「ZE」と一致するもの

interview with DJ Fumiya - ele-king


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 DJ Fumiyaは、リップスライムのトラックメイカーとして瀟洒たるポップネスをグループにもたらし、ヒップホップ/ラップ・ミュージックを広く世間に知らしめた立役者のひとりであり、今日まで一貫してカラフルでダンサブルなトラックを作り続けている。
 『ビーツ・フォー・ダディ』は、DJ Fumiyaの長いキャリアのなかで意外なことに初のソロ・アルバムである。ここでも、彼はブレることなくクラブ・ミュージックを彼なりにポップに咀嚼した楽曲を、人気のシンガー奇妙礼太郎や森三中といったような想定外だがその軽妙なキャスティングに納得させられるユニークな共演を交えて披露している。
 今作でのトラックの行き先は、リップスライムで見せてきたカラフルさを持ちつつも、ダンス・ビートをいかに親しみやすく聴かせることができるかに向かっている。"ENERGY FORCE"などを聴くとギャング・ギャング・ダンスがジャングルのなかJ-POPを流して満面の笑顔で踊っているみたいだ。とくにメロウなクラシック・ギターの音色に激しいドラムが絡むロリータ・ポップ"HOTCAKE SAMBA"は、聴いていて本当に幸福な気持ちにさせてくれる。DJ Fumiyaは、多彩なダンスの要素を取り入れ、ポップ・ミュージックとして結実させる。そこにいやみなく窮屈なメッセージは忍ばせようとしたりもしない。とにかく楽しそうなトラックと声、そしてスクラッチがここにある。

 しかし、そのヒップホップ/ポップのトラックメーカーとしての熱量は、池を何時間でも見ていられるという自然児の平静な心にともなって生まれている。今作のテーマカラーらしきパープルは、いささか性的で猥雑な印象をあたえる色でもあるが、冷静のブルーと興奮のレッドの間に位置する色だ。寡黙なヒップホップ/ポップ・ヒーローに、クラブ・ミュージックとポップの関係について語ってもらった。

僕は単純に動物が、とくに水辺の生き物とかが、すごく大好きなんですよ。池とか小川とか田んぼとか海とか。なのでメダカとか亀とか。犬とか猫も飼っているんですけど。小学生のころは毎日のようにザリガニとかカエルとかを捕っていましたね。

野田:フミヤさんのことはリップスライムがデビューした時から名前は存じていたんですけども、デビューの頃はテクノDJの田中フミヤと間違えられたりしませんでしたか?

DJ Fumiya:全然ないですね。僕がデビューした時にはすでに田中フミヤさんは有名な方だったので。僕はまだお会いしたことないんですけども。

野田:まあ、ジャンルも世代も違いますしね。とはいえ、田中フミヤはテクノの第一人者でやってきているので、フミヤさんがリップスライムでデビューした時、「あ、もうひとりのDJでフミヤがいる」と思ったんですよ。

DJ Fumiya:ああ、いえいえ......!

野田:なんか、すみません。

......では、はじめます。すみません。

DJ Fumiya:はい!

リップスライムでメジャーデビューしたのが2001年で、遡るとインディーのリリースは1995年からですね。長いキャリアをお持ちですが、元からソロ・アルバムを出したいっていう願望はあったのですか?

DJ Fumiya:(※即答)もう、ずっとありましたね。24~25歳のころから。リップ(スライム)で使っていないトラックのなかで自分のお気に入りトラックをまとめて出してみたいなと思っていました。

おお、ということは、2004年前後からすでに構想があったのですね。リップスライムでのインタヴューで、トラックは70%くらいまで作ってラップが乗る約30%の隙間をつくるとフミヤさんが仰っていたんですけども、今作『ビーツ・フォー・ダディ』はどうですか?

DJ Fumiya:今回はもうオケの状態でけっこう作り上げていたので、声が乗ってからシンプルにしていくという作業があったかもしれないです。

ああ、削ぎ落としていったわけですね。

DJ Fumiya:そうですね。どういうレコーディングをしていらっしゃるのか把握できていない人たちと共演したので、やりながら探っていったという具合でした。トリプル・ニップルズ(Trippple Nippples)は曲を通してつくるのではなく、断片をいっぱい録っていって、「ではフミヤさん、あとよろしくお願いします」みたいな。

素材だけで、まさにサンプリング的な感じで。

DJ Fumiya:そうですね。「べつに意味が通らなくてもいいんで」という具合でした。

リップスライムのときから、ありもののサンプリングというより、スタジオ・ミュージシャンの方を呼んでレコーディングしていたんだと思いますが、それは今作でも同様ですか?

DJ Fumiya:いや、今作はほとんど自分でギターなどを演奏しましたね。リップ(スライム)のときも、スタジオ・ミュージシャンとはいえど、家に来て弾いてもらって、僕がそれをサンプリングするというやり方が多かったんです。だいたいもの凄くバラバラにチョップして、レコードからサンプリングして録ったかのように乗せるというのをよくやっていたので、そのまんま乗せるっていうことはあまりしたことがないんです。

野田:とくに好きな音楽エディターっています?

DJ Fumiya:チョップとか打ち込みが上手いと思うのはテイ(・トワ)さんですね。緻密ですし、チョップされたスネアとかを聴いてすぐテイさんだとわかるその個性が打ち込みに表れてますね。あとは、アトム(Atom™)とかもそうだと思いますし、まりんさん(※電気グルーヴの砂原良徳)とか。

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鎮くんはどうしても1回やってみたいというのがありましたね。声がすごいし、本人自体もすごいですけど、やっぱ、声がすごいなって。で、この曲が一番時間かかったんですよ。3ヶ月くらいかかったかな。


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フミヤさんはテイ・トワさんによる事務所〈huginc.〉に所属していますね。今作の"HOTCAKE SAMBA"という曲に参加している事務所メイトのBAKUBAKU DOKINというユニットについて調べたんですが、情報があまりなく、謎めいていて......。いったいどういう人たちなんですか?

DJ Fumiya:もう5年位前にクラブで「プロデュースしてください」って。

おお、急に頼まれたんですか!

DJ Fumiya:そうですね。それからよくデモを作っていたりなんかして、2年前にはテイさんのところからちょこっと出していて、今回の曲もほんとうは彼女たちにあげてたんですけど、ちょっと返してって言って(笑)。

(一同笑)

DJ Fumiya:そして、もうひとり参加してもらった方が僕のソロっぽくなるかなと。BAKUBAKU DOKINがオモチャっぽい声をしているので、大人っぽい声の人とギャップを出してもらうためにorange pekoeのナガシマさんにお願いしました。

なるほど。共演の話でいくと、ライムスターや鎮座DOPENESSやリップのリョージさんなどのラッパーをフィーチャーするのはよくわかるのですが、芸人である森三中の黒沢かずこさんをフィーチャーしていますね。これにはどういう思惑があったんですか?

DJ Fumiya:森三中のことはむかし「ガキ使」(テレビ番組『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!!』)とかに出はじめた頃からすごく好きで、黒沢さんもリップのことを好きでいてくれて、自分でチケットを買ってライヴに来てくれていたんです。テレビでよく黒沢さんがフリースタイルで歌いはじめたりするのを観ていて、「この人、やっぱ、歌いけんじゃね~かな~」と思って、なにか曲をふってみたいなという考えがありましたね。

すごくクレイジーな歌ですよね。

DJ Fumiya:クレイジーでしたね。

イントロからすごいなと思って。

DJ Fumiya:あのモードにガラっと変わるのが、やっぱ......。

すごいですよね(笑)。演技力がヤバいなと思いました。

DJ Fumiya:プロだな、っていう。ただ、その、歌は上手いんですけど、やっぱ、こう、人とは違うな、っていう。全然キーと違うところを歌ったりするんで。

面白いですね。

DJ Fumiya:面白いですし、それが大変でした。

大変そうですね(笑)。"TOKYO LOVE STORY"でフィーチャーしている奇妙礼太郎はいま人気の歌い手ですけども、どういう経緯で共演になったんですか?

DJ Fumiya:名前をずっとお聞きしていました。やっぱり、声が好きなんです。この曲が今作中で一番最後に声録りをした曲だったんですけど、録音の1週間前くらいにお願いをして、お忙しいギリギリのなかでウチに来てもらって、その場で詞も書いてもらうようなかたちでした。

野田:あと、"JYANAI?"で鎮座DOPENESSをフィーチャーしてるのがいいと思いました。

DJ Fumiya:や、もう鎮くんはどうしても1回やってみたいというのがありましたね。声がすごいし、本人自体もすごいですけど、やっぱ、声がすごいなって。で、この曲が一番時間かかったんですよ。3ヶ月くらいかかったかな。

野田:どこでかかったんですか?

