「Lea Lea」と一致するもの

interview with Oneohtrix Point Never(Daniel Lopatin) - ele-king

ヴェイパーウェイヴは僕のカルチャーではないよ。僕のシーンではないし、自分があの一部だったこともなければあれをフォローしたこともなかったし、あの手の作品をあさった、みたいなこともまったくなかった


Oneohtrix Point Never
Magic Oneohtrix Point Never

Warp/ビート

ConceptronicaHypnagogic PopAvant Pop

 インタヴュー、その2。その1からの続きです。
 さて、彼の自伝の一部と言える新作『Magic Oneohtrix Point Never』からかぎ取れる孤独な感覚については、おそらく前回のインタヴューで本人が語っている。ニューエイジ解釈についても多弁を呈しているが、ひとつ言えるのは、最終的に彼はそれを嫌いではないということ。で、たしかにそれはmOPNにある。歪められた奇妙な音響として。

 ダニエル・ロパティンの言葉を読みながら、彼は昔チルウェイヴにも手を染めていたことを思い出したりもした。チルウェイヴにしろヴェイパーウェイヴにしろドリーム・ポップにしろヒプナゴジック・ポップにしろチル&Bにしろ、10年前のインディ・シーンに広く伝染したエスケイピズム──刹那的だが、その刹那においては永遠のまどろみ──は、10年経ってさらに拡散しているようだ。NYのロックダウンによってそれが加速したとしても不思議ではない。ロパティンは、偶然にも、なかば感傷的にそのまどろみを再訪してしまった。が、10年後のロパティンは、彼のインナースペースの記憶を、彼がかつて検査し、調査した夢と現実のはざま、ないしはユートピアとディストピアの揺らぎをコンピュータにコピーすると、こなれた手つきで調整するかのようにそれらを対象化し、彼なりのポップ作品にまで仕上げたと。それがmOPNなる新作の正体ではないのだろうか。本人も認めているように内省的な作品だが、親しみやすい音響に仕上がっていると思う。
 御託はこの辺にしましょう。今回もまた、ロパティンがとことん正直に話してくれています。

そういえば、TINY MIX TAPESというWEBメディアが2019年の終わりに「2010年代のもっとも好きな音楽」として、あなたのChuck Person名義の作品『Chuck Person's Eccojams Vol.1』(2010)を選んでいましたが、ご感想をお願いします。

DL:光栄に感じた。ただ、と同時に僕には難儀でもあったっていうか……だから、自分は必ずしも、あのウェブサイトをやってる連中と同じような喜びとともにあのレコードを聴けるわけじゃない、と。あの音源があそこまで他の人びとにとって意味を持つというのには、自分も本当に「わあ、そうなの?」と興味をそそられる。
 あの作品を作ったときはほんと、自分はとにかく……直観的に作った、みたいな。自分を駆り立ててあれを作らせたものがなんなのか自分でもわからないし、意図的にやったところは一切なくて。とにかく「これをやる必要がある」と自分は感じていたし、その通りにあの作品をやって、その結果を人びとがああして気に入ってくれたのは、自分にとってショックであったし、と同時にありがたい恩恵でもあった。
 だけど僕にとっては非常にこう、(苦笑)理解しがたいんだよね、他の人びとがあのレコードに見出す重要性というものは……。いや、もちろんそう評されるのは素晴らしいんだよ! とてもワンダフルだし、自分の作り出した何かがいまだにこれだけ長い時間が経ってもなお人びとの心を動かしている、みたいなことであって、それはとても感動的なんだけどね。

アンビエントやドローンの文脈で出会った我々のようなリアルタイムで聴いてきたリスナーからすると、『Eccojams Vol.1』と同じ年の『Returnal』のほうが圧倒的にインパクトが大きいですし、『Replica』(2011)や『R Plus Seven』(2013)の当時の評価も高かった。なので、後々になって一部のリスナーが『Eccojams Vol.1』のほうを強烈に評価するというのは興味深く、やや不思議でもあります。

DL:うん、そうだよね。僕もいつも困惑させられるんだ、なぜなら自分にとっては──それがなんであれ、いま自分の取り組んでいる最新のものこそ自分に作り出せるベストなものになっていくだろう、そう思ってやっているからさ。だって、僕は生きているんだし、さらに良くなろうと努力しているところで、正直になろうと努めてもいる。だから僕からすれば常に、「頼むから、どうか自分の最新作をいちばん好きな作品にしてください!」みたいな(苦笑)。ところが……うん、僕にしても微妙なところだよ、あの作品は実にナイーヴなやり方で作ったわけだし。でも、と同時に自分にとってそれはとても素晴らしいことでもあるんだけどね。だから、あの作品を聴くとこう、自分の……無垢さを聴いて取れる、みたいな(照れ笑い)。
 当時の自分はオーディオ・エディターの使い方すらロクに知らなかったわけで、とにかくひたすら手っ取り早く薄汚いやり方で何かを作っていた。それってとても……っていうか、僕にとっては実際、そっちの方がはるかにセラピー効果のある音楽なんだよな、ニューエイジ・ミュージックを過剰に参照している類いの音楽よりも。なぜなら僕は自分自身を癒す手段としてあの音楽を作っていたから。退屈な仕事の時間しのぎとして何か作りたいなと思ってやったことだったし、あの音楽を作ることで自分もリラックスさせられたんだ。

もしかしたらそれは……コロナウイルスにまつわって生じた実存的な恐れの感覚、そことも少し関わっているのかもね? ここしばらくの間に自分が家族や友人連中と交わした会話、そのすべてはすごくこう、みんながそれぞれの人生を振り返り思索している感じだったし──だから、「一体どうして我々はこの地点にたどり着いてしまったんだろうか?」という。

日本ではあなたがヴェイパーウェイヴの重要人物のようになっていますが、いかが思われますか? 

DL:ああ、あれは僕からすれば、自分のカルチャーではないね。どうしてかと言えば、あれは一種、『Eccojams』に反応した一群の若い世代の連中、みたいなものだったわけで。彼らはなんというか、『Eccojams』をもとにして……それを様式化した、という。で、僕にとっての『Eccojams』というのは基本的に言えば……いやだから、あれが一種の青写真だった、というのはわかるよ。ごく初期の頃に、自分でもこう言っていたのは憶えているからさ、「これは、『誰にだってやれる』という意味で、フォーク・ミュージック(民族音楽)みたいなものだ」って。クッフッフッ! 要するに、ゴミの山にどう対処すればいいか、その方法がこれですよ、みたいな(苦笑)。

(笑)なるほど。

DL:そうやってゴミを興味深いものにしよう、と。で、思うにそこだったんだろうね、人びとがとくに興味を惹かれた点というのは。だから、あれは個人的かつキュレーター的な作法で音楽にアプローチする、そのためのひとつのやり方だったっていう。でも、ヴェイパーウェイヴは違うな、あれは僕のカルチャーではないよ。僕のシーンではないし、自分があの一部だったこともなければあれをフォローしたこともなかったし、たとえばBandcampでさんざん時間を費やしてあの手の作品をあさった、みたいなこともまったくなかった。まあ、ラモーナ(・アンドラ・ザビエル:Ramona Andra Xavier aka Vektroid他)のことは知っているけどね。僕たちは初期の頃に話をしたことがあったんだ。そこでとても興味深い会話を交わしたし、彼女は素晴らしい人物であり、コンポーザーとしても優秀だよ。ただし、自分は彼女とは違う類いのコンポーザーだと思ってる。

でも新作は、まさにこうしたOPNをめぐる理解と誤解を楽しんでいるあなたがいるように思ったのですが、いかがでしょうか? というのも、前作、前々作と比べるまでもなく、あなたのキャリアのなかでも明るい作品というか、funな感じが出ていますよね? 

DL:うんうん。

その意味でも、初期=『Eccojams』期のイノセンスを少し取り戻した、それが新作に作用したのかな?とも思いましたが。

DL:ああ、それは間違いなくある。自分にもそれは聴き取れるから。で、これってある意味、自分が話してきた、長いこと言い続けてきたようなことなんだけども(苦笑)──だから、「単に他の音楽を素材に使って『Eccojams』をやるんじゃなくて、自分自身を『Eccojam』(エコー・ジャム)してみたらどうだろう?」って(笑)。

(笑)それはすごくメタですね。

DL:うん。でも、それに、そっちの方がもっと合法的だし。(編注:もともとヴェイパーウェイヴは既存の曲の無許可なルーピングを元にしている)

(笑)。

DL:ハッハッハッハッハッ! (作者が同じなので)そんなに僕の名前をクレジットに記載してくれなくてもいいよ、みたいな(笑)。という冗談はともかく、うん、その意見には同意する。明るいし、カラフルで……『Magic Oneohtrix Point Never』収録のアンビエントなピースの多くは、僕の耳には、僕が僕自身を「エコー・ジャム」しているように響く。うん、たしかに。

そもそもなぜタイトルが『Magic Oneohtrix Point Never』、先ほどおっしゃっていたようにセルフ・タイトルなんですか?

