何もポスト・ダブステップというのはスタイルを指すわけではない。元々は、後にブローステップと呼ばれるものに対する批評性として生まれた言葉だ。ダブステップのブレイク後の喧噪にはたしかに空しさがあった。ある意味、それがレイヴってもんでもある。
が、どん底から這い上がってくる音楽を聴きたいという夢を捨てられないように、グライム/ダブステップが終わっているわけではないし、アーバン・ミュージックがスタイリッシュなR&Bに収束しているわけでもない。むしろ生のアーバン・ミュージックにはラフでタフないびつさがある。時代は重く、そして汚れている。
スウィンドルの『ロング・リヴ・ザ・ジャズ』は、グライム/ダブステップの野性味といまにも爆発しそうなエネルギーを継承しながら、斬新なアイデアに富んだ魅力的なダンス・ミュージックを披露する。本国では「ジャズ・グライム」などと呼ばれているものの、多くの曲にはファンクのフィーリングがある。"Forest Funk"などベンガ風のリズムを感じるが、その力強いリズムとねちっこいギターの絡みはPファンクがダブステップをやっていると喩えることもできる。ウォブリングするベース音など2000年代半ばのダブステップのクリシェも使いつつ、レイヴ風のシンセ・リフのど派手なR&B"Ignition"等々、遊び心も忘れない。
しっかし、"Kick It"、"Phone Me"、"Start Me Up"、"Last Minute Boogie"......26歳なので当たり前だが、わっけなー。今年の前半はライやインクみたいな口当たりの良いのばかり聴いていたから、なおさらなのか、やかましい、ごりごりのファンクが新鮮に聴こえる。
とはいえ、『ロング・リヴ・ザ・ジャズ』は若さと勢いだけのアルバムではない。詐欺(スウィンドル)は、詐欺ではなく、わりと本気でジャズに向き合っているようにも思える。でっかいベースとドラムを保持しながら、洒脱で、大人びたところも見せているのが『ロング・リヴ・ザ・ジャズ』の特徴である。とくにダウンテンポの"It Was Nothing"のような、ビッグ・バンド・ジャズの華麗さとグライムとの融合には目を見張るものがある。"When I Fly Away"なんて曲は、イージーリスニングをダブステップで再現したような奇抜な展開を見せる。しかも、おそらくスウィンドルは、アドリブで鍵盤を弾いているのだろう。ボイラールームでは巨匠ロニー・リストン・スミスと共演したという話を神波さんから教えてもらったが、このグライム・フュージョニストにはジャズを演奏できるスキルがあるのだ。
あの素晴らしく情熱的な「Do The Jazz」で開花した才能は本物だった。故きを温ね、空しさを陶酔に変える。昔ジャングルで4ヒーローが果たした役割をダブステップでは誰がやるのだろうかとずっと思っているのだけれど、"It's A Jazz Thing"ということで、スウィンドルは強いて言えばロニ・サイズ的なのかな? グライムを土台としたジャズという点ではシルキーとも似ているし、大化けするポテンシャル十分あるでしょう。何にせよ、マーラ・イン・キューバのライヴでは彼のキーボード演奏も聴ける。今週末は代官山ユニットだね。
「!K7ã€ã¨ä¸€è‡´ã™ã‚‹ã‚‚ã®
FKA twigs - Water Me
顔が似ているからだろう、明らかにツィギーを縮めたネーミングで、セカンド・シングルからは「旧」を表すFKA(=Formelly known as)という3文字が加わった。基本的にはマッシヴ・アタックやポーティスヘッドを受け継ぐ存在と言われ、大半の曲は確かにそうなんだけど、Bサイドに収録されていた"ウォーター・ミー"が別な意味でとにかく素晴らしい。ユーチューブの再生回数も他の曲を遥かに上回っている。これは、穿って言えば、メデリン・マーキーの試みをコマーシャルなモードへと移し変えたもので、実際に『セント』を聴いてインスパイアされたものではないだろうか(共同プロデューサーのアーカは過去にアンビエント・タイプのヒップ・ホップ・アルバムをリリースしているので、独自にたどり着いた可能性も高い→https://www.youtube.com/watch?v=1FLFnmv1wWI)。東京オリンピックのこともあるし、亡くなられた木村恒久氏が奥さんのことを「ツィギー」と呼んでいたことを思い出す(マリー・クァントをモチーフにしたらしきヴィデオは視聴制限がかかっている)。DLコードを印刷したインナーのデザインがまたオシャレ。
Jameszoo - The Clumtwins - Water Me
アムステルダムから脱力系グリッチ・ホップの4作目。ダブステップ以降のTTCというか、ギャグが決まらないエイフェックス・ツインというか、いつも真剣にフザけていて、テンションが上がれば上がるほど悲しみが滲み出るタイプ。あるいは笑いと悲しみが極端に分離したかと思うと、一気に融合したりして、外れも多いけど、面白いときはホントに面白いので、ついつい、追っかけてしまい......。とはいえ、ジャズを扱うセンスも充分にあったりして、なにもかもが複雑すぎるので、こういう人は絶対に売れないと思っていたら、昨年末にフライング・ロータスと意気投合したようで......(どうなるんでしょう?)。
Curt Crackrach - Alice Dee feat. Nikhil Singh and Carmen Incarnadine
ナッティマリの変名によるデビュー・アルバムから12分を越すダブ・ヴァージョンを。春ぐらいにジェシー・ルインズがチャートでアルバム・ヴァージョンを紹介していましたけど(https://www.youtube.com/watch?v=pVz1HSBUU6w)、いや、しかし、ここまでやるかというほどトリップさせてくれる。それに関してはまったく妥協がない。といっても、最初に目を引くのは映像で、ふらふらと街をうろつくアリスが心配で、結果がわかってからも何度も観てしまいました(基本的には音が気持ちいいからだけど)。いつもクラブで友だちの介抱役になってしまう人ほど楽しめるのか、それとも、その逆なのか。ドラッグ・カルチャーって友だちとの距離感を再認識させてくれますよねw。これは、しかし、12インチでリリースされないのかなー。
E + E - Elysian Dream
工藤キキがNYから「この人は最高!」とリポートしていた〈フェイド・トゥ・マインド〉のDJ、トータル・フリーダムが昨年末に(新曲だけで)コンパイルした『ブラスティング・ヴォイス』(ティーンエイジ・ティアドロップ)で、最もユニークだと感じられた曲(トータル・フリーダム自身はドラム・ソロ!)。ドローンとR&Bが過不足なく接点を探ったような曲で、E + E ことイーライジャ・クランプトンはサウンドクラウドも抹消してしまったようで、現代音楽かと思えばクンビアと、まったく正体がつかめません。この1曲を聴くだけです。......それにしても、これはなんなんだろう? リクレイム・ザ・ストリートの仲間?→https://www.youtube.com/watch?v=9IUA3FbHBlY
Jar Moff - Tziaitzomanasou
経済が逼迫したからか、それとも、その危機感を脱したからか、大挙して様々なジャンルのミュージシャンが飛び出してきたギリシャからアンディ・ストットへのアンサー。エッジがキレいに処理され、鉄鎚感にもストレートには訴えないインダストリアルの変り種はケイヒンにも倉本くんにも支持されないだろうが、マシュウデイヴィッドの〈リーヴィング〉を経て〈パン〉からリリースされたミニ・アルバム『コマーシャル・マウス』では松村くん好みのレコメン系スキルが種々雑多に取り入れられ、聴き応えがあるなんてものじゃない完成度。日本でも黒沢清が浮上してきたのは不況がどん底と言われた時期だったし、経済危機にもなってみるものかも。
Wrekmeister Harmonies - You've Always Meant So Much To Me
〈スリル・ジョッキー〉がドゥーム・メタル! それだけで聴きたくなりましたよね。探してみたらユーチューブにフル・アルバムで上がってるし。もうちょっと短いやつは意味がさっぱりわからなかった......→https://www.youtube.com/watch?v=5OcTy05Gn18
![]() 清野-栄一 ブラック・ダラー 双葉社 |
ハイボールと向精神薬を飲みながら、レゲエが聞こえるガーナの海岸に佇む日本人医師を想像しよう。アメリカでは金融危機が起きて、投機マネーがサハラ砂漠を渡る。Eメールは傍受され、情報は無限に拡散する。20年前に東南アジアの海辺のレイヴや欧州のフェスを巡ったバックパッカーは、いまウィキリークスよろしく国際金融資本の闇について話しはじめる。清野栄一は、有閑マダムと早熟な高校生が溜まっている世田谷区の昼下がりのファミレスで、大きな声で口を休めることなく、投機マネーやマネー・ロンダリングの説明を続ける。利益と金とコカイン。それは誰もが勝ち目のないゲームに駆り出された世界の寓話のようだ。
彼の処女作である『レイヴ・トラヴェラー』は、ちょうど日本でトランスや野外レイヴが加速的に拡大した時期に刊行されたこともあって、多くの読者にレイヴの3文字を叩き込み、多くの読者をバックパッカーに変えている。いまだに夏になると売れているというが、考えてみれば、初版からすでに16年の歳月が流れているのだ。レイヴに人生を変えられた人たちも等しく16年経っている。
清野栄一の新作『ブラック・ダラー』は、アフリカのガーナを舞台としながら、その海辺とサウンドシステムを描写しつつ、しかし、訪れたひとりの日本人青年が不条理な運命に巻き込まれる恐怖を描いている。新自由主義とネットの普及以降の、複数のレイヤーに渡って変わりゆくこの世界で、ボブ・マーリーやストゥージズの音楽はいまもリアルに響くのだろうか。福島出身の小説家は、昼間からハイボールを手にして彼の経済への興味やアフリカ体験について、『レイヴ・トラヴェラー』と対をなすかのような『ブラック・ダラー』について語ってくれた。
震災後の反原発運動には、どこか違和感があって。福島でデモなんて見たことないもの。この先数百年ぐらいはたぶんどうしようもない。でも、うちの親父なんか逃げるつもりなどハナからないし、自営業の友だちもたくさんいる。それは、不条理極まりない日常を生きてくということだから。
■よく練られたプロットで、びっくりしたよ(笑)。
清野:でも、わりとするっと読めるでしょ?
