「IR」と一致するもの

Silent Poets - ele-king

 静謐な空間をヘヴィーな低音と蒼く燃え上がるような熱を内包した繊細な詩情で満たしてきた下田法晴のプロジェクト、SILENT POETS。1992年のデビューから25周年を迎えた今年2月、長きに渡る沈黙を破り、12年ぶりにリリースしたアルバム『dawn』を携え、渋谷WWWにて、デビュー後、初となるバンド編成によるライヴを行った。

 “マッシヴ・アタックに対する日本からの返答”と評されながら、アシッド・ジャズやトリップホップ、アブストラクト・ヒップホップ、ダウンテンポなど、そのときどきのトレンドやサウンド・フォーマットに身を委ねることなく、ハイブリッドな音楽性とストイックなサウンドデザインを確立した独創的な音楽世界はバンド形態でどのように具現化されるのか。また、ベース・ミュージックが飛躍的な進化を遂げる一方、90'sリヴァイヴァルが音楽シーンに新たなインスピレーションをもたらしている2018年にSILENT POETSの楽曲は果たして、どう響くのか。

 開演時間を過ぎ、暗転したステージには、バンドマスターであるギターの小島大介(Port Of Notes)以下、ベースのSeiji Bigbird(Little Tempo)、キーボードのYOSSY(ex - DETERMINATIONS / YOSSY LITTLE NOISE WEAVER)、ドラム/パーカッションの小谷和也(PALMECHO)、チェロの徳澤青玄、ヴァイオリンのグレート栄田、越川歩と共にバンドのエレクトロニクスを一手に司る下田が登場。さらにPA卓にはDub Master Xが陣取り、スタッフロールを皮切りに、ステージのバックエンドに映し出された映画さながらの美しい映像と共に、オープニング・ナンバー“Distant Memory”にフィーチャーされた厚みのあるストリングスがオーディエンスをSILENT POETSのエモーショナルな世界へとゆっくりと引き込むと、サンプリングとプログラミングで構成された楽曲をリアレンジしたバンド・サウンド、その揺れやうねりはノスタルジーをまとうことなく、曲の根幹を成す喜怒哀楽を鮮やかに浮かび上がらせた。

 そこにさらに2000年にSILENT POETSを脱退し、現在はLittle Tempoで活動するサックスの春野高広、トランペットの坂口修一郎(Double Famous)、トロンボーンのicchie(ex - DETERMINATIONS / YOSSY LITTLE NOISE WEAVER)からなるホーン隊をフィーチャー。 12年前の楽曲である“Future“ではやわらかさを、20年以上前の“Bassman's Talk”ではソウルフルなあたたかみを際立たせたかと思えば、立体音響の匠であるDub Master Xのミキシングが高解像のスピーカー“FUNKTION-ONE”のフルレンジを最大限に活かして、新作からの楽曲であるディープ・ダブ“Division of the world”をより深く、ステッパーズ・チューン“Non Stoppa”をより重厚に鳴らしてみせた。

 また、その作品では作者である下田とリスナーが一対一で対峙することで深く響く楽曲がこの日のライヴでは、脱退した春野高広と下田の共演が象徴するように、人が行き交い、出会い、再会する場として機能していたことも新鮮な体験だった。'99年の『HIBAHIHI+SILENT POETS 001』以来のコラボレーションとなる“Eternal Life”で登場したNIPPS、古くから親交はありながら、“Rain”で初の共演を果たしたこだま和文の2人は、舞台裏でNIPPSがNY在住時以来の再会を果たしたといい、リスナーにとっては“Tokyo”にフィーチャーした5lackをはじめ、ダブ詩人の山崎円城(Noise On Trash、F.I.B JOURNAL)やヴォーカリストの武田カオリ(TICA)、asuka andoといったゲストが体現するSILENT POETSのエクレクティズムに実感をもって立ち会えた瞬間でもあった。

 そして、そのエクレクティズムは、2000年代のリヴァイヴァルを経て、近年、ジャンルに収まりきらないマージナルなレゲエ、ダブにさえ光を当てている“バレアリック”にも通じるものだ。新作に迎えた櫻木大悟(D.A.N.)のヴォーカル・フレーズを強烈なディレイで飛ばしたスローモーなハウス・トラック“Simple”はそのことを雄弁に物語る楽曲であったし、この日のラストに披露された'93年作のエレガントなダブ・ハウス“Moment Scale (Dubmaster X Remix)”はそれこそ名作コンピレーション『Cafe Del Mar』に収録された正真正銘のバレアリック・クラシックであることをまざまざと思い起こさせ、また、その楽曲が2018年においても瑞々しく響くことを見事に証明してみせた。

 この25年で音楽シーンは大きく様変わりしたが、その変化があるからこそ、不変の音楽もまた際立つ。新しいものが瞬く間に古くなる時代に不変の音楽を不言実行で作り続ける強い意志を胸に秘めたSILENT POETSだが、一夜限りにしてはあまりに惜しいライヴに対する熱いリアクションを受け、明言したライヴ活動の継続、そして、さらなる新作の制作へとその活動は今後も続いていくはずだ。

Throbbing Gristle - ele-king

 去る2017年、デビュー・アルバム『ザ・セカンド・アニュアル・レポート』の発売40周年を記念し、リイシュー・プロジェクトが始動したスロッビング・グリッスル。その後クリス・カーターソロ・アルバムが発表されるなど、徐々にTG熱が高まってきておりますが、ここへきてリイシュー第2弾となる3作品の発売がアナウンスされました。
 今回復刻されるのは、1980年と81年のライヴ盤2作『ヒーザン・アース』『ミッション・オブ・デッド・ソウルズ』と、TG最後のスタジオ録音作となった1982年の『ジャーニー・スルー・ア・ボディ』。いずれも紙ジャケにて、9月14日にリリースされます。

 なおその前々日、9月12日にはele-king booksよりコージー・ファニ・トゥッティの自伝『アート・セックス・ミュージック』が刊行予定。あまりにも赤裸々な内容が綴られております。こちらもお楽しみに!

スロッビング・グリッスル、リイシュー第2弾となる3作品を9/14に発売!
収録曲公開! 日本盤はHQCD仕様。

インダストリアル・ミュージックのオリジネーターであり、いまなお現在の音楽シーンのみならず、カルチャー/アート・シーンにまで絶大な影響を与え続けているスロッビング・グリッスル、彼らの伝説のカタログ3作品が9月14日に発売されることとなった。

昨年発売されたデビュー・アルバム発売40周年を記念したリイシュー第1弾は、往年のファンのみならず、現代のエレクトロニック・ミュージック・ファンも巻き込んで大きな話題となった。今回はリイシュー第2弾となる。彼らのクリエイティヴが最高潮だった時期にレコーディングされたドキュメント作品『ヒーザン・アース』、第1期最後のパフォーマンスを収録した『ミッション・オブ・デッド・ソウルズ』、そして、最後のスタジオ録音作品となった『ジャーニー・スルー・ア・ボディ』の3作品が発売される。また『ミッション・オブ・デッド・ソウルズ』と『ジャーニー・スルー・ア・ボディ』は、新たにリマスターが施され、2009年以来のCD発売となる。

今回はその中から『ミッション・オブ・デッド・ソウルズ』収録曲“Persuasion U.S.A.”の音源が公開された。
https://youtu.be/9tlAO-IZLwY


