。
シカゴのジューク・フットワークサウンドを、自身のルーツであるミニマルテクノ的な感性でミックス。また、CRZKNYとのプロジェクト〈Theater 1〉や、Skip Club Orchestraらとの〈Draping〉等、160BPMに拘りながら日本発進の独自スタイルを追求している。

Footwork/Juke DJ and Track Maker. from Osaka Japan
DJ/track maker DJ Fulltono comes from the Kansai region, Japan. He runs a label “Booty Tune”. Host of a party “SOMETHINN”. A prolific writer of Juke/Footwork for international medias. Based in Juke / Footwork , his voracious style includes Ghettotech, Electro, Chicago House, and so on. He provides Planet Mu and Hyperdub with privilege DJ MIX CDs. In the mix for Concept Radio, a Spanish web magazine, He pursues Techno-style Juke. In May 2015, he released his 6th EP “My Mind Beat Vol.02. The first one,”My mind beats vol.1”was selected ““20 Best EDM and Electronic Albums of 2015” by the media in US ” Rolling stone ” and that obtained an evaluation from the fan in the world.

★ D.J.Fulltono WEB SITE --- https://djfulltono.com
★ Facebook --- https://www.facebook.com/djfulltono
★ Instagram --- https://www.instagram.com/djfulltono
★ Twitter--- https://twitter.com/djfulltono
★ Soundcloud --- https://soundcloud.com/dj-fulltono


ntank

2000年さいたま市生まれ、京都在住。 自身のパーティMAVEを京都West Harlemにて主宰。日本各地からゲストを招聘し、ダンスミュージックを主軸にバラエティあるパーティとなっている。 様々なジャンルを横断しながら自由に駆け抜けるプレイを得意としている。 また、大阪や神戸等の関西圏だけでなく名古屋や、東京など様々なエリアにてプレイを重ねている。

★ Instagram --- https://www.instagram.com/_ntank
★ Twitter--- https://twitter.com/_ntank
★ Soundcloud --- https://soundcloud.com/ntank

Salamanda - ele-king

 韓国のエレクトロニック・ミュージックが熱い。ドリーミーな電子音を響かせるソウルのデュオ、サラマンダが3枚目の新作をNYのレーベル〈Human Pitch〉から6月10日にリリースする。アルバムにはレゲトンやダブの要素もあるようだ。

 ほかにも、Yeong DieBela (マスタリングやアートワークはジェシー・オズボーン=ランティエ)、haepaary などなど、近年ソウルから個性豊かなエレクトロニック・ミュージックの作り手が続々と登場してきている模様。要注目です。

独自の感性でベッドルームとフロアを横断するミニマル~アンビエント・ミュージックを探求する韓国ソウルを拠点とするプロデューサー/DJデュオ、Salamanda(Uman Therma / Yetsuby)がNYの新進気鋭レーベルHuman Pitchとサインしてサード・アルバム『ashbalkum』を完成し、待望の日本デビュー!
ユニークなパーカッシヴ・アレンジをアクセントにデュオ編成の斜め上を行くリズムの器用さと遊び心に満ちたユニークで魅力的なサウンドで超現実へと導く!

本作『ashbalkum』は、私たちがどのように周りの世界と関わっているのか、私たち自身の存在、言語、そして自然そのものが無限に変化しうるという、魅惑的な見解を示している。

2021年の夏、甘い夢と美しい悪夢の間にあるシュールな風景の中で書かれた『ashbalkum』は、私たちの騒がしい現在を反映した遊び心のある静けさにアクセスする。遠くの親密さと静と動、立ち止まりながら動き、すぐ頭上に迫る黙示録前の世界の圧力から辛くも逃れることができる。

喜びと友情と実験に満ちた彼らの共同エネルギーによって、Salamandaは聴き手をさらなる超現実へと導いてくれ、そのサウンドは、まったく新しい境地に到達し、ただ楽しく、今を生きることを目的としている。

私たち自身と自然界との間で交わされる同調性とイントネーションは、万華鏡のような動きのある色合いに変化しながら、鮮やかな幾何学模様に溢れ、調和のとれたトーンの繭の中に織り込まれている。映画音楽の世界観、クラブの輝くような多重性、ミニマルな作曲の大胆なステートメントに対する二人の共通の愛が、ユニークで魅力的な音楽ヴィジョンに遊び心を持って再構築されている。ヴォイスは楽器のように抽象化され、心地よいブレス・ワーク、レイヤー・コーラス、催眠的ポップの破片が交互に現れ、やがてガス状の蒸気のうねりに消えていく。アグレッシヴなレゲトンのスネア、デンボウのリズム、ダブの時間軸と空間認識の広がりなど、それぞれの楽曲にユニークなパーカッシヴ・アレンジが施されている。デュオ編成の斜め上を行くリズムの器用さには遊び心があり、不遜な構成と蛇行するドラムワークのバランスを保ちつつ、決してダンサブルさも損なわず巧みなバランスで構築されている。

『ashbalkum』の名前の由来は、韓国語で「現実」が「夢」であることに気づくという、象徴的かつ音韻的な再解釈から来ている。このユーモラスな実存主義を新しい意味に変換することが、ashbalkumの核心となるものである。

夢は常に私たちの考えを反映していますか? 私たちが夢の中で感じることは本当ですか?
最終的にサラマンダは、これらの質問に答えようとするのではなく、そのすべての楽しい限界に喜びを感じている。

Artist: Salamanda
Title: ashbalkum
Cat#: ARTPL-170
Format: CD / Digital
※日本独自CD化
※ボーナス・トラック1曲収録
Release Date: 2022.06.10
Price (CD): 2,000yen + tax

Track List:
01. Overdose
02. Melting Hazard
03. Rumble Bumble
04. Mad Cat Party (feat. Ringo the Cat)
05. Living Hazard
06. Coconut Warrior
07. Hard Luck Story
08. Kiddo Caterpillar
09. Stem
10. Catching Tails
11. Cold Water Manufacture [Bonus Track for Japan]

https://www.artuniongroup.co.jp/plancha/top/releases/artpl-170/

Pervenche - ele-king

 ele-king books でもデザインでお世話になっているお二方が所属する東京のギター・ポップ・バンド、1995年から活動をつづける Pervenche(ペルヴァンシュ)がなんと、2001年のファースト・アルバム以来となる2枚目『quite small happiness』をリリースする。20年前からつくりためてきた楽曲に加え、ボブ・ディランとピーター・アイヴァースのカヴァーも収録。レーベルは〈KiliKiliVilla〉、8月8日発売。「小さな幸せ」とのことで、どんな音楽が鳴っているのか楽しみだ。

40年後の遠い渚、もしくはノース・マリン・ドライブ
ポストパンク以降脈々と流れ続けた地下水脈、変わらぬ気持ちによって濾過されたピュアなサウンドが2022年の東京にひそかに湧出
ヴエルヴェッツ発ポストパンク経由ギター・ポップゆきの静かでながい旅

『quite small happiness』
 2001年リリースの1stアルバム『subtle song』から20年を経ての2ndアルバム。1stアルバム収録曲から3曲をリアレンジ、2001年当時から創り貯めた曲からセレクトした7曲にBob DylanとPeter Iversのカバーを含めた計12曲を収録。タムもしくはスネアだけのミニマムなリズムセクションの上にクリーントーンのギターとイノセントなボーカルによる、ポストパンクのビックバンから飛散した胞子の一粒。「The Velvet Underground III」の仄暗さと暖かさ、「Young Marble Giants」の孤独と癒し、「The Beat Happening」の先鋭と静謐、「Florist」の哀しみと優しさ。これら彷徨う魂に触発された、実験性と優しさが同居したフォークロック・アルバム。
 セルフプロデュースによるDIYレコーディングでの制作。元800cherriesのタカハシマサユキによるレコーディングとミックスはリビングにチューブアンプを持ち込んでライブ録音したような親密でいて蒼い炎のゆらめきを思わせる音像。皆さんの新たなスタンダードに加えてもらえたら、そんな小さな幸せを期待してこの作品をお届けします。

