「Not Waving」と一致するもの

 エレクトロニカからヒップホップ、ロックにフューチャー・ベース、R&Bにジュークと、『初音ミク10周年――ボーカロイド音楽の深化と拡張』ではボーカロイドを用いた様々な音楽例が紹介されている。ただし、その中でジャズとなると、ごく僅かな作品を除いてほとんど掲載されていない。ボーカロイドは基本的にはコンピューターで作るデジタル音楽での使用から発展してきたので、アコースティックな楽器演奏が主となって即興演奏やアドリブが多く用いられるジャズとは、他の音楽と比べてあまり相性が良くないということが主な理由だろう(生演奏そのものとの同期は可能であるが、例えばフリー・ジャズのように予測不能なコード、メロディ展開に対応することは極めて困難である)。また、ジャズ・ミュージシャンやメインのリスナーの中には、ボーカロイドに拒否反応を示す人が他の音楽ジャンルに比べて多いので、こうした試みが少ないということがあるかもしれない。中には菊地成孔のように先進的な考えを持つ人もいて、dCprGによる『SECOND REPORT FROM IRON MOUNTAIN USA』(2012年)でもボーカロイドの兎眠りおんをフィーチャーした例があったが、実質的にはヒップホップ・トラックでのマイク・リレー的な使用だったので、厳密に言えばジャズとは異なるものだった。そうした点で本作は、手塚治虫と冨田勲と初音ミクのコラボという意味と同時に、ジャズとボーカロイドの融合が試みられた数少ない例のひとつとして取り上げられるべきものだ。

 冨田勲は晩年の『イーハトーヴ交響曲』で初音ミクを用いるなど、ボーカロイドの可能性に理解を示した音楽家だったが、今回のバック演奏を行なうピアニストの佐藤允彦も負けず劣らず柔軟な音楽性を持つ。1960年代のモダン・ジャズ全盛期から活躍し、宮沢昭のバンドでバップやモードからフリーへと進み、1970年代初頭頃は石川晶、穂口雄右、水谷公生らとジャズ・ロックやジャズ・ファンクを演奏し、1980年代はメディカル・シュガー・バンクでフュージョンと、あらゆるジャズのスタイルをやってきた。チャールズ・ミンガスやウォルフガング・ダウナーなど海外勢との共演も多い。宮沢楽団で一緒だった富樫雅彦と共に現代音楽やフリー・インプロヴィゼイション、アヴァンギャルドにも通じ、『火曜日の女』や『デマ』といった実験的なサントラやTV音楽から、ヘレン・メリルや後藤芳子などジャズ・シンガーの伴奏と幅広い活動を行なってきた。過去に手塚治虫のアニメ映画『ユニコ』、カルト・アニメ・サントラとして海外でもマニアックな人気のある冨田勲作曲の『哀しみのベラドンナ』でも演奏し、手塚・冨田両氏とも少なからぬ縁がある。たとえば若手ミュージシャンがボーカロイドを使って演奏することは驚くべきことではないかもしれないが、彼のような現役最年長クラスの大御所ミュージシャンがこの企画に賛同して演奏を行なったことにより、オーソドックスなジャズの生演奏とボーカロイドの融合も可能で、ボーカロイドは決して若い世代のものだけではないという証明にもなっている。

 編成はピアノ・トリオ+パーカッションで、ドラムの村上寛も佐藤同様に1960年代より活動するベテラン。ベースの加藤真一は佐藤とのデュオでアルバムも出している。パーカッションの岡部洋一が中ではジャズ界異色のメンバーと言え、ROVOなどにも参加するジャンルレスなミュージシャンである。彼の参加により、『ジャングル大帝』でのラテン~アフリカ音楽的なモチーフが生かされている。『リボンの騎士』のテーマ曲や“リボンのマーチ”はスインギーなピアノ・トリオもので、ボーカロイドを抜きに聴けば極めて洗練されたジャズ・アルバムと言える。『どろろ』についてはジャズ・ファンク風のリズムで、そこに日本の民謡風のモチーフを加えている。いろいろな音楽をやってきた佐藤允彦のアレンジ能力が生かされたものだ。ボーカロイドとの融合という点では、『ジャングル大帝』のテーマ曲におけるヴォーカリーズが面白い。ヴォーカリーズはジャズの器楽演奏の即興に対するものとして生まれた歌唱スタイルで、アドリブで歌詞を創作したり、歌詞のないスキャットで歌ったりする。日本では佐藤允彦も共演する伊集加代子がスキャットの名手として知られるが、ときにスキャットは生身の人間の歌声を超えたフェアリーなもの、神秘的なものというイメージを持つこともある。『ジャングル大帝』のテーマ曲もそうしたスキャットをイメージした初音ミクの歌がフィーチャーされる。ボーカロイドの特性のひとつに、人間では表現不可能な声を作ることがあるのだが、そうした点で『ジャングル大帝』のテーマ曲はボーカロイドの持ち味を生かしたものである。同じく『ジャングル大帝』の“アイウエオ マンボ”や『リボンの騎士』の“リボンのマーチ”でも、ワードレスのヴォイスや言葉遊びのような歌がリズミカルな曲調にうまくマッチし、ボーカロイドとのコラボが成功した場面を見せてくれる。しかし、逆に言えば本作の中でも人間の表現力に及ばない歌もあり、そうした点でボーカロイドはまだ発展途上のものであり、今後にもっと進化する余白を残しているということも示す。

 今回のリリース元である〈日本コロムビア〉は、かつて1975年に佐藤允彦のほか、鈴木宏昌、大野雄二ら8人のピアニスト/キーボード奏者を集め、エレクトロ・キーボード・オーケストラという鍵盤のみのプロジェクト企画でアルバムを作ったことがある(厳密には伴奏でギターやベースなども入ったのだが)。日本でもシンセサイザーが出始め、冨田勲が『月の光』で世界的に有名になった頃で、恐らくはシンセの普及を目指した販促的な意図もあった。エレクトロ・キーボード・オーケストラはモーグ・シンセなどで様々な音を合成し、アコースティックな楽器では作り出せない人造の音を生み出すなど、実験的な試みを行っていた。当時はトーキング・モジュレーターやヴォコーダーなど、ボーカロイドの発想の原点となる楽器やエフェクターが普及し始めた頃で、動物の声に似せたようなシンセ音を作るなど、大手レコード会社でよくこの企画が通ったなというくらい面白い試みだった。そうした企画に関わっていた佐藤允彦が、今回も〈日本コロムビア〉で初音ミクとコラボを行なったというのも歴史の巡り合わせである。

小川充

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 2017年は、漫画家・手塚治虫の生誕90周年、作曲家・冨田勲の生誕85周年、そしてヴァーチャル・シンガー・初音ミクの生誕10周年が重なる節目の年だ。
 冨田勲は2012年にオーケストラ『イーハトーヴ交響曲』で初音ミクとの邂逅を果たし、2016年には追悼特別公演として開催されたスペース・バレエ・シンフォニー『ドクター・コッペリウス』で初音ミクとコラボレーションしている。手塚治虫は、いま宝塚市立手塚治虫記念館で初音ミクとコラボレーションした『初音ミク×手塚治虫展』が開催されているところだ。そうした縁とそれぞれの節目が重なって実現したのが、この他に類を見ないコラボレーション・アルバムだ。

