「S」と一致するもの

HISTORY OF TECHNO - ele-king

 オルタナティヴな夜の社交生活が東京でいちだんと活発化したのは、悪名高き1992年の夏を過ぎてから1〜2年後のことだった。アンダーグラウンド ・パーティの足場は築かれ、ナイトクラブ文化はドラスティックに変わろうとしていた。なによりも音楽、世代、着る服、踊り方、それ以外のすべても。踊るためにひとは集まり、朝が来て、明け方の、あのいい感じで汚れた渋谷の街を駅に向かって歩く足が軽かったのは、みんなまだ若かったからだ。20代後半のぼくがシーンのなかでは年上だったのだから、いかに若かったことか。
 音楽の主役はテクノ/トランス。街の支配的なナイトクラブ文化も、ディスコの徒弟制も、ほとんどの音楽メディアもそのことをまだ知らなかった。まあ、これは一笑に付していただきたい話だが、ぼくたちはアニエスベーで気取った渋谷系とは違う惑星にいたわけだ。なにしろこちとら「808」と書いてあるTシャツだったりする。こりゃあ、まあたしかに、ファッション誌が相手にするはずもない。それでも自信を持って言おうじゃないか。あの時代、テクノ/トランス・シーンほどパワフルでエネルギッシュなシーンはなかった。ダンスの熱量にしても集まる人数にしても、そしてパーティの数やなんかにしても、だ。スピーカーの上によじ登って踊ることは、熱狂に対する純粋なリアクションだった。
 テクノ/トランス・シーンはある時代までは、完璧な、あり得ないほど100%アンダーグラウンドだった。この点においては、すでに業界のサポートを受けていたハウスとは決定的に位相が違っていた。ディスコ業界の伝統とも隔絶された自由、DIY的で、庶民的で、草の根的なシーン。それでいて、エレクトロニックで、抽象的で、ミニマルなサウンド。どこの馬の骨ともわからぬ若者たちがガキっぽい音楽で騒いでいる、こんな印象をもたれていたのだろう、メディアで仕事をしていたぼくは、自分よりも年上のクラブ関係者からたまに皮肉を言われたものだった。しかし、我らが暴走は止まることを知らなかった。たとえテクノ・ポップ原理主義者が嫌悪を口にしても、このシーンの勢いの根幹にあったのは、そのときそのときの「喜び」だったのだから。
 深夜の解放区。闇のなかの天使と悪魔といっしょに、ぼくたちは、30人が数ヶ月後には100人になって、一年後には1000人規模へと発展していくシーンの渦中にいた。1993年、一週間に最低二回は複数のレコード店に通い、欧米から届く12インチ・シングルの溝に掘られたサウンドにいちいち驚嘆していた頃、シーンをさらに若返らせ、さらに大きくした起爆剤がフミヤと卓球だった。フミヤは大阪出身のDIY主義者、20歳そこそこながらも腕の立つDJだった。卓球はもうポップスターだったが、ゆえにアンダーグラウンドでの活動にはいろんな障害があった。アンダーグラウンドは光明ばかりではない、暗黒面もある。しかしまあ、話を端折れば、いずれにしても彼らの情熱がすべてを乗り越えていったのだが。

 テクノ/トランス・シーンは、言うなればYMOがやらなかったことをやった。それは、クラフトワークやYMOらに影響されたアメリカの黒人たちやその音楽を触媒とした欧州のダンス文化にリンクすることだった。ふたりに「華」があったとしても、まずはDJとしての技術、アイデア、音楽作品に関する知識や思い切りの良さも持ち合わせていた。あの時代の、デトロイトの〈ミュージック・インスティテュート〉におけるデリック・メイ、シカゴの〈パワー・プラント〉におけるロン・ハーディのような存在だったと、ダンスフロアを知らなかった多くの若者たちを惹きつけたという点においてなら、そのように喩えてもあながち大げさではないはずだ。
 90年代の日本には、ほかにも良いDJが何人もいたことは、当たり前の話である。究極的に言えば、良いDJとはそのひとにとっての良いDJであって、絶対的な司祭などいない。だから、彼らが日本で最高のテクノDJとは言わないが、ただし、こうは言えるだろう。おおよそ30年後の2024年の夏になっても、あの時代と同じようにリキッドルームを満員にし、DJプレイによって素晴らしいダンスのパーティを演出したと。安心したまえ。会場を埋めていたのは、もちろん、ぼくと同様、命がけの90年代世代もいたにはいた。が、おそらく多くは、ぼくたちが夜な夜なダンスしていた頃には、まだ生まれていないか赤ちゃんだったような人たちである。

 この夜の祝賀者たち、ファンキーな快楽主義たちに混じってぼくが会場に入ったのは、我が同世代人たちがパジャマに着替えているであろう、23時過ぎのことだった。フロアには、フミヤのターンテーブルから、ミックスされた “リコズ・ヘリー” のごろごろしたベースラインが響いていた。で、それから数十分後には “ステップ・トゥ・エンチャントメント” のリフだ。もうおわかりだろう、その夜のテーマが何だったのか。
 細かいことを言えば、あくまでレコード盤を使ってミックスするふたりのプレイを聴きながら、あらためて彼らの技術の高さ、アイデアの面白さ、などなどに感服した。プロ相手に言うのも失礼な話だが、PC一台でもDJができてしまう時代だからあえて強調しておきたい、ふたりとも圧倒的にうまい。
 彼らは、魅力的な音楽をかける黒子としてのDJであり、ミキシングの表現者だ。卓球が“ザ・ダンス”と“アイム・ア・ディスコ・ダンサー”をミックスしたときにフロアから聞こえた絶叫や大笑いは、グランドマスター・フラッシュから連なるDJイング(ターンテーブルによるサウンドコラージュ)に対するリアクションであり、また、我々が「アンセム」と言うところの、知っている曲がかかったことへの嬉しさの表れだ。こうした妙技が、ひとをフロアから離さないのである。だいたい、深夜の明け方までの音楽の旅は、何が起こるかわからないものだ。この夜もちょっとした事件があった。フミヤが“ソニック・デストロイヤー”のリフをカットインした瞬間、なんと田中宗一郎といっしょに踊り、絶叫することになるとは、いやはや、人生わからないものである。
 思わず笑いがこみ上げてくるとはまさにそれだ。いまさら言うのはためらわれるが、DJイングは、その手法にフォーカスすればポストモダンではある。が、それがポストモダン的な皮肉やスカした冷笑主義に陥らないのは、ターンテーブルとミキサーを使ったあの時代のDJが人前に出るには、ひたむきな修練が必要だったからだろう。トランス状態を誘発するには、それ相応の代償があったのだ。ダンスするほうだってそう。
 もっとも、ひと晩二杯までという個人的な基準値を優に超え、“アイ・フィール・ラヴ”で燃え尽きたぼくは明るくなる前に離脱したわけだが、午前6時過ぎの生存者たちにはご褒美の“アマゾン”が待っていたと、編集部コバヤシから翌々日に教えてもらった。良かった良かった。しかしほんとうに重要なのは、踊ること。イシュメール・リードの歴史捏造小説『マンボ・ジャンボ』のジェス・グルーに感染すること、あるいはジョージ・クリントンが言ったように、踊っていれば水のなかでも濡れないと、そういうことだ。なぜなら、ひとは音楽を感じて、サウンドの渦に巻き込まれながら踊るために集まっているのだから。そして、当然のことながら疲れて、やがては、明るくなったぼろぼろの街角へと放り出されて、いずれは現実へと戻っていく。ただそれだけのことなのだが、まこと不思議なことに、そのときのサウンドが長いときで一週間は頭のどこかで鳴り響いている。そういうものだったりもする。


ステージ後方では、AIを使ったVJで場にシュールな花を添える宇川直宏&REAL Rock DESIGNがいた。

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ダブとは何か? それはどのように生まれ、いかにして広まり、拡張したのか?
そのすべてを俯瞰する!

