「P」と一致するもの

Oneohtrix Point Never - ele-king

 昨晩、マンハッタンのアップタウンにあるパークアベニュー・アーモリーでOneohtrix Point Never(以下、OPN)の待望のライヴ・パフォーマンスが開催された。アーモリーというのは米軍の元軍事施設のことで、そこをリノベーションして作られた会場は、NYでも有数のスケールの大きなイベントスペースのひとつ。19世紀当時の重厚で綺羅びやかな内装がエントランスまわりの空間に残されつつも、メイン会場は広々とした大きなハコになっていて、数々の世界的なアーティストのパフォーマンスやアートショーなどが開催されている。

 5月25日に発表になる2年半ぶりのオリジナル・アルバム『Age Of』を引っさげての今回のOPNの単独ライヴは、アーロン・デヴィッド・ロス(Aaron David Ross)、ケリー・モラン(Kelly Moran)、イーライ・ケスラー(Eli Keszler)の3人のミュージシャンたちを引き連れての初のアンサンブル形式になると聞いていた。開催が決定していた2日間分のチケットは販売日に即刻ソールドアウト、すぐに追加公演も決まった。才能溢れるアーティストたちとの新しい試みになるであろうこのライヴに対する期待値は、品格のある会場のチョイスとともに、開催前からどうしたって上がっていた。

 当日の会場は、20時ドアオープンなのにもかかわらず、19時半から観客が列を作りはじめていた。その観客層は幅広く、若いキッズたちだけでなく、ジャケット姿で普段はクラシックやオペラを聴きに行っていそうな年配のカップルまでが集まっていた。ふと、本当にいいレストランには老若男女のお客がいるものだと教わったことを思い出した。ブルックリンのアンダーグラウンド・ノイズ・シーンからはじまり、〈Warp〉に移籍し、FKA ツイッグスやデヴィッド・バーンやまでを手がけて「メジャー」になったOPNがいま、こうも幅広い層に受け入れられるよう進化していることが印象的だった。

 会場内は一人ひとりに席が与えられた着席式で、天上には2つのスカルプチャーが浮きながら回っていた。舞台上にはいくつかに分裂したスクリーンが設置され、床には大きな黒いビニール袋が舞台装置のように横たわる。しかも観客各々の手元には解説書のようなブックレットが置かれていて、まるでシアターのような空間でパフォーマンスははじまった。

 ケリー・モランが奏でるチェンバロ音に続いてイーライ・ケスラーのマジカルなドラム音が巨大な会場に響き渡り開始早々観客を一気に飲み込んだ。音に息吹が吹き込まれているような彼らの演奏はエフェクトをかけた音でさえ生々しく感じられて、複雑に入り組んだOPNの曲をまるで目の前で解体してみせてくれているような感覚に陥る。そして曲目が進むにつれてOPNことダニエル・ロパティンが弾き語る歌声がさらに観客をぐっと引き付けた。そう、今回ダニエルは多くの楽曲を自ら歌っている。アメリカーナ調の歌を歌うダニエルの姿は、「カオスで実験的なエレクトロニック・ミュージック」といったOPNのイメージを裏切り、多くの観客を驚かせたかもしれない。でも、最新アルバム『Age of』で彼が描く人間が生み出す4つの時代「ECCO」「HARVEST」「EXCESS」「BONDAGE」を表現する上で、このマシーンが作ったようなサウンドと組み合わされたダニエルによる「ヒューマン」な声は、欠かせない主要な要素となっていた。

 今回のライヴではプロローグにはじまり、この4つの時代を描いた曲目を順次演奏し、エピローグで締めるというシアトリカルな構成で進められたのだが、ブックレットによる各時代の解説、変化する舞台演出、“Black Snow”ではPVと同じダンサーたちの登場と、アルバムをよりわかりやすく立体的に表現するものとなっていた。

 また豪華なゲストの登場も華を添えた。“Same”ではダニエルに「叫びのジミー・ヘンドリックス」と言わしめたプルリエント(Prurient)がシャウトし、エピローグ直前には“Last Known Image Of A Song”でケルシー・ルー(Kelsey Lu)が鳥肌が立つようなチェロのソロを奏でた。


 
 エピローグまで終わると会場中は拍手に湧き、スタンディングオベーション。それに呼応して“Child Of Rage”と“Chrome Country”の2曲が追加演奏されファンを喜ばした。

 すべて聞き終わって会場を後にしたとき、先日インタヴューした際に今回のアルバムを「僕にとっては、いろいろな音楽的歴史を通じて広がる、ある特定の種類のアメリカを描いた絵のように感じる」と言っていたことを思い出した。人間の性を表現したような4つの時代。それをぐるぐると回る今のアメリカへの警告のようなもの。そのときはあまりしっくりこなかったけれど、ライヴを経てそれがよくわかった気がした。そして先日公開されたラッパー、チャイルディッシュ・ガンビーノ(Childish Gambino)の“This is America”ともリンクした。彼のいまのアメリカ社会に対する痛烈な描写が話題になっているが、ほぼ同時に同じくアメリカをテーマにした楽曲が30代半ばのアーティスト2人から生まれたというのは、偶然ではない気がする。

