「Low」と一致するもの

4月のジャズ - ele-king

Knats
Knats

Gearbox

 ビンカー・アンド・モーゼス、テオン・クロス、サラティー・コールワール、チミニョなどから、最近はエリオット・ガルヴィンと、〈ギアボックス〉はロンドン、特にサウス・ロンドンのアーティストのリリースが多い。それらの中にはフリー・ジャズやフリー・インプロヴィゼイションに傾倒したリリースも目につくのだが、このたび〈ギアボックス〉から登場したナッツはそれらとは異なるタイプで、ニューカッスルのアポン・タイン出身となる。ベーシストのスタン・ウッドワード、ドラマーのキング・デヴィッド=アイク・エレチによるユニットで、レコーディングにはトランペットのファーグ・キルスビーはじめジョーディ(ニューカッスル地方の人々を指す俗称)のジャズ仲間が参加するなど、形態としてはブルー・ラブ・ビーツに近い。2024年秋ごろからシングルをリリースし、今回ファースト・アルバムを発表するのだが、レコーディングはロンドンのスタジオで行い、ゲストにはアコーディオン奏者のアナトール・マイスターらの名前もクレジットされる。

 ハード・バップ調のホーンを擁した“One For Josh”や“500 Fils”、ジョー・ヘンダーソンの“Black Narcissus”をブロークンビーツ的に斬新に解釈したカヴァーなど、伝統的なジャズのスタイルと現代的なビート感覚を融合した作品集となっていて、エズラ・コレクティヴモーゼス・ボイドなどに共通するようなアーティストと言える。また、鍵盤はフェンダー・ローズなどエレピが主となり、1970年代のフュージョンやジャズ・ファンクのエッセンスが漂う。パーカッシヴなリズム・セクションによるラテン・フュージョンの“Rumba(r)”がその代表だ。アナトール・マイスターのアコーディンをフィーチャーした“Miz”は、ブラジルのアコーディオン奏者であるドミンギーニョスがワギネル・チソやジウベルト・ジルらと共演した『Domingo, Menino Dominguinhos』(1976年)を彷彿とさせるフュージョン調の作品。ミスティカルなスキャット・ヴォーカルを配した“In The Pit”は、1970年頃の欧州産のダークなジャズ・ロックやプログレに通じる。そして、アルバム全体としてスタンとキングの愛する人たちに捧げられていて、スタンは“Tortuga”で母への愛と感謝を示し、“Se7en”ではDJだった父への感情や関係を投影している。ゴスペルや民謡を取り入れた“Adaeze”はキングの亡き姉に対する楽曲で、西アフリカのリズムや楽器を用いている。


Niji
Oríkì

Aeronxutics

 ニジ・アデレエはイースト・ロンドン生まれのピアニスト/作曲家/プロデューサーで、ナイジェリアにルーツを持つ。14歳のときに教会でオルガンを弾いたのが初めての演奏体験で、その後クラシックとジャズのレッスンを受け、ロンドンのジャズやゴスペル・シーンで演奏してきた。セッション・ミュージシャンとしてハリー・スタイルズ、ストームジー、グレゴリー・ポーター、チャーリー・プース、ミシェル・ウィリアムズらのツアーやセッションに参加するなどキャリアを積み、2015年にはファースト・ソロ・アルバムの『Better Days Ahead』をリリースしている。ニューヨークにも拠点を持ち、マジソン・スクエア・ガーデンでNBAのニューヨーク・ニックスの専属オルガン奏者を務めるなど、ロンドンとNYを往来しながら活動を続けているが、近年はモーゼス・ボイドとコラボして“Sounds Of The City”という楽曲もリリースしている。その“Sounds Of The City”も含むアルバムが『Oríkì』で、6年もの歳月をかけて制作されたものだ。

『Oríkì』はアルバムのジャケットにもある曾祖母のマチルダ・タイウォに捧られており、“Mata”というナンバーはそのマチルダの愛称でもある。ニジのルーツであるナイジェリアのヨルバ族のフジ音楽や踊りに多大なインスピレーションを受けており、“A13 Fuji”はダイナミックなアフロ・フュージョンとなっている。アフロノート・ズーのヴォーカルを配した“Jayé (Dance Dance Dance)”はその名の通りダンサブルなアフロ・ディスコで、アフリカ音楽の大地から沸き立つような力強さに満ちている。一方、“Àdùnní”はゆったりと牧歌性に富むメロウな作品で、ココロコあたりに通じる部分を感じさせる。ロンドンのジャズ・シーンにはアフリカをルーツに持つミュージシャンが多く、その代表例がココロコであるが、彼らはジャズとアフリカ音楽を結び、さらにアフリカ音楽から枝分かれしたラテンやレゲエなどを結び付け、ディアスポラである自らのルーツやアイデンティティを探る活動を続けている。ニジもそうしたアーティストのひとりと言える。


Nadav Schneerson
Sheva

Kavana

 ナダヴ・シュニールソンはロンドンを拠点とするユダヤ系のドラマー兼作曲家で、16歳の頃よりトゥモローズ・ウォリアーズでピアノ演奏から作曲など音楽全般を学んだ。現在25歳の彼は、世代的にはヌバイア・ガルシアジョー・アーモン・ジョーンズ、エズラ・コレクティヴらの次にあたり、これからのロンドン・ジャズ・シーンを担う存在である。これまでスティーム・ダウン、グレッグ・フォート、チャーリー・ステイシー、ドン・グローリー、フィン・リースといったアーティストたちと共演してきており、この度リリースするのがファースト・アルバムの『Sheva』である。楽曲は17歳の頃に作曲して温めてきたものもあり、22歳でレコーディングを開始し、その後3年かけて完成させた。レコーディングには、本作リリースの同時期にアルバム『El Roi』を発表した注目のピアニストのサルタン・スティーヴンソンほか、サム・ワーナー(トランペット)、ウィル・ヒートン(トロンボーン)、ジェームズ・エイカーズ(サックス)、アフロノート・ズー(ヴォーカル)らが参加。7人編成のバンドとしてライブ活動も行っていて、本作も全てライヴ・セッションによる録音が行われている。

 アルバム・タイトル曲の“Sheva”はヘブライ語で7を指し、ユダヤ教において神聖な意味を持つ。“Sheva”は7拍子で、イスラム特有の変拍子を用いたものだ。このように、アルバム全体でアラビア音楽をモチーフとした作品が並び、“Yalla”に見られるように複雑なリズムを繰り出すナダヴのドラミングが聴きどころのひとつである。“Negev”はエキゾティックでダークな旋律の楽曲で、ピアノやホーン・セクションが緊張感に富むインタープレイを繰り広げる。“Stampede”はモーダルな変拍子曲で、ライヴ・エフェクトをかけたトロンボーンやウードを交え、スピリチュアルな演奏を披露していく。立体的でポリリズミックなナダヴのドラム演奏は、こうした変拍子の楽曲で持ち味を最大限に披露している。


Y.O.P.E
Peer Pleasure

Wicked Wax

 Y.O.P.Eはオランダのベーシストであるヨープ・デ・フラーフを中心とするプロジェクトで、キーボードのアントン・デ・ブルーイン、ドラムのルイ・ポッソーロ、サックスのミゲル・ヴァレンテ、トランペットのアントニオ・モレノなどが参加。シンセやエレクトロニクス、プログラミング担当のトミー・ファン・ロイケンもいて、ジャズとビート・ミュージックやエレクトロニカを融合したスタイルである。2022年にミニ・アルバムの『Lost But Here』を発表し、それ以来となる本作『Peer Pleasure』がファースト・アルバムとなる。

 “Stretch Up, Stress Up, Ketchup, Relax ”は未来と宇宙をイメージした音像がスピーディーに展開していくエレクトリック・フュージョンで、混沌とした世界とスケールの大きなダイナミックな世界が交錯する。フライング・ロータスやルイス・コールをイメージさせる楽曲だ。“My Funny Chaos”はジャズとテクノを融合したスペイシーな楽曲で、フローティング・ポインツ(https://www.ele-king.net/interviews/007206/)などに近いイメージ。“A-Way”や“Lost But Hereはサム・ネラの繊細なヴォーカルをフィーチャーし、トリップ・ホップ的なクールなナンバー。オランダではジェイムスズーの次を担うようなアーティストとなっていくだろう。

青葉市子 - ele-king

 2016年から2017年ごろ、私は下北沢の小さなカフェにいた。収容人数は法的には30人が限界。青葉市子のソロセットがはじまる数分前、私は右側カウンターの奥、空いていた最後の席に腰を下ろした。完売とはいえ、店内は静かだった。初めて訪れるこのカフェには、かすかなざわめきだけが漂っていた。ステージなんてものはなく、ただテーブルと椅子を脇に寄せただけのスペース。よくある、フォークやアウトサイダー・ロック向けの親密な空間作りだ。ロックの狂騒には近づかない、静かな場所。
 『マホロボシヤ』(2016)という作品に惹かれてここに来た。客席を見渡しても、外国人は私だけだった。当時はそんなものだった。いま思えば、それがどれだけ特別な時間だったかがわかる。30人ばかりの視線を真正面から受けて、彼女は少しだけ恥ずかしそうだった。それでも、音楽は私たちを連れ去ってくれた。不安も、戦争も、クラブのビートもない、ただ静かで安全な場所へ。
 けれど、これが私にとって最初の青葉市子のライヴではなかった。初めて彼女を観たのは、灰野敬二率いる不失者のライヴ直後、六本木・Super Deluxe(いまはなき伝説の箱)で行われたツーマンだった。轟音と咆哮とノイズに1時間浸ったあと、彼女の繊細なギターと歌声に包まれる——そんな体験は、日本でしかできなかっただろう。

 2025年。あれから、すべては変わった。2010年のデビューから彼女は日本国内でカルト的人気を積み上げ、私がハマったころには、海外にもじわじわとファンが増えはじめていた。いまやその小さな火種は大きな炎となり、彼女は国内外のホールを満員にする存在になった。もう、あのカフェでの親密な奇跡を再び味わうことはないかもしれない。

