ele-king Powerd by DOMMUNE

MOST READ

  1. Robert Del Naja ──マッシヴ・アタックの3D、二度目の逮捕
  2. 別冊ele-king パンク50周年記念号──それは何だったのか、何でありえるのか
  3. Columns ♯17:もしもパンクがなかったら ——その基礎知識と『パンク50周年記念号』刊行のお知らせ
  4. Columns 9月のジャズ Jazz in September 2026
  5. Stones Taro ──京都のハウス・プロデューサーによる新作
  6. Black Marble - Life in Small Spaces | ブラック・マーブル
  7. Columns Introduction to P-VINE CLASSICS 50
  8. 忌野清志郎さん
  9. interview with caroline いま、これほどロマンティックに聞こえる音楽はほかにない | キャロライン、インタヴュー
  10. interview with Actress UKテクノ界の奇才が語るみずからの哲学 | ──アクトレス、インタヴュー
  11. 細野晴臣 - Yours Sincerely | Haruomi Hosono
  12. R.I.P. 鷲巣功
  13. 食品まつり a.k.a foodman - HIKARIGASASHIKOMU
  14. interview with Cameron Picton (My New Band Believe) 元ブラック・ミディのキャメロン・ピクトン、新バンドにかける想い | ──初のアルバムを送り出したマイ・ニュー・バンド・ビリーヴ
  15. interview with Boom Boom Satellites 明日は何も知らない | ブンブンサテライツ(中野雅之+川島道行)、インタヴュー
  16. Rough Trade ──完売間近、〈ラフ・トレード〉50周年記念公演がいよいよ来週開催、ジェフ・トラヴィスのDJもあり
  17. ele-king vol.37 ボーズ・オブ・カナダ大研究/サイケ&ドリーミー特集
  18. Horse Lords - Demand to Be Taken to Heaven Alive!  | ホース・ローズ
  19. Arca - XXXXX
  20. interview with Wendell Harrison 音楽の楽園=デトロイトから、ウェンデル・ハリソンがファラオ・サンダースとサン・ラーの思い出を語る

Home >  Interviews > interview with The Bug - ファック・ユー

interview with The Bug

interview with The Bug

ファック・ユー

──ザ・バグ、インタヴュー

野田 努    通訳:原口美穂  photos:FABRICEBOURGELLE   Aug 12,2014 UP

右翼すぎる連中っていうのは、俺の最大の敵なんだ。それこそ怒りだよ(笑)。問題にはサイクルがあって、何かあればそういう連中はいつだって外国人や他の人を責める。反多文化主義で、了見が狭い。ああいうコンサバな奴らには、伝統にしがみつかず、未来に前進しろって言いたいね。

■リズとコープランドという、それぞれ背景の異なった個性的な女性シンガーを起用した理由を教えてください。とくにリズは、USのドローン・フォークの人で、音楽的にみて、ザ・バグとはなかなか接点がないと思っていたので、ちょっと驚きました。

KM:俺が今回やりたかったことのひとつは、ザ・バグに対する決められた印象に対して異議を唱えること。世のなか、アニメのキャラクターみたいに、ひとつのイメージを作りたがる。だから、いつも俺はミスター・アングリーっていうイメージをもたれてるんだ(笑)。
 でも今回は、さっき言ったような、朦朧とするような部分も含め、イメージをぶち壊すような要素を入れたかった。自分には怒り以外の要素もあるし、アグレッシヴな音楽だけじゃなく、幅広い音楽を聴いて影響を受けていることを示したかった。それにはリズのようなサイケデリックな声がパーフェクトだと思った。
 最初彼女に依頼をしようと決めたとき、断られるだろうとも思ったし、ザ・バグのことを知りもしないかと思った。でも実際に依頼してみると快くオーケーしてくれて、しかも車のなかで彼女の母親に『ロンドン・ズー』を聴かせていたっていう話をしてくれてね。曲の内容は人殺しだったりするのに(笑)。それでますます思ったよ。彼女のようなシンガーだからといって、彼女が自分の曲のような音楽だけを聴いているわけじゃない。みんな、いろいろなテイストや側面を持っているんだってね。人が持っているイメージは関係ないのさ。

■いま、ちょうど、怒りの質問をしようとしていたところでした(笑)。あなたは、いま、とくに何に対して何で怒っているのでしょうか?

