「ZE」と一致するもの

新代田FEVER × GOOD HOOK - ele-king

 これまで数々の公演を催し、東京の音楽シーンを支えてきたライヴハウスの新代田FEVERと、多くのミュージシャンのグッズを手がけてきたオンラインショップ GOOD HOOK がコラボレイト、アパレル4アイテムを期間限定で受注販売する。
 Tシャツ、ロングスリーヴTシャツ、アノラックジャケット、サコッシュの4種が発売され、いずれもデザイナー Face Oka による描き下ろしイラストが配される。
 詳しくは下記をチェック。

デザイナーFace Oka氏描き下ろしデザイン
ライブハウス新代田FEVER×GOOD HOOKアパレル4アイテム
期間限定受注販売開始!!

ライブハウス新代田FEVERと多くのミュージシャンのグッズ製作を手がけるPrinters内のGOOD HOOKとのコラボレーションアイテムが期間限定での受注販売を開始。
デザインは新代田や羽根木にゆかりのある人気のデザイナーFace Oka氏の描き下ろし。
アイテムはこれからの季節に重宝できるTシャツ、ロングスリーブTシャツ、と
アウトドアシーンでも活躍できるアノラックジャケット、サコッシュの4点。

Tシャツ、ロングスリーブTシャツは胸のワンポイントとFace Oka氏の世界観が凝縮されたバックデザインが目を魅く。同じくアノラックジャケットはバックデザインは同様ながら、胸のワンポイントロゴが刺繍になっており、高級感ある仕上がり。サコッシュは鮮やかなオレンジボディにモノクロのデザインが落とし込まれた可愛い仕上がりになっている。

写真のモデルはこちらも今シーンで注目を集めつつある、アーティストのA VIRGIN氏。
カメラマンは小野 由希子氏が担当。

・SHINDAITA FEVER × GOOD HOOK TEE Design by Face Oka
Price:4200円 Color:ホワイト SIZE:S~XL
S : 身丈:約63cm / 身幅:約47cm /肩幅:約42cm / 袖丈:約18cm
M : 身丈:約68cm / 身幅:約52cm / 肩幅:約46cm / 袖丈:約22cm
L : 身丈:約72cm / 身幅:約55cm / 肩幅:約50cm / 袖丈:約22cm
XL : 身丈:約75cm / 身幅:約60cm / 肩幅:約55cm / 袖丈:約23cm

・SHINDAITA FEVER × GOOD HOOK LONG SLEEVE TEE Design by Face Oka
Price:4500円 Color:サンドカーキ SIZE:S~XL
S : 身丈:約65cm / 身幅:約49cm /肩幅:約42cm / 袖丈:約60cm
M : 身丈:約69cm / 身幅:約52cm / 肩幅:約45cm / 袖丈:約62cm
L : 身丈:約73cm / 身幅:約55cm / 肩幅:約48cm / 袖丈:約63cm
XL : 身丈:約77cm / 身幅:約58cm / 肩幅:約52cm / 袖丈:約64cm

・SHINDAITA FEVER × GOOD HOOK ANORAK JACKET Design by Face Oka
Price:14000円 Color:ブラック SIZE:S~XL
S : 身丈:約74cm / 身幅:約57cm / 裄丈:約89cm
M : 身丈:約76cm / 身幅:約56cm / 裄丈:約92cm
L : 身丈:約79cm / 身幅:約62cm / 裄丈:約96cm
XL : 身丈:約81cm / 身幅:約66cm / 裄丈:約100cm

・SHINDAITA FEVER × GOOD HOOK SACOCHE Design by Face Oka
Price:3500円 Color:オレンジ SIZE:FREE
タテ16cm × ヨコ23.5cm(底マチ無し)
ショルダーストラップ 152cm(調節可能)
容量:約1.5L

✴受注期間
4月6日(火)20:00~4月16日(金)23:59まで
URL:https://www.goodhook.net/

FACE OKA
台湾人の父と日本人の母を持つ、東京生まれのアーティスト。
アパレル、広告、雑誌を中心に国内外問わずグローバルなアーティストとして活動の幅を広げている。
URL : www.faceoka.com
Instagram : @face_oka

A VIRGIN
2010年 バンドTADZIO結成
2011年 フジロック・ルーキーアゴーゴーにHair Stylistics(中原昌也)と出演
2016年 バンド解散
2018年 ハードコアバンドYALLA(@y_a_l_l_a_)結成
2019年 ソロ活動“A VIRGIN”開始
2020年 ファーストアルバム『“A VIRGIN”』デジタルと限定アナログ(book付き)発売
Instagram:@avirgin519

小野 由希子(Yukiko Ono)
1988年生まれ
埼玉県出身
大学在学中は写真部に所属。ライブ写真やアーティスト写真、CDジャケットなどを中心に手がける。
2017年 映画『GARAGE ROCKIN' CRAZE』撮影協力。
2019年 写真集『LEARNERS ADDICT』刊行。
Instagram:@yukiko_ono

susumu yokota - ele-king

 数が多ければいいというわけではないが、しかし、試しにスポティファイで彼の名を呼び出してみたまえ。横には250万、180万、150万といった大きな数字が並んでいる。彼の音楽は世界じゅうで聴かれ、愛されている。
 日本を代表する電子音楽家がベートーヴェンやチャイコフスキー、サン=サーンスなどのクラシック音楽をサンプリングしたエレクトロニカ作品、2004年に発表された横田進の後期代表作『symbol』がリマスターされ、CDとLPでリイシューされる。
 その大胆なカットアップとビートとの組み合わせ方はいま聴いても斬新で、モダン・クラシカルの観点から見ても特異な、類まれなる作品といえよう。CDは6月2日、LPは8月18日に発売。美しき音の世界へ。

孤高の電子音楽家、横田進が追い求めた美の世界! 自らが主宰したレーベル〈skintone〉名盤リイシューシリーズ第一弾として後期代表作『シンボル』最新リマスタリングCD再発&初LP化!

「楽しみながら作品を作ったことはない、ぶっ飛んで作るか、涙を流しながら作るかだ」と、1997年暮れの池尻での取材で横田はぼくに語っている。『symbol』が涙を流しながら作った作品であることは、何度か彼を取材した人間として言わせてもらえれば、間違いない。 ──野田努(ele-king) * ライナーノーツより

かつて海外メディアから、日本人はなぜレディオヘッドを評価してススム・ヨコタを評価しないのかと言われたように、海外ではロンドンで回顧展が開催されるほどに評価されている横田進。彼の短い人生のなかで作られた、美しい電子音楽の傑作がここにリイシューされる。通算30枚目のアルバム、彼のレーベル〈Skintone〉からは8枚目となる『symbol』は、2004年10月27日にリリースされている。「象徴主義ということを意識して作った」と当時の取材で彼は答えているが、ここには彼の美学が集約されていると言えるだろう。「思えば、僕がやってきたことは象徴主義的だった。精霊であったり、天使であったり、魂であったり、そういうものはつねの自分のなかのテーマとしてあった」、横田は当時こう語っている。クラシック音楽の断片をカットアップしながら、彼が追い求める美を描写した問題作──リマスタリングされて、いよいよその魅力が世界に放たれる!

