「IR」と一致するもの

Earl Sweatshirt - ele-king

 でも、そう思わないだろうか? 打楽器、鍵盤、人の声、物音、芳しいノイズ、ピリッとした刺激的なグリッチ……断片の集積としてのトラック。組み合わせによって生まれる豊かな感触の変化。アール・スウェットシャートの作品はいつだって中毒性高く、シャルキュトリーの代表的なメニューの一つである、あの料理を彷彿とさせる。

 それは決してメインディッシュではないかもしれない。どちらかというとオードブルで、ワインやバゲットとともにちびちびと食する。ピクルスやオリーブとともに供され、他に類を見ない複雑な風味は多くの美食家を虜にする。ころころとした肉とクリームのようなレバー。豚肉だけでなく鶏や鴨、仔牛も許容され、それら断片を接続させるのは滑らかな脂身だ。魔術的に配合されたスパイスが決め手であり、ナツメグに白胡椒、ジンジャーパウダー、シナモンが絡み合い味の凹凸を形成していく。仕上げのピンクペッパーはつんと鼻に抜ける尖った爽やかさを生む。あぁ、好奇心をかき立てる味わい。面白く食べ飽きない体験。

 パテ・ド・カンパーニュ。ブロックで大量に作られたそれが数センチずつ切り落とし提供されるさまは、始まりも終わりもなくぶっきらぼうに切断されるアール・スウェットシャートのビートそのものだ。彼の作品群、たとえば2010年代終盤のオルタナティヴなヒップホップの潮流を印象づけた『Some Rap Songs』で披露されるシームレスなビートの垂れ流し/短くも濃密な音の連なり/くぐもったような質感は、フックとメロディに重心が置かれるようになり類型化したヒップホップへのカウンターとして機能した。と同時に、いま述べた特徴はそのままパテ・ド・カンパーニュが有する芳醇な味わいへと重ねられる。そもそも、メインディッシュへと欲望を重ねゆっくりと加速するコース料理において、オードブルで食されるパテの反メインディッシュとしての態度は異様さを放っていないだろうか。断片だらけの素材を練り合わせた製法自体が、肉や魚といった素材ひとつを大きく使ったメインディッシュの「顕示/誇示性」から大きく距離をとったアプローチと言えるが、それはアールのビートはもちろん、ループを重ね抑揚を喪失した彼のラップにも通じる点だろう。低めの温度でゆっくりと火を入れることによって絶妙な柔らかさでの完成を見る点も、ぼそぼそとしたラップでビートを耕していく様子に近いものを感じる。むしろ、パテ・ド・カンパーニュもアールの作品も、スニペットとして一見フックもメロディもないような印象だが、何度も鑑賞を重ねるにつれ音がほぐされていき、全てがフックとメロディになっていくようなマジックがある。

 シャルキュトリーは元来、保存性を高める目的で使われていた塩漬け等の技術が肉の旨味を次第に引き立てるという発見によって生まれた料理だ。アールの感性にも同様の手つきと効果を観察できる。強められた塩分=一聴すると刺々しいレコード・ノイズやくぐもった音処理によってぐにゃりと曲がったビートの味が立ち、楽曲全体が引き締まる。過去のさまざまなサンプリング素材が新たな生を授かり、全く別の料理として保存=再生される。

 ところが最新作『SICK!』は、その塩加減に微妙な変化が観察されやしないだろうか。ブラック・ノイズ(Black Noi$e)やジ・アルケミストといったプロデューサーに託したビートはわずかながら解像度が上がり、鮮明になった。『Some Rap Songs』リリースの前に父親を亡くしたアールが今作の制作時にはついに自ら父親になったという、プライベートでの大きな変化が背景にあるのかはわからない。実父は高名なアフリカの文学者・Keorapetse Kgositsile であり、アール自身ことばの人として、メタファーを断片的に散りばめていく優れたリリックを綴ることでも評価されてきた。ただ、その作品中にまで肉親の声を閉じ込めてきた彼ゆえに、塩加減の絶妙な変化は何かを乗りこえ次のフェーズへと進んだ確かな一歩を象徴しているように思えてならないのだ。トラックの参照元がより現代へ向けてスコープが広がっている点も興味深い。“2010” や “Sick!”、“Titanic” といった曲で、TR-808 を稼働させて鳴らすトラップ・ビートをも「パテ」に回収し保存食とすることにより、早くも2010年代の歴史化を図り次の時代へと進んでいく一歩が示されている。

 『Some Rap Songs』以降、多くの魅力的な「パテ」の変奏が生まれている。さすがに JPEGMAFIA までをそれら一括りにまとめてしまうのは強引かもしれないが、そうでなくともたとえばアーマンド・ハマー(Armand Hammer)『Haram』はもちろんのこと、インジュリー・リザーヴ(Injury Reserve)『By the Time I Get to Phoenix』やチェスター・ワトソン『1997』、ウィキ(Wiki)『Half God』といった作品は肉のヴァリエーションを変え、切断面を変え、切り方を変え、スパイスの種類を変え、多彩な音の実験に挑んでいる。それらテーブルに並んだ作品群を横目に、『SICK!』は一新したマインドによる塩気のバランスで新たな調理に向かっている。パテ・ド・シャンパーニュのねっとりとした不気味さを保ちつつも、パプリカやオニオンの効果によるやや澄んだ音を手に入れた本作はどこかテリーヌのようなクラリティがあり、それゆえにアール・スウェットシャートが次の一歩を踏み出した重要な一枚として今後位置づけられるだろう。そうだとするならば、よりマッチするのは白ワインかもしれず、暗い部屋はもちろんだが明るめの場で社交とともに嗜むのも一興で、……

※参考文献:荻野伸也『シャルキュトリー教本──フランスの食文化が生んだ肉加工品の調理技法』(誠文堂新光社)2014年

Revenge of the She-Punks Compilation - ele-king

 『女パンクの逆襲』(ヴィヴィエン・ゴールドマン 著/野中モモ 訳)は、このご時世にあって、いや、このご時世だからこそ読まれ続けているのだろう。ディスクガイドでもないしポップスターの評伝でもない、しかも英米白人オンリーでもない、「女パンク」をめぐる言葉は、世界のいろんなところで、それを読んだ女性たちの魂に響き、それを読んだ男性たちの思考に変化を与えているはずだ。
 原書が刊行されてから3年、ついにその本のコンピレーション・アルバムが、来る9月、全28曲、CDで2枚組、アナログ盤で4枚組(そして配信)としてドイツのレーベルからリリースされることになった。

 以下、ヴィヴィエン・ゴールドマンの言葉を抜粋。

   本書は、英米圏に限らず、アフリカ、カリブ海、アジア、東欧、中南米、ヨーロッパ大陸で活動する女性たちによる38曲の歌の背景を語ることで、家父長制の迷宮である音楽業界を突破するためのひな形を提供するものだ。手本となるものが皆無か、もしくはほとんどないなかで、いかに女たちがいち音いち音に新しい基準を打ち立て、閉塞状況に風穴を開け、伝統や期待を打破しながら自己表現のできる音楽家となったかのかを著している。残念ながら、そのすべての音楽を収録することはできなかったものの、ここに心揺さぶる代表的な作品を紹介することができた。この本の核となるテーマ、つまり、どこにいても私たちをつなぐ、生きるための基本的な事柄について、世界中の女性アーティストたちがどのように心を動かされて歌っているかがわかるだろう。 (略)  このコンピレーションのシークエンスにおいて重要なことは、歌詞よりもリズムとサウンドに導かれ、私たちの創造性の幅を音で表現することだった。私のパンクに対する見解は、このジャンルを熱狂的な音の総攻撃として崇拝する向きに固執することではない、むしろその精神に基づいている。とくに女性アーティストの道は男性のそれよりも険しいことが多々ある。(略)しかし、これらのトラックで聴けるように、そのあらゆる形態において、激しいサウンドであろうと柔らかいサウンドであろうと、パンクは抵抗の音楽であり、女性のパンクはとくにそうなのだ。  私たちは、アメリカで、そして長いあいだ女性に抑圧的であることで知られていた国々でも、とくに同一賃金や中絶に関わる問題など、人間の基本的な能力が複数の面で攻撃を受けているシステムを変えようと、自分たちの音楽を用いて憤怒しつづけている。創造性を諦めず、音楽をもって環境を整え、自分の空間を作り自己実現したアーティストとして生きてきた女性たちの、とても必要で、しかも多くの場合、あまり知られていない声へようこそ。

ヴィヴィエン・ゴールドマン


Various Artists
Revenge of the She-Punks Compilation

Inspired by the Book by Vivien Goldman
2-CD / 4-LP and Digital Download – Released September 30th 2022 on Tapete Records
https://shop.tapeterecords.com

Tracklist
1) Tanya Stephens – Welcome To The Rebelution
2) Au Pairs – It’s Obvious
3) X-Ray Spex – Identity
4) Fea – Mujer Moderna
5) The Bags – Babylonian Gorgon
6) Fértil Miseria – Visiones de la Muerte
7) Crass – Smother Love
8) Rhoda with The Special AKA – The Boiler
9) Jayne Cortez and the Firespitters – Maintain Control
10) Skinny Girl Diet – Silver Spoons
11) Big Joanie – Dream No 9
12) Malaria! – Geld
13) The Slits – Spend, Spend, Spend
14) Poison Girls – Persons Unknown
15) Bush Tetras – Too Many Creeps
16) Grace Jones – My Jamaican Guy
17) Patti Smith – Free Money
18) Tribe 8 – Checking Out Your Babe
19) Cherry Vanilla – The Punk
20) Blondie – Rip Her To Shreds
21) Sleater-Kinney – Little Babies
22) The Selecter – On My Radio
23) Mo-Dettes– White Mice
24) Shonen Knife – It’s A New Find
25) The Raincoats – No One’s Little Girl
26) Vivien Goldman – Launderette
27) Zuby Nehty – Sokol
28) Neneh Cherry – Buffalo Stance

新世代ホラー2022 - ele-king

いま注目のホラー監督を一挙紹介!!

この夏、続々と公開される新時代のホラー映画!
鬼才ジョーダン・ピールをはじめ、いま注目のホラー作家たちをまとめて紹介!!

■2022話題の新作紹介
『女神の継承』(『哭声/コクソン』のナ・ホンジン原案・プロデュース)
『ザ・ミソジニー』(『リング』『霊的ボルシェビキ』の高橋洋監督)
『哭悲』(世界が戦慄した容赦なきエクストリーム・ホラー)
『X エックス』『ブラックフォン』(現在最重要プロダクション「A24」新作)
『戦慄のリンク』(「Jホラーの父」鶴田法男監督による中国ホラー)ほか

■インタヴュー
高橋洋(『ザ・ミソジー』『恐怖』『霊的ボリシェビキ』(監督)『リング』(脚本))
佐々木勝己(『真・事故物件/本当に怖い住民たち』)

■最新ホラー監督名鑑
ジョーダン・ピール、ジェームズ・ワン、アリ・アスターをはじめ現在注目のホラー作家を一挙紹介!

