「IR」と一致するもの

Shinichiro Watanabe - ele-king

 『カウボーイビバップ』や今年20周年を迎えた『サムライチャンプルー』といったアニメ作品で知られる渡辺信一郎監督。その最新オリジナル・アニメ『LAZARUS ラザロ』(制作:MAPPA)が2025年に放送&配信開始されることがアナウンスされている。脱獄が趣味だという主人公アクセルが特別なエージェント・チーム「ラザロ」に合流し、メンバーらとともにある人物を探索していく物語だ。人類滅亡の危機が訪れるという点では、別エレ最新号『日本の大衆文化は「なぜ」終末を描くのか』ともリンクする面があるかもしれない。
 むろん、これまでも音楽に強いこだわりを示してきた同監督である。音楽にもそうとう気合いが入っている。スコアを手がけているのはカマシ・ワシントンボノボフローティング・ポインツという強力な3組。これは見逃せないでしょう。さらなる詳細について、続報を待ちたい。

アニメ『LAZARUS ラザロ』作品概要

【放送・配信表記】
2025年放送・配信予定(全13話)

【イントロダクション】
西暦2052年。
世界はかつてない平和な時代を迎え、脳神経学博士スキナーの開発した鎮痛剤「ハプナ」が大きく貢献していた。
副作用がない「奇跡の薬」として世界中に広まり、人類を苦痛から解放したハプナ。
しかし、その開発者であるスキナーは突如姿を消し、その行方は誰も知らなかった。
――3年後、彼は世界を破滅に導く悪魔として再び現れる。
ハプナは服用者を3年後に発症させ死に至らしめる薬で、仕掛けられた罠だった。
「あと30日。それまでに私の居場所を見つけだせば、人類は生き延びられる。」
スキナーが持つたったひとつのワクチンを使用するしか、助かる道はない。
そして、これが欲しければ私を見つけ出せと言う。
スキナーの陰謀に対抗すべく、世界中から集められた5人のエージェントチーム「ラザロ」。
彼らは、人類を救うことができるのか?
そしてスキナーの真の目的とは――?

監督に、渡辺信一郎(『カウボーイビバップ』)、キャラクターデザインに林明美(『BANANA FISH』)、アクション監修にチャド・スタエルスキ(『ジョン・ウィック』)、制作にはMAPPA(『呪術廻戦』『チェンソーマン』)、 企画プロデュースにSOLA ENTERTAINMENT(『ロード・オブ・ザ・リング ローハンの戦い』)、Kamasi Washington/Bonobo/Floating Pointsが音楽で作品の世界をよりスタイリッシュに華を添え、国内外のクリエイターたちがタッグを組み、迫力のアクションと、緻密なドラマを描く。

【スタッフ】
原作・監督:渡辺 信一郎
アクション監修:チャド・スタエルスキ(87Eleven Action Design)
キャラクターデザイン:林 明美
コンセプトデザイン:ブリュネ・スタニスラス
美術監督:杉浦美穂
色彩設計:田辺香奈
画面設計:坂本拓馬
撮影監督:佐藤光洋
音楽:Kamasi Washington/Bonobo/Floating Points
音響効果:Lauren Stephens(Formosa Group)
アニメーションプロデューサー:松永理人
制作:MAPPA
企画プロデュース:SOLA ENTERTAINMENT

【キャスト】
アクセル:宮野真守
ダグ:古川 慎
クリスティン:内田真礼
リーランド:内田雄馬
エレイナ:石見舞菜香
ハーシュ:林原めぐみ
アベル:大塚明夫
スキナー:山寺宏一

【WEB】
●HP:https://lazarus.aniplex.co.jp/ 
●X(Twitter):https://x.com/lazarus_jp

Moskitoo - ele-king

 音。景色。記憶。光。時間。
 われわれはそれらをふだん持続的なものとして認識しているのだろうか。わたしたちの記憶はいつも断片的で、あやふやなものでできている。記憶の欠落は、しかし貧しさのみを生み出すわけでない。欠落があるからこそ想像し創造する。そうやってつなぎとめられた記憶を人は「ノスタルジア」と呼ぶかもしれない。つまりは記憶の蘇生、再生。

 モスキート(Moskitoo)の音楽はいつもそうだった。過去への記憶が未知の音響として生成していくような感覚。電子音とグリッチ。音楽と音。倍音と残響。ミニマルと逸脱。それらが端正に紡がれていくエレクトロニカの最良の継承のようでもあり、ポップの未来形のようでもあり、パーソナルな心象風景のような音楽でもあった。それは2007年に〈12k〉からリリースされた『Drape』の頃から変わらないものだ。
 モスキートのオリジナル・アルバムは、2007年の『Drape』、2012年の『Mitosis』、そして2024年の最新作『Unspoken Poetry』の3作のみである。もちろんコラボレーションや映画音楽、さらにはCM関連の音楽やサウンドデザインなども手掛けているので、その仕事の幅は実に多彩だ。本年2024年も高山康平監督の短編映画『冬の海の声の記憶』の サウンドトラックをリリースしているほど。
 12年ぶりの最新アルバムの『Unspoken Poetry』を最初に聴いたとき私は静かな驚きを感じた。グリッチや電子音など00年代エレクトロニカの象徴的な音の扱いは控えめな音作りがなされているのに、あの00年代エレクトロニカがもっていた浮遊感とドリーミーなポップネス、エレガンスなエクスペリメンタリズムとノスタルジアが濃厚にミックスされていたからである。ここでは音楽が音楽の形態を保ちながら、楽器音が、声が、電子音が、そのつど「音」そのものへと再生しているのだ。
 リリースが佐々木敦氏の〈HEADZ〉からというのも意外だったが、同時に深く納得するものもあった。〈HEADZ〉からのリリース作品はエクスペリメンタルな要素に加え、私は「うた/こえ」も重要な要素だと思っている。より正確にいえば「うた」が「こえ」に還元され、再蘇生していくようにコンポジションされていくような音楽をリリースしてきたというべきか。今年リリースされたクレア・ラウジーの『sentiment』も同様である。
 モスキートの最新作『Unspoken Poetry』もまた同様に「うた/こえ」がサウンドとして組み直されていくようなアトモスフィアを生成している。そう思うとこの『Unspoken Poetry』が〈HEADZ〉から送り出されたことも必然に思える。ことばとおとの関係において……。
 ミックスをフォーカラー、フィルフラの杉本圭一、マスタリングを〈12k〉主宰にしてアンビエント作家のテイラー・デュプリーが手掛けていることも重要だ。両者ともアンビエンスに敏感・繊細なふたりの音楽家/サウンドアーティストだからこそ本作ほ細やかな魅力を存分に浮かび上がらせているのだ。

