「Not Waving」と一致するもの

Grimes - ele-king

 ダブステップの展開の途上で、いつしかビートのないものが生まれてくるようになった、という話を聞いて感心したことがある。ひとつのジャンルがジャンルとして成熟し先鋭化していくなかで、その根本の要素がそっくり無になる......これは非常におもしろい現象であり、真理だ。ビートを突き詰めたらビートがなくなってしまった、と。それは本当に無になってしまったというよりは、過度に徹底された結果の姿であって、いわば「ひとつの究極」。むかし「エロ単語しりとり」というものが仲間内で流行ったが、エロ概念がいつしか先鋭化し、「松」や「峰」などといった、一見どこがエロいのかわからない単語へと変化していったものだ。それはともかく、いまチルウェイヴもまたひとつの極点へと向かっているように見える。

 グライムスことクレール・ブーシェは、まだ20歳そこそこの女性アーティストだが、ウィッチ・ハウスがハウ・トゥ・ドレス・ウェルのつづきをやろうとするような、玄妙にしてエッジイな音楽を作っている。本作はデビュー・フルとなる作品で、発表自体は昨年のものだが、ジャケットを改めたEU盤がこの3月に〈ロー・レコーディングス〉よりリリース、さざ波のように彼女の名が広がりつつある。本人は自らの音を「ゴス・ポップ」と呼んでいるらしいが、たしかにエズベン・アンド・ザ・ウィッチやゾーラ・ジーザスなど、ゴシックなニュアンスのシンセ・ポップが基調となったアルバムだ。

 しかしたとえば"ワーギルド"や"ラーシック"などのもつれるようなリズムとゴーストリーな音像には、ハウ・トゥ・ドレス・ウェル(以下、HTDW)がそうであるように、なんらかの趣味性の中に回収されてしまうことを拒絶した結果が焼き付けられているように思う。ゴシックという世界観や趣味性に安住する音だとはとても思われない。HTDWには「愛」をめぐる沈思と黙考の姿勢があった。グライムスは正直なところよくわからない。曲のタイトルからしてめちゃくちゃで何を言っているのか判然とせず、聴き手を攪乱するいたずらなフェアリーといった趣もあれば、曲の真意や自分自身の心など誰にも見せないという拒絶のサインであるようにも感じられる。しかし他者からの干渉を避け、純粋に自らの思索に没入したい、両者の奥深くにはそうしたモチベーションがあるのではないか。奥へ、底へ、もっと深くへ。ベッドルームに立てこもり、まどろむようにリヴァービーなローファイ・シンセ・ポップを張り巡らせたチルウェイヴは、さらにドアの反対方向へと歩みを進めているようだ。ローファイとはいえドリーミーな心地よさから決して逸脱しないというのがチルウェイヴの流儀に見えたが、HTDWやグライムスはコンプのかけ過ぎで音が壊れてしまっている。意味的にも音的にも、彼らはバリアを増強しすぎてバリアを破る存在になりつつあるのかもしれない。冒頭の"アウター"のリヴァービーなキック音は、まさに雑音だらけのこの世の外(ほか)へと退出せんとする宣言のようにも聴こえてくる。チルではなく、キルするようにあたりをはらう迫力がある。ドアを閉ざし、彼らは別のドアを開けることになるのかもしれない。

 彼女にはまた、ジュリアナ・バーウィックのような実験性もある。バーウィックほど過激ではないにしろ、"サグラド"や"ワールド・プリンセス"で試みられているのは、自らの声の可能性を押し広げることだ。教会音楽的な和声や音の伸張が、無表情なビートに伴われてスタイリッシュに展開されている。いっぽうにギャング・ギャング・ダンス、あるいはハイ・プレイシズとも比較できるトライバリズムがあり、両者がエキセントリックな対比をみせているのもおもしろい。ミステリアスだが、凛々しく意欲的な作品だと思う。こうした方法に触発され、2010年代は女性の一人ユニットが撩乱となる10年になってほしいと思っている。

DJ UCHIAGE - ele-king

※新しいMIXを現在フリーダウンロードで配信中なので良かったら聴いてみてください。
New Mix 『surfpark』Free DL : https://bit.ly/hPlfrY

【Info】
内PEEE HP : https://flavors.me/dj_uchiage
Twitter : https://twitter.com/DJ_UCHIAGE
Soundcloud : https://soundcloud.com/dj-uchiage

