「Nothing」と一致するもの

RAINBOW DISCO CLUB 2019 - ele-king

 絶対行く価値アリの、2010年5月2日にはじまったレインボー・ディスコ・クラブ(RDC)は、今年で10年目を迎える。音楽好きがDIYではじめた野外フェスが(しかも、いわゆるメジャーなアーティストがいっさい出ないフェスが)、かれこれ10年も続いているのは、主催者側の並々ならぬ努力もさることながら、ひとえにこのフェスティヴァルそれ自体が信用されているからだろう。エレクトロニック・ミュージックを愛する人間であるならば、RDCはいちどは行くべきフェスであり、出演者の時間表を気にしながら行動するフェスに飽きた人間が行ったら、楽園かと思えるようなフェスである。何度も言うようだけど、家族連れが多いのもRDCの特徴。
 今回は、第一回目に出演したDJハーヴィーをはじめ、〈ラッシュ・アワー〉、DJ NOBU、ベンUFO、瀧見憲司といったお馴染みのメンツに、マシュー・ハーバートやヨシノリ・ハヤシなど話題のアーティストも登場。伊豆の素晴らしいロケーションのなかで生まれる3日間の音楽コミュニティ、ひとりでも多くのひとに楽しんでもらいたい。

■RAINBOW DISCO CLUB 2019

日程:2019年4月27日(土)9時開場/12時開演~4月29日(月・祝)19時終演

会 場:東伊豆クロスカントリーコース特設ステージ(静岡)

出 演:
〈RDC Stage〉
DJ Harvey
Rush Hour Allstars (Antal / Hunee / San Proper / Masalo)
Matthew Herbert
DJ Nobu b2b Wata Igarashi
Ben UFO
Move D
Palms Trax
Jayda G
Kenji Takimi
Yoshinori Hayashi
Sisi
Kikiorix

〈Red Bull Stage〉
Leon Vynehall
Maurice Fulton
Tijana T
Captain Vinyl (DJ Nori + Muro)
Cro-Magnon
DJ Sodeyama

料金:
通し券(2泊3日)20,000円
*規定枚数に達しましたら当日券の販売はございません。
*20歳未満の入場は保護者同伴の場合のみご入場いただけます。
*中学生以下はチケット不要です。

キャンプ券 4,000円
*炭を使用するBBQは禁止。コンロ、バーナーのみ可能。
*アルコール類、瓶、缶の持ち込みは固くお断り致します。

駐車券 3,000円
*駐車場出入庫は1回1000円別途必要。

オフィシャルサイト:
https://www.rainbowdiscoclub.com

第4回 愛と生存ンンン……。 - ele-king

 三月は〈おしまい〉になっていた。何もかもがだめだった。布団のあいだにうずくまってスマホでソリティアをしたり指の皮を血が出るまで剥いたりしていたら一ヶ月が終わった。神はなぜこんな血の出やすいところにエンターテインメントを用意したんでしょうね。正直今も左手の人差し指で親指の皮をめくりながらこの文章を書いている。
 やらなければならない種々のことを全て先送りにした。何もしたくなかったし、実際にほとんど何もしなかった。全部が恐ろしいほどおっくうで、身体の外側の時間の流れに全くついていけないと感じていた。アルバイトだけは通えていたが、アルバイト以外では人に会わなかった。何もかもが遠かった。
 三月はだめだ。私にとっては冬よりもきつい。着替えて一歩外に出ればつい一ヶ月前まで渇望して止まなかった太陽があるのに、どうしても部屋から動けない。冬の〈おしまい〉には「こんな気候なら仕方がない」という説得力と納得があるが、春の〈おしまい〉は外的要因に己の不調の理由をなすりつけにくいほど陽の光がうつくしい。苦しい。私は一生この天気を「行楽日和」と形容できない。

 だが不思議と今シーズンはその場にいるのが耐えられないほどの精神の下降はなかった。奇妙な凪だ。「ヘル日本」なニュースが常態化しすぎて怒ることにすら疲れていたのかもしれない。いや、性暴力に、公務員の韓国差別に、入管の人権無視に、こんなにたいへんなことばかり起きているのに新元号だのオリンピックだのどうでもいいニュースばかり流すテレビに、ずっと怒ってはいたし、これは自分の現実なのだという意識もあったが、その一方でなんだか妙に全てが自分から遠かったのだ。普段なら内臓がどよめいてその場で手足をばたつかせたり唸ったりせずにいられないようなときでも、「ああ、そうか」と思ってしまえている自分がいた。悲しくてムカついてとりあえずほうぼうに署名をしたが、それ以上の具体的な対処法がわからず、ゴジラになって全部踏み潰したいなあなどと考えていた。
 思うに、短い間に大量かつさまざまな問題を視界に入れすぎたために、視界の縮尺がどんどん小さくなっていき、世界に対する目線がゴジラになっていったのではないか。渋谷109からTSUTAYAまでの徒歩経路を表示したマップより山口県から青森県までの徒歩経路を表示したマップのほうが漠然としているのと同じで、広い範囲の大量の問題を見ようとした結果視点が上空になって細部が見えなくなっていくのだ。どうしようもないたくさんの細かい何か。何から手をつけていいかわからない。これもう全部ダメじゃない? 全部踏み潰したい。グシャッ。踏んだ後は足の裏を拭く。

 しかし同時にこういうときほどむしょうに人間がかわいく見える。アルバイト先に行くために地下鉄に乗ると、乗り合わせた人がやけにかわいい。眠る人の眉間のしわ、使い込んだカバン、四隅が剥がれかけのスマホケースなどを、あまり長く見ると失礼なので一瞬だけ風景として目に入れて、みんな生きててかわいいな~と思って噛みしめる。老若男女関係なく、なんというか、月齢を重ねた生き物がそこにいることそのものがどうしようもなく素敵だ。電車の窓から見えるたくさんのマンションは虫の巣のようで、一生懸命作られた穴一個一個に人間がいっぱい寄り集まって暮らしていると思うと、なおのことかわいい。自分の生活を全部棚に上げて、全部かわいい。

 この気持ちも「ゴジラになって全部踏み潰したい欲」と結局は同根なのだろう。すなわち私のなかの野放図な殺意も野放図な好意も、結局は対象と向き合いたくないという無責任な気持ちだからだ。殺意を握りしめていても私は実際に生きている人間のエネルギーを前にしながらそれを実行しようとは思わないし、全員かわいくても「じゃあ今からこの全く知らない人と手を繋いで見つめあって一時間喋って」と言われたら絶対に拒否する。これは個体に向けた気持ちではないのだ。現実的な結果を望むならベクトルを決めなければならない。私(ゴジラではない)の身体から全方位に向けて広域攻撃を撃っても威力は分散してしまって効果がない。対象に攻撃されかねない距離まで近づいて、対象を定めてエネルギーを使わねばならない。(常に現実的な結果を求めることが正しいわけでは当然ないが、「やるからには勝ちたいじゃん」とも思う。)すなわち、どのような気持ちに基づいてやるにしろ、仕留めたいものがあるなら対象と本気で向き合わなければならない。

「向き合う」とは対象に影響されて自分が変化する可能性を受け入れることだ。対象と食うか食われるかの場所に立つことだ。相手と関わったことについて責任を引き受ける覚悟を持つことだ。そして向き合うことは愛である。嫌悪だろうが好意だろうが、対象について考えて考えて考えて考えて「向き合った」なら、それは愛としか呼びようがなくなる。
 しかしここまで書いてきて改めて思うけれど、「向き合う」行為は本当に特定の種類のエネルギーを大量に必要とする。ここに力を注ごうと決断する勇気もいるし、実際にそこに注ぐ力も必要だし、もし力が足りなくなったときには撤退を決める覚悟も必要だ。「生存」する行為にエネルギーを集中させていて「向き合う」余力がいっさいないとか、あるいはほかのエネルギーならば用意できても「向き合う」ためのエネルギーだけは枯渇しているとか、私一人の実感だけでもたくさんの状況が思い出せる。人間のエネルギーは些細なことですぐ変わり、容易に矛盾する。落ち込みがあるのはどうしようもない。

 そこまでわかっていてもやっぱり何もできずにいるのはつらくて悔しい。気持ちの上でどうにも解決しがたいものがある以上、なおさら言葉で繰り返しおのれのキツさを許しておきたい。実際無理なんですよ、泥みたいに布団の上で潰れて昼まで寝て親に用意してもらったご飯で生きてんのが本当に申し訳ない。でも今の状況を「立て直す」には、やっぱり呆然としながら消極的に生存にしがみついている状況を積極的に肯定するしかない。どんなに泥でも、生存を手放さない選択は立派だ。えらい。すごい。クソ、ごめん、いいんだ、いいんだよ。

interview with Matthew Herbert - ele-king

 ぼくの知り合いにひとり、本人はきわめて政治的な人間だが、聴く音楽のいっさいは政治とは無関係なものを好むというひとがいる。彼を思うと、ノスタルジックなジャズやMORを好んでいる人間が必ずしも政治的に無関心で保守的であるなどということはないと断言できる。その彼はビッグ・バンド・ジャズが大好きだ。
 マシュー・ハーバートのアイデアは、そういう意味でも面白い。がなり立てるパンクやラップではなく、ノスタルジックなスウィング・ジャズとエレクトロニカとの混合。エレクトロニカも、基本、耳(とその刺激を解析する脳)を面白がらせる快楽的な音楽であり、政治的な作品は、たまにサム・キデルのようなひともいるにはいるが、それは少数派だ。
 快適さのなかにメッセージを忍び込ませるやり方がぼくは好きだ。
 マシュー・ハーバート・ビッグ・バンドは、かつてそれをやってきた。甘くノスタルジックな演奏を交えながら、グローバル資本主義経済を糾弾する2003年の『グッドバイ・スウィングタイム』のことだ。

 『ザ・ステイト・ビトウィーン・アス』は、ブレグジットを契機に始動したプロジェクトである。2年以上を費やし、当初はEU離脱の日とされていた3月29日にきっちりリリースされた。『グッドバイ・スウィングタイム』と同様に、ノスタルジックなスウィング・ジャズとエレクトロニカ(+執拗なフィールド・レコーディング)との混合であり、しかし今作には、そうしたハーバート自身のクリシェを打ち砕く異質さがある。その異質さには、今作のより深い政治性が絡んでいる。自分が英国人であることを強く意識しながら作られた『ザ・ステイト・ビトウィーン・アス』からは、イギリスそしてヨーロッパなるものに直結するサウンド、響き、伝統が否応なしに聴こえてくる。そしておおよそ音楽は晴れやかではないが情熱的で、スリリングに展開する。ダークな曲、メロウな曲、ダンサブルな曲、ドローンからIDM、ジャズからアンビエント……と、まあ、ヴァラエティに富んだ内容で、いつものようにフィールド・レコーディングを活かし、音の細部にまで凝っている。多少重たいが、聴き応え充分の力作である。
 このアルバムを聴いたとき、ぼくにはわからない点がいくつかあったので、ぜひハーバートに取材をしたいと思っていた。なぜ、この作品のアートワークが「木」なのか、残留派であるハーバートは、では離脱派にはっきりとノーが言えるのか(残留派にも離脱派にもそれぞれ言い分がある)、アルバムから聞こえる動物たちの声は何なのか、アルバムにはハーバートのイギリス愛も混じっているのではないか、そもそも現代において左翼とは何なのか、などなど。すべての疑問に彼なりに答えてくれた。(※文末に来日情報あり)

僕はEU離脱に関して多くの嘘を撒き散らした何人かの政治家に対してすごく憤りを感じている。でも、「離脱」に投票した人たちに対しては、友情や協力の意志がある。僕は安定した、幸せな社会で暮らしたいんだ。

政治的であり、なおかつ作品としての魅力を高めようとするとき、そのバランスというのは難しいと思いますが、このアルバムはぎりぎりそれを成し遂げているし、あなたがこの作品に注いだ熱量がどれほどのものかわかる力作だと思いました。音楽的にも、ジャズ、クラシック、エレクトロニカ、ダンス・ミュージック、ミュージック・コンクレート、ドローンなどといったこれまであなたがやって来たことが集約された作品ですよね。すべてを投入して作ったというか、そんな印象を持ちました。

ハーバート:かなり苦労して完成した作品ではあった。何に苦労したかというと、当然音楽を作ることが大前提としてあるわけで、新聞記事を書くわけでも、ドキュメンタリー映画を作るわけでもない。音楽作品でありながら、イギリスにおける政治の現状を反映したものにしたかった。ただその現状というのが、もうめちゃくちゃで……(苦笑)。
つまり、何かについて曲を書いていると、その10分後には状況がまったく変わっている。だから書いていたものをやめて、新たな状況について今度は書きはじめる。で、その10分後にまた状況が一変する。そこの両立が非常に難しかった。それに加え、長いあいだ自分は誰に聞いてもらいたくてこの音楽を作っているのか、戸惑いもあった。いままさにEU離脱を含めた政治状況の渦中にいる人たちが対象なのか、それともヨーロッパにいる人たちに向けて我々の立場を説明したくて書いているのか、それとも20年後にこれを聞く人たちに向けて書いているのか。どういう視点で語るのか、なぜこれをいま伝えなきゃいけないのか、というのが制作中に何度も変わっていったんだよ。

イギリスのEU離脱をめぐる議論は、いまだどこに着地するのかわからない状況というか、カオスになっているようですね。とりあえず、3月29日に離脱することはなくなったわけで、その日をリリース日に決めていたあなたにとってこれは良かったのか悪かったのか、どうなんでしょうか?