DL:……自分にもわからない! もしかしたらそれは……コロナウイルスにまつわって生じた実存的な恐れの感覚、そことも少し関わっているのかもね? ただ……自分でもどうしてあのタイトルにしたのかわからないんだ。とにかくそういうタイミングだった、というか。ここしばらくの間に自分が家族や友人連中と交わした会話、そのすべてはすごくこう、みんながそれぞれの人生を振り返り思索している感じだったし──だから、「一体どうして我々はこの地点にたどり着いてしまったんだろうか?」という。

ええ。

DL:「この状況に自分たちを引っ張ってきたのは何? 何が起きてこうなったんだ?」と。彼ら自身の送ってきた人生、世界、そして政治や何やかやにおける人生を振り返っていて……だから一種の、(これを機に)自分たちの人生を査定する、みたいな感覚があったっていう。もしかしたらそれが(このタイトル命名の)由来の一部かもしれないよね? 
 でも、それと同時に……単純に、音楽そのものに対するリアクションっていう面もあったと思う。今作をまとめていく過程で、「この曲、それからこの曲を入れよう」って具合に楽曲群のなかから選んでいったわけだけど、そうするうちに自分に何かが聞こえてきた──「この曲、これはセルフ・タイトルのレコードみたいに聞こえる」と感じたんだよね。それとは別の曲群ではまったくそう感じなかったし、それよりもあれらの楽曲群はもっと、特定の、音楽的な美学の世界の方と関わっているように思えた。ところが、この曲、これは自分にとっては音楽的にとても自伝的なものとして響くぞ、と。過去に遡って、自分がひとりで何もかもやっていた頃、00年代初期あたりの自分を思わせるものがある、と。

[[SplitPage]]

アルバムというフォーマットが死を迎えても、僕はかまわないけどね(笑)。世界はそういうものだ、というだけのことだよ、そうやって世界はどんどん変化しているんだし。それに自分は……戦略的に「これはこういう風に」と狙って何かやろうとしたためしがないんだ。


Oneohtrix Point Never
Magic Oneohtrix Point Never

Warp/ビート

ConceptronicaHypnagogic PopAvant Pop

アルバムの内容について訊きますね。ゲストのクレジットがない曲のヴォーカルは、(サンプル以外は)すべてあなたですか?

DL:うん。ヴォコーダーを使ってね。あれはこう……僕はずっと、ヴォコーダーを使ったレコードが好きで。ジョルジオ・モローダーの『E=MC2』(1979)だとか……

(笑)はい。

DL:ハービー・ハンコックの『Sunlight』(1978)等々、好きなものにはキリがない。ダフト・パンクだって『Discovery』(2001)以降、また使いはじめたし。いつもヴォーカルにヴォコーダーをつけてきたんだよ、だって、僕はシンガーではないからね。僕は、僕は……キーボード奏者だよ(苦笑)! だから、ヴォコーダーを使うと、自分の歌声をそのまま使ったり、たとえばそれにオートチューンをかけるよりもヴォーカル・メロディやハーモニーの面ではるかに興味深い、もっと流動的で、かつ豊かなものが手に入るんだ。というのも、自分はハーモニーという意味ではいまだに、自分の指で鍵盤を押さえるときほどクリエイティヴに考えることができないから。
 というわけで、僕にとってのこのレコードのサウンドと言えば、それになる。ほんと、ヴォコーダーにとても重点の置かれたレコードだ、というか。だから、(笑)仮にSpotifyのプレイリストに「これぞヴォコーダー作品だ」みたいな題のものがあって、『Sunlight』や『E=MC2』が並ぶなかにいずれ『Magic Oneohtrix Point Never』が含まれるようになったら、僕としてはとてもハッピーだよ、うん。

本作にはインタールードのような “Cross Talk” が4つ挟まれています。アルバム全体としては、ラジオの番組やチャンネルが変わっていく感じを意識しているそうですね。なぜいまラジオというある意味古いメディアに注目したんですか? 

DL:ふたつの理由があると思う。ひとつは、ニューヨークがロックダウンされていた、自主隔離生活を送っていた間に、友人たちがストリーミング・ラジオの番組をやっていて。もともとラジオは好きだったけど、あれをよく聴いていたのをきっかけに「Magic Oneohtrix Point Never」について考えるようになったし──というのもあの名前は、僕の育ったボストンにある、ソフト・ロックのラジオ局「Magic 106.7」(マジック・ワン・オー・シックス・セヴン)に引っかけた言葉遊びのようなものだから。
 最初に言ったように、僕はいつもラジオを聴いていたし、ラジオを録音したミックステープをずっと作っていた。とにかくリスニングするのが好きなんだ。ポッドキャストも、人びとのトークも、コマーシャルも、特殊音響効果等々も好きだし……とにかくラジオにある質感と色彩とが大好きで。子供だった頃からずっとそうだったし、あまりにも好き過ぎて、自らのプロジェクトをラジオ局にちなんで名付けたくらいだ。
 というわけで、もしも自分がセルフ・タイトルのレコードを作るとしたら──オーケイ、まず状況を設定する必要があるな、と。それって映画を作るようなものだし、さて、アルバムをどこに設定しようか? と。で、ラジオという設定に作品を据えたいと思ったんだ。

今年はラジオ放送が開始されてからちょうど100年です。そのことと関係ありますか?

DL:えーっ!?

アメリカで初めてライセンスを受けて商業ラジオが放送されたのは今から100年前にピッツバーグにて、とされています。なので、もしかしたらあなたがラジオを選んだのはそのせいもあるのか?と考えもしましたが……。

DL:(マジに驚いている模様)うわぁ………っていうか、ほんとに? アメリカで、最初のラジオ放送がおこなわれてから今年で100周年? ワ〜〜オ!

はい。この手の発明/テクノロジーの話だけに諸説あるかもですが──

DL:(苦笑)。

一般に、1920年の10月、ピッツバーグのKDKAという局が最初だった、とされています。

DL:ワ〜〜〜オ! 

でも、単なる偶然みたいですね。

DL:ああ、偶然だ。しかも、このレコードが出るのも10月だし。実に妙な話だね。

今日は配信全盛の時代で、音楽は単曲で聴かれることが主流ですが、この時代におけるアルバムの意義とはなんでしょう?

DL:ああ、僕にも見当がつかないな。アルバムってマジに死に絶えつつあるんじゃないかと思う(苦笑)。いやほんと、自分にはわからないし……だから、Spotifyの人は「アーティストもこれまでのように2、3年おきにアルバムを1枚作っていればいい、というわけにはいかない。コンスタントにトラックだのなんだのを作り続ける必要がある」(訳注:Spotifyの共同設立者ダニエル・エクが今夏「Music Ally」相手に語ったコメントのことと思われる。)みたいなことを話しているわけだし。どうなんだろう? なんとも言えないなあ。
ただ、アルバムというフォーマットが死を迎えても、僕はかまわないけどね(笑)。世界はそういうものだ、というだけのことだよ、そうやって世界はどんどん変化しているんだし。それに自分は……戦略的に「これはこういう風に」と狙って何かやろうとしたためしがないんだ。仮に、自分がその方向に向かうとしたら……だから、思うにティン・パン・アレー系の音楽(訳注:ティン・パン・アレーはマンハッタンにあった楽譜/音楽出版社他の多く集まったエリア。転じて、職業作曲家とパフォーマーとが分業制の商業主義ポップスの意味もあり)の興味深いところというのは、あの手の歌って尺がとても短かったわけじゃない? それはどうしてかと言えば、フォノグラフ盤に収録できる音楽の長さには物理的に限界があったからだ、と。オーケイ、なるほど。
 ってことは、別に悲しむべきことじゃないんだよ、これは。とにかくテクノロジーと美学とは、歴史を通じてそうやってずっとダンスを続けてきた、ということに過ぎない。だから、奇妙な(笑)、ダーウィンの進化論めいた自然選択が起こり、音楽が楽曲単位の各部に細切れにされるようになり、レコードという概念が古風で古臭いものになったとしても、それはそれでオーケイなことであって。
 ただし、僕はレコードを愛しているけどね。レコードを聴くのが好きだ。だから僕も単に、自分の育った時代、その産物だってことなんだろうな(苦笑)。自分にはわからないけど、でも、うん、それはそれでオーケイ、ありなことだよ。

ASMRの人気についてはどう見ていますか? 

DL:うん、すごく、すごーく興味深い現象だよね。あれはもしかしたら、孤独感……人びとの抱く寂しさとどこか関係があるんじゃないかな? 親密な繫がりの欠如、そこと何か関係があるんじゃないかと思う。というのも、密な繫がりがあり、他の人びとと近い間柄を保てていれば、ASMRは常に身の回りで起きているわけで。その人間の日常に密接な繫がりが欠けている、もしくは他との接触を絶たれていて孤立した状態だったら、ASMRを得る何かしら別の方法を見つけなくちゃならなくなるのかもしれない。うん……非常に興味深いし、かつ、ある意味とても美しくもある現象だ。
で……今回のレコードのなかにも一カ所、僕からすればASMRな瞬間が訪れる場面があって、それはアルカの参加曲。あのトラックを聴いてもらうと、彼女がヴォイスを使って「S(エス)」というぶるぶるしたサウンドを生み出しているのが聞こえる。僕は彼女のヴォーカルおよびその周囲をこう、サウンド・デザイン等々を通じて、ある種非常に親密に響くようなやり方で提示した、という。あれはとても興味深い、彼女特有のものだし、彼女がやりたがったのもそれだったんだよ、ただ「エス・エス・エス……」と繰り返し発語する、みたいなこと。あれは本当にクールだった。
 でもまあ……(軽く咳払いして)ASMR人気がどうして起きているのか、それは僕にもわからない。ただ、思うにそうした現象が浮上するのは、おそらく人びとが「親密な繫がりが足りない」と感じているときなんじゃないか? 。

いまおっしゃったように、“Shifting” にはヴォーカルでアルカが参加しています。2010年代、OPNとアルカはエレクトロニック・ミュージックの最前線を駆け抜ける二大巨頭のような存在でした。10年代が終わり、その両者がコラボするに至ったことに大きな感慨を覚えます。かつて、そして現在、アルカの音楽についてはどのように思っていました/いますか?