2010~2011リリースからのフェイヴァリット10


1
Eddie C - Love Journey - Endless Flight

2
Maxmillion Dunbar - Girls Dream - Ramp Recordings

3
The Revenge - Curtis - Wolf Music

4
Locussolus - Next To You - International Feel

5
D-Pulse - Velocity Of Love (Hot Toddy Mix) - Theomatic Records

6
Mr. Raoul K - The Green Thing - Mule Musiq

7
Bottin - Eagle - Perseo

8
Tom Trago - Being With You - Rush Hour

9
Ilija Rudman - Romance Warrior - Bear Funk

10
Dj Kenta - Music My Life Edit - Pan Pacific Playa

Egyptrixx - ele-king

 中東動乱も相変わらずヒート・アップしているようだけれど、エジプトで最初に騒動が持ち上がったときにヴィンセント・ラジオで(多少悪乗りも自覚しつつ)"エヴリバディ・ブリーディング(全員流血)"をかけたデヴィッド・サッカのフル・アルバムが完成(MP3でのリリースをカウントするとこれでセカンド・アルバム)。トロント在住でエジプトのトリックを名乗るUKファンキーのホープといえる逸材。アイコニカのリミックスを含む「ジ・オンリー・ウェイ・アップEP」やアアア!リアル・モンスターズからの「バトル・フォー・ノース・アメリカ」といった先行リリースからの採録は1曲もなく、シンセサイザーのタコ踊りが楽しい"エヴリバディ・ブリーディング"はいまだとダブステップとシカゴ・アシッドを横断させたドロップ・ザ・ライムのミックスCD『ファブリックライヴ53』にリスティングされている。

 聖書に目があるというタイトルはちとコワい。あちこちのホテルの部屋に置いてある聖書が監視カメラに思えてくる。聖書とエジプトといえばフロイトの......ま、いっか。シンセサイザーが自在に躍る陽気なダブステップといったシングルの路線をさらに増幅させた前半から中盤までの展開はどれも期待通りの出来で、あっさりとガラージに落とし込まれたタイトル曲や寸止めの幸福感が繰り返される"ナポリ"などイメージの豊かさにまずは圧倒される。昨年末にリリースされた〈ナイト・スラッグス〉のレーベル・コンピレイションにも収録されていた"リベレイション・フロント"(Kをつければザ・KLF)はシカゴ・アシッドをまったく違う角度から構築し直したような曲で、どこかリッチー・ホウティンを彷彿とさせつつ淡々とした狂気に埋没させてくれる。これはいい。『ナイト・スラッグス・オールスターズ』でもベスト・トラックだと思っていたけど......やはりいい。マヤ・ポステップスキーらのトラストをヴォーカルにフィーチャーした2曲もなかなか効果的。

 全体のイントロダクションやサイドCのオープニングとなる"ルークス・テーマ"をひとつの予感として、サイドDは全体に暗く、重い雰囲気に包まれた別世界へと突き進んでいく。ここで僕は完全にやられてしまった。ここに至るまでの流れをばっさりと否定してしまうかと思うほど内向的で、ダブステップに対する誤解があるとしかいえない展開なのに、暗さのなかに散りばめられた光の乱舞やネガティヴであることも楽しんでいるかのような乱暴さがそれを補って余りあり、さらにフリーキーな展開を恐れない"ベアリー"が止めを刺してくる。"ベアリー"は本当に強力である。アンダーグラウンド・レジスタンスがガラージ・ハウスの定義を書き換えたかのように聴こえる。"パニッシャー"をラリー・ハードがリメイクしたという喩えはどうだろうか...って、なんだか野田努のような文章になってしまった。そして、すべての集大成といえるエンディングへと雪崩れ込む。前半の持ち味と後半のダイナミックスが最後に来て完全に溶け合ってしまう。あー、カッコいい。これ以上、原稿なんか書いている場合じゃない......。
 とてもエレガントなベース・ミュージックの誕生である。ブラボー! コマツ!

2562 - ele-king

 1曲目"ウィナンプ・メロドラマ(Winamp Melodrama)"が圧巻。チョップド・ドラムの派手な展開、さりげないヴォコーダー。プラスティックマン並みのミニマリズム(最小限)の構成であり ながら、やたらドラマティック、あるいは、昨年ダンスフロアを沸かせたUKファンキーのヒット曲、ジョーの"クラップトラップ"のエレクトロ・ヴァージョンとでも言えばいいの か、これは間違いなくDJに好まれるトラックだ。というか、もう使っているDJも少なくないんじゃないかな。デイヴ・ユイスマンの「踊らせたるぜー」とい う気合いが鮮やかなカタチで具現化している。2008年、デビュー・アルバム『エアリアル』によってベルリン・ミニマルとクロイドンのダブステップの溝を 埋めたオランダ人は、翌年のセカンド・アルバム『アンバランス』でデトロイト・テクノに接近すると、2年ぶりとなるサード・アルバム『フィーヴァー』では マントロニクスやクラフトワークのエレクトロを訪ねている。オールドスクール・エレクトロが鳴り響く、ディスコのダンスフロアに目を向けている。それがア ルバム・タイトル『フィーヴァー』の意味するところであろう。
 要するに......これはジョイ・オービソンのような4/4 キックドラムのダブステップのさらにその先を目指している音楽だとも言える。アルバムに収録されたすべての曲でそれが成功しているかどうかはともかく、少なくもと彼は挑戦して、新しい一歩を踏み出そうとしている。

