「PAN」と一致するもの

OUTLOOK FESTIVAL JAPAN 2018 - ele-king

 

OUTLOOK FESTIVAL 2018 JAPAN LAUNCH PARTY
開催日時:2018.8.10 (FRI/Before Holiday)
会場: clubasia + VUENOS (2Venue circuit ) , Tokyo  www.clubasia.jp
開催時間 : 21:00 OPEN
料金 : 前売 3,000円 / 当日 4,000円
clubasia : 東京都渋谷区円山町1-8 1F&2F
+ VUENOS : 東京都渋谷区道玄坂2-21-7 1F&B1F
TEL. 03-5458-2551

ベース・ミュージックとサウンドシステムの世界的祭典「OUTLOOK FESTIVAL」 の 「JAPAN LAUNCH PARTY」 
2018年8月10日(金/祝前) 東京 渋谷 clubasia + VUENOSの周遊4フロアー!!!
ラインナップ発表!!

毎年9月にクロアチアの半島を貸し切って開催される世界最大のベース・ミュージックとサウンドシステム・カルチャーのフェスティバル『Outlook Festival』
ヨーロッパで数々のフェスティヴァル・アワードを受賞する超人気フェスで毎年5万人を超えるオーディエンスが世界各地からクロアチアの半島に集まり、ローマ時代のコロシアムや城塞の遺跡、ビーチ、船上パーティといったアドリア海に面した奇跡的なロケーションで行われる巨大イベントだ。 11周年を迎える今年も既に強烈なラインナップがアナウンスされており100都市近くのクラブ・パーティーと連携し世界中でワールドツアーとして開催されるローンチ・パーティの日本版が「OUTLOOK FESTIVAL JAPAN LAUNCH PARTY」である。中でも規模・クオリティ共に本場ヨーロッパまで噂が轟いているのが日本版ローンチ・パーティであり、日本を代表するベース・ミュージックのプレイヤーが集結しアジア最高峰のサウンドシステムでプレイする“アジア最強の都市型ベース・ミュージック・フェス"として世界中から注目を集めている。
さらに世界中で話題沸騰中の「レッドブル・カルチャークラッシュ」の日本版とも言える「OUTLOOK JAPAN SOUND CLASH」や コンテスト「ROAD TO OUTLOOK JAPAN」のファイナルラウンドも見どころであり各フロアに設置される日本屈指/最強のサウンドシステム、レーベル毎のショウケース等、普段のクラブ・イベントでは見れない企画で満載だ。2013~14年 AgeHa/Studio Coast、2015年 Sound Museum Vision、2016年には代官山 UNITビルを丸ごと使用した3フロアー、2017年より clubasia + VUENOS の2 Building 周遊 4 Floor ナイトタイムでの開催!!! 
 
サウンド システム カルチャーを牽引する世界屈指のSOUND SYSTEM『eastaudio SOUNDSYSTEM』 SOUNDSYSTEM AWARDS"Highest Sound Quality"2013年度受賞。
サウンドスラッガーやOUTLOOK JAPAN LAUNCHでその実力は実証済みの『MAXTONE HI-FI 』 BACK TO CHILLに照準を合わせたサウンドシステムとして洗練された重低音を再生するシステムとして鍛え上げられてきた『BROAD AXE SOUND SYSTEM』の 3 SOUND SYSTEM!!
  そして JP出場権をかけたコンテスト「ROAD TO OUTLOOK JAPAN 2018」接戦となったセミファイナルを制した『savo』『kaito komori』『Nishiura』の3組がこの日、当日「FINAL ROUND」現場で決戦!! 
そして『OUTLOOK JAPAN SOUND CLASH』 今年の出場者は『#_O_M_G_』TOKYO等でも活躍する 関西HipHop界の最重要人物 DJ GEORGEと盟友MC MOGGYYによる『NEW KID'N PLAY』!! 北海道 函館シティーMUTANT RAGGA『MDS CREW』のドン SHORT-ARROWと九州福岡を代表するREGGAE DEEJAY NINETY-Uのコンビ『SHORT-ARROW & NINETY-U』!!   TOKYO GRIMEシーンの中心、UKDとSintaからなる『Double Clapperz』が満を持して参戦!! 今年はどんなダブが乱れ飛ぶのか!? どんなゲストアクトがステージに登場するのか!? ジャンル枠を越えた猛者が集う異種格闘技戦!意地とプライドを賭けた音の戦い!
全てが見逃せない夜がまたやってくる!!


:: FULL LINE UP ::
JONNY DUB (LEVELZ) from UK
PART2STYLE SOUND 
KURANAKA1945
TREKKIE TRAX CREW
PK Brako from UK
CRZKNY
RED-I from MANILA
D.J.Fulltono
食品まつり a.k.a FOODMAN
ShioriyBradshaw
DJ WILDPARTY

 ※ 以下 A to Z
Amps
CHANGSIE
FELINE
HELKTRAM & CITY1 from Back to Chill 
iSOP
Ja-ge George
K8
KEN & SATOSHI from HANGOVER
Madkosmos
maidable 
MIDNIGHT ROCK
NATURAL VYBZ
ONJUICY
SAKO
STGM
SYNDROME & MC STONE
Tribal Connection
VIBES MAFIA
Vibes Only Crew
And more!!!

[ OUTLOOK JAPAN SOUND CLASH ]
NEW KID'N PLAY (DJ GEORGE & MC MOGGYY) 
vs
Double Clapperz
vs
SHORT-ARROW & NINETY-U
and Guest Acts

[ ROAD TO OUTLOOK JAPAN 2018 FINAL ROUND ]
savo from SHURISQUAD 
vs 
kaito komori 
vs 
Nishiura

:: SOUND SYSTEM ::
eastaudio SOUNDSYSTEM
MAXTONE Hi-Fi
BROAD AXE SOUND SYSTEM

:: FOOD ::
新宿ドゥースラー

 >>> https://outlookfestival.jp/lineup



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[ OUTLOOK JAPAN SOUND CLASH ]
NEW KID'N PLAY (DJ GEORGE & MC MOGGYY) 
vs
Double Clapperz
vs
SHORT-ARROW & NINETY-U
and Guest Acts

>>> https://outlookfestival.jp/soundclash

「Red Bull Culture Clash」の日本版ともいえる『OUTLOOK.JP SOUND CLASH』 日本を代表するベース・ミュージックの代表格3組が激突するあの熱い戦いが今年も繰り広げられる!一点モノのオリジナル・キルチューン(ダブ・プレート)をプレイしあう音楽の戦争、サウンドクラッシュ! 

 今年の出場者は『#_O_M_G_』TOKYO等でも活躍する 関西HipHop界の最重要人物 DJ GEORGEと盟友MC MOGGYYによる『NEW KID'N PLAY』!! 北海道 函館シティーMUTANT RAGGA『MDS CREW』のドン SHORT-ARROWと九州福岡を代表するREGGAE DEEJAY NINETY-Uのコンビ!!  TOKYO GRIMEシーンの中心、UKDとSintaからなるグライムプロデューサー・デュオ『Double Clapperz』が満を持して参戦!! 今年はどんなダブが乱れ飛ぶのか!?どんなゲストアクトがステージに登場するのか!?ジャンル枠を越えた猛者が集う異種格闘技戦 全てが見逃せない夜がまたやってくる!!

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毎年恒例 OUTLOOK_JPの出演権を賭けたDJコンテスト
[ ROAD TO OUTLOOK JP 2018 FINAL ROUND ]
savo fr.SHURISQUAD vs kaito komori vs Nishiura

毎年ジャンルの壁を越えた猛者が集う異種格闘技コンテスト『ROAD TO OUTLOOK JP』 昨年のファイナリストは、首都圏/関西の実力者、ニューカマーらを抑え、 札幌、福岡 地方都市の Bass Music系パーティーでプレーする豊富な現場経験を持つDJらが勝ち上がり、 初の本祭現場での決戦をダブ・プレートを駆使した NoB が勝利! 過去のチャンピオンには、大阪のPaperkraft、Drum and Bass Producer/DJのDJ MASA、福岡在住iSOP、Back to Chill等で活動するYuittyらが名を連ねる。 本年度もセミファイナルを勝ち抜いた3組による 8/10 OUTLOOK JP 当日現場でファイナルジャッジ!!! 

最終投票結果(いいね!の数)
1位 savo fr.SHURISQUAD - 405票
2位 kaito komori - 370票
3位 Nishiura - 340票

すべての応募者、投票していただいた皆様にRespect!!
上記3組が8月10日(金/祝前)OUTLOOK JP 当日現場で開催されるファイナルに進出します!
次はファイナルの会場で皆さんのジャッジをお待ちしております!!

>>> https://outlookfestival.jp/contest

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Outlook Festival 2017 JAPAN LAUNCH PARTY PHOTO HIGHLIGHT 公開!
>>> https://outlookfestival.jp/photogallery

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Outlook Festival 2017 Highlights
>> https://youtu.be/PWSYi6vQRxg

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[ WHAT IS OUTLOOK? ]
OUTLOOK FESTIVALとは? 毎年9月にクロアチアで開催される世界最大の“ベース・ミュージックとサウンドシステム・カルチャー”のフェスティバルである。UKではフェスティバル・アワードなどを受賞する人気フェスで、オーディエンスが世界各地から集まり、400組以上のアクトが登場。このフェスのローンチ・パーティは、世界各国100都市近くのクラブ/パーティと連携して開催され、その中でも本場UKまで噂が轟いているのが、日本でのOUTLOOK FESTIVAL JAPAN LAUNCH PARTYである。 

OUTLOOK FESTIVAL JAPAN LAUNCH PARTYは 日本を代表するベース・ミュージックのプレイヤーが集結し、アジア最高峰のサウンドシステムでプレイする、いわばアジア最強のベース・ミュージックの祭典である。さらに世界中で話題沸騰中の「Red Bull Culture Clash」の日本版ともいえる「OUTLOOK.JP SOUNDCLASH」も見どころのひとつであり、他のクラブ・イベントでは見れない企画が満載。

KATE NV JAPAN TOUR 2018 - ele-king

うー、午前3時間の試合は生活のリズムが狂いますなー。しかし、泣いても笑っても今週までです。
で、ロシアといえば、じつは今週から来週にかけて、モスクワをベースに活動しているプロデューサー/DJ/演奏家/ヴォーカリスト、ケイト・シロノソヴァによるソロ・プロジェクトKate NVが単独としては初の来日ツアーをしています。

2016年に〈Orange Milk Records〉からリリースしたファースト・アルバム『BINASU』がシンセ・ポップ傑作として各所で絶賛され、その類い稀なるセンスは現代エクスペリメンタル・ミュージック・シーンの最先鋭レーベル、 〈RVNG Intl.〉の目にとまり、契約を果たし、ぐっとミニマルなエレクトロニック~アンビエント・ミュージックへアプローチしたセカンド・アルバム『для FOR』を6月に発売予定。さらにはAngel Deradoorianとの共作でも注目を集める中、絶好のタイミングでの来日となります。

今回の来日公演では、シンセポップ的な『BINASU』セット、ミニマル〜アンビエント寄りの『RVNG』セットの両方を披露する予定です。是非ご来場ください。


https://www.artuniongroup.co.jp/plancha/top/news/kate-nv-japan-tour-2018/





PLANCHA 10th Anniversary Vol.2

KATE NV JAPAN TOUR 2018

7/16(月・祝): 大阪 @SOCORE FACTORY (BINASU / RVNG mix set)
7/19(木): 東京 @KATA (RVNG set)
7/20(金): 東京 @KATA (BINASU set)
7/21(土): 新潟 @木揚場教会 (BINASU / RVNG mix set)



 

大阪公演
Kate NV Japan Tour 2018
Osaka Supported by POW




日程:2018年7月16日(月・祝)
時間:開演/16:00
会場:大阪 @SOCORE FACTORY [https://socorefactory.com]
料金:前売2,500円(1ドリンク込) / 当日3,000円(1ドリンク込)

LIVE:
Kate NV [BINASU / RVNG mix set]
テンテンコ
CVN

DJ:
BIOMAN
souj
miharu
POW (zico, BABY)

※チケット予約は『POW 前売り予約フォーム』からご予約が出来ます
【https://goo.gl/forms/TN3VpYTumsyQHTU42】
お名前、メールアドレス、枚数をご記入のうえ送信ボタンを押してください。

主催:POW
https://popowpowpow.tumblr.com/


 

東京公演①
Kate NV Japan Tour 2018
Tokyo Day 1 [RVNG set]



日程:2018年7月19日(木)
時間:開場 19:00 / 開演 19:30
会場:恵比寿 @KATA [https://kata-gallery.net/]
料金:前売3,000円(別途1ドリンク代) / 当日3,500円(別途1ドリンク代)
(Day 2にもご来場の方は500円のキャッシュバック)

LIVE:
Kate NV [RVNG set]
dip in the pool (Special Guest)
角銅真実

DJ:
Shhhhh

主催:PLANCHA


 

東京公演②
Kate NV Japan Tour 2018
Tokyo Day 2 [BINASU set]



日程:2018年7月20日(金)
時間:開場 19:00 / 開演 19:30
会場:恵比寿 @KATA [https://kata-gallery.net/]
料金:前売3,000円(別途1ドリンク代) / 当日3,500円(別途1ドリンク代)
(Day 1にもご来場の方は500円のキャッシュバック)

LIVE:
Kate NV [BINASU set]
Aya Gloomy
emamouse

DJ:
青野賢一(BEAMS RECORDS)


主催:PLANCHA


 