 アルバムの題から察するに、冨田勲が手塚治虫のアニメ作品のために手がけた名曲を初音ミクがカヴァーしたアルバム、と考えるだろう。しかしながら、全編を通して聴くと、単なるカヴァー・アルバムではなく手塚治虫と冨田勲のドキュメンタリーの一種であるという印象を強く受けた。
 まず、初音ミクがヴォーカルとして登場するのはもちろんだが、手塚治虫と冨田勲の略歴や作品の紹介からはじまり、ミステリー作家の辻真先や手塚治虫が残した作品を管理している手塚るみ子を招いて対談するなど、初音ミクが全編を通して語り手としても登場している。このようにヴォーカルのみならず作品のナビゲートも収録された作品は史上初だ。
 また、アルバム全体のストーリー構成を辻真先が担当していることも特徴的だ。初音ミクの台詞も書いており、辻真先と初音ミクの対談では一人二役という面白い状況も生まれている。このアルバムを通して両者がどのような人となりであったか、またどのようにして作品が生み出されていったのかを楽しみながら知ることができるだろう。

 本作で特に注目したいのは、初音ミクの歌声と喋りの進化だ。
 そもそも初音ミクは歌声合成ソフトであるため、自然に喋らせるためにはきめ細かい調整と多大な労力が必要で、それでも字幕なしで聞き取れるか否かという認識があった。しかしながら本作では一言一句を確かに聞き取れる上に、対談では驚きや焦り、冗談を言ったり言われたりと感情が表現されている。普段から初音ミクの歌声を聞いている人、またメジャーなアーティストとのコラボレーションでしかその歌声を聞いたことがない人でも、これまでとの差にはっきり気が付くほどだろう。
 また、歌声に関しても非常に滑らかになっており、平坦ではなく生演奏に寄り添うような揺れた歌い方になっている。これは、声優の前田玲奈が初音ミクの「歌の先生」を務めているからだ。簡潔に言うと、生演奏にあわせて前田玲奈が歌ったものをレコーディングし、その音声を解析・編集して初音ミクの声で再現しているようだ。初音ミクと前田玲奈がデュエットする“『リボンの騎士』から「リボンのマーチ」”にはその特徴が色濃く表れており、部分的に初音ミクの成分が強くなったり、前田玲奈の成分が強くなったり、はたまた両者をブレンドしたような声になったりしている。
 以前から、人の歌声データを読み取ってボーカロイドの調整のパラメーターを自動推定するジョブ・プラグイン「VocaListener」(通称、「ぼかりす」)があったが、本作で用いられているのはそれをさらに発展させようとしたものだ。この技術は初音ミクだけでなく、ヴォーカルとして参加しているUTAUの重音テトにも適用されているようで、重音テトの歌声もより表情豊かになっている。
 さらに驚くのが、エンディングで披露する初音ミクのラップ/ポエトリー・リーディングだ。喋らせることと同様に、滑らかにリズムよくラップさせることは歌わせる以上に難易度の高いという認識だった。ラップとリーディングの中間を行くような歌唱が確立されており、さらに歌詞の表示なしにはっきりと聞き取れるまでになっている(ちなみに、『別冊ele-king 初音ミク10周年』の特典音源は、この曲のDJ DUCTによるリミックスである)。表情豊かに歌わせることと並行してラップに関する技術開発も行われているようで、この技術はいずれ一般化されてユーザーに提供されることになると開発者の佐々木渉が発言している。

 このように、本作は手塚治虫と冨田勲の功績を振り返るドキュメンタリー的なアルバムであることに加え、初音ミクの歌唱に関して新たな技術と手法を取り入れた実験作であると言える。初音ミクの歌唱に関する実験的な取り組みから見えてくるのは、初音ミクができる表現をさらに広げて新たな可能性を切り開こうとしていること、またその過程で生まれた技術を、初音ミクを通じてクリエイターの人たちに提供していこうという開発者の志しだ。過去を振り返るとともに未来への期待を感じさせる、まさに今聴くべき作品であると思う。

しま

Move D & Thomas Meinecke - ele-king

 米国ではここ数年、警官による人種差別的な射殺事件が相次いでいる。そのような情況に対する歎きや憂いや怒りの念は、ケンドリック・ラマーやビヨンセといった大御所たちを筆頭に、すでに多くの音楽作品へと昇華されているが、それらの思いは大西洋を越え、ユーラシア大陸にまで到達しているようだ。
 ハイデルベルク出身のベテラン・ハウスDJ、ムーヴ・Dことダーヴィト・ムーファン。ハンブルク出身の著述家/ラジオDJ/音楽家、トーマス・マイネッケ。このふたりは90年代終盤から何度もコラボを重ねており、非常にコンセプチュアルな作品を発表し続けている。たとえば2011年の前作では、『Lookalikes(そっくりさんたち)』というタイトルのもと、シャキーラ、グレタ・ガルボ、ブリトニー・スピアーズ、ジャスティン・ティンバーレイク、ジョセフィン・ベイカー、セルジュ・ゲンスブールの6組がピックアップされていたが、6年ぶりにリリースされた新作『On The Map』では、“Norfolk”、“Washington DC”、“Houston”、“East St. Louis”、“Watts”という、ブラック・カルチャーと縁の深い5つの地名が並べられている。アートワークがどこかブライアン・イーノの『アンビエント』シリーズを想起させる点や、リリース元がカッセム・モッセの〈Ominira〉であるという点も興味深いが、もっとも着目すべきなのはやはり、現在の合衆国の情況から大いに刺戟されたと思われるそのコンセプトだろう。
 リベリア共和国初代大統領の故郷であり、軍港を中心に発展した軍事都市であり、ティンバランドの出生地でもある、バージニア州ノーフォーク。言わずと知れたアメリカ合衆国の首都=政治経済の中枢であり、他方でジェリー・ロール・モートンの録音が収蔵されたアメリカ議会図書館を擁するなど、文化都市としての側面も持つワシントンD.C.(ちなみにライナーノーツには、その先駆たる古代エジプトのアレクサンドリア図書館のことを想起すれば、この地はサン・ラの宇宙とも繋がっている、というようなことが書かれている)。かつてライトニン・ホプキンスに活躍の場を与える一方、NASAの主要拠点たるジョンソン宇宙センターを抱え、また昨年象徴的なアルバムをリリースしたビヨンセを世に送り出した地でもある、テキサス州ヒューストン。デューク・エリントンのヒット曲にその名を刻み、あるいはマイルス・デイヴィスを育み、人口の97%がアフリカ系によって占められる、イリノイ州イーストセントルイス。そして、かつてジョニー・オーティスがナイトクラブをオープンした場所であり、1965年に大規模な暴動が発生した地区でもある、カリフォルニア州ロサンゼルスのワッツ。
 アルバムは全体的にダウンテンポを基調としており、ゆったりとしたビートがリスナーに最高の心地良さを提供する。そういう意味でこの作品はチルアウトとしての機能も具えているわけだが、しかし、随所に挿入されるジャズ~R&B~ファンクの断片とさまざまな音声たちが、夢の世界と現実世界との橋渡しをしている。各トラックにはその地に関連づけられた要素が落とし込まれていて、“Washington DC”はサン・ラのようだし、“East St. Louis”はマイルスの『On The Corner』のようである(というかこれ、サンプリング?)。あるいは“Norfolk”で繰り返される「We need peace」という言葉――合衆国でいま何が起こっているのか。聴き手に快楽と同時に思考の契機をも与える、とてもコンセプチュアルなアルバムである。