ルーツからニューウェイヴ、ディスコ、テクノ、アンビエント、ベース・ミュージックまで
400枚以上の作品を紹介する、ダブ・ディスクガイドの決定版

監修・編集・執筆:河村祐介
執筆:野田努、三田格、鈴木孝弥、飯島直樹、猪股恭哉、草鹿立、大石始、宇都木景一、吉本秀純、Akie、八木皓平
featuring U‐ロイ、エイドリアン・シャーウッド、アンドリュー・ウェザオール、こだま和文、内田直之、1TA & Element、Sahara (Undefined)、Mars89

A5判オールカラー/224ページ

目次

イントロダクション

Chapter 1 ROOTS ダブのルーツ

サウンドシステムを巡るジャマイカ音楽史とダブの誕生譚
キング・タビーとはなにものなのか?(鈴木孝弥)
U-ROY・インタヴュー
人々を「アップセット」するための音響を──リー・ペリーのダブ
その他のジャマイカの重要ダブ・エンジニア/アーティスト
【disc】ROOTS OF DUB IN JAMAICA

Chapter 2 SPREAD 拡散

UKダブ史──いかにしてそれを自分たちの文化にしたのか(野田努)
【disc】UK REGGAE ┃ WACKIE'S
エイドリアン・シャーウッド・インタヴュー
【disc】ON-U SOUND
レゲエとパンクは似たもの同士ではない――UKでのDUB論の展開(野田努)
【disc】POST-PUNK / NEW WAVE ┃ DISCO
レゲエのデジタル化とダブ・アルバムの衰退(鈴木孝弥)
【disc】JAMAICA DIGITAL DANCEHALL DUB ┃ UK DIGITAL NEW ROOTS

Chapter 3 DANCE DJ カルチャーとダブ

UKレイヴ・カルチャーとダブ(三田格)
【disc】UK RAVE CULTURE IN DUB
アンドリュー・ウェザオール・インタヴュー
ブリストル・サウンドとはなにか?(飯島直樹)
【disc】BRISTOL SOUND ┃ DOWNTEMPO, TRIP HOP, TECHNO, JUNGLE ┃ BASIC CHANNEL

Chapter 4 FAR EAST 日本のダブ

こだま和文・インタヴュー
内田直之・インタヴュー
【disc】JAPANESE DUB

Chapter 5 EXPANTION 拡張

【disc】ELECTRONICA ┃ DUB TECHNO / MINIMAL DUB ┃ HOUSE / NEW DISCO ┃ LOCALIZED ┃ DUBSTEP / BASS MUSIC ┃ ROCK, ELECTRONICS, LEFTFIELD

Chapter 6 ADVENTURE モダン・ダブの冒険

国内外を結ぶ、注目の国内ダブ・レーベル主宰者に訊く、現在のダブ・シーン──1TA & Element(Riddim Chango)、Sahara(Newdubhall)、Mars89(Nocturnal Technology)
【disc】THE ADVENTURE OF MODERN DUB

索引
著者紹介

[監修]
河村祐介(かわむら・ゆうすけ)
OTOTOY編集長/ライター
1981年に幡ヶ谷で生まれてそのまま。石野卓球編纂の『テクノ専門学校Vol.3』収録のセイバーズ「Wilmot」でダブの虜仕掛けの明け暮れに。2004年~2009年『remix』編集部、LIQUIDROOM勤務やふらふらとフリーを経て、2013年より、OTOTOY編集部所属からの長。

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interview with Louis Cole - ele-king

 USCソーントン音楽学校でジャズを専攻したルイス・コールは、超絶的なテクニックを有するドラマーにしてシンセやキーボード、ベースやギターなどを操るマルチ・ミュージシャン。歌も歌うシンガー・ソングライターで、ミュージック・ヴィデオも自分で作るヴィデオ・アーティスト。シンガー・ソングライターのジェヌヴィエーヴ・アルタディとのエレクトロ・ポップ・デュオであるノウワーで活動する一方、サックス奏者のサム・ゲンデルとのアヴァンギャルドな即興ユニットのクラウン・コアを結成。故オースティン・ペラルタサンダーキャットとのトリオや、クロウ・ナッツというジャズ・グループでの活動。そして、自身のソロ・アルバムから、盟友のサンダーキャット、ジェヌヴィエーヴ・アルタディ、サム・ゲンデル、サム・ウィルクス、ジェイコブ・マンといったアーティストたちの作品への参加と、実に多彩で濃密な活動を続けている。2022年の『Quality Over Opinion』からは “Let It Happen” が第65グラミー賞にノミネート、翌年にはアルバムも第66回グラミー賞でノミネートを果たすなど、世界的にも著名なアーティストへと昇りつめ、ここ数年は自身のビッグ・バンドやノウワーで来日しただけでなく、サンダーキャットのバンドでの来日、フジロック’23のホワイトステージで2日目のトリ、NHK Eテレ「天才てれびくん」へのまさかの出演など、話題を振りまき続けるルイス・コール。

 そんな彼がこれまでとはまたひとつ違う新たなプロジェクトを開始した。それは、オランダのメトロポール・オーケストラとのコラボだ。メトロポール・オーケストラは、ジャズのビッグ・バンドとクラシックの交響楽団が融合した、オランダの超有名オーケストラで、参加作がグラミー賞に24回ノミネートされ、そのうち4回受賞している。1945年に創設され、エラ・フィッツジェラルド、ディジー・ガレスピー、パット・メセニー、ハービー・ハンコック、エルヴィス・コステロ、イヴァン・リンスなどのレジェンドたちと共演した。近年は首席指揮者のジュールズ・バックリーの指揮で、スナーキー・パピー、ジェイコブ・コリアーとの共演作がグラミー賞を受賞。さらにロバート・グラスパー、グレゴリー・ポーター、コーリー・ウォンなどの新世代のスターとも積極的に共演してきた。ノウアーや自身のソロ作ではジャズやエレクトロ・ファンクをベースにポップなスタイルを志向するルイス・コールだが、メトロポール・オーケストラとの『nothing』ではそれとは180度異なる壮大でクラシカルな世界を見せる。結果として、ルイス・コールというアーティストのジャズやポップス、クラシックという枠に収まらないスケールの大きさ、あらゆる方向へ広がる多彩な才能とその奥深さを見せつけるものとなっている。じつはこのプロジェクトはすでに2021年からはじまっていたそうで、そのはじまりからルイス・コールに話を訊いた。

モーツァルト、バッハ、リゲティ、マーラー、エルガー、ヒンデミット……まだまだいるけど、大きいところでいうとそのあたりかな。

ニュー・アルバムの『nothing』はこれまでとは性格の異なる作品で、オランダのメトロポール・オーケストラとの共演となります。2021年からこの共演はスタートして、これまでに数々の公演をおこなってきたのですが、最初はどのようなきっかけで共演が始まったのですか?