新潟公演

experimental room #28
Kate NV Japan Tour 2018
Niigata



日程:2018年7月21日(土)
時間:開場 17:00 / 開演 17:30
会場:木揚場教会(新潟市中央区礎町通上一ノ町1957/TEL 025-229-1870)
料金:前売 3000円/当日3500円/県外2500円/18才以下無料

LIVE:
Kate NV [BINASU / RVNG mix set]
NYANTORA
LIVING ROOM

DJ:
IXALODS

SHOP:
OOHATA COFFEE

◯前売券メール予約ご希望の方は件名を
「7/21チケット予約」としてinfo@experimentalrooms.comまでご氏名・枚数をお送り下さい。

主催:experimental rooms
https://www.experimentalrooms.com
info@experimentalrooms.com

 


KATE NV:
ロシアはモスクワをベースに活動しているプロデューサー/DJ/演奏家/ヴォーカリスト、ケイト・シロノソヴァによるソロ・プロジェクト。元々はSonic YouthやDinosaur Jr.などに影響を受けたオルタナティヴ・ロック〜ポストパンク・バンド、Glintshakeのヴォーカルとして活動。また、同時に20世紀のクラシカルなミュージシャン達とCornelius Cardewのアイデアとアヴァンギャルドなコンポーズを再構築するMoscow Scratch Orchestraのメンバーでもある。それらと平行してソロとしてNVを始動させ、2014年にジャパニーズ・ポップスやニュージャックスウィング、90’s R&Bなどの影響を感じさせるEP『Pink Jungle』を発表し注目を集め、同年、Red Bull Music Academy Tokyoで初来日を果たす。2016年に待望のソロ・デビュー・フル・アルバム『Binasu』を2016年にGiant ClawとSeth Graham主宰の重要レーベル、Orange Milkからファースト・アルバム『BINASU』をリリース。各所で絶賛され、世界各国をライヴで飛び回る。その才能はエクスペリメンタル・ミュージック・シーンの最先鋭レーベルであるブリルックリンのRVNG Intl.の目にとまり、契約を果たし、同レーベルからセカンド・アルバム『для FOR』のリリースが決定した。

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Artist: Kate NV
Title: для FOR
Cat#: ARTPL-104
Format: CD / Digital

※解説:館脇悠介
※日本のみでCD化
※ボーナス・トラック:食品まつり a.k.a foodman Remix収録

Release Date: 2018.06.15 ※日本先行発売
Price(CD): 2,000 yen + 税

ロシアはモスクワをベースに活動する才女Kate Shilonosova(ケイト・シロノソヴァ)によるソロ・プロジェクトが名義をNVからKate NVに変更し、エクスペリメンタル・ミュージック・シーンの最先鋭レーベルであるブリルックリンのRVNG Intl.に移籍しての新作『для FOR』を完成。

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Artist: NV
Title: Binasu
Cat#: ARTPL-081
Format: CD
解説: Dirty Dirt
※歌詞・対訳付き
※日本のみでCD化
※ボーナス・トラック2曲収録

Release Date: 2016.11.02 ※タワーレコード先行(10/19)発売
Price(CD): 1,900 yen + 税

ロシア発!ポストGrimes的シンセポップ超新星NVが遂に日本デビュー!
ボーナス・トラックにDeradoorianとの共演曲「Konicchiwaa (ft. Deradoorian)」収録!

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大阪公演出演者

 


テンテンコ:

1990年8月27日生まれ。北海道出身。身長142cm。 2013年BiSに加入し、2014年の解散とともにフリーランスとして活動を始める。 2016年にTOY’S FACTORY / MIYA TERRACEとマネージメント契約。 「90年代からの日本の”インディー霊”を全て背負っているといっても過言ではない、ヴァリエーションに富んだアヴァンギャルド表現者」と人は彼女を評し、オーバーグランドとアンダーグランドを自由に行き来し、朝から真夜中まで型にはまらない聖域なき活動を行っている。

WEB : https://tentenko.com
Twitter : https://twitter.com/tentenko_ooo?lang=ja
Blog : https://tentenko142.blogspot.com

 


CVN:

Grey Matter Archives主宰

Orange Milk, Where To Now?, Angoisse, CNDMM, Solitude Solutionsなどから作品をリリース

https://greymatterarchives.club/
Soundcloud : https://soundcloud.com/cvntrack

 


BIOMAN:

奈良県出身、大阪市在住。DJ、デザイナー、イラストレーター。音楽関係を中心にデザイン及びアートワークを多数手掛ける。DJではアートプログラムからクラブイベントまで幅広い分野に出演。DJ集団、風工房’98の一員でもある。所属する“青春ビザールディスコバンド”neco眠るではシンセサイザーを担当、2014年に発売された2ndアルバム『BOY』ではメインコンポーザー及びジャケットデザイン・ディレクションを務める。2015年にはイラストレーターの沖真秀との二人展「赤ちあん」を開催。

BIOMAN info : https://bio-man.net
Soundcloud : https://soundcloud.com/bio_man
Facebook : https://www.facebook.com/bio.man.37

 


souj:

dark jinja主宰

Soundcloud : https://soundcloud.com/user-656605415

 


miharu:

京都市在住20歳。幼少期より音楽に親しむ。高校生の時に作った和モノセレクト集「和モノ high school mellow」や「日本メロウ大学」がネットレーベルAno(t)raksより配信。現在は「Light Mellow West」「木菟燈籠」「City」等に出演し、関西を中心に活動している。

Twitter : https://twitter.com/rinpa1120 

 

東京公演①出演者

 


dip in the pool:

1983年に作/編曲を担当する木村達司(track)と、作詞担当の甲田益也子(vo)が結成したデュオ。独特の音楽センスとファッショナブルなヴィジュアルが話題を呼び、86年にイギリスはROUGH TRADEよりデビュー。国内では86年MOON RECORD(現在はワーナーミュージック内のレーベル)よりデビューアルバムをリリース。過去にレコーディング参加したミュージシャンは、佐久間正英、清水靖晃,、窪田晴男、富家哲、トニー・レヴィン、ミノ・シネル、モーガン・フィッシャー、ピーター・シェラー(アンビシャス・ラバーズ)、といった個性豊かな実力者ばかりであった。
マイペースな活動と並行して、甲田益也子が89年に映画『ファンシイダンス』で役者としてもデビューし、映画『白痴』では主演をつとめた。木村達司は他アーティストのプローデュース、アレンジやCM、映画音楽制作等、個々の活動も多彩に展開している。
一時期の活動休止を経て2011年に本格的に再始動、14年ぶりになるアルバム「brown eyes」をリリース。
2013年には木村達司がモーガン・フィッシャー、安田寿之と共にアンビエント・エレクトロニカ・アルバム「Portmanteau」をリリース。甲田益也子がゲストボーカルとして4曲参加している。
2015年1月に伊藤ゴロー、古川初穂らをゲストに迎えた10枚目のアルバム『HIGHWIRE WALKER』をリリース。
2016年にアムステルダムに本拠を置き世界中に多くのファンを擁する復刻レコード専門レーベルMusic From Memoryから89年に発表した「On Retinae」が12 inch・シングルとしてリイシューされ世界的に再評価される。
2017年にはアメリカのアンビエント・デュオVisible Cloaksからの依頼を受けシングルを共作リリースし、来日イベントでは共演も果たしている。
2018年6月には初のオーストラリア・ツアーを行う。

https://dipinthepool.com

 
photo by Tatsuya Hirota
角銅真実:

音楽家 打楽器奏者
マリンバをはじめとする色々な打楽器、自身の声、身の回りの気になるあらゆるものを用いて、インスタレーションやアートプロジェクトでの制作、ダンスや映像作品、CMへの楽曲提供、制作など作家としての自由な表現活動を国内外で展開中。
2017年Basic functionより初のソロアルバム”時間の上に夢が飛んでいる”を発表。ドラマーの石若駿のEP”Song book1,2”ともに歌詞と歌唱で参加。
また、2016年よりバンドceroのパーカッション・コーラスでのライブサポートやアルバム制作に関わるほか、
2018年ポーランド ワルシャワ のKrolikarnia 美術館で展示されたインスタレーション形式の映画、Square/Karolina Bregla の音楽を担当した。

https://manamikakudo.wordpress.com/
https://twitter.com/kakudouma

 


Shhhhh  (El Folclore Paradox):

DJ/東京出身。オリジナルなワールドミュージック/伝統伝承の発掘活動。フロアでは民族音楽から最新の電子音楽全般を操るフリースタイル・グルーヴを発明。
13年に発表したオフィシャルミックスCD、『EL FOLCLORE PARADOX』のコンセプトを発展させた同名レーベルを2017年から始動し、南米からNicola Cruz、DJ Spaniolらを招聘。ブラジルのパーティ/アートコレクティブ集団、VoodoohopのコンピレーションLP『Voodoohop Entropia 1.5』のプロデュースなど。
dublab.jpのレギュラーや、オトナとコドモのニュー・サマー・キャンプ”NU VILLAGE”のオーガナイズチーム。
ライナーノーツ、ディスクレビューなど執筆活動やジャンルを跨いだ海外アーティストとの共演や招聘活動のサポート。
全国各地のカルト野外パーティー/奇祭からフェス。はたまた町の酒場で幅広く活動中。

https://soundcloud.com/shhhhhsunhouse
https://twitter.com/shhhhhsunhouse
https://www.facebook.com/kanekosunhouse

 

東京公演②出演者

 


Aya Gloomy:

Aya Gloomy(アヤ・グルーミー)1994年生まれ、 東京都出身。 高校生の頃から曲を作り始め、 作詞作曲アートワーク全て自身で行っている。

2017年2月、 初のデビューEP『Ennui Ground』を原宿のレコード・レーベル BIG LOVE Records の新レーベル「STBO Records」からリリースした。

2018年4月25日にファースト・アルバム『陸の孤島/RIKU NO KOTŌ』を発売。

https://twitter.com/aya_gloomy
https://soundcloud.com/ayagloomy

 


emamouse:

現代アート的電波アイドル風ハードコア調シンガー・トラックメイカー。
現実逃避で没入したゲームの世界(仮想空間)を、仮装することで現実世界とアイデンティファイしている。
つまり皮膚という設定のマスクを被って2015年よりLIVE活動を開始。自身をモチーフとしたイラストレーションや、実際には無いゲームのサウンドトラックを制作。
Psalmus Diuersae、Visual Disturbances、Gauss PDF等のレーベルから音源をリリース。
2018年、NZのトラックメイカーyeongrakの曲をRemixしたアルバムをQuantum Nativesからリリース。同作にてTiny Mix TapesのEUREKAを獲得。

https://emamouse.bandcamp.com/
https://twitter.com/emamouse

 


青野賢一(BEAMS RECORDS):

個人のソフト力を主に社外のクライアント・ワークに生かす「ビームス創造研究所」に所属するクリエイティブディレクター。音楽部門〈ビームス レコーズ〉のディレクターも務める。また、ファッション、音楽、映画、美術、食といった文化全般を横断的に論ずる文筆家としても活躍。『CREA』(文藝春秋)、『ミセス』(文化出版局)などに連載を持つ。DJとしては1987年より活動開始。現在のクラブでのレギュラーイベントは山崎真央、ANGELYUKA(水原佑果)、最高の夏と行っている「SUNDAY DISCO SESSION 日曜日が待ち遠しい!」(青山zero)。

https://twitter.com/kenichi_aono

 
 
 

新潟出演者

 


Nyantora:

ナカコーのアンビエント・プロジェクト「Nyantora」。ナカコーの中で最長キャリアのプロジェクト。2001年、「99-00」(2001年5月9日)をリリース。その後、「COSMOS」(2003年4月2日)、「夜を忘れなさい/97-03」(2006年1月27日)、「この作品はフェードインフェードアウトで構成されています 音があらわれては消えるその繰り返しただそれだけ」 (2009年12月1日)、「White EP」(2011年5月18日)、「duenn feat. Nyantora」(2012年1月12日)をリリース。そして、完全受注版「High Strangeness」(2013年10月30日)をリリースした。コンスタントにリリースをしていたものの、特にライブ活動はなかった。しかし、2014年6月にプライベートでも親交のあるduenn氏のイベントより、待望のライブ活動をスタートさせた。長きにわたり多種多様な音楽を作リ出すナカコーの、音響に精通した世界観が遂に体感できるようになった。FUJI ROCK、RISING SUN ROCK FESTIVAL、OTO TO TABIなどのフェスや、トリエンナーレ、更にはロック・アーティストとの対バンまで幅広く出演している。また、Nyantora+duennのライブ音源が日本人としては、前人未到のベルギーのエクスペリメンタル・レーベル『Entr’acte』からリリースされるなど、海外でも評価がひろがり始めている。そして2018年6月20日Nyantoraとしては、7年振りとなる全国流通版のCD「マイオリルヒト」を発売する。

KOJI NAKAMURA
KOJI NAKAMURA soundcloud
MELTINTO (JP label)
SLOWDOWN (JP label)
ENTR’ACTE (BE label)
DUENN (JP label)
NOON (JP label)
SUPAERCAR
LAMA

 


Living Room:

Tatsuya Saitoによるソロプロジェクト。主に現行のエレクトロニックミュージックに影響を受け、2015年より活動。ジャパンレーベル「Solitude Solutions」のコンピレーションアルバムに参加。DJとしても活動。

LIVING ROOM soundcloud
SOLITUDE SOLUTIONS (JP label)

 


Ixalods:

