レコード店は音楽の現場であり、メディアでもある。例えば、下北沢にあるZEROにはベース・ミュージックとグライムがある。ジェット・セットに行けばチルウェイヴとクラウド・ラップが交錯している。下高井戸のトラスムンドに行けば池袋ベッド系の音があって、ロスアプソンに行けばクンビアがあるだろう。いずれにせよ、お店に集まってくる情報は、amazonにはない、生々しい同時代性と緊張感がある。
僕が知る限り、〈デジタルズ〉や〈ワイアード・フィレスト〉や〈ノット・ノット・ファン〉をもっとも早い頃から推していたのがワルシャワだった。僕が最初にポカホーンティッドのレコードを買ったのもこの店がまだ渋谷にあった頃だった。店長の柳澤祐至君が、2008年のある夏、「これ知ってますか?」と教えてくれたのが最初だった。まだすべてがミステリアスで、素性がわからない頃に、自分の耳だけを頼りに音の茂みに入り、音の探索を試みることの楽しさがある店だった。
ワルシャワはUSアンダーグラウンドにおけるカセットとヴァイナルの動向を早くから追っていたが、先走りすぎていた。下北沢に越してからは、その速度はさらに速まり......そして彼はレコード売りを止めて、店をヨルシャワへと方向転換した。〈CMP〉の連中もこの場所でDJパーティを開いていたことがある。
そのヨルシャワが今週末の金曜日で閉店することになった。店長の柳澤君は、1998年、店がまだ吉祥寺にあった頃から働いているので、およそ14年ものあいだエクスペリメンタルやドローンやアンビエント(そしてインディ・ロックやアンダーグラウンド・ヒップホップ、ミニマルやダブステップ......)の真っ直なかで汗をかいていたということになる。ワルシャワでしか買えないレコードは本当に多かった。また、ヨルシャワになってからもあのラフな感じが好きで通っていた人も少なくない。
以下、柳沢君からいただいたコメントです。
「レコード屋としてのwarszawaは3月に終っていたので、あらためてになりますが、長いあいだほんとうにありがとうございました。少し違う形で、ワルシャワまたはヤナギシャワとして続けていきますので、今後ともよろしくお願い致します! ――柳澤祐至」
柳澤君には一時期は原稿も書いてもらっていた。本当に長いあいだお疲れ様でした! ありがとうございました! 金曜2時から8時までのあいだ、半額セールをやっている。柳澤君に会いたい人は、お世話になった人は、この機会を逃すなよ!