■いやいや、これは俺の教養の問題として、国際金融とか陰謀論とかアンダーグラウンド・ビジネスに関する知識があまりに欠如しているので、前半は読むのに苦労したんだけど、後半はいっきに読めたかな。
清野:後半は物語のスピードも上がるから。
■面白かったし、いろいろと思うところがあったんだけど、清野栄一がこれを書いたことが、まずは興味深いよね。
清野:けっこうそう言われますね。
■クライム・ノベルと謳ってはいるものの......、小説読む前にさ、清野さんと会うと、「アフリカ行って来たぞ」ってうるさかったからさ(笑)。「レイヴ・トラヴェラーがアフリカに行く」みたいなね、そんな簡単なイメージで考えていたんだけど。
清野:たしかに、そういう面もありますよ。
■でも、実際はもっと多層的だよね。いろんなトピックがあって。
清野:『レイヴ・トラヴェラー』も『ブラック・ダラー』も、大きい枠で言えば、いまの世の中がどうなのかってことだから。
■いくつかトピックがあって、アフリカ、国際金融、ファンド、闇社会、インターネット、それからドラッグ(笑)......そうそう、とくに面白かったことのひとつというか、今回の重要なトリックとして、パスポートとドラッグのトリップを重ねているところあがあるじゃん。あれ、良かったね。日本を離れて海外居住者となったときのアイデンティティの問題があってさ、あれは見事だった。
清野:それで最後に主人公が下手打つんですけどね(笑)。
■はははは。
清野:日本は二重国籍を認めていない国なんですよ。でも、実際にはたくさんいて、持っててもバレなければいい。日本国籍は難易度高いんで、捨てずに持ってる人が多いみたい。
■で、偽装パスポートというのが面白いメタファーになってるんだけど、いろいろありながら、『ブラック・ダラー』が描いているのは恐怖じゃない。あのくそロマンティックな『レイヴ・トラヴェラー』の対極だよね(笑)。
清野:言われてみればたしかに、陰と陽みたいな感じかな。
■その恐怖にリアリティがあるっていうところがね。
清野:トラヴェラーにとっていちばん大事な持ち物って、パスポートでしょ(笑)。クレジットカードはどうとでもなるけど、パスポートがない! 再発行も偽造も無理だ! となったら、自分のアイデンティティや居場所を失うぐらいの大問題ですよ。
■そもそも、なんで、ガーナを舞台にした、こんなバッド・トリップ小説を描きたいと思ったの? 『レイヴ・トラヴェラー』がグッド・トリップだとしたらこちらはバッドでしょ。装丁のこの黒さが仄めかしているよね。やっぱ、清野さんの読者の多くはさ、あのくそロマンティックな『レイヴ・トラヴェラー』から入ってるじゃない? ものすごくそこが知りたいところだと思うよ。ヒッピーな島生活じゃなく、このえげつないマネー・ロンダリングがおこなわれているハードなアフリカを選んだ理由をさ。
清野:国際金融資本の問題とか、ウィキリークス的なこととか?
■ウィキリークス的な内容だよね。
清野:四年前に『テクノフォビア』っていう小説を書いたんですが、カネと情報の問題って、アベノミクスの日本でもアメリカでもアフリカでも同じですよね。いま送ったメールが傍受されているかもしれないとか、三沢基地がアメリカのエシュロン(全世界盗聴システム)の拠点だったとか......パスポートの話もそうだけど、自分たちが常に晒されている問題だから。
■レイヴからそこまで飛躍したっていうのがね。
清野:パーティも、フライヤーやネットという情報と、カネがないと無理じゃないですか。北京でガルニエのパーティに行ったら、エントランスの料金とか同じだったな。DJツアーも、金曜日が日本で、土曜日が中国や東南アジアとかあるらしいし。中国の経済もシャドウ・バンキング問題で崩壊寸前か、みたいに言われてるけど、ここはディズニーランドか! みたいなすごいところでガルニエがまわしてて(笑)。
■おそらく『レイヴ・トラヴェラー』に感化された人は自分探しのほうに行ってしまうと思うよ。
清野:『ブラック・ダラー』の主人公も、最初は自分探しのためにガーナへ行くんですけが。
■しかし、内省に惑溺することを許さない現実を叩きつけているじゃない。
清野:そうですね。自分を探そうとするほど、いかんともし難い現実に引きずり込まれていく。
[[SplitPage]]ブラックホール的な、ケオティックなアフリカ。ビジネスで荒稼ぎしてるのは外国人が多いみたいだしね。「パイナップルで一発あてた」とか(笑)。そこに金とダイヤモンドがあって、石油まで出たとなったら、詐欺師もマフィアも集まってくるでしょう。ODAの受け皿は日本のゼネコンだし。
![]() 清野-栄一 ブラック・ダラー 双葉社 |
■レイヴ・トラヴェラーを名乗った男が、いかんともしがたい現実を書きたいと思った所以は?