DJ Fumiya:鎮くんは、やっぱ、けっこうリリックで悩んでくれて。あのフリースタイルを見てると、すごく早く書けるんじゃないかって思うんですけど。

たしかに。

DJ Fumiya:逆なんですね。たぶん言葉が出て来すぎて。それで言葉のチョイスに時間がかかるっていう。だから、ほぼ飲んで終わるみたいなのがすごく続きましたね。

(一同爆笑)

打ち合わせという名の飲み会だったり。

DJ Fumiya:飲んで終わるみたいな。

野田:そういうキャスティングするうえでの基準というかポイントってどんなところに置きました?

DJ Fumiya:まずオケがあって皆さんにふっていくというかたちが多かったので、そのオケに対してのカウンターでもイメージどおりでも、パッと思いついた人たちと共演したという感じでしたね。



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僕はやっぱポップが好きなので、もともと聴いているヒップホップなどの音楽にしてもそういうのが多かったと思いますし、とくに無理してるっていう感覚はないんですね。


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音に関して言うと、今作『ビーツ・フォー・ダディ』もそうですし、リップスライムのときから一貫してポップなトラックをつくってきていますね。このインタヴューで主に訊きたいのは、フミヤさんがポップに開けていることについてなんです。一貫したポップさはやっぱり意識的なものなのですか?

DJ Fumiya:僕はやっぱポップが好きなので、もともと聴いているヒップホップなどの音楽にしてもそういうのが多かったと思いますし、とくに無理してるっていう感覚はないんですね。

僕は中学生の頃からリップスライムのファンで、インターネットも普及していたのでいろんな情報が見れたわけですが、例えばキングギドラの"公開処刑"という曲でK・ダブ・シャインがリップスライムとキック・ザ・カン・クルーの二組にちょっかいを出していたことをインターネットを通して当時知りました。その二組はラップというものを知らなかった子供さえファンにしてしまうポップ・スターでもあった訳ですが、ポップを打ち出していたフミヤさんの側に葛藤みたいなものはありましたか?

DJ Fumiya:僕個人はまったくなかったんですよ。

おお、そうなんですね。

DJ Fumiya:なんでしたっけ、「屁理屈ライム」と言われたんでしたか。いや、もう、めっちゃ「屁理屈」だしなって思いましたね(笑)。

あ、でも、「屁理屈」だと思ったんですか?

DJ Fumiya:そうですね、なんというか、詞が言葉遊びのグループなんで、そのとおりと思いましたね。でも、僕はそれが全然悪いと思っていないし、そこが楽しいとこだと思っているから、ちっきしょーとかは全然思わなかったですね。

その横槍へのアンサーだと言われている"BLUE BE-BOP"のミュージック・ヴィデオの最後に出てくるメッセージ「THANK YOU FOR YOUR KIND ADVICE AND SUPPORT!」は誰の発案だったんですか?

DJ Fumiya:俺、全然知らなかったんですよ。できあがったらああなってたんです。

そうなんですか(笑)。

DJ Fumiya:あの頃、すごく忙しかったので記憶があまりないんですよ。

野田:とくに当時はいろんな意味で熱かったし、「ヒップホップとはこうでなければいけない」みたいな空気も強かったように覚えていますね。

DJ Fumiya:そうですね。いまでこそあまりないですが、僕が昔にやっていたころは強くあったなという気がしましたね。

野田:まあ、いきなり売れてしまったわけだし(笑)。

DJ Fumiya:そうですね。だから、逆に「ここで守んない! もっと破んなきゃ!」という......(笑)。自分はずっとヒップホップ好きで聴いてきて、だから「僕が新しいことをしていかないと」というか。「僕がやることはヒップホップだから」っていう。なんかこう、変な......(笑)。

おお、使命感みたいなものはあったんですね。

DJ Fumiya:はい。そうですね。

野田:そう考えてみると、リップスライムみたいなグループのほうが少数派かもしれないね。

DJ Fumiya:本当にそうなんですよね。たぶんアメリカのヒップホップ・シーンでさえ少ないんじゃないかと思います。

今作『ビーツ・フォー・ダディ』のタイトルは、自分と同じ父親の立場にいるような世代のひとたちに向けた音楽だという意味だそうですね。

DJ Fumiya:僕が父親になったっていうのと、ビル・エヴァンスの"ワルツ・フォー・デビー"をちょっと捩らせてもらいました。それで1曲目もワルツなんです。

そういった父親世代とは逆に、リップスライムやキック・ザ・カン・クルーを聴いて育ってきたような子ども世代からユニークなヒップホップのアーティストがインターネットを通じるなどして現れていますが、そういう若い世代の音楽って気にされたりますか?

DJ Fumiya:あ、はい、ちょくちょく。例えば、鎮くんなんかも曲作り終わってみて、やあ、本当に頑張ったね、時間かかっちゃったね、みたいな話をしてる時に、「本当すみません。すっげー緊張してました」って言い出してきて。「5年前じゃフミヤさんとやるなんてことは有り得なかったから」と言われて、「そうなんだ」と思いました(笑)。全然わからなかったです。

なるほど(笑)。

野田:一応、斎藤くんもラップをやってるんで。

DJ Fumiya:あ、そうなんですか!

野田:それを言いたかったんじゃないかと(笑)。

DJ Fumiya:ははは(笑)。

いや、全然そういうことじゃないですよ(笑)! 僕だけではなくて、例えばシミ・ラボ(SIMI LAB)の人たちもele-kingのインタヴューでアメリカならエミネムあたり日本ならリップスライムやキック・ザ・カン・クルーを聴いていたと言ってるんです。なんていうか、言ってみればフミヤさんはヒーローなんですよ、本当に! ヒップホップの道をひとつ切り拓いたひとりだと思います。

DJ Fumiya:いやいや(笑)。僕はネットとか恐いのであまり見ないんですが、嫌われてるんじゃないかとずっと思ってたんです(笑)。

えー! そうなんですか?

DJ Fumiya:でも最近、そういったお褒めの言葉を言われることが多いから、嬉しいですね。

あ、でもそれは最近になって改めて言われるようになったという感じなんですか?

DJ Fumiya:そうですね。それこそ、小学生くらいだった子が大きくなって自分でも音楽をやるようになって、「あの子たち、リップ好きらしいよ」っていう話を聞くようになりました。リョージくんなんかは日本語ラップをよく掘っているので、そういう話をよく聞くみたいですね。

ではまさにシミ・ラボはその一例ですね。リップスライムとは方向性が違いますけど、シミ・ラボについてはどういう感想をもっていますか?

DJ Fumiya:すごくカッコいいと思います。なんか、爆発力というと違うかもしれないですけど、なんていうんですかね。初期衝動っていう感じのものがありますし。

野田:『ビーツ・フォー・ダディ』はとても良いアルバムだと思ったんですね。リミックスしているからっていうわけではないのですが、やっぱディプロっぽいというか、コミカルな感じとか、パーティっぽい調子、ビートや展開がころころ変わる面白さなんか、ある意味メイジャー・レイザー(Major Lazer)のヒップホップ版かなと思いました。彼らはダンスホールですけど、フミヤさんはああいう突き抜けた感覚をヒップホップのスタイルでやってるのかなと思ったんですね。彼らに対する共感はありますか? 

DJ Fumiya:ありますね。音楽を楽しんでる感じのところに。ディプロが歳も同じくらいの同世代で、あの音楽の雑多さが......たぶん色んなの好きじゃないですか。あのふたりには「さすが!」って思いました。ビートとメロディで好きなように遊んでるなっていう。なんかこう、例えばテクノのいいところも入ってるんですけど、全部それとは言えなくて、完璧にメイジャー・レイザーの音楽というか。すごく楽しそうだなと、やっぱり「楽しそう」というのが重要ですね!

野田:バカなことやりながら、アンチ・ゲイ的な暴力を批判したりとか、ああいうところも良いですよね。あとフミヤさんと共通しているのは、リズムの面白がり方だと思うんです。色んなリズムをカット・イン/カット・アウトして。

DJ Fumiya:で、レゲエやっても、それがすごく楽しそうで。本場のひとに言わせたら思うことがあるのかもしれないですけど。

野田:しかも、あれがジャマイカで売れたっていうのがすごいですね。

DJ Fumiya:やっぱり、ディプロだけでなくスウィッチ(Switch)がいるからすごくいいんだと思います。

野田:ああ、なるほどねー。

ディプロと実際にお会いしたことはありますか?

DJ Fumiya:DJのとき一度だけ会いました。すごかったですね、彼のDJも.........テイ(・トワ)さんと「軍隊みたいだ」って。

野田:軍隊じゃないまずいじゃないですか(笑)、なんでですか!?