■執筆陣
伊東美和/氏家譲寿(ナマニク)/片刃/児玉美月/後藤護/高橋ヨシキ/てらさわホーク/中原昌也/はるひさ/ヒロシニコフ/真魚八重子/丸屋九兵衛/三田格/森本在臣/柳下毅一郎/山崎圭司

目次

巻頭特集 新世代ホラーの旗手 ジョーダン・ピール
 ・FILM REVIEW 『ゲット・アウト』(高橋ヨシキ)/『アス』(後藤護)
 ・作家論 ジョーダン・ピールと陰謀論の導入(三田格)
コラム
ブラック・ホラーの系譜(丸屋九兵衛)

特集 2022年夏の新作
『哭悲/SADNESS』(ヒロシニコフ)
『女神の継承』(真魚八重子)
監督名鑑 ナ・ホンジン(真魚八重子)
『ザ・ミソジニー』(柳下毅一郎)
高橋洋インタヴュー(取材:柳下毅一郎)
『戦慄のリンク』(森本在臣)
『ブラック・フォン』(山崎圭司)
監督名鑑 スコット・デリクソン(山崎圭司)
『X エックス』(伊東美和)
監督名鑑 タイ・ウェスト(伊東美和)

コラム
「アートハウス・ホラー」──A24の快進撃(伊東美和)
重要ホラー映画プロダクション(ヒロシニコフ)

新世代ホラー監督名鑑
 ジェームズ・ワン(高橋ヨシキ)
 ロブ・ゾンビ(高橋ヨシキ)
 イーライ・ロス(てらさわホーク)
 ブランドン・クローネンバーグ(森本在臣)
 アリ・アスター(後藤護)
 ジュリア・デュクルノー(真魚八重子)
 マイク・フラナガン(氏家譲寿(ナマニク))
 アダム・ウィンガード(氏家譲寿(ナマニク))
 ジョコ・アンワル(氏家譲寿(ナマニク))
 リー・ワネル(氏家譲寿(ナマニク)
 サイモン・バレット(氏家譲寿(ナマニク))
 ケヴィン・コルシュ& デニス・ウィドマイヤー(氏家譲寿(ナマニク))
 S・クレイグ・ザラー(中原昌也)
 アナ・リリ・アミリプール(氏家譲寿(ナマニク))
 ジェニファー・ケント(はるひさ)
 ロバート・エガース(氏家譲寿(ナマニク))
 ソニー・ラグーナ(氏家譲寿(ナマニク))
 ジェイソン・レイ・ハウデン(片刃)
 テッド・ゲーガン(ヒロシニコフ)
 ブライアン・ポーリン(ヒロシニコフ)
 ジョー・ベゴス(ヒロシニコフ)
 ソスカ姉妹(ヒロシニコフ)
 RKSS(Road Kill Super Star)(ヒロシニコフ)
 アドリアン・ガルシア・ボグリアーノ(はるひさ)
 ジョー・リンチ(はるひさ)
 オネッティ兄弟(森本在臣)
 パノス・コスマトス(片刃)
 ロバート・ホール(ヒロシニコフ)
 トミー・ウィルコラ(はるひさ)
 ドリュー・ボルディック(ヒロシニコフ)
 デヴィッド・ブルックナー(片刃)
 アダム・グリーン(はるひさ)
 ライアン・ニコルソン(ヒロシニコフ)
 マーカス・コッチ(ヒロシニコフ)
 ジェシー・T・クック(ヒロシニコフ)
 フレッド・ヴォーゲル(ヒロシニコフ)
 ジャフ・リロイ(ヒロシニコフ)

INTERVIEW 佐々木勝己(取材:ヒロシニコフ)

FILM REVIEWS
 『キャビン』(後藤護)
 『クワイエット・プレイス』(森本在臣)
 『スクリーム(2022)』(山崎圭司)
 『テルマ』(児玉美月)
 『ラストナイト・イン・ソーホー』(森本在臣)
 『ドント・ブリーズ』(森本在臣)
 『ジェニファーズ・ボディ』(氏家譲寿(ナマニク))
 『バクラム 地図から消された村』(片刃)
 『パージ(シリーズ)』(森本在臣)
 『ファブリック』(片刃)
 『THRESHOLD』(森本在臣)
 『マニアック・ドライバー』(森本在臣)
コラム お薦め配信作品10選(はるひさ)

オンラインにてお買い求めいただける店舗一覧
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TOWER RECORDS
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honto
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Alchemy Records - ele-king

 JOJO広重が1984年に大阪で設立した、関西アンダーグラウンド・シーンを代表するレーベル〈Alchemy〉。自身がリーダーを務める非常階段をはじめ、赤痢やハナタラシ、THE原爆オナニーズや想い出波止場など多くのバンドを送り出してきた同レーベルだが、そのリイシュー・プロジェクト「Alchemy Records Essential Collections」が始動している。
 すでにCDがリリースされ、秋にLPの発売が予定されているものに SOB階段『NOISE,VIOLENCE & DESTROY』、Slap Happy Humphrey『Slap Happy Humphrey』、Angel'in Heavy Syrup『Angel'in Heavy Syrup』、ほぶらきん『グレイテストヒッツ』、赤痢『私を赤痢に連れてって』の5作がある。
 また、Angel'in Heavy Syrup「僕と観光バスに乗ってみませんかc/w春爛漫」(7”)、赤痢『PUSH PUSH BABY~LOVE STAR』(CD/LP)、シェシズ『約束はできない』(LP)、想い出波止場『水中JOE』(LP)、ウルトラ・ビデ『ザ・オリジナル・ウルトラ・ビデ』(LP)の5タイトルも今秋から来年にかけリリース予定。詳しくは下記よりご確認を。

1984年にJOJO広重(非常階段 他)が設立した〈Alchemy Records〉のリイシュー・プロジェクト!

1984年6月にノイズ・ミュージシャンであるJOJO広重が設立した〈Alchemy Records〉。リリース作品はJOJO広重がリーダーをとるバンド非常階段のアルバムをはじめ、ノイズ、パンク、サイケデリックなど幅広いジャンルをフォローしています。
その関西のインディーの雄、〈Alchemy Records〉の代表的なアーティスト/アルバムのリイシュー企画「Alchemy Records Essential Collections」がこの度始動します。


アーティスト名:SOB階段
タイトル:NOISE,VIOLENCE & DESTROY
フォーマット:CD / LP
レーベル:P-VINE
発売日
CD:2022年6月2日(水)
LP:2022年10月19日(水)
品番
CD:ALPCD-1
LP:ALPLP-1
価格
CD:¥2,750(税込)(税抜:¥2,500)
LP:¥4,378(税込)(税抜:¥3,980)
★LP初回完全限定生産
★LP帯付き
★CD盤限定ボーナストラック収録

■トラックリスト
01. INTRODUCTION
02. NOT ME
03. SUDDEN RISE OF DESIRE
04. TRAP
05. FUCK OR DIE
06. NOISE, VIOLENCE&DESTROY
07. RISING HELL
08. LOOK LIKE DEVIL
09. NEVER AGAIN
10. TO BE CONTINUED
11. NEVER AGAIN *CD盤限定ボーナストラック
12. EPILOGUE *CD盤限定ボーナストラック


アーティスト名:Slap Happy Humphrey
タイトル:Slap Happy Humphrey
フォーマット:CD / LP
レーベル:P-VINE
発売日
CD:2022年6月2日(水)
LP:2022年10月19日(水)
品番
CD:ALPCD-2
LP:ALPLP-2
価格
CD:¥2,750(税込)(税抜:¥2,500)
LP:¥4,378(税込)(税抜:¥3,980)
★LP初回完全限定生産
★LP帯付き
★CD盤限定ボーナストラック収録

■トラックリスト
01. 地平線
02. たとえばぼくが死んだら
03. 逆光線
04. センチメンタル通
05. G線上にひとり
06. みんな夢でありました
07. 蒼き夜は
08. ふるえているね
09. スナフキンのうた(Slap Happy Humphrey Ⅱ) *CD盤限定ボーナストラック


アーティスト名:Angel'in Heavy Syrup
タイトル:僕と観光バスに乗ってみませんかc/w春爛漫
フォーマット:7inch
レーベル:P-VINE
発売日:2022年10月19日(水)
品番:ALP7-1
価格:¥2,255(税込)(税抜:¥2,050)
★初回完全限定生産

■トラックリスト
A. 僕と観光バスに乗ってみませんか
B. 春爛漫


アーティスト名:Angel'in Heavy Syrup
タイトル:Angel'in Heavy Syrup
フォーマット:CD / LP
レーベル:P-VINE
発売日
CD:2022年7月6日(水)
LP:2022年11月2日(水)
品番
CD:ALPCD-3
LP:ALPLP-3
価格
CD:¥2,750(税込)(税抜:¥2,500)
LP:¥4,378(税込)(税抜:¥3,980)
★LP初回完全限定生産
★LP帯付き
★CD盤限定ボーナストラック収録

■CD/LPトラックリスト
01. S.G.E (Space Giant Eye)
02. きっと逢えるよ
03. ぼくと観光バスに乗ってみませんか
04. Underground Railroad
05. My Dream
06. Crazy Blues(bonus track) *CD盤限定ボーナストラック


アーティスト名:ほぶらきん
タイトル:グレイテストヒッツ
フォーマット:CD / LP
レーベル:P-VINE
発売日
CD:2022年7月6日(水)
LP:2022年11月2日(水)
品番
CD:ALPCD-4
LP:ALPLP-4
価格
CD:¥2,750(税込)(税抜:¥2,500)
LP:¥4,378(税込)(税抜:¥3,980)
★LP初回完全限定生産
★LP帯付き

■CDトラックリスト
01. 私はライオン
02. いけいけブッチャー
03. 牧場の少女
04. アックンチャ
05. 山はサンタだ
06. 陽気なサイパネ人
07. こがねむし(黄金虫)
08. ピーピーパピパピー
09. 暴れん坊将軍K
10. 村のかじや
11. 頭がほしい
12. ペリカンガール
13. アメリカこけし
14. 魚うり
15. ゴースン
16. センチメンタル・ヘッケル(カラオケ)
17. 単位踊
18. とんがりとしき
19. どまぐれじんぎ
20. 京阪牛乳
21. はちぶんぶ
22. かもられてかも
23. まらだしガンマン危機一髪
24. 金勝は信楽守る山
25. ゴースンゴー
26. 俺はなんでも食う男
27. わらびもち
28. ピコリーノ
29. おおがみらす
30. 俺はなんでも食う男 (2)
31. ああ我れ身に油をぬりて勇気百倍まっ先かけて突撃せん
32. うさぎ音頭で大暴れ
33. ますかきラッキー
34. ゴースンのテーマ
35. どくろ忍者の歌
36. 怪人タツドロド
37. ライオン丸のテーマ
38. 大仏小仏
39. 水中まつり
40. ゴースン,城を攻める
41. ゴースンの子守り歌
42. 猪股蟇衛門
43. タイガージョー
44. 秘密兵器コンパニオン
45. ゴースン鉄工所
46. ゴースンの川下り
47. 死んだら赤貝
48. 赤五筒~完~
49. 潜水艦
50. 京阪牛乳(un released studio track 1)
51. 京阪牛乳(un released studio track 2)

■LPトラックリスト
A01. 私はライオン
A02. いけいけブッチャー
A03. 牧場の少女
A04. アックンチャ
A05. 山はサンタだ
A06. 陽気なサイパネ人
A07. こがねむし(黄金虫)
A08. ピーピーパピパピー
A09. 暴れん坊将軍K
A10. 村のかじや
A11. 頭がほしい
A12. ペリカンガール
A13. アメリカこけし
A14. 魚うり
A15. ゴースン
A16. センチメンタル・ヘッケル(カラオケ)
A17. 単位踊
A18. とんがりとしき
A19. どまぐれじんぎ
A20. 京阪牛乳
A21. はちぶんぶ
A22. かもられてかも
A23. まらだしガンマン危機一髪
A24. 金勝は信楽守る山
A25. ゴースンゴー
B01. 俺はなんでも食う男
B02. わらびもち
B03. ピコリーノ
B04. おおがみらす
B05. 俺はなんでも食う男 (2)
B06. ああ我れ身に油をぬりて勇気百倍まっ先かけて突撃せん
B07. うさぎ音頭で大暴れ
B08. ますかきラッキー
B09. いけいけブッチャー
B10. 暴れん坊将軍K
B11. 魚うり
B12. アメリカこけし
B13. 山はサンタだ
B14. とんがりとしき
B15. ゴースン
B16. 私はライオン
B17. 村のかじや
B18. 牧場の少女
B19. アックンチャ
B20. 不思議な魔法びん
B21. 陽気なサイパネ人
B22. ミネソタの玉子売り