清野:四年前に交通事故に遭ったのも大きいかな。月に2回も(笑)。示談も進まないし、仕事もできないし、加害者には何も言えないし。そんなことしてる間に、実家の福島で原発どっか~んでしょ。小説って、他者について書くんだけど、現実には他者どころか自分でさえ思いのままにならないわけで。まして、世のなかをコントロールするなんて無理だと思うから。震災後の反原発運動には、どこか違和感があって。イラク戦争のときはトラック乗ってデモやってたけど(笑)。「じゃあ、実際、福島に行ってこいよ」というか。福島でデモなんて見たことないもの。この先数百年ぐらいはたぶんどうしようもない。でも、うちの親父なんか逃げるつもりなどハナからないし、自営業の友だちもたくさんいる。それは、不条理極まりない日常を生きてくということだから。震災後何度も福島と東京を往復してるけど、未来感メチャありますよ。
■ちなみに主人公の岡崎は福島出身の医者ですからね。
清野:そもそもは、ブラック・ダラーの話を聞いて、これはただの詐欺話じゃないな、と思ったんです。そして調べていったら、マネー・ロンダリングに行き着いた。野口英世の死にまつわる謎や、ODAやAIDSウイルスの話も興味深かった。アメリカの市場に出回っている額と同じ額のドルが、アングラマネーとして流通してるとFRBは推測してて。毎年数えてるらしいんです。IMFによると、世界のGDPの2~5%にあたるカネがマネーロンダリングされてて。一国のGDP並みの規模ですよ。
■IMFといえば、80年代は中南米にアプローチにしているし。ドラッグ戦争も起きているしね。
清野:ガーナにもIMFや日本のODAが投入さてますね。それで、面白そうだからとりあえず行ってみようと(笑)。たまたま日本人の友だちがいたっていうのもあるんですが。実際に行ってみたら、こら大変なところだなと(笑)。空港に着いたら真っ暗だし。
■そこは小説と同じなんだね。
清野:そうそう。日本人の友だちから「夜なんで空港から絶対に出ないで待っててください」と言われて。彼はビーチハウスやってて、そういう知り合いがいたから良かったけど、まず泊まるところが、数百ドルの高級ホテルか、数ドルの売春宿みたいなところしかない。中間がほとんどないんですよ。普通の旅行っていうか、バックパッカーは無理ですね。
■なるほどね。命知らずか金持ちしか行けないよね。
清野:そこまでじゃないけど(笑)。それで、ビーチに行ったら、どっかんどっかんサウンドシステムが鳴ってるわけ(笑)。友だちに聞いたら、ボブ・マーリーの妻のリタ・マーリーが近くに住んでて、地元の名士ですね。
■アフリカン・ヘッドチャージも住んでいるって書いているね。
清野:行くまでまったく知らなくて。繁華街はクラックだらけだし。
■コカインは小説で重要だけど、ガンジャに関する記述はないじゃない。
清野:「ヤーマン!」って挨拶で通じるかなと(笑)
■ハハハハ。でも、『レイヴ・トラヴェラー』にとってのMDMAが『ブラック・ダラー』ではコカインとヘロインになっているじゃない。そこも時代を感じるよね。
清野:主人公が医者だし(笑)。後で調べたら、ヨーロッパで流通してるコカインの60~70%がガーナ経由らしく、コロンビア革命軍とイスラム系武装組織が手を結んだと報道されてて。
■音楽的には繋がっているよね。アフリカで、キューバなどのラテン音楽って人気あるから。
清野:逆輸入みたいな感じですよね。ボブ・マーレーがなんでガーナに来たかというと、最初エチオピアに行って、そのあとアフリカ公演をして、ガーナにスタジオを作ったんですよ。政情や経済が安定してたってのもあるのかな。いちばん最初に独立した国だし、経済もそこそこしっかりしているし。
■ナイジェリアは?
清野:行ったことないけど、ヤバイそうでしょ(笑)。モロッコとか北アフリカは何回かあるけど、あの辺は地中海諸国だから。サブサハラっていう、サハラ砂漠より南のアフリカに行くのはじめてで。この本書いてなかったら、行く機会もなかったと思う。
■カルチャー・ショックだった?
清野:社会の構造がね、二重構造、三重構造というか。西アフリカでは数少ない議会制民主主義の国なのはたしかだけど、伝統的な部族社会も根強くて、土地はチーフが管理してたりする。いまだに大統領が決まると、チーフに会いに行くらしいし。そういうところにいると、ガーナに限らないけど、物事の基準がよくわからなくなってくるんですよ。詐欺にしろ音楽にしろ、日本でも起きていることが、もっと肥大化されて展開しているわけです。
■アフリカはあくまで舞台として描かれているんだよね。アフリカへの甘いファンタジーのようなものは抑制されているでしょ。
清野:舞台というか、そこはあえて突き放して書きたかったので。実際には、ゲットーとか、面白かったですけどね(笑)。
■「ヤーマン」なわけでしょ?
清野:もう、そこらじゅう(笑)。
■レゲエの曲名を見出しに使っているけど、あれ、必要だった?
清野:実際に、それが日常だから。繁華街だけじゃなくて、ゲットーの小さなバーでも必ずスピーカーがあって、通りまでがんがんにレゲエとかダブ鳴をらしてる。
■じゃあ、恐怖じゃなくて「ヤーマン」の話でも書けたわけだ(笑)。
清野:何十回かは出てくるんじゃないかな。ヤーマン(笑)。恐怖っていうより、チョイスかな。旅って、どこで食って寝てどこへ移動するかっていう、常にチョイスの連続じゃないですか。でも、チョイスがない状況っていうのが現実には多々あるわけで。昔、テルアビブの空港で、ヨルダンから陸路で入国したのがばれて、イスタンブール行きの飛行機に乗せてもらえなかったことがあって。「一回EUを経由しろ」と。まあ、いま考えるとそれなりの理由はあるんだけどね。カメラのレンズの中まで調べられるわ、大使館にも連絡できないわで、最終的には「カネがない」と開き直ったら、スイス・エアーのチケットくれたけど(笑)。いままで自分が書いてきた小説はチョイスがあるかないかってところが大きかったんだけど、今回は、チョイスなんてものがなくなった、その先の話を書きたかったんですよ。それは、恐怖だし、それでも生きてるってことだから。
[[SplitPage]]『レイヴ・トラヴェラー』からはじまった、ロード・ノベルって名付けたんですが、旅する小説ってヤツはこれで打ち止めかな。『ブラック・ダラー』には20世紀のダメなところが全部出ていると思うんだけど(笑)、石油、資源、金融、情報システム......。
![]() 清野-栄一 ブラック・ダラー 双葉社 |
■野口英世はなんで出したの?
清野:出てこないほうがへんでしょ(笑)。当時ノーベル賞候補だった野口は「黄熱秒は病原体でウイルスではない」という自説を証明するためにガーナへ行くんです。そして600頭もサルを解剖して、帰国する船の予約まで済ませた後に、黄熱病で亡くなった。「わたしにはわからない」という言葉を残して。黄熱病を患ったことがある野口は、病原体ならば黄熱病にかからないはずだと思っていたのか、自分の説を身をもって証明しようとしたのか、いろんな説があるけど、かなり追い詰められていたのは間違いない。その生き様の幻影として、主人公の父親像が浮かんできた。実際に、60年代末には福島医大がガーナに研究所を作って、ODA資金で野口研究所が設立さたんです。80年代にはアフリカで新種のHIVウィルスを発見して世界の注目を集めるんですが、「HIVの起源はアフリカだ」という通説に反するのは、いまでもタブーらしいんです。エイズには人種問題や同性愛問題が絡んでいるから。一方で、先進国の製薬会社が「医療援助」といいながらアフリカで新薬の治験をやってきたのは明かで、映画にもなってる。
■そういうアフリカだよね、カオスというか。
清野:ですね。ブラックホール的な、ケオティックなアフリカ。でも、ガーナ人は保守的というか、ビジネスで荒稼ぎしてる外国人も多いしね。「パイナップルで一発あてた」とか(笑)。そこに金とダイヤモンドがあって、石油まで出たとなったら、詐欺師もマフィアも集まってくるでしょう。バブル時代のODAの受け皿は日本のゼネコンだったし。ガーナに限らず、ODA資金の1割から2割ぐらいは日本に環流されてるっていう報道もあるけど、どうなんだろう? でもまあ、ガーナは安定してるほうじゃないのかな。インフレが年間2億%とか、選挙の度にジェノサイドが起きるとか、とんでもない国もあるから。ガーナは二大政党制で、選挙は毎回接戦なんだけど、8年おきに大統領が入れ替わるところが、逆に不自然だけどね(笑)。
■そのあたりは小説のなかにも出てくるよね。
清野:怪しい銀行とか(笑)。日本には投資銀行って法律上ないらしいんだけど、金融危機で破綻したリーマン・ブラザーズも、いわゆる普通の貯蓄銀行じゃなくて投資銀行ですよね。ヘッジファンドとかオフショアっていうと、海に囲まれた小さな島、みたいなイメージしかなかったけど、キャッシュフローでみたら、世界最大のオフショアはアメリカとロンドンのシティだという人もいて。アメリカの金融危機は、投資銀行が普通の貯蓄銀行を脅かすほど巨大になったのが原因だとも言われてるけど、ギリシャの財政破綻も、アベノミクスも、それは同じでしょう。
■それで世界経済もダメージ受けるという。
清野:一国の経済を潰すほど巨額のカネが、複雑怪奇な金融システムを通じて、国境なしに世界を動きまわっている。それがいまの市場経済じゃないのかな。こんなに不安定な市場経済のシステムがこれほど長続きしてるのは、人間自身がそもそも、好んで損をするような不安定な生き物だからだと思って。だからって、それを否定できないどころか、自分もそのひとりだから。
■やっぱ世界経済は今回のテーマのひとつなんだね。
清野:だって、そのまま毎日の生活に関わってくる話じゃないですか。こないだLA行ったら、スーパーでビール買ったりガソリン入れたりしながら、1ドル120円の頃は旅行も楽だったな、とか思いうわけですよ(笑)。
■ハハハハ。ウォール街のデモとも通底する話ってことだよね。
清野:全然そういう意味で書いてるんですけど。ウォール街や反グロが表の経済だとしたら、裏の経済も当然巨大化や国際化してるわけで。マネー・ロンダリングっていうのはそもそも、現金、つまり足のついてないカネを、企業や個人の資産にするってことですよね。その第一段階が、金融システムへの「組入れ」で、今時銀行にいきなり大金預けたりしたらすぐにばれるから、辺鄙な国の銀行が使われるようになった。二段階目は二段階目は「分散」で、海外送金やトレードを繰り返す。三段階目が「回収」で、分散していたカネをまとまった資産としてベンチャー・キャピタルやヘッジファンドが投資する。これが最近の典型的なマネー・ロンダリングの手法らしいです。
■ホント、今日は勉強になるよ。
清野:というか、普通の企業に似てるというか。ギリシャなんかは、国家ぐるみでヘッジファンドに注ぎ込んでたわけで(笑)。そういえば、ケニアのショッピングモールが襲われた事件があったけど、あそこも外国人がよく行くショッピングモールなわけじゃないですか。そうした、世のなかの基本になってる経済の歪みがいちばん出ているのがアフリカで、しかも最後の市場とまで言われているから。
■えー、そうなの?