ハーバート:すごく良かったと思っている。というのも、我々は国としてまだどんな形であろうとEUを離脱する準備がまったく整っていない。国は激しく分断されたままだ。僕が作る音楽は、僕にとっては大事なもので、参加してくれた人たちにとっても大事なものかもしれないけど、人の生死に関わる問題じゃない。でもEUは多くの人の生死に関わる重大な問題だ。だから僕としては、延期になったのは良いことなんだけど、依然としてどうなるのか先がまったく読めない。あり得ない状況だよ。3年ものあいだこの件について話し合ってきたにも関わらず、いまだにEU離脱とどう向き合うべきかわかっていない。まさにいまのイギリスの政治のどうしようも無さが浮き彫りになった形だと思う。

先頃は反ブレグジットのデモに100万人が集まったという報道がありましたが、100万人というのはすごい数ですね。おっしゃるようにいまはまったく先が読めない状況ではありますが、あなたが望んでいるのはいかなる決着なのでしょうか? 

ハーバート:まず何よりもEU離脱をやめるべきだと思っている。そもそも馬鹿げた考えだった。しかしながら、誰も自分たちの声に耳を傾けてくれない、と感じている人はこの国大勢いる。彼らはこの国の政治に対して長いあいだ失望していた。自分たちの意見は汲み取ってもらえない。生活も不安定で、職もない。満足な医療制度も得られず、自分たちが住むコミュニティーとの繋がりが感じられない。そういう人たちの多くが「離脱」に投票した。なぜなら「離脱すれば自分たちの生活が良くなるから」と言われたからだ。でも実際は、EU離脱が生活の向上をもたらしてくれることはない。むしろこの国をより貧しく、より孤立させるものだ。前向きなものでは決してない。
だから僕としては、もしEU離脱をやめるなら、そういう人たちに改善策を与えてあげなければいけないと思っている。「離脱」「残留」に分断されてしまった国民をどうにかしてまたひとつにまとめないといけない。そもそも「離脱」「残留」という分け方自体、人が創り上げたものでしかないから。そこに明確な線引きはもともとなかったはずなのに、分断の原因になってしまった。個人的に思う今後の最良の展開は、もういちど国民投票を行うことだ。そうすべきだと思っている。今度は、具体的な実施計画に対して投票するのだ。そうすることがもっとも賢明だと思う。政治家が決められないのであれば、国民が決めるべきだ。

今回のアルバム制作の発端は、ブレグジットに対する憤りだったと思いますが、おっしゃるようにEUに残留すればすべてが解決するような問題ではないように思いますし、じっさいアルバムのテーマはより大きなものへと発展していますよね? 

ハーバート:そうだね。アルバム制作をはじめた頃は、政府の動向を細かく追っていて、EU離脱問題とそれに纏わる政治状況だけに絞った作品を作ろうと思っていた。でも途中で、めちゃくちゃなアルバムだってことに気づいた。政府がめちゃくちゃだったからね。その動向ばかりに目を向けていたために全く意味のなさない、どうでもいいものになっていた。
だから途中で決めたんだ。我々にとって本当に重要な問題を取り上げようと。その最たるものが気候変動だ。実はEU離脱問題は、我々が直面する本当の危機的問題から我々の目を逸らすためのものでしかない。イギリスだけの問題ではない。他の国もそう。気候変動や経済格差こそが本来取り組まなければいけない問題だ。今EU離脱問題に費やしている予算は本来気候変動に使われなきゃいけないものなんだ。

先ほどイギリスが分断されているという話がありましたが、タイトルの『The State Between Us』も分断されてしまったイングランドを意味しているのでしょうか?

ハーバート:必ずしもそういう意味でつけたわけじゃない。もちろん、見た人が好きに解釈してくれればそれで良いと思っているよ。タイトルの元々の発想としては、政府(政治)が人と人のあいだに入ってきたらどうなるか、というものだ。例えば、僕は近所の人たちと共有した価値観もたくさん持っている。田舎に住んでいるからまわりは農家が多い。でも、彼らの多くが「離脱」に投票をした。だから僕にとってタイトルが意味していることは、政府が自分とお隣さんとの関係の障壁となったとしたらどうなのか、ということ。自分はどんな感情を抱けば良いのか、と。僕はEU離脱に関して多くの嘘を撒き散らした何人かの政治家に対してすごく憤りを感じている。でも、「離脱」に投票した人たちに対しては、友情や協力の意志がある。僕は安定した、幸せな社会で暮らしたいんだ。だからタイトルは、以前は何の問題もなかった社会に、政府や組織が介入することで問題が生じてしまったらどうなるか、ということを意味している。

こうやっていろいろ考えてみたんだけど、イギリスならではのもので特別な何かを見つけることができなかった。それはつまり、自分がどこで生まれたかなんて所詮地図上のある場所にたまたま生まれたってだけのことだからだ。この国の好きな部分もあるし、好きじゃない部分もある。それはスペインや他のどの場所に対しても言えることだったりする。そういう部分も含めて、アルバムはイギリスらしさとは何かを追求しようとした側面もある。

“You're Welcome Here”の“Here”とはイングランドのことだと思いますが、あなたは今作を作るためにブリテイン島を旅したそうですね。それはなぜですか? それは、もういちどあなた自身のアインディティティないしはイングランドという国のアインディティティを確認したいから?

ハーバート:“You're Welcome Here”の“Here”はイギリスのことだけではなく、音楽も意味している。例えば「このアルバムは君を歓迎するよ」「このアルバム、この音楽の世界にようこそ」とかね。
イギリスのアイデンティティに関心があったというのは、その通りだ。だから、自分では行けなかったから人にお願いしてアイルランドの国境を端から端まで歩いてもらった。それから「離脱」に大半の人が投票したグリムズビーという町にも行った。それから同じく「離脱」に投票した地元のケント州にも長く滞在した。各地に実際に足を運ぶことが大事だった。アルバムにはロンドンで録音された音源はとくに使っていない。ロンドンの合唱隊は参加してくれているけど、ロンドンで録った「音」は入っていない。
僕にとってイギリス人であることのアイデンティティはますますわからなくなってきている。子供の頃に聞かされた「イギリス人たるものはこうあるべき」という価値観にしても、大人になってみるとそうではなかったと思うことがほとんどだった。僕は1970年代に幼少期を過ごしたわけだけど、人種差別、男尊女卑がまかり通っていた時代だったし、男性に支配された社会だった。いまでも男性が社会を支配してはいるけど、少しずつ変化していると感じる。「イギリス人であるというのはどういうことか」というのをずっと考えていたんだけど、例えば「僕は田舎が凄く好きだ」「でもスイスやイタリアや日本にだって美しい田舎はある」と思った。じゃあ、「ユーモアのセンスがすごく気に入っている」と思ったけど、他の国にだってユーモアはある。「この国の音楽がすごく好きだ」と思っても、アメリカやアフリカの国だって良質の音楽を排出している。
こうやっていろいろ考えてみたんだけど、イギリスならではのもので特別な何かを見つけることができなかった。それはつまり、自分がどこで生まれたかなんて所詮地図上のある場所にたまたま生まれたってだけのことだからだ。この国の好きな部分もあるし、好きじゃない部分もある。それはスペインや他のどの場所に対しても言えることだったりする。そういう部分も含めて、アルバムはイギリスらしさとは何かを追求しようとした側面もある。

冒頭の鳥のさえずりが聞こえる場面ですが、場所はどこでしょうか? なぜそこからはじめたのですか? 

ハーバート:あれはドイツにある森のなかで録ったんだ。そこには意図があって、今回のEU離脱問題はこの国とドイツとの関係が多分に関係していると思っている。第二次大戦後ずっとこの国はあの戦争と本当の意味できちんと向き合えてないと思う。ドイツの人たちの方が、あの戦争が自分たちの生活にどう影響をもたらしたかを受け入れている。でもこの国ではまだ神話化されている部分が大きい。というのは、勝利国だったために、内省する必要がなかったんだ。戦争に自分たちがどう関わったかということに対してね。だからとくにドイツに対する誤解は多い。それにアンジェラ・メルケルの方が、メイ首相よりもずっと優れたリーダーだ。彼女(メルケル)の考えにすべて賛同するわけではないけど、国家の首席としてはずっと優れている。そんなわけで、「ドイツの木」からアルバムをはじめるという発想が気に入ったんだ。

「木」と言えば、アートワークにも「木」をあしらいました。また、アルバムの冒頭の曲では木が切られているであろう音がチェーンソーの暴力的な響きとともに挿入されています。「木」は明らかにこのアルバムの象徴としなっていますが、それはなんの象徴なのでしょうか?

ハーバート:EU離脱問題を「木」に置き換えて考えたら面白いと思ったんだ。僕からすると我々は存続危機に直面している。つまり、気候変動によって我々が当たり前だと思っているものがこれからどんどん失われていく。我々人間が行いを改めなければ、人類を含む多くの生き物が絶滅するだろう。これこそが本当の危機だ。だから僕は、何人かの政治家の発言に耳を傾けるよりも、「木」に耳を傾けたいと思ってしまう。自然との向き合い方を考え直さないといけないと思っている。だからこの世界を違う視点から見てみるいい機会だと思った。

あの曲の途中で挿入される歌はなんですか?

ハーバート:曲は僕が作曲したもので、歌詞は16世紀の詩人のジョン・ダンの言葉を引用している。

ビッグバンドでやるのは 11年ぶりと久しぶりですが、今回のテーマをいつものようなエレクトロニカ・スタイルではなくビッグバンドでやりたかった理由はどういったところでしょうか?

ハーバート:ビッグ・バンドの大きな魅力は、ある一定の水準で音楽を奏でられる人だったら誰でもバンドに参加できる、ということだ。例えば、イタリアやスペインやドイツに行ってアルバムのレコーディングを行った際、見知らぬ演奏者の前に譜面を配布さればそれで済んだ。すぐにでも演奏をはじめられる。民主主義的な形態だと感じるね。さらにそこに合唱が入るわけで、アルバムに参加しているのはみんなプロの歌い手ではなくアマチュアの合唱隊だ。そうやって民主主義的な生き方を体現しようとしている。ただ政府を批判するだけでなく、その代替案を提示しているんだ。僕からすると、ビッグ・バンドと合唱隊はいい代替案だと思う。コミュニティーを生み、創造性を生み、協調性があって、経済活動でもあり、人種や性別も関係ない。有用なメタファーだったんだ。

参加した人たちの人数が、数百人とも千人とも言われていますが、CD盤面の記されている名前がそれですよね。これはすべて世界のいろいろな場所でのライヴの際に参加した人たちの名前なのでしょうか? そしてそうした人たちの名前を記したのにはどんな意味がありますか?