XOR Gate - ele-king

 昨年2017年はドレクシア関係の動きが目立った年であった。まず、ドレクシア=故ジェームス・スティンソンの変名ユニット、ジ・アザー・ピープル・プレイスの『Lifestyles Of The Laptop Café』が〈Warp〉からリイシューされた。さらにはドレクシアの『Grava 4』(2002)もリイシューした。そうかと思えば元メンバーのジェラルド・ドナルド(とミカエラ・トゥ=ニャン・ バーテルによる)の別ユニット、ドップラーエフェクトが10年ぶりのアルバム『Cellular Automata』を発表する。この作品はオーセンティックなシンセ的な音響を生成・展開しつつも、単なる懐古主義に陥ることなく、現代のエレクトロニクス・ミュージックのモードへと見事に接続されていた。

https://open.spotify.com/album/6Qf0Ot0oJb32jhtBl4L4Ol

 そして2018年、ジェラルド・ドナルドはXOR Gate名義でアルバム『Conic Sections』を送り出す。リリースはベルリンを拠点とするレーベル〈Tresor〉からである(ちなみに〈Tresor〉はSecond Womanの新作EP「Apart / Instant」もほぼ同時期にリリースしているのでそちらもぜひ注目していただきたい)。

https://open.spotify.com/album/3XwsVsVnnRKB3HnKNq3sAd

 ここで重要な点がある。先に記したようにジェラルド・ドナルドは2017年にドップラーエフェクト名義で『Cellular Automata』をベルリンの〈Leisure System〉からリリースしているが、本作『Conic Sections』もベルリンのレーベルからのリリースだ。つまりドイツ発の音楽でもあるのだ。
 その音楽と音響性にはドイツという電子音楽史における重要な土地への深いリスペクトを感じさせるものだ。端的にいえばどこかに(微かに)クラフトワークの影響を感じるのだ。私は不思議とクリス・カーターの新作との親近性を(あちらは多様な短い曲を集めたものだが)聴きとってしまったのだが、思い返してみればクリス・カーターの新譜もクラフトワークの影響を強く感じさせる作品である。つまり、フォームは違えども、どこかドイツ電子音楽への憧憬を強く感じ取れるのだ。これは現在の電子音楽がクラフトワーク的なるものに遡行しつつ例としても貴重な例ともいえよう。これはもちろん原型への回帰ではない。そうではなく、原型の拡張とでもいうべきものだ。

 では、本作における「新しさ」はいかなるものなのか。なぜなら、このアルバむは単なる「懐古」的な作品ではないからだ。クラウトワーク・リヴァイヴァルでもデトロイト・リヴァイヴァルでもない。同時代的な音響のアトモスフィアが濃厚に漂っているのである。それはいかなるものか。
 この『Conic Sections』は、『Cellular Automata』を継承するようにビートレス30分1トラックの長尺曲でもある。とはいえドローンやアンビエントのように一定の音響的な持続が変化していくサウンドではない。このXORでは複数(8つ)のサウンド・モジュールが次第に接続され、展開していく構造と構成になっている。音の数学的結晶体を思わせるトラックを形成しているのだ。
 まず、ユニット名からしてコンピュータの論理回路のひとつ「排他的論理和演算回路」のことを指しており、本作が極めてマシニックな音楽を目指していることがわかる。じっさい、私はマシンのなかにヒトの心が解体されていくかのような感覚を覚えてしまった。「アンビエント・インダスリアル」とでも形容したいほどに。
 しかし同時に、このアルバムの音響には、冷たい鉄の質感に触れたときに感じる独自の「哀しみ」も感じとれた。いわばマシン・ブルースとでもいうべきものである。といってもそれは音階のことではない。デトロイト・テクノを継承する抑圧された(というべきだろう)「感情」の発露といったものだ。いわば機械と心。このふたつの共存と拡散……。
 じじつ、冒頭の緊張と柔軟が交錯するシーケンスのトラックから、その機械と人間の交錯が鳴っている。以降、トラックはマシニティックとヒューマニティが交錯するような断続的なシーケンシャルなトーンへと変化し、まるで深海を潜航するようなムードを醸し出していく。持続と変化。接続と融解。対立と交錯。1トラックを通して変化する世界を形成しているわけだ。ビートの粒子が融解するかのごとき音響彫刻的なフォームを生成しているとでもいうべきか(まるでアクトレスの近作やアルカの作品のように……)。物質と粒子のニュー・マテリアル・テクノの実現である。

