「E E」と一致するもの

Sefi Zisling - ele-king

 ベーシストとトランペットの両アヴィシャイ・コーエンやシャイ・マエストロ、オメル・アヴィダルなど、現在のコンテンポラリー・ジャズ界ではイスラエル出身のミュージシャンが高い評価を集めている。彼らの多くはニューヨークを拠点に活動し、世界的に有名なプレイヤーとなっているのだが、近年のイスラエルでは新しいミュージシャンもいろいろ出てきており、ジャズに限らず様々な分野の音楽シーンで活躍している。たとえばネオ・ソウルやR&B方面で注目されたJ・ラモッタ・スズメ(彼女はもともとジャズ・トランペッターでビートメイキングもおこなう)、ジャズと民族音楽、ソウルとビート・ミュージックを融合したバターリング・トリオ、そのメンバーのリジョイサーことユヴァル・ハヴキンほか、ピアニストのニタイ・ハーシュコヴィッツ、ドラマーのソル・モンクことアヴィ・コーエンらが結成した新ユニットのタイム・グローヴなどは日本でも話題になったアーティストだ。そのタイム・グローヴにも参加していて、ほかにもいろいろなプロジェクトで多彩な活動を行なうトランペット奏者、セフィ・ジスリングも近年の注目株のひとりである。

 テル・アヴィヴ出身でテルマ・イェリン芸術学校に学んだセフィ・ジスリングは、同校出身のリジョイサーや彼が主宰するレーベルの〈ロウ・テープス〉周辺で活動してきた。昨年デビュー・アルバムをリリースしたリキッド・サルーンもこの周辺から生まれたアフロ・ジャズ・バンドで、セフィとドラマーのアミール・ブレスラー、キーボード奏者/プロデューサーのノモックことノアム・ハヴキンが組んでいる。ほかにもソウル/ファンク・バンドのメン・オブ・ノース・カントリーやファンケンシュタイン、ロックやサイケ、ブルースやカントリーなどのミクスチャー・バンドのラミレス・ブラザーズといろいろなバンドで演奏しているが、彼の音楽の大きな柱となっているのがジャズとファンクとアフロで、リジョイサーをプロデューサーに迎えて〈ロウ・テープス〉からリリースしたファースト・ソロ・アルバム『ビヨンド・ザ・シングス・アイ・ノウ』(2017年)は、そんな彼の資質にビート・ミュージック的なエッセンスや抒情性も交えた好作品となっていた。それから2年半ぶりの新作『エクスパンス』はUKの〈トゥルー・ソウツ〉からのリリースということで、彼の注目度が世界的に増していることが伺える。

 演奏メンバーはセフィのほかにノアム・ハヴキン(キーボード)、オムリ・シャニ(ベース)、トム・ボーリング(ドラムス)、イダン・カッペバーグ(パーカッション)、ウジ・ラミレス(ギター)、ヤイル・スラツキ(トロンボーン)、ヤロン・オウザナ(トロンボーン)、ショロミ・アロン(テナー・サックス)、アイヤル・タルムディ(テナー・サックス)、ノアム・ドレムバス(アルト・サックス、パーカッション)、サチャル・ジヴ(フレンチ・ホルン)など、『ビヨンド・ザ・シングス・アイ・ノウ』及びリキッド・サルーン、ファンケンシュタイン、ラミレス・ブラザーズなどで共演してきたミュージシャンが参加。またヴォーカルでバターリング・トリオのケレン・ダンや、ジャスミンとライラのモアレム姉妹が参加するほか、イスラエル出身のDJ/マルチ・ミュージシャンとして世界的に有名なクティマンもヴィヴラフォン、パーカッション、キーボードでゲスト演奏をおこなっている。

 『ビヨンド・ザ・シングス・アイ・ノウ』に比べて、『エクスパンス』は1960年代のジャズ・ファンクのようなオーガニックな音色が前面に出ていて、より生音らしいアルバム作りがおこなわれている。変拍子のアフロ・キューバン・ジャズの “ハイ・ライド” がその筆頭で、セフィのトランペットはじめホーン・セクションやキーボードなどが作り上げる重厚で迫力のある演奏を楽しめる。最近はこうした1960年代風のサウンドを聴くことが少なくなっていたので、逆に新鮮でもある。ケレン・ダンとジャスミンとライラのモアレム姉妹を配した “ザ・スカイ・シングス” は、アフロの要素の入ったジャズ・ファンクにソフト・サイケとムード音楽が結びついたような妖しいコーラスが異彩を放つ。クティマンの参加した “ハッピー・ソウル・リターン” はもっともアフロビートの色合いが強い曲で、演奏者全員が作り出すグルーヴが素晴らしい。ほかにもスロー・ナンバーの “オンゴーイング・モーニング” での哀愁に満ちた深遠な演奏、“エピローグ” でのフリーフォームなインプロヴィゼイションとさまざまな魅力が詰まったアルバムとなっており、イスラエルの新しいジャズ・シーンを知るのに最適な一枚と言える。


Ovall - ele-king

 ジャズ、ソウル、ヒップホップを軸にしたミュージシャン/アーティストを多数抱え、独自なスタンスを貫き通してきたレーベル/プロダクションである、〈origami PRODUCTIONS〉。特にライヴ・ミュージックというものにこだわりながら、彼らが長年やってきたことは、結果的に今の世界の音楽トレンドとも合致しており、その先見性には恐れ入る。そして、その〈origami PRODUCTIONS〉を象徴するアーティストが、Shingo Suzuki (ベース)、mabanua (ドラム)、関口シンゴ (ギター)という3人によるバンド、Ovall であり、彼らが4年間の活動休止期間などを経て、待望の3rdアルバムとしてリリースしたのが本作『Ovall』だ。

 メンバー3人はそれぞれがソロ・アーティストとしても活動している Ovall だが、さらに様々なアーティストのサポート・ミュージシャン、そしてプロデューサーとしての活躍も非常に目覚しい。特に mabanua はプロデューサーとして Chara から RHYMESTER、藤原さくら、向井太一など、非常に幅広いメンツの楽曲を手がけ、さらに一昨年リリースしたソロ・アルバム『Blurred』でも非常に高い評価を得たのも記憶に新しい。そして、このバンドを立ち上げた張本人である Shingo Suzuki、そして関口シンゴもまた同様にソウルからヒップホップ、さらにポップスまで、メジャー、インディ含めて実に多彩なアーティストの作品にプロデューサーやミュージシャンとして参加している(その膨大な参加作品の詳細はオフィシャル・サイトを参照してください)。そして、彼ら3人が外仕事で積み重ねてきた豊かな経験が、6年ぶりのリリースとなった今回のアルバムにも大いに活きている。