国内外の先鋭的なアーティストを招聘し、アート・エキシビションやクラブ・イベントなどを行うイベント・プロジェクト、red race riot!を主宰し、またDJとしても活動するjacob(ヤコブ)と、電子音響+映像ユニットのmikkyozとしての展示やパフォーマンス、またソロとしてもライヴやDJを行うle(レ)のふたりによるDJユニット。

RED RACE RIOT!
MIKKYOZ

Interview with JACOB
Interview with MIKKYOZ

ゲッベルスと私 - ele-king

 撮影時この物語の主人公ブルンヒルデ・ポムゼルは103歳だった、と『ゲッベルスと私』の監督のひとりであるクリスティアン・クレーネスはふりかえる。撮影は2014年に開始し2016年に映画が完成するまでのあいだ、クレーネスはじめ、ブラックボックス・フィルム&メディアプロダクションの4人のメンバーは2度の撮影機会に都合30時間のインタヴューを敢行した、この映画はそれらをまとめたものであり、原題を『A German Life』といい、訳すると「ドイツ人の生(活)」となるこのドキュメンタリーは極限の状況下でひとはだれしもおなじ行動をとる可能性があり、過酷であればあるほどそれはひとがひとたる条件を剥ぎとり、人口という数値のなかに裸にする、そのことを歴史上もっとも苛烈に体現したのはいうまでもなく第二次世界大戦である。ナチの宣伝相の名称を題名にした『ゲッベルスと私』の背景はいうまでもなくこの時代の第三帝国だが、いたずらにセンセーションに逃げはしない。1933年、22歳で、思想的な理由からというより生活のためにナチ党に入党し、42年にヒトラーの片腕であるヨーゼフ・ゲッベルスの秘書となったごくふつうのドイツ人女性の記憶と語りをこの映画はたよりにする。

  「第二次大戦というテーマは手垢がついたものでもあるわけです。いまさらこれか、もうすべてあきらかになったではないか、映画もテレビ番組もうんざりするほどあるじゃないか」。クレーネスの傍らにすわるフロリアン・ヴァイゲンザマーは本作の資金調達がかならずしも順調でなかったことを淡々とのべる。「スタイルとしてドキュメンタリーという方法を採る、さらに映画というメディアをもちいる、この点について理解を得るのは至難の業でした。はじめのうちはなかなか資金が集らなかった。結果からいえば、そのために強制力がかからず、自由に撮ることができたのですが」。

  結果映画は当事者だけがかもしだす息のつまる緊張感と、子どものころ昔話に耳を傾けた祖父母たちがそうだったように、私たちの目の前にことばと身ぶり、彼女の存在そのもので時間をつみあげていく。ブラックボックス・フィルム&メディアプロダクションはそれを強調するかのようにモノクロームを基調の色に選ぶ、というより画面から色彩をおいはらうことで、そこに映る老嬢は無人の地にたたずむ一本の樹木のようになる。深い皺の一本一本は年輪のようでもあり、大地から十分な養分を吸いとれず立ち枯れたようでもある。映画はほとんどの時間を彼女の語りについやす、冒頭で彼女は彼女自身にしずかに問いかける。「私のやっていることはエゴイズムなのか」と。その内省はどこからきたのか、それ以前に彼女の「やったこと」とはなにか。ポムゼルは上述のとおり、第二次大戦がはじまって3年目の1942年にゲッベルスの秘書となった。ヒトラーはすでに国家元首として第三帝国のあまねく空間にその身体を浸透させていた。ゲッベルスは総統(フューラー)の側近としてあらゆるメディアをとおしたプロパガンダで国民の内面をあやつる国家の頭脳というより感情だった。作中でポムゼルはエレガントなスーツを着こなすものごしやわらかな上司であったゲッベルスがひとたび壇上に立つと激越な扇動者に豹変したのをおののきながら回想する。秘書の職に就いてまもない1943年2月18日、ベルリンのスポーツ宮殿で、ポムゼルはゲッベルスの演説に、彼の妻マクダのすぐうしろの席で耳を傾けていた。直前のスターリングラードの攻防戦に敗れ、やがて窮迫する状況を、ゲッベルスは国民を結束させてのりきろうともくろんだ。彼らを束にするのは感情である。スポーツ宮殿のゲッベルスの、のちに総力戦演説と呼ばれるスピーチでゲッベルスはボリシェビキへの不安を最後にはユダヤ人へとむすびつける。おそらくそこには1933年、首相に任命されたヒトラーがただちにとりかかったユダヤ人の公職追放、その2年後のニュルンベルク法、さらにその3年後の1938年11月のポグローム、すなわち「Kristall-nacht(ガラスの夜)」で決定的に奈落の底へ転がり落ちていくユダヤ人政策がもとはアーリヤ民族主義とシオニズムとの相対化をふまえ仮構した合意のもとにたちあらわれたことに由来するのではないか。おそるべきオーセンティシティが裏打ちする運命のようにとどめようもない状況。ポムゼルは彼女のユダヤ人の友人であるエヴァの暮らしぶりをとおしてそのことを、皮膜一枚とおした向こうに感じながらも目を瞑りつづける、この不作為こそ彼女のいうエゴイズムの正体だとすれば、それは当時のドイツ人だれしも例外的でなかったことも、「A German Life」の原題は暗示している。

  ある日「夜明けに店を開くやいなや、どの通りの入口も武装した者たちに占められている」(カフカ「一枚の古文書」池内紀訳、白水社)のにも似た状況がふってわいたように出来するが、気づいたときに彼らは「すでに堂々と居すわって、みたところ日ごとに数がふえていく」「彼らはわれわれの言葉を解さないし、そもそも彼は言葉というものをもたぬらしい」――ユダヤ人カフカは原稿用紙数枚の掌編にこのようにしたためるが、むろんナチを意図したものではない。「しかし、外からやってくるこの死は、内から立ち現れてきた死でもある」とドゥルーズとガタリはカフカのこの小説を評していう(『アンチ・オイディプス 上』、宇野邦一訳、河出文庫)。内とは共同体の内側であるとともに個々のひとびとの内面でもあり、ハンナ・アーレントが喝破した「悪の陳腐さ」をもたぐりよせる。いやたぐりよせる必要さえない。それらはもとからそこにあったものなのだ。

 あとはほんのすこし刺激するだけでいい。ゲッベルスはポムゼルが彼の秘書になる前、すでに地ならしを終えていた。ナチはガラスの夜の一年前、37年7月にミュンヘンで「大ドイツ美術展」と「退廃美術展」と題したふたつの展覧会を開催している。前者はドイツに冠たる芸術を集めたもので後者はそれとあいいれない「狂気、厚顔無恥、無能の産物」(「退廃美術展」開催時のアドルフ・ツィーグラーの開催の辞)作品を集めておりカンディンスキー、クレー、オットー・ミュラーなどもふくんでいるこの展覧会は終戦から半世紀経った1995年、その4年前にロスで開催した企画展を再編するかたちで日本でも「芸術の危機――ヒトラーと退廃美術展」として巡回したはずだ。私はたしかこの展覧会を当時通っていた学校のそばの宮城県立美術館に、題名に惹かれてみにいったのに、展示していたのが20世紀モダニズムを代表する作品の数々であったのに衝撃を受けた。もっとなんというか、ヒエロニムス・ボス風ないしソドムとゴモラ風の人間の退廃を描いた作品がならんでいると思いきや、うきぼりになっていたのはそれらの作品を「退廃」と名づけた思考の退廃だった。とはいえそれはナチに特有のことではないし芸術の政治利用という単純な構図におさめるべきものでもない。真正性は瑕疵を認めず、ツルツルの球体のような空間から基準を満たさない者は徹底的に排除する。開戦前に多くの芸術がドイツの地を去った。むろん去ることさえかなわない無数の市民がいた。利口にふるまえる者ならのりきることもできただろうか。そのときアートや文化に携わる人間はどのような行動をとるのか。とるべきか、という教条的な正義ではなく、どのようなことが思考できるのか、私はクリスティアン・クレーネスとフロリアン・ヴァイゲンザマーに以下のように問いかけた。

 ナチは、ゲッベルスは文化を巧みに操作しました。なかでも映画は彼(ら)にとってもっとも有効なプロパガンダの道具でした。たとえばフリッツ・ラングはゲッベルスにナチ映画の制作の打診を受け、アメリカに亡命しました。『意志の勝利』や『オリンピア』を撮ったレニ・リーフェンシュタールはそのかわりをつとめたといえるかもしれません。ところが彼女はアートによる美学の追究を戦争責任と切り離し、スーザン・ソンタグもそれを1964年の『反解釈』所収の「様式(スタイル) について」などで擁護しています。映像ないしアートを制作する側の倫理についておふたりは『ゲッベルスと私』の制作をとおしてどのように考えましたか。

フロリアン 倫理については映画、ことにドキュメンタリー映画については大きな問題です。リーフェンシュタールのいう美学が優先するという言い方は一面では正しいかもしれない。ところが映画はつねにべつな面をもっています。簡単にいえば、だれのためにつくっているのか、なぜつくるのか、それがなんの役に立つのか、どういう方向を向いているのか、それも映画の重要な構成要素です。リーフェンシュタールの美学が優先するということばはポムゼルさんのことばとも重なります。

――そのとおりです。

フロリアン 自分は自分のやるべきことを追求した、と彼女は当時の彼女の行為を正当化しています。ポムゼルさんについていえば世俗的な意味での利益が優先され、モラルを越えてしまったのです。ポムゼルさんはナチの行為をみないことで利益を優先した。リーフェンシュタールの問題が大きいのは、ポムゼルさんのように秘書の立場ではなくて、積極的に働きかける映画をつくってしまった、プロパガンダの一翼を担ってしまった、それは大きな問題です。子どもがとる姿勢を考えてみれば、おわかりになると思います。子どもは父親に叱られると耳をふさぎます。叱りつける声を遮断することでそれが存在していないと考えようとします。そういうようなところがポムゼルさんにあったようにリーフェンシュタールもおなじことをしたのではないかと私は思います。

クリスティアン リーフェンシュタールの場合はいろんな意味で功績もありました。その一方で彼女がつくりあげたナチ的なスタイルは日和見主義者の行為であり、彼らに捧げたもののなかでも最悪の部類に入るものです。

――ときに私たちがそういった状況にまきこまれたとき、私たちはどのように行動できるでしょうか。おふたりはリーフェンシュタールと同じ立場に立たされたとき、それを断る勇気はありますか。

クリスティアン 正直にもうしあげて、私がそのような立場に置かれるとき、どのように行動するかわかりません。目をそむけるかもしれない。おそらくそのようなことはないであろうと自分に期待はしていますが。大事なのは映画をつくるにあたり、そのようなことがあるかもしれないと観ているひとたちにつきつけることだと思います。それにたいしてみなさんも考えてください。正解はありませんが、考えて思いをめぐらせること、自分に問うてみてください。これがいちいばん大事だと思います。

フロリアン 私もまったく同じように考えます。大切なのは自分に正直であること。かなうならただしい判断ができるよう自分自身をよく観察しなければなりません。ポムゼルさんの時代は戦争という巨大な状況がありましたが、状況はかならずしも大きなものである必要はありません。現在の自分にたいしてそれを問う、日々それを考えているかが大切なのではないでしょうか。きょうはパーティだから考えるのをやめてそっちに行こう、それもまた現実です。大きなことばかりではなく、日常の細々したところにそういった考えをおよぼすことが大切なのではないでしょうか。

 『ゲッベルスと私』をみて、最初におぼえ、みおえてからみじかくない時間がたったいまあらためて感じるのはその誠実さである。むろんショッキングな場面も少なくない。ポムゼルの語りのあいまには当時記録された幾多の映像をさしはさんでいる。ニュース映画、プロパガンダ映像ばかりではなくプライベート・フィルムもふくむ、戦時の日常を思わせる断片と目を背けたくなる凄惨な映像が背中合わせに、20世紀中葉の数年の人類史においても特異というほかない現実を伝えてくる。ブラックボックス・フィルム&メディアプロダクションはこれらの映像をアメリカ合衆国ホロコースト記念博物館所蔵のスティーヴン・スピルバーグ・フィルム&ビデオ・アーカイヴ・コレクションから未公開のものを引いてきたという。私は原稿のアップがおくれにおくれてしまったことをお詫びしつつ、公開期日もなかばをすぎ、それでもこれからこの映画をはじめて目のあたりにする、願わくは、より若い世代の方々のために、詳述は避けるが、数々のアーカイヴ映像と、昨年1月106歳でこの世を去ったブルンヒルデ・ポムゼルがのこした語りを前に、ひとはときに想像を絶する悪に手をそめる、というよりむしろ、悪において想像は逆向きに跳躍するが、逆流をのりきる術を私たちはまだ学びきっていない、そのようなことを、ナチが開発したサリンを地下鉄にまいた事件の首謀者が死刑になり、73回目の終戦の日を迎えようとしている東京のはやすぎる夏に思った。
(通訳=上田浩二)

予告編


ブラックボックス・フィルム&メディアプロダクションのクリスティアン・クレーネス(左)とフローリアン・ヴァンゲンザマー

MOVEMENT CLUB EDITION - ele-king

 これは驚きの、そして待望のニュースです。デリック・メイが2003年にデトロイトで始動させたフェスティヴァル《MOVEMENT》が、なんと東京でも開催されます。題して《MOVEMENT CLUB EDITION》。デリック・メイ本人はもちろんのこと、テックハウスの第一人者 Mr. G がライヴで出演するほか、Hiroshi Watanabe や JUZU a.k.a MOOCHY、今春 Gonno & Masumura として強烈なアルバムを届けてくれたばかりの Gonno らも参加します。7月14日。これはもう行くしかないですね。
 なおデリック・メイは同時にジャパン・ツアーも開催、福岡・札幌・大阪を巡回します。また Mr. G も翌15日に DJ BAR Bridge にてファンク~ソウルのDJセットを披露してくれるとのこと。

「世界で最も平和な暴動」MOVEMENTが日本初上陸!

