阿佐ヶ谷ロマンティクス 街の色 Pヴァイン |
街にはいろいろな人がいる。学生もいれば労働者もいる。男性もいれば女性もいる。子どももいればお年寄りもいる。じつにさまざまな人びとが街を行き交っている。あそこに佇んでいる彼は買い物を終え休憩している最中だろうか、それとも恋人と待ち合わせをしているのだろうか。いますれ違った彼女は商談へ向かう途中だろうか、それとも飲み会へ急いでいるのだろうか。彼や彼女はどこで生まれ、どのように育ち、どのような事情でいまこの場所にいるのだろう。彼の好きな音楽はなんだろう。彼女の好きな映画はなんだろう。
そんなことを想像しながら街を歩いていると、はっと我に返る瞬間がある。私がそうしていたように、彼や彼女もまた私を観察していたのではないか。あてどもなくぶらぶらと街を行くこの私の事情を、彼や彼女もまた同じように想像していたのではないか。このような気づきが訪れたとき、私は「私」になる。「私」は彼であり、彼女である。あそこの彼も「私」であり、ここの彼女もまた「私」である。じつにさまざまな「私」たちが街を行き交っている。
阿佐ヶ谷ロマンティクスの音楽を聴いていて思い浮かべるのは、そういうどこにでもいる「私」たちの存在だ。それはある意味でとても無個性な「私」である。でも阿佐ヶ谷ロマンティクスはそんな無個性な「私」たちを、ロックステディのリズムに乗っけて夕焼けのかなたまで運んでくれる。『街の色』と題されたかれらのファースト・アルバムは、あるときはスウィートに、あるときはストレンジに、街を歩く「私」たちの歩幅にそっと寄り添う。このどこまでも暖かい珠玉のポップ・ソング集は、夕暮れの街を行き交うさまざまな「私」たちのサウンドトラックなのだ。
この素敵なアルバムがどのように生み出されたのか、阿佐ヶ谷ロマンティクスのメンバーたちに話をうかがった。
自分は大学の頃からロックステディが大好きなので、歌謡曲っぽいというか、歌がちゃんと目立って、メロディがあって、歩く歩幅に合うような、聴いていて気持ちのいい音楽にしようというのはありました。 (貴志)
■阿佐ヶ谷ロマンティクスの結成は2014年の春ということで、この春でちょうど3周年を迎えることになりますね。みなさんは(早稲田大学のサークル)中南米研究会で出会ったと聞いたのですが、まずは結成に至るまでの経緯を教えてください。
貴志朋矢(ギター。以下、貴志):そうですね。メンバー個人個人がみんな中南米研究会というサークルに入っていて、そこで知り合いました。サークルの引退ライヴみたいなものがあって、その後、結成当初からのマネージャーというか、佐藤タケシというのがもうひとりいるんですが、彼と私で外向きな活動をしていこうという話をしたんです。それまでは内向きな活動しかしていなかったので。
有坂朋恵(ヴォーカル。以下、有坂):それと同時期に、今サポートでギターをやっている荊木(敦志。結成メンバーのひとりで、このアルバムを出すタイミングでサポートになった)と私で何かやろう、という話になっていて。そのふたつのグループがくっついたような感じですね。
古谷理恵(ドラムス。以下、古谷):私と有坂は高校のときに同じ部活でやっていました。
■アルバムにはロックステディやレゲエの要素もありますが、全体としてはまずポップスであることに重点が置かれていると思いました。それで、阿佐ヶ谷ロマンティクスの音楽的なルーツが気になったのですが、みなさんの音楽遍歴はどのような感じだったのでしょうか?
貴志:自分の音楽のルーツは小学生の時に聴いていたサザンオールスターズなんですけど、中学校入学と同時に心の変化があったのか、ガンズ・アンド・ローゼスとかに行って。
古谷:心の変化が(笑)。
貴志:それでエアロスミスとか大好きで聴いていて、高校ではエリック・クラプトンを好きになったり、ギタリストとしては真っ当な道を歩んでいたというか(笑)。
古谷:オーソドックスなギタリストの形(笑)。
■それが、大学に入って中南研に入るというのはおもしろいですね。
貴志:うーん、なんで中南米なんだろ……。入った時に、今まで聴いたことのないリズムが印象的だったのを覚えていますね。カリプソとかを何十人もの人数でやっているのは斬新でしたし、それまで裏打ちの音楽に触れることなんて全然なかったので、大学に入って逆に「これだ!」と思いましたね。
■なるほど。有坂さんはどのような音楽遍歴を辿ってきたのでしょう?