 これまで、2枚のアルバム『DON’T CARE WHO KNOWS THAT』、『DAWN』、さらにミニ・アルバムやシングルなども複数リリースしてきた Ovall であるが、改めてこれら過去の作品を聴いてみると、彼らの軸となっているジャズ、ソウル、ヒップホップといった要素を融合させながら、自分たちの音楽を作り上げようと大いに試行錯誤してきた様子が伺える。彼らがミュージシャンとして非常に優秀であることは間違いないが、彼らが理想としているサウンドやグルーヴ感に近づけていくのは決して容易なことではなかったはずだ。そして、ミュージシャンとしての高いアドバンテージは、逆に最先端のサウンドをバンドという形式で作り上げる中で、どこか足かせにもなっていた部分もあったようにも思う。ところが、今回の『Ovall』を聴くと、そこに迷いというものは一切感じられず、明確に Ovall としてのサウンドとグルーヴ感が提示されている。特にライヴ・ミュージックと打ち込みによるプロダクションとの絶妙なバランス感覚は、このアルバムの大きなポイントになっており、それこそが、おそらく彼らがこの6年間で習得してきたことの最大の成果であろう。バランス感覚という意味では、先行シングルともなった “Stargazer” などは一曲の中で見事に完成されているし、逆にライヴ感が前面に出た曲があれば、それを抑えた曲もあたったりと、アルバム全体でのバランス感覚も見事だ。ゲスト・シンガーとして唯一フィーチャされているのが、フィリピンのバンド、Up Dharma Down の Armi が参加した “Trascend” で、それ以外のヴォーカル曲は mabanua が歌う2曲(“Come Together”、“Paranoia”)だけで、あくまでも楽器が主役となっているのも新生 Ovall の姿勢というものが表れている。また、一昨年亡くなったロイ・ハーグローヴへのトリビュートとも言える “Dark Gold” など、彼らの音楽的なバックグランドを深く理解している人であれば、ニヤリとする仕掛けも随所に込められていたりと、聴けば聴くほどに引き込まれていくアルバムだ。

 すでに海外への進出もスタートしている Ovall であるが、いずれは日本を代表するアーティストになるかもしれない彼らの、現時点での最高傑作をぜひ聴いて欲しい。

King Krule - ele-king

 きっと今年は音楽の風向きが変わる。キング・クルールことアーチー・マーシャルのニュー・アルバムは、おそらくその最初ののろしになるだろう。たとえばアメリカのフランク・オーシャン同様、時代のアイコンとも呼ぶべき存在、じつにイギリスらしいサウンドにのせて独特のことばを吐き出すこの若き才能は、来るべき3枚目(本名名義を含めると4枚目)のアルバム『Man Alive!』でいったいどんな世界を描き出すのか。発売は2月21日。心して待とう。

[2月6日追記]
 まもなくリリースされる新作からのセカンド・シングル、“Alone, Omen 3” のMVが公開された。「君は独りじゃない」というメッセージがこめられているようで、監督はアーチーの友人であるジョセリン・アンクイーテルが担当、脚本はアーチーとジョセリンのふたりが手がけている。チェック。

[2月19日追記]
 いよいよ明後日に発売となる最新アルバム『Man Alive!』より、新曲 “Cellular” が公開された。MVのアニメを制作したのは、過去にアーチーと “Vidual” でコラボしたことのあるジェイミー・ウルフ。リリースまであと2日!

Stormzy - ele-king

 Stormzy の『Gang, Signs & Prayers』以来の2年ぶりのニュー・アルバム『Heavy Is The Head』が届けられた。前作リリース時には Spotify とのパートナーシップで、アルバム・カヴァーが街中に貼られ、彼自身もTVトークショーに出演するなど、一般人にも広く存在が広まった。この2年でも “Vossi Bop” や Ed Sheeran への客演でヒットを飛ばしてきた。

 待望の本作のアルバム・カヴァーには、UKの有名音楽フェスティヴァル《Glastonbury Festival》のヘッドライナーを務めた際に着用していた Banksy 制作の防刃ジャケットを見つめる若きラップスターが映されている。防刃であることがイギリスの都市で問題となっているナイフ犯罪へのアンサーであるだけでなく、ブラックで描かれたユニオンジャックはイギリスにおける「黒人」のあり方を問いかけるなどさまざまな意味を含んでいる。国旗をモチーフにしたアルバム・カヴァーという意味では、昨年リリースされたUKラップの傑作 slowthai 『Nothing About Britain』を思い出させた。

 ブラス・サウンドで幕を明ける本作。1. “Big Michael”はこの2年で成し遂げた功績を紹介するような1曲で、フェスティヴァルのヘッドライナーとして出演したことや、出版社ペンギンブックスとのパートナーで自身の出版レーベルを立ち上げたことを曲で誇っている。UKドリルのトップ・アーティスト Headie One を迎えた 2. “Audacity” では、Stormzy のストレートなフローと直接的なリリックに対して、Headie One は有名人や歴史上の人物を比喩に取り上げながらリリカルに展開し、勢いに乗る Headie One が一本取ったようだ。

 3. “Crown” ではアルバム・タイトルの「Heavy is the Head」の意味が、世間からの期待や止むことのない批判や重圧へのオマージュであることが明かされる。特に抜粋したラインは Stormzy の「優等生」を期待する声や批判への応答である。

Heavy is the head that wears the crown
王冠を被っている頭が重いんだ……

They sayin’ I’m the voice of the young black youth,
And I say “Yeah Cool” then I bun my zoot And I’m...

あいつらは俺が「黒人の若者の声」だって
だから俺は「あぁ、いいね」って言った後にズートに火を付ける

I done a scholarship for the kids, they said it’s racist
That’s not anti-white, it’s pro-black

俺はキッズのために奨学金を作ったのに、
やつらはそれを人種差別だって言いやがる
これは「アンチ・ホワイト」じゃなくて、「プロ・ブラック」なんだ

“Crown”

 静かに意見を表明する曲は続く。4. “Rainfall” では、アメリカの警察の黒人に対する暴力事件として知られ、後の Black Lives Matter 運動のきっかけとなった射殺事件の被害者トレイボン・マーティンへ哀悼の意を示し、「鎖につながれない黒人がどうなったか」を示したと再提起している。自制的に淡々と意見を表明していくラップには、かえって「静かな怒り」を感じる。アルバム中盤は家族などの身の回りの人々へ送る曲が並び、コーラスワークや弦楽器使いが光っている。姉へのリスペクトや家族とのストーリーを歌った 5. “Rachel’s Little Brother” に続き、J Hus の Snapchat をイントロに用いた 6. “Handsome” も実の姉でDJの Rachael Anson へのリスペクトを送る1曲で、彼のラップスキルが光る。7. “Do Better” は元彼女の Maya Jama へ送るラヴソングにも聞こえる。