 音の波のような1曲目 “That Awaking Weave” からアルバムは幕を開ける。まるで夜明けのようなムードの曲だ。続く2曲目 “Machine Choir” では軽やかなムードで始まる室内楽的な曲。歌と声、そしてベースに細やかなリズムが絡む実に秀逸なエレクトロニカポップである。
 3曲目 “Embroidery Story” では再び波のような感覚で始まり、そこに乾いた音とポエトリーリーディングが折り重なる。どこか時間が溶けていくようなムードを感じた。
 アルバムの基本のテーゼ、音、うたごえ、こえ、ことば、音楽というエレメントはこの冒頭3曲で見事に提示されている。音楽と音の境界線で踊るようなエレクトロニカとでもいうべきか。よく聞き込むと多様な楽器の音も鳴り響いており、どこか懐かしく、しかし聴いたことのない音楽を展開する。
 4曲目 “Evvve” は プカプカとはじける音にはじまり、やがて淡い音色からグリッチ風アンビエントへと展開するインスト曲。5曲目 “Words Wardrobe” はヴォーカル曲だが本質はミニマル、アンビエントといえよう。音が訪れる感覚に満ちている。6曲目 “Gii” は雨のような音、曲である。アルバムでは珍しいややダークな印象のサウンドだが、「こえ」が入ると雨雲からの光のような雰囲気へと変化する。いっけん儚さを感じる Moskitoo のヴォーカルの強さを感じた曲といえよう。
 7曲目 “Molder And Morrow (Album Mix)” では一転して 光さすムードに変化する。うたごえ、こえ、ことば、おとが優雅に緻密に軽やかに交錯し、2曲目 “Machine Choir” と並んでアルバムを象徴する曲に思えた。エレクトロニカ・アンビエント・ポップの逸品である。8曲目 “Dewdrop” はどこか 薄暗く、しかし優雅なトラックだ。声とアンビエンスの交錯が美しい。
 9曲目 “Nunc (FourColor Remix)” は、2021年にリリースされたシングル曲だが、ミックスを手がけている杉本圭一のフォーカラーによるリミックス曲を収録している。アルバムの音世界にまったく違和感なく共存しているのはさすがの一言。この曲はアルバム後半の良いアクセントになっている。
 続く10曲目 “Unspoken Poetry” は、モノオトと声と音が光のカーテンのようにレイヤーされ、聴き手の感覚を浮遊させてくれる。エレクトロニカ・サイケデリックとでもいうようなサウンドスケープを展開していく。この曲もまたアルバムのムードを象徴する曲に思えた。
 最終曲にして11曲目 “Salvaged Dream” では「声」と「うた」と「音」が「音楽」の只中に静かに溶けあっていくようなサウンドを展開する。乾いた親指ピアノのような音にモスキートの透明な声がまるで時のむこうに消え去っていく……。

 本作『Unspoken Poetry』を聴くと、「音。景色。記憶。光。時間」が「音楽」「音響」の只中でつながり、ひとつの「記憶」をかたち作るような「音楽」が構築されているように思えた。ここには濃厚なノスタルジアがあり、同時にこの瞬間に生まれた音のような新鮮さがある。
 このノスタルジアと新しさの感覚の同居こそ私が00年代以降のエレクトロニカに感じる魅力であった。創造の源泉としてのノスタルジア、それを生成する電子音楽である00年代エレクトロニカ。
 本作は00年代エレクトロニカが到達した美しい結晶のようなアルバムだ。端正に折り込まられた音/声/ことばたちの饗宴は聴き手の耳をいつまでも悦ばせてくれるに違いない。

Rai Tateishi - ele-king

 先月のスティル・ハウス・プランツとのツーマン公演でも強力なアンアンブルを響かせていたgoat。日野浩志郎率いるこのバンドのメンバーであり、太鼓集団「鼓童」に属していたこともある篠笛奏者の立石雷が、初めてのアルバムを発表する。篠笛以外にも尺八、ケーン、アイリッシュ・フルートなどが用いられているそうだ。リリース元は日野のレーベル〈NAKID〉で、日野はプロデュースも担当している。
 また発売記念ツアーも決定。11月に四国~中国~関西~北海道~九州の計11か所をめぐる。注目しましょう。

goatのメンバーとして活動する笛奏者の立石雷のデビューアルバム「Presence」の発売が決定。そのアルバムを記念した国内11公演のリリースツアーを開催する。
アルバムはgoat/YPYとして活動する音楽家 日野浩志郎によるプロデュースとなり、日野のレーベル「NAKID」から発売される。

<Tour schedule>
11/5 岡山(ソロ) w/THE NOUP
11/9 高松ルクス(ソロ)
11/10 広島福山NOQUOI (ソロ)
11/11 広島ONDO(ソロ)
11/18 京都UrBANGUILD(デュオ) w/Phew, Bing+YPY
11/19 大阪CONPASS(デュオ) w/Phew, YPY
11/20 神戸BAPPLE(デュオ)
11/23 当別 大成寺(ソロ)
11/24 札幌PROVO(デュオ)
11/28 福岡九州大学(デュオ)
11/29 熊本tsukimi(デュオ)

※上記日程のデュオと記載の公演は日野もライブに参加しエフェクト処理を行う。ツアーに合わせてCD先行発売し、遅れてLPも発売予定。

元鼓童、日野浩志郎率いるgoatの現メンバーとしても活躍する篠笛奏者・立石雷による初ソロ・アルバムが完成!