 ギターと天使のような声をもって演奏する彼女は、ツアーコストが高騰するこの時代にも、どこへでも行ける。バンドでも電子音楽家でも手が届かない場所にさえ。Boredoms、ピチカート・ファイヴ、灰野敬二、Melt Banana……そんな先人たちと同じく、青葉市子はいま世界に愛され、そして自らもその世界を温かく抱きしめている。2025年、彼女はこれまでのJ-popアーティストたちの誰よりも多い日程を抱え、ワールドツアーに飛び立つ。
 国境なき受容。それは彼女の音楽と美意識をさらに広げた。『Windswept Adan』(2020年)、そして今年の『Luminescent Creatures』では、彼女は仲間たちとともに、まるで印象派の絵画のような音楽を描きはじめた。初期の、ただギターと声だけの、波打ち際か岐阜の田園で録られたかのような録音とは違う。最初のリリースから、彼女のアルバムジャケットは、ライトブルー、ピンク、バニラ、ライトグリーン……そんな淡いパステルカラーで統一されていた。時間に縛られない、テンポも間合いも自由な音楽。それこそが彼女の魔法だった。青葉市子の音楽は、時間の外側に存在している。そしてその救済こそが、ファンたちを彼女に引き寄せ続ける。

 『Luminescent Creatures』。マーケティングではオーケストラルなアルバム、荘厳なシングル「Luciferine」、イントロの“Coloratura”などが推されたが、実際には、より静寂に回帰した作品だ。『Windswept Adan』の色彩豊かな冒険から一転、原点回帰にも似た孤独が漂っている。全11曲中、1分弱のアンビエント曲が2曲。10年前の10分に及ぶ組曲とは対照的だ。ストーリーテリングは健在だが、抑制され、憂いを帯びている。美しい。でも、どこか悲しくて、内気だ。
 “Sonar”“Flag”“Mazamun”——これらは秘密の歌たちだ。子どもがこっそり手紙を畳んでポケットに忍ばせるように、大切な気持ちを守るための歌。だが、完全な孤独には沈まない。“Pirsomnia”や“Aurora”のような、自然と戯れるような小品が、彼女のバランス感覚を救っている。過剰な編曲に頼らず、それぞれの曲の呼吸を守る。そのせいか“Luciferine”の幻想的なワルツがいっそう際立つ。
 アルバムの中心にそびえる“Luciferine”は、エメラルド色の光を放つ。優雅で繊細で、女性的な輝き。これまででもっとも美しい曲のひとつだと思う。感情の高みと親密さ——私が思い出したのは、Sufjan Stevensだった。とくに『Planetarium』(2017年)。規模も質感も、親密さも、大胆さも、まるで姉妹作のようだ。
 『Luminescent Creatures』は、密やかな瞬間と、そっと広がる勇気のあいだを行き来する。そして、音の多様性に足を踏み入れた彼女が、これからどんな鮮やかな景色を見せてくれるのか、私はもう楽しみでならない。


In a small cafe in Shimokitazawa, around 2016 - 2017, that could only hold legally at most 30 people, I sat in the back next to the right side counter arriving only a few minutes before Aoba Ichiko started to play her solo set. Sold out, it was still quiet inside with small murmurs flowing among the patrons of the cafe of which I was visiting for the first time. The stage was a cleared space that is common for folk or off the grid rock cafes that aim for intimate settings without venturing too far into the rock experience.

Brought to this concert by the allure created from her single Mahoroboshiya, I sat as the only foreign patron. This is far from the case now but it does strike a very interesting contrast. I enjoyed the closeness to the performer who emitted bits of shyness at the 30 something attendees staring directly at her in such a small setting but it didn`t prevent the music from taking us away to a safe quiet place with no tribulation, no war, no anxiety, or rhythmic club trappings. But this wasn`t the first concert of hers I went to. No, the first was her dual concert following Haino Keiji`s Fushitsusha at the infamous now extinct Super Deluxe in Roppongi. The stark difference of listening for an hour to the blazing noise, bellowing shrieks and static frequencies of Fushitsusha then followed by the insular stillness of Aoba Ichiko`s strumming and sweet singing was an experience that I realize could only be experienced in Japan.

2025 is a different time for Aoba. From her 2010 debut, she has gradually acquired a cult following within Japan and probably at the same time I first got into her, a foreign audience also has started to slowly catch on. Now that tiny flame as turned into a full blown fire with her filling concert halls both domestic and abroad. A far cry from the cafe experience I may never experience again. Having only a guitar and an angelic

voice allows her mobility in the face of the rising costs of touring. It also allows her reach neither bands nor electronic musicians can ever have as she can perform literally anywhere. Similar to other outsider Japanese artists before her (Boredoms, Pizzicato Five, Haino Keiji, Melt Banana.....), Aoba has become increasingly embraced and supported by the international scene and Aoba herself likewise has embraced it warmly. This year sees her embarking on a tour worldwide packed with more dates than the majority of Jpop performers or bands ever perform.

This embrace of no borders has naturally encouraged her to broaden her sound and aesthetic. Her last major release Windswept Adan (2020) and this year`s Luminescent Creatures have found her surrounded by an assortment of backing musicians assembled for painting expressionist works unlike her raw beginnings of just straight to mic guitar and vocals with no additional effects. From her first release, each album cover literately was designed with just pastel colors (light blue, pink, vanilla, light green etc) and encased with music that was recorded as if on a cliff overlooking the sea or a quiet village somewhere in Gifu surrounded by rice fields. Just her and her guitar. Tempo, pacing and the acknowledgment of time totally free. Such was / is her charm. Aoba`s music exists beyond time and that relief is the golden treasure which binds her fans to her trajectory.

Luminescent Creatures, despite being somewhat marketed as an orchestrated album with the majestic single Luciferine, and the intro track COLORATURA, the album in reality is more of a retreat from the fuller more playful Windswept Adan. Luminescent Creatures feels at times not that far away from her first records in solitude. Definitely not folk

in concept, this is more a visual ambient record of a film never made. Windswept Adan was 14 tracks but Luminescent Creatures is 11 tracks with 2 mostly ambient tracks just at 1 minute long. A far cry from her 10 minute suites over 10 years ago. Aoba`s storytelling is ever present but subdued by the melancholic atmosphere. Indeed this is a very pretty album but also at times sad and shy. SONAR, FLAG, and maxamun are secret songs. Songs to keep your feelings safe in like a child would with their hidden thoughts on sticky folded paper stuffed in their hands or backpacks. Luminescent Creatures is saved from reaching too far into solitude though playing with fanciful nature in endearing songs like Pirsomnia and aurora. She finds a tranquil balance not allowing additional orchestration to dictate each song and this is exactly why the fantastical waltz chorus of Luciferine stands out so much. With much of the album wrapped in melancholy, Luciferine is the peak and center of the album. The song, begun wading in the luminescence that speaks of the album`s title, emits elegance and femininity beaming emerald light resembling the album cover. The regal brightness of the graceful delicate sound makes it one of the most beautiful songs she has ever written and holds court emotionally to similar triumphant but intimate works by artists like Sufjan Stevens, who was the first artist I thought of when experiencing the peaks and valleys of Luminescent Creatures. Sufjan Stevens`s Planetarium (2017) is definitely a companion album in scope, texture, intimacy, and boldness. Luminescent Creatures feels like a private moment with periods of outward courage. Now that Aoba has her feet wet with sound diversity, I look forward to an even more vivid display of creativity.

型破りの夜 - ele-king

 今年の2月のことである。Zoh Ambaはニューヨーク、ブルックリンの外れ──場所は〈Owl Music Parlor〉で演奏した。開演前、彼女と目が合った瞬間、なにかに見透かされたような気がして、私は思わず笑ってしまった。彼女は一言の躊躇もなく近づいてきて、「Zoh」と名乗った。短く、はっきりと。
 私は東京の音楽メディアで記事を書いていると告げ、編集者から「ぜひ彼女を見てくるように」と言われたことを伝えた。彼女はふっと笑い、少し首を傾けて言った。「サックスで知ったんだろうね」。その言い方には苛立ちと諦め、そしてある種の共感が同居していた。

 たしかに、彼女はサックス奏者だ。自由奔放で、制御不能で、神懸かりのように音を爆発させる──そんなZoh Ambaを私は想像していた。でもその夜、彼女が抱えていたのは、自分の身の丈ほどもあるアコースティック・ギターだった。楽器は違えど、そこにいたのはやはりZohだった。存在感は変わらない。むしろ、より剥き出しで鋭かった。
 オープニングはJohn Roseboro。バンドはなし。ギター一本と声。〈Owl〉の温かい照明の下で、彼のポスト・ボサノヴァ的なプレイが場をやわらかく包み込んでいく。彼の曲は短くて、静かで、驚くほど美しかった。なかでも“How to Pray”と“80 Summers”は、夜にふっと差し込む灯のようで、気がつけば私は、自分の呼吸が浅くなっているのを感じていた。彼は予定よりずっと長くステージに立ち続けた。ついにマイクに向かって尋ねる。「Zoh、もう来る? それとも、僕がもう少し?」
 Zohがステージに現れると、場の空気は瞬時に変わった。ギター、ベース、ドラム──トリオ編成。Zohはストラップをかけ、ギターの弦を強く弾き、叫ぶように歌った。黒のアイライナー、剃り上げた頭。まるで何かを拒絶するかのように。演奏されたのはすべてオリジナル。つい最近、友人と意見がぶつかったことから生まれた曲もあるという。コードは驚くほど単純で、しかし誠実だった。歌詞は詩のようで、“Give Me A Call”や“Child You’ll See”には、彼女の生き方そのものがにじみ出ていた。
 その夜のZoh Ambaは、アメリカーナの風景をまとっていた。ジョン・フェイヒーを思わせるギター、だがそこにはパンクの残響もある。言葉はまっすぐで、ときに観客にも突き刺さった。演奏の途中、席を立った数人に向かって、彼女は軽やかに皮肉った。「おやすみなさい。一番いいところを聴き逃しますね」