 インタールードを挟み、アルバム後半ではシンガーの H.E.R を迎えた 9. “One Second” で物怖じしない姿勢でメンタルヘルスの問題を取り上げたり、テレサ・メイ前首相への痛烈な批判を加えたりする。マンチェスター出身の MC Aitch を迎えた 10. “Pop Boy” ではトライバルなダンス・トラックに乗せて、「ポップスター」であるという批判にクレバーに応答し、Ed Sheeran と Burna Boy というスターを迎えた 11. “Own It” でそのヒットメイカーぶりをまざまざと証明する。終盤は再びハードなチューンが並ぶ。グライム・チューンとしてヒットとなっている 12. “Wiley Flow” では、Wiley と自分を重ねるようにして、むしろグライムの「生みの親」の Wiley を持ち上げる1曲だ。しかし、アルバム・リリース後に Wiley と Stormzy の間にビーフが勃発した後で、Stormzy はこの曲をどのように思っているのだろう。邪推だが、Wiley は 13. “Bronze” で Stormzy が自身を「King of Grime」と名乗ったのが許せなかったのかもしれない。

Wiley へのディス曲 “Still Disappointed”

 ビーフの内容は脇に置くとして、数字面だけを見れば Stormzy の人気は圧倒的だ。アルバムを締めるダーティなクラブ・チューン 16. “Vossi Bop” は公開10ヶ月で YouTube で7000万回以上に達している。淡々としているが単調にはならないラップは唯一無二のスキルである。音楽的にはトラップやグライムだけでなく、中盤のピアノと弦楽器を基調としたトラックもあり、ゴスペルの要素も彷彿とさせる。家族や友人、人種や政治といった問題に応える Stormzy の良いサウンドトラックになっている。本作は商業面での期待に応えながら、自分に向けられた批判に直接的に応答する形で問題を提起する。そのふたつのバランス感が彼らしい、ユニークな一作だ。

NYクラブ・ミュージックの新たな波動 - ele-king

 ホームNYのみならず、世界中のダンス・ミュージック・フリークから注目を集める野外レイヴ・パーティ「Sustain-Release」の国外初となるサテライト・イベント「S-R Meets Tokyo」がいよいよ今月25日(土)に開催される。「Sustain-Release」を主宰するDJ/プロデューサーの Aurora Halal をはじめ、前編・中編にわたって紹介してきた DJ Python や Beta Librae、Galcher Lustwerk ら“NYサウンドの新世代”が東京・渋谷「Contact」に一堂に会す。これだけは冒頭でちゃんと述べたいが、もし今のクラブ・シーンを見にNYへ行ったとしてもこれほど旬なラインナップのパーティなんてそうそう出合えない。それほど「S-R Meets Tokyo」は、スペシャルなのである。

 2014年にスタートしてから今では1000人限定の“特別なパーティ”となるまでに大成した「Sustain-Release」は、今年で開催7回目。参加者の友人1人まで招待できる完全招待制という崇高なシステムを導入していながらもチケットは毎度たった10分でソールドアウト、オンラインメディア「Resident Advisor」の月間「Top 10 Festivals」において4年連続で1位を獲得するほど、多くの人々がそのドリームチケットを羨むような新時代のレイヴだ。

©Raul Coto-Batres

 そんなビッグ・パーティを成功させた Aurora Halal は、毎週世界のどこかでプレイする人気DJとしてアメリカとヨーロッパで知られているものの日本ではまだまだミステリアスな存在。だからこそ、今のNYのダンス・ミュージック・シーンにおいてキーパーソンである彼女のバックグラウンドを紹介したい。


Aurora Halal のセルフレーベル〈Mutual Dreaming〉のEP「Liquiddity」。
収録された “Eternal Blue” には Wata Igarashi のリミックス・ヴァージョンも

 Aurora Halal がダンス・ミュージックに打ち込むようになったのは、まだ大学生だった2004年ごろのこと。地元ワシントンD.C.を拠点に00年代後半から活動するDJユニット Beautiful Swimmers の Andrew Field-Pickering がペンシルバニアにあるゲティスバークの森で開いていたハウス・パーティがきっかけだった。そこで流れる「Paradise Garage」のようなクラシックなディスコや、当時「Cybernetic Broadcasting System(CBS)」と呼ばれていたオランダの「Intergalactic FM(IFM)」のようなコズミック・ディスコ、 Newworldaquarium こと Jochem Peteri、Arthur Russell などのジャンルにとらわれないギークでおもしろいサウンド、そして何よりそのパーティでの体験が、のちに「Sustain-Release」となる前身のパーティ「Mutual Dreaming」へと発展させることに。
 大学を卒業してからブルックリンへ移り住んだ Aurora Halal は2010年、かつてイーストウィリアムズバーグにあったクラブハウスのような独特な雰囲気のスペース「Shea Stadium」でパーティをスタート。あえてクラブでなく、これまで一度もダンス・パーティが開催されたことのないようなスペースをその時々で選んでは、借りてきたスピーカーを持ち込んで、ブースを設置。さらに当初は、彼女が集めていた70年代のビデオアートがライティングの代わりに投影された。一から十までくまなく手がかけられた「Mutual Dreaming」は、「自分たちと同世代がやりたいことをやれるような場所が当時のNYには少なかった」と話す、Aurora Halal 自身が行きたいと思うパーティのカタチをDIYで組み立てていったのだ。


Mutual Dreaming 2011 Flyer

 そうやって手探りで始めたパーティはトライアンドエラーを繰り返しながらも、新しいスタイルを求めていたオーディエンスをはじめ、パーティに必要不可欠なサウンドシステムやライティングのチーム、Beautiful Swimmers や〈L.I.E.S. Records(以下、L.I.E.S.)〉のファウンダー Ron Morelli、Traxx、Steve Summers、DJ Sotofett を筆頭とするプレイヤーなど、さらなるレベルへと押し上げる多くの人々の協力を得ることでより新鮮で強いエネルギーを放つコミュニティへ成長。それは、ちょうど「Bossa Nova Civic Club」がオープンしたばかりで、〈L.I.E.S.〉や〈White Material〉などのレーベルが軌道に乗り始めたころと同時期だった。NYのファンジン『Love Injection』のインタヴューで当時のことを Aurora Halal はこう語る。「私のコンセプトは、自分が考えていることの可能性を実行し、リアルなパーティを作ることだった。〈L.I.E.S.〉や〈White Material〉などのアーティストは、それまでにあったNYのダンス・ミュージック・シーンの一部ではなかったし、その一部になりたいと望んでもいなかった。だから、ブルックリンに新しいタイプのカルチャーが生まれたの。それがこのシーンの始まりで、そのころの記憶にある強烈な新鮮味と情熱はいまだに忘れられない」。

©Raul Coto-Batres

 それから2年が過ぎた2014年。「森のなかで、もっと大きな『Mutual Dreaming』をやりたかった」と話す彼女は、ついに「Sustain-Release」を実行する。ここでもう一度言うならば、「Sustain-Release」は、いわゆるヨーロッパの花形“フェス”でなく、 Aurora Halal を初心にかえさせるゲティスバーグの森に強くインスパイアされた“レイヴ”だ。「Freerotation」というイギリスのフェスに何年も通っていた初期のチームメイト Zara Wladawsky と初めて会った2013年から一緒に空き地を探し始め、ようやく見つけたロケーションで、500人限定の最初の「Sustain-Release」をローンチ。2016年にはNY市から車で2時間ほどの場所にある現在のキャンプ場「Kennybrook」に開催地を移し、2017年には Zara Wladawsky から Ital や Relaxer などの名義で知られる Daniel Martin-McCormick が共同ディレクターへ。毎年、回を重ねるごとに少しずつマイナーチェンジを行い、9月の週末を大自然に囲まれたアップステートの野外で快適に過ごすことができる現在の環境を作り上げた。