太鼓芸能集団「鼓童」の元メンバーであり、現在は多⺠族芸能集団「WATARA」やパフォーマンス集団「ANTIBODIES Collective」、リズム・アンサンブル「goat」などのメンバーとして活動するほか、関西を拠点にジャンルを跨いだ即興セッションも精力的にこなす篠笛奏者・立石雷による初のソロ・アルバム『Presence』が完成した。リリース元は日野浩志郎が2020年に設立したレーベル〈NAKID〉。録音/編集/ミックス/プロデュースは日野が務め、マスタリングは名匠ラシャド・ベッカーが手掛けた。

今作では、メイン楽器である篠笛のほか、我流で奏法を開拓したという尺八、ケーン、アイリッシュ・フルートなど複数の管楽器も使用し、全編インプロヴィゼーションによる演奏を収録。多重録音や加工/編集は基本的には施しておらず、使用したエフェクターはかけっ放しのリングモジュレーターとディレイのみ、スタジオでの演奏が一発録りでそのまま収められている。(細田成嗣によるインタビューを兼ねたレビュー記事より)


“Presence” カバーアート(写真家:Yuichiro Noda)

<アルバム情報>
Rai Tateishi - Presence

A1. Presence Ⅰ
A2. Presence Ⅱ
A3. Presence Ⅲ

B1. Presence Ⅳ
B2. Presence Ⅴ
B3. Presence Ⅵ

NKD10
Produced, Recorded, Mixed by Koshiro Hino
Mastered and Lacquer Cut by Rashad Becker
Artwork by Yuichiro Noda
Art direction by Yusuke Nakano
Designed by Junpei Inoue

立石雷 RAI TATEISHI(篠笛,打楽器奏者)
日本伝統楽器篠笛奏者。
太鼓芸能集団「鼓童」に入団。
篠笛を山口幹文氏に師事。
歌舞伎役者人間国宝坂東玉三郎、市川團十郎、片岡愛之助、振付家ダンサーSidi Larbi Cherkaouiらと共演。
これまでに世界30か国、1000回を越える公演に参加。
チベット・韓国・日本人音楽家からなる多民族伝統音楽団「WATARA」青森県八太郎えんぶり組と民族芸能をテーマにした活動と、前衛的な表現を行うリズムアンサンブル「goat」パフォーマンス集団「ANTIBODIES Collective」にも参加する。


NAKID
goat/YPYとして活動する音楽家 日野浩志郎による音楽レーベル。世界的な電子音楽家であるMark FellやKeith Fullerton Whitoman、Tobias Freund & Max LoderbauerのデュオNSI.などのリリースの他、日野によるプロジェクトであるgoatやKAKUHANの作品をリリース。それらのリリースはUKの流通会社兼オンラインレコードショップであるBoomkatでは軒並み年間ベストに挙げられてきた。不定期でNAKID showcaseとしてイベントを行っており、これまでMark Fell & Rian Treanor、Bendik Giske、Valentina Magaletti等を招聘した。

SNS
Rai Tateishi(Instagram)
Koshiro Hino(Instagram)
Koshiro Hino(X)

Terry Riley - ele-king

 テリー・ライリーが1964年に作曲し、サンフランシスコにて初演を披露した『In C』は音楽史における分水嶺のひとつだった。1968年に新たにスタジオ録音され音盤としてCBSからリリースされた同作は、その後、クロノス・カルテットからデイモン・アルバーンまで、中国からアイルランドまで、実に多様な『In C』を生み、そのどれもがそれぞれの魅力を放っているのは、この曲が、ひとつのシステムであり、メタ・ミュージックであるからにほかならない。50人ほどの演奏者がそれぞれ、ハ長調のフレーズを好きなように繰り返しながら生まれるこの曲には、テリー・ライリーのなかの、集団が自由に動きながら調和するという、理想主義的なコンセプトを見ることができるだろう。

 というわけで、今年の7月21日に京都は清水寺で実現した、『In C』60周年記念のコンサートの実況録音盤がCDリリースされる。当日のチケットは瞬殺だったそうで、行けなかった人もぜひこの60周年ヴァージョンを聴いて、『In C』から立ち上がる瑞々しい世界を体験して欲しい。
 なお、紙エレキングの年末号は、「特集:テリー・ライリーの『In C』とミニマリズムの冒険」です。山梨の小淵沢まで取材してきました。こうご期待。

アーティスト:テリー・ライリー (Terry Riley)
タイトル:In C - 60th バースデー・フルムーン・セレブレーション・アット・清水寺 (In C - 60th Birthday
Full Moon Celebration at Kiyomizu-dera Temple)

発売日:2024年12月20日(金)1枚組CD
品番:sibasi-1 / JAN: 4571260594982
定価:2,727円(税抜)
紙ジャケット仕様

Tracklist
1. In C - 60th Birthday Full Moon Celebration at Kiyomizu-dera Temple

[amazon]

Photo by FEEL KIYOMIZUDERA / Sudo Kazuya

ENDON & KAKUHAN - ele-king

 この組み合わせは見逃せない。夏に新作『Fall of Spring』をリリースし、あらためてその存在感を示した前衛的メタル・バンドのエンドン。最近ではgoatの復活が話題の日野浩志郎およびチェリストの中川裕貴からなるデュオ、KAKUHAN。それぞれのスタイルで音楽の冒険をつづけている両者によるツーマンが決まった。2025年1月4日、会場はCIRCUS TOKYO。年明け早々から刺戟的な一夜を経験できそうだ。

