音楽は境界を越える──グローバリゼイションを大企業のみに独占させる必要はない。アンダーグラウンドなエレクトロニック・ミュージックのシーンでも、それは起こりつづけている。
ヨルダンに生まれ、パレスチナのラマッラーでクラシック音楽を学びつつ、ヒップホップに親しんだサマ・アブドゥルハーディー。その後サウンド・エンジニアリングを学び、サトシ・トミイエのDJセットをきっかけにテクノを知った彼女は、今日ではDJとして世界各地を飛びまわっている。彼女こそ、パレスチナにテクノを持ちこむことに成功したパイオニア的存在だ。プロデューサーとしても活躍していて、ガザでの戦闘などを録音したコラージュ作品 “The Beating Wound” を残したりもしている。現在はパリを拠点にしている模様。
2018年の Boiler Room への出演が大きな話題を呼び、一昨年、宗教上よろしくないとのことでパレスチナ自治政府が彼女を拘束した際には、釈放を求める署名が10万筆以上も集まったという。昨年はドキュメンタリー映像も公開。今年に入ってからはガーディアン紙がインタヴュー記事を掲載したり、RAが特集記事を組んだりと破竹の勢いだ。ここ日本での公演はまだ実現していないが、じわじわと知名度は上がってきているにちがいない。
越境するテクノDJに注目しよう。
「Pã€ã¨ä¸€è‡´ã™ã‚‹ã‚‚ã®
ダフト・パンクの解散以来、トーマ・バンガルテルにとって初となるソロ・アルバム(通算2枚目)のリリースが先日発表された。題名は『Mythologies』。これがなかなか面白そうな内容なので、ニュースにします。
トーマといえば「Spinal Scratch」を思い出すベテラン・リスナーもいることでしょうが、今回のアルバムは、ディスコでもハウスでもロボットでもありません、ボルドー国立歌劇場でのバレエ上演のために依頼されて制作したもので、音楽はボルドー・アキテーヌ国立管弦楽団によって演奏されている。全23曲、収録された楽曲はおもにバロック音楽とアメリカのミニマリズムに影響を受けているとのことのようで、エレクトロニクスはいっさい使われていない。詳しくは、ワーナークラシックのホームページをチェックしよう。予約は1月27日から、発売は4月7日です。

Thomas Bangalter
Mythologies
Warner Classics
清々しさすらもある真っ正面からストレートに突っ走るテクノ・アルバムであります。マルセル・デットマンのソロ・オリジナル・アルバムとしてはひさびさ、シングル群はさておき、大きな作品としては2017年の2作品、インダストリアルでダーク・アンビエントな、写真家と複数アーティストとのコラボ・プロジェクト『Rauch』、または同じくベルクハインのレジデントDJ、ベン・クロックとのコラボによるほぼアルバム大のEP「Phantom Studies」はありますが、2013年のセカンド『II』以来、およそ10年近く間が空いてのサード・アルバムが本作。
リリースはお膝元の〈Ostgut〉ではなく、オランダの〈Dekmantel〉より。〈Dekmantel〉とマルセルの関わりと言えば、フェスはもちろんですがディガー・コンピ・シリーズの『Selectors 003』も手がけ、プレ・テクノでカルトなEBMやインダストリアル・エレクトロ方面の楽曲をコンパイルし好きモノを唸らせるということもありました。
上記のリリース以外のアルバム間の大きな出来事としては、〈Marcel Dettmann Records〉(こちらは休止中?)とは別に、自身のレーベル〈Bad Manners〉の設立もあります。そちらは新たな才能も発掘しつつ、デトロイトのベテラン、アンソニー・シェイカーとのコラボやオーランド・ヴーンの作品、〈FAX〉などリリースで知られるドイツのベテラン、アンソニー・ロザー(Anthony Rother)、さらには本アルバムと同じ頃、フィンランドのこちらもベテラン、モノ・ジャンクの作品をリリースするなど、このベテラン勢のラインナップからもわかるように、なんというか「この人は本当にテクノが好きなんだな」という、素朴すぎるにもほどがある感慨も浮かんでしまう、そんなレーベル運営をしています。ちなみにサウンド的にもテクノ、もしくは『Selectors 003』の延長戦にあるようなエレクトロ~EBM的な方向性の楽曲をストイックに、といった印象です。
さて話は戻って本作。おそらくコロナ禍の修養ということでしょうか、1日でアルバム1枚作れるぐらい楽曲を作るという、なんというかスポ根的な圧を自らに課して作りあげたのが本作だそうで、そうして生まれた膨大な楽曲群から選ばれたのがこの11曲ということなんでしょう。冒頭に書いたようにいやこれがまた寄り道一切なしのストレートにかっこいいテクノのアルバムです。
イントロ的なダーク・アンビエント “Coral” からスタートしつつ、EBM的なベースラインがスウィングする “Suffice to Predict”、ヒプノティックな “Renewal Theory” の冒頭、それこそキックのひとつ、ドラム・キットの打ち込みだけでテクノにおける語彙力の高さが鋭く伝わってくるストレートなサウンド。