DJ Fumiya:身体も屈強そうだし、ずっとなんかもう、こう(※右に左に身体を動かして機材をいじっていく真似)......後ろから見たら兵隊に見えて。汗もビショビショで。

野田:ああ、ちょっとスポーツが入ってる感じなんですね。

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ピート・ロックとDJプレミアはコスリも上手かったですね。当時はコスリのコピーばっかりやっていました。DJプレミアのコスリは、いまでも口ずさめるコスリですね。


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「楽しそう」という面についてですと、リップスライムの『Masterpiece』がリリースされた頃、NHKの『トップランナー』に出演なさっていましたよね。そこでファーサイドの"ソウル・フラワー"を流していらっしゃったのが、当時エミネムしか知らない中学生だった僕にはすごく衝撃的でした。90年代のヒップホップというのはなかなか知りえなかったですし、「こんなに楽しそうでカッケえヒップホップがあるんだ!」と思うと同時に、リップスライムがそれを標榜していたのかなというのも感じました。

野田:僕もファーサイドは好きだったんですけど、でも、微妙ですよね、日本でも(笑)。昔「ヒップホップで何が好き?」って訊かれて「ファーサイド」って答えて怒られたこともありますね、硬派な人から。

そうなんですか...! 本国でも叩かれていたらしいですしね。

DJ Fumiya:ファースト・アルバムが売れて、本人たちもちょっとハードな感じに変わっていったりもしたんですけどね。それでメンバーやめちゃったりとかもあって。

アルバムを発表順番に並べると、メンバーがだんだんと減っていったのが目に見えてわかりますよね。

DJ Fumiya:やっぱり、ジェイ・ディーが参加していた頃が最高ですね。本当、5人揃って好きだって言えるグループってファーサイドくらいしかいなかったですね。

ソロをやるにしてもファットリップなんかもファーサイドをやめてからだったわけで。そういう意味ではリップスライムって、バラバラになっていったファーサイドとは対照的に、ソロ活動と並行してちゃんと5人揃ってグループが長く続いていますよね。それって凄いことだと思うのですけど、どういう実感がありますか?

DJ Fumiya:そうですね.........みんな、あんまり、深く考えてないのかもしれないですね。

フミヤさんはなにか考えていることってありますか?

DJ Fumiya:曲自体にはありますけど、「これからリップはこう変わっていくんだ」みたいなことは考えてないですね。俺だけ考えても絶対無理なんで! また具合悪くなっちゃうんで、そんなこと考えても。

なるほど。最近だとリップのペスさんもソロ活動をしてイルマリさんもバンドを始動させていますよね。リップスライム以外の横の活動が積極的に行なわれているように感じますが、そういう流れは自然にあるいは同時多発的に起こったりするものなのですか?それとも「ちょっとしばらく休もうか」とみなさんで決めていたりとか?

DJ Fumiya:どっちもと言いますか。たぶんこのタイミングで、休憩じゃないですけど、自分で違う場所に行ってみて呼吸して戻ってみて、またリップスライムの活動に活かすこともあるんだと思います。ちょっと、リップの一番最近のアルバム『STAR』を作り終わってから、それからどういう曲を作ったらいいのか個人的にわからなくなっていた時期でもあったので。次をすぐ作れって言われても無理だな、と。他の刺激が欲しかったんですね。

ソロ作品をつくることはメンバーと話してからでしたか?

DJ Fumiya:いちおう言いましたが、みんなも同じことを考えいたのではないかと。

リョージさんがツアーDVDのなかでリップスライムはスライムみたいに柔軟なんだというようなことを言っていたと思うんですが、まさにそのとおりですね。その柔軟さの出処はどういうところでしょうか?

DJ Fumiya:たとえば楽曲制作でいうと、どんなトラックを持っていってもラップを乗せてくれるので柔軟だなと思います。ふざけて作っためちゃくちゃ速い曲とかリズムがない曲とかでも、みんな詞を頑張ってつけてくれるので、自分の遊びを引き受けてくれる柔軟さがありますね。

そもそもトラックはいつから作られてたんですか?DJ活動は14歳からということですけども。

DJ Fumiya:トラックは16歳くらいからですね。

野田:最初のサンプラーはなんだったんですか?

DJ Fumiya:最初はAKAIのS01っていう、8個しか音が出ないし、ツマミが一個しかついてないもので、本当にただのサンプラーでした。ただ音が出てくるだけっていう。それからAKAIのS900とか950とかヒップホップの名機に戻ったっていう感じですかね。ピート・ロックだとかが使っていたような。

DJやトラックをはじめた時の模範の音っていうのはありましたか?

DJ Fumiya:やっぱりヒップホップでしたね。90年代前半の......。

ニュー・スクール的な?

DJ Fumiya:そうですね。それこそピート・ロック、DJプレミア、ジェイ・ディーとかですね。あと、トライブ。あそこら辺のひとたちはいまでも聴きますね。ピート・ロックとDJプレミアはコスリ(※スクラッチ)も上手かったですね。当時はコスリのコピーばっかりやっていました。DJプレミアのコスリは、いまでも口ずさめるコスリですね。

それを聴きながら、当時はどういう現場でやられてたんですか?

DJ Fumiya:DJでよくプレイしていたのはライムスターさんたちとの「FG NIGHT」が中心ですね。

野田:ああ、クラブは渋谷のFAMILYですよね。僕も行ったことあります。

その時からすでにFGの中にいらしたのは、ダンサーだったお兄さんとの繋がりがあってですか?

DJ Fumiya:ですね。リップのスーっていうやつとウチの兄が同じチームでダンスをしていて、イースト・エンドのダンサーになって、そこからですね。中二とか中三の頃だったと思います。

野田:黄金時代ですね。

DJ Fumiya:黄金時代ですね(笑)。まだイースト・エンドも売れる前の時代ですね。

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日本のクラブとターンテーブルがないところもありますからね。あってもメンテナンスされてないボロボロのものとか。「あー、もうダメかな」とけっこう諦めモードになる瞬間があります。


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リップスライムに加入した時はペスさんもトラックを作っていた訳ですが、ライバルというか、競い合っていましたか?

DJ Fumiya:あー、でも僕は最初ペスくんのトラックがカッコいいなと思って、ペスくんみたいな音を作りたいというところから始まってたんですよ。

あ、なるほど。

DJ Fumiya:"STEPPER'S DELIGHT"っていう曲がメジャー・デビューのシングルになるとき、「なんで俺のトラックじゃねえんだ」ってペスくんは怒ってましたね。

なるほど(笑)。

DJ Fumiya:でも、そのときの他の候補がペスくんの"ONE"だったので、どっちにしろリリースされたんですね。

リップスライムのベスト盤『グッジョブ!』が2005年の夏にリリースされた頃、フミヤさんが自律神経失調症でお休みになったじゃないですか。その後の1年間は沖縄県の小浜島で暮らしていたとのことですが、それらの一連の事象で音楽的に作用している事ってありますか?

DJ Fumiya:小浜島ではほとんど音楽を聴いていなかったです。信号もないような島だったので。民謡しか本当にないみたいな(笑)。その間に耳を休ませたっていうのがあって、また音楽活動をはじめるにあたって、どんな音楽も刺激的に聴こえましたね。だから、すごく作りたいっていう欲求が出てきたということがありました。

あー、なるほど。その島にいた間は自分の音楽も聴いたりしなかったんですか?

DJ Fumiya:一応機材は持っていったんですけど、打ち込みをするっていうことがまったく似合わない環境だったので(笑)。やる気が全然起きないっていう。でも、いいやそれで、と。無理して作ることもないしな、と思いましたね。

それで、逆に、制作を再開するときにまた気持ちがドライヴしたんですね。

DJ Fumiya:そうですね。気持ちが跳ね返りました。

野田:トラックの話でいえば、トラックを作るときにヴァイナルを掘るのってフミヤさんの世代が最後なんじゃないかと思うんですよ。いまの20代前半の子が曲を作るとき何処へ行くかって言ったら、TSUTAYAだっていう話を聞いたことがあります。

DJ Fumiya:TSUTAYAですか、あああ......(笑)。

野田:たしかに安上がりですからね。

SLACKなんかは父親のレコード・コレクションも使ってるんだと思いますが、たしかに若い世代になると、トラックを作るときって自分で全部打ち込んでしまうかサンプルネタをネットで拾うかということが少なくないかもしれません。

DJ Fumiya:僕は音の面でヴァイナルじゃないとっていうのがあるんですよね。ちょびっとでも隠し味的に入れると曲の表情が本当に変わるので。音域が広がりますね。

野田:お金をかけずにネットで拾ったようなデジタル音源のサンプルだと、音質が均質化されがちで、個性を出すのが難しいですよね。 

DJ Fumiya:僕もスクラッチは入れてるんですけど、PCのヴァイナルを使ってるんです。波形を見れば一目瞭然なんですけど、デジタルだとどんなに激しくコスっても波形が一定なんですよ。ちゃんとやるんだったら本当は皿(ヴァイナル)に焼いてやらないといけないくらい、アナログは深いですね。

いまアナログはどのくらい買っていらっしゃいますか?

DJ Fumiya:月に何万円とかですね。ビートポートでもいいんだけど、皿で持っていたいなっていうのがありますね。でもビートポートでしか売らない人たちもいますよね。

フミヤさんのいまのDJスタイルは完全にPCですか?