Pervenche
『quite small happiness』

8月8日発売
KKV-138VL
LP+CD
3,850円税込

収録曲
Side-A
1. Be Long
2. Cat Horn(Good Night)
3. Blue Painting
4. I'll Keep It With Mine
5. Simple Life
6. Out of The Room
Side-B
1. We Surely Become Happy
2. I Think So
3. Miraculous Weekend
4. Fade Away
5. Quite Small Happiness
6. What's New

Pervenche
1995年、Clover Recordsの創設者であるサイトウマサトのバンドPeatmosとして活動を開始し、1997年からPervencheへ改名。1998年のフランス・ツアーを経て、2001年に1stアルバム「subtle song」をリリース。800 cherriesのタカハシマサユキを加えたラインナップで2016年から活動を本格的に再開し2ndアルバム「quite small happiness」を制作。タムもしくはスネアだけのミニマムなリズムセクションの上に蒼い炎のゆらめきを思わせるクリーントーンのギターとイノセントなボーカル。Feltなどのポストパンクに触発された実験性と優しさが同居したフォークロックバンド、もしくはフォークの影響を受けたYoung Marble Giants。

LPと同時発売のCDは2枚組でリリース、2010年に録音した未発表プロトバージョン。
1stアルバムからのミッシングリンク『Another Quite Small Happiness』にプレ・ペルヴァンシュ Peatmosの音源を収録。

Disc 1 収録曲
01. Be Long
02. Cat Horn(Good Night)
03. Blue Painting
04. I'll Keep It With Mine
05. Simple Life
06. Out of The Room
07. We Surely Become Happy
08. I Think So
09. Miraculous Weekend
10. Fade Away
11. Quite Small Happiness
12. What's New

Disc 2 収録曲
Pervenche - Another Quite Small Happiness
01. Simple Life
02. Quite Small Happiness
03. Cat Horn(Good Night)
04. Out of TheRoom
05. Mess
06. Blue Painting
07. Earl Gray Tea
08. What's New
Peatmos - Watching Us With Archaic Smile
09. earl grey tea
10. many suns
11. to my little friends
12. mad cow disease
13. mess
14. picnic
15. d'yer wanna dance with kids
16. out of the room
17. blue painting
18. play the wind

Cate Le Bon - ele-king

「立ち上がり、歩くこと。立ち上がり、歩くこと。彼がつまづかないことを示すこと。彼は大丈夫だ。大丈夫なのだ」。ジェームズ・ケルマンの『how late it was, how late』における主人公で、グラスゴー人のサミーは、家路につこうとするが、体が言うことをきかない。酔っぱらって頭にかかっていた靄はやがて晴れる。しかし彼は自分が一歩一歩、手と足を使って、身を隠すために奔走していることに思い当たる。

 哲学の勉強のためにグラスゴーを歩き回った4年間で、私は移動することに価値を見出すようになった。飲酒文化が特に有名なこの街における「移動」は、少し飲み過ぎた後でも安全に家に帰れるということを示している。6年ほど前に東京に引っ越してからは、酒の量は減った。しかし定期的に東京の終わりのない通りや小道をぶらぶらと歩き回るようになった。決まった目的地がないときには、歩いているだけで気分が高揚する。

 しかし、多くの人と同じように、パンデミック以来、私は室内から外を見て過ごすことが多くなった。ここ数年は、スコットランド文学を追いかけたり、様々なアーティストやコメディアンがTwitchというストリーミング・プラットフォームに活動の場を移していくのを見守ったりしている。そのなかでの個人的なハイライトのひとつは、「Rust」というゲームで自分の仮想上のクラブ・ナイトを作り、主催した Murlo だ。また、ちゃんとしたヘッドフォンを購入したことで、ポップとエクスペリメンタルを横断するような音楽への興味が再燃した。

 スコット・ウォーカーの “It's Raining Today” を青写真に、私は、私の感覚をぶっ壊すような「歌モノ」の音楽をいつも探している。過去10年間では、ジュリア・ホルターの “エクスタシス” や、ディーズ・ニュー・ピューリタンズの “フィールド・オブ・リーズ”、クワイア・ボーイの “パッシヴ・ウィズ・ディザイア”、ガゼル・ツインの “パストラル・アンド・ソフィー”、オイル・オブ・エヴリー・パールの “アン・インサイド” の際立った、シュールな構造と興味深い歌詞に大きな影響を受けた。マルチ・インストゥルメンタリストでシンガー・ソングライターのケイト・ル・ボンの2019年のアルバム『リワード』が出たとき、アルバムではなくシングルのループ再生の面白さに気づくときまで、また別のお気に入りのアルバムを見つけたと思ったものだ。しかし3年後の新しいアルバム『ポンペイ』には、あらゆる意味で興奮させられた。

 ル・ボンは、グラスゴーの賑やかな通りから離れたウェールズの田舎で育った。しかし、スコットランドや英国の他の地域と同様に、ウェールズもパンデミックによって特に大きな打撃を受け、政府の厳しい規制によって、彼女は7枚目のアルバム『ポンペイ』の制作を受け入れることを余儀なくされた。「レコードを作るときは、どこかに行って、自分を真空のなかに置きたいんだ」と、ル・ボンは最近のインタヴューで語っている*。パンデミックが発生したとき、彼女はアイスランドにいて、ジョン・グラントの『ザ・ボーイ・フロム・ミシガン』の制作作業を終えていた。このアルバムにおける温かいプロダクションは、グラントによる、この世のものとは思えないアメリカ中西部の疲弊した物語の端々を包み込んでいる。状況が悪化したとき、彼女はなんとかウェールズに戻ることができたが、カリフォルニアにある彼女の家からは、遠いところにいなければならなかった。

 では(外的な状況によって、移動が)できないとき、人はどうやってどこかに行くのだろうか? ル・ボンの場合は、旅を内側に向け、外部からの交通が停止に近い状態で、ロックダウン中のアルバムに広大な地表を織り込むことによってだった。

 オープニングの “ダート・オン・ザ・ベッド” では、サックスとベースの方向の違いが、「移動」をシミュレーションする。サックスが、ひっかかったかのようなオフ・ビートで、音の粒子に逆らって仰け反らせる間に、重みのあるベース音が勢いよくスイングし、前方の道を探る。サム・ゲンデルとサム・ウィルクスによる『ミュージック・フォー・サクスフォン・アンド・ベース』は、当時ヘヴィー・ローテーションされていたはずで、それをこの二元論的なレコードの、オルタナティヴなタイトルにすることは容易だったはずだ。サックスはドラムスとともに、彼女が外部に委託している唯一の楽器でもある。

 低音域での歌唱がニコと比較されることもあるが、ここでのル・ボンのヴォーカルは、他の誰の声にも聞こえないくらい際立っている。『ポンペイ』のサウンドの方も、デビュー作『マイ・オー・マイ』のチェンバー・フォークや、2016年の『クラブ・デイ』の生き生きとしたポスト・パンクから離れたものになっているが、完全に異なるわけではない。アルバムのピークはメロウになり、それは、ロキシー・ミュージックのシンセサイザーと一緒に、雑談で時間を潰すには不安にすぎる、80年代のどこかに存在している。なにしろ、外では嵐が吹き荒れているのだから。

