「K Á R Y Y N」と一致するもの

黒船MMTと参議院選挙の行方 - ele-king

 選挙の夏、反緊縮の夏がやって来た。参院選を闘う反緊縮候補者の動向を追ってみる。

 前回のコラムでは黒船MMTが日本に来航し、国会や各メディアでも多数扱われたことをお伝えした。とくに自民党・西田昌司氏は予算委員会や財政金融委員会を通し、MMTの信用創造システムの理解が正しいか、再三に渡って政府と日銀に対し質問している。

 5月23日の財政金融委員会にて、西田議員が雨宮日銀副総裁から重要な証言を引き出した。銀行は数字を書き込むだけで通貨を創造できるとする「万年筆マネー」、また、新規国債発行を介した政府支出により民間銀行に預金が創造されることを認めたかっこうだ。この点だけを見れば、一般的に言われるように国債は「クニノシャッキン」でもなければ政府の債務ですらないともいえる。このことはいままで主流経済学の教科書やマスコミにより語られていた信用創造の説明が間違っていたことを証明する瞬間ともなり、ツイッターを中心とするネットの経済クラスタたちの間でもちょっとした騒ぎになった。

決済性預金口座というものを提供している銀行だけが、その与信行動により、自ら貸し出しと預金を同時に作り出すことができるのであります。
 (中略)
銀行は私にカネを貸すとき(=民間に融資する)ときは、銀行口座に記帳すると、後から預金が発生するという格好になります。信用創造を通じて預金がが増加するという格好になります。これを信用創造と言っているわけであります。
 (中略)
金融機関が国債を保有し財政支出が行われればそれに対する預金通貨は事後的に同額発生しているわけであります。
 雨宮正佳・日銀副総裁 財政金融委員会(2019.5.23)
https://www.youtube.com/watch?v=W61Srkam7xE&feature=youtu.be


写真 提供: @nonsuke38 氏

 自民党・西田昌司氏は極右とも称される議員であり、自民党が政権に返り咲く以前より安倍首相に近い関係にある議員として知られているが、相対する野党はどうだろうか。MMTは民主社会主義を標榜する米国の左派・サンダース大統領候補にも、そしてガチ左翼の英国労働党党首・コービンにも多大な影響を与える。日本でも、大きな政府主義であるはずの左派、野党にこそ大きく扱われているはずだ。

 しかし、実際のところ野党はMMTに及び腰だ。日本の野党、特に旧民主党系はネオリベの亜種である「第三の道」をひた走ってきた過去がある。グローバリズムや緊縮財政、構造改革を礼賛するようなスタンスでいたため、国の財政が税収の範囲内で運営されるものだと誤認する、いわゆる「家計簿脳」に陥っている。いまでも多くの野党議員が、「政府債務(国債)が民間の預金からファイナンスされている」とする、反緊縮派が「天動説」と揶揄するものを信じて疑わないのだ。

 国家財政は、家計簿や企業会計とはまったく異なる。政府には理論上、無限に通貨を創造できる権限があるが、家計や企業には通貨発行権はなく、その会計原則が異なるものであることは誰にでもわかるはずだ。歳入額を上回り発行される赤字国債は1965年より続けられている歴然たる事実なのに、国会議員の多くが「プライマリーバランスの黒字化」や「身を切る改革」といった政策をもって、国民経済を収縮させようとしている。

 しかし、7月21日に投票日を迎える今回の参院選を前に、かつて「緊縮脳」だとか「家計簿脳」だとかとネットユーザーたちから揶揄されていた野党議員の洗脳が解けはじめたかのような動きが見えてきた。

 薔薇マーク・キャンペーンは、「反緊縮財政」を掲げる野党候補者に「薔薇マーク」を認定、有権者が投票する際の参考にしてもらおうという政治運動だが、同キャンペーンがこれまでに「反緊縮」だと認定した候補が49名もいる。これは全候補の4割にもなる計算だ。薔薇マークの認定基準には「消費税の10%増税凍結」、「社会保障への財政出動」、「大企業や富裕層への累進課税の強化」、「大企業への増税が実現するまでの間、国債を発行してなるべく低コストで資金調達することと矛盾する政策方針を掲げない」、「公共インフラの充実」の5項目があげられている。その5項目中の3項目をクリアすれば認定対象となるとされていて、かなり野党候補者にフレンドリーな内容となっていることにも注意が必要だが、野党議員の間に確かな「反緊縮」の萌芽が現れつつある証左にもなるだろう。


写真 :薔薇マーク・キャンペーンの認定した49人の野党候補者

 筆者個人が、今回の参院選を通じて特筆すべき反緊縮の候補者と議員をあげるなら、国民民主党・玉木雄一郎代表、社民党・相原りんこ候補(神奈川)、立憲民主党・石垣のりこ候補(宮城)、そしてれいわ新選組・山本太郎代表(比例)だ。

 玉木雄一郎衆議院議員が代表を勤める国民民主党の公約では、児童手当を月額1万5千円給付、低所得の年金生活者に月額5千円給付、年収500万円以下の世帯に家賃1万円給付、法人税率の累進化、農業従事者への「戸別所得補償制度」の復活、科学技術への投資などを掲げ、財源としては国債の発行もあげている。同党の掲げる「こども国債」は非常に野心的な試みだ。また、玉木代表個人としては、国債発行を介して得た財源の財政支出先を建設事業に限定することに繋がる「財政法4条」の改定も視野に入れているなど、反緊縮派からの期待も大きい。

 社民党・相原りんこ候補(神奈川)は「反グローバリズム・反新自由主義・反緊縮」をキャッチコピーとし、国債発行を介した財政出動を掲げるなど筋金入りの経世済民派の人材だ。薔薇マークのアンケートには「消費税は5%に引き下げて将来は廃止をめざすべき」と回答しており、他にも政府による最低賃金1500円の保証、累進課税の強化、また最低年金保証制度の確立などを謳っている。おせっかいな筆者が6月に、日本で唯一のMMT教本として知られる中野剛志氏の『奇跡の経済教室』をツイッター上で薦めた際には、即座に購入し自身の政策に取り入れようと努力していただいたほど、国民の声を聞く能力にも長けている。

 立憲民主党・石垣のりこ候補(宮城)は、同党では唯一「消費税ゼロ」を掲げ選挙戦を戦う。7月13日付けの朝日新聞に「“消費税廃止" 反緊縮の芽か」と題された記事が掲載され、れいわ新選組・山本太郎代表と共に特集されるなど、リベラル界隈からおおいに注目される候補の一人でもある。この立憲の公約と乖離するようにも見える主張を貫く姿勢は、しばしば同党の支持者からも攻撃されるほどのハレーションをひき起こしているが、決してブレない姿勢が反緊縮派から支持される理由のひとつだろう。薔薇マークのアンケートには「大胆な財政出動をすべきであり、また、雇用調整として政府直接雇用を大幅に増大するべきと考えている」と答え、MMTのJGP(総雇用保証)的な考えにも触れている将来が楽しみな人材と言える。

 また、石垣候補の同僚となる立憲の落合貴之衆議院議員は、6月18日のBS11の報道番組にて「世界各国で(政府の)借金を増やしていくことにマイナスのイメージを持たなくなってきている。MMT的な考えで財政を積極的にやるべきだ」と発言し、MMTに理解を示しているが、立憲内部にも反緊縮の芽が育ちはじめていることが見て取れる。

 反緊縮財政、そしてMMTをもっとも理解するのがれいわ新選組の山本太郎代表だろう。山本氏は2016年頃より立命館大学の松尾匡教授を経済アドバイザーとして迎え、その反緊縮の経済政策に磨きをかけてきた。参院選前より続けてきた街頭演説では、モニター画面に各種経済指標を映し出しながら自身の経済政策を街場の人びとに訴えかけている。その動画の数々はYoutubeで軒並み数万回単位で再生されており、反緊縮派からの信頼も厚く、ネットユーザーにはMMTの体現者として認知されている。

 しかしながら、筆者が知る限り、山本氏は「MMTを参考にしている」等と発言したことはない。山本氏の発言や経済政策が、MMTの理論と合致する点が多くあるだけなのだ。

 松尾匡教授は、メディア等で「MMTは標準的なマクロ経済学だ」と繰り返し発している。

次のような主張は、よくマスコミなどでMMTの主張とされているが、これらの3派(ニューケインジアン左派・MMT・ポジティブ・マネー派)にも共通する、経済学の標準的な見方である。