アーティスト名:赤痢
タイトル:私を赤痢に連れてって
フォーマット:CD / LP
レーベル:P-VINE
発売日
CD:2022年8月3日(水)
LP:2022年11月2日(水)
品番
CD:ALPCD-5
LP:ALPLP-5
価格
CD:¥2,750(税込)(税抜:¥2,500)
LP:¥4,378(税込)(税抜:¥3,980)
★LP初回完全限定生産
★LP帯付き

■CDトラックリスト
01. デスマッチ
02. 4649
03. ヨーレイヒ
04. どろどろ大江戸
05. ウィウィロック
06. だーらだら(駄獣)
07. 春
08. 仏滅ラプソディー
09. カメレオン
10. ファック
11. ちった
12. エンドレス
13. ナンバー
14. ニャンニャンで行こう
15. 赤痢作用(セキリプロセス)
16. 夢見るオマンコ

■LPトラックリスト
A1. デスマッチ
A2. 4649
A3. ヨーレイヒ
A4. どろどろ大江戸
A5. かつかつロック
A6. だーらだら(駄獣)
A7. 青春
B1. 仏滅ラプソディー
B2. カメレオン
B3. ファックしよう
B4. ちった
B5. エンドレス


アーティスト名:赤痢
タイトル:PUSH PUSH BABY~LOVE STAR
フォーマット:CD / LP
レーベル:P-VINE
発売日
CD:2022年11月16日(水)
LP:2022年2月15日(水)
品番
CD:ALPCD-6
LP:ALPLP-9
価格
CD:¥2,750(税込)(税抜:¥2,500)
LP:¥4,378(税込)(税抜:¥3,980)
★LP初回完全限定生産
★LP帯付き

■CD/LPトラックリスト
01. PANCH
02. ORILLA
03. ベリー・グウ
04. HAPPY NEW YEAR
05. 俺のドジ
06. 駄馬
07. サバビアン
08. 19才
09. ラブラブショックラブショック
10. CHOCOLATE BLUES
11. くすり天国
12. 睡魔


アーティスト名:シェシズ
タイトル:約束はできない
フォーマット:LP
レーベル:P-VINE
発売日
LP:2022年12月21日(水)
品番:ALPLP-6
価格:¥4,378(税込)(税抜:¥3,980)
★LP初回完全限定生産
★LP帯付き

■LPトラックリスト
A1. I'm dancing in my heart~祭歌
A2. 連舞
A3. 君が目
A4. 火の海
A5. 月と明り窓
B1. 約束はできない
B2. 黒い瞳の
B3. カチューシャ
B4. 불의 바다
B5. 輪舞
B6. 三度目は武装して美しく無関心


アーティスト名:想い出波止場
タイトル:水中JOE
フォーマット:LP
レーベル:P-VINE
発売日
LP:2022年1月7日(水)
品番:ALPLP-7
価格:¥4,378(税込)(税抜:¥3,980)
★LP初回完全限定生産
★LP帯付き

■LPトラックリスト
A1. 22次元
A2. サムライ ACID CONTEMPORARY
A3. BLUES FOR TURN TABLE
A4. ROUTE 99999
A5. 水中JOE
A6. 中核
A7. SHOOTING DUB
B1. 太ッ腹(玉砕ワルツ)
B2. ハウ
B3. N.C.C.P1701-1
B4. 第三ROCK
B5. IN
B6. SEA MONK


アーティスト名:ウルトラ・ビデ
タイトル:ザ・オリジナル・ウルトラ・ビデ
フォーマット:LP
レーベル:P-VINE
発売日
LP:2022年1月18日(水)
品番:ALPLP-8
価格:¥4,378(税込)(税抜:¥3,980)
★LP初回完全限定生産
★LP帯付き

■LPトラックリスト
A1. インプロビゼーション・アナーキー(屋根裏'79)
A2. わかえらんわからんしゅびしゅびだ(屋根裏'79)
A3. やくざなコミューン(屋根裏'79)
A4. 落ちこんだらあかへんで(屋根裏'79)
A5. メリーゴーランド(屋根裏'79)
A6. 恋するベイリー(ギャルソン'78)
A7. 嫌われもののパンク(屋根裏'79)
A8. 大怪獣の歌
B1. 単なる曲(太奏'78)
B2. ポニーテイルのかわいいあの娘(ガレージ'79)
B3. 世界はひとつ(ガレージ'79)
B4. ウギャギャでパンクPart2(ガレージ'79)
B5. そしてジャマイカへ(日和'79)
B6. ラッパのあれ(医大'79)
B7. キンタロイド(恐怖'79)

HAINO KEIJI & THE HARDY ROCKS - ele-king

文:ジェイムズ・ハッドフィールド(訳:江口理恵)[8月19日公開]

 1960年代に入ってしばらくするまで、カヴァー・ヴァージョンというのはロック・バンドが普通にやるものだった。ビートルズの最初の2枚のアルバムに収録されている曲の半分近くは他のアーティストの作品だ。初期のローリング・ストーンズは、自らのソングライターとしての才能を証明するよりも、ボ・ディドリーを模倣することの方に関心があった。しかし、LPがロック・ミュージックのフォーマットに選ばれるようになると、ファンはアーティストにより多くの革新を期待し、レーベルもオリジナルの音源の方が金になることに気付き出した。カヴァー・ヴァージョンは、ありふれたお馴染みのものから、ロック・ミュージシャンがより慎重に意図を持って使うものになっていった。敬意を表したり、いつもの定番曲に新風を吹き込んだり、キュレーターとしてのテイストをひけらかしたり、あるいは完全に冒涜的な行為を行うための。

 『きみはぼくの めの「前」にいるのか すぐ「隣」にいるのか』の収録曲では、これらのことの多くが、時に同時進行で行われている。灰野敬二が70歳の誕生日を迎えたわずか数週間後にCDとしてリリースされたこの変形したロックのカヴァー集は、実質的にはパーティ・アルバムであり、クリエイターの音楽的ルーツを探る、疑いようのない無礼講なツアーのようだ。全曲を英語のみで歌う灰野敬二が、角のあるガレージ・ロック・スタイルのコンボ(川口雅巳(ギター)、なるけしんご(ベース)、片野利彦(ドラム))のヴォーカルを務め、ロックの正典ともいうべき有名曲のいくつかを、ようやくそれと認識できるぐらいのヴァージョンで披露している。

 灰野がカヴァー・バンドのフロントを務めるというのはそれほどばかげた考えではない。彼の1990年代のグループ、哀秘謡では、ドラマーの高橋幾郎、ベースの川口とともに、50年代・60年代のラジオのヒット曲の、幻覚的な解釈をしてみせた。ザ・ハーディ・ロックスの前には、よりリズム&ブルースに焦点を当てたハーディ・ソウルがあり、その一方で灰野はクラシック・ロックの歌詞を即興のライブ・セットに取り入れることでも知られていた。つまり、このアルバムが、一部の人間が勘違いしそうな、使い捨てのノヴェルティのレコード(さらに悪くいえば、セルフ・パロディのような行為)ではないことを意味している。

 2017年に、ザ・ハーディ・ロックスを結成したばかりの灰野にインタヴューしたとき、彼はバンドがやっていることを「異化」という言葉で表現した。これは英語では“dissimilation”あるいは“catabolism”と訳されるが、ベルトルト・ブレヒトの、観客が認識していると思われるものから距離を置くプロセスである“Verfremdung”の概念にも相当する。ここでは“(I Can’t Get No ) Satisfaction”のように馴染み深い曲でさえ、じつに奇怪にきこえる。キース・リチャーズの3音のギター・フックが重たいドゥームメタル・リフへと変わり、灰野が喉からひとつひとつの言葉をひねり出すような激しさで歌詞を紡ぐ。驚くべきヴォーカル・パフォーマンスを中心にして音楽がそのまわりを伸縮し、次の“Hey Hey Hey”への期待で、いろいろな箇所で震えて停止してしまう。

 あえて言うまでもないが、灰野は中途半端なことはしない。レコーディング・エンジニアの近藤祥昭が、不規則で不完全な状態を捉えたこのアルバムでの灰野のヴォーカルは、まるで憑りつかれているかのようだ。金切り声や唾を吐く音が多いにもかかわらず、何を歌っているのか判別するのはそれほど難しいことではない。バンドは重々しい足取りでボブ・ディランの“Blowin’ In The Wind”をとりあげているが、それはもっとも不機嫌な不失者のようでオリジナルとは似ても似つかないが、それでもディラン自身が2018年のフジロックフェスティバルで演奏したヴァージョンよりは曲を認識できる。

 注意深く聴くとたまに元のリフが無傷で残っているのがわかるが、音の多くの素材は、不協和音のコード進行や故意に不格好なリズムで再構築されている。このバンドの“Born To Be Wild”では、有名なリフレインに辿り着く前に灰野がジョン・レノンの“Imagine”からこっそりと数行滑り込ませている。“My Generation”では、崩壊寸前の狂気じみた変拍子でヴァースに突進していく。川口が灰野のヴォーカルに合わせて支えるように、しばしば、エフェクターなしでアンプに直接つないだ生々しいギターの音色を響かせる。なるけと片野は、様々なポイントでタール抗の中をかき分けて進むかのように演奏している。

 ビッグネームのカヴァーが多くの人の注目を引くだろうが、ザ・ハーディ・ロックスは、日本のMORでも粋なことをしている。アルバムのオープニング曲の“Down To The Bones”は、てっきり『Nuggets』のコンピレーションの収録曲を元にしていると思っていたが、YouTubeのプレイリストを見て、これが実際には1966年に「骨まで愛して」で再デビューした歌謡曲のクルーナー、城卓矢のカヴァーだと判明した。“Black Petal”は、水原弘の“黒い花びら”をプロト・パンク風の暴力に変えるが、日系アメリカ人デュオのKとブルンネンの“何故に二人はここに”については、灰野にかかっても救いようのない凡庸さだ。

 もっとも異彩を放つのは、アルバム終盤に収録されたアカペラ・ヴァージョンの“Strange Fruit”だろう。これは奇妙な選択であり、「Black bodies swinging in the southern breeze(黒い体が南部の風に揺れる)」という歌詞を静かに泣くように歌い、本当の恐怖を伝える灰野の曲へのアプローチの仕方には敬意を表するが、私はこの曲を再び急いで聴こうという気にはならない。しかし、アルバム全体は非常に面白く、このクリエイターの近寄り難いほど膨大なディスコグラフィへの入り口としては、理想的な作品である。



HAINO KEIJI & THE HARDY ROCKS


きみはぼくの めの「前」にいるのか すぐ「隣」にいるのか
(“You’re either standing facing me or next to me”)


P-Vine Records

by James Hadfield

Until well into the 1960s, cover versions were just something that rock bands did. Nearly half of the songs on the first two Beatles albums were by other artists. The early Rolling Stones were more interested in channeling Bo Diddley than in proving their own abilities as songwriters. But as the LP became the format of choice for rock music, fans began to expect more innovation from artists, while labels came to realise there was more money to be made from original material. Cover versions went from being ubiquitous to something that rock musicians used more sparingly, and intentionally: to pay respects, put a fresh spin on familiar staples, flaunt their curatorial taste, or commit acts of outright sacrilege.

The songs on “You’re either standing facing me or next to me” are many of these things, sometimes all at once. Released on CD just a few weeks after Keiji Haino celebrated his 70th birthday, this collection of deformed rock covers is practically a party album, and a distinctly un-reverential tour of its creator’s musical roots. Singing entirely in English, Haino acts as vocalist for an angular, garage rock-style combo (consisting of guitarist Masami Kawaguchi, bassist Shingo Naruke and drummer Toshihiko Katano), who serve up just-about-recognisable versions of some of the most famous entries in the rock canon.