[susumu yokota]

90年代初頭から音楽活動を開始、1993年にドイツのテクノレーベル〈Harthouse〉から発表した『Frankfurt Tokyo Connection』が国内外で話題となり注目を集めると翌94年には日本人として初めてベルリンのラヴ・パレードに出演、レイヴ・カルチャー黎明期の日本においてシーンを牽引するテクノ/ハウス/エレクトロニカのプロデューサーとして広く知られるようになる。90年代は主に〈Sublime Records〉、90年代末からは自身のレーベル〈skintone〉、さらにはロンドンの〈Lo Recordings〉などインディペンデント・レーベルを拠点に活動を続けていたが、2006年にはハリウッド映画『バベル』に楽曲を提供するなどメジャーなフィールドでも活躍している。長らく続いていた闘病生活の末2015年に永眠、約22年間の活動中に35枚以上のアルバムと30枚以上のシングルをリリースし2012年に発表した『Dreamer』が遺作となったが、没後もシーンの評価が揺らぐことはなく未発表音源のリリースやリイシューなどはコンスタントに行われ、2019年にはロンドンでメモリアル・イベントが開催されるなど今なお世界中のリスナーから愛されているアーティストである。

[アルバム情報]

アーティスト:susumu yokota
タイトル:symbol
レーベル:P-VINE
-CD-
品番:PCD-25324
定価:¥2,750(税抜¥2,500)
発売日:2021年6月2日(水)
-LP-
品番:PLP-7156
定価:¥3,850(税抜¥3,500)
発売日:2021年8月18日(水)

[収録曲]
01. long long silk bridge
02. purple rose minuet
03. traveler in the wonderland
04. song of the sleeping forest
05. the plateau which the zephyr of flora occupies
06. fairy dance of twinkle and shadow
07. flaming love and destiny
08. the dying black swan
09. blue sky and yellow sunflower
10. capriccio and the innovative composer
11. i close the door upon myself.
12. symbol of life, love, and aesthetics
13. music from the lake surface
* LP SIDE A: M1-M6 / SIDE B: M7-M13

ISSUGI - ele-king

 やはり彼はタダモノではない。バンド・サウンドを導入し新たなサウンドを展開した『GEMZ』、ビートメイカー 16FLIP として同作をリミックスした『16GEMZ』。ことばの紡ぎ手=ラッパーであると同時に、音にも徹底的にこだわる ISSUGI の音楽家としての側面がよくあらわれた両作だが、前者のインストゥルメンタル・ヴァージョンと後者をカップリングした2枚組CD『BEATS FOR GEMZ』が4月8日に発売される。完全限定プレスで、〈Pヴァイン〉のサイトのみでの販売。
 また、これを機に『GEMZ』と『GEMZ INSTRUMENTAL』のアナログ盤(完全限定プレス)も4月14日にリリースされる。同じく完全限定プレスだが、こちらは一般流通もされるとのこと。
 さらに、それらの2枚組CD『BEATS FOR GEMZ』と『GEMZ』『GEMZ INSTRUMENTAL』のアナログ盤をセットにした豪華な「GEMZ COMPLETE SET」も発売される(こちらは〈Pヴァイン〉のサイトのみでの販売)。
 音楽家 ISSUGI の探求を一気に知ることができるリリース、ぜひチェックを。

MONJU や SICK TEAM のメンバーとしても知られるラッパー ISSUGI の2019年作『GEMZ』のインストゥルメンタルと 16FLIP VS ISSUGI 名義での同作のリミックス『16GEMZ』のインストゥルメンタルをコンパイルした2枚組CD『BEATS FOR GEMZ』が完全限定プレスでリリース! また『GEMZ』とそのインストゥルメンタル・アルバムのアナログ盤のリリースも決定!

 〈DOGEAR RECORDS〉の中心的存在 MONJU、そして Budamunk、5lack と共に SICK
TEAM のメンバーであり、近年は BES & ISSUGI としても2作のアルバムをドロップする等、ソロ作は勿論繋がりがある仲間との共作に渡り自然体且つ揺るぎないセンスと自身が放つ共振力で常に音楽をアップデートし続ける感覚とスキルを持つラッパー ISSUGI。

 BUDAMUNK(PADS)、WONK の HIKARU ARATA(DRUM)、KAN INOUE(BASS)、CRO-MAGNON の TAKUMI KANEKO(KEYS)、MELRAW (SAX, FLUTE, TRUMPET, GUITAR)、DJ K FLASH(TURNTABLE)がバンド・メンバーとして集結し、Red Bull のサポートのもとバンド・サウンドを取り入れて制作された2019年リリースのアルバム『GEMZ』は、ヒップホップ・アーティストとしての ISSUGI のさらなる進化を感じさせる作品としてジャンルを超えて高く評価された。また昨年リリースされた ISSUGI 自身のビートメーカー/DJ名義である 16FLIP として同作収録曲をリミックスした作品『16GEMZ』も話題となった。その『GEMZ』のインストゥルメンタルと『16GEMZ』のインストゥルメンタルをコンパイルした2枚組のCD作品『BEATS FOR GEMZ』が完全限定プレスでリリース! 今作はDISC 1に『GEMZ』のインストゥルメンタルを、DISC 2に『16GEMZ』のインストゥルメンタルを収録。一般流通はなく P-VINE OFFICIAL SHOP のみでの販売となり、特典としてジャケット・デザインのステッカーが封入されています。
 また『GEMZ』とそのインストゥルメンタル・アルバム『GEMZ INSTRUMENTAL』がアナログ盤としてリリースも決定! 両タイトルとも2枚組仕様/完全限定プレスで一般流通もされ、4/14(水)に2作同時リリースとなります。

さらにその『BEATS FOR GEMZ』と『GEMZ』のアナログ盤、『GEMZ INSTRUMENTAL』のアナログ盤をセットにした「GEMZ COMPLETE SET」"2CD+2LP+2LP" (¥9,091円+税)も同じく P-VINE OFFICIAL SHOP のみ/限定セットで予約受付開始! こちらのセットにはその3作品の他にスペシャルな特典として


*『16GEMZ』A2ポスター

*『GEMZ』マグネット

*『Dogear Records』マグネット

の非売品3アイテムが付き、『GEMZ』と『GEMZ INSTRUMENTAL』を一般発売よりも一足早くゲット出来ます。
 『BEATS FOR GEMZ』と「GEMZ COMPLETE SET」の予約受付は本日18時よりスタートしていますのでご予約はお早めに!

*『BEATS FOR GEMZ』/「GEMZ COMPLETE SET」販売ページ
https://anywherestore.p-vine.jp/pages/issugi-beats-for-gemz

[BEATS FOR GEMZ 情報]
アーティスト: ISSUGI
タイトル: BEATS FOR GEMZ
レーベル: P-VINE, Inc. / Dogear Records
仕様: 2枚組CD(完全限定生産 / P-VINE OFFICIAL SHOP 限定商品)
発売日: 2021年4月8日(木)
品番: PCDS-1/2
定価: 2,970円(税抜2,700円)
https://anywherestore.p-vine.jp/products/pcds-1_2

[トラックリスト]
- DISC 1 -
01. GEMZ INTRO Instrumental / prod BUDAMUNK
02. ONE RIDDIM Instrumental / prod BUDAMUNK
03. NEW DISH Instrumental / prod 16FLIP & BUDAMUNK
04. BLACK DEEP ft. Mr.PUG, 仙人掌 Instrumental / prod 16FLIP
05. DRUMLUDE Instrumental / prod BUDAMUNK
06. HERE ISS Instrumental / prod 16FLIP
07. LIL SUNSHINE REMIX Instrumental
08. FIVE ELEMENTS ft OYG, Mr.PUG, 仙人掌 Instrumental / prod BUDAMUNK
09. 踊狂REMIX ft. 5lack Instrumental / prod BUDAMUNK
10. OLD SONG ft DEVIN MORRISON Instrumental / prod BUDAMUNK
11. HEAT HAZE REMIX ft Mr.PUG Instrumental / prod ENDRUN
12. LOUDER Instrumental / prod 16FLIP & DJ SCRATCH NICE
13. MISSION ft KOJOE Instrumental / prod HIKARU ARATA
14. 再生 Instrumental / prod BUDAMUNK
15. No.171 Instrumental / prod BUDAMUNK
16. GEMZ OUTRO Instrumental / prod BUDAMUNK

- DISC 2 -
01. GEMZ INTRO REMIX Instrumental
02. ONE RIDDIM REMIX Instrumental
03. NEW DISH REMIX Instrumental
04. FIVE ELEMENTS ft. OYG, Mr.PUG, 仙人掌 REMIX Instrumental
05. 再生 REMIX Instrumental
06. INTERLUDE Instrumental
07. 踊狂 ft. 5lack REMIX Instrumental
08. OLD SONG ft. DEVIN MORRISON REMIX Instrumental
09. MISSION ft. KOJOE REMIX Instrumental
10. GEMZ OUTRO REMIX Instrumental
*All Songs Remixed by 16FLIP