それぞれのベクトルで異彩を放つENDONとKAKUHANによるツーマンライブ。

2025年1月4日に東京・CIRCUS TOKYOにてライブイベント「HYPER IRONY」が開催される。
「HYPER IRONY」は異なるフィールドで活躍するアーティスト達の親和性にフォーカスしたライブシリーズで、今回は、新体制での再始動後もその勢いは衰えることなくエクストリームミュージックの領域を拡張し続けるENDON、リズムアンサンブル・goat等での活躍も目覚ましい日野浩志郎と前衛的アプローチでの活動が芸術分野からも賞賛を浴びるチェリスト・中川裕貴によるデュオ・KAKUHANのツーマンライブとして開催される。また、world's end girlfriendやmouse on the keys等でもVJを行うrokapenisが両アクトのライブ中の映像演出を担当し、グラフィティの枠に捉われない独自の作品が高い評価を受けるDF.SQEZが本イベントのアートワークを描き下ろしている。
既存のフォーマットを無視し続け、それぞれのベクトルで異彩を放つキーマン達が交差する貴重な一夜となるはずだ。
チケットは現在、主催者が管理する予約フォームにて受付中。

【詳細】
2025年1月4日(土) 東京都 CIRCUS TOKYO
<出演者> [LIVE] ENDON / KAKUHAN [VJ] rokapenis

[オープン]17:30 [スタート]18:00 / [前売]3,800円 [当日]4,000円 +1ドリンク

【予約フォーム】
https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSfKsiq5dBOmIdMAE0fMAV95NBIUXV9KwsxoERnDXpuuEP-NvQ/viewform

Marcellus Pittman - ele-king

 ムーディマンセオ・パリッシュリック・ウィルハイトから成る3チェアーズ、その第4のメンバーとしても知られるマーセラス・ピットマンの来日がアナウンスされている。11月1日(金)@大阪NOON、11月2日(土)@名古屋CLUB MAGO、11月8日(金)@東京VENTの3か所をツアー。次はいつ体験できるかわからない、デトロイト・ハウスの至宝によるDJセット──なにごとも速すぎる現代、ビートダウンしてダンスを楽しみたい。

Marcellus Pittman Japan Tour 2024


◆11/1 (Fri) 大阪 @NOON

DJ: Marcellus Pittman, MITSUKI (Mole Music), YOSHIMI (HIGH TIDE)
PA: Kabamix

Open 22:00

Advance Ticket 3,000yen + 1 Drink
U-23 3,000yen + 1 Drink
Door 4,000yen + 1 Drink

Info: NOON + CAFE http://noon-cafe.com
大阪市北区中崎西3-3-8 TEL 06-6373-4919
AHB Production http://ahbproduction.com


◆11/2 (Sat) 名古屋 @CLUB MAGO

DJ: Marcellus Pittman, TAIHEI, CAN TEE, SBT

Open/Start 22:00

Advance Ticket 3,000yen + 1 Drink
Ticket Information
https://club-mago.zaiko.io/item/366967

Door 4,000yen + 1Drink

Info: Club Mago http://club-mago.co.jp
名古屋市中区新栄2-1-9 雲竜フレックスビル西館B2F TEL 052-243-1818


◆11/8 (Fri) 東京 @VENT

=ROOM1=
Marcelus Pittman
Midori Aoyama
SUZU

Open 23:00

Door ¥4000
Advance Ticket 2,500yen (priority entry) https://t.livepocket.jp/e/vent_20241108
※The purchase of ADV will be available until 23:59 on the day before the event.
※前売券の販売はイベント開催の前日23:59までです。
Before 24:00 2,000yen
SNS DISCOUNT: 3,000yen

Info: VENT http://vent-tokyo.net
東京都港区南青山3-18-19 フェスタ表参道ビルB1 TEL 03-6804-6652

[プロフィール]

Marcellus Pittman | Boiler Room x Beacon Festival

Marcellus Pittman (Unirhythm, 3Chairs / from Detroit)

マーセラス・ピットマンは、デトロイトに生まれ育ち、自身のレーベルUnirhythmを主宰する。
10代初めにはローカルのラジオステーションWJZZの熱心なリスナーになり多くを学び、Larry “Doc” Elliott や “the Rose” Rosetta Hinesの番組を聞いていたという。
ディスコがフェイドアウトし、よりプログレッシブな音楽が出始めた頃(当時デトロイトではハウスやテクノ、またそのプロトタイプ的なものは”Progressive"と呼ばれていた)、The Wizardと名乗っていたJeff MillsやElectrifying Mojoがラジオ電波上で新しいアーティストをプッシュし続け、世界中からの音楽をリスナーに提供していた。ヒップホップ、エレクトロ、テクノ、ハウス、ディスコをミックスするそのフリーなスタイルに大きく影響されたという。
Home Grownというヒップホップグループでトラックメイカーとして活動していたが、Theo Parrishに出会い、『Essential Selections』Vol.1、Vol.2をSound Signatureからリリース。Rick Wilhite、Kenny Dixon Jr. aka Moodymann、Theo Parrishで構成されていた3Chairsに、4番目のメンバーとしてDJツアーやプロダクションに参加している。また、Theo、Omar-S、Marcellusのプロジェクト、T.O.M Projectにも参加し、Omar Sのレーベル、FXHEからはM.Pittmanとして『M.Pittman EP』と『#2』をリリースしている。
デトロイトの新興レーベル/ディストリビューター、FITからリリースされた12”レコード、M.PITTMAN『Erase The Pain』は、某大御所DJ達の間でカルト的賞賛を得た。Hungry Ghost (International Feel), Ackin’ (Internasjonal), Madteo, Nina Kraviz, Erika (Interdimensional Transmissions), Motor City Drum Ensemble, Funkadelicらにリミックスを提供している。

IG https://www.instagram.com/marcelluspittman
RA https://jp.residentadvisor.net/dj/marcelluspittman

アフタートーク - ele-king

水谷:昔はダーティーな感じって、今よりもっとカッコ良かったですよ。ぶっきらぼうで悪そうなんだけれど、真っ直ぐで不器用っていう人が「かっこいい男」の象徴だった気がします。

山崎:確かにそうですね。若者の憧れの姿としてそういう人の方が味わい深くてかっこいい時代って確かにありました。・・・というかまた今回も「昔は」から入りましたね。この連載のお決まりになってきましたよ。

水谷:僕らもやっぱり毎晩のようにお酒が入ると「昔は」になるじゃないですか? ザ・老害ですが、老化の始まりの50’sとかってそんな年齢なんでしょうかね?