©Raul Coto-Batres

 これまでの出演者を振り返ると、ヨーロッパからは DJ Sprinkles、Lena Willikens、Optimo、PLO Man、Helena Hauff、LEGOWELT、DJ Stingray、DVS1、Vladimir Ivkovic など、日本からは DJ Nobu、Wata Igarashi、POWDER など、ホームNYからは Aurora Halal をはじめ、Anthony Naples、Huerco S.、 DJ Python、Galcher Lustwerk、Umfang、Beta Librae、Hank Jackson、DJ Healthy などそうそうたるラインナップだ。こうやって出演者を羅列するとめちゃくちゃ豪華に感じるけれど、各年にフォーカスすると一概に「豪華」というにはかなり語弊がある。なぜなら、彼女が本当におもしろいと思えるプレイヤーを「Sustain-Release」ならではの審美眼で選んだユニークなラインナップだといえるからだ。


Sustain-Release YEAR SIX flyer


©Raul Coto-Batres
The Bossa stage

 過去4年間、キャンプ場にある屋内競技場を利用したメインステージはテクノが中心の巨大なレイヴ・パーティのヴェニューに、「Bossa Nova Civic Club」にちなんだ半屋内の「Bossaステージ」はブルックリンのローカルDJを中心にハウスやトリッピーなダンス・ミュージックがかかるワイルドなフロアに変わる。もちろんここにあるのはダンス・フロアだけじゃなくて、野外の森には、落ち葉とウッドチップが重なり合うフカフカの地面に敷いたマットに寝そべりながらアンビエントやエクスペリメンタル、リスニング・ミュージックを聴けるチルな「The Groveステージ」も。

©Raul Coto-Batres
The Grove stage

 さらに敷地内にはバスケットボールコートとプール、小さな湖があって、開催初日の昼はバスケットボールトーナメント、土曜の昼はプールサイドで1日限りの「Saturday Pool Party」を開催。踊り狂うもよし、プールで泳ぐもよし、カヌーに乗るもよし、疲れたら昼寝するもよし、大自然のなかで人々の声欲(しょうよく)を満たすプログラムが62時間にわたってしっかり組み込まれているのだ。

©Raul Coto-Batres


©Raul Coto-Batres
バスケットボールのコートサイドでプレイする DJ Python

 ロケーションやサウンド、プログラムのほかに、「Sustain-Release」においてライティングも重要なパートのひとつ。森の木々を幻想的に照らし出すブルーやパープル、ピンクなどのカラーライト、ダンス・フロアの天井に張り巡らされた光のライン、時折視界に射し込んでくるレーザーの強い光線。「Sustain-Release」での体験をより印象的なものにするライティングには、電気工学を学び、数々のライブパフォーマンスやイベントデザインを手がけてきた Michael Potvin 率いる団体「NITEMIND」と、彼らが輩出したアーティストの Kip Davis が任されている。

©Raul Coto-Batres Instagram: @rl.ct.btrs
The Main stage

 「NY」とか「新しい世代」とか「レイヴ・パーティ」とか、やっぱり日常的になじみの薄い言葉を字詰めするとただの夢物語に感じさせるかもしれない。そして、できることなら現地の「Sustain-Release」に遊びに行ってもらいたいのだが、東京にいながらこのシーンの一部を体験できるのが「S-R Meets Tokyo」だ。いろいろ考えてみても、文化の水準が違う日本で、アメリカと同じように自由なクラブ・シーンは生まれにくいだろう。だけど、少なくとも東京とNYにいる人たちの交流を通じて文化をシェアしていけたら、これから日本やアメリカで始まる新しい何かにつながるかもしれない。

Sustain-Release presents “S-R Meets Tokyo”

2020年1月25日(土)東京・Contact
OPEN 22:00
出演
Aurora Halal (NY)
Galcher Lustwerk (NY)
Wata Igarashi (Midgar | The Bunker NY)

DJ Python (NY)
Beta Librae (NY)
AKIRAM EN
JR Chaparro

Mari Sakurai
Ultrafog
Kotsu (CYK | UNTITLED)
Romy Mats (解体新書)
Celter (Eclipse)

OFFICIAL GOODS
Boot Boyz Biz (NY)×葵産業

NEON ART
Waku

料金
BEFORE 11PM ¥2500 | UNDER 23 ¥2500 | ADVANCE ¥2500 | GH S MEMBERS ¥3500 | W/F ¥3500 | DOOR ¥4000
詳細:https://www.contacttokyo.com/schedule/sustain-release-presents-s-r-meets-tokyo/

Various Artists - ele-king

 コンピレーション・アルバム『tiny pop - here's that tiny days』は、インターネットから生まれた新しいポップ・ミュージックの始まりを告げる大切な記録だ。本作に収録されているアーティストたちの楽曲を聴いていると、リヴァイヴァルの文脈が海外のシティ・ポップ・リヴァイヴァルとはいささか異なっていることに気が付く。海外のマニアの参照地点からは取りこぼされた音楽からの継承を感じるのだ。
 ここで本作と繋がる重要な二作を挙げよう。1982年にリリースされた大貫妙子『Cliché』と1987年にリリースされたピチカート・ファイヴ『カップルズ』である。この二作に共通するのは「小さな宝石箱のようなポップ・ミュージック」という点だ。フランス音楽とアメリカ音楽の上品な香水のよう音楽性と、日本語と旋律の交錯。それはチャートを席巻するような「大袈裟さ」とは無縁の、小さな美しいメロディとハーモニーによる日本のポップ・ミュージックの理想型であった。そして日本が豊かだった(とは何か?)時代に生まれた珠玉のポップ・ミュージックでもあった。
 この「小ささ」と「豊かさ」こそ「tiny pop」へと継承されるものだと思う。提唱者にしてアルトサックス奏者でもある山田光は「tiny pop」を「インターネット上にあるプライベートな音楽の中でも歌謡曲の記憶を聴く者から引き出すような音楽」「DIY歌謡曲」と定義している。むろん若いアーティストばかりであるので、80年代の音楽の援用はほとんど無意識なのかもしれないが大切なものなのだろう。なぜならポップとは無意識の発見と発露でもあるのだから。
 では「豊かさ」とは何か。「豊かさ」はこの時代にあって反転して継承される。つまり微かなアイロニーを含んだ憧れとして、である。たとえばアルバム冒頭に収録された西浦マリのソロ・ユニット mukuchi の “午前十時の映画祭” などは、私にはまさにピチカートの『カップルズ』の楽曲のように聴こえた(特に “七時のニュース” などの鴨宮諒の楽曲群)が、しかしこの曲は、87年に制作されたピチカートの曲とは異なり、現代のムードを濃厚に捉えているのだ。特に「ツタヤでは100円でレンタルできる名画を映画館に観に行くことの贅沢さ」をいささかのアイロニーと共に歌っている点は重要に思えた。80年代・90年代とは違う「この時代特有の捻じれた不景気さ」(その意味でバブルが崩壊直後の状況を歌っていた第三期ピチカート・ファイヴとの繋がりを考えてしまう)。ちなみに西浦マリ= mukuchi は関西の漁村に在住し、これら珠玉の印派的なDIY歌謡曲を制作したという。
 以降、各収録曲の詳細と解説はCDに付属のライナーに書かれているので、ぜひともCDを購入してそちらを読みこんでほしいので、ここでは簡単な楽曲の紹介にとどめたい。まず関西在住のトラックメーカー SNJO による “Ghost” と SNJOとゆnovation “Days” は、80年代AORと90年代渋谷系と00年代ダフト・パンクを交錯されたタイニー・ファンク・AOR(+ラップ)といった楽曲。
 wai wai music resort の “Blue Fish” は、ミニマルなエレクトロニック編成のハイ・ラマズのような趣の箱庭ポップで、メロディの切なさが胸に迫る。wai wai music resort で作詞・作曲・編曲を務めるエブリデのソロ名義 “牛の記憶” はキリンジ直系の捻じれた叙情が堪らない名曲だ。そして「tiny pop」の提唱者であり、コンピレーションの監修者で、サックス奏者にしてインプロヴァイザーである山田光が「しょぼいポップス」を作ろうと天啓を受けて始めた feather shuttles forever の “ウェルウィッチア” は、「ele-king」の野田努氏のアイデアという「ウッドベースとサックスのサンプルとボサノバ的なギター」から始まった楽曲。「ジャズとポップの融合」だが大げさにならず、慎ましやかで、しかしジャズにもボサノヴァにも「似ていない」洗練された演奏と編曲が耳を潤してくれる。アルバムを締めくくるに相応しい名曲だ。ヴォーカルは mukuchi の西浦マリ。

