Home > News > Revenge of the She-Punks Compilation - ——『女パンクの逆襲』のコンピレーションが発売
『女パンクの逆襲』(ヴィヴィエン・ゴールドマン 著/野中モモ 訳)は、このご時世にあって、いや、このご時世だからこそ読まれ続けているのだろう。ディスクガイドでもないしポップスターの評伝でもない、しかも英米白人オンリーでもない、「女パンク」をめぐる言葉は、世界のいろんなところで、それを読んだ女性たちの魂に響き、それを読んだ男性たちの思考に変化を与えているはずだ。
原書が刊行されてから3年、ついにその本のコンピレーション・アルバムが、来る9月、全28曲、CDで2枚組、アナログ盤で4枚組(そして配信)としてドイツのレーベルからリリースされることになった。
以下、ヴィヴィエン・ゴールドマンの言葉を抜粋。
本書は、英米圏に限らず、アフリカ、カリブ海、アジア、東欧、中南米、ヨーロッパ大陸で活動する女性たちによる38曲の歌の背景を語ることで、家父長制の迷宮である音楽業界を突破するためのひな形を提供するものだ。手本となるものが皆無か、もしくはほとんどないなかで、いかに女たちがいち音いち音に新しい基準を打ち立て、閉塞状況に風穴を開け、伝統や期待を打破しながら自己表現のできる音楽家となったかのかを著している。残念ながら、そのすべての音楽を収録することはできなかったものの、ここに心揺さぶる代表的な作品を紹介することができた。この本の核となるテーマ、つまり、どこにいても私たちをつなぐ、生きるための基本的な事柄について、世界中の女性アーティストたちがどのように心を動かされて歌っているかがわかるだろう。 (略) このコンピレーションのシークエンスにおいて重要なことは、歌詞よりもリズムとサウンドに導かれ、私たちの創造性の幅を音で表現することだった。私のパンクに対する見解は、このジャンルを熱狂的な音の総攻撃として崇拝する向きに固執することではない、むしろその精神に基づいている。とくに女性アーティストの道は男性のそれよりも険しいことが多々ある。(略)しかし、これらのトラックで聴けるように、そのあらゆる形態において、激しいサウンドであろうと柔らかいサウンドであろうと、パンクは抵抗の音楽であり、女性のパンクはとくにそうなのだ。 私たちは、アメリカで、そして長いあいだ女性に抑圧的であることで知られていた国々でも、とくに同一賃金や中絶に関わる問題など、人間の基本的な能力が複数の面で攻撃を受けているシステムを変えようと、自分たちの音楽を用いて憤怒しつづけている。創造性を諦めず、音楽をもって環境を整え、自分の空間を作り自己実現したアーティストとして生きてきた女性たちの、とても必要で、しかも多くの場合、あまり知られていない声へようこそ。ヴィヴィエン・ゴールドマン
Various Artists
Revenge of the She-Punks Compilation
Inspired by the Book by Vivien Goldman
2-CD / 4-LP and Digital Download – Released September 30th 2022 on Tapete Records
https://shop.tapeterecords.com
Tracklist
1) Tanya Stephens – Welcome To The Rebelution
2) Au Pairs – It’s Obvious
3) X-Ray Spex – Identity
4) Fea – Mujer Moderna
5) The Bags – Babylonian Gorgon
6) Fértil Miseria – Visiones de la Muerte
7) Crass – Smother Love
8) Rhoda with The Special AKA – The Boiler
9) Jayne Cortez and the Firespitters – Maintain Control
10) Skinny Girl Diet – Silver Spoons
11) Big Joanie – Dream No 9
12) Malaria! – Geld
13) The Slits – Spend, Spend, Spend
14) Poison Girls – Persons Unknown
15) Bush Tetras – Too Many Creeps
16) Grace Jones – My Jamaican Guy
17) Patti Smith – Free Money
18) Tribe 8 – Checking Out Your Babe
19) Cherry Vanilla – The Punk
20) Blondie – Rip Her To Shreds
21) Sleater-Kinney – Little Babies
22) The Selecter – On My Radio
23) Mo-Dettes– White Mice
24) Shonen Knife – It’s A New Find
25) The Raincoats – No One’s Little Girl
26) Vivien Goldman – Launderette
27) Zuby Nehty – Sokol
28) Neneh Cherry – Buffalo Stance