インタールード的なコズミック・アンビエント “Transport” をはさんでの、同じく〈ベルクハイン〉で活躍するライアン・エリオットをポエトリー・リーディング的にフィーチャーしたチルな雰囲気の “Water” やもしくは後半の “(Batteries Not Included)” “Picture 2020” といった楽曲の抑制したムードもぐっとアルバム全体の流れへと聴く者を引き込みます。
良い音響のフロアで聴いたらひたすら気持ち良さそうな “x12”、さらには痙攣するサイケデリックな電子音が旋回する “Pxls”、パーティのエンディングを予期させる “Reverse Dreams” などなど、アルバムの流れも含めて、一聴はモノトーンで淡泊な印象ですが、そこにはテクノの滋味とでも言えるような美学で、そぎ落とされたミニマルな構成でシンプルにアルバムとして聴かすサウンドを展開しています。
わりと中庸というか、さまざまな要素を組み込むことで型を崩し続けるDJカルチャー、一方でDJミックスというある種のルールのなかでフォーマットの美学を貫くのもDJカルチャー。なんというかここ数年は前者のなかから出てきたサウンドにめざましい動きもありますが、本作は後者のタイプのなかで、とにかくハイクオリティの、特にストレートなテクノというカテゴリーにおいてなかなかに魅力ある音楽性で、2022年の最後によく聴いたアルバムとなりました。ずっしりと積層したアンダーグラウンドのテクノのカルチャーの上に、まさに質実剛健なスタイルで新たなハイクオリティーな層を重ねていく、そんな作品。ある種のマルセルの、自らが属するコミニティや歴史への愛を感じることもできるのではないでしょうか。
初めて発表した曲は XXXテンタシオンのリミックス。それが14歳のときだというから早熟だ。2019年に16歳で初のアルバムを送り出した若き湘南出身のラッパー、LEX はその後〈Mary Joy〉とサインし、この4年ですでに4枚ものアルバムを送り出している。近年の日本のラップ・シーンを牽引する代表的プレイヤーのひとりだ。
彼はラップをメッセージをこめることのできるアートフォームとして大いに活用してもいる。たとえば1年前に発表された “Japan”。ニルヴァーナ風のトラックをバックに、抽象的な発声で「若者金ない 大人も病んでいる/なのにこの国はシカトをかます/大胆な演説をカマして何度も嘘をつく」「不満がある奴は俺と叫んでくれ」とラップされている。あるいはセカンド収録の “GUESS WHAT?” のMVには国会答弁中の安倍元首相が映し出されていたり。「若者の政治離れ」なんて言ったのはだれだ? すくなくとも LEX はまったく萎縮していない。
というわけでエレキング注目のラッパーが本日、5枚目のアルバム『King Of Everything』をリリースしている。今回の新作にも “大金持ちのあなたと貧乏な私” なる、ロミオとジュリエット的な格差社会を思わせる曲が収録されている。ぜひチェックしてほしい。
LEXが最新アルバム『King Of Everything』をリリース!
LEXをフィーチャーしたAmazon MusicとGQ JAPANのコラボドキュメンタリー「RPZN Stories」が配信開始。
湘南出身のアーティストLEXのニューアルバム「King Of Everything」が本日リリースされた。
客演にJP THE WAVY、Young Coco、Young Dalu、Leon Fanourakis、Only U、ShowyVICTOR、UKのBEXEY、USのMatt OxやKid Trunksなど国内外のアーティストを迎え、LEXらしいレパートリーに富んだ17曲を収録している。
また、アルバムの制作中に撮影されたAmazon MusicとGQ JAPANとのコラボレーションドキュメンタリー「RPZN Stories」が、GQ JAPANのYouTubeチャンネルにて配信開始された。ドキュメンタリーの中で、LEXは自身のキャリアにおける葛藤やメンタルヘルスにまつわるパーソナルなエピソードを赤裸々に語っており、家族や仲間からの証言を交えて、普段のSNSやライブでは知れないLEXの意外な一面を見せている。

LEX - King Of Everything
https://lexzx.lnk.to/KingOfEverything
Tracklist:
01. GOD (produced by 1bula)
02. King Of Everything (produced by VLOT, MrOffbeat, kaaj & evanmoitoso)
03. Killer Queen (produced by Trippop)
04. Busy, Busy, Busy (feat. Only U) (produced by june)
05. 金パンパンのジーンズ (feat. Young Coco & JP THE WAVY)
06. READYMADE (feat. Leon Fanourakis) (produced by k4stet)