・通貨発行権のある政府にデフォルトリスクはまったくない。通貨が作れる以上、政府支出に予算制約はない。インフレが悪化しすぎないようにすることだけが制約である。
・租税は民間に納税のための通貨へのニーズを作って通貨価値を維持するためにある。言い換えれば、総需要を総供給能力の範囲内に抑制してインフレを抑えるのが課税することの機能である。だから財政収支の帳尻をつけることに意味はない。
・不完全雇用の間は通貨発行で政府支出をするばかりでもインフレは悪化しない。
・財政赤字は民間の資産増(民間の貯蓄超過)であり、民間への資金供給となっている。逆に、財政黒字は民間の借り入れ超過を意味し、失業存在下ではその借り入れ超過は民間人の所得が減ることによる貯蓄減でもたらされる。

東洋経済: 「MMT」や「反緊縮論」が世界を動かしている背景

 MMTは、20世紀初頭に「貨幣国定学説」を説いたクナップからケインズ、ラーナー、ミンスキー、ゴドリーらの学説を体系的にまとめたものであり、その基礎は主にケインズ派の間で繰り返し語られてきた「標準的なマクロ経済学」なのだ。

 山本氏の経済政策や発言は、上記分類と殆ど一致する。付記するならば、山本氏は「統合政府論」(政府と中央銀行を一体のものとして一つのバランスシート勘定で捕らえる視点)にも言及し、さらに「公務員を増員し景気を安定させるべき」との発言から、JGP的な考えも踏襲していると見受けられ、MMTの議論をより広く網羅しているともいえる。逆に、上記にある「租税貨幣論」「国定信用貨幣論」のような考えに関する言及はないため、その部分はMMTからは外れるともいえるし、MMTの主要議論となる「内生的貨幣供給論」に関する言及もない。

 山本氏が今回の参院選で強く主張するのは「消費税の廃止」となるが、これは租税が「総需要を総供給能力の範囲内に抑制してインフレを抑えるためにある」とするビルトイン・スタビライザーの理論を深く理解していることに他ならない。子どもから病人にまで課税する消費税は悪税そのものであるし、不況期に増税するなどマクロ経済的にはもってのほかなのだ。

 サンダースやAOC(オカシオ-コルテス)は政治的な理念として経済を語ることはあっても、山本氏が街頭で語るように詳細に踏み込んで経済理論に言及することはない。その点がネットの経済クラスタから賞賛され、そして現在の「れいわ新選組ムーヴメント」を形成する一因となっているのだろう。反緊縮の経済理論を深く理解する山本氏ならではの語り口によって紡ぎ出される政策の数々は多くの人びとを魅了しているようだ。

 反緊縮理論を牽引する松尾教授と藤井聡・京大大学院教授が、去る7月16日と17日に、MMTのファウンダーで、サンダース大統領候補の経済顧問、また民主党の元主席エコノミストとしても知られるステファニー・ケルトン教授を日本に招聘し、シンポジウムを開催した。その様子がテレビ朝日の報道ステーションでも特集されることになった - これは日本のテレビがはじめてMMTをまともに扱った瞬間となる - が、いま、世間の目が反緊縮、そしてMMTに注がれていると感じる。

 現在の資本主義は、略奪型資本主義の構造を強化してきたといえる。世界各国の政府はサプライサイド経済学の論理に則り、グローバル企業や大企業のために規制を緩和し、下請け企業や労働者から搾取しやすい構造を作ってきた。強者による収奪のシステムだ。この世界的な弱肉強食の構造に反旗を翻したのが、サンダースやコービン、イグレシアスやサルヴィーニ、ルペンやメランションらAnti-Austerity(反緊縮)の政治家となるが、そのパラダイムシフトはこの国でも起こりつつある。
 搾取される全ての者が、「変革不可能」だと諦めていたこの国の構造が破壊されようとしている。
 今月21日に、その意志が試される分水嶺が来る。

ピータールー マンチェスターの悲劇 - ele-king


 「やあ、来たのか?」「これを見逃すものか!」
 ──これは来月公開されるイギリス映画『ピータールー』の一場面。サブタイトルは「マンチェスターの悲劇」。ちょうど200年前の夏、英国で起きた出来事を『ヴェラ・ドレイク』や『ターナー』のマイク・リー監督が再現した155分の大作だ。

 1819年8月16日、イギリス・マンチェスターの聖ピーター広場には6万人もの人が集まっていた。晴れ着を着て、近隣、遠方の町から何時間もかけてやってきたのは日に焼けた顔の貧しい労働者たちだ。この集会のテーマは、貴族に独占された議会の改革と全男性国民の参政権獲得を訴えることである。
 時代は、フランス革命から30年、ヨーロッパ中を巻き込んだナポレオン戦争(ワーテルローの戦い)から4年、まだ戦争の傷は生々しい上、英国ではとくに北部を襲う貧困と労働者の搾取、小麦の高騰などが人びとを苦しめ、怒りがじわじわと広がっていた。ロンドンの中央政府は「(フランスから感染した)革命というコレラ」を防ぐため、法改正や軍事を含むあらゆる方策を練っていて、一方、民衆運動は各地で盛り上がりつつあるという頃。労働者にも選挙権があれば国を変えられる、「目的は自由の回復だ。自由か死か、だ! 無気力を捨てよう」「もう餌食になってはいけない。赤ん坊を泣かせておいてはいけない!」「大木はどんぐりから生まれるんだ。自由になろう!」「我々を食い物にしている圧政者から人生を取り戻そう」等々──熱のこもった街頭での演説が、自分を無力と決めつけていた人びとの気持ちを変えていく。そして、「いまは時代が悪いだけ」という諦めが少しずつ消えてゆく。

 政府や義勇軍(私軍)に付け入る隙を見せてはいけない、弾圧の口実を与えてはいけないと、集会主催者たちは徹底的に暴力の可能性を排除する。広場の石をすべて取り除き、参加者が自衛のために持つ棍棒を取り上げる。「上品に振舞おう、見返してやろう。与えてもらうんじゃない。英国人として持っている本来の権利を取り戻すだけだ。さあ、晴れ着を着て広場へ行こう」
 休みなくこき使われ、給料は雀の涙。顔も爪も真っ黒に汚れ、でもどうにもできないと諦めていた200年前のマンチェスターの人びとが、ついに広場にたどり着いたとき、自分と同じ人たちに出会う。出会っただけで、汚れた顔が自然にほころび、笑みがこぼれる。なけなしのパンを分け合って、どこから来たのかと尋ねあい、私は孤独ではないんだと本当に気づく。
 

 今年の春、私はフランスの民衆運動「黄色いベスト」の本を編集したのだが、そういえば、そこでも同じ話が出てきた。田舎の貧しい中高年労働者たちは、黄色いベストを着て町外れのロータリーに集まり、同じ悩みや不安を話し合うことで、もう孤独ではないことを知ったという。
 政治集会でなくてもいいとは思う。それでも、参加者みんなが「未来を変えよう」という気持ちを持っているのは政治集会ならではの華やぎがある。
 なるほど。古来、政治集会には、晴れ着でいくものなのだ。
 この映画を試写会最終日に見たその日の夕方、私は品川駅前広場に少しずつ増えてくる人を見ながら、午前中に試写室で聞いた「これを見逃すものか!」というセリフを口にしていた。「これ」とは、れいわ新選組の「れいわ祭り」のことだ。

 山本太郎が自分の新しいパーティに「れいわ新選組」と名付けたとき、正直言って私はがっかりした。彼については他にもいくつかがっかりしたことはある。けれども比例名簿の候補者が決まっていくにつれ、それらの「がっかり」が小さいことに思えてきた。
 そもそもこれまでインターネットの国会中継で何度も見てきたのは、山本太郎が「もっとも力を持たない人」を擁護する場面だった。国会での山本議員は、公園で野宿するホームレスや入国管理局の収容所で虐待される外国人、原発事故の影響で政府の援助を受けられず自主避難する人びと、生活保護をカットされる困窮者など、選挙権も持たない、あるいは政治どころじゃない、明日の命も不安な人たちの代弁ばかりしていた。政治家にしてみれば、選挙でもっとも票に繋がらない人びとだ。
 そして、今回の選挙で比例名簿の特定枠(優先枠)に、ALS患者と重度障害者という2人の車椅子生活者を擁立した。今回の参議院選挙では性的マイノリティをはじめさまざまな立場での少数者が「当事者」として立候補している。私は必ずしも「当事者」であることが金科玉条とは思っていない。「人はみんな違う」と「人はみんな同じ」はたいして違わない。どっちにしても「だから、1人1人に権利がある」わけで、どの「当事者」であろうと、社会が全体として重要視する大きな価値は共有できる。
 とはいえ、象徴的な「当事者」が、多くの「1人1人」に示唆を与えてくれるということは大いにありうる。そして、山本太郎が作った候補者名簿は、本当に厳選された象徴的な「当事者」がずらりと並んでいる。とくに特定枠の2人が国家議員になったら、日本の国会は物理的に大きく変わらなければならない。スペースのバリアフリーはもちろん、国会議員は介護者とともに行動する自由を得るだろう。その動きは国会だけでなく、日本全土に広がらざるを得ない。それが実現した日本社会を想像してみよう。間違いなく、いま(たまたま)健康な体で暮らしている人たち「にも」さらに暮らしやすい社会になっているはずだ。例えば、自転車で往来しやすいだとかね。
 「やあ、来たね!」「これを見逃す手はないよ」──そんな気分で、政治集会に来た。このグループの主張はどれも、「現在いちばん力を持たない人を先に助ける」ことから出発している。
 例えば東京オリンピック招致を批判しつつ、その開催を盾に取り、「五輪憲章の人権条項を守って、入管収容所での虐待をやめるよう法務大臣に言ってくれ」と、なんども五輪大臣に食い下がる姿からは、使えるものはなんでも使って目的に近づこうとするプラグマティストだ。細かい話だが、比例名簿の「特定枠」は、自民党のご都合主義による新制度で山本太郎も反対したはずだが、いざ選挙となったら率先して使っている。しかも、自民党が想定していたような保身的手法ではなく、選挙後の国会に大きなインパクトをもたらす使い方でだ。なんというか、存在する制度の力を最大限に増幅させるやり方で使ってしまう、きっとこういうのをこそプラグマティズムというのだ。

