「Nothing」と一致するもの

Waajeed - ele-king

 Waajeed(ワージード)といえば、デトロイト・ヒップホップを代表するプロデューサーのひとりで、J Dillaとともにスラム・ヴィレッジのメンバーであり、PPP(Platinum Pied Pipers)としての作品も知られている。ワージードが、来る11月、ベルリンの〈トレゾア〉からソロ・アルバム『Memoirs of Hi-Tech Jazz』をリリース。まずはアルバムに先駆けて、シングル曲“Motor City Madness”が発表された。ヒップホップとテクノとジャズがブレンドされた素晴らしい曲だ



以下、資料より抜粋。

『Memoirs of Hi-Tech Jazz』は、デトロイトや世界中の黒人居住区における抑圧的なヘゲモニーに対する革命的な取り組みからインスピレーションを得た、レジスタンスを想起させるサウンドスコアである。このアルバムを抗議運動と並行してプレイすることはできるが、音楽は、抑圧の視線の外側に存在する平凡な瞬間により適している。暴力や不正義がまかり通っているが、それは私たちによっての唯一の物語ではない。私たちは、私たちを抑圧するモノどもよりも遙かに多くのものだ。このアルバムは、黒人の余暇と遊びを称えるもので、枯渇する現実にもかかわらず持続する平凡な喜びを表現している。


Waajeed
Memoirs of Hi-Tech Jazz

Tresor


レコード・コレクティングの教科書!

21世紀のいま、レコードは特別な価値を持つに至った──
レアグルーヴ、モダン・ソウル、スピリチュアル・ジャズ、ランダム・ラップ、ブギー、ニューエイジ、アート・パンク、サイケデリック……

本書は、インターネット時代におけるレコード収集のテクニックからコレクターに人気のジャンル/サブジャンルの解説、およびレコード収集の哲学や社会学まで網羅する。

世界最大規模のオンライン・レコード店〈カロライナ・ソウル〉のマーケティング・ディレクターによる、21世紀のレコード・コレクティングの教科書。

(本書より)
ヴァイナル・レコードは魔法の商品だ。銅やコーヒーのように日々売り買いされるにも関わらず、レコードの真価は常に現金価格を上回る。現在のヴァイナルの収集家はこれまで以上に、自らの所有するレコードに対し深くスピリチュアルな、知的な、エモーショナルな意味合いを付与している。ヴァイナルを愛する者の心と精神の中において、一枚のレコードは決して単なる「引っ掴み、引っくり返す」ための「ちょっとした名も無きオブジェ」ではない。むしろ、レコードはアルバート・アイラーが「宇宙を癒すフォース」と呼んだものを内に宿す存在だ。

Max Brzezinski / マックス・ブレジンスキー
カロライナ・ソウル社のマーケティング・ディレクター。デューク大学で英語モダニズムの博士号を取得、以前はウェイクフォレスト大学の英語教授を務めていた。文学エッセイと批評は「Novel」と「The Minnesota Review」に、音楽批評は「Dusted」誌に掲載。長年DJとして活躍し、カロライナ・ソウルのラジオ放送の司会を毎月務めている。ノースカロライナ州ダーラム在住。

Carolina Soul / カロライナ・ソウル
ノースカロライナ州ダーラムに本拠を置く〈カロライナ・ソウル〉は、世界最大の高級レコード販売店の一つであり、ダーラムのダウンタウンにある実店舗とオンラインの活発なレコード・コミュニティで広範囲に存在感を示し、週に1000枚以上を動かしている。Instagramではカルト的な人気を誇り、月間150万人のユニークリスナーを持つオンラインラジオ局、NTSでは長時間のラジオ番組が放送されている。

坂本麻里子 / さかもと・まりこ
1970年東京生まれ。日本大学芸術学部映画学科卒業。ライター/通訳/翻訳として活動。訳書にイアン・F・マーティン『バンドやめようぜ!』、コージー・ファニ・トゥッティ『アート セックス ミュージック』、ジョン・サヴェージ『この灼けるほどの光、この太陽、そしてそれ以外の何もかも』、マシュー・コリン『レイヴ・カルチャー』、ジェン・ペリー『ザ・レインコーツ』など。ロンドン在住。

目次

前書き
始めに──今、なぜヴァイナルなのか?

CHAPTER 1 レコード・ゲームの遊び方
CHAPTER 2 収集のメソッドをはぐくむ
CHAPTER 3 コレクター向けジャンルおよびサブジャンル解説
CHAPTER 4 レコード収集の政治学
CHAPTER 5 レコードを経験しよう

結び──我々の時代の雲行きにマッチしたレコード

謝辞
索引

付表1:カロライナ・ソウル店のジャンル別売り上げトップ作品
付表2:州別人気ジャンル
付表3:国別人気ジャンル

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Earl Sweatshirt - ele-king

 でも、そう思わないだろうか? 打楽器、鍵盤、人の声、物音、芳しいノイズ、ピリッとした刺激的なグリッチ……断片の集積としてのトラック。組み合わせによって生まれる豊かな感触の変化。アール・スウェットシャートの作品はいつだって中毒性高く、シャルキュトリーの代表的なメニューの一つである、あの料理を彷彿とさせる。