 そしてムーヴ・Dの創作意欲は枯れることを知らないようで、このマイネッケとの共作とほぼ同時に、べつのプロジェクトのアルバムもリリースされている。ムーヴ・Dと、彼とともにレアゲンツを組んでいるジョナ・シャープ、同じくムーヴ・Dとともにマジック・マウンテン・ハイを組んでいるジュジュ&ジョーダッシュのふたりが一堂に会したスーパー・グループが、マルホランド・フリー・クリニックである。
 トータルで80分を超えるかれらのデビュー・アルバムは、4人が昨年ベルリンでおこなったライヴをもとに制作されている。セオ・パリッシュに憧れるヨーロピアンたちがより洗練されたスタイルでジャムを繰り広げたらこうなりました、というと語弊があるかもしれないが、こちらのアルバムも心地良さと実験性との間のバランスの取り方が巧みで、全体を貫通するその熱量には黙って屈服するしかない。“Boneset”や“Gone Camping”のスペイシーさもたまらないが、白眉は“Ebb & Flow”のイルな展開だろう。

 2017年はベテラン勢が地味ながらも良質な作品のリリースを続けている印象があるが、この『On The Map』と『The Mulholland Free Clinic』の2作もそういう類のアルバムだと思う。ムーヴ・D、50歳、絶好調である。

Motty - ele-king

この1年でよくかけた新譜10枚

2011年の震災後、仲間内で作った片田舎の小さなDJ BAR BUGPIPEも今年の8月から店主が代わり、店内もリニューアル&パワーアップ!、今までGODFATHERをはじめ、悪魔の沼と濡れ牧場の合同パーティー(沼牧場)等、伝説のパーティーをオーガナイズ、そして、DJ NOBUさんやGONNOさん、NORIさんやCOMPUMA松永さんをはじめ、日本が世界に誇る名だたる先輩DJ達にかわいがってもらいながら、気づけば早6年目を迎えました! そんなBUGPIPEに今後もも注目して頂ければと思います!

またZIGZAGというDJユニットで活動しております。以下、直近のDJスケジュールです。

9/9 (sat)AnalogScience at盛岡SICKth
special guest
dazzle drums
open 21:00 前売り \2500/1d
DJ Shibariver Ringroove8
katsuyaendo Zigzag

9/16(sat)HAKOBUNE FROM BUGPIPE
@青山蜂
22時スタート
2000円

LIVE:
CAT BOYS
DJ:
MOODMAN KENJI HASEGAWA 常盤響 ACKKY
AWANO DORIAN FUMI SATO RINGROOVE 8
BUCCHO MYSTERYCHANG ZIGZAG TOCCHI
NUDEMAN DAD "LEMON" IPPEI ENU 夜波CREW
ICHI 船長

https://aoyama-hachi.net/schedule/2017/09/16/hakobune-from-bugpipe-2/

RIP Holger Czukay - ele-king

野田努

 昨日ネットのニュースを散見したところ、どうやら9月5日、ホルガー・シューカイがケルンの自宅で死んでいるのをアパートの隣人によって発見されたそうだ。79歳だった。
 シューカイは、クラウトロックにおけるもっとも重要なバンドのひとつ、カンの主要メンバーであり、パンク以降のロック・ミュージックおよびエレクトロニック・ミュージックに多大な影響を与えた人物である。
 ぼくに限らず、カンをいまでも好きな人は世界中にいるし、サルバドール・ダリに似たホルガー・シューカイを心から尊敬している人もたくさんいる。彼は前衛であり、同時にポップだった。戦争を記憶している世代であり、それがゆえの国境の無さ/アイデンティティの刷新力が、非西欧音楽への好奇心にも繋がり、1960年代末の時点ですでに作品にも残している。できないこと(can't)をやってのけ(can)、実験的でありながら商業的にもヒットしたし、知的であり、ダリのようにユーモアも忘れなかった。

 1938年ポーランドのダンツィヒ生まれのシューカイは幼い頃からピアノを習っていた。ほどなくして第二次大戦の戦場となったその地から疎開し、西ドイツに移住しても、彼の音楽への好奇心と探求心は変わらず、それはラジオの受信機の修理にまで及んだという話は有名である。
 シューカイは、1963年からおよそ3年、カールハインツ・シュトックハウゼンのもとで学んでいる(カンの拠点となったケルンは、50年代に、それこそ“少年の歌”や“コンタクテ”が演奏されることになるケルン電子音楽スタジオが建てられている)。
 2005年の『remix』の取材において、彼はこう言っている。
 「私はいつもラジオでシュトックハウゼンを耳にしていたんだが、ある日ライヴを見に行った。そこで彼が聴衆に向かって自分の作曲した作品について説明していると、突然ひとりの客が立ち上がり、『シュトックハウゼンさん、あなたのやっていることはすべて衝撃的すぎます。あなたはこうやって人びとにショックを与えることで金儲けをしようとしているのではないのですか?』と言った。すると彼は『これだけははっきりと申し上げておきましょう。私がお金のために音楽をやることは絶対にありません。なぜなら、私には金持ちの妻がいるからです』と答えた。それを聞いて私は『素晴らしい! この人についていこう!』と心に決め、さらに金持ちの妻をさがすことにしたのだ」
 慣れ親しんだ音楽にばかり惑溺するリスナーを許さなかったアドルノとも似たシュトックハウゼンには堅苦しい印象を持っていたぼくは、シューカイのこうした余裕あるユーモラスな発言に笑った。だいたい同じことの繰り返しを否定したシュトックハウゼンに逆らうかのように、1968年に結成されたカンは、繰り返しを強調したのだった。

 バンドを組んだときのシューカイは、スイスのジュネーヴ周辺で音楽の教師をしていた。クラシック、現代音楽(そしてミュジーク・コンクレートや電子音楽)、あるいはいくらかジャズを知っていたシューカイだったが、ロックに関しては、もはや若者とは呼べない30を前にして初めて知った。イルミンはクラシックの指揮者で、ヤキはプロのジャズ・ドラマーだったわけだが、ビートルズよりも年上の良い大人たちが、いままで学んできたことをまっさらにしてロック・バンドをやる。ただし、音楽を作るのではなく、音楽の作り方から作ること──それがカンだった。
 また、こうも言えるだろう。クラフトワークがエレクトロやミニマルの原型を作ったと言えるなら、カンはジャングルの原型を作っている。

 シューカイはカンのメンバーのなかではもっとも精力的なソロ作品を発表している。数々のアルバムのなかで1枚選べと言われたら最初のソロ・アルバム『Movies』だろう。(『On The Way To The Peak Of Normal 』や『Rome Remains Rome』も捨てがたいが)『Movies』に収録された4曲は必聴である。

 さらにシューカイは、ジャー・ウォーブルやデイヴィッド・シルヴィアンとの共作、Phewの最初のアルバムへの参加でも知られている。2015年にはカンの『The Lost Tapes』とも似た、まったく聴き応えのある未発表音源集『Eleven Years Innerspace』も発表している。

 ふたたび2005年の『remix』からの引用になるが、シュトックハウゼンは生前こんなことを発言したという。「私の教え子は誰も成功しなかったが、ひとりだけ例外がいた。ホルガー・シューカイだ。彼だけが私の真似をしなかった」
 シューカイは、自分の音楽のなかにいろいろなものを取り込んだ。それこそ68年のパリの暴動から短波放送から流れるベトナムの民謡、旧ソ連の音楽……、あるいは、ラジオ、カセットテープ、電話までもが彼の楽器だった。彼は自らを「ミューシャンではない」と言い切った。そうではなく、「ユニザーサルなディレッタントなのだ」と。ぼくもこういうことが言えるようになりたいものだ。
 TVのCMで使われたことで日本でもヒットした“ペルシアン・ラヴ”を聴いていると、いったいこれはどこの国のいったいなんという音楽だろうかと思った。そしてなんて美しいのだろうと思う。昨晩はこの曲を聴いた人が多かったことだろう。ぼくも家に帰って、ビール500mlを空けて、まっさきにこれを聴いた。