[GEMZ COMPLETE SET 情報]
アーティスト: ISSUGI
タイトル: GEMZ COMPLETE SET
レーベル: P-VINE, Inc. / Dogear Records
仕様: 2枚組CD+2枚組LP+2枚組LP (完全限定生産 / P-VINE OFFICIAL SHOP 限定販売)
発売日: 2021年4月8日(木)
品番: PVST-1
定価: 10,000円(税抜9,091円)
セット内容:
*『BEATS FOR GEMZ』(2CD)、『GEMZ』(2LP)、『GEMZ INSTRUMENTAL』(2LP)のセット
*特典として『16GEMZ』A2ポスター、『GEMZ』マグネット、Dogear Recordsマグネットが付属
https://anywherestore.p-vine.jp/products/pvst-1

[GEMZ - LP 情報]
アーティスト: ISSUGI
タイトル: GEMZ
レーベル: P-VINE, Inc. / Dogear Records
仕様: 2枚組LP (完全限定生産)
発売日: 2021年4月14日(水)
品番: PLP-6969/70
定価: 4,378 円(税抜3,980円)

[トラックリスト]
- SIDE A -
1. GEMZ INTRO / prod BUDAMUNK
2. ONE RIDDIM / prod BUDAMUNK
3. NEW DISH / prod 16FLIP & BUDAMUNK
4. BLACK DEEP ft. Mr.PUG, 仙人掌 / prod 16FLIP
- SIDE B -
1. DRUMLUDE / prod BUDAMUNK
2. HERE ISS / prod 16FLIP
3. LIL SUNSHINE REMIX
4. FIVE ELEMENTS ft OYG, Mr.PUG, 仙人掌 / prod BUDAMUNK
- SIDE C -
1. 踊狂REMIX ft. 5lack / prod BUDAMUNK
2. OLD SONG ft DEVIN MORRISON / prod BUDAMUNK
3. HEAT HAZE REMIX ft Mr.PUG / prod ENDRUN
4. LOUDER / prod 16FLIP & DJ SCRATCH NICE
- SIDE D -
1. MISSION ft KOJOE / prod HIKARU ARATA
2. 再生 / prod BUDAMUNK
3. No.171 / prod BUDAMUNK
4. GEMZ OUTRO / prod BUDAMUNK


[GEMZ INSTRUMENTAL - LP 情報]
アーティスト: ISSUGI
タイトル: GEMZ INSTRUMENTAL
レーベル: P-VINE, Inc. / Dogear Records
仕様: 2枚組LP (完全限定生産)
発売日: 2021年4月14日(水)
品番: PLP-6971/2
定価: 4,378 円(税抜3,980円)

[トラックリスト]
- SIDE A -
1. GEMZ INTRO Instrumental / prod BUDAMUNK
2. ONE RIDDIM Instrumental / prod BUDAMUNK
3. NEW DISH Instrumental / prod 16FLIP & BUDAMUNK
4. BLACK DEEP ft. Mr.PUG, 仙人掌 Instrumental / prod 16FLIP
- SIDE B -
1. DRUMLUDE Instrumental / prod BUDAMUNK
2. HERE ISS Instrumental / prod 16FLIP
3. LIL SUNSHINE REMIX Instrumental
4. FIVE ELEMENTS ft OYG, Mr.PUG, 仙人掌 Instrumental / prod BUDAMUNK
- SIDE C -
1. 踊狂REMIX ft. 5lack Instrumental / prod BUDAMUNK
2. OLD SONG ft DEVIN MORRISON Instrumental / prod BUDAMUNK
3. HEAT HAZE REMIX ft Mr.PUG Instrumental / prod ENDRUN
4. LOUDER Instrumental / prod 16FLIP & DJ SCRATCH NICE
- SIDE D -
1. MISSION ft KOJOE Instrumental / prod HIKARU ARATA
2. 再生 Instrumental / prod BUDAMUNK
3. No.171 Instrumental / prod BUDAMUNK
4. GEMZ OUTRO Instrumental / prod BUDAMUNK

Masahiro Takahashi & UNKNOWN ME - ele-king

 サン・アロウポカホーンティッドピーキング・ライツなどのリリースで知られるLAのレーベル〈Not Not Fun〉から、日本人アーティスト2組の新作がリリースされる。
 1組目はカナダ在住の Masahiro Takahashi によるカセット作品。さまざまな音楽や映画などからインスパイアされたアンビエント・ポップが奏でられている。
 もう1組は、やけのはら、P-RUFF、H.TAKAHASHI、大澤悠太からなるアンビエント・メディテーション・プロジェクト、UNKNOWN ME の初のLPで、食品まつりやジム・オルークも参加している。
 どちらもチェックしておきましょう。

アメリカの〈Not Not Fun Records〉から4月30日に同時発売される、日本人アーティスト2組

◆Masahiro Takahashi / Flowering Tree, Distant Moon

カナダ在住のマルチインストゥルメンタリスト Masahiro Takahashi が、パンデミック中のトロントで1人で制作した作品『Flowering Tree, Distant Moon』を、USの老舗〈Not Not Fun レコード〉からカセットでリリース。

窓から見える花ひらく林檎の木、雅楽、移民のノスタルジア、郷愁、ジョナス・メカス『リトアニアへの旅の追憶』、アンソニー・ムーア、小泉文夫、多和田葉子などからインスパイアされた、静かでみずみずしいアンビエント・ポップ。ソフトウェアシンセサイザー、グラニュラーサンプラー、プラグインエフェクター、iPad、MIDIコントローラーとシュルティ・ボックスにより制作。空想と子守唄の間で、音楽は揺れ、輝く弧を描いて解きはなたれる。枯れた林檎の木が白く開花するまでの時間。「部屋の外の世界を夢想し、記憶の中のメロディーをたどりました」。

Japanese multi-instrumentalist Masahiro Takahashi's latest album is a meditation on seasons and distance, recorded in isolation at his temporary home studio in Toronto. Following “the coldest winter I have ever experienced,” he began crafting hushed, lush vignettes of color wheel electronics with an array of software synthesizers, granular samplers,plug-in FX, MIDI controllers, and a shruti box.

The songs sway, shimmer, and unspool in sparkling arcs, between reverie and lullaby, inspired variously by blooming apple trees, gagaku music, the “nostalgia of immigrants,” and longing for home. Flowering Tree, Distant Moon moves from soothing to surreal, a swirl of quiet melody and imagined landscapes, as transportive for its listeners as its maker: “I dreamt of places outside my room and traced the music from my memories.”

Title: Flowering Tree, Distant Moon
Artist:Masahiro Takahashi
Label: Not Not Fun
Format : Cassette Tape
Catalogue No.: NNF371
Release Date: 2021/4/30

Masahiro Takahashi マサヒロ・タカハシ

マルチインストゥルメンタリスト。ギターや鍵盤、ソフトウェアを使い、音響的なアプローチと、メロディのある音楽をつくる。2021年、アメリカのテープシーンを牽引してきた〈Not Not Fun Records〉からカセットアルバム『Flowering Tree, Distant Moon』をリリース。これまでにベルギーの〈Jj Funhouse〉をはじめ、カナダやドイツ、UK、ロシアなど海外のインディーレーベルにて作品を発表している。2019年には Takao (エムレコード)のライブメンバーとして、ララージの東京公演オープニングをつとめた。カナダ在住。
https://masahirotakahashi.bandcamp.com/


◆UNKNOWN ME / BISHINTAI

やけのはら、P-RUFF、H.TAKAHASHI の作曲担当3人と、グラフィック・デザインおよび映像担当の大澤悠大によって構成される4人組アンビエント・ユニット「UNKNOWN ME」が、4作目となる待望の1st LP『BISHINTAI』を、米LAの老舗インディー・レーベル〈Not Not Fun〉からリリース。

都市生活者のための環境音楽であり、心と体の未知の美しさを探求する、多彩な曲調のアンビエント・メディテーション。食品まつり、ジム・オルーク、MC.sirafu、中川理沙、がゲスト参加。

The inaugural LP by Tokyo Metropolis electronica entity UNKNOWN ME, Bishintai, is a sublime synthetic suite of cosmic wellness transmissions exploring “the unknown beauty of your mind and body,” appropriately named for a kanji compound meaning “beauty, mind, body.” Crafted with software,synthesizer, steel drum, rhythm boxes, and robotic voice by the core quartet of Yakenohara, P-RUFF, H. Takahashi, and Osawa Yudai, the album unfolds like a holographic guided meditation, soothing but cybernetic,framed by subways and sky malls. Latticework electronics flicker with texture, glitch, wobble, and mirage, themed around sensory perception and body parts.