 ここでとんでもない爆弾級のアーティストをひとつ飛ばしていることにお気づきだろう。そう、日本アンダーグラウンド・フォーク音楽の系譜を継ぐ「ゆめであいましょう」というユニットだ。
 ゆめであいましょうは作詞・作曲・編曲の宮嶋隆輔とヴォーカルの蒲原羽純によるユニット。本コンピレーションには “見えるわ”、“シャンマオムーン”、“誰もが誰かに” の3曲が収録されているが、まるで80年代の未発表歌謡曲のような、もしくは売野雅勇と芹澤廣明コンビの知られざる女性アイドルのデモテープのような、というかそもそも過去も未来も関係なく80年代そのものがあるような、要するにここまで書いてきたことをすべてひっくり返すとんでもない劇薬のようなDIY歌謡曲なのである。これは何か?
 時間と空間をゆがめるような言葉の真の意味でサイケデリックとしか言いようがない感覚。じっさい DX-7 のようなシンセの音色と80年代歌謡曲のような歌唱は、作為や天然を超えて「そのもの」という存在感がある。
 そう、ゆめであいましょうにおいては、シティ・ポップ・リヴァイヴァルも失われた過去もすべて吹き飛んでしまうのだ。「本当の過去」を蘇生する力というべきか。これが現在の曲なのか。という疑問は、しかしこれは現在録音された音楽なのだという事実に否定される。心底、驚いた。ゆめであいましょうの3曲を収録したコンピレーションの監修者は本当に素晴らしい仕事をしたと思う。

 ともあれ全11曲、すべて綺羅星のような現在のポップ・ミュージックである。そしてパーソナルな音楽でもある。コンピューターによる作曲・録音環境と、インターネットによる楽曲の発表と配信が整備された時代だからこそ、生まれ、発表され、聴かれ、そして編まれた貴重な作品たちといえるだろう。このCDには「2020年の夜明けに相応しい新しい音楽シーン」が瑞々しく息づいている。20年代の始まりにぜひとも耳を傾けて頂きたい。

DJ HOLIDAY - ele-king

 大好評だった『ARIWA tunes from my girlfriend’s console stereo』の続編『Still listening to Ariwa's tunes~』が昨年のクリスマスにリリースされていて、こちらも評判を呼んでいる。
 ラヴァーズ・ロックとは80年代のUKで生まれたレゲエのサブジャンルで、もともとはジャマイカ移民の子たちのハートにぐさっと突き刺さる胸きゅんなポップ・レゲエを指している。サッチャー政権のど真ん中のポストパンク以降のヒリヒリとした時代において、移民たちのオアシスのような音楽として機能していたわけだが、聴けばわかるように、音楽的な魅力に溢れるこのスタイルが移民コミュニティの外でも大いに愛されることになったのは必然だった。日本でも昔からコンピが編まれたり、中古で人気だったり、地味にずっと愛され続けているジャンルである。で、2018年にSFPの今里くんがDJ HOLIDAY名義でミックスCDを手掛け、またさらにファンを増やしていると。
 2018年には石井“EC”志津男さんが手掛けた『The ROCKSTEADY BOOK』というジャマイカ音楽のメロウ・サイドを紹介するディスクガイドも評判となっているが、なんか最近、じわじわとレゲエ熱が来ているようだ。クラバーの話では、最近はダブステップのDJもハウスもDJも、レゲエやダブをかけることが多くなったそうで、久しぶりにレゲエが盛り上がってくれるかもしれない。このメロウなミックスCDをSFPの今里くんが手掛けていることも大きいですよね。今回も素晴らしい選曲のたまらくメロウな時間が待っています。アートワークもキュートだし、藪下さんのライナーも親切だし、これはもうぜひチェックしましょう。


V.A.
DJ HOLIDAY A.K.A. 今里 FROM STRUGGLE FOR PRIDE
── Still listening to Ariwa's tunes from my girlfriend's console stereo.

ARIWA/OCTAVE-LAB
Amazon

tiny pop sound cloudガイド - ele-king

 2020年が明けてまもなく、tiny popにフォーカスしたコンピレーションアルバム『Here’s that tiny days』が発売されました。このCDの発売をきっかけに、tiny popというジャンル名がさらに 多くの人に届いたように思われます。
 tiny popとは、インターネット普及以降に音楽を始めた世代を中心にした、あらたなポップス の潮流について何とはなしにつけられた呼称です。それは宅録によるパーソナルな表現でありつ つ、過去の歌謡曲やポップスの構造をどこか継承してもいるという特徴をもっていますが、それ ぞれのアーティストの表現の仕方や、めざす音像などはさまざまで、はっきりした定義があるわ けではありません。
 この記事ではネット上に公開されている、そんなtiny popと呼べるような曲をいくつか紹介し ていきたいと思います。今回は国内にかぎらず国外の曲も選んでいます(今回の選曲はフランス にやや偏ってしまいましたが......)。2020年もたくさんのtinyな出会いがありますように! enjoy !