◆商品概要(9月14日発売/3タイトル)

■『ヒーザン・アース』(1980年発売作品)

1980年2月16日、ごく少数の招待された観客の前で演奏されたスロッビング・グリッスルによるライヴ・ドキュメンタリー作品。彼らのクリエイティヴが最高潮だった時期にレコーディングされたドキュメント作品であり彼らの“遺言”として存在している作品。8Pブックレット付き紙ジャケ仕様。発売当時のライヴ音源やシングルなど全11曲収録のボーナス・ディスク付きの2枚組CD。

・タイトル:ヒーザン・アース (Heathen Earth) 2CD
・発売日:2018年9月14日 (金) / ・価格:2,650円 (税抜)
・品番:TRCP-231~232 / ・JAN:4571260588066
・紙ジャケット仕様 / ・リマスター作品
・HQCD (高音質CD) 仕様 (日本盤のみ) / ・解説付
・Tracklist:https://bit.ly/2ughxcA

[amazon] https://amzn.to/2KHsZbX
[Apple Music / iTunes] https://apple.co/2m2utir
[Spotify] https://spoti.fi/2u1nMl9

■『ミッション・オブ・デッド・ソウルズ』(1981年発売作品)

1981年5月29日、サンフランシスコのケザー・パヴィリオンで行われた、スロッビング・グリッスル第1期最後のパフォーマンスを収録した作品。このアルバムのリリースに続いてスロッビング・グリッスルによって発表された「今回のミッションは終了した」との声明によって、このバンドの伝説がスタートし様々な世代にもその後影響を与えていくことになる。新たにリマスターが施された。紙ジャケ仕様。2009年以降CD生産なし。

・タイトル:ミッション・オブ・デッド・ソウルズ (Mission Of Dead Souls) 1CD
・発売日:2018年9月14日 (金) / ・価格:2,300円 (税抜)
・品番:TRCP-233 / ・JAN:4571260588073
・紙ジャケット仕様 / ・リマスター作品
・HQCD (高音質CD) 仕様 (日本盤のみ) / ・解説付
・Tracklist:https://bit.ly/2KJejJx

[amazon] https://amzn.asia/9RWW7B0
[Apple Music / iTunes] https://apple.co/2m3cgRV
[Spotify] https://spoti.fi/2u1nMl9

■『ジャーニー・スルー・ア・ボディ』(1982年発売作品)

1981年の3月、ローマにあるイタリア国営ラジオ局RAIのためにアート作品のひとつとしてレコーディング。
これがスタジオ録音としてはスロッビング・グリッスル最後の作品となる。レコーディングは5日間にわたって行われ、一曲を一日単位で録音していった。どのトラックもその後再録音や追加録音などされていない。それぞれ録音後すぐにトラックダウンをおこなった。全てのトラックにおいて事前の録音準備など行われずぶっつけ本番で行われ直接テープに収録されていった。新たにリマスターが施された。紙ジャケ仕様。2009年以降CD生産なし。

・タイトル:ジャーニー・スルー・ア・ボディ (Journey Through A Body) 1CD
・発売日:2018年9月14日 (金) / ・価格:2,300円 (税抜)
・品番:TRCP-234 / ・JAN:4571260588080
・紙ジャケット仕様 / ・リマスター作品
・HQCD (高音質CD) 仕様 (日本盤のみ) / ・解説付
・Tracklist:https://bit.ly/2KYBFKv

[amazon] https://amzn.asia/eZxRp3H
[Apple Music / iTunes] https://apple.co/2J6bBbj
[Spotify] https://spoti.fi/2u1nMl9


◆関連作品
・スロッビング・グリッスル リイシュー第1弾3作品
https://bit.ly/2JioArF
・クリス・カーター(オリジナル・メンバー)のソロ作品
https://trafficjpn.com/news/cc/


◆スロッビング・グリッスル(Throbbing Gristle)

クリス・カーター(Chris Carter)
ピーター・クリストファーソン(Peter 'Sleazy' Christopherson / 2010年11月逝去)
コージー・ファニ・トゥッティ(Cosey Fanni Tutti)
ジェネシス・P・オリッジ(Genesis Breyer P-Orridge)

インダストリアル・ミュージックのオリジネーターであり、今なお現在の音楽シーンに絶大な影響を与え続けている伝説のバンド。バンド名は直訳すると「脈打つ軟骨」、男性器の隠語。1969年から1970年代のロンドンのアンダーグラウンドにおいて伝説となったパフォーミング・アート集団、クーム・トランスミッション(Coum Transmission)を母体とし、1975年にバンドを結成。彼らのライヴは、クーム・トランスミッションから発展したパフォーミング・アートが特徴で、イギリスのタブロイド紙でも取り上げられるほど過激なパフォーマンスを繰り広げた。1977年、衝撃のデビュー作『ザ・セカンド・アニュアル・レポート』を発売。その後彼らの代表作『20 ジャズ・ファンク・グレーツ』(3rdアルバム/1979年)を発売するなど精力的に活動をしていたが1981年に一度解散。その後、各メンバーはサイキックTVやクリス&コージーとして活動するも、2004年に再結成し2010年10月まで活動を続けた。同年11月、ピーター・クリストファーソン逝去。

2017年、デビュー・アルバム発売40周年を記念としてリイシュー第1弾3タイトルを発売し、往年のファンから現代のエレクトロニック・ミュージック・ファンまで大きな話題を呼んだ。2018年9月、リイシュー第2弾3タイトルを発売。またクリス・カーターは、2018年3月にソロ・アルバム『ケミストリー・レッスンズ Vol.1』を発売。

www.throbbing-gristle.com
www.mute.com


Beach House - ele-king

 数字の「7」には、何か特別な意味がある気がするのは何故だろう。

 ラッキーセブンという、7を幸運の数字とする西洋思想は既に日本でも定着しているし、聖書の預言者アブラハムの宗教的伝統を受け継ぐとされる三宗教(ユダヤ教、キリスト教、イスラム教)では、天国は7つの階層で出来ており、第七の天国(7th heaven)はその最高位といわれている。その一方で、キリスト教の西方教会、おもにカトリック教会には「七つの大罪」という用語もあるし、紀元前2世紀の書物が発祥とされる「世界の七不思議」というフレーズは、あまりにも有名だ。自然界に目を向けてみると、1週間は7日に区切られ、虹は7色で構成されており、この惑星には7つの大陸と7つの海がある。もちろん、これらは全て人間がカテゴライズしたもので、私たちは昔から「7」という数字を特別視してきたわけだ。

 映画『シェルブールの雨傘』や『ロシュフォールの恋人たち』、『華麗なる賭け』などのサントラを手がけたフランスのピアニスト、ミシェル・ルグランを叔父に持つヴィクトリア・ルグランと、米国メリーランド州ボルチモア在住のアレックス・スカリーによって結成されたビーチ・ハウス。彼らが〈Sub Pop〉(英国では〈Bella Union〉)より今年5月にリリースした通算7枚目のアルバムは、その名も『7』である。彼らもまた、「7」という数字に並々ならぬ思いがあったようで、とりわけ「数秘術」における、「1と7は共通の見た目を持っているため、7はリスタートして機能する」という考え方には強い感銘を受けたようだ。2004年の結成から14年にして、クリエイティブの「7th Heaven」にいた彼らは、この7枚目のアルバム制作を機に、自らの音楽性を「リスタート」させることを決意した。もちろん、去年バンドのBサイドやレアトラックスを集めたコンピレーション・アルバム『B-Sides and Rarities』をリリースし、過去の自分たちと区切りをつけたことも、「リスタート」のよい契機となったことは言うまでもない。

