「!K7」と一致するもの

Ursprung - ele-king

 サード・アルバム『ブラック・ノイズ』で叙情派ミニマルのトップに躍り出たパンタ・デュ・プリンスが、古巣に戻って、同作にも参加していた写真家でワークショップのメンバーとしても知られるステファン・アブリーと新たに結成したミュージック・コンクレート-ミニマル・テクノ-クロスオーヴァーの1作目。ユニット名は「起源」を表し、アルプス山中で何度かセッションを繰り返し、自分たちでも「なんだろうね、これは?」と思うようなものが出来上がったという。ワークショップはちなみにマウス・オン・マースの運営するゾーニッヒから6作目と、いまのところ最後となる7作目をリリースしているクラウトロックの「はぐれ雲」。元はといえばパンタことヘンドリック・ヴェーバーが10年前に、まだハンブルグでステラというシンセ-ポップのユニットに加わっていた頃、ワークショップとは〈ラーゲ・ドー〉(ラドマット2000のサブ・レーベル)のレーベル・メイトだったことがふたりを近付けたらしい。

 鈴を転がすような柔らかい音が特徴的だった『ブラック・ノイズ』に対して、ウーシュプルンクは人を寄せ付けない緊張感のある音に支配され、なるほど「ギターをメインとしないドゥルッティ・コラム」というレーベルのアナウンス(https://www.kompakt.fm/releases/ursprung)もそれなりに頷ける。それこそフェネスやティム・ヘッカーなど、快楽的な音から遠ざかりはじめたゼロ年代初頭のエレクトロニカともオーヴァーラップするところが多く、このところヴォルフガング・フォイトが勢いを取り戻している感覚とも符号は合う。快楽主義に水を差すような動きは、レイヴ/テクノは何度も経験してきたことだし、結果的にはそれがダンス・ミュージックの幅を大きく広げてきたことも否めない。ハード・ワックスがはじめたダブステップのレーベル、〈ヒドゥン・ハワイ〉ではAnDがノイズ・ドローンに最小限のリズムを足すことでダブステップを成立させる試みなど、フォーマットの更新は常におこなわれている(ちなみにヴェーバーは2010年からゲイズ名義でノイズ・カセットを3本リリースしている)。

 とはいえ、『ウーシュプルンク』の85%はまだミニマル・テクノの範疇に収まっている。異様な物音にエレクトロのリズムが打ち込まれ、ギターのアルペジオが乱舞する「リジー」など、ややこしいことこの上ないにもかかわらず、観たこともない景色に連れ去られる感覚はレイヴ・カルチャーの王道からそれほどズレているとはいえないし、不安を煽るようなベース・ラインとシンセサイザーの合唱が異様なほど気分を左右する"ナイトバーズ"、多種多様なSEがこれでもかと詰め込まれた"イークソダス・ナウ"......と、繰り返し聴いていると『ブラック・ノイズ』からそれほど離れた作品ではないことが少しずつわかってくる。『ブラック・ノイズ』はいささか完成され過ぎたアルバムだったし、ひとりでは破れなかった完成度という名の壁をアブリーの力を借りて破壊したというのが実際のところではないだろうか。クラシック・ピアノと波の音が混沌としたイメージをつくりだすエンディングはあまりに荘厳で、彼(ら)なりの大袈裟なカタルシスの表現とも受け取れる。

Chart by JET SET 2012.05.28 - ele-king

Shop Chart


1

Beauty

Beauty Love In The Heart Of The World Shout (Crue-l) »COMMENT GET MUSIC
チルウェイヴ以降のシンセ・インディダンス、シューゲイズ、バレアリックをレイヤーに、4adのダーク&ゴシックな美意識をコーティングした圧倒的な世界観。先行12"の期待値を遥かに超える傑作です!

2

Dave Dub

Dave Dub Treatment (Stones Throw) »COMMENT GET MUSIC
PortisheadのGeoff Barrowによるプロジェクト"Quakers"にも参加していた、サンノゼ出身のベテランMc=Dave Dub。彼が8~17年前に制作した楽曲の数々が初バイナル化!

3

La Vampires By Octo Octa

La Vampires By Octo Octa Freedom 2k (100% Silk) »COMMENT GET MUSIC
ごぞんじ100% Silk主宰者Amanda Brownのソロ名義、La Vampires。Italとの超ヒット作に続くコラボ・シリーズ第4弾。

4

The Tortoise

The Tortoise The Puffing Tortoise (Third Strike Records) »COMMENT GET MUSIC
前作"Gonna Be"でも注目を集めたメルボルンを拠点に活動を繰り広げるTorquhil AndersonによるプロジェクトTortoiseによる約1年ぶりの注目作。"Rondenion Remix"収録!

5

Ta-ku

Ta-ku 50 Days For Dilla Vol.1 (Huh What & Where) »COMMENT GET MUSIC
Laの新興レーベルHuh What & Whereより、新鋭ビートメイカーTa-kuのソロ初ヴァイナルが限定リリース! 自身のアイドルJ Dillaへのトリビュートの念を込めた全25曲を収録。

6

House Shoes

House Shoes The Time Ep (Tres) »COMMENT GET MUSIC
P.B.W.にJ Dillaを紹介した事や、All Cityからのリリース/一連のリエディット作で知られるベテランHouse Shoesが、Big Tone、Danny Brownらを迎えた強力シングル!

7

Girls We Like / D-Bo

Girls We Like / D-Bo Do-Over vol.4 (Do-Over) »COMMENT GET MUSIC
La発の野外ミュージック・パーティー『Do-Over』。そこから派生したレーベルより待望のアナログ・リリース第4弾! ゲートフォールド・ジャケット仕様。

8

Oh No

Oh No Ohnomite (Fdwbrk1975) »COMMENT GET MUSIC
黒人コメディアンRudy Ray Mooreの楽曲をサンプリングしたコンセプト・アルバム!

9

Seconds

Seconds Another Day (Above Machine) »COMMENT GET MUSIC
Is It Balearic?などの良質バレアリック・レーベルからのリリースで人気を博すThe Project ClubのSteve Lee手掛ける新レーベル"Above Machine"第二弾。才人Markus EnochsonとJackpotメンバーのLuciano Leivaによる才人スウェディッシュ・コンビ、Secondsによる傑作デビューEp!!

10

Lemonade

Lemonade Diver (True Panther) »COMMENT GET MUSIC
「Big Weekend」~ファースト・アルバムから約4年、遂に2枚目のフル・アルバムが到着。Us/True Pantherからのダウンロード・コード付きアナログ!!