 それは決してメインディッシュではないかもしれない。どちらかというとオードブルで、ワインやバゲットとともにちびちびと食する。ピクルスやオリーブとともに供され、他に類を見ない複雑な風味は多くの美食家を虜にする。ころころとした肉とクリームのようなレバー。豚肉だけでなく鶏や鴨、仔牛も許容され、それら断片を接続させるのは滑らかな脂身だ。魔術的に配合されたスパイスが決め手であり、ナツメグに白胡椒、ジンジャーパウダー、シナモンが絡み合い味の凹凸を形成していく。仕上げのピンクペッパーはつんと鼻に抜ける尖った爽やかさを生む。あぁ、好奇心をかき立てる味わい。面白く食べ飽きない体験。

 パテ・ド・カンパーニュ。ブロックで大量に作られたそれが数センチずつ切り落とし提供されるさまは、始まりも終わりもなくぶっきらぼうに切断されるアール・スウェットシャートのビートそのものだ。彼の作品群、たとえば2010年代終盤のオルタナティヴなヒップホップの潮流を印象づけた『Some Rap Songs』で披露されるシームレスなビートの垂れ流し/短くも濃密な音の連なり/くぐもったような質感は、フックとメロディに重心が置かれるようになり類型化したヒップホップへのカウンターとして機能した。と同時に、いま述べた特徴はそのままパテ・ド・カンパーニュが有する芳醇な味わいへと重ねられる。そもそも、メインディッシュへと欲望を重ねゆっくりと加速するコース料理において、オードブルで食されるパテの反メインディッシュとしての態度は異様さを放っていないだろうか。断片だらけの素材を練り合わせた製法自体が、肉や魚といった素材ひとつを大きく使ったメインディッシュの「顕示/誇示性」から大きく距離をとったアプローチと言えるが、それはアールのビートはもちろん、ループを重ね抑揚を喪失した彼のラップにも通じる点だろう。低めの温度でゆっくりと火を入れることによって絶妙な柔らかさでの完成を見る点も、ぼそぼそとしたラップでビートを耕していく様子に近いものを感じる。むしろ、パテ・ド・カンパーニュもアールの作品も、スニペットとして一見フックもメロディもないような印象だが、何度も鑑賞を重ねるにつれ音がほぐされていき、全てがフックとメロディになっていくようなマジックがある。

 シャルキュトリーは元来、保存性を高める目的で使われていた塩漬け等の技術が肉の旨味を次第に引き立てるという発見によって生まれた料理だ。アールの感性にも同様の手つきと効果を観察できる。強められた塩分=一聴すると刺々しいレコード・ノイズやくぐもった音処理によってぐにゃりと曲がったビートの味が立ち、楽曲全体が引き締まる。過去のさまざまなサンプリング素材が新たな生を授かり、全く別の料理として保存=再生される。

 ところが最新作『SICK!』は、その塩加減に微妙な変化が観察されやしないだろうか。ブラック・ノイズ(Black Noi$e)やジ・アルケミストといったプロデューサーに託したビートはわずかながら解像度が上がり、鮮明になった。『Some Rap Songs』リリースの前に父親を亡くしたアールが今作の制作時にはついに自ら父親になったという、プライベートでの大きな変化が背景にあるのかはわからない。実父は高名なアフリカの文学者・Keorapetse Kgositsile であり、アール自身ことばの人として、メタファーを断片的に散りばめていく優れたリリックを綴ることでも評価されてきた。ただ、その作品中にまで肉親の声を閉じ込めてきた彼ゆえに、塩加減の絶妙な変化は何かを乗りこえ次のフェーズへと進んだ確かな一歩を象徴しているように思えてならないのだ。トラックの参照元がより現代へ向けてスコープが広がっている点も興味深い。“2010” や “Sick!”、“Titanic” といった曲で、TR-808 を稼働させて鳴らすトラップ・ビートをも「パテ」に回収し保存食とすることにより、早くも2010年代の歴史化を図り次の時代へと進んでいく一歩が示されている。

 『Some Rap Songs』以降、多くの魅力的な「パテ」の変奏が生まれている。さすがに JPEGMAFIA までをそれら一括りにまとめてしまうのは強引かもしれないが、そうでなくともたとえばアーマンド・ハマー(Armand Hammer)『Haram』はもちろんのこと、インジュリー・リザーヴ(Injury Reserve)『By the Time I Get to Phoenix』やチェスター・ワトソン『1997』、ウィキ(Wiki)『Half God』といった作品は肉のヴァリエーションを変え、切断面を変え、切り方を変え、スパイスの種類を変え、多彩な音の実験に挑んでいる。それらテーブルに並んだ作品群を横目に、『SICK!』は一新したマインドによる塩気のバランスで新たな調理に向かっている。パテ・ド・シャンパーニュのねっとりとした不気味さを保ちつつも、パプリカやオニオンの効果によるやや澄んだ音を手に入れた本作はどこかテリーヌのようなクラリティがあり、それゆえにアール・スウェットシャートが次の一歩を踏み出した重要な一枚として今後位置づけられるだろう。そうだとするならば、よりマッチするのは白ワインかもしれず、暗い部屋はもちろんだが明るめの場で社交とともに嗜むのも一興で、……