 彼女の歌声はときに外れた。ピッチも怪しい。でもそれは、不思議と心地よかった。侘び寂び、とでも言うべきか。不完全なものが持つ美しさ──それは、いまのアメリカでは失われつつある美学だ。ポップスターたちは、すべてをオートチューンに通し、25人のプロデューサーの手を経て完成品を届ける。2024年の選挙以降、シリコンバレーの影はさらに濃くなり、カルチャーさえも制御下に置かれていく。だがZoh AmbaとJohn Roseboroは、そんな回路を一切拒否していた。オートチューンもエフェクトもない。ただ楽器と声。アンプを少しだけ通して、それだけ。彼らはただ、そのままでここにいた。

 Zohはテネシーの山中で育った。森のなかでサックスを吹いていたという。バンジョーとアコースティック・ギター、アパラチアとスモーキー・マウンテン。彼女のルーツには、アメリカの本当の田舎がある。その風景は、2016年以降、政治的に嘲笑の的となってきた。“赤い州”──トランプ支持層──“アメリカの恥”。Zohの出自は、いまやアメリカでもっとも安全に非難できる対象に重なっている。

 それでも彼女は、その土地の音を否定しない。いや、むしろ正面から受け入れている。サックスを置き、ギターを選んだこと──それはただの音楽的選択ではなく、一種の声明だった。民謡的(フォーキー)な、政治の影をかいくぐるような、素朴で誠実な音。そこには、語られぬ抵抗のニュアンスがあった。演奏は政治的スローガンを掲げることもなかった。だがZohの音楽は、彼女自身のルーツをまっすぐに、誰にも媚びることなく肯定していた。

 そう、これはポスト政治でも無政治でもない。むしろ逆だ。彼女の音楽は、あまりに政治的になりすぎたこの国の風景に、あえて何も語らず立ち向かっていた。それはまるで、すべてを語り尽くした後の沈黙のように、重たく、美しかった。

最後にもう一度、彼女の言葉を──
 「そんな小さな心を抱えないで
  上からの声なんか気にしないで
  彷徨いなさい、子よ、君の住処を
  心がすべてを抱えているのだから」

Zoh Ambaは、どんなジャンルにも収まらない。どんな言葉でも彼女を定義できない。ギターを弾こうが、サックスを吹こうが、それは変わらない。〈Owl Music Parlor〉での夜は、そのことを静かに、しかし強く証明していた。

Outside the Box: An Evening with Zoh Amba on Acoustic Guitar
by Jillian Marshall

Zoh Amba performed at the Owl Music Parlor in Brooklyn, New York this February. The musician and I made eye-contact before the show started, and she immediately introduced herself to me. I told her I write for a music magazine in Tokyo, and that my editor recommended that I see check her out. She shook her head in a mix of what seemed to be frustration and understanding, and said that he must know her from her work on saxophone. She was right, although at The Owl she was playing guitar: an instrument nearly as tall as her. But this isn’t to say that she didn’t have a large presence. From that first interaction to the hug she gave me after the show as I was leaving, I was impressed with her honest, no-nonsense attitude that — yes— has defined her both sound as a free-jazz tenor saxophonist and her work on guitar.
Fellow guitarist John Roseboro opened for her, playing solo without his usual backing jazz combo. His beautiful post-Bossa Nova playing and singing cast a gentle glow over The Owl’s cozy atmosphere, and his original pieces (like the stunningly gorgeous “How to Pray” and “80 Summers”) were like delicious little lullabies. Zoh Amba was set to play forty five minutes later, but after an hour of playing John asked into his microphone: “Zoh, when are you coming on? Should I keep playing?”
When Zoh did come on, the established mood gave way to something more charged. Playing in a trio with a bassist and a drummer, Zoh strummed and picked her acoustic guitar while belting into the microphone with her signature black eye-liner and shaved head. Her set was comprised of all originals, some nearly brand new— like one, she explained, that was inspired by disagreement with a friend from just a few weeks prior. The chords were simple and beautiful, and her lyrics (like on “Give Me A Call” and “Child You’ll See”) were poetic homages to authentic living. Although her sound on guitar that night was very folksy — sounding at times like American roots guitarist John Fahey — it retained an avant-garde, anti-establishment, punk- adjacent sensibility... especially since she playfully heckled a few people who got up to leave in the middle of her performance: “Hey, have a good night, but you’re missing out on the best part!”
Perhaps it’s because of her performance’s rawness. At times, her singing was pitchy and even out of tune, yet it was undeniably pretty in a wabi-sabi sort of way. There’s something refreshing— and perhaps even resistance-coded — about human beings making music with instruments and real, unfiltered voices. This is particularly true in today’s America (and world), where pop stars run everything through auto-tune as per the direction of twenty-five producers in a studio, and the presence of tech oligarchs has looms larger than ever since the 2024 election. But Zoh Amba and her guitar (as well as John Roseboro, for that matter) have no such meddling: no autotune, no production affects, no mediation besides some light amplification. They simply show up, and grace the audience with their pure artistry.
Zoh Amba grew up in the mountains of Tennessee, and is famously quoted as saying that she practiced her tenor saxophone in the woods. The thing about Tennessee— a rural state famous for the Appalachian and Smokey Mountain Ranges, as well as American folk music with its banjos and acoustic guitars— is that it’s also a red (republican-leaning) state. Americans associate red states, particularly since Trump’s first election in 2016 when the US’s political divide became officially cataclysmic, with backwater hicks: bad, racist white people who are responsible for America’s political embarrassments. And as I’ve written before, this is the one group in America it remains entirely politically correct (or perhaps even encouraged) to rip apart.

So Zoh Amba putting down the saxophone and picking up the guitar— something she seemed adamant about defending when we chatted before the show— seems somehow political to me. The music she played at The Owl Music Cafe wasn’t necessarily revolutionary in the way of her free jazz on saxophone. But its simplicity, and the authenticity with which she played, were both stirring and provoking. Although her set didn’t reference contemporary American politics or the ways in which rural America is disenfranchised, her set at The Owl Music Parlor seemed like an expression of her heritage: a celebration of those pre-political, beautiful, natural aspects of American folklore, complicated though Americana may be. Ultimately, her set reminded me of how important it is to remember that government is not representative of people, of heart, of culture. As she sang out on “Child You’ll See”, “To carry around such a little mind / Don’t listen to those folks above, just wander child in your abode / The heart is the center, it holds it all.”
Zoh Amba can’t be put in a box, no matter what she plays. Her show at The Owl Music Parlor was a testament to that.

Knxwledge & Mndsgn - ele-king

 現代〈Stones Throw〉を支える2アーティスト、ノレッジとマインドデザインが揃って来日を果たす。6/7の東京公演を皮切りに、福岡(6/13)、大阪(6/14)、名古屋(6/15)をまわります。STUTS&KM&ISSUGI(東京)、OLIVE OIL(福岡)、MURO(大阪)と、各地で強力な出演者も決定。これは行くしかないでしょう!

KNXWLEDGE + MNDSGNによる
〈Stones Throw〉ジャパンツアー2025(6月)
東京公演の国内出演アーティストが発表
大阪に続き、福岡・名古屋公演も開催決定
STUTS|KM|ISSUGI(東京)
MURO(大阪)、OLIVE OIL(福岡)らが出演

STONES THROW JAPAN TOUR 2025
KNXWLEDGE | MNDSGN

presented by CARHARTT WIP

6.7(Sat)Tokyo 東京 @ O-East (Midnight East)
6.13(Fri)Fukuoka 福岡 @ THEATER 010
6.14(Sat)Osaka 大阪 @ JOULE
6.15(Sun)Nagoya 名古屋 @ JB'S

LA発―世界最高峰のインディレーベル〈Stones Throw〉から、2大アーティスト―KNXWLEDGE(ノレッジ)とMNDSGN(マインドデザイン)が揃ってジャパンツアーを開催。6月7日(土)東京公演 @ Spotify O-EAST「MIDNIGHT EAST」の国内の出演者が本日発表、さらに大阪に続き、福岡、名古屋公演の追加公演の開催も決定した。

アンダーソン・パークとのユニット: NxWorries(ノーウォーリーズ)でグラミー賞を受賞したばかりのヒップホップ・ビートメイカー:ノレッジ。マッドリブやJ.ディラを継承するヒップホップ・ビートメイキングで、ケンドリック・ラマー、ジョーイ・バッドアス、アール・スウェットシャツなど数多くのアーティストたちにもビートを提供してきた、現LAシーンを代表するアーティストだ。

そして、ビートメイキングから鍵盤や歌もこなすLAシーン屈指の多才アーティスト:マインドデザインは、ヒップホップをベースにディスコ、ブギー、R&Bなど多様なエレメンツを織り交ぜたオリジナルなスタイルで現在のLAビートシーンを牽引する最注目アーティスト。フライヤーのアートワークはMndsgn自らが手がけた特別仕様となる。このツアーでは、シーンの最前線で活躍する2人のエクスクルーシブな音源が多数披露される予定。

東京公演には、Stones Throwに所縁のある国内の実力派アーティストたちが集結。STUTS、KM、 ISSUGI & GRADIS NICE、ZEN-LA-ROCK、仙人掌のDJ名義DJ SLOWCURVらがラインナップに。

大阪公演にはDJ MUROがゲスト出演。福岡公演にはOLIVE OIL × POPY OILが出演決定。

Carhartt WIP x Stones ThrowのコラボTシャツが会場限定で販売予定だ。
東京公演では、パーティーを彩る、モンキーショルダーのスペシャルなドリンクも販売決定。

LAの空気を日本で堪能できる、貴重な一夜をお見逃しなく。

Don't miss Stones Throw's very own Knxwledge and Mndsgn's Japan Tour

June 7(Sat) Tokyo @ O-EAST (MIDNIGHT EAST)
June 13(Fri) Fukuoka @ THEATRE 010
June 14(Sat) Osaka @ JOULE
June 15(Sun) Nagoya @ JB’S

Fresh off a Grammy win as one half of NxWorries (alongside Anderson .Paak), hip-hop beatmaker Knxwledge! And one of LA’s most versatile artists, Mndsgn, who seamlessly blends beatmaking with keys and vocals!

With an exclusive collaboration with Carhartt WIP also in the works, this will be a truly special tour!

Knxwledge, a defining figure of LA’s current scene, carries the legacy of Madlib and J Dilla in his hip-hop beatmaking. He has crafted beats for the likes of Kendrick Lamar, Joey Bada$$, and Earl Sweatshirt. And Mndsgn, who is at the forefront of the LA beat scene, blending hip-hop with disco, R&B, and other eclectic elements creating a signature sound.