A diverse cast of collaborators assist in actualizing the collection's uniquely urban expression of new age ambient, from psychedelic footwork riddler foodman to multi-instrumentalist institution Jim O'Rourke to Japanese underground shape-shifters MC.Sirafu and Lisa Nakagawa. Although the group cites a therapeutic muse (“made for the maintenance of the minds of city dwellers”), Bishintai shimmers with an alien strangeness, too, like decentralized relaxation systems obeying sentient circuits. This is music of utopia and nowhere, channeling worlds within worlds, birthed from a sonic ethos as simple as it is sacred: “in pursuit of beautiful tones.”

Title:BISHINTAI
Artist:UNKNOWN ME
Label: Not Not Fun
Format : Record, Digital & Streaming
Catalogue No.: NNF360
Release Date: 2021/4/30

UNKNOWN ME

やけのはら、P-RUFF、H.TAKAHASHIの作曲担当3人と、グラフィック・デザインおよび映像担当の大澤悠太によって構成される4人組アンビエント・ユニット。“誰でもない誰かの心象風景を建築する” をコンセプトに、イマジネーションを使って時間や場所を自在に行き来しながら、アンビエント、ニューエイジ、バレアリックといった音楽性で様々な感情や情景を描き出す。2016年7月にデビュー・カセット「SUNDAY VOID」をリリース。2016年11月には、7インチ「AWA EP」を、2017年2月には米LAの老舗インディー・レーベル〈Not Not Fun〉より亜熱帯をテーマにした「subtropics」を、2018年12月には同じく〈Not Not Fun〉より20世紀の宇宙事業をテーマにした「ASTRONAUTS」をリリース。「subtropics」は、英国「FACT Magazine」の注目作に選ばれ、アンビエント・リバイバルのキー・パーソン「ジジ・マシン」の来日公演や、電子音楽×デジタルアートの世界的な祭典「MUTEK」などでライブを行った。2021年4月、都市生活者のための環境音楽であり、心と体の未知の美しさをテーマにした待望の1st LP『BISHINTAI』をリリース。

Andy Stott - ele-king

 10年代を代表するプロデューサーのひとり、アルバムごとにいろんな表情を見せるマンチェスターの異才、アンディ・ストットが通算8枚目となる新作『Never The Right Time』を〈Modern Love〉からリリースする。これまでの彼の作品の進化型であると同時に、ノスタルジアや魂の探求に導かれた曲もあるようだ。現在 “The Beginning” が先行公開中。ストットの元ピアノ教師にして近年のコラボレイターであるアリソン・スキッドモアのヴォーカルがフィーチャーされている。発売は4月16日。

3 久しぶりにCDを買った。 - ele-king

 先日久しぶりにCDを買いました。

 自分でCD買ったのは中学1年生のときのThe Strypes以来。Blue Collar Jane。懐かしい。 雑貨屋さんで良さげな音楽がかかっていて、売ってるものも可愛いし、いい店だなと思いながら見ているとCDが売っていてどうやら店内でかかっているのもそのCD。手に取ってみる と自作で小さい字でタイトルと曲名とアーティスト名がプリントされたシールが貼ってあるだけ。情報量の少なさが俄然興味をそそる。お店の方の話を聞くと店員さんの同居人が作っ たそう。ミステリアスで益々気になる。

1. Tomoya Ino - Phantasmagoria

 帰ってきて、埃のかぶったCD読み込むやつを探し出しダウンロード。17曲入りで全部良い。適当に買ったのにこんなに良いのってくらい良い。

 ほとんどインスト曲だけどギターの曲、ピアノの曲、padぽいシンセのアンビエントなどなど、バラエティ豊かだけど雑多で無く、派手すぎず地味すぎず、ちょうど良い。基本Lo-fiだけど飽きてきた頃にカオティックなノイズが出てきたり。こういうオールラウンドな“ちょうど良さ”を見つける感覚って貴重。

 残念ながら僕の買ったアルバムはネットには上がっておらず、アルバムの中の数曲が soundcloudとBandcampで聴けるようです。

 ネット上になかった僕のお気に入りの''Good morning''という曲はSteve Hiett, The Durutti Columnライクなメロディアスなギターの曲。ヴィニよりもバレアリック、チルアウト、 Lo-fi寄りなのが現代っぽい。

 最近僕はこういうまだほとんど世に知られていない音楽やミステリアスなアーティストに心惹かれる気持ちをより大切に思っていて。検索すればわりとマイナーなアーティストでもインタヴューの1、2本は出てくるし、TwitterやらInstagramで本人のつぶやきや私生活が見れる人もいるからネット上に情報が少ない人って好奇心をくすぐられる。 いままで貴重で興味深いものだったアーティストの私生活が、インターネットの発達とSNSの普及によって価値が薄れていってるのは社会全体でもあるんじゃないか。

2. Daft Punk

 さらばDaft Punk、the most enigmatic superstars in pop。いまさらダフト・パンクについてレヴューすることもないのですが、いざ解散すると言われると彼らについて話したくなる。僕は小学生のときipodに入れてもらってよく聴いていたので、たぶん僕のダンス・ミュージックの原体験はDaft Punk。自分がダンス好きって気付く前にポップ・ミュージックとしてDaft Punkを聴いてた人、若い世代だと多いのではないのでしょうか。

 久しぶりに“One More Time”なんか聴いたら、月並みですが、本当に体が勝手に踊り出す。“One More Time”の歌詞なんか気にしたことなかったけど、「We're gonna celeblate, don't stop dancing」ってダンス・ミュージックの歌詞としてこれ以上ないんじゃないかとちょっと感動。幼少期の記憶と結びついてる空っていうのもあるけど、開放と祝祭性の濃度が高すぎてパソコンの前で聴いてるだけなのにお腹がくすぐったくなる。

3. Zongamin - O! Versions

 カナダ・モントリオールの〈Multi Culti〉から2018年リリースの「O!」のリワーク版、「O! Versions」。 Mukai Susumuさんという日本生まれイギリス在住のアーティスト。Funk、Disco、House、Post Punkなど要素が多くて形容しがたいけど、怪しくオリエンタルな雰囲気で統一されて いる。自身で手掛けているジャケットのイラストも変で良い。

 KEXPでのFloating Pointsのライヴ映像でベースひいてたり意外なところで見かける。Mukai さんがメンバーのVanishing Twinというサイケバンドも◎。

4. ​Heisei No Oto - Japanese Left-field Pop From The CD Age (1989-1996)​- Various Artists

 アムステルダム、〈MUSIC FROM MEMORY〉から日本が最高潮で微妙な時代の珍妙なポップス。 僕はこの時代の邦楽全然聴いていないし、生まれてもいないので時代感もいまいちわからないのでJ-popというよりどこか近くの別の国の音楽に聞こえる。僕と同世代には新しいジャンルの音楽かも。

 細野晴臣アレンジの井上陽水「Pi Po Pa」は’90年NTTのイメージソングだったらしいですが、電話ランデブーって笑。いかにもバブリーな語感でウケる。
 シティポップ旋風もそろそろ下火かなと思ってたけどまだまだ掘り下げるようです。 そのうち“うっせぇわ”や“夜に駆ける”がどこかの国でヴァイナルとして再発されることでしょう。