※参考文献:荻野伸也『シャルキュトリー教本──フランスの食文化が生んだ肉加工品の調理技法』(誠文堂新光社)2014年

Revenge of the She-Punks Compilation - ele-king

 『女パンクの逆襲』(ヴィヴィエン・ゴールドマン 著/野中モモ 訳)は、このご時世にあって、いや、このご時世だからこそ読まれ続けているのだろう。ディスクガイドでもないしポップスターの評伝でもない、しかも英米白人オンリーでもない、「女パンク」をめぐる言葉は、世界のいろんなところで、それを読んだ女性たちの魂に響き、それを読んだ男性たちの思考に変化を与えているはずだ。
 原書が刊行されてから3年、ついにその本のコンピレーション・アルバムが、来る9月、全28曲、CDで2枚組、アナログ盤で4枚組(そして配信)としてドイツのレーベルからリリースされることになった。

 以下、ヴィヴィエン・ゴールドマンの言葉を抜粋。

   本書は、英米圏に限らず、アフリカ、カリブ海、アジア、東欧、中南米、ヨーロッパ大陸で活動する女性たちによる38曲の歌の背景を語ることで、家父長制の迷宮である音楽業界を突破するためのひな形を提供するものだ。手本となるものが皆無か、もしくはほとんどないなかで、いかに女たちがいち音いち音に新しい基準を打ち立て、閉塞状況に風穴を開け、伝統や期待を打破しながら自己表現のできる音楽家となったかのかを著している。残念ながら、そのすべての音楽を収録することはできなかったものの、ここに心揺さぶる代表的な作品を紹介することができた。この本の核となるテーマ、つまり、どこにいても私たちをつなぐ、生きるための基本的な事柄について、世界中の女性アーティストたちがどのように心を動かされて歌っているかがわかるだろう。 (略)  このコンピレーションのシークエンスにおいて重要なことは、歌詞よりもリズムとサウンドに導かれ、私たちの創造性の幅を音で表現することだった。私のパンクに対する見解は、このジャンルを熱狂的な音の総攻撃として崇拝する向きに固執することではない、むしろその精神に基づいている。とくに女性アーティストの道は男性のそれよりも険しいことが多々ある。(略)しかし、これらのトラックで聴けるように、そのあらゆる形態において、激しいサウンドであろうと柔らかいサウンドであろうと、パンクは抵抗の音楽であり、女性のパンクはとくにそうなのだ。  私たちは、アメリカで、そして長いあいだ女性に抑圧的であることで知られていた国々でも、とくに同一賃金や中絶に関わる問題など、人間の基本的な能力が複数の面で攻撃を受けているシステムを変えようと、自分たちの音楽を用いて憤怒しつづけている。創造性を諦めず、音楽をもって環境を整え、自分の空間を作り自己実現したアーティストとして生きてきた女性たちの、とても必要で、しかも多くの場合、あまり知られていない声へようこそ。

ヴィヴィエン・ゴールドマン


Various Artists
Revenge of the She-Punks Compilation

Inspired by the Book by Vivien Goldman
2-CD / 4-LP and Digital Download – Released September 30th 2022 on Tapete Records
https://shop.tapeterecords.com

Tracklist
1) Tanya Stephens – Welcome To The Rebelution
2) Au Pairs – It’s Obvious
3) X-Ray Spex – Identity
4) Fea – Mujer Moderna
5) The Bags – Babylonian Gorgon
6) Fértil Miseria – Visiones de la Muerte
7) Crass – Smother Love
8) Rhoda with The Special AKA – The Boiler
9) Jayne Cortez and the Firespitters – Maintain Control
10) Skinny Girl Diet – Silver Spoons
11) Big Joanie – Dream No 9
12) Malaria! – Geld
13) The Slits – Spend, Spend, Spend
14) Poison Girls – Persons Unknown
15) Bush Tetras – Too Many Creeps
16) Grace Jones – My Jamaican Guy
17) Patti Smith – Free Money
18) Tribe 8 – Checking Out Your Babe
19) Cherry Vanilla – The Punk
20) Blondie – Rip Her To Shreds
21) Sleater-Kinney – Little Babies
22) The Selecter – On My Radio
23) Mo-Dettes– White Mice
24) Shonen Knife – It’s A New Find
25) The Raincoats – No One’s Little Girl
26) Vivien Goldman – Launderette
27) Zuby Nehty – Sokol
28) Neneh Cherry – Buffalo Stance

新世代ホラー2022 - ele-king

いま注目のホラー監督を一挙紹介!!

この夏、続々と公開される新時代のホラー映画!
鬼才ジョーダン・ピールをはじめ、いま注目のホラー作家たちをまとめて紹介!!

■2022話題の新作紹介
『女神の継承』(『哭声/コクソン』のナ・ホンジン原案・プロデュース)
『ザ・ミソジニー』(『リング』『霊的ボルシェビキ』の高橋洋監督)
『哭悲』(世界が戦慄した容赦なきエクストリーム・ホラー)
『X エックス』『ブラックフォン』(現在最重要プロダクション「A24」新作)
『戦慄のリンク』(「Jホラーの父」鶴田法男監督による中国ホラー)ほか

■インタヴュー
高橋洋(『ザ・ミソジー』『恐怖』『霊的ボリシェビキ』(監督)『リング』(脚本))
佐々木勝己(『真・事故物件/本当に怖い住民たち』)

■最新ホラー監督名鑑
ジョーダン・ピール、ジェームズ・ワン、アリ・アスターをはじめ現在注目のホラー作家を一挙紹介!