 「私たちが音楽を演奏させたのではない。音楽が私たちを演奏させたのだ」──ホルガー・シューカイ

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松村正人

 90年代はじめ、当時住んでいた仙台の夏のあまりの夏らしくなさ――私は夏はアスファルトに陽炎がたつくらいじゃないと夏じゃないと思っている、島の人間なので――にいてもたってもおられず、メールスのジャズ祭に行ったきり向こうに住みついてしまった叔母をたよって渡独したのは二十歳になったばかりのころ。ドイツといってもチューリッヒ近郊の叔母の家にいつまでも厄介になっているわけにもいかず、ドイツの東のほうから東欧に向かい、西におりかえし英国に向かう途中ケルンにたちよったのはここがホルガー・シューカイの町だからである。ところが駅前で数名にシューカイの自宅の場所をたずねたがラチがあかない。だれだそれ、というのがたいがいで、ひとのよさそうなオバさんはもうしわけなさそうにしているし、私よりすこし年嵩の青年はドイツならおまえ、スコーピオンズだろと「ロック・ライク・ハリケーン」を眼前で歌われる始末。スコーピオンズはファーストはコニー・プランクのプロデュースだから嫌いじゃないですが、そのコニー・プランクの仲間のカンというバンドのひとなのです、といっても伝わらない。当時の私はダモさんくらい髪が長かったのであるいは向こうが気づいてくれるかとも思ったが甘かった。宿なしらしき老婆には、どこから来たと問われ、ヤーパンだと答えたら、日本のせいで戦争に敗けたと狂ったようになじられ、駅から離れた人気のない路地の坊主頭の若者の集団にも訪ねてみたが要領をえない。いま考えるとあいつらネオナチだったろうね。

 私は大聖堂もみずに失意のうちにケルンを去り、四半世紀(!)前のこととて記憶は遠いが、たしかベルギーのどっかから黒人の乗船率が異様に高いフェリーで、野田さんがほめていたマッシヴ・アタックの町ブリストルに渡ったはずだが、ことほどさようにカンは当時の私にとってなにがしかのものだったのである。
 それはいまでも変わっていない。おそらく死ぬまで変わらないどころか、前々々世や来々々世とかいう戯言を私は信じないが、そのようなものがあったとしてもそうだろう。

 カンのなかの音楽の鮮度は保たれている。流動的だが凝結し個人のものであれ歴史に属するものであれ、あらゆる時間を横切り大気をくぐりぬけ耳朶を打つ。ときにプログレッシヴ・ロックやサイケデリック・ロック、のちにユーロ・ロック、いまはクラウト・ロックにひとは彼らを分類するが、ポピュラー・ミュージックと民族(民俗)音楽と即興音楽と電子音楽をカットアップしモンタージュするカンはつまるところカンなのだ。その先頭に立っていたのはホルガー・シューカイそのひとにほかならない。たわわな口髭といくらか生え際が後退したホルガー・シューカイのイメージは近影でこそ痩せ細っていたものの、68年の結成時からほとんど変わらない。シュトックハウゼンの元に学んだこの男はデビュー当時すでに三十路だった。分別のある大人だったが音楽は野蛮だった。同門のイルミン・シュミット(Key)とドラムのヤキ・リーベツァイトはシューカイと同年配でギターのミヒャエル・カローリは10歳下、そこにヴォーカルとして黒人のマルコム・ムーニーが加わり、だれもが知る最初のカンができあがる。69年のファースト『モンスター・ムーヴィー』の白眉は「Yoo Doo Right」だが、空間に燎火のように延焼するカンのスタイルはすでに完成している。ヤキの非西欧的な律動とミヒャエルの音色とフレージング、イルミンのサウンドは波のようである、おのおのが特異なパーツをシューカイの反復するベースが粘っこく接着する。このトラックはセッションの抜粋を編集したもので、ホルガー・シューカイといったとき、世評ではのちにヤキやミヒャエルなどに較べ、ソロ作につながる編集(プロデューサー)的観点を功績として強調するきらいがあるが、演奏家としての比類なさにも目を向けなければならない。八分音符を弾きつづける、オクターブをくりかえす――ただそれだけのフレーズがサイケデリックな空間をつくりディスコの暗喩となり、ループするフレーズの一部を欠落させダブ化させる、単純な法則だがきわめて呪術的でありそれがなければ、『タゴマゴ』や『フューチャー・デイズ』といった傑作もなりたたなかっただろう。私はくりかえすが、カンとはつまるところその総体である磁場の謂いなのだ。ダモ鈴木在籍時(私は『タゴマゴ』が初カンだが、いまでも「Oh Yeah」が日本語歌詞なるパートを聴くと、そのヴィジョンが幻出する)はむろん、後期のジャンル音楽の擬態と変調はそれまでの求心力が希薄なぶん異質さが浮遊している。その後のシューカイのソロはバンドの集団性を離れ、いかに方法をポップに純化するかを試みた階梯であり、ワールド・ミュージックとクラブ・ミュージックの折衷があたりまえな現在の若い耳により親しみやすいだろう。

 カンに失敗は存在しない。以前取材したさいイルミン・シュミットはそのようなことをいっていたが(『アウト・オブ・リーチ』はどうなんだという意見もあるでしょうが)、カンがカンであるかぎりそれは真実であり、おそらくそのような姿勢だけが都市のなかに未開の地を拓く。
 幾多の作品をのこしホルガー・シューカイは世を去った。ヤキ・リーベツァイトを喪った年にシューカイも逝った。享年79歳。地元紙によれば、ケルン近郊のヴァイラースヴィストにある以前は映画館だったカンのオリジナルのスタジオで亡くなっているところを発見されたという。25年前、私がたどりつけなかった場所だった。(了)

Com Truise - ele-king

 これは2017年なりの機械/反復の美学であり、記憶のむこうにあるユートピアを希求する音楽でもある。ユートピアとは「80年代」のことだ。今や「80年代」は現実でも近過去でもない。過去という虚構である。マシニックでロボティック。クラフトワークでエレクトロ。80年代中期の細野晴臣。90年代的ではなく80年代のマシン・ファンクなビート。強く優雅なシーケンス・フレーズ。甘く切ないフュージョンなメロディ。ボトムを強烈に刺激するシンセ・ベース。
 つまりエレクトロニカというよりテクノポップ。いやテクノポップというよりミッド・エイティーズ的なエレクトロか。それともエレクトロというよりチップチューンか。いずれにせよ80年代的中期的な音像とムードを10年代的なメリハリ感のあるサウンドで再現し、見事に同時代の音楽として組み上げているわけである。そう、「ブレードランナー」的な都市のネオンサインを、インターネット以降のデジタリズムで再現したとでもいうべきか。これぞシーケンスとシンセ・ベースとドラムマシンによる2017年型のマシン・ミュージックだ。