ルイス・コール(以下LC):ある日、指揮者のジュールズ・バックリーから連絡が来て、メトロポール・オーケストラのために音楽を書いてみないかと言われたんだ。僕は以前からずっとオーケストラのための音楽を書きたいと思っていたから、その話にすごく興奮した。基本的にはそれがきっかけだね。もちろん「イエス!」と即答したよ。

いろいろなオーケストラがあるなかで、どうしてメトロポール・オーケストラと共演したのでしょう? 基本的にはジャズとポップスの楽団ですが、これまでにロックやブラジル音楽など幅広いジャンルのアーティストとの共演を成功させ、またベースメント・ジャックスやヘンリック・シュワルツのようなエレクトロニック・ミュージック・アーティストとの共演もあります。そうした幅広い音楽に対応できるという点がポイントだったのですか?

LC:それはあまり関係ないかな。僕はただ、彼らが素晴らしいオーケストラであることを知っていて、そして自分はオーケストラの音楽を書きたかったわけだから、正直言ってもし彼らが誰とも共演したことがなかったとしても喜んでやったと思う。でもたしかに、彼らの対応力、たとえばリズム・セクションが速いファンクのグルーヴを演奏してもそれに対応できるということは、曲作りに影響したと思う。それで恐れることなく、遠慮なく書けるぞってなったから。

メトロポール・オーケストラと近年のジャズ系を見ると、スナーキー・パピー、ジェイコブ・コリアー、ロバート・グラスパー、グレゴリー・ポーターなどとの共演が話題を呼び、特にスナーキー・パピーとジェイコブ・コリアーについてはグラミー賞も受賞したのですが、あなたの共演に影響を及ぼしたものはありますか?

LC:いや、ないかな。別に彼らのことが好きじゃないとかそういうわけではなく(笑)。でもまったく今回のインスピレーション源ではなかったね。もっと他のもの……クラシック音楽をかなり聴き込んだ。彼らがあまりクラシックをやらないのは知ってるんだけど、僕にとってオーケストラの響きは本当に素晴らしいもので、クラシックの側面があるものを書きたいという気持ちが昂っていたんだ。というのも、偉大なクラシック音楽にはほかのどんな音楽にも敵わないある種の強度があって、少しでもそこに届きたいっていう思いがあったんだ。

ちなみに今回クラシックを聴き込んだということでしたが、どの辺りの作曲家でしょうか?

LC:モーツァルト、バッハ、リゲティ、マーラー、エルガー、ヒンデミット……まだまだいるけど、大きいところでいうとそのあたりかな。

共演するにあたり、ジュールズ・バックリーとはどのようなミーティングをおこないましたか? また、楽団員とのリハーサルや準備はどのように進めましたか?

LC:最初は僕が作った音楽をちょこちょこ彼に送っていて、話し合いのほとんどは最初のリハーサル後にはじまった。リハーサル後にミーティングをして、演奏を振り返りつつ、変えたいところだったり、改善したい部分なんかを話して。彼との仕事は本当にやりやすくて、というのも僕がアイデアを思いついても、どうやってオーケストラにそれを伝えたらいいのかわかからないから、ジュールズに「もうちょっとこうしたい」とか言うと、彼がオーケストラに正確に伝わるように話してくれるという。彼とオーケストラはお互いにリスペクトし合っていて、とにかく本当に素晴らしかったね。

オーケストラ用に多くの新曲をつくっていますが、これまでの個人プロジェクトやノウアーなどとは曲づくりのプロセスも大きく変わるのではないかと思います。イメージするものもソロ・アルバムと今回では異なると思うのですが、具体的に今回はどのように曲づくりを行いましたか?

LC:自分のパソコンで、たとえばトランペットを模倣した音だったり、ヴァイオリン風の音だったりを鳴らして、とにかくそうやってオーケストラのサウンドを可能な限り忠実に再現するという形でやっていたんだ。たぶんアイデアがずっと前から頭のなかにあったおかげですぐに思いつくところもあったし、もちろん試行錯誤が必要なところもあったけど、基本的にはそうやって何ヶ月もパソコンを前に曲を書いていたね。僕はオーケストラをちゃんとフィーチャーしたかったから、普段とはたしかに違ってたね。上に乗せるだけの重要度が低いレイヤーとして扱いたくなかったんだよ。というのもオーケストラとアーティストのコラボレーションというと、たまに書き方が雑なことがあると思うんだ。やっぱり僕は、オーケストラの演奏をしっかり念頭に置いて思慮深く質の高い書き方をしているものが好きだし、だから自分もちゃんとオーケストラをフィーチャーしたものを真剣に書こうとしたんだ。

これまでのあなたのアルバムは3分程度のポップなナンバーが中心だったと思うのですが、今回は11分を超す “Doesn’t Matter” が象徴的ですが、長い曲や組曲になってるものもあります。そうした点でこれまでとは曲づくりの段階でかなり意識が違うのでしょうか?

LC:うん、違ったね。まず改めて思ったのは、あれだけの数の楽器があるということ。たとえば “Doesn’t Matter” のストリングスの音は本当に好きなんだけど、あの曲が11分になったのは、やっぱりああやってゆっくりと徐々に高まっていく弦楽器の演奏、あれだけ深い演奏というのは、それが十分な効果を発揮するためにはそれ相応の時間を費やす必要があるということで。あの曲にはそういう、少し時間旅行のような感じがあるんだよね。ほかに短い曲もあるけれど、とにかくフィーチャーすべき楽器がたくさんあったし、誰かの演奏を削るようなことはしたくなかった。そしてこの機会を活かして本当に特別なものを書きたかったし、いくつかのアイデアを形にするのに、今回いつもより少し時間がかかったよ。

完全にオーケストラ用の曲がある一方、“Life” や “High Five” などはノウアーのときのような楽曲でもあり、あなたの世界とオーケストラ・サウンドが見事に融合しています。こうした融合において、もっとも意識したのはどんなところですか?

LC:たぶん僕は、とにかくいままで存在しなかったものを作りたかったんだと思う。バンド、オーケストラ、そしてシンガー、その3つ全部が混ざり合ったものが入る余地が、この世界には残されていると思ったんだ。そこにいる全員がフィーチャーされて、しかもまだ作られておらず、この世に存在しないもの。古くてタイムレスなオーケストラのサウンドと、僕が何年もかけて培ってきたファンク調の比較的新しいサウンド、そのふたつの別々の世界を組み合わせられたら最高だなと思った。そう考えるとワクワクしたんだよね。

バンド、オーケストラ、シンガー、その3つ全部が混ざり合ったものが入る余地が、この世界には残されていると思ったんだ。全員がフィーチャーされて、しかもまだ作られておらず、この世に存在しないもの。

先ほど曲作りの準備にあたってクラシックを聴きこんだという話が出ましたが、あなた自身は父親がクラシック音楽のファンで、幼少期よりそうしたものに接してきたと聞いています。そうした経験や知識が今回の曲づくりに生かされていますか?