有坂:私は小さい頃から歌うのが好きで、小学生の時は合唱団に入っていたこともありました。中学の部活もコーラス部で、高校では軽音楽部があったのでそこに入りました。ジャンル的にわかりやすく音楽の趣味があったというよりは、ただ歌える曲を聴いて歌っていたというだけですね(笑)。合唱のときは地声よりも裏声を使うことの方が多かったんですが、でもそれがちょっと自分的に気持ちよくなくて(笑)。それで、ポップスを歌うようになっていきました。なので自分が歌って気持ちいいものを聴いて、歌っていたという感じです。
■中南研にはどういう経緯で入ったのですか?
有坂:「ヴォーカルが足りないから歌って」と誘われて(笑)。
古谷:「フィリス・ディロンを歌えるのは有坂しかいない。頼む!」と(笑)。
有坂:それがすごく自分にもハマって。
■古谷さん(の音楽遍歴)はどんな感じですか?
古谷:私は中学の時はBUMP OF CHICKENとかアジカンとかELLEGARDENとかが大好きだったんですけど(笑)、高校に入って新入生歓迎ライヴがあった時に、先輩がレイジ・アゲインスト・ザ・マシーンをやっていて、「カッケー!」と思って(笑)。(軽音楽部に)入ってからは、くるりやはっぴいえんどをすごく聴いていましたね。クラムボンのコピバンを(有坂と)一緒にやったりしていました。スカパラを聴き始めて「スカってなんだ?」と思ったり、あとはフィッシュマンズを聴いたりして、「レゲエ、スカってカッコいい。ホーンとかいっぱいいるし、やってみたいな」と思って中南に入りました。
■今ちょうどクラムボンの名前が出ましたが、有坂さんのヴォーカルを聴いていて、音程が変わるタイミングの声色や子音の発音のしかたなどから、原田郁子さんを思い浮かべたんですよね。
有坂:あー、ときどき言われます。クラムボンをコピーしていた時も感じたんですけど、すごく歌いやすくて。高校の部活は「まず完璧にコピーをして技術を上げていく」という風潮だったんですけど、もうその時から「似せなくても似ている」と言われていて。(クラムボンとは)違う曲をコピーする時は他のアーティストに寄せようとしていました。
■今バンドはサポートになった荊木さんを含めて6人ですが、曲作りの際は誰かひとりメインとなる方が素材を持ってきて、それをみんなで練り上げていく感じなのでしょうか? それとも全員がそれぞれ曲作りをして持ち寄る感じですか?
古谷:完全に前者で、貴志が(曲を)持ってきていますね。最初は色々と試行錯誤をして、みんな(曲を)持ってきていたんですけど、貴志の持ってくる曲に合わせようという話し合いをしました。
貴志:自分の中で「これは出せる」となったら、みんなに曲を出すという感じですね。自分の中で曲のイメージが湧いていって、1コーラスくらいできた状態でみんなに持っていくという感じです。
■今回のアルバムはいつ頃から制作されていたのでしょうか?
貴志:レコーディング自体は去年の6月から始めて、8月くらいにはもうできていました。そこから出しかねていたという(笑)。
古谷:録ったはいいものの「どう出す?」みたいな(笑)。
貴志:“チョコレート”という曲があるんですけど、それはバンドの結成当初からあった曲ですね。“春は遠く夕焼けに”はシングルで出していますし。
古谷:言っちゃえば制作期間3年だよね。
貴志:「ちゃんとレコーディングしよう」ってなったのは、去年の1月に群馬まで2泊3日の合宿をしに行った時ですね。そこでプリ・レコーディングをして、そこからです。
古谷:群馬に行ったの忘れてた……(笑)。朝から晩まで1日練習して、ストイックな合宿をしました(笑)。
有坂:スタジオに泊まりながら、でしたね(笑)。
■その時に「こういう方向性にしたい」とか、あるいは逆に「こういうことはしたくない」というような方針みたいなものはありましたか?
貴志:自分は大学の頃からロックステディが大好きなので、歌謡曲っぽいというか、歌がちゃんと目立って、メロディがあって、歩く歩幅に合うような、聴いていて気持ちのいい音楽にしようというのはありました。後はあんまりうるさくしないというか……、表現が抽象的ですけど。
古谷:ポップ? キャッチー?
有坂:キャッチー! ははは(笑)。
■キャッチーにしたかった、と。合宿をしてセッションや練習をしていると、たまに「アルバムの方向性とは違うけど、今のすごく良くなかった?」みたいな瞬間があると思うのですが、そういった曲は断腸の思いで捨てたり?