07. 1/3 (feat. Kid Trunks)
08. Hertz (feat. Matt Ox)
09. Move (feat. ShowyVICTOR) (produced by DJ JAM)
10. LOVE PISTOL (feat. Young Dalu) (produced by FOUX)
11. Strength blindness (feat. Only U) (produced by Dee B)
12. Come To My World (feat. BEXEY)
13. This is me
14. 大金持ちのあなたと貧乏な私 (produced by In Bloom)
15. If You Forget Me (produced by eeryskies & Arcane)
16. Need It (produced by Kevin Jacoutot)
17. 庭の花 (produced by prodkult)
Artwork by Anton Reva, Photography by Uran Sakaguchi, Motion Cover by FROMKIERAN
Mix & mastering by KM, except #2 “King Of Everything” by VLOT. Contributors: KM, VLOT, DJ JAM & STEELO
「RPZN Stories」
GQ JAPAN YouTube チャンネル 【1月25日(水)9時30分より「RPZN Stories」配信】
https://www.youtube.com/watch?v=e0uB-_IRgC4

LEX (レックス) Profile:
湘南出身、2002年生まれのヒップホップ・アーティスト。天性のメロウボイスと、攻撃的な楽曲とのギャップ、感情むき出しのリリックがユース世代を中心に熱狂的な支持を得ている。14歳からSoundCloudに楽曲をアップロードしはじめ、2019年4月、16歳のときにファースト・アルバム『LEX DAY GAMES 4』で衝撃的なデビューを果たす。2019年12月にセカンド・アルバム『!!!』、2020年8月にサード・アルバム『LiFE』を次々と発表。2021年にはBAD HOPやJP THE WAVYらの作品に客演参加し、ロンドンのBEXEYとのコラボEP「LEXBEX」、横浜のOnly U & Yung sticky womとのコラボEP「COSMO WORLD」を発表するなど、勢いは更に加速。8月にJP THE WAVYを客演に迎えたシングル “なんでも言っちゃって”、9月には4枚目となるアルバム『LOGIC』を発表し、同年GQ Men Of The YearのBest Breakthrough Artistを受賞するなどその活動が高い評価を受けた。
2022年3月にSoundCloud初期音源と未発表曲をコンパイルした『20 (Complete Mixtape)』を発表。4月には10代最後となるシングル “大金持ちのあなたと貧乏な私” をリリースし、8月からはZepp Yokohama、なんばHatch他6都市を周る “With U Tour” を成功させた。メンタルヘルスの問題も抱えながらプレッシャーや葛藤と向き合い、2023年1月に満を持して5枚目のアルバム『King Of Everything』を発表する。
2021 GQ Men Of The Year Best Breakthrough Artist
2022 Space Shower Music Awards Best Hip Hop Artist
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ある日、Canshaker Pi のギタリストであるウィレム・シュミットの頭にひとつのアイデアが浮かんだ。オランダ東部の街ヘンゲロのライヴ・ハウスのステージの上、新しく組んだバンド、パーソナル・トレイナーの2回目か3回目のライヴで彼は次の出番に向けて退場せずにこのままステージに残ってギターを弾き続けたらどうなるだろうと考えたのだ。それは利便性と好奇心から来るアイデアだった。自分はこの日に出演するスティーヴ・フレンチでもギターを弾いているし、バンドの他のメンバーはこの後に出るテディーズ・ヒットのメンバーでもあって、どのバンドもメンバーが重なっていたし、友だちでもあるんだからとウィレムはこの考えをさらに推し進めた。そして彼とその仲間たちは3回に分けてステージに登場するのではなく、そのまま続けて次のバンドに接続して、3つのバンドでひとつのステージを作り上げることに決めたのだ。「それがめちゃくちゃ興奮したし楽しかったんだよね。だから他の人とも同じようにできたら最高だって思ったんだ」。後にウィレム・シュミットはこの日のことをそう語っているが、これがアムステルダムを拠点に活動する、出入り自由、ルールがないことがルールのコレクティヴ、パーソナル・トレイナーの始まりだった。