 ジェラルド・ドナルドは、たしかにドレクシアを継承し、デトロイト・テクノの本質を受け継ごうとしている。と同時にエレクトロニック・ミュージックを新しい同時代的な音響体へと結晶させようともしている。そのためにサウンドからビートを融解させ、多層的なエレメントが接続される30分のトラックにする必要があったのではないかと思う。
 XOR Gate『Conic Sections』は(2017年のドップラーエフェクトの『Cellular Automat』がそうであったように)、ジェラルド・ドナルドによるテクノロジカルな音響による同時代への研究報告書のようなアルバムである。同時に、この時代の無意識へと拡散する(言葉のない)「詩」のごとき音の結晶体でもある。ヒトとマシンの交錯と融解。その表現の実践と実現において非常に重要なアルバムといえよう。

Cardi B - ele-king

 リタ・オラの新曲、“ガールズ”が炎上している。女性、そしてLGBTQ+の人々をエンパワーするはずの曲が、強烈なバックラッシュに遭っている。ゲイやバイセクシュアルのコミュニティから批判の的となっているのは、主に「時々、女の子たちにキスしたくなる/赤ワイン、女の子たちに口づけしたい」というコーラスの歌詞で、要は「私たちのセクシュアリティは“一時的な”感情ではないし、ましてや“酔っ払ったときの”気の迷いなんかではない」というわけだ。

 オラ本人は謝罪文をツイッターに投稿した。いわく、「女性とも男性とも恋愛関係にあったことは事実であり、それを表現することで同様の立場の人々をエンパワーしたかった」。その後、彼女は「(バイセクシュアルであることをにおわせるハリー・スタイルズの“Medicine”が賞賛され、オラの曲がリンチされるのは間違っていると主張するコラムを書いた)ユスフ・タマナ、ありがとう!」と書いたポストが批判され、それを消すなど、事態は複雑な様相を見せている。当事者性やメイル・ゲイズ――レズビアン表現を性的に消費するヘテロ男性の問題などが絡み合っており、一言では説明がつかないイシューだろう。

 同曲に客演し、「あなたの口紅にだってなれる、一夜だけなら」というリリックで火に油を注いだ格好になっているのがカーディ・Bで、彼女も同様に謝罪文を投稿している。カーディは、「これまでに多くの女性と経験がある」と弁解しているが、そのロマンスがゲイやレズビアンたち固有のセクシュアリティの切実さに見合うものであったかどうかは、誰にもわからない。この一件は、むしろシスジェンダー/ヘテロセクシュアルとLGBTQ+の人々との断絶を強調してしまったのではないか。繊細なイシューを単純化し、グラデーションや複雑さを縮減してしまうこと、あるいは差異を認めることなく「私も同じだ」と同質性を主張してしまうことに、当事者たちは殊の外敏感である。誠実さをもってそこを乗り越え、何ができるのだろうか。そこまで議論を進めなければ、“ガールズ”の一件からは何も得られない。

 渦中にあるカーディ・BがLGBTQ+のコミュニティと連帯できるかどうかはわからない。しかし、恋人からの被DV経験があり、臀部の整形手術をし、ストリップ・クラブという性風俗産業に身を置いていたカーディは、すくなくともフェミニストたちとは連帯できるだろう。彼女は言う。「私はなんだってできる――男ができることだったらなんだって」。出世曲となった“ボダック・イエロー”のコーラスはこうだ。「私がボス、あんたはただの労働者」。カーディは度々ビヨンセの名前をラップしているが、彼女は力強いリーダーであるビヨンセとも、優等生のジャネール・モネイとも異なる立ち位置でスピットしている――それは、「バッド・ビッチ」だ。あくまでもダーティなバッド・ビッチたるカーディは、男が女を消費するように、男を消費してみせる。「彼、ハンサムだよね/名前は?/バッド・ビッチは男をナーヴァスにする」(“アイ・ライク・イット”)。彼女の手にかかれば、男女関係を反転させることなど他愛ないことだ。

 ピッチフォークは、カーディ・Bのデビュー・アルバム、『インヴェイジョン・オブ・プライヴァシー(プライヴァシーの侵害)』のレヴューで、彼女を「新しいアメリカン・ドリーム」だと褒め称えている。ソーシャル・メディアやリアリティ・TVを通じて成功を手にしたカーディは、ソーシャル・ネットワークの荒野で油田を掘り当てたのだ。ゼア・ウィル・ビー・ブラッド。カーディは、まさしく現代のアメリカン・ドリームだろう。元ブラッズの一員で、「血まみれの靴(クリスチャン・ルブタン)」を履いた足で男たちを踏みつけるこの力強いビッチは、しかし、繊細な一面も見せる。ケラーニをフィーチャーした“リング”ではこうだ。「私が先に電話したほうがいい?/決められない/電話したいけど/ビッチにもプライドはある」。フィアンセであり、二人の間に授かった子の妊娠も発表したミーゴスのオフセットの浮気を糾弾するラインも、一つや二つではない。「私には気をつけたほうがいい/何をやっているのかわかっているの?/誰の感情を逆なでしているのか、わかっているの?」(“ビー・ケアフル”)。穏やかではない。