貴志:4曲目の“道路灯”でエフェクトをかけているのは合宿での挑戦で、この曲はどんどん好きなことをやっていこうと思って作りました。“道路灯”はみんなの好みが詰まった曲になっているんじゃないかな、と思いますね。“コバルトブルー”は、レコーディングでのギターの擦れをそのまま使ったり、そういうノイズは極力減らさないようにしましたね。
■「歌が目立つように」という話が出ましたが、たしかにアルバムを聴いていてヴォーカルの音量が大きめに入っているように感じました。
貴志:今回のアルバムは意図的に聴きやすく音を丸くして、みんなの音が混じるようにしました。なので自分の中ではけっこうイージー・リスニングな感じがしていて、何度もリピートしていただけるというか、あえてそういうようなミックスにしました。
■いわゆるコアな音楽ファンだけでなく、一般の人たちにも届けたいという気持ちがあったということでしょうか?
貴志:そうですね。曲自体が聴きやすいポップスや歌謡曲のような感じなのは、あえてそうしたという部分があります。逆に“道路灯”みたいに阿佐ヶ谷ロマンティクスの中でキワモノな曲はそこ(キワモノな部分)を追求して、自分たちなりにはバランスを取ったつもりです。
■昔、中島美嘉がORIGINAL LOVEの“接吻”のカヴァーをシングルで出していて、それはラヴァーズロックなんですが、B面にデニス・ボーヴェルのダブ・ヴァージョンが入っていたんですよね。そういうふうに、A面で良質なポップスを届けつつもB面ではそういうリミックスだったり、あるいは“道路灯”のような少し変わったものをやっていきたいという思いはありますか?
貴志:それはあります。5曲目の“不機嫌な日々”はメロディが立っているので、普通にポップスに聴こえると思うんですけど、じつはコード使いにこだわっています。ベースだけ聴くとその音階にないルート音に対応しているので不協和音になっているんです。そういう風にスパイスを入れるというのは心がけてやっていますね。サビとか1音ずつ上がるので、普通だと「ドレミファ」だったら「ミ」と「ファ」が半音違いなんですけど、そこはルート音を1音ずつ展開させていて。
古谷:中島美嘉ヴァージョンの“接吻”ってやろうとしてなかったっけ?
有坂:やろうとした気がする……。「これヤバくない?」みたいな(笑)。
貴志:結局あれはやったんだっけ? 練習はした気がする。
古谷:結局普通のヴァージョンのセットになったんだ。こんな曲があるのかと(笑)。
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「僕」という一人称を使いながらもあえて感情がないようにするために三人称的に使いました。主人公を客観的にイメージして「僕」を使っているんですよ。極力、主観的な感情を排除した無機質な歌詞にしたつもりです。 (貴志)
■リリックについてなのですが、アルバムのタイトルが『街の色』ということもあり、「街」で起こる小さな出来事やちょっとした出会いみたいなものを拾い上げてその「街」の風景を喚起させる、というのが基本的なスタンスかなと思いました。それで、歌詞には「僕」や「わたし」、「君」という人称が出てきますが、それらが三人称のように使われている印象を抱いたんですよね。このアルバムからは街の中にいる複数の「僕」や「わたし」が感じられたんです。そこは意識してやられたのでしょうか?
有坂:まさにですよね。
貴志:まさにですね。
有坂:このアルバムだと歌詞も貴志さんがけっこう書いていて。
貴志:“チョコレート”と“離ればなれ”は有坂が書いているんですけど、それ以外は私が書いています。たとえば“所縁”は、この曲はずっと1曲目にしようと決めていたので、ホーンやパーカッションを入れて演奏や音自体は華やかにしたつもりで、だけども自分の中では曲を作った時に少し後ろめたいというか寂しいというか、心が晴れやかにならない曖昧な気持ちがあって、それを入れたかったので、「僕」という一人称を使いながらもあえて感情がないようにするために三人称的に使いました。主人公を客観的にイメージして「僕」を使っているんですよ。極力、主観的な感情を排除した無機質な歌詞にしたつもりです。
■普通は「わたし」という言葉を使うと、その言葉を発する人の強い個性が出る感じがすると思うのですが、「わたし」という言葉自体は全ての人が使えるので、実はかなり無個性な言葉なんですよね。このアルバムにはその無個性さが出ていると思いました。そういう無個性な「わたし」たちが行き交う場として「街」が呈示されているというか。ただ、その「わたし」たちは確かに無個性ではあるんですが、たとえば新宿や渋谷などのものすごく大量に人が行き交っている中での無個性というよりは、顔が見える無個性という印象を抱いたんです。だから『街の色』の「街」って、「シティ」というよりも「タウン」という感じがするんですね。それで、おそらくみなさんもある程度いまのシティポップの流れを意識されていると思うのですが、このアルバムにジャンル名をつけるとしたら「タウンポップ」という言葉がふさわしいのではないかと思いました。そこで改めて「阿佐ヶ谷ロマンティクス」というバンド名が気になったのですが、メンバーのみなさんは阿佐ヶ谷という場所に特別な思い入れがあるのでしょうか?