LC:ああ、それはもう、それがすべてだと言っても過言ではないかもしれない。まだ物心がついていないうちから素晴らしい音楽に触れて、つねにそういったものを聴いて育ったということが、僕の人生でいちばん大きかったかもしれない。父と一緒に音楽を演奏したり、ジャムったりして、全部そこから教わったんだ。

新曲の一方で、“Shallow Laughter” “Bitches” “Let It Happen” は2022年のソロ・アルバム『Quality Over Opinion』の収録曲です。録音時期もさほど離れていないかと思うのですが、ソロ・アルバムと『nothing』においてはどのように違いを意識して録音しましたか? また、アレンジなども大きく変わってくるかと思いますが。

LC:いま挙がった曲を書いているとき、じつはすでにこのプロジェクトのことが念頭にあって、書きながら「これはオーケストラのプロジェクトにいいな」と思っていたんだよ。でも自分のデモ版がすごく気に入っちゃって、『Quality Over Opinion』にレコーディング版を入れて、さらに結局はあのアルバムが先にリリースされることになったというわけなんだ。

ドラムをはじめ楽器演奏については、普段のステージでのプレイと変わってくる部分はありましたか?

LC:歌いながら演奏している曲が多かったから、そこはちょっと難しくて、かなり練習が必要だった。

『nothing』には2021年のスタジオ・セッションから、2022年のノース・シー・ジャズ・フェスティヴァル、2023年のドイツとアムステルダムでのライヴ録音と、さまざまな音源が集められています。『nothing』の位置づけとしては、単発の録音物ではなく、過去3年間の活動の集大成と言えるものなのでしょうか?

LC:そうだと思う。録音の過程は3年に渡っているから、考えてみるととんでもないことだけど。2023年に書いた曲もある。だからいくつもの音源を集めたものではあるけど、面白いことに、頭から最後まで通して聴いたときに、もっともこのアルバムの本領が発揮されるというか。そこに特別な力があると思う。最初は自分でも気づいていなくて、完成して改めて頭から通しで聴いたときに、「ワオ、こんなにうまくいっていたんだ」となって。そこを意識していたわけではないから、そうなるとは思っていなかったんだけどね。

『nothing』は選曲やミキシングについても念入りにおこない、完成までに多くの時間を費やしたそうですね。そうした点もこれまでの作品とは異なるものかと思うのですが、特に苦労したのはどういったことでしょう?

LC:最初にミックスした曲は本当に大変で、「これどうすんだ?」って感じだった。あまりにやることがたくさんあって、あまりに多くのサウンド、70人分の演奏があって。最初にやったのは “Things Will Fall Apart” という曲で、まだ自分の心の準備ができていなかったというか、とにかく大変すぎて、要領を得るまでに数日かかったけど、それ以降はコツを掴んで、徐々に楽になって。それ以前からミキシングは僕にとっては簡単なものではなかったのに、今作の作業の終盤には、正直言ってすごくスムーズにできるようになっていたんだ(笑)。本当に楽しくて最高だったし、最終的には制作過程のなかでもすごく好きな作業になった。それで選曲は最後の最後にやったんだけど、正しい曲順を見つけるまでは、さっきも言ったように、これがちゃんとしたステートメントを持ったひとつの作品だとは自分でも気づいていなくて、曲順を決めて通しで聴いて初めてそのことに気づいたんだよ。決め方としては、まず最後の3曲はこれがいいっていうのは自分のなかで決まっていて、最初の2曲も決まっていたから、あとはその間を埋めていくという作業だったね。

古くてタイムレスなオーケストラのサウンドと、僕が何年もかけて培ってきたファンク調の比較的新しいサウンド、そのふたつの別々の世界を組み合わせられたら最高だなと思った。

録音にはノウワーのジェネヴィーヴ・アルターディはじめ、サム・ウィルクス、ジェイコブ・マン、ライ・シスルスウェイティー、ペドロ・マーティン、フェンサンタなど、日頃からあなたのバンドやプロジェクトで一緒にやっているメンバーも参加しています。こうした面々とメトロポール・オーケストラがジョイントした公演やセッションの風景は、あなたにどう映りましたか?

LC:ものすごく感動的だった。ステージ上でもグッときたけど、リハーサルの段階から結構きてて、これは本当にスペシャルなことだなって思ったね。

ライヴではあなたに倣ってメンバー全員がガイコツ・スーツを着るのが定番となっているそうですね。そうしたライヴならではのアイデアとか、遊びはほかにもあったりするのでしょうか?

LC:ガイコツ・スーツ以外にはこれといってないけど……ガイコツ・スーツにしても最初はリズム・セクションとシンガーたちの分だけ用意していたんだ。というのも最初にオーケストラのディレクターに「オーケストラも着ます?」って聞いたときは、笑いながら「ノー」と言われて(笑)。「いやいや、ないでしょ」っていう。それでじゃあ自分たちだけで着ようとなったんだけど、2021年の最初の公演後に、オーケストラの人たちが着たいって言い出して、それでオーケストラ側が大量購入して全員で着るようになったんだ。

もし、日本でこの公演が実現したら、ぜひ観てみたいです。

LC:そうなったら最高だよね。僕も実現することを願ってる。もちろん簡単なことではないと思うけど、もし実現したら本当に嬉しい。

ERA - ele-king

 ラッパーの ERA による新たな企画、「TIME 2 SHINE」が9月1日、恵比寿 LIQUIDROOM の2階、TIME OUT CAFE & DINER にて開催される。ライヴには ERA に加え CAMPANELLA も登場、DJには SLOWCURV と SULLEN を迎える(フライヤーを手がけたのは wackwack)。強力な出演者たちによって繰り広げられる新しい試みに注目だ。

TIME 2 SHINE
2024年9月1日

LIVE:
ERA
CAMPANELLA

DJ:
SULLEN
SLOWCURV

TIME OUT CAFE & DINER
17:30 OPEN & START
¥3000 + 1DRINK
チケッットの予約は下記より
https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSd8FQ4SIJWbM8S7Gw9-aJhz2ZsVedV-04_qczS2QOj00ChSGg/viewform?vc=0&c=0&w=1&flr=0

STRUGGLE: Reggae meets Punk in the UK - ele-king

 写真家・音楽ライターの石田昌隆氏の新刊は、『STRUGGLE: Reggae meets Punk in the UK』。主にUKを舞台としたレゲエとパンクの出会いを中心に編集したもので、1982年から2023年までの作品が掲載されている。ザ・クラッシュのNYでのライヴにはじまり、レゲエの偉人たち、80年代UKのインディ・ロッカーたち、1884年のCNDとの共催によるグランストンベリー・フェスティヴァル、同年のノッティングヒル・カーニヴァル、レゲエ・スプラッシュ、それからクラブ・シーンも少々……と、時代のポップ・アイコンたちの合間に街の風景や無名の人たちの写真が入ってくるのが嬉しい。また、そのときどきの渡英についてのエッセイがそれぞれの年ごとに掲載されている。いくらの経費でどんな風に撮影したのかがわかるのも面白い。
 パンク以降のUKミュージックのファンはぜひ見て欲しいし、パンクとレゲエが好きな人にはキラーな内容だと言っておこう。なお、刊行を記念して、8月4日(日)15:00からタワーレコード渋谷店6Fにて、DJ HOLIDAY名義ではレゲエをかけまくる今里をゲストに迎え、トークがあります。こちらもヨロシク。