 ジャスティン・ビーバーの『パーパス』やカミラ・カベロの『カミラ』と並ぶような、実に現代的なポップ・アルバムである本作には、親しみやすいメロディがあり、自身のルーツを活かしたトレンディなラテン・ビートがあり、ダーティなトラップ・ビートがある。先のピッチフォークのレヴューにならうなら、「ポップ・ラップからトラップ、バラード、もったいぶったプロムナードまで」をも包括していると言えるだろう。それは、フーディニからグッチ・メインやフューチャーまで、さらにマライア・キャリーを経て、ケイティ・ペリーもテイラー・スウィフトも、カーディはお気に入りのクリスチャン・ルブタンの赤い靴底で踏みつけているということだ。ここには(自覚的か無自覚的か)フェミニズムがあり、リアリティ・TVとインスタグラムがあり、恋心とジェラシーがあり、アルコールとセックスがあり、ラップ・ミュージックの典型的な成功物語がある。なんとも心強いではないか。あくまでもダーティなバッド・ビッチとして、不遜なハスキー・ヴォイスをもってして、カーディ・Bはアメリカン・エンターテインメントの頂点に躍り出た。

 〈φonon (フォノン)〉は、EP-4の佐藤薫の〈SKATING PEARS〉のサブレーベルとして2018年に始動した、という話はすでに書いた。いまのところEP-4 [fn.ψ]『OBLIQUES』、A.Mizukiのソロ・ユニットで、ラヂオ ensembles アイーダ『From ASIA (Radio Of The Day #2)』という2枚のリリースがある。
 で、このたび第二弾のリリースありとの情報。

 そのひとつは、家口成樹セレクトのエレクトロ・コンピレーション、『Allopoietic factor』。いま最高にクールなエレクトロニック・ミュージック/ノイズが収録されている。そして、もう1枚は森田潤の初ソロCD『LʼARTE DEI RUMORI DI MORTE。美しくも不気味な音を巧みにコラージュさせる音響センスは秀逸で、ユーモアもある。
 ぜひ、チェックしてくれ。
https://www.slogan.co.jp/skatingpears/

6月15日(金) 2タイトル同時発売!!

アーティスト:Various Artists
アルバムタイトル:Allopoietic factor
発売日:2018年6月15日(金)
定価:¥2,000(税別)
品番:SPF-003
発売元:φonon (フォノン) div. of SKATING PEARS

01. Bark & Pulse / ZVIZMO
02. Suna No Onna / Turtle Yama
03. Fuzzy mood for backpackers / bonnounomukuro
04. Crepuscular rays / Singū-IEGUTI
05. Exocytosis / Yuki Hasegawa
06. Boiling Point / 4TLTD
07. Armor / Natiho Toyota
08. Sairei No Odori / Black root(s) crew
09. IN A ROOM / Radio ensembles Aiida
10. Proto-Enantiomorphous / EP-4[fn.ψ]

アーティスト:Jun Morita
タイトル:LʼARTE DEI RUMORI DI MORTE
発売日: 2018年6月15日(金)
定価:¥2,000(税別)
品番:SPF-004
発売元:φonon (フォノン) div. of SKATING PEARS

トラックリスト
01. Le Pli II
02. Poesia I
03. L'Arte Dei Rumori Di Morte
04. Corpus Delicti
05. Acephale Extravaganza
06. Poesia II
07. Live at Forestlimit,Tokyo 20-Jan-2018

Smerz - ele-king

 クラフトワークとFKAツイッグスが出会ったような……ラジオでたまたま彼女たちの“Worth It(価値がある)”が流れたとき、ぼくはこの音楽にいっきに持っていかれた。ジェシー・ランザDJラシャドからの影響を明かしているようだけれど、“Worth It”はランザよりもずっと尖っている。ビートは重くインダストリアルな質感で、骨太で、歪んでいる。2000年代初頭のオウテカのように歪んでいるし、寒々しくもダークで、歌はサイボーグと化している。ノルウェー出身のふたりの女性によるスマーズ、その8曲入りのEP(!)は、なかなか面白い。“No Harm(傷つけない)”は、触っただけで切れてしまいそうなカミソリのごときビートを有するR&Bで、“Oh My My”もまたサイボーグが夢見る暗いR&Bで……そのエレクトロニック・ノイズの響きにおいて、スマーズときたら、80年代のサイボトロンがイメージしたような、電子空間において変容する人間の姿が男性であったことに抗議しているかのようだ、と思わず言ってしまうのだった。