2003年、Derrick May は立ち上がった。2000年にスタートした Detroit Electronic Music Festival は Carl Craig によるキュレーションで開催され大成功を収めたが、2年目の2001年の開催直前に主催側が Carl Craig を解雇するという事件が起きた。2002年も同じ体制のまま継続されたが、2003年に Derrick May はアーティストたちの手にフェスティバルを戻すべく、大型フェスティバルのオーガナイズ未経験にも関わらず、Movement Festival を開催することを決めた。一人のクレイジーなまでに強い信念を持つ人間が動き出す時、ムーヴメントは生まれる。

2003年には筆者もデトロイトで Movement を体験している。印象に残っているのは、フェスティバルは大成功を収め、最後のアクトが終わった後、完全に声を枯らした Derrick May がマイクを持ってステージに現れて「永遠にやるぞ!」と叫んだシーンだった。本当に全身全霊をかけた男の魂の叫びがデトロイトのハート・プラザに響き渡った。

あれから、15年。現在 Derrick May はデトロイトで毎年行われている Movement には関わっていないが、その間もずっと「東京で Movement をやりたい」と言い続けてきた。震災直後に、日本への渡航に対してネガティブな空気が漂っていた中、彼が一切ためらわずに来日したことを覚えているだろうか? 彼は東京に特別な想いを持っている。そして、自らが名前をつけた Contact にも……。この場所で Movement Club Edition が、ついに実現することを、心して受け止めたい。きっと最高のパーティにしてくれるはずだ。 Studio では、デトロイト・テクノのイノヴェイター Derrick May がヘッドライナーを務める。エモーショナルなテクノでダンスフロアに歓喜の祝祭をもたらしてくれるだろう。そして、Transmat 系デトロイト・テクノ・ファンから熱くサポートされている Mr.G がライブを披露する! 前回の来日でのプレイもコアなファンたちの間で話題になっていたので、これは注目だ。Derrick May が主宰するレーベル〈Transmat〉の歴史上初めて日本人アーティストとなった、Hiroshi Watanabe がサポートを務める。“Threshhold of Eternity”は海外の音楽ジャーナリストから「Derrick May による不朽の名作“Strings of Life”を超えるアンセム!」と評価されるほどだったので、彼のプレイも見逃すことはできない!

Contact では、Transmatから“The Diamond Project EP1”を発表したばかりの、ドープなハウスを奏でるデトロイト出身アーティスト、Drummer B が初来日を果たす。そして、日本からは Gonno、Juzu aka Moochy、Sakiko Osawa、Naoki Shirakawa らがサポートを務める。

Time, Space, Transmat! 時間と空間を超えた Transmat Experience が Cotanct Tokyo で繰り広げられる一夜となるだろう!

「世界で最も平和な暴動」は、まだ終わらない。

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7/14(土)MOVEMENT CLUB EDITION
10PM

Before 11PM / Under 23 ¥2,000
GH S members ¥2,800
w/f ¥3,500
Door ¥3,800

Studio:
Derrick May (Transmat | Detroit)
Mr.G (Phoenix G | UK) - Live
Hiroshi Watanabe a.k.a Kaito (Transmat | Kompakt)

Contact:
Drummer B (Soul Touch | Transmat | Detroit)
Gonno (WC | Merkur | mule musiq | International Feel)
JUZU a.k.a MOOCHY (NXS | CROSSPOINT)
Sakiko Osawa
Naoki Shirakawa
and more


■Derrick May

Derrick May Boiler Room x Ballantine's True Music: Hybrid Sounds Russia DJ Set
https://youtu.be/Bog6l3w2PS4

1980年代後半、デトロイトから世界へ向けて放たれた「Strings Of Life」は、新しい時代の幕開けを告げる名曲であった。自身のレーベル〈Transmat〉からRhythim Is Rhythim 名義で「Nudo Photo」、「The Beginning」、「Icon」、「Beyond The Dance」等今でも色褪せない輝きを放つ数々の傑作を発表し、Juan Atkins、Kevin Saunderson と共にデトロイト・テクノのオリジネーターとして世界中のダンス・ミュージック・シーンに多大な影響を与える。シカゴ・ハウスの伝説の DJ Ron Hardy や Godfather Of House Frankie Knuckles に多大な影響を受け、Music Institute で確立されたその斬新なDJプレイは唯一無二。時代に流されることなく普遍的輝きを放ち、テクノ・ファンのみならず全てのダンス・ミュージック・ファンから絶大なる支持を得ている。そして2010年、レコード店に衝撃的ニュースが流れる。何と実に13年ぶりとなる待望のミックスCDをリリースしたのだ。「Mixed by Derrick May x Air」と題された同作は1月に発表され国内外で大反響を巻き起こした。スタジオ・ライブ一発録りで制作されたそのミックスには、彼のDJの全てが凝縮されていると言って良い。そこには「熱く煮えたぎるソウル」「多彩な展開で魅せるストーリー」「華麗なミックス・テクニック」等、天才DJにしか作り得ない独特の世界がある。自分の信じている音楽やファンへの情熱全てを注ぎ込んだかのような圧倒的パワーがそこには存在する。聴くものを別次元の世界へと誘ってしまうほどだ。世界中を旅していて日本でのプレイが最も好きだと語る Derrick May、彼は本当に心から日本のファンの方達を大切にしているのだ。2011年には奇跡的に「Mixed by Derrick May x Air vol.2」を発表。また、2013年には自身のレーベルである〈Transmat〉のコンピレーションCD『Transmat 4 - Beyond the Dance』を発表し更なる注目を集めている。

★☆ HI TECH SOUL JAPAN TOUR 2018 ☆★

7/13 (金) 福岡 @KIETH FLACK
https://www.kiethflack.net/jp/2806/2018-07-13

7/14 (土) 東京 @CONTACT -MOVEMENT CLUB EDITION TOKYO-
https://www.contacttokyo.com/schedule/movement-club-edition/

7/20 (金) 札幌 @PRECIOUS HALL
https://www.precioushall.com/schedule/201807/0720hitechsoul.html

7/21 (土) 大阪 @CIRCUS
https://circus-osaka.com/event/derrick-may-japan-tour-2018/


■Mr. G

Mr G Boiler Room London Live Set
https://youtu.be/0HffibenJl8

UK出身のアーティスト Mr.G。1994年、Cisco Ferreira と共にテクノ・ユニット The Advent を結成。〈Internal〉レーベルから数々の作品をリリースし、世界的人気アーティストとなる。その後 The Advent を脱退し、ソロ・アーティストとして活動を開始。1999年には自身のレーベル〈Phoenix G〉を設立。自身の作品を中心に数々のフロアー・キラー・トラックをリリースし続け、現在も尚DJ達から絶大な信頼を得ている。また、2010年にはターニング・ポイントとなるアルバム『Still Here』を〈Rekids〉からリリースし、大ヒットを記録。各メディアでその年の年間ベスト・アルバムに選出される程高い評価を得る。その後も〈BAass Culture〉、〈Underground Quality〉、〈Moods and Grooves Detroit〉、〈Holic Trax〉、〈Monique Musique〉、〈Lo Recordings〉、〈Running Back〉等、数々のレーベルから多数の作品をリリースし続けている。デトロイト・テクノ、シカゴ・ハウスに影響されたファンキーかつロウでセクシーなサウンドは世界中のファンを魅了し、ここ数年リリースされた作品も Derrick May や Francois K 等の大御所DJ達もヘヴィー・プレイし、大絶賛されている。

★☆ Mr. G -DJ BAR Bridge- ☆★
7/15 (日) Open 20:00 Entrance Fee ¥1,000 (1D)
https://bridge-shibuya.com/event/1934/

編集後記(2018年7月6日) - ele-king

 ロンドンの高橋勇人からはいっこうにレヴュー原稿(NONのコンピ/sound patrol原稿)が送られてこないけれど、先日ロンドンの坂本麻理子さんから以下のようなリンクが送られてきた。

https://www.theguardian.com/football/live/2018/jul/02/world-cup-2018-japanese-language-liveblog-japan-belgium-last-16

 日本ではあまり知られてないが、今回ガーディアンはW杯特設ページにて、すべての日本戦を(もちろんイギリス人が)日本語で実況していたのである。リンクを読んでくれればわかるように、なかなか熱い。この実況者、世間から非難を浴びたポーランド戦も感情的にはかんぜんに日本の側だ。

 https://www.theguardian.com/football/live/2018/jun/28/2018w

 日本戦の実況をイギリス人の日本語で読むというのも21世紀的で面白いといえば面白い。ベルギー戦で、あんなルカクのような怪物がいるチームを(マリーシア=ずる賢さ、ナシで)ギリギリまで追い詰めた日本代表は、いっきに国際的な評価を高めたけれど、じっさい、いままでW杯で日本が評価されたことといえば、サポーターが席をたつときゴミを持って帰るだとか、そんなことぐらいだったので、今回の評価というか、試合を通じて世界にインパクトを残せたというのはほとんど初めてのことだったんじゃないだろうか。

 音楽の世界でも、今世紀に入って日本の音楽がいままで以上に、エキゾティシズムとしてではなく純粋に作品として評価されてきていると言われている。が、そのひとつの発火点に、たとえばWIREのような左翼系知識人が関わっているメディアが、おそらく英米中心主義に対するアンチも込めてだろう、それ以外の文化圏の音楽を積極的に取り上げ続けていることがあると思う。日本だけが評価されはじめたわけではない。同じように、東南アジアも南米もアフリカもオセアニアもカナダも中東も。
 しかしながら、たとえば昨日挙げたイタリアのテクノのコンピレーションの参加アーティストのほとんどがUK(ないしはNYないしはベルリン)のレーベルから作品を出している。これは、アンダーグラウンドのシーンにおいて長い時間をかけて培われてきたものがあるからだろうな。

 W杯の事実上の決勝戦というのは、だいたいベスト8からベスト4あたりにあるものだ。今夜……というか深夜から朝方にかけての2試合は、そんなような試合だ。今大会のひとつの山場だろう。盛り上がりたい人は、ON-Uサウンドとシュガーヒル(オールドスクール・ヒップホップのリズム隊)との融合体、タックヘッドによる1987年のこの曲を聴いて気合いを入れましょう。

Tackhead - The Game

Yves De Mey - ele-king

 僕が初めてYves(イヴ)の音を聴いた作品は、Sandwell Districtが2011年にリリースした『Counting Triggers』でした。抑えた曲調ながら強靭な音、PAN SONICをよりフリーキーにしたような楽曲構成。かなりオリジナルな作風で、面白い人が出て来たなと思いました。2012年にはPeter Van HoesenとのユニットSendai名義でPeterのレーベル〈Time To Express〉から『Geotope』を発表。2人の個人名義よりも実験的な作風の曲が多く、DJではかなり使いにくい曲が多いのですが、さらにYvesへの関心は高まりました。2013年には〈Archives Intérieures〉、〈Opal Tapes〉、〈Modal Analysis〉などのレーベルからYves De Mey(イヴ・ド・メイ)名義で作品をリリース。この辺りからBPM110台で、強靭なサウンドがじわじわとビルドアップして行くという楽曲構成が個人名義での基本的スタイルとして確立されたように思います。2014年の〈Semantica〉からのリリースでも独自のスタイルを貫いています。その一方でAnDが運営する〈Inner Surface Music〉から新たな名義Grey Branchesを用いてBPMも早目の曲が多いテクノに寄った楽曲群を発表。この名義では2017年に12"x2もリリース。非常にアグレッシヴなテクノ・トラックが多数収録されています。多才な彼は〈Spectrum Spools〉や〈Editions Mego〉(Sendai名義)からも作品をリリース。数々のレーベルを渡り歩いて来た彼の最新作が〈Latency〉からリリースされました。

 〈Latency〉としてはMura Oka『Auftakt』(LTNC004)以来の12"x2となる大作ですが、全編に渡って非常に張り詰めた緊張感が漲っています。一貫して漂う不穏なムード、巧みに抑制された曲調と音数、抑揚に合わせてコントロールされる音量、予測しづらい音やリズムの配置、常に変化を続ける楽曲構成などからその緊張感が生まれ、この作品を貫いています。

 静かにはじまり、繰り返されるメロディのシークエンス、そのメロディを支えるように地を這う低音パート、間欠的に打ち鳴らされるバスドラム、時折挿入される女性の声、やがてバスドラムと女性の声と主旋律がクレッシェンドしていき、音が揺らぎながらピークを迎える“Gruen”は〈Latency〉らしいアンビエント・テイストを孕んでいて、この曲をオープニングに選ぶあたりも憎い。

 “Mika”というタイトルが故人となってしまったMika Vainioのことを指すのかはわかりませんが、Mikaを想わせる重く強靭なキックドラムがBPM110で打ち込まれる上を、不規則に跳ね回る音が時折重力に逆らって飛翔を試みるものの失敗を繰り返している、そんなイメージが浮かびます。