ハーバート:全員の貢献をきちんと示したかった。というのも、こうして君と話をしているのは僕だけど、実際は大勢の人がこの作品を支えている。コミュニティを表しているんだ。実はバンドの名前にも納得がいってない。僕の名前が前面に出てしまっているからね。でもSpotifyやApple musicといったサービスのなかで、聴き手にとって作品を見つけやすいというのも大事だった。まあ、せっかく参加してくれたのだから名前を記すのは礼儀でもあると思った。ライヴでも土地土地で新しい人たちに参加してもらった。例えばマドリッドに行ったときは、ステージ上に僕のバンド・メンバーはたったの3人だけで、残りの115人はそこで初めて会う人たちだった。ローマでもベルリンでも同じだ。日本で去年ライヴをやったときも、日本人のバンドと合唱隊に参加してもらった。ライヴの度に違うライナップだったんだ。

イギリスに対しては相反する思いを抱いているのはたしかだ。今回気付いたのは、ある国の国民として生きる上で鍵となるのは価値観なんだということ。どんな価値観を持っているか。だから僕にとって大事なのは……。僕がイギリスでもっとも誇りに思えるのはNHS(国民医療サービス)、それとBBCだ。

今作であなたがあらたにトライした音楽的な実験があるとしたら何でしょうか?

ハーバート:実験と言えるかわからないけど、さまざまな場所を録音した。NHSの病院でも録音したし、首相別邸のChequersの周りを自転車で回って録音もした。それからある人にイギリス海峡を泳いでもらったし、別の人に第二次大戦の戦闘機で飛んでもらった。他にもイタリアの第一次大戦の最前線だった古戦場を歩いてもらったし、アイルランドの国境の端から端までも歩いていろいろ録音してもらった。これ以外にもいろいろなフィールド・レコーディングを行ったよ、

動物の声をフィーチャーした“An A-Z Of Endangered Animals”を収録したのはなぜでしょうか?

ハーバート:僕にとってはこういったことこそが本当の問題だ。生態系の多様性の崩壊だ。野生動物や昆虫の数が激減している。非常に深刻だし悲しい問題だ。今回アルバムに音を収録した絶滅危惧種の動物たちは10年後、15年後にはその声を聞くことがもうできなくなっているかもしれないんだ。絶滅に瀕した動物たちによるコーラスだ。

まさかご自身でフィールドレコーディングされたわけじゃないですよね?

ハーバート:さすがにそこまではできなかった。そうするには費用がかかりすぎるからね。

最後シェリーの詩を歌った“Women Of England”で終わっていますが、あなたこの作品でイングランドを批判してもいますが、同時に愛してもいますよね? “Women Of England”を聴いてそう思ったのですが、いかがでしょうか?

ハーバート:イギリスに対しては相反する思いを抱いているのはたしかだ。今回気付いたのは、ある国の国民として生きる上で鍵となるのは価値観なんだということ。どんな価値観を持っているか。だから僕にとって大事なのは……。僕がイギリスでもっとも誇りに思えるのはNHS(国民医療サービス)、それとBBCだ。国民全員が少額を払うことで、多くの恩恵を得られる機関だ。そういうのは喜べる、前向きな積立だ。それ以上に、優しさ、平等、公正さといった価値観を現れでもある。でもそういう価値観がこの国ではいま脅威に晒されている。そこに僕は怒っている。いま右翼の多くの人は我々もアメリカを見習うべきだと思っている。でもいまのアメリカは非常に残酷で分断された国で、社会のお手本とするには最悪の国だ。

あなたが愛するイングランドというのは、ファンキーな“Fish And Chips”のような曲に表れていますよね? 

ハーバート:いや、あの曲はグリムスビーという街で録音したものなんだけど、グリムスビーはかつて漁業が盛んな街だったのに、その漁業が衰退してしまった。僕にとってこの曲はニューオーリンズの葬送曲のイメージで、漁業の死についての歌をパーティ調に奏でることで皮肉を込めているんだ。

4月に来日しますが、楽しみにしています。どんなプレイをするつもりでしょうか? 話せる範囲でお願いします。

ハーバート:そうだな。本当になんとも言えないんだけど、DJセットというのはつねに即興だと思っている。だからとりあえずいろんなジャンルからのいろんな音楽を持っていって、あとはそのときの感覚で作り上げていく。でも、まあ、基本はハウスとテクノで、そこに実験的なものや、新しいノイズなんかも盛り込んでいきたいとは思っている。まあ、基本はその場の即興だよ。

ブレグジットを遠目で見ながら、もしも左翼思想というものが世のなかで弱い人たちを助けるという思想だとしたら、はたしていま弱い人たちは誰なのかということを考えてしまうのですが、あなたの意見を聞かせてください。

ハーバート:そんな複雑な話じゃないと思っている。実際よりも事情は入り組んでいると我々に思わせるのも政治的罠のひとつなんだ。この国が抱えている大きな問題というのは、数年前に大きな経済危機があって、その際に経済を持続させるために政府が国民の税金を金融産業に投入した。保守党政府は、経済的にいちばん底辺にいる人たちに負担をさせたんだ。つまり障害者、生活保護を受けている人、貧しい人、子供、シングルマザー、女性。そういう人たちへの補助を減らすことで、銀行が引き起こした負債のツケを底辺の彼らが払う羽目になった。それこそがこの国の根本にある不正であり、EU問題もそれに対する反動だった。保守党が築いた社会構造に対する人びとの不満の表れだった。だから僕にとって弱い人たちというのは、他の人が起こした問題のツケを払わされている人たちだと思っている。


ハーバート来日情報!
Hostess Club Presents...Matthew Herbert DJ Tour 2019

HOSTESS CLUB ALL-NIGHTERのレジデントDJでもあったダンスミュージック / サンプリング界の鬼才マシュー・ハーバート、各地で豪華ゲストを迎えるDJツアーの開催が決定!

東京
2019年4月22日(月)代官山UNIT
with Yoshinori Hayashi and 食品まつり a.k.a foodman
Open / Start 19:00
Extra Sound System Provided by PIONEER DJ

北海道
2019年4月23日(火)札幌 Precious Hall
with Naohito Uchiyama and OGASHAKA
Open / Start 20:00

福岡
2019年4月24日(水)福岡Kieth Flack
with T.B. [otonoha / under bar]
Open / Start 20:00

京都
2019年4月25日(木)京都 CLUB METRO
with metome (Live Set)
Open / Start 20:00

Ticket:
東京公演 5,800円(税込)
札幌 / 福岡 / 京都公演 5,300円(税込)

https://ynos.tv/hostessclub/schedule/20190422.html

Fennesz - ele-king

 音楽──ことエレクトロニック・ミュージックを作ろうとするとき、まずは機材を揃えようとするのが多くのひとが考えることだろう。しかしながら音楽の面白さを決定するのは、機材の数や値段やレア度ではない。機材を揃えなければ良いエレクトロニック・ミュージックが作れないなんてことはないし、もしそうならそれは限られたひとたちだけのものになってしまう。オーストリア人のクリスチャン・フェネスは、90年代末、ただそこにあったものだけで音楽を作った。ギターとノートパソコン(そしてフィールド・レコーディング用のマイク)、これだけあれば,魅力的なノイズから官能的なエレクトロニクス、心揺さぶられる叙情だって描くことができるのだ。
 フェネスの長いキャリアにおいて、名作と言われるアルバムはすでに複数枚ある。ロマンティストとしての彼の資質が存分に注がれた2001年の『Endless Summer』、OPNの『リターナル』を名作というのであれば、その先駆といえる2008年の『Black Sea』、それからジム・オルークとピーター・レーベルクとの共作『The Magic Sound Of Fenn O'Berg』(1999)、坂本龍一との『AUN』(2012)──まずはこの4枚、近年の作品でいえば、2014年の『Becs』も面白かったし、同年にリリースされたマーラーをモチーフにした『Mahler Remix』も、はっきり言って、近年のモダン・クラシカルないしはテクノからクラシックへのアプローチという数多ある作品のなかではダントツだった。
 以上の6枚は、フェネス入門編。
 上記の6枚以上にも、フェネスにはいくつもの良い作品がある。ほこりっぽいダブステップの地下室からやって来たキング・ミダス・サウンドとの共作『Edition 1』(2015)も興味深い1枚だったし、多作でありながら、フェネスは毎回違うことをやりながらひとを惹きつける作品を出し続けているという希有なアーティストである。

 『アゴーラ』は、2014年の『Becs』および『Mahler Remix』以来の5年ぶりのソロ作品になる。制作前に、どんな理由からかはわらないが、フェネスはスタジオを失った。つまり新作は、スタジオを失ったフェネスにとっての最初のソロ・アルバムになる。
 始終ベッドルームで、しかもヘッドフォンで作業することは、決して望んだ環境ではないのだろう。が、それでもフェネスは、ギターとノートパソコン(そしてフィールド・レコーディング)という、ただそこにあるものだけで圧倒的な音響を創造している。
 それはおもにギターによるドローンで構成されている。1曲目の“In My Room”は、タイトルがこの作品の出発点を物語っている。スタジオではなく、自分のベッドルーム。それは窮屈かもしれないし、音響設備としても不充分だろう。だが、曲は閉所恐怖症でもなければ箱庭的でもない。あたかも壁をぶっ壊して、突き抜けていくように展開する。ギターによるドローンの重奏が、絶え間なくどんどん広がってく。続いては、フェネスの十八番である自然をモチーフにした“Rainfall(雨降り)”だ。ギターの周波数のレイヤーが波のように押し寄せ、絡み合い、うねっていく。やがて雫の音が聞こえ、そしてノイズ混じりのギターのコードストロークが霧のなかで重なる。
 “Agora”(広場)は、いわゆるウェイトレス的な曲だ。重さはなく、気体のような音響がうごめいているようだ。それは霊妙であり、不穏ではないが甘ったるくもない。なんとも奇妙な雰囲気を有している。そして最後の曲“We Trigger the Sun(我々が太陽を誘発する)”は、このアルバムにおいて唯一はっきりとしたメロディを持った美しい曲となっている。その美しさは、おそらく、フェネスのなかの夢見る力のようなものから生まれているのだろう。浜に打ち寄せる波の煌めきをミニマルな模様として捉えたアートワークもお見事。

Matmos & Jeff Carey - ele-king

 これは嬉しいお知らせです。去る3月15日、プラスティック製品に焦点を当て環境破壊をテーマに取り上げた意欲的な新作、その名も『Plastic Anniversary』を〈Thrill Jockey〉からリリースしたばかりのマトモスが、この5月に来日公演を開催します。同伴者は電子音楽家のジェフ・キャリーで、東京4会場、京都1会場をまわります。いったいどんなパフォーマンスを見せてくれるのやら……期待大です。

Joni Void - ele-king

 デビュー・アルバムは『セルフレス』というタイトルだった。セルフィーが撮りまくられる時代に「自分がない」と訴えていたのである。セカンド・アルバムは少し難しくなる。「Mise En Abyme(ミザナビーム)」とはフランス語で深遠な状態を作り出すことを意味し、日本語では「紋中紋」と訳される。モチーフの中に同じようなモチーフが入れ子構造になっているというイメージらしく、具体的には電話やカメラ、ゲームやヴィデオといったデバイスに残っている自分の痕跡をなくし、言葉になっていない他人の声をソースとして使うことによって、昔の自分を再構築するということのようである。短絡的に言えば自分という存在は複数の他人との関係のなかに存在していると考えるラカンの思想を音で表現するということになるのだろう。他人に「いいね!」をされなければ存在していると思えない、いわゆる承認欲求が蔓延しているSNS時代にはありがちというか、遅すぎた発想だし、そのような理屈が先にあったと知っていたら初めから聴かなかったかもしれない作品なんだけれど、そうとは知らずに聴いていた僕は、この作品が非常に面白く聞こえ、ミュジーク・コンクレートの傑作とされるリュック・フェラーリの『Presque Rien』をポップにしたような印象まで受けてしまった。そして、これが調べてみたらゴッドスピード・ユー・ブラック・エンペラー!のレーベルからリリースされていたのである。先入観のない音楽体験ほど人を驚かせてくれるものもない。あれよあれよという間に僕はジョニー・ヴォイドの過去音源にも手を伸ばしてしまった。