The idea of Haino fronting a covers band isn’t as absurd as it may seem. His 1990s group Aihiyo, with drummer Ikuro Takahashi and Kawaguchi on bass, did strung-out interpretations of radio hits from the ’50s and ’60s. The Hardy Rocks were preceded by the more rhythm and blues-focused Hardy Soul, while Haino has also been known to incorporate lyrics from classic rock songs into his improvised live sets. All of which is a way of saying that this isn’t the throwaway novelty record that some might mistake it for (or, worse, an act of self-parody).

When I interviewed Haino in 2017, not long after he’d formed The Hardy Rocks, he used the term “ika” (異化) to describe what the band were doing. The word can be translated as “dissimilation” or “catabolism” in English, though it also corresponds with Bertolt Brecht’s idea of “Verfremdung”: the process of distancing an audience from something they think they recognise. Even a song as familiar as “(I Can’t Get No) Satisfaction” sounds downright freaky here. Keith Richards’ three-note guitar hook is transformed into a lumbering doom metal riff, as Haino delivers the lyrics with an intensity that suggests he’s wrenching each word from his own throat. It’s a remarkable vocal performance, and the music seems to expand and contract around it, at various points shuddering to a halt in anticipation of his next “Hey hey HEY.”

As if it needed stating at this point, Haino doesn’t do anything by halves, and his vocals on the album—captured in all their ragged imperfection by recording engineer Yoshiaki Kondo—sound like a man possessed. But for all the shrieks and spittle, it’s seldom too hard to figure out what he’s actually singing. The band’s lumbering take on Bob Dylan’s “Blowin’ in the Wind”—like Fushitsusha at their most morose—may sound nothing like the original, but it’s still more recognisable than the version Dylan himself played at Fuji Rock Festival in 2018.

Listen closely and you can pick out the occasional riff that’s survived intact, though more often the source material is reconfigured with dissonant chord sequences and deliberately ungainly rhythms. The band’s version of “Born To Be Wild” eventually gets to the song’s famous refrain, but not before Haino has slipped in a few lines from John Lennon’s “Imagine.” On “My Generation,” they hurtle through the song’s verses in a frantic, irregular meter that’s constantly on the verge of collapse. Kawaguchi matches Haino’s vocals with a bracingly raw guitar tone, often jacking straight into the amp without any effects pedals. At various points, Naruke and Katano play like they’re wading through a tar pit.

While it’s the big-name covers that will grab most people’s attention, The Hardy Rocks also do some nifty things with Japanese MOR. I was convinced that album opener “Down To The Bones” was based on something from the “Nuggets” compilations, until a YouTube playlist alerted me to the fact that it was actually “Hone Made Ai Shite,” the 1966 debut by kayōkyoku crooner Takuya Jo. “Black Petal” turns Hiroshi Mizuhara’s “Kuroi Hanabira” into a bracing proto-punk assault, though the band’s take on “Naze ni Futari wa Koko ni,” by Japanese-American duo K & Brunnen , is a pedestrian chug that even Haino can’t salvage.

The most out-of-character moment comes near the end of the album, with an a cappella version of “Strange Fruit.” It’s an odd choice, and while I can respect the way that Haino approaches the song—delivering the lyrics in a hushed whimper that conveys the true horror of those “Black bodies swinging in the southern breeze”—it isn’t a track that I’ll be returning to in any hurry. But the album as a whole is a hoot, and an ideal entry point into its creator’s intimidatingly vast discography.

ジェイムズ・ハッドフィールド

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文:松山晋也[9月5日公開]

 9月7日に出るLPが届いた昨日だけで立て続けに3回聴いた。いま、そのハードさに改めて打ちのめされている。LP版は、11曲収録のCD版よりも2曲少ない9曲入りなのだが、「最初からLPを念頭に作ったアルバム」と灰野が語るとおり、サウンド全体のヘヴィネスと密度が強烈で、ハーディ・ロックスというユニット名に込められた灰野の思いもより明瞭に伝わってくる。5月に出たCDを買った人もぜひLPの方も聴いてほしいなと思う。ひとりのファンとして。

 ロックを極限までハードに表現すること──ハーディ・ロックスという名前に込められた灰野の思いは明快である。実際、ライヴ・パフォーマンスも極めてハードだ。灰野+川口雅巳(ギター)+なるけしんご(ベイス)+片野利彦(ドラム)から成るこのユニットでは灰野はギターを弾かず、ヴォーカルに専念している(曲によってはブルース・ハープも吹く)のだが、1回ライヴをやると体調が完全に回復するまで半年かかると本人は笑う。それくらい尋常ではないエネルギーを放出するわけだ。しかし、ハード=ラウドということでもない。バンドの演奏も灰野のヴォーカルもなるほどラウドではあるけど、彼らの表現の核にあるのは音量やノイズや速度では測れない何物かだ。原曲の歌詞やメロディに埋め込まれた思いや熱量にどこまで誠実かつ繊細に向き合えるのか、という “覚悟” が一音一音に刻み込まれている。その覚悟の真摯さ、強固さを灰野は「ハーディ」という造語で表明しているのだと思う。

 ハーディ・ロックスは、海外の楽曲(ロックや、R&B、ジャズなど)や日本の歌謡曲を英語でカヴァするためのプロジェクトとして数年前にスタートした。98年にアルバム『哀秘謡』も出た歌謡曲のカヴァ・プロジェクト=哀秘謡、2010年代にやっていたソウルやR&Bのカヴァ・プロジェクト=ハーディ・ソウルの延長線上というか、総決算的プロジェクトと言っていい。これら3つのプロジェクトに共通しているのは、“なぜ(原曲は)こんな演奏と歌い方なんだ!” という原曲に対する愛と不満だろう。
 今回のアルバム(CD版)に収録された曲目は以下のとおり。このうち⑤⑥の2曲はLP版ではカットされている。

① 城卓矢 “Down To The Bones(骨まで愛して)”
② ボブ・ディラン “Blowin’In The Wind”
③ ステッペンウルフ “Born To Be Wild”
④ エディ・コクラン/ブルー・チア “Summertime Blues”
⑤ バレット・ストロング/ビートルズ “Money (That’s What I Want)”
⑥ Kとブルンネン “Two Of Us(何故に二人はここに)”
⑦ ローリング・ストーンズ “(I Can’t Get No) Satisfaction”
⑧ ドアーズ “End Of The Night”
⑨ 水原弘 “Black Petal(黒い花びら)”
⑩ ビリー・ホリデイ “Strange Fruit”
⑪ フー “My Generation”

 ① “骨まで愛して” と⑥ “何故に二人はここに” は『哀秘謡』でも日本語でカヴァされていたが、今回の英語ヴァージョンと聴き比べてみると、20数年の歳月が灰野の表現にどのような変化/深化をもたらしたかよくわかる。“骨まで愛して” は『哀秘謡』版ではリズムもメロディも極限まで解体されていたが、その独特すぎる間合いと呼吸が今回はロック・バンドとしてのノリへと昇華された感じか。“何故に二人はここに” の『哀秘謡』版は灰野にしては意外なほどシンプルだったが、今回はそのシンプルさに拍車をかけたダイレクトなガレージ・ロック調。灰野の作品でこれほどポップな(演奏のコード進行もヴォーカルのメロディもほぼ原曲どおり!)楽曲を私は聴いたことがない。LPに収録されなかったのは、時間的制限という問題もあろうが、もしかしてシングル盤として別に出したかったからでは?とも勘ぐってしまう。ちなみに灰野が14才のとき(66年)に大ヒットした “骨まで愛して” は、発売当時から灰野はもちろん知ってはいたが、本当に惹かれたのは後年、前衛舞踏家・大野一雄のドキュメンタリー映画『O氏の死者の書』(73年)の中で、サム・テイラー(たぶん)がテナー・サックスで吹くこの曲をBGMに大野が豚小屋で舞うシーンを観たときだったという。また、第二のヒデとロザンナとして売り出されたKとブルンネンの “何故に二人はここに”(69年)は、『哀秘謡』を作るときにモダーン・ミュージック/P.S.F レコードの故・生悦住英夫から「歌詞が素晴らしい曲」として推薦されたのだとか。

 海外の曲の大半は、灰野が10代から愛聴してきた、あるいは影響を受けた作品ばかりだと思われるが、中でも④ “Summertime Blues” と⑧ “End Of The Night” に対する思い入れは強いはずだ。なにしろブルー・チアとドアーズは、灰野のロック観の土台を形成したバンドだし。70年代前半の一時期、灰野は裸のラリーズの水谷孝とともにブルー・チアの曲だけをやるその名もブルー・チアというバンドをやっていたこともあるほどだ。だから、曲の解釈や練り上げ方にも一段とキレと余裕を感じさせる。ジム・モリスンがセリーヌの「夜の果てへの旅」にインスパイアされて書いた “End Of The Night”(ドアーズの67年のデビュー・アルバム『The Doors』に収録)は短いフレーズのよじれたリフレインから成るドラッギーな小曲だが、原曲と同じ尺(約2分50秒)で演奏されるハーディ・ロックスのヴァージョンは、ドアーズが描いた荒涼たる虚無の原野を突き抜けた孤立者としての覚醒を感じさせる。灰野敬二の表現者としての原点というか、灰野の心臓そのもののように私には思えるのだ。

 その他、特に面白いのが、アカペラによる⑩ “Strange Fruit(奇妙な果実)” か。彼らは最初これを演奏付きで何度も試してみたのだが、どうもしっくりこず、最終的にヴォーカルだけにしたのだという。なるほど、この歌で描かれる凄惨な情景、木に吊り下げられた黒い躯の冷たさにここまで肉薄したカヴァはなかなかないだろう。あと、③ “Born To Be Wild(ワイルドで行こう!)” の途中で突然ジョン・レノン “イマジン” のワン・フレーズが挿入されているのも興味深い。ノー・ボーダーな野生児による宇宙との一体化という歌詞の共通点から挿入したのか、単なる直感や気まぐれなのか、そのあたりは不明だが。

 これらのカヴァ・ワークは、“何故に二人はここに” 以外はいずれも、ちょっと聴いただけでは原曲が何なのかわからないほどメロディもリズムも解体されており、ビーフハート作品のごとく極めて微妙なニュアンスに溢れた演奏の背後には、かなり長時間の集団鍛錬があったはずだ。抽象的な言葉を多用する灰野のヴィジョンをサウンドとして完璧に具現化するためだったら、すべての楽器を灰野自身が担当した方が録音もスムースだろうし、実際それは可能だと思うのだが、それをあえてやらないのがこのユニットの醍醐味だろう。誤解や齟齬によって生まれる別の匂いを楽しむこと、「わからないということを理解する」(灰野)ことこそが灰野にとっては大事なのだから。

 振り返れば、灰野の目はつねに “音楽の始原” という一点だけを見つめてきた。灰野のライヴでいつも驚かされるのは、どんな形態、どんな条件下であっても我々は音楽が生まれる瞬間を目撃できるということである。ここにあるのは、誰もが知っている有名な曲ばかりだが、同時に誰も聴いたことがない曲ばかりでもある。