KM:ははは(笑)。日本にはいいセラピストがたくさんいるだろうから紹介してくれよ(笑)。俺は常に怒っているわけじゃない。俺は怒ってばかりいるんじゃなくて、情熱的なんだ。音楽と人生に対してパッションがある。もちろんこの世のなかには腹が立つことがたくさんある。例えばイスラエルやガザでいま起こっていることもそうだ。ああいうのは心底腹が立つ。イギリスの政府に対してもそうだし、日本の政府もそうだ。俺を怒らせることは世のなかでたくさん起こってる。そういう怒りは、俺の音楽の燃料なんだ。それはそれでいいことだと思ってる。ただ、それは俺の一部であって、俺のすべてではないってことだよ。

通訳:今回のアルバムでも怒りはもちろん燃料に?

KM:怒りは増してると思う。さっきも言ったように、『ロンドン・ズー』ととまったく違うものじゃなく、そこからニュー・アルバムを構築していこうと決めて、そこからエンジェルとデビルのふたつの方向が生まれた。『ロンドン・ズー』からより広がっていくためにも。
 だから、一方では『ロンドン・ズー』よりもより美しく、そしてもう一方ではより醜くダーティーなサウンドを作りたかった。だからデビルの面では、より張りつめたサウンドを作り上げたかった。エンジェルの面では、より魅惑的で美しいサウンドを作りたかったしね。中途半端はつまらない。人生も、音楽も、アートも、政治もそうだ。エクストリームっていうのは、生きてるってことなんだ。真んなかにいて、なかなか動かず中身がないのはまるでマンハッタンだ(笑)。魂がないのさ。だから俺にとってこのアルバムは人生そのものだ。俺がどう生きたいか、どう人生をとらえたいか、自分が何に関心があるのか。それがこのアルバムだし、ふたつのサイドがある理由だよ。『ロンドン・ズー』のときはネガティヴなサイクルのなかにとらえられてたけど、今回はベルリンへの移住っていうポジティヴな面もあるしね。

■あなたは日本の安部晋三の評判を知っていますか? 

KM:もちろん。パートナーも日本人だし、サウンドガイも日本人だし、いろんな人から話は聞いているからね。日本の政治には興味がある。日本の政治がいま軍事的になっているのはとてもショッキングだよ。最近東京の中心で自分に火をつけたジャーナリストもいたよな? いま、それくらい日本の政府は極端になってるんだと思う。大きな問題を抱えていると思うよ。前からそうなんだろうけど、とくにフクシマの後は。

通訳:EUの選挙結果も驚きでしたね。

KM:俺も驚いたよ。右翼すぎる連中っていうのは、俺の最大の敵なんだ。それこそ怒りだよ(笑)。問題にはサイクルがあって、何かあればそういう連中はいつだって外国人や他の人を責める。反多文化主義で、了見が狭い。ああいうコンサバな奴らには、伝統にしがみつかず、未来に前進しろって言いたいね。

■アルバムは、「エンジェル」サイドからはじまっています。リズのほか、インガ・コープランド、ミス・レッド、ゴンジャスフィらが参加しています。「天使」と言いつつも、ユートピックな曲があるようにも思えないし、“パンディ”のように、どうにも不吉さが漂う曲があります。この「エンジェル」サイドの意図するところについてのあなたの説明を聞かせて下さい。

KM:言いたいことはわかるよ。エンジェル・サイドはハニー&シュガーではない(笑)。俺にとっては、現実逃避と希望かな。でも、俺はそれが可能だとは思っていない。大切なのは、このレコードで俺がデビルのなかのエンジェル、エンジェルのなかのデビルを表現していること。白黒にしようとしたわけではない。これは良い悪い、これは天使悪魔とハッキリわけられるものはないんだよ。必ず混ざっているものだと思う。

■“ヴォイド”、フォール”、“マイ・ロスト”、“セイヴ・ミー”、非情に象徴的な曲名が並んでいますが、曲の歌詞、シンガーたちが書いたのですか? それともあなたがアルバムのコンセプトを指示したのでしょうか? 

KM:コンセプトを話し合ったりはしたけど、歌詞のほとんどはシンガーたちが書いてる。『ロンドン・ズー』ほど指示はしていない。

■「デビル」サイドは、フロウダン、マンガ、デス・グリップス、ウォーリアー・クリーンらが登場しますが、こちらはよりアグレッシヴさが強調されていますが、あなたのイメージには何があったのでしょう?

KM:たしかによりアグレッシヴになってる。さっきも言ったように、今回はより緊張感のあるサウンドが欲しかったからね。それは大切な要素だった。イメージは、さっき言った通りさ。

取材:野田努(2014年8月12日)

1234

INTERVIEWS