 シングル曲 “モデレーション” のプレ・コーラスでは、「節度を、持つことができない。そんなものはいらない。それに触れたい」と、すべてが快調ではないことのしるしが現れる。思考が流動的になり、「できない(can't)」は「いらない(don't want)」へと後退し、それが「したい(want)」へと反転していく。長い孤独のなかで、最大の敵である自分の心の揺らぎを前にして、自分自身のアイデンティティや価値観が混乱に変わっていく。やがて晴れやかなギターが輝きはじめ、泣き叫ぶようなサックスがヴォーカル・ハーモニーからそれていく。そして、ル・ボンは自分自身が「混乱に縛られている」ことに気づく。

 しかし、なお『ポンペイ』は前方へと進んでいる。それぞれの曲は、より広いタペストリーのなかで、際立った位置づけを保持している。不確かな曲たちは去り、その後には風景の変化が待っている。水平線には穏やかさが増しているのだ。晴朗な “ハーバー” では、彼女は自らのヴォーカルの低音域を捨てさり、浮遊感のあるファルセットを好んで使用している。彼女は、これまででもっともキャロライン・ポラチェクのように演奏していて、ゆったりとしたシンセ・ポップ的グルーヴは、ブルー・ナイルのレコードに収録されても違和感がないものだ。

 最終曲の “ホイール” に至るまで、ル・ボンはヨーロッパの海岸線と、自然災害の現場を、安全に航海してきた。「目には見えない都市のフランスの少年たち」(“フレンチ・ボーイズ”)から “ポンペイ” の「記念碑的な怒りの上に作られた都市」まで、である。泣き叫ぶサックスは鳴りを潜め、ベースは誇らしげに行進する。自己が回復し、この力強く、感動的なレコードは終わる。

 我々は元気を取り戻し、歩いている。我々はそれを乗り越えたのだ。

* https://www.undertheradarmag.com/interviews/cate_le_bon_on_pompeii

written by Ray Chikahisa

“Up and walking, up and walking; showing here he wouldnay be stumbling; he wouldnay be toppling, he was fine, he was okay”. Sammy, the Glaswegian protagonist in James Kelman’s how late it was, how lateis trying to make his way home, but his body is not cooperating. His drunken fog eventually clears, but he still finds himself scrambling for cover, using his hands and feet to navigate each step.

In the four years I spent walking around Glasgow studying for a philosophy degree, I came to value being on the move. Especially in a city famed for its drinking culture, being on the move means you’re safely returning home after a few too many drinks. Since moving to Tokyo almost six years ago, I drink less, but regularly head out to wander aimlessly through the city’s never-ending streets and pathways. Without a set destination, being up and walking takes on a state of mind.

Still, like many others, since the pandemic I have been spending a fair amount of time indoors looking out. In the past few years I have been catching up on Scottish literature, and watching various artists and comedians transition over to streaming platform twitch - one of my highlights being Murlo building and then hosting his own virtual club night on the video game Rust. I’ve also invested in a decent pair of headphones and resumed obsessing over music at cross-sections of pop and experimental.

With Scott Walker’s ‘It’s Raining Today’ as my blueprint, I’m always on the hunt for vocal music that subverts the senses. In the past ten years Julia Holter’s Ekstasis, These New Puritans’ Field of Reeds, Choir Boy’s Passive With Desire, Gazelle Twin’s Pastoral and Sophie’s Oil Of Every Pearl's Un-Insides have all affected me in a big way with striking, surreal architecture and lyrical intrigue. When multi-instrumentalist and singer-songwriter Cate Le Bon’s 2019 album Reward came out, I thought I’d found another favourite until I realised I was stuck in a listening loop with the singles and not the album. But three years on, and a new album had me all kinds of excited.

Le Bon grew up in the Welsh countryside, far removed from Glasgow’s busy streets. But like Scotland and the rest of the UK, Wales was hit particularly hard by the pandemic, and strict government restrictions forced her to adapt for her seventh album Pompeii. “When I make a record, I want to go somewhere and put myself in a vacuum,”* remarked Le Bon in a recent interview. When the pandemic hit, she had been in Iceland finishing up her production work on John Grant’s The Boy From Michigan - an album whose warm production grips at the edges of Grant’s weary tales from an otherworldly American Midwest. When conditions got worse, she had managed to return to Wales, but was kept apart from her home in California.

So how do you go somewhere when you can’t? In the case of Le Bon, you turn your travels inward, and weave an extensive geography into your lockdown album as external traffic nears to a standstill.

Right from the start of opener ‘Dirt On The Bed’, movement is simulated by the contrasts in direction from the saxophone and bass. Weighted bass notes swing forth with momentum, scouting the path ahead while saxophones, often snagging on an off-beat, brush back against the grain. Sam Gendel and Sam Wilkes’ Music for Saxofone and Basshad supposedly been on heavy rotation at the time, and it could easily have been an alternative title for this dualistic record. The saxophones, together with drums, are also the only instrumentation she outsources.

While comparisons to Nico follow her in the lower registers, by this point, Le Bon’s vocals are so distinctive it’s hard to hear anyone else. The sound of Pompeii has also moved on from the chamber-folk of her debut My Oh My, and the lively post-punk of 2016’s Crab Day, but not entirely. Its peaks have mellowed, it’s somewhere in the 80s, with a hand on Roxy Music’s synthesizers, but too anxious to stick around for the schmooze. After all, there’s a storm building outside.

Signs appear in the pre-chorus of single ‘Moderation’ that all is not well, ‘Moderation, I can't have it, I don't want it, I want to touch it’. With stream-of-thought fluidity, ‘can’t’ regresses into ‘don’t want’ which then flips into ‘want’. Our own identities and values turn to soup when facing our greatest adversary in times of prolonged isolation - our own wavering mind. Before long bright guitars begin to spark, wailing saxophones veer away from aligned vocal harmonies and Le Bon finds herself “tethered to a mess”.

And yet Pompeii travels onwards. Each song has its own distinct location within a wider tapestry. Songs of uncertainty depart, a change of scenery awaits, and calm grows in the horizon. Take the serene “Harbour,” where she casts aside the sobering lower registers of her vocal range in favour of buoyant falsetto. It’s the most she’s ever sounded like Caroline Polachek, and the slow-burner synth-pop groove wouldn’t be amiss on a Blue Nile record.

By the time of final track ‘Wheel’, Le Bon has navigated safe passage through European coastlines and sites of natural disaster, from the ‘French boys in invisible cities’ to Pompeii’s ‘Cities built on monumental rage’. The wailing saxophones have simmered, and the bass marches on proudly. The self is restored, and so draws this emphatically moving record to a close.

We’re back up and walking. We made it through.

* https://www.undertheradarmag.com/interviews/cate_le_bon_on_pompeii


interview with Shintaro Sakamoto - ele-king

 この20年のあいだにリリースされた日本の音楽において、傑出したプロテスト・ミュージックに何があるのかと言えば、ぼくのなかでは、たとえばゆらゆら帝国の『空洞です』と坂本慎太郎の『ナマで踊ろう』が思い浮かぶ。が、その解説はいまはしない。いまはそんな気持ちになれない。イギリスでウェット・レグが売れるのも理解できる。いまは誰もが楽しさに飢えているのだ。
 しかしその背景は決して幸福なエデンなどではない。『物語のように(Like A Fable)』——この思わせぶりな言葉が坂本慎太郎の4枚目のアルバム・タイトルで、前作『できれば愛を』が2016年だからじつに6年ぶり、オンラインメディアがそのみだらな馬脚を現す前の話で、ドイツはなかば理想的な環境先進国だと信じられて、円安もいまほど深刻に思われていなかった時代の話だ。いや、無粋なことは言うまい。いまは誰もが楽しさに飢えているのだ。ぼくだってそうだ。しかしそんなものどこにある?
 この難問に対峙したのが、『物語のように』ではないのだろうか。アルバムは、キャッチーで、ポップで、メロディアスで、スウィートなのだ——と、知性も教養もない言葉を連発してしまった。このインタヴューの終わりには、(いつになるのかわからないが)語彙の多さに自信を持つ松村正人なる人物の文章が入ることになっているので、そのときが来たら自分の程度の低さはいま以上に際立つだろう。それでもかまわない、このアルバムをなるべく早く紹介すること、なるべく多くの人に聴いてもうこと、それがいまの自分に与えられた使命なのだ。
 取材日は、5月だというのに寒い雨の日で、場所は恵比寿リキッドルーム。その日は公演がなく、場内の明かりや人気も無く、がらーんと静かで、広々としているが暗く寂しい空間だった。これが取材の演出だとしたら見事なものだ。坂本慎太郎は、変わりなく、いつものように言葉少なめに淡々と話してくれた。一見、エネルギーが欠如しているように見えるかもしれないが、アルバムに収録された各曲を聴いたら改心するだろう。それから、そう、最後にあらためて言っておくことがある。ぼくは必然的に、この2年ほど世界の無慈悲な変化に対しての反応をおもに音楽を通して見てきているが、『物語のように』もそうしたなかの1作である。(野田)