 ジョニー_リッパーの名義で2010年から5枚のアルバムをリリースしてきたジャン・クザンが2017年から使い始めたミュジーク・コンクレート用の名義がジョニー・ヴォイドのようである。生まれはフランスで、14歳から独学で音楽を学び、2012年からはゴッドスピードユー~やティム・ヘッカーが拠点としていたカナダのケベックへ移住、ジョニー_リッパー名義では主にサウンドクラウドやバンドキャンプで作品を発表してきたものが名義を変えてからは〈コンステレーション〉とタッグを組んだという流れになっている。ケベックに豊穣なDIYシーンがあったことが彼をベッドルームから外へと誘い出し、パフォーマーとしての成長を促した上にオーガナイザーとしての活動にも発展していったという。フランスにいた頃は『アメリ』のヤン・ティルセンやフィリップ・グラスの映画音楽に影響を受け、サンプリング・ミュージックとしてのボーズ・オブ・カナダベリアルに多くを学んだとも。そして、彼にとっての最大のヒーローはなんとBBCレディオフォニック・ワークショップに在籍していたデリア・ダービシャー(後にホワイト・ノイズ)で、細かく切り刻んだサンプリングや偶然性といった方法論はさほど珍しいものではなくなったと思うものの、音楽を演奏せず、徹底的にテープ編集にこだわるのは彼女の方法論に追従したいがためのよう。またミュジーク・コンクレートにポップな要素を持ち込むのも『ドクター・フー』のサウンドトラックを手がけていたダービシャーの影響といえるらしい。

 2017年の『セルフレス』はややとっちらかった印象が強かったものの、その後の失意を背景にしてつくられたという『ミザナビーム』は縦横なイメージの広がりがあるにもかかわらず、全体のまとまりはよく、上に書いたようにボーズ・オブ・カナダやベリアルをミュジーク・コンクレートの文脈で受け継ぐものと考えていいと思う(『IDMディフィニティヴ』に2019年のページがあったら、完全にこれが大枠ですね)。オープニングは混沌としたフィールド・レコーディング(?)。続く“Dysfunctional Helper”から前半はメランコリックなコンポジションが並び、彼がタイム・トラヴェル実験と呼ぶ時間感覚の遡行が柔らかな感触とともに意識の反芻を織りなしてゆく。とくに“Lov-Ender (with YlangYlang)”というシャレたタイトルの曲はストレートにベリアルを思わせるところがあり、しかも、闇の中からベリアルを引っ張り出そうとする衝動も併せ持つ重層性が素晴らしい。似たような曲を畳み掛けているようでいて、周到に回避されている回帰性と微妙にずれてゆく感傷性やリズムは確かにモチーフの入れ子構造をなしており、パズルを解き明かすように耳を傾けたくなってしまうことは確か。話し中の電話音やファックスの送信音などで構成された“No Reply (Interruption)”を挟んで、後半は徐々に躍動感に満ちていく。アシッド・ハウスが床を踏み外したような“Safe House”、コーネリアスの悪ふざけを思わせる“Cinetrauma”、後半のハイライトといえる“Voix Sans Issue”では「音声なし問題」というタイトルとは裏腹にヴォイス・サンプルだけで複雑に絡み合うドローンをつくり上げているように聞こえるのだけれど……。最後の2曲はジョニー_リッパー時代の作風に戻り、それまでとは打って変わってアグレッシヴで重厚な曲調で締めくくられる。実験的な音楽であることをすっかり忘れてしまうほどイメージの展開が豊かで、見事な力作である。マーク・フィッシャーには悪いけれど、時代は前に進んでいる。

Blu & Oh No - ele-king

 2007年にリリースされたブルー&エグザイル名義でのアルバム『Below The Heavens』でのデビュー以降、様々なプロデューサーとのタッグ、あるいは自らのプロデュースによって数々の作品を生み出してきたLA・イングルウッド出身のラッパー、ブルー。最近では2015年に MED、マッドリブとのコラボレーションによるアルバム『Bad Neighbor』が話題となったり、昨年はヴァージニア出身のプロデューサー、ノッツとの『Gods In The Spirit, Titans In The Flesh』や、サーラーのシャフィーク・フセインとの『The Blueprint』など、かなりのハイペースで良質な作品を発表してきた彼が、今回、新たに手を組んだのがマッドリブの実弟としても知られるオー・ノウだ。ラッパーとしては2004年に〈ストーンズ・スロウ〉からリリースされたソロ・アルバム『The Disrupt』でデビューを果たし、プロデューサーとしても〈ストーンズ・スロウ〉周辺や地元オックスナードのアーティストを中心に、アンダーグラウンドからメジャーまで数多くのアーティストの作品に関わってきたオー・ノウだが、すでにブルーとも前出の『Bad Neighbor』などで共演を果たしている。とはいえ、このふたりががっぷり四つで1枚のアルバムを作るというのは当然、初めてのことであり、南カリフォルニアのアンダーグラウンド・シーンを代表する両者の夢のコラボレーションは、必然的に期待も高まる。

 イントロにてブルーがLAの主要なストリートの名前を羅列し、LAのギャング・カルチャーがこのアルバムのテーマのひとつであることを提示することで、本作の幕は開ける。イングルウッドで育ったブルーにとって、ギャングは日常の一部でもあり、これまでもたびたび曲の中でテーマにしてきたが、彼の目線でのLAストーリーが独特の語り口によって実にスタイリッシュに、アルバム1枚を通して綴られていく。ひたすらディープに突き進むマッドリブに対して、オー・ノウのトラックはアグレッシヴな部分とクールな一面がバランス良く融合しているのが特徴であるが、本作のテーマにも彼のサウンドは実にマッチする。アルバムのリード曲とも言える“The Lost Angels Anthem”はそんな両者のポテンシャルが最大限に引き出され、ファンキーで緊迫溢れるオー・ノウのトラックに、ブルーはパーカッシヴに言葉をはめ込み、極上のグルーヴを作り出す。ドラムとエレピのサンプリングトラックに、ブルーが巧みにセッションを仕掛ける“Straight No Chaser”なども実にドラマティックな展開で、両者の音楽性の豊かさがダイレクトに伝わってくる1曲だ。また、この曲に限らず、オー・ノウのトラックは映画のサウンドトラックとも通じるものがあり、ブルーがラップで語るストーリーの深みを彼のサウンドがより強く引き出しているようにも感じる。

 ブルー、オー・ノウ共に繋がりの深い MED を筆頭に、有名、無名含めて多数をフィーチャリング・ゲストとして迎えているが、特筆すべきはLAアンダーグラウンド・シーンのベテランであるアブストラクト・ルードとセルフ・ジュピター(フリースタイル・フェローシップ)の参加だ。本作における彼らふたりの存在は、90年代から脈々と引き継がれてきたLAアンダーグラウンド・シーンの延長上にブルーとオー・ノウがいるということの証明でもあり、彼らのゲスト参加は実に意味が深い。

 同じ南カリフォルニアの中でお互い出身地も微妙に異なり、音楽的なバックグランドやルーツも微妙な違うふたりであるが、そういったギャップがお互いにとって大きなプラスとなり、これまでのコラボレーターともまた一味違う、タイトル通りのLAならではの作品になったと言えよう。ここ最近は作品ごとにプロデューサーを毎回変えているブルーであるが、いずれまたオー・ノウとのコラボレーションを期待したい。


消えるにはこうすることだ 真夜中の闇を縫って
This is how you disappear/out between midnight
──“Rawhide”from Climate Of Hunter(1984)

 スコット・ウォーカー(本名ノエル・スコット・エンゲル)、享年76。訃報に触れて初めて、彼が結婚していてお孫さんまでいることを知って驚いた。それくらい彼は必要以外の世俗とは断絶していた。ゆえに最期まで「エニグマ」だったわけだが、そのオーラを尊重し距離感を保つことは彼の音楽を愛する者の間では暗黙の了解だったと思う。少し前にキース・フリントが世を去った際、「彼がどれだけイイ奴だったか」という美談がツイッターから追悼記事、ファンのコメントまで各所で語られていて泣けた。そこには、ザ・プロディジー文脈ではとかく戯画としての「邪悪」「危険」ペルソナ担当だっただけに、実は普通で心優しい人だった、と反駁したくなる人間心理もあるのだろう。そうしたメモリーの集合を「デジタル時代のはなむけ/記念碑」と呼ぶ人もいる。
 だが、スコット・ウォーカーに関してこうした思い出の断片によるデジタルなコンポジットが生まれる可能性は低そうだ。トム・ヨークからブライアン・イーノまで追悼の意は続々と幅広く発されてきた──ジュリアン・コープが80年代にコンピレーションを編纂し、90年代に企画されたコンピではマーク・アーモンドが解説を寄せ(再発時はニール・ハノンが執筆)、パルプがプロデュースを依頼し、『Climate Of Hunter』再発ではボブ・スタンリー(セイント・エティエンヌ)がライナー執筆と、いわゆる「ミュージシャンズ・ミュージシャン」の典型ゆえに当然だ。だが、「○×年のコンサートは素晴らしかった」とか「気さくにサインに応じてくれた」、「よく来るカフェではこんな感じの紳士でした」と言った、プライヴェートな表情を偲ばせるほろりな逸話はあまり出て来ない気がする(でも、自転車愛好家だったのは知っている)。