Expect an exclusive showcase of new material from these two trailblazing artists. Plus, top-tier domestic artists will join in - STUTS, KM and more for Tokyo show, DJ Muro for Osaka show and Olive Oil for Fukuoka show.

Limited-edition Carhartt WIP x Stones Throw collaboration T-shirts will be available exclusively at the venues.

Experience LA’s vibrant energy in each city of Japan.

東京 TOKYO Event Info

STONES THROW x MIDNIGHT EAST presents
KNXWLEDGE & MNDSGN
Live in TOKYO
supported by CARHARTT WIP

2025.6.7(SAT) June 7th
at MIDNIGHT EAST (Spotify O-EAST & AZUMAYA)

【 O-EAST 】
KNXWLEDGE (NxWorries | Stones Throw | LA)
MNDSGN (Stones Throw | LA)
LIVE : ISSUGI & GRADIS NICE | STUTS
DJ : KM | ZEN-LA-ROCK

【 AZUMAYA 】
DJ : DAH-ISH | 凸凹。| DJ SLOWCURV | GRADIS NICE | WATTER

【 EAST 3F 】

DJ Dreamboy | DJ KENTA | 原島"ど真ん中"宙芳 | 矢部ユウナ & more

*Lineup-AtoZ-

OPEN/START: 24:00
ADV ¥4,000 | DOOR ¥4,500 | Under23 ¥3,500

Support : MONKEY SHOULDER

EVENT PAGE: https://shibuya-o.com/east/schedule/0607-stonesthrow/

Tickets available at
Zaiko
RA
e+

INFORMATION:
Spotify O-EAST 03-5458-4681
https://shibuya-o.com/east/club/
NOTES:
※ドリンク代別途必要。
※U23チケットは当日券のみの販売になります。(要顔写真付き身分証明書。)
※20歳未満入場不可。(要顔写真付き身分証明書。)
※出演者は予告なく変更になる場合がございますので、予めご了承ください。
※客席を含む会場内の映像・写真が公開されることがあります。
※ 1 Drink fee will be charged upon arrival.
※Under23 tickets are only available on the day of the event. (Photo ID required.)
※ Must be 20 or over with Photo ID to enter.
※Please note that the performers are subject to change without notice.
※Please be aware that videos and photos during the event, including the audience , may be released.

Brian Eno - ele-king

 かねてよりお伝えしてきたブライアン・イーノのジェネレイティヴなドキュメンタリー映画『Eno』が、ここ日本でも上映されることになった。字幕は坂本麻里子。東京では、プレミア上映が6月21日(土)、一般上映が7月11日(金)〜7月17日(木)、ともに109シネマズプレミアム新宿 シアター7にて公開。名古屋では7月12日(土)、7月13日(日)に109シネマズ名古屋 シアター4にて、大阪も7月12日(土)、7月13日(日)に109シネマズ大阪エキスポシティ シアター5にて、限定上映される。詳しくは下記をば。

[7月23日追記]
 この7月、各地で上映され完売続出となった映画『Eno』。大反響につき上映劇場を拡大、追加上映が決定している。詳しくは下記をチェック。なお、監督インタヴューはこちらから。

・日程
2025年8月23日(土)、8月24日(日)

・劇場名
109シネマズプレミアム新宿
109シネマズ二子玉川
109シネマズ港北
109シネマズ湘南
109シネマズ名古屋
109シネマズ箕面
109シネマズHAT神戸
109シネマズ広島

・チケット販売開始:7月25日金曜 AM 10:00〜 

・詳細:https://enofilm.jp/

BRIAN ENO

ブライアン・イーノのジェネラティヴ・ドキュメンタリー映画『Eno』上映決定!
観るたびに内容が変わる映画の常識を覆す革新的映画体験!

音楽、そしてアートにおける「革新」の概念そのものを体現し続けてきた伝説のアーティスト、ブライアン・イーノ。ミュージシャン、プロデューサー、ヴィジュアル・アーティスト、そして活動家、そのすべてにおいて時代の先を走り続け、50年以上にわたり明確なビジョンを提示してきた唯一無二の存在。そんなイーノの真髄に迫る、世界初・完全ジェネラティヴ・ドキュメンタリー映画『Eno』が、ついに日本上陸!ギャリー・ハストウィット監督による本作『Eno』は、ブライアン・イーノへの長時間のインタビュー、そして500時間を超える貴重なアーカイブ映像を組み合わせ、アーティストのブレンダン・ドーズと共同開発した自動生成システム「Brain One(ブライアン・イーノのアナグラム)」を導入。観るたびに構成や内容が変化する映画の常識を覆す全く新しい体験を実現。2024年サンダンス映画祭で世界初公開され、世界中の映画祭で話題となった本作が、ついに日本初公開決定!アジア圏での劇場上映はこれが初となる。プレミア上映には、ギャリー・ハストウィット監督が来日。日本語字幕監修を手がけたピーター・バラカン氏とのスペシャルトークショーも開催。イーノの魅力を語り尽くす貴重な一夜に。その後、東京・名古屋・大阪にて一般上映も決定。変化し続けるイーノのように、一度きりの上映体験をお見逃しなく!

「ブライアン・イーノのキャリアの多くは、プロデューサーとしての役割だけでなく、『オブリーク・ストラテジーズ』や音楽アプリ『Bloom』のようなプロジェクトでのコラボレーションを通して、彼自身や他の人々の創造性を可能にすることでした。私は、映画『Eno』をクリエイティビティを題材にしたアート映画だと考えていて、ブライアンの50年にわたるキャリアがその素材です。ブライアンの音楽とアートへのアプローチと同じくらい革新的な映画体験を創り出すこと、それがこの作品を制作した目的です。」
ギャリー・ハストウィット

『Eno』トレーラー
Youtube https://youtu.be/ygxdXRUev68

監督:ギャリー・ハストウィット
字幕翻訳:坂本麻里子 / 字幕監修:ピーター・バラカン
配給:東急レクリエーション / ビートインク
サイト: enofilm.jp

BRIAN ENO|ブライアン・イーノ プロフィール
ミュージシャン、プロデューサー、ヴィジュアル・アーティスト、アクティビスト。1970年代初頭、イギリスのバンド、ロキシー・ミュージックの創設メンバーの一人として世界的に注目を集め、その後、一連のソロ作品や多様なコラボレーション作品を世に送り出す。プロデューサーとしては、トーキング・ヘッズ、ディーヴォ、U2、ローリー・アンダーソン、ジェイムス、ジェーン・シベリー、コールドプレイなどのアルバムを手がけ、さらに、デヴィッド・ボウイ、ジョン・ハッセル、ハロルド・バッド、ジョン・ケイル、デヴィッド・バーン、グレース・ジョーンズ、カール・ハイド、ジェイムス・ブレイク、フレッド・アゲイン、そして実弟ロジャー・イーノとのコラボレーションでも知られる。2025年夏には、ビーティー・ウルフとのコラボ作品2作をリリース予定。これまでに発表されたソロ作品およびコラボ作品は60タイトルを超え、現在も増え続けている。音楽活動と並行して、光や映像を用いたヴィジュアル・アートの創作にも力を注ぎ、世界各地で展覧会やインスタレーションを開催。ヴェネツィア・ビエンナーレ、サンクトペテルブルクのマーブル・パレス、北京の日壇公園、リオデジャネイロのアルコス・ダ・ラパ、シドニー・オペラハウス、そして記憶に新しい京都での大規模なインスタレーションなど、世界中で多彩なアート・エキシビションを展開している。また、長期的視野で文化的施設や機関の基盤となることを目指す「Long Now Foundation」の創設メンバーであり、環境法慈善団体「ClientEarth」の評議員、人権慈善団体「Videre est Credere」の後援者も務める。2021年4月には「EarthPercent」を立ち上げ、音楽業界からの資金を集めて、気候変動の緊急事態に取り組む有力な環境慈善団体への寄付を行っている。そして2023年、その生涯にわたる功績が称えられ、ヴェネツィア・ビエンナーレ音楽部門よりゴールデン・ライオン賞を受賞。

GARY HUSTWIT|ギャリー・ハストウィット プロフィール
ギャリー・ハストウィットは、ニューヨークを拠点に活動する映画監督兼ビジュアル・アーティストであり、ジェネレーティブ・メディアスタジオ兼ソフトウェア企業「Anamorph(アナモルフ)」のCEO。これまでに20本以上のドキュメンタリーや映画プロジェクトを制作しており、ウィルコを題材にした『I Am Trying To Break Your Heart』、アニマル・コレクティヴによる実験的な長編映画『Oddsac』、ゴスペル/ソウル音楽のレジェンド、メイヴィス・ステイプルズを描いたHBOドキュメンタリー『Mavis!』など、数多くの話題作をプロデュースしている。2007年には、グラフィックデザインとタイポグラフィに焦点を当てた世界初の長編ドキュメンタリー映画『Helvetica(ヘルベチカ)』で監督デビューを果たし、その後も『Objectified(2009年)』『Urbanized(2011年)』『Workplace(2016年)』、そしてブライアン・イーノが音楽を手がけた『Rams(2018年)』といった作品を通じて、デザインが私たちの生活にどのように影響を与えているかを探求し続けている。これらの作品はPBS、BBC、HBO、Netflixをはじめ、世界20か国以上のメディアで放送され、300以上の都市で上映されている。最新作『Eno』は、2024年のサンダンス映画祭で初公開され、サウス・バイ・サウスウエストやトロント国際映画祭などでも上映された。ギャリーの映画および写真作品は、ニューヨーク近代美術館(MoMA)、スミソニアン・クーパー・ヒューイット国立デザイン博物館、ロンドン・デザイン・ミュージアム、ヴェネツィア・ビエンナーレ、ヴィクトリア&アルバート博物館(ロンドン)、ポール・カスミン・ギャラリー(ニューヨーク)、アトランタ現代美術センター、ニューヨークのStorefront for Art and Architectureなど、世界各地の美術館やギャラリーで展示されている。ギターにも強い情熱を持ち、エレキギターメーカー「Koll(コル)」ではデザイン協力も行っています。また、オリンピック開催都市の“その後”を追うスローフォト・ジャーナリズム・プロジェクト『The Olympic City(ザ・オリンピック・シティ)』にも参加。