 この数年、「右か左かではなく、上か下かだ」というスローガンは日本でもよく使われる。けれども、「右か左かではなく」は言うより難しいようで、私が見るところ、たいがいはその政治家(政党)のパプリックイメージによる左右評価の固定化を逃れるための言い訳に使われている。ちょっと教養があって、これまでの政治史やその文脈を知っている頭では、なかなか左右軸から逃れることはできない。しかし私は、ある政治家が保守なのか革新なのか、自由主義なのか復古主義なのか、などということはどうでもいい。少なくとも、そのような言葉で自分自身を説明しようとする政治家には興味はない。そのようなことは、その政治家が主張する政策や思想から有権者が判断することではないか。細かい政策のいちいちではなく、思想を表してほしい。もちろん政策の蓄積によって表す人もあろうし、国会質問からそれが伝わる人もいる。ところが山本太郎の「左右ではなく、上下」はきっちり言葉通りだ。「左右」は彼の話題にも出ない。頭のなかにはたぶん本当に「上下」しかないのだろう。
 山本太郎の今回の比例名簿は、その意味で、彼の思想の表現だと私は思う。生きるためにもっとも他人の手助けとコミュニケーションを必要とし、ただ生きる、ということを、おそらくは誰よりも考えてきたであろう2人の候補者をはじめ、国会や永田町に、この日本の社会全体に、違和感を与えて余りあるメンバーを並べ、「あなたの星を探して。きっとこのなかにいる」という。これは哲学的な問いかけだ。そうして、この「当事者」たちは、単にマイノリティーの代表から、ある思想を共有しようではないかという呼びかけに変わる。これが山本太郎の今回の「選挙運動」だと、私は理解した。

 さて、映画『ピータールー』は6万人の控え目で晴れやかな希望が上品に最大限に膨らむのを見届け、一気に「悲劇」へと向かう。英国史上、最悪の政治的虐殺事件と言われるものだ。馬上からサーベルを振りおろしたのは、「革命というコレラ」を恐れた政府が用意した過剰警備の機動隊だ。いつも民衆は負け続けている。一時期は勝っても、最終的には負ける。いや、しかしそれは「最終」ではない、のだ。
 現にこの悲劇をきっかけに、事件を目撃した人たちによって、志のある革新的な新聞『ザ・ガーディアン』が創刊される。そしてこの後、イギリス各地で幾度も民衆は蜂起して、労働者の権利とイギリス国民として当然の権利を手にしていくことになる。さらに、いまもブレグジットをめぐる運動や「絶滅への反逆(Extinction Rebellion)」と言われるものなど蜂起は続いている。

 品川駅港南口広場で3時間楽しんだ「れいわ祭り」からの帰り道、私が歌っていたのはこれだ。

〜イキがったりビビったりしてここまで来た ツアーがどこへいくのか 誰も知らない 子供騙しのモンキービジネース まともな奴は一人もいねーぜ〜Yeah!!
RC SUCCESSION“ドカドカうるさいR&Rバンド"

 山本太郎の演説はすごい。会場ではハンカチで涙を拭っている聴衆もいる。私もユーチューブで聞いたスピーチで何度も涙ぐんだことがある。一方で、「できもしないことで気をひくホラ吹き、ポピュリスト、ファシスト」等々、批判も事欠かない。れいわ新選組の経済政策が本当に正しいのかどうか、私にはわからない。そんなことわかるはずがないじゃないか。けれども、彼らが目指そうという方向に、私も行きたいと思った。いちばん弱いものが生きられる社会。言い古された理想だが、山本太郎の作品である比例名簿は、そちらを指差しているのではない?  ダメでもまた起きるだけさ。

別冊ele-king 続コーネリアスのすべて - ele-king

『コーネリアスのすべて』の続編が登場!

再発される『The First Question Award』と『Point』にフォーカスした
ファン必読のロング・インタヴュー
および秘蔵写真
そしてコレクターズアイテム
などなど

細野晴臣や砂原良徳との対談、
メンバーの取材などを交えながら、
コーネリアス・ワールドをお楽しみください!

■目次

PHOTO STORY
写真=濱田晋

LONG INTERVIEW CHAPTER 1
ファースト・アルバムにしていまのところ唯一のポップ・アルバム
 まずは『The First Question Award』について

LONG INTERVIEW CHAPTER 2
いかにして音は削ぎ落され、独自のサウンドが構築されたか
 そして『Point』について 

CROSS TALK
細野晴臣×小山田圭吾「エッセンスとデザイン、日本と海外、水平と垂直 ふたりの類似点と相違点」
砂原良徳×小山田圭吾「いちど全部捨てたところから『LOVEBEAT』も『Point』も生まれた」

INTERVIEWS
堀江博久「1990年代前半は数ヶ月ごとになにかが動いていた」
大野由美子「コーネリアスはクセナキスに近い!?」
あらきゆうこ「コーネリアスというホーム」
辻川幸一郎「認識としての映像」杉原環樹
大西景太「映像による『聞こえ』の手ざわり」
中村勇吾「デジタルの宿命を超える表現」

CRITIQUE, COLUMN
大久保祐子「25年目の『The First Question Award』を聴きながら」
草彅洋平「僕の90年代」
野田努「コーネリアス私論、および『Point』について」
イアン・F・マーティン「ポストモダンを背に~『Point』におけるポイント、視点、論点、そして音の点をめぐる考察」
松村正人「音のひとのことば」
畠中実「もうひとつのディメンション~コーネリアスにおけるヴィジュアル・ミュージックとしての映像表現」

ARCHIVES
「『The First Question Award』コレクション」ばるぼら/siloppi
資料「英米音楽メディアはコーネリアスと『Point』をどのように受け止めたのか?」

yapoos - ele-king

 ヤプーズが再始動する。1983年に戸川純のバック・バンドとして1年間限定で誕生し、あまりの人気にパーマネント化し、地球最後のニューウェイヴ・バンドとして1987年から1995年までに5枚のアルバムをリリース、そして、2003年に製作されたミニ・アルバム『CD-Y』が最後となっていたヤプーズが16年ぶりに復活です。戸川純、中原信雄、ライオン・メリィ、矢壁アツノブ、山口慎一といったソロ・ライヴではお馴染みのメンバーに加え、Dipのヤマジカズヒデを正式メンバーとして迎え、怒涛の家畜人たちが8月17日の渋谷クアトロに立ちます。題して『戸川純40周年 ヤプーズの不審な行動 「令和元年」レコーディング・ライヴ』。そう、当日の模様はライヴ・レコーディングされる予定です。皆さん、大騒ぎしましょう。

 近年、長らく封印していた「好き好き大好き」だけでなく、「大天使のように」「ラジャ・マハラジャー」、あるいはアポジー&ペリジー名義の「月世界旅行」と、懐かしい曲がボンボン飛び出すなか、絶対に演奏されなかった曲が「昆虫軍」。ヤプーズが再結成されるまで完全封印されるとしていた「昆虫軍」は、果たして、この日、演奏されるのか。


タイトル:戸川純40周年 ヤプーズの不審な行動 「令和元年」レコーディング・ライヴ
出演:YAPOOS
戸川純(Vo)、中原信雄(B)、ライオン・メリィ(Key)、矢壁アツノブ(Ds)、山口慎一(Key)、ヤマジカズヒデ(G)
8/17(土)渋谷クアトロ
18:00 開場 19:00 開演
前売¥4000 当日¥4500(共にdrink別)
6月29日より7月2日まで、クアトロ先行、e+プレオーダー。
一般発売 7月6日 ぴあ、ローソン、e+、店頭。