そうしてパーソナル・トレイナーの活動は勢いを増す。ウィレムの頭に次々とわき出てくるアイデア、スコット・ピルグリムみたいなスリーピースのスタイル、ヒップホップのバックトラック、ピアノのバラッド、ついにはメンバーが入れ替わり立ち替わり演奏する24時間の配信ライヴまで。好奇心とユーモアに突き動かされて行動するウィレム・シュミットのこの姿勢はピップ・ブロム、キィテンズ、グローバル・チャーミング、ア・フンガスといったオランダのシーンを形作るバンドを巻き込みそのエネルギーを音楽に変えていった。自分以外の他の誰かとの接続、他の感性との接続、他のバンド、シーンとの接続、それらがこの集団を勢いづかせ、その度に皆で集まり大きな音を鳴らすという根源的な喜びを思い出させてくれた。そうしてそれは国を飛び出しヨークのブルやブリストルのホーム・カウンティーズなどのUKのバンドをもメンバーに加えるまでになった。それは現代的で、奇妙で、そしてとても魅力的なプロセスだった。世界は遠くて近く、共通するものに憧れる感性を接続ポイントにして、あっという間に結びついてしまうのだ。
たとえば彼らのアンセムにもなっていて、この1stアルバムにも収められている “The Lazer” という曲についてこんなエピソードがある。2019年にヨーロッパ・ツアーを回っていたスポーツ・チームが、アムステルダムでパーソナル・トレイナーのこの曲を聞いて興奮し、メンバー同士で向き合い「俺たちこのバンドとサインすべきだよな」とその場で自身のレーベルからリリースすることを決めたというのだ(その後実際にスポーツ・チームを主宰するレーベル〈Holm Front〉から7インチのシングルと10インチのEPがリリースされた)。このときのスポーツ・チームの言葉を借りれば「俺たちよりもペイヴメントに似ているバンド」、パーソナル・トレイナーはそんな風に人を惹きつけその活動に接続させるそんな魅力を持っている。
そこから少し時間が経ち、ラインナップのコア・メンバーが確立されメンバーの出入りが少なくなったものの(それは少しフットボールのチームができる過程にも似ているのかもしれない)パーソナル・トレイナーは変わぬ衝動と楽しみむ心を持ち続けている。そうしてリリースされたこの1stアルバム『Big Love Blanket』にはストレートでひねくれた実験的な曲たちが詰め込められている。これまでの過程で得た感性が混ぜ合わされながら、揺らめき動き、再び自身の原点に返ってくるみたいなそんな曲たちの連なり。ウィレム・シュミットの独唱ではじまり、そこに少しずつ音が重ねられ、メンバーの声が集まってくるタイトル・トラック “Big Love Blanket” は仲間を集めながら形を変えて活動していったパーソナル・トレイナーのここまでで旅路の縮図のように思えるし、そこからライヴで何百回と演奏された “The Lazer” に流れて込んでいくのはなんとも気分が高揚する(この曲はつまり他の誰かと接続するために作られた曲だ。だからあっという間に心が沸き立つ)。
ひねくれつつユーモアたっぷりにすすむ “Rug Busters” に “Key Of Ego”、ストリングスを交え静かに情感に訴えかけてくる “Milk” はLCDサウンドシステムの “New York, I Love You but You're Bringing Me Down” を彷彿とさせるし、“Texas In The Kitchen” では違った形(メランコリックなインディ・ギター)でより直接的に心を揺さぶる。「もっとオアシスみたいな音にしたい」という思いのもとギターのオーヴァーダブを重ねた “Former Puppy” は黄金の90年代への憧憬を抱え、かえってその当時の曲よりもずっとノスタルジックに響く(そのせいでふとした瞬間に、オアシスのギターにスティーヴン・マルクマスのメロディが乗ったらというような妄想を抱かせる)。ウィレムの言うようにそれは「偽のノスタルジア」なのかもしれないが、実際に存在しなかったものだからこそ現実の壁を越えて頭の中で広がっていくものなのかもしれない。パーソナル・トレイナーの音楽の中に存在する、共通の思い出(90年代・00年代の優れた音楽たち)、それにまつわる出来事が心の奥底に眠る感情を喚起させ、そしてそれが愛おしさを連れてくるのだ。
愛とユーモア、アイデアと実行、喜びに楽しみ、そしてわずかな孤独、それらが入り交じり生み出された音楽がパーソナル・トレイナーを「俺たちのバンド」たらしめる。ステージの上の憧れではなく、日常と接続可能な俺たちのバンド。その日常の鈍く輝くきらめきが何度も胸を締め付ける。こうした音楽を愛おしく感じるのは、きっとこれから先の未来の世界でも変わらないのかもしれない。それはコミュニティの中、生活の中に潜む日常の愛おしさで、その何気ない日々の中に過去と未来が息づいている。
ジェフ・ミルズが『メトロポリス』をリリースしたのは2000年のこと。ダンスフロアに近しいテクノ・アーティストが “コンセプト・アルバム” をリリースすることがまだ珍しかった時代で、その後立て続けにアルバムを発表するジェフ・ミルズだが、じつは4枚目のアルバムだった。またそれは、1927年のドイツで制作されたSF映画の古典に新たな音楽を加えるという、じつに大胆な試みでもあった。