石田昌隆
STRUGGLE: Reggae meets Punk in the UK

Type Slowly
‎352ページ(発売は8/3)
※表紙デザインは、サイレント・ポエツの下田法晴

ZULI - ele-king

 エジプトはカイロ出身で、現在は、ベルリンを拠点とするエレクトロニック・ミュージック・アーティストのズリの新作が、あのエンプティセットのジェイムズ・ギンズバーグがファウンダーを務めるブリストルのレーベル〈Subtext〉からリリースされた。ジェイムズ・ギンズバーグは本作のミックスも手掛けている。
 『Lambda』は2020年10月にカイロで制作開始され、2023年7月にベルリンで完成した。はじめに断っておく。本作は間違いなく彼の最高傑作である。なぜか。これまでの解体と再構成を同時におこなうようなディコンストラクション的なサウンドをさらに推し進め、解体と「優雅さ」を同時に共存させるような音響空間を構築しているからである。絶縁体の隙間から漏れ出るノイズと綺麗な空気のなかを漂うアンビエントが並列に鳴っているとでもいうべきか。

 結論へと至る前に、まずはズリの経歴を簡単に振り返っておくべきった。ズリは本名を Ahmed El Ghazoly という。彼はその活動初期においてカイロで地元のラッパーたちにビートを提供して経験を積んだ。その後、カイロでも急成長中のアンダーグラウンド・ダンス・ミュージックに関心を移し、イベントのプロモートや、DJとしても精力的に活動を展開する。いわば現場からの叩き上げといってもいい。その点、頭でっかちの実験音楽家ではない点も信頼がおける点だ。
 とはいえ私のようなオタクなリスナーがズリのことを知ったのはリー・ギャンブルが主宰するレーベル〈UIQ〉から2018年に出たアルバム『Terminal』だったと思う。10年代尖端音楽の代表のひとりといっていいリー・ギャンブルが見出した音という点に最初は惹かれたのだ。じっさいその音を聴いてみると、ヒップホップとジャングルが高密度に圧縮・解体(押しつぶされていくような)サウンドを展開しており、そのうえアブストラクトかつコラージュ的なトラックに仕上がっていて衝撃を受けた。まさに10年代尖端音楽が爛熟期に入ったと実感したものである。
 2019年以降は、ズリとラマ(ふたりは2019年に連名で『Noods Mixtape』をリリース)とともにレーベル〈irsh〉を発足させ、2020年に自身のシングルやコンピレーション・アルバム『did you mean irish』をリリースしていく。2022年には『did you mean irish vol. 2』を発表した。
 ズリはベルリンに拠点をしさらに精力的に活動を展開していく。昨年、同郷のカイロのアンダーグラウンド・レーベル〈Nashazphone〉よりリリースされた『Digla Dive - Live』はIDM、ヒップホップ、ジャングルなどをカオティックにミックスしたような強烈なアルバムで、まさに『Terminal』の進化形のような音で驚いたものだ。この音楽家は長い時間かけて自身のサウンドを深化させているのだなと思った。
 『Digla Dive - Live』から1年待たずにリリースされた本作『Lambda』は、いわばカオスの先にある美麗かつロマンティック、そして分解と再構成を繰り返すようなアンビエンスとサウンドスケープを実現しているアルバムであった。彼の音の向こうに眠っていた「優雅さ」が全面化したようなアルバムとでもいうべきか。彼は本作で明らかに新たな音の領域を探究し見出しているといえよう。

 アルバムには全12曲が収録されており、どの曲もノイズとアンビエントと電子音と声が解体され再構築され音楽と音の中間領域の池に浮かぶ花たちのように浮遊している。インダストリアル、テクノ、アンビエント、トリップホップなどがバラバラに解体され、その果てに再構成されていくような仕上がりなのだ。アルバムのオープナーである “Release +ϕ” では本作の音響の質感(透明、解体的な質感というべきか)を見事に提示し、作品世界へとリスナーを誘う(エンド・トラック “Release -ϕ” と対になっていることは明白で、アルバム自体が円環を描くように構成されているといえよう)。
 いわばどのトラックも電子音がコナゴナに粉砕され再構成されていくようなディコンストラクト的な音響世界を展開している。まったく方向性は異なるが長谷川白紙の傑作『魔法学校』の横に置いてみてもいいかもしれない。
 なかでも MICHAELBRAILEY を招いた8曲目 “10000 (Papercuts pt. 1) ” に注目してほしい。声と音とノイズとメロディの境界線が曖昧になり、同時にクリアでシャープな音像を実現しているのだ。デジタルの粒子が空間に漂うような未来的ポップ・ソングだ。MICHAELBRAILEY は3曲目 “Syzygy” ではヴォーカルに加えてサウンド・メイクにも関わっており、ズリとの密接な協働関係を窺わせる。また、あのコビー・セイ(!)をヴォーカルに起用した12曲目 “Ast” も印象に残るトラックだ。カラカラと乾いた音でリリカル・ミニマル・メロデイが鳴り、そこにヴォイスが絡みつく。
 ズリ単独の曲 “Trachea” も加工されたヴォイスに、どこか切迫感のあるアンビエントを絡める見事なトラックを展開する。“Fahsil Qusseer” では、ズリの父親の手紙を朗読する。この曲では自身の声とテープ録音された声が融解していく。過去と現在の境界線が曖昧になっていく。
 どの曲もバラバラに解体されたアンビエントのような音でありながら、 MICHAELBRAILEY、コニー・セイや Abdullah Miniawy らのヴォーカル/声が発するポップネスもあり、実験一辺倒ではない聴きやすさもある。
 まさに一筋縄ではいかない仕上がりのアルバムだ。優雅にして不穏、不穏にして美麗、解体的にして再構築的なサウンドスケープなのである。いくつもの相反する要素が交錯・共存しつつ、全体としては美麗な音響空間が生成されているわけだ。

 いわばズリが、自身の人生を振り返るように鳴らす音が、単純な「ひとつの人生」に帰結せずに、ノイズとアンビエンスのはざまから無数の音が生成されるように、複数の人生が立ち上がってくるようなサウンドに思えたのだ。いわば解体と再構築を繰り返し、つねに未知の領域へと進化/深化する「尖端音楽」の現在形。たとえば今年リリースされたベン・フロストの新作と合わせて聴いてもよいアルバムかもしれない。