本当は全部青春っぽい歌詞にしたいんですけど。『アメリカン・グラフティ』もそうだし、ロカビリーとかも。でもやっぱり、俺が学園生活の恋愛とか喧嘩とか、自分のないもの出せないし、青春ぽくも読めるけどリアルな自分の年齢のぼやきにも取れるギリギリを狙っていて。

すべての曲が魅力的で、無駄がないというか、ぼくの印象を言うと、メロディアスで、スウィートなアルバムだなと、キャッチーなアルバムでもあると、そう思いました。もっとも坂本慎太郎のアルバムにはつねに際どさがあって、言葉もメタファーになっていることが多いので、その表面の下にあるものが何なのかをお話いただければと思います。インターネットに載るインタヴューですから、どこまで話していただけるかわからないですけど。

坂本:はい。

"それは違法でした"は何がきっかけで作られた曲なんですか?

坂本:歌詞ってことですか? きっかけはなんですかね。ポロッとできたんですけど。

何か出来事があって、それがきっかけではなかった?

坂本:うーん……。

でもこれ、コロナ以降、ぐしゃぐしゃな世のなかになってからのアルバムなわけですよね?

坂本:はい。曲はコロナ前から作り溜めてたんですけど、歌詞がなかなかできなくて。

何かあった都度に書き留めたというより、最近ばーっと書いたんだ?

坂本:早くても去年の夏くらい。1年以内に全部書いてる。

じゃあアルバム作りの起源みたいなものがもしあるとしたら、いつになるんですか?

坂本:えーと、去年7月にLIQUIDROOMでライヴをやって、フジロックもやったのか。たぶんフジロックが終わってから、バンドで今回の曲の……いや、その前からやってるな。6月とか7月とかに曲をリハーサルしだして、12月にレコーディングをはじめたんですよ。それまでに8曲ほど練習して、でもその段階では全部の歌詞ができてるわけじゃなくて。できてるのもあったんですけど。3月に完成したんですけど、レコーディングしながら曲作り足したり、歌詞完成させたりという感じですね。

それだと起源はどこになるんだろう?

坂本:デモテープみたいなのは前のアルバム出してからコツコツ作ってたんで。

▲:いちばん古いのなんなんだろう?

坂本:1曲目ですね。これだけ家でデモテープを作ったときの音をそのまま使ってて。

リズムは、エレクトーンかなんかのプリセット音?

坂本:これはマエストロの古いリズム・ボックス。家で録ったやつで、歌とホーン・セクションだけスタジオで生で録りました。

この曲を1曲目に持ってきたのって何?

坂本:……他に置き所がないから。

一同:(笑)。

アルバムを前半と後半に分けて考えました?

坂本:分けては考えないですけど、流れは考えました。

それはサウンドの流れ? 言葉の流れではなくて?

坂本:言葉の流れも関係するのかもしれないですけど、曲を聞いててしっくりくる流れを考えました。いまはそんな聴き方する人いないらしいですね。

一同:(笑)。

坂本:前の取材で「今回曲順は考えたんですか?」と聞かれて、「当然考えましたけど」と言ったら、いまは曲順を考えない人がいると言われて衝撃を受けました。

サブスクの悪影響だね。

坂本:前回は2016年に出たんで、日本にspotifyが入る直前だったんですよね。だから今回は、あのときとは全然状況が違う。

ぼくからするともったいない聴き方だよね。アルバムを楽しむというのは音楽ファンからしたらひとつの醍醐味だから。

坂本:でもアルバムがそういう作りになってなければ意味はないですよね。そういう風に作られてるものだったら意味があるけど、作る方がそれを放棄してたら、通して聴く意味もなくなってきてるし。

▲:じゃあなんでそういう人たちはアルバム出すんですかね? シングル出し続ければ良いじゃないですか。

シングルで出し続ける人もいるんだろうね。ぼくはそういう風潮に関しては否定派なんですけど、いまはその話は置いといて、『物語のように』に話を戻すと、前半と後半というか、"スター"の前と後ろでアルバムの雰囲気が違うかな、と感じたんですよね。

坂本:ここで変えようとは意識してないです。流れでこういう流れがいいかな、とは思いましたけど。

松村君どう思った?

▲:まさしくそう思いました。A面とB面という考え方なのかな、と。"スター"より前の方がヴァリエーションがあって。

深読みをさせてもらうと、坂本君のこれまでのアルバムって、つねに時代を意識しながら作られてたと思うんですね。で、こういう時代になって、ものすごい暗い時代になってしまって、それですごく暗い音楽を作るんじゃなくて、ものすごく意識して甘くてメロディアスな音楽を作ろうとしたんじゃないかな、というのがひとつ。もうひとつは、"スター"以前の曲の歌詞というのは、すごく捻りがあるというか、意味を深読みできる言葉が並んでいると思ったんですね。それに対して"スター"以降の曲は、もうちょっと優しさが前面に出ている。だから、薄暗くはじまって、明るく終わるみたいな感じがしたんだけど。

坂本:そうですか。でもまあ最初におっしゃった、明るい曲にしようとしたというのはその通りで、そういうの目指してました。

すごくメロディーが際立っているという風に思ったんですよ。松村君は?

▲:思いました。"恋の行方"の落とし方が、やっぱり明るい感じというか。

坂本:あれ明るいですか(笑)? じゃあ良かったです。明るいっていってもあれが俺のできる明るさの限界ですけど。

アンビヴァレンスみたいなものは坂本慎太郎の特徴なのかなと思うけど、今回は1曲目がレゲエな感じで、2曲目はソウル・ミュージックな感じで、サウンドだけ聴くとアップ・リフティングなんだけど、歌詞をよく聴いていくと、決して楽天的ではない。

坂本:たしかに最初の2曲がそういう印象あるのかもしれないですね。

表題曲の"物語のように"だって……

坂本:明るくないですか?

いや、明るいか(笑)。明るいけども、ここで歌われている感情というものが、単純に昔は良かった、ということなのか。あるいは現在に対する皮肉なのか。どっちが強いんだろうか?