 この作品のハイライトととも言えるであろうタイトル曲“Bleak Comfort”。シンコペーションするリズムで幕を開け、そこにサステインするキックドラムが加わることで一気にグルーヴ感が出てボトムを支え、妙な電子音が4拍目に絡み付き、シンバルのような音が2拍4拍にスネアのように入ってきて、数小節の後一旦ブレーク、そこから細かく刻まれた電子音の連打がクレッシェンドを繰り返しはじめて熱量は上がり、その下部にディストーションのかかったベースラインが入ってきてさらにグルーヴを高め、全てが暴発しそうな勢いを秘めたままカタルシスに至る一歩手前で音は収束していき、最後を締めくくるのは細く刻まれた電子音の孤独なクレッシェンド。この作品のなかでもっともDJ映えする曲だと思います。

 ゆったりとしたメロディではじまり、アンビエントな曲になるかと思いきや、少し不釣り合いな感じがするリズムが入ってきて、やがて金属的な音が加わり、暴力的なまでに高まったかと思うとそのまま何ごともなかったように収束していく、主旋律と他のパートの対比が奇妙な“17 Graves”に続いてもうひとつのハイライトと言えそうな“Stale”がはじまります。BPM116のビートの上をゆらゆらと電子音が漂い、モジュラーシンセの柔軟な音が蠢くなか、主旋律の上昇音階が繰り返され徐々に熱量が増していく。どこまでもヒートアップして行きそうな音の足し算から一転して、次の“Wearing Off”はとても抑制された音数であるがゆえの高い緊張感が漲っていて、ひとつひとつの音の存在感が凄い。この曲も大きな音で聴くとかなりかっこいいと思います。今にも爆発しそうな熱を内に孕んでギリギリのところで持ちこたえているような、そんな曲です。

 最後を締めくくるのはモジュラーシンセ・インプロヴィゼーションのような、そこはかとなく美しさを感じさせる“Contrary Unto Them”。

 アーティストJean-Marie Appriouのアルミニウムによる造形にアクリルペイントと金箔を施した作品“Raspberries 3”を用いたジャケットも美しい。

 この作品のイメージを色に例えるなら暖色系ではなく明らかに寒色系で、寒々とした荒野にひとり取り残されたものの、どこか居心地が良くて立ち去りがたいような、そんなイメージが湧きます。「荒涼とした心地良さ」というタイトルが言い得て妙な、強い中毒性を持った傑作。

Akuphone - ele-king

 いわゆる「ワールド・ミュージック」に分類される音源がリリースされる際、しばしば「辺境」という言葉が用いられるけれど、それはつまり自分たちは「辺境」ではない、自分たちは「中央」である、という意識の表れとも言える(西洋から見れば日本だってある意味「辺境」なわけだけど、日本のアーティストの新譜が出たときに「辺境」サウンドなんて紹介のしかたはしない)。「辺境」だから良いんじゃなくて、その音楽それ自体が良いんだと、そういうふうに紹介していきたいものである。
 ともあれ、昨年のコゥ・シン・ムーンやキンク・ゴングなど、まずはサウンドありきで良質な発掘を続けているフランスのレーベル〈アクフォン〉から、またもや強烈なタイトルが送り届けられた。今回は60年代~70年代のスリランカの大衆歌謡にフォーカスした2枚組コンピレーションで、アフロとアジアが交錯する収録曲もたいへんエキサイティングなんだけれど、ブックレットの解説もおもしろい。たとえばアフリカ系ディアスポラの影響下で生まれた「バイラ」を、エドゥアール・グリッサンの「クレオール」と関連づけて紹介したりしている。日本語訳のついた国内流通盤がおすすめです。

世界音楽の新興レーベル〈アクフォン〉がスリランカのヴィンテージ歌謡をディグ

旧音源発掘、フィールド録音から新作まで、世界音楽を様々な切り口から掘り起こす注目の新興レーベル〈アクフォン〉によるスリランカ・ポップの企画盤をご案内。M.I.A.のルーツ。紅茶と香辛料と宝石の国。実は素晴らしい音楽の宝庫でもあるスリランカ。隣国インドや仏教、ヒンドゥ教、大航海時代にまで遡るポルトガルとアフリカからの影響。様々なエレメントがミックスして出来上がった1960年代後半から70年代にかけてのこの国の大衆歌謡を総括した、ありそうでなかった画期的なコンピです。

◆ 「バイラ」や「サララ・ギー」などと呼ばれるスリランカの大衆歌謡を、同国のポップ音楽を黎明期から支えた重要レーベル〈スーリヤ・レコード〉の音源を中心に、民族や宗教をまたいで横断的に総括した2枚組コンピレーション。

◆ カリプソにも通じるトロピカル感、シタールやタブラの絶妙なスパイス加減、アシッドなフルートやサーフなエレキ・ギター、ハレやかなフェスティバル・ムードなどなど、様々な要素が混然一体となり醸し出される独自の音世界にただただ驚かされるばかり。スリランカのポピュラー音楽の多様性と豊かな響きを堪能できる決定盤。

◆ スリランカ音楽の歴史やスーリヤ・レコードの成り立ち、各アーティストの紹介などを含む、充実した24ページにわたるブックレットも必読(日本語対訳付)。

◆ キンク・ゴング(祝来日!)、コゥ・シン・ムーンやガムラン・ウォーリアーズなどなど、アジアを中心とした驚きの復刻、フィールド・レコーディングから新録まで、世界の音楽を様々な切り口から掘り起こすフランス発の注目新レーベル〈アクフォン〉からのリリース。

◆ https://akuphone.com

■アーティスト名:V.A.
■アルバム・タイトル:SRI LANKA : The Golden Era of Sinhalese & Tamil Folk-pop Music(スリランカ ― シンハラとタミルのフォーク・ポップ音楽黄金時代)
■商品番号:RTMCD-1305
■税抜定価:3,200円
■発売日:2018年7月1日
■レーベル:Akuphone / カレンティート
■直輸入盤(帯・24頁英文ブックレット英文解説対訳付)

【収録楽曲】

CD1

01. PAUL FERNANDO : Egoda Gode
02. W.D. AMARADEVA : Soken Pala Ne
03. CLARENCE WIJEWARDENA : Gamen Liyumak
04. PARAMESH : Naan Unnai Thedum
05. THE FORTUNES : Instrumental Baila Medley
06. SANATH & MALKANTHI NANDASIRI : Netha Giya Hematana
07. A. E. MANOHARAN : Kaffiringha
08. PANI BHARATHA & PARTY : Ceremonial Drums
09. MIGNONNE & THE JETLINERS : Jeevithe Vasanthaye
10. SHAN : Anbil Valarnthai
11. AMITHA DALUGAMA : Pinna Mal
12. MAXWELL MENDIS : Mama Bohoma Bayauna
13. POLICE RESERVE HEWISI BAND : Vairodi Wannama
14. SHIROMI FERNANDO : Handa Haami
15. WIMALA AMARADEVA : Goyam Gee

CD2

01. INDRANI PERERA : Eka Dawasak
02. W.D. AMARADEVA : Mindada Heesara
03. WINSLOW SIX : Roshi
04. THE MOONSTONES & INDRANI PERERA : Sigiriya
05. SANATH NANDASIRI : Deepa Tupe Vihare
06. SIDASI TURYA VADAYAKO : Drum Orchestra
07. NALINO NEL : Gavaskar The Century Maker
08. LOS FLAMINCOS : Bolanda Katha
09. W.D. AMARADEVA : Sinidu Sudu Muthu
10. LILANTHI KARUNANAYAKE : Malli
11. CLAUDE & THE SENSATIONS with NOELINE MENDIS : City Of Colombo
12. H.R. JOTHIPALA : Durakathanaya
13. INDRANI PERERA : Amma
14. THE GOLDEN CHIMES : Kimada Naave
15. VICTOR RATNAYAKA : Perakumba Davasa

Amazon: https://www.amazon.co.jp/dp/B07CJ6G5DH/

Lobster Theremin - ele-king

 昨年RDCで来日したパームス・トラックス、あるいはヴェニスのスティーヴ・マーフィやブダペストのルート・8(ジョージリー・シルヴェスター・ホルヴァート)などのリリースで知られる〈ロブスター・テルミン〉、最近〈ブレインフィーダー〉からのリリースで話題を集めているロス・フロム・フレンズの12インチもここから出ていましたけれども、ロンドンのこの奇特なレーベルが設立5周年を迎え、現在ヨーロッパや北米でショウケース・ツアーを展開しております。そしてこのたび、そのアジア版がソウルおよび東京・大阪でも開催されることが決定しました。レーベル主宰者のジミー・アスキスと、看板アーティストのルート・8が来日します。アンダーグラウンド・ダンス・ミュージックの熱い息吹に触れられるこの絶好の機会を逃すまじ。

LOBSTER THEREMIN 5 YEARS IN JAPAN

ロンドン発、レーベル兼ディストリビューターとして近年めきめきと勢いをみせる〈Lobster Theremin(ロブスター・テルミン)〉。
そのレーベル・ボスである Jimmy Asquith は、2013年にレーベル〈Lobster Theremin〉を設立。その傘下に〈Mörk〉、〈Distant Hawaii〉、〈Tidy Bedroom〉も始動し、昨年レコードショップ実店舗もオープンさせた。ロンドンの Corsica Studios での彼らのパーティー《FIND ME IN THE DARK》は毎回ソールドアウトになるほどの人気ぶりで、Asquith は常に新しい才能をサポートし、〈Discwoman〉、〈Workshop〉、〈Antinote〉などとのコラボレーションも行なっている。
レーベル設立5周年を祝うレーベル・ショーケースとして、レーベル看板アーティストであるハンガリー、ブダペストのDJ/プロデューサーRoute 8と共に初来日が決定!

7/20 (FRI) FAUST, Seoul
7/21 (SAT) CIRCUS Tokyo, Tokyo
7/22 (SUN) COMPUFUNK RECORDS, Osaka

7.21 (SAT) @Circus Tokyo
- LOBSTER THEREMIN 5YEARS IN TOKYO -

LINE UP:
-B1 FLOOR-
Asquith (Lobster Theremin)
Route 8 (Lobster Theremin / Nous)
Romy Mats (解体新書 / N.O.S.)

-1st FLOOR-
Sayuri
DJ Emerald
DJ Razz
T4CKY

Open 23:00
ADV 2,500 yen
Door 3,000 yen

TICKET:
https://lobstertokyo.peatix.com/

Info: CIRCUS TOKYO https://circus-tokyo.jp
東京都渋谷区渋谷3-26-16 第五叶ビル1F / B1F
TEL 03-6419-7520

7.22 (SUN) @Compufunk Records Osaka
- LOBSTER THEREMIN 5 YEARS IN OSAKA -

DJ: ASQUITH, ROUTE 8, DNT (POWWOW), KAITO (MOLDIVE), TOREI
Sound: Ryosuke Kosaka
VJ: catchpulse

Central Kitchen: YPO edenico

Open 17:00 - 24:00
ADV 2,000 yen +1 Drink
Door 2,500 yen +1 Drink

Info: Compufunk Records https://www.compufunk.com
大阪市中央区北浜東1-29 GROW北浜ビル 2F
TEL 06-6314-6541



■Asquith (Lobster Theremin / from London)

ロンドン発、新興レーベル兼ディストリビューターとして近年めきめきと勢いをみせる〈Lobster Theremin(ロブスター・テルミン)〉。そのレーベル・ボスである Jimmy Asquith は、2013年にレーベル〈Lobster Theremin〉を設立。〈Lobster Theremin〉傘下に3つのレーベル、〈Mörk〉、〈Distant Hawaii〉、〈Tidy Bedroom〉も始動し、また、エレクトロニック・ミュージック・シーンではグローバルに知られるディストリビューターである。2017年1月にはハックニーにレコードショップ実店舗もオープンさせた。
ロンドンの Corsica Studios でのパーティー《FIND ME IN THE DARK》は毎回ソールドアウトになるほどの人気ぶりで、Asquith は常に新しい才能をサポートし、〈Discwoman〉、〈Workshop〉、〈Antinote〉などとのコラボレーションも行なっている。
海外ツアーをこなしながらも、Rinse FM でレギュラーを担当し、Tom Hang や Chicago Flotation Device といったアーティスト名義でリリースを重ねている。2017年12月に Tom Hang 名義でのデビュー・アルバム『To Be Held In A Non Position』をリリース。
今年でレーベル設立5周年を迎え、〈Lobster Theremin〉のレーベル・ショーケースとしてのツアーを展開している。

Jimmy Asquith founded the well-renowned label Lobster Theremin in 2013. Since then the label boss has established three imprints including; Mörk, Distant Hawaii and Tidy Bedroom, as well as a respected distribution service used widely within the electronic music scene, and a physical record shop based in Hackney, East London.

Alongside the label, Asquith continues to sell out his Corsica Studios based night Find Me In The Dark, which champions emerging talents and sees collaborations with the likes of Discwoman, Workshop and Antinote. DJing internationally, Asquith simultaneously is producing and performing under multiples aliases all whilst holding down a regular Rinse slot.

On top of that, Asquith’s personal and ambiguous ambient alias, Tom Hang, will be releasing his debut album this December following a heart-wrenching Cafe Oto performance. Part ambient, drone, noise and a tapestry of clouded, intermingling emotions, ‘To Be Held In A Non Position’ is a three-and-a-half year release from stasis; an exhale from a long-held breathe; a shallow sleeper now awake.

On a DJ tip, increased gigs have led to a stylistic shift, a move back to UK-oriented sounds blended with old-school US influences and plenty of new names and talent littered throughout the set lists, alongside occasional older selected digs from the garage-house trove.