 何せ彼は、1978年を最後に公の場で歌うのをやめてしまった。自作曲を含むソロは1970年の『’Till The Band Comes In』が最後で、以降はスタンダードや映画のテーマ曲、ポップスのカヴァーを収めた売れ線MORが続き、彼が遂に自作曲を披露できたのはザ・ウォーカー・ブラザーズの(所属レーベル倒産前のどさくさに紛れて出したとされる)再結成後のサード『Nite Flights』(1978)。プロパーなソロ復帰作『Climate〜』まで14年かかったことになるし、そこからスタジオ次作『Tilt』(1995)まで11年、続く『The Drift』(2006)も11年後とサントラ他を除く寡作ぶりはたまにおとずれる皆既日食や彗星か何かのようだった。その意味では、今にして振り返れば「晩年」期だった『Bish Bosch』が2012年、サンO)))とのコラボ『Soused』がその2年後、更に映画向けのスコアを2作制作したのだから、スコット的時間軸で考えれば10年代の動きはかなり速かったことになる。
 このスコット的時間軸は、サントラで彼が初めて全面参加した『ポーラX』(1999)冒頭のクレイジーなモンタージュに流れる“The Time Is Out Of Joint!”──元ネタはシェイクスピア『ハムレット』の台詞「今の世の中は関節が外れている」だろう──のタイトルにいみじくも象徴されている気がする。アイドルがシリアスな大人路線への脱皮に苦戦する……というのはエンタメ界の古典的な物語のひとつだが、彼が70年代に不遇をかこったのは60年代初期〜中期にかけてザ・ウォーカー・ブラザーズのヴォーカルとして爆発的なアイドル人気を博したがゆえだった。名匠ジャック・ニッチェが参加した“Love Her”を手にハリウッドからロンドンに渡った彼らは、フィル・スペクター/ザ・ライチャス・ブラザーズ流の壮麗なウォール・オブ・サウンドを活かしてバカラック=デイヴィッドら達人の曲を次々ヒットさせた。ノーブルなマスクの「欧州のアメリカ人」が醸すエキゾチズム、現代版シナトラとも言えるクルーナーが歌う甘美なバリトンに、英国のロマンティックなティーン女子は熱狂した。ファン・クラブ会員数は一時期ザ・ビートルズやザ・ローリング・ストーンズのそれを凌いだという。
 イコール、ロック時代本格化以前のポップス〜イージー・リスニング歌手ということであり、ブラザーズ解散後『Scott』(1967)でソロに転向しテレビ番組まで持つに至った彼もその初期はカヴァーが多かった。中でも秀逸なのはジャック・ブレルの猥雑で情熱的なシャンソン群だ。エンニオ・モリコーネ〜ジョン・バリーばりのアレンジをほどこしたドラマ性は受けたし、ダスティ・スプリングフィールドと並び彼は〈フィリップス〉のユーロ・ポップ工場英支部における顔になったと言える。マスプロのポップ工場と書くと顔をしかめる向きもあるかもしれないが、スタジオにフル・オーケストラを仕込め、ジャズ/クラシック系編曲者も使える〈モータウン〉ばりに贅沢な生産体制はもともと欧州びいきだったスコットの想像力をさらに煽った(ちなみに、〈フィリップス〉のスタッフとしてダスティやブラザーズと働いたひとりがアイヴォー・レイモンド。彼の息子サイモン・レイモンドはスコットの過去15年の所属レーベル〈4AD〉の顔=コクトー・ツインズの元メンバーで、現在は〈ベラ・ユニオン〉を運営。2017年にクラシック音楽コンサート集『BBCプロムス』の一環として『Songs Of Scott Walker 1967-1970』の共同芸術監督を務めた)。
 しかし「自作を自演する」ロック的な図式が浸透していったこの時期、67年から69年にかけて発表したソロ4枚を通じ彼は徐々に自作曲を増やしていった。「アイドル」の側面を重視したレーベル/マネジメント側は、娼婦や死といった物騒なモチーフを含むブレル曲以上に、月夜の窓辺に生じる大天使による救済だのキッチンシンク型(ドストエフスキー的でもある)の安下宿の人間模様の観察だの、どう考えてもライト(軽い/明るい)・エンタテインメントとは言えないダークかつ文学的なオリジナル曲には慎重だった(ブラザーズ期は、印税向けに主にシングルB面が自作曲発表の場として彼に許されていた)。そんな押し引きを経て、『Scott 3』で13曲中10曲を自作──ブレルのカヴァー3曲は末尾にまとめられており、1曲ごとに映画スチルめいた写真を配した内ジャケのアートワークも自作曲しか取り上げていないのでこれらカヴァーは商業的な「妥協案」だったのかもしれない──し、「最初の傑作」とされる『Scott 4』で遂に全曲オリジナルを達成する。
 しかし、ボードレールやローデンバッハを思わせる象徴主義/サイコジオグラフィを喚起し、政治を皮肉り30世紀の未来に思いを馳せ、中世スウェーデンを描いたベルイマン『第七の封印』を参照する、そんな時空間とアートのトラヴェラーである彼の「関節が外れた」感性と位相感覚を狂わせる和音・不協和音の拮抗は、前衛アートをポップスにまんまと売り込んだボウイ登場以前のこの時期、イギリスですらぶっ飛んでいたのだろう(1976年に彼が応じたラジオ・インタヴューで、番組に電話をかけてきたファン女性が「あなたの“Plastic Palace People”という曲には気持ちが悪くなるんですが」となじっていたのは、あの曲の言葉と音のイメージ双方が生む悪酔いしそうなサイケな渦を思えば納得だ)。『3』のジャケは今の感覚ですら面妖だし(本人の顔は毒々しく彩られた巨大な目の中に弱々しく浮かぶだけ)、スコット・エンゲル名義で発表したためチャート入りしなかったとも言われ程なくして廃盤になった『4』の2枚連続の失敗から「言わんこっちゃない」とばかりにアーティスティックな決定権を取り上げられた彼は、主にレコード契約消化のために作家ではなく歌手に徹していく。先述した70年代低迷期の始まりであり、80年代まで続いたその状況を「誰もが会ってみたがるが、その監督プロジェクトに誰も出資しようとしない」オーソン・ウェルズに自らなぞらえるほどだった(同じように出資者探しに苦労し続けているレオス・カラックスとのコラボレートは、その意味で実にいい顔合わせだ)。
 が、スコット版ブレルを下敷きに“Amsterdam”と“My Death”を60年代後期〜70年代初期にカヴァーするなど、かねてよりスコットに敬意を表していたボウイ(スコットの誕生日、1943年1月9日のほぼ4年後に生まれた)とイーノとのベルリン三部作に通じる音楽性が評価された『Nite Flights』(スコット曲は4曲だけとはいえプロデュースも兼任しているのでサウンド感覚は味わえる。意趣返しのごとくボウイは93年に“Nite Flights”をカヴァーした)あたりから、メビウスの輪のようにねじれた──先を行き過ぎていた、と評する人間もいるだろう──スコット的時間軸はリアル・タイムとシンクロしはじめる。
 イギリスにおけるパンクの功績のひとつに、ポスト・パンクやエレ・ポップ、ゴスといったその後の音楽的派生およびその新波が地方や郊外を活気づけた側面がある。80年代以降の「スコット再評価」の先陣を切ったコンピレーション『Fire Escape in the Sky: The Godlike Genius of Scott Walker』は英中部出身〜リヴァプール・シーンで活躍していたジュリアン・コープの愛の賜物だった(リリース元〈ズー〉はビル・ドラモンドが共同運営者)し、マーク・アーモンドも、ブリットポップ勢ファンも地方/郊外人。“Big Louise”の歌詞からとられた「Fire escape in the sky(空に伸びた非常階段)」のフレーズは、都会や摩天楼の輝きから遠い退屈な地と灰色の日常に縛られ、マイ・ベッドルームにひとりぼっちの王国を築きつつも窓の外を眺め「いつかここから飛び立ちたい」と願う地方の若人のロマン──映画『Billy Liar』的なそれ──の象徴だ。筆者が初めてスコット曲を聴いたのは〈エル〉のコンピ『London Pavilion Vol.1』収録のメイフェア・チャーム・スクールによる〝Montague Terrace (in Blue)〟のカヴァーだったが、〈エル〉もまた、80年代中期の当時に背を向けて40/50/60年代のイギリスを夢想する、奇妙なレーベルだった。NowとHereをすり抜けるポータルとして、時代はスコットを再発見しはじめた。
 だが、ここから彼のおこなった、再び時代を突き放す孤高のワープ航法はすさまじかった。『Climate〜』で初めて組んだ(そして最後までコラボレーションを続けることになる)プロデューサー:ピーター・ウォルシュとの出会いを経て、1995年にリリースされた『Tilt』から『The Drift』、『Bish Bosch』に至る三部作だ。その第一作にして新たなスコット像を確立した傑作『Tilt』での質感と空間性を重視したストイックなサウンドスケープは、彼が『Scott』を題したソロ4作で追求してきた「耳で聴く映画」の帰結/具現と言える。パイプ・オルガンや硬質なエレキ、寒気をもたらすパーカッション群、中国の横笛バウ他いびつで意外な響きが描き出す荒涼としたポエトリーとインダストリアルなアトーナル・シンフォニー。パゾリーニ、18世紀の英王妃スキャンダルとアドルフ・アイヒマン裁判、マンハッタンにボリヴィアと幅広く──というか、これは彼本人にしか理解できないランダムさだ──(奇)想を得た、アルカイックさとジョイス的なモダニズムを併せ持つ歌詞。ここで据えられた基盤から、スコットは映画『スコット・ウォーカー 30世紀の男』でも話題になった“Clara”録音場面での「豚肉パーカッション」、「歌」というものの概念を引っくり返す“SDSS1416+13B (Zercon, A Flagpole Sitter)”の錯乱した構成、フリー・ジャズからハワイアンへ脱臼する“Epizootics!”のサウンドのシフト等々、『The Drift』、『Bish Bosch』を通じて極北の世界観を突き詰めていった。それまでのイメージの残滓を完全にぬぐい去る漆黒のモノリスを思わせるこの3作で、彼はブラザーズ時代からのファンはもちろんのこと、80年代以降の「60年代キッチュを愛する」系な比較的若いファン層の一部に対してすら「失踪」をやってのけた、と言える。
 ライヴ・パフォーマンスを自主的に放棄し「レコーディング・アーティスト」に徹した面も大きかっただろう。側近スタッフの横領により齢74にして隠遁生活からツアー生活に戻る羽目になったレナード・コーエン、あるいはいまだにステージ上を転がり続けている同い年のミック・ジャガーといった具合に、ライヴをやらずに生き残るのは昨今の音楽家にとってタフだ。スコット本人は常々「仕上げたら、もう二度と自作は聴き返さない」と語っていて、それは「常に前だけ見ているアーティスト」としての(いささか格好良過ぎな)気風の表明とも映った──が、ライヴでの再演向けに習得する必然がないのだから当然でもある。同じようにツアーやライヴ活動に消極的なスタジオ系アーティストであるイーノも、2016年に『ele-king』向け取材で通訳をさせていただいた際「自分の書いた歌ですら、その大半の歌詞は覚えていない」と話していた。そんな彼が生前からスコットの歌詞も高く評価していたのは、同じ取材で「言葉の持つ〝意味合い〟に自分はさほど興味を掻き立てられない」と述べた感性ゆえだろう。たとえば『Soused』収録の“Bull(雄牛)”冒頭の歌詞。
 

 Fire-ant-necklace.
 Bump the beaky
 Watch-garroted.
 Bump the beaky
 火蟻の首飾り。
 鷲鼻をぶっつけろ
 時計付きの鉄環絞首台(スペインで生まれた拷問/死刑道具)。
 鷲鼻をぶっつけろ

 字面だけ読んでも意味はさっぱりわからない。陰惨なギターとパーカッションの激打と合わせて聴いているうち、首に何本もの槍を刺され、血を流しながら、それでも死に突進していく闘牛場の雄牛のイメージが浮かんでくる──が、首に青筋を立てて歌う様が浮かぶ、分割されて「B」の破裂音のインパクトに焦点を置いた「バン・パ/ビー・キー(Bump the Beaky)」としか聞こえない(=もはや意味をなさない)執拗でトチ狂った連呼は、大仰なだけに聴いているとつい笑ってしまう(ためしにこのフレーズを「ビ・ビ/ン・バ!」に替えて大声で歌ってみてください)。
 シュールな混交と言えば『Bish Bosch』もすさまじい。内蔵、卵、歯、静脈、内眼角贅皮、小便、肉、タンパク質、家畜のと殺、漿膜、肛門、性腺、ナメクジ、宦官、骨、精液、脳味噌、饐えた馬乳のビール、睾丸、痰、くしゃみ……等々、古い解剖学/生物学系用語や触覚・嗅覚・味覚に訴えてくる単語の数々および音作りは、2013年にオーストラリアでアンビシンフォニック版3Dインスタレーションになったのもうなずける作品だ。と同時に、緊張感のある「前衛」音楽と格調高そうな歌唱の中に唐突に「おなら?」と耳を疑うサウンドやクリスマスののんきなジングルが響き、「その大きな『ブタ鼻』がわたしの股の間に押し込まれて」とか「左の睾丸のように(右より)垂れ落ちていく夜の中で」といった奇矯なフレーズが耳に入ってくるたび、ブフッ!と吹き出さずにいられない──というか、“30 Century Man”ですら「うまくやり過ごして/残せるものはすべてサランラップに包んでおくがいい」と、妙に俗な台所用品名が目配せと共に使われていたわけで。
 筆者も先ほどから「荒涼」だの「極北」といった安文芸ライター調な言葉を使いまくっているが、そう言いたくなるくらいシリアスで重い音楽の中に、おそらく彼は「声に出して発語したり歌うと気持ちのいい響きを持つ言葉」(詩)と「イメージ喚起力の高い言葉」(文学)をダークなユーモアと共に差し出してもいた。この原稿のために生前のインタヴューをいくつかあさってみたところ、ドライなウィットに富んだ受け答えからも、スコット・ウォーカーはイギリス人以上にイギリス人な不思議なアメリカ人だったのかもしれない、と思う(2018年には自選歌詞集『Sundog』も出版されているので歌詞カードやブックレットをいちいち見るのが面倒だ、という方はぜひ。ただし、曲と一緒に、ヴォーカルと音楽の情景を味わいつつ読むのがベストだと思います)。

 にしても、晩年に向けてスコット色を再び強めた(と自分は思っている)ボウイは一足先に世を去り、スコット沒の約1ヶ月前=2月25日にはイギリスにおけるポスト・ロックの先駆者マーク・ホリス(トーク・トーク)も亡くなった。ポップ・スターから隠遁者になり、孤独な惑星から異界の音を受信し独自に翻案しこちらに通信してくれる人びと(ケイト・ブッシュ、デイヴィッド・シルヴィアンらもここに入るだろうか)──の灯りが少しずつ消えていくのは切ないとはいえ、寿命なので仕方ない。だが、“Brando”で「Ahh…, the wide Missouri!(ああ、広大なミズーリよ!)」と(おそらくイギリスにいながらにして)アメリカ中西部の平野を朗々と称えると共にマーロン・ブランドの倒錯した被虐性を描き出したスコット・ウォーカーという人の無茶苦茶な奔放さ/優雅さとがないまぜの声と想像力、そして様々な犠牲を払ってそのヴィジョンを最後まで守り抜いた姿勢が、これからもひとにぎりのアーティストたちの霊感になっていくのを祈らずにいられない。