 『フィーヴァー』のベスト・トラックは間違いなく"ウィナンプ・メロドラマ"だが、2曲目の"チーター"にもがっつりと身体を揺さぶられる。ここではハンドクラップを効果的に......というかほとんどキックドラムとハンドクラップでビートを組み立てている。言ってしまえばUKファンキーのテクノ的な展開だが、この人のセンスの良さによって素晴らしいトラックになっている。
 "ジャックスタポーズ"のような、マントロニクスめいた(つまりオールドスクール・エレクトロな)ディスコ・トラックも魅力的だ。"アクアティック・ファミリー・アフェア"のように、アンダーグラウンド・レジスタンスのダークなファンクを彷彿させるトラックもあるし、"インターミッション"や"ウェストランド"、そしてタイトル・トラック"フィーヴァー"には、『アンバランス』から続く彼の、カール・クレイグにも似たシュールなフィーリングが展開されている。
 また、"ブラジル・デッドウォーカー"や"ディス・イズ・ハードコア"、また"ファイナル・フレンジー"といったトラックは彼の故郷がテクノとハウスにあることを激しく主張している。このアルバムにおける熱量の高さがストレートに出ているトラックでもある。
 『フィーヴァー』はパワフルなダンス・アルバムである。2562は、いま彼のキャリアにおいてピークに向かっているのではないだろうか。

[tUnE-yArDs] - ele-king

 2011年、すでに何人かの素晴らしい女性ミュージシャンが登場している。本サイトでも何枚か紹介している。しかし、チューン・ヤーズを名乗る、カリフォルニアのメリル・ガーバスはあまりにも圧倒的。5月にセカンド・アルバム『WHOKLII(フーキル)』がリリースされるが、彼女の音楽を聴いているとニーナ・シモンとアリ・アップとM.I.A.が幸せに踊っているような錯覚に陥る。パワフルで、エネルギッシュで、とにかく元気だ。
 まずはこれを見て、チューン・ヤーズの爆弾のようなアルバムを待とう!

R.E.M. - ele-king

 このあいだ『ピッチフォーク』で生中継のストリーミングがされた、LCDサウンドシステムのラスト・ライヴを観て僕は案の定ボロボロとパソコンの前で泣いていたのだけれど、それは実に見事な幕引きであった。ジェームズ・マーフィは自分のやってきたことにけじめをつけるものとしてそのライヴを「葬式」だと表現していたが、キャリアを網羅する3時間40分で彼は音楽仲間を総動員して自分たちが投げかけてきた音と言葉をすべて出し切るかのようだった。「最後の一曲だよ」と言って"ニューヨーク、アイ・ラヴ・ユー・バット・ユア・ブリンギング・ミー・ダウン"が演奏されると、ジェームズは自分が信じてきたものへの失意と迷いを歌い、そして、「もしそうなら、この歌があるよ」という言葉でそのバンドを終わらせたのだった。それを僕たちに伝えることこそが、自分の役目だったと言わんばかりだった。