 コム・トゥルーズは、NY出身・LAを活動拠点とするセス・ヘイリーによるレトロ/フューチャーなシンセティック・ミュージック・プロジェクトである。この『イテレーション』は、2011年にリリースしたファースト・アルバム『Galactic Melt』以来、実に6年ぶりのセカンド・アルバムだ(2012年の『イン・ディケイ』は未発表曲集なのでオリジナル・アルバムにはカウントされていない)。リリースはデビュー以来のお馴染みの〈ゴーストリー・インターナショナル〉から。
 過去にはダフト・パンクにリミックスを提供しており、2017年は、あのクラークとツアーを回っていた(ふたりのスプリット・シングルもリリースしている)。そのうえコム・トゥルーズ=セス・ヘイリーはグラフィック・デザイナーでもあり、アルバムのアートワークも自身で手掛けているほどの才人である(それにしても最近の〈ゴーストリー・インターナショナル〉のリリース作品は、音楽性とアートワークの両方から2010年代後半的な電子音楽のポップ・アートを見事に実現しているように思う)。作風は、先にも書いたように80年代的なレトロ/フューチャーなトラックで、あのティコ以降の〈ゴーストリー・インターナショナル〉を代表するアーティストといえる。
 じじつ本作『イテレーション』は、ポップで聴きやすい音楽性で、80年代のゲーム・ミュージックや70年代後半のTVのCM、80年代の企業広報BGM的な電子音楽を思わせる。つまりは良い意味で「B級」的なポップ感がある。このアップデートされた77年代~80年代中期風の電子音楽をずっと聴いていると、80年代という過去に対する諦念とも憧れとも違う何か、いわばユートピア的な夢想を感じてしまう。これは今の30代以下の世代に共通する全世界的な傾向かもしれない。1970年の「大阪万博」というより、1985年の「つくば科学万博」だ。
 今、70年代後半から80年代のポップ音楽を掘ることが世界的に30代以降の若い世代のなかで浸透している。諸外国では日本のポップ・ミュージックやアンビエントが良く掘られてもいる。少し前に紹介したヴィジブル・クロークスも80年代の日本の音楽を掘っていたし、吉村弘の1982 年発表のアンビエント作品『Music For Nine Post Cards』が再発される時代でもあるのだ(最近、話題になった某TV番組で、大貫妙子の『サンシャワー』を探し求めてLAから日本にやってきた彼もまた同じだろう。ちなみに彼=スティーヴン・デルガド(Steven Delgado)はアーティストでもあり、Chubs The Magnanimous名義でブレイクビーツを巧みに用いた素敵なアルバムをデータでリリースしていた。『宇宙刑事シャイダー』を用いたアートワークの80年代特撮感覚と、80年代的音楽性へのサンプリング/ブレイクビーツ的センスの融合でなかなか良い。それにしても彼はもうすぐ日本でリイシューされる細野晴臣がスーパーバイザーを務めた元祖テクノポップ・アイドル(?)真鍋ちえみ『不思議・少女』(1982)を知っているのだろうか。いや、多分、知っているだろう)、そのような感覚を共有しているのではないだろうか。
 諦念とも憧れとも違うミッド80年代への夢想、もしくはユートピア的願望。過去が理想郷として表れてくること。本アルバムが意味する「イテレーション=反復」も音楽それ自体の反復という意味だけではないだろう。いわば亡霊のように再帰する80年代音楽全般への反復=希求という感覚とでもいうべきではないか。
 アルバム冒頭を飾る“…オブ・ユア・フェイク・ディメンション”のシーケンスが80年代的な夢想へとわれわれを誘う。硬い音色のジャストなビートとベースとの絡みが強い中毒性を生んでもいる。また、2曲め“エフェメロン”の終わり近くで古いテープのように音がどんどん歪んでいくサウンドもミッド80年代という過去を表現しているといえる。そして不安な記憶をえぐるような焦燥と緊張感に満ちた5曲め“メモリー”、その不安からの解消のごときメロディック・ファンクな6曲め“プロパゲーション”、ミディアム・テンポのなか電子音とスライスされた声が重なる7曲め“ヴァキューム”、テクノ化したテリー・ライリーか80年代の久石譲を思わせるシンセ・リフとファットなビートの8曲め“ターナリー”、夢の中を浮遊するようムードの10曲め“Syrthio”など、アルバムは「今は1985年か?」と思ってしまうようなシンセティック・サウンドを存分に展開するのだが、私には、それらが単なるノスタルジアにはどうしても思えない。そもそも1986年生まれのセス・ヘイリーにとって、ミッド80年代はもの心つく前の時代のはずで、記憶の中にうっすらと残っている程度の「過去」のはず。

 幼少期のおぼろげな記憶ゆえに、過去(80年代)をユートピア(既知と未知の弁証法的理想郷?)とする感覚が、本作には確かにある。だからこそアルバム・ラスト曲の“イテレーション”が、やや1990年代初頭の質感を僅かに感じさせるのではないか。「80年代の終わり」からの反復? 「反復」という名の曲で、『反復』というアルバムを終わらせる意味は、それなりに意味深である。
 80年代の終わり/現実の始まり。それはつまり幼少期の終わり。このポップなサウンドの裏側には、どこか現代社会への不安と希望が混じり合った感覚があるように思えてならない。

元売春婦、麻薬中毒者、そして最初の「プロテスト・ソング」を歌った女性、偉大なるジャズ・シンガーの壮絶な人生を描いたコミック・ノベル

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この本は一冊のブルースだ。イントロで始まり、アウトロで終わる。各章のタイトルは、私のお気に入りのレディ・デイの曲名からとった。ブルースについて語るのは、身の回りで起こったこと、生きてきた人生の断片などについて語ることだ。ブルースが、私たちを解き放ち、意思を表現するのだ。ブルースは、エンターテイメントであり、語りである。そして、ブルースは政治的表明でもある。 (著者あとがきより)
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南部の木々には奇妙な果実がみのる……

稀代のイタリア人グラフィック・アーティスト=パオロ・パリージによる
スピリチュアル・ジャズ・コミック第2弾が描くのは、
不世出のジャズ・ヴォーカリスト、ビリー・ホリデイ。
しかしなぜいまビリー・ホリデイなのか?

前著『コルトレーン』は2009年にイタリアで出版され、
その後計7ヶ国で出版されるなど世界中で好評を集めた。
それを受け次の作品を描き進めていた著者パオロ・パリージは、
急遽予定を変更し、ビリー・ホリデイをとり上げることを決意。

ブラック・カルチャーが煮えたぎるいまだからこそ読みたい1冊、
待望の日本語訳が登場!

解説:平井玄

Broken Social Scene - ele-king

 今年の5月にアリアナ・グランデのコンサート会場で起きた痛ましい爆発事件の翌日、同じ市内のマンチェスターでライブを行ったブロークン・ソーシャル・シーンは、ゲストにマンチェスターのレジェンドことジョニー・マーを迎えて代表曲“Anthems for a Seventeen Year Old Girl”を一緒に演奏した。その日のステージでバンドの中心人物のケヴィン・ドリューは客席に向かってこう話した。
 「もっとも大事なことは、僕らがこうしてみなで一緒にいるってことなんだ」

 トータスのジョン・マッケンタイアをプロデューサーに迎えて制作した2010年の『Forgiveness Rock Record』を最後に活動を休止していたカナダ出身のブロークン・ソーシャル・シーンが再び集まったのは2015年。その年の11月にパリのコンサート会場などで起きた銃乱射事件がきっかけだったという。そこで仲間たちは再び集まる。別々の活動に散らばっていたメンバーはみな、空白の時間と同じ数だけ歳をとっているし、各々がソロとしても活動できる経験と才能を持ち合わせている。いまや誰もがひとりで音楽を作って簡単に発信できるような世のなかで、同じパートを担当する人間が何人もいるスーパーバンドなどは、もはや時代錯誤かもしれない。それでも彼らは集まった。かつてのように、一緒に音楽を奏でるために。