 まあ、ぶっちゃけて言えば現代っ子ってことなんだろうけど、“Have Fun(楽しんで)”という表題曲もまた暗く沈んだ曲で、恐怖をかき立てるような、セイバース・オブ・パラダイスめいたトリップホップ調だったりするのだが、うまい具合にお洒落にまとめている。“Half Life(半減期)”と“Fitness(フィットネス)”は明らかにシカゴのフットワークからの影響下にある曲だけれど、前者においては感情が排除された抑揚のない歌と悲鳴にも似た男の声がミックスされ、後者においては歌は削除されている。じつに思わせぶりな曲を作っているわけだが、ぼくのような人間はこうしてすぐに引っかかる次第なのだ。じっさいのところ、インスト曲の“Fitness”を聴いていると、彼女たちは商業主義おいて武器となる「女性の歌声」を放棄してもやっていけるんじゃないかと思うのだが、まあ、〈XL〉がそうはさせないだろうね(笑)。

 捻りのあるアートワークも悪くはない。露光不足の、暗い影におおわれた笑顔の少女たち。だが、『スターウォーズ』のレイア姫には心して話せる女友だちがなぜいないのかという20世紀の違和感はここにはない。

王舟 & BIOMAN - ele-king

 窓からはそれほど強くない、だがぬくもりに溢れた陽光が差し込んでいる。猫がひなたぼっこをしている。コーヒーの香りが一面に広がる。談笑が聞こえる。喫茶店あるいはちょっとした食堂の昼下がり、それも見知らぬ人ばかりが集う都心のそれではなく、訪れる者たちがみな顔見知りであるようなローカルなそれ。もしかしたらその場では陽気なギターの弾き語りなんかもおこなわれているのかもしれない。これはきっと、気心の知れた友人たちと楽しいひとときを過ごすための音楽なのだと思う。

 今年に入って起ち上げられた〈felicity〉の「兄弟」に当たる新レーベル〈NEWHERE MUSIC〉は、「エレクトロニック・ライト・ミュージック」すなわち「電子的な軽音楽」を標榜している。その栄えある第1弾リリース作品に選ばれたのが、これまで〈felicity〉から作品を発表してきたシンガーソングライターの王舟(NRQの新作にも参加)と、neco眠るや千紗子と純太での活動でも知られるBIOMANによる共作『Villa Tereze』である。エンジニアを務めるマッティア・コレッティは、2006年にイタリアのファエンツァでライヴ録音されたダモ鈴木ネットワークのアルバム『Tutti i colori del silenzio』にも参加したことのあるギタリストで、山本精一や古川日出男、オシリペンペンズらとの共演歴もある。その彼がEP「6 SONGS」でコラボした王舟と来日ツアーをおこなった際に、大阪でBIOMANと出会ったことからこのアルバムの制作がはじまったのだそうだ。王舟とBIOMANのふたりは昨年末、コレッティを訪ねてイタリア中部の小さな町まで足を運び、そこで本作が録音されることとなった。

 その町の名前が冠された冒頭の“Pergola”がこのアルバム全体のムードを決定づけている。その穏やかなギターの調べはどこまでも聴き手に安心感をもたらすが、背後で繰り広げられるさまざまな具体音の饗宴が、たんに本作がひとりきりのメディテイションを目的としているわけではないことを告げている。その姿勢は4曲目“Ancona”のコイン(?)や7曲目“Falconara Marittima”のニワトリ(?)のような微笑ましい種々の具体音に、あるいはギターとドラムがポストロック的な展開を聴かせる8曲目“Senigallia”の、ひねりの加えられたリズムにも表れている。心地良さの追求と手の込んだ音選び、生演奏と電子音との幸福なる融合。アルバムはそして、冒頭と同じ旋律を奏でつつも具体音を排除したギター1本の小品“Tereze”で幕を閉じる。それら本作に仕込まれたギミックの数々は、ミュジーク・コンクレートやアンビエントの手法がけっしてマニアックな好事家だけのものではなく、ふだんJポップにしか触れる機会のないようなリスナーたちにも開かれたものであることを教えてくれる。

 さまざまな趣向を凝らす一方で、どこまでも人間の持つ温かな側面を伝えようとするこのアルバムは、たとえば友だちのほとんどいない僕にとっては、けっして訪れることのない幸せな語らいの時間を擬似体験させてくれる、VRのような作品である。この軽やかにして喚起力豊かなアンビエント・ポップ・サウンドに、あなたもひとつ身を委ねてみてはいかがだろう?