DL:ああ、彼女はとんでもない才能を持つクリエイターでありヴォーカリストだ。彼女の音楽は本当にずっと好きだったし、知り合って結構経つけど、僕たちはいつも「一緒に何かやろう、何かやろうよ」と言い合っているばかりでね(笑)。で、遂にはお互いウンザリしたというか、「いつまでこうして無駄話を続けるつもり?」みたいな。

(笑)話してるばかりじゃなく、やろう、と。

DL:(笑)そうそう、「とにかくやっちゃおう!」と。でも……そうだね、お互いのクラフトに対する、素敵な称賛の念(苦笑)を共有しているよ。彼女の音楽は聴いていてとても共感できるし、メロディ面でも同様で、たまに「ああ、なんて綺麗なメロディなんだろう!」と感じることもあって、昔からの友人みたいに思える。だから、言葉を交わすまでもなく理解し合える誰か、みたいな。それに僕は好きなんだ、常に惹かれてきたんだよ、こう……クレイジーでスキゾな音楽を作っているアーティスト、ジャンクのように聞こえるというか、彫刻的にごちゃっとした混沌の塊で、でも聴いているうちに形をとってまとまっていく音楽を作っているアーティストたちに。そういうタイプのアーティストに常に惹きつけられてきたし、それはアートの分野を問わずでね。
というのもそれって、とある人びとが見ている現実というものの眺め、そのもっとも興味深い表現の仕方のように思えるから。で、彼女はとにかく、そこに音楽で生命を吹き込むのが最高に上手いんだ。僕は常にそこに感心させられてきたし、強く心奪われてもきたね。

最後は “Nothing’s Special (特別なものはなにもない)” という曲で終わります。これは何を意味していますか? まさに本作の本質を自ら明かしているとか?

DL:んー、あのタイトルの二重の意味が気に入っているんだ。だから、あそこから所有格の「‘(s)」を抜かすと「nothing special(どうってことない/これといって別に、といった意)」という、いささかシニカルな意味合いにとれる。でも「’」を足すと「特別なものはなにもない」になり、まあ、一種の禅っぽい在り方ってことだよ。
あの歌にはちょっとこう……とても悲しいときはどんな風に感じるか、それについて考えをめぐらせてみた、みたいなところがあるね。だから、思い出すわけだよ──たとえこの、悲しみのどん底みたいなものにある状態ですら、人は思い出しているんだよ、「自分は悲しみを感じている」って風に(苦笑)。ただ単に悲しいのではなく、悲しみというものを「感じて」いるっていう。で、何かを感じるというのは形状を伴うものだし、それは吟味・検討の形状であり、すなわち生きているということの形だ、と。で、「nothing is special」というフレーズは、ある意味ものすごい悲しみ、自分にはなにも信じられないという状態のことだけど、と同時にそれはまた、悲しむのもひとつの興味深い感覚であることを思い起こさせてくれる、という。あれはだから、メランコリーについての歌だね。

もう予定時間も過ぎていますし、これで終わりにしようと思います。今日は、お時間をいただいて本当にありがとうございます。

DL:どういたしまして。

わたし個人も、このアルバムをとてもエンジョイしています。美しくまとまっていますし、曲の間に挟まるクロス・トークも面白いです。

DL:(笑)うんうん、あれね、あれは自分でもやってて楽しかったよ。ともあれ、ありがとう。

former_airline - ele-king

 90年代後半より活動をつづける久保正樹によるソロ・プロジェクト、former_airline のニュー・アルバム『Postcards from No Man's Land』が、なんと、イアン・F・マーティン主宰の〈Call And Response〉より10月28日にリリースされている。フォーマットはカセットテープ(ダウンロード・コード付き)と配信の2種。バンドキャンプで買えます。パンデミックの最中に制作されたという本作、シューゲイズやポストパンク、クラウトロックから影響を受けたサイケデリック・サウンドをお楽しみあれ。

former_airline
「Postcards from No Man’s Land」
2020/10/28リリース

久保正樹によるソロ・プロジェクト。いくつかのバンド活動を経て、90年代後半よりギター、エレクトロニクス、テープなどを使用した音作りを始める。2000年代後半より former_airline 名義で活動開始。J・G・バラードにも例えられる音世界は、ときに「サイファイ・サイコ・エロチシズム」、「ディストピアン・スナップショット」などと称されたりもする。カセットテープを中心に、日本、イギリス、アメリカ、ドイツ、フランスほか世界各国のレーベルより8枚のアルバムをリリースしている。
今回のフルアルバム『Postcards from No Man's Land』に収録された曲のいくつかは2019年に録音され、多くは2020年に新型コロナウィルスによるパンデミックのなか自宅にこもり録音されたもの。

久保は、この過渡的な状況において、アルバム制作を通じて表現をすることが重要だと語る:
「このアルバムは、何気なかった日常が遠い思い出と消え行き、新しい普通とともに世界が大きく変わってしまう前後の音の記録として、どうしても『いま』リリースしたかった作品で、そこに残されたいまだ知らない空虚を見つめ、したためた便りのようなものです」

former_airline の音楽は、21世紀のパニックと情報過多を表現しているが、それを超えて希望に満ち忘られている未来が、世界を悩ましている精神的な夢の空間へと導いているよう。アルバム『Postcards from No Man’s Land』では、閉所恐怖症的な感覚、モートリック、アーバン、インダストリアルな要素がドリーミー、サイケデリック、トランスの要素へ途切れなく溶け込んでいく。
ポストパンク、クラウトロック、ミニマルウェーブ、シューゲイズ、ダブ、アシッドハウスからの影響を受けていながらも、former_airline はそれらを受け入れて、楽観的で今のカオスに根ざした彼自身の音の世界を作り上げている。

Artist website: https://formerairline.tumblr.com
Artist Twitter: https://twitter.com/former_airline_
Label website: https://callandresponse.jimdofree.com

CAR-44
『Postcards from No Man's Land』
Side A
 In Today's World
 Geometries of the Imagination
 Insane Modernities
 On the Sea of Fog
 Dubby the Heaven
Side B
 Paint This December Blue
 Destroy What Destroys You
 Walking Mirrors
 S. Sontag in the Psykick Dancehall

Format: カセットテープ+DLコード / Bandcamp
Price: ¥1500+tax

11/8 (日) ONLINE RELEASE EVENT
スタート 20:00 JST
LIVE:
・former_airline
・Demon Altar
https://www.twitch.tv/callandresponse

Autechre - ele-king

 驚きの早さだ。つい先日じつに見事な新作『Sign』をドロップしたばかりのオウテカが、もう次のアルバムをリリースする。今度は題して『Plus』。タイトルやタイミング的には一見『Sign』のアウトテイク集のようにも思えるけれど、どうもそうではないらしく、サウンド的に異なる別作品のようだ。となるといったいどんなサウンドが詰めこまれているのか、大いに気になってくるところです。発売は11月20日、心して待っていよう。

CAN:パラレルワールドからの侵入者 - ele-king

 映画『イエスタデイ』は、ビートルズのいない世界を想像してみろと、私たちに問いかける。リチャード・カーティスの、代替えの歴史の悪夢のように陳腐なヴィジョンのなかでも、音楽の世界はほとんどいまと変わらないように見え、エド・シーランが世界的な大スターのままだ。

 しかし、多元宇宙のどこかには、ロックンロールの草創期にビートルズのイメージからロックの方向性が生まれたのではなく、カンの跡を追うように出現したパラレルワールド(並行世界)が存在するのだ。それは、戦争で爆破された瓦礫から成長した新しいドイツで、初期のロックンロールがファンクや実験的なジャズと交わり、ポピュラー・ミュージックがより流動的で自由で、爆発的な方向性の坩堝となり、アングロ・サクソン文化に独占されていた業界の影響から独立した世界だ。

 カンのヴォーカルにマルコム・ムーニーを迎えた初期のいくつかの作品では、このような変化の過程を聴くことができる。アルバム『Delay 1968』の“Little Star of Bethlehem”では、ねじれたビーフハート的なブルース・ロックのこだまが聴こえるし、“Nineteenth Century Man”は数年前にビートルズ自身が“Taxman”で掘り起こしたのと同じリズムのモチーフを使った、拷問のようなテイクをベースにしている。

 カンの1969年の公式デビュー盤、『Monster Movie』のクロージング・トラック、“Yoo Doo Right”は、いかにバンドがチャネリングをして、ロックンロールを前進的な思考で広がりのあるものへと変えていったかがわかる小宇宙のようだ。ムーニーのヴォーカルが、「I was blind, but now I see(盲目であった私は、いまは見えるようになった)」や、「You made a believer out of me(あなたのおかげで私は信じることができた)」とチャントして、ロックとソウルの精神的なルーツを呼び覚ますが、それはベーシストのホルガ―・シューカイとドラマーのヤキ・リーベツァイトのチャネリングにより、制約され、簡素化されて、容赦のないメカニカルでリズミカルなループとなり、ミヒャエル・カローリのギターのスクラッチや、渦巻き、切りつけるようなスコールの満引きに引っ張られて、ヴォーカルから焦点がずらされる。