レビュー

「画期的」 — Rolling Stone
「驚くべき作品」 — Forbes
「スリリングなほど創造的… 映画のルールを破り、上映されるたびに自らを再発明する画期的なポートレート」 — The Guardian
「革命的」 — Screen Daily
「デジタル時代における“映画”の新たなかたちを提示する革新的テンプレート」 — The Quietus
「2024年のベスト映画10選のひとつ」 — New York Times
「このような映画は、映画とは何か、そして新しいテクノロジーが映画制作のプロセスにどう関わるのかを考えるきっかけを与えてくれる」 — BBC News


THEATER
劇場・上映スケジュール・チケット情報

■ 上映スケジュール
特別プレミア上映(トークイベント付き)
【会場】109シネマズプレミアム新宿 シアター7

【日時】2025年6月21日(土)
【登壇者】ギャリー・ハストウィット監督 × ピーター・バラカン(トークショーあり)
※特別プレミア上映は1回目と2回目でそれぞれ別のヴァージョンとなります。

【上映時間】
・1回目:14:00〜
・2回目:18:00〜

【チケット】
<先行販売(抽選)>受付期間:2025年4月24日(木)12:00 〜 4月27日(日)23:59
<一般発売>発売日:2025年5月3日(土)10:00〜
・CLASS A:7,500円
・CLASS S:9,500円
※ チケット金額にウェルカムコンセッション(ソフトドリンク・ポップコーン)サービス料金を含む
※ 1時間前からメインラウンジ利用可能
※ 各種割引サービス使用不可・無料招待券使用不可
【チケット販売URL】
https://eplus.jp/eno/

一般上映
【会場】109シネマズプレミアム新宿 シアター7
【期間】2025年7月11日(金)〜 7月17日(木)

※1週間限定上映
※一般上映は日毎に上映ヴァージョンが変更となりますので、別ヴァージョンを鑑賞希望のお客様は別日の上映チケットをお買い求めください。

<平日>
・1回目:18:00〜
・2回目:20:30〜

<土日>
・1回目:15:30〜
・2回目:18:00〜

【チケット料金】
・CLASS A:4,500円
・CLASS S:6,500円

※ チケット金額にウェルカムコンセッション(ソフトドリンク・ポップコーン)サービス料金を含む
※ 1時間前からメインラウンジ利用可能
※ 各種割引サービス使用不可・無料招待券使用不可

【会場】109シネマズ名古屋 シアター4
【上映日】2025年7月12日(土)、7月13日(日) ※土日限定上映

※一般上映は日毎に上映ヴァージョンが変更となりますので、別ヴァージョンを鑑賞希望のお客様は別日の上映チケットをお買い求めください。

・1回目:15:30〜
・2回目:18:00〜

【チケット料金】
・一般:3,000円
・エグゼクティブ:4,000円
※ 各種割引サービス使用不可・無料招待券使用不可

【会場】109シネマズ大阪エキスポシティ  シアター5
【上映日】2025年7月12日(土)、7月13日(日) ※土日限定上映

※一般上映は日毎に上映ヴァージョンが変更となりますので、別ヴァージョンを鑑賞希望のお客様は別日の上映チケットをお買い求めください。

・1回目:15:30〜
・2回目:18:00〜

【チケット料金】
・一般:3,000円
・エグゼクティブ:4,000円
※ 各種割引サービス使用不可・無料招待券使用不可

■一般上映・ 一般発売(共通)
2025年5月3日(土)10:00〜
【チケット販売URL】 https://eplus.jp/eno/


リリース情報

Beatie Wolfe and Brian Eno『Luminal』
2025年6月6日リリース
https://BeatieWolfe-BrianEno.lnk.to/LUMINAL

トラックリスト:
1. Milky Sleep
2. Hopelessly At Ease
3. My Lovely Days
4. Play On
5. Shhh
6. Suddenly
7. A Ceiling and a Lifeboat
8. And Live Again
9. Breath March
10. Never Was It Now
11. What We Are

Brian Eno and Beatie Wolfe『Lateral』
2025年6月6日リリース
https://BrianEno-BeatieWolfe.lnk.to/LATERAL

CDトラックリスト:
1. Big Empty Country

Vinylトラックリスト:
1. Big Empty Country (Day)
2. Big Empty Country (Night)

Digitalトラックリスト:
1. Big Empty Country Pt. I
2. Big Empty Country Pt. II
3. Big Empty Country Pt. III
4. Big Empty Country Pt. IV
5. Big Empty Country Pt. V
6. Big Empty Country Pt. VI
7. Big Empty Country Pt. VII
8. Big Empty Country Pt. VIII

label : Opal Records
artist : Brian Eno
Title:AURUM
release:2025.3.20
TRACKLISTING:

01 Fragmented Film
02 Gorgeous Night
03 The Dawn of Everything
04 The Understory
05 Lamented Jazz
06 Material World
07 Lonely Semi-Jazz
08 North Side
09 Cascade
10 Friendly Reactor Near Menacing Forest
11 Dark Harbour
https://music.apple.com/jp/album/aurum/1802013049

Actress - ele-king

 アクトレスは2022年以降、キャリア15年目のアーティストとしては意外なほどリリースのペースを加速させている。世のなかの移ろいゆく情勢や経済状況に追いつけず、レーダーから姿を消してしまうアーティストは珍しくない。パンデミックが多くのアーティストが自身のキャリアにおける2〜3年の空白期間を省略するきっかけとなったのだろうか?  あるいは、それはInstagram的で過剰な情報社会への反応なのだろうか? アーティストは、もちろんアーティストとしてあるべきであり、彼らがどのようなキャリアパスや表現のフィールドを選ぶにしても、私たちはその作品をまずは恐れや偏見なく受け止めるべきなのだ。
 インスピレーションや創造性には、経済状況における「量と質の呪い」が関わっている。果たして、「少ないこと」は本当に「より多く」や「より良いマーケティング」に繋がるのか?  頻繁なリリースは編集的フィルターの欠如の表れなのだろうか? もし4年待って34曲入りのアルバムが出たとして、果たして誰かが全曲をちゃんと聴くだろうか? そんな問いの数々に明確な答えはない。
 そうした葛藤の最中に、アクトレスはわずか1ヶ月のあいだに2つの作品をリリースした。「量と質」を比較検証してみよう。

 まずはその1枚、『Grey Interiors』(Smalltown Supersound)。これはActual Objectsとのコラボで「ベルリナーフェストシュピーレのインスタレーション作品として制作された」1トラック構成のアンビエント作品だ。
 2枚目は、『Tranzkript 1』(Modern Obscure Music)という4曲入りのEP。

 アクトレスのアンビエント色が増す最近の作品群は、若かりし頃の彼がレコードでやることを恐れていた領域——すなわち、自らの多様な感情に深く潜り込み、定型的な繰り返しから解放され、トラックに人間味ある呼吸を与える——へと踏み出している。彼のライヴを観たことがある幸運な人ならわかると思うが、最近の彼のアンビエントに対するスタンスは、彼のライヴ・セットに近く、従来の6分以内の楽曲が多いアルバム群はどちらかといえば風景スケッチ的だった。それゆえ、ライヴを体験したことのないファンには、これらの長尺トラックが単なる高慢な実験のように見えるかもしれない。

 『Grey Interiors』は、彼のディスコグラフィーのなかでももっとも尖った作品とは言えないが、2024年の『Дарен Дж. Каннінгем』に続き、確実により冒険的な作品のひとつである。他のアンビエント系アーティストの作品に似た響きを持っているかもしれない。しかし、成長とは、開花して初めて明らかになるものだ。その途中の過程は評価されず、結果だけが見られる——それは実に残念なことだ。
 20分間にわたって『Grey Interiors』は、柔らかく曖昧なシンセの層に支えられながら、浮遊する雲の上へと上昇していく。そこにはアクトレスらしいインダストリアルな美学を象徴する、機械的で独特な緊張感が常に流れている。繰り返される機械音が互いに語り合い、やがて全体の会話そのものへと変化していくなか、突然クラブ・ビートが介入し、ブレイクビーツのような親しみのある感触を呼び起こす。そうしてアンビエントからは脱し、緊張感もやわらぎ、まるでバレエを見ているような感覚に包まれて終わる。

 一方、『Tranzkript 1』は、これまでの作品と同様の音的領域に存在している。各トラックは短く、捻れたアンビエント・メロディがぶつかり合いながら、より簡潔に展開していく。たとえば“Kjj_”や“Guardians”などの曲は、まるで宇宙飛行士が地球を見下ろしながら帰還について考え、カプチーノを飲んでいるようなSF映画を思わせる心地よさがある。『Tranzkript 1』は、巨大な芸術的声明ではないが、深い思索や内省に浸るための心地よい一滴だ。

 長く続くムードのうねりであれ、アヴァンギャルドな短編小説のようにミニマルな音にスポットライトを当てたものであれ、アクトレスが音を通じて聴覚の楽しみに捧げる献身こそが、「質と量の両立は可能である」という議論において彼を勝者たらしめている。そしてそれは、ありがたいことに本当なのだ。


Actress’s pace in releases since 2022 has accelerated much faster than one would expect for an artist 15 years in. Falling off the radar is a common trend with artists sometimes not able to keep up with the progressive and economic state of the evolving world. Was the pandemic an impetus for forgoing the 2 to 3 year hiatus that many artists including himself steer their careers by? Or more of a reaction to our hyper Instagram information culture? Artists should be artists, of course and the course they decide to take in their career trajectory and field of expression should be allowed and accepted without fear or prejudice so that the well of their artistry can overflow.

The pain of inspiration and creativity in the world economy derives from the curse of quantity vs quality. Is less really more and better for marketing? Are frequent releases a sign of lack of an editorial filter? If I wait 4 years for a new album of 34 tracks, does anyone actually listen to all the tracks? Questions upon questions are not easy to answer. In the middle of this ongoing dilemma, Actress has released not one but two releases within one month. So now the quantity vs quality can now be tested.