坂本:えー。

どうして"物語のように"なの? あと英語表記だと「Like a fable」でしょ? storyとかromanceとかではなくて。fableって作り話とか童話みたいな意味じゃない? それがなぜタイトルになったのかな。

坂本:なぜと言われると……なぜなんですかね。

あのさ、ele-kingでニュース出したときに、めちゃバズったんですけど、曲目のリスト載せるじゃないですか。多くの人が曲名のリストに反応してるんだよね。

▲:曲名がひとつのメッセージだな、とは思いました。

坂本:なんていうんですかね、考えが先にあって作っているわけじゃないんですよね。考えてないこと歌っているわけでもないんですけど、もっとイタコ的というか、無意識にポロって出た言葉に対して、これどういう曲になるんだろ、と考えて曲にするということが多くて。考えて歌詞を作るとあんまり面白くないというか、曲としてこじんまりしちゃうんですよ。これ("物語のように")の最初の歌い出しは「紙芝居」となってますけど、そこが物語のように、に繋がっていって曲になったという感じですね。

意図せず「物語のように」という言葉ができたということか。

坂本:それに対して後付けで何か言うことはできるかもしれないけど、正確に言うと考えてないです。

[[SplitPage]]

そうですか。でもまあ最初におっしゃった、明るい曲にしようとしたというのはその通りで、そういうの目指してました。明るいっていってもあれが俺のできる明るさの限界ですけど。

リスナーから、「坂本さん、これは現在がひどいから過去への郷愁を歌ってるんですか」と訊かれたら、なんと答えます?

坂本:それもありですけど、あんまり「昔はよかったね」とか言いたくないんですよ。

それはよくわかるよ。コロナ禍はどんな風に過ごしてました?

坂本:もともとずっと籠ってるようなタイプなんで、ライヴはなくなりましたけど、普段の生活はそんなに変わってないです。よく考えるとライヴもそもそもやってなかったから。飲みの誘いが無くなって、その分作業に専念できる、というところでした。

▲:作業というのは曲作りの?

坂本:曲を作ったり、考えたり、でしたね。

「好きっていう気持ち」とか「ツバメの季節」という2枚のシングルを出しましたが、これはどういう気持ちだったんですか? これらの曲は、坂本君にしたらすごく素直にセンチメンタルな、当時の気持ちを表現したのかなと思ったけど。

坂本:あれは、コロナになってライヴとか、アメリカ・ツアーを予定してたのが全部飛んじゃって、やることないから宅録っぽいアルバムでも作ろうかなと思って。古いリズム・ボックスとか好きだから。そういうイメージで作業をはじめたんですけど。1回ライヴをやるかもみたいな感じになって、スタジオにメンバーと入ったんですね。ちょっと練習してたんですけど、ライヴがやっぱりできないことになって、練習していたのが無駄になったし、スタジオも予約していたので、せっかくだし今作ってる新曲をバンドでやってみたら、ひとりで作ってるよりみんなで生でやるほうが面白いな、と思って。それでシングルにしたんですよ。アルバムにするには曲が全然足りなくて、アルバムにいくのも先になりそうだし、そのときあった4曲をシングルで出したんですよね。だから、その時期のムードとか思ってることがそのまま出たって感じ。だけどちょっと、今回のアルバムはあんまりメソメソしたこととか言いたくなかったので、また違う感じになってると思うんですけど。

▲:アルバムはそういう(シングルの)感じじゃなくしようと思って作ったんですが?

坂本:いや、全然イメージが湧かなくて、歌詞が難しいなと思って、コロナになってますますですけど。インストの音楽だったらできるかもしれないけど、歌詞がある曲をわざわざリリースするときに、どんな言葉を歌うとしっくりくるかが難しくて。なんとか、こんな感じだったら歌えるかな、となったのが、さっきの4曲だったんですけど。ただそういうことがアルバムでやりたかったわけじゃなくて、もうちょっと突き抜けたものにしたかったんで。

それはすごいわかりますね。

坂本:「コロナで大変だ」みたいな感じとか、「社会状況がキツいね」みたいなのを出すんじゃなくて、そこを抜けていく、突き抜けていく感じを出したかったんです。

コロナだけじゃなくて、オリンピックがあったり、小山田圭吾君のこともあったり、海外だとBLMもあったり、戦争があったり、この3年ですっかり世界が違うものになっちゃったじゃない。

坂本:もちろんそういうの全部、感じてるし、それぞれに言いたいこともありますけど、全部を超越したような、スカッとした楽しい気分になれるような……

たしかに1曲目、2曲目はそんな感じでてる(笑)。突き抜けるような。

坂本:うまく言えないんですけど、見ないようにして、無理して明るく、というのではなく、こういう状況にありながら楽しめる、というすごい細いラインを模索して、なんとかここにきたという感じなんですけど。

素晴らしい。

▲:これまでのアルバムのなかで作るのはいちばん大変だったですか?

坂本:そうですね。歌詞が、途中からできてきたんですけど、途中まではできる気がしなかったですね。無理矢理考えてもダメなのはわかってるんで。

▲:そういうときはひたすら待つんですか?

坂本:あと散歩ですね。

ちなみに、言葉が出てきたきっかけとかなんかあるの? その後の方向性を決めたような。

坂本:最初にできたのが、"物語のように"という曲なんですけど。曲自体はけっこう前からあって、自分のなかでは悪くはないけど、とくに新基軸な感じもしないし、と寝かせてあった曲なんですけど、ある日言葉がハマって。歌詞ができる前からスタジオで演奏してたんですけど、デタラメ英語みたいな感じで。でも歌詞ができて日本語で歌ってやってみたら急に良くなって。なんてことない曲だと思ってた曲でも、言葉がハマると急激に曲になるというか、その感じを実感して。それから、簡単な言葉とか、さりげない言葉でピタッとハマって、キラキラさせる、みたいな方向性がちょっと見えたかもしれないです。

▲:"物語のように"の一節が最初に出てきたんですよね? この一節が最初に降ってきた、と。

坂本:そうなんですけど、"物語のように"という曲で「物語のように」から歌い出すといまいちかな、と思って……

▲:なるほど(笑)。それで同じ譜割りで言葉を探して?

坂本:割とスルッと出たんですけどね。

ちなみにその次の曲、"君には時間がある"もキャッチーな曲なんですけど、この歌詞はやっぱり自分の年齢があって、若い「君」ということでいいんですか?

坂本:この曲ができたとき、まだ歌詞はなかったんですけど、なんとなくアルバムが見えてきたと思ったんです。「こんな感じの曲ばっかりのアルバムにしたいな」と。ただデモの雰囲気を変えずに歌詞を乗せるのが大変でした。デタラメ英語で歌ってる譜割りを崩したくなかったし、あと曲のイメージが変わっちゃう、というところで苦労したんですけど。だから野田さんが言ったようなことを言いたくないなと思って。

(笑)。

坂本:いわゆる「我々には残り時間がない」とか、そんなこと言いたくないなと思って。本当はもっと馬鹿馬鹿しいことを言いたかったんですけど、サビのところで「君には時間がある」という言葉がハマっちゃうと、もう動かしようがなくて。

なるほど(笑)。

坂本:安田謙一さんから、「君にはまだ時間がある」「僕にはもう時間がない」の「まだ」と「もう」を省略してますね、と言われて。それ言うとさっき野田さんが言った意味になっちゃうから、俺は単に忙しい、お前は暇だ、という意味も入れたくて。最初は逆に考えてたんですよ。「俺は時間があるけど、そっちにはない」みたいな。でもそれはそれで反感買うかな、と思って。

一同:(笑)。

坂本:いろいろ考えて、そういうマイナーチェンジはしてるんですけどね。

音楽の歌詞って、サウンドと一緒になって初めて意味を成す、ということなんだけど。でも、歌詞だけ読むとすごくディープにも取れるようなね。

坂本:だから、本当は全部青春っぽい歌詞にしたいんですけど、誤解を恐れずに言うと(笑)。自分が求めてる音楽はそういうやつなんだけど。

▲:『アメリカン・グラフティ』みたいな?