San Gabriel - ele-king

 我々がダンス・アルバムに求めるものは、いろいろある。うきうきした気分、セクシャルな夜のサウンドトラック、あるいはフットワークのサディスティックな殺気、あるいはミニマルの催眠状態、あるいは運動、あるいは精神、あるいは......。僕はいまでもダンスのアルバムを好んでいる。ダンスのアルバムは、身体や心をほぐしてくれるだけではなく、ときにそれは文化的記号のパズルとなる。電流が流れるシールドは、さながら国境を越えた高速道路のように運ぶ、そう、ビートという暗号化された文化を。

 シカゴの〈スリル・ジョッキー〉から何枚も作品を出しているピット・アー・パットの中心メンバー、ブッチー・フエゴは、その活動と平行して、ボアダムスの『77ボア・ドラムス』への参加、なんと今年出たナイト・ジュウェルの『ワン・セカンド・オブ・ラヴ』、そしてもうしばらくしたらレヴューを掲載する予定のサン・アロウとコンゴスとのコラボレーション・アルバム『インヴォケーション』でも活躍している。それどころか、ジュリア・ホルターの『エクスタシス』でもミキシングを手がけている。シカゴの実験派からボアダムス、そしてトレンディーなLAのインディ・ダンスを横断している。こうしたキャリアを言うだけでも彼がくせ者であり、マルチな音楽家であり、並々ならぬ才人であることは想像がつく。そのブッチー・フエゴが、この度、DJアルツの主宰する〈アルツムジカ〉からサン・ガブリエル名義でアルバムをリリースした。

 『Volfe』を特徴づけるのは、とにかくビートの多様性である。ダンス・アルバムであれば多かれ少なかれビートに凝るのは当たり前だが、凝れば良いというものでもなく、結局はある種の反射神経にも似た才能とセンスがモノを言う。アフロ、そしてグライム、そしてダブステップ、そしてデジタル・クンビア、そしてレゲエ、そしてレイヴ......などなど、『Volfe』には今日のビートのコレクションが揃っているが、そのどれもがユニークなミキシングによって色気づいている。実際のところ、このCDを編集部でかけていると、いろいろな人が興味を示す。国境を越えた電子の高速道路の上をめまぐるしく変化するビットが創出するグルーヴは、多彩な文化の暗号としていろんな人の気を引くのである。テクノでもなければグライムでもない、クンビアでもないし、ダブでもない。そのすべてでもある。ヤマタカ・アイとアルツによるリミックスも収録されている。
 エキゾティズムというほど食卓向きでもないが、しかし、ちょっとしたパーティ向きではある。叫んでみたり、踊ってみたり、音のディテールにユーモアがある。電子のジャングルのなかをはしゃいでる感じがとても良い。

Beach House - ele-king

 歌はつねにパフォーマンスであり、歌の言葉はつねに声に出して発せられる――声を運ぶものなのだ。(略)歌は詩よりも劇に近い。(略)
 ポップ・ソングでは、明瞭さではなく不明瞭な発声が歓迎される。そしてポップ歌手の価値は、歌詞にではなく、サウンド――歌詞にまつわる雑音――にかかっている。日常生活では、もっとも直接的で強烈な感情の表現は、あえいだり、うめいたり、笑ったり、泣いたり、などなどの、たんなる雑音と関わっている。感情の深さや真正しさは、言葉を見つけられないことによって計られる。「怖い」とか、「愛している」のような言葉になった表現だけでは、説明しようとしている心の状態には不適切に思えるのだ。これこそが歌がうたわれる第一の理由だ。そして、日々の生活で人びとは、雄弁家、女たらし、政治家、セールスマンなど、多舌の才に恵まれた人に不信を抱く。詩的であることでなく、不明瞭さこそ、ポピュラー・ソングの作詞家の誠実さの徴なのだ。
      サイモン・フリス『サウンドの力』(細川周平、竹田賢一訳)


 ヴィクトリアの歌は、まさにそのパフォーマンス、その不明瞭さにおいて圧倒的な生命力を持っている。彼女の声は中性的で(二コやマリアンヌ・フェイスフルの系譜)、そして実にありふれた、たわいものない主題を、しかし力強い、何か特別なものに変換する能力を持っているのだ。
 重厚なストリングス・サウンドがその感情の起伏をうまくサポートする。『ティーン・ドリーム』が出た2010年の1月、個人的に人生の崖っぷちに立っていた時期でもあってので(まあ、つねにそうだとも言えるが)、僕は新幹線のなかで、流れる景色を追いながら初めてそのアルバムを聴いたときに、おそろしく深い感動を覚えたのである。ポップにおいては「何が歌われるかではなくいかに歌われるか」が重要だというサイモン・フリスの分析は、我々日本人が長いあいだ洋楽に親しんでいることの根拠でもある。だからといって、『ティーン・ドリーム』を『ラヴレス』と比較しようとは思わないけれど。

 とにかく、『ティーン・ドリーム』はドリーム・ポップの代名詞となった。『デヴォーション』の薄明かりの憂鬱は、"浜辺の家"というバンド名のちょっとした逆説の延長線上にあったに過ぎなかった......が、『ティーン・ドリーム』は海から遠く離れて、いわば夢のなかを自由に歩くソウルだった。自分の感情を抑えずに行動することが自由と呼べるのなら、ビーチ・ハウスの3枚目のアルバムにはそれを誘発する力がある。"ゼブラ"、そして"ウォーキング・イン・ザ・パーク"......これらある種凡庸な主題も、しかしヴィクトリアの歌とストリングスによって、不明瞭さのなか、何か別の意味をふくらませるのである。
 我々がラヴ・ソングを好むのは、動物的な本能から来る性愛もさることながら、愛の告白にマニュアルがないように、求愛という行為が創造的でなければならないからだ。優れたポップスはときとしてそうした生活のなかの創造を後押しするものだが、2010年において『ティーン・ドリーム』はその行為におけるエースだった。最強のカードであり、切り札だった。鳴っていたら耳に入ってくる音楽であり、大衆操作や商業的戦略に支配されたポップスを本来の無垢な姿に戻すという意味においても、それは正真正銘のドリーム・ポップだった。