First is Grey Interiors (Smalltown Supersound), a one track ambient track made “as an installation piece for the Berliner Festspiele” with Actual Objects. The second, a four track ep, Tranzkript 1 (Modern Obscure Music).

Actress’s growing ambient tinged work does what the younger artist was more afraid to do on record ; dig deeper into his many moods, break away from formulaic repetition and let the track breathe more humanly. If you have had the luck to see Actress live, then you know that his current headspace with ambient music is closer to his live set whereas his many albums of cuts, mostly under 6 minutes, are closer to scenic sketches. Those of his fans without the pleasure though may view these longer tracks as just vein experiments.

Grey Interiors isn’t the edgiest Actress album of his discography but it is definitely one of the more adventurous ones following in line with 2024`s Дарен Дж. Каннінгем. It may be reminiscent to other ambient releases by other artists in tenor. But growth isn’t clear until it’s finished flowering. The in between process isn’t valued. Only the result and that is a shame.

In 20 minutes, Grey Interiors ascends above floating clouds supported by soft, amorphous plushy synths continuous under an underlying mechanical distinctive tension typical of Actress`s industrial ethos. Machine repetitions that grow to talk more to each other eventually becoming the total conversation before a club beat interferes with mild breakbeat familiarity. No longer ambient, the remaining edge of anticipation is relieved leaving with a feeling of watching a ballet.

Tranzkript 1 (Modern Obscure Music) exists on more familiar sonic territory along with previous releases. Briefer in track length, more concise with off-kilter ambient melodies colliding into each other like the track Kjj_ or Guardians, which pleasantly reminds me of a sci-fi film where astronauts are above the earth contemplating return while sipping cappuccinos. Tranzkript 1 isn`t a giant artistic statement but rather a pleasant dip into deep thoughts and ruminations.

Whether elongated mood swings or spot light focused on minimal sound a la avant garde short stories, Actress`s dedication to aural enjoyment means he wins the argument of quality / quantity showing thankfully you can have both.

Twine - ele-king

 南太平洋の大陸でひっそりと “カントリーゲイズ” (カントリーとシューゲイズの要素をミックスしたスタイル)の大名盤が誕生しているのをご存じだろうか。そう、トゥワイン(Twine)というバンドにアクセスすることによって現行音楽に対するリスニング経験は大きく変わる……と声を大にしてそれを言いたくなるほどトゥワインというバンドを皆さんに知ってもらいたい。

 トゥワインはオーストラリアの南部、アデレードで2021年に結成されたバンド。アデレードはシドニーから1300km以上、メルボルンからは700km以上離れたオーストラリアの地方都市だ。当初はトム・カツァラス(Tom Katsaras:ヴォーカル/ギター)のソロ・プロジェクトだったそうだが、演奏メンバーの様々な入れ替わりを経て、現在のマット・シュルツ(Matt Schultz:ギター)、テア・マーティン(Thea Martin:ヴァイオリン)、アリシア・サルヴァノス(Alicia Salvanos:ベース)、ジャクソン・パジェット(Jackson Pagett:ドラムス)を含めた体制が固まると、バンドとしての歩みをはじめたという。

 初めて聴いたときは、ブラック・カントリー・ニュー・ロードの1stアルバム『For The First Time』と2ndアルバム『Ants From Up There』の間の世界を思い浮かべた。反復する混沌としたポスト・パンク的アプローチから、繊細なメロディが広がるフォーキーなサウンドへ移行したその狭間ではどんな音が鳴っているんだろうか。もちろん、ブラック・カントリー・ニュー・ロードとトゥワインでは出自も音楽的な成り立ちも異なるが、トゥワインの不協和音がぶつかり合うカオティックな展開と、優しく鳴り響くスロウコア風味のエモーショナルな展開の連続には、あったかもしれないブラック・カントリー・ニュー・ロードの別のストーリーを想像させた。感情のダイナミズムとジャンルの折衷や溶解が広がるその世界をこじ開け、拡大させ、そこに彼らの旗を立てたと言おうか。丁寧だけど叫び散らかしていて、スリリングだけど優しく染み渡る。若きバンドによる初期衝動とアイデアがもたらす完成されていないからこその未知なる可能性。過去のロック・バンドの名盤と呼ばれる作品がそれを証明するように、そこにこそ生々しくリアルなカオスが宿り、そこにしか味わえないドキドキがある。

 ヴァイオリン・メンバーがいるのは、ロック・バンドとしては珍しい編成ではあるが、まずは1曲聴いてみようということであれば、7曲目の “Fruit To Ripe” を強くお勧めしよう。軽快なドラム・ビートと獰猛なギターに並行して、エネルギッシュなヴァイオリン・リフが絡みついては楽曲の印象を優雅に引き上げている。楽曲の沸点に近づくとともにカツァラスは痙攣気味に声を張り上げ、心地良い緊張感のなかで全ての音が爆発的に融合する瞬間に我々リスナーも心を大きく揺さぶられるであろう。2024年に日本国内のインディ・ロック・ファンの最大公約数となったフリコ(Friko)をも彷彿とさせる楽曲でもある。

 ノイジーで優雅。例えば、3曲目の “Spine” はイントロからディストーションの洪水に見舞われるが、騒々しいカオスを抜けた先に、ガラッと見晴らしの良い晴れた日の高台に出たかのような清々しい音に切り替わる。ヴァイオリニストのテア・マーティンは「ヴァイオリンがバンドの各パートを音響的に移動する効果が好きなんだ」とも語っているが、ヴァイオリンの音使いが秀逸で、轟音のなかでは、後方から音に神秘性のエッセンスを注ぎ込み、ヴァイオリン・リフがはじまると音の先頭に立ち、風が吹き抜ける牧草地のような世界観を演出している。さらに、サビでの感傷的なカツァラスの歌は、ヴァイオリンが感情の導線を演出し、より一層エモーショナルな爆発を引き起こす。

 ここまで彼らを説明するのに初期のブラック・カントリー・ニュー・ロードとフリコを引き合いにしたが、ウェンズデイのようなアメリカン・カントリーな表現を、オーストラリアの地方都市のフィーリングで鳴らしていることにも注目しよう。音には、風が吹き抜ける牧草地と揺れる大地と突然の雷雨のような彼らが生まれ育った故郷のような土着的な雰囲気が漂う。彼らを取り巻く環境、──絶望するほど広すぎる大地、スマホで再生される外の世界、発展し過ぎた複雑なテクノロジー、親密で距離の近いコミュニティ──のなかで、暮らし成長する彼らの雄弁と焦燥、愛と憎しみ、夢と現実が、センチメンタルに沈むのではなく、ちょっとした期待を信じて、感情の爆発を起こす。ヤング・パワーとアイデアと友情と苦悩が迸るトゥワインの音楽はパンクであり、フォークであり、悲しみであり、未来へと続く希望だ。広大なオーストラリアの片隅から放たれたこの衝撃が多くの人に伝わって欲しい。

Seefeel - ele-king

 またその話かよ! ってなるかもしれないんだが……シーフィールのセカンド・アルバムにして〈WARP〉からの最初のアルバムとなった『Succour』(1995年)に関しては、当時の同レーベルの日本での発売権を持っていたソニーがその年出したリリースでもっとも売り上げが低かった1枚だったらしいよとele-king編集長の野田努に言われたことが、当時本作のライナーノーツを担当した僕にとっては未だにトラウマとなっていることはまあ僕以外には関係のない話かもしれない。が、当時のテクノ・シーンに興味を持っていたリスナーなら、このアルバムは話題になる! と確信を持って長文のライナーノーツをしたためた僕の気持ちをわかってくれるじゃないだろうか。そう、ステレオラブやPJハーヴェイを産んだUKインディ・レーベル、〈Too Pure〉から1993年にデビューしたシーフィールは、未だアルバムをリリースしていない時点ですでにかのエイフェックス・ツインとの交流を持っていたのだから。
 「リミックスを頼まれる曲の大半はクソみたいなもの」などと発言して、ほとんど原曲を使わず、まんま自作になってるんじゃないかと思わせるようなリミックスすら堂々と発表したりしていたエイフェックス・ツインがシーフィールとのダブルネームで1993年7月に〈Too Pure〉からリリースしたシングル「Time to Find Me」——原曲はシーフィールのデビュー・シングル「More Like Space EP」(1993年3月)に収録——では、曲の良さを損ねることなくAFX Fast MixとAFX Slow Mixというふたつのリミックス(ちなみにこれはこのシングルより数ヶ月先に発表されたニュー・オーダーのシングル「Regret」の、Sabres of Paradiseによるふたつの——Sabres Fast 'N' ThrobとSabres Slow 'N' Lo——リミックスと呼応しているようにも感じる)を披瀝していたことがおおいに注目を集めたのを今でもよく覚えている。じっさいこのコラボレーションはその後、エイフェックス・ツインからのラヴコールによって彼が共同運営するレーベルRephlexからのリリースとなったシーフィールのサード・アルバム『(Ch-Vox) 』に結実する。
 この「Time to Find Me」のリミックス盤、そして「Plainsong EP」の2枚の12インチと、それを1枚にしたCD「Pure, Impure」が同時に発売され(1993年7月)、これを受けて同年10月に満を持して発売されたのがファースト・アルバム『Quique』である。
 アルバムにはデビュー・シングルの曲はひとつも収録されず、続く2枚のシングルからも「Plainsong」のみが選ばれ、リミックスされた「Time to Find Me」も含まれなかったこのファースト・アルバムはしかしむしろ好意的に受け入れられ、同時にライヴ・アクトとしても人気を集めた彼らはわかりやすい例えで言えば「マイ・ブラッディ・ヴァレンタインとエイフェックス・ツインを繋ぐ」ものとしてその存在感を強めたし、アルバム発売後のツアーの一環としておこなわれたコクトー・ツインズとのヨーロッパ・ツアーは、シーフィールの名をいっそう高みへと押し上げるのに十分な役割を果たしたのだった。
 こうして舞台が完全に整ったと言える時期に、彼らは電子音楽の牙城とも言えるシェフィールドの名門レーベル、〈WARP〉への移籍を発表。WARPには盟友、エイフェックス・ツインも、のちにシーフィールのリミックスを手がけることになるオウテカもいた。〈WARP〉初のギタリストを擁するロックバンド!と喧伝されたシーフィールは1994年4月にWARPからの初プロダクトとしてシングル「Starethrough EP」を発表。ここに収録された「Spangle」は、その翌月に発売されたWARPのリスニング・テクノ・コンピレーション『Artificial Intelligence 2』に、オウテカやエイフェックス・ツイン(Polygon Window名義)とともに収録され、彼らの代表曲のひとつとなった。9月には続くシングル「Fracture / Tied」をリリースし、そして翌1995年3月にはセカンド・アルバム『Succour』が日の目を見る。