リリース当時、ジェフの音楽付きの上映会が青山CAYで行われたことを思い出す。テクノロジーとロボット、メトロポリスの支配者、そして上流階級と労働者たちに階層化された社会を描いたこの映画にジェフのエレクトロニック・サウンドが重なると、それはたしかに現代のメタファーとなりうる。
2000年にリリースされ、2010年にいちどリイシューされたこの『メトロポリス』が、この度『メトロポリス・メトロポリス』としてまったく新しく制作され、3月3日に〈アクシス〉よりリリースされる。
『メトロポリス』は、オリジナルは147分の大作だったが、フリッツ・ラングの意思とは関係なく、商業的な理由でこれまで勝手に縮められて(エディットされて)、上映されてきている。が、しかし、2010年に失われたフィルムが見つかり、完全復刻したのだった。それで、シネミックスのイベントを依頼されたことをきっかけに、ジェフがあらたに作り直すことになったという。なので、じっさいに制作した音源は147分あるそうだが、リリース用に収録曲は編集されている。それでもアナログ盤で3枚組だが。また、ブックレットではTerry Matthewというシカゴのジャーナリストが素晴らしい文章を寄せている。いま混乱し、階層化され、映画のようにいつ労働者たちの反乱が起きてもおかしくないこの世界で、なぜ『メトロポリス』なのかを、みごとに理論づけている。そう、これは注目のリリースなのだ。
(ちなみに同古典SF映画はテクノ・アーティストに人気で、ジョルジオ・モロダーはリメイク版『メトロポリス』の音楽を手がけ、クラフトワークは “Metropolis” 、クラスターのメビウスは『Musik für Metropolis』を作っている)

Jeff Mills
Metropolis Metropolis
Axis Records
日本のレコード店には、3月下旬にアナログ盤、CDが発売される

死が迫ってくるような作品だ。
Lit した炎が消えるまでの時限爆弾のように、死が襲ってくる。
ShowyRENZO はペルーの血をひく茨城出身のMC。そのコールするような刻んだラップはプレイボーイ・カーティ以降、いわゆるケン・カーソンやコチースといった気鋭のラッパーのモードを踏襲しているように見えるし、日本語/英語の単語の並びを独自に入れ替え、意味より音を重視するように区切っていくスタイルは LEX 的とも言える。ヒップホップ・コミュニティにおいては『ラップスタア誕生!2021』のファイナルで鮮烈な印象を残したことで一気に知名度を高めた彼だが、2022年には勢いそのままに傑作アルバム『2022』をリリース。本作『FIRE WILL RAIN』は、止まらない ShowyRENZO 節を知らしめるだめ押しの一枚である。
たとえば、90分の間に決着をつけなければならないフットボールというスポーツの焦燥感をメッシ経由で持ち込んだ “Pink Messi” において、彼は「好きなだけ俺の愚痴いいな/それで満たされるならいいな/I’m sorryあんまり時間がないな/死神が迎えにきた」とリズミカルに歌う。死へのカウントダウンが始まっているかのような焦りは、前作『2022』収録の “シナリオ” でも弾むようなステップでこう披露されていた──「俺は楽しんでる/死神、死を操ってる/俺は毎晩楽しんでる/いつ死んでも良いわけじゃないけど/いつでも俺は準備できてる」
金を稼ぐ、成長する、俺は凄い、俺はまだまだ昇りつめる。現代における多くのラッパーがそうであるように、ShowyRENZO もまたネオリベラリズム社会における果てしない成り上がりを目論む。彼がゲームへと新たに持ち込んだのは、〈時間〉という概念だった。「I just今smoke I just今smoke」と忙しなく連呼する “Smoke Sports” や「マジで/マジで/マジで」と威勢よい声を小刻みに発する “Stress by” といった曲では、とにかく〈今〉が大事なのだ、悠長にセンテンスを作りラップなんてしている時間はないのだ、と言わんばかりに瞬間の一フレーズに賭ける態度が迫ってくる。もはやリリックと呼ぶことを憚られるかのような、ワードのつぎはぎとしてのラップ。そのスタイルについては、『ラップスタア誕生!2021』での審査員コメントで「雰囲気だけになっちゃう可能性がある」と指摘されていたこともある。
前作『2022』に収録され、彼の中にある政治性が顕在化した “死と税金” という曲はとりわけ重要だ。ここでもまた、細かく刻むようなラップで彼は次のように吐露する。「ソファに座ってチルしてる/相変わらず目が空いたまま夢を見てる/Like夜神月/Deathnote世界を変える/俺が選ばれてる俺が選ばれてる/死神が見える死神が見える/死か生きる賭ける/likeこれイカゲーム/逃れ逃れない/逃れ逃れない/死と税金/逃れない」。彼が唐突に引き合わせる〈死〉と〈税金〉は一見遠いもののようにも思えるが、ハスリングやゲットーを通じ資本主義を描いてきたヒップホップにおいて、それはむしろ並べ提示されて然るべきテーマであり、あたかも並列なものとして配置する批評眼にこそ ShowyRENZO のヒップホップ的な神髄が宿っていると言ってよいだろう。だからこそ、彼が走り抜けるように死と税金についてラップする様子は、つまり国家の規制に対し「好き放題自由に稼がせろ」と主張しているようにも見えるし、同時に「(たくさん税金とられるくらい)こんなに稼いだぜ」というボースティングにもなっている。