 ストロークスの『Angles』を手掛けたジョー・チッカレリをプロデューサーに起用した7年ぶりのアルバム『Hug of Thunder』。雷にハグされたような衝撃の後に生まれた作品。そのつど人数が変わるバンドは、今回18人のメンバーがクレジットに名を連ねている。先に公開されていた曲の素晴らしさにまず歓喜し、これはブロークン・ソーシャル・シーンの過去の名盤に並ぶクオリティになるだろうと確信を持っていた。今作から新たに参加したアリエル・エングルが3曲でリード・ヴォーカルを担っているのだが、同メンバーのファイストにも似たハスキー且つ儚さがプラスされたような歌声が、バンドの名だたる女性ヴォーカリストたちに引けを取らないような魅力を醸し出し、楽曲に淡い色彩を美しく落とす。もちろんケヴィンやブレンダン・カニング、ファイストやエミリー・ヘインズやリサ・ロブシンガーなどお馴染みのメンバーも曲ごとに代わる代わる歌っているし、歌詞カードを覗くと“Skyline"のところに元ジェリー・フィッシュの名前も見つかったり(まあヴォコーダーで参加なのでよくわからないけれど)、相変わらずドラマチックなホーンの音色といい、大所帯バンドの醍醐味を改めて確認できる。ファイストが歌うタイトル曲は、同時期に出したソロ・アルバムの尖ったギター・ロックとはまた違う浮遊感のあるサウンドで印象的。出はじめの頃はポスト・ロックなどとも括られ、じょじょにエクスペリメンタル・ミュージックの要素を深めてきた音楽は、ときにたくさんの輝きがぶつかり合って得体のしれないパワーを発揮していたこともあったけれど、今作は少しシンプルでより誠実なサウンドに変化を遂げている。バラバラの個性はそのまま残しながら、内側に暖かく強いエネルギーを放つ。何かを隠して白く塗り潰された壁の前で共に並んで自由に絵を描くみたいに。

 ブロークン・ソーシャル・シーンの音楽を聴いていると、自分がそのクリエイティヴなものに混じって一緒に何かを作り上げているような気分にすらなる。そして“Halfway Home”で、演奏する男性たちの真んなかで女性たちが向かい合いながら

 And yon'll forget
 Call out for a change
 But not believe in anything!
 (そして君は忘れるだろう
  変化を求めて叫べ
  だけどなにも信じるな)

 と何度も何度も繰り返し腕を掲げて歌う凛々しい姿を見ると、たまらず胸が熱くなる。何だってできるような気がする。


Mumdance - ele-king

 インスト・グライムの奇才、マムダンス――彼は本当にこの国で過小評価されている。2015年に〈Tectonic〉から放たれたロゴスとの共作『Proto』、その衝撃はどれくらい多くの人びとに伝わっているだろうか。ほかにも〈Tectonic〉や自身のレーベル〈Different Circles〉からコンスタントにEPを発表し続け、来る9月8日にはピンチとの共作EP 「Control / Strobe Light」のリリースも控えているマムダンスが、ついに単独での来日を果たす。9月17日(日)、会場はCONTACT。当日は2時間のロング・セットとなる模様。この日はとにかくCONTACTまで足を運んで、UKベース・ミュージックの尖鋭に触れておこう。

ハードコア・スピリッツを根底に置く才人の登場

これまでにコラボレーションしたアーティストを数えれば切りがないといえるほど、多種多様なアーティストと共同作業をこなしてきたMumdanceがContact初登壇。その記念すべき夜には、ドメスティックな出演者たちからジャンル特定不能といえようアーティストも集結し、バラエティ豊かなビート、空間に広がるアンビエンスと様々な音が散りばめられた空間を演出してくれるだろう。
デビュー当初Mumdanceがセルフリリースしていた『DIFFERENT CIRCLES THE MIXTAPE』を聴いたときのような斬新さ、特異さを十二分に感じられる夜となるはずだ。

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9/17(日・祝前)
Mumdance
Open 10PM
Before 11PM ¥1000, Under 23 ¥2000,
GH S members ¥2500, w/f ¥3000, Door ¥3500
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Studio:
Mumdance (Different Circles | Tectonic | XL Recordings | Rinse FM | UK)
DJ Fulltono
100mado (Back To Chill | Lo Dubs | Murder Channel)
Albino Sound -Live
DAIGO (D.A.N.)

VJ: SO IN THE HOUSE

Contact:
asyl cahier (LSI Dream)
Prettybwoy (POLAAR | SVBKVLT)
Nao (rural | addictedloop)
Sunda
Romy Mats (解体新書 | procope)
K_yam (Remedy)


■Mumdance
ブライトン出身のMumdanceはハードコア、ジャングルの影響下、15才頃から〈S.O.U.R〉レーベルが運営するレコード店で働き始め、2階のスタジオでプロダクションの知識を得る。やがてD&Bのパーティ運営、『Vice』誌のイベント担当を経てグライムMCのJammerと知り合い、制作を開始。ブートレグがDiploの耳に止まり、彼のレーベル、〈Mad Decent〉と契約、数曲のリミックスを手掛け、10年に「The Mum Decent EP」を発表。また実質的1stアルバムとなる『DIFFERENT CIRCLES THE MIXTAPE』で《Kerplunk! 》と称される特異な音楽性を明示する。その後Rinse FMで聴いたトラックを契機にLogosと知り合い、コラボレーションを始め、13年に〈Keysound〉から「Genesis EP」、〈Tectonic〉から「Legion / Proto」をリリース、そして2ndアルバム『TWISTS & TURNS』を自主発表、新機軸を打ち出す。14年には〈Tectonic〉からPinchとの共作「Turbo Mitzi / Whiplash」、ミックスCD『PINCH B2B MUMDANCE』、グライムMC、Novelistをフィーチャーした「Take Time」〈Rinse〉でダブステップ/グライム~ベース・シーンに台頭、またRBMAに選出され、同年東京でのアカデミーに参加したほか、Logosとのレーベル、〈Different Circles〉を立ち上げ、ミュジーク・コンクレート、ニューエイジなどの影響を反映した「ウェイトレス」と自称する無重力感覚のサウンドを創造する。15年には名門〈XL〉からNovelistとの共作「1 Sec EP」、自身の3rdアルバムとなるMumdance & Logos名義の『PROTO』、Pinchとの共作「Big Slug / Lucid Dreaming」のリリースを始め、ミックスCD『FABRICLIVE 80』を手掛け、Rinse FMのレギュラーを務める。その後もLogosと精力的な活動を続け、17年に入り『WEIGHTLESS VOL,2』、「Perc & Truss Remixes」、「FFS / BMT」といった注目作を連発している。90’sハードコア・スピリッツを根底にグライム、ドローン、エクスペリメンタル等を自在に遊泳するMumdanceは現在最も注目すべきアーティストのひとりである。

《Mumdance レギュラーラジオ最新アーカイヴ》
https://soundcloud.com/rinsefm/mumdance290817

パターソン - ele-king

 私はパターソンに足を運んだことはないが、ニューヨーク州の隣のニュージャージー州の北部、パサイク郡の郡庁所在地であるかの地は、それがオールロケであってもなくても、画面に映りこんだ街並みから空想するに、都市の喧騒に遠い、いくらかとりのこされた、緑の多い住みよい街のようである。郊外に向かう電車の窓に映る景色がごみごみした都心を抜けた途端にひらけるあの感じ、あるいは金沢とか仙台とか札幌とか、涼しげな土地を連想してしまうのはおそらく、街の情報以上に映像にとらえられた光と空気のせいである。光の差す位置は低く事物の陰影は深い。デジタルでありながら、その色彩感覚はきわめて写真的、ことに70年代のニューカラーを髣髴したのはイメージがエグルストンやショアに似ているからではなく、この世界における映像イマージュの階層が変質したなかにあってこの映画の映像の位置関係がニューカラーが写真史にもたらしたそれに近似するからである。フィルムに色を感光する行為はモノクローム基調の写真史の飛躍のひとつだったが、初期のニューカラーの写真には表現と技術の不安定さからくる、色彩を得ることと同時に喪失することのゆらぎがあった。色はあらかじめ褪せることを含意し、イメージはそれが過去のものであるという形式がもたらす事実以上に圧倒的に非在だった――と思わず間章っぽくなってしまうほど、3DやCGやVRやARやMRがはびこるイマージュによる象徴界で、ジム・ジャームッシュの80年の『パーマネント・バケーション』から数えて12作目の劇映画『パターソン』のフレーム内の色彩と陰影と構図は端正であり、つまるところそれは古典的である。

Photo by MARY CYBULSKI ©2016 Inkjet Inc. All Rights Reserved.