松山晋也

Prison Religion - ele-king

 なははは、愛の夏ならぬ怒りの夏だった。やかましい。なんてやかましいことか。これでは眠れないぞ。たたでさえ眠りが浅いというのに、本当に止めて欲しい。が、しかし彼らは手加減などしなかった。この夏、耳を塞ぎたくなるノイズを高々と鳴らしていたのは、ヴァージニア州リッチモンドのパーカー・ブラック(Poozy)とウォーレン・ジョーンズ(False Prpht)のふたり、UKのリー・ギャンブルのレーベル〈UIQ〉からリリースされた、牢獄宗教(プリズン・レリジョン)という名の彼らのプロジェクトによる最新アルバムだった。
 「プリズン・レリジョンを聴くことは、体制を転覆させるために必要な素早い反射神経を身につけるために神経系を鍛えるようなものだ」と書いたのは『Wire』誌だが、こやつらは、ディストピアであることがもはや当たり前になってしまっている現状から目をそらさず、それをよしとしている体制に本気で怒っているのだ。現実社会で人びとが強いられている制度的な苦しみに共鳴し、戦闘的なマシンガン・ビートを打ち鳴らす。超アグレッシヴな周波数を発信し、ノイズまみれのラップ……いや、もはやラップではない、ほとんど原始的な叫びに近い声で訴える。(しかも、複数の評者が指摘していることだが、クラブ・サウンドともリンクするこのサウンドは決してマッチョではないのだ)

 悪酔いしそうなこの圧倒的な音楽を、本人たちはアート・ブレイキー&ザ・ジャズ・メッセンジャーズの1957年のアルバム、『ハード・バップ』に重ねている。同じように、プリズン・レリジョンの『ハード・インダストリアル・バップ』も時代への挑発であると。あるいはまた、彼らはこの激ハードなエレクトロニック・ノイズ・アルバムを、避けては通れない、作らなければならなかった作品としても見ているようだ。まあ、なんとかなるでしょ、などと彼らはのんきなことを考えていないという、それを音で表現したらこうなったと。当たり前の話だが、怒りはとは愛と裏表の関係にある。ノイズ音楽を聴いて涙した経験がある人にはわかるだろう。だからこれは感動的な作品でもあって、いや、しかしそれにしてもやかましいんだが。

Associates - ele-king

 今年もアナ・ウィンターは名前を呼ばれなかった。NHKのアナウンサーはトム・クルーズやウイリアムズ王子の姿をウインブルドンの客席に見つけるとすぐに名前を呼んだのに、同大会に毎年姿を見せるアナ・ウィンターは名前を呼ばれたことがない。ラミ・マレックやレベル・ウィルソンまで呼ばれたのに、映画『プラダを着た悪魔』のモデルとなった『ヴォーク』の編集長は一度も名前を呼ばれたことがない。ロンドン・オリンピックで『モンティ・パイソン』もわからなかったNHKとはいえ、それにしてもウィンターは日本で知名度がない。もしかするとウィンター本人よりも彼女が毎年、NYで主催するファッションの祭典、メット・ガラの方が最近は認知度が高いのかもしれない。今年もグッチのドレスを着たビリー・アイリッシュ、ほとんど裸だったカーラ・デルヴィーニュ あるいはキム・カーダシアンとピート・デヴィッドソンのツーショットや赤い芋虫と化したジジ・ハディッドの画像が次々とスマホの画面に流れてきた。ウィンターが今年のテーマとして掲げたのは「金ピカのグラマー」だったにもかかわらず、白い魔女と黒い魔女に扮したジェンナー姉妹も僕には楽しかった。金持ちが力の限り見栄を張る世界を僕は否定しない。ポップ・カルチャーからゴージャスという価値観をなくすことに僕は賛成できない。明るくて華やかなヴィジュアルはそれだけで心躍るものがある。しかし、3年前のメット・ガラはさすがに悲惨だった。ウィンターが提示したテーマは「キャンプ」。メット・ガラのレッド・カーペットを埋め尽くしたセレブの誰1人として「キャンプ」を理解していなかった。シャンデリアに扮したケイティ・ペリーは論外としても、ほぼ全員が「キャンプ」を「わざとらしい」という意味でしか捉えられず、都会的な生活様式に対するアイロニーやダンディズムを演じるという文脈でファッションが具現化されることはなかった。並みいるファッション・デザイナーたちも70年代のコピーがようやくといったところで、シャネルやマーク・ジェイコブスもひどければ、お題を出した当のアナ・ウィンターまで酷評されることとなった。そう、現代のセレブたちに「キャンプ」はいささか高尚過ぎた。「キャンプ」というのは70年代初頭に現れたゲイ・ファッションや映画『ピンク・フラミンゴ』を論じる際にスーザン・ソンタグらが用いた美術用語。ポップ・ミュージックでいえばデヴィッド・ボウイやルー・リードが牽引したグラム・ロックのタームと大体のところは重なっている。「グラマラス」が語源とされるグラム・ロックには音楽的な共通性はないとされるのが普通で、マーク・ボランのT・レックスやブライアン・イーノが在籍していたロキシー・ミュージックがポップ・ミュージックをアートの領域へと推し進め、ダニエル・J・ブーアスティンが『幻影の時代』で指摘したマスメディアによる情報操作や「スペクタクル」といった概念を「スターを演じるスター」というメタ表現によってリプレゼンテーションしたもの。いわば熱狂の戯画化である。


 グラム・ロックは1975年には下火になり、時代はパンク・ロックへと移り変わる。「スペクタクル」という概念をそのまま引き継ぎ、「グラマラス」を(ヴィヴィアン・ウエストウッドがパンク・ファッションを指して名付けた)「コンフロンテイション(敵対)」に置き換えればパンク・ロックはグラム・ロックのヴァリエーションだったとも考えられ、ハード・グラム・ロックという呼称でも通用したように思える(ダムドなどはまさにそれだった)。しかし、「パンク」や「コンフロンテイション」はあまりに時宜を得過ぎていたために社会的な仕草としてアートの領域にとどまるにしてはポテンシャルが高過ぎた。その影響について多くを書く余裕はないけれど、ポップ・ミュージックだけを見ても、その余波は多岐に及び、2年間の混沌が過ぎた後もなお混乱は続くことになる。スロッビン・グリッスルによるインダストリアル・ミュージックは「コンフロンテイション」を純粋培養し、政治用語だったオルタナティヴがアンダーグラウンドのロックを形容するジャンル用語として採用される。個人的な雑感をひとまとめにいえば、70年代末に「衝動」として存在した気運が「破壊」や「反動」を経て80年代には全体が解きほぐれることなくそのまま異なるステージまで移動したという印象。同じものがメジャーとアンダーグラウンドの両方から同じ力で引っ張られ、どちらも譲らない状態が長く続いたというか。アラン・ランキンとビリー・マッケンジーによるアソシエイツがブライアン・イーノの隠れた名曲でもあるデヴィッド・ボウイ“Boys Keep Swinging”をカヴァーしてデビューした1979年はまさにそうした時期にあたり、翌年に入ってリリースされたデビュー・アルバム『The Affectionate Punch』もメジャーとアンダーグラウンドの両方に向かうヴェクトルが錯綜し、彼らが何をしたいのかすぐに理解できるようなアルバムではなかった。実際、このアルバムは彼らが進むべき道を明確にした2年後に丸ごとリミックスされ、驚くほど引き締まった内容に改められ、ミックスだけでこんなに変わってしまうのかと、けっこうな感動を覚えたものである。だいぶ後になってアソシエイツのライヴ音源を聞くことができるようになると、その当時の演奏があまりにもパンクだったことに驚かされ、そのありあまる衝動が『The Affectionate Punch』には滲みでていたということも理解できるようになったけれど、“Transport To Central”のような曲はスロッビン・グリッスルとも近しく聞こえてしまうギターのアレンジだったり、現在に至ってもまだ素直に楽しめる内容ではない。そう、彼らのライヴ・テイクを聞くことができたのは89年にリリースされた『The Peel Sessions』が初めてで、『The Affectionate Punch』ではミドル・テンポのディスコ・ナンバーとしてアレンジされていた“A Matter Of Gender”が81年のそれではスラッシュ・ヴァージョンとでも言いたくなるような早さで演奏され、エフェクトをかけたギターが鳴りっぱなしだったり、セッション全体がほとんどノイズのようなパフォーマンスだったことにはほんとに驚かされた。数合わせのようにしてニューロマンティクスに分類されがちだったアソシエイツが、現在はポスト・パンクに数えられるようになったのも当然というか("Club Country" はニューロマンティクスの気をひくためにつくられたらしいけれど)。

 『The Affectionate Punch』がキュアーの成功で勢いを得ていた〈フィクション・レコーズ〉にライセンスされたランキン&マッケンジーは続いて〈ベガーズ・バンケット〉傘下の〈シチュエーション・トゥー〉と契約。81年に5枚のシングルをリリースし、それをコンピレーション・アルバム『Fourth Drawer Down』にまとめると、それらが格別大きなヒットとなったわけでもないのに〈ベガーズ・バンケット〉傘下に〈アソシエイツ〉レーベルを新設するという高待遇を受け、セカンド・アルバムのために1000万円近いアドヴァンスを受け取る。このことが彼らの方向性を決定的にする。大金を手にした彼らはまず500万円を投じて倉庫を改造したスタジオをつくり、残りも派手に使いまくった。「バカげたお金の使い方をした」と、キュアーと掛け持ちだったベースのマイケル・デンプシーは後のインタヴューで答えている。主には洋服代とドラッグに消え、マッケンジーは愛犬のためにホテルのルームサーヴィスでスモーク・サーモンを取り寄せるなど「それこそ狂気だったと言っても過言ではない」とランキンも回想している。「自分たちは自信満々だったし、あれだけの浪費がなければあんなアルバムはできなかった」と。そう、『Sulk』というアルバムはとにかくゴージャスで、贅沢を音楽にしたらこうなるだろうという作品である。音楽的な連続性はもちろんあるものの、『The Affectionate Punch』や『Fourth Drawer Down』に残っていたしみったれムードは粉微塵に消し飛んでいた。時期的にもポスト・パンクの大半が闇に向かい、PILやザ・フォールなどアンダーグラウンドも手法的に充実していたので、余計にその差は際立った。ジョージ・マイケルがジョイ・ディヴィジョンの作品を愛していたことはイギリスでは周知のエピソードだけれども、ジョイ・ディヴィジョンがワム!の曲を演奏し、カルチャー・クラブが“Love Will Tear Us Apart”をカヴァーしてもアソシエイツのようにはならなかっただろう。アソシエイツが表現したグラマラスで華やかな世界観はとても独特で、プリンスでさえ地味に思えるほどである。アソシエイツというグループがデヴィッド・ボウイのカヴァーでデビューしたことを思い出すと、おそらく彼らの本質はグラム・ロックにあり、パンク・ロックからグラム・ロックへと揺り戻しを図りながら、その過程でパンク・ロックから得た過剰さを光り輝くような世界観に転化させた。それが『Sulk』というアルバムだったのではないだろうか。パンク・ロックのパワーを持ったグラム・ロック。『Sulk(不機嫌)』というタイトルにはそれこそ当時、パンク的なものを感じたものである。ABCを指してブライアン・フェリーが「僕より僕みたいだ」というコメントを残しているので、グラム・ロック的なスペクタクルはパンク以降も衰える気配はなかったとは思うけれど、その多くはニューロマンティクスのような反動ではあってもアソシエイツのようなかたちでモディフィケーションを表現できた例は少なかったのだと思う。