 シーフィールはデビュー当時からことほどさようにいつもなにかしら話題があり、注目されていたのである。なのに、日本では売れなかった。壊滅的に、と言ってもいいほどに。
 だが、今になって振り返れば……たとえばエイフェックス・ツイン。テクノ好きを中心としたファンベースは確かにあった。けれど、今では名作として語られる『Selected Ambient Works Vol. II』(1994年3月)ですら、リアルタイムで国内盤は発売されていない。エイフェックス・ツインのアルバムが本国と同時に発売されたのは「Girl / Boy Song」で注目された『Richard D. James Album』(1996年)からなのだ。『Vol. II』は、初出から5年を経てようやく1999年に国内盤化された。オウテカだって似たようなものだし、初期のシーフィールをエンジニア的側面から支えてきた盟友マーク・ヴァン・ホーエン(Locust名義も)に至ってはもっと未知の存在にすぎなかっただろう。だから、彼らの名前でこのシーフィールというバンドを知る人はかなりいるはず……というのはかなり甘い期待だったと認めざるを得ない。まあ、マイ・ブラッディ・ヴァレンタインだってあの時代はまだそれほど人口に膾炙する存在とは言えなかった。
 加えて『Succour』期の彼らが、加工されているとはいえまだギターやヴォーカルの肌理が温かみを保っていた〈Too Pure〉時代よりもよりアブストラクトで鉱物的な音響工作を推し進めていたことも要因としてある。〈WARP〉が契約した初のギター・バンドってどんなの? と思って聴いてみた人にしてみたら、これってどこがロック? ギターはどこ? となるのはある意味当然かもしれない。入口としてはちょっと敷居が高かったのだろうか。
 だから、そういう人が先に『Quique』期の彼らを耳にしていたら、もしかしたらこの『Succour』の日本での受容はもう少し変わっていたのかもしれないと、今にして思うのである。

 この『Quique』のRedux(戻ってきた、よみがえったの意)版は、オリジナル『Quique』の拡大版としてシングル曲や未発表曲が加えられて〈Too Pure〉から2007年にリリースされたものである。この拡大版を作るために集ったメンバーは、これを機に活動休止状態になっていたバンドを再始動する意思を固め、それは2011年の4作目となるセルフ・タイトルのアルバムへと結実する。しかしそのいっぽうで彼らの生みの親とも言えるレーベル、〈Too Pure〉はこの拡大版をリリースした翌年に事実上消滅した(それゆえ、今回取り上げた本作は現在の原盤権を持つBeggars Arkiveからのリイシュー盤である。内容は2007年版と変わらないが、あらたにリマスターが施されている)。そういう意味ではこのアルバムは、〈Too Pure〉の「白鳥の歌」でもある。『Quique』は、この2時間におよぶ拡大版でいっそう際立って甘美な音楽を披瀝する。この甘美さは、WARP期以降の彼らからはいくぶん失われた。もちろんそのかわりに彼らが獲得した精緻な彫刻めいたアーキテクチャもまた魅力的であることは間違いないし、2024年にリリースされた最新の2部作も素晴らしい作品であったから、この先の彼らのあらたな展開はやはり楽しみではあるのだが、しかしときにはこの白昼夢のような世界にどっぷりと浸かりたくなることもあるのだ。

Jane Remover - ele-king

 「過剰」「極度」といったニュアンスで捉えればよいのだろうか、ともかくパンデミック前夜に幕を開けた、いわゆる「ハイパーポップ」とされる新たなムーヴメントは、隔離の時代を終えたいまもたしかな存在感を発揮しつづけている。

 その一端を担う2003年生まれのアメリカ人アーティスト、ジェーン・リムーヴァーが最新作『Revengeseekerz』を4月4日に(ポスト・ハイパー的ムーヴメントの一端を担うレーベル)〈deadAir〉よりリリース。

 パンデミック期には「leroy」名義で過剰にマキシマイズされ、多量のサンプル・ソースで構成されたサウンドデザインを特徴とするマイクロジャンル「ダリアコア」(ハイパーフリップとも)の提唱者として世界中のキッズを熱狂させつつ、本名義ではインディ・ロックやエモとEDM、デジコア──ハイパーポップのなかでもよりヒップホップに近接したサブジャンル──をミキサーにかけたような作品を次々と披露するなど、ハイパー以降のシーンにおいて特異な才能を発揮しつづけている。

 そんな彼女(*ジェーンはトランス女性であることをカミングアウトしている)の新作には、デトロイトのラッパー・ダニー・ブラウンが参加するなどのサプライズも。実験的でマキシマイズされた作風はそのままに、ラップでもポップでもない未知の地平に向けて日々邁進しつづけているようだ。

 ともかく、2020年代以降に水面下で起きている新しい動向についての興味の有無は別として、まずはぜひ一聴を。耳馴染みがなくとも、案外好みに合うかもしれません。

Artist: Jane Remover
Title: Revengeseekerz
Label: deadAir
Format: Digital
Release Date: 2025.04.04

Tracklist:
1. TWICE REMOVED
2. Psychoboost ft danny brown
3. Star people
4. Experimental Skin
5. angels in camo
6. Dreamflasher
7. TURN UP OR DIE
8. Dancing with your eyes closed
9. Fadeoutz
10. Professional Vengeance
11. Dark night castle
12. JRJRJR

https://janeremover.bandcamp.com/album/revengeseekerz
https://stem.ffm.to/revengeseekerz

Bruce Springsteen - ele-king

 この度、ブルース・スプリングスティーンの通称「失われたアルバム」がリリースされることになった。アナログでは9枚組、CDとしては7枚組のセットで発売されるこのコレクションは、1983年から2018年のあいだに録音された7枚のフル・アルバム(計82曲)を網羅しているという。
 これらのアルバムは、いちどは録音されたものの最終的にリリースされることがなかった作品で、その多くは90年代に制作された音源になる。スプリングスティーンはパンデミック中にこれら「失われたアルバム」を見直し、「失われた90年代」というこれまでの見解を払拭するためにリリースを決意したと明かしているが、まあなんといっても注目は、あの暗い傑作『ネブラスカ』と『ボーン・イン・ザ・USA』のあいだの試行錯誤が記録された『LA Garage Sessions '83』を筆頭に、1993年の『Streets Of Philadelphia Sessions』、E ストリート・バンドをフィーチャーしたカントリー ・アルバム『Somewhere North Of Nashville』あたりだろうけれど、木津毅のようなコア・ファンには、2019 年のアルバム『Western Stars』への架け橋であった『Twilight Hour』や映画のサウンドトラックとして制作された『Faithless』も聴きたかったに違いない。なにせこれらは当初、アルバム作品として録音されていたものなのだ。(つまり、たんなる未発表の寄せ集めではない)
 ちなみにこのボックスのなかで、アルバムとして考えられていなかった唯一の作品は『Perfect World』だとスプリングスティーンは明かしている。
 『トラックスII:ザ・ロスト・アルバムズ』は6月27日にソニーよりリリース。また、ボックスから20曲を抜粋したハイライト集『ロスト・アンド・ファウンド:セレクションズ・フロム・ザ・ロスト・アルバムズ』(1CD/2LP)も同時リリースされる。

 今年2025年はBorn To Run 50周年。そして4月には初来日公演から40周年(初日は1985年4月10日代々木オリンピック・プール)を迎えるブルース・スプリングスティーン。その記念すべき年に、遂に1998年に発表された未発表曲集『トラックス』の第二弾が発売されることが決定した。



 6月27日に発売となる『トラックスII:ザ・ロスト・アルバムズ』には、1983年から2018年までの35年間で、制作されながらもこれまで世に出ることはなかった「完全未発表アルバム」7枚を収録。“失われたアルバム”7枚には全83曲(82曲の未発表トラック+アルバム未収録ヴァージョン1曲)が収められ、それぞれのアルバムごとに特色あるパッケージングが施されている。アーカイヴからのレアな写真、エッセイストのエリック・フラニガンによる“失われたアルバム”各タイトルについてのライナーノーツ、そしてスプリングスティーン本人自らこのプロジェクトの紹介を収録した、100ページにも及ぶ「布装豪華ハードカバー本」とともに、マスターテープを模した超豪華ボックスに収納。内容もパッケージも前代未聞の歴史的コレクターズ・アイテムとなる。超豪華ボックス・セットはファースト・プレスのみ。日本盤は輸入盤国内仕様で2000セット限定。日本版ブックレットには五十嵐正氏によるハードカバー本の完全翻訳と日本版ライナーノーツ、そして三浦久による全曲対訳と訳者ノートを収録。「失われたアルバム」を紐解く充実した内容になる。

https://brucespringsteen.lnk.to/TLATrailerPR

「やりたい時にはいつでも自宅で録音できる環境のおかげで、幅広い様々な音楽的方向性に入り込めた」とスプリングスティーンが説明する「完全未発表アルバム」7枚の内容は、『ネブラスカ』と『ボーン・イン・ザ・U.S.A.』を繋ぐ重要なリンクとしてローファイ・サウンドを探求した『LAガレージ・セッションズ’83』、グラミー賞、アカデミー賞を受賞、ドラム・ループやシンセサイザーのサウンドに挑戦した『ストリーツ・オブ・フィラデルフィア・セッションズ』、未完の映画のサウンドトラック作品『フェイスレス』、ペダル・スティールを擁する小編成のカントリー・バンド編成の『サムウェア・ノース・オブ・ナッシュヴィル』、国境の物語を豊かに織りなす『イニョー』、オーケストラ主導の20世紀半ばのフィルム・ノワールを彷彿させる『トワイライト・アワーズ』、アリーナにおあつらえ向きなEストリート・テイスト満載の『パーフェクト・ワールド』。この7枚のアルバムは、その音楽の世界を広げてきたスプリングスティーンのキャリアの年表に豊かな章を書き入れ、今まで知られていなかった側面や、ジャンルを超えた多才ぶりも魅せつけてくれる。