ただ本作は、その権力への反抗や成り上がりへの自己言及が、徹底して軽さを極めていく技術とともに表現されている点が重要だ。近年、いつしかヒップホップにおけるセルフボースティングは〈型〉となり〈ルール〉となり、突き詰められていった結果重量感を失いますます〈自らに対する励まし〉に転化しつつ、時にユーモアすらも内包するようになった。事実、“APOLLO” はリリックとラップの相乗効果によって、破綻/破滅と紙一重のユーモラスさが浮き上がっているではないか。「Gotta go hard/ステージの上で/カッコつけ/恥とかねぇ/恥があるならもうやめ」から「紙神紙神」と受け(薄っぺらな紙と重々しい神との対比!)、「Picasso/Picasso/Picasso/Picasso」と連呼したうえで「I’m ok/そのcase/kkk ok we ok」と自らを肯定し励ますようひたすら繰り返す「OK」。それはまさにアルバート・バンデューラ的な自己効力の作用に近いものがあり、いつしか素朴な自己啓発の標語のごとき軽さへと接近する。
軽いワードをリズミカルに発し、ただただ並べ、ユーモアとぎりぎり紙一重の「俺はできる」を貫徹すること。その浮遊するような重力のなさは、かつて加速するネオリベラリズム下における資本主義社会の様相を鋭く綴った SCARS の〈重さ〉とは隔世の感がある。彼らは “I STEP 2 STEP” で「悩めるこの街で稼ぐだけだから/日々重さを増す体/日々重さを増す責任」とラップした。ShowyRENZO は本作のハイライトである見事なナンバー “火をつける” で、ジャージー・クラブの軽やかなリズムに乗せて軽薄にワードを連ねる。「火をつけるLit/早く起きてburning/息を吐くよmorning/結局のところ今がやばい/果てしない終わらない/時間より早い/軽くてやばい/増やしてマニー」と。
ShowyRENZO の魅力とは、「雰囲気だけになっちゃう可能性がある」というスタイルに対し、むしろそこに宿る価値観を逆手に取り突き詰めていくことで、ある種の軽妙さを獲得しながら死へと向かっていく点にこそあるのだ。ゆえにその徹底した軽さは、これもまたユーモアすれすれなほどドラマティックにサンプリングされる “火をつける” での一幕で、次のような歌詞とともに結ばれる。「私が生きている他に何もない/たった一人のものだから/どんな明日もこわくない」
私が生きている他に、何もない。
生きている他に、何もない!
あぁ、この〈死〉を前提とした軽さ!
モダン・ノイズのカリスマ、アーロン・ディロウェイが来日する。元ウルフ・アイズのメンバーにして、『Wire』誌にいわく「ノイズの扇動者」、そしてテープ・ミュージックの急進主義者、2021年にはルクレシア・ダルトとの素晴らしい共作『Lucy & Aaron』も記憶に新しいアーロン・ディロウェイが来日する。もちろんあの傑作『Modern Jester』(2012)や『The Gag File』(2017年)の作者です。
ディロウェイは2013年に初来日しているが、そのときのすさまじいライヴ・パフォーマンスはすでに伝説になっている。今回は10年ぶりの再来日。東京の〈Ochiai soup〉と大阪の〈Namba Bears〉の2公演のみ。すべてのノイズ・ファンをはじめ、変な電子音楽/実験音楽/アヴァンギャルド好きは必見。
■Rockatansky Records Presents
Aaron Dilloway Japan Tour 2023
2/11 Sat at Ochiai soup
Open 6 pm, Start 6:30 pm
Door 3,500 yen
w/ Incapacitants
Rudolf Eb.er
Burried Machine
ご予約 | reservation:
https://ochiaisoup.com/?event=2022-02-11-sat-rockatansky-records-presents-aaron-dilloway-japan-tour-2023
2/19 Sun at Namba Bears
Open 6 pm, Start 6:30 pm
w/
Solmania
Burried Machine
Info: https://rockatanskyrecords.bandcamp.com
なお、2月10日にはDOMMUNEにて、来日記念番組があり。アーロン・ディロウェイのほか、今回の競演者でもあるキング・オブ・ノイズこと美川俊治。初来日に続き今回の来日も主宰、Nate Youngの初来日も企画するなどWolf Eyes関連との交友を持つBurried Machineこと千田晋、そして編集部・野田も出ます。アーロン・ディロウェイってどんなアーティストなのかを知りたい方は、ぜひチェックしましょう!