The start of 2018 will see a solo Asquith jaunt of North America as well as a Lobster Theremin debut showcase at Motion on January 20th, kicking off the 5 Years of Lobster Theremin European tour.

https://lobstertheremin.com



■Route 8 (Lobster Theremin / Nous)

ハンガリー、ブダペストのDJ/プロデューサー、Route 8。〈Lobster Theremin〉や〈Nous〉からのリリースによって、その名を知られるようになったが、ハードウェアを使っての音楽制作とその探求は10年以上前から始めている。USのロウなハウスやテクノからインスパイアされた、メランコリックなメロディーと巻き込むようなドラムパターンで、エレクトロやアンビエントまで拡大解釈できるオリジナルなサウンドを追求している。DJ Ciderman や Q3A という名義でも知られる。

Route 8 has only recently gained prominence through the Lobster Theremin and Nous labels, but his hardware production experiments date back almost 10 years. Inspired by the raw-edged US house and techno sound, he has also expanded his work into off-kilter electro and ambient, still inflicted with his melancholia-tinged melodies and ratcheting drum patterns.

https://soundcloud.com/route8

女の暴力映画

 いま、女性と暴力の問題を書くのはことさら慎重さが必要になるので、とても怖い。久々に女性にまつわるテーマで新連載を始める機会をいただいたが、うかつなことを書いてしまったらどうしようとビビリ腰になっている。とりあえず第一回目なので最後まで読んでいただけると嬉しい。

 映画で描かれた「女の暴力」。とはいっても今回は、女が振るわれる暴力についてではない。もうそんなものは映画史に溢れかえっているし、改めて解説されるのも読者は疲れるだけだろう。現在でも現実に、女が様々な形のハラスメントや抑圧、そしてまさに肉体的な暴行を受ける事案が日常的に起こっている。文明が進んだらマシになるのかと思いきや、全然性差別は解決していないうえ、それを声に出した女性がSNSなどで受ける二次的なハラスメントを、リアルタイムで見つめてさえいる時代だ。
 そんな暗雲の下で暮らしながらも女が抵抗し、戦い、もちろん良いことだけではなく利己的な欲望で他人を傷つける振る舞いは行われてきた。現実と同様に、映画も女が肉体的にも精神的にも他人にヴァイオレンスの矛先を向ける瞬間を描いている。それは華麗なアクションであったり、現実の我々にも訪れそうなリアリティに満ちたものだったり様々だ。
 映画業界は男性主導の世界である。だからこそ2017年にはハリウッドで驚くような、完全に犯罪の域である悪質なセクハラが明るみになり、それがまかり通ってきたことが改めて認識された。でもそういった報道に対して、逆に被害者をバッシングする反応が多いのも目についた出来事だ。そんな齟齬がある中で、男性の作り手が撮った女性主演のアクション映画は、本当に女性的なアクションといえるのかは判断に悩んでしまう。そもそも男性の監督や脚本家によっても、女性心理にうとい人/感受できる人は様々な度合いがある。それに女性監督が作った女性アクションだったら、正統だとか真実だともいえないだろう。女性なら女性心理が完全に汲めるのか? という疑問もある。それにわたしたち女性だって、長年男性が作った男性主体のアクション映画を観てきているので、映画ではそのことに慣れてしまっているのだ。これは男性であっても同様で、現実と表現は違うため、もし格闘技の経験のない人が「アクション映画を撮れ」と言い渡されたら、自身の経験から引き出すのではなく、これまで観てきた映画のヴァイオレンスを参考に表現を組み立てていくことになるだろう。日常の経験でも、見栄えのするアクションに街中ではそうそう遭遇しないものだし。

暴力の多面性

 そして暴力は肉体的なものに限らない。ひとは裏切りや嘘でも心にダメージを受ける。マスコミによる著名人の不倫報道はいっとき病的なほど過熱していた。それは視聴者や読者の関心をひいて激しいバッシングを引き起こしたが、不貞がかまびすしく非難を浴びるのは、自分の身に受けることを想像しやすい精神的な暴力のひとつだからだ。わかっていて人を裏切るのはひどい行いである。とはいえ当事者にも事情は色々あるだろうし、不倫は申し開きをするほど「反省していない」といった反発をくらうため、甘んじて批判を受けるしかない。そこに付け込んだ報道のあり方や過剰なバッシングも、当事者に与えるダメージを見越した一種の暴力である。これらのような精神を傷つけ心を壊す行為も、やはりヴァイオレンスの形として見過ごせない。
映画において、女が暴力を振るう場面は娯楽だろうか。確かにシャーリーズ・セロンが戦う姿は、問答無用にかっこよくて魅了される。それでも女が振るってはダメな暴力という表現もあるのだろうか。それらの線引きは何を根拠になされるのか――考えると頭がグルグルしてしまうことばかりだ。だから映画の中で女優が繰り出すキックを観つつ、改めて女性と暴力についてゆっくり考えてみよう。

変遷するタランティーノの女性と暴力

 タランティーノはなんといっても『レザボア・ドッグス』(91年)を封切りで観て以来の付き合いという感がある。ハーヴェイ・ワインスタインの事件で名をあげたり下げたり色々あったうえ、新作がマンソンファミリーによるシャロン・テート殺害事件の映画化というのも物議を醸しそうだ。それでも完成すれば必ず観にいくだろうし、これまでもすべての作品は劇場で観ている監督である。
 登場人物が男だけの映画『レザボア・ドッグス』でメジャー監督デビューしたクエンティン・タランティーノは、現在では女性アクションの監督というイメージも強い。ユマ・サーマン主演の『キル・ビル』2部作(03年、04年)は、とても虚構性の強いアクション作品だ。ヒロインの“ザ・ブライド”は、元々暗殺者集団に所属する凄腕の殺し屋だった。しかし足を洗い、普通の女性として人生を送ろうとした矢先に、かつてのボスであり愛人であったビル(デヴィッド・キャラダイン)の命令によって、仲間の殺し屋たちに夫とお腹の子どもを殺され、彼女も死の縁をさまようことになる。映画は長い昏睡から目覚めたザ・ブライドが、彼女の人生を台無しにしたビルと殺し屋たちへ、復讐を果たしていく物語だ。

荒唐無稽な大殺戮に潜ませた愛憎劇

 1作目の見せ場は、伝説の名刀を求めて日本を訪れたザ・ブライドが、青葉屋という料亭で繰り広げる殺戮劇だ。この一連のシーンで、ザ・ブライドはブルース・リーを彷彿とさせるトラックスーツを着ているし、復讐の的であるオーレン・イシイ(ルーシー・リュー)の用心棒が鉄球使いの女子高生であったり、イシイの配下“クレイジー88”が日本刀を持った学生服集団であったりと、元々リアリティは意識していない設定である。

 男性監督や脚本家にとって主人公が女性であることは、地続きで想像できてしまう男性主人公と比べて、虚構として想像を膨らませやすいのだろう。今では女性アクション映画といえば『キル・ビル』は必ずタイトルがあがる。ザ・ブライドの殺した人数のインパクトが記憶に残るのもわかりやすいし、そんな過剰な復讐劇の動機が、最終的には母性に集約されていくのも、強い女性を想像する際のふんわりした理由やイメージの例だ。
 男性の主人公が娘の復讐のために立ち上がる映画だと、地に足のついた作品が次々と頭に浮かぶ。男が考える男の復讐劇は、リアリズムから逸脱しない。しかし女性の復讐劇である『キル・ビル』は、大量殺戮の面白さを見せることが一番の目的であって、動機に母性を持ってくるのはもっともらしく見せるためだけに思える。むしろビルとザ・ブライドの間にある、愛と憎しみの交じり合ったメロドラマ性の方が、言い知れぬ動機として魅力的であり物語を豊潤にしている。「愛しているけれどもくびきから逃れたい」「愛するあまり許せないから殺したい」「愛が招いた因果応報を素直に受け入れる」という感情の交錯が、本作を荒唐無稽なだけでは終わらないドラマとして成立させていた。

より生身の暴力へ

 その後の女性をヒロインに迎えたタランティーノ作品は、反動のように「女にも可能なヴァイオレンス」を追求していく。『デス・プルーフ in グラインドハウス』(07年)は、『キル・ビル』でユマ・サーマンのスタントをしていたゾーイ・ベルが、彼女自身として主演を務める。改造車を使った殺人鬼スタントマン・マイク(カート・ラッセル)に狙われた、ゾーイをはじめとする女性だけの車。なんとか逃げ延びたあと、命の危険にさらされた彼女たちは怒りに燃えて復讐に出る。本作でみせるゾーイ・ベルの身体能力が素晴らしい。ボンネットに掴まったままのカーチェイスや、彼女が走り出す車へ手にパイプを持ったままスルッと滑り込むように箱乗りする場面など、本当にゾーイ自身が演じているリアリズムによって、有無を言わせぬ効果をあげる。


©2007 The Weinstein Company, LLC. All rights reserved.

 本作はマイクの凶行を見せるための二部構成になっていて、まずは酒に溺れエロティックな危険を冒す女性グループが登場する。前半では彼女たちと、「グラインドハウス」のカップリング作品『プラネット・テラー in グラインドハウス』の主演ローズ・マッゴーワンが、被害者として恐怖に慄きむごい目に遭う。
 タランティーノの映画は被害者が男性であっても、監禁の恐怖や、観ていて痛みや凄惨さを強く覚える時がある。映画に耽溺してきた彼の「映画は虚構」という骨身にしみる感覚ゆえか、表現が細やかなあまり暴力シーンには過剰なサディズムが漂っているようだ。確かに映画は所詮作り物にすぎない。だから暴力表現において、創造の面白さに興味が傾くのも当然だ。だが同時に、スクリーンで何が起ころうと真に受けない感性が試されるような、逃げ場のなさや妙に皮膚感覚に迫る暴力性には、観ていて時々居心地の悪い気持ちがする。
 『デス・プルーフ』はそんな陰惨さと、白昼の勧善懲悪という晴れやかさが共存する作品だ。現実にスタントをこなせる女性が等身大のアクションを演じるのは、荒唐無稽な『キル・ビル』と正反対のアプローチである。『デス・プルーフ』で女が発揮する暴力は、「女性でも出来ること」の域を押し広げるリアルな強靭さがあり、これはゾーイ・ベルの存在なくしてありえない生身のアクションだった。

フィルムを操る手

 『イングロリアス・バスターズ』(09年)ではまたアプローチを変え、女性にも可能な、策略による大掛かりな殺戮劇が描かれる。第二次世界大戦中のナチス統治下のフランス。かつてユダヤ人狩りによって家族を皆殺しにされたショシャナ・ドレフュス(メラニー・ロラン)は、一人だけ逃げ延び、今ではパリの映画館で働いている。ドイツ軍の狙撃兵フレデリック・ツォラー(ダニエル・ブリュール)が街でショシャナを見染めたのをきっかけに、ナチスのプロパガンダ映画が彼女の映画館でプレミア上映されることになった。その日はヒトラーをはじめとする、ナチスの最高幹部たちも集まるという。機を見たショシャナによるレジスタンスの幕開けだ。


Film (C)2009 Universal Studios. ALL RIGHTS RESERVED.

 彼女と同時進行して、アルド・レイン中尉(ブラッド・ピット)を中心とする連合軍特殊部隊のナチス狩りもいる。彼らは男の子らしく得意技がバットのフルスウィングだったり、ナチであった身分を戦後に詐称できないよう、額へハーケンクロイツを刻み込んだりする。相対して、ショシャナが用いるのは手間暇をかけたフィルムでのメッセージと炎だ。この映画で一気呵成なヴァイオレンスシーンを繰り広げるのはショシャナだが、それは肉体を酷使するアクションではない。彼女が操るのはフィルムやスプライサーや映写機だけだ。そしてプレミア上映はショシャナ以外にも複数の思惑が交錯したことによって、甚大な被害をナチス陣営に与えることになる。
ここでも特殊部隊やレジスタンスの活動以外に、フレデリック・ツォラーの恋心がショシャナの復讐劇に別のドラマを生むことになる。フレデリックの熱烈さは復讐に燃えるショシャナに絶好の機会をもたらすと同時に、彼女の家族を殺したハンス・ランダ大佐(クリストフ・ヴァルツ)との再会というショッキングな出来事も引き起こす。クライマックスでも彼はショシャナの企みの妨げとなる。フレデリックは執拗にショシャナを追い回し、プレミアの夜も最悪のタイミングで映写室に入り込もうとする。だがその後に起こる男女のアクシデントでは、ショシャナが思わず行動に出てしまった「復讐の邪魔だてを消す」行為だけにはとどまらず、敵とはいえ自分に恋している男を心配する心を起こしてしまう。ここで男女の姿を切り取る俯瞰のカメラワークは、とても悲劇的でロマンティックなものだ。タランティーノは『キル・ビル』や『ジャンゴ 繋がれざる者』(12年)においても、ドラマを持つ人物の死体の写し方が滅法うまい。いま活躍している監督の中で、死体の転がり方に毎回ハッとさせられ、落涙してしまう演出力ではタランティーノが最高峰だろう。その悲哀が本作においても、後を引く余韻のあるものとなる。

より生々しい暴力へ

 群像劇『ヘイトフル・エイト』(15年)の主要人物の中で、女性はジェニファー・ジェイソン・リー演じるデイジー・ドメルグだけだ。彼女は首に賞金をかけられた極悪人で、屈強でしたたかな賞金稼ぎの男たちを向こうに回して引けを取らない。
彼女が映画の中で振るうのは、汚い言葉や罵詈雑言による暴力である。デイジーは登場した時点ですでに目の周りにあざができており、賞金稼ぎのジョン・ルース(カート・ラッセル)に手ひどいやり方で捕らえられたのがわかる。それでも彼女は落ち着いており、新たに出会った賞金稼ぎのマーキス・ウォーレン(サミュエル・L・ジャクソン)に、ニタニタと笑いながら「ニガー」と侮蔑的な呼びかけをする。住んでいる世界が元々暴力に満ちているから、殴られる恐怖の限界値が最初から無いに等しく、歯が折れるほど殴打されてもふてくされる程度の反応しか示さない。


© Copyright MMXV Visiona Romantica, Inc. All Rights Reserved. Artwork © 2015 The Weinstein Company LLC. AllRights Reserved.