Jlin × SOPHIE - ele-king

 ポーランドで毎年開催されている音楽とアートの祭典《Unsound Festival》が、初めてのアルバムをリリースした。
 おもに同フェスに関わってきたアーティストたちによる楽曲が収められており(どれもパンデミックに対する応答として委嘱された作品のようだ)、エッセイや詩、小説などから成る325ページにもおよぶ本とのセットも用意されている。
 冒頭のクリス・ワトソンにはじまり、ニコラス・ジャーベン・フロストムーア・マザーディフォレスト・ブラウン・ジュニアティム・ヘッカーなど、強力な面々が大集合しているが、目玉はやはりジェイリンソフィーのコラボだろう。
 ほかにも上海の 33EMYBW、スウェーデンの Varg²™、ナイロビのスリックバックなど、近年要注目のアンダーグラウンドの精鋭たちが参加しており、ショウケースとしても楽しめる内容になっている。ヴァイナルは4月16日に発売。

Various
Intermission
Unsound Festival
March 5th, 2021

01. Chris Watson - Unlocked
02. Bastarda - Aperte
03. Slater, Guðnadóttir, Grisey - Happy, Healthy, Safe
04. mixed by Nicolás Jaar - Aho Ssan, Angel Bat Dawid, Dirar Kalash, Ellen Fullman, Księżyc, Laraaji, Nicolás Jaar, Paweł Szamburski, Resina, Rolando Hernandez and Wukir Suryadi - Weavings (Part 1)
05. Zosia Hołubowska and Julia Giertz - Community of Grieving (Part 1)
06. Ben Frost, Trevor Tweeten & Richard Mosse - Fire Front near Humaitá (excerpt from Double-Blind)
07. Lutto Lento - Good Morning Go Tears
08. Jlin X SOPHIE - JSLOIPNHIE
09. 33EMYBW - The Room
10. Varg2™ & VTSS - VARGTSS2
11. Moor Mother & Geng - This Week
12. Slikback - ZETSUBO
13. DeForrest Brown, Jr. & James Hoff - Project for Revolution in New York
14. Tim Hecker, Agata Harz & Katarzyna Smoluk - Demeter & Johannes' Song of Pandemia
15. Jana Winderen - re_Surge

https://unsoundfestival.bandcamp.com/album/v-a-intermission

変遷する阿部薫のサウンド像について - ele-king

 3月3日にLOFT 9 Shibuyaで伊基公袁(イギー・コーエン)監督のドキュメンタリー映画『阿部薫がいた documentary of Kaoru Abe』がプレミア上映された。30分に満たない短編映画であり、阿部薫本人の映像は登場しないものの、さまざまな立場の人物による証言から稀代のサックス奏者を新鮮な視点で照らし出す、きわめて現代的な作品に仕上がっていた。


阿部薫の実家には遺影が飾られている。
映画『阿部薫がいた documentary of Kaoru Abe』より。

 映画は軋るようなサックス・サウンドを彷彿させる走行音が鳴り響くなか、列車に揺られて阿部薫の墓所へと向かうシーンから幕を開ける。カメラはその後、神奈川県川崎市にある実家を訪ね、住宅の一室で実の母・坂本喜久代が息子との思い出を振り返るシーンを映し出していく。いまやオリジナル盤が70万円もの高額で売買されているというレコード『解体的交感』の元になった同名コンサートに親戚一同で足を運んだ話。あるいはライヴのフライヤーやチケットなどが几帳面にファイリングされている様子など、ここで浮かび上がってくるのはことあるごとに神聖視されてきた伝説のミュージシャンではなく、ごく普通に親の愛情を受けて育った一人の人間の姿だ。一方、映画の節々には2015年に新宿ピットインで開催された阿部薫トリビュート・イベントの記録映像が挿入されており、大谷能生、大友良英、纐纈雅代、竹田賢一、吉田隆一らさまざまな世代の5名のミュージシャンによるトークとライヴがモノクロームの映像でテンポよく流される。阿部薫とは同時代を生きた存在であり、あるいは多大なる影響をもたらした先達であり、あるいは音楽的な分析対象でもあるといったふうに、それぞれの立場によって異なる人物像が形成されていく。映画の終盤では阿部薫のサックスの音源が繰り返しループされたあと、サンプリング・コラージュの様相を呈しつつ、突如として小さな子供が玩具のサックスを吹きながら遊ぶシーンへと移り変わって幕を閉じる。映画内で吉田隆一は阿部薫について「自分のやりたいことに特化して、そのための技術を身につけた人」と評していたが、ジャズをはじめとした既存の音楽語法を習得することだけが「技術」ではないことを考えれば、たしかに阿部薫は、彼にしか出すことができない音のために完璧な表現手段を身につけた、きわめて技巧的なミュージシャンだったと言える。だが同時にそのサウンドは、あたかも列車が軋む走行音=環境音や、子供が無邪気に遊びながら玩具のサックスを吹く音と、ほとんど等しい美しさを湛えているようにも聴こえはしないだろうか。あるがままの響きと原初的な音の歓びが、研ぎ澄まされた技術の果てにある極北のサウンドと重なり合うこと。


千歳飴を手に持つ幼少期の阿部薫のポートレート。
映画『阿部薫がいた documentary of Kaoru Abe』より。

 LOFT 9 Shibuyaでは、上映前に竹田賢一と吉田隆一が短いトークをおこない、上映終了後にはライターの大坪ケムタを司会に吉田隆一、柳樂光隆、沼田順、伊基公袁らによるトーク・セッションがおこなわれた。興味深いのは、阿部薫の音楽がマーク・ターナーやジョシュア・レッドマンら現代ジャズのサックス奏者によるミニマルで抑制された音色と比べられるかと思えば、ジャンルとしてのノイズ・ミュージックを聴く耳で体験する快楽が引き合いに出され、あるいはクラシック音楽のサックス奏者であるマルセル・ミュールとの類似が指摘されるなど、ジャンルを異にするさまざまなミュージシャンが議論の俎上に載せられたことだった。1970年代に活躍した阿部薫は、いまや日本のフリー・ジャズのコンテクストのみならず、多種多様な音楽を横に並べて聴きどころを探ることができるのだ。とりわけ昨年は、論集『阿部薫2020 僕の前に誰もいなかった』が文遊社から刊行されたほか、未発表音源『STATION '70』、『LIVE AT JAZZBED』、『19770916@AYLER. SAPPORO』が立て続けにリリースされるなど、阿部薫はここにきてあらためて注目を集めることになったミュージシャンの一人でもある。パンデミックによって音楽状況が激変したニーゼロ年代に、彼の音は、あるいはその生き方は、どのように捉え直すことができるのだろうか。そのことを考えるためにも、このタイミングで彼の音楽を振り返っておくことは有意義だろう。以下のテキストは、阿部薫が音楽活動を始めてから没後半世紀が経過した現在に至るまでにリリースされてきたほぼすべてのアルバムを、発表された順に辿り直すことによって、時代ごとにどのようなサウンド像が形成されてきたのかを素描する試みである。あくまでも素描であり、証言や資料を交えたより一層精緻な検証と考察が必要であることは論を俟たないが、少なくとも、時代ごとに異なるコンテクストで魅力を放ってきたその音/音楽に潜在する可能性は、いまだ汲み尽くされることなく未来へと開かれていると言うことはできるだろう。

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前提──録音物によって再構成されるミュージシャンの軌跡

 1949年5月3日、神奈川県川崎市出身。本名・坂本薫。68年に地元のジャズ・スポット「オレオ」でデビュー。アルト・サックス奏者として形式をもたない自由即興演奏に取り組み、都内のライヴ会場を拠点に全国各地への楽旅も敢行。73年には作家の鈴木いづみと出会い、結婚。74年冬ごろから翌75年夏にかけて一時的に表舞台から姿を消し、その前後で演奏内容も大きく変化している。70年代前半はスピード感あふれるパッセージと矢継ぎ早に繰り出される洪水のような音の奔流を得意としていたものの、音楽活動を再開してからは沈黙と間の比重が増し表現的かつ即物的な音の実験へと向かうようになる。サックスやバス・クラリネット、ハーモニカといった吹奏楽器のほか、とりわけ晩年はピアノ、ドラムス、ギター、シンセサイザーなど多種多様な楽器を積極的に使用。また生涯を通じて既存の楽曲の旋律を即興演奏のなかで繰り返し取り上げ、そのバリエーションは歌謡曲 “アカシアの雨がやむとき” や童謡 “花嫁人形” からボブ・ディランの名曲 “風に吹かれて”、さらに “チム・チム・チェリー” “恋人よ我に帰れ” “暗い日曜日” “レフト・アローン” “ロンリー・ウーマン” といったジャズ・スタンダードとしても知られる作品まで多岐にわたる。1978年9月9日、前日に睡眠薬ブロバリンを98錠服用したことによる急性胃穿孔で死去──云々。