Vincent Moon - ele-king

 パリ出身の映像作家、ヴィンセント・ムーンの名前は、2006年にはじまったウェブ向けの音楽シリーズ「Take Away Show」によって広まった。「Take Away Show」ではミュージシャンを街の至る所へ連れ出し、彼らの素顔を捉えたリアルな映像を収めている。
https://www.youtube.com/playlist?list=PLB11F2A75B21884EC&feature=plcp

 ちなみに現在彼は、2019年の実施を目指し、日本のシャーマニズムや伝統音楽を追いかける「響 HIBIKI」プロジェクトの準備をすすめている。
 牧野貴もまた、映画、音楽、インスタレーション、オーディオビジュアルパフォーマンスなど多分野で活動し、ジム・オルーク、大友良英、坂本龍一など著名な音楽家とのコラボレーションも活発に行っている映像作家。3台のプロジェクターから作られるイメージの重なり合いが幻想的だ。

(『ENDLESS CINEMA』音楽:ジム・オルーク2017)

 当日は、ヴィンセント・ムーンと写真家で作家のプリシラ・テルモンによるライブ・シネマと、牧野貴 によるライヴ・パフォーマンスが予定されている。
 映像詩人たちによる当日限りの特別プログラムに足を運んでみてはいかがだろうか。

■ FOUNDLAND feat. VINCENT MOON + 牧野貴

2018年6月11日(月)@ VACANT
18:30 open / 19:00 start
前売 3,500yen / 当日 4,000yen(+1D別途)

出演:
Vincent Moon & Priscilla Telmon
牧野貴
音響:福岡功訓(Fly sound)
予約:https://foundland.us/archives/1961
イベント詳細:https://foundland.us/archives/1961

Vincent Moon web site:VINCENTMOON.COM
響HIBIKI project web site:https://hibikiproject.com
牧野貴 web site:https://makinotakashi.net/
Priscilla Telmon web site:www.priscillatelmon.com

K-HAND - ele-king

 1990年代初頭から活躍するデトロイトのDJ/プロデューサー、K-Handことケリー・ハンドの来日が東京、大阪で決定しました。この女性DJは、昨年は、Nina Kravizのレーベル〈трип〉から作品を発表しており、近年はまさに再評価を高めている。いまでこそ女性のDJ/プロデューサーは珍しくないが、ケリー・ハンドが自身のレーベル〈アカシア〉をデトロイトではじめた時代は、右も左もブースでレコードを回すのは野郎ばかりだった。まさに先駆者であり、偉人ではないだろうか。


K-HAND Japan Tour
5/26(土)大阪 @ALZAR
5/28(月)東京 @Contact K-HAND

≪Boiler Room DJ set 2015≫

≪Nina Kravizが選曲したK-HANDの15曲≫
https://www.youtube.com/playlist?list=PLnZOad80R4noDs94C1e6CsMgydiS_UWuE

あの時代が残したもの - ele-king


Simian Mobile Disco
Murmurations

Wichita / ホステス

TechnoElectronic

Amazon Tower HMV iTunes

 レヴューには書きそびれてしまったのだけれど、『ザ・スクエア 思いやりの聖域』でジャスティスの“Genesis”がかかったとき、何とも言えない気持ちになってしまった。それは主人公のクリスティアンが低所得者が暮らす住宅に脅迫めいたビラを配るのに向かう車のなかで流されるのだが、暴力的な気分を上げるためのものとしてドラッグのように「使用」されている。ジャスティスのファースト・アルバム『†』が2007年。当時、ニュー・エレクトロと呼ばれたエレクトロニック・ミュージックのイメージがまったく更新されないままそこで援用されている。まあジャスティスの場合はロマン・ガヴラス監督による“Stress”の超暴力的なヴィデオの印象を引きずっているところも大きいだろうが、いまから振り返って当時のインディ・ロックとエレクトロのクロスオーヴァーの思い出は大体そんなところではないだろうか。粗暴で子どもっぽく、刹那的。それ自体はけっして悪いことではない。ニュー・レイヴと呼ばれたシーンにまで拡大すれば、事実としてインディ・ロックを聴いていたキッズたちを大勢踊らせたし、自分もけっこう楽しんだほうだ。オルター・イーゴの“Rocker”で何度も踊ったし、ヴィタリックのファーストも買った。デジタリズム(ああ!)のライヴも観たし、クラクソンズの登場も面白がった。が、2010年に入るとかつてのニュー・エレクトロのリスナーの少なくない一部がEDMに回収されていくなかで、00年代なかばのクロスオーヴァーが何を遺したかと問われれば答に詰まるところがある。いや、はっきり言える……何も残らなかった、と。ジャスティスやクラクソンズのデビュー作が発売された2007年、まったく別の場所からべリアルの『アントゥルー』が届けられているが、どちらに史学的な意義があるかははっきりしていることだ。