Talk : Aaron Dilloway(Hanson Records)、美川俊治(Incapacitants)、千田晋(Rockatansky Records/Burried Machine)
ゲストMC:野田努(ele-king)
Live:The Nevari Butchers
凄まじい勢いで作品リリースを続けるスー。作品は自身のレーベルである〈フォーエヴァー・リヴィング・オリジナルズ〉から Bandcamp 経由で発信しているのだが、2022年は7つもの作品をリリースしている。それ以前は一年に1、2作程度のリリースだったが、2022年になってから一気にリリース量が増え、特に10月と11月にかけては6作品もリリースしている。2022年に入って最初にリリースした『エアー(Air)』と、その続編的な『Aiir』はそれまでの作風から一変したもので、オーケストラをバックにしたクラシック調の作品だった。男女混成コーラスによる歌詞のない歌は声楽というのが相応しく、賛美歌を思わせる高尚な雰囲気に満ちた作品だ。一方、『トゥデイ&トウモロー』という作品は1960年代のサイケデリック・ロック調で、ヴォーカルも粗削りでファンキーなものだった。こうした正反対の作品をリリースする意図がどこにあるのかよくわからないが、つくづくスーは人を混乱させるグループであると思うし、そんな神出鬼没で予測不能なところが彼らの魅力だと感じる。
10月以降の作品の中で、『アンタイトルド(ゴッド)』、『アース』、『11』には共通した要素がある。それはゴスペルである。『アンタイトルド(ゴッド)』はタイトルからしてそうで、曲目も “アイ・アム・フリー”、“ゴッド・イズ・ラヴ”、“スピリット・ハイ”、“ディア・ロード”、“ウィー・アー・ゴッズ”、“ゴッド・イズ・オン・ユア・サイド”、“フリー”、“マイ・ライト”、“ゴッド・イン・ディスガイズ” と、神や創造主、自由や精神、光などをテーマにしている。“ゴッド・イズ・ラヴ” はいわゆるゴスペル・ファンクというようなナンバーで、“スピリット・ハイ” はゴスペル色の濃いネオ・ソウル。“ラヴ・イズ・オール・アイ・ノウ” はガラージ・クラシックかムーディーマンの作品のようにも聴こえるナンバーで、やはりゴスペルの強い影響を感じる。面白いもので、これらで披露される歌声は正反対な『エアー』と『トゥデイ&トウモロー』の両方に通じるところもあり、一見して繋がりのないように聴こえるこれら作品が、実は繋がっていることを示している。
『アース』にもこうした傾向は続き、曲目も “スピリット・コール”、“ザ・ローズ・ウィズ・ミー”、“ゴッド・イズ・イン・コントロール”、“パワー” といったゴスペルならではのものが並ぶ。“ザ・ローズ・ウィズ・ミー” における呪術的でアフロセントリックなモチーフは、ゴスペルというよりもはやヴードゥー教の祈祷のようでもある。アフロ・キューバン調の “ソウル・インサイド・マイ・ビューティフル・イマジネイション” もそうだが、『アース』はより原初的なルーツ・ミュージックに立ち返ったような作品でもあり、そうしたところからこのアルバム・タイトルになっているのだろう。
『11』はサイケデリック・ファンクの “グローリー” を除き、直接的には神や宗教に繋がるようなタイトルのナンバーはない。それでも “トゥゲザー” や “ハイアー”、“ザ・サークル” などスピリチュアリズムを連想させるようなワードが並ぶ。ファンクやソウルを軸にアンビエントやフォークとヴァラエティーに富む作品が並ぶが、歌のテイストにはやはりゴスペルに繋がるムードが流れる。1960~70年代のグループで言えばロータリー・コネクション、24カラット・ブラック、ザ・ヴォイシズ・オブ・イースト・ハーレムといったところだろうか。
こうしたゴスペルへの傾倒について、そもそもスーは様々な音楽性を持つグループであるが、なかでもソウルやファンクなど黒人音楽を主軸としているところがあり、多くの黒人音楽に影響を与えているゴスペルへ行きつくのは自然な流れであると言える。『ブラック・イズ』のようにブラック・ライヴズ・マター運動に呼応した作品もリリースしてきているが、遡れば1960年代の公民権運動とゴスペルにも同じような関係性があった。また、グループの中心人物であるインフローことディーン・ジョサイア・カヴァーは、黒人シンガー・ソングライターのマイケル・キワヌカの作品をプロデュースしてきており、彼のブラック・フォークとゴスペル・ファンクとアフロが混じったような世界は、スーにおいても散見されてきた要素であるので、こうしてゴスペル色が前面に出てくるのも合点がいくところだ。
同様にインフローがプロデュースを手掛けるリトル・シムズも、新作『ノー・サンキュー』を2022年の年末にリリースした。これまでの〈エイジ・101・ミュージック〉でなく、〈フォーエヴァー・リヴィング・オリジナルズ〉からなので、インフローの影響がより強い作品となっている。ピアノをバックにアカペラ・コーラスが流れる “コントロール”、プリミティヴなアフロ・リズムに荘重なコーラスが絡む “X”、オーケストレーションと混成コーラスをフィーチャーした “ブロークン” など、これまたゴスペルに繋がるムードが随所に感じられる作品となっていて、これまでのリトル・シムズにあまりなかった面も見せる興味深いアルバムだ。