 ビリー・マッケンジーというシンガーはどこか名曲歌手のような風情があり、実際、イエロやホルガー・ヒラーなど客演の幅は広く、ビリーと名乗っているのもビリー・ホリデイにあやかっているからだといっていたのにもかかわらず『Sulk』は軽快なインストゥルメンタルで幕を開ける。いつかオリンピックの開会式で聴きたい“Arrogance Gave Him Up”は勇壮として、流線型という形容詞はこの曲のためにあるとしか思えない。『Sulk』は全編を通してドラムがかなり派手で、それはスネアをメタル仕様に、タムを銅性の素材に変えたことに由来するらしく、“Arrogance Gave Him Up”でもスネアを叩き込む箇所の激しさは容赦なく、これが流れるようなシンセサイザーとの対比でくっきりとした輪郭が浮かび上がる。かと思うと続く“No”ではまさに名曲歌手が思う存分に歌い上げるモードへと一変し、”Bap De La Bap”では再び金属音の乱舞に舞い戻る。ギターもヴォーカルも、あるいは複数のシンセサイザーも一歩も引かないと言った鬩ぎ合いを続け、それこそ「デヴィッド・ボウイよりデヴィッド・ボウイみたい」なサウンドになっていく。スピードを出しては落とし、上げてはまた落とすといった感じで”Gloomy Sunday”のカヴァーへ。ヨーロッパでは自殺の歌として知られる30年代のクラシックで、その成立過程を追った映画までつくられた曲をビリー・ホリディが戦後すぐにアメリカでヒットさせたスタンダード・ナンバー。これをアソシエイツはラバーズ・ロック調のシンセポップにアレンジし、悲しみに沈んだ曲調からその情緒をナルシシスティックな感情へと反転させてしまう(ビョークはこの曲をアソシエイツのオリジナルだと思い込んでいて、オーケストラが演奏し始めた時に驚いたという話をしている)。アナログ盤ではAサイドのラストを飾るのが“Nude Spoons”。ノイ!を思わせるメトロノミック・ビートを強調したパンク風ディスコ・ナンバーで、ビリー・マッケンジーが15歳の頃に体験したLSDによるトリップが歌詞の元になっているらしい。彼の書く歌詞は曖昧で意味が取れず、日本語には訳しづらいし、当時から大した意味はないとも言われていたので、あまり気にしたことはなかったけれど、10年ほど前に昭和女子大で英語を教えている清水みちさんに“Arrogance Gave Him Up”や“Party Fears Two”の訳し方を訊いてみたところ、非常に興味深い英語の使い方だということで、彼女が参加しているシェイクスピア研究会で議題に取り上げてくれたりして、とてもユニークだということは教えてもらったものの、どう訳したらいいかはやはりよくわからなかった。彼らの最大のヒットとなった“Party Fears Two”などはPartyを政党として解釈すると共産党と保守党の意味にも取れるらしく、とてもスキゾフレニックな感覚を表現しているなどイギリスでの解釈も多岐にわたっている(これ以上はもっと英語に詳しい人に委ねたい。そして、意味がわかったらぜひ教えて下さい。清水みちはちなみに保坂和志の奥さんです)。

 Bサイドに移って“Skipping”。個人的には洋楽でベスト3に入るフェイヴァリット・ナンバー。ミステリアスなスキャットで始まり、ランキンの弾くギターの循環コードとデンプシーによるソリッドなベースが入ってくるだけで昇天しかけてしまう。調子にのってスキップし続けていくうちにだんだんと意識がかすれていくような情感に襲われる曲で、宙を泳ぐようなキーボードはここでも効果的。とはいえ、彼らの曲はサイケデリックではなく、ドラッグの影響がダイレクトに出たものはない。そこはやはりパンク・スピリットが色濃いというか。続く“It's Better This Way”もノイ!とデヴィッド・ボウイが手を組んだような曲で、メトロノミック・ビートとスコットランドらしい燻んだ叙情が見事に溶け合った傑作。スタイリッシュで、実にかっこいい。そして、最大のヒット・シングルとなった“Party Fears Two”。完成に3年をかけたという大作で、他の曲よりも少しテンポを落とし、ノイジーな要素も後退。全編でヴォーカルが引き立てられ、圧倒的にセクシーで、これでもかと艶やかさを増している。きらびやかな音が背景で鳴り続け、これまでになくソウルを感じさせ、実際、パンク色は薄れ、ランキン&マッケンジーによる最後のシングルとなった「18 Carat Love Affair」への導線となった曲である。『Sulk』がリリースされた4ヶ月後にアラン・ランキンが脱退してアソシエイツは実質的に解散したも同然となり、それはツアーに対する2人の考えが違ったからだということになっているけれど、“Party Fears Two”で疾走感とは異なる価値観に足を踏み入れたことが分裂の遠因となったのではないかと僕には思えて仕方がない。それだけこの曲は他の曲とは異なるフォーマットを有しているし、新しいものをつくりたいと願った2人の到達点だったのではないかと。達成されてしまうと、目的はなくなってしまうのである。続いて“Club Country”。『Sulk』では最も大袈裟な曲で、明らかに大団円という位置に置かれている。手法的にも彼らの集大成になっている。エンディングは“Nothinginsomethingparticula”。前述した”18 Carat Love Affair”のイントロが2分だけ収録され、続いてリリースされた”18 Carat Love Affair”のフル・ヴァージョンにはカップリングとしてダイアナ・ロス“Love Hangover”のカヴァーも収録。『Sulk』の40周年記念盤はここまでの10曲がアナログ化されたものと、さらに同内容のCDと「Outtakes, Monitor Mixes & Rarities」、「The Peel Sessions」及び「Gigant, Apeldoorn 10/01/81」でのライヴを収めた計46曲がプラスされたエディションに加えて“Party Fears Two”のヴァージョンを集めたCDシングルか、”18 Carat Love Affair”の7インチ・シングルがおまけに付いているデラックス・エディションと4パターンがリリースされている。2016年にリリースされたエディションで13曲追加されていた曲も再度リマスターされているなど「The Peel Sessions」以外は重複していない模様。マニア泣かせです。でっぷり太ったアラン・ランキンが3年前から各曲の解説動画をユーチューブにアップしているので、興味のある方はそちらもどうぞ。

 『Sulk』というアルバムはとても幸福なアルバムで、リリース当初に理解されなかったという経験はしなかった。ヒット・チャートも駆け上がり、批評家の絶賛も同時に手に入れた。ただし、モノマネやフォロワーというものがまったくなく、時代のなかにポツンと取り残された作品となっていく。ニュー・オーダー、ザ・スミス、ジーザス&メリー・チェインと続いたブリティッシュ・ロック・シーンに彼らの陰が落ちることはなく、アシッド・ハウス期にはグラム・ロックよりもサイケデリック・ロックが復活したことは歴史に刻まれている通り。ザ・スミス“William, It Was Really Nothing”のWilliamはビリー・マッケンジーのことを指していて、どうやらモリッシーとマッケンジーは恋人関係にあったということが後々にはわかってくるのだけれど、そのことと音楽シーンはまったく関係がない。ビリー・マッケンジーもアラン・ランキンもソロ活動は細々としたもので、2人とも『Sulk』に迫るような作品はつくれず、何が原因かはわからないけれど再結成もうまくはいかなかったらしい。そして、1997年にはビリー・マッケンジーの訃報が流れる。当時のエレキングで追悼文を書いた時はガンを苦にして自殺という報道だったので、それをそのまま引き写してしまったのだけれど、その後、BBCがマッケンジーの姉と父親に取材した追悼番組を製作し、そこでは母親の死に耐えきれず、実際には後追い自殺だったということが明らかにされていた。イギリスでは珍しく労働階級出身のファッション・デザイナー、アレキサンダー・マックイーンと同じである。アソシエイツのファッショナブルなジャケット・デザインはすべてマッケンジーのアイディアで、レザー・ファッションでプールに浸かるというハード・ゲイまがいの『Fourth Drawer Down』はDAF『Gold Und Liebe』と同じ時期であり、両者はまさに都会的な生活様式に対するアイロニーやダンディズムを体現するものだった。プロモーション・ヴィデオやシングルのジャケットを飾るマッケンジーはいつもファッショナブルで、自分たちの音楽性を見事にヴィジュアル化した『Sulk』が見事だったことは繰り返すまでもない。アレキサンダー・マックイーンはデヴィッド・ボウイ『Earthling』やビョーク『Homogenic』のジャケット・デザインも手掛けていて、ボウイの影響を隠さないマッケンジーにビョークが影響を受けているなど、マッケンジーとマックイーンがどうも重なって見えてしまう僕はマッケンジーとマックイーンが2019年のメット・ガラでコラボレーションしていたら、どんなスタイリングを見せてくれただろうかなどとつい考えてしまう。

恋愛映画が苦手だった──

社会の中で変化し、多様化してきた恋愛という営み、それをつねに反映してきた数々の恋愛映画
無声映画時代の名作から最新の話題作まで縦横無尽に語り合う、一風変わった恋愛/映画論!

目次

反=恋愛映画宣言(佐々木敦)
「映画の恋」と「映画への恋」(児玉美月)
第一章 リアリティと作為性――二〇一〇年代の日本映画
 花束みたいな恋をした/寝ても覚めても/愛がなんだ/本気のしるし/宮本から君へ/きみの鳥はうたえる/そこのみにて光輝く/彼女がその名を知らない鳥たち/溺れるナイフ/永い言い訳
第二章 多様化する恋愛像――二〇一〇年代の外国映画
 キャロル/ハーフ・オブ・イット/はちどり/マリッジ・ストーリー/テイク・ディス・ワルツ/ロブスター/ラブストーリーズ/君の名前で僕を呼んで/ブルーバレンタイン/お嬢さん/ムーンライト
第三章 恋愛映画の巨匠?――ホン・サンス
 逃げた女/それから/あなた自身とあなたのこと/川沿いのホテル/カンウォンドのチカラ/次の朝は他人
第四章 クリシェとそれを超えるもの――キラキラ青春映画
 君の膵臓をたべたい/四月は君の嘘/恋と嘘/好きっていいなよ。/今日、恋をはじめます/オオカミ少女と黒王子/orange-オレンジ-/殺さない彼と死なない彼女/私がモテてどうすんだ/かぐや様は告らせたい
第五章 肉体と精神/リアルとフィクション――ドロドロ性愛映画
 (秘)色情めす市場/愛のコリーダ/火口のふたり/愛の渦/性の劇薬/ニンフォマニアック/トーク・トゥ・ハー/倦怠/ラブバトル/アイズ ワイド シャット
第六章 「恋愛/映画」に惹かれるもの――オールタイム・ベスト恋愛映画・日本編
 乱れ雲/悶絶!!どんでん返し/ドレミファ娘の血は騒ぐ/トカレフ/あなたがすきです、だいすきです/2/デュオ/unloved/ともしび/ある優しき殺人者の記録/れいこいるか/カルメン純情す/美しさと哀しみと/風たちの午後/戦場のメリークリスマス/undo/渚のシンドバット/贅沢な骨/blue/Dolls/NANA
第七章 「恋愛/映画」に惹かれるもの――オールタイム・ベスト恋愛映画・海外編
 天国は待ってくれる/忘れじの面影/心のともしび/突然炎のごとく/白夜/ママと娼婦/カルメンという名の女/牯嶺街少年殺人事件/トロピカル・マラディ/アンナと過ごした4日間/都会の女/13回の新月のある年に/ポンヌフの恋人/ブエノスアイレス/ピアニスト/ドリーマーズ/恍惚/スプリング・フィーバー/詩人の恋/燃ゆる女の肖像
第八章 恋愛映画の現在――二〇二二年の新作
 アネット/イントロダクション/あなたの顔の前に/チェリまほ THE MOVIE 30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい/愛なのに/猫は逃げた/TITANE チタン/リコリス・ピザ
恋愛映画崩壊前夜(児玉美月)
恋愛映画から遠く離れて(佐々木敦)

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Tonalism - ele-king

 きたる8月20日、渋谷PARCOの上階(SUPER DOMMUNE&ComMunE)で興味深いイベントが開催される。アンビエント・ミュージックとヴィジュアル・アートをオールナイトで楽しむ試みで、その名も「Tonalism」。ネットラジオ局のdublabが2006年から開催しているイベントだ。やけのはらやあらべえ、FUJI||||||||||TAらが出演、マシューデイヴィッドの収録ライヴ配信もあります。聴くもよし、観るもよし、寝るもよし、参加者各人思い思いの過ごし方ができるイベントのようだ(枕や寝袋も持参できる模様)。詳しくは下記をチェック。

LA発、オールナイト・リスニングエクスペリエンス「Tonalism (トーナリズム)」が日本初開催!