Dwight Trible - ele-king

 いまのジャズ・ファンにとって、ドゥワイト・トリブルはカマシ・ワシントンの作品で歌っているシンガーという認識が強いかもしれない。しかしながら実際は、はるかそれ以前の1970年代から長い活動を続けるミュージシャンで、カマシやサンダーキャットたちにとっては親の世代にあたる。振り返れば2000年代はカルロス・ニーニョ率いるビルド・アン・アークへ参加し、それによってクラブ・ジャズ方面でも知られる存在となった。カルロス関連ではライフ・フォース・トリオ、アモン・コンタクトなどさまざまなユニットやプロジェクトにも参加し、ジャズだけでなくヒップホップやフォークトロニカにいたる幅広いサウンドとの融合も見せた。その後はビルド・アン・アークやライフ・フォース・トリオのドラマーを務めたデクスター・ストーリーと共同プロデュースで、ソロ・アルバムの『コズミック』(2011年)をリリース。そのデクスター・ストーリーのアルバム『シーズンズ』(2012年)にも参加していたが、再び脚光を浴びるようになったのはカマシ・ワシントンの『ジ・エピック』(2015年)や『ヘヴン・アンド・アース』(2018年)で歌ったことからだろう。ただし、ドゥワイト・トリブルにとってそれら活動はビルド・アン・アークでやっていたことの延長線上にあるものと言え、今も昔も彼の音楽は一貫している。

 ビルド・アン・アークは2001年9月11日のアメリカ同時多発テロをきっかけに、音楽を通して平和と愛を伝えるという目的のためにミュージシャンたちが集まった。そもそもは1998年頃、カルロス・ニーニョがホストを務めるロサンゼルスのネット・ラジオにドゥワイト・トリブルがゲストで招かれ、そこから始まった交流がドゥワイトのファースト・アルバム『ホレス』(2001年)へ繋がり、それからビルド・アンド・アーク結成へと導かれていった。実質的にドゥワイトとカルロスのコラボとなる『ホレス』は、1999年に他界したピアニストのホレス・タプスコットに捧げたものだ。ホレス・タプスコットは1960年代よりロサンゼルスのジャズ・シーンを牽引してきた人物で、1970年代から80年代にかけてパン・アフリカン・ピープルズ・アーケストラを率い、自由公民権運動に基づくアフリカ回帰色の色濃いスピリチュアル・ジャズやフリー・ジャズを演奏していた。サン・ラーのアーケストラに呼応した名前がつけられたこの楽団には、ロサンゼルス周辺の若いミュージシャンが出入りし、音楽や演奏技術を伝承する育成機関的な側面もあったのだが、ドゥワイトもその出身者のひとりで、ホレスから音楽だけでなく人生や哲学など多くのことを学んでいた。ビルド・アン・アークもそうしたホレスの精神を受け継いでおり、それは現在のカマシ・ワシントンの世界にも繋がっている。

 ドゥワイトの近年のソロ・アルバムに、マシュー・ハルソールとの共演で〈ゴンドワナ〉からリリースした『インスピレーションズ』(2017年)がある。ドゥワイトはファラオ・サンダースのバンドにいたこともあって、南アフリカのジャズ・フェスに出演した際、マシュー率いるゴンドワナ・オーケストラによるファラオ・サンダースとレオン・トーマスの“ザ・クリエイター・ハズ・ア・マスター・プラン”のカヴァー演奏に感銘を受け、そうして意気投合して『インスピレーションズ』を録音した。その後も〈ゴンドワナ〉設立10周年企画となるEP「カラーズ」(2018年)で、ゴンドワナ・オーケストラと共演してファラオ・サンダースの名作群をカヴァーするなど、最近はUKとの結びつきが強かったドゥワイトだが、今回の新作『マザーシップ』はUKの〈ギアボックス〉からのリリースではあるものの、録音は地元ロサンゼルスに戻っておこなわれた。参加ミュージシャンはカルロス・ニーニョ(ハンド・パーカッション)、ミゲル・アトウッド・ファーガソン(ヴィオラ)、ダーフ・レクロウ(パーカッション)というビルド・アン・アーク時代からの盟友に、カマシ・ワシントン(テナー・サックス)、マーク・ド・クライヴ・ロウ(ピアノ)と交流の深い面々。ほかにベテラン・ベーシストのジョン・B・ウィリアムズ、キューバ出身のドラマーのラムセス・ロドリゲス、女流ハーピストのマイアがサポートしている。マークのピアノ・トリオが軸となり、カマシが入るのは“マザーシップ”の1曲のみで、基本的にはドゥワイトの歌を引き立てるコンパクトで抑え目の演奏となっている。

 『マザーシップ』の楽曲の多くはカヴァーで構成される。“マザーシップ”はホレス・タプスコットの作曲で、パン・アフリカン・ピープルズ・アーケストラの一員だったリンダ・ヒルが歌詞をつけたもの。“マザー”もホレス周辺のミュージシャンでビルド・アン・アークにも参加していたネイト・モーガンの曲で、詩人のカマウ・ダウードが歌詞をつけている。“デザート・フェアリー・プリンセス”はパン・アフリカン・ピープルズ・アーケストラの一員のジェシー・シャープスの曲で、同楽団メンバーで夭逝したアデル・セバスチャンの演奏でも知られる1曲という具合に、ホレス・タプスコット・ファミリーから連なる楽曲がやはり多い。ほかにはダニー・ハサウェイの“サンキュー・マスター”にビートルズの“トゥモロウ・ネヴァー・ノウズ”、同じジャズ・シンガーではオスカー・ブラウン・ジュニアの“ブラザー・ホェア・アー・ユー?”にカーメン・ランディの“ディーズ・シングス・ユー・アー・トゥ・ミー”もやっている。アフロ・ラテン調のモーダルな“マザーシップ”でアルバムは始まるが、このタイトルはかつてパーラメントが『マザーシップ・コネクション』でも用いたように、アフロ・アメリカンたちのアフロフューチャリズムを象徴するワード。ドゥワイトらしいスピリチャル・ジャズである。その流れは軽やかなアフロ・キューバン・リズムの“イッツ・オール・アバウト・ラヴ”へ引き継がれる。マークの美しいピアノをバックにドゥワイトが歌うのは、ビルド・アン・アークのころから一貫したユニヴァーサルな愛の歌。“ウォーキン・トゥ・パラダイス”の世界観は、カマシ・ワシントンの『ヘヴン・アンド・アース』のそれにも通じるもので、ゴスペル・フィーリングに満ち溢れている。同じくゴスペル的な“サンキュー・マスター”、ミゲルのヴィオラをバックに咆哮のようなヴォーカルを聴かせる“スタンディング・イン・ザ・ニード・オブ・プレイヤー”では神や祈りがテーマとなる。サイケデリックでフリー・インプロヴィゼイション感覚に富む“トゥモロウ・ネヴァー・ノウズ”に、神秘的なディープ・モーダル・ジャズの“デザート・フェアリー・プリンセス”、優しく慈愛に満ちた歌声を披露するバラード曲の“マザー”や“ソング・フォー・マイ・マザー”。現在の男性ジャズ・シンガーの代表格にグレゴリー・ポーターがいるが、そのルーツ的な存在で指標ともなってきたのがこのドゥワイトで、そんな彼のスケールの大きさを物語るアルバムとなっている。

Carole & Tuesday - ele-king

 これはビッグ・ニュースだ。去る2月、デヴィッド・ファースによるWebアニメ・シリーズ『Salad Fingers』の新作に音楽を提供していることが話題となったばかりのフライング・ロータスだけれど、なななんと、渡辺信一郎による最新アニメ『キャロル&チューズデイ』にもコンポーザーとして参加していることが明らかとなった。さらに同作には、フライローの盟友たるサンダーキャットまで参加しているというのだから驚きだ。ほかに G.RINA、マイカ・ルブテ、☆Taku Takahashi が参加していることも発表され、音楽好きとして知られる渡辺総監督の気合いがひしひしと伝わってくる。
 また今回の発表にあわせ、ナルバリッチとベニー・シングスが手がけるOP・ED曲(ヴォーカルはナイ・ブリックスとセレイナ・アン)を収録したシングルが5月29日にリリースされることも決定、現在OP曲“Kiss Me”のMVが公開されている。ボンズ20周年×フライングドッグ10周年記念作品として送り出される『キャロル&チューズデイ』、放送開始は1週間後の4月10日(フジテレビ「+Ultra」、NETFLIXほか)。モッキーが劇伴を担当し、総監督みずからが音響監督を務める同作、けっして見逃すことなかれ。

[4月24日追記]
 本日、フライング・ロータスやサンダーキャットらが手がける劇中挿入歌を収録したヴォーカル・アルバム『VOCAL COLLECTON Vol.1』のリリースがアナウンスされた。発売日は7月10日。アニメ好きとして知られるフライロー&サンダーキャットだけれど、まさかの本人アニソン・デビューである。いったいどんな曲に仕上がっているのやら。続報を待とう。

[4/24更新]
TVアニメ『キャロル&チューズデイ』
フライング・ロータス、サンダーキャットらが手掛ける劇中挿入歌(1クール分)を収録したアルバム『VOCAL COLLECTON Vol.1』 7/10発売決定!!

■TVアニメ『キャロル&チューズデイ』VOCAL COLLECTION Vol.1
7月10日(水)発売
VTCL-60499 / POS: 4580325328639 / ¥3,000+tax
※配信
iTunes Store、レコチョク、moraほか主要ダウンロードサイト及びストリーミングサービスにて5月29日(水)より配信スタート

(収録内容)
TVアニメ「キャロル&チューズデイ」を彩るキャラクターが歌唱する約20曲の劇中歌を収録。
※2019年4月から連続2クール(半年間)放送となるTVアニメ『キャロル&チューズデイ』の1クール分(12話分)の劇中歌をまとめたヴォーカルアルバム

・キャロル&チューズデイ (Vo. Nai Br.XX & Celeina Ann) / 「The Loneliest Girl」
 作詞/作曲/編曲: Benny Sings
・キャロル&チューズデイ (Vo. Nai Br.XX & Celeina Ann) / 「Round&Laundry」
 作詞/作曲/編曲: 津野米咲
・DJアーティガン / 「Who am I the Greatest」
 作曲: ☆Taku Takahashi (m-flo)

他、20曲収録予定

総監督:渡辺信一郎、アニメーション制作:ボンズ、キャラクター原案:窪之内英策ら強力なスタッフ陣が挑む
全世界の音楽を愛する人に捧げる、2人の少女が起こした奇跡の物語。

『キャロル&チューズデイ』

☆オープニングテーマ「Kiss Me」ミュージックビデオ公開!!
☆オープニング&エンディングテーマ
「Kiss Me/Hold Me Now」5/29リリース決定!!
☆第3弾参加コンポーザー
(フライング・ロータス、サンダーキャット等)発表!!
☆『キャロル&チューズデイ』劇中ボーカル曲参加コンポーザー
 ラインナップ映像公開!!