 LCDのそのライヴを観終えて、そしてこのR.E.M.の通算15作目となる新作『コラプス・イントゥ・ナウ』を聴いて、R.E.M.は自分たちのバンドの終わらせ方は見えているのだろうか......と僕はふと思った。もちろん、長きに渡ってアメリカのロック・バンドのひとつの指標であり続けた彼らに終わってほしい、ということでは断じてない。80年代から90年代頭にかけてのもっとも勢いがあったときの彼らをリアルタイムで知らない僕ですら、後追いで聴いていくうちにアメリカの数多くのバンドのなかに彼らの影響があることを感じ取ることができたぐらいだから、その功績は計り知れないものがある。リベラルな立場でつねにその時代に起こっていることを見据えながら、しかしそのことを詩的な言葉とパンクが根幹にあるしなやかなサウンドで表現してきたアメリカの知性がR.E.M.である。しかも、それが退屈な誠実さにはならない独特のシニカルさやニヒルさを彼らは備えていたし、かと言ってときには"エヴリバディ・ハーツ"のような言ってしまえば大衆的なアンセムを歌うことからも逃げなかった。それは海を越えてレディオヘッドのようなバンドにも引き継がれたし、アメリカではザ・ナショナルのようなバンドにいまもきちんと息づいている。
 ただ、その責任感の強さからなのか、ここ10年ほどR.E.M.は自分たちの役割を負いすぎるようなところがあったようにも思う。2000年代は彼らにとってブッシュ政権下のアメリカのなかで、しかしそのことに強い違和感を覚えるアメリカ人として、どのような表現が可能かということに挑んでいた時期だった。だから〈VOTE FOR CHANGE〉ではその先頭に立ったし、それでも2004 年ブッシュが再選されるとニューヨークで「これは世界の終わりだけど、僕はだいじょうぶ」と歌い、リスナーを奮い立たせた。だが2005年の『アラウンド・ザ・サン』は如実にその落胆が反映された重々しいアルバムであったし、その反動となった2008年の『アクセラレイト』は怒りとシニカルさに覆われたパンク・アルバムとなった......それらは、かつての彼の作品群にあったような軽やかさを見つけにくいものであった。長いキャリアのなかで背負ってきたものを、彼らはいつしか下ろすことができなくなっていたのかもしれない。

 『コラプス・イントゥ・ナウ』は政権交代後のはじめてのアルバムで、その分風通しの良さを感じるアルバムである。"ディスカヴァラー"は視界が開けていくような鮮やかなオープニングだし、"オール・ザ・ベスト"や"マイン・スメル・ライク・ハニー"のようなロックンロール・チューンはいまもスマートな体型とファッション・センスを保ったマイケル・スタイプのカッコ良さをはっきりと示している。"ウーバーリン"は名曲"ルージング・マイ・レリジョン"を思い起こさせ、ピーチズとのデュエットもキマってるし、パティ・スミスやエディ・ヴェダーのような盟友の参加もファンなら納得だろう。
 だが、これもまたR.E.M.が自分たちがずっと求められてきたことに対して、きっちりと応えたアルバムであるように聞こえる。とてもバランスの取れた内容の充実作だが、かえって彼らがいまいる場所が見えにくい。自分たちで、世間がイメージするR.E.M.像に忠実に寄り添っているような感じなのである。責任を果たすこととそこから離れることで揺れている......15作目にして、「過渡期の」と形容したくなるアルバムである。

 これまでのキャリアでR.E.M.はその役割を十分果たしてきたが、しかし不思議なことにバンドは完結することなく、いまも自分たちのあり方を模索しながら存続する道を選び続けている。このアルバムに伴うツアーをやらないという選択も、ルーティンのような活動からはいったん距離を置きたいということなのかもしれない。だからこそ音源ではもっと冒険しても良かったと僕は思いもするが、そんな風にして地道に前進し続ける姿もこのバンドらしい。
 だからここからも、R.E.M.の大成はまだ感じ取れないし、その終わり方も見えてこない。ジェームズ・マーフィのような誠実さとも、また違うものを目指しているのだろう。かつて「世界でもっとも重要なロック・バンド」と呼ばれていた彼らは、もうさすがにその場所からは降りてしまったが、まだ自分たちがやるべきことを探し続けている。それはいまもR.E.M.が、オルタナティヴであることの理想を捨てていないということである。

OKI - ele-king

●OKI DUB AINU BAND Presents
『Himalayan Dub~Mixed by OKI vs 内田直之~』
CD発売記念ツアー・ファイナル
4月15日(金) 会場:渋谷 CLUB QUATTRO 開場:19:00 / 開演:20:00
ゲスト: LITTLE TEMPO
チケット:前売¥3,800 (ドリンク別)当日¥4,300 (ドリンク別)
お問い合わせ: 
SMASH: TEL:03-3444-6751 https://smash-jpn.com 

●OKI x 一十三十一 x U-zhaan
アイヌのトンコリ、インドのタブラ、という伝統楽器が生むグルーヴ+、女性ヴォーカル。
新たなるユニットの始動!?初Live緊急決定!!
5月21日(土) 会場:西麻布「新世界」 開場:17:00 / 開演:18:00
前売り予約3000円(ドリンク別)/当日券3500円(ドリンク別)※限定100人※
〔前売チケット予約・お問い合わせ先〕西麻布「新世界 」 
tel: 03-5772-6767 (15:00~19:00) https://shinsekai9.jp/