夕暮れから夜明けにかけて、風景画のように変化し続けるアンビエント・ミュージックとビジュアルアートの融合をロングセットで楽しむ「Tonalism (トーナリズム)」。渋谷PARCO10FのComMunEとROOFTOP PARK、9FのSUPER DOMMUNEの2フロアを往来しながら、異なる音響空間で瞑想的なライブミュージックを楽しめる、この日だけのスペシャルな環境となっている。前半は、SUPER DOMMUNEでのトーク、DJの配信も実施。LAからはSam Gendelらを輩出した〈LEAVING RECORDS〉を主宰し、dublabコミュニティの一員でもあるMatthewdavidのライブセットも収録配信が決定。ComMunEの特設会場では、日本屈指の才能を持つアーティスト、DJをキュレーション。ビジュアルは大阪が誇るビジュアルアート・ラボCOSMIC LABのColo Müllerが空間を変貌させる。Tonalismのコンセプトでもある、集団でのリスニングエクスペリエンスを実現する、初の試みに、ぜひ参加頂き、思い思いにフロアに座り、ときには寝ながら、夢と現実のはざまを行き交うマインドフルネスの世界に誘われてください。

参加アーティスト

AKIE
ATSUKO HATANO | 波多野敦子
COLO MÜLLER
FUJI||||||||||TA
MATTHEWDAVID(収録)
RAY KUNIMOTO | 國本 怜
SAKURA TSURUTA
TARO NOHARA
YU ARAUCHI+HIROKI CHIBA | 荒内佑+千葉広樹
YUSAKU ARAI | 荒井 優作
TOMOYA KISHIMOTO | 岸本 智也(ヴィデオエンジニア)

Tonalism
2022年8月20日(土) 20:00〜 8月21日(日)6:00
SUPER DOMMUNE + ComMunE | 渋谷PARCO
(〒150-0042 東京都渋谷区宇田川町15-1 渋谷PARCO9F・10F)
一般(18歳以上)5,000円
https://tonalism2022.peatix.com
※完全限定販売、予定枚数終了しだい発売終了となります。

DOMMUE番組概要
2022年8月20日(土) 20:00〜 24:00
dublab.jp presents Tonalism「Collective listening experience」
at SUPER DOMMUNE(渋谷PARCO 9F)

<第一部> 「ユニークベニュー×アンビエント・ミュージックで創られる体験」
■司会 : 原 雅明(dublab.jp / rings)
■出演 : 齋藤 貴弘(弁護士、JNEA、dublab.jp)

<第二部> 「DJ for Tonalism 」
■DJ : TARO NOHARA、Akie

<第三部>「Special Live from LA」
■出演:Matthewdavid(収録)

主催:
株式会社トゥー・ファイブ・ワン
企画制作:
原 雅明(dublab.jp / rings)
玉井 裕規(dublab.jp / epigram inc.)
金子 和司(dublab.jp / epigram inc.)

協力: 
epigram inc. / GENELEC JAPAN Inc. / DOMMUNE / ComMunE / 渋谷PARCO / infusiondesign inc. /株式会社ティーアンドイー

【dublab.jpとは】
アメリカ、ロサンゼルスの非営利ネット・ラジオdublabの日本ブランチとして有志により2012年に設立された。世界中に多くのリスナーを持ち、絶大な支持を集めてきたdublabの協力のもと、日本独自の視点から、音楽、アート、カルチャーを紹介する放送やイヴェントをおこなっている。
https://dublab.jp

interview with Hudson Mohawke - ele-king

 トラップ(ラップ・ミュージックのではなく、ダンス・ミュージックのそれ)のヒットメイカーとしてハドソン・モホークが自身の名をメジャー・シーンにまで轟かせたのはいまから遡ることちょうど10年前、2012年のことだ。彼とモントリオールのプロデューサー、ルニスによって結成されたユニット TNGHT がリリースしたEP「TNGHT」は、2010年代初頭からトラップがビート・ミュージックから巨大なダンスフロアを沸き立たせるサウンドへと進化する過程を語るには欠かせない作品であり、そのサウンドの鮮やかさはいまもなお保たれている。2015年にはソロ名義では 2nd アルバムとなる『Lantern』をリリース、その後もカニエ・ウェスト、クリスティーナ・アギレラ、FKA・ツイッグスなど数々のビッグネーム・アーティストとのコラボや Apple のCMへの起用、ゲーム『Watch Dogs 2』のサウンドトラックを手がけるなど、フロアからデジタルな画面の中までをも席巻してきた。

 そして悪夢のようなパンデミックが世界中を襲った2020年、マッチョでクレイジーなアートワークが特徴の未発表音源集「B.B.H.E.」「Poom Gems」「Airborne Lard」のミックステープ3作品を突如リリース。この作品群にはビート・ミュージックやヒップホップ、IDMなどと自由度が高く、かつレイヴィーな彼のエッセンシャル的サウンドがみっちりと詰め込まれており、彼がビートメイカーの神童として登場してから、世界中のシーンを席巻するいちプロデューサーになるまでの道筋をリスナーに深く実感させたはずだ。そうして2020年代初頭も、ハドソン・モホークはサウンドの進化をじわじわと重ねながらユニークなアイデアを世に放出し、ついに2022年のこの夏、新作としては7年ぶりとなるニュー・アルバム『Cry Sugar』を引っ提げてエレクトロニック・ミュージック・シーンに華々しく帰ってきた。

 アメリカの退廃といった背景がある本作は、マシュマロマンとジャックダニエルの瓶が描かれたアートワーク、けたたましい彩度で次々と繰り出されるサイケなティザームービーは彼らしいユニークさがありながらもどこか薄暗さを感じさせる。アシッドでレイヴィーな “Bicstan” ではカオスに弾けながら、壮大なストリングスが響く “Lonely Days”、ブラック・ミュージックからのインスピレーションが感じられる “3 Sheets To The Wind” ではメロディアスな側面を垣間見せ、7年の間にアップデートされたサウンドの裏に潜む彼の心象が伺えるだろう。

 カオスな現実に対して独自のレイヤーを高精細に投影し、創造性を体現するハドソン・モホークが今日のシーンに示すものは一体何か。この10月には来日も決定し、待望の帰還を果たす彼に話を聞いた。

人気のレコードを作ることに成功すれば、それを再び作ることはもちろん難しくはない。でも、創造的に自分が面白いと思うことができ、満足できるものを作るためには、そのアプローチじゃダメなんだ。

今年で自身としてはデビューEPのリリースから14年、TNGHT としてのデビューから10年とアーティスト活動の節目を迎える頃になります。ファースト・アルバムのリリースや(“Chimes” が) Apple のCMで起用されたこと、ゲーム『Watch Dogs 2』のサウンドトラックを手がけるなどいくつかのターニング・ポイントがあったと思います。この十数年の軌跡をどのように振り返りますか?

ハドソン・モホーク(以下HM):多くを学んだ10数年だったと思う。いい意味で、成功するぞという意欲に駆り立てられて突き進んできた10数年だったと思うね。僕はすごくシャイな性格だから、本当は積極的に何かをやるタイプではないはずなんだけど、仕事に関しては成功したいという大きな向上心を持っていたんだ。金銭的な成功というよりは、音楽で自分のメッセージを伝えられるようになりたいという成功。活動の中で起こったことのいくつかは、僕の想像をはるかに超えたものもあったね。良い意味でも悪い意味でも。この10数年内には、すごくエキサイティングな瞬間もあったし、同時に、こんなことになるなんて、と、自分が行きたくない方向に物事が進むこともあった(笑)。でもまあ、人生ってそういうものだから仕方がない(笑)。

ロックダウン中はどのように過ごしていましたか。住んでいたのはLAでしょうか? 当地の状況を教えてください。

HM:ロックダウンの直前に、パンデミックが起こるとは知らずに、LAに自分のスタジオを買ったんだ。でも、そのタイミングは良かった。家の他に時間を過ごす場所を持つことができたからね。誰かに会う必要まではなかったけど、もしそのスタジオを持っていなかったら、ずっと家にこもりきりになってたと思う。家以外どこにも行けなかった人たちは、本当によくやったと思うよ(笑)。期間中はほとんどLAにいたけど、イギリスにまた入れるようになった段階で、すぐ戻ったんだ。僕の姉妹がコロナ期間中に子どもを産んだけど、ずっと会えていなかったから。僕にとって初の姪っ子なんだけど、彼女が1歳になるまで会えなくてさ。でも、ロックダウン中にLAにいられたのはよかったと思う。あの街は開放感があって、閉じこもるのに悪い場所じゃないからね。

パンデミック下の2020年にリリースされた未発表音源集「B.B.H.E.」「Poom Gems」「Airborne Lard」のミックステープ3作品はあなたのビート・ミュージックやヒップホップ、IDMなどといったサウンドのエッセンスが多彩に詰め込まれているように感じました。あのタイミングでリリースに至った経緯を教えてください。

HM:もう何年も、未完成のトラックがいろいろなハードドライヴにたくさん放置されていたんだ。それをわかってはいたんだけど、まあ、もうそれらのトラックを完成させることはないだろうなと思っていた。忙しくて時間がないし、何か劇的なことが起こらない限り、そのための作業をすることはないだろうって。でも、パンデミックという劇的な何かが起こって、作業をする時間ができた、というわけ。その曲の中には、ライヴやラジオでだけ披露したことがあるものもあって、周りから「あの曲はどうなったの?」なんて聞かれることもけっこうあったんだよね。だから、完全な自由な気持ちで新作作りに挑みたければ、そういった曲の数々をまず世に送り出す必要があると思った。外に出して処分するってわけじゃないけど、振り返って作業すべきものがあるっていう気持ちを持ったまま新しい作品にとりかかるのは少し落ち着かなくて。まっさらなクリーンな気持ちで新作にとりかかりたかったから、あのミックステープをリリースして、まずは気持ちをリセットすることにしたんだ。

状況から目をそらして、全てがうまくいっているようなフリをするレコードは作りたくなかった。物事がうまくいっていないことは事実で、いま世界はゾッとするような状況下にある。僕は、それを認識しつつも希望を抱くようなアルバムを作りたかったんだ。

いま現在の(ダンス・ミュージックの)トラップは、10年代にシーンで勃興した初期に比べ、ビート・ミュージックの文脈からメインストリームのヒップホップやダンス・ミュージックにも浸透し、かなり異なるサウンドへと進化を遂げたように思います。EDMやヒップホップに影響を与えたトラップ・ミュージックの立役者としてあなたの名が挙げられることが多々ありますが、進化過程をどのように見つめていたか興味があります。