貴志:最初は私が佐藤タケシと、有坂は荊木や古谷と、それぞれがバラバラにバンドを組んでいて、そこにベースの小倉(裕矢)とキーボードの(堀)智史が入った時に、みんなで初めてちゃんと集まったのが阿佐ヶ谷だったんです。
古谷:いい街だよね。飲み屋もいっぱいあるし。でも住んではいないんですよね。
有坂:やっていきたい音楽のイメージと阿佐ヶ谷の街がピンと来たというか。
■なるほど。「タウン」って中央線のどこかだろうなというイメージはあったんですが、中野でも高円寺でも荻窪でもなく、阿佐ヶ谷というチョイスは面白いなと思いました。
貴志:うまく言葉では言えないんですけど(笑)、中野は確かに違うというか。
古谷:なんでなんだろうね(笑)。中野は違うね。
有坂:中野は違う。
古谷:西荻窪は惜しい?
有坂:あー惜しい、惜しい(笑)。
貴志:西荻もいいなあ。
有坂:高円寺とかちょっとお洒落すぎだし。
貴志:さっきの「シティ」、「タウン」の話で言うと、高円寺は微妙なラインだけど、中野はシティな感じもするし……。
古谷:中野はちょっとギリ見えない感じがするよね。
貴志:阿佐ヶ谷の方が変な意味で雑踏というか、混沌としている。だから逆に個性がありふれていて、みんな違うベクトルで、でも同じ方を向いているんだけど、阿佐ヶ谷という箔というか……。
■箔?
(一同笑)
貴志:同じ方向を向いているのに個性的というか。阿佐ヶ谷のイメージかあ……。
有坂:絶妙かなという感じですね(笑)。
古谷:同じ方向を向いているけど、阿佐ヶ谷という場所に収まっていることによって……、統一感が……。
貴志:地理的な問題もあるのかもしれないですけど、中野とかだと……。
古谷:なんでそんなに中野を(笑)。
貴志:中野がやっぱり説明しやすくて。
中里(A&R):高円寺はけっこうディープなイメージがありますよね。荻窪は街としてもちょっと大きいし大型施設もあったりするので、品があるイメージ。阿佐ヶ谷は確かにいちばん下町っぽくて、風情が残っていて絶妙な塩梅なんじゃないかなと。
貴志:(阿佐ヶ谷は)居酒屋街のところなんかは2、3階建てで家の高さがなくて街が低いのが良い(笑)、そういう意味でこぢんまりとしているというか、あの雰囲気がね。
古谷:あの雰囲気がいいっていう(笑)。
■なるほど。ヒップホップのアーティストのように、地元をレペゼンする感じなのかなと思っていたのですが、どちらかと言うと外部から見たイメージなんですね。
貴志:そうですね。逆に客観的に阿佐ヶ谷を見たというか。
■バンド名の後半は「ロマンティクス」ですよね。これにはどういった意味が込められているのでしょうか?