・九丁目/はんてん
どろうみのメンバーであるセキモトタカフミ氏の曲をカバーしていたことから知ったアーティス ト。自身のルーツが反映されているというこの曲は、60年代前後の歌謡曲を思い浮かべるこっ てり系メロディーと打ち込みサウンドの組み合わせが面白い。

https://soundcloud.com/hantenattayo/ho146dmmmapk

・今日だけじゃなくて/nagahori25
nagahori25は、2012年8月から作曲を始め、主にsoundcloud上で曲を発表している。 どこか浮遊感のあるトラックに、親しみやすいメロディが合わさる不思議な魅力。サンクラ上に は大量の作品がアップロードされており、どの曲も新鮮で聴いていて楽しい。今回紹介したアカ ウント以外にもう一つアカウントがあり、そちらの名曲「全部ゆめ」も必聴。

https://soundcloud.com/nagahori25_part2/kyoudake

・東京無料配布中/フリーダム昼子
フリーダム昼子は東京を拠点に活動しているアーティスト。 東京へのラブソングというこの新曲は、メロディラインはポップでありつつも、曲の展開やト ラックの構成の進行が予想外で面白い。

https://soundcloud.com/fdhk_you/take_tokyo_for_free

・北京の水夫/ナントカズ
ナントカズは長野県を拠点に活動するアーティスト。 歌謡曲というより民謡風のメロディと最小限の楽器(テノリオン・カオシレーターなど電子楽器 とギターや鉄琴などの生楽器を使用しているらしい)で構成された伴奏から、そこはかとないサ ウダージを感じる。いくつかアップされているライブ音源もいい。

https://soundcloud.com/nantokas/9yszkmkgrzhy

・アマリリス/dodo
dodoはうちだあやこと不知火庵による2人バンド。このライブ音源は、uccelli、ごとうはるかの 2名がサポートに加わった4人体制のもの。 この曲は2019年8月の大阪ライブで聴いて衝撃を受けました(特にサビの手前「時の流れは激し いもので」の箇所の流れは何度もくりかえし聴きたくなる)。アマリリスは不知火氏が作曲した もの。うちだ氏作曲の「なにもかも」もおすすめ。「水泳」も名曲です。

https://soundcloud.com/dododododododododo/amaryllis-live-at-nanahari-on-20190331

・最後の约会/馬渕モモ
馬淵モモは京都のポップデュオHi, how are you?のメンバー。 アップロードされている曲の日付はどれも今年のものばかり。強風に吹き飛ばされてしまいそう なほどに控えめでチャーミングなボーカルによって歌われる歌謡曲。70~80年代アイドルソン グ風の一曲「メロウ・サマー」も一押し。

https://soundcloud.com/user-57665187/htsufkjp3tce

・恋はパキパキ(架空アイドル)/kumaki & yuki
yukifurukawaはポーコスなどのバンドで活動するアーティスト。この曲はyukifurukawaの別名義 (?)のkumaki & yukiのものと思われる。 シップスクラークか!シップスクラークか!という箇所は一度聴くと病みつきに。この一曲は他 にアップされているものとは異なるポップなサウンドとなっている。ポーコスの音源も素晴らしい。

https://soundcloud.com/ykfrkw/ezrz8qsg6ccm

・誰かが捨てた夢/pikonosuke
pikonosukeは東京で活動するアーティスト。 #Latinというタグのとおり、サンバ風のチャカポコサウンドが魅力的な一曲。展開に大きな高低 差のないことが、かえってメロディーの良さを引き立てている。

https://soundcloud.com/pikonosuke/album-version

・秘密の扉/素敵な回路
素敵な回路はいしいともや氏による1人ユニット。 なんど聴いてもその慎ましさに感じ入ってしまうこの曲は、suppa micro pamchoppプロデュー スのアルバム『回路』に収録されているもの。水滴のようにも聞こえる電子音が気になるが、ど んな機材を使っているのだろうか。

https://soundcloud.com/sutekinakairo/qho8s1rbi2qv

・Combien de mondes/Gajeb
フランスのアーティスト。1人ユニットなのかと思い込んでいたが4人グループらしい。 電子楽器をベースとしたトラックに、あまりエフェクトのかかっていない、独り言のようなボー カルがいい。
この曲が収録されているアルバム『Gajeb et ses ami.e.s reprennent des chansons de Jean-Luc le Ténia』はGajeb以外にも複数のアーティストが参加しているようだが、フランスのtiny popコ ンピレーションアルバムなのかというくらいどれも素晴らしい。

https://soundcloud.com/gajeb/combien-de-mondes

・bandcamping/maison carton
フランスのアーティスト。 子供の声のような気がするが、詳細不明(bandcampのアーティスト写真も2人の子供の写真が 使われている)。キーボードがメインかと思って聴いていると突然いかついギターソロが入って くる曲もあり驚いた。フランスではライブもしているらしいが、どんなライブなのだろうか...... 。この曲につけられた#loose musicというタグには納得させられた。

https://soundcloud.com/maisoncarton/bandcamping

・port-royal/Laura Madeleine Juliette
フランスのアーティスト。アップされている中でもメロディがはっきりとしたものを選んだが、そのほかにもラップ調のも の、インストなど色々ある。とくにこの曲はtiny pop好きのセンサーが反応してしまう一曲なの ではないかと思い選んだ。
ベルギーの“Musique Muscle”というレーベルから出ているコンピに一曲参加しており( https://soundcloud.com/user-597893369/13-laura-madeleine-juliette )こちらのコンピも全曲tiny popでおすすめ。

https://soundcloud.com/laura-mad-ju-818895703/port-royal

・Ya me voy a mi Lanalhue/dadalu
チリのアーティスト。最近はラップの曲が多いようだが、この曲のようなメロディアス系tiny popも複数ある。間奏の センチメンタルなシンセのメロディが良い。Chica king kong (https://soundcloud.com/chicakingkong)というグループのメンバーでもあるらしいが、こちら もキュートなナンバーが揃っておりおすすめ。

https://soundcloud.com/dadalu/ya-me-voy-a-mi-lanalhue

gummyboy - ele-king

 Mall Boyz として発表した “Higher” が大きなヒットを飛ばし、Tohji とともに一躍2019年を代表する存在となったラッパーの gummyboy。昨秋は Mall Boyz の全国ツアーも開催し、まさにいまノりにノっている彼が、本日、新曲 “f***in' boy” をリリース。同時にMVも公開されている。今年はさらなる飛躍を遂げるだろうこの新星、まだ知らない人はしっかり注目しておいたほうがいいですよ。

Tohji と共に Mall Boyz を率いる gummyboy がニュー・シングル「f***in' boy」をMVと共にリリース。

2019年を象徴する楽曲となった “Higher” のリリースや、観客を圧倒する数多くのショーケースで、いまジャンルを超えて東京で最も注目されている存在の Mall Boyz。Tohji と共にクルーを率い、ソロ活動での飛躍も期待される gummyboy の新作が待望のリリースとなる。