DJ Fumiya:僕はヴァイナルを買って、PCに取り込んでプレイします。4~5年くらい前からそうなりましたね。CDJはすごく下手で、それまではずっとアナログでした。アナログの感触でも回せるということでPCに移行しました。

デジタルのよさも活かしたいっていう思いもあったんですね。

DJ Fumiya:やっぱもう、(ヴァイナルは)重いっていう......。

(一同笑)

野田:最初にDJがデジタル化したのってヒップホップなんですよね。

DJ Fumiya:けっこう前にジャジー・ジェフ(Jazzy Jeff)が来日した時に、誰かが「PCでやってたよ」と言っていて、すげえなと。ジャジー・ジェフがPCでやっていたっていうのは自分にとって大きいきっかけでした。

野田:でも、また最近アメリカのヒップホップのDJもヴァイナルに戻ってきているみたいですよ。

DJ Fumiya:やっぱり、PCでの自分のDJから次のヴァイナルのDJに交代すると、ヴァイナルの音のほうが明らかに良くて、考えちゃいますね。

野田:ハウスのシーンでいえば、ニューヨークではギャラが違うっていう話も聞いたことありますよ。どこまで本当かわからないですけど、ヴァイナル使った方がギャラが高いとか(笑)。

DJ Fumiya:えー、そうなんですか......! じゃあ僕アナログにします(笑)。でも日本のクラブとターンテーブルがないところもありますからね。あってもメンテナンスされてないボロボロのものとか。「あー、もうダメかな」とけっこう諦めモードになる瞬間があります。もうCDにいくか、完全にアナログに戻るしかないかな、と。

フミヤさんから見て、いまの日本のクラブ界隈と言うか業界ってどういう風に見えますか? 機材のこともありつつ、昔と比べてでもいいですし。

DJ Fumiya:どーですかねえ.........。あの、その、いいかわるいかは別ですけど、みんなすぐDJになれていいなって思いますね。

(一同笑)

羨ましさもあるという。

DJ Fumiya:ピってCDをかけてBPMも合っちゃうのが、いいなあって思います。

クラブの話だと、いま風営法で営業形態に関して色んな議論がでていますが、フミヤさんとしてはどう思いますか?

DJ Fumiya:やっぱり、夜中から朝までというパーティを経験してきていますし、そういうところに入っちゃいけない中学生の頃から通っていたので、ちょっと悲しいなとは思いますね。逆に早い時間から終電までのイヴェントにして、それこそ高校生とかを呼べるようなパーティにしていくっていうのもありなんじゃないかと思いますね。そこでクラブって楽しいだろっていうふうに教えていくということができますし。もし日本が「(深夜営業を)絶対やらせないよ」ということになったら、そういうふうにしていくのもありだと。

風営法について、それこそリップスライム内で話題にあがることはありますか?

DJ Fumiya:「あー、また何処そこの箱がやられちゃったね」っていう感じですね。東京はまだそうでもないですが、ツアーで全国をまわっていると、僕が最後で夜1時までとかってあるので。みんな、いきなりバサッと終わられて可哀相だなと思います。

野田:あと、公共の交通手段が深夜に動いていないこともどうにかしてほしいと思うんですね。現代の都市として、ナイト・ライフというものに対する寛容さや公共の施設がなさすぎるっていうか。

DJ Fumiya:そうですね。お正月だけですもんね。

野田:ロンドンなんかだとなぜか3時までのパーティってあるじゃないですか。

僕が行ったイヴェントもそうでした。

野田:あれいいと思うんですけどね。別にがんばって朝5時までやる必要ないっていうか。

DJ Fumiya:けっこうみんな3時とか4時で帰りますからね。

みんなどこかで休んでから始発で帰りますよね。

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ディプロなんかはアメリカなので、雑なんですよね。スウィッチがそれを綺麗にまとめる構図がメイジャー・レイザーはいいですね。僕の今作のリミックスでもディプロはザックリしてますね。


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野田:レコードは中古屋さんに売らないですか?

DJ Fumiya:ヴァイナルは売ったことないですね。全然かけない曲とかでも思い入れがあるというか。CDはちょいちょい友だちにあげたりします。

ヴァイナルの話でいうと、リップスライムは主に『Masterpiece』あたりのちょっと昔のリリースがヴァイナルでも出ていますよね。最近だとフミヤさん選曲のベスト盤ですね。最近の若い世代でも、ヴァイナルとかカセットを聴くというアナログの風習が、アメリカとかイギリスのインディーの精神といいますか、日本にも流れてきてはいるんですよ。

DJ Fumiya:ふーむ。ふむふむふむ。

子供のときからデジタルだった世代にしてみれば、リヴァイヴァルというよりは、アナログの音が新しいものとして受け止められているんです。そういう世代に対して、ヴァイナルのべテランとしてなにかコメントはありますか?

DJ Fumiya:やっぱり、あの音を知ってるか知らないかっていうのはけっこう変わってくるんじゃないかと。とにかく自分が聴いてきたなかで一番いい音なので。箱とかで聴いてもいい音だし。たとえば、レコーディングのとき音の設定で僕は44kHzにするんですが、96kHzとかでやる人もいるんですよね。本当にノイズも聞こえるくらい、違った意味でめちゃくちゃいい音っていうか。僕の趣味はわざと44kHzでやっています。結局CDを取り込んだときに44kHzになっちゃうんですが、でも、アナログを取り込むときはなるたけそのままの音を取り込みたいという気持ちはあります。

アナログのリリースはリップでも一昔前ですし、今作『ビーツ・フォー・ダディ』もアナログではリリースされないですよね。せっかく若い世代がアナログを買いはじめているので、ぜひこれからもアナログを作って欲しいのですが、そういう願望はありますか?

DJ Fumiya:ありますあります! こないだもリップのヴァイナル・リリースのときに、レコードの溝を見るマスタリングの技をイギリスまで観に行きました。本当、手に職っていう感じでしたね。

野田:あれはもう職人芸ですよね。海外だと、プロデューサーの次にクレジットが書かれてるくらいマスタリングは地位が高いというか、認められていますよね。

DJ Fumiya:ヴァイナルは盤にマスタリング・エンジニアの名前が彫られているので、見たりします。

リップスライムのマスタリングはロンドンのスチュアート・ホークス(Stuart Hawkes)という人がずっとやっていらっしゃいますよね。どういう経緯でそうなったんですか?

DJ Fumiya:テイ(・トワ)さんが同じエンジニアさんで、おすすめされたんです。その人はドラム'ン'ベースもやっていて、僕もロニ・サイズ(Roni Size)とか〈フルサイクル〉系のドラム'ン'ベースをずっと聴いていたので、いい音だな、と。その人は4ヒーローもやってましたし。でも、去年くらいにロンドンへ行ってはじめて会ったんです。

あ、そうなんですか(笑)?

DJ Fumiya:飛行機が恐くて。

(一同笑)

どんな人でしたか?

DJ Fumiya:(リップの)イルマリに似てましたね。イルマリに似てるなっていう...。

.........(笑)。

DJ Fumiya:あと、飯が激マズいっていう。「いい加減お前ら聴きにこい」と言われたので、リップのメンバーでその人に会いにいったんです。ロンドンには何回か行っているんですが、マスタリングに立ち会ったのはそのときが初めてでした。イギリスのクラブは音もいいし。でも、日本になんとなく似てるなと思いますね。音楽の好みとか、曲の作り方も緻密な人が多いイメージがありますね。

なるほど。

DJ Fumiya:だから、ディプロなんかはアメリカなので、雑なんですよね。スウィッチがそれを綺麗にまとめる構図がメイジャー・レイザーはいいですね。僕の今作のリミックス("Here We Go feat. Dynamite MC(Diplo Remix)")でもディプロはザックリしてますね。

ロンドンでDJはやらなかったんですか?

DJ Fumiya:ミレニアム・パーティというか、年末にもの凄く広いところでドラムンベースやらテクノやらをかけるパーティに行きました。DJはやらなかったんですけど、レコードは買いました。

ロンドンでやりたいと思いますか?

DJ Fumiya:やりたいと思いますね。もうすこし飛行機が速かったら......。

(一同笑)

DJ Fumiya:一睡もしなかったこともありました。映画を観たり、飯をいっぱい食べたり。でも最初に海外の飛行機に乗ったとき、英語が分からなくて全部「Yes」と答えてたらご飯がでてこなくて。

(一同爆笑)

アメリカではなくロンドンというのも......。

DJ Fumiya:イギリスの音楽が好きだからですね。それこそドラム'ン'ベースですね。

野田:ミックスCD『DJ FUMIYA IN THE MIX』なんかだと、ヒップホップって感じではなかったですよね。

ダンス・ミュージックで。

DJ Fumiya:そうですね。あれはもう本当に四つ打ちでいくっていうのがコンセプトだったんです。

野田:それはDJをやっていくうちに選曲の幅が広がっていったということなんですか?