ゴスペル関連でいくと2022年はもうひとつ象徴的な作品が生まれている。これまでジョージア・アン・マルドロウ、ミゲル・アトウッド・ファーガソン、サー・ラー・クリエイティヴ・パートナーズなどと仕事をしてきた女性シンガーのジメッタ・ローズによる『ハウ・グッド・イット・イズ』で、地元ロサンゼルスのゴスペル・コーラス・グループであるザ・ヴォイシズ・オブ・クリエイションとの共演作となる。楽曲もローランド・カークのゴスペル・ジャズ・クラシックである “スピリッツ・アップ・アボーヴ”、西海岸の伝説的なスピリチュアル・ジャズ・バンドであるサンズ・アンド・ドーターズ・オブ・ライトの “レット・ザ・サンシャイン・イン” などをカヴァーしていて、ゴスペルとクラブ~ダンス・ミュージック・カルチャーの接点から生まれたアルバムとなっている。このようにゴスペルがキーワードとなった作品が見られた2022年だが、2023年もこうした傾向は続くのではないかと予想する。
男が自転車に乗ってもただの男だが、女がそれをやると政治的で独立的、もしくは文学少女風か、さもければスポーティ、ときには怪しく生意気にも見える。好感が持てる、有益な、そして楽しい本だ。——『ガーディアン』書評より
自転車は、世界の何よりも女性の解放に貢献した。——スーザン・B・アンソニー
人生とは自転車のようなものだ。倒れないようにするには走らなければならない。——アインシュタイン
自転車の本をまた作りました。『ジャスト・ライド』は、プロの真似してあのダサいサイクルジャージなんかを着て細いタイヤでがんばるのではなく、もっと素朴に安全にかっこよく自転車を楽しもうという本でしたが、今回は、「女たちが自転車に乗っていかにして革命を起こしてきたのか」を描いた、ノンフィクションの歴史物です。あまり知られていない話ですが、自転車は、女性解放運動のシンボルのような乗り物でした。19世紀のイギリスで、まだ女性が地面を引きずる長いスカートをはきながら家事をして、家から自由に移動できなかった時代に、自転車は、気軽に移動できる手段でした。しかも女性から長いスカートを自らの手で取り下げさせた乗り物でもあって、それを漕いでいるだけで、男どもからの「女子力が落ちる」という罵声をうながした乗り物でもあった。つまり男がオートバイで時速120キロを出すよりも政治的には危険な代物でした。『自転車と女たちの世紀——革命は車輪に乗って』は、そうした女たちと自転車の物語の数々で、いままで語られてこなかった歴史の断片たちです。有名どころで言えば、かのシモーヌ・ド・ボーヴォワールも大の自転車好きでした。
現代社会では、洗練された都市は決まって自転車道路がしっかり整備されています。日本はまったく洗練されていない国なので、いまだ歩行者道路をスピードを出した自転車が走っています。いまや自転車は、環境や健康を担うばかりか、有益な都市計画においても政治的な社会的な意味をもった乗り物でもあります。
本国イギリスでは2021年に刊行された本で、ガーディアン紙のその年のブック・オブ・ジ・イヤーの「スポーツ部門」に選ばれました。女が読めば熱くなる話ばかりですが、男たちが読んでも面白いです。注目してください。
以下、編集部で作った資料より抜粋。
『ガーディアン』のブック・オブ・ジ・イヤーの一冊に選ばれたノンフィクションの名著、これまで語られてこなかった歴史、いかに自転車が女性解放運動史において重要なマシンだったのかいかにして女性は自由のマシンに乗って革命を起こしてきたのか……
シモーヌ・ド・ボーヴォワールは1940年代、恋人の自転車を借りてパリをサイクリングし、(事故で歯を失っても)その自由さにたちまち惚れ込んだ。レスター出身の工場労働者アリス・ホーキンスは選挙権獲得のためにペダルを漕いで闘い、自転車は女性たちを運動に参加させる礎となった。ザハラは自転車に乗り、アフガニスタンの宗教的・文化的タブーに挑戦し、同じように乗ることを他の人に教えた。ボストンに住む24歳のラトビア人移民だったアニー・コプチョフスキーは、1894年に女性として初めて自転車で世界一周を成し遂げた。
かつては、多くの女性たちが、自転車に乗れない、乗るべきでないと言われながら、とにかく自転車に乗った。メダルを獲得しようが、女性に投票を呼びかけようが、彼女たちの物語は多くの人たちにインスピレーションを与えてくれるだろう。この華やかな祝典の中で、著者は、サイクリングの豊かで多様な歴史の一部である女性たちの素晴らしい物語を描いている。
膨大な資料と取材、そして情熱を元に、現代の問題意識(フェミニズに人権運動、ブラック・ライヴズ・マター、環境問題と都市のクオリティへの関心など)を通して綴られ、2020年に刊行された自転車と女たちのドキュメンタリー。