Bon Iver - ele-king

 深刻な対立が今日も誰かと誰かを引き裂いている2019年に「人びと」というコンセプトをあらためて掲げるということ。音楽を、アートを、文化を、仲間たちやまだ見ぬ誰かとシェアしようとすること。それは彼の尽きない理想主義の表れである。
 先日新曲を発表したボン・イヴェールだが、ついにアルバムのリリースが発表された。タイトルは『i, i』。ジャスティン・ヴァーノンは「ひとそれぞれでいかようにも意味を持ちうる」というように説明している。僕の解釈はこうだ──異なる存在のそれぞれ独立した「わたし」が、同じ場所に立とうとすること。

 併せて新曲がまた2曲発表されたが、どちらでも非常にボン・イヴェールらしい、しかし確実に新しい音を聴かせてくれる。断片化したフレーズがアブストラクトなアンビエントとして統合されていく“Jelmore”、叙情的なフォークがやがてダイナミックに躍動する“Faith”。盟友BJバートンとの共同プロデュースのもと、大胆なサウンドの実験と「人びと」が参加する美しい歌への挑戦は続いているようだ。

Jelmore

Faith

 ヴァーノンが「もっとも大人のレコード」だという『i, i』は初秋を思わせる作品でもあるという。ファーストは冬のアルバムだった。季節は流れ、やがて眩しい夏も終わって、豊かな色彩に満ちた秋がやってくるだろう。(木津毅)

2019年を象徴する1枚。前作『22, A Million』から3年、現行のミュージック・シーンを牽引し、更新し続けるボン・イヴェール、待望のニューアルバムがリリース。

BON IVER "i, i"】
2019.8.28 ON SALE[日本先行発売]

アーティスト:BON IVER(ボン・イヴェール)
タイトル:i, i(アイ、アイ)
品番:JAG350JCD
定価:¥2,400+税
その他:解説/歌詞/対訳付、日本先行発売、日本盤オリジナル・アートワーク
発売元:ビッグ・ナッシング/ウルトラ・ヴァイヴ
収録曲目:

01. Yi
02. iMi
03. We
04. Holyfields
05. Hey, Ma
06. U (Man Like)
07. Naeem
08. Jelmore
09. Faith
10. Marion
11. Salem
12. Sh'Diah
13. RABi

●2016年リリースの『22, A Million』から3年、Bon Iver から待望の新作『i, i』が届けられる。ウィスコンシン州出身のシンガー・ソング・ライター= Justin Vernon のソロ・プロジェクトとして始まった Bon Iver は08年にデビュー・アルバム『For Emma, Forever Ago』を発表し世界中の音楽メディア、批評家、アーティストから絶大な指示を獲得した。また同じく08年にリリースした「Blood Bank」(EP)では収録曲の“Woods”を後に Kanye West がサンプリングし話題に。続くセカンド・アルバム『Bon Iver, Bon Iver』(2011年)は米 Pitchfork にて9.5/10点を獲得し、全米初登場2位、全英初登場4位を記録。12年第54回グラミーでは最優秀新人賞と最優秀オルタナティヴ・ミュージック・アルバム賞を受賞。16年にリリースした『22, A Millian』は全米、全英チャートで2位を記録したのを始め世界各国のチャートで軒並み上位にランクインしている。またその独創的でユニークなアプローチや表現は、作品を出す毎にメインストリームにまで影響を与えてきている。

●近年 Justin はコミュニティ・ミュージックを標榜し、アーティスト集団とも言える“PEOPLE”を創設、またそこから派生したTHE NATIONAL の Aaron Dessner とのプロジェクト、Big Red Machine で作品を発表したりフェスティバル、EAUX CLAIRES を主催したりと様々なコラボレーションを行なってきた。『i, i』はマスター・コラボレーターとしての Justin Vernon の理想や創造性が最大限に表現された作品になっている。本作の制作の前にテキサス州の広大な農地に新たに Sonic Ranch というスタジオを作り、新しい環境でバンドメンバーを始め多くのコラボレーターと共に作業を進め、インスピレーションや文化的異種交配、他分野のクリエイティブな結合が生まれることを目指した。

●本作のリリースにあたりオフィシャル・プレス・リリースでは Bon Iver のこれまでの軌跡を季節の流れになぞらえて表現してる。心の張り詰めた北部の冬の孤独の如き『For Emma, Forever Ago』、希望と活力に溢れる春の訪れのような『Bon Iver, Bon Iver』、焼け付くような夏の気が狂ったエネルギー『22, A Million』、そして『i, i』でそのサイクルが完結する。秋色で、瞑想に耽った、深く沁み入るアルバム。円熟。実りの季節。Justin という一人の音楽家が自身と向き合い、多くの仲間と支え合いながら限りなきアメリカン・ミュージックの恩恵を得、結実した豊潤で荘厳な世界。2019年を象徴する名作の誕生です。

■More Info:https://bignothing.net/boniver.html

James Ferraro - ele-king

 「OPN以降」という言葉はすでに消費され尽くした感もある。もはやこの言葉だけでは何も語ったことにはならない。ゆえに「あえて」反対に問うてみたい。「OPN以前」は何か、と。むろん、その問いに、たったひとつの答えはない。
 だが「あえて」、ひとつだけ答えを挙げてみるならば、「ジェームス・フェラーロ」という名を召喚する必要がある。とはいえ正確には、OPNの初リリースは2007年であり、フェラーロは最初のアルバム『Discovery』を2008年にリリースしているのだから、フェラーロの方がだいたい1年遅れであり、「以前」の存在ではない。ふたりの活動初期は共に00年代末期から10年代初頭にあたる。ほぼ同期ともいえる。
 しかしOPN=ダニエル・ロパティンが、「OPN以降」というキャッチコピーと共に「新時代の現象」として広く理解されはじめたのは、〈Warp〉からリリースされた『R Plus Seven』(2013)以降ではないかと思う。むろん、2010年に〈Editions Mego〉からリリースされた『Returnal』と、アントニーとフェネスが参加したシングル「Returnal」は、先端的な音楽マニアや英国『The Wire』誌などのメディアから高く評価されたし、OPNが主宰していた〈Software〉からリリースされた『Replica』(2011)は現在もOPNの最高傑作としてマニアたちが偏愛しているアルバムである。私もOPNといえばまずもってこの二作を重要作と考える。

 しかし、先端的な音楽を積極的に追いかけているマニアや電子音楽ファンだけではなく、ロック・ファンも含めた広い音楽ファンにOPNが聴かれはじめたのは、やはり〈Warp〉からリリースされた『R Plus Seven』だったように思える。じっさいレーベルの知名度も手伝ってか、現象としての「OPN以降」という言葉が浸透し、ついには「ブライアン・イーノ」の後継者とまで言われるようになった。音楽メディアで彼とその音楽について多くの考察がなされ、加えて音楽関係者以外からの言及も増えた。例えば現代SF作家の俊英、樋口恭介もまたOPNからの影響を公言しており、その著作『構造素子』においてはダニエル・ロパティンの名などを変形して用いた登場人物やシステムを描いているほどだ(「オートリックス・ポイント・システム」!)。樋口は2018年リリースの最新アルバム『Age Of』日本盤で歌詞監訳を担当したほどである。ともあれ2018年リリースの最新アルバム『Age Of』リリース時は、本人の来日も相まって非常な盛り上がりをみせた。
 いずれにせよ10年代中盤から終わりにかけて、OPNは時代の寵児となったわけだが、それと反比例するようにジェームス・フェラーロへの言及は相対的に少なくなってきたように見えた。
 これはいささか不公平な事態である。フェラーロはOPNが「ブーム」になる以前から、OPNと同様に現代的でアクチュアルな問題を内包した音楽家だったのだから。ゆえに彼をとりあえず「OPN(現象)以前」の作家として召喚してみたい(逆にいえば『R Plus Seven』以降のOPNはヴェイパーウェイヴの流れからは外れてきたといえなくもない)。

 だが、2010年代も末期を迎えた現在、状況はやや変わってきた。ヴェイパーウェイヴという資本主義の残骸をめぐる2010年代的なインターネット音楽が改めて注目を浴びつつあり、そのような潮流の中でいま、ジェームス・フェラーロの存在は再びクローズアップされている。昨年にリリースされたイヴ・トゥモアのアルバムに彼がゲスト参加していたことに気がついた人も多いだろう。
 いや、そもそも数年前には既に Robert Grunenberg による「ジェームス・フェラーロとショッピング モールの美学──消費者文化を映し、崩壊するアメリカンドリームのイメージを暴く、電子音楽家との対話」という興味深いインタヴュー記事もアップされていたのだ。これはヴェイパーウェイヴの先駆けとして改めてフェラーロを位置づける重要な記事である。
 じっさい、フェラーロは、ほかのヴェイパー作家と同じく都市と監視、ショッピングモールなどの消費主義の残骸への批評的な意識を音楽に昇華してきたアーティストだ。が、ほかのヴェイパーウェイヴとヴァイパー作家たちと違うのは幼少期へのノスタルジーが希薄な点にある。いわば体内回帰的なショッピングモールへのノスタルジアではなく、都市という場への冷徹なまなざしを強く感じるのだ。
 フェラーロは、例えば作家のドン・デリーロのように現代に冷徹な眼差しを向けている。そして透明なデジタル・カメラのレンズのような意識の果てに、微かにロマンティシズムが漂ってもいる。