 ジェームズ・フォードとジャス・ショウによるデュオ、シミアン・モバイル・ディスコ(以下SMD)もまたニュー・エレクトロ、ニュー・レイヴの渦中から現れた存在である。フォードは実際クラクソンズのプロデュースを務めていたし、彼が所属していたバンドであるシミアンの曲をジャスティスがリミックスしたシングル“We Are Your Friends”はニュー・レイヴのアンセムだった(覚えていますか?)。が、そのなかにあってSMDはどこか違っていた。粗暴でもないし刹那的でもない。チャイルディッシュな人懐こさはあったものの、フォードがプロデューサーということもあり何やら職人的な佇まいは隠されていなかった。何しろデビュー作のタイトル(これも2007年)は『アタック・ディケイ・サステイン・リリース』だ。音のパラメータを触ることによって生まれるエレクトロニック・ミュージックの愉しさ。同作はニュー・エレクトロの勢のなかでもじつはもっとも純粋にエレクトロ色が強い作品(つまり、オールドスクール・ヒップホップ色が濃い)で、じつにポップな一枚だが、同時に音色の細やかな変化自体で聴かせるようなシブい魅力もあった。
 その後ニュー・レイヴの狂乱が忘れ去られていくなかで、しかしSMDはアルバムを約2年に1枚のペースで淡々とリリースし続けた。その傍らフォードはアークティック・モンキーズやフローレンス・アンド・ザ・マシーンのような人気バンドのプロデュースを続け、職人としての腕も磨いていく。セカンド『テンポラリー・プレジャー』(09)の頃はゲスト・ミュージシャンを招いたポップ・ソングの形式――「ニュー・レイヴ」――をやや引きずっていたが、作を重ねるごとにエレクトロを後退させ、よりアシッド・ハウスやテクノに近づいていく。モジュラー・シンセとシーケンサー、ミキサーのみというミニマルな形態にこだわりながらクラウトロックの反復をテーマとした4作目『ウァール』を経て、 とりわけ、自主レーベル〈Delicacies〉からのリリースとなった『ウェルカム・トゥ・サイドウェイズ』(16)は非常にストイックなテクノ・アルバムとなった。ヴォーカルはなく、固めのビートが等間隔で鳴らされるフロアライクなトラックが並ぶ。とくに2枚目は50分以上に渡るノンストップのミックス・アルバムになっており、これはほとんどミニマル・テクノのDJセットである。そこにニュー・レイヴの陰はまったくない。

 そしてやはり2年間隔でのリリースとなった新作『マーマレーションズ』は、そうしたクラブ・ミュージックとしてのテクノの機能美を引き継ぎつつ、いま一度ヴォーカル・トラックに向き合った一枚である。ロンドンの女性ヴォーカル・コレクティヴであるディープ・スロート・クワイアをフィーチャーし、リッチなコーラス・ワークを聴かせてくれる。それはいわゆるカットアップ・ヴォイスのように断片的にではなく、比較的メロディを伴った形で導入されているのだが、やはりテクノのDJプレイのようにフェード・イン/フェード・アウト、カット・イン/カット・アウトするものとしてパラメータを絶妙に変化させながら現れては消え、また現れる。クワイア単体では演劇的な仰々しさがあるのだが、それが硬質なエレクトロニック・ミュージックと合わさることで異化され、抽象化される。モダン・ダンスを思わせるヴィデオとともに先行して発表された“Caught In A Wave”や“Hey Sister”などは比較的まとまったポップ・ソングとしての体裁があると言えなくもないのだが、アルバムでは長尺となる“A Perfect Swarm”や“Defender”辺りは一曲のなかで組曲のような壮大な展開を見せる。

 パーカッションなど生音が多く使用され、声が音響化されているため耳への響きは柔らかく、前2作の硬さとは対照的だ。あるいはビートレスのまま音の揺らぎが重ねられる“Gliders”などを聴くと、10年代のアンビエント/ドローンをうまく吸収していることがわかる。初期のローレル・ヘイローを思わせる部分もあるし、あるいはそのスケール感とエレガンスからジョン・ホプキンスと並べてもいいだろう。要はモダンなのだ。それは、彼らがデビューから静かに音の「アタック・ティケイ・サステイン・リリース」を細やかに練磨し続けてきた成果であり、『マーマレーションズ』ははっきりとキャリアでもっとも完成度の高いアルバムだと言える。
 フォードはアークティック・モンキーズの最新作のプロデュースに携わっており、プロダクションの面で大いに貢献している。裏方としての役割をいまも粛々とこなす彼には、ひょっとしたらSMDを過去の遺物として葬る選択肢もあったかもしれない。名義を変えてエレクトロニック・ミュージックをやるとか。だがフォードとショウのふたりはそんなことはせず、地道な変化と前進でこそニュー・レイヴではないテクノ・ミュージックをしっかりと作り上げていった。あの時代が残したものがそれでももしあるのだとすれば、それはシミアン・モバイル・ディスコという存在自体なのではないか……『マーマレーションズ』を聴いていると、そんな気分になってくる。