山崎:自分が若い頃は、「昔は良かった」って言う、おっさんに嫌気が差していましたが、いざおっさんになるとこれは避けて通れないですね。昔話って楽しいですから。で、話を戻すとこれは完全に時代が変わったことへの妬みですが(笑)、今はダーティーな人よりも小洒落ている人の方が優っている気がします。身なりも生き方も少しダーティーな方がカッコよく感じたのは00年代くらいまでかもしれません。今はすぐに悪い意味で『ヤバイ奴』っていうレッテルを貼られてしまいますからね。

水谷:昔はそのヤバさがカッコよかったと思います。そんな世の中だからか?最近、コアなソウルのレコードが他と比べてとても売りづらいんですよ。ブルースもしかりで。もう時代についていけないですよ。心地の良い爽やかでクリーンなものしか世の中の人たちは求めていないのでしょうか。

山崎:でもいま人気の日本のヒップホップの人たちはめちゃくちゃダーティーじゃないですか?

水谷:ダーティーというかサグというか?そっちはびっくりするくらいの不良っぷりをアピールしていて(笑)。この感じは昔とはずいぶん違います。うまく言えませんが両軸を持った絶妙な味わい深いものがあまりウケない。例えば厳つい輩の作品の中にインテリジェンスを感じたり、時にはそんな漢が女々しく歌ったり、ヒップホップなんかもあれは黒人特有のセンスで、素でやっていたと思いますが、そんなゴリラみたいな男が、繊細で気の利いたサンプリングをしたり。そんなのがよかったのですが・・僕は造詣があまりないですがパンクとかもそうでしょ?その衝動と時に見せる計算高いセンスの良さに“上がる”というか。あんまりそういう感覚って今の若者は無いんですかね?最近のJ-POP的なのは大丈夫なんでしょうか。そのような観点で音楽を聴いてきた僕のようなジジィにはとても受け入れ難いのですが。

山崎:なんだか血の通っている生々しさや人間らしさを避けている傾向もありますね。アートでもアニメでもアイドルでも綺麗でわかりやすい偶像をみんな求めていて、リアルなものから目を背けている気がします。たとえば白土三平とか寺山修司のようなものは今、流行らないかもしれません。

水谷:そういうのを『サブカルチャー』って言っていましたが、そんな言葉も今はあまり使われませんね。なんでこういう話をしたかと言うと、Groove-Diggersのコンピレーションの選曲をする中で今の時代を意識する必要があったんです。

山崎:今回のコンピレーション、『Groove-Diggers presents - "Rare Groove" Goes Around : Lesson 1』とても良かったですね。飽きずに最後まで聴ける流れと選曲で、ハズレ曲というか、無駄な曲がなかったです。

水谷:僕にとってその『ハズレ曲』や『無駄な曲』って、存在意義としてとても重要なんですよ。そういう曲で周りを固めるとキラー曲が、より栄えますので。ただ、全部が最高のタイパ、プレイリストの時代にそぐわない気がしましたので、あえて入れませんでした。リック・メイソンとかも候補にはあったんですけど(笑)。

RICK MASON AND RARE FEELINGS / Dream Of Love

山崎:リック・メイソンの「Dream Of Love」はヘタウマ系の最高峰ですね(笑)。とてもいい曲です。収録アルバムのオリジナル盤も人気で10万超えの高額盤ですが、一部のコアなファンにしかウケないんですよね。
前談が長くなりましたが、今回のコラムは『Groove-Diggers presents - "Rare Groove" Goes Around : Lesson 1』についてです。

水谷:今回、僭越ながら選曲をさせていただきました。そしてこんな選曲なので、 ジャケットは僕らのMOMOYAMA RADIOスタジオからの風景を山崎さんが撮影してくれて、すなわち、僕らVINYL GOES AROUNDメムバーによる合作となりました。

山崎:自画自賛ですがいい写真ですよね。でも僕の腕ではなくてテクノロジーの進化のおかげです。
さて、選曲はこれまでGroove-Diggersでリリースしたアルバムからのピックアップですが、特に思い入れのある曲はなんですか?

水谷:音楽的じゃない話しになってしまうのですが、マシュー・ラーキン・カッセルをリリースしたときの話なんですけれど、原盤の所有者にたどり着くのがすごく大変でした。本当に全然見つからなくて。いろいろな方法と角度から辿っていったのですが、そしたらアメリカのローカルのラジオ局にマシュー本人が出演したという情報を得ることができたんです。それでそのラジオ局に連絡したら局員の方がマシューに繋いでくれたんですよ。

山崎:2008年の話ですよね。その頃、レアグルーヴ界隈でもマシュー・ラーキン・カッセルの再評価なんて誰もしていない時代でしたよ。今ではオリジナル盤は高すぎてすごいことになっていますが。

MATTHEW LARKIN CASSELL - Fly Away

水谷:連絡したら「なんで日本人のお前が俺のレコードなんて知っているんだ?」ってびっくりしていました。当時は大して売れもしなかったレコードが数十年以上経てマニアに人気が出ているなんてことを本人は知らないんですよ。だから連絡すると驚く人は多いです。継続してミュージシャンをやっている人なんてほとんどいませんから。マシューは学校の先生をやっていました。リリースのオファーを快く受け入れてくれてとても歓迎されましたよ。

山崎:本人は当時、想いを込めて作った作品でしょうから「よくぞ見つけてくれた」っていう喜びは大きいでしょうね。こういうところもレコード・ディギングの素晴らしいところかもしれません。

水谷:あとはやっぱりイハラ・カンタロウの「つむぐように(Twiny)」ですね。70年代〜80年代に制作された楽曲とは40年以上の時間差がある中、それらの曲に影響されて同じマナーで音楽制作をしている彼へのリスペクトもあって、この選曲の中に入れたかったんです。なので一番人気のウェルドン・アーヴィンのカバー曲「I Love You」ではなくて彼のオリジナル楽曲を収録しました。

CANTARO IHARA – つむぐように(Twiny)

山崎:これはイハラくんにとって、すごく良いことですね。

水谷:彼もAORとかライトメロウな曲に詳しいので「こんな素晴らしい楽曲たちの中に自分の曲を並べていただいて嬉しいです」と言っていました。はじめからイハラくんでコンピレーションを締めくくることを考えていたので最後の曲にしたのですが、「つむぐように(Twiny)」の美しい旋律は、今回の「締め」に相応しかったと思っています。

山崎:このコンピレーションをどういう人に届けたいと思っていますか?