 本作のレコーディングを通して辿り着くゴールを、自らの「rebirth and rejuvenation(再生と若がえり)」とするため、これまでの制作方法を2人はすべて見直した。すなわち、「ライヴでの再現性」を度外視し、必要とあらばギターやキーボードを幾重にもレイヤーするとともに、それ以外の楽器も重ねる。とくに印象的なのは、コーラスワークがこれまで以上に多重的、立体的になっていることだ。例えば“L'Inconnue”では、ルグランの声を多重録音した美しいクワイアから楽曲はスタートする。また、アルバムに先駆け2月にリリースされた、シングル曲“Lemon Glow”における反復するシンセ(?)の音や、“Black Car”でのダーク・ファンタジーの世界へと迷い込んでしまったようなエレクトロ・サウンドなど、音響的な実験も随所に散りばめられている。これまでは、費用的な問題からスタジオでの作業時間も限られていたが、今回はボルチモアにある自らのホーム・スタジオで、たっぷりと時間をかけながら曲の骨子を組み立て、その後はコネチカット州スタンフォードのCarriage House Studiosと、ロサンジェルスのPalmetto Recording Studioで最終的な仕上げを行なっている。

 およそ11ヶ月にも及ぶレコーディング・セッションは、長年のプロデューサーだったクリス・コーディーの元を離れ、代わりにソニック・ブームことピーター・ケンバーと共に行われた。ピーター・ケンバーは、スピリチュアライズドの司令塔ジェイソン・ピアーズとともに、スペースメン3を結成していた人物。現在は、ソロ・プロジェクトであるスペクトラムとしての活動をマイペースに続けながら、MGMTやパンダ・ベアー(アニマル・コレクティヴ)のプロデュースなどを行なっているUKサイケデリアの重鎮である。なおミックスダウンには、マイ・ブラッディ・ヴァレンタインの『Loveless』や、ライドの『Going Blank Again』、ナイン・インチ・ネイルズの一連のアルバムを手がけるアラン・モルダーが起用された。

 ルグランによれば本作は、「闇と対峙した時に生じる美」「集合的なトラウマが育てる共感や愛」「拒絶ではなく、受け入れることでたどり着く場所」といった、3つの大きなテーマが掲げられている。とくに、ここ1、2年の間に議論の的となった女性問題(社会的役割や、課せられるプレッシャー)は、楽曲を作る上での大きなモチヴェーションになったという。ただし、歌詞のなかでそうしたテーマやトピックを直接扱っている曲は、ほぼ見当たらない。「あなたは愛されていい 少女よ、あなたは愛されるべきなの」と歌われる“L7lnconnue”や、「脱ぐために服を着て 気を引くために鬱ぎ込む 一晩中 テレビをつけて 皆見たいのよ、私が 破滅する姿を」と綴る“Girl Of The Year”などからは、上記のニュアンスを汲み取ることもできるが、あくまでもモチーフであり聴きようによっていくらでも解釈可能だ。

 何よりも驚かされるのは、やはりサウンド・プロダクションである。バンド史上、最速といっていいかもしれないガレージ・サイケな“Dark Spring”で幕を開ける本作は、続く“Pat No Mind”で一気にギアを落とし(この繋ぎ方が最高にカッコいい)、殺伐としたスロウコアを展開する。サビの男女混成ヴォーカルや、コード進行に対するメロディの乗せ方が、どことなくピクシーズを感じさせるのも興味深い。 マイナー調の“Drunk In LA”では、クレジットによればソニック・ブームがアコーディオンで参加しているようだが、それがどのフレーズだかわからないくらい加工されている。ひなびたオルガンに導かれ、ゆっくりと始まる“Dive”は、聴き進むうちに次第に熱を帯び、最初にいた場所とはまったく違う境地へ。ダイナミックなドラミングを披露しているのは、2016年からバンドのサポートをしている元テニスのジェームス・バロン。彼を加えたアンサンブルが、本作をこれまで以上に有機的にしているのは明らかだ。

 本作中、もっとも「ビーチ・ハウスらしさ」をたたえる“Lose Your Smile”、C-F-Gのスリーコードを繰り返す90年代ギターポップ調の“Woo”などを経て、“Last Ride”で幕を閉じる。美しく、どこかオリエンタルなピアノのフレーズが徐々にテンポアップしながらカオティックな様相を呈するこの7分の大曲は、トライバルなドラミングといいヴェルヴェット・アンダーグランドの“Heroin”を思わせる。

 果たして2人は「再生」し、「若返る」ことができたのだろうか。それは、今後行われるはずの本作を提げたツアーや、本作を経て作られる新たな作品の中にも、きっと答えはあるのだろう。いずれにせよこの『7』が、ビーチ・ハウスにとってひとつの到達点であり、最高傑作であることは間違いない。

編集後記(2018年7月9日) - ele-king

 プレイという言葉には、競技をするという意味のなかに、遊ぶ、ふざけるというニュアンスも含まれている。ホイジンガの『ホモ・ルーデンス』ではないけれど、遊びの要素があるからこそフットボールはスポーツとして世界中に広がったのだと思う。もっともスポーツがプロ化すると、まずは敗北しないことが優先されるので、遊びやふざけの要素は軽減されて、たとえば官僚制のようなスタイルのフットボールが横行したりする。
 そういうなかにあってブラジルは、つねに遊びの要素を保持する国だった。フットボールの母国はイングランドであるが、それをまったく別の視点で再定義したのがブラジルだった。フェイントという相手を欺くテクニックを真似ることは、ぼくは静岡出身なので、子供が遊びでやるときは、それがひとつフットボールをやるときの楽しさだったけれど、歴史的にいえばこのフェイントなるテクニック/スタイルは、社会的弱者のブラジルのアフロ・ディアスポラが支配階級からの暴力をかわすため/おちょくるために磨き上げてきたものだったと言われている。彼らはゲーム(試合)をプレイしている。そして最高潮のときのブラジルは、それはスポーツというよりもアートであり、優れたフリー・インプロヴィゼーションになるんだけれど……まあ、そんなうんちくはともかく、単純な話、見ていて楽しいのがブラジルのフットボールなのだが、そのチームがベスト8でいなくなったのは、なんとも寂しいものである。(しかも、中原仁さん監修の『21世紀ブラジル音楽ガイド』を校了したその日の晩に!)
 もっとも今回はVARという、監視カメラみたいなものが採用されたかどで、ネイマールはさんざんな非難を浴びている。マラドーナの「神の手」を繰り返さないよう、今後のW杯はこのヴィデオ装置とともに歩むことになるわけだ。
 また、いまでは南米の主要選手のほとんどがヨーロッパのエリート・リーグでプレイしていることを考えれば、政治経済と同じようにフットボールもひとつの大きな転換期をのなかにいるのだろうが、ぼくとしてはこの競技からフェイントの文化がなくならないことを祈るばかりだ。
 仕方がない。ここはマルコス・ヴァーリの「平和とフットボール」を聴こう。