坂本 そうそう。そういう単なるラヴ・ソングみたいなのなんだけど、歌詞で言ってるのとは違うこと表現してるみたいなの、あるじゃないですか? 『アメリカン・グラフティ』もそうだし、ロカビリーとかも。でもやっぱり、俺が学園生活の恋愛とか喧嘩とか、自分のないもの出せないし、青春ぽくも読めるけどリアルな自分の年齢のぼやきにも取れるギリギリを狙っていて。

なるほどね(笑)。「未来がどうなるかわからないから、いまを楽しもうよ」という風にも聞こえるよね。

坂本:そうですね。一応ギリギリのところでやったつもりなんですけど。

▲:その通りになってると思います。

坂本:でもたしかに野田さんが言ったようなことももちろん入ってますけどね。

いろんな意味にとれるから面白いんだよね。

坂本:たぶん若い子が聴いたら、そういう風にはとらないと思う。

リスナーの立場によって変わってくるのかな、と思うよ。

坂本:同世代とかは、正しくとると思うんですけど(笑)。

“まだ平気?"の歌詞も面白いなと思ったんですよ。

▲:2番の韻の踏みかたとかも素晴らしいと思いました。

これはなんで出てきたの?

坂本:これも曲が先にあって、こういう譜割りのメロディがハマってたんですけど、それを崩したくなくて、けっこう苦労したんですよね。やっぱり考えすぎると真面目っぽくなっちゃうし。

最初の2曲が時代を捉えようとしていると思ったんだよね。

坂本:どちらかというと、ぼくは後半みたいな、1、2曲目以外の曲だけで10曲作りたかったんですけど、まあいいのかなと思って(笑)。

一同:(笑)。

▲:でも流れとしてはこの2曲と繋がりもけっこうありますしね。場面として分けて考えることもできるアルバムだと。

坂本:一応流れはあるんですけど、そういう風に聴く人はいないらしいので。

いや、まだそんなことないんじゃないですかね。

▲:シングルを順番に並べてるような聴こえかたもするな、と思って。

A面B面A面B面という感じで? なるほどねー。いやーでも2曲目をB面にするのもったいないな。

一同:(笑)。

▲:そういう話じゃないですよ(笑)。アルバムの構成ということでも、聴き方をいろいろ考えさせるアルバムだな、と感じました。

[[SplitPage]]

歌詞が難しいなと思って、コロナになってますますですけど。インストの音楽だったらできるかもしれないけど、歌詞がある曲をわざわざリリースするときに、どんな言葉を歌うとしっくりくるかが難しくて。

サウンド・プロダクションで、今回テーマはありました? 僕はちょっと、清志郎と細野(晴臣)さんがやったHISを思い出したりもしました。あれも歌謡曲的な、あるいはフォーク・ロックの雑食性と突き抜けた感じがあって。

坂本:ぼくは、けっこう、ロックっぽく……

ロックっぽく?

坂本:いま聴いて格好良く聞こえるようなエレキギターの感じとかを出したいなと思ったんですけど。ソロになってからはあんまりエレキギターを全面に出してこなくて、比重が少なかったので。世の中的にもエレキギターの立場が悪くなってるので。

ギターの音がクリアに聞こえていますよね。

坂本:あとは、オールディーズっぽい感じとか、アメリカン・ポップスの感じとか、ロカビリーの感じとか、サーフ・ギターとか……そういう感じは昔から好きだけど、今回はちょっと多めかもしれないですね。

▲:サーフ・ロックぽいといえば、4曲目のギターはなにを使ってるんですか?

坂本:ジャガーですね。中村(宗一郎)さんの。

SGの音じゃないですもんね。5曲目は?

坂本:えーと、わからない(笑)。

ご自分のSGだけじゃなくて、いろいろ使ってる、と。

坂本:メインは中村さんのジャガーかもしれないですね。

▲:そういうところで、サウンド的には昭和35年代感というか、60年代前半の感じがありますね。

坂本:60年代前半は好きですね。

どうしてそのコンセプトが?

坂本:前から好きだし、さっき言った、モヤモヤしたのを突き抜けていく感じのイメージがあるんですね。キラキラして。

"愛のふとさ"なんかはボサノヴァっぽいですよね。

坂本:この曲だけなんか違うんですよね。こういうのも1曲あっていいのかなと思って。これもデモ・テープのなかに入ってて、でもロックぽくないし、テイスト違うかな、と思ったけど、まあいいか、と。

一同:(笑)。

今回のアルバムでは、僕の好きな曲のひとつだけど。

坂本:うん。曲としてはすごく良くできたかな、と。

あと、1曲目のレゲエっぽい感じもいいなぁ。

坂本 レゲエっぽいですか?

レゲエっぽいよね?

▲:ホーンの入り方とか、初期のダンス・ホールっぽいですよね。なんでトロンボーン入れようと思ったんですか?

坂本:それは西内(徹)さんが……。

あのトロンボーンはすごいハマってたね

坂本:このトロンボーンは僕のアイデアですけど、2曲目のホーン・セクションは西内さんが考えてて、トロンボーンとサックスでやりたいというから任せて。で、スタジオにKEN KENと来て、1曲目はまだ途中段階で歌詞もなかったんだけど、この曲にも入れたらいいな、と思って、その場で。

▲:1曲目ってトラックとしてはワン・コードでやってるんですか?

坂本:ワン・コードですね。

▲:Cのワン・コードですよね。そのうえでリズムが変わっていく。

坂本:リズムがシャッフルのリズムと、エイトのリズムの2種類あって、リズム・ボックスがシャッフルになってて、リフが8ですね。

▲:ものすごく気持ち悪いですよね(笑)。でもその気持ち悪さに気づく人もどれだけいるのかな。

坂本:すごいねじれた感じにはなっていて、フワーっというのはスティール・ギターの音なんですけど、あれがシャッフルの周期で出てくるのでリフとズレて、ちょっと変な感じになっています。

▲:私は、こういうことをロバート・ワイアットとかがやりそうだなと思いました。すごく面白い。ところで、フジロック以降、ライヴはやってないんですか?

坂本:その後に福井のフェスに出ただけですね。

▲:これ(アルバム)が出たあとはツアーは予定されているんですか?

坂本:ツアーというほどじゃないですけど、東京とか大阪とかではやりますね。

▲:いまはだいぶライヴもやりやすいですよね。

坂本:ただ、俺もあんまり人混みに行きたくないから、来てくれとは言いづらいですね。人のライヴとかでぎゅうぎゅうだったりすると、行くの怖いので。それが染み付いてて。マスクしない人がワーワーやってるところに行きたくないって思っちゃうから。そういう状況で自分がやるのも抵抗あるし、どこからが安心でどこからがやばいという線引きは難しいんですけど、なんとなくあるじゃないですか。まあ大丈夫そうだな、とか、ここはちょっとやばいから早く出よう、とか。そういうことをどうしても考えちゃうんで。

模索しながらやるしかないみたいな。

坂本:あと、俺はそもそもライヴやりたくなかったから。でもやりだしたら楽しいや、と思ってたんですけど、ライヴをやれなくなっても元に戻るだけというところあるんですよね。

海外からオファーが来ると思うんですけど、それは行かないようにしてるの?

坂本:アメリカは延期の延期で今年の6月だったんだけど、それはこっちからキャンセルしましたね。

▲:まだ不安だということで?

坂本:あのーすごい赤字になりそうで。例えばもし隔離とかになっちゃうと……。

▲:隔離は自腹ですもんね。

坂本:全部補償してくれるわけじゃないから。向こうの滞在費とかこっちで払わなきゃいけなくなるし、お客さんも来るかわからないし。向こうでメンバーとかスタッフとかが感染して隔離というときにどうしていいかわからないし。
いまはライヴをやれば楽しいし、いい感じでやれるならやりたいけど。どういう場所でやるか、というのも関係してくるな、と思います。円安で飯も高いしね。

▲:レコードの輸入盤もますます高くなりますね。海外の配信は多いですか?