DUB Chart


1
Israel tafari (same song dub)

2
Bunny Lee - Rasta Dub '76

3
Jammy , Crucial Bunny - Fatman Dub Contest

4
Revorutionaries - Jonkanoo Dub

5
Scientist - Scientific Dub

6
Augustus Pablo - King Tubby Meets Rockers in Firehouse

7
Sly & Robby - Gamblers Choice

8
Augustus Pablo - Original Rockers

9
Lee Perry - Super Ape

10
Joe Gibbs - African Dub All-Mighty

Contribution - ele-king

 2011年3月11日、東北関東大震災によって僕たちを取り巻く状況は一変した。多くの人命が失われたのはもちろん、生き残った人たちにも、以前の生活を取り戻すこと、物資や燃料の確保、家族の捜索、放射能との不本意な共存...、あるいは、的確な情報を選びとることも大事だし、生き延びた後ろめたさや、何かしたいが何もできない自分にいかに折り合いをつけるか......といった課題が残されている。
 僕の住む街は岩手県の沿岸に位置しているのだが、線路や家屋や船舶は津波によって破壊されたものの、人的被害はゼロだったことは奇跡と言っていいだろう。月並みだが生きていることに感謝したし、相撲の八百長やカンニングで騒いでいた頃がいかに平和だったか思い知った。被災した人たちには本当にかける言葉がない。ただ、無事と健康を祈らせていただくばかりである。戦後最悪の災害となったわけだが、ここで得られた経験は永遠に重宝されていくだろう。そうでなければ死んだ人たちが浮かばれない。

 地震の日の朝、僕はドアーズの『ストレンジ・デイズ』を聴きながら仕事に行った。14時46分、地震と同時に職場の電気は止まり、自家発電に切り替わった。「漁港が浸水した」などといった情報が飛び交い、あたりは混乱した。僕は恐怖したというよりも、あまりの事態の性急さに呆然としてしまった。災害用の毛布の運び出しを手伝っているときも、心ここにあらずといった感覚だった。2001年の9.11のときのような、一瞬で海の向こうのすさまじい情報量を受け取ったスピード感はそこにはなかった。地震直後は、何もかもが遮断されてしまったからだ。
 帰り道、僕の住む町は不気味に様相を変えていた。すべての家からは灯りが消え、普段使っている道路は津波を警戒して封鎖されていた。活動的な雰囲気が消え失せ、僕の見た世界は静まり返って淡々としていた。カーステレオから流れるジム・モリソンの歌が妙に暗示的だった。

不思議な日々が俺たちを捕らえた
不思議な日々が俺たちを追い詰めた
俺たちのちょっとした歓びを壊そうとしている"ストレンジ・デイズ"

 他者、あるいは人間という存在に言及した歌詞だが、そのときの僕にはなんだか預言めいた響きに感じられた。作り話ではない。実話である。
 僕の主な被災体験は、停電生活である。震災当日の夜から、発電機や薪ストーブ、同じく薪で沸かす風呂といった設備が使える祖父の家に身を寄せた。海岸付近に住む人びとは家を津波で破壊され避難生活を強いられたが、それを考えるとこのような恵まれた環境に自分がいたことをまずは感謝せねばなるまい。食べ物もあった。しかし発電機に使う軽油は限られていたし、毎晩余震に起こされ、錯綜する情報を一方的につきつけられるのは、(僕の住む地域は電気の復旧がかなり遅れたこともあって)なかなか堪えた。だが家族といる時間が増えたし、祖父母や叔父と普段はしないような話をした。そのことが単純に良かったとは言わないが、久しぶりに人の営みというものを感じた気がした。
 音楽を聴けるのも通勤の車内だけになってしまった(ちなみに祖父の家と僕の家はかなり近く、CDだけ取りに行くという芸当ができた......なんたる幸運)。そのあたりに僕が聴いていたのは意外にもビギーだった。『ライフ・アフター・デス』。知っての通り、本作のリリースを目前に控えた1997年3月、ビギーは凶弾に倒れてしまう。彼は死をテーマにした曲が多いことで有名だが、ここでは「死後の人生」というよりも「いちど死んで生まれ変わった」と解釈したい。震災で生き残った僕たちも、ある意味ではいちど死んで、またもらった命だろう。感謝し、そしてこれから自分が出来ることを考えなければならない。
 震災後のこの国を包んだ沈痛な自粛ムード。政府や電力会社の事後の対応の不手際、あるいは物資の買い占めに走る人たちへの、ネット掲示板での正義感なのか憂さ晴らしなのか計りかねる苛立ちに満ちた非難。そんな鬱屈とした空気のなか、欲望をむき出しにしたビギーのラップは勇ましく、力強く響いた。僕はビギーに鼓舞されたし確実に元気をもらったといえる。