 買ってからまだ10日ほどしか経っていない現時点で、『ブルーム』を批評するのは難しい。基本的には『ティーン・ドリーム』の方法論の焼き直しと言える。たしかに魅力的なドリーム・ポップではある。憂鬱やためらい、それら説明しづらい感覚は、"神話(Myth)"や"時間(The Hours)"といったビーチ・ハウス節と呼べる曲からズキズキと伝わってくる。"野生(Wild)"の気だるく甘美なメランコリーも自然と耳に、いまもなお、無垢に入ってくる。彼らは自分たちの良さをわかっているし、おそらく、ファンの期待にも応えているのだろう......が、完成度という点で前作を上回っているとは言い難い。
 『ブルーム』の重大な欠点をひとつ挙げるなら、センチメンタリズムの王道が少なからず混在していることだ。とくに"他人(Other People)"のような、テレビのコマーシャルにでも使われそうなほどのMORには違和感を覚える。いわゆる「前作以上にポップになった」というクリシェで説明されるのだろうが、たんなる迎合的なメロディにも思える。
 とはいえ、まあ、たとえば1枚のアルバムを買って、そのなかに3~4曲、胸がときめくようなポップスがあれば充分に満足できるのであれば、『ブルーム』は間違いなく良いアルバムだ。2曲であれば先に挙げた"神話"と"時間"。3曲であれば"アイリーン(Irene)"。俗事におけるささやかな夢が待っている。夜、街が静かになったときに再生しよう。

interview with Tickles - ele-king


Tickles
on an endless railway track

MOTION±

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 今日の文脈で言えば、アンビエント・ポップ(そしてIDMリヴァイヴァル)に当てはめることもできるだろう。ひと言で言えばロマンティックな音楽で、ベルリンの〈モール・ミュージック〉や〈カラオケ・カーク〉、ケルンの〈コンパクト〉から出ていたとしても違和感はない。トゥ・ロココ・ロットやウンダーの叙情、あるいはクライドラーの室内楽的なエレクトロニカを思い出す。とにかく、このあたりの固有名に反応する人が好きな音である。エイフェックス・ツインのような冗談があるわけではなく、ボーズ・オブ・カナダのような幻覚症状があるわけではないが、オルゴールのようにまとまりをもった愛らしい音楽と言える。わずかな感情の変化にも敏感に感応するような、ピアノ、ないしはトイ・ピアノの音が心地よい。先日、イーライ・ウォークスのデビュー・アルバムを出したばかりの中目黒の〈MOTION±〉が新しくリリースするのは、「かねてから目を付けていた」という湘南在住の鎌田裕樹のプロジェクト、ティックルズの3枚目のアルバム『オン・ア・エンドレス・レイルウェイ・トラック』だ。ちなみに〈MOTION±〉レーベルをやっているのは、〈ワープ〉をライセンスしているビートインクの元スタッフと元『remix』編集部のテクノ担当者なので、おのずとレーベルが好むところの音楽性もうかがい知れよう。
 『オン・ア・エンドレス・レイルウェイ・トラック』の帯には、レーベルによる「線路は続くよ どこまでも」 というコピーがある。僕はそのコピーを最初に見たとき、あまりの身も蓋もない表現に「マジっすか!」とレーベルの人に笑ってしまったが、CDの封を切ると中面に手書きの線路があった。3拍子の曲からはじまる『オン・ア・エンドレス・レイルウェイ・トラック』は、ある意味では汚れのないイノセントなアルバムだ。それは牧歌的な情熱によって、リスナーをゆっくりとした旅に連れて行く。

逆にそんな時期だからこそ、音楽というのは感情を逆撫でするようなものではなく、単純にもっと優しさを感じ取れるようなものであっても良いのかなって。みんながみんな怒りや反発の方向を向いていてもそれはそれで芸がないというか......

インタヴュー前にいったいどんな見た目の人なのかなって想像していたんですが、想像とまったく違っていました(笑)。

tickles:はははは。どんなイメージだったんですか?

もっとシャープな線の細い感じの人をイメージしていたんですけれど。

tickles:太めです(笑)。

だははは。いい意味で裏切られたというか、敬意を込めて言いますけど、ひと仕事し終えてきたって感じっすね。ま、ビールでもどうぞ(笑)。プシュ。

tickles:ありがとうございます。プシュ。

では、さっそくですが、よろしくお願いします。

tickles:お願いします。

荒井君(レーベルのスタッフ)からティックルズのことを教えてもらって、僕の好みの音楽であるのと同時に、最近、日本のアンダーグラウンドにおいて共通した感覚が増えてきているなという印象を持っていたので、ぜひ話を聞いてみたくて。

tickles:ありがとうございます。

それを感じることってあったりしますか?

tickles:ライヴではいろいろなジャンルの人とやらせてもらうんですけれど、これまで自分と近いなって感じた経験はほとんどないですね。まあ、あくまで僕の知っている範囲では、という感じですけれども。

スタイルは違うけど、たとえばフォトディスコとか、彼もある種の穏やかさというか、平穏を表現しているアーティストなんですけれどね。

tickles:興味ありますね。今度、聴いてみます。

ポスト・ロックやエレクトロニカって聴いていましたか?

tickles:エレクトロニカはそれほどのめり込んで聴いたわけではないですが、ポスト・ロックに関しては20代の初めによく聴いていたし、ライヴもよく観にいっていました。なかでもゴッドスピード・ユー!ブラック・エンペラーが大好きでしたね。

へえ。でも現在のティックルズの音楽性はゴッドスピード・ユー!ブラック・エンペラーとは全然別物というか、むしろ対極じゃないですか? 初期のフォー・テットやディラン・グループのほうに近いような気がしますれけど。

tickles:もちろんフォー・テットやディラン・グループも好きでしたよ。でも自分が表現したい本当のところは、むしろゴッドスピード・ユー!ブラック・エンペラー寄りというか。もっと激しいものであって、それを自分なりに押し進めていった結果、現在のような音楽性に辿り着いたという感じなんです。

ゴッドスピード・ユー!ブラック・エンペラーに強く惹かれたのは、どうしてなんでしょう?

tickles:ゴッドスピード・ユー!ブラック・エンペラーのサウンドは、猛烈にアナーキーでインディペンデントな臭いがして、とにかくそれがかっこ良かったですね。その当時僕はメッセージのある音楽が好きで、音楽っていうものはファッションになってはいけないというか、もっと力強いものでなくてはいけないと思っていたので、ゴッドスピード・ユー!ブラック・エンペラーのあの強烈なメッセージ性というか、パンク的な要素がとにかく胸に突き刺さったんですよね。
 でも、その後、自分で音楽を作るようになってから考え方がちょっと変わってきて。作品をリリースしたあとは、その作品って作り手の手を離れて、リスナーのものになるじゃないですか? というか、僕はそう思っていて、そうであれば、メッセージよりも、聴き手に寄り添うような作品であればいいなと思うようになって。それでだんだんいまのような作風になっていった感じです。