R.I.P. Tadashi Yabe - ele-king

 去る7月25日夜明け前、DJ・プロデューサーの矢部直氏が心筋梗塞のためこの世を去った。周知のように彼は日本のクラブ・ジャズ・シーンを切り拓いたひとりで、その功績はとてつもなく大きい。また、彼は日本で暮らしながらも、その窮屈な制度や慣習に囚われないラディカルな自由人というか、まあとにかく、破天荒な男だった。世界の人間を、なんだかんだと社会のなかで労働しながら生きていける人と、アーティストとしてでなければ生きられない人とに大別するとしたら、彼は明白に後者に属する人だった。青山の〈Blue〉で、あるいは〈Gold〉や〈Yellow〉で、最初期の新宿リキッドルームで、めかし込んだ大勢の若者たちがジャズで踊っていた時代の立役者のひとり、90年代という狂おしいディケイドにおける主要人物のひとりだった。
 ともに時代を生きてきたDJがいなくなるのは、とても悲しい。以下、矢部直氏とは違う立場で、日本のクラブ・ジャズ・シーンをサポートしてきた小川充氏、そしてこの10年、もっとも親しい関係を築いてパーティを続けていたbar bonoboの成浩一氏に追悼文を書いてもらった。あの時代を知っている人も知らない世代も、どうか読んで欲しい。(野田努)


DJが考える自由なジャズを体現した

小川充

 7月25日、矢部直氏の突然の訃報が届いた。死因は心筋梗塞とのことで、享年59歳という早過ぎる死だった。矢部さんと初めて話をするようになったのは1990年代半ばのこと、当時はユナイテッド・フューチャー・オーガニゼイション(U.F.O.)の全盛時代で、その頃の私は渋谷でレコード・ショップの店員をしていたこともあり、来店してレコードを選んだりする手伝いをする中で会話をしたりしていた。そうした中からU.F.O.のパーティの〈Jazzin’〉(芝浦ゴールド~西麻布イエロー)やジャズ・ブラザーズとオーガナイズしていた南青山のクラブのブルーに遊びに行ったりし、ブルーではDJをする機会も得たのだった。また、海外からDJを招聘した際にもブルーに世話になり、矢部さんと地方のクラブに行ったりとか、自分がオーガナイズするイベントに出演したもらったりと、DJ関連でもいろいろお世話になった。

 1990年代のクラブ・ジャズ界のトップ・スターだった矢部さんは、傍から見るととても尖っていて、体も大きくて喧嘩が強いというイメージがまかり通っていた。高校や大学では野球部だったが、怪我のためにその道を断念し、DJや夜の世界に入ってきたそうだ。そうした体育会系気質の矢部さんだったが、当時のクラブにはディスコや水商売の名残があった。酒や喧嘩といった荒っぽいところもあり、DJにも徒弟制度的なところがあって、下積みを経てようやく一人前になれるという時代だった。そういった時代にDJとして名を上げるには、喧嘩も強くてハッタリが効かないとという部分もあり、そうした武勇伝がまかり通っていたのだと思う。矢部さんの上の世代からは生意気な奴、というように映っていたようだ。ただ、実際に会って話をしてみると、矢部さんは確かに突っ張っていて、ぶっきらぼうなところはあるものの、とても優しい人だったし、自分たちの後に続くDJやアーティストたちを手助けしたり、守ってくれるような存在だった。

 矢部直はDJをやりつつ、桑原茂一氏が運営する企画会社のクラブキングで働いていて、そうした中でラファエル・セバーグや松浦俊夫と出会い、DJ集団のU.F.O.を結成した。編集や企画の仕事をしていただけあり、DJをするにもアートやファッション、デザインの感覚を持ち込み、それがU.F.O.の個性や強みとなった。DJユニットとしてのU.F.O.が誕生したのは1990年のことだが、当時の東京のクラブ・シーンではヒップホップ、ハウス、テクノなどのシーンは出始めていたものの、ジャズはなかった。レアグルーヴやレゲエ、ロックやニュー・ウェイヴなどをかけるDJはいたものの、当時のロンドンで流行っていたようなアシッド・ジャズをプレイするDJはほとんどいなくて、U.F.O.がその先駆になった。スーツでDJをするというスタイルも、ロンドンのジャズ・シーンから来たものだ。ただ、U.F.O.はイギリスのDJスタイルを単に真似るのではなく、自分たちにしかない味をいかに出していくかに腐心していた。よく混同されがちだが、U.F.O.の音楽性はアシッド・ジャズとイコールではないし、レアグルーヴとも違う。また、1990年代半ばによくひと括りにされていた「渋谷系」でもない。それぞれ通じたり、繋がったりするところはあるのかもしれないが、あくまで唯一独尊の無頼派がU.F.O.であった。

 DJやイベントをやりつつ、U.F.O.は楽曲制作にも取り掛かる。彼ら自身は楽器を弾いたりプログラミングができたりするわけではないので、おもにサンプリングするネタを出してマニピュレーターに伝え、楽曲全体のイメージや方向性をプロデュースするというやり方だ。編集者的なセンスや時代を先読みする能力が問われるわけで、それ以前の音楽は技術を持つミュージシャンや作曲家、シンガーによって作られてきたものだったが、U.F.O.はそうした音楽の在り方を変えたと言える。現在はこうしたDJプロデューサーは一般的だが、U.F.O.はそのパイオニアであった。また、楽曲制作だけではなくアルバム・ジャケットのアートワークや写真、ファッションなどを含めた演出を施し、イベントと連動させていくやり方など、音楽にあらゆるものを巻き込んだトータル・プロデュースは、日本においてはY.M.O.がその先駆だと思うが、U.F.O.もそうした資質を受け継いでいた。Y.M.O.とスネークマンショーで関わった桑原茂一氏主宰のクラブキング出身である、矢部直や松浦俊夫ならではのセンスと言えよう。また、コスモポリタンでボヘミアンな感覚はモロッコ系フランス人のラファエル・セバーグならではで、そうした個性派を束ねていたのが矢部直でもあった。

 U.F.O.のデビュー曲は1991年の“I Love My Baby – My Baby Loves Jazz”で、ジャズやラテンのさまざまなサンプリングの中に、タイトル通りジャズへの愛情を忍ばせたものだった。そして、ヴァン・モリソンのカヴァーの“Moondance”とオリジナル曲の“Loud Minority”のカップリング・シングルを1992年にリリース。“Loud Minority”はU.F.O.の名前を日本はもちろん、世界へ広げる大ヒットとなった。クラブ・シーンではまだマイノリティだったジャズを高らかに宣言する声明文的な記念碑で、この曲を聴いて曲作りを始めたジャズDJも多かった。サンプリングのジャズ・ネタの膨大さと、それをスムーズに繋げてひとつの曲に再構築する鮮やかさ、そしてメッセージ性や散文的な感覚を持ち合わせる方法論と、サンプリング・ミュージックのひとつの到達点であり、いまだ色褪せてはいない。マイルス・デイヴィスやジョン・コルトレーンなどのジャズとはもちろん同列のものではないが、テクノロジーが発達した1990年代において楽器をサンプラーに持ち替え、DJが考える自由なジャズというのがこの“Loud Minority”であったのだ。