Marcos Valle - Paz e Futebol

 日曜日はGonnno & MasumuraのCD発売記念ライヴが代官山ユニットであった。ヨーロッパ的なテクノのミニマリズムとアフロが再定義したドラミングとの激突、融合、混合がおよそ1時間にわたって繰り広げられたわけだが、最初はぼーっと立っていたオーディエンスも最後には踊って、良いヴァイブレーションのなかで演奏は終わった。はじまったばかりのこのプロジェクトはいまも進化の途中にあるが、その旅が楽しみの旅であることはライヴを見るとよくわかる。
 しかしなー、ついに4強入りを果たしたイングランドを報じるガーディアンの見出しに、イングランドの狂乱(delirium)という言葉があった。「デリリウム」は、レイヴ・カルチャーの時代にさんざん使い回された言葉で、クラブの名前にもなった。このままクロアチアに勝ってしまったら、ただでさえフットボールに熱狂的なイングランドはどうなっちまうんだろうか。
 ぼくが初めて見たときのW杯は、出場国がまだ24カ国の時代だった。1998年に日本が初めてW杯に出たときの放映権は、現在の100分の1だった。FIFAの強欲さはこれまでもたびたび指摘されていることだが、インターネットとスマートフォンが普及してからのW杯は、たしかになんかいままでにはない「デリリウム」を生んでいる。

MOVEMENT CLUB EDITION - ele-king

 これは驚きの、そして待望のニュースです。デリック・メイが2003年にデトロイトで始動させたフェスティヴァル《MOVEMENT》が、なんと東京でも開催されます。題して《MOVEMENT CLUB EDITION》。デリック・メイ本人はもちろんのこと、テックハウスの第一人者 Mr. G がライヴで出演するほか、Hiroshi Watanabe や JUZU a.k.a MOOCHY、今春 Gonno & Masumura として強烈なアルバムを届けてくれたばかりの Gonno らも参加します。7月14日。これはもう行くしかないですね。
 なおデリック・メイは同時にジャパン・ツアーも開催、福岡・札幌・大阪を巡回します。また Mr. G も翌15日に DJ BAR Bridge にてファンク~ソウルのDJセットを披露してくれるとのこと。

「世界で最も平和な暴動」MOVEMENTが日本初上陸!

2003年、Derrick May は立ち上がった。2000年にスタートした Detroit Electronic Music Festival は Carl Craig によるキュレーションで開催され大成功を収めたが、2年目の2001年の開催直前に主催側が Carl Craig を解雇するという事件が起きた。2002年も同じ体制のまま継続されたが、2003年に Derrick May はアーティストたちの手にフェスティバルを戻すべく、大型フェスティバルのオーガナイズ未経験にも関わらず、Movement Festival を開催することを決めた。一人のクレイジーなまでに強い信念を持つ人間が動き出す時、ムーヴメントは生まれる。

2003年には筆者もデトロイトで Movement を体験している。印象に残っているのは、フェスティバルは大成功を収め、最後のアクトが終わった後、完全に声を枯らした Derrick May がマイクを持ってステージに現れて「永遠にやるぞ!」と叫んだシーンだった。本当に全身全霊をかけた男の魂の叫びがデトロイトのハート・プラザに響き渡った。

あれから、15年。現在 Derrick May はデトロイトで毎年行われている Movement には関わっていないが、その間もずっと「東京で Movement をやりたい」と言い続けてきた。震災直後に、日本への渡航に対してネガティブな空気が漂っていた中、彼が一切ためらわずに来日したことを覚えているだろうか? 彼は東京に特別な想いを持っている。そして、自らが名前をつけた Contact にも……。この場所で Movement Club Edition が、ついに実現することを、心して受け止めたい。きっと最高のパーティにしてくれるはずだ。 Studio では、デトロイト・テクノのイノヴェイター Derrick May がヘッドライナーを務める。エモーショナルなテクノでダンスフロアに歓喜の祝祭をもたらしてくれるだろう。そして、Transmat 系デトロイト・テクノ・ファンから熱くサポートされている Mr.G がライブを披露する! 前回の来日でのプレイもコアなファンたちの間で話題になっていたので、これは注目だ。Derrick May が主宰するレーベル〈Transmat〉の歴史上初めて日本人アーティストとなった、Hiroshi Watanabe がサポートを務める。“Threshhold of Eternity”は海外の音楽ジャーナリストから「Derrick May による不朽の名作“Strings of Life”を超えるアンセム!」と評価されるほどだったので、彼のプレイも見逃すことはできない!

Contact では、Transmatから“The Diamond Project EP1”を発表したばかりの、ドープなハウスを奏でるデトロイト出身アーティスト、Drummer B が初来日を果たす。そして、日本からは Gonno、Juzu aka Moochy、Sakiko Osawa、Naoki Shirakawa らがサポートを務める。

Time, Space, Transmat! 時間と空間を超えた Transmat Experience が Cotanct Tokyo で繰り広げられる一夜となるだろう!

「世界で最も平和な暴動」は、まだ終わらない。

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7/14(土)MOVEMENT CLUB EDITION
10PM

Before 11PM / Under 23 ¥2,000
GH S members ¥2,800
w/f ¥3,500
Door ¥3,800

Studio:
Derrick May (Transmat | Detroit)
Mr.G (Phoenix G | UK) - Live
Hiroshi Watanabe a.k.a Kaito (Transmat | Kompakt)

Contact:
Drummer B (Soul Touch | Transmat | Detroit)
Gonno (WC | Merkur | mule musiq | International Feel)
JUZU a.k.a MOOCHY (NXS | CROSSPOINT)
Sakiko Osawa
Naoki Shirakawa
and more


■Derrick May

Derrick May Boiler Room x Ballantine's True Music: Hybrid Sounds Russia DJ Set
https://youtu.be/Bog6l3w2PS4

1980年代後半、デトロイトから世界へ向けて放たれた「Strings Of Life」は、新しい時代の幕開けを告げる名曲であった。自身のレーベル〈Transmat〉からRhythim Is Rhythim 名義で「Nudo Photo」、「The Beginning」、「Icon」、「Beyond The Dance」等今でも色褪せない輝きを放つ数々の傑作を発表し、Juan Atkins、Kevin Saunderson と共にデトロイト・テクノのオリジネーターとして世界中のダンス・ミュージック・シーンに多大な影響を与える。シカゴ・ハウスの伝説の DJ Ron Hardy や Godfather Of House Frankie Knuckles に多大な影響を受け、Music Institute で確立されたその斬新なDJプレイは唯一無二。時代に流されることなく普遍的輝きを放ち、テクノ・ファンのみならず全てのダンス・ミュージック・ファンから絶大なる支持を得ている。そして2010年、レコード店に衝撃的ニュースが流れる。何と実に13年ぶりとなる待望のミックスCDをリリースしたのだ。「Mixed by Derrick May x Air」と題された同作は1月に発表され国内外で大反響を巻き起こした。スタジオ・ライブ一発録りで制作されたそのミックスには、彼のDJの全てが凝縮されていると言って良い。そこには「熱く煮えたぎるソウル」「多彩な展開で魅せるストーリー」「華麗なミックス・テクニック」等、天才DJにしか作り得ない独特の世界がある。自分の信じている音楽やファンへの情熱全てを注ぎ込んだかのような圧倒的パワーがそこには存在する。聴くものを別次元の世界へと誘ってしまうほどだ。世界中を旅していて日本でのプレイが最も好きだと語る Derrick May、彼は本当に心から日本のファンの方達を大切にしているのだ。2011年には奇跡的に「Mixed by Derrick May x Air vol.2」を発表。また、2013年には自身のレーベルである〈Transmat〉のコンピレーションCD『Transmat 4 - Beyond the Dance』を発表し更なる注目を集めている。