ゴッドスピードって、もしかしたらレディオヘッドの『キッドA』よりも大きな影響力を持っていたかもしれない......ただ、それらがティックルズとはどうも結びつかない(笑)。

tickles:まあ(笑)。とはいえ、間違いなく自分のルーツだし、大きな影響を受けていることはたしかです。いつかはゴッドスピード・ユー!ブラック・エンペラーのような大所帯バンドで、いまの音楽をライヴでやってみたいなって思ったりしますね。

ゴッドスピードには有名な、"ザ・デッド・フラッグ・ブルース"の「車は燃えている、運転手はいない。下水道は孤独な自殺者で溢れている......」というフレーズがあるじゃないですか。彼らはこの世がいかに絶望的か、それをとことん表現したバンドでしたよね。でも、ティックルズは、リスナーに暗い現実を叩きつけるようなことはしないじゃないですか?

tickles:それはそうですね。むしろいまはそうあるべきじゃないと思っています。

その意味では、対極であるとも言えますよね?

tickles:なるほど。そういう意味では、まさに対極ですね。暗い現実を叩きつけるなんて、やりたくないですからね。

それはなぜですか?

tickles:いま、時代的になのかもしれませんが、いろんなことに反感を持ったり、強いメッセージを持った曲が多いという印象を持っているんです。自分としてはそればっかりになってしまっては表現としては面白くないなと思っていて。逆にそんな時期だからこそ、音楽というのは感情を逆撫でするようなものではなく、単純にもっと優しさを感じ取れるようなものであっても良いのかなって。みんながみんな怒りや反発の方向を向いていてもそれはそれで芸がないというか。ティックルズとしての表現は、いまはそういうものだと考えています。

ティックルズの音楽にはパンク的な要素がどのような形で存在していますか?

tickles:サウンドというよりはむしろ活動のスタイルや精神的な部分ですね。これまで2枚アルバムを自分のレーベル〈マダガスカル〉から出しているんですけど、それは音作りはもちろん、流通やプロモーションも可能な限りすべて自分たちの手でコントロール出来るようにやっていました。そうしたDIY的なやりかたで音楽を世に送り出すということが、僕にとってのパンクかなと思いますね。今回は本当に信頼できる仲間たちと一緒にやれるチャンスだったので、〈MOTION±〉からリリースすることになりましたけど。

本作も制作においては、ほとんど自分ひとりでやっているわけですよね?

tickles:そうですね。

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フォー・テットやディラン・グループも好きでしたよ。でも自分が表現したい本当のところは、むしろゴッドスピード・ユー!ブラック・エンペラー寄りというか。もっと激しいものであって......


Tickles
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そもそもticklesはいつ頃にスタートしたんですか?

tickles:ファースト・アルバム『ア・シネマ・フォー・イヤーズ』を出したのが2006年。で、2008年にセカンド・アルバム『トゥデイ・ザ・スカイ・イズ・ブルー・アンド・スペクタキュラー・ヴュー』を出して、4年空いて今回の『オン・アン・エンドレス・レイルウェイ・トラック』ですね。

はじめた当時と比較して、現在はどういう部分が変化していると思いますか?

tickles:最初はメンバーがふたりいて、いまほど生楽器を使わない、打ち込み主体のサウンドだったんですよ。

時間が経つにつれて、どんどん生楽器が増えて、今回のような温かみのあるサウンドに変わってきた感じなんですね。

tickles:そうですね。

本作ではどんな楽器を使っていますか?

tickles:ピアノ、ギター、トイピアノ、ピアニカ、ベース......。

鍵盤が多いんですね。

tickles:家にある楽器は鍵盤が多いですね。あとドラムはサンプリングですけど、ほとんど自分で叩いてます。

基本的にはご自宅で録られているんですか?

tickles:ピアノとドラムはスタジオで録りましたけど、あとはすべて自宅です。

『オン・アン・エンドレス・レイルウェイ・トラック』(線路は続くよ どこまでも)というタイトルには、どのような意味が込められていますか?

tickles:アルバムを作っている途中で、僕たちが昔から知っている「線路は続くよ どこまでも」というフレーズを英語にしたものにしようと思っていたんです。英語にすると、字面がちょっと淡白な感じになってしまうんですけど、わりと楽観的な意味合いで、これからも楽しくやっていけたらいいね、というような意味合いで付けました。このジャケットは友だちにお願いしたんですけど、彼が僕に持っているイメージがこんな感じなんだと思います(笑)。

これは絵なんですか?

tickles:アクリル板を5枚ぐらい重ねて、立体にした絵なんです。それをさらに箱に入れたという。なかなか伝わりにくいかもですけど。

へー、面白いジャケットですよね。これを最初に見たときに、ある種、宮沢賢治的というか、童謡的なイメージを連想したんですけど、どういうコンセプトで作ったのですか?

tickles:実はこの手法は、ユーリ・ノルシュテインというロシアのアニメーション作家が作品を展示する時に使うやりかたを真似したものなんです。ユーリ・ノルシュテインが童話的な作品を作る人だし、ロシアやチェコのアニメーションが好きだったりもするので、そういう感じは出てるかもしれないですね。

そうした童話的な世界観とティックルズの音楽にはどのような関連性がありますか?

tickles:そうですね。アニメをアニメイトする(命を吹き込む)という行為と、音楽に自分の魂を吹き込むという行為は似てるのかなって思いますね。電子音楽なんですけど、そこに有機的なものを入れたいというのは常々思っていることでもありますし。

なるほど。ちなみにピアノをずっとやられていたんですよね?

tickles:幼稚園くらいから、10年ちょっとやっていましたね。

じゃあ鍵盤は昔から得意なんですね。

tickles:最初に触れた楽器だし、いまでも曲を作るときに最初に触るのは鍵盤であることが多いですね。

とてもリズミカルな演奏だなって思ったんです。ハウスやテクノのプロデューサーが作るリズムとも違うし、ロックをバックボーンに持つ人の感じともまた違う。とても独特なリズム感があるなと思いました。

tickles:そこは完全に無意識というか、ある種の手癖みたいなものだと思います。シーケンサーにパチパチと打ち込むんじゃなくて、手打ちで打っていくので。メロディ先行で、後からリズムを付けていくので、そういう感じになっているのかもしれないですね。

ゴッドスピード以外で、インパクトのあった音楽ってどんなものですか?