清野:それはそうでしょ。世界の企業にとっては、中国の急成長も終わったから、次はアフリカっだって。ガーナにも去年か一昨年にトヨタの工場ができたし。これから中間所得層ががっと増えると見込んでる。さっき、中間がないって言ったけど、セキュリティを確保して、普通に生活しようと思ったら、メチャカネがかかるんですよ。2週間以上いたけど、バックパッカーとは一度も会わなかったな。いるんだろうけど。
■格差というか、ふたつの別の世界があるような。
清野:子供が日本の大学に行ってるガーナ人の親に、「卒業したらどっちの国で就職させるの」って訊いたら、「ガーナに決まっているでしょう。だって給料が全然高いから」って。でも、それはほんの一握りで、ゲットー暮らしは月百ドルぐらいだから。
■なるほどねー。ところで、岡崎や大道にはモデルがいるの?
清野:岡崎はどちらかと言えば、僕に近いかも。大道はね......、たとえアンダーグラウンドの住人だろうが、そこにはアンダーグラウンドなりの一線というものがあって、表の社会でもマトモに生きていたりする。そういう意味では、悪人じゃない。極悪人のように描かれてるけど、言ってることは案外マトモだし、最終的には盗みも強請りもしていない。岡崎はロシアンルーレットの最後のひとりだから、これはもうノー・ウェイ・アウト(笑)。
■はははは。どつぼはめられているよね(笑)。大道はいわゆる筋を通す人だけど、古いタイプの日本人をここで出したのは?
清野:それはたぶん、こういう人がいないからかな。アウトサイダーだけど、言ってることは正しいなっていうか。勝手に生きてるようだけど、筋を通すことを重んじるとか。ガキの頃にはそういう大人が近所に誰かいたと思うんですよね。ところが、民主党なんかはまさにそれが足りなかったというか、言ってることがブレまくって自爆したわけだから。
■そういうところこにも清野栄一の批評があるんだね。では、コカインに関しては? これも現代を象徴するドラッグだよね。ドラッグを今回はすごくドライに描いているでしょ。冒頭にウィリアム・バロウズの引用があるけど、バロウズもドラッグを反ロマンティックに描いているわけだけど、『ブラック・ダラー』におけるドラッグの描き方も、そういう突き放した感じをだしているよね。それは何故?
清野:バロウズの引用は別な意味なんだけど......それで人生をダメにする人もいっぱいいるからね。
■それを清野栄一が言うことは重要だよ。
清野:死ぬ人までいる。
■だから、80年代から続いてきた快楽主義......、僕や清野さんの世代はもろにそれを受けてきているんだけど、そこにある意味では釘を刺しているところが良いなと思ったんだよね。
清野:釘を刺すというか......アイロニーですかね。アングラ・マネーと武装組織がうごめくブラックホールから流通してきたもので、舞い上がってパラダイスになってるという。
■それから、岡崎が心療内科の医者っていうのも面白いよね。
清野:そうじゃないと、物語が進まないし(笑)。ある読者から、「心療内科の医者は執刀しないと思いますけど」と指摘されたけど。
■たしかに(笑)。でも、そこは、向精神薬とうつ病というのも、今回の物語では要素のひとつだからね。
清野:それも今時身近なものじゃないのかな。タッピング療法とかもやってるから。
■ああ、物語で重要な役目を果たしている。
清野:あれは本当にある心理療法を真似てるんですよ。
■とにかく『ブラック・ダラー』は、アムスとアフリカを舞台にしながら、ストイックだよね。
清野:苛酷だけど、面白いところですよ。ビーチで爆音だし(笑)。ピースでフレンドリーな感じだし。ただし、その対極にあるものもすごいんですが。
■ジェイムズ・エルロイの影響?
清野:いや、そこまでじゃないかな。ソリッドな文章にはしたかったですね。
■見事な三部構成じゃないですか。
清野:連載当時はもっと長かったんですよ。単行本にするにあたって、かなり削除したんです。ただ、アフリカのビート感、まったりしてるけど抜け目ないような、独特のビート感は出てると思う。ボブ・マーレーのガーナというのは、まあ、みんな入りやすいというか、道を歩けばレゲエがなってるわけで(笑)。その裏で何かがうごめいている感じ。雑誌のほうのエレキングには、ハイライフからはじまるガーナ音楽のことを書いたけど、イギリス的なヒップホップの流れの音楽がけっこう熱いですね。
■南アフリカはアメリカのギャングスタ・ラップが人気なんだけど、ひとつ問題なのは、アメリカではある種のギャグとして言っている銃や女の歌詞が、南アフリカでは言葉はわかっても言葉の背景までわからないから、それをギャグではなく本気で受けてしまっている、なんていう記事を昔『ガーディアン』で読んだんだけど。
清野:ガーナのヒップライフとかアゾントは、ギャングスタなノリじゃないですね。イギリスが旧宗主国だったってのもあるのかな。斧とか槍は飛んでも、ガンは出てこないかも(笑)。
■『ブラック・ダラー』はゲットーのギャングじゃなくて、そこを植民地化しようとしているギャングを描いているとも言えるからね。
清野:石油が出てから銀行とホテルが乱立して、「怪しい人がめちゃ増えた」と友だちが言ってたけど、採掘はじまったのはつい最近だから。まあ、夜中にひとりでタクシー乗ったら、それは危ないけど、昼間は普通な感じですよ。
■今日、話を聞いてあらため思ったのは、たしかに『レイヴ・トラヴェラー』とは裏表の関係なのかなというか、『レイヴ・トラヴェラー』世代がそのまま大人になった内容になっているんじゃないかと。
清野:対になってるところはありますね。
■物語の最初は、ボブ・マーレーやレゲエの曲名ではじまっているのに、最後のほう......
清野:最後は"サーチ&デストロイ"! パンクになって終わっているという(笑)。そういや、『レイブ・トラヴェラー』のはじまりも、ロンドンのフィンズベリーパークにセックス・ピストルズの再結成ライヴだったわ。
■はははは。そこは自分の趣味でしょ!
清野:そんな夢はいつまでも続かないんだ。どんなあざやかな記憶でも、薄れてしまうかもしれないなんて......っていうことでリアルな世界に入っていくんだけど。出てくる人物は、誰一人純真無垢じゃない。しかも、全員ちぐはぐなことをやっている。気づいた時にはロシアンルーレットの一人になって......。
■ネタバレになっちゃうから、このへんにして。次に書きたいことは何?