水谷:入門編として聴き心地の良い曲を並べたとても聴きやすいアルバムなので、若い人たちにとって、古き良き時代の音楽“にも”触れるきっかけになればいいと思っています。
この世界(レアグルーヴなど)ってレコードが高額なイメージが強いので、自省も込めて言いますと、オリジナル盤にこだわるマニアたちが敷居を高くしてしまっていると思うんです。すると若い人たちは入りづらい。レアだからすごいってことではないが、もちろんプレス数による現存云々はありますが、基本内容の良くないモノは高くはなりませんので、こういうコンピレーションで、レア・エクスペンシヴ盤の世界への間口を広げることができれば良いです。

山崎:本作には通して聴くからこそ良く聴こえてくる化学変化みたいなものがあると思います。そこがこのアルバムの良さですね。いままでこれらの曲に出会わなかった人たちが出会える盤になるといいですね。

水谷:今はレコードブームの中で、レコードをBGMとしてかけるカフェやバーも多いので、そういうところでかけてもらえたら嬉しいです。店内で流しても誰も傷つかない選曲をしていますので。昔はカフェとかでよくかかっていた、『ホテル〇〇』とか、そういうお洒落系CDコンピレーションがたくさんあって、個人的には好きではなかったけれど、でも今、そういうのは全然ないじゃないですか。当時はそのようなコンピレーションはすごく意味があって、一般的に聴かれるはずのない曲たちが日の目を見ることにもつながっていました。そういえば最近の僕らの流行の新語SJ(以前の『情熱が人の心を動かす』の回、参照)の話しを友達にしたら、クラブでプレイしないDJをDJ-Bar DJって云うらしいですよ。

山崎:それはもう体力の低下でクラブのテンションにはついていけてない僕のことですね(笑)

水谷:あとは、ここに収録の曲はいわゆるAORベストみたいなチャートには入らない曲ですが、そういう大物ミュージシャンがやっている王道系もいいんですけど、こういうオルタナティヴな側面を一般的なAORファンにも是非聴いてほしいです。

山崎:レアグルーヴなんてローカルな低予算レコーディングの自主制作に近い盤ばかりですから、世の中の音楽シーン全体で考えたらB級作品なんですけど、でもB級作品の美学ってありますからね。

水谷:それこそ『サブカルチャー』ですよ。昔は『サブカルチャー』を掘っていくと、誰も知らないところで自分だけが知っているみたいな嬉しさがありました。でも今はネットでほとんどの情報がすぐに手に入るから、見え方として『サブカルチャー』というカテゴライズが必要無いのかもしれません。でもマスメディアやネットに流されないで自分が何を取捨選択するかをちゃんと考えて、自分の趣向に合いそうならこういう世界も覗いてほしいと思います。

山崎:僕らはひねくれ者なのかもしれませんが、若かりし頃は「王道ソウルはあいつ聴いているし、俺はいいや」って思って深掘りしていましたね。

水谷:ヒップホップにおけるサンプリングの表現も一緒ですよ。だれも知らないものをディグる精神は重要だと思います。

山崎:新しいカルチャーもこういうところから生まれますしね。

水谷:だからってこのコンピレーションを買って欲しいと言っているわけではなくて、どこかで聴いて、シャザムしてスポティファイで聴いてもらってもいいです。おかげさまで、レコードはまもなくPヴァインのメーカー在庫も売り切れますが、本連載冒頭にもリンクがありますのでYouTubeのMOMOYAMA RADIOで聴いてみてください。全編通してアップしていますので。気に入った曲があったらそこからその曲が収録されているアルバムまで辿ってもらえると嬉しいですね。
他にもいい曲あったりしますし、文化ってこういうことで次世代に継承されていくと思いますので。

山崎:そんな次世代の仲間募集中!ご連絡は履歴書や自己紹介文を添えてこちらまで。
vinylgoesaround@p-vine.jp


Groove-Diggers presents
"Rare Groove" Goes Around : Lesson 1

A1. ERIK TAGG - Got To Be Lovin You
A2. LUI - Oh, Oh (I Think I'm Fallin' In Love)
A3. CHOCOLATECLAY - The Cream Is Rising To The Top
A4. TED COLEMAN BAND - If We Took The Time (Where Do We Go From Here)
A5. BABADU! - All I've Got To Give
A6. DANNY DEE - My Girl Friday
B1. POSITIVE FORCE - Everything You Do
B2. JIM SCHMIDT - Love Has Taken It All Away
B3. MATTHEW LARKIN CASSELL - Fly Away
B4. MOONPIE - Sunshine Of My Life
B5. CANTARO IHARA – つむぐように(Twiny)

Bonna Pot - ele-king

 2022年、川崎のちどり公園での開催が話題となった野外パーティ「Bonna Pot」。音響に対する高いこだわりで知られる、アンダーグラウンドでもっとも信頼の厚いこのレイヴが2024年も敢行されることとなった。
 今回は11月8日(金)~10日(日)の二晩、西伊豆の「オートキャンプ銀河」にてオールナイト・パーティとして開催。
 メルボルンのCS + Kreme、ベルリンのTHOMASH、O/Yのライヴが予定されており、DJには∈Y∋をはじめバンコクの人気テクノDJ、Sunju Hargun、デトロイトのScott Zachariasなどが登場する。出演者からサウンドシステム、タイムテーブルまでこだわり抜かれた二夜。秋の森で良質な音楽に浸りたい。