tickles:いろいろありますけれど、シガー・ロスのライヴを観たときはかなり感動しました。うーん、あとは何かなあ。

シガー・ロスもゴッドスピードもとてつもなく壮大なサウンドだけど、ティックルズはもっと身近な感じがしますよね。

tickles:そうですね。僕がスタイルだけシガー・ロスやゴッドスピード・ユー!ブラック・エンペラーのようなサウンドをやっても何の説得力もないというか。僕ができる音楽というのは、現在のティックルズのようなサウンドっていうことなんだと思います。

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楽観的な意味合いで、これからも楽しくやっていけたらいいね、というような意味合いで付けました。このジャケットは友だちにお願いしたんですけど、彼が僕に持っているイメージがこんな感じなんだと思います(笑)。


Tickles
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なるほど。ティックルズ以前にはどんな音楽活動をしていたんですか?

tickles:中学から高校くらいまでバンドをやっていて、その後にパンクのDJをやりはじめました。で、DJをやるようになってから次第にいろいろなジャンルの音楽を聴くようになって、テクノやエレクトロニカをメインにプレイするようになり、自分たちでもエレクトロニック・ミュージックをやってみようということで、ティックルズをはじめたという感じです。

パンクのDJってどんな感じの?

tickles:基本、自分の好きな曲をかけるだけっていう感じでした。70年代のパンクもかけるし、90年代のハードコアとかも。envyとか大好きだったので。

なぜDJをやろうと思ったんですか?

tickles:友だちに知らない新しい曲を聴かせたいとか、そういうたわいもない理由だったと思います。

地元の藤沢のクラブでDJをしていたんですか?

tickles:主に藤沢や横浜のクラブ、ライヴハウスですね。いまもうなくなってしまったお店も多いですけど。

パンクをやっていた人が、こういう音楽にどうやって辿り着くのかというのが、とても興味あるんですよ。

tickles:自分のなかではまったく別のものをやっているという意識はなくて、表現の仕方が変わったとしか言えないんですよね~(笑)。

日本のパンクも好きでしたか?

tickles:よくライヴを観に行ってましたよ。それこそenvyとかスメリング・カンツ(toeの前身となるハードコア・バンド)とか。

めまぐるしくトレンドが変わるこのご時世ですが、新しい音楽は積極的にチェックしているほうですか?

tickles:いや、しているほうではないと思いますが、どうですかね。

インターネットはあまり見ないですか?

tickles:見ますけど、音楽の情報を得るために使うことは多くはないと思いますね。

最近、面白かった音って何かありますか?

tickles:〈コンパクト〉から出ているウォールズは好きでした。

いいですよね。

tickles:あとは〈ニンジャ・チューン〉から出ていたボノボの『ブラック・サンズ』とか好きでしたね。

なるほど。ああいう音楽を聴くと、自分のやっている音楽もあながち間違っていなかったのかなって思います?

tickles:あまりそういう感じで考えたことはないですけど、好きなので共通するものはあるんだと思いますね。

曲のタイトルはどのように付けるんですか?

tickles:いろいろですよ。曲を作ってから、それを聴いてみて自分のなかに生まれたイメージを基に付けることもあるし、曲を作っている途中で付けちゃうこともあります。

曲のタイトルについて重視しているほうですか?

tickles:重視しているほうだと思います。

なぜですか?

tickles:昔からかっこいいタイトルって好きなんですよね。昔、メッセージのある曲が好きだったと言いましたけど、タイトルってその象徴だと思うんですね。かっこいいタイトルは、もうそれだけで胸に刺さるじゃないですか。だから自分もタイトルにはこだわりたいですね。

普段はどんな生活をしているんですか?

tickles:CMの制作会社からの発注を受けたり、他の音楽の仕事とかもしてます。

ライヴはひとりでやっているんですか?

tickles:いまはそうですね。ラップトップにシンセサイザー、サンプラー、エレピなどの音を入れてオーヴァーダブしていくような感じです。

ティックルズとしてのこの先のヴィジョンはどんな感じですか?

tickles:できればなるべく早く、次のアルバムを出したいなって思っています。もっとシンプルな楽曲のものを出したいです。あと別名義でミニマルなタイプの作品も出してみたいですね。今回はかなり生音を入れているので、まったく別のタイプの曲の構想もあるので、それをかたちにしてみたいですね。

contrarede presents SCHOOL OF SEVEN BELLS JAPAN TOUR 2012
東京・FEVER公演

2012/6/14 (Thu)
Shindaita, FEVER(03-6304-7899) OPEN 19:00 / START 20:00
LIVE: SCHOOL OF SEVEN BELLS, tickles
ADV ¥4,700 / DOOR ¥5,200 (+1drink)

主催: contrarede 企画制作: contrarede
協力: Plancha / Art Union, Shibuya Television
TOTAL INFO: contrarede 03-5773-5061 https://www.contrarede.com

googolplex - ele-king

 2年前、秋の武道館に安全地帯のライヴを観に行ったとき、まったくといいほどMCはなく、唯一、ステージで語ったことが、その年の6月に自殺したパク・ヨンハのことだった。根も葉もないネットの中傷を苦にして自殺したチェ・ジンシルや撮影を拒否してアメリカまで逃げたハン・イェスルもそうだけど、勝ち負けがはっきりと出てしまう韓国で芸能活動を持続するのはかなりのプレッシャーがあるらしく、なかなか玉置浩二のように意味不明な行動は取れないらしい(すぐ斜め前に青田典子がいて、アンコールで飛び出してきた玉置浩二に窒息しそうなほどディープ・キスをされていたw)。

 とはいえ、3大事務所(SM、YG、JYP)が牛耳る芸能界に反発する動きも強くなっているそうで、ソウルに「空中キャンプ」というライヴ・ハウスを設立したメンバーのひとりから5~6年前に聞いた話では、政治的なテーマを歌詞にしてはいけないなど、まだまだ規制も多いなか、細々とインディ・ロックも表現をやめてはいないということだった。どんなバンドがいるのか尋ねたところ「モノマネの域は出ていない」と彼も正直に言うので、あえて聴いてみたものはなかった。そのことを、いま、少し悔いている。グーゴルプレックスというバンドのことを知ってしまったからである(ソウルのライヴ・ハウス「空中キャンプ」に関しては『すばらしいフィッシュマンズの本』(INFAS)に収録された前田毅氏のリポートに詳しい)。