 電気が復旧し、自宅に戻った。灯りを点け、PCを起動させながら思った。今回の原発の事故に関しては、僕たちが普段利便性だけを享受し、見て見ぬふりをしてきた部分がいっきに噴出したということだろう。原発周辺の住民は住む場所を追われ、野菜や魚の汚染によって多くの一次産業に従事する人びとが職を失った。このことを何らかの契機にしなければならない。やはり自販機の削減や営業・勤務時間の短縮といった節電方面の方策がとられていくのだろうが......。
 僕個人の原発に関する意見はというと、即時全廃は不可能にしても、じょじょに他のエネルギーに切り替え、順次廃棄していくべきだと思う。比較的近くに女川原発や六ヶ所村の再処理施設があるだけに他人事とは思えない。まったくの門外漢なのだが、割と大きな余震がこれだけ頻発するのは、太平洋プレートと北米プレートのズレがいまも進行しているということだろうから、文字通り地に足の付いていない環境で、これからも原発に頼るのはあまりに危険だし、福島原発の事故を教訓にしなければならない。原発による豊富な電力という恩恵。一度知った便利さを手放すのは難しいが、「Aを優先させればBが犠牲になる」という摂理からは生きている限り逃れられない。
 同時に考えなければならないのは、原発や再処理施設で働く人たちのことである。昨年10月のたばこの値上げの報道の時も思ったのだが、弊害ばかりが取りざたされて、その産業に従事する人びとにはまったくスポットが当たらないのである。原子力関連施設従事者の一般企業等へ優先的な斡旋。被曝とはどういうものかの詳細な説明。そうした透明性の上での新たなエネルギーの模索。遺物の撤去、新たなインフラの整備により雇用も創出できるかもしれない。困難を極めるだろうが、その過程での節電や省エネなら僕は喜んで協力するだろう。やはり太陽光発電の研究・開発にそれなりの予算を割くのが現実的な気がするのだが...。
 と、こんなことを考える余裕があるほど、現在では僕は普段の生活を取り戻している。岩手の沿岸部に住んでいながら、である。そして、そのことに負い目を感じるのである。津波で破壊された家屋の撤去作業を手伝ったり、被災地に物資を送ったりすることを(もちろん何か役に立ちたくてしたことだが)心のなかで免罪符にしていた自分が情けない。本当に無力感しかない。そのくせ僕はここ数日でレコードやCDを買ったし、映画も見たし本も読んだ。そんな人間だ。醜悪なことを書いている自覚はあるが、これはこれでリアルなのだとご理解いただきたい。この原稿も、自分の気持ちの整理のために書いているという理由も何%かはあるかもしれない。

 気を取り直して、僕の好きな曲で、こんな時にぴったりな曲がある。アルバート・アイラーの"ミュージック・イズ・ヒーリング・フォース・オブ・ユニヴァース"だ。そのままずばり、「音楽は世界を癒す力」である。タイトルのわりに、人を奮起させるような曲調だ。ジャズをはじめとする黒人音楽は、ルーツであるアフリカへの回帰が底の部分のテーマとしてある。安直かもしれないが、僕には震災で故郷を失った人びとと重ねあわせることができる。西欧列強に植民地化された故郷への帰還、ひいては母体回帰を目指す音楽と、震災とその二次災害により住む場所を追われた人びとがいつか元いた場所に帰りたいという願望とを。津波や放射能で居場所を失った人びと。報道を見ると、「それでもこの場所で頑張る」と話している人が結構多いことに気づく。こういう言い方が許されるのであれば、その姿は美しい。
 そんなわけで、音楽は無力だとはよく言われるが、落ち込んだ気分が音楽でパッと晴れるのはよくあることで、前述のような比較を持ち出すまでもなくアイラーのこの曲には普遍性が宿っている。これも希望を感じた1曲だ。

 さて、1日も早い復興のために(この文句を何度聞いたかな)、僕たちには何ができるだろうか。いろいろ考えたのだが、比較的余裕をもって暮らしている僕らがすべきことは、「なるべく震災前のように普段どおりに振舞う」ことだろう。節電・節約は大切かもしれないが、我々が冷静に行動することで、被災地に届く情報も整理され、物資も本当に必要とせれているものが選別されることだろう。経済の循環によって、抑圧された感情や自粛ムードもじょじょに解きほぐされていくと信じたい。
 いまだに多くの企業がコマーシャルを自粛し、TVからは妙に厳かな雰囲気で被災地にエールが贈られている。それ自体は善意によってなされているのだろうが、被災者にとって有益かどうかは正直首を傾げるところである。応援するにしてももっと具体的な、例えば「住む場所を失った人はうちの会社・施設に来て下さい! 衣食住を用意して待ってます!」というような呼びかけがあってもよさそうなものだが。ともあれ、何もできない自分を責めるのはそろそろ終りにしてもいいはずである。
 最後に、ドアーズの同じく『ストレンジ・デイズ』のアルバムに収録されている曲のこんな歌詞を引用して筆を置こうと思う。音楽が、僅かながらでも失われたものを取り戻す手立てにならんことを......。