HM:僕がルニスと曲を作りはじめたとき、トラップ・ミュージックはラップの一種とみなされていた。当時はまだEDMではなくて、ラップ・ミュージックのサブジャンルだったんだ。だから、僕自身はEDMとしてのトラップがあまりしっくりこないんだよね。僕とルニスが作った最初のレコードは、あれは偶然でき上がったとさえ言える作品で、ふたりでただ楽しみながら音楽を作っていた結果でき上がったのがあの TNGHT のアルバムなんだけど、あれを作っていたときは、あの作品をパフォーマンスしたいとか、人にどう受け取って欲しいなんて思ってもみなかった。でもリリースされると、これまた偶然人気になってしまった。もちろんそれは嬉しいことだったよ。でも、そのあとあれと同じ音楽を作ることを人びとから求められるようになってしまって、僕はそこにフラストレーションを感じるようになってしまったんだ。そして結果的に、トラップ・ミュージックはジャンルとしての進化が止まってしまったと思う。フェスティヴァルで盛り上がるエキセントリックな音楽になってしまってからは。トラップ・ミュージックといえば花火、みたいになってしまったし、男性アーティストが中心になった。あのときは、僕もルニスも、これは自分たちが進みたい方向じゃないなと思ったね。あれはもう、僕たちがアルバムを作っていたときに作りたいと思っていた音楽とは方向が全然違ってしまっていたから。だから僕たちは、少し距離を置くことにしたんだ。トラップというものが、もう何なのかわからなくなってしまったから。もちろんトラップは僕のキャリアの一部であり、ディスコグラティの一部でもある。でも、僕は自分の音楽がトラップだと認識される必要はないと思っているし、僕は新しいアイディアで、あのときの音楽とは全く違うものを作りたいと思ってる。人気のレコードを作ることに成功すれば、それを再び作ることはもちろん難しくはない。でも、創造的に自分が面白いと思うことができ、満足できるものを作るためには、そのアプローチじゃダメなんだ。同じことを繰り返さず、何か新しいものを作ってこそ、自分の創造性を満たすことができる。所属しているレコード会社が自由に好きな音楽を作ることを認めてくれているのは、すごく幸運だと思うね。あと20年同じレコードを作りつづけろ、なんてレーベルもきっとあると思うから。

前作『Lantern』はポップ・シーンを席巻するハウシーな要素だけでなく、ここ数年のベース・ミュージックやハイパーポップなどに繋がる要素も含まれているかと思います。近年のシーンの流れを踏まえ、前作からどのように制作軸やサウンド面がアップデートされていったか教えてください。

HM:それをどう思うかは聴く人次第だとは思う。僕自身は、自分が作る音楽の核は変わらず存在しつつ、少しだけ洗練されたと感じるかな。今回のアルバムでは、他のプロジェクトの中でさえも試したことのないサウンドに挑戦してみたりもしたからね。生演奏をここまでフィーチャーしたことも初めて。これまでそれをやってこなかったのは、自分の音楽がシンセやサンプルベースだったから。だから、ここまで生演奏をフィーチャーしていると、今回のサウンドを嫌う人も必ずいると思う。でも、やっぱり僕にとっていちばん大切なのは、自分自身が納得のいくサウンドを作ることなんだ。

今作はハウスやUKG、ガバ~ハードコアといった様々なダンス・ミュージックの要素がありつつ、一方ではアッパーなだけでない側面も感じさせますよね。改めてアルバムのコンセプトを教えてください。

HM:コンセプトはひとつではないんだけど、メインのひとつを説明すると、いま僕たちは、怖くて、気が遠くなるような世界の中に生きているけど、その状況から目をそらして、全てがうまくいっているようなフリをするレコードは作りたくなかった。物事がうまくいっていないことは事実で、いま世界はゾッとするような状況下にある。僕は、それを認識しつつも希望を抱くようなアルバムを作りたかったんだ。

アルバムの制作はいつ頃からはじめましたか? 構想のインスピレーションを受けたものなどがあれば教えてください。

HM:制作をはじめたのは、たぶん2020年の初めだったと思う。インスピレーションというか、僕がつねに意識していたのは、自分自身の鳥肌が立つようなサウンドを作ること。パンチが効いて、明るくて、エキサイティングでありながら、効いた瞬間にゾクッとするような作品をイメージしながら作業したんだ。例えば、高揚感のあるサウンドと30秒間の奇妙なインタールードが組み合わさっているとかね。自分自身が聴きたくなるような、自分自身がその展開に驚かされるような作品を作るというアイディア、自分自身を驚かせたいという気持ちが、アルバムのインスピレーションだったと思う。

制作中に気になったトピックやアーティスト、作品は何かありますか? あるいは制作期間だけでなく、近年気に入っているアーティストや作品があれば教えてください。

HM:おもに聴いていたのは、ライラ・プラムク(Lyra Pramuk)の『Fountain』っていうアルバム。アルバムを聴いて泣くなんてめったにないんだけど、あのアルバムを聴いたときは涙が出た。ドラムもシンセも使われていなくて、アルバム全体がひとりの人間の層でできているんだ。まるで聖歌隊みたいなんだけど、人数はひとりだけ。あのアルバムは本当にたくさん聴いたな。自分のアルバムにも少しは影響していると思う。10分間の曲なんかもあって、聴いたらきっと気に入ると思うよ。是非チェックしてみて。

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自分自身が聴きたくなるような、自分自身がその展開に驚かされるような作品を作るというアイディア、自分自身を驚かせたいという気持ちが、アルバムのインスピレーションだったと思う。

アルバム・タイトル「Cry Sugar」は70年代のソウル・グループであるダイソンズ・フェイシズに由来しています。その曲をサンプリングした “3 Sheets To The Wind” のように、アルバムではソウルやゴスペルのサンプル、浮遊感のあるヴォーカルがユニークに織り交ぜられています。かつてなくブラック・ミュージックへの愛を表現している作品のようにも思えましたが、それは2020年の事件が関係していますか?

HM:2020年の事件に関係しているかはわからないけど、僕自身は、さっきトラップのEDM化の話をしたけど、そういった音楽や TNGHT の音楽にソウルフルな要素が欠けているからなんじゃないかと思う。トラップって、けっこう白人化してしまったと思うんだよね。TNGHT 以外の僕の音楽は、これまでもラップやヒップホップといったソウルフルな音楽の影響がたくさん反映さていた。でも、TNGHT の僕だけを知っている人たちは、僕の音楽のその側面を知らないんじゃないかと思う。だから、その僕の音楽の根源的なものを見せようとした部分はあったと思うね。

今作の制作プロセス、機材面などは以前に比べて何か変化はありましたか?

HM:これまでとは少し違ったんだ。LAにいる何人かの友人のひとりが、TV・オン・ザ・レディオのメンバーのデイヴ(・シーテック)なんだけど、彼とはすごく親しくて、僕も彼もふたりとも機材オタクでさ(笑)。ロンドンでは彼みたいな友だちはいなかった。僕はつねに違う機材を試したいタイプなんだけど、ロンドンでは同じタイプの人があまりいなくて。でもLAでデイヴに出会った。彼は、試したい機材があると即手に入れるんだ(笑)。まるでおもちゃで遊ぶかのように、いろいろな機材を散りばめ、それを使いこなす彼を見ているのは刺激的だったし、僕は彼の機材を使えたおかげで新しい機材にお金を使わなくてすんだから、すごく良かった(笑)。

アルバム・リリース後、どのようなパフォーマンスをしていきたいと考えてますか?

HM:あのとき、もうツアーはやりたくないと思ったんだ。毎日がパーティーだったし、気分的にもあまりいい状態ではなかったから。でも、しばらくそれから離れたおかげで、またツアーをやるのがいまはすごく楽しみになった。音楽シーンや音楽文化の動きや変化はものすごく早い。5、6、7年ギグをしてなかったり、アルバムをリリースしていないと、オーディエンスもガラっと変わっていると思う。だから、いまライヴをするということがどういう感じなのかをこの目で見て体感するのがすごく楽しみなんだ。10月には日本でもショーがあるし、ヨーロッパでもいくつかフェスに出る。いまいちばん興奮しているのは、それがどんなショーになるかがまったく予想できないこと。何が起こるか、どんなショーになるのかが全くわからない。それはもちろん強くもあるけど、同時に楽しみでもあるんだよね。

パンデミックの状況を鑑みつつ、各所でフェスやイベントが再開されていますが、パフォーマンスにおいてムードの変化は感じますか?

HM:フェスにはいくつか行ったけど、変化を感じたかどうかはなんとも言えないな。実際のところムードがどんな感じか、判断するのがすごく難しいと思う。またショーが再開して皆やっと普通に戻りそれを楽しんでいるように見えるけど、なんとなくそこには心配もまだ隠れているような感じがする。だからわからないな。完全に前のように戻るには、もう少し時間がかかりそうな感じはするね。

トラップって、けっこう白人化してしまったと思うんだよね。TNGHT 以外の僕の音楽は、これまでもラップやヒップホップといったソウルフルな音楽の影響がたくさん反映さていた。でも、TNGHT の僕だけを知っている人たちは、僕の音楽のその側面を知らないんじゃないかと思う。

“Lonely Days” はストリングス使いが印象的で、アルバム全体のなかで浮いているように感じました。「孤独な日々」という曲名ですが、ご自身の体験が反映された曲でしょうか?

HM:そうだね。もちろんパンデミックもその一部だけど、LAで数年暮らして感じた孤独も反映されているんだ。LAって広大な場所で、果てしなく広がっているから、ときには誰にも会わない日があったりもするんだよね。LAは、友だちに会いたいと思ったときに、サッと会いにいけるような環境じゃない。みんなお互い遠くに住んでいるし、僕はLAに越してきたときは車が運転できなかったから、なおさら大変だった。だから、最初の数年はものすごく孤独を感じたんだよね。それが映し出されているんだ。

パンデミック下では多くのアーティストが自己内省の機会を得ていましたが、自身も過去やキャリアを振り返ることはありましたか?

HM:いつもだったら、周りが動き続けているから、人ってなかなかそういう機会はないよね。でも良い意味で、僕らは今回そのチャンスをもらえた。だから僕もここ10数年のことを振り返ったし、最初に話したように、良い意味で想像を超えたこともあれば、悪い意味で想像を超えたこともあったな、と考えていたね。

パンデミックの影響で制作やライフスタイルに大きな変化はありましたか?

HM:僕は、いままで早起きを楽しんだことなんて一度もなかった。これまでは早起きが大嫌いだったのに、パンデミックに入ってから、朝方人間になって、それを楽しむようになったんだ。自分でもびっくりだよ。

今作では楽観主義と持続可能性を強く意識し、ご自身も健康面を優先されているとのことですが、日頃から健康面で実践していることは何かありますか?

HM:ははは(笑)。それってプレスリリースに書いてあった? あれは僕の友だちが書いたんだけど、あの資料のほとんどはでっちあげなんだ(笑)。超真面目なプレスリリースにうんざりしちゃってさ。無理やり賢くきこえるような文章を書いたりとか。だから、でっちあげの方が面白いんじゃないかと思ったんだ(笑)。一応早起きはしてるけどね(笑)。あとはときどきジムに行く。

今回のアルバムでいちばん好きな曲は “Bicstan” なのですが、クラシックなハウスの旋律が根底にありながらもリズミカルなガバキック、フーバー音やアシッド音などレイヴィーな要素が散りばめられています。ここ近年ではレイヴ・カルチャーのリヴァイヴァルの流れが生まれてきていますが、あなたにとってのレイヴ・カルチャーとは何ですか?

HM:レイヴ・ミュージックは、ラジオから流れてくるポップの次に僕が最初に夢中になったアンダーグラウンドの音楽。かなり前の話だね。レイヴ・ミュージックにハマったのは9歳とか10歳のときだった。1995年くらいかな。僕には年上の従兄たちがいて、彼らが皆パーティーに行ってたんだ。それに影響を受けてレイヴ・ミュージックが大好きになったから、僕の音楽はもう長いことレイヴ・ミュージックにインスパイアされてる。あのサウンドとエナジーは、僕のハートのそばにずっとあるもの。いまレイヴ・ミュージックのリヴァイヴァルが起こっているのはちょっと変な感じがするけど、流行りに関係なく、レイヴ・ミュージックはずっと僕の一部なんだ。

通訳:ありがとうございました。

HM:ありがとう。10月に日本に行けるのを楽しみにしているよ。

[ハドソン・モホーク来日情報]

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SPECIAL GUESTS
HUDSON MOHAWKE (DJ SET)
DAITO MANABE

10/25 (TUE) 梅田 CLUB QUATTRO
10/26 (WED) 名古屋 CLUB QUATTRO
10/27 (THU) 渋谷 O-EAST
10/28 (FRI) 渋谷 O-EAST

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