 韓国の〈ファウンデイション・レコーズ〉というレーベルがどういったものなのかさっぱりわからないんだけど、昨年、3枚目となるコンピレイション・アルバムに(個人的にはダグラス・ベンフォードのレシピなどを思い出す)〈エル・レコーズ〉風の柔らかくて春の日差しのような"シーブリーズ"を提供したグーゴルプレックスは、前後して4曲入りEP「エンドレスリー・ハイ&ディープ」でデビューし、それらから1曲を除いてすべてを採録し、新曲を5曲加えたデビュー・アルバムを今年の初めにリリース。これをオクターヴ・ソウルが国内盤としてライセンスしたということになるのかな。レーベルの謳い文句はウーリッヒ・シュナウスなどを引き合いに出したグローファイ・ドリーム・ポップ・ユニット、もしくは韓国版の逆輸入チルウェイヴとか。......まあ、最初はそうかなと思って聴いていて、韓国語で「夢」と題された5曲目で......ちょっと待てよ。

 フィッシュマンズに対する韓国からのアンサー......とは言わない。言わないけれど、中盤辺りから、あれッと思う箇所が何回も出てくる。「夢」に出てくるリフはまさかサンプリングじゃないかと思うほどそれっぽいし、"レット・イット・フロウ"から(韓国語で)"愚痴(ゲット・ロスト)"に変わる辺りもそうとしか聴こえない......。空耳アワーだろう。レバノンにもフィッシュマンズを思わせるスカ・バンドはいるし、空耳といえば、トーキング・ヘッズが叫ぶ「マッド・クラブ!」が......いや。そういえば、最近、人間ドックに入って......聴力には何も異常はなかった。しかし、ぜんぜんあり得る話ではないだろうか。ソウルの「空中キャンプ」では毎年、フィッシュマンズ・ナイトが開かれ、いつも100人ぐらいは集まると言っていた。ヴェルヴェット・アンダーグラウンドを聴きに来た客が全員、楽器を持って演奏しはじめた......じゃないけれど、韓国のフィッシュマンズ・ナイトから生まれたバンドがいてもおかしくはない。ユニバーサル・コーリアが一回は対訳つきでフィッシュマンズのバック・カタログをリリースしようとしたこともあったぐらいで、佐藤伸治の歌詞がわからなくても音楽だけで伝わるものもあるということだろうから(フランスにもフィッシュマンズを神と仰ぐサイトがある)。

 とはいえ、フィッシュマンズと何ひとつ関係がなくても、"エンドレスリー・ハイ・アンド・ディープ"の夢見るような感覚や"チャーピング・バーズ"のトロピカル気分はそれだけで充分に素敵な気分をもたらしてくれる。グローファイ・ドリーム・ポップでもチルウェイヴでもなんでもいい。いまは、この甘ったるいシンセサイザーに少しでも長く包まれていたい(......って、それじゃ橋元UFOと同じじゃん!)。

 全曲試聴→https://soundcloud.com/fndt/sets/googolplex-behind-the-eyes

 DJとギターの男性二人組み(?)→https://blog.naver.com/

 *80年代の広島でハードコアをやっていた同名バンドに注意

Chart by JET SET 2012.05.22 - ele-king

Shop Chart


1

Cos/Mes

Cos/Mes Sadistic ep#2 (Funiki Ene) »COMMENT GET MUSIC
『Sadistic Skatepark - 2011 Re-master Ver.』からのアナログ・カット第二弾は既に世界中から問い合わせ殺到中のボムを収録した1枚。

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Kaoru Inoue

Kaoru Inoue Ramafar C/W Ground Rhythm - The Backwoods Remix (Seeds And Ground) »COMMENT GET MUSIC
井上薫主宰、Seeds And Groundの2012年リリース第一弾は超強力な12インチ!Kaoru Inoueによる新曲+"Backwoods Remix"収録!

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The Backwoods

The Backwoods Flying Bugz - Kaoru Inoue Remix (Ene) »COMMENT GET MUSIC
Kaoru Inoue Remix収録!The Backwoodsアナログ・カット第四弾!ロング・セラーを記録中の1stアルバムから、キラー・トラック"Flying Bugz"が待望の12インチ化!

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Units

Units Connections Ep (Opilec Music) »COMMENT GET MUSIC
'78年に結成されたサンフランシスコの伝説的シンセ・ポップ・バンドThe Unitsによる貴重音源を、リエディット・シーンの雄Todd Terjeと当レーベルの首領Gianluca Pandullo A.K.A. I-Robotsがリミックス。

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Reboot Joy Confession

Reboot Joy Confession Absolute Iii Way Harmonious Enterprise (Philpot) »COMMENT GET MUSIC
Dj KozeやBruno Pronsatoらのリリースでもお馴染みディープ・テック名門Philpotから、共同主宰を務めるシーン帝王Soulphictionの変名プロジェクトが衝撃の傑作アルバムをリリース!!

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Dela

Dela Translation Lost (Drink Water Music) »COMMENT GET MUSIC
本作はインスト曲が約半分を占めるなど、テーマ、ストーリー性がより濃く出た懇親のニュー・アルバム。

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Drop Out Orchestra

Drop Out Orchestra It Will Never Be The Same Again (Eskimo) »COMMENT GET MUSIC
Sex Pistols" Pretty Vacant" ネタのバレアリック・エディットがヒットしたスェーデンの要注目アクト、Drop Out Orchestraによる最新epが名門Eskimoより登場!!

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Midland

Midland Placement (Remixes) Ep (Aus Music) »COMMENT GET MUSIC
ポスト・ダブステップ天才Ramadanmanとのコラボ盤も大ヒットした美麗音響ミニマリストMidland。ジャンル越境ヒット中の『Placement Ep』に続いて強力リミックス盤が登場です!!

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Pains Of Being Pure At Heart

Pains Of Being Pure At Heart Acid Reflex (Pias) »COMMENT GET MUSIC
【Record Store Day限定盤】Washed Out、Violens、Saint Etienne、Twin Shadowによるリミックスを収録した超限定12インチ!!

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Visioneers

Visioneers Hipology (Bbe) »COMMENT GET MUSIC
Nas"World Is Yours"のリメイク、続くアルバム『Dirty Old Hip Hop』で世界を魅了した4heroのMarc Macによるヒップホップ・プロジェクト=Visioneers最新アルバムが2lpで到着!