■執筆陣
伊東美和/氏家譲寿(ナマニク)/片刃/児玉美月/後藤護/高橋ヨシキ/てらさわホーク/中原昌也/はるひさ/ヒロシニコフ/真魚八重子/丸屋九兵衛/三田格/森本在臣/柳下毅一郎/山崎圭司

目次

巻頭特集 新世代ホラーの旗手 ジョーダン・ピール
 ・FILM REVIEW 『ゲット・アウト』(高橋ヨシキ)/『アス』(後藤護)
 ・作家論 ジョーダン・ピールと陰謀論の導入(三田格)
コラム
ブラック・ホラーの系譜(丸屋九兵衛)

特集 2022年夏の新作
『哭悲/SADNESS』(ヒロシニコフ)
『女神の継承』(真魚八重子)
監督名鑑 ナ・ホンジン(真魚八重子)
『ザ・ミソジニー』(柳下毅一郎)
高橋洋インタヴュー(取材:柳下毅一郎)
『戦慄のリンク』(森本在臣)
『ブラック・フォン』(山崎圭司)
監督名鑑 スコット・デリクソン(山崎圭司)
『X エックス』(伊東美和)
監督名鑑 タイ・ウェスト(伊東美和)

コラム
「アートハウス・ホラー」──A24の快進撃(伊東美和)
重要ホラー映画プロダクション(ヒロシニコフ)

新世代ホラー監督名鑑
 ジェームズ・ワン(高橋ヨシキ)
 ロブ・ゾンビ(高橋ヨシキ)
 イーライ・ロス(てらさわホーク)
 ブランドン・クローネンバーグ(森本在臣)
 アリ・アスター(後藤護)
 ジュリア・デュクルノー(真魚八重子)
 マイク・フラナガン(氏家譲寿(ナマニク))
 アダム・ウィンガード(氏家譲寿(ナマニク))
 ジョコ・アンワル(氏家譲寿(ナマニク))
 リー・ワネル(氏家譲寿(ナマニク)
 サイモン・バレット(氏家譲寿(ナマニク))
 ケヴィン・コルシュ& デニス・ウィドマイヤー(氏家譲寿(ナマニク))
 S・クレイグ・ザラー(中原昌也)
 アナ・リリ・アミリプール(氏家譲寿(ナマニク))
 ジェニファー・ケント(はるひさ)
 ロバート・エガース(氏家譲寿(ナマニク))
 ソニー・ラグーナ(氏家譲寿(ナマニク))
 ジェイソン・レイ・ハウデン(片刃)
 テッド・ゲーガン(ヒロシニコフ)
 ブライアン・ポーリン(ヒロシニコフ)
 ジョー・ベゴス(ヒロシニコフ)
 ソスカ姉妹(ヒロシニコフ)
 RKSS(Road Kill Super Star)(ヒロシニコフ)
 アドリアン・ガルシア・ボグリアーノ(はるひさ)
 ジョー・リンチ(はるひさ)
 オネッティ兄弟(森本在臣)
 パノス・コスマトス(片刃)
 ロバート・ホール(ヒロシニコフ)
 トミー・ウィルコラ(はるひさ)
 ドリュー・ボルディック(ヒロシニコフ)
 デヴィッド・ブルックナー(片刃)
 アダム・グリーン(はるひさ)
 ライアン・ニコルソン(ヒロシニコフ)
 マーカス・コッチ(ヒロシニコフ)
 ジェシー・T・クック(ヒロシニコフ)
 フレッド・ヴォーゲル(ヒロシニコフ)
 ジャフ・リロイ(ヒロシニコフ)

INTERVIEW 佐々木勝己(取材:ヒロシニコフ)

FILM REVIEWS
 『キャビン』(後藤護)
 『クワイエット・プレイス』(森本在臣)
 『スクリーム(2022)』(山崎圭司)
 『テルマ』(児玉美月)
 『ラストナイト・イン・ソーホー』(森本在臣)
 『ドント・ブリーズ』(森本在臣)
 『ジェニファーズ・ボディ』(氏家譲寿(ナマニク))
 『バクラム 地図から消された村』(片刃)
 『パージ(シリーズ)』(森本在臣)
 『ファブリック』(片刃)
 『THRESHOLD』(森本在臣)
 『マニアック・ドライバー』(森本在臣)
コラム お薦め配信作品10選(はるひさ)

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TESTSET - ele-king

 昨年のフジにおいて、METAFIVEの特別編成バンドとしてスタートしたTESTSET。砂原良徳、LEO今井、GREAT3の白根賢一、相対性理論の永井聖一から成る彼らの初めての音源作品「EP1 TSTST」が8月12日にリリースされている。
 これまでもライヴで披露されていた “Carrion” を含む新曲4曲に加え、向井秀徳を招いたライヴ音源も追加。公式サイトではグッズも販売中とのこと。記念すべきこの初EPを堪能しつつ、今後の動向に注目しましょう。

TESTSET
待望の初音源作品「EP1 TSTST」を本日配信リリース

昨年のFUJI ROCK FESTIVAL ‘21にMETAFIVEの特別編成として出演したメンバーによるバンド:TESTSET(砂原良徳×LEO今井×白根賢一×永井聖一)による初音源作品「EP1 TSTST」が本日配信リリースとなった。