清野:『レイヴ・トラヴェラー』からはじまった、ロード・ノベルって名付けたんですが、一連の旅する物語ってヤツはこれでいったん打ち止めかな。『ブラック・ダラー』には20世紀のダメなところが全部出ていると思うんだけど(笑)。石油、医療、金融、情報システム......人類が劇的に増えて技術が進歩したというけど、目の前に空間が存在することすらまだ証明できてない。人間はまったく進化してないどころか、むしろ退化しても生き残ってきた。そんな生きものって、他にいないんじゃないのかな。扱いきれないとわかってる原発作ってみたり、およそろくなもんじゃない。でも、過去のこと考えてみたり、未来にどんな世界があるのかって想像するのも、たぶん人間ぐらいだと思うんです。それがどんな世界だろうが、あがったりさがったりしてるほうが面白いに決まってるでしょ(笑)。そんな意味でも、『レイヴ・トラヴェラー』を読んだことがある読者にこそ、『ブラック・ダラー』を読んで欲しいなと思っています。
清野栄一:1966年福島生まれ。出版社勤務後、20代前半から世界各地を旅し、写真家を経て文筆業へ。小説、旅行記、ルポルタージュなどを執筆。『RAVE TRAVELLER 踊る旅人』(1997年)、『デッドエンド・スカイ』(2001年)、『テクノフォビア』(2005年)など。
DJ Schedule
10/5(Sat.)@新宿・風林会館
10/6(Sun.)@山梨・野外・@地球大使館
10/12(Sat.)@大阪・Circus
10/14(Mon.)@代官山・AIR
10/14(Mon.)@渋谷・After The Camp@渋谷・J-Pop-Cafe
10/18(Fri.)@新宿・音
10/19(Sat.)@米子・Hasta Latina
10/20(Sun.)@渋谷・O-NEST
10/25(Fri.)@博多・ブラックアウト
10/26(Sat.)@小倉・ロックアロウズ
11/2(Sat.)@新潟
11/3(Sun.)@恵比寿・Liquid Room
11/9(Sat.)@名古屋・Vio
HP : https://www.djyogurt.com/
Twitter : https://twitter.com/YOGURTFROMUPSET
Facebook : https://www.facebook.com/djyogurtofficial
2012年から2013年にかけて自分が小箱でDJする時に頻繁にDJプレイした10曲で、大箱や野外PartyではほとんどDJプレイする機会の無い曲揃いでもあるという今回のTop10 Chart。Downbeatとか、Lowbeatとか、BarealicとかCosmidとか......なんて呼んだらイイのかわからない、ジャンル分けが難しい「遅くて、気持ちイイ曲」ばかり。全て12inch(10曲目のみ10inch)。
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Tornado Wallace - Thinking Allowed - ESP Institute 12inchで収録曲全曲がロービートでイイ感じの出来の事は珍しいけど、この12inchは珍しくイイ感じのロービートが3曲。生音と電子音の組み合わせ方がNice。 その中でもCloud Country (Original Mix)は特に好き。 https://youtu.be/S2xR2xxRH2o |
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Rocco Raimundo - Love Grow - House Of Discorecords A-2"Love Glow"というタイトルのThe Pendletons"Waiting On You"のEditが最高過ぎ。オリジナル以上の高揚感をもたらす仕上がりで、こういうEditを聴くとまだまだ新作Editもののチェックは止められないと思う。 https://mox.tv/video/rocco-raimundo-love-glow |
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Philipp Matalla - Lack Of Loss - Kann Records A-1"Lack Of Loss"のみをDJプレイ。これこそ「何のジャンルかわからないけど、やたら心に残る曲」な気も。いちおうJazz Abstruct Ethnic Low beatとかなんとか形容してみたり。 https://soundcloud.com/kann/philipp-matalla-lack-of-loss |
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Donald Trumpet - Down For The Fourth Time - Better Days Records Inc こういうEditに自分はホントにヨワイ。2012年末に12inchで出たけど、よくDJプレイしたのは冬ではなくて2013年夏。小箱でDJする時に特によくかけてた。Joey NegroのEditは音質も良くて、DJの時に使いやすいのも好み。 https://soundcloud.com/joeynegro/donald-trumpet-down-for-the |
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Detroit Urban Gardening Ensemble - Take Root - OHA どこかPatrick Palsingerがやっていたイカしたユニット"Sluts'n'Strings & 909"を思い起こさせる、Funkyかつ少しだけJazzyでもある、Electric Low Beat。Groove感がお約束なノリではなくヒネりが効いている上に、使っている音が刺激的。それにしてもこのレーベルは次にどんな曲をリリースしてくるか、全く読めない......。 https://soundcloud.com/daverendle/the-detroit-urban-gardening-ensemble-take-root |
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Mermaids - Run With The Night - Foto Records U.K.のGlasgowのLabelから出たコンピ12inchの中のB-1。じわ~っといい塩梅に仕上がっている、フィルター使いが目立つDisco声ネタを散りばめつつ進行していき、歌が始まるのは5分以後......そこまでLong Mixで引っ張りたいところ。 https://www.youtube.com/watch?v=gp7bksr1qS8 |
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Suonho - Bara Limpa - Suonho In Brazil Vol.1 2012年にリリースされた12inchながら、2013年もDJプレイし続けている、Barra Limpa (suonho Natural Latinjazz Touch)をB-1に収録。イタリアのSuonhoによるEditで、他のEditはベタ過ぎるキライもあって全然DJプレイしていないけど、このB-1は別格。原曲の良さを引き出している傑作Edit。 https://soundcloud.com/suonho/barra-limpa-suonho-natural |
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Frank Booker - Synchro System - KAT ナイジェリアの大スターだったKing Sunny Adeが1983年にIslandからReleaseしたヒットシングルのEdit。原曲の出来がイイだけに、あれ以上の出来に仕上げるのは難しいけれど、Dubbyなエフェクトを加え、リズムの低音を強化することで、原曲よりもDJがクラブ等でかけやすい仕上がりになっていて、2013年に自分がよくかけたEditの一つに。 |
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Sad City - What I Talk About - Phonica Records U.K.で長年Record Shopとして営業しているPhonicaのLabelから。Washed outをさらにDubbyに、Trippyに仕上げた感じもあるような、DJプレイしやすい曲ではないけど、たまにかけたくなる曲。 https://soundcloud.com/phonicarecords/sad-city-what-i-talk-about |
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Todd Terje - Snooze 4 Love version - Running Back この曲は厳密にはLowbeatじゃなくて、BPMは120あるけど、キック等の低音がほとんど無いAmbient仕様。70年代後半のAsh Ra Templeの曲のような気持ちイイ浮遊感が味わえる、電子音がMinimalに柔らかく鳴り続ける曲。あまりDJプレイする機会が無いけど好きな曲で、今年は恵比寿のTime Out Cafeで真夜中にAmbient度の高い選曲でDJした時にプレイ。 https://www.youtube.com/watch?v=m9MLMt0f3XE |