Turntable Films - ele-king

 ボン・イヴェール(というかジャスティン・ヴァーノン)を見るために今年は珍しく真面目にグラミー賞を見ていたのだけれど、いざ受賞して本人が出てくると、それはやはりどこか妙な光景だった。ヒゲ面の普通の、いや、地味めの青年が述べたスピーチで印象的だったのは、「自分はこの会場に縁のないようなミュージシャンでも素晴らしい才能があるひとたちを知っているから、彼らに感謝を述べたい」という部分と、「ウィスコンシンのオー・クレアのみんなに感謝」した部分だった。『リーマン・ショック以降のUSインディ』で書いたことの続きとして述べるならば、それは現代のアメリカで市井に生きる人びとのネットワークの充実がグラミー賞のような権威の場で、しかし権威とは無縁のまま可視化された瞬間だった。

 京都を拠点とするターンテーブル・フィルムズのフォーク・ロックは、間違いなく昨今のUSインディにおけるフォークやカントリーの充実とシンクロによって生み出されたものだ。しかしたとえば、バンドの最大の影響元であるウィルコが宿命的に追っているような重さや痛切さはここにはない。土臭さもない。むしろ洒脱さや軽やかさこそが魅力となっているこのデビュー作を聴いていて僕が思い至ったのは、シンクロしているのは音楽性よりも、経済とは別の場所で豊かであろうとするアティチュードそのものではないかという考えだ。
 とはいえ、ターンテーブル・フィルムズの音楽はアメリカのフォークやカントリー、ブルーズからの直接的な影響を受けている。デビュー作となる『イエロー・イエスタデイ』にもそれはしっかりと刻まれていて、何よりもアコースティック・ギターの音の響きが非常に丁寧に鳴らされているし、鍵盤打楽器やフルートを使った音色の多彩さにしてもそうだろう。しかしながら、USインディといってもヴァンパイア・ウィークエンド辺りを連想させるような軽妙なポップネスや、クラウトロック調の"アニマルズ・オリーブス"のサイケデリアやダンサブルな"ゴースト・ダンス"を聴いていると、ここには影響元から少し距離を置こうと腐心した跡が見受けられるように思えるのだ。言い換えるならば、いまもアメリカのフォーク・ミュージックが背負う「アメリカの物語」から。結果として、ここにはたとえばフリート・フォクシーズの潔癖さを伴うコミューナルなフォークとはまた別の文脈にある、京都の若者が鳴らすポップスが存在している。
 つまり、これは自分たちのことを「ターンテーブル」「映画」と名づけたバンドがそのアイデンティティを確立した作品だ。海の向こうで生まれた豊かな文化と物語を、あくまで自分たちの生活する場所で味わうこと。アメリカの若い世代が発掘したカントリーやフォークを自分たちの時代を背景として更新したように、ターンテーブル・フィルムズは海外で発見した音楽をその豊かさを損なわないままに、しかし遠慮せずに翻訳する。何しろ「恋をしなくちゃ」という言葉で始まる本作には、期待や不安、苛立ちや退屈といった日常の些末な感情が表れては消えていく。それらには洒落た言葉と音がつけられ、全編がクリアな発音の英語詞でもって甘いヴォーカルで歌われる。「(夏のドラッグの)効き目の切れた今日に、僕らは終わってしまったね」"サマー・ドラッグ"......たとえばそんな風に呟かれる夏の終わりの感傷。そのあくまで清廉とした佇まいは、大阪の雑然とした街に慣れている僕としては......いやきっとそうでなくても、京都の街の瀟洒さが産み落としたものだと思える。アメリカを経由した、京都訛りのフォーク・ミュージックである。ボン・イヴェールが自らの孤独をウィスコンシンの冬の風景に託したように、ターンテーブル・フィルムズはこの国で生きる青年たちの日常を鴨川沿いの風に乗せている。

 70%の20代が現状に満足していると言われても、30%どころかつねに1%ぐらいの感覚で世のなかとズレて隅っこで生きている僕のような人間には正直まったくピンとこないわけで、だから自分にとっては、たぶんに取るに足らない普通の青年たちの日常を精一杯の輝きを乗せて歌っているという点で、ターンテーブル・フィルムズは「自己充足」なんて矮小な価値観を軽やかに後にしているように感じられる。ここでは想像力と好奇心は海の遥か向こうまで広がり、だけど心はいま目の前ではじまりそうな恋に向かって動いている。

Best Coast - ele-king

 ノスタルジアを受け入れられるか、それは、帰りたい場所があるか、美しい過去を持っているか、という問いと等価なのかもしれない。そして、それがもう二度と戻らないのだということを受け入れたとき、その後ろ向きの感情は酸味交じりの甘味を放つのだろう。南カリフォルニアから届けられた『Crazy For You』(2010)で、当時インディ・ポップ界隈で高まりを見せていたビーチ・ポップ/サーフ・ロックのローファイ・ウェイヴに乗ったベスト・コーストは、本作『The Only Place』において、より徹底したメロウ・アウト、より完全化されたノスタルジック・ポップを披露している。全体的にテンポ・ダウンしたこと以外、何も変わっていないと言えば変わっていない......が、ロサンゼルスは〈Capitol〉のBスタジオでレコーディングされたという音質には余裕があり、ムーディなバラードには艶やかさがある。

 とはいえ、ベサニー・コンセンティーノとボブ・ブルーノのふたりに、たとえばビーチ・ハウスの音楽に通底するある種のナイーヴィティ、ベッドルームに満ちるあの胸に迫る痛みのようなものはない。彼らは極めて実人生的なトピック、つまりはごくありふれた恋愛のいざこざや、思春期における傷つきやすさを、ある程度こざっぱりと歌うことができるのだ。目移りする頼りないボーイフレンドに、自分よりも遥かに可愛い恋敵、無神経で無理解な親(大人)、その隙間でシニカルに割り切りつつも、少しずつ、だが確実に擦り減っていく、イマイチの、中途半端の、はじかれ者の自分......。本心はどうあれ、ベサニー・コンセンティーノはそれを陽気なサンシャイン・ポップに乗せることができる。それはFMラジオの重要なローテーション・ソングとして、DJに重宝されるだろう。そのある種の軽さこそ、彼女らが50~60年代のポップ・ミュージックから受け継いだものでもある。

 しかし、カリフォルニアというのは、いまアメリカで暮らす人びとにとってどんな場所なのだろうか。ごく初期におけるザ・バーズのような爽やかさが印象的なタイトル・トラックで、「ここが私にとって唯一の場所」と歌うのは、キワどいが、恐らくはアイロニーではないのだろう。彼らの場合はバンド名からしてそうだが、熊がカリフォルニア州をかたどった模型を大切そうに抱きしめているジャケット・アートは、ギャグなのか真剣なのか......ちょっとわからない。これは確信的なパロディなのだろうか? あるいは、前作のレビューを担当した野田編集長は言うかもしれない、「ホント竹内の解釈には余裕ってもんがないよなあ」。たしかにそうかもしれない。だが、ベサニー・コンセンティーノがモダン・サイケの出身者ということを差っ引いても、ベスト・コーストのポップ・バンド然とした振る舞いには、ちょっと手が付けられないところがある。良くも悪くも(たとえばガールズのような)濃密さは、ここにはない。