とても優しい音が聞こえてくる
地面に耳を傾けると
僕たちは世界の再生を願っている、願っている、いま
いまだって? そういまだ "音楽が終わったら"

桂川洋平桂川洋平/Yohei Katsuragawa
1985年、岩手県生まれ。大学時代を仙台で過ごし、卒業後は地元で働きながら好きな音楽や小説を探求している。

Chart by UNION 2011.04.11 - ele-king

Shop Chart


1

DJ COLE MEDINA

DJ COLE MEDINA 1.6 Upglade HOUSE ARREST / US / »COMMENT GET MUSIC
06年リリース、DJ Harvey, Rub N Tug, Idjut Boys等がプレイし、再プレスの要望が高かった1枚「1.5 UPGLADE」がHOUSE ARRESTの10番「1.6 UPGLADE」として登場! 終始スモーキーなグルーヴを醸し出したバレアリックな調理、これはマジでハズセマセン!!!!!

2

DJ COLE MEDINA

DJ COLE MEDINA Medina's Magic/Cole Loves Your Inside Out AMERICAN STANDARD / US / »COMMENT GET MUSIC
大スイセン極上の恍惚バレアリック・キラー!!!西海岸で今最も注目すべきアンダーグラウンドなプロデューサーDJ COLE MEDINAが中心となって設立した新レーベルAMERICAN STANDARDの第一弾!フロアでプレイされ続ける傑作が待望の再プレス!!!

3

MOODYMANN

MOODYMANN It's 2 Late 4 U And Me (youandme Edit) ORNAMENTS / GER / »COMMENT GET MUSIC
MOODY名義でリリースされたKDJからのLP「OL'DIRTY VINYL」収録の"It's 2 Late For U And Me"をORNAMENTSクルーYOUANDMEがリミックス! ビートが差し替えられたフロア仕様のマッシブな1枚!今12"も例によってマーブルカラー・ヴァイナル仕様!!

4

砂原良徳

砂原良徳 liminal (初回限定盤/DVD付き) KI/OON SONY / JPN / »COMMENT GET MUSIC
『Love Beat』以来の沈黙を破る衝撃のNewアルバム。一切ブレる事の無い世界観と磨かれた音像にはただただ圧倒されるばかり。PVやライヴを収めた初回DVD付は限定盤なのでお早めに。

5

UNKNOWN

UNKNOWN Rose 2 Red RAL(RICARDO AND LUCIANO) / GER / »COMMENT GET MUSIC
VILLALOBOS & LUCIANOによるシークレット・プロジェクト/レーベル!今作ではST GERMAIN "Rose Rouge"をサンプリング!! オリジナルのヴァイブを損なわずに、パーカッシブかつタイトにシェイプしたフロア仕様のキラーボム! 数年前からLUCIANOがプレイし、「あれは何だ?」と話題をさらっていた作品です!

6

MARCELLUS PITTMAN

MARCELLUS PITTMAN Eastside Story EP SEVENTHSIGN / UK / »COMMENT GET MUSIC
TERRENCE PARKERもリリースしたグラスゴーの7TH SIGNからMARCELLUS PITTMANNの新作が登場。型にはまることの無いリズムと音色は本作でも十分に威力を発揮。アシッド、ディープハウス、そしてP-Funkとそれぞれ異なったスタイルが光る1枚。

7

INSTANT HOUSE

INSTANT HOUSE Dance Trax EP (Re-issue) US / 12" / »COMMENT GET MUSIC
まもなくリリースを迎えるInstant Houseのベスト盤CDから先行という形となった12インチ再発。ダンサブルなリズムと黒さ立ち込めるベースライン、そしてシンプルで効果的なウワものの絡みはこの時期ならではのヴァイヴスを放つ。未発表音源Hat Hatは今回初収録!