 2011年にリリースされた重要作『Far Side Virtual』以降、フェラーロは多くのアルバムをリリースしてきたが、中でも『NYC, Hell 3:00 AM』(2013)、『Skid Row』(2015)、『Human Story 3』(2016)は、ニューヨークという都市、米国を中心としつつ全世界を覆う巨大なグローバル企業をテーマとする重要なアルバムであった。その音楽は脱臼されたエレクトロニック・ポップかサウンドの残骸を集めて作られたような壊れたR&Bのような極めて批評的なものである。
 これらの作品には彼の「思想」というか「メッセージ」が極めて凝縮した形で表現されていた。都市生活の傍らに鳴る音や都市の雑踏、デヴァイスの音などを大胆かつ細やかにエディットしたそのトラックは、21世紀初頭/末期資本主義の世界に満ちていく記号のエントロピーをスムースかつクールに、しかしフェイクな電子音楽に変換していく。いわば音で聴くジャン・ボードリヤールの『象徴交換と死』のような作品とでもいうべきか。
 それらのアルバムに満ちていた音はグローバル経済の結果として、格差が生まれ、都市環境は荒廃し、資本主義と人間の関係が最終段階に入るなか(しかもどう終ってよいのかは誰も分からない!)、インターネット・デヴァイスという「監視装置」が生活の隅々にまで浸食した10年代中期のムードを非常に上手く表現していた。『NYC, Hell 3:00 AM』、『Skid Row』、『Human Story 3』の10年代中期の三部作は、私たちを無感情で撮り続ける監視カメラのような音楽/サウンドだったのだ。

 しかし2018年にリリースされた『Four Pieces For Mirai』で彼のモチーフと音楽性は一変した。10年代中期の都市三部作を経て、エコロジカルな意識を持ったディストピア的サウンドへと変化を遂げたのだ。音楽性も変化した。『Four Pieces For Mirai』ではR&Bやシンセポップを思わせるトラックは減り、クラシカルかつアンビエントでありつつ、映画音楽を思わせるドラマチックなトラックを多く収録することになる。ヴォーカル・トラックはアルバムの最後に収録された“Gulf Gutters”のみであった。
 2019年にリリースされた新作『Requiem For Recycled Earth』は、『Four Pieces For Mirai』の続編的な位置づけの作品である。「再生する地球のためのレクイエム」という名からも分かるように、地球の自然環境を主題とするようなアルバムといえる。
 前作では、まだそれまでの作品と同じようにさまざまなサウンド・エレメント(電話の音、鳥の鳴き声など)が用いられたヴェイパーウェイヴ的な音響となっていたが、本作はシンセによる弦楽とコーラスを折り重ねたクラシカルな楽曲を収録しており、まさに人間以降の地球を俯瞰するような雄大な音楽となっていた。上空から一度、滅んだ惑星の状況をスキャンするかのような感覚の音楽とでもいうべきか。
 同時に作りモノめいてもいた。人工的なコンピューター仕掛けの讃美歌のように。なかでも私は仮想空間に自動生成したような宗教曲/讃美歌のような7曲め“Weapon”の冷たい美しさに耳を惹かれた。そのような曲に「Weapon」と名付けている点も興味深い。やはり人類の非劇性や終局を象徴するようなアルバムなのだろう。じじつ、本アルバムには「ecocide and planetary divorce」というメッセージが添えられている。
 ほかの曲もときにアンビエント、ときにミニマル、ときにクラシカルとその表情を変えながら、成層圏のような人工的なコーラス(ヴォイス)が楽曲を空気のように覆っていた。特にミニマルな電子音と破滅的な電子ノイズに、ヴォイスが重なる“Recycled Sky”の透明な美しさは筆舌に尽くしがたい。

 末期資本主義が行き渡った都市空間から、惑星規模の終末世界へ。ポストモダンからアフターヒューマンへ。21世紀以降の世界の変化と無意識を察知し続けるフェラーロは、10年代を象徴する重要なサウンド・アーティスト/音楽家である。彼はグローバリズム経済世界が発する音の残骸を繋ぎ、いかにも人口的で作り物めいた歪な電子音楽を作り続けている。それは21世紀初頭、2010年代という、この「ディケイドそのもの」であろうとする意志にも思えた。
 そう、フェラーロは時代の変化の只中で、その変化に身を浸しつつも、常に少しだけズラしてみせる。その振る舞いは時代に潰されないひとつの冴えたやり方に見える。優れて批評的といってもいい。もはやいうまでもない。彼もまたOPNと共に21世紀の無意識を捉えた重要な音楽家である。

選挙の夏、反緊縮の夏がやって来た。
私たちの代表者を選ぶ準備はできているだろうか?

 4月のはじめにAOC(アレクサンドリア・オカシオ-コルテス下院議員)やMMT(モダン・マネタリー・セオリー=現代貨幣理論)、そして欧米の反緊縮運動についてのコラムを書かせていただいた。執筆時期は3月であったが、それから4ヶ月あまりが経って、日本の政治情勢にも大きな変化があったので、またこちらで報告させていただくことにさせてもらった。

 4月初旬に前回拙コラムの掲載があった頃には、日本ではMMTに関する記事は中野剛志氏(元・京都大学工学研究科大学院准教授)によるものしか存在しなかったが、現在までに主流メディアから各雑誌に至るまで、あらゆるメディアが繰り返しMMTを扱うまでになった。それほどMMTという黒船は強烈で、物議を醸したことに他ならない。日本語の記事も充実してきたこともあるし、経済学の専門家でもない筆者が理論について語ることも憚られるので、少し違った視点からMMTと政治との関わりについて観測していきたい。

 なお、MMTの理論について知りたい方は、上述した中野剛志氏をはじめとする反緊縮界隈で活動する三橋貴明氏、松尾匡氏(立命館大学教授)や一般社団法人「経済学101」の解説に触れていただくことをお勧めする。




 7/16、7/17に来日公演を行うステファニー・ケルトン教授。MMTのファウンダーの一人、サンダース大統領候補の経済顧問として知られる。

 さて、MMTが本家アメリカで取りざたされたのは、大統領候補のサンダース上院議員がステファニー・ケルトン(ニューヨーク州立大学ストーニーブルック校教授)を経済顧問に採用したことに始まるが、そのサンダースが創設したSanders Instituteによるインタビューで、ケルトンはサンダースとの初対面の様子を語っている。

 民主党上院の経済顧問に就任する際、初めてサンダース会ったときに「貴方がもし私だったら、どういう政策を出すだろうか」と聞かれました。
私は、サンダースに見合うような、クールでスケールの大きなことを言わなければならないと思い、フランクリン・D・ルーズベルトの「Second Bill of Rights(第二権利章典)」の話を切り出したんです。
 FDR(ルーズベルト)がやり残した仕事の話、つまり教育を受ける権利、医療保険を受ける権利、雇用保証を受ける権利の話をしました。
それは民主党の精神の核になる部分であり、私もずっと取り組んできたことでもありました。
 経済には浮き沈みのサイクルがあり、どうしてもリーマンショックのような大不況が訪れることがあるのですが、そのときに失業に苦しむ人々をサポートし、経済復興を早めるための公的プログラムを備える必要があります。
失業者の最後の雇い手は国家でなくてはならないのです。
(上記は筆者による要約)

 FDRは「Second Bill of Rights(第二権利章典)」を提案したその年に脳出血で死去してしまったが、そのFDRの”やり残した仕事”とは以下のような権利となる。

・社会に貢献し、正当な報酬を得られる仕事を持つ権利
・充分な食事、衣料、休暇を得る権利
・農家が農業で適正に暮らせる権利
・大手、中小を問わず、ビジネスにおいて不公平な競争や独占の妨害を受けない権利
・すべての世帯が適正な家を持てる権利
・適正な医療を受け、健康に暮らせる権利
・老齢、病気、事故、失業による経済的な危機から守られる権利
・良い教育を受ける権利

 このFDRの第二権利章典をアップグレードさせたものが、去る6月12日にサンダースがジョージ・ワシントン大学で「This Is The Time(時は来た)」と力強く語った「21st Century Economic Bill of Rights(21世紀の経済権利章典)」となる。これは、人びとが受ける権利は、基本的人権のみならず、誰もが経済的に自活可能な権利を自然に有するというものである。