 少なくとも私に言えることがあるとすれば、それはジョン・ブライオン(個人的にはルーファス・ウェインライトとの仕事で記憶している)のプロデュースがバンドのポップ・ポテンシャルンを大幅に引き出している、ということであり(それは同時に、このインディ・バンドのもうひとつの魅力、ヴィヴィアン・ガールズ以降に位置するガレージ・サウンドが払拭されてしまった、ということでもあるが)、ベサニー・コンセンティーノの歌声は、いよいよ抗えないまでの甘さを魅惑的に漂わせている、ということだ。ラナ・デル・レイに浮気している場合ではない......。そう、昨年の夏にSound Cloudにデモがアップされていた"How They Want Me To Be"は、彼女のゴージャスなコーラスが何層にも重ねられ、今や浜辺の夕暮れを喚起させるヴィンテージ・ポップの傑作に生まれ変わっている。そして、なんと言っても透明度の高いストリングス・アレンジ(!)が施された"Up All Night"だ。堂々たる完成度を誇るこれらのミドル・バラード、それは彼女らの成熟とともに、ひとつの季節が過ぎてしまったことを物語ってもいる。

 恐らくはもう、彼女ら/彼らのローファイ・ポップが素朴に称賛されるようなことはないだろう。シーンはいつだって気まぐれだ。そして、彼女らはそれがもう帰らないことを、おそらくは知っている。『Crazy For You』に照りつけたカリフォルニアの太陽には、いまやうっすらと雲がかかる。ビーチの集いもまばらになりつつある。『ローリング・ストーン』誌曰く、「涙目のバラード」。その終わっていく恋のようなメランコリアが、蜂蜜のような甘さを本作のメロディにもたらしているのだとすれば、初夏のリリースとなった本作から聴こえるのは、あるひとつの季節が、すなわち夏という思わせぶりの季節が、終わっていく音なのかもしれない。変わってしまったのは、彼女らの方か? それとも、私たちの方か? 『Crazy For You』に群がった浮気性のインディ・リスナーらに向かって、ベサニー・コンセンティーノは控えめに問いただすようだ。"Do You Still Love Me Like You Used To ?"

Donna Summer R.I.P. - ele-king

「ベルリン3部作を録音していたときのこと。イーノが『これは未来のサウンドだ』と言いながら走ってきた。彼が手にしていたのはドナ・サマーのシングル「アイ・フィール・ラヴ」だった。「『これだよ。もう探す必要はない。このシングルは向こう15年のクラブ・ミュージックを変えてしまうよ』。その意見は多かれ少なかれ正しかった」(デヴィッド・ボウイ)

 「スゴいビートだと思ってさ。コピーもしたんだよ」とは忌野清志郎。「アイ・フィール・ラヴ」を初めて聴いたとき、それがプログラムされたサウンドだとは思いもしなかったという(映像で観ると、バンドがシンセサイザーに合わせて演奏のマネをしているので、余計にそう思ってしまったのかもしれない)。忌野がその衝撃をカタチにしたのは22年後。『ラフィー・タフィー』に収められた"テクノ・クイーン"まで待つことになる。

 "アイ・フィール・ラヴ"は初めてエレクトロニック・サウンドだけで作られたディスコ・サウンドだとされている。シンセサイザーを使ってポップスをつくることに興味を持っていたジョルジオ・モロダーとピート・ベロットは折からのディスコ・ブームにこの方法論を重ね合わせてみた。ちょうどミュージカル『ヘアー』のために代役でミュンヘンまで来ていたドナ・サマーのデモ・テープに関心を示したのはフランスのレーベルで、これがオランダでヒットしたため、サマーのデビュー・アルバム『レイディ・オブ・ザ・ナイト』はオランダでリリースされる。続いて『ラヴ・トゥ・ラヴ・ユー・ベイビー』がアメリカでもヨーロッパでも大ヒット(内容がエロ過ぎたか、広範囲で放送禁止)。サマー、モロダー、ベロットはアメリカに渡って『ラヴ・トリロジー』『フォー・シーズンズ・オブ・ラヴ』『アイ・リメンバー・イエスタデイ』を立て続けに制作する。そして、50年代を意味する"イエスタデイ"のラストに2~3時間でつくったという"アイ・フィール・ラヴ"が収録され、例によってつくった当人たちはそれほどの曲とは思わず、マスターも破棄してしまったらしい。午前3時に乱交パーティを繰り広げていたレーベルのボス、ニール・ボガートがこの曲をゲイに売ろうと考えなければ、世に出るのはもっと後のことになった可能性も高かった。
https://www.soundonsound.com/sos/oct09/articles/classictracks_1009.htm

 マーク・アーモンド(ソフト・セル)をフィーチャーしたブロンスキー・ビートや意外なところではシューゲイザイー・バンドのカーヴもカヴァーし、レッド・ホット・チリ・ペパーズや最近ではマドンナもライヴで取り上げる"アイ・フィール・ラヴ"は、シングル・カットされるとすぐにも全英1位をマークし、瞬く間にサマーをディスコ・クイーンの座に押し上げた。しかし、ゴスペル・シンガーになるのが夢で、セックス・シンボルに祭り上げられたことで苦しんだサマーは潰瘍で入院までしてしまい、2年後の"バッド・ガールズ"ではクリスチャンであることを強調し、悔い改めて生きたいと宣言、カサブランカ・レコーズとも揉めてゲフィンへ移籍することになる(サマーが「AIDSはゲイに対する天罰である」と発言したというデマが流れ、ゲイからの支持を失ったことはこの辺りの騒動と関連があるのかも?)。80年代に入ってソングライターとしての才能も開花させ、ヒット曲もそれなりにはあったものの、全米1位をマークした"マッカーサー・パーク"や"ホット・スタッフ"ほど成功した曲はなく、グラミー賞5回は意外といえば意外。とはいえ、最後となったアルバム『クレヨンズ』からも複数のスマッシュ・ヒットはあり、デリック・メイが早くから"アイ・フィール・ラヴ"をDJセットに組み込んでいたように、いちどもダンス・チャートから見放されたことはなかった。総じて愛され続けたシンガーだったといえるだろう。

 63歳。ガン。新作の準備中だった。

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