★☆ HI TECH SOUL JAPAN TOUR 2018 ☆★

7/13 (金) 福岡 @KIETH FLACK
https://www.kiethflack.net/jp/2806/2018-07-13

7/14 (土) 東京 @CONTACT -MOVEMENT CLUB EDITION TOKYO-
https://www.contacttokyo.com/schedule/movement-club-edition/

7/20 (金) 札幌 @PRECIOUS HALL
https://www.precioushall.com/schedule/201807/0720hitechsoul.html

7/21 (土) 大阪 @CIRCUS
https://circus-osaka.com/event/derrick-may-japan-tour-2018/


■Mr. G

Mr G Boiler Room London Live Set
https://youtu.be/0HffibenJl8

UK出身のアーティスト Mr.G。1994年、Cisco Ferreira と共にテクノ・ユニット The Advent を結成。〈Internal〉レーベルから数々の作品をリリースし、世界的人気アーティストとなる。その後 The Advent を脱退し、ソロ・アーティストとして活動を開始。1999年には自身のレーベル〈Phoenix G〉を設立。自身の作品を中心に数々のフロアー・キラー・トラックをリリースし続け、現在も尚DJ達から絶大な信頼を得ている。また、2010年にはターニング・ポイントとなるアルバム『Still Here』を〈Rekids〉からリリースし、大ヒットを記録。各メディアでその年の年間ベスト・アルバムに選出される程高い評価を得る。その後も〈BAass Culture〉、〈Underground Quality〉、〈Moods and Grooves Detroit〉、〈Holic Trax〉、〈Monique Musique〉、〈Lo Recordings〉、〈Running Back〉等、数々のレーベルから多数の作品をリリースし続けている。デトロイト・テクノ、シカゴ・ハウスに影響されたファンキーかつロウでセクシーなサウンドは世界中のファンを魅了し、ここ数年リリースされた作品も Derrick May や Francois K 等の大御所DJ達もヘヴィー・プレイし、大絶賛されている。

★☆ Mr. G -DJ BAR Bridge- ☆★
7/15 (日) Open 20:00 Entrance Fee ¥1,000 (1D)
https://bridge-shibuya.com/event/1934/

編集後記(2018年7月6日) - ele-king

 ロンドンの高橋勇人からはいっこうにレヴュー原稿(NONのコンピ/sound patrol原稿)が送られてこないけれど、先日ロンドンの坂本麻理子さんから以下のようなリンクが送られてきた。

https://www.theguardian.com/football/live/2018/jul/02/world-cup-2018-japanese-language-liveblog-japan-belgium-last-16

 日本ではあまり知られてないが、今回ガーディアンはW杯特設ページにて、すべての日本戦を(もちろんイギリス人が)日本語で実況していたのである。リンクを読んでくれればわかるように、なかなか熱い。この実況者、世間から非難を浴びたポーランド戦も感情的にはかんぜんに日本の側だ。

 https://www.theguardian.com/football/live/2018/jun/28/2018w

 日本戦の実況をイギリス人の日本語で読むというのも21世紀的で面白いといえば面白い。ベルギー戦で、あんなルカクのような怪物がいるチームを(マリーシア=ずる賢さ、ナシで)ギリギリまで追い詰めた日本代表は、いっきに国際的な評価を高めたけれど、じっさい、いままでW杯で日本が評価されたことといえば、サポーターが席をたつときゴミを持って帰るだとか、そんなことぐらいだったので、今回の評価というか、試合を通じて世界にインパクトを残せたというのはほとんど初めてのことだったんじゃないだろうか。

 音楽の世界でも、今世紀に入って日本の音楽がいままで以上に、エキゾティシズムとしてではなく純粋に作品として評価されてきていると言われている。が、そのひとつの発火点に、たとえばWIREのような左翼系知識人が関わっているメディアが、おそらく英米中心主義に対するアンチも込めてだろう、それ以外の文化圏の音楽を積極的に取り上げ続けていることがあると思う。日本だけが評価されはじめたわけではない。同じように、東南アジアも南米もアフリカもオセアニアもカナダも中東も。
 しかしながら、たとえば昨日挙げたイタリアのテクノのコンピレーションの参加アーティストのほとんどがUK(ないしはNYないしはベルリン)のレーベルから作品を出している。これは、アンダーグラウンドのシーンにおいて長い時間をかけて培われてきたものがあるからだろうな。

 W杯の事実上の決勝戦というのは、だいたいベスト8からベスト4あたりにあるものだ。今夜……というか深夜から朝方にかけての2試合は、そんなような試合だ。今大会のひとつの山場だろう。盛り上がりたい人は、ON-Uサウンドとシュガーヒル(オールドスクール・ヒップホップのリズム隊)との融合体、タックヘッドによる1987年のこの曲を聴いて気合いを入れましょう。

Tackhead - The Game

Various Artists - ele-king

 アルバムはSilvia Kastelによるウェイトレスな“Errori”からはじまる。シンプルな鍵盤、ミステリアスなシンセ。煙がシューッと鳴る。声の断片、チャイム……、21世紀の“アーティフィシャル・インテリジェンス”シリーズへようこそ。インターネットが普及する前、911もトランプもまだまだ知らない90年代初頭に〈WARP〉がリリースしたそれと違って、ずいぶんとダークだ。なにせ彼女は昨年、かの〈Blackest Ever Black〉からアルバムを出している。続くアンビエント・トラックは、ローレンス・イングリッシュの〈Room40〉からもアルバムを出しているAndrea Belfiによる。フィールド・レコーディングであろうぐしゃぐしゃした音、透き通るシンセ、控え目な打楽器、『アンビエント・ワークスvol.2』スタイルの遠い音──

 本コンピレーションはその副題通り、現代のイタリアのアンダーグラウンド・エレクトロニック・ミュージックを集めたもので、「灰からの花々」がタイトルだ。ジョルジョ・モロダーやアレキサンダー・ロボトニクスは忘れよう。スエニョ・ラティーノやボローニャのレーベル〈DFC〉の甘くセクシーな夢も。
 コンパイラーは、ベルリン在住のイタリア人、Lucy。シチリア島パレルモ生まれ。
 このコンピレーションからイタリアらしさを見いだすには、ぼくはあまりにもイタリアを知らない。が、ひとつ思い出したことがある。昔、デリック・メイからこんな話を聞いたことがある。UR(ジェフ・ミルズもロバート・フッドも在籍時)が最初にヨーロッパ・ツアーをやったとき、おどろくほどもっとも熱く彼らを迎えた国はイタリアだった。会場に集まったほとんどがあの「UR」Tシャツを着ていたとか。 Lory Dの1991年の「We Are In The Future」をチェックしてみて。いわばローマのUR。ハードなテクノがある。
 ハードなサウンドといえば、〈AVC〉というローマのレーベルから突然ロバート・アルマニ(というアシッド・ハウスの王様のひとり)の作品がリリースされたこともあった。日本からは見えづらいだけで、そこにはずっとあったのだ。デリック・メイの2011年のミックスCDは、英米中心の音楽の見え方に対する反論とでも言えるほど、国際色豊かな選曲になっているが、とうぜんそのなかにもRoberto Boscoというイタリア人プロデューサーの曲が入っている。本作では、Alessandro Adrianiがいまにも壁が崩れてきそうなデトロイティッシュなダーク・テクノを聴かせてくれる。