DJ Fumiya:時期によってはドラム'ン'ベースばっかり回してることもあったし、いまは、四つ打ちカッコいいなあと思ってハウスとかを掘り下げています。打ち込みの音楽だと四つ打ちが一番難しいとずっと思っていて、奥が深いなあっていつも思いますね。

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いまは、四つ打ちカッコいいなあと思ってハウスとかを掘り下げています。打ち込みの音楽だと四つ打ちが一番難しいとずっと思っていて、奥が深いなあっていつも思いますね。


Beats For Daddy

Amazon iTunes

最近聴いた音楽でとくに素晴らしかったものととくにくだらなかったものをそれぞれ教えてください。

DJ Fumiya:えー! なんでしょう.........。

言いづらかったら、無回答で大丈夫ですので。

DJ Fumiya:今作の"LOVE地獄"っていう曲はすごくくだらないなーと思いますけどね。

ご自身の曲ですか(笑)。

DJ Fumiya:あはははははは(笑)! いや嘘です、嘘です(笑)。

くだらない音楽というか、嫌悪感がわく音楽ってありますか?

DJ Fumiya:嫌悪感のわく音楽ですか...(笑)。大丈夫かな......。なんですかね...。でも本当に家でテレビの音楽番組とか観ないので.........最近よかった音楽の話をしましょうか!

(一同笑)

DJ Fumiya:最近よかった音楽は.........。

(沈黙。8秒)

DJ Fumiya:サブトラクト(SBTRKT)とかすっごく好きですね。

野田&斎藤:おー!

DJ Fumiya:打ち込みなんだけどいい音していて、耳にガッて来ない。あと黒人のシンガーの声もよくて。制作作業に入る前によく聴いていましたね。

野田:そろそろ最後の質問にしましょうか。

最後にカッコいい質問をしたいんですけど......。あ、ではふたつお願いします。ペットが家にたくさんいらっしゃるそうですがそれはなぜなのか、というのと、リップスライムのウェブサイトを見たら「将来の夢:バカみたいな幸せ」と書いてあったのですが、現在のその達成率を教えてください。

DJ Fumiya:僕は単純に動物が、とくに水辺の生き物とかが、すごく大好きなんですよ。池とか小川とか田んぼとか海とか。なのでメダカとか亀とか。犬とか猫も飼っているんですけど。小学生のころは毎日のようにザリガニとかカエルとかを捕っていましたね。

それは地元柄(※神奈川県藤沢市辻堂)ですか?

DJ Fumiya:そうですね(笑)。田舎だったからっていうのもあります。でも、つい最近も用水路に手を突っ込んでザリガニを捕りましたね。嫁さんはビックリしてたんですけど(笑)。

(一同爆笑)

DJ Fumiya:気持ち悪いって言って、走って逃げてっちゃいました。僕は自然児だったので、毎日のように虫とか捕っていましたね。

野田:まさかタガメとかゲンゴロウとかは飼ってないですよね?

DJ Fumiya:さすがに......子供が生まれてからペットに手間をかけれなくなりましたね。

でも、時間があったら......。

DJ Fumiya:もう自分の家に池つくりたいですね。

ははは(笑)。クラブの文化とは真逆の......。

DJ Fumiya:真逆だから、それがなんかこう.........池とか見て何時間でもボーっとしていられるというか。

なるほど。では、最後の「バカみたいに幸せ」についてお願いします。

DJ Fumiya:「バカみたいに幸せ」.........いま「幸せ」ですけど、まだ「バカみたいに」はなってないですね...。

まだ未経験なのですね。

DJ Fumiya:「バカみたいに幸せ」って生きてるうちに経験できるのかがわからないですけど。もしかしたいまのこの状態で「バカみたいに幸せ」だったのかもしれないですけど......。

ああ、あとで気づくかもしれないと。なるほど。

(沈黙。5秒)

DJ Fumiya:なんかちょっとさみしい感じになりましたけど。

(一同笑)

いえいえ、それはそれで、また味わいが。今日はありがとうございました!

DJ Fumiya:ありがとうございました。楽しかったです。これで大丈夫ですかね?

滅相もないです。長い時間ありがとうございました!

----------------

 帰り際、エレヴェーターを待つ間、なにとなく「『自分もラップをしたい』と思ったことはありますか?」とDJフミヤに問うた。その答えは、同時に話しかけてきた野田編集長の声によって僕の記憶から消えてしまった。DOMMUNEでもういちど訊こうか.........。


Chart - DISC SHOP ZERO 2012.11 - ele-king

この1年くらいで、所謂"ポスト・ダブステップ"を超越し「新入荷した時点ではどうにも説明できない」
サウンドが増えてきています。今回はそんなレコードの代表格を10枚紹介します。コメントにキーワードをちりばめたので、それらも要チェックで。

FIS - Duckdive EP (Samurai Horo)
ドラムンベースのレーベルとして知られるSamurai Musicのサブ・レーベルから、ニュージーランドのプロデューサー。何処に向かおうとしているのかさえわからないエクスペリメンタルな3曲と、トライバルなミニマル・ドラムンベースの4。このレーベルは全て要チェック。

ENA - Purported / Whereabouts (7even Recordings)
海外の精鋭たちとリンクしながら、リリース毎に「何処へ向かっているんだ?」度を上げている日本人Enaの最新作。今回も間違いありません!

AIRHEAD - Pyramid Lake (R&S)
James Blakeグループのギタリストとしても知られるプロデューサーの最新シングル。"ポスト"なダブステップよりも更に先、「ここからどこへ向かうんだ??」と思わずにいられない作品が数多く出始めてきた昨今のなかでも、本作はポップなセンスとその破壊力で群を抜いていると思います。

PANGAEA - Hex / Fatalist (Hemlock)
Ramadanman、Ben UFOと共にHessle Audioを運営するPangaeaによる、UntoldのHemlockからのシングル。両レーベルのキレキレの部分が露出したような(してしまった?!)「ヤバいよね~」としか言えない2曲。先日リリースのアルバムも素晴らしいです。

EGOLESS - Before/After EP (LoDubs)
クロアチアのプロデューサー2作目。前作に続くヴィンテージなキラー・ダブ1、ジャジーなブロークンビーツ2、そしてコロンブスの卵的なダブ・ガラージ3と、やっぱりヤバい!!!!

A MADE UP SOUND - Take The Plunge (A Made Up Sound)
2562別名義。1は、昨年末のHessle Audio日本ツアーでPangaeaがプレイし、そのクレイジーなビートにフロアも盛り上がった曲。ヒプノな感触もありつつ、ビートの根っこにはザックリした感じがしっかりあるのが◎。

STICKMAN - The Verge (Mindset)
マンチェスターのIndigoが運営するMindsetからの新鋭。ここ数年、ポスト~な流れからベース・ミュージックを追ってきた方々には、今まで「ヤバい!」と盛り上がってきた要素の多くがサラリとここで溶け合わされているという風に感じるんじゃないかと思います。レーベル他作はもちろん、Indigoも要注目。

VERSA - Shadow Movement (On The Edge)
そのIndigoやSynkroもリリースするマンチェスターのOn The Edgeから。ガラージを抜きに抜いたようなミニマルなテック・サウンドに、ザラザラとした上モノがBurialというよりはRhythm & Sound的に響く1ほかダブ好きテック派に大推薦の3曲。

CHAMPION - Crystal Meth / Speed (Butterz)
Blackdownが"Eskifunk"と名付ける、グライムとUKファンキーの突然変異体。全ての音がリズムとなって飛び回ります。

MORPHY & THE UNTOUCHABLES / FLATLINERS - Tread This Land / Raw Fi Dub (45Seven)
dBridgeのExitと、Boddika(Instra:mental)によるNonplusを中心としたAutonomicなど、ハーフステップのドラムンベースがここ数年面白いことになっていますが、その中でジャマイカ流のダブワイズに焦点を当てた新レーベルがこの45seven。ここから新しい流れが生まれるはず。

DBS 16th. Anniversary - ele-king

 UKアンダーグラウンド・サウンズのリアル・ヴァイブスを伝えるべく1996年11月にスタートしたドラムンベース・セッション、通称DBSが16周年を迎える。
 この16年間、ジャングル/ドラム&ベース、ダブ、ブロークン・ビーツ、クラック・ハウス、グライム、ダブステップ等、さまざななベース・ミュージックを紹介し数々の伝説を生んできた。
 今回、ダブステップの最高峰、DMZからDIGITAL MYSTIKZのCOKIが初来日! 
 Deep Medi Muzikからフューチャー・ソウルの才人、SILKIEが待望の再来日! UKベース・ミュージックのブラックネスを体感してほしい!