 カンが1960年代に取り組んでいたロックの変幻自在の魔術への、もうひとつ別の窓は、映画のための音楽を収録したアルバム『Soundtracks』で見ることができる。クロージング・トラックの “She Brings the Rain” などは、かなり耳馴染みのある1960年代のサイケデリックなロックやポップのようにも聴こえるが、このアルバムでは、それ以外にも何か別のものが醸し出されている。それは “Mother Sky” の宇宙的なギターとミニマルなモータリックの間に編まれた緊張感のあるインタープレイや、ヌルヌルしたグルーヴと新しいヴォーカリスト、ダモ鈴木の “Don’t Turn The Light On, Leave Me Alone” での不明瞭なヴォーカルでより顕著であり、おそらくバンドの最盛期の基礎を築いている。

 『Tago Mago』、『Ege Bamyasi』、『Future Days』といったアルバムは、現代のポピュラー・ミュージックの基礎となったカンのパラレルワールドが、我々の世界にもっとも近づいた所にあるものと言えるだろう。目を細めれば、異次元の奇妙な建築物と異界のファッションが、世界の間に引かれたカーテンをすり抜けて侵入しているのが、かろうじて見えるはずだ。それはポスト・パンク・バンドのパブリック・イメージ・リミテッド、ESG、ザ・ポップ・グループ他の生々しい、調子はずれのファンクのリズムや、ざらついたサウンドスケープ、あるいはマッドチェスター・シーンのハッピー・マンデーズやストーン・ローゼスといったバンドのゆるいサイケデリックなグルーヴのなかに、またソニック・ユースとヨ・ラ・テンゴのテクスチュアとノイズのなかに見ることができる。さらに1990年代初期のポスト・ロック・シーンでも、ステレオラブやトータスといったバンドの反復や音の探究を経て、おそらく21世紀でもっとも影響力のあるバンド、レディオヘッドにまで及んだ。カンは過去半世紀にわたり、ポピュラー・ミュージックの進化に憑りついてきた幽霊なのだ。

 カンの影響が長いこと残り続けるあらゆる“ポスト〜”のジャンル(ポスト・パンク、ポスト・ロック、そしてかなりの範囲でのポスト・ハードコアも)が、私にとって重要に思えるのは、これらはジャンルを超越したところにある、生来の本能的なジャンルだったからだ。ポスト・パンクは、パンクに扇動されて自滅したイヤー・ゼロ(0年)に、ファンク、ジャズ、ムジーク・コンクレート、プログレッシヴ・ロック他を素材として掘り起こし、自らを再構築しようとしていた音楽だ。一方、ポスト・ロックは生楽器をエレクトロニック・ミュージックの創作過程のループ、オーバーレイやエディットに持ち込んだ。それらは、従来のロック・ミュージックの世界での理解を超えた居心地の悪い音楽的なムーヴメントだったのだ。言うまでもなく、カンは最初からロックの接線上に独自の道を切り開いてきており、マイルス・デイヴィスが自身のジャズのルーツから切り開いた粗っぽいロックンロールのルーツと同じく、予測不可能なジャンルのフュージョンへの地図を描いていた──おそらくカンの爆発的なジャンルを超越した初期のアルバムにもっとも近い同時代の作品は、マイルスが平行探査した『Bitches Brew』 と『On the Corner』などのアルバムだろう。

 この雑食性で遊び心に満ちた折衷主義は、鈴木の脱退後のアルバムにおいても、カンの音楽の指針となっていたが、『Tago Mago』で到達した生々しい獰猛さを、1974年の『Soon Over Babaluma』の雰囲気のある、トロピカルにも響くサイケデリアのような控えめな(とはいえ、まったく劣ることのない)ものに変えたのだ。

 彼らはもちろん時代の先をいっていた。ロックの純粋主義者たちは、バンドの70年代後半のアルバムに忍び寄るディスコの影響を見て取り、冷笑したかもしれないが、グループの当時のダンス・ミュージックの流行への興味は、カンの幽霊の手(『Out of Reach』のジャケットのイメージによく似ている)に、彼らの宇宙的な次元と、報酬目当てのメインストリーム・ミュージックが独自の行進を続ける世界との間のヴェールを掴ませる役割を果たしていたのだ。カンは一度もロック・バンドであったことはなかったし、シューカイが徐々にベーシストとしての役割からリタイアし、テープ操作に専念するようになったことは、バンドの特異なアプローチが、音楽がやがてとることになる幅広いトレンドの方向性を予見させる多くの方法のひとつであったと言える。もっとも、カン自身はそれらのトレンドに対しては、斜に構え、独自の動きを続けた。

 そういった意味では、1979年の自身の名を冠したアルバムは、カンのことを雄弁に物語っている。10年に及ぶキャリアのなかで蒔いた種が、新世代の実験的なマインドを持ったアーティストたちに刈り取られ始め、カンの音楽とアプローチを軸にした作品が創られ始めたため、彼らはそういった作品に、“巨大なスパナを投げつけて”、妨害せずにはいられなかった。カン自身が創ったミニマリストのような、歪んだノイズのアトモスフェリックなディスコと、ファンクに影響されたサウンドは、キャバレー・ヴォルテールやペル・ウブ、ア・サートゥン・レシオなどと並べても違和感がなく、“ A Spectacle” や “ Safe” などのトラックは、彼らの技の達人ぶりを示していた。しかし決して安全な場所には留まらないのがカンであり、デイヴ・ギルモア時代のピンク・フロイド(1979年には絶対クールではなかった)のような世界にも喜んで飛び込み、SIDE2の大部分を躁状態のダジャレの効いたジャック・オッフェンバックの「天国と地獄」のダンスのテーマである“Can-Can(カン・カン)”の脱構築に費やし、間にはピンポン・ゲームまではさんでいる。言うまでもなく、彼らの最もバカバカしく、最高のアルバムのひとつだ。


 カンの影響下にあるパラレルワールドは、時に我々の世界の近くにありながら、その音楽はあまりにも多くの迂回路に進むため、ほとんどの場合、ぎりぎり手が届かないというフラストレーションを感じてしまう。我々は、次元の間に引かれたカーテンを完全に通過することはできないかもしれないが、隅々まで目をこらして、影や、我々の世界の亀裂を見ると、そこにまだ特異性が根付いているのを見出すことができる。そこには何かが存在し、他の場所からの侵入者が、我々が引いた線の間をぎこちないファンキーさで滑りこんできて、固体を変異可能にし、現実を異世界にし、異世界を現実にするのだ。

 ここに、バンドの面白さを象徴していると思う6枚のアルバムを挙げる。

『Soundtracks』──1960年代のロックから、より宇宙的なものへのバンドの変遷を示している。

『Unlimited Edition』──カンのもっとも折衷主義的で、実験的なアルバム。

『Tago Mago』 ──カンのもっとも極端な状態。

『Ege Bamyasi』──ダモ鈴木時代の、もっとも親しみやすさを実現した作品。

『Landed』──ポップ、エクスペリメンタル、アンビエントなアプローチをミックスするカンの能力を示す素晴らしい一例。

『Can』 ──バンドがバラバラな状態にあっても、常に自分たちにとって心地よいカテゴリーの作品を作るのを避けていたことがわかる。

(7枚目の選択として、『Soon Over Babaluma』は、もっとも繊細で雰囲気のある、カンの一例。)

Can: Intruders from a Parallel World

Ian F. Martin


The movie Yesterday asks us to imagine a world without The Beatles. In Richard Curtis’ nightmarishly banal vision of that alternate history, the music world seems much the same and Ed Sheeran is still a global megastar.

Somewhere in the multiverse, though, there’s a parallel world where the direction of rock emerged out of its rock’n’roll youth not in the image of The Beatles but rather sailing in the wake of Can. It’s a world in which a new Germany, growing from the war’s bombed-out wreckage, was the crucible in which the raw energy of early rock’n’roll merged with funk and experimental jazz, taking popular music in more fluid, free-flowing, explosive directions, independent from the hegemonic influence of the Anglo-Saxon culture industries.

You can hear this process of transformation happening in some of Can’s early work with Malcolm Mooney on vocals. On the album Delay 1968, you can hear warped, Beefheartian echoes of blues rock in Little Star of Bethlehem, while Nineteenth Century Man is based around a tortured take on the same rhythmical motif The Beatles themselves had mined on Taxman a couple of years previously.

On Can’s official debut, 1969’s Monster Movie, the closing track Yoo Doo Right is like a microcosm of how the band were channeling rock’n’roll into something forward-thinking and expansive. Mooney’s vocals summon forth chants of “I was blind, but now I see” and “You made a believer out of me” from the rock and soul’s spiritual roots, but it’s constrained, streamlined and channeled by bassist Holger Czukay and drummer Jaki Liebezeit into a relentless, mechanical rhythmical loop, the vocals dragged in and out of focus by the ebbs and flows of Michael Karoli’s scratching, swirling and slashing squalls of guitar.