 ボックスからの第一弾シングルは「レイン・イン・ザ・リヴァー」。“失われたアルバム”の中の7枚目『パーフェクト・ワールド』に収録されている。
 https://brucespringsteen.lnk.to/RITRPR
 
 スプリングスティーンはアルバムの主題は何かということによって曲を選択していくため、彼自身が気に入っている曲も含め、リリースされずじまいの曲がアルバム何枚分も存在していると言われてきたが、今回遂にその全貌が明らかになる。なぜこの曲が世に出ていなかったのか?と不思議なくらいのクォリティの高い楽曲が詰め込まれ、通常のアーティストの未発表集のようなものとは一線を画す、彼が辿ってきた道をもう一度別の道で辿る、歴史的な作品集といえるだろう。『トラックスII:ザ・ロスト・アルバムズ』は限定7枚組CDボックス(日本は2000セット限定)、9枚組LPボックス(輸入盤のみ)、デジタル版の各フォーマットで発売される。

 また、未発表ボックス・セットから選りすぐりの20曲を収録したハイライト盤『ロスト・アンド・ファウンド:セレクションズ・フロム・ザ・ロスト・アルバムズ』は1CD(日本盤は高品質BSCD2)、2LP(輸入盤のみ)で同じく6月27日に発売となる。

 『トラックスII:ザ・ロスト・アルバムズ』は、プロデューサーのジョン・ランダウ監修のもと、プロデューサーのロン・アニエッロとエンジニアのロブ・レブレーと共に、スプリングスティーンがニュージャージー州のスリル・ヒル・レコーディング(自宅スタジオ)にて編集した。

ブルース・スプリングスティーン
『トラックスII:ザ・ロスト・アルバムズ』
Bruce Springsteen / Tracks II : The Lost Albums

2025年6月27日 (金)発売予定 【2000セット限定】
完全生産限定盤 輸入盤国内仕様(詳細な日本版ブックレット付) 
SICP-31767〜73(7CD超豪華ボックス・セット) 税込:¥35,750 (税抜:¥32,500)
ブルース・スプリングスティーン本人とエリック・フラナガンによるライナーノーツ/布装豪華ハードカバー本封入/英文ブックレット翻訳&日本版ライナーノーツ:五十嵐正/対訳&訳者ノート:三浦久
(*9LP BOX:輸入盤で発売)

<収録曲>
DISC1 : 『LA Garage Sessions ’83/LAガレージ・セッションズ‘83』 
1. Follow That Dream/フォロー・ザット・ドリーム
2. Don’t Back Down On Our Love/ドント・バック・ダウン・オン・アワー・ラヴ
3. Little Girl Like You/リトル・ガール・ライク・ユー
4. Johnny Bye Bye/ジョニー・バイ・バイ
5. Sugarland/シュガーランド
6. Seven Tears/セヴン・ティアーズ
7. Fugitive’s Dream/フュージティヴズ・ドリーム
8. Black Mountain Ballad/ブラック・マウンテン・バラード
9. Jim Deer/ジム・ディアー
10. County Fair/カウンティ・フェア
11. My Hometown/マイ・ホームタウン
12. One Love/ワン・ラヴ
13. Don’t Back Down/ドント・バック・ダウン
14. Richfield Whistle/リッチフィールド・ホイッスル
15. The Klansman/ザ・クランズマン
16. Unsatisfied Heart/アンサティスファイド・ハート
17. Shut Out The Light/シャット・アウト・ザ・ライト
18. Fugitive’s Dream (Ballad)/フュージティヴズ・ドリーム(バラード)

DISC2 : 『Streets of Philadelphia Sessions/ストリーツ・オブ・フィラデルフィア・セッションズ』
1. Blind Spot/ブラインド・スポット
2. Maybe I Don’t Know You/メイビー・アイ・ドント・ノウ・ユー
3. Something In The Well /サムシング・イン・ザ・ウェル
4. Waiting On The End Of The World/ウェイティング・オン・ジ・エンド・オブ・ザ・ワールド
5. The Little Things/ザ・リトル・シングズ
6. We Fell Down/ウィー・フェル・ダウン
7. One Beautiful Morning/ワン・ビューティフル・モーニング
8. Between Heaven and Earth/ビトウィーン・ヘヴン・アンド・アース
9. Secret Garden /シークレット・ガーデン
10. The Farewell Party/ザ・フェアウェル・パーティ

DISC3 : 『Faithless/フェイスレス』
1. The Desert (Instrumental)/ザ・デザート(インストゥルメンタル)
2. Where You Goin’, Where You From/ウェア・ユー・ゴーイン、ウェア・ユー・フロム
3. Faithless/フェイスレス
4. All God’s Children/オール・ゴッズ・チルドレン
5. A Prayer By The River (Instrumental)/ア・プレイヤー・バイ・ザ・リヴァー(インストゥルメンタル)
6. God Sent You/ゴッド・セント・ユー
7. Goin’ To California/ゴーイン・トゥ・カリフォルニア
8. The Western Sea (Instrumental)/ザ・ウェスタン・シー(インストゥルメンタル)
9. My Master’s Hand/マイ・マスターズ・ハンド
10. Let Me Ride/レット・ミー・ライド
11. My Master’s Hand (Theme)/マイ・マスターズ・ハンド(テーマ)

DISC4 : 『Somewhere North of Nashville/サムウェア・ノース・オブ・ナッシュヴィル』
1. Repo Man/リーポ・マン
2. Tiger Rose/タイガー・ローズ
3. Poor Side of Town/プア・サイド・オブ・タウン
4. Delivery Man/デリバリー・マン
5. Under A Big Sky/アンダー・ア・ビッグ・スカイ
6. Detail Man/ディテール・マン
7. Silver Mountain/シルバー・マウンテン
8. Janey Don’t You Lose Heart/ジェイニー・ドント・ユー・ルーズ・ハート
9. You’re Gonna Miss Me When I’m Gone/ユア・ゴナ・ミス・ミー・ウェン・アイム・ゴーン
10. Stand On It/スタンド・オン・イット
11. Blue Highway/ブルー・ハイウェイ
12. Somewhere North of Nashville/サムウェア・ノース・オブ・ナッシュヴィル

DISC5 : 『Inyo/イニョー』
1. Inyo/イニョー
2. Indian Town/インディアン・タウン
3. Adelita/アデリータ
4. The Aztec Dance/ジ・アズテック・ダンス
5. The Lost Charro/ザ・ロスト・チャロ
6. Our Lady of Monroe/アワー・レディー・オブ・モンロー
7. El Jardinero (Upon the Death of Ramona)/エル・ハルディネロ(アポン・ザ・デス・オブ・ラモーナ)
8. One False Move/ワン・フォルス・ムーヴ
9. Ciudad Juarez /シウダー・フアレス
10. When I Build My Beautiful House/ウェン・アイ・ビルド・マイ・ビューティフル・ハウス

DISC6 : 『Twilight Hours/トワイライト・アワーズ』
1. Sunday Love/サンデー・ラヴ
2. Late in the Evening/レイト・イン・ジ・イヴニング
3. Two of Us/トゥー・オブ・アス
4. Lonely Town/ロンリー・タウン
5. September Kisses/セプテンバー・キッシズ
6. Twilight Hours /トワイライト・アワーズ
7. I’ll Stand By You/アイル・スタンド・バイ・ユー
8. High Sierra/ハイ・シエラ
9. Sunliner/サンライナー
10. Another You/アナザー・ユー
11. Dinner at Eight/ディナー・アット・エイト
12. Follow The Sun/フォロー・ザ・サン

DISC7 : 『Perfect World/パーフェクト・ワールド』
1. I’m Not Sleeping/アイム・ノット・スリーピング
2. Idiot’s Delight/イディオッツ・ディライト
3. Another Thin Line/アナザー・シン・ライン
4. The Great Depression/ザ・グレイト・ディプレッション
5. Blind Man/ブラインド・マン
6. Rain In The River/レイン・イン・ザ・リヴァー
7. If I Could Only Be Your Lover/イフ・アイ・クッド・オンリー・ビー・ユア・ラヴァー
8. Cutting Knife/カッティング・ナイフ
9. You Lifted Me Up/ユー・リフテッド・ミー・アップ
10. Perfect World/パーフェクト・ワールド

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前代未聞の未発表超豪華ボックスから選りすぐったハイライト盤
ブルース・スプリングスティーン 『ロスト・アンド・ファウンド:セレクションズ・フロム・ザ・ロスト・アルバムズ』
Bruce Springsteen / Lost and Found: Selections From The Lost Albums
2025年6月27日 (金)発売予定
通常盤(日本プレスBSCD2) SICP-31774 税込:¥2,860 (税抜:¥2,600)
(2LP:輸入盤で発売)

<収録曲>
1 Follow That Dream/フォロー・ザット・ドリーム
2 Seven Tears/セヴン・ティアーズ
3 Unsatisfied Heart/アンサティスファイド・ハート
4 Blind Spot/ブラインド・スポット
5 Something In The Well/サムシング・イン・ザ・ウォール
6 Waiting On The End Of The World/ウェイティング・オン・ジ・エンド・オブ・ザ・ワールド
7 Faithless/フェイスレス
8 God Sent You/ゴッド・セント・ユー
9 Repo Man/リーポ・マン
10 Detail Man/ディテール・マン
11 You’re Gonna Miss Me When I’m Gone/ユア・ゴナ・ミス・ミー・ウェン・アイム・ゴーン
12 The Lost Charro/ザ・ロスト・チャロ
13 Inyo/イニョー
14 Adelita/アデリータ
15 Sunday Love/サンデー・ラヴ
16 High Sierra/ハイ・シエラ
17 Sunliner/サンライナー
18 I’m Not Sleeping/アイム・ノット・スリーピング
19 Rain in the River/レイン・イン・ザ・リヴァー
20 You Lifted Me Up/ユー・リフテッド・ミー・アップ

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