2012.11.03 (SAT) at UNIT

feat.
COKI / DIGITAL MYSTIKZ
(DMZ, Don't Get It Twisted, UK)
SILKIE
(Deep Medi Musik, Anti Social Entertainment, UK)

with: KURANAKA 1945 , G.RINA

vj/laser: SO IN THE HOUSE

B3/SALOON: ITAK SHAGGY TOJO, DX, KEN, DOPPELGENGER, DUBTRO
FOOD:ポンイペアン"ROOTS"

open/start 23:30
adv. ¥3500 door ¥4000

info. 03.5459.8630 UNIT
https://www.dbs-tokyo.com

★COKI / DIGITAL MYSTIKZ (DMZ, Don't Get It Twisted, UK)
ダブステップのパイオニア、DIGITAL MYSTIKZはサウス・ロンドン出身のMALAとCOKIの2人組。ジャングル/ドラム&ベース、ダブ/ルーツ・レゲエ、UKガラージ等の影響下に育った彼らは、独自の重低音ビーツを生み出すべく制作を始め、アンダーグラウンドから胎動したダブステップ・シーンの中核となる。03年にBig Apple Recordsから"Pathways EP"をリリース、04年には盟友のLOEFAHを交え自分達のレーベル、DMZを旗揚げ、本格的なリリースを展開していく。そして名門Rephlexのコンピレーション『GRIME 2』にフィーチャーされ、脚光を浴びる。05年からDMZのクラブナイトをブリクストンで開催、着実に支持者を増やし、FWD>>と並ぶ二大パーティーとなる。COKI自身は05年以降、DMZ、Tempa、Big Apple等からソロ作を発表、ダブステップ界の重鎮となり、08年にBENGAと共作した"Night"(Tempa)は爆発的ヒットとなり、ダブステップの一般的普及に大きく貢献する。10年末にはDIGITAL MYSTIKZ 名義でアルバム『URBAN ETHICS』を発表(P-VINEより日本盤発売)、血肉となるレゲエへの愛情と野性味溢れる独自のサウンドを披露する。その後もDMZから"Don't Get It Twistes"、Tempaから"Boomba"等、コンスタントに良質なリリースを重ねつつ、11年から謎のホワイト・レーベルのAWDで著名アーティストのリワークを発表、そして12年、遂に自己のレーベル、Don't Get It Twistedを立ち上げ、"Bob's Pillow/Spooky"を発表、今、ノリに乗っている。悲願の初来日!
https://www.dmzuk.com/
https://www.facebook.com/mista.coki
https://twitter.com/coki_dmz

★SILKIE (Deep Medi Musik, Anti Social Entertainment, UK)
ダブステップのソウルサイドを代表するプロデューサーとして"ダブステップ界のLTJブケム"とも称されるSILKIEはウエストロンドン出身の26才。2001年、15才でシーケンスソフトを使って音作りを始め、多様なビーツを探求、またDJとしてReact FMでR&B(スロウジャム)をプレイする。03年にDAZ-I-KUE (BUGZ IN THE ATTIC)の協力でシングル"Order" (P Records)を初リリース。その後QUESTらとAnti Social Entertainmentを立ち上げ、"Sign Of Da Future"(05年)、"Dub Breaks"(06年)を発表。やがてDMZのMALAと出会い、08年に彼のレーベル、Deep Medi Musikから"Hooby/I Sed"、"Skys The Limit/Poltigiest"を発表、またSoul JazzやSKREAM主宰のDisfigured Dubzからもリリースがあり、SILKIEの才能は一気に開花する。そして09年、Deep Mediから1st.アルバム『CITY LIMITS VOL.1』が発表されるとソウル、ジャズ、デトロイトテクノ等の要素も内包した壮大な音空間で絶賛を浴び、ダブステップの金字塔となる。その後も彼のコンセプト"City Limit"(都市の境界)は"Vol. 1.2"、"Vol. 1.4"、"Vol.1.6-1.8"とシングルで継続され、11年6月には2nd.アルバム『CITY LIMITS VOL.2』を発表(P-VINEより日本盤発売)。DJとしても個性を発揮し、11年の"FACT Mix 255"に続き、12年7月に盟友Questと共に名門TempaのMixシリーズ『DUBSTEP ALLSTARS VOL.9』を手掛けている。震災直後に単独でDBSにやって来てくれた11年4月以来、1年半ぶりの再来日!
https://deepmedi.com/
https://www.facebook.com/silkie86
https://twitter.com/silkierose

Ticket outlets: NOW ON SALE !
PIA (0570-02-9999/P-code: 179-674)、 LAWSON (L-code: 70250)
e+ (UNIT携帯サイトから購入できます)
clubberia/ https://www.clubberia.com/store/
渋谷/disk union CLUB MUSIC SHOP (3476-2627)、
TECHNIQUE (5458-4143)、GANBAN (3477-5701)
代官山/UNIT (5459-8630)、Bonjour Records (5458-6020)
原宿/GLOCAL RECORDS (090-3807-2073)
下北沢/DISC SHOP ZERO (5432-6129)、JET SET TOKYO (5452-2262)、
disk union CLUB MUSIC SHOP(5738-2971)
新宿/disk union CLUB MUSIC SHOP (5919-2422)、
Dub Store Record Mart(3364-5251)
吉祥寺/Jar-Beat Record (0422-42-4877)、disk union (0422-20-8062)
町田/disk union (042-720-7240)
千葉/disk union (043-224-6372)

UNIT
Za HOUSE BLD. 1-34-17 EBISU-NISHI, SHIBUYA-KU, TOKYO
tel.03-5459-8630
www.unit-tokyo.com

[UK Bass Music, Darkwave, etc] - ele-king

Darkstar - Timeaway



 『ノース』への大胆な方向転換の直後に〈ハイパーダブ〉から〈ワープ〉へ移籍したダークスターによる2年ぶりの新曲。ヴァイナルは11月20日に発売される(https://bleep.com/release/39342-darkstar-timeaway)。野田編集長はいまだにデュオだと思っていたみたいだが、『ノース』の時点ですでにヴォーカルにジェームス・バタリーを迎えたトリオになっている。
 プロデューサーにはワイルド・ビースツ/スペクタクルズ/エジプシャン・ヒップ・ホップなども手がけたリチャード・フォーンビーを起用しており、「イギリス北部ペナイン山脈のどこか深いところ」にある「ヴィクトリア調のジェントルの邸宅」を借りて録音されたアルバムは、来たる2013年初頭にリリース予定とのこと。
 この録音場所がなるほどと思えるほど、"タイムアウェイ"の旋律は、荘厳なエコーでメランコリーなイメージを讃えている。ダブステップ期もいまは昔。たださえ意外な方角へ舵をきった『ノース』以上にヴォーカルとハーモニーがフューチャーされ、いくぶんか明るくなった印象もあるが、陰鬱さを讃える美学はよりいっそう磨かれている。

 ダークスターのYouTubeアカウントには、レコーディング中のスローモーション映像にドローン/アンビエント風で静かな音楽を添えたものが"Nowhere"として4つアップされている。

 忘れもしない2011年4月9日、ロンドンはショーディッチにあるヴィレッジ・アンダーグラウンドというヴェニューにて、ダブステップのダも知らなかった僕がダークスターを観た。日本では聴いたことがないほどバカデカいベース音に全身を震わせられたとき、心臓を潰されて死ぬかと本気で思った。おおきな教会を改修したような広い会場。酒で酔っ払い喋りまくる、カルチャーめいたオーディエンス。機材トラブルによる1時間近くの遅延を経て、不穏な空気が拭えないなか、殺気だちながら透き通った目の青年が喉を震わせた。

 日本でのステージが実現することを期待しよう。


Dazed and Confused Live PART 2 with Darkstar & Gang Gang Dance

 これは先述の〈DAZED LIVE〉での映像。ダークスターはもちろん、トリのSBTRKTも凄かった。1時間以上も時間が押した結果、ギャング・ギャング・ダンス終了後には25:30近くなりオーディエンスは続々と帰ってしまった。ガラガラの会場にイラついていたように見えたが、SBTRKTは圧倒的にベスト・アクトだった。

Trimbal - Confidence Boost (Harmonimix)



 ロンドンのグライム系ラッパーであるトリンバル(元ロール・ディープ・クルー、基本的にはトリム名義)と、ジェームス・ブレイクの別名義ハーモニミクスによる作品のミュージック・ヴィデオ。ツイッターを見ていても、発表されると同時に瞬く間に話題となっていた。リリースは〈R&S〉から。撮影は、ザ・トリロジー・テープスの記事でも紹介したロロ・ジャクスンである(と、このようにウィル・バンクヘッドの陰がロンドンの地下水脈では散見される)。
 ミスター"CMYK"がトリムの叩きつける言葉を名義のごとくハモるその後ろでは、ノイズが大胆にブーストしている。

ポーズをとれ。
アイツがどれだけ信頼を寄せていようと知ったこっちゃないなら。
ポーズをとれ。
ガール、自分の服を着て自分がイケてると思ったなら。
ポーズをとれ。
きみが問題を抱えているなら、気にするな、
誰も知ったこっちゃない。
ポーズをとれ。ポーズをとれ。
Strike a pose.