本作「f***in' boy」は2020年2月リリース予定の新作ミックステープからの先行シングル第一弾。 内省的でエモーショナルな楽曲の印象が強い gummyboy だが、“f***in' boy” はアッパーなトラックの上に、新しいフローが乗った印象的な楽曲となった。

ミュージック・ビデオのディレクターは、同年代ラッパーのビジュアルやビデオを多く手がけ、アナログテープやカメラを多用した作風で注目を集める lilsom を起用。これまで見ることのできなかった gummyboy の新しい側面が、独特の質感でアグレッシブに表現されている。

全国ツアーの開催、O-East や LIQUIDROOM といった大きなステージでのパフォーマンスなど、飛躍の年となった2019年を経た gummyboy の第二章がこのシングルから始まる。

「f***in' boy」MV
https://www.youtube.com/watch?v=rkYBpGM9tnc

リリース情報
アーティスト:gummyboy
タイトル:f***in' boy
リリース日:2020年1月10日

gummyboy bio

guumyboy / アーティスト

2018年末、1st EP「Ultimate Nerd Gang」をリリース。直後 Tohji と共に Mall Boyz として「Mall Tape」を発表。収録された “Higher” が大ヒットとなり、2019年のヒップホップを代表する曲となる。Tohji と共に超満員の O-East や LIQUIDROOM、また Ultra Korea への出演を果たし、その人気を確固たるものとした。

2nd EP「pearl drop」では、gummyboy の魅力である叙情的なリリックとキャッチーなメロディが遺憾無く発揮され、典型的なヒップホップとは一線を画すそのアーティスト像がより洗練された。2020年2月には自身初のミックステープのリリースを控えており、いまもっとも勢いに乗るラッパーの一人。

lilsom bio

1995年生まれ。ディレクター、フォトグラファー。

2017年、jinmenusagi “BEAUTiFULL” のMVでディレクターとしてデビュー。その後ヒップホップを中心に、Tohji、TRASH ODE、ACE COOL など同世代アーティストのMVやアーティスト写真を撮影している新進気鋭の作家。

映像、写真共にアナログテープやフィルムによる実験的なアプローチを好み、独特の質感で印象的な作品を残し続けている。

またこれまでのキャリアを生かし、スタイリングやヘアーのディレクションも行うことが多く、全体的なクリエイティブ・ディレクションを得意とする。

TERAO SAHO - ele-king

 清らかにして芯のある歌で多くの人びとに勇気を与えてきたシンガーソングライター、寺尾紗穂が3月4日にニュー・アルバムをリリースする。前作『たよりないもののために』(17)の後は、盟友・あだち麗三郎、伊賀航とのバンド=冬にわかれての一員としても活躍し、他方で文筆業にも精力的に取り組むなど、充実した創作をつづけてきた彼女だけれど、今度の新作『北へ向かう』はなんとキャリア最高傑作との触れ込みである。これは期待せずにはいられない。詳しくは下記をチェック!

現代に於いて最も真摯に「歌」の姿を追い求めて来たシンガー・ソングライター、寺尾紗穂によるキャリア最高傑作『北へ向かう』、3月4日リリース

今こそ、本当の「歌」が輝きを放つとき──。
現代に於いて最も真摯に「歌」の姿を追い求めて来たシンガー・ソングライター、寺尾紗穂によるキャリア最高傑作『北へ向かう』がここに完成。ともに「今」を歩みつづける音楽家たちと作り上げた、11の輝きと、それぞれの物語。

2007年のデビュー以来、真の「歌」の姿を紡ぐように、数々の名作の発表やコンサート活動を続けてきた、シンガー・ソングライター、寺尾紗穂。常に時代の先端にありながらこの世界の様々な人びとや物事に慈しみを注いできた彼女の活動は、今や老若男女の全世代から、そして国境を超えた数多くのリスナーからも厚い支持を受けるに至っている。その美声とともに全国各地をめぐる音楽家としての真摯な活躍の傍ら、多くの単著を持つ文筆家としても活動する彼女。その可憐にして凜とした存在感は、今まさに多くの人へ安らぎと勇気を与えていると言えよう。

近年では、自作曲の発表とあわせて各地のわらべうた/子守唄を発掘し、清廉なアレンジを施した上で現代に提示する、稀代の「ソング・キャッチャー」としても活躍するなど、その活動のフィールドをますます広げている。また、ソロ活動と並行して、盟友・あだち麗三郎、伊賀航とのトリオ・バンド「冬にわかれて」を結成。ライブ出演はもちろん、アルバムのリリースも敢行するなど、その創作の充実はとどまるところをしらない。

そんな中、2017年の前作『たよりないもののために』以来約3年ぶりとなるオリジナル・ソロ・アルバム『北へ向かう』を発表することとなった。まさに待望と言うべき本作は、これまでの寺尾紗穂の活動を集大成する傑作だと断言すべきであるとともに、2020年代における「歌」の姿とそのゆくえを鮮やかに提示するものだ。

ゲスト・ミュージシャンにはともに「今」を歩み続ける多彩な面々が集結し、寺尾紗穂の流麗な歌声とピアノ演奏に、華やぎと豊かな感情を注いでいる。寺尾の実父・寺尾次郎の逝去に際し書き上げた “北へ向かう” は、キセルによるふくよかな編曲と演奏を伴い、キャリアに燦然と輝く名曲の誕生を予感させる。また、あだち麗三郎と伊賀航という気の置けない二人を交えた、“心のままに”、“選択” の温かでいて鮮烈なグルーヴ。蓮沼執太による編曲の元、歌とオーケストレーションの新たなスタンダードを作り上げた “やくらい行き”。マヒトゥ・ザ・ピーポーのエモーショナルかつ繊細なギターが彩る “白虹”、“夕まぐれ”。U-zhaan によるメロディックなタブラが寄り添う “記憶”……。収められた全ての楽曲が、「今歌われるべき」という細やかな萌芽に満ちた、決定的アルバム作品がここに完成した。

「歌」は、聴くものによってその物語を紡ぎ出す。すべての人の胸に、このうつくしい歌がとどきますように。

《商品情報》
アーティスト:寺尾紗穂
タイトル:北へ向かう
レーベル:Pヴァイン
商品番号:PCD-27044
フォーマット:CD
価格:定価:¥2,700+税
発売日:2020年3月4日(水)

収録曲
01. 白虹
02. 北へ向かう
03. 一羽が二羽に
04. やくらい行き
05. 安里屋ユンタ
06. 君は私の友達
07. 選択
08. そらとうみ
09. 記憶
10. 心のままに
11. 夕まぐれ エレクトリックギターバージョン

参加ミュージシャン:あだち麗三郎(ドラム、パーカッション)、伊賀航(ベース)、池田若菜(フルート)、歌島昌智(民族楽器)、キセル(編曲、ギター、ベース、コーラス)、北山ゆうこ(ドラム、コーラス)、ゴンドウトモヒコ(ユーフォニアム、フリューゲルホルン)、千葉広樹(バイオリン)、蓮沼執太(編曲)、マヒトゥ・ザ・ピーポー(ギター)、U-zhaan(タブラ)