きっと忘れない。
あの、永遠のような一瞬を。
あの、ありきたりな奇跡を。

ボンズ20周年×フライングドッグ10周年記念作品として総監督・渡辺信一郎、
キャラクター原案・窪之内英策を迎えアニメ史を塗り替える、全世界に向けた音楽作品
TVアニメ『キャロル&チューズデイ』。
本日、番組オープニングテーマ「Kiss Me」のミュージックビデオが公開となった。
出演は『キャロル&チューズデイ』のシンガーボイスを担当しているNai Br.XX(ナイ・ブリックス)&Celeina Ann(セレイナ・アン)。この2人は全世界オーディションによって選ばれたシンガー。

オープニングテーマ「Kiss Me」は先日、ミュージックステーションにも初出演し、現在男女問わず
絶大な人気を誇るNulbarich(ナルバリッチ)によるプロデュース楽曲。この「Kiss Me」にのせてギブソン(ハミングバード)を弾きながら歌うセレイナ・アンとナイ・ブリックスが向かいあって歌うシーンはまさに『キャロル&チューズデイ』を象徴しているようなミュージックビデオになっている。

「Kiss Me」Music Video(short ver.)
URL: https://youtu.be/k45EpgweT9o

またこのオープニングテーマ「Kiss Me」とオランダを代表するポップの才人・Benny Sings(ベニー・シングス)プロデュースによるエンディングテーマ「Hold Me Now」を収録したシングルCD、配信、アナログ盤が5/29にリリースすることが決定した。

そして、劇中ボーカル曲第3弾参加コンポーザーも同時に発表となった。
LAビートシーンを先導する存在であり、現在の音楽シーンのカギを握る最重要人物であるFlying Lotus(フライング・ロータス)。
超絶技巧のベーシストでもあり、ここ数年のブラックミュージックの盛り上がりにおいて、誰もが認める立役者の一人にでもあるThundercat(サンダーキャット)。
日本の女性シンガーソングビートメーカー/DJで土岐麻子やNegiccoなどへの楽曲提供からtofubeats、鎮座DOPENESSなどとのコラボなど、幅広い領域で活動しているG. RINA(ジーリナ)。
Shu Uemuraやagnès bなどの 数々のファッションブランドやCM音楽を数多くプロデュースしている気鋭のシンガーソングライター/トラックメーカーのMaika Loubté(マイカ ルブテ)。
m-floのトラック・メイカーとしての活動はもちろんのこと、音楽プロデューサーとしても向井太一や加藤ミリヤなどを手がけ、アニメ「Panty&Stocking with Garterbelt」などのサントラも担当しており、渡辺信一郎監督作では「スペース☆ダンディ」にも楽曲提供している☆Taku Takahashi (m-flo)といった超豪華な面々。

合わせて現時点で参加している全てのコンポーザーのラインナップ映像も公開となった。

参加コンポーザーラインナップ映像
URL: https://youtu.be/jJ6QCaqCC5g

このメンツを見るだけでも胸アツラインナップだが、今後もさらに参加コンポーザーが発表されるようなので
今からこちらも楽しみに待ちたい。
いよいよ第1話放送まで1週間に迫った他に類を見ない本作に是非ご期待ください!!

------------------------------------

INFORMATION

OPテーマ「Kiss Me」/ EDテーマ「Hold Me Now」
キャロル&チューズデイ(Vo. Nai Br.XX & Celeina Ann)
5月29日(水)発売

<収録曲>
1. Kiss Me (作詞/作曲/編曲:Nulbarich)
2. Hold Me Now (作詞/作曲/編曲:Benny Sings)
3. Kiss Me TV size ver.
4. Hold Me Now TV size ver.

※シングルCD
VTCL-35302/POS:T4580325 328578
¥1,300+tax

※アナログ盤
VTJL-2 /T4580325 328622
¥2,000+tax

※配信
iTunes Store、レコチョク、moraほか主要ダウンロードサイト及びサブスクリプションサービスにて5月29日(水)より配信スタート

------------------------------------

渡辺信一郎監督の新作「キャロル&チューズデイ」に楽曲を提供するアーティスト第3弾。
フライング・ロータスは正真正銘、現在の音楽シーンのカギを握る最重要人物だ。彼は本名をスティーヴ・エリソンというプロデューサーで、83年にロサンゼルスで、お婆さんのお姉さんがアリス・コルトレーンという家系に生まれた。06年にビート・メイカーとしてデビュー。08年には自らのレーベル=ブレインフィーダーを立ち上げ、ヒップホップやテクノ、ジャズなどを包括するLAのビート・シーンを先導する存在となった。今のところの最新作『ユーアー・デッド!』にはラッパーのケンドリック・ラマーやハービー・ハンコックなども参加している。昨年8月には“ソニックマニア”出演のために来日し、3D映像と融合したDJステージを展開、そこでもゲームや『攻殻機動隊』サントラなどをプレイしたが、「カウボーイ・ビバップ」なども好きだったようで、渡辺信一郎監督の『ブレードランナー ブラックアウト2022』の音楽を監督からの要望で担当してもいる。
 そんなフライング・ロータスと楽曲を共作するのがサンダーキャット。ブレインフィーダー・レーベルに所属するロータスの盟友の一人だ。彼は本名をスティーヴン・ブルーナーといい、84年にLAで生まれた。ベーシストとしてスラッシュ・メタルのスイサイダル・テンデンシーズから、R&Bのエリカ・バドゥ、ラップのケンドリック・ラマーまで、様々なアーティストと共演してきたが、そんな経歴を詰め込んだようなハイブリッドな音楽性で11年にソロ・デビューした。シンガー・ソングライター的な側面を強めた『ドランク』(17年)はそんな彼の決定版で、マイケル・マクドナルドなどを迎えた「ショウ・ユー・ザ・ウェイ」はAOR再評価の波と相まって、大きな話題となった。
 ☆Taku Takahashiは日本のDJ、音楽プロデューサー。98年からm-floのトラック・メイカーとして活動、99年にメジャー・デビューしてからヒット曲を連発した。音楽プロデューサーとしても向井太一や加藤ミリヤ、MINMIなどを手がけ、最近では韓国のセクシー・グループ、EXIDの日本オリジナル曲もプロデュースした。また、アニメ「Panty&Stocking with Garterbelt」などのサントラも担当しており、渡辺信一郎監督作では「スペース☆ダンディ」にも楽曲提供している。
 G.RINA(ジー・リナ、グディングス・リナ)は日本の女性シンガー/ビートメイカー/DJ。03年にすべてセルフ・プロデュースで作り上げたアルバムでデビューした。ディスコ/ソウル/ヒップホップを始め、広くダンス・ミュージックにこだわった音楽性で、07年にはビクターからメジャー・デビューしたが、同時にインディ・レーベルも主宰するなど、独自の活動を続けている。土岐麻子やNegiccoなどへの楽曲提供から、tofubeats、鎮座DOPENESSなどとのコラボなど、幅広い領域で活動している。
 Maika Loubté(マイカ ルブテ)は日本人の母とフランス人の父の間に生まれた女性シンガー・ソングライター/トラックメイカー/DJ。10代まで日本・パリ・香港で過ごし、14歳で作詞/作曲を始めた。小山田圭吾、鈴木慶一、菊地成孔などとの共演を経て、14年にアルバム・デビュー。ヴィンテージなアナログ・シンセから最新電子楽器までを駆使した宅録女子として独自の世界を作り上げている。CM音楽や劇中歌なども数多く手がける気鋭のクリエイターだ。

Text: 高橋修

------------------------------------

Flying Lotus(フライング・ロータス)
LA出身のプロデューサー、フライング・ロータスことスティーヴン・エリソン。大叔父にモダンジャズの名サックスプレイヤーのジョン・コルトレーン、そしてその妻でありジャズミュージシャンのアリス・コルトレーンを大叔母に持つ。LAビートシーンの最重要人物にして、サンダーキャットやテイラー・マクファーリン、ティーブスらを輩出した人気レーベル〈Brainfeeder〉を主宰。2010年の『Cosmogramma』、2012年の『Until The Quiet Comes』、そして世界各国で自己最高のセールスを記録し、その年を代表する名盤として高い評価を受けた2014年の『You're Dead!』などのアルバムを通して、その評価を絶対的なものとする。2017年には、自ら手がけた映画『KUSO』の公開や、渡辺信一郎監督の短編アニメーション『ブレードランナー ブラックアウト 2022』の音楽を手がけるなど、その活躍の場をさらに広げている。

Thundercat(サンダーキャット)
フライング・ロータス諸作を始め、ケンドリック・ラマー、カマシ・ワシントンらの作品に参加する超絶技巧のベーシストとしてシーンに登場し、ここ数年のブラックミュージックの盛り上がりにおいて、誰もが認める立役者の一人にまで成長したサンダーキャット。2011年の『The Golden Age Of Apocalypse』、2013年の『Apocalypse』でその実力の高さを証明し、2017年の音楽シーンを象徴する傑作として高く評価された最新作『Drunk』ではケンドリック・ラマー、ファレル・ウィリアムス、フライング・ロータス、マイケル・マクドナルド、ケニー・ロギンス、ウィズ・カリファ、カマシ・ワシントンら超豪華アーティストが勢揃いしたことでも話題となり、その人気を決定づけた。

G.RINA (ジーリナ)
シンガーソングビートメイカー・DJ
近作アルバム『Lotta Love』『LIVE & LEARN』では80年代 90年代へのオマージュとともに、日本語歌詞のメロウファンク、ディスコ、モダンソウルを追求している。英国、韓国アーティスト、ヒップホップからアイドルまで幅広くプロデュース、詞/楽曲提供、客演など。2018年、ZEN-LA-ROCK、鎮座ドープネスとともにヒップホップユニット「FNCY」を結成。
https://grina.info

Maika Loubté (マイカ ルブテ)
Singer song writer / Track maker
SSW/トラックメーカー/DJ。近所のリサイクルショップでヴィ ンテージアナログシンセサイザーを購入したことをきっかけに、ドリームポップとエレク トロニックミュージックを融合させたスタイルで音楽制作を始める。 日本とフランスのミックスであり、幼少期から十代を日本・パリ・香港で過ごす。
2016年夏、アルバム『Le Zip』(DIGITAL/CD+42P PHOTO BOOK)をリリース。
のち2017年3月にリリースしたEP『SKYDIVER』がJ-WAVE「TOKIO HOT 100」に選出され、
番組にも出演。2017年5月、Underworldがヘッドライナーを務めた バンコクの音楽フェス
「SUPER SUMMER SOUND 2017」に出演。 SUMMER SONIC 2017出演。同年7月、Gap“1969 Records”とのコラボレーションによりMVが制作された「Candy Haus」を、配信と7インチLPでリリース。
インディペンデントな活動を続けながら、Shu Uemuraやagnès bなどの 数々のファッションブランドやCM音楽をプロデュースし、これまでに自主盤を含め2つのアルバムと3つのシングルEPを発表。
2017年、米Highsnobietyが企画・制作したMercedes BenzのWeb CMに出演し、
未発表曲がフィーチャーされた。台湾・中国・韓国・タイ・フランスでのライブパフォーマンスも成功させ、活動の幅を広げている。2019年、新作フルアルバムをリリース予定。元Cibo MattoのMiho Hatoriらを客演に迎え、PhoenixやDaftpunkなども手がけるAlex Gopherがマスタリングを務めた。
Official web www.maikaloubte.com
Twitter https://twitter.com/maika_loubte
Instagram https://www.instagram.com/maika_loubte/

☆Taku Takahashi (m-flo)
DJ、プロデューサー。98年にVERBAL、LISAとm-floを結成。
ソロとしてもCalvin Harris、The Ting Tings、NEWS、V6、Crystal Kay、加藤ミリヤ、MINMIなど国内外アーティストのプロデュースやRemix制作も行うほか、アニメ「Panty&Stocking with Garterbelt」、ドラマ・映画「信長協奏曲」、ゲーム「ロード オブ ヴァーミリオン III」など様々な分野でサウンドトラックも監修。2010年にリリースした「Incoming... TAKU Remix」は世界最大のダンスミュージック配信サイト“beatport”で、D&Bチャートにて年間1位を獲得。また同曲で、過去受賞者にはアンダーワールドやファットボーイ・スリム、ジャスティス等、今や誰もが知っているスーパースター達が名を連ねる『beatport MUSIC AWARDS 2011 TOP TRACKS』を獲得し、日本人として初めての快挙を成し遂げ、名実ともに世界に通用する事を証明した。
国内外でのDJ活動でクラブシーンでも絶大なる支持を集め、LOUDの“DJ50/50”ランキング国内の部で3年連続1位を獲得し、日本を牽引する存在としてTOP DJの仲間入りを果たした。2011年に自身が立ち上げた日本初のダンスミュージック専門インターネットラジオ「block.fm」は新たな音楽ムーブメントの起点となっている。2018年3月7日には、15年ぶりにLISAが復帰しリユニオンしたm-floのNEW EP「the tripod e.p.2」をリリース。m-floの最新シングル「MARS DRIVE」「Piece of me」「epic」も好評配信中。
https://twitter.com/takudj
https://block.fm/