 ポーズをとっているのかはわからないが、時折出てくるジェームス・ブレイクがイケメンであり可愛いことは間違いない。

Eaux - i



 〈ソーシャル・レジストリー〉に在籍していた気高く美しいシアン・アリス・グループ(Sian Alice Group)は解散してしまったが、そのメンバーであったシアン・エイハーンとベン・クルックにステフン・ウォリントンが合流したトリオがオー(EAUX)だ。
 11月に発売される新作EP『i』からタイトル曲が先行公開された。以前にリリースしていた両A面7インチ『Luther / No More Power』はダークなシンセ・ポップで、それこそ女性ヴォーカルの気高いダークスターという印象だったが、今作はほぼインストゥルメンタルである。ドラムがいないため、打ち込みのリズムにベンのギターやステファンのシンセを被せるかたちに落ち着いている。シアンは1音節の語を繰り返し発語する。

i i i i i i i i i
gotten gotten gotten gotten

 ジ・XXの新譜の先行試聴会で思い出したのが、サウンドこそ違うが、似た編成のオーだった。こちらはメランコリーを秘めていながらも甘美な部分を見いださせようとはせず、むしろ厳しさをたずさえる姿勢は、シアン・アリス・グループから通じているものだ。
 これだけではまだなにも分かる気がしないので、EPの発売を待ちたい。

Eaux - Luther

Zomby - Devils

https://twitter.com/ZombyMusic/status/256219187247210496

 ゾンビー(Zomby)が1分半ほどの新曲"Devils"をツイッター上で突如フリーでリリースしている。おそらくアルバムには収録しないということなのだろう。ゾンビーが「5人目のビートルズ」と称える亡き父親を弔った『デディケイション』とはずいぶん違う忙しなさがある。EP「Nothing」にも高速ビーツのトラックはあったが、今作にはより不安を煽るような態度がある。
 ツイッターも相変わらず順調に挑発的でブッ飛ばしているし、次のアルバムはダークで扇動的なものになりそうだ。

 他にもホット・チップのアレクシス・テイラーから、彼がチャールズ・ヘイワード/ジョン・コクソン/パット・トーマスとともに組んでいるアバウト・グループ(About Group)のアルバムが完成したということと、彼のソロEPが12月にドミノからリリースされるという報告を受けました。これは喜ばしい。

 ちなみに、今日ご紹介したアーティストはすべて〈ザ・トリロジー・テープス〉主宰のウィル・バンクヘッドと関わりがある。

Ryoma Takemasa - ele-king

10/17にファース・トアルバム『Catalyst』をUNKNOWN seasonからリリースしました。かなり濃い内容になってますので是非チェックお願いします。また、『Catalyst』のミュージック・クリップをYoutubeで配信中 です。テンポ良くモダンな映像でかなりかっこいい作品に出来上がってますのでこちらも是非宜しくお願いします。
Ryoma Takemasa "Catalyst (Autumn Evening Mix)"

10/26@原宿Lily
DJ : Ryoma Takemasa、TBA
10/27@恵比寿Zubar
Music : Yoshi Horino、Ryoma Takemasa、Kyoko Kamichika
11/24@恵比寿Zubar
Music : Yoshi Horino、Ryoma Takemasa、Kyoko Kamichika
11/30@Loop
DJ : Shinya Okamoto、DJ Nori(Posivision)、Ryoma Takemasa
Live : Cherry、ngt.

Link
soundcloud | facebook | twitter

CHART


1
Ryoma Takemasa "Catalyst" UNKNOWN season

2
Yoshio Ootani "Strange Fruits (Gonno Remix)" Black Smoker

3
Manzel "Manzel2" Manzel

4
Ryoma Takemasa "Deepn'(Gonno Remix)" UNKNOWN season

5
Ryoma Takemasa "Deepn'(The Backwoods Remix)" UNKNOWN season

6
Sutekh DIrty Needles Drop Beat Records

7
Kenlou "The Bounce" MAW

8
Unbalance "Unbalance5" Unbalance

9
Milton Bradley "Reality is Wrong" Prologue

10
Reality Check "Fantasy" Strictly Rhythm

Zazen Boys - ele-king

 ザゼン・ボーイズのファンで座禅を経験しているのは何人いるのだろう。バンドのメンバーはやはり経験しているのだろうか。向井秀徳とは何度か酒を飲み、音楽について「何が好きか」とか「ビートルズだったら何が好きか」などというたわいのない話を延々としたことがあるけれど、肝心なことを聞き忘れていたといまさら気がついた。

 只管打坐というのは有名な禅宗の教えで、座禅を組むのは、それで心が洗われるからとか、浄化されるとか、悩みが消えるとか、そうではないと。座禅をしたいから座禅をするのである。掃除をしたいのは、部屋を綺麗にしたいからではない。掃除をしたいから掃除をするのである。原稿を書きたいのは、ただ書きたいから書くのである。なにかの目的があって行動があるのではない。行動は行動そのものによって成り立つ。ポテトサラダが食べたいのは、ポテトサラダで野菜を取りたいからではない。ポテトサラダが食べたいから食べるのだ。禅という東洋で生まれた「考え方のシステム」は、1960年代のヒッピーからジョン・ケージ、あるいはディスコ(アーサー・ラッセル)にまで影響を与えている。僕は西欧人ではないからわからないが、早い話、煮詰まりかけていた欧米の「考え方のシステム」に別次元の自由を与え、気持ちを楽にしたのだろう。

 ザゼン・ボーイズなるそのバンド名の、座禅という、ある意味反ロック的な言葉(なにせ座っているのだから)をボーイズという実にクリシェたるクリシェとくっつけているところに彼らの本質が見える。片方の耳で般若心経や落語を聴きながら、もう片方の耳ではロックが、ファンクが、ジャズが、電子音楽が、ディスコが、白い音楽と黒い音楽が注入される。音の実験には余念がないが、ザゼン・ボーイズの音楽は洗練されている。

 彼らのファンクへのアプローチには本当に目に見張るものがある。それぞれの楽器のそれぞれの反復のあいだには、よろめく身体を鞭打つようなフィルイン、ユニゾンが入る。"ポテトサラダ"の奇数拍子をリズミックな躍動は見事なもので、ある意味バトルズと同じ次元で鳴っていると言えよう。
 向井秀徳は、彼のマス・ロック的なアプローチのいっぽう、"はあとぶれいく"ではシンプルな8ビートを面白がり、また"破裂音の朝"や"サンドペーパーざらざら "ではUKのポスト・パンク・バンド、ワイヤーのようにデザインされた音の配列を披露する。"電球"における5拍子のグルーヴを聴いていると、しかしマス・ロックと呼ぶには......なんというか、彼らのよりフィジカルな衝動を感じる。ダンス・ミュージックとして成立しているのだ。

 "気がつけばミッドナイト"や"暗黒屋"のような曲は、彼らの旺盛な実験精神の結実のひとつだ。向井秀徳のジャズに対する共鳴は、その装飾性やたんなる情緒的なものとしてではない。音楽的論法の連なりによって表されている。ドラム、ベース、ギター、時折入る鍵盤の音は、IDMのビートメイカーがソフトウェアを使ってもできない領域があるところを見せている。彼らにとって5枚目のアルバムは、前作で見せたダンス/ファンク/エレクトロニック・ミュージック、それからキモノスで試みたシンセ・サウンドをさらに押し進めるものとなった。"泥沼"は、『セクスタント』時代のハービー・ハンコックがキャプテンビーフ・ハートとセッションしているかのようだ。
 タイトル曲の"すとーりーず"は、いわばディスコだ。ベタな4/4キックドラムを使い、ユニークな録音をもって生まれた、彼らのコズミック・ディスコである。クローザーの"天狗"でもバンドは拍子数を操り、見事なアンサンブルで、おおらかなグルーヴを創出する。『すとーりーず』は、彼らの高度な演奏の妙で、スリルと興奮の音楽体験を我々を差し出す。僕はその態度にとても共感を覚える。

 向井秀徳の歌詞は、敢えて道徳心(J-POPでお馴染み)を踏みにじるような、ときに露悪的なきらいもある。ユーモアのふりをして、揺さぶりをかけているかのように、彼はきわどい言葉遣いを好む。たとえば「陸軍中野学校予備校理事長 村田英雄」といったフレーズは、いまのご時世では笑えない(徴兵制が検討されているくらいだから)。そして、彼の言葉は道徳心を説いてばかりいる日本の多くの音楽にくらべれば異色であるばかりか、陳腐なことのいっさいを聴き手に強制しない。これから起こりうるすべてのことを思いつつ、パンツ一丁で踊りたいと向井秀徳は叫んでいる。ザゼン・ボーイズが人間を小馬鹿にしているのか愛しているのかよくわからくなったときには、アルバムの1曲目に戻れば良い。