TESTSETと冠し、今年4月よりライブ活動を開始した彼らが、突如発表した初の作品はこれまでのライブでも披露されていた “Carrion” を含む4曲の新曲に、ボーナストラックとして、5月に開催されたZAZEN BOYSとの対バンイベント時に、向井秀徳を招き入れる形で披露したKIMONOS(向井秀徳とLEO今井によるユニット)の楽曲 “No Modern Animal” のライブ音源を加えた全5曲を収録。まさに「TESTSETの0年度」を予期させる作品となっている。

そんな彼らは、10月15日(土)、16日(日)に福井県大野市麻那姫湖少年旅行村で開催される「sea of green’22」への出演が決定。また、このリリースにあわせて、TESTSET OFFICIAL SHOPでは新作グッズの発売が開始となるのでお見逃しなく。

TESTSET「EP1 TSTST」配信URL
https://testset.lnk.to/tstst


TESTSET「EP1 TSTST」
発売日:8月12日(金)
収録曲
1. Carrion
2. Testealth
3. No Use
4. Where You Come From
5. No Modern Animal feat Mukai Shutoku (Live)

TESTSET OFFICIAL SHOP
https://store.wmg.jp/collections/testset

TESTSET情報
https://lit.link/TESTSET

PROFILE
TESTSET (砂原良徳×LEO今井×白根賢一×永井聖一)

昨年のFUJI ROCK FESTIVAL ‘21にMETAFIVEの特別編成として出演した砂原良徳とLEO今井が、サポートメンバーにGREAT3の白根賢一(Dr)と相対性理論の永井聖一(Gr)を迎え、グループ名を新たにTESTSET(テストセット)と冠してライブ活動を開始。
Twitter: @TESTSET_2022

Alchemy Records - ele-king

 JOJO広重が1984年に大阪で設立した、関西アンダーグラウンド・シーンを代表するレーベル〈Alchemy〉。自身がリーダーを務める非常階段をはじめ、赤痢やハナタラシ、THE原爆オナニーズや想い出波止場など多くのバンドを送り出してきた同レーベルだが、そのリイシュー・プロジェクト「Alchemy Records Essential Collections」が始動している。
 すでにCDがリリースされ、秋にLPの発売が予定されているものに SOB階段『NOISE,VIOLENCE & DESTROY』、Slap Happy Humphrey『Slap Happy Humphrey』、Angel'in Heavy Syrup『Angel'in Heavy Syrup』、ほぶらきん『グレイテストヒッツ』、赤痢『私を赤痢に連れてって』の5作がある。
 また、Angel'in Heavy Syrup「僕と観光バスに乗ってみませんかc/w春爛漫」(7”)、赤痢『PUSH PUSH BABY~LOVE STAR』(CD/LP)、シェシズ『約束はできない』(LP)、想い出波止場『水中JOE』(LP)、ウルトラ・ビデ『ザ・オリジナル・ウルトラ・ビデ』(LP)の5タイトルも今秋から来年にかけリリース予定。詳しくは下記よりご確認を。

1984年にJOJO広重(非常階段 他)が設立した〈Alchemy Records〉のリイシュー・プロジェクト!

1984年6月にノイズ・ミュージシャンであるJOJO広重が設立した〈Alchemy Records〉。リリース作品はJOJO広重がリーダーをとるバンド非常階段のアルバムをはじめ、ノイズ、パンク、サイケデリックなど幅広いジャンルをフォローしています。
その関西のインディーの雄、〈Alchemy Records〉の代表的なアーティスト/アルバムのリイシュー企画「Alchemy Records Essential Collections」がこの度始動します。


アーティスト名:SOB階段
タイトル:NOISE,VIOLENCE & DESTROY
フォーマット:CD / LP
レーベル:P-VINE
発売日
CD:2022年6月2日(水)
LP:2022年10月19日(水)
品番
CD:ALPCD-1
LP:ALPLP-1
価格
CD:¥2,750(税込)(税抜:¥2,500)
LP:¥4,378(税込)(税抜:¥3,980)
★LP初回完全限定生産
★LP帯付き
★CD盤限定ボーナストラック収録

■トラックリスト
01. INTRODUCTION
02. NOT ME
03. SUDDEN RISE OF DESIRE
04. TRAP
05. FUCK OR DIE
06. NOISE, VIOLENCE&DESTROY
07. RISING HELL
08. LOOK LIKE DEVIL
09. NEVER AGAIN
10. TO BE CONTINUED
11. NEVER AGAIN *CD盤限定ボーナストラック
12. EPILOGUE *CD盤限定ボーナストラック


アーティスト名:Slap Happy Humphrey
タイトル:Slap Happy Humphrey
フォーマット:CD / LP
レーベル:P-VINE
発売日
CD:2022年6月2日(水)
LP:2022年10月19日(水)
品番
CD:ALPCD-2
LP:ALPLP-2
価格
CD:¥2,750(税込)(税抜:¥2,500)
LP:¥4,378(税込)(税抜:¥3,980)
★LP初回完全限定生産
★LP帯付き
★CD盤限定ボーナストラック収録

■トラックリスト
01. 地平線
02. たとえばぼくが死んだら
03. 逆光線
04. センチメンタル通
05. G線上にひとり
06. みんな夢でありました
07. 蒼き夜は
08. ふるえているね
09. スナフキンのうた(Slap Happy Humphrey Ⅱ) *CD盤限定ボーナストラック