 この映画の中で一番不穏な空気を放ち、殺人すら気にも留めない匂いがするのはデイジーだ。クセモノな俳優たちが揃い、それぞれの役柄が並々ならぬアウトローとしての背景を背負っている中で、拳をあげたり銃を撃ったりしないのに、一番暴力的な存在感を放つ女。平然と人を侮蔑し、窮地に立った人間にひとかけらも憐れみを抱かない、根っからの悪党という新たな暴力の体現である。これまでタランティーノが描いてきた女たちは、暴力を振るうにあたって、徐々にみずからの肉体を使う機会を減らしてきた。そして『ヘイトフル・エイト』は芸達者なジェニファー・ジェイソン・リーを迎えることで、ナイフのような言葉と、邪悪な人間はそこにいるだけで暴力性を醸しだす状態を描いた。
 女の首、という点でも本作は興味深い。殺人にまつわる「首」と「距離」は意味を持つ。手で首を絞めるという行為は当然至近距離で行われ、エロティックなプレイでも試す人々がいるほどだ。そもそも密接な姿勢には性的な気配が漂うのに、なおかつ殺すには凄まじい力が必要なため、殺人者は被害者と強いつながりを持つのは避けられない。それは恐ろしいほど、感触や感情に強い記憶を残すだろう。しかし絞首刑となると、ロープの介在は処刑人を死ぬ者から物理的に遠ざける。それは人の死を感覚に響かせないための冷酷な距離だ。映画においてはロープだけでなく、表現そのものもカメラがかなりの引きになったり、編集でショットが切り変わったりして、死ぬ過程を露骨に見せることは避けられる。
 だが『ヘイトフル・エイト』は処刑について、かなり踏み込んだ表現がされる。男が二人がかりでテコの原理を応用し、女の首にかけた縄をズルズルと引き上げていき吊るす。むごたらしいようだが、吊るされるデイジーはか弱く憐れな者という域を超えた邪悪さに満ちているので、観ていてもそういった心苦しさが少ない。カメラも近くて、彼女を引き上げるための労力が生々しい人の体重であるのを伝える。それと同時に、処刑のように落下での首吊りではないぶん、じりじりと引き上げられる姿は、彼女の邪悪さがまだ地から離れることを拒否するような悪魔的な重みに見える。デイジーの暴力性を見せるためには手段もカメラも編集も、ここまでしないと釣り合いがとれないほどなのだ。
 アクションは荒唐無稽なほど、スタントマンやCGの処理を漂わせて、誰が演じようと構わないものとなる。だからタランティーノの変化は面白い。スター俳優から、現実にそのアクションをできる女優、または女でも振るえる暴力という現実味への変遷。これは女性を描く際にフィクションへと追いやらず、男性と同じような存在としてキャラクターを見つめている証であると思う。

「デス・プルーフ」発売中。
Blu-ray 1,886円(税別)/ DVD 1,429円(税別)。
発売元:ブロードメディア・スタジオ
販売元:NBCユニバーサル
(C)2007 The Weinstein Company, LLC. All rights reserved.

『イングロリアス・バスターズ』
Blu-ray:1,886 円+税/DVD:1,429 円+税
発売元:NBCユニバーサル・エンターテイメント
Film (C)2009 Universal Studios. ALL RIGHTS RESERVED.
**2018年6月の情報です。

『ヘイトフル・エイト』
価格:¥1,143(税抜)
発売・販売元:ギャガ
© Copyright MMXV Visiona Romantica, Inc. All Rights Reserved. Artwork © 2015 The Weinstein Company LLC. AllRights Reserved.

interview with Grimm Grimm - ele-king


Grimm Grimm - Cliffhanger
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 マイ・ブラッディ・ヴァレンタインの頭脳、ケヴィン・シールズが彼の元恋人シャルロット・マリオンヌ(ル・ヴォリューム・クールブ)とともに設立したレーベル〈Pickpocket〉からデビューを果たし、いまはなきインディー・ロックの祭典《All Tomorrow's Parties》には2度も出演、その〈ATP〉レーベルからも音源をリリースしたことのある日本人がいるのをご存じだろうか。ある種の人にとっては、嫉妬すら覚えるような輝かしい経歴を持つ彼は、東京出身・ロンドン在住のマルチ・インストゥルメンタリスト、Grimm Grimmことコウイチ・ヤマノハ。彼の通算2枚目のアルバム『Cliffhanger』がリリースされた。

 前作『Hazy Eyes Maybe』よりおよそ2年半ぶりとなる本作は、ウィリアム・S・バロウズのカットアップ技法を彷彿とさせる散文詩や、いまにも消え入りそうなウィスパー・ヴォイス、童謡やバロックなどにも通じるどこか懐かしいメロディ、アコギやピアノによるシンプルなトラックによって構成された、フォーキーでサイケデリックなサウンド。前作に引き続き、盟友BO NINGENのKohei Matsudaが参加しシンセを奏でている他、様々なライヴやイベントで共演を重ねているシャルロットや、エクスペリメンタル・バンド、ブルー・オン・ブルーのディー・サダもヴォーカリストとしてフィーチャーするなど、前作よりもさらに深みのある内容に仕上がっている。

 ロンドンに移住してすぐ、スクリーミング・ティー・パーティーなるバンドを結成し、その後ソロでの活動を始めたヤマノハ。彼の生み出す、どこの国のどの時代の音ともいえないサウンドは、一体どこから来ているのだろうか。

ときどき、「人と人は、深いところでは繋がっているな」と思うことがあるんです。「無意識の領域」というか、そこにはポジティヴでもなくネガティヴでもない、ニュートラルな感情がある。

まずは、ヤマノハさんがイギリスへ移住した理由を教えてもらえますか?

コウイチ・ヤマノハ(以下ヤマノハ):特に理由はありませんでした。イギリスの音楽が好きだったというワケでもなくて、ただちょっと日本が窮屈だなと思うことはあったんですけど、でもそれも理由でもないから「何となく」っていう感じですかね。ただ、こっちでは音楽はやろうと思っていました。

かれこれ10年以上、暮らしているんですよね。こんなに長く住むと思っていました?

ヤマノハ:いや、思ってなかったですね。2年くらいしたら住む場所を変えるつもりだったのに、気づけばこんなに経ってしまいました(笑)。ロンドンって、やっぱりちょっとイギリスじゃない感じがあって。コスモポリタンというか、多国籍空間で、変人も多いですし(笑)。何年いても不思議で。ここ10年くらいでテレーサ・メイみたいな右翼政府に変わってきているっていうのもあって、いまだに自分はエイリアンだなと感じます。そういうところは東京と似ているのかもしれないけど、ロンドンの方が僕にとっては居心地が良かったんですよね。

ロンドンで最初に結成したバンド、スクリーミング・ティー・パーティーは、どうやって始まったのですか?

ヤマノハ:ロンドンに着いて、割とすぐにドラマーとベーシストを探していたんです。街のあちこちの壁や電柱にメンバー募集の紙を貼ったりして。で、たまたま通りかかったスタジオの前に女の子がいて、ドラムケースの上に座ってたんですよ。「彼女、ひょっとしてドラマーかな?」と思いつつ一度は通り過ぎたんですけど、戻って声をかけたらやっぱりドラマーで(笑)。たったいま、ドラマーをクビになって、ドラムセットを家に持ち帰るところだって言うんですね。それで、その場で仲良くなったのが最初のドラマー、イタリア人のテレーサ・コラモナコだったんです。もうひとり、日本にいるときからの友人ニイヤンがロンドンに来て。彼はギタリストだったので、僕がベースをやることにして3人でスタジオに入ったのが、スクリーミング・ティー・パーティーの始まりですね。

バンドは2006年から2010年まで活動し、その間メンバーチェンジもありつつ3枚のシングル(「Between Air and Air」「Holy Disaster」「I'd Rather Be Stuck On The Stair Rail」)と2枚のミニ・アルバム(『Death Egg』『Golden Blue』)をリリースしています。バンド解散後は、ヤマノハさんはすぐソロ活動を始めたのですか?

ヤマノハ:いや、そこから3年くらい空きました。その間はずっと作曲やフィールド・レコーディングにハマっていて、ヨーロッパの古い建物や廃墟へよく行ってましたね。で、あるときベルリン西部にある廃墟でふとGrimm Grimmのコンセプトを思いついたんです。その頃はすでに曲を書きためていて、それをどういう形にするかを思いついた。言葉で言うのは難しいんですけど……うーん、懐かしい感じ? 死ぬときや、生まれる時の感じというか。ときどき、「人と人は、深いところでは繋がっているな」と思うことがあるんです。「無意識の領域」というか、そこにはポジティヴでもなくネガティヴでもない、ニュートラルな感情がある。基本的に僕は、ハッピーな音楽を作りたいと思う人間なのですが(笑)、そういう「無意識の領域」を想起させるような音楽が作りたいんですよね。

確かに、Grimm Grimmの音楽を聴いていると「懐かしさ」みたいな感情をかき立てられるのですが、それって日本人だからこそ感じるものなのでしょうか。イギリスの人には、ヤマノハさんの音楽はどう受け止められていますか?

ヤマノハ:「懐かしさ」といっても、いわゆる「ノスタルジー」とは少し違うと思っていて。さっきの「生と死」じゃないですけど、過去と未来が繋がっているような感じというか。そこを目指しているんですが、海外でも伝わる人には伝わっているなと感じますね。

いまっぽい音でも、昔懐かしい音でもなく、どこの時代の音楽かも分からないような、そういうサウンドを目指しているのでしょうかね。

ヤマノハ:そうですね。いまある音楽を否定したり、無視したりするつもりは全然ないのですが、時代感のない、タイムレスなメロディやサウンドに個人的には惹かれます。今回ミックスをしてくれたベルリン在住のミュージシャン、エンジニアのゴー君(Nakada Goh;ケヴィン・マーティンのThe Bugのサウンド・エンジニア)は古い友人で、ミックスをする時は1曲ごとに、例えば「視聴覚室で吹奏楽部が練習しているのが遠くから聞こえる学校感」とか「海辺の病院」とか、アンビエントの雰囲気や想像の場所を伝えてサウンドを決めていきました。

歩いていたら、ケヴィン(・シールズ)がいつもお金をあげてるホームレスたちが目的地のケバブ屋までついてきちゃった、ということがありました(笑)。一度に20ポンド(2800円)くらい平気であげちゃうから、みんな顔を覚えてるんですよ。

そもそも、曲作りをする上でヤマノハさんが影響を受けた人というと、誰になるのですか?

ヤマノハ:ここ5年くらいは、未来派の絵画などに刺激をもらっていると思うんですけど、音楽でいうと誰なんだろう。うーん、わかんないですね。ムーンドッグとかはいまでもよく聴いてます。あとはヴァシティ・バニアンとかの曲にあるメロディの永遠性に惹かれます。サイケフォークとか、そういうステレオタイプの定義ではなくて、なんというかどんなジャンルの音楽やコメディや建物や椅子でさえも、生死感が根底にうっすらあるものに影響を受けます。

童謡や、バロック音楽の影響もあるような気がします。

ヤマノハ:グレン・グールドが弾く、オルガンのバッハとかは昔から好きですね。あの「建築感」というか。それこそ過去と現在と未来が繋がっているような気がしますね。

2014年の夏には〈Pickpocket Records〉(マイ・ブラッディ・ヴァレンタインのケヴィン・シールズと、ル・ヴォリューム・クールブのシャルロット・マリオンヌが共同設立したレーベル)からシングルをリリースしていますよね。彼らとの出会いは?

ヤマノハ:元々僕は、シャルロットがやっているル・ヴォリューム・クールブが好きだったんですね。ロンドンに着いて、初めて友人に借りたCDが彼女のファーストで。「ベスト・フレンドを殺した」というタイトルの作品でした。それから7年ほど経ったとき、偶然入った近所の中古レコード屋で彼女が店員をしていて。それで話しかけたのがきっかけとなって仲良くなったんです。ケヴィンは、シャルロットに紹介されて知り合いました。みんな、イメージと違ってとても気さくな人たちです。

もうすぐMBVの活動が再開されますが、最近ケヴィンには会いました?