A different window into the transformational witchcraft that Can were working on 1960s rock can be seen on the album Soundtracks, which collects some of their work for films. Some songs, like the closing She Brings the Rain, come across as quite familiar sounding 1960s psychedelic rock and pop, and yet something else is brewing in the album too. It’s there most clearly in the tightly wound, tense interplay between cosmic guitars and minimalist motorik rhythms of Mother Sky, as well as more subtly in the slippery grooves and new vocalist Damo Suzuki’s slurred vocals on Don't Turn The Light On, Leave Me Alone, laying the ground for what is probably the band’s most celebrated phase.

The albums Tago Mago, Ege Bamyasi and Future Days are really where that parallel world in which Can were the foundation of modern popular music moves closest to our own. Squint and you can just about see that other dimension’s strange architecture and alien fashions trespassing through the curtain between worlds. You can hear it in raw, discordant funk rhythms and harsh soundscapes of post-punk bands like Public Image Limited, ESG, The Pop Group and others; it’s in the loose, psychedelic grooves of Madchester scene bands like The Happy Mondays and The Stone Roses; it’s in the textures and noise of Sonic Youth and Yo La Tengo; it’s in the repetition and sonic exploration of the nascent 1990s post-rock scene, filtering through bands like Stereolab and Tortoise, eventually informing perhaps the most influential rock band of the 21st Century, Radiohead. Can are a ghost that’s been haunting the evolution of popular music for the past half century.

The lingering influence of Can on all the “post-” genres (post-punk, post-rock and to a large extent post-hardcore too) feels important to me, because these were genres with an innate instinct towards transcending genre. Post-punk was music trying to build itself anew after the year-zero self-destruction instigated by punk, mining fragments of funk, jazz, musique concrète, progressive rock and more as its materials. Meanwhile, post-rock brought the live instruments of rock into the loops, overlays and edits of electronic music’s creation process. They were musical movements uncomfortable in the world of rock music as conventionally understood. Can, needless to say, had been charting their own path on a tangent from rock since the beginning, approaching a similar slippery fusion of genres from the rough roots of rock’n’roll that Miles Davis had been charting from his own jazz roots at the same time — arguably the closest thing to Can’s explosive, genre-transcending early albums among any of their contemporaries can be found in Davis’ parallel explorations on albums like Bitches’ Brew and On the Corner.

That omnivorous, playful eclecticism remained a guiding feature of Can’s music in the albums that followed Suzuki’s departure, even as they traded in the raw ferocity that had reached its peak in Tago Mago for something more understated (but in no way lesser) in the atmospheric and even tropical sounding psychedelia of 1974’s Soon Over Babaluma.

They stayed ahead of the curve too. Rock purists may have sneered at what they saw as a creeping disco influence on the band’s late-70s albums, but the group’s interest in then-contemporary dance music kept Can’s spectral hand (much like the jacket image of Out of Reach) grasping at the veil between their cosmic dimension and the mercenary world where mainstream music continued its own march. Can had never been a rock band anyway, and Czukay’s gradual retirement from bass duties to focus on tape manipulation is another of the many ways the band’s idiosyncratic approach foreshadowed the direction broader trends in music would eventually take, even as Can themselves continued to move oblique to those trends.

In this sense, their self-titled 1979 album says a lot about Can. Just as the seeds sown by their then ten year career were starting to be reaped by a new generation of experimentally minded artists and the pieces were starting to realign themselves around Can’s music and approach, they couldn’t resist throwing a giant spanner in the works. The sort of minimalist, noise-distorted, atmospheric, disco- and funk-influenced sounds Can had made their own would have sat very comfortably alongside the likes of Cabaret Voltaire, Pere Ubu and A Certain Ratio, and in tracks like A Spectacle and Safe, Can showed they were masters of that craft. Can were never about being safe though, and they were just as happy diving down rabbit holes of Dave Gilmour-era Pink Floyd (desperately uncool in 1979) and devoting a large chunk of side 2 to a manic, pun-driven deconstruction of Jacques Offenbach’s “Can-Can” dance theme, interspersed with a game of ping pong. Needless to say, it’s one of their silliest and best albums.

The parallel world that lives under the influence of Can is sometimes tantalisingly close to our own, and yet their music pursues so many oblique detours that it mostly feels frustratingly just out of reach. We may never fully be able to pass through that curtain between dimensions, but look in the corners, the shadows and the cracks in our world where idiosyncrasies can still take root, and there is something there: some trespasser from elsewhere, slipping in their awkwardly funky way between the lines we draw, making the solid mutable, the real otherworldly and the otherworldly real.


Here are 6 albums that I think represent six interesting aspects of the band.

Soundtracks - Shows the band's transition from 1960s rock into something more cosmic.
Unlimited Edition - Can at their most eclectic and experimental.
Tago Mago - Can at their most extreme.
Ege Bamyasi - The most accessible realisation of the Damo Suzuki era.
Landed - A great example of Can's ability to mix pop, experimental and ambient approaches.
Can - Shows how even as the band were falling apart, they always avoided making anything that fit into a comfortable category.

(As a 7th choice, Soon Over Babaluma is a great example of Can at their most subtle and atmospheric.)

さよひめぼう - ele-king

 インターネット上を拠点に活動、これまでアメリカの〈PLUS100〉や〈BusinessCasual〉といったヴェイパーウェイヴ系のレーベルからリリースを重ね、〈Maltine〉にもEPを残すトラックメイカー、さよひめぼうが初の全国流通盤を送り出す。
 ブレイクビーツが暴れまわったり謎めいた声ネタが飛び交ったりしているが、全体的にはじけんばかりのキャッチーさに包まれている。不思議なハイブリッド感を楽しもう。


さよひめぼうの新アルバム『ALIEN GALAXY MAIL』本日10/21CD発売&配信/ストリーミングも開始!

●2016年6月14日アトランタの名門Vaporwaveレーベル〈PLUS100 Records〉、2017年4月21日米国のインターネットレーベル〈BusinessCasual〉よりアルバムをカセット・デジタルで発表し、2019年には〈Maltine Records〉からEP「深圳DIVA」をリリース。その独創的な音楽性が国内でも話題を振りまきつつあるトラックメイカー=さよひめぼうの新アルバム『ALIEN GALAXY MAIL』が本日10/21に発売!

●今作はライヴテイクの勢いを大きく反映させ、今までのベッドルーム・ミュージック的なアプローチから、踊る事を主軸に置いたダンスミュージックへと進化した一作となる。国内・海外で注目を集める横浜育ちのビートメーカー ΔKTR がプロデュース。マスタリングを ISSUGI や仙人掌、KID FRESINO、JJJ、C.O.S.A. らの作品への参加でも知られるプロデューサー/ビートメーカーの Aru-2 が施し、アルバムデザインは tofubeats のアートワークや、PUMA とのコラボレーションなど、インディーズからメジャーレーベルまで幅広い分野にアートワークを提供し、様々な企業、ブランドとのコラボレーションでプロダクトを展開している GraphersRock が担当した。

●GraphersRock のアルバム・アートワークを元に、たすけてセンター街が監督・編集したトレイラー動画や、imai (group_inou)、パソコン音楽クラブ、長谷川白紙、ぷにぷに電機、SEKITOVA、tomad、John Zobele (Business Casual)、R23X (Plus100、NEOGAIAPHANTASY)からのコメントも是非合わせてチェックしてください。

[AppleMusic, iTunes, Spotify など各配信/販売リンクはこちら]
https://smarturl.it/SAYOHIMEBOU

[アルバム・トレイラー映像はこちら]
さよひめぼう - “ALIEN GALAXY MAIL” Trailer
https://youtu.be/ek42B2LzMiE

2050年、新たな氷河期に突入後、
人類の大半はアジア大陸上に浮かぶ巨大コロニーに移住。
そこで暮らす中国人中学生猫娘は、
エンジニアの祖父からY2Kを経て改良・使用し続けた旧型Windowsパソコンを受け継いだ。
その娘のパソコンにある日、宇宙人からメールが受信される。
その内容は高速監視システムで探知され、瞬く間に全世界へ流出して大問題となった。

・・・

[各推薦コメントはこちら(順不同)]

初めてさよひめぼうさんの曲を聴いた時はバックグラウンドが全然見えなくて、本当に宇宙人かと疑いました。

今作はそんなさよひめぼうさんが地球で活動を始めて、あらゆるトラックメイカーと共演する事で言語を習得し、最強バイリンガルになったような印象を受けました。

さよひめぼうさんは地球年齢だと僕より先輩にあたるのですが、「今が一番楽しい」と仰られていて、とても感動しました。
また共演してフロアをめちゃくちゃにしましょう!
特大リスペクト!!!!!

imai (group_inou)

---

とにもかくにもリリースおめでとうございます! パソコン音楽クラブの企画で初ライヴを拝ませてもらってからはや3年、当時のVaporwave meets IDM的なカオスの連打から深圳DIVAあたりでの言語感覚の獲得によるポップな狂いと、そこに込めたインスピレーション元への私的な敬愛を同時に覗き見ることができる面白いアルバムでした。毎作ごとに恐る恐る拝聴させていただいております。今後とも油断も隙もならない音楽を楽しみにしています!