アーティスト名:Angel'in Heavy Syrup
タイトル:僕と観光バスに乗ってみませんかc/w春爛漫
フォーマット:7inch
レーベル:P-VINE
発売日:2022年10月19日(水)
品番:ALP7-1
価格:¥2,255(税込)(税抜:¥2,050)
★初回完全限定生産

■トラックリスト
A. 僕と観光バスに乗ってみませんか
B. 春爛漫


アーティスト名:Angel'in Heavy Syrup
タイトル:Angel'in Heavy Syrup
フォーマット:CD / LP
レーベル:P-VINE
発売日
CD:2022年7月6日(水)
LP:2022年11月2日(水)
品番
CD:ALPCD-3
LP:ALPLP-3
価格
CD:¥2,750(税込)(税抜:¥2,500)
LP:¥4,378(税込)(税抜:¥3,980)
★LP初回完全限定生産
★LP帯付き
★CD盤限定ボーナストラック収録

■CD/LPトラックリスト
01. S.G.E (Space Giant Eye)
02. きっと逢えるよ
03. ぼくと観光バスに乗ってみませんか
04. Underground Railroad
05. My Dream
06. Crazy Blues(bonus track) *CD盤限定ボーナストラック


アーティスト名:ほぶらきん
タイトル:グレイテストヒッツ
フォーマット:CD / LP
レーベル:P-VINE
発売日
CD:2022年7月6日(水)
LP:2022年11月2日(水)
品番
CD:ALPCD-4
LP:ALPLP-4
価格
CD:¥2,750(税込)(税抜:¥2,500)
LP:¥4,378(税込)(税抜:¥3,980)
★LP初回完全限定生産
★LP帯付き

■CDトラックリスト
01. 私はライオン
02. いけいけブッチャー
03. 牧場の少女
04. アックンチャ
05. 山はサンタだ
06. 陽気なサイパネ人
07. こがねむし(黄金虫)
08. ピーピーパピパピー
09. 暴れん坊将軍K
10. 村のかじや
11. 頭がほしい
12. ペリカンガール
13. アメリカこけし
14. 魚うり
15. ゴースン
16. センチメンタル・ヘッケル(カラオケ)
17. 単位踊
18. とんがりとしき
19. どまぐれじんぎ
20. 京阪牛乳
21. はちぶんぶ
22. かもられてかも
23. まらだしガンマン危機一髪
24. 金勝は信楽守る山
25. ゴースンゴー
26. 俺はなんでも食う男
27. わらびもち
28. ピコリーノ
29. おおがみらす
30. 俺はなんでも食う男 (2)
31. ああ我れ身に油をぬりて勇気百倍まっ先かけて突撃せん
32. うさぎ音頭で大暴れ
33. ますかきラッキー
34. ゴースンのテーマ
35. どくろ忍者の歌
36. 怪人タツドロド
37. ライオン丸のテーマ
38. 大仏小仏
39. 水中まつり
40. ゴースン,城を攻める
41. ゴースンの子守り歌
42. 猪股蟇衛門
43. タイガージョー
44. 秘密兵器コンパニオン
45. ゴースン鉄工所
46. ゴースンの川下り
47. 死んだら赤貝
48. 赤五筒~完~
49. 潜水艦
50. 京阪牛乳(un released studio track 1)
51. 京阪牛乳(un released studio track 2)

■LPトラックリスト
A01. 私はライオン
A02. いけいけブッチャー
A03. 牧場の少女
A04. アックンチャ
A05. 山はサンタだ
A06. 陽気なサイパネ人
A07. こがねむし(黄金虫)
A08. ピーピーパピパピー
A09. 暴れん坊将軍K
A10. 村のかじや
A11. 頭がほしい
A12. ペリカンガール
A13. アメリカこけし
A14. 魚うり
A15. ゴースン
A16. センチメンタル・ヘッケル(カラオケ)
A17. 単位踊
A18. とんがりとしき
A19. どまぐれじんぎ
A20. 京阪牛乳
A21. はちぶんぶ
A22. かもられてかも
A23. まらだしガンマン危機一髪
A24. 金勝は信楽守る山
A25. ゴースンゴー
B01. 俺はなんでも食う男
B02. わらびもち
B03. ピコリーノ
B04. おおがみらす
B05. 俺はなんでも食う男 (2)
B06. ああ我れ身に油をぬりて勇気百倍まっ先かけて突撃せん
B07. うさぎ音頭で大暴れ
B08. ますかきラッキー
B09. いけいけブッチャー
B10. 暴れん坊将軍K
B11. 魚うり
B12. アメリカこけし
B13. 山はサンタだ
B14. とんがりとしき
B15. ゴースン
B16. 私はライオン
B17. 村のかじや
B18. 牧場の少女
B19. アックンチャ
B20. 不思議な魔法びん
B21. 陽気なサイパネ人
B22. ミネソタの玉子売り


アーティスト名:赤痢
タイトル:私を赤痢に連れてって
フォーマット:CD / LP
レーベル:P-VINE
発売日
CD:2022年8月3日(水)
LP:2022年11月2日(水)
品番
CD:ALPCD-5
LP:ALPLP-5
価格
CD:¥2,750(税込)(税抜:¥2,500)
LP:¥4,378(税込)(税抜:¥3,980)
★LP初回完全限定生産
★LP帯付き