サン・アロー(Sun Araw)ことキャメロン・スタローンと、待望の再来日のアナウンスで話題のアクロン・ファミリー(Akron Family)やワーム・クライメイト(Warm Climate)でも活動するゲド・ゲングラスはコンゴスとのコラボレーション・アルバム『アイコン・ギヴ・サンク』をブッチー・フーゴー(Butchy Fuego)の協力のもと、2012年で最もチルなレコードに仕上げた。
その舞台裏@〈グリーン・マシン・スタジオLA〉にて一見、ボングを片手にカウチに沈みこんで弛緩していた僕はその実、彼等のダブ・ミックスにかける情熱とひたむきさに感動していた。一見すると単にストーンしているアホに見えたかもしれんがね。
......と同時に彼等の制作の進行ペースのスロ~~~~~ウっぷりにも驚嘆した。当時のゲドの言い訳曰く、そもそもジャマイカにておこなったレコーディングが、コンゴスの連中によってLAに送られてくる過程までがジャマイカ的時間感覚で進行したらしく、そのミックス処理を彼等がLA的時間感覚で作業するとなれば、それはまさしく彼等が放つクオンタイズされないビートとグルーヴの如きズッコケ・スクリュード進行ペースとなるのは必然であろう。
CMSG(セレブレイト・ミュージック・シンセサイザー・グループ)はそんな"アイコン・ギヴス・サンク"の裏番組とも呼べる豪華なプロジェクト・バンドだ。キャメロンとゲドを一身に浴びるブッチーは、最近ではボアダムズのコラボレーターと言った方が通りがいいが、ピット・エル・パット(Pit Er Pat)のブレインであり、またLAのイケてる楽器屋〈フューチャー・ミュージック〉で働く。そのスーパー・チルな人柄や自らのクリエイティヴィティーによる尽力を惜しまない地元愛ゆえ、ローカル・ミュージシャンからの厚い人望を得ている。
アイコン~での共同制作にはじまった彼等のジャム。そのゲドとブッチーによる偏執的なシンセジスと職人芸のマスタリングにお馴染みとなったキャメロンのズッコケ感覚がフィーチャーされるサウンドは、決して彼等のファンを裏切ることはないだろう。......というか、ぶっちゃけテクノ盤サン・アローです。
これ、ぜひ見に来て欲しいです! ラップとロックとユーモア......21世紀の東京に忽然と現れた現代版ポップ・ウィル・イート・イットセルフ、トラブル・ファンクの隠し子、またの名をカタコト。ele-king presents 「ANTI GEEK HEROES vol.2」は、ゲストにSeihoとLUVRAW & BTBを迎え、10月27日(日曜日)下北沢スリーにて開催です!! 何気に良いメンツでしょう。
カタコトのTシャツ、前回は1時間ぐらいで売れ切れたので、来る人は早めに来て下さいね。セイホーのDJも聴けるからね。7時からのデイ・イベントなので、ふだんクラブに入れない未成年の方でも入れますよ。では待ってマース。
10.27 (sun) 下北沢 THREE
OPEN 18:30 / START 19:00
ADV 2,300 yen / DOOR 2,800 yen (+ drink fee)
LIVE: Seiho / LUVRAW & BTB / カタコト
*公演の前売りチケット予約は希望公演前日までevent@ele-king.netでも受け付けております。お名前・電話番号・希望枚数をお知らせください。当日、会場受付にてご精算/ご入場とさせていただきます。
INFO: THREE 03-5486-8804 https://www.toos.co.jp/3
■Seiho
1987年生。ビートメイカー、DJ、VJ と音楽や映像など媒体の垣根を越え表現をし続けるマルチアーティスト。既に各地で話題となっている注目の新レーベル〈Day Tripper Records〉を立ち上げ、1st album「MERCURY」を発表。最先端電子音楽を発信するネットレーベル「+MUS」からもEPを発表するなど活動は現場、ネットに限らない。
天才的な楽曲センスでHip Hopからポスト・ダブステップ、チル、音響系等あらゆるビートを駆使しながら畳み掛ける彼のLIVEは必見。日本人では初となるSonar Sound Tokyo2012,2013へ2年連続出演、Gold Panda /Matthewdavid /Star Slingerなど世界的アーティストとの共演、MTV2013年注目の若手プロデューサー7人に選ばれるなど "今"の音を刻む数少ないアーティストの1人。
HP: https://daytripperrecords.com/
Twitter: https://twitter.com/seiho777
■LUVRAW & BTB (Pan Pacific Playa)
フロム・ヨコハマの特殊プレイヤー集団、パンパシフィックプレイヤ(通称PPP)所属。アーバンメロウ、ペイサイドディスコ感覚のサウンドを基調としたツイントークボックスデュオの決定版。チューブを咥えた二体のロボ声ハーモニー。バックDJのMr.MELODY、司会のヒューヒューBOY、たまにギターのKashif、ダンサーのTANiSHQと共に、全国各地、時間場所を選ばずナイスなパーティーやホットなイベントで、チョットおとなのライブを展開中。(レイドバックした素敵な夜にドハマリ!)イナたいながらも何処かスムースなハデさがありますので、大物ゲストの前座にもまぁまぁ適しております。(So Sweet Breaze!でございます)
これから貴方が訪れる全ての海岸や、お気に入りの夜の風景、そして誰かと過ごすサンセットタイム。そこでL&Bのトラックが貴方の心に触れること、、そんな妄想をヌルりと詰め込んだ音楽CD/Vinyl/mp3を製作して発売中。全作品のジャケットは菱沼彩子氏が担当。最高のコピー -夏はやっぱりチューブでしょ?- の1stアルバム「ヨコハマシティブリーズ/2010」は初期クラシック集に、冷やし中華風の、-夏のおもいで はじめました-がムーディーさを誘う2ndアルバム「HOTEL PACIFICA/2011」を中心に、様々なアーティストの客演/楽曲提供/REMIX作品等も好評頂いております。
近作では「seiho+LUVRAW&BTB / Lady are you Lady」(free download )、
「サイプレス上野とロベルト吉野/ヨコハマシカfeatOZROSAURUS」、「七尾旅人/サーカスナイト(Seaside Magic of L&B REMIX)」、一十三十一のアルバム「SurfbankSocialClub」への参加 etc...
PPP主催のパーティーやWebにて突如発表される音源集、メンバーそれぞれの多岐にわたる活動等も諸々活発に行っておりますので、最新情報はコチラへCheck淫☆
いつも愛の一点張りで、もしかしてエンドレス?な、レイドバック前戯(おイタ)をどうぞお試しあ〜れ〜〜◎
そして今夜も、、、甘く切なくやるせない。
■カタコト
メンバーは、 RESQUE D(MC)、MARUCOM(Guitar)、YANOSHIT(MC)、K.K.C(Bass)、FISH EYE(Drum)という謎の5人。蟹と犬が大好きで、動物とは大体仲が良い。野田努曰く、「トラブル・ファンクとPWEIの隠し子でありビースティー・ボーイズの『チェック・ユア・ヘッド』」「日本のブラテストホープ、ナンバー・ワンであることは間違いない!」等など。ラップあり、ローファイ・ロックあり、ファンクあり、パンクあり、弾き語りあり、涙も笑いもなんでもあり!
HP: https://www.katakoto.info/
Twitter: https://twitter.com/katakoto5
アルーナジョージを聴いていて僕が思ったのは、ポスト・ダブステップと呼ばれるフェーズは終わりを迎えたんだろうということで、"ユア・ドラムス・ユア・ラヴ"のよくできたポップスぶりを聴いていると、もしくは、僕は行けなかったがディスクロージャーと共演したライヴの盛り上がりぶりを思えば、文字通りダブステップの「ポスト」で起こったことは、ポップへと移行し消費される段階に来たのだろうと、と(もちろん、ダブステップはEDMとしてすでに消費されている)。それ自体は決して悪いことではないと思う。表舞台でガツガツひとを踊らせるアクトもいれば、たとえばマウント・キンビーのように、まだ名前のついていないその先を目指す探求者もいるからだ。移ろうときのなかで、それでも新しいものが出てくる可能性はいつでも潜んでいる......メディアがそれにうまく名前をつけられなくても。
そのタイミングで聴くマシーンドラムの通産10作目にして〈ニンジャチューン〉移籍後第1作となる『ヴェイパー・シティ』にはどこか、ポスト・ダブステップ時代を総括するようなムードがある。『ele-king vol.11』のインタヴューで「ポスト・ダブステップっていう呼び方はキライだ」と笑っていた彼、トラヴィス・スチュワートは優れた批評家でもあるのだろう。それは感覚的なものかもしれないが、ここからはダブステップ、ジューク、IDM、アンビエント、さらにはチルウェイヴやチル&ビーの反響も聞こえてくる。そして何よりも、それらの横断を滑らかな手つきで編集している。