 サンダースの「21世紀の経済権利章典」は、MMTのJGP(Job Guarantee Program=総雇用保証)とも親和性の高いGreen New DealやJob for Allという政策も含まれる、数百兆円〜千兆円規模の巨額の投資プロジェクトとなるが、その政策の全貌は彼のウェブサイトでも明示されている。

 FDRの44年のスピーチから引用しよう。”私たちは、真の個人の自由が、経済的保障と独立心と密接不可分な存在であるという事実を、明確に認識するに至った”
 (中略)
 私の政策とこのキャンペーンの核心は、すべて1944年にあります。
FDRは第二権利章典を提案した1年後に死去し、そのビジョンを実現することはできませんでした。
 75年後の私たちの宿命は、ルーズベルトが始めたことを完成させることにあり、そしてそれが今日、私が”21世紀の経済権利章典”を提案している理由でもあります。
 (中略)
 私にとっての民主社会主義というものは、この国のすべての地域社会に政治的、経済的な自由を達成することにあります。
 (中略)
 1%の人々は莫大な富と権力を持っているかもしれないが、それは結局ただの1%にすぎず、99%の人々こそが共に立ち上がり、社会を変革させることができるのです。
- サンダース大統領候補(2019年6月12日 ジョージ・ワシントン大学にて)

 米国では、MMTの「過度なインフレーションにならない限り、財政赤字は気にすることはない」とする議論に呼応するように、そしてトランプによる1.5兆ドルにも及ぶ巨額減税を含む財政政策に対抗すべく、サンダースをはじめとした民主党予備選挙に名乗りをあげる20人以上もの候補が、それぞれにグリーン・ニューディールや大学無償化、最低賃金15ドル、社会保障費の増額など、積極的な財政政策を競って掲げているが、その余波が我が国日本にも少しずつ届いているようだ。

 4月以降、日本では中野剛志氏の記事を皮切りに、近い関係にある自民党の西田昌司参議院議員が4月4日の国会予算委員会でもMMTを扱い、黒田日銀総裁、安倍首相、麻生財務大臣に質問している。西田議員が、MMTの、主に貨幣論的側面にフォーカスを当てた質問の趣旨は以下の通りだ。

 これ以上国債を発行したら引受け手がいない」といわれています。「引受け手がいなければ財政破綻してしまう」と。ところがそうではない。
政府が国債を発行して事業を行えば国内にお金を出すので政府の借金も増えるが、民間の資産預金も増えるんです。いつまで経っても破綻しないんです。
 これまで、預金を集めて(政府は)借金すると思われていたのが、実際は借金するから預金が生まれる。
 まさに天動説から地動説なんです。

 いわゆるMMTの「万年筆マネー」や「Spending First」という概念についてとなる。今までの主流経済学では「国債は民間銀行の預金からファイナンスされている」と信じられていたが、MMTの貨幣観では、「国債発行を介した政府支出により、新たに貨幣が創造され、民間銀行から預金を借りているわけではない。このため国家は債務不履行になりようがない」ということになる。

 西田議員の質問に対し、麻生財務大臣は「日本をMMTの実験場にするつもりはない」と一蹴し、安倍首相は「自国通貨建て国債はデフォルトしないというのは事実だと思う。しかしだからといって債務残高がどれだけ増えても問題はないのだろうか。財政再建は進めていきたい。MMTの論理を実行しているわけではない」と答えた。

 このときの様子がロイターのWeb版でも扱われ、その記事にはケルトン教授までがツイッターで「消費増税と合わせた大胆な金融政策ですって? それに私たちを無知だと決めつけている。ご苦労様ですね(笑)」と皮肉と怒り交りに反応したほどだった。

 以降、この予算委員会での質疑が発端となり、日本でもMMTインフレ-ションが起こり、また各所で物議を醸すことともなったのだ。

 5月9日、この日の参議院・財政金融委員会での主役は自民党・西田昌司議員と共産党・大門実紀史議員の二人だった。西田議員が「政府が国債を発行すると民間銀行の日銀銀当座預金は減って、その分政府の日銀当座預金は増える。この認識は正しいか」と黒田日銀総裁に再三に渡り質問をするが、黒田総裁はまともに答えることなく質問時間が過ぎていった。しかしその後、西田議員に代わった大門議員の質問は圧巻であった。

 大企業のための緊縮への反発がMMTブームを生んだが、虐げられた国民が反逆するのは歴史が証明している。”財務省は国民の敵になるな”と思う。
 共産党は国債発行に関して“政府はお金使え、場合によっては借金してでも国民の暮らし守れ”ということです。
 20年間、新自由主義、グローバリゼーション、規制緩和、小さな政府、緊縮や財政規律、そして社会保障を抑制しておいて増税して我慢しろと言うのか。
 いままでの緊縮は、いったい誰のための緊縮だったのか。富裕層や大資本が逃げないために緊縮財政を押し付けてきたのではないか。
 私は心情的にケルトン教授が好きだ。財務省の脅しに乗るよりは「統合政府論」を考えておいたほうがよっぽど良い。
 西田議員の信用創造の話は当たり前のことを言っているだけだ。

 筆者はこの質疑の後、大門議員本人にヒアリングをする機会に恵まれたが、やはり過度な国債発行により高インフレの状況になり、国民生活が毀損される可能性があることは危惧しているようだったが、「西やんとは貨幣に関する認識は8、9割は同じ」と発していたことは印象的でもあった。

 極右とも称されることの多い西田議員と、極左と揶揄されることもある共産党の大門議員が、貨幣観に関して認識を同じくする現象は非常に興味深い。信用創造システムには右も左もないということだろう。

 MMTの解釈を、貨幣観のみならずマクロ経済にまで拡げると、MMTは反緊縮派の人びとに引用されることが多い。ケルトン教授の日本でのシンポジウムにも参加する駒澤大学准教授の井上智洋氏は、6月の講演で「日本では左右で逆転現象が起きている。左派は財政再建派。これには”しっかりしろよ”と思う。逆に右派の方が日本経済のために財政支出しようとしている大きな政府主義。MMTは左派・社会主義に近いが 日本ではなぜか左派界隈から批判されている」と述べていた。

 日本ではなぜか左右の逆転現象が起きている。それでは共産党以外の野党はどうだろうか。筆者が知る限り、MMTや反緊縮の経済政策を取り入れる議員は与野党ともに少ないが、その中でMMT/反緊縮財政をもっとも理解するのは4月に「れいわ新選組」を立ち上げた山本太郎議員である。

 次回は、れいわ新選組・山本太郎代表、国民民主党・玉木雄一郎代表、社民党・相原りんこ候補、立憲民主党・落合貴之議員ら、反緊縮議員の発言を追ってみる。

TODD TERJE JAPAN TOUR 2019 - ele-king

 NYにはトッド・テリー、そしてノルウェーにはトッド・テリエ。2000年代のニュー・ディスコのスターDJ、2012年の"Inspector Norse(ノルウェーの検査官)” はあまりにも有名で、彼のアルバム『It's Album Time』はここ日本でもヒットした。
 セカンド・アルバムリリースが待ち望まれるなか、今回はDJセットでの来日です。大阪公演では梅田クラブクアトロのオールナイト企画〈NIGHT FOUNTAIN〉第2弾のゲストとして参加する。

9.27(FRI) 大阪 UMEDA CLUB QUATTRO
- Night Fountain -

DJ: TODD TERJE and more

Open 23:00
Advance ¥3,000
Door ¥4,000
with Flyer ¥3,500
※入場時ドリンク代600円別途必要

[前売取扱] チケットぴあ(Pコード:159-247) / ローソンチケット(Lコード:51417) / e+ / Resident Advisor
★前売りチケット 8/3より一般発売!
Info: Umeda Club Quattro https://www.club-quattro.com/umeda/
大阪市北区太融寺町8番17号 プラザ梅田10F TEL 06-6311-8111

※オールナイト公演のため20歳未満の入場はお断りいたします。
※エントランスでIDチェックあり。必ず顔写真付き公的身分証明書をご提示ください。
(運転免許証、taspo、パスポート、顔写真付マイナンバーカード、顔写真付住基カード、外国人登録証)
ご提示いただけなかった場合、チケット代のご返金はいたしかねます。


9.28(SAT) 東京 CONTACT
DJ: TODD TERJE and more

Open: 22:00
Under 23 ¥1000 / Before 23:00 ¥2500 / Early Bird ¥2500 / Advance ¥3000 / w/f ¥3300 / Door ¥3800
★100枚限定 2500円早割チケット 7/16より発売!
[前売取扱] e+ / clubberia / Resident Advisor / iflyer

Info: Contact https://www.contacttokyo.com
東京都渋谷区道玄坂2-10-12 新大宗ビル4号館B2F TEL 03-6427-8107
You must be 20 and over with ID.