■CDトラックリスト
01. デスマッチ
02. 4649
03. ヨーレイヒ
04. どろどろ大江戸
05. ウィウィロック
06. だーらだら(駄獣)
07. 春
08. 仏滅ラプソディー
09. カメレオン
10. ファック
11. ちった
12. エンドレス
13. ナンバー
14. ニャンニャンで行こう
15. 赤痢作用(セキリプロセス)
16. 夢見るオマンコ

■LPトラックリスト
A1. デスマッチ
A2. 4649
A3. ヨーレイヒ
A4. どろどろ大江戸
A5. かつかつロック
A6. だーらだら(駄獣)
A7. 青春
B1. 仏滅ラプソディー
B2. カメレオン
B3. ファックしよう
B4. ちった
B5. エンドレス


アーティスト名:赤痢
タイトル:PUSH PUSH BABY~LOVE STAR
フォーマット:CD / LP
レーベル:P-VINE
発売日
CD:2022年11月16日(水)
LP:2022年2月15日(水)
品番
CD:ALPCD-6
LP:ALPLP-9
価格
CD:¥2,750(税込)(税抜:¥2,500)
LP:¥4,378(税込)(税抜:¥3,980)
★LP初回完全限定生産
★LP帯付き

■CD/LPトラックリスト
01. PANCH
02. ORILLA
03. ベリー・グウ
04. HAPPY NEW YEAR
05. 俺のドジ
06. 駄馬
07. サバビアン
08. 19才
09. ラブラブショックラブショック
10. CHOCOLATE BLUES
11. くすり天国
12. 睡魔


アーティスト名:シェシズ
タイトル:約束はできない
フォーマット:LP
レーベル:P-VINE
発売日
LP:2022年12月21日(水)
品番:ALPLP-6
価格:¥4,378(税込)(税抜:¥3,980)
★LP初回完全限定生産
★LP帯付き

■LPトラックリスト
A1. I'm dancing in my heart~祭歌
A2. 連舞
A3. 君が目
A4. 火の海
A5. 月と明り窓
B1. 約束はできない
B2. 黒い瞳の
B3. カチューシャ
B4. 불의 바다
B5. 輪舞
B6. 三度目は武装して美しく無関心


アーティスト名:想い出波止場
タイトル:水中JOE
フォーマット:LP
レーベル:P-VINE
発売日
LP:2022年1月7日(水)
品番:ALPLP-7
価格:¥4,378(税込)(税抜:¥3,980)
★LP初回完全限定生産
★LP帯付き

■LPトラックリスト
A1. 22次元
A2. サムライ ACID CONTEMPORARY
A3. BLUES FOR TURN TABLE
A4. ROUTE 99999
A5. 水中JOE
A6. 中核
A7. SHOOTING DUB
B1. 太ッ腹(玉砕ワルツ)
B2. ハウ
B3. N.C.C.P1701-1
B4. 第三ROCK
B5. IN
B6. SEA MONK


アーティスト名:ウルトラ・ビデ
タイトル:ザ・オリジナル・ウルトラ・ビデ
フォーマット:LP
レーベル:P-VINE
発売日
LP:2022年1月18日(水)
品番:ALPLP-8
価格:¥4,378(税込)(税抜:¥3,980)
★LP初回完全限定生産
★LP帯付き

■LPトラックリスト
A1. インプロビゼーション・アナーキー(屋根裏'79)
A2. わかえらんわからんしゅびしゅびだ(屋根裏'79)
A3. やくざなコミューン(屋根裏'79)
A4. 落ちこんだらあかへんで(屋根裏'79)
A5. メリーゴーランド(屋根裏'79)
A6. 恋するベイリー(ギャルソン'78)
A7. 嫌われもののパンク(屋根裏'79)
A8. 大怪獣の歌
B1. 単なる曲(太奏'78)
B2. ポニーテイルのかわいいあの娘(ガレージ'79)
B3. 世界はひとつ(ガレージ'79)
B4. ウギャギャでパンクPart2(ガレージ'79)
B5. そしてジャマイカへ(日和'79)
B6. ラッパのあれ(医大'79)
B7. キンタロイド(恐怖'79)

Ashley Paul - ele-king

 アシュリー・ポールは、すでに10年以上のキャリア持つ音楽家で、それこそ10年前は、日本でもよく知られるイーライ・ケスラーと何枚も共同作品を発表している。ふたりはその頃、ニューヨークで共同生活を営んでいた。それから彼女は大西洋を渡って、イギリスを拠点に音楽活動を続けている。
 アメリカ中西部のアイオワ州はデモインで生まれた彼女の音楽の素地は、彼女の育ち(ジャズギターを弾く父、クラシック・ピアノに長けた姉のいる音楽一家)のなかで萌芽し、ニューヨークでの大学時代に多くの養分を吸収している。幼少期よりポール・デズモンドに憧れ、「将来はサックス奏者になる」と言い回ったほど早熟だったポールは、そして実際サックス奏者となるわけだが、19歳でアート・リンゼイに衝撃受けると、実験的な音楽やインプロヴィゼーションに惹かれていった。かくして彼女は、大学院で学位を取ってからも毎日地下鉄で6時間演奏するような生活をしばらく送ることになる(だから最初の1年間は、小銭で食事代を払い、家賃を払うにもすべて1ドル札だった)。そんなわけで、彼女のボヘミアン的な生き方は、彼女の音楽にも直結しているように思う。
 