 ぼくたちはNYの〈Hospital Productions〉からリリースされたポストパンク上がりのふたり組、Ninos Du Brasilのアルバムを知っているし、彼らの3枚目も知っている。本作においても彼らは、インダストリアルな暗い音響とパーカッションの混合を提供している。ぶ厚い曇り空のウェイトレス・サウンドに高じるChevel は、UKグライムの売れっ子プロデューサー、マムダンスとロゴスのレーベル〈 Different Circles〉から昨年アルバムを出している。
 くるまった灰色の植物がアルバムのアートワークだ。実験音楽レーベル〈Important Records〉から作品を出しているCaterina Barbieriは、憂鬱な音の叙情詩を描いている。カール・クレイグの“アット・レス”をさらに頽廃的にしたかのような。アルバムを締めるのは、〈Editions Mego〉からも作品を出しているNeelのウェイトレス。それはぼくたちが思い描くシチリア島の風景とは180度対極にある気配を運ぶ。そしてそれは21世紀の“アーティフィシャル・インテリジェンス”シリーズに相応しいエンディングなのだ。

Akuphone - ele-king

 いわゆる「ワールド・ミュージック」に分類される音源がリリースされる際、しばしば「辺境」という言葉が用いられるけれど、それはつまり自分たちは「辺境」ではない、自分たちは「中央」である、という意識の表れとも言える(西洋から見れば日本だってある意味「辺境」なわけだけど、日本のアーティストの新譜が出たときに「辺境」サウンドなんて紹介のしかたはしない)。「辺境」だから良いんじゃなくて、その音楽それ自体が良いんだと、そういうふうに紹介していきたいものである。
 ともあれ、昨年のコゥ・シン・ムーンやキンク・ゴングなど、まずはサウンドありきで良質な発掘を続けているフランスのレーベル〈アクフォン〉から、またもや強烈なタイトルが送り届けられた。今回は60年代~70年代のスリランカの大衆歌謡にフォーカスした2枚組コンピレーションで、アフロとアジアが交錯する収録曲もたいへんエキサイティングなんだけれど、ブックレットの解説もおもしろい。たとえばアフリカ系ディアスポラの影響下で生まれた「バイラ」を、エドゥアール・グリッサンの「クレオール」と関連づけて紹介したりしている。日本語訳のついた国内流通盤がおすすめです。

世界音楽の新興レーベル〈アクフォン〉がスリランカのヴィンテージ歌謡をディグ

旧音源発掘、フィールド録音から新作まで、世界音楽を様々な切り口から掘り起こす注目の新興レーベル〈アクフォン〉によるスリランカ・ポップの企画盤をご案内。M.I.A.のルーツ。紅茶と香辛料と宝石の国。実は素晴らしい音楽の宝庫でもあるスリランカ。隣国インドや仏教、ヒンドゥ教、大航海時代にまで遡るポルトガルとアフリカからの影響。様々なエレメントがミックスして出来上がった1960年代後半から70年代にかけてのこの国の大衆歌謡を総括した、ありそうでなかった画期的なコンピです。

◆ 「バイラ」や「サララ・ギー」などと呼ばれるスリランカの大衆歌謡を、同国のポップ音楽を黎明期から支えた重要レーベル〈スーリヤ・レコード〉の音源を中心に、民族や宗教をまたいで横断的に総括した2枚組コンピレーション。

◆ カリプソにも通じるトロピカル感、シタールやタブラの絶妙なスパイス加減、アシッドなフルートやサーフなエレキ・ギター、ハレやかなフェスティバル・ムードなどなど、様々な要素が混然一体となり醸し出される独自の音世界にただただ驚かされるばかり。スリランカのポピュラー音楽の多様性と豊かな響きを堪能できる決定盤。

◆ スリランカ音楽の歴史やスーリヤ・レコードの成り立ち、各アーティストの紹介などを含む、充実した24ページにわたるブックレットも必読(日本語対訳付)。

◆ キンク・ゴング(祝来日!)、コゥ・シン・ムーンやガムラン・ウォーリアーズなどなど、アジアを中心とした驚きの復刻、フィールド・レコーディングから新録まで、世界の音楽を様々な切り口から掘り起こすフランス発の注目新レーベル〈アクフォン〉からのリリース。

◆ https://akuphone.com

■アーティスト名:V.A.
■アルバム・タイトル:SRI LANKA : The Golden Era of Sinhalese & Tamil Folk-pop Music(スリランカ ― シンハラとタミルのフォーク・ポップ音楽黄金時代)
■商品番号:RTMCD-1305
■税抜定価:3,200円
■発売日:2018年7月1日
■レーベル:Akuphone / カレンティート
■直輸入盤(帯・24頁英文ブックレット英文解説対訳付)

【収録楽曲】

CD1

01. PAUL FERNANDO : Egoda Gode
02. W.D. AMARADEVA : Soken Pala Ne
03. CLARENCE WIJEWARDENA : Gamen Liyumak
04. PARAMESH : Naan Unnai Thedum
05. THE FORTUNES : Instrumental Baila Medley
06. SANATH & MALKANTHI NANDASIRI : Netha Giya Hematana
07. A. E. MANOHARAN : Kaffiringha
08. PANI BHARATHA & PARTY : Ceremonial Drums
09. MIGNONNE & THE JETLINERS : Jeevithe Vasanthaye
10. SHAN : Anbil Valarnthai
11. AMITHA DALUGAMA : Pinna Mal
12. MAXWELL MENDIS : Mama Bohoma Bayauna
13. POLICE RESERVE HEWISI BAND : Vairodi Wannama
14. SHIROMI FERNANDO : Handa Haami
15. WIMALA AMARADEVA : Goyam Gee

CD2

01. INDRANI PERERA : Eka Dawasak
02. W.D. AMARADEVA : Mindada Heesara
03. WINSLOW SIX : Roshi
04. THE MOONSTONES & INDRANI PERERA : Sigiriya
05. SANATH NANDASIRI : Deepa Tupe Vihare
06. SIDASI TURYA VADAYAKO : Drum Orchestra
07. NALINO NEL : Gavaskar The Century Maker
08. LOS FLAMINCOS : Bolanda Katha
09. W.D. AMARADEVA : Sinidu Sudu Muthu
10. LILANTHI KARUNANAYAKE : Malli
11. CLAUDE & THE SENSATIONS with NOELINE MENDIS : City Of Colombo
12. H.R. JOTHIPALA : Durakathanaya
13. INDRANI PERERA : Amma
14. THE GOLDEN CHIMES : Kimada Naave
15. VICTOR RATNAYAKA : Perakumba Davasa