平岡正明論 - ele-king

よみがえる、戦後最大スケールの思考

『ジャズより他に神はなし』『ジャズ宣言』『チャーリー・パーカーの芸術』などのジャズ評論で知られるほか、政治思想、第三世界革命、犯罪、水滸伝、中国人俘虜問題、歌謡曲、映画、極真空手、河内音頭、大道芸、浪曲、新内、落語……と数多くのテーマに空前絶後のスケールで取り組んだ批評家・平岡正明。

本書では、その生涯と著作をたどる「本章三十六段」、120冊以上にのぼる全著作から厳選した「著作案内三十六冊」、すぐに使えるパンチラインを集めた「マチャアキズム・テーゼ三十六発」という108項目から、平岡の思想を紐解きます。

長く続くポスト・モダンの時代にあって、つねに世界規模・100年規模のスケールで「民衆の力」という「大きな物語」に全身で取り組んできた、その大思想の全貌がいまよみがえる!

●著者紹介
大谷 能生(おおたに よしお)
1972年生まれ。横浜在住。
音楽(サックス・エレクトロニクス・作編曲・トラックメイキング)/批評(ジャズ史・20世紀音楽史・音楽理論)。96年~02年まで音楽批評誌「Espresso」を編集・執筆。菊地成孔との共著『憂鬱と官能を教えた学校』や、単著『貧しい音楽』『散文世界の散漫な散策 二〇世紀の批評を読む』『ジャズと自由は手をとって(地獄に)行く』など著作多数。
音楽家としてはsim、mas、JazzDommunisters、呑むズ、蓮沼執太フィルなど多くのグループやセッションに参加。ソロ・アルバム『「河岸忘日抄」より』、『舞台のための音楽2』をHEADZから、『Jazz Abstractions』をBlackSmokerからリリース。映画『乱暴と待機』の音楽および「相対性理論と大谷能生」名義で主題歌を担当。チェルフィッチュ、東京デスロック、中野茂樹+フランケンズ、岩渕貞太、鈴木ユキオ、大橋可也&ダンサーズ、室伏鴻、イデビアン・クルーなど、これまで50本以上の舞台作品に参加している。
また、吉田アミとの「吉田アミ、か、大谷能生」では、朗読/音楽/文学の越境実験を継続的に展開中。山縣太一作・演出・振付作品『海底で履く靴には紐がない』(2015)、『ドッグマンノーライフ』(2016/第61回岸田戯曲賞最終選考候補)では主演をつとめる。『ホールドミーおよしお』(2017/CoRich舞台芸術まつり!2017春演技賞受賞)。

■目次

前書

本章 平岡正明論 三十六段
Ⅰ.
1.崩れた状態の記述
2.きんたまの使用法
3.暴力装置としての韃靼人
4.ジャズの組織論/プロレタリアート文化とは何か?
5.六〇年代ジャズ・シーンの概観/コルトレーン神学批判
6.アカと黒/「第三世界」の浮上
Ⅱ.
7.マルクス&エンゲルス/ブルジョア革命と資本主義
8.レーニン&トロツキー/帝国主義と永久革命
9.ブンドによる日本戦後過程の分析
10.高度成長期におけるあらたな階級形成
11.武装のための理論武装
12.あらゆる犯罪は革命的である
Ⅲ.
13.反面同志の死
14.西郷隆盛における永久革命
15.『日本人は中国で何をしたか』/『中国人は日本で何をされたか』
16.群盗世に充てり/『水滸伝 窮民革命のための序説』
17.闇市テーゼについて/『南方侵略論』
18.『石原莞爾試論』/帰還者たち
Ⅳ.
19.霊感のあらたな源泉/ディスク・ジョッキーと極真道場
20.What is 「全冷中」? 
21.歌の情勢はどのようにすばらしいのか?
22.「山口百恵は菩薩である」
23.美空ひばりの芸術
24.大歌謡論/「俺の独裁」
Ⅴ.
25.大山倍達を信じよ/極真空手という体系
26.変態性と反体制/不具者結合の法則
27.「過渡期世界論」を読む
28.祭と縁/ヨコハマ・野毛の平岡正明
29.「平民文学」の系譜/平岡的六〇年代文学論
30.浪曲的/新内的
Ⅵ.
31.バードとマイルス/ビバップ革命の射程距離
32.記憶の技法/『昭和ジャズ喫茶伝説』
33.『志ん生的、文楽的』/道化の戦闘性について
34.「シュルレアリスム落語宣言」/幻想の長屋共同体
35.マチャアキズム・テーゼの魔界
36.黒人大統領誕生をサッチモで祝福するとは?/二一世紀のブラック・マーケットに向けて

マチャアキズム・テーゼ三十六発

平岡正明著作案内三十六冊

後書

平岡正明著作リスト

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