 〈オレンジ・ミルク〉からリリースされた『 I Am Fog(私は霧)』は彼女の最新作で、ここにはジャズの実験とポスト・パンク的な失敗を恐れないアプローチがあり、そしてこの音楽はグルーパーやリーア・バートゥチの作品ようにマージナルな領域で身を潜めている。ポールは歌い、そしてサックスとクラリネットを演奏し、オットー・ウィルバーグとヨニ・シルヴァーがコントラバスとバスクラリネットでサポートする。音数は少ない。9分近くある1曲目の“A Feeling”では、楽器は旋律を奏でるというよりもドローンに引き伸ばされている。曲全体がスクリューされたかのようなこの曲の灰色の沈黙は、しかし奇妙なほど穏やかでもあり、切なくもある。ベースとドラムに導かれて、サックスによる不協和音が挿入されると歌が繰り返される“Escape”は、フライング・リザーズの前衛ジャズ・ヴァージョンだ。なかば絶望的なムードからはじまる“The Sun is Out”は、秋の気配を感じる今日ではいっそう心に染みる曲だが、彼女はこのやるせない無調な日々のなかに希望を見いだそうとする。
 元々ボヘミアン気質のあった彼女の「自由が奪われた」コロナ禍において制作されたこのアルバムは、全体的に不安定さを貫き、色彩を奪われたかのような荒涼さが広がる。かつてピート・スワンソンから「もっとも硬派なノイズ野郎の首の後ろの毛を立たせる」と形容されたその声は、孤独で、ときおり悲しみの表情を見せている。しかしながらこれは親密な音楽で、空間的でもある。椅子に座って聴いていると、自分のすぐ前に小さなステージがあり、手の届くところで3人が演奏しているように感じられる。グルーパーのように、彼女も唯一無二の音楽をやり続けている希有なアーティストのひとりで、その音楽は柔らかく美しい。もっと日本でも注目されていいと思う。

Alva Noto + Ryuichi Sakamoto - ele-king

 『Vrioon』(2002)を皮切りに、先日は『Insen』(2005)もリマスター再発された、アルヴァ・ノトと坂本龍一のコラボレーション、〈V.I.R.U.S.〉シリーズ、9月9日にはその第三弾として2006年にリリースされた『revep』が登場。前2作よりも坂本龍一のピアノがフィーチャーされた本作には、“Merry Christmas Mr.Lawrence”のリミックス・ヴァージョンとも言えそうな“ Ax Mr.L.”も収録。
 なお、今回はオリジナル盤にボーナストラック3曲を追加してのリリース。


◆ボーナストラックとして収録された「City Radieuse」が使用されているカールステン・ニコライ(アルヴァ・ノト)の2012年の映像作品『future past perfect pt.02 -cité radieuse』 



Alva Noto + Ryuichi Sakamoto
Revep (reMASTER)

NOTON
流通:p*dis / Inpartmaint Inc.

Prison Religion - ele-king

 なははは、愛の夏ならぬ怒りの夏だった。やかましい。なんてやかましいことか。これでは眠れないぞ。たたでさえ眠りが浅いというのに、本当に止めて欲しい。が、しかし彼らは手加減などしなかった。この夏、耳を塞ぎたくなるノイズを高々と鳴らしていたのは、ヴァージニア州リッチモンドのパーカー・ブラック(Poozy)とウォーレン・ジョーンズ(False Prpht)のふたり、UKのリー・ギャンブルのレーベル〈UIQ〉からリリースされた、牢獄宗教(プリズン・レリジョン)という名の彼らのプロジェクトによる最新アルバムだった。
 「プリズン・レリジョンを聴くことは、体制を転覆させるために必要な素早い反射神経を身につけるために神経系を鍛えるようなものだ」と書いたのは『Wire』誌だが、こやつらは、ディストピアであることがもはや当たり前になってしまっている現状から目をそらさず、それをよしとしている体制に本気で怒っているのだ。現実社会で人びとが強いられている制度的な苦しみに共鳴し、戦闘的なマシンガン・ビートを打ち鳴らす。超アグレッシヴな周波数を発信し、ノイズまみれのラップ……いや、もはやラップではない、ほとんど原始的な叫びに近い声で訴える。(しかも、複数の評者が指摘していることだが、クラブ・サウンドともリンクするこのサウンドは決してマッチョではないのだ)

 悪酔いしそうなこの圧倒的な音楽を、本人たちはアート・ブレイキー&ザ・ジャズ・メッセンジャーズの1957年のアルバム、『ハード・バップ』に重ねている。同じように、プリズン・レリジョンの『ハード・インダストリアル・バップ』も時代への挑発であると。あるいはまた、彼らはこの激ハードなエレクトロニック・ノイズ・アルバムを、避けては通れない、作らなければならなかった作品としても見ているようだ。まあ、なんとかなるでしょ、などと彼らはのんきなことを考えていないという、それを音で表現したらこうなったと。当たり前の話だが、怒りはとは愛と裏表の関係にある。ノイズ音楽を聴いて涙した経験がある人にはわかるだろう。だからこれは感動的な作品でもあって、いや、しかしそれにしてもやかましいんだが。

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