DJ END (B-Lines Delight / Dutty Dub Rockz) - ele-king

B-Lines Delight/Dutty Dub Rockz主宰
栃木のベース・ミュージックを動かし続けて10数年。へヴィーウェイト・マッシヴなDrum&BassパーティーRock Baby Soundsystemを主宰。同時に伝説的なレコード・ショップBasement Music Recordsでバイヤーを務め栃木/宇都宮シーンの様々な下地を作った。現在はDutty Dub Rockzに所属、北のリアルなベース・ミュージックの現場を作り出すべくスタートしたパーティーB-Lines Delightを主宰している。
https://soundcloud.com/dj-end-3
https://b-linesdelight.blogspot.com/
https://duttydubrockz.blogspot.com/

DJ END REWIND CHART


1
Ten Billion Dubz - One Drop Banger / Depth Charge - Dub
https://snd.sc/OVQonJ

2
Negatins - Crimson Horn - Dub
https://snd.sc/WVlYBF

3
DD Black - Deep Cover - Dub
https://snd.sc/OVQaNo

4
Altered natives - Tenement Yard Vol 3 - Eye4Eye Recordings
https://boomkat.com/downloads/568053-altered-natives-tenement-yard-vol-3

5
Zed Bias - Heavy Water Riddim - Digital SoundBoy
https://snd.sc/U6Z3QB

6
Dusk&Blackdown - Wicked Vibez feat.GQ - Keysound
https://youtu.be/WwcpxmPugoI

7
Pearson Sound - Clutch - Hessle Audio
https://snd.sc/OxrOtd

8
New York Transit Authority - Off The Traxx(VIP) - Lobstar Boy
https://snd.sc/SQWPIY

9
Bounty Killer vs Dub Phizix - Cellular Phone Rags (1TA's Killer Dancehall Refix) - Free Mp3
https://snd.sc/WVoBDF

10
Death Grips - NO LOVE DEEP WEB - Free MixTape
https://snd.sc/PzjW5N

Chart - DISC SHOP ZERO 2012.10 - ele-king

越境ビーツ Selection #01

ひとつのジャンルにこだわっていては見落としてしまいそうな"越境"ビーツ&サウンドを、ワールド・ミュージックの感触を持った曲を中心に10曲。
https://discshopzero.tumblr.com/post/25012657366


1

LHF - EP3: Cities Of Technology (Keysound) /
ロンドン裏通りの移民感を感じさせるユニットの2枚組大作CDからのカット。世界の一都市としてのロンドン・ワールド・ミュージックとでも言うべき4曲。

2

SYNKRO - Broken Promise EP (Apollo) /
ジャジーなムードとエレクトロが持つウォームでクール(この2つが共存するのが素晴らしい~)な柔らかさが魅力のEPの中で、4の民族パーカッションが響くアンビエントが越境。

3

GUIDO - Flow / Africa (State Of Joy) /
自身のレーベルを立ち上げての2作目。親指ピアノ的フレーズも交えつつリズムが斬新な3のアフリカ感は新しいと思います。

4

MENSAH - The Gambia (Deep Medi Musik) /
タイトル通りにアフリカンなポリリズムがオールドスクールな感触も混ぜつつ表現されたキラー・エレクトロfromブリストル。

5

TUNNIDGE - Dark Skies / Tribe (Deep Medi Muzik) /
クラクラするようなベース音と催眠術のような男声ヴォイス、そしてシャープなスネアが覚醒を呼ぶ1もイイですが、タイトル通りトライバルさを前面に出した2がキラー。ダブステップを超えてます。

6

DISTAL - Booyant / Amphibian (Tectonic) /
ジュークを解体しファンキーな要素も加えた展開。1で聴かせてくれたサウンドをさらに解体した2は、ジューク感もありますが、よりトライバルなサウンドを指向するDJに上手く混ぜ込んでイッて(イカせて)欲しいです。

7

FUNKYSTEPZ - Trouble (Hyperdub) /
スクウィーな感触のアシッド味も加わったクレイジーなUKファンキー・サウンド。1のチープなシンセが生む中東感も◎。いずれもフロアでも効力発揮間違いなしの3曲。強力!

8

KAHN - Way Mi Defend / Azalea (Box Clever) /
ブリストルの要注目プロデューサー。レゲエの声ネタを使いつつ、3連パーカッションとシャープなワンドロップ・スネアが水滴のように深さを強調させる1。このレーベルは全て要注目。

9

DARLING FARAH - Body (by CivilMusic) /
デトロイト出身UAE経由、現ロンドン在住の20歳によるアルバム。4/4ビートのテクノ・サウンドをベースにしつつ、チルアウトでディープに洗練されたデトロイト・ソウル~ダブ・テクノを展開。5のテック・サンバが最高。

10

ADRIAN LENZ / SANDMAN - Cover Me / No Prisoners (Blank Mind) /
スペインはグラナダ発という2人の、ソカをベースにしたダークでマッドな1枚。ヤバイデス。

KEIHIN (ALMADELLA) - ele-king

テクノ以外で最近良くかける曲です。チェックしてみて下さい。で、気になったらパーティーにも是非!!
https://www.facebook.com/djKEIHIN
https://twitter.com/KEIHIN_
https://almadella-keihin.blogspot.com/

ALMADELLA 2012


1
Pinch - Retribution - Swamp 81

2
Shackleton - There Is A Place For Us - Woe To The Septic Heart!

3
Peverelist - Salt Water - Livity Sound

4
2562 - Solitary Sheepbell - When In Doubt

5
Lucy - Milgram Experiment - Stroboscopic Artefacts

6
Kowton - Dub Bisous - Pale Fire

7
Midland & Pariah - SHEWORKS003 - Works The Long Nights

8
Anthone - Destabilize - Weevil Series

9
Alex Coulton - Bounce (Pev Version) - Dnous Ytivil

10
Szare - Rex Desert - Krill Music

Chart JET SET 2012.10.01 - ele-king

Shop Chart


1

Zazen Boys - すとーりーず (Matsuri Studio) /
ダンス・ミュージックへと接近した前作『Zazen Boys 4』以来4年ぶり、Leo今井とのプロジェクトKimonosの活動を経て制作された、通算5枚目のフル・アルバム。アルバム全曲+ボーナス・トラック「無口なガール」のmp3ダウンロード・コード付!

2

Flying Lotus - Until The Quiet Comes Collectors edition / (Warp)
『Cosmogramma』から約2年振りのリリースとなる待望の最新作。引き続き参加となるThom Yorke、Niki Randaに加えて、Erykah Baduも参加です!

3

Gaslamp Killer - Breakthrough (Brainfeeder) /
単なるビートの寄せ集めではなく、10年に渡って世界を周り、各地でパフォーマンスを行ってきた自身のすべてを反映させた音楽プロジェクト。もちろんリリース元はFlying Lotus主宰レーベルBrainfeederから!

4

Kuniyuki - Earth Beats Larry Heard Remix / (Mule Musiq)
いまだ名曲として多くのファンの間でも親しまれるKuniyuki氏による傑作"Earth Beats"のライブ・ミックスをはじめ、シカゴハウス界の大ベテランLarry Heardによるリミックスを3曲収録した豪華2x12"仕様で登場!

5

Easy Star All-Stars - Easy Star's Thrillah (Easy Star) /
これまでもカヴァーものでヒットを放っていたEasy Star All-Starsが、遂にマイケルの楽曲を取り上げました。

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Ta-ku - 50 Days For Dilla Vol.2 (Huh What & Where) /
俄然注目を集めているオーストラリアの俊英、Ta-kuによるビート集の第2弾がこちら。多大なる影響を公言して憚らない、J.Dillaへの追悼の意を込めた全25曲を収録。

7

Seahawks - Aquadisco (Ocean Moon) /
名作の数々を生み出すJon TyeとPete Fowlerによるバレアリック・ユニット、Seahawksによる2012年を代表するマスター・ピースがヴァイナルで待望のリリース!

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Re:Freshed Orchestra - Re:Encore (Kindred Spirits ) /
大ヒット曲"Show Me What You Got"や、人気曲"Roc Boys", "Encore", Breakestra並みのメドレーカヴァーを披露した楽曲など、ファンク~ヒップホップを繋ぐ圧巻の6トラックを収録!

9

Karriem Riggins - Together (Stones Throw) /
同レーベルのFan Clubシリーズもヒット中のKarriem Rigginsですが、先日リリースのアナログ盤『Alone』に続きコチラもバイナルで登場! mp3ダウンロード・コード付。

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Woolfy Vs Projections - The Return Of Love (Permanent Vacation) /
ドイツ名門"Permanent Vacation"よりWoolfy & Projectionsの才人タッグによる約4年振りとなる最新アルバム『The Return Of Love』が登場。2010年のインディ・ディスコ・アンセム" Coma Cat" でお馴染みのTensnakeとの合作も収録された要注目作が入荷しました!!
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