 いま現在わたしたちが阿部薫を聴くということは、粗雑に描いても以上のような情報に加えて時代状況をめぐるコンテクストを念頭におきながら彼の音楽に接することを少なからず意味している。わたしたちはいまや、発掘録音や特典盤を含め50枚以上のアルバム、あるいは同時代を生きた関係者の証言、批評家が残したテキスト、ファンのエッセー、さらには幼少期から晩年までを断片的に写し取った写真や演奏する姿をありありと観察することのできる映像まで、膨大な情報を参照することによって、それなりの精度で阿部薫という一人のミュージシャンの足跡を辿り直すことができる。データ化された彼の情報を縫合することによって、あたかも同時代を生きているかのようにリアルな感触をともないながら彼の音楽を再構成してみせることができる。なかには稲葉真弓の小説そして同書を原作にした若松孝二監督の映画『エンドレス・ワルツ』のように、虚構を織り交ぜた物語として劇的な生涯を知ることもできるかもしれない──むろん死を分割払いしていく破滅的な思想を阿部薫の音と足跡にそのまま当て嵌めてしまうこともまた現実に回収し得ない一種の虚構的振る舞いであると言えるものの。いずれにしてもそのような情報が増えれば増えるほど、阿部薫というミュージシャンの「本当の姿」すなわちその音楽の「真実」に近づくことができるように見える。

 だがしかし、このように全体像をイメージしたうえで阿部薫の音楽に接するということ自体が、彼の死後半世紀近く経過し、数多くの資料に容易にアクセスできるようになった現在であればこそ経験できる出来事であるということには留意しなければならない。いまやわたしたちは阿部薫の名前が冠された録音作品について、それが最盛期か否か、晩年か否か、同時期に私生活ではどのような変化があったのかを知ることができるものの、少なくとも同時代にあっては、いかに彼の音楽が死の匂いを濃厚に漂わせていようとも、死の直前の演奏だとはつゆ知らずに「晩年」の音楽を聴いていただろうし、ある録音物を10年という短い活動期間の時間軸上に配置するパースペクティヴも得ようがなかったはずである。新たな情報が客観的事実の正確性をより一層高めることはあったとしても、新たな録音物が日の目を見ることは阿部薫の音楽の「真実」に近づくのではなく、むしろそのサウンド像にこれまでとは異なる視点を設けることを可能とする出来事であるに他ならない。以上のことを踏まえ、本稿ではこれまでリリースされてきた音源を彼の人生に沿ってクロノロジカルに並べるのではなく、むしろ録音物がリリースされることでどのようなサウンド像がその都度形成されてきたのかを素描するべく、三つの時代に分けて音盤を見ていくこととする。三つの時代とは、作者が存命中あるいは没後数年間を含む1970年代〜80年代前半、再評価の機運が高まった1980年代後半〜ゼロ年代前半、そして阿部薫をインターネット上に浮遊する音声ファイルの一つとして聴くことが容易に可能となったゼロ年代後半以降である*。

(註)
* なお本稿は阿部薫の完全なディスコグラフィーを目指す性格のテキストではないため、特典盤やリイシュー盤など言及していない作品もあることをここに付記しておく。また個人史ではなく録音受容史をテーマに据えているため、アルバムには録音年ではなくリリース年を年号として付している。

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同時代の響き──1970年代〜80年代前半

 阿部薫が存命中にリリースされたアルバムは数えるほどしかない。サックス奏者の高木元輝率いるトリオに飛び入り参加したトラックが収録されている『幻野』(1971年)と海賊盤の『WINTER 1972』(1974年頃)を、本人の名義が記されていないため除くのであれば、代表的なアルバムとしては音楽批評家の間章プロデュースによる『解体的交感』(1970年)と『なしくずしの死』(1976年)の2枚を挙げることができる。前者はギター奏者の高柳昌行と結成したデュオ「ニュー・ディレクション」による約1時間のセッションであり、新宿厚生年金会館小ホールで1970年に開催された同名コンサートを収録したものである。ノイジーだがフリー・ジャズ的な快楽とは異なる起承転結のない演奏が延々と続き、途中で阿部はハーモニカに持ち替え一瞬静寂が辺りを包むものの、基本的には激しい音のエネルギーが放射され続けていく。ルイ=フェルディナン・セリーヌの代表的な小説『夜の果てへの旅』の一節を朗読するミシェル・シモンの声から幕を開ける後者は、セリーヌのもう一つの代表作『なしくずしの死』のタイトルにあやかった1975年の同名コンサートと、その二日前のリハーサルを兼ねたレコーディング・セッションを収録した2枚組の大作である。音楽的な性質を帯びる前にフレーズを切断していく円熟期の阿部の演奏を捉えた貴重な記録であり、聴き返すたびに快楽のポイントが変異していくような、彼が残した作品のなかでもっとも既存の価値基準の彼岸をいくサウンドとでもいうべき、アルト・サックスとソプラニーノを用いたソロ・インプロヴィゼーションのまさに極北をいく作品である。


『なしくずしの死』

 『なしくずしの死』がリリースされた翌年の1977年から78年にかけて、やはり間章プロデュースによる海外のミュージシャンを迎えたスタジオ・セッションが録音されている。米国のドラマーであるミルフォード・グレイヴスとともにセッションをおこなった『メディテイション・アマング・アス』(1977年)は、阿部のほか近藤等則(トランペット)、高木元輝(テナー・サックス)、土取利行(パーカッション)が参加した作品だ。力強いドラミングを中心にクインテット編成で祝祭的な演奏をおこない、ミルフォードによるピアノおよびヴォイスの使用がスピリチュアルな雰囲気を醸し出すセッションのなかで、阿部はあくまでも全体のアンサンブルの一員としての役割を担っている。英国のギター奏者デレク・ベイリーが初来日した78年に録音された『デュオ&トリオ・インプロヴィゼイション』(1978年)は、ミルフォードを歓待した国内メンバーに吉沢元治(コントラバス)を加えた計六人が参加し、ベイリーとともにデュオまたはトリオでのセッションをおこなっている。阿部はベイリー、高木とのトリオ・セッションに参加しており、同じサックス奏者である高木の演奏と比較することで阿部に独自の音の鋭さと切り込みの速さがより一層際立って響いてくることだろう。なお2003年に復刻された際、全メンバーが参加したセクステット編成での集団即興がボーナストラックとして付されることになったのだが、阿部が残した音源のなかで最も多人数であろうこの演奏でも彼のサックスの鋭さと独立独歩の精神は際立っている。


のちに音盤化された1975年のコンサート「なしくずしの死」の半券。
映画『阿部薫がいた documentary of Kaoru Abe』より。

 1978年に阿部が急逝すると、ドラマーの豊住芳三郎とのデュオ「オーヴァーハング・パーティー」のセッションを収録した『オーヴァーハング・パーティー』が翌79年に追悼盤としてリリースされた。ここで阿部はサックスのほかクラリネットやハーモニカ、ギター、ピアノ、マリンバなども演奏しており、まるで音遊びするかのような愉しさと、サックスだけでは決して到達し得ない音の領域を開拓する実験性を聴くことができる。81年にはデュオ作品として吉沢元治とのセッションを収めた『北〈NORD〉』がリリースされている。内容は『なしくずしの死』と同じ二種類の会場でおこなわれた演奏の記録である。静謐さのなかに一触即発の雰囲気を湛えたすこぶる緊張感あふれる音楽だ。一方で同年にリリースされた『彗星パルティータ』はソロ・アルバムで、阿部と親交の深かった劇作家で劇団駒場の主宰者・芥正彦プロデュースによる1973年の録音。70年代前半の阿部が到達した超絶的なテクニックをあますところなく収めており、高域の特殊な音響や地鳴りのような低域のノイズ、そしてフレージングの速度と、どれを取ってもきわめてレベルの高い内容となっている。さらにライヴ録音ではなく芥の自室兼劇団駒場のスタジオで録音されたということもあり、演奏がクリアな音質でダイレクトに耳に届くところも印象的だ。最後に付け加えておくと、評伝集『阿部薫1949 - 1978』(文遊社、1994年)で複数の人物が証言しているように、阿部が生きた時代にはライヴへと足を運んだ観客の一部が私的にカセットで演奏を録音し知人友人らとシェアしていた。それもまた録音物としての阿部の受容形態の一つであり、なかにはのちに発掘音源として音盤化された作品もある。