TODD TERJE (Olsen Records / from Norway)

北欧ノルウェー、オスロ在住のプロデューサー/DJ/ソングライターであるTODD TERJE(トッド・テリエ)。
数々の傑作リエディットでその名を知られ、彼のリエディットやリミックス作品で構成されたベスト盤的コンピレーション&ミックスCD 『Remaster Of The Universe』がリリースされている。
リエディットだけでなくオリジナル作品でもその才を発揮し、「Eurodans」は彼の代表曲のひとつであり、「Ragysh」と「Snooze 4 Love」は2011年のクラブ・アンセムとなった。
『It’s The Arps』EP収録曲、「Inspector Norse」は爆発的なヒットを記録し、世界中のダンスフロアで評価されている。
2014年、ファースト・フル・アルバム『It's Album Time』をリリース。ソロ・ライヴやフル・バンドTHE OLSENSを率いて各主要フェスティヴァルを網羅し、ライヴ・アクトとしても絶大な人気を誇る。
2016年、TODD TERJE & THE OLSENS名義でのカヴァーEP『The Big Cover-Up』をリリース。セカンド・アルバムの発表が待ち望まれるなか、オリジナルがまだ未発表である”Jungelknugen”のFour TetとPrins Thomasリミックスがリリースされている。

Ken Ishii - ele-king

 先日の《HARDCORE AMBIENCE》にゲスト出演、主催の Nyantora および duenn とともに素敵なセッションを披露してくれたケンイシイ。1993年の名作『Garden On The Palm』の日本盤が出たのは翌94年だから、今年は彼の日本デビュー25周年ということになる。そんな記念イヤーにふさわしく、今秋にはケンイシイ待望のニュー・アルバムがリリースされる。ずっと精力的に活動を続けている彼だけれど、単独名義でのアルバムはじつに13年ぶりだ。そして本日、同作から新曲“Green Flash”の配信が開始された。

 またそれと同時に、ケンイシイが担当したバンダイナムコのVR「アスレチックVR PAC-MAN CHALLENGE」のテーマ曲“The World of PAC-MAN”も配信がスタート。『パックマン』といえば、誰もが知るゲーム・サウンドのクラシック中のクラシックだけれど(『ゲーム音楽ディスクガイド』をお持ちの方は8頁と254頁を参照)、それがいま新たにケンイシイの手によって現代的に蘇っている。

 日本デビュー25周年を迎えるケンイシイ、今後の動きから目が離せそうにない。

KEN ISHII、新作アルバムから先行でスペインのスターDJ “DOSEM”とのコラボレイト曲を配信開始。「アスレチックVR PAC-MAN CHALLENGE」のオフィシャル・テーマ曲も同時に配信開始。

今年、日本デビューから25周年目を迎えるDJ/テクノアーティストの KEN ISHII が、オリジナル・アルバムとしては前作より13年ぶりとなる新作アルバムを、今秋リリースすることが決定。このアルバムからスペインの人気DJ/プロデューサーである DOSEM とのコラボレイト曲 KEN ISHII with DOSEM “Green Flash”の先行配信を開始しました。

KEN ISHII with DOSEM - GREEN FLASH
https://youtu.be/pOPHKDL9fF4

以前からケンイシイへのリスペクトを公言している“カタルーニャの太陽”と呼ばれるスペインのスターDJ、DOSEM 本人からコラボレイトについてのコメントが寄せられているので紹介します。

ケンの音楽に触れたのは、僕の故郷、ジローナにあるクラブ La Sala del Cel で、もう何年も前のこと。

『Jelly Tones』や『SUNRISER』など彼の作品が持つ独自な音楽スタイルと同じくらいにその時最も印象に残ったことは、彼のDJテクニックと機材を前にした(DJブースに立った)時の彼のカリスマ性だ。

やがて僕達は互いに知り合いコラボレーションする機会を得た。彼の様なキャリアを持つアーティストと一緒に仕事をすることができたことを誇りに思うよ。

一方、僕は日本の文化全般を愛しているが、ケンはその中における真の音楽的アイコンだ。彼の新しいアルバムでコラボレーションすることについて話したとき、面白い何かが出来ることを確信したし素晴らしいアイデアだと思った。そしてコラボレイトの結果についても嬉しく思うよ。この曲は2人それぞれの個性を感じさせる曲となっているんだ。

ケンイシイのニュー・アルバムのための僕たちのコラボをチェックして欲しい。皆が気に入ってくれることを願っているよ!!

──DOSEM

この曲で片鱗を覗かせたに過ぎませんが、新作アルバムへの期待がいやが上にも高まります。

そしてさらに本日、KEN ISHII によるもうひとつの新曲“The World of PAC-MAN (Official Theme Song for PAC-MAN CHALLENGE)”の配信も開始しました。こちらは株式会社バンダイナムコアミューズメントが開発した、最新のVRデバイス「Oculus Quest」を用いたVRアクティビティ「アスレチックVR PAC-MAN CHALLENGE」(パックマンチャレンジ)のテーマ曲。

1980年に登場後、日本のみならず世界中から愛されているパックマンのおなじみのゲーム・サウンドが、ケンイシイの手によりフューチャリスティックでポップなテクノミュージックへと生まれ変わりました。

KEN ISHII - The World of PAC-MAN
https://youtu.be/MhGXs7xeYVU

「アスレチックVR PAC-MAN CHALLENGE」は、プレーヤー自身がパックマンになり、ゴーストから逃げながら全身でクッキーを集めてラウンドクリアを目指すアクティビティで、本日7月12日(金)に、東京・池袋のサンシャインシティにオープンした「アニメとゲームに入る場所MAZARIA(マザリア)」、また大阪・梅田の「VR ZONE OSAKA」で体験できます。

【リリース情報】

「Green Flash」(先行配信 EP)
1. Ken Ishii with Dosem - Green Flash (Original Extended Mix)
2. Ken Ishii with Dosem - Green Flash (Dosem Remix)

音楽配信サイト リンクまとめ
https://linkco.re/GyB96PEG

「The World of PAC-MAN」(「アスレチックVR PAC-MAN CHALLENGE」オフィシャル・テーマ曲)
1. The World of PAC-MAN (Official Theme Song for PAC-MAN CHALLENGE)
2. The World of PAC-MAN (Original Mix)

音楽配信サイト リンクまとめ
https://linkco.re/PZUb2Ms9

【アーティスト情報】

KEN ISHII(ケンイシイ)
アーティスト、DJ、プロデューサー、リミキサーとして幅広く活動し、1年の半分近い時間をヨーロッパ、アジア、北/南アメリカ、オセアニア等、海外でのDJで過ごす。’93年、ベルギーのレーベル〈R&S〉からデビュー。イギリス音楽誌『NME』のテクノチャートでNo.1を獲得、’96年には『Jelly Tones』からのシングル「Extra」のビデオクリップ(映画『AKIRA』の作画監督/森本晃司監督作品)が、イギリスの「MTV DANCE VIDEO OF THE YEAR」を受賞。’98年、長野オリンピック・テーマインターナショナル版を作曲し、世界70カ国以上でオンエア。2000年アメリカのニュース週刊誌『Newsweek』で表紙を飾る。’04年、スペイン・イビサ島で開催の《DJ AWARDS》で BEST TECHNO DJ を受賞し、名実共に世界一を獲得。’05年には《愛・地球博》で政府が主催する瀬戸日本館の音楽を担当。一昨年は《NINTENDO SWITCH Presentation》に出演。全世界配信され、数百万人の人達が DJ PLAY を目の当たりにした。更にはベルギーで行われている世界最高峰のビッグフェスティバル《Tomorrowland》に出演も果たす。今年2019年は13年振りとなるオリジナル・アルバムをリリースするなど様々なプロジェクトを予定している。

https://kenishii.com
facebook.com/kenishiiofficial
twitter.com/K_Ishii_70Drums
https://soundcloud.com/ken-ishii-70drums

【施設情報】

『アニメとゲームに入る場所 MAZARIA(マザリア)』
営業時間:10:00~22:00(最終入場21:00/不定休)
住所:東京都豊島区東池袋3-1 サンシャインシティワールドインポートマートビル3階
https://bandainamco-am.co.jp/others/mazaria/

『VR ZONE OSAKA』
営業時間:11:00~22:30(最終入場21:30)
住所:大阪府大阪市北区角田町5-15 HEP FIVE 8F、9F
https://vrzone-pic.com/osaka/