------------------------------------

《キャロル&チューズデイとは?》

ボンズ20周年×フライングドッグ10周年記念作品。
総監督に『サムライチャンプルー』・『カウボーイビバップ』・『アニマトリクス』・『ブレードランナー ブラックアウト2022』ほかを手掛け国内外においてカリスマ的な人気を誇る、渡辺信一郎。
キャラクター原案に、日清食品カップヌードルCM「HUNGRY DAYS 魔女の宅急便篇」、「HUNGRY DAYSアルプスの少女ハイジ篇」などのキャラクターデザインで人気を博している窪之内英策。
この強力タッグのもと、アニメーション制作は『COWBOY BEBOP 天国の扉』・『鋼の錬金術師』・『交響詩篇エウレカセブン』・『僕のヒーローアカデミア』など数多くのヒット作品を世に送り続けるボンズ、物語の主軸となる音楽は『カウボーイビバップ』・『マクロス』シリーズなど数々のヒットアニメーション音楽を作り出すフライングドッグが担当する。
劇中音楽はカナダ出身のアーティストMockyが手掛け、主題歌は全世界オーディションによって選出されたNai Br.XX(ナイ・ブリックス)、Celeina Ann(セレイナ・アン)がキャロル・チューズデイのWキャストとして曲を歌唱する。音楽にも強い拘りがある本作は海外アーティストからの楽曲提供が多く、さらに劇中歌及び主題歌は全て外国語で歌唱される。
オープニングテーマ「Kiss Me」は現在、男女問わず絶大な人気を誇るNulbarich(ナルバリッチ)。エンディングテーマ「Hold Me Now」はオランダを代表するポップの才人・Benny Sings(ベニー・シングス)が担当。また、劇中ボーカル曲参加コンポーザーとして、ノルウェー出身の音楽プロデューサー・ミュージシャンのLido、オランダを代表するポップの才人・Benny Sings、エレクトロポップデュオ《The Postal Service》への参加でも知られるUSインディー界の歌姫・JEN WOOD、女性4人によるロックバンド・《赤い公園》でギターを担当する津野米咲、ビヨンセやリアーナ、ジェニファーロペスなど超大物アーティストに楽曲を提供しているEvan "Kidd" Bogart、現在活動停止中ではあるがロック・ファンにはなじみの深いKeane(キーン)のTim Rice-Oxley、コーネリアスやファイストなどとのコラボも話題となったノルウェー出身のグループ、Kings of Convenience(キングス・オブ・コンビニエンス)のEirik Glambek Bøe等といったこちらも早々たる面子が音楽で本編を彩る。
2019年4月10日からのオンエアに向けて本編、音楽ともに絶賛鋭意制作中!
他に類をみない本作品に乞うご期待!!!

☆新プロモーション映像
 URL: https://youtu.be/CBak9m0bcB0
☆ドキュメンタリー映像
・Story of Miracle (vol.1)
 URL: https://youtu.be/hzxqk2dVvf4
・Story of Miracle (vol.2)
 URL: https://youtu.be/K8X10gdWz-A

《あらすじ》
人類が新たなフロンティア、火星に移り住んでから50年になろうという時代。
多くのカルチャーはAI によって作られ、人はそれを享楽する側となった時代。
ひとりの女の子がいた。
首都、アルバシティでタフに生き抜く彼女は、働きながらミュージシャンを目指してい
た。いつも、何かが足りないと感じていた。
彼女の名はキャロル。
ひとりの女の子がいた。
地方都市、ハーシェルシティの裕福な家に生まれ、ミュージシャンになりたいと思ってい
たが、誰にも理解されずにいた。世界でいちばん孤独だと思っていた。
彼女の名はチューズデイ。
ふたりは、偶然出会った。
歌わずにいられなかった。
音を出さずにいられなかった。
ふたりなら、それができる気がした。
ふたりは、こんな時代にほんのささやかな波風を立てるだろう。
そしてそれは、いつしか大きな波へと変わっていく───

■メインスタッフ
原作:BONES・渡辺信一郎
総監督:渡辺信一郎
監督:堀 元宣
キャラクター原案:窪之内英策
キャラクターデザイン:斎藤恒徳
メインアニメーター:伊藤嘉之、紺野直幸
世界観デザイン:ロマン・トマ、ブリュネ・スタニスラス
美術監督:河野羚
色彩設計:垣田由紀子
撮影監督:池上真崇
3DCGディレクター:三宅拓馬
編集:坂本久美子
音楽:Mocky
音響効果:倉橋静男
MIXエンジニア:薮原正史
音楽制作:フライングドッグ
アニメーション制作:ボンズ
公式HP: https://caroleandtuesday.com/
Twtter: @carole_tuesday
Instgram: @caroleandtuesday
Facebook: https://www.facebook.com/caroleandtuesdayofficial/

©ボンズ・渡辺信一郎/キャロル&チューズデイ製作委員会

《主題歌情報》
オープニングテーマ「Kiss Me」
作詞・作曲・編曲:Nulbarich
歌:キャロル&チューズデイ(Vo. Nai Br.XX & Celeina Ann)

エンディングテーマ「Hold Me Now」
作詞・作曲・編曲:Benny Sings
歌:キャロル&チューズデイ(Vo. Nai Br.XX & Celeina Ann)

■メインキャスト
キャロル:島袋美由利
チューズデイ:市ノ瀬加那
ガス:大塚明夫
ロディ:入野自由
アンジェラ:上坂すみれ
タオ:神谷浩史
アーティガン:宮野真守
ダリア:堀内賢雄
ヴァレリー:宮寺智子
スペンサー:櫻井孝宏
クリスタル:坂本真綾
スキップ:安元洋貴

■シンガーボイス
Nai Br.XX(キャロル)
Celeina Ann(チューズデイ)
Alisa(アンジェラ)

■本作参加コンポーザー
Mocky / Nulbarich / Benny Sings / Lido / JEN WOOD / 津野米咲(赤い公園) / Evan "Kidd" Bogart / Tim Rice-Oxley (Keane) / Eirik Glambek Bøe (Kings of Convenience) / Flying Lotus / Thundercat / G.RINA / Maika Loubté / ☆Taku Takahashi (m-flo)
・・・and more

《タイアップ》
ノード、ギブソンとのタイアップ決定!!
世界のトッププレイヤーたちが愛用するシンセサイザー/キーボードの“Nord”ブランドと世界的老舗ギターメーカー“ギブソン” (Hummingbird)とのコラボレーションが決定!
キャロルのキーボード、チューズデイのギターにはそれぞれNord、ギブソンのロゴが入り、
リアルな音楽作品としてよりいっそう本タイトルを盛り上げます。

協力:株式会社ヤマハミュージックジャパン(日本国内におけるNordブランド製品の輸入・販売元)

《放送情報》
2019年4月10日よりフジテレビ「+Ultra」にて毎週水曜日24:55から放送開始(初回は25:05~)
NETFLIXにて4月10日配信開始。2話~毎週木曜日配信(日本先行)
ほか各局にて放送 (関西テレビ/東海テレビ/テレビ西日本/北海道文化放送/BSフジ)

・テレビ西日本 4月10日(水)25:55~26:25
・東海テレビ 4月13日(土)25:55~26:25
・北海道文化放送 4月14日(日)25:15~25:45
・関西テレビ 4月16日(火)25:55~26:25 
・BSフジ 4月17日(水)24:00~24:30 

  1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 100 101 102 103 104 105 106 107 108 109 110 111 112 113 114 115 116 117 118 119 120 121 122 123 124 125 126 127 128 129 130 131 132 133 134 135 136 137 138 139 140 141 142 143 144 145 146 147 148 149 150 151 152 153 154 155 156 157 158 159 160 161 162 163 164 165 166 167 168 169 170 171 172 173 174 175 176 177 178 179 180 181 182 183 184 185 186 187 188 189 190 191 192 193 194 195 196 197 198 199 200 201 202 203 204 205 206 207 208 209 210 211 212 213 214 215 216 217 218 219 220 221 222 223 224 225 226 227 228 229 230 231 232 233 234 235 236 237 238 239 240 241 242 243 244 245 246 247 248 249 250 251 252 253 254 255 256 257 258 259 260 261 262 263 264 265 266 267 268 269 270 271 272 273 274 275 276 277 278 279 280 281 282 283 284 285 286 287 288 289 290 291 292 293 294 295 296 297 298 299 300 301 302 303 304 305 306 307 308 309 310 311 312 313 314 315 316 317 318 319 320 321 322 323 324 325 326 327 328 329 330 331 332 333 334 335 336 337 338 339 340 341 342 343 344 345 346 347 348 349 350 351 352 353 354 355 356 357 358 359 360 361 362 363 364 365 366 367 368 369 370 371 372 373 374 375 376 377 378 379 380 381 382 383 384 385 386 387 388 389 390 391 392 393 394 395 396 397 398 399 400 401 402 403 404 405 406 407 408 409 410 411 412 413 414 415 416 417 418 419 420 421 422 423 424 425 426 427 428 429 430 431 432 433 434 435 436 437 438 439 440 441 442 443 444 445 446 447 448 449 450 451 452 453 454 455 456 457 458 459 460 461 462 463 464 465 466 467 468 469 470 471 472 473 474 475 476 477 478 479 480 481 482 483 484 485 486 487 488 489 490 491 492 493 494 495 496 497 498 499 500 501 502 503 504 505 506 507 508 509 510 511 512 513 514 515 516 517 518 519 520 521 522 523 524 525 526 527 528 529 530 531 532 533 534 535 536 537 538 539 540 541 542 543 544 545 546 547 548 549 550 551 552 553 554 555 556 557 558 559 560 561 562 563 564 565 566 567 568 569 570 571 572 573 574 575 576 577 578 579 580 581 582 583 584 585 586 587 588 589 590 591 592 593 594 595 596 597 598 599 600 601 602 603 604 605 606 607 608 609 610 611 612 613 614 615 616 617 618 619 620 621 622 623 624 625 626 627 628 629 630 631 632 633 634 635 636 637 638 639 640 641 642 643 644 645 646 647 648 649 650 651 652 653 654 655 656 657 658 659 660 661 662 663 664 665 666 667 668 669 670 671 672 673 674 675 676 677 678 679 680 681 682 683 684 685 686 687 688 689 690 691 692 693 694 695 696 697 698 699 700 701 702 703 704 705 706 707 708 709 710 711 712 713 714 715 716 717 718 719 720 721 722 723 724 725 726 727 728 729 730 731 732 733 734 735 736 737 738 739 740 741 742 743 744 745 746 747 748 749 750 751 752 753 754 755 756 757 758 759 760 761 762 763 764 765 766 767 768 769 770 771 772 773 774 775 776 777 778 779 780 781 782 783 784 785 786 787 788 789 790 791 792 793 794 795 796 797 798 799 800 801 802 803 804 805 806 807 808 809 810 811 812 813 814 815 816 817 818 819 820 821 822 823 824 825 826 827 828 829 830 831 832 833 834 835 836 837 838 839 840 841 842 843 844 845 846 847 848 849 850 851 852 853 854 855 856 857 858 859 860 861 862 863 864 865 866 867 868 869 870 871 872 873 874 875 876 877 878 879 880 881 882 883 884 885 886 887 888 889 890 891 892 893 894 895 896 897 898 899 900 901 902 903 904 905 906 907 908 909 910 911 912 913 914 915 916 917 918 919 920 921 922 923 924 925 926 927 928 929 930 931 932 933 934 935 936 937 938 939 940 941 942 943 944 945 946 947 948 949 950 951 952 953 954 955 956 957 958 959 960 961 962 963 964 965 966 967 968 969 970 971 972 973 974 975 976 977 978 979 980 981 982 983 984 985 986 987 988 989 990 991 992 993 994 995 996 997 998 999 1000 1001 1002 1003 1004 1005 1006 1007 1008 1009 1010 1011 1012 1013 1014 1015 1016 1017 1018 1019 1020 1021 1022 1023 1024 1025 1026 1027 1028 1029 1030 1031 1032 1033 1034 1035 1036 1037