 1993年にはファースト・アルバムの『United Future Organization』をリリース。世界的にコネクションを広げていた彼らは、ガリアーノやマンディ満ちるに加えてヴェテラン・ジャズ・シンガーのジョン・ヘンドリックスを迎え、彼の“I’ll Bet You Thought I’d Never Find You”をリメイクするなど、企画力はズバ抜けていた。当時のジャズ・シーンにおける最先端だったブラジル音楽も取り入れ、エドゥ・ロボの“Upa Neguinho”をカヴァーするなど、時代の空気を読むセンスも抜群だった。そして、U.F.O.らしいクールなジャズ・センスが光る“The Sixth Sense”は、クラブ・ジャズのスタイリッシュなカッコよさが詰まっていた。ワールド・ツアーも行うなど日本だけでなく世界中で影響力を高めていったU.F.O.は、セカンド・アルバムの『No Sound Is Too Taboo』(1994年)では世界旅行を標榜し、よりワールドワイドでコスモポリタンな色合いを強める。DJクラッシュ、スノーボーイ、クリーヴランド・ワトキスら多彩なゲストに、ケリー・パターソンやマーク・マーフィーのカヴァー。レジェンドであるマーフィーとはこのときの“Stolen Moments”のリメイクが縁で、後に共演が実現した。派手なトピックに目を奪われがちだが、エルメート・パスコアルを再解釈した“Mistress Of Dance”には繊細でリリカルな美しさがあり、こうした詩的な世界観もまたU.F.O.の魅力のひとつだった。音楽以外に詩、文学、映画などさまざまな芸術の影響も有するのがU.F.O.で、そうしたものがもっともよく表れたのが架空のスパイ映画のサントラ仕立てとなった1996年の『3rd Perspective』。映画『Mission Impossible』の公開に合わせて作られたこのアルバムは、ロンドンでオーケストラを交えて録音された。“The Planet Plan”はカール・クレイグがリミックスするなど、そうしたリミキサーの人選も秀逸だった。ジャザノヴァがリミックスした“Friends”はハープシコードを用いた変拍子のジャズ・ヴォーカルもので、こうしたワルツものを取り入れるところもほかのジャズ系アーティストにはなかなかないU.F.O.ならではのアイデアだった。

 その後、『Bon Voyage』(1999年)、『V』(2001年)と合計5枚のアルバムを残して、松浦俊夫はU.F.O.を脱退し、以降は矢部直とラファエル・セバーグのふたりとなるが、U.F.O.としての楽曲制作はストップしてしまい、DJも個人活動がメインとなっていった。U.F.O.としての活動は主に1990年代に集約されるが、彼らは自身のレーベルである〈ブラウンズウッド〉を設立し(ジャイルス・ピーターソンの〈ブラウンズウッド・レコーディングス〉とは別)、自分たちのアルバム以外に『Multidirection』というコンピレーションをリリースする。キョウト・ジャズ・マッシヴ、竹村延和、ジャズ・ブラザーズ、クール・スプーン、ソウル・ボッサ・トリオなどの作品を収録し、日本のジャズ・シーンを盛り上げるべくいろいろなアーティストをプッシュしていた(ちなみに、ジャズ以外にDJムロも収録していた)。『Multidirection』の2作以外に、スモール・サークル・オブ・フレンズのEPをリリースするなど自分たち以外のアーティストもプロモートし、クラブ・ジャズ・シーン全体を牽引し、発展させていこうというのが〈ブラウンズウッド〉であった。矢部直はこのように全体を見る目やリーダー性、カリスマ性の備わった稀有なDJであり、こうした視点を持つ人は今後もなかなか出てこないだろう。


彼はハードコア・ビートニクだった

成浩一(bar bonobo)

 私は80年代後半から2000年までNYに住んでいたので、remix誌などでU.F.O.の活躍をチラ見ていたくらいで、全くといっていいほど彼らの全盛期を知らない。しかし、私たちはここ10年ほどは、近所ということもあり……月一で水曜日にweneed@bonoboというパーティを彼が亡くなるまで続けた、同世代の親しき友人だった。ここでは極私的に矢部直さんについて書こうと思う。
 あの当時、いくつかのクラブ誌からチラ見した矢部さんたちを、まあ随分と格好つけた方々もいたもんだなあ……といったちょいと斜めからの視線で見ていた。 私がそう思ってしまったのも、その当時の私が、彼らの音を男女でパンパンのフロアで浴びるチャンスもなく、〈Jazzin'〉という名の熱狂的パーティが夜な夜な東京で行われていたことも知らなかったからだ。まさかあんな格好つけが日本人にできるはずがない、似合うはずがない、そう信じ切っていた。そんな同時代の日本人を見たことがなかったし、そこに思想があるなんて思ってもいなかった。矢部さん、大変失礼しました(笑)。
  ところが近年は、それが必然だったことのように彼と仲良くなり、本当によく遊んだ。そしてよく語り合った。純粋に音について、DJ談義、現象や物に対する認識、What is cool、女、男、偉大な先人達について……などなど。 そして、たまに聞かせてくれるU.F.O.時代の話。 初めてのモントルー・ジャズ・フェスティヴァルの出演、それは、演奏家以外では史上初になるDJとしての出演だった。最初はヨーロッパのジャズ・オーディエンスたちの「おいおい何がはじまるんだよ」と、冷やかし(?)の視線があったが、最後には熱狂の渦になったという。
 ほかにも、 メジャーな会社との交渉時の話もしくれた。「貴方たちにはオレたちのカッコよさは本当にわかってんのかな、と終始攻めの姿勢で交渉し、好条件をまんまと引き出したよ」、なんてニヤニヤしながら話してくれたものだった。「どうやって、ディー・ディー・ブリッジウォーターに歌ってもらうことができたのさ?」なんていう問いにも、「いや〜、あのときは意外なことに、けっこうスムーズに進んだんだよ。ホント嬉しかったなー」、なんてニコニコしていた。あるいは、最近では、「U.F.O.が僕のピークと捉えていないんだ、捉えたくないんだ、また何かやるのさ」とも語っていた。そして、ついに先日は、「政治家になるってどう思う?」って聞かれたんだよ(笑)。「政治家といっても都議会くらいだけど」って真面目に言うからびっくりしたけれど、すぐに「だったら僕が広報部長になるよ」って言いたくなる話だった。
 「僕は90年代にU.F.O.で、世間に良い方向の影響を与えることができたと思っている。でもいまの時代状況、ダンスフロアの熱度、ではそのような影響を与えることの難しさを感じていて。で、ちょいと考えてみたら、こりゃ政治活動で良い影響を与えるもありじゃない?  例えば、代々木公園で夏のあいだステージを作って、1ヶ月毎日、いろいろな優れたミュージシャンたちのライヴをフリーで見せる、とか。夕方からは皆が芝生に横になりながらビールを片手にクラシックな名作映画みるとかさ」
  私はそれを聞いて、「まるで、セントラルパークのサマーステージのようで凄く良いな」って思った。「留置所に音楽室を作ってMPCを置く」っていう私のアイデアにも大賛成してくれた。「そんなことができたら当選しちゃうねー」、なんて笑い合いましたよ。
 彼には自身の日常への美学が常にあった。それは音楽に留まらず、コラージュ、スクラップ、文学、写真、人へのちょっとした手作りのギフトなど、他のDJとは違った芸術一般への深い興味、そしてやはりビート族への強い共感。DJってただの音楽馬鹿なんじゃない、といいう感じとは根本が違っていた。
 高校時代には真剣に甲子園を目指していた野球少年、上京後すぐに動き出し、ヤベイズムのはじまりとなる鮮やかなスタートダッシュ。 当初、そこにどのような飛躍があったのかわからなかったのだけれど………いまはこう想像できる。 野球にどっぷりな日常を過ごしつつも日々さまざまな本に触れ、前衛詩に陶酔し、ビバップ、モダン・ジャズに惹かれた早熟な青年。それはハイプではなかった。 そういうスタートがあって、それからクラブキングのボスに見出され、世界にまであっという間に飛躍した! 
 見事なのは、それまでのように資本、メジャー・レコード会社などに頼るのでなく、自分たちで繋がっていったこと。 それはなかなか新しい。しかしそここそが(まだまだ初々しい初動期であった)クラブ・ミュージックの本質であり、まさに時代がぴったりと彼と一緒にいたということだと思う。 彼ほど1990年代に愛され、それを作れた人はいないのではないの?  なんて幸せな人生なんだ?  
 いま思ったんだが、彼は先人達からの知恵を頂いて新しいArtを作った。しかしそれは決して付け足していくようなものではなく、そいつをひん剥いてひん剥いてそれを剥き出しにするベクトル。そのサンプルを剥き出して精神性を露わにしたいタイプのハードコア・ビートニク。 みんな彼のことをエキセントリックだと語ったりもするが、まあ例えれば、ビル・エヴァンス、ルー・リードのような生き方をしていた、というだけですよ。 そしてそのスタイルのブレのなさはずっと前からだったんだろうし、い、わ、ゆ、るACID JAZZを超えた、その強度に世界がびっくりしたんだと思う。
 そしていま。 私が神宮前で運営しているclubには、彼への感謝で一杯の若者たちが毎夜、「矢部さん! いろいろ教えていただきありがとうございました!」と本当に寂しそうにしているのを見る。みんなに伝えたいことは………矢部さんがいなくなったらヤベイズムも終わるんじゃないよってこと。 矢部スタイルを追うのでなく——まあそんなこともできるわけないが(笑)——、矢部さんと共有できた時間をひん剥いてみて、残ったヤベイズムをまた下の世代に伝えるべく生きてほしい。 矢部さんがずっとずっと先人達とそうやってきたように。