寺尾紗穂
1981年11月7日生まれ。東京出身。
大学時代に結成したバンド Thousands Birdies' Legs でボーカル、作詞作曲を務める傍ら、弾き語りの活動を始める。2007年ピアノ弾き語りによるメジャーデビューアルバム『御身』が各方面で話題になり,坂本龍一や大貫妙子らから賛辞が寄せられる。大林宣彦監督作品「転校生 さよならあなた」、安藤桃子監督作品「0.5ミリ」(安藤サクラ主演)の主題歌を担当した他、 CM、エッセイの分野でも活躍中。2009年よりビッグイシューサポートライブ「りんりんふぇす」を主催。2017年6月にアルバム『たよりないもののために』を発表、来る2020年3月、待望されていた最新作『北へ向かう』をリリースする。
坂口恭平バンドやあだち麗三郎、伊賀航と組んだ3ピースバンド冬にわかれてでも活動中。

著書に『評伝 川島芳子』(文春新書)『愛し、日々』(天然文庫)『原発労働者』(講談社現代文庫)『南洋と私』(リトルモア)『あのころのパラオをさがして 日本統治下の南洋を生きた人々』(集英社)『彗星の孤独』(スタンドブックス)があり、新聞、ウェブ、雑誌などでの連載を多数持つ。

2006年3月 1stミニアルバム『愛し、日々』発表。
2007年4月 メジャー第一弾となる2ndアルバム『御身onmi』発表。
2007年6月 1stシングル『さよならの歌』発表
2008年5月 3rdアルバム『風はびゅうびゅう』発表。
2009年4月 4thアルバム『愛の秘密』発表。
2010年6月 5thアルバム『残照』、2ndシングル『「放送禁止歌」』発表。
2012年6月 6thアルバム『青い夜のさよなら』発表。
2015年3月 7thアルバム『楕円の夢』発表。
2016年8月 『私の好きなわらべうた』発表。
2017年6月 8thアルバム『たよりないもののために』発表。
2020年3月 9thアルバム『北へ向かう』発表。

www.sahoterao.com

  1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 100 101 102 103 104 105 106 107 108 109 110 111 112 113 114 115 116 117 118 119 120 121 122 123 124 125 126 127 128 129 130 131 132 133 134 135 136 137 138 139 140 141 142 143 144 145 146 147 148 149 150 151 152 153 154 155 156 157 158 159 160 161 162 163 164 165 166 167 168 169 170 171 172 173 174 175 176 177 178 179 180 181 182 183 184 185 186 187 188 189 190 191 192 193 194 195 196 197 198 199 200 201 202 203 204 205 206 207 208 209 210 211 212 213 214 215 216 217 218 219 220 221 222 223 224 225 226 227 228 229 230 231 232 233 234 235 236 237 238 239 240 241 242 243 244 245 246 247 248 249 250 251 252 253 254 255 256 257 258 259 260 261 262 263 264 265 266 267 268 269 270 271 272 273 274 275 276 277 278 279 280 281 282 283 284 285 286 287 288 289 290 291 292 293 294 295 296 297 298 299 300 301 302 303 304 305 306 307 308 309 310 311 312 313 314 315 316 317 318 319 320 321 322 323 324 325 326 327 328 329 330 331 332 333 334 335 336 337 338 339 340 341 342 343 344 345 346 347 348 349 350 351 352 353 354 355 356 357 358 359 360 361 362 363 364 365 366 367 368 369 370 371 372 373 374 375 376 377 378 379 380 381 382 383 384 385 386 387 388 389 390 391 392 393 394 395 396 397 398 399 400 401 402 403 404 405 406 407 408 409 410 411 412 413 414 415 416 417 418 419 420 421 422 423 424 425 426 427 428 429 430 431 432 433 434 435 436 437 438 439 440 441 442 443 444 445 446 447 448 449 450 451 452 453 454 455 456 457 458 459 460 461 462 463 464 465 466 467 468 469 470 471 472 473 474 475 476 477 478 479 480 481 482 483 484 485 486 487 488 489 490 491 492 493 494 495 496 497 498 499 500 501 502 503 504 505 506 507 508 509 510 511 512 513 514 515 516 517 518 519 520 521 522 523 524 525 526 527 528 529 530 531 532 533 534 535 536 537 538 539 540 541 542 543 544 545 546 547 548 549 550 551 552 553 554 555 556 557 558 559 560 561 562 563 564 565 566 567 568 569 570 571 572 573 574 575 576 577 578 579 580 581 582 583 584 585 586 587 588 589 590 591 592 593 594 595 596 597 598 599 600 601 602 603 604 605 606 607 608 609 610 611 612 613 614 615 616 617 618 619 620 621 622 623 624 625 626 627 628 629 630 631 632 633 634 635 636 637 638 639 640 641 642 643 644 645 646 647 648 649 650 651 652 653 654 655 656 657 658 659 660 661 662 663 664 665 666 667 668 669 670 671 672 673 674 675 676 677 678 679 680 681 682 683 684 685 686 687 688 689 690 691 692 693 694 695 696 697 698 699 700 701 702 703 704 705 706 707 708 709 710 711 712 713 714 715 716 717 718 719 720 721 722 723 724 725 726 727 728 729 730 731 732 733 734 735 736 737 738 739 740 741 742 743 744 745 746 747 748 749 750 751 752 753 754 755 756 757 758 759 760 761 762 763 764 765 766 767 768 769 770 771 772 773 774 775 776 777 778 779 780 781 782 783 784 785 786 787 788 789 790 791 792 793 794 795 796 797 798 799 800 801 802 803 804 805 806 807 808 809 810 811 812 813 814 815 816 817 818 819 820 821 822 823 824 825 826 827 828 829 830 831 832 833 834 835 836 837 838 839 840 841 842 843 844 845 846 847 848 849 850 851 852 853 854 855 856 857 858 859 860 861 862 863 864 865 866 867 868 869 870 871 872 873 874 875 876 877 878 879 880 881 882 883 884 885 886 887 888 889 890 891 892 893 894 895 896 897 898 899 900 901 902 903 904 905 906 907 908 909 910 911 912 913 914 915 916 917 918 919 920 921 922 923 924 925 926 927 928 929 930 931 932 933 934 935 936 937 938 939 940 941 942 943 944 945 946 947 948 949 950 951 952 953 954 955 956 957 958 959 960 961 962 963 964 965 966 967 968 969 970 971 972 973 974 975 976 977 978 979 980 981 982 983 984 985 986 987 988 989 990 991 992 993 994 995 996 997 998 999 1000 1001 1002 1003 1004 1005 1006 1007 1008 1009 1010 1011 1012 1013 1014 1015 1016 1017 1018 1019 1020 1021 1022 1023 1024 1025 1026 1027 1028 1029 1030 1031 1032 1033 1034 1035 1036 1037 1038 1039 1040 1041 1042 1043 1044 1045 1046 1047 1048 1049 1050 1051 1052