SEKITOVA

---

蛍光色のエイリアンと毒ミッキーが融合・分裂し続けるトリップの中で、縦横無尽に跳ね回るのは、過剰なまでにケミカルな音の塊。背後から迫ってくる音響生命体は、おしゃべりのようにアーメンブレイクのスネアを打ち出し続けている。このコミュニケーションの成立しない銀河に、人間の出る幕は勿論ない。

柴田(パソコン音楽クラブ)

---

さよひめぼうさんは、その初ライブが僕の所属するパソコン音楽クラブ企画の小さなイベントだったと思います。
その日、それまでにさよひめぼうさんの音楽を聞いたことのある人は少なかったと思いますが、様々な音楽の影響を感じさせつつも誰にも真似できない唯一無二の圧倒的なサウンドを聴き、そこに居合わせた全員がこれはとんでもないことになるんじゃないか、と物凄いワクワク感を感じたのを覚えています。それ以降も要所要所でご一緒し、僕はいつもその音楽に圧倒され続けてきました。
そんなさよひめぼうさんが今作ついに全国流通盤を出されるとのことで、本当に嬉しいです。
今作は当初からのIDM・ブレイクコア的ビートの持つ疾走感を引き継ぎつつも、声ネタや音選びなどから、過去作に比べてよりキャッチーな印象を感じました。しかしながら不思議な位相感や浮遊感のある調性など、抜群のオリジナリティは健在です。初めてさよひめぼうさんの音楽を聴く人に寄り添いつつも、体験したことのない聴了感を感じさせてくれる作品だと思います。

西山(パソコン音楽クラブ)

---

我々の記憶から発音体までの距離をサンプリングしてしまうような唯一無二としか言いようがない音像/
常に音楽的構造を維持していながらも、“伝統的”な小節単位の進行ではない、予測不可能な、天上からの走り書きみたいな展開/
唐突に挿入される異分脈の和音の濁り、きみょうな転回形、グリッド外のリズム、異なる分割のリズム/
まるで中世音楽のような雰囲気すら感じさせるような旋法性や声部の独立性/
宇宙の全てを射程に捉え予言するような、鮮烈で恐ろしい記名性/
最新にして最大の美しくよごれた幻影!

長谷川白紙

---

さよひめぼうさんはコラボレーションの際、いつもそのCuteで過激な音色を動力に、わたしの声を異次元に連れていってくれます。
 頂いたトラックを聞けば極彩色の世界感が嬉しくて「どこ~~~!?」と叫びたくなりそうなほど、魅力的なエンジンをお持ちの宇宙船です。
 そんなさよひめぼうさんがアルバムをリリース! ということで、先だって聴かせていただいたのですが、やっぱり「どこ~~~!?」でありつつも、流体のような滑らかさと硬質でパワフルなビートを更に洗練させておいでで、さらなるアップデートに眩暈がするほどです。
 きっとこのアルバムをお聞きの皆さんを最高の銀河に連れていってくれるでしょう。
 ヤバいとこまで届きそう……。

ぷにぷに電機

---

はじめて聴いた時これは「テクノ」だと思った、そして泣いた。
ここではない未知なる惑星の思い出が走馬灯のように脳内を彩る。
2020年、宇宙への旅。さあ、最悪なこの地球から飛び出そう。

tomad (Maltine Records)

---

"Another exciting release from SAYOHIMEBOU, featuring their signature blend of glitchy vaporwave.
Surprising and fun as always."

John Zobele (Business Casual Owner)

---

Sayohimebou’s latest high-energy, auto-tuned, chopped-up masterwork pushes plunderphonic music to another level—it will blow your mind!

Sayohimebou is back in full force deconstructing techno, breakbeat, IDM, and plunderphonics through the lens of internet music.

Alien Galaxy Mail will make you rethink what dancing in a club could and should be.

This is an amazing blend of breakbeats, bubbling synths, warped samples, and bass lines that will get you moving… truly unique music.

Sayohimebou’s latest work is like putting hardcore techno, drum & bass, and vaporwave—with a pinch of gabber—into the blender and then microwaving the results. Incredible.

R23X (Plus100, NEOGAIAPHANTASY)

・・・

アーティスト:さよひめぼう
タイトル:ALIEN GALAXY MAIL
品番:PCD-20429
定価:¥2,000+税
発売日:2020年10月21日

Tracklist:
01. 拝啓 聖 猫娘
02. NEO ICE AGE
03. GALAXY MAIL
04. Runway
05. ON-GAKU
06. Camouflage i-Land
07. Spam Trap (ハニーポット)
08. Summer Skate Link
09. AFRICA Mickey Museum
10. 1998-2050 (Memphis)

https://smarturl.it/SAYOHIMEBOU

・・・

[プロフィール]
さよひめぼう
主にインターネットを活動の拠点とする、ミュータントFutureダンスミュージック製造工場!? 米国〈PLUS100〉〈BusinessCasual〉など、Vaporwave~Experimental系レーベルから多数アルバムをリリース。日本では〈NewMasterpiece〉からカセットテープを限定販売。2019年には〈Maltine Records〉からEP「深圳DIVA」リリース。
https://twitter.com/sayohimebou

Autechre - ele-king

 長い間、オウテカのファンはふたつの陣営に分類される傾向にあった。デュオが発するあらゆる最新のメッセージを熱心に貪るリスナーたちと、『Tri Repetae』以来、ノンストップで抽象的な自慰行為に堕ちて行っていると感じていた人たちである。後者のほとんどが老人ホームに隔離されているいまとなっては、この論争は、問題がスタイルから量的なものへとシフトしている。過去10年の間のオウテカの一連のリリースは、それぞれの尺が2倍に延び、8時間に及ぶラジオ・レジデンシーを集約した『NTS Sessions 1-4』と題された作品で最高潮に達した。ここにはたくさんの素晴らしい音楽があったが、そこがまた問題でもあった──とにかく膨大だったのだ。

 オウテカのアウトプットに魅了された体験が、いつの間にか疲れ果ててしまうものへと変わってしまった人には、『SIGN』 は彼らの世界に戻ってくる良い機会となるだろう。ショーン・ブースとロブ・ブラウンの最近の作品の文脈で考えると、これほどメロディックなアルバムをリリースすること、1枚のCDに収まってしまうほど短いことは、ほとんどラディカルにさえ思える。そして『SIGN』は明らかに『elseq1-5』 と『NTS Sessions 1-4』で聞かれるようなアルゴリズミックな実験の延長戦上にあり、オウテカは、どうやって到達するのか忘れかけていたような所にまで踏み込んでいる。

 オープニングトラック“M4 Lema”では、ローラント・カイン風のサイバネティック(人工頭脳的)なノイズが、まるでコンピュータのメインフレームが咳払いをするような、シューッという音の斉射で未来を提示するが、突然、みずみずしく豊かなパッドと骨格のようなヒップホップのビートに変わり、時折サブベースがうねる。続く“F7”では、興味深いメロディが互いのまわりに円を描くように交差しながら、決着することはなく、『Oversteps』で登場していてもおかしくないようなものだが、いまやチューニングは従来の西洋的なものからは大きく外れた所で浮かんでいる。

 このトラックは、オウテカが未知のハーモニックな領域に踏み込んだ、より明白な事例のひとつで、ヴァーチャルな楽器を、平均律の暴政から離れるように促している。「esc desc」のシンセサイザーには『ブレードランナー』のような威光があるが、初めて聴くと、ヴァンゲリスがデッカードの空飛ぶ車で乗り物酔いをしているかのようだ。

 リピートして聴くことでこの違和感は薄れ、これは時間をかけて、できればまともなヘッドフォンでじっくり聴くべきアルバムであることが分かる。2018年にブースはele-kingに「ぼくはすべてのエレメントがあからさまではない、シネマティックな奥行きに惹かれるんだ」と語っており、『SIGN』 に収録されたトラックのいくつかは活気に溢れ、聴力の限界に達している。 陰鬱なトーンと貧弱な4/4拍子の“psin AM”は、ミックスのエッジの周りで踊る不安定なハーモニーがなければ、ほとんどヴォルフガング・ヴォイトのGASプロジェクトの見失われたトラックと間違えそうだ。オウテカが“sch.mefd 2”で、一定のビートを走らせるのは、他のエレメントとの間の相互作用がいかに予測不可能なものであるかを強調するために残しているのだ。

 おそらく最大のサプライズは、このアルバムの音の多くが、どれほど心を奪う響きに聴こえるかということだ。“gr4”には最も牧歌的なフェネスのような、薄織の温かさがある一方、超絶的なクロージング・トラックの“r cazt”は、坂本龍一の「async」時代のプレイリストに並べて入れても違和感がないだろう。オウテカは、エイリアンのように耳障りだと誇張されがちだが、『SIGN』 は彼らのとんでもなく〝ありえねぇ〟美しさを想い出させてくれる歓迎すべき作品だ。


by James Hadfield

For a long time, Autechre fans tended to fall into two camps: listeners who eagerly devoured every fresh transmission from the duo, and people who thought they’d been on a non-stop descent into abstract wankery ever since Tri Repetae. Now that the latter are mostly sequestered in retirement homes, the debate has shifted from questions of style to quantity. During the previous decade, each successive Autechre release seemed to double in length, culminating with the eight-hour radio residency collected on NTS Sessions 1-4. There was a lot of excellent music here, but that was also the problem: there was a lot of it.