Karnage - ele-king

 この春自身のレーベル〈Nocturnal Technology〉を始動させたMars89。いまのところ、現行ダブの鍵を握る一組、シーカーズインターナショナルとの共作『Dangerous Combination』と、ファッション・ブランド、ザンダー・ゾウのコレクションのサウンドトラック『A​.​I​.​VOLUTION (Original Soundtrack)』の2作がリリースされているが、第3弾として Karnage のアルバムがアナウンスされている。発売は8月8日、カセットとデジタルの2フォーマット。名古屋拠点のプロデューサーによるインダストリアル・ダブを堪能しよう。

名古屋を拠点に活動するKarnageが、Nocturnal Technologyより、最新アルバム「Dystopian Synthesis」をリリース
未来的かつディストピア的なインダストリアルサウンドを特徴とし、重低音、ダブ、ノイズが交錯する壮大な世界へと聴く者を誘い込む。

Nocturnal Technologyからの3作品目は、デトロイトで活動を開始し、現在は名古屋を拠点に活動している、Karnageによるインダストリアルダブアルバム「Dystopian Synthesis」。

ダブステップでのキャリアに裏付けられた重低音を土台に、ノイズやメタルなどから影響を受けた破壊的なサウンドが、ダブの技術の中で融合している。

フォーマットはデジタルとカセットテープの二種類。物理的に作品を所有する喜びと、未来のための持続可能性を両立させるための方法として、再生プラスチックを使用したカセットテープが採用されている。

artist: Karnage
title: Dystopian Synthesis
label: Nocturnal Technology
release: 8 Aug 2024

tracklist:
1. Netsphere
2. Falsed Frozen ft. Marshall Applewhite
3. A Silent Loner
4. GBE
5. The City
6. Silicon Life ft. Marshall Applewhite
7. Megastructure
8. Stepping Stone
9. Lore

Seefeel - ele-king

 90年代の音源をまとめたアンソロジー『Rupt+Flex 94-96』から早くも3年。彼らの最後のオリジナル・アルバムは2011年の『Seefeel』だから、じつに13年ぶりということになる。シーフィールひさびさの新作『Everything Squared』が8月30日にリリースされる。
 6曲入りのミニ・アルバムで、中核メンバーのマーク・クリフォードとサラ・ピーコックが作曲&演奏、『Seefeel』期にバンド・メンバーだったシゲル・イシハラ(DJスコッチ・エッグ)もベースで2曲に参加しているそうだ。マスタリングはミニマル・ダブのヴェテランでもあるポールことステファン・ベトケ、デザインはデザイナーズ・リパブリックのイアン・アンダーソンが手がけている。現在、同作より新曲 “Sky Hooks” が公開中です。

artist: Seefeel
title: Everything Squared
label: Warp
release: 30 Aug 2024

tracklist:
01. Sky Hooks
02. Multifolds
03. Lose The Minus
04. Antiskeptic
05. Hooked Paw
06. End Of Here

DMBQ - ele-king

 DMBQが主催する毎秋恒例のクアトロでの競演ライヴ・シリーズ。2024年も実施されることが決定している。今回招かれるアクトはサニーデイ・サービス(10/3@名古屋)、maya ongaku&MERZBOW(10/23@渋谷)、カネコアヤノ(10/29@梅田)。相変わらず豪華な面々だ。どんな一夜になるのか、その目でたしかめにいこう。

「毎秋恒例のDMBQキュレートによるクアトロ公演、今回はサニーデイ・サービス、カネコアヤノ、maya ongaku、MERZBOWと競演」

DMBQが毎年秋に東名阪クアトロにて行う自主公演が今年も決定した。今回は名古屋クアトロにてサニーデイ・サービスと、梅田クアトロはカネコアヤノと、そして渋谷クアトロはmaya ongakuとMERZBOWという豪華な競演ラインナップを迎えて行われる。
毎回DMBQがキュレートした独自の路線をひたすらに突き進む先鋭的アーティストとの競演が話題の本シリーズだが、今回もコアな音楽ファンに突き刺さるディープな組み合わせだ。
チケットはチケットぴあ、e+、ローソンチケット等で7月31日~8月5日まで先行発売。
一般発売は8月10日より開始。


「DMBQとサニーデイ・サービス」
名古屋クラブクアトロ
2024年10月3日(木)

チケットぴあ:Pコード:276-053
ローソンチケット:Lコード:43349
e+


「DMBQとmaya ongaku / MERZBOW」
渋谷クラブクアトロ
2024年10月23日(水)

チケットぴあ:Pコード:276-070
ローソンチケット:Lコード:73664
e+


「DMBQとカネコアヤノ」
梅田クラブクアトロ
2024年 10月 29日(火)

チケットぴあ:Pコード:276-132
ローソンチケット:Lコード:52890
e+

【共通】
開場/開演:18:45/19:30
料金/(前売)¥4,500/(当日)¥5,500
※入場時ドリンク代別途600円。
※整理番号あり。
※未就学児童入場不可、小学生以上要チケット/紙・電子両方取り扱い(ぴあは「MOALA」)/お一人様4枚まで
一般発売日:2024年8月10日(土)

・PG先行:7/31(水)正午~8/5(月)23:59
・QUATTRO WEB先行:7/31(水)正午~8/5(月)23:59
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