今年のBonna Potは西伊豆のオートキャンプ銀河で開催します。前回、会場の使用許可がおりなかった一番美しい森の中の空がひらけた芝生のサイトがダンスフロアになります。
サウンドシステムは前回以上に細部に至るまで磨きをかけ、この2年間で検証とアップデートを繰り返した、最先端のハイエンド機器とオリジナルで組んだ唯一無二の仕様です。しっとりとしたパワフルな低域の質感と、滑らかさと繊細さが同居し、聴覚を可視化するような立体感と表現力で楽曲制作者の細部に渡る意図/意思を再生します。とろけるような快楽性と浄化性、感覚のより深いところまで到達するサウンドを目指します。
そんなサウンドシステムを奏でるのは、一人一人が幅広い音楽性とオリジナリティを持ったDJ/ライブアクトです。海外からはデトロイト、ベルリン、バンコク、メルボルンから計7アーティストが来日します。初来日の人も複数いるので初めて聞く名前も多いかと思いますが、全てのアーティストのプレイを生で聴いて、BonnaPotで一緒にやりたいと思った人たちです。国内勢も初出演の4人を含め全員絶大な信頼をベースにイメージを共有しています。
太陽と月、星空と空間の移り変わりをベースに構成されたタイムテーブルを組んでいますので、是非金曜日から日曜日まで三連休にしてご参加下さい。あらゆる音楽や芸術、人々、世代、国籍、人種、宗教、それぞれの信じるもの、などが音楽の下で溶けて混ざり合うことをイメージし、それぞれが光を失わずにどう調和していけるのか、そういったことを考えながら全体を組んでいます。
持ち込みたい芸術作品や創作物、装飾やパフォーマンスなど、会場内に飾って頂いたり販売して頂いて大丈夫です。ぜひ自由奔放な発想で参加して頂ければと思います。ヴェジやハラル対応のフードなども用意します。
新しいモノに触れた時に伴う違和感や、どうなるのか分からないドキドキ感、でもあらがえない好奇心で未知の世界へ一歩踏み込むような、そんな気持ちで参加していただけたら嬉しいです。11月の澄み渡った空の下で広がる想像力とインスピレーションに溢れた音楽体験を一緒につくりあげることを楽しみにしています。

開 催 概 要
名 称:BONNA POT

日 時:
2024年11月8日(金)〜10日(日)

会 場:
オートキャンプ銀河 西伊豆

出 演(A to Z):
Abiu
AKIRAMEN
ALICIA CARRERA
An-i
CHIDA
CS + Kreme -LIVE-
∈Y∋
鏡民
nø¡R
O/Y -LIVE-
Scott Zacharias
Shhhhh
Sunju Hargun
THOMASH -LIVE&DJ HYBRID-
Toshio “BING” Kajiwara
7e

Sound Space:
HIRANYA ACCESS

Speaker System:
TAGUCHI

Lighting, Deco & Structure:
Hikariasobi Club
密林東京
RGB
SHINOBU HASHIMOTO
Stretch Tent Company
and more

料 金:
・早割入場チケット: ¥18,000 (販売終)
・GA(一般入場): ¥20,000
・駐車場A(再入場不可): ¥4,000
・駐車場B(再入場可): ¥7,000 (完売)
・テントチケット: ¥3,000 (1テント/タープにつき1枚必要、最大4m x 3.5m)

チケット購入:
https://bonnapot.zaiko.io/e/bonnapot24
※チケット販売は11月7日(木)23:59 JSTまで

Instagram:
https://www.instagram.com/bonnapot_nusic/

SoundCloud:
https://soundcloud.com/bonnapot

X:
https://x.com/Bonna_Pot

世界の終わりとは何か?

表紙・巻頭『デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション』
浅野いにお(原作)インタヴュー

宇川直宏 宮台真司 小川公代
world's end girlfriend sasakure.UK
藤田直哉 野田努 飯田一史 北出栞 後藤護 福田安佐子 冬木糸一 藤井義允 伊藤潤一郎 小林拓音 松島広人 しま Flat

古くは『デビルマン』から『風の谷のナウシカ』、『AKIRA』、『新世紀エヴァンゲリオン』を経て、『進撃の巨人』、『君の名は。』、そして『デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション』まで、あるいはボーカロイドの奏でる「世界の終わり」的風景まで──なぜ日本のポップ・カルチャーはかくも「終末」を描いてきたのか。大衆文化の側から「世界の終わり」を、ひいては日本文化を考察する。

菊判/192頁

表紙ヴィジュアル
©浅野いにお/小学館
©浅野いにお/小学館/DeDeDeDe Committee

目次

終末論的文化はいま世界を駆け巡る 野田努

◆『デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション』

浅野いにおインタヴュー──世界が終わらなかった後で
くそヤバい地球で、僕らは未来の夢を見ることができるか?──『デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション』論 藤井義允
我々の勝利――浅野いにお作品における「世界の終わり」 藤田直哉

◆なぜ日本のポップ・カルチャーはかくも「終末」を描いてきたのか

[インタヴュー]
宇川直宏──次の地球の番人、ナメクジのために
宮台真司──世界が終わろうとも、周りの人を幸せにすることで、幸せになれ
小川公代──ケアと対話で「終末」を乗り越える
world’s end girlfriend──「世界の終わり」も自己も個も越えた「新たな世界」を提示すること
sasakure.UK──人類が消えてもボーカロイドは歌い続ける

[エッセイ・論考・コラム]
戦後日本の特撮・アニメにおける、「世界の終わり」の変容 藤田直哉
セカイ系の時代精神 飯田一史
「世界の終わり」にあなたは泣けますか?──楳図かずお『14歳』とおさなごころ(ロックンロール) 後藤護
終末SF小説概観──核戦争から感染症、気候変動、隕石衝突、人口減少、AIまで 冬木糸一
ポップ・カルチャーとしての「終末ソング」、その常態化 野田努
パンデミックの回想──「来そうで来なかった終末」のなかで育まれた音楽 松島広人
「世界の終わり」をテーマにしたボカロ曲 しま
〈ポスト・セカイ系〉における「世界の終わり」 北出栞
2分前と2分後のあいだ──アポカリプスにおける「人間らしさ」について 福田安佐子
人類最後の世代の苦しみ──田村由美『7SEEDS』から 伊藤潤一郎
『花物語』から想像する、世界の終わりと資本主義の終わり 小林拓音