 筋書きはいたってシンプル。ジャームッシュはパターソンを舞台に、街とおなじ名前の主人公パターソン(アダム・ドライヴァー)とその妻(ゴルシフテ・ファラハニ)、そこに暮らすひとたちの一週間を淡々ときりとっていく。撮影監督はフレデリック・エルムズ――ジャームッシュ作品では『ナイト・オン・ザ・プラネット』(1991年)をかわきりに、2003年の『コーヒー&シガレッツ』を担当した人物だが、古くはリンチの『イレイザー・ヘッド』(1976年)を撮っていた。彼との直近の仕事は2005年の『ブロークン・フラワーズ』といえば、『パターソン』のトーンをご理解いただけるだろうか。あの作品のビル・マーレーはジャームッシュ作品では比較的クセのないほうだったが『パターソン』でのアダム・ドライヴァーはそれに輪をかけて淡泊である。午前6時には目をさまし朝食をとり仕事にでかけていく。あとにする自宅は、私はアメリカの住宅事情に詳しくないが、おそらく子どものいない若夫婦と犬一匹が暮らすには広すぎず狭すぎない、典型的な物件である。職場までは徒歩でゆく。職場についたパターソンは出発前のバスの運転席でノートになにやら文字を書きつける、そこに同僚がやってきて手は止まる、バスは発車しパターソンの市街を横切っていく、フロントガラスに映る市街地の風景は構図のなかの消失点に吸いこまれるかのよう。古い街なみ。その街にまつわる話を、乗客がする声が運転席のパターソンの耳にとどく。ある日のそれはひとを殺したボクサーの話でありべつの日にはドーナツ屋のいかした女のこともある、パターソンに住んでいたアナキストについて話す学生たちが乗り合わせることもあるだろう。仕事が終わった食後には愛犬マーヴィンの散歩の途中でなじみのバーによることもある。そこで交わす会話は音楽ネタとユーモアをちりばめたいかにもジャームッシュらしいものだが、80~90年代諸作とくらべると、かつて編集がもたらしたオフビートな感覚が役者の演技の間に置き換わっており、いくぶんゆったりと、とてもまろやかである。彼らとの出来事ともいえない出来事がパターソンを触発するともなく触発する、月曜から次の月曜までくりかえす日々にふれられることでパターソンは詩人になる。

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 うかつな私は書きもらしましたが主人公パターソンはバスの運転手であるとともに詩人でもある。すてきというしかないこの設定が『パターソン』の奥行きである。私は詩については門外漢だが、詩が最初の一行のイメージにはじまりついでイメージをイメージへ橋渡すものなら、『パターソン』の構造そのものが詩である。ところがそれは詩的といったときに、私をふくめ多くのひとが思うような感傷とは無縁であり、作中にコインランドリーのラッパー役でワンシーンだけ登場するメソッド・マンが、詩人としてのパターソンのモデルになったウィリアム・カルロス・ウィリアムズの詩作哲学を借りてつぶやくように、「事物からはじまる観念」なのであり、マッチ箱や靴箱などとわかちがたい、現実に潜ったイメージの群れのようなものを、かつて詩を学んだジャームッシュは映画という、やはりイメージの連なりである形式のなかでたどり直している。むろん映画は詩であるという命題は蕪雑にすぎるが、きりとる視点によっては現実は映画になり文学になり音楽になる、つまりアートになる――などというそっくりかえった言い方をしなくとも、私たちのおくる日々には一日たりともおなじ日はない、とジャームッシュは『パターソン』で種々のイメージをいつくしむようにとらえていく。ときにそれはパターソンの名勝であるグレイトフォールズの水のイメージのもたらす広大無辺さであり、ポール・ローレンス・ダンバーやフランク・オハラやエミリー・ディッキンスン、パターソン生まれのアレン・ギンズバーグやウィリアム・カルロス・ウィリアムズといった米国の詩人の命脈である。それらは符牒となり作品全体に交響していくのだが、そこには桂冠詩人の厳かさや壮麗さに遠い、自由(律)の(オフ)ビート感覚がある。一節ひいてみよう。

「冷蔵庫のスモモを食べた
たぶん君の朝食用だね
許してくれ
おいしかった
甘くて
よく冷えてたよ」
(ウィリアム・カルロス・ウィリアムズ「言っておくよ」)

 作中後半でパターソンは妻ローラに彼女が好きだというこの詩を朗読する。うかつな私は詩にうといので詩と散文のちがいも定義できないが、このような唯物観は、広津和郎の散文性とはいわぬまでも、たとえば谷川俊太郎の「コカコーラ・レッスン」とか田村隆一の諸作とか、ある種の韻文が散文にひらかれるさいにはらむ質朴な力感と余白を思わせるだけでなく、『ダウン・バイ・ロー』でのホイットマン、『デッドマン』でのウィリアム・ブレイクら、ジャームッシュがこれまでの作品で言及してきた詩人の諸作と響き合い、ことばとイメージがアメリカのみならず世界に波及しやがて覆い尽くすジャームッシュのヴィジョンの根拠にもなっている。むろんブルースマンとロッカーとラッパーの列席も欠かせない。その意味でノーベル財団は40年はおくれている。と書きながらいまふと思ったのだが、上述のW・C・ウィリアムズの詩の一節に出てくるスモモ(plums)は『ミステリー・トレイン』(1989年)で永瀬正敏と工藤夕貴のカップルが持参し、ホテルのフロントにいたスクリーミン・ジェイ・ホーキンスが丸呑みしたスモモの暗喩なのではないか。この詩を読んだ翌日、あることで失意の底に沈んだパターソンはグレーとフォールズの前で日本人の詩人(永瀬)と束の間の出会いをはたす。この「浄化」を思わせる場面、なんなら「癒し」といってもいいこのシーンでしかしジャームッシュは感情を昂ぶらせない、それを押しつけないのはこの映画を彼自身「解毒剤」とみなすからだろう。なんにとっての? スペクタクルとしての映画がはびこる昨今の状況にとっての。むろんこの一文の映画はあらゆる文言と置換可能であり、おそらく現在のアメリカの政治/状況とも無縁ではない。タッチは禁欲的で円熟も感じさせる。ロン・パジェットの手になる作中の三編の詩も見事である。音楽はジャームッシュがその一員であるSQÜRLが担当している。アンビエントを思わせつつもパターソンの思考に同期したようなゆるやかな起伏をもつサウンドトラックは当初「著名なエレクトロニック・ミュージシャンのアーティストのトラックを集めて、映画音楽にする予定だった」というのだが、私はそれがOPNではなかったかと邪推している。というのも―― (以下『ギミー・デンジャー』評につづく



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Throbbing Gristle - ele-king

