Home > News > Bon Iver - ──ボン・イヴェールが8月末に新作をリリース
深刻な対立が今日も誰かと誰かを引き裂いている2019年に「人びと」というコンセプトをあらためて掲げるということ。音楽を、アートを、文化を、仲間たちやまだ見ぬ誰かとシェアしようとすること。それは彼の尽きない理想主義の表れである。
先日新曲を発表したボン・イヴェールだが、ついにアルバムのリリースが発表された。タイトルは『i, i』。ジャスティン・ヴァーノンは「ひとそれぞれでいかようにも意味を持ちうる」というように説明している。僕の解釈はこうだ──異なる存在のそれぞれ独立した「わたし」が、同じ場所に立とうとすること。
併せて新曲がまた2曲発表されたが、どちらでも非常にボン・イヴェールらしい、しかし確実に新しい音を聴かせてくれる。断片化したフレーズがアブストラクトなアンビエントとして統合されていく“Jelmore”、叙情的なフォークがやがてダイナミックに躍動する“Faith”。盟友BJバートンとの共同プロデュースのもと、大胆なサウンドの実験と「人びと」が参加する美しい歌への挑戦は続いているようだ。
Jelmore
Faith
ヴァーノンが「もっとも大人のレコード」だという『i, i』は初秋を思わせる作品でもあるという。ファーストは冬のアルバムだった。季節は流れ、やがて眩しい夏も終わって、豊かな色彩に満ちた秋がやってくるだろう。(木津毅)
2019年を象徴する1枚。前作『22, A Million』から3年、現行のミュージック・シーンを牽引し、更新し続けるボン・イヴェール、待望のニューアルバムがリリース。
【BON IVER "i, i"】
2019.8.28 ON SALE[日本先行発売]
アーティスト:BON IVER(ボン・イヴェール)
タイトル:i, i(アイ、アイ)
品番:JAG350JCD
定価:¥2,400+税
その他:解説/歌詞/対訳付、日本先行発売、日本盤オリジナル・アートワーク
発売元:ビッグ・ナッシング/ウルトラ・ヴァイヴ
収録曲目:
01. Yi
02. iMi
03. We
04. Holyfields
05. Hey, Ma
06. U (Man Like)
07. Naeem
08. Jelmore
09. Faith
10. Marion
11. Salem
12. Sh'Diah
13. RABi
●2016年リリースの『22, A Million』から3年、Bon Iver から待望の新作『i, i』が届けられる。ウィスコンシン州出身のシンガー・ソング・ライター= Justin Vernon のソロ・プロジェクトとして始まった Bon Iver は08年にデビュー・アルバム『For Emma, Forever Ago』を発表し世界中の音楽メディア、批評家、アーティストから絶大な指示を獲得した。また同じく08年にリリースした「Blood Bank」(EP)では収録曲の“Woods”を後に Kanye West がサンプリングし話題に。続くセカンド・アルバム『Bon Iver, Bon Iver』(2011年)は米 Pitchfork にて9.5/10点を獲得し、全米初登場2位、全英初登場4位を記録。12年第54回グラミーでは最優秀新人賞と最優秀オルタナティヴ・ミュージック・アルバム賞を受賞。16年にリリースした『22, A Millian』は全米、全英チャートで2位を記録したのを始め世界各国のチャートで軒並み上位にランクインしている。またその独創的でユニークなアプローチや表現は、作品を出す毎にメインストリームにまで影響を与えてきている。
●近年 Justin はコミュニティ・ミュージックを標榜し、アーティスト集団とも言える“PEOPLE”を創設、またそこから派生したTHE NATIONAL の Aaron Dessner とのプロジェクト、Big Red Machine で作品を発表したりフェスティバル、EAUX CLAIRES を主催したりと様々なコラボレーションを行なってきた。『i, i』はマスター・コラボレーターとしての Justin Vernon の理想や創造性が最大限に表現された作品になっている。本作の制作の前にテキサス州の広大な農地に新たに Sonic Ranch というスタジオを作り、新しい環境でバンドメンバーを始め多くのコラボレーターと共に作業を進め、インスピレーションや文化的異種交配、他分野のクリエイティブな結合が生まれることを目指した。
●本作のリリースにあたりオフィシャル・プレス・リリースでは Bon Iver のこれまでの軌跡を季節の流れになぞらえて表現してる。心の張り詰めた北部の冬の孤独の如き『For Emma, Forever Ago』、希望と活力に溢れる春の訪れのような『Bon Iver, Bon Iver』、焼け付くような夏の気が狂ったエネルギー『22, A Million』、そして『i, i』でそのサイクルが完結する。秋色で、瞑想に耽った、深く沁み入るアルバム。円熟。実りの季節。Justin という一人の音楽家が自身と向き合い、多くの仲間と支え合いながら限りなきアメリカン・ミュージックの恩恵を得、結実した豊潤で荘厳な世界。2019年を象徴する名作の誕生です。
■More Info:http://bignothing.net/boniver.html