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再評価の機運──1980年代後半~ゼロ年代前半

 およそ8年の空白を経た1989年、阿部のあらたなアルバムとして、死の約二週間前の演奏を捉えた未発表音源『Last Date 8.28, 1978』がリリースされた。同時に、阿部と同時代を生きた人々の証言や資料などを収集した『阿部薫覚書』(ランダムスケッチ、1989年)も刊行。これを契機に再評価の機運が高まっていった。『Last Date 8.28, 1978』にはサックス、ギター、ハーモニカの三つの演奏が収められており、なかでも死の間際とは思えない闊達自在なサックス演奏と、タンギングを駆使した独創的なハーモニカ演奏が特筆に価する。同作品をリリースしたディスクユニオンのレーベル〈DIW〉は続けて阿部が70年代後半に頻繁にライヴをおこなっていた東京・初台のライヴ・スペース「騒」での演奏を収録した『ソロ・ライヴ・アット・騒』シリーズを1990年から91年にかけて計10作品リリース。晩年の貴重な記録であるとともに、70年代前半とは異なる沈黙と間を取り入れた減算の美学とでもいうべき姿勢を聴き取ることができる。こうした傾向は『スタジオ・セッション 1976.3.12』(1992年)にも刻まれているが、特定のスペースにおける演奏を辿り直すことができる録音としては、福島のジャズ喫茶「パスタン」でおこなわれた演奏の記録が全12枚の『Live At Passe-Tamps』(1998年)シリーズとして発表されている。同シリーズには阿部がシンセサイザーやエフェクトをかけたハーモニカ、ギター・フィードバックを駆使したライヴなど、電子音楽あるいはミュジーク・コンクレートの音像にも近い実験的色合いの濃い演奏も記録されており、サックス奏者とは異なる彼の即物的な音響現象に注目していた側面を垣間見ることができる。


『Last Date 8.28, 1978』

 〈DIW〉に加えて阿部薫再評価に貢献したもう一つの特筆すべきレーベルが、明大前モダーンミュージック店主でもあった生悦住英夫が主宰する〈PSFレコード〉である。同レーベルでは「J.I. COLLECTION」シリーズとして阿部薫をはじめとした日本のフリー・ジャズ黎明期の発掘録音を多数発表しており、『またの日の夢物語』(1994年)や『光輝く忍耐』(1994年)、『木曜日の夜』(1995年)といった70年代前半の切れ味鋭い阿部のソロ・インプロヴィゼーションの記録から、最初期の録音でありピアノとドラムスを率いたリーダー・トリオの音源『1970年3月、新宿』(1995年)、そしてかつて高柳昌行とともに「ニュー・ディレクション」として活動していたドラマーの山崎弘(現・比呂志)とのデュオを収めた『Jazz Bed』(1995年)などがリリースされている。また、やや時間をおいて2012年には「マイ・フーリッシュ・ハート」や「いそしぎ」など録音としてはあまり残っていないスタンダード・ナンバーを演奏に取り入れた『遥かな旅路』も発表。阿部は即興演奏のなかで繰り返し叙情的な旋律の歌謡曲やジャズ・スタンダード、あるいはポピュラー・ソングなどを取り上げ、あるときは原型がわからなくなるほどの解体と再構築を施し、あるときは演奏語彙のストックとしてサンプリングのように引用しているのだが、そうした彼の側面を見事に捉えた3枚のアルバムとして、1997年に徳間ジャパンのパンク/オルタナティヴ専門レーベル〈WAX〉から世に出されたドラマー佐藤康和(YAS-KAZ)とのデュオ作『アカシアの雨がやむとき』およびソロ作『風に吹かれて』『暗い日曜日』を挙げることができるだろう。

 世紀転換後の2001年には〈DIW〉から高柳昌行と阿部薫のデュオ「ニュー・ディレクション」による音源『集団投射』『漸次投射』の2枚が発表された。『解体的交感』から数日後の演奏であるものの録音状態が大きく異なり、空間に迸るノイズをリアルに刻印したサウンドは一聴するだけでも圧倒される内容となっている。この時期、評伝集『阿部薫1949 - 1978』の増補改訂版が刊行されたほか、既発音源のリイシューなども盛んにおこなわれている。あらたな音源としてはさらに〈DIW〉から『Last Date 8.28, 1978』の翌日に録音された最晩年の作品である『The Last Recording』(2003年)がリリース。「騒」のシリーズをはじめ主に70年代後半の演奏を数多く世に出した〈DIW〉と、70年代前半の録音を立て続けに発表した〈PSFレコード〉の活動は、阿部薫の音楽性の変容を音響として明らかにし、約10年という短い活動期間に一つのパースペクティヴを与えることに資しただろう。なお90年代からゼロ年代にかけては海外のレーベルからも2枚のアルバムがリリースされている。デレク・ベイリー来日時のセッションを記録した『Aida's Call』(1999年)は音質が悪いものの資料的価値はあり、終盤では間章の声も聴くことができる。一方、豊住芳三郎とのデュオ「オーヴァーハング・パーティー」の演奏を記録した『Overhang Party / Senzei』(2004年)は、国内でリリースされた作品と同年のセッションだが内容は大きく異なり、アルト・サックスに徹した阿部が豊住の激しいドラムスと白熱したデュオを繰り広げる様子を聴き取ることができる。

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ポスト・インターネット時代──ゼロ年代後半以降

 レコードやCDとしてリリースされた音盤は、すでにこの世を去った阿部薫の音楽を聴覚によって検証可能としたものの、数年経つと廃盤となることもあり、一般的なリスナーにとってはアクセスすることが難しい作品が多かった。しかしインターネットの普及はこうした状況を大きく変えていく。たとえば以前、とある海外のミュージシャンと会話した際、阿部薫の話題に花が咲いたことがある。その人物はアルバムをほとんどすべて聴いたことがあるというものの、聞けば自宅の近くに日本のマイナーな音盤を置いているレコード店はなく、フィジカルで所有することなくインターネットを通じて阿部薫の音源を聴き込んだらしい。たしかに骨董品として不当な高値で取引されている音盤は、マニアならいざ知らず、端的に阿部の音を聴きたいという異国の地で暮らすミュージシャンにとって、手の届く距離にあるものではないだろう。そしてそうした時代にあって阿部の音楽は否応なく音声ファイルの一つとして、伝説や物語から切り離された音響として、古今東西の音と等しくアクセス可能なものとしてインターネット上を浮遊しているのである──むろんそこにステレオタイプな日本趣味の眼差しを向けられることが皆無だとは言い切れないものの。いずれにせよかつて阿部が求めたような、既存のジャンルやイメージとしての音楽ではなく端的に音そのものであることは、いまや聴取環境の条件の一つとなっており、あらゆるしがらみから遠く離れて彼が残した音楽を聴き、演奏技術として模倣し、あるいは音響現象として検証することが可能な時代を迎えている**。


トリオ時代のニュー・ディレクションの音源は昨年『LIVE AT JAZZBED』として発掘リリースされた。
映画『阿部薫がいた documentary of Kaoru Abe』より。