本作のコンセプトはスチュワートが夢で見たという大都市であり、トラックのそれぞれがその都市の一区画を示しているそうだが、そのこと自体が現在のエレクトロニック・ミュージック・シーンのメタファーとして機能しているようだ。ハイブリッドなアルバムだが、トラックごとにとてもよく整理されている。まず、ジュークからの影響が色濃いリード・シングル"アイズドントライ"や、オープニングの"ガンショッタ"。アブストラクト・ヒップホップの出自を思わせる"ドント・1・2・ルーズ・ユー"。ビートレスのアンビエント"ヴィジョン"。そして、スペイシーなシンセ・トリップ"シーシー"......この耽美なまでの陶酔感はアルバムのなかでもハイライトだ。抜きん出てドリーミーな"ユー・スティル・ライ"があれば、クロージング"ベイビー・イッツ・ユー"ではジェシー・ボイキンス3世の歌声によってソウルにまで分け入っていく。夢というキーワードによるサイケデリアはたしかにあるが、それらはごちゃ混ぜにならない。この都市はきちんと区分けされている。
ここに彼自身の強い個性を発見するのはたしかに難しいかもしれない。が、特定のジャンルやムードに入り込んでしまわない慎ましさこそが、いくつもの名義を持ち、また、スキューバ主宰の〈ホットフラッシュ〉や〈プラネット・ミュー〉、〈ラッキー・ミー〉とさまざまな先鋭的なレーベルを渡ってきたスチュワートらしさと逆説的に言える部分もあるだろう。エレクトロニック・ミュージックの移り変わりの速さやジャンルの細分化は何かと好意的に見られないことが多いが、マシーンドラムの『ヴェイパー・シティ』においては、それらこそが内包されてひとつのコンセプトになっているように感じられる。そしてそれは、インターネット時代の21世紀のリスナーの感覚とスムースにシンクロしている。情報量の多さがしかし、洗練されて心地よいアルバムだ。
【 AKRON FAMILY】

「この雑食動物たちは人食い族である。この50年間のポップ/ロック音楽を挽肉器でミンチにして、電解液とハチミツを加えて発酵させたような......。彼らがこれほど貪欲な獣と化すとは、誰が想像し得ただろう。」マイケル・ジラ(スワンズ)
2002年にニューヨークでの共同生活から現れたアクロン/ファミリー。いまやメンバーはポートランド、ロスアンジェルス、ツーソン......とバラバラに生活しているけれど、この距離感がさらなる奇跡を生み出したのか、3人が集まったときの激烈マジックと言ったら! そんな奇跡に溢れた最新作『サブ・ヴァ―シズ』は、とにかくヴォリュームがハンパなかった。もうお腹一杯なのに、さらに食べさせられ、そしてコッチもまだまだガンガン食べられちゃう......そんなモーレツな作品に仕上がっていたのです。
そして今作のプロデュースはSunn O)))、Earth、Boris、Wolves In The Throne Roomなどを手掛けていた大注目のRandall Dunn。ジャケット・デザインはSunn O)))の御大Stephen O' Malley。そんなわけで最新型アクロン/ファミリーは、ドゥーム〜ハードコア〜エクスペリメンタル・エッセンスがバリバリの強靭轟音モードに。ノイズやらメタルやらインダストリアルやら雄叫びやらが大爆発し、ジャズ、プログレ、サイケ、アフロ、ファンク、エスノ、ジャム......と目まぐるしく大展開。しかしそんな刺激的なサウンドに乗っかるメロディー、ハーモニー、唄心の美しさがこれまた別次元であり、それらは彼等最大の武器でもあります。ソウル、ゴスペル、ブルースの魂も確実にアクロン/ファミリーには存在しているのです。
過去二度にわたるジャパン・ツアーでその圧倒的パフォーマンスもお墨付き。イルカ風船が舞い、花火をして怒られた1回め。灰野敬二と怒濤のセッションを繰り広げ、呆れられた2回め。ともに年間ベスト・ライヴに挙げられたほど、彼等のライヴは凄まじく、そして心底楽しい。共演者との合体タイム、お客さんをステージに上がらせてのドンチャン・コーナー。怒濤のノイズコアで発狂したかと思えば、激メロ&ハーモニーでしっとり優しく......ああ! アクロン/ファミリーのライヴは本当に本当に素晴らしい! ぜひぜひご一緒に叫び、踊り、笑顔で涙しようではありませんか!!
【Boris】代官山UNIT公演出演!

【Moan a.k.a Shinji Masuko】名古屋APOLLO THEATER、大阪CONPASS公演出演!

【skillkills】浜松G-SIDE公演出演!

【のいず】浜松G-SIDE公演出演!

エレクトロ・ゴシック・ガールズ・バンド「のいず」。おもしろおかしい奇妙な曲の展開にドッキドキ! 私たち、はずかしガリーなんですっ! 照
ele-king presents AKRON/FAMILY Japan Tour 2013
■12/4(水) 代官山UNIT (03-5459-8630)
AKRON/FAMILY / Boris
adv 5,000yen door 5,500yen (without drink)
open 18:00 start 19:00
チケットぴあ(Pコード:213-844)
ローソンチケット(Lコード:77662)
e+
(チケット発売10/5〜)
■12/5(木) 名古屋APOLLO THEATER (052-261-5308)
AKRON/FAMILY / Moan a.k.a Shinji Masuko(Boredoms,DMBQ)
adv 5,000yen door 5,500yen (without drink)
open 19:00 start 19:30
チケットぴあ(Pコード:214-017)
ローソンチケット(Lコード:43376)
e+
(チケット発売10/5〜)
■12/6(金) 大阪CONPASS (06-6243-1666)
AKRON/FAMILY / Moan a.k.a Shinji Masuko(Boredoms,DMBQ)
adv 5,000yen door 5,500yen (without drink)
open 18:00 start 19:00
チケットぴあ(Pコード:213-846)
ローソンチケット(Lコード:59288)
e+
(チケット発売10/5〜)
■12/7(土) 浜松G-SIDE (053-541-5067)
sone records & Super Go!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!! presents
// FLASH NIGHT SPECIAL vol.5 /
AKRON/FAMILY / skillkills / のいず / DJ:BlaqCZA
adv 3,500yen door 4,000yen(without drink) ※限定100名
open/DJ start 18:00
前売りチケットはメール予約のみとなります。
(10/14(祝・月)PM1:00より前売り予約受付開始)
info@sonerecords.com
までメールタイトルを「AKRON/FAMILY」としていただき、
お名前、人数、連絡先を明記のうえ、送信してください。
こちらから予約確認の返信メールを送信させていただきます。
その時点で予約完了となります。
予定数(限定100名)に達し次第受付終了となりますので、確実に見たい方は御予約をよろしくお願いいたします。
浜松公演INFO :
sone records
https://www.sonerecords.com
tel:053-453-8852
■12/8(日) 渋谷O-nest (03-3462-4420)
AKRON/FAMILY
adv 5,000yen door 5,500yen (without drink)
open 18:00 start 19:00
チケットぴあ(Pコード:213-980)
ローソンチケット(Lコード:77661)
e+
(チケット発売11/23〜)
*浜松公演を除く各公演のチケット予約は希望公演前日までevent@ele-king.netでも受け付けております。お名前・電話番号・希望枚数をメールにてお知らせください。当日、会場受付にて予約(前売り)料金でのご精算/ご入場とさせていただきます。
主催・制作:ele-king / P-VINE RECORDS
協力:シブヤテレビジョン / sone records / Super Go
TOTAL INFO:ele-king / P-VINE RECORDS 03-5784-1256
event@ele-king.net
www.ele-king.net
『サブ・ヴァ―シズ』
PCD-93697
定価2,415yen
解説:福田教雄
Amazon
1. No-Room
2. Way Up
3. Until The Morning
4. Sand Talk
5. Sometimes I
6. Holy Boredom
7. Sand Time
8. Whole World is Watching
9. When I Was Young
10. Samurai

Miles Cooper Seaton(AKRON/FAMILY)Solo Tour 2013
12/10(火)
『Miles Cooper Seaton(AKRON/FAMILY)
supported by THISIS(NOT)MAGAZINE
出演:Miles Cooper Seaton (AKRON/FAMILY) / 旅行気分(名古屋)/ DJ Thrushez a.k.a. kamitani (ex.サージェリーアフロ)/ DJ のうしんとう
会場:名古屋KAKUOZAN LARDER https://tabelog.com/aichi/A2301/A230107/23048923/
OPEN/START:20:00
料金:前売予約1500円+1ドリンク 当日2000円+1ドリンク *限定30名!