8

ALEX PICONE

ALEX PICONE Fahrenheit CADENZA / SUI / »COMMENT GET MUSIC
お待ちかねCADENZA新作!近年強力なアクトを多く輩出しているイタリアン・ミニマル・シーンから、BOSCONI、MIXWORKS等でのリリースでもお馴染みのALEX PICONEが、CADENZAではカエルEPこと"Furby Floppy EP"以来久々の登場

9

RICK WILHITE

RICK WILHITE Analog Aquarium(+CD) STILL MUSIC / US / »COMMENT GET MUSIC
3 ChairsのメンバーRick Wilhiteによる1stアルバムがアナログ化。Theo Parrishが各地でプレイしているフィリーテイストが魅力のトラック「In The Rain」を含む全8トラック。

10

WOMACK & WOMACK / ウーマック&ウーマック

WOMACK & WOMACK / ウーマック&ウーマック My Dear (The Letter) Joe Claussell Remix WHITE / US / »COMMENT GET MUSIC
WOMACK & WOMACKによる91年リリース作をJoe Claussellがリミックス。元々4分に満たないトラックを引き伸ばした本作は、哀愁漂う中ハートウォームなキーボードとヴォーカルが美しいハーモニーを奏でる12分強のダンスラックへと仕上がった。

相対性理論 - ele-king

 仕事の電話で資料の送付先を聞かれることがたまにある。
「ええ! 宛名は、松竹梅の松に市町村の村。下の名前は正しいに人です。そうそう! 正しい人です! 決まってるじゃないですか!」
 こういっているときに私は表面上は穏やかだが内心は怒っている。誰に怒っているかというと、三田さんいうところの「極度のマイナー体質」であることにうすうす勘づいているにも関わらず、名は体を表すとはいえない自分自身に怒っている以上に名づけ親に怒っている。いや、そうではない。私の名前候補はほかにあった。「角栄」というのがそれだ。自民党支持者だった私の父は私が生まれた二日後に総理大臣になった田中角栄にあやかってつけようとしたらしいが、それを思いとどまってくれただけでも私は親父をリスペクトしたい。角栄となれば、私はモノマネ芸人になるか、『笑っていいとも!』とかの「珍名さんいらっしゃい」的なコーナーに出るか、列島改造を叫んで地元に原発を建てるかしかなかった(もっとも「康弘」とか「純一郎」とかでなかったのは不幸中の幸いだけど)。

 相対性理論がリミックス作のタイトルに『正しい相対性理論』とつけたのに私の親父以上の葛藤があったかどうかは知らないが、リミックス・アルバム(彼らの説明によれば「再構築アルバム」)という自己解体的なアルバムを「正しい」と呼ぶことにふくむところはあった。相対性理論はそこに自己言及的なユーモアだけでなく、相対性理論という科学思想の正誤を問う観点と同時に、観測者の条件であるときは「一般」となり、「特殊」ともなる相対性理論というものの考えをアートの枠組みに移したとき、奇妙な転倒が起こるということをはじめて意識的に示した。言葉遊びというよりも暗示だった。暗示であるがゆえに、このアルバムでは相対性理論とリミキサー以上にリスナーが相対性理論の正しさを、正しさという概念を含め、検証する側にまわることになる。内容は問題にならない......わけはないが、名は体を表すことはときとしてあり得る。

 では中身はといえば、『正しい相対性理論』の各曲は各人が各人の方法論にきわめて自覚的に解体~再構築を施していて、誰がどの曲をやったかクレジットを見なくてもわかる。それは想定内ということではない。ハーバートからコーネリアスまで、『正しい~』の10人のリミキサーは相対性理論を触媒に音楽を自由に遊ばせながら、その底にある旨味をひきだすことで音楽そのものに語らせている。何を語らせるのか、といえば彼らの音楽のつかまえ方である。やくしまるえつこの歌とピアノをフェイズさせた坂本龍一のミニマル・ポップにしろ、曲を解体~再構築する過程で疑似スパンク・ハッピー(カラオケversion?)を仕立ててみせた菊地成孔にしろ、独自の音響空間を作った大友良英にしろ、『正しい~』は三者三様の、というか、十者十様の音楽の思考形態を明解に奏でていて、3月11日からこっちの重苦しいムードのなかでも、誰もが好き勝手にものを考えている(た)というあたりまえのことを、言葉でなく音楽で語るようだといったらいいすぎかもしれないですが、複数の声(ヴォイス)を共存させた『正しい相対性理論』の多様性はすくなくともそのことを暗示している。リスナーはむしろ、ファンク~ヒップホップ調の"Q/P"、ロックンロール風の "Q&Q"、宅録ポップな"(1+1)"といった彼らの3曲の新録の方が相対性理論っぽくないと思うのではないか。習作的なニュアンスのあるこの3曲は『シンクロニシティーン』でひとつの完成をみた相対性理論のポップ・ミュージック、ちょっと乱暴にいいきってしまうと彼らの80Sマナーの「先」に何があるかほのめかすようだ。想像をかきたてる。目をつむってちょっと考えてみてくれ。

 そのみらいはきっと全部正しい。
 君は正しい、僕も正しい。

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