坂本:まあ多いですよ。ブラジルが多いんですよ。サンパウロとか。ブラジルで人気のあるO Ternoというバンドと一緒にやったから、それ繋がりだと思います。

▲:今回のアート・ワークは何かメッセージはあるんですか?

坂本:いや……とくにない、と言っちゃうと終わっちゃうか(笑)。

一同:(笑)。

坂本:まあこういう感じがいいかな、と思って。

坂本君にとって、いま希望を感じることってなんですか?

坂本:希望を感じること。うーん……(長い沈黙)。

乱暴な質問で申し訳ないですけど。

坂本:うーん、なんですかね? なんかありますか?

酒飲んで音楽聴いて、サッカー観たり……、これは希望じゃないか(笑)!

坂本:個人的なことで真面目に言うと、いい曲を作ることには制限がないじゃないですか? 何となくでも、こういう曲が作りたいというのがある限り、それに向かって何かやる、ということは制限ないから、それはいいな、と思う。あと、楽しみで言えば、酒飲んで……みたいな、それくらいしかない(笑)。でも作品作っておかないとね。良い作品作っておけば、しばらく酒飲んでてもいいかな、と。それなしだとちょっと飲みづらいというか。

一同:(笑)。

自分を律してると。

坂本:ほぼ冗談ですけど。でも、時代が変わって、世界の境界線が音楽においてはなくなっているので、曲を出すとタイム・ラグなく外国の人も曲を聴いてくれるじゃないですか。で、直接リアクションがあったりするし。

ぼくも海外の人から感想を言われるのは、昔はなかったので、嬉しいですね。そういう文化の良きグローバリゼーションというのはあるよね。

坂本:悪い方もいっぱいあって、インターネットとかだとそっちが目立つじゃないですか。でも普通にラジオで最近買ったレコードかけると、その本人からコメントきたりとかありますね。それは昔とは違うかな、やっぱり。

▲:たしかにそれは希望かもしれないですね。

Thundercat - ele-king

 昨日、ついにスタートしたサンダーキャットの来日公演。ドラマーとして同じ〈ブレインフィーダー〉仲間、ルイス・コールが参加するという嬉しい事前告知も手伝って、会場は大いに活気に包まれていた。序盤から全開で炸裂する、驚異的なベースとドラムのコンビネーション。ただただ圧巻のひと言につきます。その恵比寿 The Garden Hall でおこなわれたショウのレポートが早くも到着。
 今夜は大阪、明日は名古屋だ。これを読んで備えましょう。

サンダーキャット、2022年の海外アーティストの
ツアーの幕開けを告げる熱狂のライブ!
この2年を超えて、集まったファン・日本に
最大限の愛を与えた一夜!
抽選で出演者全員のサイン入りポスターをプレゼント!

昨夜The Garden Hallで行われ、称賛の嵐と共に幕を閉じたサンダーキャットの記念すべき日本公演の最速ライブレポートが到着!
今夜の大阪公演、明日の名古屋公演もソールドアウト。この衝撃は見逃し厳禁!!!

Thundercat 2022, May 16 (1st set)
恵比寿The Garden Hall

 今われわれはとんでもないものを見て聴いて体感している。ステージの上にいるのは3人の超人(スーパーサイヤ人)たちなのかもしれない。何度もそう思った。
 サンダーキャットの、本来2020年4月に予定されていた来日公演は、世界中で猛威をふるいはじめた新型コロナウィルスによりあえなく延期され、2021年に再度アナウンスがされたが外国からの入国制限 が厳しく再度延期。今日(2022年5月16日、恵比寿The Garden Hall)で行われているのは再振替公演だ。すべてをいったん白紙に戻しての来日じゃない、“再延期”を経ての実現なのだと謳う気持ちには、サンダーキャットの日本カルチャー、日本のファンへの愛が何の偽りもなく込められていた。
 その熱意が実を結んでのジャパン・ツアー。コロナ禍が沈静したとは言えないまでも、細心の注意を払いつつようやくこうしてライブが叶った。2022年の海外アーティストのツアーとしてはこれが皮切りになるだろうし、東京、名古屋、大阪で連日2回公演を敢行するタフなスケジュールにも「やりたい/見たい」の需要と供給が幸福な関係で成立していると感じた。
 また、この“再再延期”によってもたらされた興奮のなかでも、思いがけないボーナスとなったのが、ツアー・ドラマーとしてルイス・コールの参加がアナウンスされたこと。事実上、サンダーキャット&ルイス・コールによる〈Brainfeeder〉スペシャル・バンドとしての来日が叶ったと言っていい。
 僕が見たのはファースト・セット。先日までのスタンディングでは1メートル間隔で仕切り線が引かれていたフロアも、今日は50センチ間隔。ぎゅうぎゅうとまではいかないが、満員の光景として遜色がない。開演前のBGMは小さめで、マスク越しとはいえ伝わる客席の静かなざわざわのほうがむしろ興奮を高める役割を果たしていたように思う。

 客電が落ち、ステージ後ろのカーテンにサンダーキャットのアイコンが映し出された。バンドはサンダーキャット、ルイス・コール、キーボードにデニス・ハム。待ち望み、待ち望まれていた時間が幕を開ける。
 まだ名古屋(17日)、大阪公演(18日)が残されているのでセットリストの詳細についてはなるべく記述を避けたいが、1曲演奏を終えて感極まるようにサンダーキャットがしゃべった言葉については書いてもいいだろう。
 「俺がどれほど日本に戻ってきたかったかわかるかい。本当にすごく好きなんだ」
 それにしても、このトリオの演奏はすさまじい。ルイス・コールが参加すると聞いたとき、近年のサンダーキャットのヴォーカル・ナンバーの充実を後押しするような感じになるのかなと予想していたが、このトリオでのルイス・コールの役割はスーパー・ドラマーだった。
 僕の立ち位置がステージ右側(ルイス・コール側)だったこともあり、背筋をしゃんと伸ばした上半身は微動だにせず、肘と膝、手首のスナップを最大限効果的に活かして、スネア、ハイハット、キックを驚異的な手数足数で連打しながら、涼しい顔つきでステディにビートを刻むテクニックがとてもよく見えた。
 ジャズ・ミュージシャンとしてのマインドを刺激されたかのようにサンダーキャットもデニスも動きまくる。この3人のインプロなら永遠に見ていられる。しかも、それでいて3人でハモるコーラスもびっくりするほど美しいんだから最高すぎて困った(ファーストセットではほんの一瞬だったので、もっと聴きたかった)。サンダーキャット以外の2人はかなり寡黙というコントラストもばっちりで、演奏面だけでなく人間味としてもシャイネスと超絶の間を自由に行き来する。まさしく現代のインタープレイとはこういうことだ。
 誰もが必ず演奏されると確信していた「I Love Luis Cole」の前には、サンダーキャットとルイスの出会いは、2012年に22歳の若さで世を去ったオースティン・ペラルタの引き合わせだったエピソードが語られた。オースティンから「楽器を持ってきてくれ」と呼び出されたサンダーキャットがLAのクラブに来てみると、そこにフレディ・クルーガー(『13日の金曜日』の)みたいな顔つきでルイスがいて、実はオースティンが最初から2人をセッションさせるつもりで仕組んだというくだり。だから、ルイス・コールと一緒に「I Love Luis Cole」をこうして演奏することは、オースティン・ペラルタへのトリビュートでもあるのだ。
 こういうところが、サンダーキャットが愛される理由のひとつだと実感する。超絶なベース・プレイヤーで、最高にスウィートなソウル・シンガーで、変態的だがメロウなコンポーザーで、日本のアニメやゲームカルチャーに没入した“OTAKU”であり、そんな自分に正直で親しみやすいキャラクターというそれぞれの側面に独自のフックはあるが、根本にあるのは自分の愛を惜しまずに誰かに与えること。彼の愛し方が、音楽ジャンルを超えて人を自由にする。