 問答無用のインダストリアル帝王、コンセプチュアルなエクスペリメンタル集団……そうか、もうそんなに経つんですね。スロッビング・グリッスルがファースト・アルバム『The Second Annual Report』をリリースしてから40年。それを記念し、〈Mute〉からかれらの全カタログがリイシューされることが発表されました。まずは11月3日にそのファースト・アルバムと、かれらの代表作である『20 Jazz Funk Greats』(“Hot on the Heels of Love”は必聴です)、そしてベスト盤の『The Taste of TG』の3タイトルが発売されます。ボーナス・ディスクには当時の貴重なライヴ音源が付属、さらに日本盤はHQCD仕様となっております。これを機にスロッビング・グリッスルの偉大なる遺産に触れておきましょう。


スロッビング・グリッスル、デビュー作発売40周年を記念し全カタログをリリース!
リイシュー・シリーズ第1弾として、デビュー作と、歴史に燦然と輝く金字塔
『20 ジャズ・ファンク・グレーツ』、そしてベスト盤の計3作を11/3にリリース!
日本盤はHQCD(高音質CD)仕様。収録曲音源公開。

インダストリアル・ミュージックのオリジネーターであり、今なお現在の音楽シーンのみならず、カルチャー /アート・シーンにまで絶大な影響を与え続けているスロッビング・グリッスル。彼らのデビュー・アルバム『ザ・セカンド・アニュアル・レポート』の発売40周年を記念して、〈MUTE〉より全カタログがリリースされることとなった。

そのリイシュー・シリーズ第1弾として、新たなる音楽の可能性を切り開いた衝撃のデビュー・アルバム『ザ・セカンド・アニュアル・レポート』、彼らの代表作としてだけでなく『ピッチフォーク』で10点満点を獲得するなど歴史的名盤『20 ジャズ・ファンク・グレーツ』、そしてベスト盤『ザ・テイスト・オヴ・TG』の計3タイトルが11月3日(金)にリリースされる。なお日本盤のみHQCD(高音質CD)仕様でのリリースとなる。また、彼らの代表曲“United”が公開された。この曲は1978年に7インチ・シングルとしてリリースされ、今回リイシューされる『20 ジャズ・ファンク・グレーツ』と『ザ・テイスト・オヴ・TG』に収録される。


■“United”試聴リンク
https://youtu.be/5XpqCxJZdGs

全カタログは以下のスケジュールでリリースされ、また未発表曲などが収録されるボックス・セットも来年中にはリリースの予定となっている。

[2018年1月26日]
『D.o.A. The Third And Final Report』
『Heathen Earth』
『Part Two: Endless Not』

[2018年4月27日]
『Mission Of Dead Souls』
『Greatest Hits』
『Journey Through A Body』
『In The Shadow Of The Sun』


■商品概要(11月3日発売/3タイトル)

『ザ・セカンド・アニュアル・レポート』(2CD)

「産業社会に生きる人々の為の産業音楽」という風刺を効かせたキャッチコピーと共に、インダストリアル・ミュージックというジャンルを作り出し、新たなる音楽の可能性を切り開いた衝撃のデビュー・アルバム。1977年11月発売。アルバム発売40周年。
CD-1は、スタジオ&ライヴ音源、そして前身のパフォーマンス・アート集団クーム・トランスミッション時代の映像作品のサウンドトラックの全9曲を収録。
CD-2は、当時のライヴ音源6曲、シングル「United」とそのカップリング曲の全8曲を収録。

・アーティスト:スロッビング・グリッスル / Throbbing Gristle
・タイトル: ザ・セカンド・アニュアル・レポート / The Second Annual Report (2CD)
・発売日:2017年11月3日(金) *オリジナル発売:1977年
・価格:2,650円(税抜)
・品番:TRCP-218~219
・JAN:4571260587199
・紙ジャケット仕様
・HQCD(高音質CD)仕様(日本盤のみ)
・解説付
・Tracklist:https://bit.ly/2wJhDfO
[amazon] https://amzn.asia/1jXuNhD
[Spotify] https://spoti.fi/2vnmZZH


『20 ジャズ・ファンク・グレーツ』(2CD)

1979年発売の3rdアルバム。燦然と輝く歴史的名盤。
インダストリアルの代表作としてのみならず、その後のエレクトロニック・ミュージックへ与えた影響は計り知れない。ジャケット写真の撮影場所は、自殺名所で有名なイギリスのビーチー・ヘッド。
CD-1は全曲スタジオ録音。CD-2は当時の貴重なライヴ音源9曲を収録。

・アーティスト:スロッビング・グリッスル / Throbbing Gristle
・タイトル: 20 ジャズ・ファンク・グレーツ / 20 Jazz Funk Greats (2CD)
・発売日:2017年11月3日(金) *オリジナル発売:1979年
・価格: 2,650円(税抜)
・品番:TRCP-220~221
・JAN:4571260587205
・紙ジャケット仕様
・HQCD(高音質CD)仕様(日本盤のみ)
・解説付
・Tracklist:https://bit.ly/2x5qw38
[amazon] https://amzn.asia/1A1zYlw
[Spotify] https://spoti.fi/2vnmZZH


『ザ・テイスト・オヴ・TG』(1CD)

ビギナーからマニアまで納得のベスト盤。全15曲収録。2004年作品。
リイシューにあたり、“Almost Kiss”(アルバム『Part Two: Endless Not』収録曲/2007年)を追加収録。

・アーティスト:スロッビング・グリッスル / Throbbing Gristle
・タイトル:ザ・テイスト・オヴ・TG / The Taste of TG: A Beginner's Guide To The Music Of Throbbing Gristle (1CD)
・発売日:2017年11月3日(金) *オリジナル発売:2004年
・価格:2,300円(税抜)
・品番:TRCP-222
・JAN:4571260587212
・紙ジャケット仕様
・HQCD(高音質CD)仕様(日本盤のみ)
・解説付
・Tracklist:https://bit.ly/2vrXQSd
[amazon] https://amzn.asia/2uwdQZH
[Apple Music / iTunes] https://apple.co/2g3paPU
[Spotify] https://spoti.fi/2vnmZZH


■スロッビング・グリッスル(Throbbing Gristle)

クリス・カーター(Chris Carter)
ピーター・クリストファーソン(Peter 'Sleazy' Christopherson / 2010年11月逝去)
コージー・ファニ・トゥッティ(Cosey Fanni Tutti)
ジェネシス・P・オリッジ(Genesis Breyer P-Orridge)

インダストリアル・ミュージックのオリジネーターであり、今なお現在の音楽シーンに絶大な影響を与え続けている伝説のバンド。バンド名は直訳すると「脈打つ軟骨」、男性器の隠語。1969年から1970年代のロンドンのアンダーグラウンドにおいて伝説となったパフォーミング・アート集団、クーム・トランスミッション(Coum Transmission)を母体とし、1975年にバンドを結成。彼らのライヴは、クーム・トランスミッションから発展したパフォーミング・アートが特徴で、イギリスのタブロイド紙でも取り上げられるほど過激なパフォーマンスを繰り広げた。1977年、衝撃のデビュー作『ザ・セカンド・アニュアル・レポート』を発売。その後彼らの代表作『20 ジャズ・ファンク・グレーツ』(3rdアルバム/1979年)を発売するなど精力的に活動をしていたが1981年に一度解散。その後、各メンバーはサイキックTVやクリス&コージーとして活動するも、2004年に再結成し2010年10月まで活動を続けた。同年11月、ピーター・クリストファーソン逝去。彼はアート集団ヒプノシスのデザイナーとしても活動し、ピンク・フロイド『炎~あなたがここにいてほしい』、ピーター・ガブリエルの初期3作など歴史に残る作品を手がけた。またセックス・ピストルズ初の宣伝用アーティスト写真の撮影、レイジ・アゲインスト・ザ・マシーンなど数多くのプロモーション・ビデオを制作し、自身の音楽制作のみならず革新的な作品を数多く生み出した。

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