貴志:語呂が良かったんですよね。
古谷:漢字とカタカナってやっぱり語呂がいい感じじゃないですか。
貴志:あとはやりたい曲のイメージに合っているかなあと。最初に自分たちで「四季折々のロマンスに寄り添った(バンド)」ということで売り出したくらいなので(笑)
古谷:「キープ・ジュブナイル」という合言葉があって。
貴志:そういうイメージと「ロマンティクス」という言葉が合っていたんですよね。
Lampかな。 (貴志)
スピッツで(笑)! (有坂)
スラロビ説で(笑)。 (古谷)
■今回ファースト・アルバムがリリースされましたが、こういうふうに一度パッケージになって音楽が世に出ていったら、本人たちが意識するかどうかは別にして、それは音楽の歴史に連なっていくものだと思います。もし阿佐ヶ谷ロマンティクスの音楽をどこかの文脈に位置づけなければならないとしたら、自分たちではどの系譜に属していると思いますか? たとえばはっぴいえんどだとか、フィッシュマンズだとか、あるいは一見ポップスに聴こえるけどマインドはドラヘヴィなんだぜとか。
貴志:Lampかな。必ずしもそのレールに乗るというわけではないですけど、Lampが好きで、曲のイメージとして多少意識しているところはありますね。あと、フィッシュマンズも少なからず(意識しています)。
古谷:たぶんメンバーそれぞれで見ているものが違うんじゃないかな。
貴志:みんな好きな音楽が全然違うので(笑)。
■ではそれぞれお訊きしてもいいですか(笑)? まず貴志さん的には「阿佐ヶ谷ロマンティクスはLamp」ということで(笑)。
古谷&有坂:Lamp説(笑)。
貴志:Lampと、なんだろうね。あとは、ユニークスというロックステディのバンドがいるんですけど、完全にメロディが立ってゆったりとしているんです。そういう何度でも聴ける音楽が好きなので、自分としてはロックステディと日本の音楽がうまく交わるような音楽にしたいなと思っています。
有坂:私は気持ちよく歌えればいいというだけなので。
貴志:有坂は完全にスピッツだもんね。
有坂:あー、そうですね。
古谷:井上陽水じゃないの?
有坂:井上陽水も好き。趣味的にはスピッツとかが好きで、爽やかで聴きやすくて、でも音楽的に変な感じもありつつ。
■スピッツは意外と変な曲も多いですもんね。
有坂:そうですね。歌詞もけっこう意味わかんないですし(笑)。だけど聴きやすくてみんなに愛されるみたいなところが(好きですね)。
■なるほど、わかりました。有坂さん的には阿佐ヶ谷ロマンティクスは……、
有坂:スピッツで(笑)!
(一同笑)
■古谷さんはどうでしょう?
古谷:何説か、どうしようかな(笑)。やっぱりビートがバック(寄り)で流れているのがいいですね。私はヒップホップがすごく好きなので。うーん、ドラヘヴィ説かな(笑)。じゃあ、むしろスラロビ(スライ&ロビー)説で(笑)。
■古谷さん的には阿佐ヶ谷ロマンティクスはスラロビの系譜だと。そうなるとやはりデニス・ボーヴェル・リミックスはやるべきですね(笑)。
古谷:そうですね(笑)。たぶんリズムだけ聴くと阿佐ヶ谷ロマンティクスもけっこう変なことやっていると思うので。
■ファースト・アルバムが1月に出たばかりですが、今後のご予定を教えてください。
古谷:レコ発が3月に2本ありまして。
貴志:3月4日に大阪で、18日に東京でやります。ほかに漠然と思っていることは、今年中にもう1枚EPか何かを出したいと思っていますね。曲は作っているので。
■EPと言えばB面ですよね(笑)。
(一同笑)
古谷:デニス・ボーヴェル・リミックス……。
貴志:作っている感じだと、今のところこのアルバムよりはディープなサウンドになりそうですね。3拍子の曲もあったりして。
古谷:そうですね。(3拍子が)すごく楽しいです(笑)。
■おー、それは聴いてみたいですね。それでは最後に、このアルバムの聴きどころを一言でお願いします。
貴志:(聴きどころは)コード進行とか(笑)。
有坂:ははは(笑)。これだけポップに、とか言っているのに(笑)。
貴志:あとはメロディの不安定さと、それにリンクした歌詞とか。それと……何かあります?
古谷:たぶん、何回か聴いたら「こんなことやってたんだ」という新たな発見がある1枚だと思います。何度も聴いて欲しいです!
阿佐ヶ谷ロマンティクス
LIVE情報
2017/3/4(Sat.)
『阿佐ヶ谷ロマンティクス"街の色" Release Party 大阪公演』
@大阪 artyard studio
OPEN 18:00 / START 18:30
ADV ¥2500
with/ 浦朋恵バンド / 本日休演 / 甫木元空(映画監督 / 短編映画上映) / IKEGAMI YORIYUKI(イラストレーター / 作品展示)
2017/3/18(Sat.)
『阿佐ヶ谷ロマンティクス"街の色" Release Party 東京公演』
@ TSUTAYA O-Nest
OPEN18:00 /START18:30
ADV ¥2500
With/ 入江陽と2017(NEW BAND) / Wanna-Gonna /IKEGAMI YORIYUKI(イラストレーター / 作品展示)
2017/4/12(Wed.)
DADARAY presents『DADAPLUS vol.1 ~Tokyo~』
@ 新代田FEVER
OPEN19:00 /START19:30
ADV ¥3000
With/ DADARAY