 英語の“tribute”は今では“影響を受けた曲をカヴァーすること”と同義語のように扱われている。それだと“もらう”とか“借りる”みたいな印象を持ってしまうが、本来は“与える”という由来の語源を持つ。
 オースティン・ペラルタ、マック・ミラー、MF ドゥーム、ジャコ・パストリアス、チック・コリア、そしてコロナ禍で亡くなった友人たちにも。故人ではなくとも自分を育てたアニメ/ゲーム・カルチャーの担い手である渡辺信一郎や中村正人、実兄でドラマーのロナルド・ブルーナー・ジュニア(兄弟が少年時代にテレビ争いでケンカしていたエピソードはかわいかった)にも、自分のやり方で愛を。そして、大変な状況だったこの2年を超えて、ここに集まったファンにも最大限の愛を。
 サンダーキャットはまさに“愛を与える人”だと心から思った一夜だった。

text by 松永良平


出演者全員のサイン入りポスターをプレゼント!
BeatinkのTwitterアカウントにて、フォロー&リツートで出演者全員のサインが入ったポスターがもらえるキャンペーンがスタート!
https://twitter.com/beatink_jp/status/1526404251030654977?s=20&t=2u9xnL6Tyw8cwg9kU7DIkg

なお、現在BEATINKオフィシャルサイトにてサンダーキャット最新グッズを受注受付中!

THUNDERCAT JAPAN TOUR 2022 T-SHIRT
https://www.beatink.com/products/detail.php?product_id=12768

MANGA T-SHIRT
https://www.beatink.com/products/detail.php?product_id=12769

POSTPONED T-SHIRT
White: https://www.beatink.com/products/detail.php?product_id=10997
Black: https://www.beatink.com/products/detail.php?product_id=10996

Ron Trent - ele-king

 彼が16歳のときに発表した “Altered States” は、いまなお色褪せぬエレクトロニック・ミュージックのクラシックだ。シカゴ・ディープ・ハウスの重要人物、ロン・トレントがなんと11年ぶりに新作『What Do The Stars Say To You』をリリースする。新名義「ウォーム(WARM)」の名のもと放たれる同作では、トレント自身によってプレイされたドラムやキーボード、ギターがエレクトロニクスと融合されているという。ゲストも豪華で、クルアンビンアジムスのふたり、ジャン=リュック・ポンティ、ジジ・マシンと、そうそうたる顔ぶれだ。さらにはフランソワ・ケヴォーキアンによってミックスされてもいるらしい。生ける伝説の現在を、この耳でたしかめたい。

Ron Trent, Francois Kevorkian
「ハウス・ミュージックの伝説」として第一線で活躍を続けるロン・トレント
11年ぶりの最新作を発表!!!
CDはフランソワ・ケヴォーキアンによる超スペシャル・ミックス音源!!!

クルアンビン、イヴァン・コンチ(アジムス)、
アレックス・マリェイロス(アジムス)、ジャン=リュック・ポンティ、
そしてジジ・マシンら超豪華ゲストが参加!!!

アーティストが監修を務めるオリジナル・コンピレーション・シリーズで人気を博す〈Late Night Tales〉から派生した姉妹レーベルで、第一弾アーティストのクルアンビンがいきなり世界的ブレイクを果たし、その独特の美学が評価を高めているレーベル〈Night Time Stories〉より「ハウス・ミュージックの伝説」として、さらには超一流のミュージシャン/ソングライター/プロデューサーとして第一線で活躍を続ける、ロン・トレントの最新アルバム『RON TRENT PRESENTS WARM: What do the stars say to you』が6/17にリリース! 現在、アルバムからクルアンビン参加の新曲のMVとアルバム・サンプラーが公開されている。

Ron Trent presents WARM - Flos Potentia (Sugar, Cotton, Tabacco) feat. Khruangbin (Official Video)
https://youtu.be/8dXR5B8GDuA

Ron Trent presents WARM - What do the stars say to you (Album Sampler)
https://youtu.be/0fU31j2S4hc

アルバムの参加ゲストとしては前述のクルアンビンに加えて、ブラジルの伝説的バンド、アジムスのドラマー、イヴァン・コンチとベーシストのアレックス・マリェイロス、フランスのジャズ/フュージョン界のスター、ジャン=リュック・ポンティ、そしてアンビエントのパイオニア、ジジ・マシンといった面々が名を連ねており、マスタリングはフランソワ・ケヴォーキアンが手がけた超豪華なコラボレーション作品となっている。

また、作品中ドラム、パーカッション、鍵盤、シンセ、ピアノ、ギターなどをロン自身が奏でており、生楽器とエレクトロニクスの調和がディープで陶酔的なサウンドを生み出している。ジャズ・ファンク、ポップ、ニュー・エイジ、ニューウェーブ、コズミック、バレアリック、サンバ、アフロビート、ラテンロック他……彼の飽くなき探究心で培われた音楽的豊かさが詰め込まれたキャリア最高傑作がここに誕生している。

本作はCDとLPで6/17にリリースされ、CDはフランソワ・ケヴォーキアンによるミックス音源となっており、5曲のボーナス・トラックが収録、更に国内流通仕様盤CDには解説が封入される。
また、LPにはアンミックス音源が収録され、通常のブラック・ヴァイナルと限定のホワイト・ヴァイナルで発売され、フランソワ・ケヴォーキアンによるミックス音源とアンミックス音源、両方のDLコードが付属する。

label: Night Time Stories / Beat Records
artist: Ron Trent, Francois Kevorkian
title: RON TRENT PRESENTS WARM: What do the stars say to you
release date: 2022.06.17

国内流通仕様盤CD BRALN68 定価 ¥2,100+税(税込 ¥2,310)
国内盤特典:解説封入

ご予約はこちら:
BEATINK.COM:
https://www.beatink.com/products/detail.php?product_id=12808

TRACKLISTING


CD tracklist
フランソワ・ケヴォーキアンによるミックス音源、5曲のボーナス・トラック入り
*がボーナストラック

01 Melt into you feat. Alex Malheiros (Azymuth)
02 Cool Water feat. Ivan Conti (Azymuth) and Lars Bartkuhn
03 Flos Potentia (Sugar, Cotton, Tabacco) feat. Khruangbin
04 The ride*
05 Cycle of Many
06 In the summer when we were young*
07 Flowers feat. Venecia
08 Sphere feat. Jean-Luc Ponty
09 Admira feat. Gigi Masin
10 Endless Love*
11 Rocking You*
12 WARM
13 On my way home
14 What do the stars say to you
15 Cool Water Interlude*


Vinyl tracklist
フランソワ・ケヴォーキアンによるミックス音源とアンミックス音源、両方のDLコードが付属

A1. Cool Water feat. Ivan Conti (Azymuth) and Lars Bartkuhn
A2. Cycle of Many
A3. Admira feat. Gigi Masin
A4. Flowers feat. Venecia
A5. Melt into you feat. Alex Malheiros (Azymuth)
B1. Flos Potentia (Sugar, Cotton, Tabacco) feat. Khruangbin
B2. Sphere feat. Jean-Luc Ponty
B3. WARM
B4. On my way home
B5. What do the stars say to you

  1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 100 101 102 103 104 105 106 107 108 109 110 111 112 113 114 115 116 117 118 119 120 121 122 123 124 125 126 127 128 129 130 131 132 133 134 135 136 137 138 139 140 141 142 143 144 145 146 147 148 149 150 151 152 153 154 155 156 157 158 159 160 161 162 163 164 165 166 167 168 169 170 171 172 173 174 175 176 177 178 179 180 181 182 183 184 185 186 187 188 189 190 191 192 193 194 195 196