 とはいえ一方ではゼロ年代後半以降も阿部の未発表音源は続々とリリースされている。東京・八王子のジャズ喫茶「アローン」が閉店するに際してサックス奏者の井上敬三、ドラマーの中村達也とトリオでセッションした約20分間の音源が収録されている『Live at 八王子アローン Sep.3.1977』(2015年)は、つねに独立独歩の精神を貫いていた阿部の共演者とのコミュニケーションが垣間見える記録だ。たしかに相手の音に露骨に反応することはないものの、共演者と無関係に音を出しているわけではなく、互いにソロ回しをしたり相手が演奏できる間を用意したりしていることがわかる。また豊住芳三郎とのデュオ・アルバム『MANNYOKA』(2018年)は海外からリリースされた作品で、『Overhang Party / Senzei』と同じくフリー・ジャズ的な熱狂が刻印されている。そして2020年前半には3枚の発掘音源が日の目を見ることとなる。『解体的交感』直前の高柳昌行とのデュオを収めた『STATION '70』は、とりわけ1曲目 “漸次投射” の繊細な音のありようがデュオの新たな価値を照らし出している。さらにこの二人にドラマーの山崎弘を加えた編成での録音が『LIVE AT JAZZBED』で、2012年に『未発表音源+初期音源』として出された劣悪な音源の一部で聴くことのできた幻のトリオを存分に堪能できるようになった。さらに『19770916@AYLER. SAPPORO』は札幌のジャズ喫茶「アイラー」での演奏を録音したものであり、スピード感あふれるパッセージやノイジーな特殊音響、間を重視したアプローチ、あるいは既存の楽曲を引用した聴き手の記憶をまさぐるような叙情性など、サックス奏者としての阿部の魅力が凝縮されて詰め込まれた稀有な作品となっている。


『19770916@AYLER. SAPPORO』(※録音年月日は正しくは1977年9月18日)

 復刻盤を含めて阿部薫のアルバムは今後もリリースされ続けることだろう。まだ世に出ていないものの録音されているという証言が残された音源や、音盤化されることなくインターネット上で流通している未発表音源もある。だがその一方で彼の演奏を記録した音源はあくまでも有限であり、いずれはすべての録音が出尽くしてしまう日が来るはずだ。しかしたとえ阿部薫の生涯を記録したすべての音がアクセス可能となったとしても、それはそのまま彼の「本当の姿」に迫ることを必ずしも意味するわけではない。むろん事実としてより正しい情報に塗り替えられることはあるにせよ、わたしたちは聴き手としての有限な経験のうちで阿部薫の音楽を恣意的に切り取ることによってはじめて全体像を仮構することができるのであって、あらたなアルバムのリリースはサウンド像の完全性に向かうのではなく、むしろこうした切断の契機に多様性を担保するものであるに他ならない。そして彼の個人史はわずか29年間という短い尺度のなかに収めることができるのだとしても、この意味でわたしたちはこれからも録音物と阿部薫の音楽を異なるやり方で紐付けることによって連綿と受容史を紡いでいくこととなるに違いない。それは彼の音楽から価値を見出すためのあらたな基準を設定し、あるいは現在とは別種の聴き方を生み出し、さらには彼の演奏の録音を立脚点とするあらたなミュージシャンの試みを創出することへと向かい続けるだろう。

(註)
** ところで阿部薫の音楽がときに難解なものとして一般的なリスナーを遠ざけてしまうことには、少なくとも「価値基準の複数性」と「神秘化」という二種類の要因があるように思われる。前者はたとえば運指の速度やアタックの強度、ノイジーな音色など高度な演奏技術の快楽的側面に加えて、ノスタルジーを喚起させる旋律の引用や間を重視した表現主義的なアプローチ、あるいはどんな快楽にも寄り添うことのない非イディオム的な即興演奏、さらにアルト・サックスを用いた圧倒的な個性とは真反対をいくような匿名的な多楽器主義など、一つの評価軸には回収することのできない、場合によっては矛盾し得る複数の価値が彼の音楽には同居しているのである。後者については阿部薫存命中に代表作をプロデュースした間章による晦渋なテキストはもとより、80年代後半以降の再評価時代に一部の支持者が実際にライヴを経験しない限り検証不可能な現象を説明抜きで称揚したことも挙げることができる。たとえば1991年に放送された深夜番組『PRE STAGE・異形の天才シリーズ①〜阿部薫とその時代〜』で議論された「演奏していないにもかかわらず、音が出ている」というあたかも耳音響放射のような体験を「わかる人にはわかる」と片付けてしまうことは、その真偽を検証することのできない後続の世代には知り得ない「神秘」を否応なく呼び込んでしまう。そして以上のような「価値基準の複数性」および「神秘化」のいずれにおいても、一般的なリスナーが聴くことを楽しもうとするや否や「阿部薫の魅力はそんなところにはない」というエリート主義的な文言が壁のように立ちはだかってきたのである。しかし本稿で主張しているように阿部薫のサウンド像に「真の姿」などというものは存在せず、どのような価値基準の側面であっても、あるいはたとえ録音物であっても、それぞれのリスナーがそれぞれの視点から魅力を感じ取ることができるはずだ──むしろそのように非エリート主義的な開かれた音楽である点が阿部薫の最大の魅力だと言えるのではないだろうか。

Satomimagae - ele-king

 サトミマガエ、憶えてらっしゃるだろうか? かつて畠山地平のレーベル〈White Paddy Mountain〉から作品を発表していた、あまりに独自の世界観を表現するフォークシンガーだ。安易な喩えで恐縮だが、あえてわかりやすく言えば、Grouperと比肩されうるサウンドの持ち主である。孤高の……という言葉も現代は安っぽく使われているが、彼女には相応しいのではないだろうか。
 彼女の新しいアルバムが〈RVNG Intl.〉からリリースされることになった。4月23日、タイトルは『Hanazono』。先行シングル曲「Numa」はリリースされたばかり。忘れがたい音楽が待っています。

Satomimagae – Numa [Video]

Satomimagae
Hanazono

PLANCHA / RVNG Intl.
Cat#: ARTPL-151
CD / Digital
2021.04.23
2,000yen + 税

Track List:
01. Hebisan
02. Manuke
03. Suiheisen
04. Tsuchi
05. Houkou
06. Uzu
07. Kaze
08. Numa
09. Ashi
10. Ondo
11. Kouji
12. Uchu
13. Kunugi (Bonus Track)

※日本独自CD化
※ボーナス・トラック1曲収録
※ヴァイナルはUSはRVNG Intl.、オランダはGuruguru Brainからリリース

Pre-order: https://orcd.co/r6qoo37

Riddim Chango Records - ele-king

 東京の〈Riddim Chango〉レーベルが新作をドロップする。UKのエレクトロ・ファンクのプロデューサー、Lord Tuskによるサンズ・オブ・シメオン名義のDub作品。今回も売り切れ必至なので、ダブ頭でダビーなハートのダブ戦士たちは急がねばです。 

Label : Riddim Chango Records
artist : Sons of Simeon
title : Goliath Brothers

仕様/品番/バーコード
10"インチ・アナログ盤 / デジタル配信 (Bandcamp先行配信) / RCEP-007 / 4580211858257
発売日:2021年3月26日(金)

Side A
01 - Goliath Brothers Verse 1
Side B
01 - Goliath Brothers Verse 7
02 - Goliath Brothers Verse 36
Produced & mixed by Sons of Simeon
Lacquer cut by Jason Goz (Transition Studio)

プレオーダー
https://riddimchango.bandcamp.com/album/goliath-brothers?fbclid=IwAR1IiwKZp3lk786tYVJwWVl51adBvt5eDd5_WLxdCUhrOJ-gzLB3uvP8Usg

 Funkin Evenの〈Apron〉レーベルやJohn Rustの〈Levels〉レーベルでのハウス/テクノ寄りのリリースや、USのレジェンドMCであるMos Defとのアルバム制作、Sun Runners名義でVaporwave寄りのアルバムの発表など多方面で活躍するLord Tuskは大のサウンドシステム・ファンとしても知られている。幅広い音楽性を生かしたLord TuskならではのキラーなDub/StepperをDMZ等との仕事で知られているTransitionスタジオでマスタリング。サウンドシステムの鳴りは安定保証!

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