Amazon: https://www.amazon.co.jp/dp/B07CJ6G5DH/

PREP - ele-king

 ロンドンの4人組のバンド、プレップ。降り注ぐ太陽と透明なプールサイドを思わせる彼らの音楽は、80年代という時代特有の煌きを2018年に再生する。モダンなシティ・ポップ? むろん懐古主義ではないし、そもそも過去は再生できない。そうではなくプレップの奏でる音楽は、ポップ・ミュージック特有の「エンドレス・サマー」を提示しているのだ。終らない夏。永遠の夏。
 それは幸福の記憶である。それゆえ刹那のものでもある。すぐに消えてしまうものである。存在しないものだ。夢だ。だからこそ切ない。胸を打つ。求める。プレップは、そんな感情を弾むようなメロディと、美しいハーモニーと、踊らせてくれるリズムによって結晶する。

 結論へと先に急ぐ前に、彼らの経歴を簡単に記しておきたい。プレップのメンバーは、ルウェリン・アプ・マルディン(Llywelyn ap Myrddin)、ギヨーム・ジャンベル(Guillaume Jambel)、ダン・ラドクリフ(Dan Radclyffe)、トム・ハヴロック(Tom Havelock)ら4人。活動拠点は、ロンドンであり、近年はアジア諸国での評価も高く同地でツアーを敢行し、好評を博しているという。日本にもこの2018年5月にツアーで訪れ、演奏を披露した。
 メンバーについて簡単に説明をしておこう。まず、ルウェリン・アプ・マルディンはクラシック/オペラ・コンポーザーで、キーボード奏者である。彼の豊かな音楽素養によって生まれるハーモニーは、プレップの要だ。そのルウェリンに声をかけた人物が、「Giom」名義でハウス・ミュージックDJとして活動するドラマーのギヨーム・ジャンベル。彼がバンドのビートを支えている張本人である。
 ふたりがデモ曲を制作し、「ドレイクやアルーナジョージなどのレコーディングに参加し、グラミーにノミネートされたヒップホップ・プロデューサー」のダン・ラドクリフにデモを送り、結果、メンバーが3人になった。サンプリングを駆使したモダンなトラックメイクはダン・ラドクリフの手によるものだ。
 さらに、ダンの友人でもあるヴォーカリストにしてシンガー・ソングライター(Riton、Sinead Hartnett、Ray BLK等と共作歴あり)のトム・ハヴロックも加わり、超名曲“Cheapest Flight”が生まれたというわけだ。一聴すれば分かるが、この曲にはポップの魔法が宿っている。微かな切なさが堪らなく胸に染み入る。

 こういった1970年代から1980年代にかけて流行した音楽のテイスト、いわばAORやディスコ、フュージョン、ブルー・アンド・ソウル系の音楽は「ヨット・ロック」と称されている。サンセットビーチやリゾート感の心地よさや切なさを表しているのが理由らしい。言いえて妙だ。夏の陽光、黄昏、哀愁、美しさ。優れた作曲と卓抜な編曲と演奏によって支えられた音楽ともいえる。たとえばネッド・ドヒニーなどを思い出してみても良いかもしれない。
 また、近年、世界的に再発見されているらしい山下達郎、大貫妙子などの日本の70年代後半から80年代前半のシティ・ポップや、近年のニューエイジ・ムーヴメントともリンク可能である。つまり「いまの時代ならではの再発見音楽の現在形」ともいえる。われわれの耳は「同時代的な感覚として80年代的なリゾート感覚」を強く求めているのだ。
 2016年にプレップは、“Cheapest Flight”を含む4曲入りのEP「Futures」をリリースしたわけだが、どうやら“Cheapest Flight”以降、日本のシティ・ポップをたくさん聴き、自分たちの音楽との近似性を確認したようである。「Futures」のオビがいかにも日本の80年代風なのはその表れだろう。今年の来日時、SNSで佐藤博の『awakening』(1982)のレコードを嬉々としてアップしていたことも記憶に新しい。

 彼らは「バンド」といっても、運命共同体的な重さはない。聴き手にとっても、そして作り手にとっても「心地よい音楽」を生み出すことを目的としている。「一種の音楽工場」と彼らは語るが、そこから生まれる音楽は、なんと混じりけのないピュアなポップ・ミュージックだろう。
 ふり注ぐ光のように清冽で、透明なプールサイドのように美しい。そしてそれらがとても儚いものだと感じさせるという意味で、どこか切ない。だが、そんな儚い美しさの瞬間があるからこそ辛い人生は尊くもなる。そんな感情を“Cheapest Flight”は放っている。当初、匿名的であった彼らだが、この曲のヒットによって音楽ファンに広く知られることになった。“Cheapest Flight”は、Spotify再生回数300万回誇るという。

 本作『Cold Fire』は、2年ぶりの新作EPである。オリジナルは計4曲収録で、日本盤CDにはさらに2曲のボーナス・トラックが加えられている。
 1曲めは人気の韓国人R&Bシンガー、ディーンがバッキング・ヴォーカルで、アンダーソン・パークの楽曲のプロデュースも手がけた〈HW&W Recordings〉のポモがリード・シンセサイザーで参加しているタイトル・トラック“Cold Fire”。 シンセのリフもキャッチーで耳に残るポップ・チューンだ。大胆に転調するソングライティングも見事。
 2曲めはポートランドのウーミ(Umii)のメンバーであるリーヴァ・デヴィート(Reva DeVito)が起用された“Snake Oil ”。アンビエント/R&Bなムードのミディアム・テンポのなか小技が聴いたトラック/編曲に唸ってしまう。
 3曲めはウルトラ・ポップ・トラック“Don't Bring Me Down”。夏の光を思わせるどこまでも爽やかな曲だ。テーム・インパラのMVの振付けを手掛けたTuixén Benetによってロサンゼルスのコリアタウンで撮影されたMVが印象的だ。
 4曲めはメロウ&ポップな名曲“Rachel”。どこか“Cheapest Flight”の系譜にある曲調で、夏の切なさ、ここに極まるといった趣である。まさに黄昏型の名曲。

 そして5曲め(日本盤ボーナス・トラック1曲め)は、マイケル・ジャクソンの“Human Nature”のカヴァー。マイケルのカヴァーというより、作曲・演奏をしたTOTOへのオマージュといった側面が強いようである。自分たちとTOTOを良質なポップ・ミュージック・ファクトリー的な存在として重ねているのだろうか。曲の本質を軽やかに表現する名カヴァーといえる。
 ラスト6曲め(日本盤ボーナス・トラック2曲め)は名曲“Cheapest Flight”のライヴ・ヴァージョンである。録音版と比べても遜色のない出来栄えで、彼らの演奏力の高さを証明しているようなトラックだ。録音版より全体にシンプルなアレンジになっている点も、「Futures」と「Cold Fire」の違いを表しているようで興味深い。以上、全6曲。程よい分量のためか、何度も繰り返し聴いてしまいたくなる。なにより曲、編曲、演奏、ヴォーカルが、実にスムース、ポップ、メロウで、完璧に近い出来栄えなのだ。

 世界はいま大きく動いている。普通も普遍も現実もまったく固定化されず、常に変化を遂げている。変動の時代は人の心に不安を呼ぶ。そのような時代において、あえて「普遍的なものは何か」と問われれば、「一時の刹那の、儚い夢のような幸福感」かもしれない。しかも「幸福感」は人の心に残る。それをいつも希求してもいる。だからこそポップ・ミュージックは、どんな時代であっても幸福の結晶のような「永遠の夏」を歌う必要があるのではないか。
 プレップはそんな普遍的なポップ・ミュージックを私たちに届けてくれる貴重な存在なのだ。サーフ・ミュージックのザ・ビーチ・ボーイズ=ブライアン・ウィルソンが実はサーフィンと無縁だったように、ヨットとまったく無縁でもプレップの音楽に心を奪われるはず。そう、ポップ・ミュージックだけが持っている永遠の/刹那の煌めきがあるのだから。