If your experience of Autechre’s output has tipped over from enthralled to exhausted, SIGN is a good time to jump back on-board. In the context of Sean Booth and Rob Brown’s recent work, releasing an album this melodic—and short enough to fit on a single CD—feels almost radical. And while SIGN is clearly an extension of the algorithmic experiments heard on elseq 1-5 and NTS Sessions 1-4, it goes places I’d almost forgotten Autechre knew how to reach.

Opening track “M4 Lema” indicates what’s in store, when a volley of swooshing, Roland Kayn-style cybernetic noise—like a computer mainframe clearing its throat—suddenly gives way to lush pads and a skeletal hip-hop beat, bolstered by occasional surges of sub-bass. That’s followed by “F7,” whose intersecting melodies, circling around each other without ever quite resolving, could have appeared on Oversteps—except that they’re floating way outside conventional Western tuning now.
The track is one of the more obvious instances where Autechre venture into uncharted harmonic territory, coaxing their virtual instruments away from the tyranny of equal temperament. There’s a Blade Runner grandeur to the synths on “esc desc,” but on first listen, it’s like Vangelis getting motion sickness in Deckard’s flying car.

The strangeness is less apparent with repeat plays, and this is definitely an album to spend time with, preferably listening through a decent set of headphones. Speaking to ele-king in 2018, Booth said he was increasingly interested in “cinematic depth, where not every element is obvious,” and the tracks on SIGN teem with activity, some of it on the threshold of audibility. With its sepulchral tones and anaemic 4/4 beat, “psin AM” could almost be mistaken for a lost track from Wolfgang Voigt’s GAS project, if it weren’t for the unstable harmonies dancing around the edge of the mix. When Autechre leave a steady beat running, as on “schmefd 2,” it just serves to highlight how unpredictable the interplay between the other elements is.

Perhaps the biggest surprise is how inviting a lot of the album sounds: “gr4” has a gauzy warmth that recalls Fennesz at his most bucolic, while transcendent closing track “r cazt” wouldn’t sound out of place on a playlist alongside async-era Ryuichi Sakamoto. Autechre’s reputation for alien harshness is overstated, but SIGN is a welcome reminder that they can be pretty goddamn beautiful.

Polygon Window - ele-king

 こいつはめでたい。1993年頭、エイフェックス・ツインがポリゴン・ウィンドウ名義で放った『Surfing On Sine Wave』、AIシリーズ初のアーティスト・アルバムであり、のちの『SAW2』への導線となった “Quino - Phec” を含むこの名作が、12月4日にリイシューされる。
 リチャード・D・ジェイムス本人が監修しているそうで、かつて一度2000年にリイシューされたとき(日本盤は未発売)にボーナストラックとして追加された “Portreath Harbour” と “Redruth School” の2曲はもちろんのこと、シングル盤「Quoth」に収められていた “Iketa”、“Quoth (Wooden Thump Mix)”、“Bike Pump Meets Bucket” の3曲も加えた計14曲、ポリゴン・ウィンドウ名義のトラックを網羅した「完全版」となっている。今回初めて聴くという方も、もう何度も聴いてきたというヴェテラン・リスナーも要チェックです。

POLYGON WINDOW
エイフェックス・ツインが初めて〈WARP〉からリリースした名盤中の名盤
ポリゴン・ウィンドウ名義でリリースされた全楽曲を収録!
その後のエレクトロニック・ミュージックの方向性を大きく変えた伝説のアルバム『Surfing On Sine Wave』が完全版としてリイシュー決定!
オウテカとワンオートリックス・ポイント・ネヴァーの新作リリースも控え〈WARP RECORDS〉キャンペーンの開催も決定!

エイフェックス・ツインことリチャード・D・ジェイムス。若くして「テクノモーツァルト」の称号を得たエレクトロニック・ミュージック界の最高峰であり、誰もが認める〈WARP RECORDS〉の看板アーティストである彼が、初めて〈WARP〉からリリースしたアルバムは、エイフェックス・ツインではなく、ポリゴン・ウィンドウ名義で発表された『Surfing On Sine Waves』だった。当時22歳だったリチャード・D・ジェイムスによって世に送り出され、その後のエレクトロニック・ミュージックの方向性を大きく変えた伝説のアルバムが、オリジナル盤の9曲はもちろん、リチャードがポリゴン・ウィンドウ名義でリリースした全14曲を収録した完全版としてリイシュー決定!

商品詳細はコチラ
https://www.beatink.com/products/detail.php?product_id=11467

〈WARP〉が1992年にリリースした革新的コンピレーション『Artificial Intelligence』の1曲目に収録されたリチャード・D・ジェイムスによる楽曲こそ “Polygon Window” だった(ただし同作における名義は The Dice Man)。その年の冬にエイフェックス・ツインの『Selected Ambient Works 85-92』がレコード店に並ぶ。それに続くように、年明けの1993年1月に本作『Surfing On Sine Waves』がポリゴン・ウィンドウ名義でリリースされている。アートワークにも、〈WARP〉が本作を『Artificial Intelligence』シリーズの第二弾として位置付けていることが明記されており、〈WARP〉がポスト・レイヴの新たなムーヴメントとして掲げた「エレクトロニック・リスニング・ミュージック」というコンセプトを最初に体現したアーティスト作品の一つであり、その魅力のすべてが詰まっていると言っても過言ではない名盤中の名盤。

『Artificial Intelligence』と同じく、本作においてもオープナーを務める “Polygon Window” には、まさに「エレクトロニック・リスニング・ミュージック」の醍醐味と特徴が集約されている。「学生時代に工事現場でバイトしたときの騒音がインスピレーションだ」とリチャードが語るのは、シングルカットされた “Quoth”。そして『Selected Ambient Works 85-92』の発展型、もしくは『Selected Ambient Works Volume II』への布石とも言える名曲 “Quino – Phec”など、若き日のリチャード・D・ジェイムスがその才能を見せつけたタイムレスな名曲たち。そして本作には、リチャード本人監修のもと、シングル盤「Quoth」からアルバムには未収録だった2曲(“Bike Pump Meets Bucket” と “Iketa”)と “Quoth (Wooden Thump Mix)”、2001年にホワイトレーベル盤でリリースされた当時未発表だった2曲 “Portreath Harbour” と “Redruth Schoo” がすべて収録されている。

リチャード・D・ジェイムスが初めて〈WARP〉からリリースした名盤『Surfing On Sine Waves』は、ボーナストラックと解説書付きで12月4日リリース! 盟友デザイナーズ・リパブリックがアートワークを手掛けた本作が紙ジャケット仕様でCDリリースされるのは、今回が初めてとなる。

なお、今回の『Surfing On Sine Waves [完全版]』発売決定のニュースに合わせて、オウテカ、ワンオートリックス・ポイント・ネヴァーという超強力アーティストの新作が続く〈WARP RECORDS〉のキャンペーンの開催も決定! 対象商品3枚以上購入して応募すると、オリジナル卓上カレンダーが必ずもらえる!

対象商品には、ポリゴン・ウィンドウ『Surfing On Sine Waves [完全版]』の他、エイフェックス・ツインと同じく、『Artificial Intelligence』に楽曲が収録され、記念すべきデビュー・アルバム『Incunabula』自体も『Artificial Intelligence』シリーズの一環として位置付けられているオウテカの最新作『SIGN』(10月16日発売)、今やメインストリームにもその名を轟かせるプロデューサーでありながら、イーノ、エイフェックス・ツインらとも感覚を共有し、〈WARP RECORDS〉のアート性や実験性を継承しているワンオートリックス・ポイント・ネヴァーの最新作『Magic Oneohtrix Point Never』(10月30日)の3作を中心に、現在好評発売中のスクエアプッシャー『Be Up A Hello』と『Lamental EP』、イヴ・トゥモア『Heaven To A Tortured Mind』、ロレンツォ・センニ『Scacco Matto』、ダークスター『Civic Jams』の国内盤が加わる。また各新作タイトルの国内盤CDの初回生産分には、それぞれデザインの異なる〈WARP〉ステッカーが封入される。

WARP RECORDS CAMPAIGN 2020

開催期間:2020年10月16日(金曜)~2021年2月末日

特典ステッカー

ステッカー対象商品
10月16日発売:Autechre - SIGN *国内盤
10月30日発売:Oneohtrix Point Never - Magic Oneohtrix Point Never *国内盤
12月4日発売:Polygon Window - Surfing On Sine Waves [完全版] *国内盤
??月??日発売:????? - ?????

特典卓上カレンダー

卓上カレンダー対象商品
発売中:Squarepusher - Be Up A Hello *国内盤
発売中:Squarepusher - Lamental EP *国内盤
発売中:Yves Tumor - Heaven To A Tortured Mind *国内盤
発売中:Lorenzo Senni - Scacco Matto *国内盤
発売中:Darkstar - Civic Jams *国内盤
10月16日発売:Autechre - SIGN *全形態(デジタルは対象外)
10月30日発売:Oneohtrix Point Never - Magic Oneohtrix Point Never *全形態(デジタルは対象外)
12月4日発売:Polygon Window - Surfing On Sine Waves [完全版] *国内盤
??月??日発売:????? - ?????