Stereolab - ele-king

 去る2月に再始動がアナウンスされ、大きな話題を呼んだステレオラブ。5月にはセカンド・アルバムおよびサード・アルバムがリイシューされているが、それに続いてこの9月、彼らの代表作である4枚目から6枚目まで、すなわち『Emperor Tomato Ketchup』『Dots and Loops』『Cobra and Phases Group Play Voltage in the Milky Night』も一挙に復刻される運びとなった。追加収録されるボーナス・トラックにも注目だけれど、この3作ではジョン・マッケンタイアがプロデューサーを務めていて(6枚目にはジム・オルークも)、当時のいわゆるポスト・ロックの流れを知るうえでも超重要なアルバムたちである。発売は9月13日。現在、トレーラー映像とともに、ボーナス・トラック“Freestyle Dumpling”が先行公開中。

[8月17日追記]
 いよいよ一ヶ月後に迫った上記3作のリイシューに先がけ、去る8月13日、『Dots and Loops』収録曲“The Flower Called Nowhere”の未発表ヴァージョンが公開されている。この曲についてメンバーのティム・ゲインは、以下のように語っている。

この曲はマウス・オン・マーズのヤン・ヴェルナーとアンディー・トマと一緒にレコーディングしたんだ。ステレオラブの中で、ずっとお気に入りの曲だよ。ポーランドのジャズ・ミュージシャンやクシシュトフ・コメダの音楽から抱く感覚を想起するようなコード進行に興味があったんだ。たしか偶然だったんだけど、ようやく自分の好きなコードを見つけることができて、そこからこの曲を書き上げたんだ。あと60年代中期〜後期のヨーロッパ映画音楽の雰囲気を取り入れようとして、ハープシコードや優美なヴォーカル、カラフルなサウンドと使ってる。 ──Tim Gane

 試聴・購入はこちらから。

STEREOLAB

90年代オルタナ・シーンでも異彩の輝きを放ったステレオラブ
10年ぶりに再始動をした彼らの再発キャンペーン第二弾が発表!
名盤『EMPEROR TOMATO KETCHUP』を含め一挙に3作がリリース!

90年代に結成され、クラウト・ロック、ポスト・パンク、ポップ・ミュージック、ラウンジ、ポスト・ロックなど、様々な音楽を網羅した幅広い音楽性で、オルタナティヴ・ミュージックを語る上で欠かせないバンドであるステレオラブ。その唯一無二のサウンドには、音楽ファンのみならず、多くのアーティストがリスペクトを送っている。10年ぶりに再始動を果たし、今年のプリマヴェーラ・サウンドではジェームス・ブレイクらと並びヘッドライナーとして出演。5月には、再発キャンペーン第一弾として『Transient Random-Noise Bursts With Announcements [Expanded Edition]』(1993年)、『Mars Audiac Quintet [Expanded Edition]』(1994年)の2タイトルが、アナログ、CD、デジタルでリリースされている。

今回の発表に合わせトレーラー映像と、『Emperor Tomato Ketchup』にボーナス・トラックとして収録される“Freestyle Dumpling”が先行公開されている。

Expanded Album Reissues Part 2
https://youtu.be/i3FyBhrOuso

Freestyle Dumpling
https://stereolab.ffm.to/freestyle-dumpling

今回リイシューが発表されたのは、1996年にリリースされた代表作『Emperor Tomato Ketchup』、1997年の『Dots and Loops』、1999年の『Cobra and Phases Group Play Voltage in the Milky Night』の3作が、全曲リマスター+ボーナス音源を追加収録した “エクスパンデッド・エディション” で、前回同様アナログ、CD、デジタルでリリースされている。

今回の再発キャンペーンでは、メンバーのティム・ゲインが監修し、世界中のアーティストが信頼を置くカリックス・マスタリング(Calyx Mastering)のエンジニア、ボー・コンドレン(Bo Kondren)によって、オリジナルテープから再マスタリングされた音源が収録されており、ボーナス・トラックとして、別ヴァージョンやデモ音源、未発表ミックスなどが追加収録される。

国内流通盤CDには、解説書とオリジナル・ステッカーが封入され、初回生産限定アナログ盤は3枚組のクリア・ヴァイナル仕様となり、ポスターとティム・ゲイン本人によるライナーノートが封入される。また、スクラッチカードも同封されており、当選者には限定12インチがプレゼントされる。されに対象店舗でCDおよびLPを購入すると、先着でジャケットのデザインを起用した缶バッヂがもらえる。

なお11月には、『Sound-Dust』 『Margerine Eclipse』がリリースされる予定となっている。

label: Duophonic / Warp Records / Beat Records
artist: Stereolab
title: EMPEROR TOMATO KETCHUP [Expanded Edition]
release date: 2019/09/13 FRI ON SALE

3LP CLEAR VINYL / D-UHF-D11RC
3LP BLACK VINYL / D-UHF-D11R
2CD / D-UHF-CD11R

BEATINK.COM:
https://www.beatink.com/products/detail.php?product_id=10376

[TRACKLISTING]
CD / Digital

Disk 1
01. Metronomic Underground
02. Cybele’s Reverie
03. Percolator
04. Les Yper Sound
05. Spark Plug
06. OLV 26
07. The Noise Of Carpet
08. Tomorrow Is Already Here
09. Emperor Tomato Ketchup
10. Monstre Sacre
11. Motoroller Scalatron
12. Slow Fast Hazel
13. Anonymous Collective

Disk 2
01. Freestyle Dumpling
02. Noise Of Carpet (Original Mix)
03. Old Lungs
04. Percolator (Original Mix)
05. Cybele's Reverie (Demo)
06. Spark Plug (Demo)
07. Spinal Column (Demo)
08. Emperor Tomato Ketchup (Demo)
09. Les Yper Sound (Demo)
10. Metronomic Underground (Demo)
11. Percolator (Demo)
12. Tomorrow Is Already Here (Demo)
13. Brigitte (Demo)
14. Motoroller Scalatron (Demo)
15. Anonymous Collective (Demo)

label: Duophonic / Warp Records / Beat Records
artist: Stereolab
title: DOTS AND LOOPS [Expanded Edition]
release date: 2019/09/13 FRI ON SALE

3LP CLEAR VINYL / D-UHF-D17RC
3LP BLACK VINYL / D-UHF-D17R
2CD / D-UHF-CD17R

BEATINK.COM:
https://www.beatink.com/products/detail.php?product_id=10377

[TRACKLISTING]

Disk 1
01. Brakhage
02. Miss Modular
03. The Flower Called Nowhere
04. Diagonals
05. Prisoner of Mars
06. Rainbo Conversation
07. Refractions in the Plastic Pulse
08. Parsec
09. Ticker-tape of the Unconscious
10. Contronatura

Disk 2
01. Diagonals (Bode Drums)
02. Contranatura Pt. 2 (Instrumental)
03. Brakhage (Instrumental)
04. The Flower Called Nowhere (Instrumental)
05. Bonus Beats
06. Diagonals (Instrumental)
07. Contranatura (Demo)
08. Allures (Demo)
09. Refractions in the Plastic Pulse (Demo)
10. I Feel The Air (Demo)
11. Off On (Demo)
12. Incredible He Woman (Demo)
13. Miss Modular (Demo)
14. Untitled in Dusseldorf (Demo)

label: Duophonic / Warp Records / Beat Records
artist: Stereolab
title: COBRA AND PHASES GROUP PLAY VOLTAGE IN THE MILKY NIGHT [Expanded Edition]
release date: 2019/09/13 FRI ON SALE

3LP CLEAR VINYL / D-UHF-D23RC
3LP BLACK VINYL / D-UHF-D23R
2CD / D-UHF-CD23R

BEATINK.COM:
https://www.beatink.com/products/detail.php?product_id=10378

[TRACKLISTING]

Disk 1
01. Fuses
02. People Do It All The Time
03. The Free Design
04. Blips Drips And Strips
05. Italian Shoes Continuum
06. Infinity Girl
07. The Spiracles
08. Op Hop Detonation
09. Puncture In The Radax Permutation
10. Velvet Water
11. Blue Milk

Disk 2
01. Caleidoscopic Gaze
02. Strobo Acceleration
03. The Emergency Kisses
04. Come And Play In The Milky Night

BONUS TRACKS
05. Galaxidion
06. With Friends Like These Pt. 2
07. Backwards Shug
08. Continuum (Unreleased Original Version)
09. Continuum Vocodered (Unreleased)
10. People Do It All The Time (Demo)
11. Op Hop Detonation (Demo)
12. The Spiracles (Demo)
13. Latin Cobra Coda (Demo)
14. Infinity Girl (Demo)
15. Blips, Drips & Strips (Demo)
16. Blue Milk (Demo)
17. Italian Shoes Continuum (Demo)
18. Come And Play In The Milky Night (Demo)
19. Strobo Acceleration (Demo)
20. Caleidoscopic Gaze (Demo)
21. Galaxidion (Demo)

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