INFO:THISIS(NOT)MAGAZINE tkbcdef@gmail.com
https://www.facebook.com/events/229454407221588/?source=1
12/12(木)
『感染ライブ』
出演:Miles Cooper Seaton (AKRON/FAMILY) / THE OBSERVATOR(from singapore) / Llama / 魚雷魚 / and more
会場:京都メトロ https://www.metro.ne.jp/
OPEN:18:30
料金:980円(ドリンク代はかかりません)
INFO:京都メトロ 075-752-4765
https://www.metro.ne.jp/
12/13(金)
『Miles Cooper Seaton(AKRON/FAMILY)
出演:Miles Cooper Seaton (AKRON/FAMILY) / 丸尾丸子
会場:もしも屋 音楽室 https://moshimo-ya.com/
OPEN:18:30 START:19:00
料金:前売予約2000円+1ドリンク 当日2500円+1ドリンク
①お名前②人数③連絡先を明記の上、mail@moshimo-ya.com までお申し込みください。
※25名様限定。申し込み先着順となります。
INFO:もしも屋 音楽室 075-748-1181
https://moshimo-ya.com/
12/14(土)
『SuperGo!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!』
出演:Miles Cooper Seaton (AKRON/FAMILY) / NObLUE(K'DLOKK) / ryohadano
会場:浜松 中区 田町 creative lab AmaZing
OPEN:18:30 START:19:00
料金:前売予約2500円 当日3000円
(限定50名)
※前売りチケット予約はメールのみとなります。 supergo1214@gmail.com 宛へ「件名」に「予約」としていただき、「本文」にお名前、枚数、連絡先を明記の上、送信下さい。
こちらからの返信をもって予約完了とさせて頂きます。
INFO:SuperGo supergo1214@gmail.com
12/15(日)
『逆まわりの音楽 その10~アーリントン・デ・ディオニソの24時間ドローイング・パフォーマンスのグランド・フィナーレ篇』
出演:アーリントン・デ・ディオニソ、マイルス・クーパー・シートン(アクロン/ファミリー)、一樂誉志幸(FRATENN)、nan!ka?(shibata+マコハセガワ)
会場:立川・砂川七番 ギャラリー・セプチマ https://galleryseptimablog.blogspot.jp/
OPEN:17:00 START:17:30
料金:2000円(予約/当日とも)
チケット予約及びお問い合わせ:
・スウィート・ドリームス・プレス(www.sweetdreamspress.com)
・安永哲郎事務室(www.jimushitsu.com)
・ギャラリー・セプチマ(https://galleryseptimablog.blogspot.jp/)
リチャード・シャルティエの新作が〈ライン〉からリリースされた。2012年12月には同レーベルからソロ作品『リカレンス』を発表し、続く2013年2月に、ウィリアム・バシンスキーとのコラボレーション・アルバム『オーロラ・ルミナス』をリリースした後、一年も待たずにソロ新作である。近年のシャルティエはコラボレーション・ワークを通じて、自身の創作に大きなフィードバックを得ているのだろか(さらに2012年には、ローバート・カーゲンヴェンとの『ビルトスルー』もリリースし、新名義ピンク・カーテシィフォンのアルバムも〈ライン〉と〈ルーム40〉から発表している!)
実際、近年のシャルティエの音楽/音響は、いわゆる「ロウアーケースサウンド」ではない。ロウアーケースサウンドとは、人間の可聴領域ギリギリの周波数や極めて小さな「ほとんど聴こえない」音響を交錯させる音響ムーヴメントのこと。スティーヴ・ロデンによって提唱され、90年代から00年代初頭にかけてバーナード・ギュンダーやキム・カスコーンらによって広まっていった。シェルティエは、デジタルサウンドによって人間の可聴領域を超えた音を生成し、ロウアーケースサウンドの「完成」を決定的なものとしたアーティストである。
このムーヴメントは音の「聴こえる/聴こえない」という二項対立を無化する試みを、音楽自体によって問い直すというラディカルな試みであった。だが「ほとんど聴こえない小さな音」という手法のみがクローズ・アップされると、それは必然的にクリシェ化してしまう。技法の洗練はラディカルな試みに対して反動ともいえるし、結果として「美学的」な態度のみが要請されるようになってしまう(儚くも小さな音?)。事実、シャルティエ自身もその問題に意識的なのか、しだいに(主にコラボレーション・ワークを通じて)作風が変化してきた。
では、ロウアーケースサウンド以降、問い直すべき問題はどこにあるのか。そもそもロウアーケースなサウンドとは、単に小さい音や、その小さい音に耳を澄ますことのフェティッシュなリスニングへの誘い(通俗化されたケージ的な美学?)というよりも、20世紀末から21世紀初頭における音響による都市/社会環境論でもあったとしてみよう。
ポスト工業化/情報化社会以降、都市のノイズに情報すらもミックスされ急速に変化していく時代において、微細な音をサイエンティック/マテリアリズムから生成し再び世界の環境へと放つこと。スピーカーやヘッドフォンでの聴取を通じて、それも耳から脳への密室空間に微細な音を注入し、しかしいやおうなく侵入してくる外界の音の交錯によって世界の雑音を浮遊/無化させること。そうすることでノイズに塗れた世界の音響に、汚れていないピュアな音を見出そうとすること。とするいま、「問い直すべき問題」とは「音が小さい」という単なる手法(=思考)の反復から抜け出し、それが本来持っていた社会と音との緊張感に満ちた関係性への考察そのものへと立ち戻ることではないか。
このシャルティエの新作『インテリア・フィールド』は、そのような「環境と音への問い」が、高精度な音響=音楽作品として結実しているアルバムといえよう。先に書いたように本作品は微音量の作品ではない。そして新たに導入されるのが圧倒的なフィールド・レコーディングと、そのエディットなのである。
本アルバムには2ヴァージョンの作品が収録されている。"インテリア・フィールド(パート1)"は、2012年にワシントンで発表された「世界中で行ったフィールド・レコーディングから作り出されたマルチ・チャンネルの作品のステレオ・ヴァージョン」だという。続く"インテリア・フィールド(パート2)"は、1905年にワシントンDCに建設された「川の水を砂で濾過する装置がある施設」で録音された雨の音響を用いている(シャルティエは暴風雨時の録音を特別に許可されたのだという)。ここに展開されるのは、まるでフランシスコ・ロペスの作品のような圧倒的な環境録音であり、かつての微音響とは全く異質の音響空間だ。
"インテリア・フィールド(パート1)"においては、環境音やドローンなどのさまざまな素材が、音空間のなかで再配置されていく。それは次第にリズムのような反復を生み、音響と音楽の境界線を越境するだろう。シャルティエの見事なサウンド・エディットを聴くことができる。"インテリア・フィールド(パート2)"は、はじめは低音ドローンを基調に、いくつかの音響の持続がレイヤーされ、それが次第に、雨の音の粒を録音した環境音響へと変化する。後半はほとんど雨の音が持続するのだ。そして、この雨の音の連鎖には、ほとんど恍惚としてしまう。
わたしは、このアルバムを聴きながら不思議とアンビエント/ドローンの潮流というよりは、最近のクラブ・ミュージック経由のインダストリアル/ノイズのムーヴメントへの繋がりを感じた。70年代末期のインダストリアル・ミュージックが工業化社会への戯画と批判を内包しているとするなら、ロウアーケースサウンドがそれはポスト工業化社会の無数の雑音=ノイズへの批評としての静寂を希求した。その流れを考慮すればロウアーケース以降の環境=音楽が、インダストリアル/ノイズと円環するのは当然のことかも知れない。そういえばフランシスコ・ロペスは、エスプレンドー・ジオメトリコのアルトゥーロ・ランスとバイオメカニカを結成し、アルバムを発表したし、エスプレンドー・ジオメトリコの2013年最新作『ウルトラフーン』ではマスタリングを担当した。
もちろん、本作に激しいビートがあるわけではないが、しかしインダストリアル/ノイズ・ミュージックと共通する不可思議な「儀式性」が内包されているようにも思えたのだ。古い施設の中で録音した環境音には、過去と現在の間に発生する音を通じて、社会の廃墟を「弔う」かのような「儀式性」とでもいうべきか(アルバム名につけられた「インテリア」には「内部/内側/内面」の意もある)。
そしてアルバムの最後に不意に導入される、「音」は儀式の終わりを告げるシグナルのようだ。音響による現在への介入と回帰。現実へと戻ったわたしたちは、この音響空間の持続と生成による儀式を通じて、都市と世界の環境を問い直すようになるだろう。そう、耳の聴取体験による変化は、世界認識の拡張を生み出すのだから。
ロバート・ウォールデンのアートワークは、世界を細胞的に体験/俯瞰するようなこの作品のアトモスフィアを見事に象徴しており、アートワークと合わせてサウンドアート作品として成立しているといえる。近年、より高密度なサウンドアート作品のリリースを続ける〈ライン〉のラインナップにおいても決定的な作品である。