応募〆切
2021年2月消印有効

キャンペーン応募券

応募方法
対象商品に貼付された応募券を集めて、必要事項をご記入の上、官製ハガキにて応募〆切日までにご応募ください。

キャンペーン詳細はこちら↓
https://www.beatink.com/user_data/warp2020.php

Charles Webster × Burial - ele-king

 90年代後半、UKディープ・ハウス・シーンのキイパースンとして活躍したチャールズ・ウェブスターが、2001年の『Born On The 24th Of July』以来じつに19年ぶりとなる新作『Decision Time』を送り出す。
 アルバムには(マッシヴ・アタック『Blue Lines』への参加で知られる)シャラ・ネルソンを筆頭に、これまでチャールズが関わってきたヴォーカリストたちが多くフィーチャーされている。フォーマットはヴァイナル/CD/配信の3種で、11月20日に発売。それに先がけ10月9日にはシングル「The Spell」もリリースされる。
 注目すべきは、アルバム収録曲 “The Second Spell” のプロダクションにベリアルが参加している点だろう。シングル「The Spell」でも彼はリミックスを手がけており、これはかなり珍しい。なんでも今回のコラボは、かつてベリアルがチャールズのプレゼンス名義による『All Systems Gone』(1999年)を自身の重要な影響源としたことがきっかけになったそうだ。
 驚くべきコラボ、これは大いに期待できそう!

single
Charles Webster
The Spell (feat Ingrid Chavez)

format: 12” vinyl / digital
release: 2020/10/9

A1. The Spell (Burial Mix)
B1. The Spell (Charles Webster Dub)
B2. The Spell (Charles Webster Vocal Mix)

album
Charles Webster
Decision Time

format: double vinyl / CD / digital
release: 2020/11/20

01. Burning (feat Sio)
02. This Is Real (feat Shara Nelson)
03. We Belong Together (feat Thandi Draai)
04. Love Lives (feat Sio)
05. I Wonder Why (feat Sipho Hotstix Mabuse)
06. Music (feat Thandi Draai)
07. Wait And See (feat Terra Deva)
08. Secrets Held (feat Emilie Chick)
09. The Spell (feat Ingrid Chavez)
10. The Second Spell (feat Ingrid Chavez)

Oneohtrix Point Never - ele-king

 波紋を呼んだ前作『Age Of』から早2年。多作かつコラボ大王のダニエル・ロパティンはこの間もサントラの制作やザ・ウィークエンド、モーゼズ・サムニーの作品への参加など、絶え間なく音楽活動にいそしんできたわけだけど、ついに本体=ワンオートリックス・ポイント・ネヴァーとしてのニュー・アルバムを10月30日にリリースする。
 なんでも、今回はこれまでのOPNを集大成したような内容になっているとのことで、期待も高まります。現在、アルバムから3トラックを収録した先行シングル「Drive Time Suite」が配信中、試聴はこちらから。

[10月14日追記]
 くだんの先行公開曲3トラックのうち、“Long Road Home” のMVが本日公開されている。監督はチャーリー・フォックスとエミリー・シューベルトで、エロティックかつなんとも不思議なアニメ映像に。OPN の原点の回想であると同時に最新型でもあるという新作への期待も高まります。

ONEOHTRIX POINT NEVER
集大成となる最新アルバム『MAGIC ONEOHTRIX POINT NEVER』から
先行シングル “LONG ROAD HOME” のミュージックビデオが公開!
過去作品のオマージュにも要注目!
アルバム発売は10月30日! Tシャツ付セットの数量限定発売も決定!

ライヒ、イーノ、エイフェックス・ツインからバトンを受け継ぐ存在としてシーンに登場し、今や現代を代表する音楽プロデューサーの一人となったワンオートリックス・ポイント・ネヴァー(以下OPN)が、そのキャリアの集大成として完成させた最新作『Magic Oneohtrix Point Never』から、先行シングル “Long Road Home” のミュージックビデオを公開した。

Oneohtrix Point Never - Long Road Home (MV)
https://www.youtube.com/watch?v=w5azY0dH67U

アルバム発表と同時に、シングル・パッケージ「Drive Time Suite」として3曲を一挙に解禁した OPN ことダニエル・ロパティン。自身の作品だけでなく、映画音楽や、ザ・ウィークエンドの大ヒット作『After Hours』のプロデュースを経て、ポップと革新性を極めたサウンドに早くも賞賛の声が集まったが、今回ミュージックビデオが公開された “Long Road Home” は、その3曲の解禁曲の一つとなっており、メイン・ヴォーカルをロパティン本人が務め、元チェアリフトのキャロライン・ポラチェックが参加している。チャーリー・フォックスとエミリー・シューベルトの二人が監督した本ビデオは、異世界の不気味な二つの生物が、ロマンティックに絡み合う様子が描かれたストップモーション・アニメーションとなっており、人間の感情とエロティックなダークユーモアの間で展開する求愛の乱舞が、ファンタジーと現実の境を破壊していくストーリーとなっている。『R Plus Seven』のアートワークにも登場する、ジョルジュ・シュヴィツゲベルが1982年に発表した短編作品「フランケンシュタインの恍惚」へのオマージュとなっている点も楽しめる映像となっている。

これは愛と変質についてのロマンチックな寓話で、夏の間にダン(OPN)と交わした荒唐無稽で哲学的な会話から生まれたものです。グロテスクな、あるいは悪魔のような生き物を、求愛の儀式を通して、奇妙で愛らしく、また切なさを纏ったキャラクターに見せたいと思いました。親密さが切望され、同時に恐れられているこの時期に、突然変異体のような奇妙な歌声が響くこの曲に、完璧にマッチした映像だと感じました。心の底から素晴らしいと思ったし、それが滲み出てると思います。 ──co-directors Charlie Fox and Emily Schubert

これまでの OPN の音楽的要素を自在に行き来しながら、架空のラジオ局というコンセプトのもとそれらすべてが奇妙なほど見事に統合された本作『Magic Oneohtrix Point Never』は、OPN の原点の振り返りであり、集大成であり、同時に最新型である。

ワンオートリックス・ポイント・ネヴァー最新アルバム『Magic Oneohtrix Point Never』は、10月30日(金)世界同時リリース。国内盤CDにはボーナストラック “Ambien1” が追加収録され、解説書が封入される。また数量限定でTシャツ付セットの発売も決定。アナログ盤は、通常のブラック・ヴァイナルに加え、限定フォーマットとしてクリア・イエロー・ヴァイナルと、BIG LOVE 限定のクリア・ヴァイナルも発売される。Beatink.com 限定のクリア・オレンジ・ヴァイナルとカセットテープはすでに完売となっている。

また、本日10/14より〈WARP〉からリリースされたワンオートリックス・ポイント・ネヴァーの過去作品を対象としたポイント還元キャンペーンが BEATINK.COM でスタート! 会員登録をして対象タイトルを購入すると、次回の買い物時に使用することができるポイントが10%付いてくる。併せて、iTunes でも対象タイトルが全て¥1,222で購入できる期間限定プライスオフ・キャンペーンが本日よりスタート!

Cuushe - ele-king

 Cuusheがついにソロ・アルバムを完成させた。タイトルは『WAKEN』、「めざめる」という意味に相応しく、いままでにないリズミックな躍動に満ちている。ジェシー・ランザやマリー・ダヴィッドソンらともリンクしている。ちょっと意外なことに、クラブよりのサウンドを試みているのだが、しかし彼女らしい綺麗なメロディは健在。
 発売は11月20日、flauレーベルより。これは楽しみですね。
 
WAKEN (teaser)

Hold Half

 アートワークはCuushe「Airy Me」のMVで文化庁メディア芸術祭アニメーション部門新人賞を受賞し、その後も映画、漫画と様々なメディアで活躍する久野遥子による書き下ろし。


Cuushe
WAKEN

flau
2020年11月20日, CD/LP/DIGITAL

1.Hold Half
2.Magic
3.Emergence
4.Not to Blame
5.Nobody
6.Drip
7.Beautiful
8.Spread

https://flau.jp/releases/waken/
■ 視聴/予約:
https://smarturl.it/Cuushe-WAKEN/

Cuushe
ゆらめきの中に溶けていくピアノとギター、 空気の中に浮遊する歪んだシンセサイザー、拙くも存在感ある歌声が支持を集める京都出身のアーティスト。Julia HolterやTeen Daze、Blackbird Blackbirdらがリミキサーとして参加したEP「Girl you know that I am here but the dream」で注目を集め、デビュー作収録の「Airy Me」のMVがインターネット上で大きな話題となる中、全編ベルリンでレコーディングされた2ndアルバム 『Butterfly Case』を発表。独創的な歌世界が絶賛され、海外の主要音楽メディア/ブログで軒並み高評価を獲得。近年はアメリカTBSのTVドラマ「Seach Party」、山下敦弘 x 久野遥子による「東アジア文化都市2019豊島」PVへの音楽提供や、イギリスのロックバンドPlaceboのStefan OlsdalとDigital 21のデュオ作や、Iglooghost (Brainfeedder)、Populous、Skalpel(Ninja Tune)の片割れMeeting By Chanceらの作品にボーカル参加。長らく自身の音楽活動からは遠ざかっていたが、今年新たなプロジェクトFEMと共に再始動。

  1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 100 101 102 103 104 105 106 107 108 109 110 111 112 113 114 115 116 117 118 119 120 121 122 123 124 125 126 127 128 129 130 131 132 133 134 135 136 137 138 139 140