ヤマノハ:ひと月くらい前に、ダイナソーJr.がロンドンでライヴをやって、もともとJとケヴィンは兄弟みたいに仲が良くて、そのときに誘ってくれました。終演後、シャルロットも含めみんなでご飯を食べに行くことになって。カムデン・タウンを歩いていたら、ケヴィンがいつもお金をあげてるホームレスたちが目的地のケバブ屋までついてきちゃった、ということがありました(笑)。一度に20ポンド(2800円)くらい平気であげちゃうから、みんな顔を覚えてるんですよ。あ、ミュージシャンやってるケヴィンだ! って。

ケヴィンらしいエピソードですね(笑)。Grimm Grimmは、2015年と2016年の《All Tomorrow's Parties Iceland》にも出演していますよね。

ヤマノハ:はい。バリー・ホーガン(ATP主催者)は、たまたま飲みに行ったバーのカウンターで隣どうしになって。話してみたら、友人の友人だったりして、結構見えないところにある横のつながりに気づいたりしますね。ATPは問題児の集まりみたいな(笑)。子供がそのまま大人になったみたいな人たちばかりで、そういうところが好きでしたね。もちろん、ビジネスなんだけど、それを超えたところでやっているというか。そういう人たちは、会った瞬間に分かりますね。「この人とは仲良くなれそうだな」っていうのは、シャルロットにもケヴィンにもバリーにも、〈Stolen Recordings〉(スクリーミング・ティー・パーティーが所属していたレーベル)の人たちにも感じました。

Grimm Grimmとル・ヴォリューム・クールブは、よく一緒にイベントをやっているみたいですね。

ヤマノハ:ええ。ここ数年でシャルロットとは親友になって、ル・ヴォリューム・クールブ VS Grimm Grimmというユニットでお互いの曲を演奏しあうプロジェクトもしています。彼女は交友関係が広くて、特に90年代のいろんなミュージシャンと繋がることができました。10代のときに聴いていたマジー・スターのホープ・サンドヴァルや、ジーザス・アンド・メリーチェインの人たちとか。アラン・マッギー。刺激を受けることもたくさんあります。

彼女はいま、ノエル・ギャラガーと一緒にツアー回っているんですよね?

ヤマノハ:そう! あれは本当にビックリしましたね(笑)。ノエルのプロデューサー、デヴィッド・ホルムズがシャルロットの友人でもあり、それが縁で参加することになったみたいです。彼女は特に楽器が上手いわけでもなくて、主にコーラスとして参加することになったんですね。でも、「何かしら弾けた方がいいよね」っていう話になって、僕のところに相談に来たんです。「どうしよう?」って。それで、「ハサミの音で参加するのはどう?」って提案したんですよ。

(笑)。

ヤマノハ:僕は、ハサミの音が前からすごく好きだったので、パーカッション代わりに使ったらどうだろう? と思って。最初シャルロットは「ええ? ハサミ?」っていうリアクションだったけど、結局ライヴでやることになって。そしたら映像としてもハサミと女の人で、黒いオカルトっぽくてインパクトあるじゃないですか(笑)。一気に話題になって。ジュールズ・ホランドに出演したのが大きかったのかな(https://www.youtube.com/watch?v=iwV1lKNA0wU)。あれで炎上しちゃったんですよね。

リアム・ギャラガーも苛ついてましたよね(笑)。

ヤマノハ:いろいろと大変だったみたいですよ。オアシスのフーリガンみたいなファンから脅迫メールが来たりして。「ちゃんと楽器を弾きやがれ!」とか。ちょっと変わった子っぽく映っちゃったからか、風貌を中傷するような書き込みとかもあって。彼女自身は全く気にしてなくて、いまの状況を楽しんでますけどね。

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自分を含め周りにいる人たちの人生は、崖にぶら下がっているみたいだなって思ったところからですね(笑)。あと、崖からぶら下がっているような、クライマックスのいちばんいいところで「来週に続く」みたいに終わることを「cliffhanger」というらしくて。


Grimm Grimm - Cliffhanger
MAGNIPH / ホステス

PsychedelicFolkDroneIndie Pop

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それを聞いて安心しました。さて、Grimm Grimmの最新作『Cliffhanger』ですが、こちらはどのようにして生み出されたのですか?

ヤマノハ:アルバムは、この2、3年いろんなことがあったのとリンクしている部分はある気がします。親しかった友人が亡くなったり、生死をいままで以上に身近に感じました。それについて書いた曲がタイトル曲なのですが、そこからアルバムの構想が膨らんでいきました。それと今回は「いままでで以上に正直に作ろう」と思いました。前作よりも、 自分のいちばん弱い部分が剥き出しになって、結果的に張り詰めた雰囲気が出たというか。音数もだいぶ少なくなっているんですけど、「引き算」で音楽を作っていくのが楽しかったですね。

アルバム・タイトルはどこから来ていますか?

ヤマノハ:さっきの話じゃないですが、自分を含め周りにいる人たちの人生は、崖にぶら下がっているみたいだなって思ったところからですね(笑)。まあ、半分ジョークですが。あと、海外では映画のシリーズものとかで、崖からぶら下がっているような、クライマックスのいちばんいいところで「来週に続く」みたいに終わることを「cliffhanger」というらしくて。60年代に生まれた言葉で、それとかかっているのも面白いなと思いました。

ヤマノハさんは崖からぶら下がっているような人生ですか?(笑)

ヤマノハ:(笑)。きっと多かれ少なかれ、みんなそう感じるときはあるんじゃないかなと思います。もがいたり足掻いたりしながら誰もが生きていると思うし。「苦難があってこその人生」という風に、ポジティヴに受け止めて生きた方がいいんじゃないですかね。例えば、人生において不安はつきものだと思うんですけど、僕は「不安」はいいことだと思っていて。それを乗り越える力があれば、それこそ幸せだなと思うんです。

心強い言葉です。ちなみにタイトル曲は、ディー・サダという女性ヴォーカルをフィーチャーしています。

ヤマノハ:その曲は、いろいろとアレンジを試しながら何度かレコーディングしてみたんですが、なんか上手くいかなくて。ディーにヴォーカルをお願いして、歌とアコギだけのアレンジにしたらいい感じになったんです。彼女はブルー・オン・ブルーという、ロンドンのエクスペリメンタル・バンドに所属するネパール系女性ミュージシャンです。友人でもあるのですが、彼女の声が僕はすごく好きなんですよね。

ほんと、ジュディ・シルの未発表曲みたいな美しさがありますよね。

ヤマノハ:嬉しいです。このメロディが、頭のなかでずっと繰り返し流れていて、それを携帯のボイスメモに録っておいて後から歌詞を付けました。難しかったのは、普通にアレンジしたらポップになり過ぎてしまう曲だったこと。自分のなかにも、そういう邪念というか(笑)、「サビでもっと盛り上げて……」みたいなポップスの定石を、ついつい踏襲したくなる。悪魔のささやきですね。でも、何度か試しているうちに「あ、これ全部要らないや」と気づき、それでナイロン・ギターと歌だけにしたんです。

来日したとき、ライヴでも披露していた“Final World War”は、スクリーミング・ティー・パーティー時代にリリースした曲なんですよね?

ヤマノハ:この曲は、演奏しているうちに自分のなかで意味が変わってきたというか。最初に作ったときは「世界が滅亡して、それでもまだ流れている音楽」というイメージだったんですね。あるいは「事故で大破した車のカーステから流れている音楽」というか。ほんと、タイトル通り「世界最終戦争」という感じだったんですけど、いまは演奏していると、「最後の戦争が終わって、平和な世界が訪れるように生きる」というポジティヴな光景が目に浮かんでくるようになった。なので今回は、その解釈でレコーディングしたいなと思ったんです。

廃墟というとネガティヴな印象を持つ人もいると思うんですけど、僕のなかではポジティヴなイメージ。朽ちたままそこに存在している姿に、恋してしまったようなドキドキする感情を掻き立てられるんですよね。

そういう、ヤマノハさんの気持ちの変化はなぜ訪れたんでしょう。

ヤマノハ:特に何か、大きなキッカケがあったわけじゃないんですけどね。生きていく上で、ポジティヴに考えなければどうしようもないときってあるじゃないですか。新聞でやりきれない悲しいニュースとか読んだりしていて、そう感じることが多くなってきたのかもしれないですね。ただ、いまだにあの曲をやり続けている意味は、自分でもよく分からないんですよね(笑)。まあ、気に入ってる曲なんだと思います。演奏していて、気持ちがニュートラルになるというか。

もう1曲、スクリーミング・ティー・パーティー時代の“Shayou”も収録されています。これって、太宰治の『斜陽』と関係あります?

ヤマノハ:よく言われるんですけど、恥ずかしながらその本のこと知らなかったんですよ(笑)。最近まで読んだことがなかったんですけど、日本人の友人が帰国するときに本をたくさんくれて、そのなかに『斜陽』もあって読みました。ただこの曲は、ブダペストの工業地帯にある廃墟へ行ったとき、朽ちた建物の隙間から太陽光線がバーっと降っていて、その光景を見たときに思いついたものです。

お話を聞いていると、ヤマノハさんにとって「廃墟」はインスピレーションの源ようですよね?

ヤマノハ:そうかもしれない。廃墟というとネガティヴな印象を持つ人もいると思うんですけど、僕のなかではポジティヴなイメージ。朽ちたままそこに存在している姿に、恋してしまったようなドキドキする感情を掻き立てられるんですよね。ロンドン東部にカナリー・ワーフという、ウォーターフロント再開発地域があるんですけど、妙な未来感があってそこを歩いていていてもなぜか同じ気分になります。巨大建築物ってなんか切なくて。

ひとつとして同じ形のものはないですしね。人工的な建築物が、朽ちて自然と同化していく感じも好きです。

ヤマノハ:そう。他の惑星の生物のことを思ったりしますね。もっとわかりやすく言えば、廃墟は『天空の城ラピュタ』みたいな感じかな。

“Shayou”のシンセは、Bo NingenのKohhei Matsudaさんが弾いているんですよね。

ヤマノハ:はい。隣の部屋に住む彼に来てもらって(笑)、同じシンセを2台並べて一緒に弾きました。試し録りをそのまま使っています。イメージとしては、「小学校の屋上」みたいな感じ……(笑)? なんか小学校の屋上って、なんとも言えない無機質で巨大な非日常感があったと思うんです。あまり頻繁には行かないし。晴れた空が広がる、永遠に終わらない真っ青な空間というか。言葉にならない異世界感というか。

“Hybrid Moments”は、アメリカのホラー・パンク・バンド、ミスフィッツのアコースティック・カヴァーです。Grimm Grimmでは、カヴァーって他にもやりますか?

ヤマノハ:たまに。森田童子の歌や“ムーン・リヴァー”をやってます。そういえば森田さん、亡くなっちゃいましたね。日本に住んでいるときによく聴いている時期があって、童子好きが集まるイベントに出たことがあるんです。「森田童子の曲を演奏する」という内容だったのだけど、そのときに、ものすごく彼女に似ている声の人がいたんです。異様に張り詰めた雰囲気がある人で「あれは一体誰だったんだろう」って言い合っていたんですけど、どうやら本人だったらしく。

ええ?

ヤマノハ:そうなんです。名前も変えて。で、みんなが気がついたときには、すでにいなくなってた。後日手紙が送られてきて、「いま、童子は横にいます」と書いてあった。超現実的で、白昼夢のような体験でした。

不思議な体験ですね……。でも確かに、Grimm Grimmと森田童子のメロディには、どことなく通じるものがある気がします。前作『Hazy Eyes Maybe』に収録されていた“Kazega Fuitara Sayonara”とか。

ヤマノハ:あ、本当ですか。童子の歌って、飲み屋とかバーで流れたら、それまで賑やかだった場がしんと静まりかえってしまうような、空気を一変させる力がありますよね。そこが僕はとても好きです。歌詞の世界も、根本的というか。恋愛だけじゃない精神世界的な何かがあって。

ところでヤマノハさんは、歌詞でどんなことを書きたいですか?

ヤマノハ:10代の頃って英詞の内容がわからないまま音楽聴いていて。いま思うと、英詩とかを日本語にするっていう翻訳の作業は、本当のところ繊細すぎてほとんど不可能みたいなことだと思うんです。その若干間違った歌詞翻訳を読んだりして、辻褄の合わない雰囲気、距離感に影響を受けました。僕は、歌詞の内容より音の響きや音質の方にプライオリティがあって。歌詞は散文詩じゃないですけど、1行ずつ考えていくので繋げたときに意味がなくなることも多いんですね。それでも、メロディと一緒に聴いたときに何かイメージが想起されればそれでいい。そういう歌詞の方が、聴き手のイメージが限定されず、いろいろと湧いてきたりすると思うんですよね。

ウィリアム・S・バロウズのカットアップという技法に似ている部分があります。“Orange Coloured Everywhere”の、ナレーションみたいな声は?

ヤマノハ:タイトル曲でゲスト参加してくれたディーや、友人たちに喋ってもらいました。もともとこれは、デイジー・ディッキンソンという映像作家の『Blue But Pale Blue』という短編映画の作品のために作った曲なんです。

シャルロットが参加している“Si”は、日本語の「死」という意味?

ヤマノハ:いえ、フランス語で「if」という意味です。シャルロットと会って、一緒に作った曲なんですが、僕がメロディを考え、彼女が歌詞を付けてくれました。

今後はどんな活動展開を考えていますか?

ヤマノハ:7月にジュネーヴにあるCERN(セルン)という欧州合同原子核研究機関でライヴをする予定があります。スティーヴン・W・ホーキング博士が「ビッグバン・セオリー」を研究していた巨大なドームで、普段滅多に演奏できるところではないのですごく楽しみです。メンバーと一緒にドラムマシンやシンセを使って取り組んでいて。そこからインスピレーションを受けながらアルバムの準備をしています、いまはドラムマシンで曲を作っていますね。

へえ、じゃあまた違った雰囲気の作品になるかもしれないですね。

ヤマノハ:最終的には、今作よりももっと削ぎ落としたものになるかもしれないですけど。逆にチェロやホーンを入れたり、いろんなことができたらいいなと思案中です。いずれにせよベーシックな作曲の部分は変わらないと思いますね。

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