[共同監修者プロフィール]
藤田直哉(ふじた・なおや)
批評家。日本映画大学准教授。1983年札幌生まれ。著書に『虚構内存在』『攻殻機動隊論』『新海誠論』『シン・エヴァンゲリオン論』『新世紀ゾンビ論』『シン・ゴジラ論』『ゲームが教える世界の論点』『現代ネット政治=文化論』『娯楽としての炎上』、編著『東日本大震災後文学論』『3・11の未来』など。

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Nídia & Valentina - ele-king

 ダンス・ミュージック界には複数の新鮮が風が吹いている。当然そのなかには、アフリカ系ポルトガル人のニディア、イタリア系イギリス人の前衛ドラマー、ヴァレンティーナ・マガレッティというふたりの女性によるアルバム『エストラダス』も含まれるのだった。
 ニディアからいこう。彼女は、エレキングでもお馴染みの、リスボンは〈Príncipe〉レーベルで活躍するビートメイカー。いっぽうマガレッティは、すでに多くの共演作を持つロンドン在住の打楽器奏者。古くはRaime、グレアム・ルイス(Wire)とのUUUULafawndah、〈Incus〉から〈On-U〉を横断するスティーヴ・ベレスフォードとのFrequency Disastersニコラス・ジャーとのライヴ向井進とのV/Zおよび最近はシャックルトンとの共作を出したばかりのHoly TonguemRaimeのメンバーとのMoin、近年ではBetter Cornersでのアンビエント作品も注目されているが、広く知られているソロ作品は、おそらくCafe Otoのレーベル〈Takuroku〉からリリースされた『A Queer Anthology of Drums』だろう。去る6月には来日し、彼女のドラミングのみでひとつの世界を作れてしまえることを証明したばかりだ。
 その打楽器による表現力は、本作『エストラダス』において、ニディアのエレクトロニクスと融合し、駆動力をもった多彩なグルーヴへと変換されている。ポルトガル語で「道」を意味するという『エストラダス』のアートワーク——岩石のあいだを走る道路にタイヤの跡が付いたこの写真、本作の冒険的かつドライヴする作風にじつによく合っている。太陽に晒され、暑く、乾いた道路のカーヴ、疾駆した車の痕跡……自分のなかにひきこもっている場合ではない。

 〈Príncipe〉が昨年、クドゥロ(アンゴラ起源のアフロとハウスの融合)のコンピレーションを出しているように、近年はバイレ・ファンキといい、ジャージー・クラブといい、チリのセックストランスといい、200BPM以上の超ハイテンポで踊るタンザニア産シンゲリといい、アマ・ピアノほど広範囲な流行はしていないかもしれないが、ディアスポリックなマイクロ・ジャンルがあちこちで息を吹き返している(そしてオンライン上ではクラッシュクラブにフォンクにジャンプと……このあたりはいつか松島君と話したい。ぼくはいま20代の背中を追いかけているのだ)。そんなわけで、ダンス・カルチャーは、昔ながらの世界もデジタル世界も活気に満ちているのだった。

 ここでいきなり予告です。年末号のエレキングでは「ミニマリズム」を特集しようと思っている。ミニマル・ミュージックとは、白人文化における50年代〜60年代の、クラシックの前衛のみで定義できるものではない。たとえば、その分水嶺的作品『In C』においてテリー・ライリーがサックスを、ジョン・ハッセルがトランペットを吹いていることにもヒントがあるだろう。「ミニマリズム」はアフリカ起源のじつに多くの音楽(戦前ブルースからファンクほか)にも通底している。アフロ・ミニマリズムと呼びうるそれは、ことエレクトロニック・ミュージックに関して言えば、アシッド・ハウス以降、さまざまなスタイルを生みながら発展し、クドゥロやファンキのような明らかにエクスペリメンタルなサウンドをIDMとは呼ばないシーンのなかで力強く継承されているし、拡散している。ローレル・ヘイローラファウンダサム・カイデルなど、これまで知性派の作品を出してきたフランスのレーベル〈Latency〉がかようにも溌剌とした、ポリリズミックなアフロ・ダンス・ミュージック・アルバムを出したことが嬉しい。

 生ドラムと打ち込みのビートとの組み合わせ自体が新しいわけではない。本作では、それぞれの曲でそれぞれ魅力的なリズムが生成されていく、まるで生き物のように、その有機的な感覚が格好いいのだ……というわけで、このレヴューを読みながらコニー・プランクとマニ・ノイマイヤーとメビウスの『ゼロ・セット』などと口走ってしまう古参方には、4曲目の “Mata” から聴くことをお薦めしたい。もちろん、フィールド・レコーディングによる妙な雑音から親指ピアノ、そして未来的なシンセサイザーに重たいベースが地を這う、冒頭の “Andiamo” (イタリア語で「さあ、行こう」)からでもいい。未来はたしかにトライバルだった。
 だが、表題曲になるとどうだろうか。おそらくこの曲は、ヒップホップ/R&Bからの影響が注がれたダウンテンポのフュージョン・サウンドを画策している。路上の砂埃を巻き込みながら、親指ピアノと打楽器、エレクトロニクスの鮮やかな調和。それから、ザ・スリッツがエレクトロックに発展していったらこんなサウンドになったに違いない、というのがミドルテンポの “Tutta la note” のような曲だ。
 そうは言っても “Rapido” を聴けば、このアルバムの使命を思い出す。そう、 ベースとドラムが醸し出す強力なうねり、すなわちダンスすること。ま、ぼくはひとり、心のなかでダンスです。

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