Lobster Theremin - ele-king

 昨年RDCで来日したパームス・トラックス、あるいはヴェニスのスティーヴ・マーフィやブダペストのルート・8(ジョージリー・シルヴェスター・ホルヴァート)などのリリースで知られる〈ロブスター・テルミン〉、最近〈ブレインフィーダー〉からのリリースで話題を集めているロス・フロム・フレンズの12インチもここから出ていましたけれども、ロンドンのこの奇特なレーベルが設立5周年を迎え、現在ヨーロッパや北米でショウケース・ツアーを展開しております。そしてこのたび、そのアジア版がソウルおよび東京・大阪でも開催されることが決定しました。レーベル主宰者のジミー・アスキスと、看板アーティストのルート・8が来日します。アンダーグラウンド・ダンス・ミュージックの熱い息吹に触れられるこの絶好の機会を逃すまじ。

LOBSTER THEREMIN 5 YEARS IN JAPAN

ロンドン発、レーベル兼ディストリビューターとして近年めきめきと勢いをみせる〈Lobster Theremin(ロブスター・テルミン)〉。
そのレーベル・ボスである Jimmy Asquith は、2013年にレーベル〈Lobster Theremin〉を設立。その傘下に〈Mörk〉、〈Distant Hawaii〉、〈Tidy Bedroom〉も始動し、昨年レコードショップ実店舗もオープンさせた。ロンドンの Corsica Studios での彼らのパーティー《FIND ME IN THE DARK》は毎回ソールドアウトになるほどの人気ぶりで、Asquith は常に新しい才能をサポートし、〈Discwoman〉、〈Workshop〉、〈Antinote〉などとのコラボレーションも行なっている。
レーベル設立5周年を祝うレーベル・ショーケースとして、レーベル看板アーティストであるハンガリー、ブダペストのDJ/プロデューサーRoute 8と共に初来日が決定!

7/20 (FRI) FAUST, Seoul
7/21 (SAT) CIRCUS Tokyo, Tokyo
7/22 (SUN) COMPUFUNK RECORDS, Osaka

7.21 (SAT) @Circus Tokyo
- LOBSTER THEREMIN 5YEARS IN TOKYO -

LINE UP:
-B1 FLOOR-
Asquith (Lobster Theremin)
Route 8 (Lobster Theremin / Nous)
Romy Mats (解体新書 / N.O.S.)

-1st FLOOR-
Sayuri
DJ Emerald
DJ Razz
T4CKY

Open 23:00
ADV 2,500 yen
Door 3,000 yen

TICKET:
https://lobstertokyo.peatix.com/

Info: CIRCUS TOKYO https://circus-tokyo.jp
東京都渋谷区渋谷3-26-16 第五叶ビル1F / B1F
TEL 03-6419-7520

7.22 (SUN) @Compufunk Records Osaka
- LOBSTER THEREMIN 5 YEARS IN OSAKA -

DJ: ASQUITH, ROUTE 8, DNT (POWWOW), KAITO (MOLDIVE), TOREI
Sound: Ryosuke Kosaka
VJ: catchpulse

Central Kitchen: YPO edenico

Open 17:00 - 24:00
ADV 2,000 yen +1 Drink
Door 2,500 yen +1 Drink

Info: Compufunk Records https://www.compufunk.com
大阪市中央区北浜東1-29 GROW北浜ビル 2F
TEL 06-6314-6541



■Asquith (Lobster Theremin / from London)

ロンドン発、新興レーベル兼ディストリビューターとして近年めきめきと勢いをみせる〈Lobster Theremin(ロブスター・テルミン)〉。そのレーベル・ボスである Jimmy Asquith は、2013年にレーベル〈Lobster Theremin〉を設立。〈Lobster Theremin〉傘下に3つのレーベル、〈Mörk〉、〈Distant Hawaii〉、〈Tidy Bedroom〉も始動し、また、エレクトロニック・ミュージック・シーンではグローバルに知られるディストリビューターである。2017年1月にはハックニーにレコードショップ実店舗もオープンさせた。
ロンドンの Corsica Studios でのパーティー《FIND ME IN THE DARK》は毎回ソールドアウトになるほどの人気ぶりで、Asquith は常に新しい才能をサポートし、〈Discwoman〉、〈Workshop〉、〈Antinote〉などとのコラボレーションも行なっている。
海外ツアーをこなしながらも、Rinse FM でレギュラーを担当し、Tom Hang や Chicago Flotation Device といったアーティスト名義でリリースを重ねている。2017年12月に Tom Hang 名義でのデビュー・アルバム『To Be Held In A Non Position』をリリース。
今年でレーベル設立5周年を迎え、〈Lobster Theremin〉のレーベル・ショーケースとしてのツアーを展開している。

Jimmy Asquith founded the well-renowned label Lobster Theremin in 2013. Since then the label boss has established three imprints including; Mörk, Distant Hawaii and Tidy Bedroom, as well as a respected distribution service used widely within the electronic music scene, and a physical record shop based in Hackney, East London.

Alongside the label, Asquith continues to sell out his Corsica Studios based night Find Me In The Dark, which champions emerging talents and sees collaborations with the likes of Discwoman, Workshop and Antinote. DJing internationally, Asquith simultaneously is producing and performing under multiples aliases all whilst holding down a regular Rinse slot.

On top of that, Asquith’s personal and ambiguous ambient alias, Tom Hang, will be releasing his debut album this December following a heart-wrenching Cafe Oto performance. Part ambient, drone, noise and a tapestry of clouded, intermingling emotions, ‘To Be Held In A Non Position’ is a three-and-a-half year release from stasis; an exhale from a long-held breathe; a shallow sleeper now awake.

On a DJ tip, increased gigs have led to a stylistic shift, a move back to UK-oriented sounds blended with old-school US influences and plenty of new names and talent littered throughout the set lists, alongside occasional older selected digs from the garage-house trove.

The start of 2018 will see a solo Asquith jaunt of North America as well as a Lobster Theremin debut showcase at Motion on January 20th, kicking off the 5 Years of Lobster Theremin European tour.

https://lobstertheremin.com



■Route 8 (Lobster Theremin / Nous)

ハンガリー、ブダペストのDJ/プロデューサー、Route 8。〈Lobster Theremin〉や〈Nous〉からのリリースによって、その名を知られるようになったが、ハードウェアを使っての音楽制作とその探求は10年以上前から始めている。USのロウなハウスやテクノからインスパイアされた、メランコリックなメロディーと巻き込むようなドラムパターンで、エレクトロやアンビエントまで拡大解釈できるオリジナルなサウンドを追求している。DJ Ciderman や Q3A という名義でも知られる。

Route 8 has only recently gained prominence through the Lobster Theremin and Nous labels, but his hardware production experiments date back almost 10 years. Inspired by the raw-edged US house and techno sound, he has also expanded his work into off-kilter electro and ambient, still inflicted with his melancholia-tinged melodies and ratcheting drum patterns.

https://soundcloud.com/route8

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